取り付け装置
本発明は、複数の取り付けアイレット(3)が突出する1つの金属基板(2)を備える取り付け装置(1)およびその製造方法に関する。取り付け装置(1)は、複数のアーチ状のアイレットブランク(4)を、1つのアイレットブランク(4)につき2つの結合部(5)が基板(2)の面内に残るように切り込み、この結合部(5)の屈曲縁部(6)を中心にして、アイレットブランク(4)を基板(2)の外側に折り曲げて、取り付けアイレット(3)とすることにより、得られる。アイレットブランク(4)の少なくとも一部は、互いに入れ子状となったグループ(7)として配置される。好ましくは、アイレットブランク(4)のグループ(7)は、相対的に回転した位置関係で配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の取り付けアイレットが上方に突出している金属基板を備える取り付け装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設産業、自動車産業、家電産業などの多くの分野において、金属部品を設置したり、他の部品に取り付けたりすることが必要とされている。取り付けのために溶接やねじ止めなどの特別な手段を必要としない、簡易かつ迅速な取り付けが可能な、取り付け装置や係止装置が望まれている。このような取り付けは、プラスチック部品の分野では、面ファスナなどの取り付け装置を用いることで可能となっている。しかしながら、このようなプラスチック製の面ファスナは、耐久性や温度安定性を備えておらず、電気伝導性も示さないため、広範囲にわたって適用できるものではない。したがって、用途によっては、プラスチック製の面ファスナと同様の取り付け特性を備えた、金属製の取り付け装置も提案されている。このような「金属製の面ファスナ」は、たとえば、特許文献1〜4において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE10 2004 048 464 A1
【特許文献2】DE10 2006 015 100 B4
【特許文献3】DE10 2006 015 145 A1
【特許文献4】DE10 2006 015 148 B4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した金属製の面ファスナの取り付け突起が係止される相手部材としては、金属製のループフリース、ワイヤスクリム、ワイヤニット、メタルメッシュあるいは孔あきメタルシートなどがあげられる。しかしながら、金属ワイヤを用いた相手部材は、その製造が高価かつ複雑であるにもかかわらず、金属製のスクリムがすり切れてしまったり、金属製のループが突き出てしまったりして、傷害の危険性を生じ、かつ、耐久性が低いという問題がある。孔あきメタルシートの場合、取り付け突起を相手部材に特定の向きでしか固定できないので不便である。このため、これらの相手部材の用途が大幅に制限されている。
【0005】
したがって、本発明の目的は、広く利用でき、様々な相手部材と組み合わせることができ、ほぼすべての向きで相手部材を係止できると共に、高い保持力を維持しつつ、繰り返して脱着可能である取り付け装置を、低コストで提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、複数の取り付けアイレットが突出している金属基板を備える取り付け装置に関する。当該取り付け装置は、1つのアイレットブランクにつき2つの結合部を残すように、アイレット用のアーチ状のブランクを切り込み、その後、この結合部の屈曲縁部で、該基板から該アイレットブランクを折り曲げることによって得られる。このようにして、複数のアイレットブランクが、グループを形成するように、前記基板に切り込まれる。1つグループには、少なくとも2個、好ましくは2〜10個、さらに好ましくは2〜5個のアイレットブランクが備えられ、これらのアイレットブランクは、1つのアイレットブランクの少なくとも一部が、他のアイレットブランクの内側となるように、入れ子状に形成される。
【0007】
代替的に、前記アイレットは、せん断加工によって製造される。この場合、前記アーチ状のアイレットは、せん断と同時に基板から折り曲げられる。すなわち、切断と折り曲げの2つの製造工程が同時に行われる。ただし、以下の説明では、「ブランク」の語を、アイレットが切断後に折り曲げられて得られるか、切断と同時に折り曲げられるかにかかわらず、用いるものとする。
【0008】
1つのグループ内のアイレットブランクは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。特に簡単な構造では、すべてのアイレットブランクは同一のサイズおよび同一の形状を備える。たとえば、複数のV字型あるいはU字型のアイレットブランクを、互いの内側や背後に配置する。材料の無駄を省くために、1つのグループのアイレットブランクを互いに隙間なく密接させ、廃棄物を出すことなく切り取ることも可能である。このような場合、2つの隣接したアイレットブランクは、少なくとも1つの切断線を共有することとなる。しかしながら、基板内で隣接するアイレットブランクの間に広い隙間を切り込むことで、グループ内のアイレットブランク同士の間に間隔を設けてもよい。この構成では、隣接するブランク同士の間に摩擦が生じないため、アイレットブランクを基板から容易に折り曲げることが可能となる。
【0009】
1つのグループ内のアイレットブランクは、それらの結合部と屈曲縁部が平行となるように配置されることが好ましい。この場合、アイレットブランク同士を、異なる曲げ角度となるように、もしくは折り曲げの結果として得られる角度が異なるように、折り曲げることで、完成した取り付け装置において、そのアイレットブランクの頂部が上下方向に重ならないようにすることが有効である。代替例では、1つのグループ内のアイレットブランクの結合部が、高さ方向に関してオフセットされる。1つのグループの最も内側のアイレットブランクの結合部からその頂部に向かって見た場合、それよりも外側に配置されたアイレットブランクの結合部は、この最も内側のアイレットブランクの頂部の方向にずれるように設けられている。外側に行くほど、アイレットブランクの結合部を上側にずらして設けたり、あるいは、ジグザグ状としたりすることもできる。ジグザク構造の場合、最も内側のアイレットブランクの結合部は、その外側のアイレットブランクの結合部よりも、さらにもう1つ外側に設けられたアイレットブランクの結合部の近くに位置するようになる。いずれの構造の場合でも、折り曲げられた取り付けアイレットは、連続的に配置される。これによって、相手部材の取り付け突起は、取り付けの際に、隣接する取り付けアイレットの間の隙間内に係止される。このため、グループを構成しない取り付けアイレットによる場合よりも、前記突起を捉える機会が多くなる。しかしながら、隣接する取り付けアイレット間の各隙間が、相手部材の取り付け突起を常に捉える必要はない。
【0010】
取り付けアイレットが可撓性を備えることは、係止あるいは脱着の際にとりわけ有利である。アーチ状の取り付けアイレットは、曲げ方向に弾性的に変形できるのみならず、少なくとも基板の厚さやアーチ状のアイレットブランクのウェブの幅が適切に選択されている限り、相手部材の突起の移動に応じて、押したり引っ張られたりする方向に、伸長あるいは圧縮することができる。取り付けアイレットが弾性的に変形可能であるため、取り付けアイレットと取り付け突起の係止および相手部材の本発明の取り付け装置からの脱着が容易となる。
【0011】
アイレットブランクの形状は任意であるが、固定される取り付け突起の形状や大きさに応じて選択されることが好ましい。アイレットブランクは、2つの結合部を介して基板につながったまま、これら2つの結合部の間にアーチ状に伸長する。一実施形態においては、このアーチは、円形、好ましくは長円形を有する円形アーチからなる。2つの結合部の間の距離は、長円形の頂点と結合部の間の距離とは無関係であり、長くても、同一でも、短くてもよい。他の実施形態では、結合部間のアーチは角部を備え、その経路に好ましくは1〜4個、特に好ましくは2個の角部がある。1つの角部を備える場合には、V字型のアイレットブランクとなり、2つの角部を備える場合には、実質的にU字型のアイレットブランクとなる。平坦な頂部を有する他の形状と同様に、後者の場合には、相手部材の取り付け突起が係止可能な比較的大きな領域が得られるので好ましい。入れ子状となる限り、1つのグループ内に異なるアイレットブランクが形成されてもよい。アイレットブランクは、結合部間の中央に伸長し、基板に直交する面に関して、鏡像対称となっていることが好ましいが、この面に対して非対称であってもよい。
