収納容器
【課題】
飲用途中においても横向きにして安定性よく台上に置くことができ、台に振動が加わっても倒れにくく、また、収納された液体食品を最後まで全て円滑に、かつ容易に飲用することのできる収納容器を得ることを課題とする。
【解決手段】
横断面多角形で液体食品を収納して両端面を密閉した容器本体と、この容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に形成した通気口を兼ねるストロー挿入口とを備えた収納容器である。
飲用途中においても横向きにして安定性よく台上に置くことができ、台に振動が加わっても倒れにくく、また、収納された液体食品を最後まで全て円滑に、かつ容易に飲用することのできる収納容器を得ることを課題とする。
【解決手段】
横断面多角形で液体食品を収納して両端面を密閉した容器本体と、この容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に形成した通気口を兼ねるストロー挿入口とを備えた収納容器である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば清涼飲料、牛乳等の液体食品を収容する収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の収納容器は、図9に示すように、例えば、紙基材の外面および内面にポリエチレン樹脂等が被覆された可撓性の積層体の包材によって横断面多角形に容器本体61を形成し、その内部に液体食品62を収納して縦方向両端を密閉している。また、容器本体61の内部には必要に応じてアルミ箔、バリヤ性樹脂等から成るバリヤ層を形成する。そして、この収納容器61の縦方向の一端面には、樹脂フイルム63によって被覆されたストロー挿入口64が形成されている。また、収納容器61の外面には、ストロー65を入れたストローパッケージ66が貼着されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そこで、図10に示すように、上記ストローパッケージ66から取り出したストロー65をストロー挿入口64に液密に挿入することによって、ストロー65を介して容器本体内の液体食品62を飲用することができる。
【特許文献1】特開平11−227781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の収納容器は、上記のように横断面多角形に形成された容器本体の縦方向の一端面にストロー挿入口が形成されているため、このストロー挿入口にストローを挿入して飲用するものであるから、その飲用途中で容器本体を台の上に置いた場合、容器本体は縦長状態で設置姿勢の安定性が悪く、容器本体に物が当たることにより倒れやすい。特に、電車、船等の移動体の座席テーブルのように振動が加わる台では、振動によって容器本体が倒れ、ストロー挿入口および挿入したストローから収納されている液体食品が流出する。
【0005】
また、容器本体の縦方向の一端面にストロー挿入口が形成されているため、容器本体に挿入するストローが長くなり、収容された液体食品を最後まで確実に飲用することが困難であった。しかも、飲用とともに、容器本体内が負圧となり、外部から容器本体を押し潰しながらストローを強く吸引しなければ、残り少ない液体食品の飲用を最後まで確実に行うことができないという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような従来の課題を解消するためになされたもので、飲用途中においても横向きにして安定性よく台上に置くことができ、台に振動が加わっても倒れにくく、また、収納された液体食品を最後まで全て円滑に、かつ容易に飲用することのできる収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る収納容器は、横断面多角形で液体食品を収納して両端面を密閉した容器本体と、この容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に形成した通気口を兼ねるストロー挿入口とを備えた構成である。
【0008】
また、この発明に係る収納容器は、容器本体が横断面三角形をなし、この三角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線を中心として該稜線の同一端側の両面にそれぞれ通気口を兼ねるストロー挿入口を形成した構成である。
【0009】
また、この発明に係る収納容器は、容器本体は四面以上の横断面多角形をなし、この多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に通気口を兼ねるストロー挿入口を形成した構成である。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、この発明によれば、横断面多角形の容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口と第2のストロー挿入口を設けた構成であるから、多角面の一面に設けた第2のストロー挿入口にストローを挿入して飲用することにより、ストローの挿入量は少なくてよく、内容部を容易に飲用することができる。そして、飲用途中で容器本体を台上に置く場合は、横置きすることができるため姿勢が安定して倒れにくい。
【0011】
