説明

取り付け器具、そのような取り付け器具を用いた取り付け構造及びそのような取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法

【課題】外壁材を建物の躯体に取り付けることが容易な取り付け器具を提供する。
【解決手段】本発明の取り付け器具10は、建物の躯体に固定される板状の本体部11と、本体部11の一方の端部11aに接続され、この端部11aから突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第1係止部12と、本体部11の一方の端部11aに接続され、第1係止部12と対向し、第1係止部12の向きと反対の向きに突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第2係止部13と、を備える。取り付け器具10では、第2係止部13が、本体部11の一方の端部11aとは反対側の自由端部の一角を含む部分に、この自由端部を外壁材の係止受け部に案内するための係止ガイド部14を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り付け器具、そのような取り付け器具を用いた取り付け構造及びそのような取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁材を建物の躯体に取り付けるための取り付け器具が用いられている。この種の取り付け器具は、建物の躯体を形成した後に、外壁材を建物の躯体に取り付けて固定するために用いられる部である。
【0003】
通常、建物では、複数の外壁材が、建物の躯体に水平方向又は垂直方向に連設して取り付けられる。そして、取り付け器具は、その一方の端部が隣り合う外壁材の接合部分に係止され、他方の端部が建物の躯体に固定されて、外壁材を建物の躯体に取り付ける(特許文献1)。
【0004】
図1は、従来の例による取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図である。
【0005】
まず、図1(A)に示すように、外壁材171を挟むように、屋外側足場181及び屋内側足場182が組み立てられる。外壁材を建物の躯体に取り付ける作業者は、これらの足場を用いて、外壁材の両側から作業を行うことができる。
【0006】
外壁材171は、一方の側部に、他の外壁材と接合するための嵌合凹部175が設けられている。また、この一方の側部には、取り付け器具を係止するための係止受け部174が設けられている。
【0007】
次に、図1(B)に示すように、外壁材172が、外壁材171に連設される。外壁材172の一方の側部には、外壁材171の嵌合凹部175と嵌合する嵌合凸部176が設けられている。外壁材171と外壁材172とは、嵌合凹部175と嵌合凸部176とが嵌合して接合される。連設した外壁材171及び外壁材172の接合部分では、外壁材171の係止受け部174と外壁材172の係止受け部174が互いに対向する。なお、図1(B)及び後述する図1(C)及び図1(D)では、足場は示されていない。
【0008】
次に、図1(C)に示すように、L字状の取り付け器具110aの第1係止部112が外壁材171の係止受け部174に係止された後、取り付け器具110aが建物の躯体160に固定される。作業者は、屋内側足場182を用いて、取り付け器具110aを外壁材171に係止した後、建物の躯体160に固定することができる。
【0009】
次に、図1(D)に示すように、L字状の取り付け器具110bの第2係止部113が外壁材172の係止受け部174に係止され後、取り付け器具110bが建物の躯体160に固定される。作業者は、屋内側足場182を用いて、取り付け器具110bを外壁材172に係止した後、建物の躯体160に固定することができる。
【0010】
このようにして、連設した外壁材171及び外壁材172が、取り付け器具110a、110bを用いて、建物の躯体160に取り付けられる。同様に、外壁材172の他方の側部の嵌合凹部174には、他の外壁材が接合されて、複数の外壁材が連設されていく。
【0011】
上述した例では、足場が、外壁材の屋内側及び屋内側の両方に組み立てられていたが、作業現場によっては、屋外側足場のみが組み立てられている場合も多い。このような場合には、取り付け器具を外壁材の係止受け部に係止する作業は、作業者が、新たに取り付けられる外壁材の端から身を大きく乗り出して行うことになる。また、建物の躯体の端の外壁材を取り付ける場合には、取り付け器具を外壁材の係止受け部に係止する作業が特に困難になる。このような作業は、危険を伴う場合もある。
【0012】
そこで、屋外側足場のみが組み立てられている場合には、次の方法を用いて外壁材が建物の躯体に取り付けられている。
【0013】
図2は、従来の他の例による、取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図である。
【0014】
まず、図2(A)に示すように、外壁材171の屋外側のみに、屋外側足場181が組み立てられる。外壁材を建物の躯体に取り付ける作業者は、この足場のみを用いて、外壁材の外側から作業を行う。
【0015】
次に、図2(B)に示すように、T字状の取り付け器具110cの第1係止部112が外壁材171の係止受け部174に係止された後、取り付け器具110cが建物の躯体160に固定される。外壁材171には他の外壁材が接合されていないので、作業者は、屋外側足場181を用いて、身を大きく乗り出すことなく、取り付け器具110aを外壁材171に係止した後、建物の躯体160に固定することができる。なお、図2(B)及び後述する図2(C)では、足場は示されていない。
【0016】
次に、図2(C)に示すように、外壁材172が、外壁材171に連設されるのと共に、外壁材172の係止受け部174に、取り付け器具110cの第2係止部113が係止される。
【0017】