【0012】
アイレットブランクは、以下の特性のうちの少なくとも1つを示すことが好ましい。アイレットブランクの側部は好ましくは傾斜しており、アイレットブランクの側部と屈曲縁部の間の角度(α)が90°より小さい。ここで、その角度は側部の外側で測定される。側部の角度(α)が40°〜85°であることが、特に好ましい。アイレットブランクの大きさ、すなわちアイレットの大きさは、相手部材の取り付け突起の大きさに一致させることが好ましい。個々のアイレットブランクの幅や高さは、そのアイレット内に相手部材の取り付け突起の頭部を捕捉できるように寸法づけられることが好ましい。たとえば、アイレットブランクの結合部のある領域における幅(B)は、少なくとも0.4mmである。この領域における有利な幅(B)は、0.5〜10mmである。アイレットブランクの高さ(H)は、たとえば0.5〜10mmであり、好ましくは1〜4mmである。アイレットブランクの幅(B)や高さ(H)は、金属基板の厚さから決定することも可能である。アイレットブランクの高さ(H)は、シートの厚さの2倍〜20倍の間とする。また、アイレットブランクの幅(B)は、シートの厚さの少なくとも3倍程度とすることが好ましい。
【0013】
ウェブ(ブリッジ)の幅、すなわち、アーチ状のアイレットブランクの外縁間の距離(b)は、本発明に係る取り付け装置の製造時および使用時において必要とされるだけの大きさとすることが好ましい。取り付けアイレットは、製造時において基板の面から折り曲げられる際や、使用時において押圧および引っ張りによる歪みから、破損やクラックが生じることは防がれなければならない。したがって、ウェブの幅(b)は、基板の材料やその厚さの選択にも依存することとなる。実用的なウェブの幅(b)は、基板の材料厚さの0.5倍〜2倍、とりわけ0.7倍〜1倍程度である。ウェブの幅(b)は0.05mm以上、特に0.15mm以上とすることが好ましい。また、ウェブの幅(b)は、0.5mm以下、特に0.2mm以下とすることが好ましい。ウェブの幅(b)を、単一のアイレットブランクの経路内で変動させてもよく、隣接するアイレットブランクの間で相違させてもよい。
【0014】
実際には、金属基板の全体にわたってアーチ状のアイレットブランクの設計(形状、大きさ、数および分布)を変更することが可能である。非常に大きな力が作用すると想定される部分において、アイレットブランクの数を増やしたり、その安定性を向上させたりしてもよい。しかしながら、製造の観点からは、アイレットブランクを、同一の形状とし、かつ、金属基板の全体にわたって均一に分布させることが好ましい。
【0015】
切り込みと同時に、または切り込みの後において、アイレットブランクは、アイレットブランクと基板とをつなぐ2つの結合部にある屈曲縁部を中心に、基板から折り曲げられる。曲げ角度、すなわち屈曲縁部における角度(β)は、ほとんど制限を受けることなく選択される。曲げ角度(β)が90°より大きいと、材料の歪みが大きくなるのであまり推奨されない。したがって、曲げ角度(β)は最大でも90°であることが好ましい。アイレットブランクは、基板の平面形状を維持したまま、基板から折り曲げることができる。材料の厚さと屈曲手段によっては、取り付けアイレットは、その伸長方向に変形することも可能であり、この場合、この伸長方向において全体として平面ではなく、円弧状となる。総角度、すなわち、基板と、頂部および屈曲部を通る直線との間の角度(γ)は90°以上とすることもできるが、通常は135°以下となるようにする。この場合、頂部とその近傍は、屈曲縁部を通る垂直線を超えて伸長することになる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、アイレットブランクのグループは、列ごとに少なくとも2個、好ましくは少なくとも4個のアイレットブランクのグループを備える、実質的に平行な複数の列を形成するように、基板内に配置される。このような配置の柔軟性は、隣接する列のアイレットブランクのグループを互い違いに配置させることで、増加する。特に好ましくは、これらのアイレットブランクのグループがオフセットされ、2列ごとに、好ましくは3列ごとに、グループが基準となる位置に配置されるようにする。
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態では、アイレットブランクの少なくとも1つのグループが、基板上で他のアイレットブランクのグループに対して相対的に回転した位置関係となるように、形成される。アイレットブランクのグループが相対的に回転した位置関係となっているため、アイレットブランクを基板から直立させた後において、少なくとも部分的に、ねじれた関係でアイレットが突出するようになる。複数のアイレット、より正確には、それらの各グループを、異なる方向で配置することにより、取り付けられる相手部材の取り付け突起を係止させることが容易になる。このように回転した位置関係で配置とすることによって、一定方向を向いたアイレットを備える場合と比較して、取り付けアイレットは、より適切に配向されているので、取り付けアイレット内に、取り付け突起を係止することが大幅に容易になる。現在の技術水準では不可能である、取り付け孔あるいは取り付けアイレットに対して取り付け突起を正確に方向付けることが、必要とされることはない。基板上での取り付けアイレットの相対的な距離や配置と共に、アイレット自体の大きさを適切に選択することにより、取り付け装置を、適切な取り付け突起を備えるすべての相手部材に対応させることができる。取り付け突起は、取り付けアイレット内に係止されて取り付け装置に固定されるが、1つまたは複数の取り付け突起が、隣接する複数の取り付けアイレットに同時に絡まる場合もある。基板上の取り付けアイレット同士の距離は、それらのグループが回転角を有して配置されているため、相対的に変化するものであるが、固定を可能とするすべての、あるいは少なくとも複数の状況が同時に生じることになる。本発明によって、取り付け装置に対して取り付け突起を係合させるためのさまざまな状況を生み出すことで、安定かつ脱着可能な係止が容易になると共に、取り付け装置に対する相手部材の配向についての自由な選択が事実上可能となる。
【0018】
基板上におけるアイレットブランクのグループの相対的な回転角(δ)は、主に固定される相手部材の構造に従う。たとえば、アイレットブランクは、不規則かつ単純な統計的に基板上に配置される。しかしながら、アイレットブランクのグループが、相対的に一定の回転角(δ)を有するように配置されることが好ましい。そのような角度(δ)は、2つの隣接するアイレットブランクの屈曲縁部を延長した線が交差する角度として表される。この角度(δ)は30°〜180°であることが好ましい。この180°という角度は、(選択的な横方向のオフセットの関係にない)アイレットブランクの2つのグループが、鏡像対称となるよう対向していることを意味する。アイレットブランクのグループが相対的に60°、90°あるいは180°の回転角を有するように配置されることが、特に好ましい。
【0019】
取り付けアイレットの形状の異なる態様として、頂部において取り付けアイレットの少なくとも一部が切断されている態様がある。アイレットブランクが基板から折り曲げられる前に、このような切断が行われる。しかしながら、レーザ光線や他の適切な手段を用いて、取り付けアイレットを基板から折り曲げると同時に、あるいは折り曲げ後に、取り付けアイレットの頂部を切断することも可能である。これにより、外見上、1つのアイレットから2つの取り付けアイレットが得られた状態となり、係止可能な状況がさらに増加することになる。この点において、取り付けアイレットの切断部は、互いに反対に向きに向かい合うことが有利である。
