説明

収容装置及び封書作成処理機

【課題】収容装置105が搬送方向に大型化することを抑えつつ、収容装置105の収容容量を十分に高めること。
【解決手段】搬送コンベア109の搬送領域に、起立姿勢の封書Mを押上げる板状の押上げ部材127が一対のガイドバー129等を介して設けられ、押上げ部材127は、搬送ベルト119の支持高さに対して上下方向へ往復移動可能に出没するように構成され、押上げ部材127の押上げ面の摩擦係数が搬送ベルト119の支持面の摩擦係数よりも小さく設定されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の処理を行う処理機の搬出側から順次送り出された複数の処理品を搬送方向へ搬送することにより、複数の処理品を倒伏姿勢から鉛直方向に対して搬送方向の下流側に傾いた起立姿勢に変えつつ、横積みした状態で収容する収容装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、封書作製処理機(処理機の一例)の搬出側には、複数の封書(処理品の一例)を収容する収容装置として搬送コンベアが設けられることがある。また、搬送コンベアは、複数の封書を支持する循環走行可能な搬送ベルトを備えており、この搬送ベルトは、搬送方向へ延びている。
【0003】
従って、搬送コンベアの駆動により搬送ベルトを循環走行させて、封書作製処理機の搬出側から順次送り出された複数の封書を搬送方向へ搬送する。これにより、搬送ベルト上に複数の封書を倒伏姿勢の状態で収容することができる。
【0004】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−72313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のように、搬送コンベアを収容装置として用いた場合、搬送ベルト上に複数の封書を倒伏姿勢の状態で収容しているため、換言すれば、平面的に搬送ベルト上に収容しているため、収容装置(搬送コンベア)が搬送方向に大型化することを抑えつつ、収容装置の収容容量を高めることは困難であるという問題がある。
【0007】
一方、図7(a)(b)(c)及び図8(a)に示すように、搬送コンベアの搬送方向の下流側に封書の搬送方向(図7及び図8において右方向)の移動を規制するフェンスを設けることにより、搬送ベルト上に複数の封書を横積みした状態で収容して、収容装置の収容容量を高めることも考えられる。ここで、フェンスは、上端部が下端部よりも下流側に位置するように鉛直方向に対して傾斜してある。
【0008】
収容装置の構成にフェンスを含めた場合には、搬送コンベアの駆動により搬送ベルトを循環走行させて、封書作製処理機の搬出側から順次送り出された複数の封書を搬送方向へ搬送する他に、フェンスによって下流側から複数の封書の搬送方向の移動を規制する。これにより、図7(b)(c)に示すように、最も下流側の封書をフェンスに沿わせながら倒伏姿勢から鉛直方向に対して下流側に傾斜した起立姿勢に変更し、続いて、複数の封書を先行の起立姿勢の封書(下流側に隣接する起立姿勢の封書)に沿わせながら倒伏姿勢から起立姿勢に順次変えて、搬送ベルト上に複数の封書を横積みした状態で収容することができる。
【0009】
ところで、複数の封書の搬送中、換言すれば、複数の封書の収容中、搬送ベルトの循環走行によって起立姿勢の封書の下端部に対してフェンス側へ押付ける力が継続して働いている。そのため、図8(b)(c)に示すように、起立姿勢の封書が鉛直方向に対して上流側に傾斜した別の起立姿勢に変わり易くなっており、起立姿勢の封書が別の起立姿勢に変わると、後続の封書(上流側に隣接する封書)が倒伏姿勢から起立姿勢に変わることができず、搬送ベルト上に複数の封書を横積みした状態で収容する限界に達してしまう。つまり、収容装置の構成にフェンスを含めた場合であっても、収容装置が搬送方向に大型化することを抑えつつ、収容装置の収容容量を十分に高めることは困難であるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の収容装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の特徴(請求項1に記載の発明)は、特定の処理を行う処理機の搬出側から順次送り出された複数の処理品を搬送方向へ搬送することにより、複数の前記処理品を倒伏姿勢から鉛直方向に対して前記搬送方向の下流側に傾いた起立姿勢に変えつつ収容する収容装置において、前記処理機の搬出側に設けられ、前記搬送方向へ延びかつ複数の前記処理品を支持する循環走行可能な搬送ベルトを備え、複数の前記処理品を前記搬送方向へ搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの下流側に設けられ、上端部が下端部よりも下流側に位置するように鉛直方向に対して傾斜してあって、前記処理品の前記搬送方向の移動を規制するフェンスと、前記搬送コンベアの搬送領域に設けられ、前記搬送ベルトの支持高さに対して上下方向へ往復移動可能に出没するように構成され、前記起立姿勢の前記処理品を押上げる押上げ部材と、を具備したことを要旨とする。
【0012】
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において、「特定の処理」とは、例えば封書作製処理、製本処理等を含む意であって、「処理品」とは、例えば封書、冊子等を含む意である。また、「設けられ」とは、直接的に設けられたことの他に、別部材を介して間接的に設けられたことを含む意である。更に、「上下方向へ往復移動可能」とは、上下方向へ往復揺動可能を含む意である。
【0013】