また、列車、船等の移動体の座席テーブルのように振動が加わる台上に置いても倒れることがなく、容器本体を倒して内容物が流出することを防止することができる。また、容器本体を横向きに置くことが可能となることにより、例えば病人が寝たまま、横向きとなって、第2のストロー挿入口に挿入した蛇腹ストローを用いて飲用することができる。
【0012】
そして、この飲用時、飲用に従って容器本体内が負圧になるため、内容物の残量が少なくなると、その内容物を円滑に飲用することが困難となる。そこで、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開き、この開いたストロー挿入口を通じて容器本体内を大気と連通させることにより、内容物を円滑に、且つ容易に最後まで全てを飲用することができる。また、この場合は、内容物の残量が少なくなっているので、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開いても、内容物が流出することはほとんどない。
【0013】
一方、容器本体を手に持って飲用するときは、容器本体を縦向きにして第1のストロー挿入口にストローを挿入することができるもので、2つ設けられたストロー挿入口を飲用状態に応じて使い分けることにより、容器本体を持ちやすく、かつ飲用し易いように使い分けをすることができる等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
飲用途中においても横向きにして安定性よく台上に置くことができ、台に振動が加わっても倒れにくく、また、収納された液体食品を最後まで全て円滑に、かつ容易に飲用することのできる収納容器を実現した。
【実施例1】
【0015】
以下、この発明の実施例を図面について説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施例1による収納容器1を示す外観斜視図であり、図2はその収納容器を縦向きにして飲用する状態を示す外観斜視図、図3はその収納容器を横向きにして飲用する状態を示す外観斜視図である。
【0017】
図1〜図3において、紙基材の外面および内面にポリエチレン樹脂等が被覆された可撓性の積層体の包材によって長方形に容器本体1を形成し、その内部に液体食品2を収納して両端を密閉している。また、容器本体1の内部には必要に応じてアルミ箔、バリヤ性樹脂等から成るバリヤ層を形成するとよい。
【0018】
そして、上記のように構成された横断面多角形の容器本体1の多角面1a〜1dの一面1aと縦方向の一端面1eとの間の稜線2に近接して、両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を形成している。また、収納容器1の外面には、ストロー5を入れたストローパッケージ6が貼着されている。
【0019】
次に動作について説明する。
【0020】
実施例1の収納容器は上記の構成であるから、例えば、最初は図2に示すように収納容器1を縦長にして、収納容器1の外面に貼着したストローパッケージ6から取り出したストロー5を、収納容器1の縦方向の一端面に形成された第1のストロー挿入口3に差し込んで内容物7を飲用する。この場合、ストローは貼着された以外のものも自由に用いることができる。そして、飲用途中で収納容器1を台上に置くときには、図3に示すように第2のストロー挿入口4が形成された面を上にして横向きにする。これにより、すでに一部が飲用されて内容物7の量が減っているため、容器本体1を横向きにしても第1のストロー挿入口3から内容物7が流出することはほとんどない。
【0021】
また、この状態で第2のストロー挿入口4にストロー5を差し込んで飲用することができる。この場合、ストロー5の挿入量は横断面多角形の一面の高さ分hで足り、その挿入量は少なく、容器本体内の残用物を確実に飲用することができる。また、このように容器本体1を横向きに台上に置くことにより、設置姿勢の安定性に優れ、物があたっても倒れにくく、特に、振動が加わる台上に置いても倒れにくい。従って、本願発明の容器本体は列車、船等の移動体の座席テーブルに置くような場合に特に有効である。
【0022】
また、倒れにくい横向き状態に置くことができることにより、第2のストロー挿入口位置が低くなり、例えば、病人等が寝た状態で蛇腹ストローを用いて飲用することも可能となる。そして、内容物の残量が少なくなったときは、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開けて容器本体内を大気と連通させることにより、内容物を円滑に、且つ容易に最後まで全てを飲用することができる。
【0023】
この実施例1によれば、上記のように飲用途中の容器本体を横向きに台上に置くことができ、物が当たっても台に振動が加わっても倒れにくい。そして、内容物の残量が少なくなった場合は、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開いて、容器本体内を大気と連通させることにより、内容物を円滑に、且つ容易に全てを飲用することができる。また、容器本体を縦向きに握って飲用することできるので、2つ設けられたストロー挿入口を飲用状態に応じて使い分けすることにより、極めて飲用に便利であるという効果がある。
【実施例2】
【0024】