【0020】
さらに、本発明は、取り付け装置の製造方法に関する。これは、基板に2つの結合部を残したまま、複数のアイレットブランクに切り込みを入れる1つの工程を備える。これにより、アイレットブランクが、その結合部で基板とつながれたまま、アーチ状の外縁が切り離されることを意味している。アイレットブランクは、グループを形成するように基板上に切り込まれる。各グループは、少なくとも2個、好ましくは2〜10個、さらに好ましくは2〜5個のアイレットブランクを備える。これらのアイレットブランクは、1つのアイレットブランクが他のアイレットブランクの内側に配置されるように、互いに入れ子状に形成される。アイレットブランクの切り込みと同時に、または切り込みの後、アイレットブランクをその結合部のある領域で基板から折り曲げて、取り付けアイレットとして基板から突出させる。アイレットブランクは、アイレットの少なくともいくつかのグループが相対的に回転した位置関係で配置されるように、切り込まれることが好ましい。
【0021】
アイレットブランクの切り込みは、適切な方法であればどのような方法で行ってもよい。しかしながら、打ち抜き加工、レーザ光線による切り抜き加工、あるいはせん断加工を用いることが好ましい。好ましくは、すべてのアイレットブランクを、同一の配向で、すなわち、加工の方向に対して同じ角度で、同一の工程で製造する。このような方法は、打ち抜き加工やせん断加工によってアイレットブランクを切り込む場合に、特に推奨される。ただし、異なった配向のアイレットブランクを、1つまたは複数の工程で切断し、その配向によりグループ化することも有利である。アイレットブランクの切断と同時に、または切断の後、アイレットブランクは基板の外側に曲げられる。このような工程は、たとえば、適切な型を使用することによって行われる。取り付け装置の製造にとって特に好ましい方法は、せん断加工よって取り付けアイレットを製造する方法である。この場合、アイレットブランクを切り込む工程と、基板から折り曲げる工程は、同一の工程で行われる。互いに入れ子状となっている、あるグループ内のアイレットブランクは、順次、切断されることが望ましい。好ましくは、その工程は、最も内側のアイレットブランクから始まり、最も外側のアイレットブランクまで、順次行われ、最終的にせん断加工によって切り取られ、基板の外側に折り曲げられる。
【0022】
基板に用いる金属材料は、特定の金属に制限されることはない。銅やアルミニウムのような柔らかい金属材料が主に使用される。しかしながら、弾性を有する金属であることが好ましい。もっとも好ましくは鋼、特にバネ鋼またはバネ硬鋼が好ましい。さらに、基板は、少なくとも一方の表面を、全体的にまたは部分的にコーティングすることもできる。そのようなコーティングによって、たとえば、耐食性やすべり摩擦性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】切り込まれたアイレットブランクを有する金属基板の平面図である。
【図2(a)】図1のアイレットブランクの1つのグループの断面図である。
【図2(b)】図2(a)の状態から、前記アイレットブランクを基板から折り曲げた状態を示す図である。
【図2(c)】図2(b)の折り曲げられた取り付けアイレットを矢印Aの方向から見た斜視図である。
【図3(a)】基板上に形成された2つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図3(b)】基板から折り曲げられた後の図3(a)の取り付けアイレットの構造を示す側面図である。
【図4】異なる構造の3つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図5】円弧状の丸い経路を備える3つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図6】2つの頂部が切断された、3つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図7】1つのライン上に互いに60°の角度で配置された、アイレットブランクのグループを有する基板を示す部分的な平面図である。
【図8】切断されているアイレットブランクが、相対的に不規則な回転角を有するように配置された、複数のアイレットブランクのグループを有する基板の平面図である。
【図9(a)】取り付け突起を有する相手部材を取り付ける直前の状態にある、基板から折り曲がったアイレットのグループを示す側面図である。
【図9(b)】図9(a)の取り付け装置と相手部材を固定した状態を示す側面図である。
【図10】取り付け突起を本発明に係る取り付け装置の取り付けアイレットに固定するステップ(a)〜(c)を示す図である。
【図11】取り付けアイレットの一部あるいは全部が切断された、本発明に係る2つの取り付け装置の係止の状態の4例(a)〜(d)を示す図である。
【図12】隣接する列が互いにジグザグ状に配列された状態で、平行に配置された、アイレットブランクのグループを有する他の基板を示す平面図である。
【図13】相手部材が取り付けられた基板を示す図である。
【図14】折り曲げ角度を図示するため、基板から折り曲げられた取り付けアイレットのグループを示す部分側面図である。
【図15】アイレットブランクの側面の角度を図示するための、アイレットブランクの2つのグループ(a)、(b)を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明について、図示の実施形態に基づいて、さらに詳細に説明する。しかしながら、これらの図面は、取り付け装置やその製造方法について、いくつかの好ましい実施態様を例示したものにすぎず、本発明に制限を加えるものではない。なお、同じ要素には同じ参照番号が付される。
【0025】
図1は、本発明に係る取り付け装置1の一実施例を、金属基板2の平面図として示している。このような基板は、たとえば、バネ鋼からなる。この基板2では、各3つのアイレットブランク4からなる、合計9個のグループ7が切り込まれている。すでに述べたように、ブランクという言葉は、アイレットの製造の順番について、いかなる制限を加えるものではなく、切り込みを入れた後または切り込みと同時に、基板から折り曲げられる部分の形状を示すためだけに用いられている。アイレットブランク4はアーチ状であって、全体としてU字型に形成される。それぞれ2つの角部40を有し、角部40からはそれぞれ側部41が連続しており、その間に平坦な頂部42が伸長している。すべてのアイレットブランク4は、側部41、角部40および頂部42の外縁に沿って、基板2から切り離される。アイレットブランク4は、側部41の足部に隣接する結合部5の領域においてのみ基板と結合されている。それぞれのグループ7内で、3つのアイレットブランク4i、4iiおよび4iiiは、お互いに入れ子状となっている。すべてのグループにおいて、3つのアイレットブランクは、それぞれ実質的に同じ形をしているが、側部41の長さと頂部42の幅は異なっている。
【0026】
一点鎖線50、すなわち領域20(あるいはその延長部)の縁部までの距離に関して、屈曲縁部6は相対的にオフセットされている。それぞれの最も外側のアイレットブランク4iiiの屈曲縁部6のラインは、頂部42への方向に関して、最も内側のアイレットブランク4iの屈曲縁部6に対して上方にオフセットされており、中間のアイレットブランク4iiの屈曲縁部6は、隣接するアイレットブランク4iおよび4iiiの屈曲縁部6から、さらに凹んだ位置に設けられている。最も内側のアイレットブランク4iのさらに内側にある領域20は、切除される。図2(a)は、図1の3つのアイレットブランク4を有するグループを拡大して示している。
【0027】
3つのアイレットブランク4を有する個々のグループ7は、互いに相対的な回転角を有するように、それぞれ基板2上に配置される。いずれの場合においても隣接するグループ7に対する回転角(δ)は、実質的に90°である。いずれの場合においても、その角度には、隣接するグループ7同士のアイレットブランク4の屈曲縁部の延長線が交差する点における角度が用いられる。互いに入れ子状にされているため、グループ7内においてアイレットブランク4の屈曲縁部6の位置が異なっている場合には、アイレットブランクの頂部から最も離れている、屈曲縁部6が参照として用いられる。