本発明の第2の特徴(請求項2に記載の発明)は、本発明の第1の特徴に加えて、前記押上げ部材が前記搬送ベルトの循環走行に連動して上下方向へ往復移動するように構成されていることを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴(請求項3に記載の発明)は、本発明の第1の特徴又は第2の特徴に加えて、前記押上げ部材によって前記起立姿勢の前記処理品を押上げると、前記起立姿勢の前記処理品の下端部が前記搬送方向の上流方向へ滑るように、前記押上げ部材の押上げ面の摩擦係数が前記搬送ベルトの支持面の摩擦係数よりも小さく設定されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、複数の前記処理品の搬送中、換言すれば、複数の前記処理品の収容中に、前記押上げ部材を前記搬送ベルトの支持高さに対して出没する上下方向へ往復移動させることにより、前記搬送ベルトの循環走行によって前記起立姿勢の前記処理品の下端部に対して前記フェンス側へ押付ける力が働くものの、この押付け力を断続的に解除することができる。これにより、前記起立姿勢の前記処理品が鉛直方向に対して上流側に傾斜した別の起立姿勢に変わることを抑えて、前記搬送ベルト上の全域において複数の前記処理品を横積みした状態で収容することができる。よって、前記収容装置が前記搬送方向に大型化することを抑えつつ、前記収容装置の収容容量(積載容量)を十分に高めることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、前記押上げ部材が前記搬送ベルトの循環走行に連動して上下方向へ往復移動するように構成されているため、前記押上げ部材を上下方向へ往復移動させる押上げ部材用のアクチュエータを省略することができ、前記収容装置の構成の簡略化を図ることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、前記押上げ部材によって前記起立姿勢の前記処理品を押上げると、前記起立姿勢の前記処理品の下端部が上流方向へ滑るように、前記押上げ部材の押上げ面の摩擦係数が前記搬送ベルトの支持面の摩擦係数よりも小さく設定されているため、複数の前記処理品の収容中に、前記起立姿勢の前記処理品が鉛直方向に対して上流側に傾斜した別の起立姿勢に変わること確実になくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1(a)は、本発明の実施形態に係る収容装置の平面図、図1(b)は、本発明の実施形態に係る収容装置の側断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る封入封緘装置及び封筒の形成過程を説明する模式的な図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る画像形成システムを説明する模式的な図である。
【図4】図4(a)(b)(c)は、本発明の実施形態に係る収容装置の動作(作用)を説明する図である。
【図5】図5(a)(b)(c)は、本発明の実施形態に係る収容装置の動作(作用)を説明する図である。
【図6】図6(a)は、本発明の別の実施形態に係る収容装置の平面図、図6(b)は、本発明の別の実施形態に係る収容装置の側断面図である。
【図7】図7(a)(b)(c)は、搬送コンベアの搬送方向の下流側にフェンスを設けた場合における収容装置の動作を説明する図である。
【図8】図8(a)は、搬送コンベアの搬送方向の下流側にフェンスを設けた場合における収容装置の動作を説明する図、図8(b)(c)は、搬送コンベアの搬送方向の下流側にフェンスを設けた場合における収容装置の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態)
本発明の実施形態について図1から図5を参照して説明する。なお、説明中において、「上流」とは、内容物用紙P1等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て下流ことをいい、図中において、「L」は、左方向、「R」は、右方向、[FF」は、前方向、「FR」は、後方向をそれぞれ指している。
【0020】
図2及び図3に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷処理(画像形成処理)を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に対して封書作製処理を行うことにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、画像形成システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷処理を行う画像形成処理機(印刷処理機)3と、この画像形成処理機3に隣接した位置に設けられかつ印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に対して封書作製処理を行う封書作製処理機5との組み合わせからなっている。
【0021】
図3に示すように、画像形成システム1における画像形成処理機3は、画像形成処理機筐体7(以下、適宜に処理機筐体7という)を具備しており、この処理機筐体7内には、画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられており、この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。また、処理機筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられており、処理機筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0022】
処理機筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられており、各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えており、複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、処理機筐体7内の左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、下流端側(基端側)に3つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の上流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続されている。そして、処理機筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0023】
