説明

収容容器、吐出装置、及び収容容器の製造方法

【課題】ノズルの交換や洗浄等の作業を省略でき、検体や試薬等のコンタミネーションを防止でき、小型化及び簡略化がなされた吐出装置を実現するための、収容容器、吐出装置、及び、収容容器の製造方法を提供すること。
【解決手段】試料カセット2は、試料を収容している試料カセット2であって、試料が収容されているシリンダー21と、試料を吐出可能にシリンダー21の内部に封止している封止部23と、シリンダー21に収容されている試料を封止部23に導入させ、当該封止部23を介して吐出させるように、所定の押圧手段に押圧されるピストン22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を収容する収容容器、試料を吐出する吐出装置、及び、収容容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容容器に収容された血液等の検体や抗体等の試薬を、所定量吸引し吐出する吐出装置が用いられている。例えば、着脱可能なノズルチップをシリンジに接続し、当該シリンジ内の容積をピストン等の所定手段によって調整することにより、ノズルチップを介して検体等の吸引や吐出を行わせる分注装置がある。
【0003】
具体的には、シリンジ、ピストン、パイプ、パイプに結合されたノズルチップ、シリンジとパイプの間に設けられた電磁弁、及び、ピストンを駆動するピストン駆動部を備え、シリンジとピストンが形成する容器の容積をピストン駆動部によって制御させる分注装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−250832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような分注装置においては、ノズルチップの使用後に当該ノズルチップに残留している検体や試薬等が、種類の異なる検体等と混合して汚染を発生させることを防止するため、分注を実施する度にノズルチップを交換する必要があった。また、ノズルチップの交換を行わない形式の分注装置においては、分注を実施する度にノズルチップの洗浄を行う必要があった。
【0006】
しかし、ノズルチップの交換を行う場合、大量のノズルチップの使用に伴うコストの増大を招くほか、ノズルチップ交換作業の煩雑さや、大量に発生する使用済みノズルチップの廃棄処分の必要性等の問題が生じていた。一方、ノズルチップの洗浄を行う場合は、洗浄液が必要である共に、使用済みの洗浄液の廃棄処分も必要となるため、やはりコストの増大を招いていた。さらに、洗浄作業後のキャリブレーションが必要であるなど、作業自体も煩雑であり、洗浄が不十分であった場合にはコンタミネーションが発生するおそれもあった。
【0007】
また、分注精度の向上を図った結果、ピストン駆動部の大型化や、それに伴うシリンジとノズルチップとの間のパイプの延長等、装置全体の大型化及びコスト上昇を招いていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ノズルの交換や洗浄等の作業を省略でき、検体や試薬等のコンタミネーションを防止でき、小型化及び簡略化がなされた吐出装置を実現するための、収容容器、吐出装置、及び、収容容器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の収容容器は、試料を収容している収容容器であって、前記試料が収容されている収容空間と、前記試料を吐出可能に前記収容空間の内部に封止している封止手段と、前記収容空間に収容されている試料を前記封止手段に導入させ、当該封止手段を介して吐出させるように、所定の押圧手段に押圧される被押圧手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の収容容器は、請求項1に記載の収容容器において、前記封止手段は、前記収容空間の内部に所定圧力以上の圧力が負荷されると、前記試料を吐出可能とするように当該収容空間の内部と外部とを連通させる、吐出路を備えること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の収容容器は、請求項2に記載の収容容器において、前記封止手段は、相互に対向するフィルムを相互に貼り合わせた積層フィルムであり、前記吐出路は、前記収容空間の内部に所定圧力以上の圧力が負荷されると前記対向するフィルムが相互に剥離する接着強度にて接着された、第1の接着領域であること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の収容容器は、請求項3に記載の収容容器において、前記第1の接着領域における接着強度を超える強度を有する第2の接着領域を、前記吐出路の周囲の少なくとも一部に設けたこと、を特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の収容容器は、請求項2から4のいずれか一項に記載の収容容器において、複数の前記収容空間と、前記複数の収容空間の各々に対応する複数の前記封止手段と、前記複数の収容空間の各々に対応する複数の前記被押圧手段と、を備え、前記複数の封止手段は、相互に一体に形成され、当該複数の封止手段が有する複数の前記吐出路のうち少なくとも一部の吐出路の間を相互に隔離する隔離手段を備えること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