【0028】
図2(b)は、図1および図2(a)のグループ7のアイレットブランク4について、アイレットが基板2から折り曲げられた状態を示している。図2(b)は、アイレットブランク4の側部41の側面を示しているが、このブランク4は、基板2から折り曲げられて、完成した取り付けアイレット3を形成している。これらのアイレット3は、その屈曲縁部6の高さが基板2内においてオフセットされているため、一列に順次配置されている。これらのアイレットブランク3は、基板2からの曲げ角度および総角度が異なるように折り曲げられており、その曲げ角度および総角度は、最も内側に形成されたアイレットブランク4iで最大となり、最も外側のアイレットブランク4iiiに向かうにしたがって漸減する。取り付けアイレット3の頂部は、基板2の上方に互いに実質的に平行となるように突出しており、図2(c)に示すようなブリッジ30を形成している。図2(c)は、図2(b)の矢印Aに沿って、最も外側にあり最も幅が広いアイレット4iiiの内側を眺めた図である。この実施例では、個々のアイレットブランク4の頂部42から屈曲縁部6までの距離は変化している。また、個々のアイレットブランク4の結合部5の領域の幅Bも異なっている。これに対して、ブリッジbの幅は、すべてのアイレットブランク4で同じとなっている。
【0029】
図3(a)は、アイレットブランク4のグループ7の一例を示している。この例は、図1および図2(a)に示したものとほぼ同様であるが、グループが2つのアイレットブランク4i、4iiのみで構成されている点で異なっている。図3(b)は、このアイレットブランク4を基板2から折り曲げた後の状態を示している。図2(b)の例と同様に、基板2から折り曲げられた時点で、平面形状を維持せずに、折り曲げ方向(矢印の方向)に、円弧状に変形する。
【0030】
図4は、アイレットブランク4のグループの他の実施例における平面図を示している。ここで、個々のアイレットブランク4i、4iiおよび4iiiは異なる形状を有している。ブリッジbの幅は、各結合部5あるいは屈曲縁部6の間で変化している。最も内側のアイレットブランク4iは、実質的にV字型であるが、外側のアイレットブランク4iiおよび4iiiは、実質的にU字型となっている。
【0031】
図5は、曲線的なアイレットブランク4の実施例を示している。ブリッジの形状は、実質的に長円形である。最も内側のアイレットブランク4iの内側に、基板2から切除された領域20を示している。
【0032】
図6は、アイレットブランク4のグループ7を示しており、図2(a)に示したものとほぼ同様である。図2(a)のものと比較すると、最も内側にあるブランクと最も外側にあるブランクの2つのアイレットブランク4i、4iiiは、頂部で切断されており、ブリッジを形成していない。この実施例では、切断部43は、互いにオフセットされている。しかしながら、1つのグループ内におけるすべての切断線を、一直線上に連続的に伸長させてもよい。基板2からアイレットブランクを折り曲げると、開口したアイレットがもたらされ、固定される相手部材の取り付け突起が係止される機会が増加する。
【0033】
図7は、本発明の別の実施例における、取り付け装置1を有する基板2の部分平面図である。基板2は、複数のグループ7を備え、グループ7は、それぞれ3つのアイレットブランク4を有している。図7は、アイレットブランク4がすでに基板2に切り込まれているが、まだ折り曲げられていない状態を示す。図1と比較すると、アイレットブランクのグループは、互いに角度(δ)あるいは複数の角度の回転角で回転した位置関係にある。
【0034】
図8は、異なる実施例における、基板2上のアイレットブランクのグループの配置を示している。この実施例では、これらのグループは、基板上に不規則に、かつ、互いに不規則な回転角で回転した位置関係となるように配置されている。さらに、いくつかのグループ7では、すべてのアイレットブランク4の頂部42がその中央部で切断されており、基板2からアイレットブランク4を折り曲げた後では、その端部が互いに向き合った2つのフック状のアイレットとなる。
【0035】
図9(a)と9(b)は、図1および2に示した取り付け装置に、相手部材8の取り付け突起80が脱着可能に固定される様子を概略的に示している。相手部材は、最初に言及した本出願人による文献に開示されたものの中から選択されることが好ましい。相手部材8の取り付け突起80は、金属基板に同様のブランクを切り込み、引き続いて基板から折り曲げることにより、作製することが好ましい。すなわち、この相手部材8の作製は、本発明の取り付け装置の作製と同様のものである。取り付け突起80を、これらが切り込まれた基板と共に示すが、取り付け突起80は、この図の手前側を向いている。取り付け突起80は、平らな形状を備えるが、図の面に直角の方向において、金属基板の厚さに対応する厚さを有している。取り付け突起80のそれぞれは、非対称な頭部81と、これに連続するくびれ部82を備え、これにより、かんぬき状の突起部83を両側に形成している。図9(a)に示す位置から、本発明の取り付け装置の方向へ相手部材8を移動させると、頭部81の傾斜端部が、取り付けアイレット3の間に入り込み、取り付けアイレット3を互いに離れる方向に移動させ、図面の右側に示すように、取り付けアイレット3のブリッジの頂部の裏側まで至る。なお、この頂部は、図の面に直角の方向に伸長している。その後、取り付けアイレット3は、再び弾性的に元の状態に戻り、突起部83が取り付けアイレットのブリッジの裏側に位置した状態で、取り付けアイレット3により係止される。
【0036】
この工程について、図10(a)〜10(c)に別の表現で示す。上側の図には、取り付け突起80が示されているが、これらは、互いに鏡面対称的に配置されている点を除いては、図9のものとほぼ同様である。下側の図は、ブリッジ30が隣り合って伸長することにより、取り付けアイレットがクロスウェブを構成している状態を概略的に示す平面図となっている。ブリッジ30は、上側の図においても、黒い点でその断面が示されている。図面から明らかなとおり、取り付けアイレットのブリッジ30は、高さに関して、相対的にオフセットされている。図10(a)は、相手部材8が本発明の取り付け装置に近接する状態を示している。取り付け装置80の左側にある頭部81は、隣接する2つのブリッジの間に滑り込む。図10(b)では、頭部81は、クロスウェブ30に係合し、その間隔が最も広がるまで弾性的に変形させる。取り付け突起80を取り付け装置1の方向にさらに移動させると、図10(c)に示された状態となり、ウェブ30を構成する2つの取り付けアイレットが、取り付けエレメントの突起80の後方でスナップ止めのように閉まる。この係止は脱着可能なものであり、逆のプロセスで取り付け突起80を、これを保持するアイレットの間から取り外すことができる。このプロセスは何度でも繰り返すことができる。
【0037】
図9および10は、1つの取り付け突起が、2つの取り付けアイレットの間にスナップ止めされる実施例を示している。しかしながら、そのようなスナップ止めには、さまざまなバリエーションが考えられる。たとえば、2つの隣接する取り付け突起が、それらの間で1つ以上の取り付けアイレットにスナップ止めされる場合もある。反対に、複数の取り付け突起が、隣接する取り付けアイレットの間にスナップ止めされることも可能である。さらに、1つ以上の取り付け突起が、隣接する異なるグループの間で隣り合う取り付けアイレットにスナップ止めされる場合もある。
【0038】