処理機筐体7の左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、処理機筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続されている。そして、処理機筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0024】
印刷搬送路13の左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、処理機筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動により印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。
【0025】
処理機筐体7内の左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封書作製処理機5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動により印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、処理機筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0026】
図2に示すように、画像形成システム1における封書作製処理機5は、封書作製処理機筐体37(以下、適宜に処理機筐体37という)を具備しており、この処理機筐体37内には、連絡搬送路35(画像形成処理機3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路39が設けられており、この導入搬送路39の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続されている。また、処理機筐体37内における導入搬送路39に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0027】
処理機筐体37内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路41が設けられており、この内容物用紙搬送路41の上流端部(基端部)は、公知の封書作製用フラッパの作動により導入搬送路39の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、処理機筐体37内における内容物用紙搬送路41に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0028】
処理機筐体37内における内容物用紙搬送路41の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路43が設けられており、この封筒用紙搬送路43の上流端部(基端部)は、前述の封書作製用フラッパの作動により導入搬送路39の下流端部に接続、遮断可能である。更に、処理機筐体37内における封筒用紙搬送路43に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0029】
内容物用紙搬送路41の下流端側と封筒用紙搬送路43の下流端側は合流してあり、処理機筐体37内における内容物用紙搬送路41と封筒用紙搬送路43の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路45が設けられており、この封筒搬送路45は、処理機筐体37の上部まで延びている。また、処理機筐体37内における封筒搬送路45に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
【0030】
内容物用紙搬送路41の途中には、整合部47が設けられており、この整合部47は、導入搬送路39から送り出された印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を集積して整合するものである。また、整合部47は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を待機させる整合ゲート(待機ゲート)49を備えており、この整合ゲート49は、内容物用紙搬送路41を開状態と閉状態に切り替え可能になっている。
【0031】
内容物用紙搬送路41における整合部47の出口側(下流側)には、内容物形成部51が設けられており、この内容物形成部51は、整合部47から送り出された整合済みの複数枚の内容物用紙P1(以下、適宜に内容物用紙P1という)を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部51の具体的な構成は、次のようになる。
【0032】
処理機筐体37内における整合部47の出口側(下流側)には、主折りローラ53が回転可能に設けられており、処理機筐体37内における主折りローラ53に隣接した位置には、主折りローラ53と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路41から導入する導入ローラ55が回転可能に設けられている。また、処理機筐体37内における主折りローラ53の下側には、主折りローラ53と導入ローラ55によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板57が設けられている。更に、ガイド板57には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材59が設けられており、この突当て部材59は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板57に沿って位置調節可能である。そして、処理機筐体37内における主折りローラ53に隣接しかつ導入ローラ55に対向した位置には、中間ローラ61が回転可能に設けられており、この中間ローラ61は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ53と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
