説明

反応射出成形および噴霧システムのための組成物

本発明においては、反応射出成形法および噴霧被覆によってつくられた成形品、およびそのような成形品および被覆をつくる方法が提供される。このような被覆および成形品はポリ尿素またはポリ尿素−ウレタンである。該被覆および成形品をつくるのに用いられる成分は、(A)芳香族ポリイソシアネート;および(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、(ii)芳香族第1級ジアミン、および(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物の少なくとも(A)および(B)を含んで成っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反応射出成形または噴霧システムによりポリ尿素およびポリ尿素−ポリウレタンを製造するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ尿素およびポリウレタン−尿素重合体をつくる際ジオールおよび芳香族ジアミンを含む連鎖伸長剤として有用であると指摘されている多くの多官能性化合物が存在している。これらの化合物はどれも例外なく理想的に使えるような反応性をもってはいず、多くのものはそれを使用することによってつくられる製品に満足すべき性質を賦与することに失敗している。従って連鎖伸長剤または硬化剤として作用し得る化合物を見つけることがなお要望されている。特許文献1には或る種のN,N’−ジアルキルフェニレンジアミンをポリウレタンおよびポリ尿素を製造する際の連鎖伸長剤として使用することが記載されている。この点に関連しては、樹脂結合剤の一部として第2級脂肪族ジアミンを使用することを記載した特許文献2、およびポリウレタン−尿素に対する硬化剤として芳香族ジアミンを使用することを記載した特許文献3も参照されたい。
【0003】
ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−尿素重合体は噴霧被覆および反応射出成形に使用されている。噴霧被覆はコンクリートの被覆、建物の被覆、二次格納容器の被覆、駐車場の床の被覆、水分密封用被覆、突風低減用被覆、屋根の被覆、橋梁の被覆、トンネルのライニング材、パイプのライニング材、マンホールのライニング材、トラックの床のライニング材などに用途が見出されている。反応射出成形は自動車、レジャー用の車輛および農業用装置の本体部材の製造に用途が見出されている。この点については、適切なゲル化時間をもった組成物により許容された物理的性質を有する被覆が得られる連鎖伸長剤の混合物が混入された噴霧システムが必要とされている。同様に、適切なゲル化時間、適切な型抜き特性、および許容される物理的性質をもった反応射出成形用混合物を与える連鎖伸長剤の混合物を含んだ反応射出成形法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,806,616号明細書。
【特許文献2】米国特許第4,528,363号明細書。
【特許文献3】米国特許第6,218,480 Bl号明細書。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、反応射出成形法によりつくられた噴霧被覆および成形品、並びに噴霧被覆を製造する方法、および連鎖伸長剤の混合物を用いて反応射出成形を行う方法が提供される。本発明においては、連鎖伸長剤の或る種の混合物により所望の物理的性質を有するポリ尿素およびポリ尿素−ウレタンが得られることが見出された。即ち本発明の特徴は連鎖伸長剤を適切に選ぶことにより、所望の特定の特性に依存して被覆の反応性および物理的性質をうまく調節することである。
【0006】
本発明の一具体化例においては、
(A)芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2
級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)を含んで成っている成分からつくられた噴霧被覆が提供される。
【0007】
他の具体化例においては、噴霧被覆をつくる方法であって、該方法は
(A)芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)を一緒にし、
該混合物を表面に噴霧することを特徴とする方法が提供される。
【0008】
さらに他の具体化例においては、反応射出成形法によってつくられた成形品であり、該成形品は
(A)芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)を含んで成る成分からつくられることを特徴とする成形品が提供される。
【0009】
本発明のさらに他の具体化例においては、反応射出成形品を製造する方法であって、該方法は
(I)(A)芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)からつくられた混合物を一緒にして成形混合物をつくり、
(II)(I)でつくられた該成形混合物を成形型の中に注入して成形品をつくり、
(III)成形型を開いて(II)でつくられた製品を取り出すことを特徴とする方法が提供される。
【0010】
本発明のこれらのおよび他の具体化例および特徴は下記の説明および特許請求の範囲からさらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明においては、被覆および成形品はポリウレタンまたはポリ尿素−ウレタンの重合体(しばしばポリ尿素−ポリウレタンと呼ばれる)である。同様に、本発明方法はポリ尿素またはポリ尿素−ウレタンの重合体を製造する方法である。
【0012】
ポリウレタン−尿素をつくるためには、ポリイソシアネート、通常好ましくはジイソシアネートをジオールと反応させる。ポリ尿素をつくるためにはポリイソシアネート(通常好ましくはジイソシアネート)をポリエーテルアミンと反応させる。