図11(a)〜11(d)には、複数あるいはすべての取り付けアイレットがその頂部42で切断されている、取り付け装置の実施例をかなり簡略化して示している。図11(a)と11(b)の例では、取り付けアイレットの頂部に交互に開口31が設けられている。図11(c)と(d)の例では、それぞれの取り付けアイレット3の頂部に開口31が設けられている。このような頂部の開口により、取り付け装置1同士を固定することが可能となる。すなわち、相手部材を本発明の取り付け装置により構成することが可能となる。図11(a)および(b)と、図11(c)および11(d)のそれぞれは、2つの同じ取り付け装置について、その取り付けプロセスを示している。上段の図11(a)と11(c)は、2つの取り付け装置が互いに近接するが、まだ係止されていない状態を示している。係止された状態を、下段の図11(b)と11(d)に示している。いずれの場合でも、取り付け装置1は、開口31のある部分で相互に係止し合っている。切断された頂部を伴う取り付け装置1の割合は、広範囲で変更することが可能である。このことは、本発明の取り付け装置が2つ、互いに係止し合う態様でも同様である。
【0039】
図12は、曲げられる前の状態における、複数のグループ7のアイレットブランク4を備える、他の実施例の基板の部分平面図を示している。これらのグループ7は、隣接する列のグループが互い違いになるように配置される共に、各列が平行に配置されている。屈曲縁部6を通るラインを示す一点鎖線が、隣接するグループの列が平行に配置されていることを示している。図示の実施例では、1列ごとに4つあるいは5つのグループ7を備えている。点線L1、L2およびL3を追加的に示すが、これらは、上記の一点鎖線に対して直角をなし、かつ、アイレットブランク4のグループ7を、屈曲縁部6からブリッジ42までの2つの部分に分割するように、アイレットブランクと交差している。図示から明らかなとおり、1列おきに同一の点線とグループが交差するように、各列のグループが互い違いに配置されている。
【0040】
図13には、アイレット3のグループ7を有する基板2と多数の頭部81を有する相手部材8とが固定結合されている状態を示している。アイレットのグループ7は、図13に示すように、互い違いにかつ平行に配置されているが、すでに基板2の面から折り曲げられた状態となっている。相手部材8の頭部81も同様に、相手部材を構成するストリップの外縁に平行に伸長するラインE上に、平行かつ互い違いに配置されている。複数のラインは頭部81を示しているが、このライン上が、図9や図10に示した頭部81が伸長する領域となっている。図13から明らかなように、基板2と相手部材8は、両者の外縁が相対的に角度をもって伸長するように取り付けられている。同様の関係が、基準となる屈曲縁部のライン6に平行な取り付けアイレット3と、ラインEに平行な頭部81の位置関係に該当する。図示された実施例では、ライン6とラインEは、約70°〜80°の角度(ε)をなしている。図13から明らかなとおり、頭部81は、広範囲の角度(ε)において取り付けアイレット3内に係合可能である。ただし、角度(ε)が0°または0°に近い場合には、係合することができない。頭部81が伸長する領域を示すラインと取り付けアイレット3が伸長する方向を示す屈曲縁部6のラインとの間の角度は、25°〜155°の間、好ましくは40°〜140°の間、最も好ましくは65°〜115°の間で変化し、これにより、多くの頭部81が取り付けアイレット3内に係止されることが可能となる。
【0041】
図14と15は、それぞれ、取り付けアイレット3またはアイレットブランク4の形状を詳細に示している。図14は、取り付けアイレットとするために、基板2からアイレットブランク4を折り曲げる、曲げ角度(β)を示している。いずれの場合においても、曲げ角度は、屈曲縁部の存在する領域で取り付けアイレット3に対して引かれた接線と基板2の平面の間の角度である。最も平坦な取り付け端部は、約40°の曲げ角度(β)を有する。さらに、図14には、総角度(γ)が示されており、この総角度(γ)は、いずれの場合においても、基板と屈曲縁部からアイレットの頂部に伸長する直線によって形成される角度である。最も内側のアイレットでは、この総角度(γ)は約50°であるが、最も外側のアイレットでは90°以上、ここでは97°となっている。総角度(γ)は、アイレットの曲率を表してはいないが、屈曲縁部と基板に対するブリッジの位置関係が示される。図示のように角度(β)および角度(γ)は、常に基板の同じ面から測定される。
【0042】
図15は、アイレットブランク4または完成したアイレット3の側部41の傾きを示している。この場合、側部の傾き(α)は、屈曲縁部6と側部41の外縁の間で拡張する角度である。角度(α)は90°より小さいことが好ましい。すなわち、側部は互いに内側に傾斜することとなる。
【符号の説明】
【0043】
1 取り付け装置
2 基板
3 取り付けアイレット
4、4i〜iii アイレットブランク
5 結合部
6 屈曲縁部
7 グループ
8 相手部材
20 切除部
30 ブリッジ
31 開口
40 角部
41 側部
42 頂部
43 切断部
50 切除部の縁部を示す一点鎖線
80 取り付け突起
81 非対称頭部
82 くびれ部
83 突起部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の取り付けアイレットが上方に突出している金属基板を備える取り付け装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設産業、自動車産業、家電産業などの多くの分野において、金属部品を設置したり、他の部品に取り付けたりすることが必要とされている。取り付けのために溶接やねじ止めなどの特別な手段を必要としない、簡易かつ迅速な取り付けが可能な、取り付け装置や係止装置が望まれている。このような取り付けは、プラスチック部品の分野では、面ファスナなどの取り付け装置を用いることで可能となっている。しかしながら、このようなプラスチック製の面ファスナは、耐久性や温度安定性を備えておらず、電気伝導性も示さないため、広範囲にわたって適用できるものではない。したがって、用途によっては、プラスチック製の面ファスナと同様の取り付け特性を備えた、金属製の取り付け装置も提案されている。このような「金属製の面ファスナ」は、たとえば、特許文献1〜4において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE10 2004 048 464 A1
【特許文献2】DE10 2006 015 100 B4
【特許文献3】DE10 2006 015 145 A1
【特許文献4】DE10 2006 015 148 B4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した金属製の面ファスナの取り付け突起が係止される相手部材としては、金属製のループフリース、ワイヤスクリム、ワイヤニット、メタルメッシュあるいは孔あきメタルシートなどがあげられる。しかしながら、金属ワイヤを用いた相手部材は、その製造が高価かつ複雑であるにもかかわらず、金属製のスクリムがすり切れてしまったり、金属製のループが突き出てしまったりして、傷害の危険性を生じ、かつ、耐久性が低いという問題がある。孔あきメタルシートの場合、取り付け突起を相手部材に特定の向きでしか固定できないので不便である。このため、これらの相手部材の用途が大幅に制限されている。
【0005】
したがって、本発明の目的は、広く利用でき、様々な相手部材と組み合わせることができ、ほぼすべての向きで相手部材を係止できると共に、高い保持力を維持しつつ、繰り返して脱着可能である取り付け装置を、低コストで提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、複数の取り付けアイレットが突出している金属基板を備える取り付け装置に関する。当該取り付け装置は、1つのアイレットブランクにつき2つの結合部を残すように、アイレット用のアーチ状のブランクを切り込み、その後、この結合部の屈曲縁部で、該基板から該アイレットブランクを折り曲げることによって得られる。このようにして、複数のアイレットブランクが、グループを形成するように、前記基板に切り込まれる。1つグループには、少なくとも2個、好ましくは2〜10個、さらに好ましくは2〜5個のアイレットブランクが備えられ、これらのアイレットブランクは、1つのアイレットブランクの少なくとも一部が、他のアイレットブランクの内側となるように、入れ子状に形成される。
【0007】