図3は、図2に示す取り付ける方法の要部を説明する図である。図3(A)は、図2(C)に示す連設した外壁材171及び外壁材172の接合部分の拡大図である。図3(B)は、外壁材172が、外壁材171に連設されるのと共に、外壁材172の係止受け部174に、取り付け器具110cの第2係止部113が係止される様子を示す図である。外壁材171、172は樹脂等の弾性を有する材料により形成されている。
【0018】
図3(A)に示すように、外壁材171及び外壁材172が接合した状態では、外壁材171の嵌合凹部175に、外壁材172の嵌合凸部176が嵌合するのと共に、取り付け器具110cの第1係止部112が外壁材171の係止受け部174に係止され、且つ取り付け器具110cの第2係止部113が外壁材172の係止受け部174に係止されている。係止受け部174の一部を形成する延出部174aの内側に、第1係止部112及び第2係止部113それぞれが当接している。
【0019】
図3(A)に示す外壁材の接合状態を形成するために、外壁材172の嵌合凸部176を外壁材171の嵌合凹部175に嵌合する際には、図3(B)に示すように、嵌合凸部176が嵌合凹部175の入り口を押し広げるのと共に、嵌合凸部176が圧縮されて、嵌合凸部176及び嵌合凹部175の周辺の形状が変形する。そのため、取り付け器具110cの第2係止部113の位置と、外壁材172の係止受け部174の位置とが一致しなくなる。
【0020】
そのため、取り付け器具110cの第2係止部113が、外壁材172の係止受け部174の一部を形成する延出部174aとぶつかるので、第2係止部113が係止受け部174にうまく係止されない場合がある。
【0021】
屋外側で作業を行う作業者が、外壁材171と外壁材172とを接合する際に、取り付け器具110cの第2係止部113の位置と、外壁材172の係止受け部174の位置とを一致させる作業を行うことは、困難な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2009−293194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、取り付け器具、そのような取り付け器具を用いた取り付け構造及びそのような取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明は、外壁材を建物の躯体に取り付けることが容易な、取り付け器具、そのような取り付け器具を用いた取り付け構造及びそのような取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明に係る取り付け器具は、外壁材を建物の躯体に取り付けるための取り付け器具であって、建物の躯体に固定される本体部と、上記本体部の端部に接続され、上記端部から突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第1係止部と、上記本体部の上記端部に接続され、上記第1係止部と対向し、上記第1係止部の突出方向と反対の方向に突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第2係止部と、を備え、上記第1係止部又は上記第2係止部は、上記本体部の上記端部側とは反対側の自由端部の一角を含む部分に、上記自由端部を外壁材の係止受け部に案内するための係止ガイド部を有していることを特徴とする。
【0026】
また、上記目的を達成するために、本発明に係るそのような取り付け器具を用いた取り付け構造は、外壁材が建物の躯体に取り付けられる取り付け構造であって、第1側部に設けられた第1の係止受け部を有する第1外壁材と、上記第1外壁材の第1側部と当接する第2側部、及び上記第2側部に設けられた第2の係止受け部、を有する第2外壁材と、建物の躯体に固定される本体部と、上記本体部の端部に接続され、上記端部から突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第1係止部と、上記本体部の上記端部に接続され、上記第1係止部と対向し、上記第1係止部の向きと反対の向きに突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第2係止部と、を備え、上記第1係止部又は上記第2係止部は、上記本体部の端部とは反対側の自由端部の一角を含む部分に、上記自由端部を外壁材の係止受け部に案内するための係止ガイド部が形成される取り付け器具と、を有し、上記第1の係止受け部に上記第1係止部が係止され、且つ上記第2の係止受け部に上記第2係止部が係止される、ことを特徴とする。
【0027】
更に、上記目的を達成するために、本発明に係るそのような取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法は、側部に係止受け部が形成された外壁材を建物の躯体に取り付ける方法であって、一対の外壁材を用意し、上記取り付け器具の上記第1係止部を、一方の外壁材の側部の係止受け部に係止し、上記本体部を、建物の躯体に固定し、他方の外壁材を、係止受け部同士が対向するように一方の外壁材と対向させて、他方の外壁材の側部を一方の外壁材の側部と接合すると共に、上記取り付け器具の上記係止ガイド部が形成されている上記第2係止部を、他方の外壁材の側部の係止受け部に係止する、段階を有することを特徴とする。
【0028】
更に、上記目的を達成するために、本発明に係るそのような取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法は、上記本体部が、上記第1係止部が接続された第1本体部と、上記第2係止部が接続された第2本体部とが、重ね合わされて形成され、側部に係止受け部が形成された外壁材を建物の躯体に取り付ける方法であって、一対の外壁材並びに上記第1本体部及び上記第2本体部が離間した状態の上記取り付け器具を用意し、上記第1本体部の上記第1係止部を、一方の外壁材の側部の係止受け部に係止し、上記第1本体部と上記第2本体部とを重ね合わせて上記本体部を形成すると共に、上記本体部を建物の躯体に固定し、他方の外壁材を、係止受け部同士が対向するように一方の外壁材と対向させて、他方の外壁材の側部を一方の外壁材の側部と接合すると共に、上記係止ガイド部が形成されている上記第2本体部の上記第2係止部を、他方の外壁材の側部の係止受け部に係止する、段階を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