【0013】
I.成分
A.芳香族ポリイソシアネート
本発明の被覆、成形品、および方法における芳香族ポリイソシアネート(A)は少なくとも2個のイソシアネート基をもった有機ポリイソシアネートである。一般に、イソシアネートは自由な−NCO含量が少なくとも約0.1重量%である。好ましくはイソシアネートは自由な−NCO含量が少なくとも約10〜約35重量%である。本発明を実施するのに使用できる芳香族ポリイソシアネートにはフェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ビトルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、アルキル化されたベンゼンジイソシアネート、メチレンで遮断された芳香族ジイソシアネート、例えばメチレンで遮断されたジフェニルジイソシアネート、特に4,4−メチレンジフェニルジイソシアネートおよび2,4−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、メチレンで遮断された芳香族ジイソシアネートのアルキル化同族体(例えば3,3’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、および重合したメチレンジフェニルジイソシアネートが含まれる。本発明を実施する場合2種またはそれ以上の芳香族ポリイソシアネートを使用することができる。好適な芳香族ポリイソシアネートには2,4−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、4,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、およびこれらの混合物が含まれる。使用できるイソシアネートの例は例えば米国特許第4,595,742号明細書にも記載されている。
【0014】
B.ポリオールおよびポリエーテルアミン
ポリ尿素−ウレタンを製造するのに典型的に使用されるイソシアネートと反応するポリオール、およびポリ尿素およびポリ尿素−ウレタンを製造するのに典型的に使用されるポリエーテルアミン(しばしばアミン末端ポリオールと呼ばれる)は約60〜6,000以上の範囲の分子量をもっている。ポリオールは二価、三価または多価のポリオールであるが、通常は二価のポリオールである。適切なポリオールの例には(エチレンオキシ)グリコール、ジプロピレングリコール、ポリ(プロピレンオキシ)グリコール、ジブチレングリコール、ポリ(ブチレンオキシ)グリコール、および通常ポリカプロラクタムとして知られているカプロラクトンから得られる重合したグリコールが含まれる。本発明を実施する場合2種またはそれ以上のポリオールの混合物を使用することができる。ポリ尿素を製造するのに使用されるポリエーテルアミンはアミンでキャッピングされたポリオールであり、これはポリオールを、次いでアミンをアルキレンオキシド並びにアミンでキャッピングされたヒドロキシル含有ポリエステルと反応させた生成物である。本発明を実施する場合2種またはそれ以上のポリエーテルアミンの混合物を使用することができる。ポリエーテルアミンは典型的には約200〜約6000の範囲の分子量をもっている。Huntsman Chemical Company製のJeffamines(R)として知られており、Jeffamine(R) T−5000,即ち分子量約5000のポリプロピレンポリアミン、XTJ−509、即ち分子量約3000のポリプロピレンオキシドトリアミン、XTJ−510、即ち分子量約4000のポリプロピレンオキシドジアミン、およびJeffamine(R) D−2000、即ち分子量約2000のポリプロピレンオキシドジアミンを含む市販品は本発明を実施する上で好適なポリエーテルアミンである。
【0015】
C.連鎖伸長剤
本明細書を通じて成分(ii)および(iii)は総括的に連鎖伸長剤を表すものとする。本発明に使用される連鎖伸長剤は、炭素数が約12〜約40であり、アミノヒドロカルビル基が第2級または第3級のヒドロカルビル基である芳香族の第1級ジアミンおよび脂肪族の第2級ジアミンからつくられる。これらの成分は種々の割合で連鎖伸長剤の中に存在していることができ、好適な割合は被覆または製品を作るための所望の反応性によって変化する。
【0016】
1.成分(ii)
芳香族の第1級ジアミンは本発明に使用される連鎖伸長剤の成分(ii)である。
【0017】
本発明に使用できる一つのタイプの芳香族第1級ジアミンは、各アミノ基に対してオルト位にある少なくとも一つの場所に置換基として水素原子をもつ芳香族第1級ジアミンであり、該芳香族第1級ジアミンは環上に2個のアミノ基を有する一つのフェニル環の形をしているか、或いはアルキレン架橋によって連結された二つのフェニル環から成り、各フェニル環の上に一つのアミノ基をもった形をしている。フェニル環はその上に一つまたはそれ以上のヒドロカルビル基をもっていることができるが必ずしもその必要はない。ヒドロカルビル基は、それが環上に存在する場合、同一または相異なることができる。両方のアミノ基が一つの環上に存在する場合には、アミノ基は環上において互いに任意の位置にあることができるが、好ましくはアミノ基は互いにメタまたはパラの位置にある。アミノ基がアルキレン架橋によって連結された二つのフェニル環の上にある場合、これらのアミノ基は環上において任意の位置にあることができるが、好ましくはアルキレン架橋に対してメタまたはパラの位置に存在している。二つのに環から成るジアミンのアルキレン架橋は炭素数が1〜約6であり、好ましくはその炭素数は1〜約3である。さらに好ましくはアルキレン架橋の炭素数は1または2であり、極めて好ましくは1である。ヒドロカルビル基は、フェニル環上に存在する場合、同一または相異なることができる。