代替的に、前記アイレットは、せん断加工によって製造される。この場合、前記アーチ状のアイレットは、せん断と同時に基板から折り曲げられる。すなわち、切断と折り曲げの2つの製造工程が同時に行われる。ただし、以下の説明では、「ブランク」の語を、アイレットが切断後に折り曲げられて得られるか、切断と同時に折り曲げられるかにかかわらず、用いるものとする。
【0008】
1つのグループ内のアイレットブランクは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。特に簡単な構造では、すべてのアイレットブランクは同一のサイズおよび同一の形状を備える。たとえば、複数のV字型あるいはU字型のアイレットブランクを、互いの内側や背後に配置する。材料の無駄を省くために、1つのグループのアイレットブランクを互いに隙間なく密接させ、廃棄物を出すことなく切り取ることも可能である。このような場合、2つの隣接したアイレットブランクは、少なくとも1つの切断線を共有することとなる。しかしながら、基板内で隣接するアイレットブランクの間に広い隙間を切り込むことで、グループ内のアイレットブランク同士の間に間隔を設けてもよい。この構成では、隣接するブランク同士の間に摩擦が生じないため、アイレットブランクを基板から容易に折り曲げることが可能となる。
【0009】
1つのグループ内のアイレットブランクは、それらの結合部と屈曲縁部が平行となるように配置されることが好ましい。この場合、アイレットブランク同士を、異なる曲げ角度となるように、もしくは折り曲げの結果として得られる角度が異なるように、折り曲げることで、完成した取り付け装置において、そのアイレットブランクの頂部が上下方向に重ならないようにすることが有効である。代替例では、1つのグループ内のアイレットブランクの結合部が、高さ方向に関してオフセットされる。1つのグループの最も内側のアイレットブランクの結合部からその頂部に向かって見た場合、それよりも外側に配置されたアイレットブランクの結合部は、この最も内側のアイレットブランクの頂部の方向にずれるように設けられている。外側に行くほど、アイレットブランクの結合部を上側にずらして設けたり、あるいは、ジグザグ状としたりすることもできる。ジグザク構造の場合、最も内側のアイレットブランクの結合部は、その外側のアイレットブランクの結合部よりも、さらにもう1つ外側に設けられたアイレットブランクの結合部の近くに位置するようになる。いずれの構造の場合でも、折り曲げられた取り付けアイレットは、連続的に配置される。これによって、相手部材の取り付け突起は、取り付けの際に、隣接する取り付けアイレットの間の隙間内に係止される。このため、グループを構成しない取り付けアイレットによる場合よりも、前記突起を捉える機会が多くなる。しかしながら、隣接する取り付けアイレット間の各隙間が、相手部材の取り付け突起を常に捉える必要はない。
【0010】
取り付けアイレットが可撓性を備えることは、係止あるいは脱着の際にとりわけ有利である。アーチ状の取り付けアイレットは、曲げ方向に弾性的に変形できるのみならず、少なくとも基板の厚さやアーチ状のアイレットブランクのウェブの幅が適切に選択されている限り、相手部材の突起の移動に応じて、押したり引っ張られたりする方向に、伸長あるいは圧縮することができる。取り付けアイレットが弾性的に変形可能であるため、取り付けアイレットと取り付け突起の係止および相手部材の本発明の取り付け装置からの脱着が容易となる。
【0011】
アイレットブランクの形状は任意であるが、固定される取り付け突起の形状や大きさに応じて選択されることが好ましい。アイレットブランクは、2つの結合部を介して基板につながったまま、これら2つの結合部の間にアーチ状に伸長する。一実施形態においては、このアーチは、円形、好ましくは長円形を有する円形アーチからなる。2つの結合部の間の距離は、長円形の頂点と結合部の間の距離とは無関係であり、長くても、同一でも、短くてもよい。他の実施形態では、結合部間のアーチは角部を備え、その経路に好ましくは1〜4個、特に好ましくは2個の角部がある。1つの角部を備える場合には、V字型のアイレットブランクとなり、2つの角部を備える場合には、実質的にU字型のアイレットブランクとなる。平坦な頂部を有する他の形状と同様に、後者の場合には、相手部材の取り付け突起が係止可能な比較的大きな領域が得られるので好ましい。入れ子状となる限り、1つのグループ内に異なるアイレットブランクが形成されてもよい。アイレットブランクは、結合部間の中央に伸長し、基板に直交する面に関して、鏡像対称となっていることが好ましいが、この面に対して非対称であってもよい。
【0012】
アイレットブランクは、以下の特性のうちの少なくとも1つを示すことが好ましい。アイレットブランクの側部は好ましくは傾斜しており、アイレットブランクの側部と屈曲縁部の間の角度(α)が90°より小さい。ここで、その角度は側部の外側で測定される。側部の角度(α)が40°〜85°であることが、特に好ましい。アイレットブランクの大きさ、すなわちアイレットの大きさは、相手部材の取り付け突起の大きさに一致させることが好ましい。個々のアイレットブランクの幅や高さは、そのアイレット内に相手部材の取り付け突起の頭部を捕捉できるように寸法づけられることが好ましい。たとえば、アイレットブランクの結合部のある領域における幅(B)は、少なくとも0.4mmである。この領域における有利な幅(B)は、0.5〜10mmである。アイレットブランクの高さ(H)は、たとえば0.5〜10mmであり、好ましくは1〜4mmである。アイレットブランクの幅(B)や高さ(H)は、金属基板の厚さから決定することも可能である。アイレットブランクの高さ(H)は、シートの厚さの2倍〜20倍の間とする。また、アイレットブランクの幅(B)は、シートの厚さの少なくとも3倍程度とすることが好ましい。
【0013】
ウェブ(ブリッジ)の幅、すなわち、アーチ状のアイレットブランクの外縁間の距離(b)は、本発明に係る取り付け装置の製造時および使用時において必要とされるだけの大きさとすることが好ましい。取り付けアイレットは、製造時において基板の面から折り曲げられる際や、使用時において押圧および引っ張りによる歪みから、破損やクラックが生じることは防がれなければならない。したがって、ウェブの幅(b)は、基板の材料やその厚さの選択にも依存することとなる。実用的なウェブの幅(b)は、基板の材料厚さの0.5倍〜2倍、とりわけ0.7倍〜1倍程度である。ウェブの幅(b)は0.05mm以上、特に0.15mm以上とすることが好ましい。また、ウェブの幅(b)は、0.5mm以下、特に0.2mm以下とすることが好ましい。ウェブの幅(b)を、単一のアイレットブランクの経路内で変動させてもよく、隣接するアイレットブランクの間で相違させてもよい。
【0014】
実際には、金属基板の全体にわたってアーチ状のアイレットブランクの設計(形状、大きさ、数および分布)を変更することが可能である。非常に大きな力が作用すると想定される部分において、アイレットブランクの数を増やしたり、その安定性を向上させたりしてもよい。しかしながら、製造の観点からは、アイレットブランクを、同一の形状とし、かつ、金属基板の全体にわたって均一に分布させることが好ましい。
【0015】
切り込みと同時に、または切り込みの後において、アイレットブランクは、アイレットブランクと基板とをつなぐ2つの結合部にある屈曲縁部を中心に、基板から折り曲げられる。曲げ角度、すなわち屈曲縁部における角度(β)は、ほとんど制限を受けることなく選択される。曲げ角度(β)が90°より大きいと、材料の歪みが大きくなるのであまり推奨されない。したがって、曲げ角度(β)は最大でも90°であることが好ましい。アイレットブランクは、基板の平面形状を維持したまま、基板から折り曲げることができる。材料の厚さと屈曲手段によっては、取り付けアイレットは、その伸長方向に変形することも可能であり、この場合、この伸長方向において全体として平面ではなく、円弧状となる。総角度、すなわち、基板と、頂部および屈曲部を通る直線との間の角度(γ)は90°以上とすることもできるが、通常は135°以下となるようにする。この場合、頂部とその近傍は、屈曲縁部を通る垂直線を超えて伸長することになる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、アイレットブランクのグループは、列ごとに少なくとも2個、好ましくは少なくとも4個のアイレットブランクのグループを備える、実質的に平行な複数の列を形成するように、基板内に配置される。このような配置の柔軟性は、隣接する列のアイレットブランクのグループを互い違いに配置させることで、増加する。特に好ましくは、これらのアイレットブランクのグループがオフセットされ、2列ごとに、好ましくは3列ごとに、グループが基準となる位置に配置されるようにする。