の収容容器は、請求項5に記載の収容容器において、前記隔離手段は、前記複数の吐出路の間を切り欠いた切り欠き部を有すること、を特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の吐出装置は、試料を吐出する吐出装置であって、請求項1から6のいずれか一項に記載の収容容器と、前記収容容器を保持する保持手段と、前記収容容器に収容されている試料を吐出させるように前記被押圧手段を押圧する押圧手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の収容容器の製造方法は、請求項1から6のいずれか一項に記載の収容容器の製造方法であって、前記収容空間に前記被押圧手段を挿入する挿入工程と、前記挿入工程の後に前記収容空間に試料を注入する注入工程と、前記注入工程の後に前記封止手段によって前記試料を吐出可能に前記収容空間の内部に封止する封止工程と、を含むこと特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の本発明によれば、試料を収容空間の内部に封止手段によって封止するとともに、所定の押圧手段によって被押圧手段が押圧された場合には、当該被押圧手段によって試料を封止手段に導入させ、当該封止手段を介して試料を吐出させることができる。従って、試料を収容している収容容器自体から試料を吐出させることができるので、別途ノズルチップを取り付ける必要が無い。また、試料を吐出させた後は収容容器自体を廃棄すればよいので、洗浄作業等も必要がない。これにより、作業の簡略化を実現できる。また、洗浄作業の省略化に伴い、不十分な洗浄作業に起因するコンタミネーションのおそれを回避することができる。さらに、ノズルチップの着脱機構や、シリンジ容積の調節機構等の複雑な機構を省略することができるので、装置全体の小型化や簡略化を実現することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の本発明によれば、収容空間の内部に所定圧力以上の圧力が負荷された場合に、吐出路が開放され、試料が吐出される。従って、被押圧手段を押圧せず収容空間の内部圧力を所定圧力未満に維持している場合には、試料を収容空間に収容させておくことができる。また、被押圧手段を押圧し、収容空間の内圧を上昇させるという単純な動作のみで、収容空間から試料を吐出させることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の本発明によれば、相互に対向するフィルムを相互に貼り合わせた積層フィルムを封止手段としていると共に、所定の接着強度にて接着された第1の接着領域を、吐出路としている。従って、収容空間の内部圧力が所定圧力未満である間は、第1の接着領域において貼り合わされた積層フィルムによって試料を封止させることができ、収容空間の内部圧力が所定圧力以上となった場合には、対向するフィルムが相互に剥離することで吐出路が開放され、試料を吐出させることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の本発明によれば、収容空間の内部に所定圧力以上の圧力が負荷された場合において、第1の接着領域が剥離した場合に、当該第1の接着領域の周囲に位置している第2の接着領域の接着状態が維持されていることにより、吐出路の形状を維持することができ、所定の方向に試料を吐出させることができる。
【0021】
また、請求項5に記載の本発明によれば、収容容器は複数の収容空間を備えているので、複数種類の試料を一つの収容容器に収容することができる。また、複数の収容空間に対して、封止手段を相互に一体に形成しているので、収容容器の製造時における封止手段の取り付け工程を簡略化することができる。また、複数の収容空間に対応して設けられている複数の吐出路の間に隔離手段を設けているので、隣接する吐出路の間で試料が漏出し、コンタミネーションを発生させることを防止することができる。
【0022】
また、請求項6に記載の本発明によれば、隣接する吐出路の間は切り欠き部によって相互に隔てられているので、吐出路から吐出された試料が封止手段の一部を介して隣接する吐出路に漏出し、コンタミネーションを発生させることを防止することができる。
【0023】
また、請求項7に記載の本発明によれば、収容容器を備える吐出装置を用いることにより、保持手段によって収容容器を保持させ、押圧手段によって被押圧手段を押圧させるという単純な動作のみで、収容容器から試料を吐出させることができる。従って、複雑な分注機構等を必要とせず、吐出装置の構成を小型化・簡略化することができる。
【0024】
また、請求項8に記載の本発明によれば、収容空間に被押圧手段を挿入し、試料を注入した後に、当該収容空間に封止手段を取り付けるので、収容空間の内圧を上昇させること無く試料を封止することができ、試料の漏出の可能性を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る収容容器、吐出装置、及び、収容容器の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について順次説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態に係る収容容器は試料の収容を目的とするものであり、実施の形態に係る吐出装置は収容容器に収容されている検体等を吐出させることを目的とするものであり、実施の形態に係る収容容器の製造方法は上述の収容容器の製造を目的とするものである。ここで、試料とは、吐出の対象となる物質全般をいい、例えば、分析における検体となる血液、尿、土壌等、及び、これらの検体と混合、反応等させるための試薬等を含む。