芳香環上の適切なヒドロカルビル基の例にはメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、メチルシクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロオクチル、ノニル、デシル、フェニル、ベンジルなどが含まれる。芳香族ジイミンのフェニル環上にある(イミノ基に対してオルト位にある)好適なヒドロカルビル基は、炭素数が1〜約6の直鎖または分岐したアルキル基であり、特に好適なヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、またはこれらの基の二つまたはそれ以上の混合物である。この場合ブチル基に対して好適なものにはn−ブチル、sec−ブチル、およびt−ブチル基が含まれる。フェニル環上に一つまたはそれ以上のヒドロカルビル基が存在する場合、ヒドロカルビル基は1〜約20個の炭素原子を有することができ、好ましくはヒドロカルビル基は1〜約6個の炭素原子をもっている。
【0018】
一つのフェニル環上に両方のアミノ基を有するこのタイプの適切な芳香族第1級ジアミンの例には、これだけには限定されないが、1,2−ベンゼンジアミン、1,3−ベンゼンジアミン、1,4−ベンゼンジアミン、4−エチル−1,2−ベンゼンジアミン、2−イソプロピル−1,3−ベンゼンジアミン、4−t−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン、2−ペンチル−1,4−ベンゼンジアミン、4,5−ジヘキシル−1,2−ベンゼンジアミン、4−メチル−5−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン、4,6−ジ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン、2,5−ジオクチル−1,4−ベンゼンジアミン、2,3−ジエチル−1,4−ベンゼンジアミン、および4,5,6−トリヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンが含まれる。
【0019】
二つのフェニル環の各々の上に1個のアミノ基を有するこのタイプの適切な芳香族第1級ジアミンの例には、これだけには限定されないが、2,2’−メチレンビス(ベンゼンアミン、2,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、2,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、3,4’−メチレンビス(ベ
ンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、4,4’−(1,2−エタンジイル)メチレンビス(ベンゼンアミン)、2,2’−メチレンビス(5−t−ブチル−ベンゼンジアミン)、3,3’−メチレンビス(2−メチルメチレンビス(ベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(5−ペンチルベンゼンジアミン)、3,3’−メチレンビス(6−イソプロピルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(3−sec−ブチルベンゼンアミン、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2−メチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(2,4−ジペンチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(5,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,3−ジ−sec−ブチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルベンゼンアミン)などが含まれる。
【0020】
本発明に使用できる芳香族第1級ジアミンの他のタイプは、これが芳香族第1級ジアミンの好適なタイプであるが、アミノ基に対しオルト位にある(すぐ近所にある)各位置にヒドロカルビル基を有する芳香族第1級ジアミンであり、該芳香族第1級ジアミンはフェニル基が環上において互いにメタまたはパラ位にある二つのアミノ基をもつ形をしているか、或いは二つのフェニル環がアルキレン基の架橋によって連結されており各環に1個のアミノ基をもっている形をしている。(アミノ基に隣接した)フェニル環上のヒドロカルビル基は一般に最高約20個の炭素原子を有し、ヒドロカルビル基は同一または相異なることができる。二つの環から成る第1級ジアミンは1〜約6個の炭素原子を有し、好ましくは1〜約3個の炭素原子を有している。さらに好ましくはアルキレン架橋は1または2個の炭素原子を有し、アルキレン架橋がメチレンきである時に特に好適である。フェニル環上の特に好適なヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、およびこれらの基の二つまたはそれ以上の混合物である。この場合ブチル基はn−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル基を含んでいる。
【0021】
1個のフェニル環上に2個のアミノ基を有するさらに好適な芳香族第1級ジアミンは、互いにメタ位にあるアミノ基を有している。極めて好適なヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、およびこれらの混合物であり、この場合ブチル基に関して好適な基はn−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル基を含んでいる。2個のメタ位のアミノ基の間にあるヒドロカルビル基がメチル基であり残った二つのヒドロカルビル基がエチル基である芳香族第1級ジアミン、および2個のメタ位のアミノ基の間にあるヒドロカルビル基がエチル基であり残った二つのヒドロカルビル基の一つがメチル基であって他の一つがエチル基であるもの、およびそれらの混合物が特に好適である。また1個のアミノ基が二つのフェニル環の各々の上にあり、二つのフェニル環がアルキレン架橋で連結されており、両方のアミノ基はアルキレン架橋に対してパラ位にあるものもさらに好適な芳香族第1級ジアミンである。このタイプの特に好適な芳香族第1級ジアミンは、アミノ基に対してオルト位にある各ヒドロカルビル基がエチル基でありアルキレン架橋がメチレン基である化合物である。