【0033】
処理機筐体37内における主折りローラ53の左側には、主折りローラ53と中間ローラ61によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板63が設けられている。また、ガイド板63には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材65が設けられており、この突当て部材65は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板63に沿って位置調節可能である。更に、処理機筐体37内における主折りローラ53に隣接しかつ中間ローラ61に対向した位置には、導出ローラ67が回転可能に設けられており、この導出ローラ67は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ53と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路41側へ導出するものである。
【0034】
ここで、主折りローラ53、導入ローラ55、中間ローラ61、及び導出ローラ67は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0035】
封筒用紙搬送路43の途中には、前折り部69が設けられており、この前折り部69は、導入搬送路39から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部69の具体的な構成は、次のようになる。
【0036】
処理機筐体37内における封筒用紙搬送路43の途中には、主折りローラ71が回転可能に設けられており、処理機筐体37内における主折りローラ71に隣接した位置には、主折りローラ71と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路43から導入する導入ローラ73が回転可能に設けられている。また、処理機筐体37内における主折りローラ71の下側には、主折りローラ71と導入ローラ73によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板75が設けられている。更に、ガイド板75には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近にたるみを与える突当て部材77が設けられており、この突当て部材77は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板75に沿って位置調節可能である。そして、処理機筐体37内における主折りローラ71に隣接しかつ導入ローラ73に対向した位置には、導出ローラ79が回転可能に設けられており、この導出ローラ79は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ71と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路43側へ導出するものである。
【0037】
ここで、主折りローラ71、導入ローラ73、及び導出ローラ79は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0038】
内容物用紙搬送路41と封筒用紙搬送路43の合流部には、封筒形成部81が設けられており、この封筒形成部81は、内容物形成部51から送り出された内容物Bを封筒用紙P2に封入しつつ、前折り部69から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部81の具体的な構成は、次のようになる。
【0039】
処理機筐体37内における前折り部69の出口側(下流側)には、主折りローラ83が回転可能に設けられており、処理機筐体37内における主折りローラ83に隣接した位置には、主折りローラ83と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路43から導入する導入ローラ85が回転可能に設けられている。また、処理機筐体37内における主折りローラ83の下側には、主折りローラ83と導入ローラ85によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板87が設けられている。更に、ガイド板87には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近にたるみを与える突当て部材89が設けられており、この突当て部材89は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板87に沿って位置調節可能である。そして、処理機筐体37内における主折りローラ83に隣接しかつ導入ローラ85に対向した位置には、中間ローラ91が回転可能に設けられており、この中間ローラ91は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ83と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
【0040】
処理機筐体37内における主折りローラ83の右側には、主折りローラ83と中間ローラ91によって折り曲げられた封筒用紙P2を案内するガイド板93が設けられている。また、ガイド板93には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近にたるみを与える突当て部材95が設けられており、この突当て部材95は、適宜の第5位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板93に沿って位置調節可能である。更に、処理機筐体37内における主折りローラ83に隣接しかつ中間ローラ91に対向した位置には、導出ローラ97が回転可能に設けられており、この導出ローラ97は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ83と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、封筒搬送路45側へ導出するものである。