上述した本発明に係る取り付け器具、取り付け構造及び方法によれば、外壁材を建物の躯体に取り付けることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来の例による取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図である。
【図2】従来の他の例による取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図である。
【図3】図2に示す取り付ける方法の要部を説明する図である。
【図4】本明細書に開示する取り付け器具の第1実施形態を示す斜視図である。
【図5】(A)は図4の正面図であり、(B)は上面図である。
【図6】(A)は図4の右側面図であり、(B)は左側面図である。
【図7】図4の取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付けた取り付け構造を示す正面図である。
【図8】(A)は図7のX−X線断面図であり、(B)は(A)の要部の拡大図である。
【図9】図4の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図(その1)である。
【図10】図4の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図(その2)である。
【図11】図4の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図(その3)である。
【図12】本明細書に開示する取り付け器具の第2実施形態を示す斜視図である。
【図13】第1本体部の斜視図である。
【図14】第2本体部の斜視図である。
【図15】図12の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図(その1)である。
【図16】図12の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図(その2)である。
【図17】図12の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付ける方法を説明する図(その3)である。
【図18】本明細書に開示する取り付け器具の第3実施形態を示す斜視図である。
【図19】図18の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付けた取り付け構造の部分分解斜視図である。
【図20】本明細書に開示する取り付け器具の変形例を示す図である。
【図21】本明細書に開示する取り付け器具の他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本明細書で開示する取り付け器具の好ましい実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0032】
図4は、本明細書に開示する取り付け器具の第1実施形態を示す斜視図である。図5(A)は、図4の正面図であり、図5(B)は上面図である。図6(A)は、図4の右側面図であり、図6(B)は左側面図である。
【0033】
取り付け器具10は、外壁材を建物の躯体に取り付けるための部である。
【0034】
図4〜図6に示すように、取り付け器具10は、建物の躯体に固定される板状の本体部11と、本体部11の一方の端部11aに接続され、この端部11aから突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第1係止部12と、本体部11の一方の端部11aに接続され、第1係止部12と対向し、第1係止部12の突出方向と反対の方向に突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第2係止部13と、を備える。
【0035】
また、取り付け器具10では、第2係止部13が、本体部11の一方の端部11a側とは反対側の自由端部の一角を含む部分に、この自由端部を外壁材の係止受け部に案内するための係止ガイド部14を有している。
【0036】
次に、取り付け器具10の第1係止部12及び第2係止部13について、以下に説明する。
【0037】
第1係止部12及び第2係止部13は、共に外壁材の係止受け部に係止される部分であり、図4〜図6に示すように、縦長の矩形形状を有する。第1係止部12及び第2係止部13は、本体部11の一方の端部11aから、板状の本体部11とは直交する方向に延出している。
【0038】
第2係止部13の厚さは、第1係止部12よりも薄いことが、係止ガイド部14が形成された第2係止部13を、外壁材の係止受け部に係止する作業が容易になる上で好ましい。
【0039】
また、本体部11の一方の端部11aから突出する向きと直交する方向の第2係止部13の長さは、本体部11の一方の端部11aから突出する向きと直交する方向の第1係止部12の長さよりも長い。これは、厚さの薄い第2係止部13の機械的強度を高めるためである。
【0040】