【0022】
好適な芳香族第1級ジアミンは、アミノ基に対してオルト位の各位置にヒドロカルビル
基を有するものであり、該芳香族第1級ジアミンは一つのフェニル環が2個のアミノ基を有し該アミノ基は互いにメタまたはパラ位にある形をしているか、或いは該芳香族第1級ジアミンは互いにメタ位にあるアミノ基を有するか、および/またはオルト位のヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、またはこれらの混合物である形をしているものである。
【0023】
さらに好適な芳香族第1級ジアミンの例には3,6−ジ−n−ブチル−1,2−ベンゼンジアミン、2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベン
ゼンジアミン、2,4−ジイソプロピル−6−メチルl−1,3−ベンゼンジアミン、2−メチル−4,6−ジ−sec−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン、2−エチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,3,5−トリ−n−プロピル−1,4−ベンゼンジアミン、2,3−ジエチル−5−sec−ブチル−1,4−ベンゼンジアミン、3,4−ジメチル−5,6−ジヘプチル−1,2−ベンゼンジアミン、2,4,5,6−テトラ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン、2,3,5,6−テトラエチル−1,4−ベンゼンジアミン、2,2’−メチレンビス(6−n−プロピルベンゼンアミン)、2,2’−メチレンビス(3,6−ジ−n−プロピルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(2,6−ジ−n−ブチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルベンゼンアミン)、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、2,2’−メチレンビス(3,4,6−トリペンチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(2,5,6−トリヘキシルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,3,6−トリメチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,3,4,6−テトラメチルベンゼンアミン)などが含まれる。芳香族第1級ジアミンのこれらのさらに好適なタイプの中で特に好適なものは4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、および2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンとの混合物(DETDA、Ethacure(R)100)である。
【0024】
本発明に使用される芳香族第1級ジアミンに名称をつけるにはいくつかの方法があることは当業界の専門家には公知である。例えば本発明の特定の好適な芳香族第1級ジアミンを表す構造
【0025】
【化1】

【0026】
は2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−フェニレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、または3,5−ジエチル−トルエン−2,4−ジアミンと呼ぶことができる。同様に本発明の特に好適な芳香族第1級ジアミンを表す構造
【0027】
【化2】

【0028】
は4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、または3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンと呼ぶことができる。
【0029】
成分(iii)
成分(iii)は第2級または第3級のヒドロカルビル基であるアミノヒドロカルビル基を有する脂肪族の第2級ジアミンである。脂肪族の第2級ジアミンのアミノヒドロカルビル基は環式であるかまたは分岐していることができる。好ましくはアミノヒドロカルビル基は3〜約12個の炭素原子を有する分岐したアルキル鎖の基である。適切なアミノヒドロカルビル基の例にはイソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、3,3−ジメチル−2−ジブチル、3−ペンチル、シクロペンチル、4−ヘキシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチル、5−ノニルなどが含まれる。
【0030】