【0027】
実施の形態に係る収容容器及び吐出装置の適用対象は任意であり、例えば、薬品の実験や製造、あるいは、医療目的の分析、生化学的な分析等における試料の吐出に適用することができる。
【0028】
実施の形態に係る収容容器の特徴の一つは、概略的に、試料を収容空間の内部に封止手段によって封止するとともに、所定手段に押圧される被押圧手段によって封止手段に試料を導入させることで、この封止手段を介して収容空間の内部から外部に試料を吐出可能とした点にある。従って、試料を収容している収容容器自体から試料を吐出させることができるので、別途ノズルチップを取り付ける必要が無く、試料を吐出させた後は収容容器自体を廃棄すればよいので、洗浄作業等も必要がない。これにより、作業の簡略化を実現できる。また、洗浄作業の省略化に伴い、コンタミネーションのおそれを回避することができる。さらに、ノズルチップの着脱機構や、シリンジ容積の調節機構等の複雑な機構を省略することができるので、装置全体の小型化や簡略化を実現することができる。
【0029】
また、実施の形態に係る吐出装置の特徴の一つは、概略的に、収容容器を保持する保持手段と、収容容器から試料を吐出させるための押圧手段とを備えている点にある。吐出装置によって、収容容器の保持と試料の吐出のための押圧動作とを行わせることのみで、収容容器から試料を吐出させることができるので、従来の分注装置と比較して装置を小型化・簡略化することができる。
【0030】
また、実施の形態に係る収容容器の製造方法の特徴の一つは、概略的に、収容空間への被押圧手段の挿入工程と、収容空間への試料の注入工程とが完了した後に、試料を封止手段によって封止する封止工程を行う点にある。これにより、被押圧手段及び試料に影響を与えることなく試料を封止することができると共に、封止手段を介して吐出可能な状態に試料を封止することができる。
【0031】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る実施の形態の具体的内容について説明する。まず、収容容器及び吐出装置について説明し、次に、収容容器の製造方法について説明する。
【0032】
〔収容容器及び吐出装置〕
図1は吐出装置の概要を示す斜視図である。図1に示すように、吐出装置1は、試料カセット2、押圧部3、本体4、保持部5、ステージ6、及び、図示しない制御部を備えている。
【0033】
(吐出装置の構成−試料カセット2)
試料カセット2は、試料を収容するためのものであり、特許請求の範囲における収容容器に対応している。図2は試料カセット2の全体を示した正面図、図3は図2におけるA−A断面を示した側断面図である。図2に示すように、試料カセット2は、ケース20、シリンダー21、ピストン22、及び、封止部23を備えている。
【0034】
(試料カセット2の構成−ケース20)
ケース20は、試料カセット2の基本構造体である。ケース20の具体的な形状や材料は任意であるが、例えば、図1に示したように、略直方体として形成することができる。この場合、保持部5によって保持される突起部20aを設けても良い。また、材料としては、例えば、樹脂、ガラス、金属等を用いることができる。光を透過させる樹脂やガラスを材料として用いる場合には、試料カセット2に収容されている試料が外部光の入射によって劣化することを防止するため、アルミニウムを蒸着させたフィルム等でケース20の表面を被覆することが望ましい。
【0035】
(試料カセット2の構成−シリンダー21)
シリンダー21は、試料を収容させるための空間であり、特許請求の範囲における収容空間に対応している。具体的には、シリンダー21は、ケース20を貫通する略円柱状の空間として形成されており、一方の端部は開口とされ、他方の端部は封止部23によって封止されている。一つのケース20に対するシリンダー21の数は任意であり、一つ又は複数のシリンダー21をケース20に設けることができる。図1及び図2に示した例では、5つのシリンダー21が一列に配列されてケース20に設けられている。
【0036】
(試料カセット2の構成−ピストン22)
ピストン22は、シリンダー21に収容されている試料を封止部23に導入させるものであり、特許請求の範囲における被押圧手段に対応している。ピストン22は、略円板であり、当該円板の周縁がシリンダー21の内周と密着するように形成されている。上述のように、複数のシリンダー21がケース20に設けられている場合には、各々のシリンダー21の内部に、当該シリンダー21の長軸方向に摺動自在にピストン22が設置されている。なお、ピストン22の具体的な材料は任意であるが、シリンダー21の内周との密着性を向上させるため、シリコーンゴムの如き弾性体を用いたパッキンやOリングを当該ピストン22の周縁に設けることが望ましい。
【0037】
(試料カセット2の構成−封止部23)
封止部23は、試料をシリンダー21の内部に封止するためのものであり、特許請求の範囲における封止手段に対応している。図4は図3に示した領域Bを拡大した拡大側断面図、図5は第1のフィルム24と第2のフィルム25との接着面を示した拡大断面図である。図4及び図5に示すように、封止部23は、第1のフィルム24、第2のフィルム25、吐出路26、及び、隔離部27を備えている。