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態では、アイレットブランクの少なくとも1つのグループが、基板上で他のアイレットブランクのグループに対して相対的に回転した位置関係となるように、形成される。アイレットブランクのグループが相対的に回転した位置関係となっているため、アイレットブランクを基板から直立させた後において、少なくとも部分的に、ねじれた関係でアイレットが突出するようになる。複数のアイレット、より正確には、それらの各グループを、異なる方向で配置することにより、取り付けられる相手部材の取り付け突起を係止させることが容易になる。このように回転した位置関係で配置とすることによって、一定方向を向いたアイレットを備える場合と比較して、取り付けアイレットは、より適切に配向されているので、取り付けアイレット内に、取り付け突起を係止することが大幅に容易になる。現在の技術水準では不可能である、取り付け孔あるいは取り付けアイレットに対して取り付け突起を正確に方向付けることが、必要とされることはない。基板上での取り付けアイレットの相対的な距離や配置と共に、アイレット自体の大きさを適切に選択することにより、取り付け装置を、適切な取り付け突起を備えるすべての相手部材に対応させることができる。取り付け突起は、取り付けアイレット内に係止されて取り付け装置に固定されるが、1つまたは複数の取り付け突起が、隣接する複数の取り付けアイレットに同時に絡まる場合もある。基板上の取り付けアイレット同士の距離は、それらのグループが回転角を有して配置されているため、相対的に変化するものであるが、固定を可能とするすべての、あるいは少なくとも複数の状況が同時に生じることになる。本発明によって、取り付け装置に対して取り付け突起を係合させるためのさまざまな状況を生み出すことで、安定かつ脱着可能な係止が容易になると共に、取り付け装置に対する相手部材の配向についての自由な選択が事実上可能となる。
【0018】
基板上におけるアイレットブランクのグループの相対的な回転角(δ)は、主に固定される相手部材の構造に従う。たとえば、アイレットブランクは、不規則かつ単純な統計的に基板上に配置される。しかしながら、アイレットブランクのグループが、相対的に一定の回転角(δ)を有するように配置されることが好ましい。そのような角度(δ)は、2つの隣接するアイレットブランクの屈曲縁部を延長した線が交差する角度として表される。この角度(δ)は30°〜180°であることが好ましい。この180°という角度は、(選択的な横方向のオフセットの関係にない)アイレットブランクの2つのグループが、鏡像対称となるよう対向していることを意味する。アイレットブランクのグループが相対的に60°、90°あるいは180°の回転角を有するように配置されることが、特に好ましい。
【0019】
取り付けアイレットの形状の異なる態様として、頂部において取り付けアイレットの少なくとも一部が切断されている態様がある。アイレットブランクが基板から折り曲げられる前に、このような切断が行われる。しかしながら、レーザ光線や他の適切な手段を用いて、取り付けアイレットを基板から折り曲げると同時に、あるいは折り曲げ後に、取り付けアイレットの頂部を切断することも可能である。これにより、外見上、1つのアイレットから2つの取り付けアイレットが得られた状態となり、係止可能な状況がさらに増加することになる。この点において、取り付けアイレットの切断部は、互いに反対に向きに向かい合うことが有利である。
【0020】
さらに、本発明は、取り付け装置の製造方法に関する。これは、基板に2つの結合部を残したまま、複数のアイレットブランクに切り込みを入れる1つの工程を備える。これにより、アイレットブランクが、その結合部で基板とつながれたまま、アーチ状の外縁が切り離されることを意味している。アイレットブランクは、グループを形成するように基板上に切り込まれる。各グループは、少なくとも2個、好ましくは2〜10個、さらに好ましくは2〜5個のアイレットブランクを備える。これらのアイレットブランクは、1つのアイレットブランクが他のアイレットブランクの内側に配置されるように、互いに入れ子状に形成される。アイレットブランクの切り込みと同時に、または切り込みの後、アイレットブランクをその結合部のある領域で基板から折り曲げて、取り付けアイレットとして基板から突出させる。アイレットブランクは、アイレットの少なくともいくつかのグループが相対的に回転した位置関係で配置されるように、切り込まれることが好ましい。
【0021】
アイレットブランクの切り込みは、適切な方法であればどのような方法で行ってもよい。しかしながら、打ち抜き加工、レーザ光線による切り抜き加工、あるいはせん断加工を用いることが好ましい。好ましくは、すべてのアイレットブランクを、同一の配向で、すなわち、加工の方向に対して同じ角度で、同一の工程で製造する。このような方法は、打ち抜き加工やせん断加工によってアイレットブランクを切り込む場合に、特に推奨される。ただし、異なった配向のアイレットブランクを、1つまたは複数の工程で切断し、その配向によりグループ化することも有利である。アイレットブランクの切断と同時に、または切断の後、アイレットブランクは基板の外側に曲げられる。このような工程は、たとえば、適切な型を使用することによって行われる。取り付け装置の製造にとって特に好ましい方法は、せん断加工よって取り付けアイレットを製造する方法である。この場合、アイレットブランクを切り込む工程と、基板から折り曲げる工程は、同一の工程で行われる。互いに入れ子状となっている、あるグループ内のアイレットブランクは、順次、切断されることが望ましい。好ましくは、その工程は、最も内側のアイレットブランクから始まり、最も外側のアイレットブランクまで、順次行われ、最終的にせん断加工によって切り取られ、基板の外側に折り曲げられる。
【0022】
基板に用いる金属材料は、特定の金属に制限されることはない。銅やアルミニウムのような柔らかい金属材料が主に使用される。しかしながら、弾性を有する金属であることが好ましい。もっとも好ましくは鋼、特にバネ鋼またはバネ硬鋼が好ましい。さらに、基板は、少なくとも一方の表面を、全体的にまたは部分的にコーティングすることもできる。そのようなコーティングによって、たとえば、耐食性やすべり摩擦性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】切り込まれたアイレットブランクを有する金属基板の平面図である。
【図2(a)】図1のアイレットブランクの1つのグループの断面図である。
【図2(b)】図2(a)の状態から、前記アイレットブランクを基板から折り曲げた状態を示す図である。
【図2(c)】図2(b)の折り曲げられた取り付けアイレットを矢印Aの方向から見た斜視図である。
【図3(a)】基板上に形成された2つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図3(b)】基板から折り曲げられた後の図3(a)の取り付けアイレットの構造を示す側面図である。
【図4】異なる構造の3つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図5】円弧状の丸い経路を備える3つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図6】2つの頂部が切断された、3つのアイレットブランクを有するグループの平面図である。
【図7】1つのライン上に互いに60°の角度で配置された、アイレットブランクのグループを有する基板を示す部分的な平面図である。