係止ガイド部14は、第2係止部13の自由端部の一角を含む部分が、本体部11側とは反対の向きに曲がって形成される。このような構成により、例えば、第2係止部13の自由端部の全体を曲げて係止ガイド部が形成された場合と比べて、第2係止部13の機械的強度を高くすることができる。詳しくは後述するが、取り付け器具10は、連接した一対の外壁材の接合部分に係止される。そして、連設した一対の外壁材に、取り付け器具10が係止されている側から風圧が加わり、一対の外壁材が離間するような外力が加えられた場合でも、第2係止部13は、外壁材の係止受け部にしっかりと係止した状態が維持されて、外壁材が建物の躯体に確実に取り付けられることができる。
【0041】
また、第2係止部13の形成材料として金属板を用いる場合には、第2係止部13の自由端部の一角を含む部分を加工により曲げて係止ガイド部14を形成することは容易である。
【0042】
第2係止部13は、第2係止部13が外壁材の係止受け部に係止される際に、係止受け部に引っかからない程度に曲げられて係止ガイド部14が形成されることが好ましい。
【0043】
取り付け器具10のように、第1係止部12及び第2係止部13の内、一方の第2係止部のみに係止ガイド部14を設けることは、取り付け器具10の機械的強度を維持しつつ、取り付け器具を用いた外壁材の建物の躯体への取り付け作業を容易にするという観点から好ましい。
【0044】
また、第1係止部12の長手方向の両端には、自由端部の一角が本体部11側に曲げられた曲げ部15a、15bが形成されている。曲げ部15a、15bは、外壁材の係止受け部に係止された第1係止部12が、係止受け部から外れることを防止する働きを有する。
【0045】
次に、取り付け器具10の本体部11について、以下に説明する。
【0046】
図4〜図6に示すように、本体部11は、第1係止部12及び第2係止部13と接続する一方の端部11aから、第1係止部12及び第2係止部13に対して垂直に延出する基部11cと、基部11cの上部から、他方の端部11bに向かって更に延出する延出部11dを有する。また、本体部11は、延出部11dの上側の端部から、第1係止部12と同じ方向に向かって延出する上側水平部11fと、延出部11dの下側の端部から、第2係止部13と同じ方向に向かって延出する下側水平部11gとを有する。
【0047】
取り付け器具10では、図4〜図6に示すように、基部11cの第2係止部13側の面と第2係止部13は、一枚の金属板がL字状に折曲されて形成されている。また、延出部11d、基部11cの第1係止部12側の面及び第1係止部12は、一枚の金属板がL字状に折曲されて形成されている。そして、取り付け器具10は、基部11cの第2係止部13側の面及び第2係止部13を形成する金属板と、延出部11d、基部11cの第1係止部12側の面及び第1係止部12を形成する金属板とが、第1係止部12と第2係止部13とが対向するように重ね合わされて、基部11cの部分が溶接されて形成されている。
【0048】
基部11cは第2係止部13と同じ長さを有している。基部11cは、上述したように、2枚の金属板を重ね合わされ、3カ所で溶接されて形成されている。
【0049】
延出部11dは、図5(A)及び図5(B)に示すように、横長の矩形形状を有する。延出部11には、機械的強度を補強するための補強凹部11hが形成されている。
【0050】
上側水平部11fは、図5(B)に示すように、縦長の矩形形状を有する。上側水平部11fの幅は、第1係止部12の幅とほぼ同じである。図5(A)に示すように、上側水平部11fは、延出部11dから垂直に延出している。
【0051】
下側水平部11gは、図5(B)に示すように、縦長の形状を有する。下側水平部11gの幅は、一方の端部11a側から他方の端部11b側に向かって増加した後、一定となっている。図5(A)に示すように、下側水平部11gは、延出部11dから垂直に延出している。また、下側水平部11gには、取り付け器具10を建物の躯体にボルト等を用いて固定するための固定孔部11iが形成されている。
【0052】
本体部11では、上側水平部11fと、延出部11dと、下側水平部11gとは一枚の金属板により形成されており、この金属板が垂直に折曲されて上側水平部11fと延出部11dと下側水平部11gとが形成されている。このような構成を有する本体部11は、機械的強度が高められている。
【0053】
取り付け器具10を形成する形成材料としては、上述した金属板以外にも、PC、PVC、アクリル、ABS等の合成樹脂を用いても良い。取り付け器具10は、金属又は合成樹脂を用いて一体に形成され得る。
【0054】
次に、上述した取り付け器具10を用いて、外壁材が建物の躯体に取り付けられた取り付け構造を以下に説明する。
【0055】
図7は、図4の取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付けた取り付け構造を示す正面図である。図8(A)は、図7のX−X線断面図であり、図8(B)は図8(A)の要部の拡大図である。
【0056】
取り付け構造50は、建物の躯体60と、外壁材71〜73と、複数の取り付け器具10とを有する。
【0057】
図7及び図8に示すように、複数の取り付け器具10を用いて、3つの外壁材71〜73が、建物の躯体60に連設して取り付けられている。具体的には、取り付け器具10は、図8(A)及び図8(B)に示すように、連設した一対の外壁材71,72を建物の躯体60に取り付ける。同様に、取り付け器具10は、連設した一対の外壁材72,73を建物の躯体60に取り付ける。
【0058】
各外壁材71〜73は、図7に示すように、縦長の矩形形状を有しており、幅方向に並べて配置されている。ここで、外壁材の幅方向とは、外壁材の長手方向と直交する方向を意味する。
【0059】
建物の躯体60は、建物の骨組みであり、鉄骨等により形成される。3つの外壁材71〜73それぞれは、図7に示すように、互いに離間した2つの躯体60に取り付けられる。
【0060】
外壁材71〜73は、図8(A)及び図8(B)に示すように、その断面構造が、2つの面材、及びこれらの面材を連結する複数のリブとから構成される。外壁材71〜73は、2つの面材とリブとで囲まれた多数の中空部を有しており、軽量であると共に、高い剛性及び断熱性を有する。