【0038】
第1のフィルム24及び第2のフィルム25は、封止部23の本体を成す部分であり、シリンダー21の両端部のうち、一方の端部を被覆している。具体的には、略長方形に形成されている第1のフィルム24及び第2のフィルム25の各々が、シリンダー21の列に沿うように、且つ、ケース20の両側面から当該ケース20を挟むように配置され、シリンダー21の端部上で相互に対向して貼り合わされている。なお、フィルムの具体的な材料は任意であり、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂を用いることができる。また、吐出路26を介して試料を吐出させるため、柔軟性及び弾性を有する材料を用いることが望ましい。また、遮光性を向上させるために、フィルムの表面にアルミニウム等を蒸着させてもよい。さらに、吐出路26における試料の残留防止のため、第1のフィルム24と第2のフィルム25の各々における貼り合せ面に疎水性のコーティングを施してもよい。
【0039】
吐出路26は、シリンダー21に収容されている試料を当該シリンダー21の外部に吐出させる際の流路となる部分である。吐出路26の具体的な構成は任意であるが、例えば、シリンダー21の内部圧力が所定圧力未満の場合は吐出路26が閉鎖され、所定圧力以上の圧力が負荷された場合は当該圧力によって吐出路26が開放されるように構成することができる。
【0040】
具体的には、本実施の形態においては、第1のフィルム24と第2のフィルム25とを相互に貼り合わせた部分のうち、シリンダー21の長軸の延長線上に位置している領域及びその近傍であって、シリンダー21の内部と外部とを連係する領域を、第1の接着領域28としている。この第1の接着領域28においては、シリンダー21の内部に所定圧力以上の圧力が負荷されると相互に剥離する接着強度にて、第1のフィルム24と第2のフィルム25とが接着されている。第1の接着領域28において第1のフィルム24と第2のフィルム25とが相互に剥離していない状態では、第1の接着領域28の接着剤によって、シリンダー21の内部と外部との間が遮蔽され、シリンダー21に収容されている試料が封止されている。一方、第1の接着領域28において第1のフィルム24と第2のフィルム25とが相互に剥離した状態では、当該剥離した第1の接着領域28が、シリンダー21の内部と外部とを連通させる吐出路26となるので、当該吐出路26を介してシリンダー21に収容されている試料が吐出される。なお、第1の接着領域28の形状は任意であるが、例えば、図5に示したように、シリンダー21の端面に近接している側から離れるに従って幅が縮小された略V字型の形状とすることができる。
【0041】
また、吐出路26の周囲の一部は、第1の接着領域28における接着強度を超える強度を有する第2の接着領域29として接着されている。具体的には、図5に示したように、第1のフィルム24と第2のフィルム25との貼り合わせ部分において、第1の接着領域28の外縁であって、シリンダー21の内部及び外部と第1の接着領域28とが相互に接している領域を除いた部分が、第2の接着領域29として形成されている。また、第1のフィルム24及び第2のフィルム25とケース20との貼り合わせ部分についても、第2の接着領域29としている。
【0042】
隔離部27は、各シリンダー21に対応して設けられている複数の吐出路26の間を相互に隔離するためのものであり、特許請求の範囲における隔離手段に対応している。隔離部27の具体的な構成は任意であるが、例えば、第1のフィルム24と第2のフィルム25とが貼り合わされている部分のうち、複数の吐出路26の間の領域全体を上述の第2の接着領域29とし、当該第2の接着領域29を隔離部27とすることができる。
【0043】
なお、封止部23を、複数のシリンダー21の各々に対して個別に設けてもよいが、図2に示したように、一組の第1のフィルム24と第2のフィルム25とを用いて相互に一体に形成してもよい。後者の場合には、複数のシリンダー21の各々に対して複数の吐出路26を個別に設けることにより、複数のシリンダー21から相互に独立して試料を吐出させることができる。
【0044】
(吐出装置の構成−押圧部3)
押圧部3は、試料カセット2におけるピストン22を押圧するためのものであり、特許請求の範囲における押圧手段に対応している。図1に示したように、押圧部3は、ロッド30、ストッパー31、及び、図示しない駆動部を備えている。
【0045】
ロッド30は、ピストン22に当接して当該ピストン22を押圧するものであり、略棒状体として形成されている。ロッド30の外径はシリンダー21の内径よりも小さく形成され、吐出装置1に設置されたシリンダー21の長軸方向と当該ロッド30の長軸方向とが、略平行となるように配置されている。
【0046】
ストッパー31は、ロッド30によってピストン22を押圧させた場合において、ピストン22をシリンダー21の内部の所定位置で停止させるために、シリンダー21に挿入されたロッド30を所定の位置で停止させるための停止手段である。ストッパー31の具体的な構成は任意であるが、例えば、図1に示したように、シリンダー21の内径よりも大きい外径を有する略円板体を、ロッド30の中間部の任意の位置に設けてもよい。この場合、略円板体の円板面がロッド30の長軸方向と略直交するように、ストッパー31は配置される。
【0047】