上記のように、実施例1では、横断面多角形の容器本体1の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線2に近接して該稜線の一端側のそれぞれの面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を設けたものであるが、この実施例2では、図4に示すように、稜線2の一端側において一方の面に第1のストロー挿入口3を、稜線2の他端側において他方の面に第2のストロー挿入口4を設けたもので、ストロー5による飲用動作は実施例1と同様である。安定性の良い横置きとすることができるとともに、その横置き状態でストローを用いて飲用することができる等の作用効果は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0025】
実施例3は、実施例1、2とは反対に第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を設けたもので、図5では図4とは反対に稜線2の一端側において一方の面に第2のストロー挿入口4を、稜線2の他端側において他方の面に第1のストロー挿入口3を設けたものである。また、図6では図1とは反対に稜線2の他端側のそれぞれの面に第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を設けたものである。この図5および図6に示す実施例3はいずれの場合もストロー5による飲用動作および得られる作用効果は実施例1、2と同様である。
【実施例4】
【0026】
実施例4は、図7(a)に示すように容器本体11を横断面三角形となし、この三角面11a〜11cの一面11aと縦方向の一端面11dとの間の稜線12を中心として該稜線の同一端側の両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口13と第2のストロー挿入口14を設け、容器本体11の外面にストロー15を入れたストローパッケージ16が貼着されている。
【0027】
そして、図7(a)に示すように容器本体11を縦長にして、第1のストロー挿入口13にストロー15を挿入して飲用する他、図7(b)に示すように横置きにして第2のストロー挿入口14にストロー15を挿入して飲用するもので、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【実施例5】
【0028】
実施例5は、図8に示すように容器本体21は四面以上の横断面多角形をなし、この多角面21a〜21fの一面21aと縦方向の一端面21gとの間の稜線22に近接して両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口23と第2のストロー挿入口24を設けたもので、容器本体21の外面にストロー25を入れたストローパッケージ26が貼着されている。
【0029】
そして、図8(a)に示すように容器本体21を縦長にして、第1のストロー挿入口23にストロー25を挿入して飲用する他、図8(b)に示すように横置きにして第2のストロー挿入口24にストロー25を挿入して飲用するもので、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0030】
なお、容器本体21を四面以上の横断面多角形で構成する場合、図示の横断面6面以上になると、横置きしたときに、載置台に加わる振動により、台上を転がる恐れがあるので、横断面6面までの多角形が妥当である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施例1による収納容器の斜視図である。
【図2】この発明の実施例1による収納容器を縦向きにして飲用する時の説明図である。
【図3】この発明の実施例1による収納容器を横向きにして飲用する時の説明図である。
【図4】この発明の実施例例2による収納容器の斜視図である。
【図5】この発明の実施例3による収納容器の斜視図である。
【図6】この発明の実施例3による収納容器の斜視図である。
【図7(a)】この発明の実施例4による収納容器を立てた状態を示す斜視図である。
【図7(b)】この発明の実施例4による収納容器を横にした状態を示す斜視図である。
【図8(a)】この発明の実施例5による収納容器を立てた状態を示す斜視図である。
【図8(b)】この発明の実施例5による収納容器を横にした状態を示す斜視図である。
【図9】従来の収納容器を示す斜視図である。
【図10】この収納容器により飲用する時の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1、11、21、61 容器本体
2、12、22 稜線
3、13、23 第1のストロー挿入口
4、14、24 第2のストロー挿入口
5、15、25 ストロー
6、16、26 ストローパッケージ
7 内容物
8、18、28 ストロー挿入口を被覆した樹脂フイルム。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば清涼飲料、牛乳等の液体食品を収容する収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の収納容器は、図9に示すように、例えば、紙基材の外面および内面にポリエチレン樹脂等が被覆された可撓性の積層体の包材によって横断面多角形に容器本体61を形成し、その内部に液体食品62を収納して縦方向両端を密閉している。また、容器本体61の内部には必要に応じてアルミ箔、バリヤ性樹脂等から成るバリヤ層を形成する。そして、この収納容器61の縦方向の一端面には、樹脂フイルム63によって被覆されたストロー挿入口64が形成されている。また、収納容器61の外面には、ストロー65を入れたストローパッケージ66が貼着されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そこで、図10に示すように、上記ストローパッケージ66から取り出したストロー65をストロー挿入口64に液密に挿入することによって、ストロー65を介して容器本体内の液体食品62を飲用することができる。