脂肪族第2級ジアミンはジアミンのヒドロカルビル部分が脂肪族であるヒドロカルビル第2級ジアミンである。ここで「ヒドロカルビル部分」とはアミノ基が結合している部分である。脂肪族ジアミンのヒドロカルビル部分は環式であるか、分岐しているかまたは直鎖であることができる。脂肪族第2級ジアミンのヒドロカルビル部分としては環式または直鎖のものが好適である。ジアミンのヒドロカルビル部分が環式である場合、環式の部分は融合環であるか、二環式の環であるか、または三環式のシステムであることができる(三環式のシステムは融合環および/または二環式の環を含んでいることができる)。アミノ基は環に直接結合していることができるか、または1個または両方のアミノ基が環の置換基である基に結合していることができる。脂肪族第2級ジアミンは典型的には約12〜約40の炭素原子を有し、好ましくは脂肪族第2級ジアミンは約15〜約25個の炭素原子を有している。連鎖伸長剤組成物中の芳香族第1級ジアミン対脂肪族第2級ジアミンの相対比は好ましくは当量基準で約9:1〜約1:9、さらに好ましくは当量基準で約3:1〜約2:3である。重量基準では連鎖伸長剤組成物中の芳香族第1級ジアミン対脂肪族第2級ジアミンの相対比は好ましくは約6:1〜約1:6、さらに好ましくはこの相対比は重量基準で約2:1〜約1:3である。
【0031】
本発明に使用できる脂肪族第2級ジアミンには、これだけには限定されないが、N,N’−ジ(l−シクロプロピルエチル)−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジ(3−ペンチル)−2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、N,N’−ジ−(2,4−ジメチル−3−ペンチル−1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N,N’−ジイソプロピル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−(2−ペンチル)−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−(3−ヘキシル)−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−(3−メチル−2,10−シクロヘキシル)−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジ−(2,5−ジメチルシクロペンチル)−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジ(イソフォリル)−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジ−(メンチル)−2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、およびN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−3(4),8(9)−ビス−(アミノメチル)−トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン(N,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCD−ジアミンとも云う)。好適な脂肪族第2級ジアミンにはN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサン、およびN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCD−ジアミンが含まれる。
【0032】
芳香族第1級ジアミン対脂肪族第2級ジアミンの相対比は当量基準で約5:1〜約1:5であることができる。好ましくは、芳香族第1級ジアミン対脂肪族第2級ジアミンの相対比は当量基準で約3:1〜約1:3である。
【0033】
ポリオールおよび/またはポリエーテルアミン対連鎖伸長剤の相対比は通常約1:1〜約1:4、好ましくは約1:1.5〜約1:3の範囲にある。
【0034】
D.他の成分
随時使用することができる他の成分には、これだけには限定されないが、燃焼遅延剤または燃焼抑制剤、触媒、溶媒、希釈剤、水分除去剤、促進剤、酸化防止剤、カップリング剤、安定剤、潤滑剤、表面活性剤、乳化剤、粘度調節剤、可塑剤、殺生物剤、帯電防止剤、充填剤、繊維補強材、例えば切断したガラス繊維、顔料、染料、膨張剤、発泡剤、チキソトロピー剤、気泡調節剤、および重合体および樹脂添加物である。ポリ尿素またはポリウレタン−尿素重合体を反応射出成形でつくる場合、随時加えられる成分には内部および/または外部型抜き剤も含まれる。
【0035】
II.本発明方法
本発明方法においては、「A側」反応物はポリイソシアネートを含んで成り、「B側」反応物はジアミン連鎖伸長剤および随時加えられる成分の混合物と一緒にされたポリオールおよび/またはポリエーテルアミンを含んで成っている。本発明の或る方法においては、ポリイソシアネートをポリオールおよび/またはポリエーテルアミンと混合して疑似予備重合体をつくる.疑似予備重合体を使用する場合、疑似予備重合体はA側反応物の少なくとも一部であり、B側反応物はなおポリオールおよび/またはエーテルアミンをジアミン連鎖伸長剤との混合物として含んでいる。本発明を実施する場合、疑似予備重合体を使用することがポリ尿素をつくる好適な方法である。
【0036】
A.噴霧被覆
本発明の被覆は二成分液体薬品系を混合し噴霧するように設計された高圧衝突噴霧装置を使用することによってつくられる。液体系はポリイソシアネート(A側)をポリオールおよび/またはポリエーテルアミンおよび連鎖伸長剤(B側)と混合してつくられ、このA側およびB側成分は装置の中で高圧において混合され、基質の上にポリ尿素またはポリ尿素−ウレタン被覆を生じるように基質の上に噴霧される。最低約0.03インチ(0.08cm)の厚さの被覆を得ることができる。一般に本発明の被覆は厚さが約0.05インチ〜約0.125インチ(0.32cm)の範囲であるが,この厚さの範囲から外れる被覆も本発明の範囲内に入るものとする。被覆の性質、例えばサンダビリティー(sandability)、耐久性、硬化温度、被覆の外観、および塗布パラメータ、例えば噴霧特性に悪影響を与えることなく、所望のゲル化時間を有する被覆を得ることができる。ガラスおよび合成繊維、織物または不織布、木材、コンクリート、石、および金属、例えば、金属箔および鋼を含む種々の物質の上に反応物を噴霧して被覆をつくることができる。必要に応じ反応物を被覆する前および/または被覆する際に基質を加熱することができる。