駆動部は、ロッド30を動作させる駆動手段であり、本体4の任意の位置に設置されている。駆動部の具体的な構成は任意であるが、少なくともロッド30を当該ロッド30の長軸方向に沿って直進動作させることができる既知の駆動手段であればよく、例えば、モーターとギアを組み合わせて構成することができる。この場合には、ストッパー31がシリンダー21の周縁部によって掛止されることでロッド30の動作が停止された際にモーターやギアに過度の負荷が生じることを防止するため、ギアに所定以上のトルクが負荷された場合にはギアが空転するスリップ機構を設けてもよい。
【0048】
(吐出装置の構成−本体4)
本体4は、吐出装置1の基本構造となる部分であり、駆動部、保持部5、及び、ステージ6を支持している。本体4の具体的な構成は任意であり、例えば、図1に示したように、複数の略平板を相互に組み合わせた構造としてもよく、あるいは、枠構造や、箱状構造としてもよい。
【0049】
(吐出装置の構成−保持部5)
保持部5は、試料カセット2を保持するための保持手段である。保持手段の具体的な構成は任意であるが、例えば、図1に示したように、ケース20に設けられている突起部20aを保持可能であって、本体4によって支持されている棒状体として形成されている。なお、本体4に対して保持部5をシリンダー21の長軸方向と直交する方向、且つ、シリンダー21の列に沿った方向に移動可能とすることで、試料カセット2を移動可能とできるように、保持部5の移動手段を設けてもよい。移動手段としては、モーターやギアを組み合わせた既知の移動機構を用いることができる。これにより、ロッド30の位置を移動させることなく、当該ロッド30によって押圧させるピストン22を変更することができる。
【0050】
(吐出装置の構成−ステージ6)
ステージ6は、試料カセット2から吐出される試料の注入対象となる容器9を保持するためのものである。ステージ6の具体的な構成は任意であり、例えば、図1に示したように、複数の容器9を保持可能な略平板体として形成することができる。この場合、試料カセット2の位置を変えることなく、容器9の位置を変えることで、複数のシリンダー21の各々に収容されている試料を同一の容器9に対して吐出可能とするために、ステージ6を面内方向に移動させる既知の移動機構を設けてもよい。
【0051】
(吐出装置の構成−制御部)
制御部は、吐出装置1の動作を制御するための制御手段である。より詳細には、制御部は、駆動部、保持部5、及び、ステージ6の動作を制御し、任意のシリンダー21に収容されている試料を任意の容器9に吐出させる。この制御部の具体的な構成は任意であり、例えば、所定の入力手段を介して入力された指示情報に基づいて、予め定められている距離だけ駆動部、保持部5、又はステージ6を動作させる、組込システムとして構成することができる。
【0052】
(吐出装置の動作)
次に、上述の構成を有する吐出装置1によって試料を吐出させる際の動作について説明する。図6は試料カセット2を保持部5にセットした初期状態の吐出装置1の正面図、図7はシリンダー21の選択段階における吐出装置1の正面図、図8はピストン22の押圧段階における図7に示したB−B断面の側断面図、図9は吐出段階における図8に示した領域Eの拡大側断面図、図10は吐出段階における図7に示したB−B断面の側断面図、図11から図14は吐出段階における封止部23の拡大側断面図、図15はロッド30の動作停止段階における図7に示したB−B断面の側断面図である。
【0053】
(試料を吐出させるシリンダー21の選択)
まず、試料を吐出させるシリンダー21を選択する。具体的には、複数のシリンダー21のうちいずれかのシリンダー21からの試料吐出を指示する旨の入力が、所定の入力手段を介して入力されると、制御部は入力された指示に基づいて、保持部5又はステージ6の少なくともいずれか一方を動作させる。これにより、当該指示のされたシリンダー21(図7における21C)が、試料の注入対象となっている容器9(図7における9D)の直上、且つ、ロッド30の直下に配置される(図7)。
【0054】
(ピストン22の押圧)
続いて、制御部は、駆動部を動作させ、ロッド30によってピストン22を押圧させる。ロッド30は、駆動部によって、当該ロッド30の長軸方向に沿って下向きに動作され、当該ロッド30の下端においてピストン22の上面に当接する。さらに駆動部がロッド30を動作させ、当該ロッド30によってピストン22が押圧されることで、シリンダー21に収容されている試料は、ピストン22によって直接、又は、シリンダー21内部の気体を介して、封止部23に向かって押圧される(図8)。
【0055】
(吐出)
ピストン22によって封止部23に向かって押圧された試料は、シリンダー21の底面まで到達すると、封止部23に接触する。この時、封止部23における第1の接着領域28には、ロッド30からピストン22に加えられている力が、ピストン22から試料を介してシリンダー21の内圧として伝達される。このシリンダー21の内圧は、第1のフィルム24と第2のフィルム25とを相互に剥離させる方向の力として作用する。ロッド30からピストン22に加えられる力が大きくなり、シリンダー21の内圧が所定圧力以上となった場合、当該シリンダー21の内圧によって、第1の接着領域28において第1のフィルム24と第2のフィルム25とが相互に剥離する(図9)。この剥離状態では、当該剥離した第1の接着領域28が、シリンダー21の内部と外部とを連通させる吐出路26となるので、当該吐出路26を介してシリンダー21に収容されている試料が吐出され、所定の容器9に注入される(図10)。なお、試料の吐出を中断させると共にステージ6を動作させ、新たな容器9を試料の注入対象とした上で試料の吐出を再開させてもよい。