【特許文献1】特開平11−227781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の収納容器は、上記のように横断面多角形に形成された容器本体の縦方向の一端面にストロー挿入口が形成されているため、このストロー挿入口にストローを挿入して飲用するものであるから、その飲用途中で容器本体を台の上に置いた場合、容器本体は縦長状態で設置姿勢の安定性が悪く、容器本体に物が当たることにより倒れやすい。特に、電車、船等の移動体の座席テーブルのように振動が加わる台では、振動によって容器本体が倒れ、ストロー挿入口および挿入したストローから収納されている液体食品が流出する。
【0005】
また、容器本体の縦方向の一端面にストロー挿入口が形成されているため、容器本体に挿入するストローが長くなり、収容された液体食品を最後まで確実に飲用することが困難であった。しかも、飲用とともに、容器本体内が負圧となり、外部から容器本体を押し潰しながらストローを強く吸引しなければ、残り少ない液体食品の飲用を最後まで確実に行うことができないという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような従来の課題を解消するためになされたもので、飲用途中においても横向きにして安定性よく台上に置くことができ、台に振動が加わっても倒れにくく、また、収納された液体食品を最後まで全て円滑に、かつ容易に飲用することのできる収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る収納容器は、横断面多角形で液体食品を収納して両端面を密閉した容器本体と、この容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に形成した通気口を兼ねるストロー挿入口とを備えた構成である。
【0008】
また、この発明に係る収納容器は、容器本体が横断面三角形をなし、この三角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線を中心として該稜線の同一端側の両面にそれぞれ通気口を兼ねるストロー挿入口を形成した構成である。
【0009】
また、この発明に係る収納容器は、容器本体は四面以上の横断面多角形をなし、この多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に通気口を兼ねるストロー挿入口を形成した構成である。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、この発明によれば、横断面多角形の容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口と第2のストロー挿入口を設けた構成であるから、多角面の一面に設けた第2のストロー挿入口にストローを挿入して飲用することにより、ストローの挿入量は少なくてよく、内容部を容易に飲用することができる。そして、飲用途中で容器本体を台上に置く場合は、横置きすることができるため姿勢が安定して倒れにくい。
【0011】
また、列車、船等の移動体の座席テーブルのように振動が加わる台上に置いても倒れることがなく、容器本体を倒して内容物が流出することを防止することができる。また、容器本体を横向きに置くことが可能となることにより、例えば病人が寝たまま、横向きとなって、第2のストロー挿入口に挿入した蛇腹ストローを用いて飲用することができる。
【0012】
そして、この飲用時、飲用に従って容器本体内が負圧になるため、内容物の残量が少なくなると、その内容物を円滑に飲用することが困難となる。そこで、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開き、この開いたストロー挿入口を通じて容器本体内を大気と連通させることにより、内容物を円滑に、且つ容易に最後まで全てを飲用することができる。また、この場合は、内容物の残量が少なくなっているので、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開いても、内容物が流出することはほとんどない。
【0013】
一方、容器本体を手に持って飲用するときは、容器本体を縦向きにして第1のストロー挿入口にストローを挿入することができるもので、2つ設けられたストロー挿入口を飲用状態に応じて使い分けることにより、容器本体を持ちやすく、かつ飲用し易いように使い分けをすることができる等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
飲用途中においても横向きにして安定性よく台上に置くことができ、台に振動が加わっても倒れにくく、また、収納された液体食品を最後まで全て円滑に、かつ容易に飲用することのできる収納容器を実現した。
【実施例1】
【0015】