【0037】
噴霧被覆においては、ポリイソシアネート(A側)およびポリオールおよび/またはポリエーテルアミンおよび連鎖伸長剤(B側)は一般に別の容器に入れ、次いで可変のまたは固定した噴霧ノズルを用いて基質の上に一緒に噴霧する。通常、且つ好ましくはA側の反応物およびB側の反応物は実質的に等容積(例えば容積比1:1)で噴霧される。実質的に2:1(A側:B側)のような他の容積比も使用することができ、本発明の範囲内に入る。
【0038】
片方または両方の工程の流れにおいて些細な変動が起きてはいけないという印象をもってはならないということは、いくら強調してもし過ぎることはない。工程を行うのに実質的な影響を与えないような中断は本発明の範囲から除外されるものではない。極めて専門的な法律用語的解釈を避けるために、本発明を記述する際には「実質的に等しい」とか「実質的に2:1」という言葉は慎重に使用すべきであると考える。しかしどのような言葉を使おうとも、本発明方法は、当業界の専門家が本明細書の全文を偏見なく読み、これによって得られた本発明の精神を心に留めて本発明方法を行うようにして行われるべきである。
【0039】
所望のゲル化時間は特定の基質およびつくられる被覆の塗布方法によって変化するが、約2秒ないし約50秒のゲル化時間が典型的である。好適なゲル化時間は変化することができるが、約6秒〜約15秒の範囲であることが多い。上記のように、連鎖伸長剤の成分および/またはその相対的な割合を変化させると被覆に対するゲル化時間を変えることができる。
【0040】
B.反応射出成形
本発明の製品は反応射出成形によりつくられる。反応射出成形法においてはポリイソシアネート(A側反応物)およびポリオールおよび/またはポリエーテルアミンと連鎖伸長剤の混合物(B側反応物)を一緒にし、成形型に注入し、固化した製品がつくられる条件をかける。しかる後固化した製品を成形型から取り出す。
【0041】
さらに特定的には反応射出成形法は、A側およびB側の反応物を注入する前に通常一緒にする工程を含んで成っている。混合ヘッドの中で反応物を一緒にすることができ、ここからこの混合物を成形型に注入する。反応物が所望の重量比で運ばれるように反応物を供給することが推奨され、また好適である。混合後反応物は迅速に反応してポリ尿素またはポリウレタン/ポリ尿素重合体を生じる。反応射出成形法では重合体を主として成形型の中で反応させて成形品をつくることを意図している。成形前には反応物は通常別の容器に貯蔵される。
【0042】
所望のゲル化時間はつくられる成形品の特定の用途によって変化するが、約1秒〜約20秒のゲル化時間が典型的である。好ましいゲル化時間は、やはり変化するが、通常、約2〜約6秒の範囲である。上記のように、連鎖伸長剤および/またはその相対的な割合を変えると、成形品をつくるゲル化時間を変えることができる。
【0043】
下記の実施例は例示の目的で提示されたものであり、本発明の範囲を限定するつもりはない。
【0044】
下記の実施例においては、2.5ガロン(9.5L)の供給タンク、内径0.25インチ(6.35mm)、長さ60フィート(18m)の高圧ホース、および内部にある機械的な多供給型混合噴霧銃(Graco、Inc.、Fusion MP)を取り付けた二部分比例型噴霧機(two−part proportioning spray machine(Graco、Inc.、model # E−XP2)を用いて反応物を噴霧した。直接衝突混合モジュール(Graco、Inc.、model # XF181
8)を使用し、噴霧ノズルは金属合金であった(Graco、Inc.、CeramTip # 424)。この装置はA側およびB側の反応物を1:1の容積比で送り込むように設計されている。
【実施例1】
【0045】
(対照例)
二つのポリエーテルアミン、Jeffamine(R) D−2000およびJeffamine(R) T−5000(Huntsman Polyurethanes)、即ち2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン(Ethacure(R) 100、Albemarle
Corporation)の混合物、およびN,N’−ジ−(sec−ブチル)−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)(Unilink(R) 4200、Dorf Ketal Ltd.)を混合することによりB側反応物をつくった。それぞれの実験でB側の中の割合を変化させた。表1参照。各成分を最も近い0.1gまで秤量し、栓付きのライニングした5ガロン(約22L)の缶の中に量り込んだ。12kgのバッチをつくった。すべての成分を5ガロンの缶の中に入れた後、缶を密封し、水平のドラムローラーの上に置き、内部の混合物が均一になるまで周囲温度において4時間回転させた。
【0046】
A側の反応物は2,4−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)およびJeffamine(R) D−2000の疑似予備重合体であった。この疑似予備重合体はRubinate(R) 9480(Huntsman Polyurethanes)として市販されている。
【0047】
B側の反応物を噴霧機のタンクに装入し、窒素のパッド(55psi)をタンクの中に入れた。A側の反応物を噴霧機の他のタンクに装入し、窒素のパッド(55psi、3.79×10Pa)をタンクの中に入れた。ホースの中に窒素を含んだ空気を流し、ホースを通して4〜5Lの材料をフラッシングさせて前に使用した系の残留物を除去した。タンクの中の反応物を50℃に加熱し、混合/噴霧圧力を2100psi(1.45×10Pa)に設定した。
【0048】
一定量の液体の反応混合物を垂直のパネルに噴霧し、同時に噴霧を衝突させてからもはや被覆が流れなくなるまでの時間を測定することによりゲル化時間を測定した。