【0056】
ピストン22がロッド30に押圧され、封止部23に向かって移動している間は、シリンダー21の内圧によって第1のフィルム24と第2のフィルム25とが押し広げられている状態が保たれ、試料の吐出が継続される(図11)。さらにピストン22が移動し、封止部23に当接すると、当該ピストン22は停止する(図12)。この場合、第1のフィル24と第2のフィルム25とにおいて、その弾性によって剥離前の状態に戻ろうとする力が作用し(図13)、当該第1のフィルムと第2のフィルムとによって、吐出路26に残存していた試料が全て押し出される(図14)。これにより、シリンダー21に収容されていた試料を全て吐出させることができる。従って、予め必要量の試料をシリンダー21に収容させておくことにより、当該必要量の試料を正確に吐出させることができる。
【0057】
(ロッド30の動作停止)
上述のように、ロッド30によるピストン22の押圧が継続され、ピストン22がシリンダー21の底面まで到達し、シリンダー21に収容されていた試料が全て吐出されるか、あるいは、ストッパー31がケース20の上面にて掛止された場合、駆動部のスリップ機構が作用し、それ以上のロッド30の動作が停止される(図15)。なお、必要な試料を吐出させ、試料カセット2が不要となった場合には、当該試料カセット2を保持部5から取り外し、廃棄する。さらに必要な場合には、新たな試料カセット2を保持部5に設置することで、即座に試料の吐出を再開することができる。
【0058】
〔収容容器の製造方法〕
次に、収容容器の製造方法について説明する。図16から図18は、試料カセット2の各製造工程における収容容器の状態を示した概要図である。試料カセット2を製造する場合には、まず、シリンダー21の内部の所定位置までピストン22を挿入する(図16)。
【0059】
次に、シリンダー21の内部に、所定量の試料を注入する。この際、ピストン22が、試料が収容されているシリンダー21の底面となるように、試料カセット2の向きが決定される(図17)。
【0060】
続いて、シリンダー21における、注入された試料を挟んでピストン22と反対側の端面を覆うように、封止部23が取り付けられる(図18)。封止部23については、予め第1のフィルム24と第2のフィルム25とが貼り合せられ、吐出路26及び隔離部27が形成されている状態のものを試料カセット2に取り付けてもよい。あるいは、第1のフィルム24及び第2のフィルム25の各々を、試料カセット2に取り付けるのと同時に相互に貼り合わせても良い。
【0061】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、試料をシリンダー21の内部に封止部23によって封止するとともに、押圧部3によってピストン22が押圧された場合には、当該ピストン22によって試料を封止部23に導入させ、当該封止部23を介して試料を吐出させることができる。従って、試料を収容している試料カセット2自体から試料を吐出させることができるので、別途ノズルチップを取り付ける必要が無い。また、試料を吐出させた後は試料カセット2自体を廃棄すればよいので、洗浄作業等も必要がない。これにより、作業の簡略化を実現できる。また、洗浄作業の省略化に伴い、不十分な洗浄作業に起因するコンタミネーションのおそれを回避することができる。さらに、ノズルチップの着脱機構や、シリンジ容積の調節機構等の複雑な機構を省略することができるので、装置全体の小型化や簡略化を実現することができる。
【0062】
また、シリンダー21に所定以上の圧力が負荷された場合に、吐出路26が開放され、試料が吐出される。従って、ピストン22を押圧せずシリンダー21の内圧を所定圧力未満に維持している場合には、試料をシリンダー21に収容させておくことができる。また、ピストン22を押圧し、シリンダー21の内圧を上昇させるという単純な動作のみで、シリンダー21から試料を吐出させることができる。
【0063】
また、第1のフィルム24と第2のフィルム25とを相互に貼り合わせて封止部23を形成していると共に、所定の接着強度にて接着された第1の接着領域28を、吐出路26としている。従って、シリンダー21の内部圧力が所定圧力未満である間は、第1の接着領域28において貼り合わされた第1のフィルム24及び第2のフィルム25によって試料を封止させることができ、シリンダー21の内部圧力が所定圧力以上となった場合には、第1のフィルム24と第2のフィルム25とが相互に剥離することで吐出路26が開放され、試料を吐出させることができる。
【0064】
また、シリンダー21の内部に所定圧力以上の圧力が負荷された場合において、第1の接着領域28が剥離した場合に、当該第1の接着領域28の周囲に位置している第2の接着領域29の接着状態が維持されていることにより、吐出路26の形状を維持することができ、所定の方向に試料を吐出させることができる。
【0065】