【0041】
ここで、主折りローラ83、導入ローラ85、中間ローラ91、及び導出ローラ97は、それぞれ適宜の第3折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0042】
封筒搬送路45の途中には、封緘部99が設けられており、この封緘部99は、内容物Bを封入した状態で、封筒形成部81から送り出された封筒Eを封緘するものである。また、封緘部99は、封筒Eを狭持して押圧する一対の封緘ローラ101,103を備えており、一対の封緘ローラ101,103は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。ここで、封筒Eは、一対の封緘ローラ101,103によって挟持して押圧されることにより、封筒用紙P2に予め塗布した感圧接着剤の接着作用により封緘されるようになっている。
【0043】
続いて、本発明の実施形態の要部について説明する。
【0044】
図1(a)(b)及び図2に示すように、処理機筐体37の上側には、収容装置105が設けられており、この収容装置105は、封筒搬送路45の出口側(封書作製処理機5の搬出側)からオーバラップした状態で順次送り出された複数の封書Mを搬送方向(右方向)へ搬送することにより、複数の封書Mを倒伏姿勢から鉛直方向に対して搬送方向の下流側に傾いた起立姿勢に変えつつ、横積みした状態で収容するものである。
【0045】
処理機筐体37の上側には、収容装置105の本体としての枠状の収容ベース107が設けられており、この収容ベース107には、複数の封書Mを搬送方向へ搬送する搬送コンベア109が設けられている。そして、収容装置105における搬送コンベア109の具体的な構成は、次のようになる。
【0046】
収容ベース107の右部には、前後に離隔した一対の第1搬送プーリ111が第1プーリ軸113を介して回転可能に設けられており、収容ベース107の左部には、前後に離隔した一対の第2搬送プーリ115が第2プーリ軸117を介して回転可能に設けられている。また、各対応する第1搬送プーリ111と第2搬送プーリ115には、複数の封書Mを支持する循環走行可能な無端状の搬送ベルト119が掛け回すように設けられており、各搬送ベルト119は、搬送方向へ延びている。更に、収容ベース107の適宜位置には、一対の搬送ベルト119を循環走行させる搬送モータ121が設けられており、この搬送モータ121の出力軸は、第1プーリ軸113に連動連結されている。
【0047】
搬送コンベア109の下流端側には、封書Mの搬送方向の移動を規制するフェンス123が設けられており、このフェンス123は、上端部(フェンス123の上端部)が下端部(フェンス123の下端部)よりも下流側(右側)に位置するように鉛直方向に対して傾斜してある。なお、フェンス123の鉛直方向に対する傾斜角は、封書Mの起立姿勢に応じた角であって、適宜に調節可能になっていることが望ましい。
【0048】
収容ベース107における一対の搬送ベルト119の間、換言すれば、搬送コンベア109の搬送領域には、一対の支持スリーブ125が設けられており、一対の支持スリーブ125には、起立姿勢の封書Mを押上げる板状の押上げ部材127が一対のガイドバー129を介して設けられてあって、この押上げ部材127は、搬送ベルト119の支持高さに対して上下方向へ往復移動可能に出没するように構成されている。ここで、押上げ部材127によって起立姿勢の封書Mを押上げると、起立姿勢の封書Mの下端部(搬送ベルト119に接触している部位)が搬送方向の上流方向(左方向)へ滑るように、押上げ部材127の押上げ面の摩擦係数は、搬送ベルト119の支持面の摩擦係数よりも小さく設定されている。
【0049】
押上げ部材127は、一対の搬送ベルト119の循環走行に連動して上下方向へ往復移動するように構成されている。具体的には、収容ベース107の右部には、押上げ部材127を下方向から支持する第1駆動カム131が第1カム軸133を介して回転可能に設けられており、第1カム軸133は、複数の第1連結プーリと第1連結ベルトからなる第1連結機構135によって第1プーリ軸113に連動連結されている。また、収容ベース107の左部には、押上げ部材127を下方向から支持する第2駆動カム137が第2カム軸139を介して回転可能に設けられており、第2カム軸139は、第2連結プーリと第2連結ベルトからなる第2連結機構141によって第2プーリ軸117に連動連結されている。
【0050】
なお、処理機筐体37における封筒搬送路45の出口端近傍には、複数の封書Mを搬送コンベア109側へ順次案内するガイド板143が設けられている。
【0051】
続いて、本発明の実施形態に係る収容装置105の作用及び効果について説明する。
【0052】
図4(a)に示すように、搬送モータ121の駆動により一対の搬送ベルト119を循環走行させて、封筒搬送路45の出口側からオーバラップした状態で順次送り出された複数の封書Mを搬送方向へ搬送する。また、フェンス123によって下流側から複数の封書Mの搬送方向の移動を規制する。これにより、図4(b)(c)及び図5(a)に示すように、最も下流側の封書Mをフェンス123に沿わせながら倒伏姿勢から起立姿勢に変更し、続いて、複数の封書Mを先行の起立姿勢の封書Mに沿わせながら倒伏姿勢から起立姿勢に順次変えて、一対の搬送ベルト119上に複数の封書Mを横積みした状態で収容することができる。
【0053】
複数の封書Mの搬送中、換言すれば、複数の封書Mの収容中に、図5(b)に示すように、押上げ部材127を一対の搬送ベルト119の循環走行に連動して搬送ベルト119の支持高さに対して出没する上下方向へ往復移動させることにより、一対の搬送ベルト119の循環走行によって起立姿勢の封書Mの下端部に対してフェンス123側へ押付ける力が働くものの、この押付ける力を断続的に解除することができる。これにより、図5(c)に示すように、起立姿勢の封書Mが鉛直方向に対して上流側に傾斜した別の起立姿勢に変わることを抑えて、一対の搬送ベルト119上の全域において複数の封書Mを横積みした状態で収容することができる。