以下、この発明の実施例を図面について説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施例1による収納容器1を示す外観斜視図であり、図2はその収納容器を縦向きにして飲用する状態を示す外観斜視図、図3はその収納容器を横向きにして飲用する状態を示す外観斜視図である。
【0017】
図1〜図3において、紙基材の外面および内面にポリエチレン樹脂等が被覆された可撓性の積層体の包材によって長方形に容器本体1を形成し、その内部に液体食品2を収納して両端を密閉している。また、容器本体1の内部には必要に応じてアルミ箔、バリヤ性樹脂等から成るバリヤ層を形成するとよい。
【0018】
そして、上記のように構成された横断面多角形の容器本体1の多角面1a〜1dの一面1aと縦方向の一端面1eとの間の稜線2に近接して、両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を形成している。また、収納容器1の外面には、ストロー5を入れたストローパッケージ6が貼着されている。
【0019】
次に動作について説明する。
【0020】
実施例1の収納容器は上記の構成であるから、例えば、最初は図2に示すように収納容器1を縦長にして、収納容器1の外面に貼着したストローパッケージ6から取り出したストロー5を、収納容器1の縦方向の一端面に形成された第1のストロー挿入口3に差し込んで内容物7を飲用する。この場合、ストローは貼着された以外のものも自由に用いることができる。そして、飲用途中で収納容器1を台上に置くときには、図3に示すように第2のストロー挿入口4が形成された面を上にして横向きにする。これにより、すでに一部が飲用されて内容物7の量が減っているため、容器本体1を横向きにしても第1のストロー挿入口3から内容物7が流出することはほとんどない。
【0021】
また、この状態で第2のストロー挿入口4にストロー5を差し込んで飲用することができる。この場合、ストロー5の挿入量は横断面多角形の一面の高さ分hで足り、その挿入量は少なく、容器本体内の残用物を確実に飲用することができる。また、このように容器本体1を横向きに台上に置くことにより、設置姿勢の安定性に優れ、物があたっても倒れにくく、特に、振動が加わる台上に置いても倒れにくい。従って、本願発明の容器本体は列車、船等の移動体の座席テーブルに置くような場合に特に有効である。
【0022】
また、倒れにくい横向き状態に置くことができることにより、第2のストロー挿入口位置が低くなり、例えば、病人等が寝た状態で蛇腹ストローを用いて飲用することも可能となる。そして、内容物の残量が少なくなったときは、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開けて容器本体内を大気と連通させることにより、内容物を円滑に、且つ容易に最後まで全てを飲用することができる。
【0023】
この実施例1によれば、上記のように飲用途中の容器本体を横向きに台上に置くことができ、物が当たっても台に振動が加わっても倒れにくい。そして、内容物の残量が少なくなった場合は、ストローを挿入していない他のストロー挿入口を開いて、容器本体内を大気と連通させることにより、内容物を円滑に、且つ容易に全てを飲用することができる。また、容器本体を縦向きに握って飲用することできるので、2つ設けられたストロー挿入口を飲用状態に応じて使い分けすることにより、極めて飲用に便利であるという効果がある。
【実施例2】
【0024】
上記のように、実施例1では、横断面多角形の容器本体1の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線2に近接して該稜線の一端側のそれぞれの面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を設けたものであるが、この実施例2では、図4に示すように、稜線2の一端側において一方の面に第1のストロー挿入口3を、稜線2の他端側において他方の面に第2のストロー挿入口4を設けたもので、ストロー5による飲用動作は実施例1と同様である。安定性の良い横置きとすることができるとともに、その横置き状態でストローを用いて飲用することができる等の作用効果は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0025】
実施例3は、実施例1、2とは反対に第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を設けたもので、図5では図4とは反対に稜線2の一端側において一方の面に第2のストロー挿入口4を、稜線2の他端側において他方の面に第1のストロー挿入口3を設けたものである。また、図6では図1とは反対に稜線2の他端側のそれぞれの面に第1のストロー挿入口3と第2のストロー挿入口4を設けたものである。この図5および図6に示す実施例3はいずれの場合もストロー5による飲用動作および得られる作用効果は実施例1、2と同様である。
【実施例4】
【0026】
実施例4は、図7(a)に示すように容器本体11を横断面三角形となし、この三角面11a〜11cの一面11aと縦方向の一端面11dとの間の稜線12を中心として該稜線の同一端側の両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口13と第2のストロー挿入口14を設け、容器本体11の外面にストロー15を入れたストローパッケージ16が貼着されている。
【0027】