また、試料カセット2は複数のシリンダー21を備えているので、複数種類の試料を一つの試料カセット2に収容することができる。また、複数のシリンダー21に対して、一組の第1のフィルム24と第2のフィルム25とを用いて封止部23を相互に一体に形成しているので、試料カセット2の製造時における第1のフィルム24及び第2のフィルム25の貼り合わせの工程を簡略化することができる。また、複数のシリンダー21に対応して設けられている複数の吐出路26の間に隔離部27を設けているので、隣接する吐出路26の間で試料が漏出し、コンタミネーションを発生させることを防止することができる。
【0066】
また、試料カセット2を備える吐出装置1を用いることにより、保持部5によって試料カセット2を保持させ、押圧部3のロッド30によってピストン22を押圧させるという単純な動作のみで、試料カセット2から試料を吐出させることができる。従って、複雑な分注機構等を必要とせず、吐出装置1の構成を小型化・簡略化することができる。
【0067】
また、シリンダー21にピストン22を挿入し、試料を注入した後に、当該シリンダー21に封止部23を取り付けるので、シリンダー21の内圧を上昇させること無く試料を封止することができ、試料の漏出の可能性を低減させることができる。
【0068】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0069】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0070】
(試料カセット2について)
上述の実施の形態では、5つのシリンダー21が一列に配列されてケース20に設けられていると説明したが、シリンダー21の数や配列を任意に変更することができる。例えば、図19に示したように、シリンダー21を2列に配列させることもできる。また、この場合に、複数のロッドを用いて複数のピストン22を同時に押圧させるようにすることもできる。これにより、複数の容器に対して同時し試料を注入させることができ、試料の分析等に要する時間を短縮することができる。
【0071】
また、図20に示したように、シリンダー21を同一の円周上に配列し、試料カセット2をコンパクトにすることもできる。この場合には、第1のフィルム24及び第2のフィルム25を、シリンダー21の列に沿うように配置し、相互に貼り合わせることにより、封止部23を略輪体として一体に形成することができる。また、シリンダー21の列が形成する円の中心を軸として試料カセット2を回転させることで、同じ位置に配置されているロッドを用いて複数のシリンダー21のピストン22を押圧させることができる。
【0072】
また、図21に示したように、ピストン22とロッド30とを相互に一体に形成したピストンロッドを用いることもできる。この場合には、押圧部3を備えた吐出装置1を用いることなく、人の手でシリンダー21から試料を吐出させることができる。
【0073】
(吐出路26について)
また、上述の実施の形態では、所定圧力以上の圧力が負荷された場合は当該圧力によって吐出路26が開放されると説明したが、その他の方法により吐出路26が開放されるように構成しても良い。例えば、吐出路26を閉鎖させるための栓体を設け、当該栓体に熱を加えることにより変形、溶解等させて開放させたり、吐出路26の先端に着脱可能なキャップを取り付け、作業者の手により当該キャップを取り外すことにより開放させてもよい。
【0074】
また、シリンダー21の内部に所定圧力以上の圧力が負荷されると第1のフィルム24と第2のフィルム25とが相互に剥離するように接着されていると説明したが、その他の構成により所定圧力が負荷された場合に吐出路26が開放されるようにしてもよい。例えば、所定圧力にて開放される逆止弁を吐出路26に設けることができる。あるいは、吐出路26を栓塞させるパッキンを設け、シリンダー21内部を負圧とした状態では、パッキンが吐出路26に密着されることで吐出路26が閉鎖され、ピストン22等によってシリンダー21の内部を所定圧力以上の圧力とした場合には、パッキンが吐出路26から離脱され、当該吐出路26が開放されるように構成することもできる。
【0075】
(第1の接着領域28の形状について)
また、上述の実施の形態では、第1の接着領域28の形状を略V字型の形状と説明しているが、他の形状とすることもできる。例えば、図22に示したようにシリンダー21の端面に近接している側から離れるに従って曲線的に幅が縮小された、略U字型、あるいは、略T字型の形状としてもよい。
【0076】
(隔離部27について)
また、上述の実施の形態では、複数の吐出路26の間の領域全体を上述の第2の接着領域29とし、当該第2の接着領域29を隔離部27とすると説明しているが、図23に示したように、複数の吐出路26の間の領域の一部に切り欠き部27bを設けてもよい。これにより、吐出路26から吐出された試料が、貼り合わされている第1のフィルム24及び第2のフィルム25の端面を介して隣接する吐出路26に漏出し、コンタミネーションを発生させることを防止することができる。
【0077】
また、複数の吐出路26の各々から吐出された試料が、当該吐出路26の間における第1のフィルム24及び第2のフィルム25の端面を伝わり、隣接する吐出路26に到達することができない程度に、吐出路26の相互間の距離を大きくすることによっても、上述の切り欠きを設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
この発明に係る収容容器、吐出装置、及び、収容容器の製造方法は、試料を収容する収容容器、試料を吐出する吐出装置、及び、収容容器の製造方法適用でき、ノズルの交換や洗浄等の作業を省略でき、検体や試薬等のコンタミネーションを防止でき、小型化及び簡略化がなされた吐出装置を実現するための、収容容器、吐出装置、及び、収容容器の製造方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】吐出装置の概要を示す斜視図である。