【0061】
外壁材71〜73を形成する材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びこれらの樹脂にガラス繊維を含有させた強化樹脂等の光透過性の合成樹脂を用いることができる。また、外壁材71〜73を形成する材料としては、セメント、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、セラミックス等の無機材料及びこれらの無機材料に鉄筋、ガラス繊維又はアラミド繊維を含有させた材料を用いることもできる。
【0062】
図7及び図8に示すように、一対の外壁材71、72それぞれは、その幅方向の側部同士を当接させて、躯体に取り付けられる。外壁材71における幅方向の一方の側部71aには、他の外壁材と嵌合する嵌合凸部76が設けられている。また、外壁材71における幅方向の他方の側部71bには、図8(B)に示すように、外壁材72と嵌合する嵌合凹部75が設けられている。また、外壁材72における幅方向の一方の側部72aには、外壁材71の嵌合凹部75と嵌合する嵌合凸部76が設けられている。そして、外壁材71と外壁材72とは、嵌合凹部75と嵌合凸部76とが嵌合して接合される。
【0063】
また、図8(B)に示すように、外壁材71の他方の側部71bには、取り付け器具10が係止される係止受け部74が設けられている。同様に、外壁材72の一方の側部72aにも、取り付け器具10が係止される係止受け部74が設けられている。外壁材71の他方の側部71bの係止受け部74と、外壁材72の一方の側部72aの係止受け部74とは、対向している。
【0064】
そして、外壁材71の係止受け部74には取り付け器具10の第1係止部12が係止され、且つ外壁材72の係止受け部74には、取り付け器具10の第2係止部13が係止される。
【0065】
外壁材71の係止受け部74の一部分は、図8(B)に示すように、側部71bから外方に向かって延出する受け延出部74aによって形成される。取り付け器具10は、第1係止部12の曲げ部15a、15bが受け延出部74aと当接して、係止受け部74に確実に係止される。
【0066】
取り付け器具10は、固定孔部11iにボルト18が挿通されて、ボルト18により躯体60に固定される。このように、取り付け器具10を用いて、外壁材71,72が建物の躯体60に取り付けられる。
【0067】
取り付け構造50では、外壁材71と外壁材72とは、同じ形状を有している。また、外壁材73も、外壁材71及び外壁材72と同じ形状を有しており、外壁材72及び外壁材73も、図8(A)に示すように、外壁材71及び外壁材72と同様に接合されている。上述した取り付け構造では、3枚の外壁材が建物の躯体に取り付けられていたが、取り付けられる外壁材の数は、3枚より少なくても、3枚よりも多くても良い。
【0068】
次に、上述した取り付け器具10を用いて、側部に係止受け部が形成された外壁材を建物の躯体に取り付ける方法の一例を、図9〜図10を参照して以下に説明する。
【0069】
まず、図9(A)に示すように、一対の外壁材71、72を用意する。
【0070】
次に、図9(B)に示すように、取り付け器具10の第1係止部12を、一方の外壁材71における他方の側部71bの係止受け部74に係止する。
【0071】
次に、図10(A)に示すように、取り付け器具10の固定孔部11iにボルト18を挿通し、ボルト18を用いて本体部10を建物の躯体60に固定する。
【0072】
次に、図10(B)に示すように、他方の外壁材72を、係止受け部74同士が対向するように一方の外壁材71と対向させて、一方の外壁材71の嵌合凹部75に他方の外壁材72の嵌合凸部76を嵌合させて、他方の外壁材72の一方の側部72aを一方の外壁材71の他方の側部71bと接合すると共に、取り付け器具10の係止ガイド部14が形成されている第2係止部13を、他方の外壁材72の一方の側部72aの係止受け部74に係止する。
【0073】
ここで、図10(B)に示すように、取り付け器具10は、他方の外壁材72の一方の側部72aを一方の外壁材71の他方の側部71bと接合する際に、第2係止部13に形成された係止ガイド部14における自由端部の一角Pが、他方の外壁材72の厚さ方向において、他方の外壁材72の係止受け部74内に位置するように、係止ガイド部14が形成されていることが好ましい。
【0074】
第2係止部13の係止ガイド14が、このように形成されているので、外壁材71の係止受け部74の位置と外壁材72の係止受け部74の位置とがずれていても、取り付け器具10の第2係止部13が、外壁材72の係止受け部74に確実に係止されることができる。従って、足場が外壁材の屋外側のみに形成されている場合でも、作業員は、外壁材の屋外側から作業して、取り付け器具10を用いて、他方の外壁材72を一方の外壁材71に容易に接合することができる。
【0075】
そして、図11に示すように、取り付け器具10を用いて、側部に係止受け部が形成された一対の外壁材71,72が建物の躯体に取り付けられる。
【0076】
上述した取り付け器具10によれば、建物の躯体60に取り付け器具10を固定した後に、2つの外壁材71,72を接合する場合において、2つの係止受け部74の位置がずれていても、2つの外壁材71,72を容易に接合することができる。従って、取り付け器具10を用いることにより、外壁材を建物の躯体に取り付けることが容易となる。
【0077】
次に、上述した取り付け器具の他の実施形態を、図12〜図19を参照しながら以下に説明する。他の実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0078】
図12は、本明細書に開示する取り付け器具の第2実施形態を示す斜視図である。図13は、第1本体部の斜視図である。図14は、第2本体部の斜視図である。
【0079】