【0049】
磨いた表面をもつ金属のパネルを用い、これに厚さ0.125インチ(3.18mm)の棒を取り付けて四辺に堰をつくることによってパネルの成形型をつくった。シリコーン材料(Chesterton 983、型抜き剤)を用いてこの成形型の前処理を行い、被覆の除去を容易にした。試料用のパネルは、パネルの成形型を水平の位置に置き、パネルの成形型の上に反応混合物を何回も噴霧することによってつくった。得られたパネルが歪むことなく取り外し得るようになるまで(1〜2時間)室温で被覆を硬化させた。24時間後、それぞれASTM試験を行える寸法に従って試験部材をパネルから打ち抜いた。試験前2週間の間試験部材を75°F(±5°F)(約24℃±2.8℃)で老化させた。
【0050】
結果を表1にまとめる。示された各試料の値は3回の測定の平均値であり、1回に4個の試料を使用した。試料1はゲル化が速すぎて噴霧を行えなかった。二つの標準偏差値の外側にある結果は表1に示す値を決定するのに使用しなかった。
【0051】
【表1】

【実施例2】
【0052】
実施例1の方法を繰り返したが、連鎖伸長剤(B側の反応物に含まれる)はEthacure(R) 100およびN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンであった。結果を表2にまとめる。示された各試料の値は3回の測定の平均値であり、1回に4個の試料を使用した。
【0053】
【表2】

【0054】
本明細書の任意の場所において化学名または化学式で引用された反応物および成分は、単数または複数で引用されているかどうかには拘わらず、化学名または化学的な型によって引用された他の物質(例えば他の反応物、溶媒、等)と接触する前に存在したものとして認識される。得られた混合物または溶液の中でどのような予備的な化学変化、転移、および/または反応が起こっているかどうかは問題にならない。何故ならそのような変化、転移、および/または反応は本明細書の記載に従って要求される条件下において規定された反応および/または成分を一緒にした当然の結果だからである。従って反応物および成分とは所望の化学操作または反応を行うかまたは所望の操作または反応を行うのに使用される混合物をつくることに関連して一緒にされる要素として認識される。また、具体化例には現在形で物質、成分および/または要素が引用されている(「から構成される」、「含んで成る」、「ある」等)が、物質、成分または要素は、本発明に従ってそれらが1種またはそれ以上の他の物質、成分、および/または要素と最初に接触、配合、または混合
される直前の時期に存在したものとして引用されている。また、特許請求の範囲には現在形で物質が引用されている(「含んで成る」、「ある」等)が、物質は、本発明に従ってそれらが1種またはそれ以上の他の物質と最初に接触、配合、または混合される直前の時期に存在したものとして引用されている。
【0055】
特記しない限り、本明細書において使用された場合、冠詞「a」または「an」は本明細書に記載されているように、本明細書の記述または特許請求の範囲を該冠詞がつけられた単一の要素に限定するものではなく、またそれが限定事項であると考えるべきではない。そうではなく本明細書に使用された場合、および使用されているように、特記しない限り冠詞「a」または「an」は一つまたはそれ以上のこのような要素を含むものとする。
【0056】
本明細書の任意の部分において引用されたそれぞれの特許または他の刊行物、または出版された文書は、引用によりあたかもそれが本明細書に完全に記載されているように本明細書に包含されるものとする。
【0057】
本発明は添付特許請求の範囲の精神および範囲を逸脱することなくかなりの変形を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)を含んで成っている成分からつくられることを特徴とする噴霧被覆。
【請求項2】
(ii)は芳香族第1級ジアミンであり、該ジアミンにおいて1個のアミノ基に対してオルト位にある各位置にはヒドロカルビル基があり、また該芳香族第1級ジアミンは一つのフェニル環が環上に2個のアミノ基を有する形をしており、該アミノ基は互いにメタまたはパラ位にあるか、および/または
脂肪族第2級ジアミンのヒドロカルビル部分は直鎖であることを特徴とする請求項1記載の被覆。
【請求項3】
(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であるか、および/または
(iii)はN,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−アミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであることを特徴とする請求項1記載の被覆。
【請求項4】
(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であり、(iii)はN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであることを特徴とする請求項3記載の被覆。
【請求項5】
該ポリイソシアネートは4,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、またはそれらの混合物である請求項1〜4のいずれか一つに記載された被覆。
【請求項6】
噴霧被覆をつくる方法であって、該方法は
(A)少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)を一緒にし、
該混合物を表面に噴霧することを特徴とする方法。
【請求項7】
(ii)は芳香族第1級ジアミンであり、該ジアミンにおいて1個のアミノ基に対してオルト位にある各位置にはヒドロカルビル基があり、また該芳香族第1級ジアミンは一つのフェニル環が環上に2個のアミノ基を有する形をしており、該アミノ基は互いにメタまたはパラ位にあるか、および/または