【図2】試料カセット2の全体を示した正面図である。
【図3】図2におけるA−A断面を示した側断面図である。
【図4】図3に示した領域Bを拡大した拡大側断面図である。
【図5】第1のフィルム24と第2のフィルム25との接着面を示した拡大断面図である。
【図6】試料カセット2を保持部5にセットした初期状態の吐出装置1の正面図である。
【図7】シリンダー21の選択段階における吐出装置1の正面図である。
【図8】ピストン22の押圧段階における図7に示したB−B断面の側断面図である。
【図9】吐出段階における図8に示した領域Eの拡大側断面図である。
【図10】吐出段階における図7に示したB−B断面の側断面図である。
【図11】吐出段階における封止部23の拡大側断面図である。
【図12】吐出段階における封止部23の拡大側断面図である。
【図13】吐出段階における封止部23の拡大側断面図である。
【図14】吐出段階における封止部23の拡大側断面図である。
【図15】ロッド30の動作停止段階における図7に示したB−B断面の側断面図である。
【図16】試料カセット2の各製造工程における収容容器の状態を示した概要図である。
【図17】試料カセット2の各製造工程における収容容器の状態を示した概要図である。
【図18】試料カセット2の各製造工程における収容容器の状態を示した概要図である。
【図19】シリンダー21を2列に配列した試料カセット2の斜視図である。
【図20】シリンダー21を同一の円周上に配列した試料カセット2の斜視図である。
【図21】ピストン22とロッド30を相互に一体に形成した試料カセット2の斜視図である。
【図22】第1の接着領域28の変形例を示す封止部23の正面図である。
【図23】隔離部27を切り欠き部27bとした場合の封止部23の正面図である。
【符号の説明】
【0080】
1 吐出装置
2 試料カセット
3 押圧部
4 本体
5 保持部
6 ステージ
9 容器
20 ケース
20a 突起部
21 シリンダー
22 ピストン
23 封止部
24 第1のフィルム
25 第2のフィルム
26 吐出路
27 隔離部
27b 切り欠き部
28 第1の接着領域
29 第2の接着領域
30 ロッド
31 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を収容している収容容器であって、
前記試料が収容されている収容空間と、
前記試料を吐出可能に前記収容空間の内部に封止している封止手段と、
前記収容空間に収容されている試料を前記封止手段に導入させ、当該封止手段を介して吐出させるように、所定の押圧手段に押圧される被押圧手段と、
を備えることを特徴とする収容容器。
【請求項2】
前記封止手段は、前記収容空間の内部に所定圧力以上の圧力が負荷されると、前記試料を吐出可能とするように当該収容空間の内部と外部とを連通させる、吐出路を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の収容容器。
【請求項3】
前記封止手段は、相互に対向するフィルムを相互に貼り合わせた積層フィルムであり、
前記吐出路は、前記収容空間の内部に所定圧力以上の圧力が負荷されると前記対向するフィルムが相互に剥離する接着強度にて接着された、第1の接着領域であること、
を特徴とする請求項2に記載の収容容器。
【請求項4】
前記第1の接着領域における接着強度を超える強度を有する第2の接着領域を、前記吐出路の周囲の少なくとも一部に設けたこと、
を特徴とする請求項3に記載の収容容器。
【請求項5】
複数の前記収容空間と、
前記複数の収容空間の各々に対応する複数の前記封止手段と、
前記複数の収容空間の各々に対応する複数の前記被押圧手段と、を備え、
前記複数の封止手段は、相互に一体に形成され、当該複数の封止手段が有する複数の前記吐出路のうち少なくとも一部の吐出路の間を相互に隔離する隔離手段を備えること、
を特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の収容容器。
【請求項6】
前記隔離手段は、前記複数の吐出路の間を切り欠いた切り欠き部を有すること、
を特徴とする請求項5に記載の収容容器。
【請求項7】
試料を吐出する吐出装置であって、
請求項1から6のいずれか一項に記載の収容容器と、
前記収容容器を保持する保持手段と、
前記収容容器に収容されている試料を吐出させるように前記被押圧手段を押圧する押圧手段と、
を備えることを特徴とする吐出装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の収容容器の製造方法であって、
前記収容空間に前記被押圧手段を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に前記収容空間に試料を注入する注入工程と、
前記注入工程の後に前記封止手段によって前記試料を吐出可能に前記収容空間の内部に封止する封止工程と、
を含むこと特徴とする収容容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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