取り付け器具20は、上述した第1実施形態と同様に、曲げ部25a、25bを有する第1係止部22と、係止ガイド部24を有する第2係止部23と、本体部21とを備える。本体部21は、基部21cと、延出部21dと、上側水平部21fと、下側水平部21gと、補強凹部21hと、固定孔部21iとを有する。上側水平部21fは、延出部21dの端部から、延出部21dに対して垂直な方向に両側に延出している。
【0080】
本体部21は、端に第1係止部22が接続された第1本体部26と、端に第2係止部23が接続された第2本体部27とが、重ね合わされて形成される。
【0081】
第1本体部26は、第1係止部22と接続する一方の端部26aから、第1係止部22に対して垂直に延出する第1基部26cと、第1基部26cの上側の部分から、他方の端部26bに向かって更に延出する第1延出部26dを有する。また、第1本体部26は、第1延出部26dの上側の端部から、第1係止部22と同じ方向に向かって延出する第1上側水平部26fと、第1延出部26dの下側の端部から、第1係止部22とは反対の方向に向かって延出する第1下側水平部26gとを有する。第1下側水平部26gには、第1固定孔部26iが形成される。
【0082】
第2本体部27は、第2係止部23と接続する一方の端部27aから、第2係止部23に対して垂直に延出する第2基部27cと、第2基部27cの上部から、他方の端部27bに向かって更に延出する第2延出部27dとを有する。また、第2本体部27は、第2延出部27dの上側の端部から、第2係止部23と同じ方向に向かって延出する第2上側水平部27fと、第2延出部27dの下側の端部から、第2係止部22と同じ方向に向かって延出する第2下側水平部27gとを有する。第2下側水平部27gには、第2固定孔部27iが形成される。
【0083】
取り付け器具20では、第1基部26cと第2基部27cとが重なって、本体部21の基部21cが形成され、また第1延出部26dと第2延出部27dとが重なって、本体部21の延出部21dが形成され、また第1上側水平部26fと第2上側水平部27fとが対向するように隣合って、本体部21の上側水平部21fが形成される。また、取り付け器具20では、第1下側水平部26gの上に第2下側水平部27gが重なって、本体部21の下側水平部21gが形成される。また、取り付け器具20では、第1固定孔部26iと第2固定孔部27iとが重なって、固定孔部21iが形成され、また補強凹部26hと第2補強凹部27hとが重なって、補強凹部21hが形成される。
【0084】
上述した取り付け器具20を用いて、図7に示すような、外壁材が建物の躯体に取り付けられた取り付け構造が形成され得る。
【0085】
次に、上述した取り付け器具20を用いて、側部に係止受け部が形成された外壁材を建物の躯体に取り付ける方法の一例を、図15〜図17を参照して以下に説明する。
【0086】
まず、図15(A)に示すように、一対の外壁材71,72、並びに第1本体部26及び第2本体部27が離間した状態の取り付け器具20の(図示せず)を用意する。
【0087】
次に、図15(B)に示すように、第1本体部26に接続する第1係止部22を、一方の外壁材71における他方の側部71bの係止受け部74に係止する。
【0088】
次に、図16(A)に示すように、第1本体部26と第2本体部27とを重ね合わせて本体部21を形成する。
【0089】
次に、図16(B)に示すように、固定孔部21iにボルト18を挿通し、ボルト18を用いて本体部21を建物の躯体60に固定する。
【0090】
次に、図17(A)に示すように、他方の外壁材72を、係止受け部74同士が対向するように一方の外壁材71と対向させて、一方の外壁材71の嵌合凹部75に他方の外壁材72の嵌合凸部76を嵌合させて、他方の外壁材72の一方の側部72aを一方の外壁材71の他方の側部71bと接合すると共に、取り付け器具20の係止ガイド部24が形成されている第2係止部23を、他方の外壁材72の側部72aの係止受け部74に係止する。
【0091】
そして、図17(B)に示すように、取り付け器具20を用いて、側部に係止受け部が形成された一対の外壁材71,72が建物の躯体に取り付けられて、取り付け構造50が形成される。
【0092】
上述した取り付け器具20によれば、本体部21が、第1本体部26と第2本体部27とが重ね合わされて形成されるので、本体部21の機械的強度が向上する。また、上述した第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0093】
図18は、本明細書に開示する取り付け器具の第3実施形態を示す斜視図である。図19は、図18の取り付け器具を用いて、外壁材を建物の躯体に取り付けた取り付け構造の部分分解斜視図である。
【0094】
取り付け器具30は、上述した第1実施形態と同様に、第1係止部32と、係止ガイド部34を有する第2係止部33と、本体部31とを備える。
【0095】
本体部31は、本体部31の一方の端部31aから延びており、第1係止部32及び第2係止部33に対して垂直な基部31cと、第1係止部32及び第2係止部33に対して平行な方向に基部31cから延びる第1延出部31dと、第2延出部31eと、第3延出部31fとを有する。
【0096】
第1延出部31dは、本体部31の一方の端部31aと他方の端部31bとの間の位置から、第2係止部33と同じ方向に向かって基部31cから延出する。第1延出部31dの自由端部は、他方の端部31bの方向に垂直に折曲して建物の躯体と当接するようになっている。
【0097】
第2延出部31eは、本体部31の他方の端部31bから、第1係止部33と同じ方向に向かって延出する。板状の第2延出部31eは、建物の躯体と面で当接するようになっている。第2延出部31eは、複数の固定孔部31gを有する。第2延出部31eの基部31cとは反対側の端部には、外壁材と面で当接する延出凸部31hが形成されている。
【0098】
第3延出部31fは、第1延出部31dと対向して、基部31cから反対の方向に延出する。