そして、図7(a)に示すように容器本体11を縦長にして、第1のストロー挿入口13にストロー15を挿入して飲用する他、図7(b)に示すように横置きにして第2のストロー挿入口14にストロー15を挿入して飲用するもので、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【実施例5】
【0028】
実施例5は、図8に示すように容器本体21は四面以上の横断面多角形をなし、この多角面21a〜21fの一面21aと縦方向の一端面21gとの間の稜線22に近接して両面に通気口を兼ねる第1のストロー挿入口23と第2のストロー挿入口24を設けたもので、容器本体21の外面にストロー25を入れたストローパッケージ26が貼着されている。
【0029】
そして、図8(a)に示すように容器本体21を縦長にして、第1のストロー挿入口23にストロー25を挿入して飲用する他、図8(b)に示すように横置きにして第2のストロー挿入口24にストロー25を挿入して飲用するもので、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0030】
なお、容器本体21を四面以上の横断面多角形で構成する場合、図示の横断面6面以上になると、横置きしたときに、載置台に加わる振動により、台上を転がる恐れがあるので、横断面6面までの多角形が妥当である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施例1による収納容器の斜視図である。
【図2】この発明の実施例1による収納容器を縦向きにして飲用する時の説明図である。
【図3】この発明の実施例1による収納容器を横向きにして飲用する時の説明図である。
【図4】この発明の実施例例2による収納容器の斜視図である。
【図5】この発明の実施例3による収納容器の斜視図である。
【図6】この発明の実施例3による収納容器の斜視図である。
【図7(a)】この発明の実施例4による収納容器を立てた状態を示す斜視図である。
【図7(b)】この発明の実施例4による収納容器を横にした状態を示す斜視図である。
【図8(a)】この発明の実施例5による収納容器を立てた状態を示す斜視図である。
【図8(b)】この発明の実施例5による収納容器を横にした状態を示す斜視図である。
【図9】従来の収納容器を示す斜視図である。
【図10】この収納容器により飲用する時の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1、11、21、61 容器本体
2、12、22 稜線
3、13、23 第1のストロー挿入口
4、14、24 第2のストロー挿入口
5、15、25 ストロー
6、16、26 ストローパッケージ
7 内容物
8、18、28 ストロー挿入口を被覆した樹脂フイルム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面多角形で液体食品を収納して両端面を密閉した容器本体と、この容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に形成した通気口を兼ねるストロー挿入口とを備えた収納容器。
【請求項2】
容器本体は横断面三角形をなし、この三角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線を中心として該稜線の同一端側の両面に通気口を兼ねるストロー挿入口を形成したことを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
容器本体は四面以上の横断面多角形をなし、この多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に通気口を兼ねるストロー挿入口を形成したことを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項1】
横断面多角形で液体食品を収納して両端面を密閉した容器本体と、この容器本体の多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に形成した通気口を兼ねるストロー挿入口とを備えた収納容器。
【請求項2】
容器本体は横断面三角形をなし、この三角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線を中心として該稜線の同一端側の両面に通気口を兼ねるストロー挿入口を形成したことを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
容器本体は四面以上の横断面多角形をなし、この多角面の一面と縦方向の一端面との間の稜線に近接して両面に通気口を兼ねるストロー挿入口を形成したことを特徴とする請求項1記載の収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−103731(P2006−103731A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291439(P2004−291439)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(303060413)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(303060413)
【Fターム(参考)】
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