【0054】
特に、押上げ部材127によって起立姿勢の封書Mを押上げると、起立姿勢の封書Mの下端部が上流方向へ滑るように、押上げ部材127の押上げ面の摩擦係数が搬送ベルト119の支持面の摩擦係数よりも小さく設定されているため、複数の封書Mの収容中に、起立姿勢の封書Mが鉛直方向に対して上流側に傾斜した別の起立姿勢に変わること確実になくすことができる。
【0055】
従って、本発明の実施形態によれば、起立姿勢の封書Mが鉛直方向に対して上流側に傾斜した別の起立姿勢に変わることを確実になくして、一対の搬送ベルト119上の全域において複数の封書Mを横積みした状態で収容できるため、収容装置105が搬送方向に大型化することを抑えつつ、収容装置105の収容容量(積載容量)を十分に高めることができる。
【0056】
また、押上げ部材127が一対の搬送ベルト119の循環走行に連動して上下方向へ往復移動するように構成されているため、押上げ部材127を上下方向へ往復移動させる押上げ部材用のアクチュエータを省略することができ、収容装置105の構成の簡略化を図ることができる。
【0057】
(別の実施形態)
本発明の別の実施形態について図6(a)(b)を参照して説明する。なお、図中において、「L」は、左方向、「R」は、右方向、[FF」は、前方向、「FR」は、後方向をそれぞれ指している。
【0058】
図6(a)(b)に示すように、本発明の別の実施形態に係る収容装置145は、封筒搬送路45の出口側からオーバラップした状態で順次送り出された複数の封書Mを搬送方向(右方向)へ搬送することにより、複数の封書Mを倒伏姿勢から鉛直方向に対して搬送方向の下流側に傾いた起立姿勢に変えつつ、横積みした状態で収容するものであって、本発明の実施形態に係る収容装置105と同様の構成を有している。以下、収容装置145の具体的な構成のうち、収容装置105の具体的な構成と異なる点についてのみ説明する。なお、収容装置145の複数の構成要素のうち、収容装置105の複数の構成要素に相当するものについては、図中に同一番号を付している。
【0059】
収容ベース107における一対の搬送ベルト119の間には、起立姿勢の封書Mを押上げる板状の押上げ部材147が揺動軸149を介して設けられてあって、この押上げ部材147は、搬送ベルト119の支持高さに対して上下方向へ往復移動可能に出没するように構成されている。ここで、押上げ部材147によって起立姿勢の封書Mを押上げると、起立姿勢の封書Mの下端部が搬送方向の上流方向へ滑るように、押上げ部材147の押上げ面の摩擦係数は、搬送ベルト119の支持面の摩擦係数よりも小さく設定されている。
【0060】
押上げ部材147は、一対の搬送ベルト119の循環走行に連動して上下方向へ往復揺動するように構成されている。具体的には、収容ベース107の右部には、押上げ部材147を下方向から支持する駆動カム151がカム軸153を介して回転可能に設けられており、カム軸153は、複数の連結プーリと連結ベルトからなる連結機構155によって第1プーリ軸113に連動連結されている。
【0061】
そして、本発明の別の実施形態においては、本発明の実施形態と同様の作用及び効果を奏する他に、押上げ部材147が上下方向へ往復揺動可能になっているため、収容ベース107に対して1本の揺動軸149を介して取付けることができ、収容装置145の部品点数を減らして、収容装置145の構成の簡略化を図ることができる。
【0062】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、封書作製処理機5に適用した収容装置105又は145と同様の構成を製本処理機等の別の処理機に適用する等、その他、適宜の変更を行うことにより、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【符号の説明】
【0063】
M 封書
105 収容装置
107 収容ベース
109 搬送コンベア
111 第1搬送プーリ
115 第2搬送プーリ
119 搬送ベルト
121 搬送モータ
123 フェンス
127 押上げ部材
131 第1駆動カム
137 第2駆動カム
145 収容装置
147 押上げ部材
149 揺動軸
151 駆動カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の処理を行う処理機の搬出側から順次送り出された複数の処理品を搬送方向へ搬送することにより、複数の前記処理品を倒伏姿勢から鉛直方向に対して前記搬送方向の下流側に傾いた起立姿勢に変えつつ収容する収容装置において、
前記処理機の搬出側に設けられ、前記搬送方向へ延びかつ複数の前記処理品を支持する循環走行可能な搬送ベルトを備え、複数の前記処理品を前記搬送方向へ搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアの下流側に設けられ、上端部が下端部よりも下流側に位置するように鉛直方向に対して傾斜してあって、前記処理品の前記搬送方向の移動を規制するフェンスと、
前記搬送コンベアの搬送領域に設けられ、前記搬送ベルトの支持高さに対して上下方向へ往復移動可能に出没するように構成され、前記起立姿勢の前記処理品を押上げる押上げ部材と、を具備したことを特徴とする収容装置。
【請求項2】
前記押上げ部材が前記搬送ベルトの循環走行に連動して上下方向へ往復移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の収容装置。
【請求項3】
前記押上げ部材によって前記起立姿勢の前記処理品を押上げると、前記起立姿勢の前記処理品の下端部が前記搬送方向の上流方向へ滑るように、前記押上げ部材の押上げ面の摩擦係数が前記搬送ベルトの支持面の摩擦係数よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−6678(P2013−6678A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141700(P2011−141700)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】