【0099】
第1延出部31dと第2係止部33との間の距離は、第2係止部33が係止される外壁材の係止受け部の一部を形成する受け延出部の厚さと同じである。
【0100】
また、第3延出部31fと第1係止部32との間の距離は、第1係止部32が係止される外壁材の係止受け部の一部を形成する受け延出部の厚さと同じである。
【0101】
また、延出凸部31hの厚さは、取り付け器具30が取り付けられた外壁材71と建物の躯体60との間の距離と同じである。
【0102】
図19に示すように、取り付け器具30は、外壁材71、72と建物の躯体60との間に位置して、外壁材71、72を建物の躯体60に取り付ける。板状の第1延出部31dは、外壁材72と面で当接する。第2延出部31eは、面で建物の躯体60と当接する。延出凸部31hは、外壁材71と面で当接する。外壁材71の係止受け部74の一部を形成する受け延出部74aは、第1係止部32と第3延出部31fとの間に係止される。また、外壁材72の係止受け部74の一部を形成する受け延出部74aは、第2係止部33と第1延出部31dとの間に係止される。
【0103】
取り付け器具30を用いて、側部に係止受け部が形成された外壁材を建物の躯体に取り付ける方法は、上述した第1実施形態と同様に行うことができる。
【0104】
上述した取り付け器具30によれば、外壁材71,72と取り付け器具30とが面で当接して、外壁材が建物の躯体に取り付けられるので、外壁材の躯体60への取り付け強度が向上する。また、第1実施形態の取り付け器具と同様の効果が奏される。
【0105】
本発明では、上述した実施形態の取り付け器具、そのような取り付け器具を用いた取り付け構造及びそのような取り付け器具を用いて外壁材を建物の躯体に取り付ける方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施形態が有する構成要件は、他の実施形態にも適宜適用することができる。
【0106】
例えば、取り付け器具は、図20及び図21に示すように形成されていても良い。
【0107】
図20は、本明細書に開示する取り付け器具の変形例を示す図である。図21は、本明細書に開示する取り付け器具の他の変形例を示す図である。
【0108】
図20(A)に示すように、取り付け器具40は、第2係止部43に形成された係止ガイド部44が、本体部41の一方の端部41aから自由端部に向かう途中の位置から、自由端部に亘って形成されていても良い。
【0109】
図20(B)に示すように、取り付け器具40は、第2係止部43に形成された係止ガイド部44が、本体部41の一方の端部41aから第2係止部43の自由端部に亘って形成されていても良い。この場合には、第2係止部43の全体が、係止ガイド部44を形成することになる。
【0110】
図20(C)に示すように、取り付け器具40は、第2係止部43に形成された係止ガイド部44が、第2係止部43の厚さが薄くなって形成されていてもよい。第2係止部43は、本体部41側の面が傾斜しており、本体部41の一方の端部41a側から自由端部側に向かう途中の位置から自由端部に向かって厚さが減少して、係止ガイド部44が形成されていても良い。
【0111】
図20(D)に示すように、取り付け器具40は、図20(C)に示すように形成された係止ガイド部44が、本体部41の一方の端部41aから第2係止部43の自由端部に亘って形成されていても良い。
【0112】
図20(E)に示すように、取り付け器具40は、係止ガイド部44が、第1係止部42よりも厚さの薄い板材を用いて、本体部41の一方の端部41aから第2係止部43の自由端部に亘って形成されていても良い。この場合も、第2係止部43の全体が、係止ガイド部44を形成することになる。
【0113】
図21(A)に示すように、取り付け器具40は、第2係止部43に形成された係止ガイド部44が、第2係止部43の自由端部の全体に亘って形成されていても良い。
【0114】
また、図21(B)に示すように、取り付け器具40は、上述した実施形態と同様に、第2係止部43に形成された係止ガイド部44が、自由端部の一角を含む部分のみに形成されていても良い。また、第1係止部42には、曲げ部を設けていなくても良い。
【0115】
また、上述した取り付け器具の実施形態では、係止ガイド部は、第2係止部のみに形成されていたが、係止ガイド部は、第1係止部に形成されていても良い。また、係止ガイド部は、第1係止部及び第2係止部の両方に形成されていても良い。
【符号の説明】
【0116】
10 取り付け器具
11 本体部
11a 本体部の一方の端部
11b 本体部の他方の端部
11c 基部
11d 延出部
11f 上側水平部
11g 下側水平部
11h 補強凹部
11i 固定孔部
12 第1係止部
13 第2係止部
14 係止ガイド部
15a、15b 曲げ部
18 ボルト
20 取り付け器具
21 本体部
21a 本体部の一方の端部
21b 本体部の他方の端部
21c 基部
21d 延出部
21f 上側水平部
21g 下側水平部
21h 補強凹部
21i 固定孔部
22 第1係止部
23 第2係止部
24 係止ガイド部
25a、25b 曲げ部
26 第1本体部
26a 第1本体部の一方の端部
26b 第1本体部の他方の端部
26c 第1基部
26d 第1延出部
26f 第1上側水平部
26g 第1下側水平部
26i 第1固定孔部
26h 第1補強凹部
27 第2本体部
27a 第2本体部の一方の端部
27b 第2本体部の他方の端部
27c 第2基部
27d 第2延出部
27f 第2上側水平部
27g 第2下側水平部
27i 第2固定孔部
27h 第2補強凹部
28 ボルト
30 取り付け部
31 本体部
31a 本体部の一方の端部
31b 本体部の他方の端部
31c 基部
31d 第1延出部
31e 第2延出部
31f 第3延出部
31g 固定孔部
31h 延出凸部
31i 固定孔部
32 第1係止部
33 第2係止部