脂肪族第2級ジアミンのヒドロカルビル部分は直鎖であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であるか、および/または
(iii)はN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項9】
(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であり、(iii)はN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
該ポリイソシアネートは4,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、またはそれらの混合物である請求項6〜9のいずれか一つに記載された方法。
【請求項11】
(i)の少なくとも一部は疑似予備重合体であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一つに記載された方法。
【請求項12】
反応射出成形法によってつくられた成形品であり、該成形品は
(A)芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)を含んで成っている成分からつくられることを特徴とする成形品。
【請求項13】
(ii)は芳香族第1級ジアミンであり、該ジアミンにおいて1個のアミノ基に対してオルト位にある各位置にはヒドロカルビル基があり、また該芳香族第1級ジアミンは一つのフェニル環が環上に2個のアミノ基を有する形をしており、該アミノ基は互いにメタまたはパラ位にあるか、および/または脂肪族第2級ジアミンのヒドロカルビル部分が直鎖であることを特徴とする請求項12記載の成形品。
【請求項14】
(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であるか、および/または
(iii)はN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであることを特徴とする請求項12記載の成形品。
【請求項15】
(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であり、(iii)はN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであることを特徴とする請求項14記載の成形品。
【請求項16】
該ポリイソシアネートは4,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、またはそれらの混合物である請求項12〜15のいずれか一つに記載された成形品。
【請求項17】
反応射出成形品を製造する方法であって、該方法は
(I)(A)芳香族ポリイソシアネート;および
(B)(i)少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、
(ii)芳香族第1級ジアミン、および
(iii)約12〜約40の炭素原子を有し、含まれるアミノヒドロカルビル基は第2級または第3級のヒドロカルビル基である脂肪族第2級ジアミンを含んで成る成分からつくられる混合物
の少なくとも(A)および(B)を一緒にして成形混合物をつくり、
(II)(I)でつくられた該成形混合物を成形型の中に注入して成形品をつくり、
(III)成形型を開いて(II)でつくられた製品を取り出すことを特徴とする方法。
【請求項18】
(ii)は芳香族第1級ジアミンであり、該ジアミンにおいて1個のアミノ基に対してオルト位にある各位置にはヒドロカルビル基があり、また該芳香族第1級ジアミンは一つのフェニル環が環上に2個のアミノ基を有する形をしており、該アミノ基は互いにメタまたはパラ位にあるか、および/または脂肪族第2級ジアミンのヒドロカルビル部分が直鎖であることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であるか、および/または
(iii)はN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
(iii)はN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンまたはN,N’−ジシクロヘキシル−1,6−ジアミノヘキサンであり、(ii)は2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンおよび4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物であることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
(i)は少なくとも1種のポリエーテルアミンであることを特徴とする請求項17〜20のいずれか一つに記載された方法。
【請求項22】
該ポリイソシアネートは4,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、2,4−メチレンジフェニルジイソシアネート、またはそれらの混合物である請求項17〜21のいずれか一つに記載された方法。
【請求項23】
(i)の少なくとも一部は疑似予備重合体であることを特徴とする請求項17〜22のいずれか一つに記載された方法。

【公表番号】特表2010−515811(P2010−515811A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545665(P2009−545665)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/050659
【国際公開番号】WO2008/086437
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】