34 係止ガイド部
40 取り付け部
41 本体部
42 第1係止部
43 第2係止部
44 係止ガイド部
50 取り付け構造
60 建物の躯体
71、72、73 外壁材
71a、72a、73a 外壁材の一方の側部
71b、72b、73b 外壁材の他方の側部
74 係止受け部
74a 受け延出部
75 嵌合凹部
76 嵌合凸部
110a、110b、110c 取り付け器具
112 第1係止部
113 第2係止部
160 建物の躯体
171、172 外壁材
174 係止受け部
174a 延出部
175 嵌合凹部
176 嵌合凸部
181、182 足場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁材を建物の躯体に取り付けるための取り付け器具であって、
建物の躯体に固定される本体部と、
前記本体部の端部に形成され、前記端部から突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第1係止部と、
前記本体部の前記端部に形成され、前記第1係止部と対向し、前記第1係止部の突出方向と反対の方向に突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第2係止部と、
を備え、
前記第1係止部又は前記第2係止部は、前記本体部の前記端部側とは反対側の自由端部の一角を含む部分に、前記自由端部を外壁材の係止受け部に案内するための係止ガイド部を有していることを特徴とする取り付け器具。
【請求項2】
前記係止ガイド部が前記第2係止部に形成されており、前記第2係止部の厚さは、前記第1係止部よりも薄い請求項1に記載の取り付け器具。
【請求項3】
前記本体部の前記端部から突出する向きと直交する方向の前記第2係止部の長さは、前記本体部の前記端部から突出する向きと直交する方向の前記第1係止部の長さよりも長い請求項2に記載の取り付け器具。
【請求項4】
前記本体部は、前記第1係止部が形成された第1本体部と、前記第2係止部が形成された第2本体部とが、重ね合わされて形成される請求項1〜3の何れか一項に記載の取り付け器具。
【請求項5】
前記係止ガイド部は、前記第1係止部又は前記第2係止部が、前記本体部側とは反対の向きに曲がって形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の取り付け器具。
【請求項6】
前記係止ガイド部は、前記第1係止部又は前記第2係止部が外壁材の係止受け部に係止される際に、係止受け部に引っかからないように曲げられている請求項5に記載の取り付け器具。
【請求項7】
外壁材が建物の躯体に取り付けられる取り付け構造であって、
第1側部に設けられた第1の係止受け部を有する第1外壁材と、
前記第1外壁材の第1側部と当接する第2側部、及び前記第2側部に設けられた第2の係止受け部、を有する第2外壁材と、
建物の躯体に固定される本体部と、前記本体部の端部に接続され、前記端部から突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第1係止部と、前記本体部の前記端部に接続され、前記第1係止部と対向し、前記第1係止部の向きと反対の向きに突出し且つ外壁材の係止受け部に係止される板状の第2係止部と、を備え、前記第1係止部又は前記第2係止部は、前記本体部の前記端部とは反対側の自由端部の一角を含む部分に、前記自由端部を外壁材の係止受け部に案内するための係止ガイド部が形成される取り付け器具と、
を有し、
前記第1の係止受け部に前記第1係止部が係止され、且つ前記第2の係止受け部に前記第2係止部が係止される、
ことを特徴とする取り付け構造。
【請求項8】
請求項1に記載の取り付け器具を用いて、側部に係止受け部が形成された外壁材を建物の躯体に取り付ける方法であって、
一対の外壁材を用意し、
前記取り付け器具の前記第1係止部を、一方の外壁材の側部の係止受け部に係止し、
前記本体部を、建物の躯体に固定し、
他方の外壁材を、係止受け部同士が対向するように一方の外壁材と対向させて、他方の外壁材の側部を一方の外壁材の側部と接合すると共に、前記取り付け器具の前記係止ガイド部が形成されている前記第2係止部を、他方の外壁材の側部の係止受け部に係止する、
段階を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項4に記載の取り付け器具を用いて、側部の係止受け部が形成された外壁材を建物の躯体に取り付ける方法であって、
一対の外壁材並びに前記第1本体部及び前記第2本体部が離間した状態の前記取り付け器具を用意し、
前記第1本体部の前記第1係止部を、一方の外壁材の側部の係止受け部に係止し、
前記第1本体部と前記第2本体部とを重ね合わせて前記本体部を形成すると共に、前記本体部を建物の躯体に固定し、
他方の外壁材を、係止受け部同士が対向するように一方の外壁材と対向させて、他方の外壁材の側部を一方の外壁材の側部と接合すると共に、前記係止ガイド部が形成されている前記第2本体部の前記第2係止部を、他方の外壁材の側部の係止受け部に係止する、
段階を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記取り付け器具は、
他方の外壁材の側部を一方の外壁材の側部と接合する際に、前記第2係止部に形成された前記係止ガイド部における前記自由端部の一角が、他方の外壁材の厚さ方向において、他方の外壁材の係止受け部内に位置するように、前記係止ガイド部が形成されている請求項8又は9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−31644(P2012−31644A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172365(P2010−172365)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】