【図8】切断されているアイレットブランクが、相対的に不規則な回転角を有するように配置された、複数のアイレットブランクのグループを有する基板の平面図である。
【図9(a)】取り付け突起を有する相手部材を取り付ける直前の状態にある、基板から折り曲がったアイレットのグループを示す側面図である。
【図9(b)】図9(a)の取り付け装置と相手部材を固定した状態を示す側面図である。
【図10】取り付け突起を本発明に係る取り付け装置の取り付けアイレットに固定するステップ(a)〜(c)を示す図である。
【図11】取り付けアイレットの一部あるいは全部が切断された、本発明に係る2つの取り付け装置の係止の状態の4例(a)〜(d)を示す図である。
【図12】隣接する列が互いにジグザグ状に配列された状態で、平行に配置された、アイレットブランクのグループを有する他の基板を示す平面図である。
【図13】相手部材が取り付けられた基板を示す図である。
【図14】折り曲げ角度を図示するため、基板から折り曲げられた取り付けアイレットのグループを示す部分側面図である。
【図15】アイレットブランクの側面の角度を図示するための、アイレットブランクの2つのグループ(a)、(b)を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明について、図示の実施形態に基づいて、さらに詳細に説明する。しかしながら、これらの図面は、取り付け装置やその製造方法について、いくつかの好ましい実施態様を例示したものにすぎず、本発明に制限を加えるものではない。なお、同じ要素には同じ参照番号が付される。
【0025】
図1は、本発明に係る取り付け装置1の一実施例を、金属基板2の平面図として示している。このような基板は、たとえば、バネ鋼からなる。この基板2では、各3つのアイレットブランク4からなる、合計9個のグループ7が切り込まれている。すでに述べたように、ブランクという言葉は、アイレットの製造の順番について、いかなる制限を加えるものではなく、切り込みを入れた後または切り込みと同時に、基板から折り曲げられる部分の形状を示すためだけに用いられている。アイレットブランク4はアーチ状であって、全体としてU字型に形成される。それぞれ2つの角部40を有し、角部40からはそれぞれ側部41が連続しており、その間に平坦な頂部42が伸長している。すべてのアイレットブランク4は、側部41、角部40および頂部42の外縁に沿って、基板2から切り離される。アイレットブランク4は、側部41の足部に隣接する結合部5の領域においてのみ基板と結合されている。それぞれのグループ7内で、3つのアイレットブランク4i、4iiおよび4iiiは、お互いに入れ子状となっている。すべてのグループにおいて、3つのアイレットブランクは、それぞれ実質的に同じ形をしているが、側部41の長さと頂部42の幅は異なっている。
【0026】
一点鎖線50、すなわち領域20(あるいはその延長部)の縁部までの距離に関して、屈曲縁部6は相対的にオフセットされている。それぞれの最も外側のアイレットブランク4iiiの屈曲縁部6のラインは、頂部42への方向に関して、最も内側のアイレットブランク4iの屈曲縁部6に対して上方にオフセットされており、中間のアイレットブランク4iiの屈曲縁部6は、隣接するアイレットブランク4iおよび4iiiの屈曲縁部6から、さらに凹んだ位置に設けられている。最も内側のアイレットブランク4iのさらに内側にある領域20は、切除される。図2(a)は、図1の3つのアイレットブランク4を有するグループを拡大して示している。
【0027】
3つのアイレットブランク4を有する個々のグループ7は、互いに相対的な回転角を有するように、それぞれ基板2上に配置される。いずれの場合においても隣接するグループ7に対する回転角(δ)は、実質的に90°である。いずれの場合においても、その角度には、隣接するグループ7同士のアイレットブランク4の屈曲縁部の延長線が交差する点における角度が用いられる。互いに入れ子状にされているため、グループ7内においてアイレットブランク4の屈曲縁部6の位置が異なっている場合には、アイレットブランクの頂部から最も離れている、屈曲縁部6が参照として用いられる。
【0028】
図2(b)は、図1および図2(a)のグループ7のアイレットブランク4について、アイレットが基板2から折り曲げられた状態を示している。図2(b)は、アイレットブランク4の側部41の側面を示しているが、このブランク4は、基板2から折り曲げられて、完成した取り付けアイレット3を形成している。これらのアイレット3は、その屈曲縁部6の高さが基板2内においてオフセットされているため、一列に順次配置されている。これらのアイレットブランク3は、基板2からの曲げ角度および総角度が異なるように折り曲げられており、その曲げ角度および総角度は、最も内側に形成されたアイレットブランク4iで最大となり、最も外側のアイレットブランク4iiiに向かうにしたがって漸減する。取り付けアイレット3の頂部は、基板2の上方に互いに実質的に平行となるように突出しており、図2(c)に示すようなブリッジ30を形成している。図2(c)は、図2(b)の矢印Aに沿って、最も外側にあり最も幅が広いアイレット4iiiの内側を眺めた図である。この実施例では、個々のアイレットブランク4の頂部42から屈曲縁部6までの距離は変化している。また、個々のアイレットブランク4の結合部5の領域の幅Bも異なっている。これに対して、ブリッジbの幅は、すべてのアイレットブランク4で同じとなっている。
【0029】
図3(a)は、アイレットブランク4のグループ7の一例を示している。この例は、図1および図2(a)に示したものとほぼ同様であるが、グループが2つのアイレットブランク4i、4iiのみで構成されている点で異なっている。図3(b)は、このアイレットブランク4を基板2から折り曲げた後の状態を示している。図2(b)の例と同様に、基板2から折り曲げられた時点で、平面形状を維持せずに、折り曲げ方向(矢印の方向)に、円弧状に変形する。
【0030】
図4は、アイレットブランク4のグループの他の実施例における平面図を示している。ここで、個々のアイレットブランク4i、4iiおよび4iiiは異なる形状を有している。ブリッジbの幅は、各結合部5あるいは屈曲縁部6の間で変化している。最も内側のアイレットブランク4iは、実質的にV字型であるが、外側のアイレットブランク4iiおよび4iiiは、実質的にU字型となっている。
【0031】
図5は、曲線的なアイレットブランク4の実施例を示している。ブリッジの形状は、実質的に長円形である。最も内側のアイレットブランク4iの内側に、基板2から切除された領域20を示している。
【0032】
図6は、アイレットブランク4のグループ7を示しており、図2(a)に示したものとほぼ同様である。図2(a)のものと比較すると、最も内側にあるブランクと最も外側にあるブランクの2つのアイレットブランク4i、4iiiは、頂部で切断されており、ブリッジを形成していない。この実施例では、切断部43は、互いにオフセットされている。しかしながら、1つのグループ内におけるすべての切断線を、一直線上に連続的に伸長させてもよい。基板2からアイレットブランクを折り曲げると、開口したアイレットがもたらされ、固定される相手部材の取り付け突起が係止される機会が増加する。
【0033】
図7は、本発明の別の実施例における、取り付け装置1を有する基板2の部分平面図である。基板2は、複数のグループ7を備え、グループ7は、それぞれ3つのアイレットブランク4を有している。図7は、アイレットブランク4がすでに基板2に切り込まれているが、まだ折り曲げられていない状態を示す。図1と比較すると、アイレットブランクのグループは、互いに角度(δ)あるいは複数の角度の回転角で回転した位置関係にある。
【0034】
図8は、異なる実施例における、基板2上のアイレットブランクのグループの配置を示している。この実施例では、これらのグループは、基板上に不規則に、かつ、互いに不規則な回転角で回転した位置関係となるように配置されている。さらに、いくつかのグループ7では、すべてのアイレットブランク4の頂部42がその中央部で切断されており、基板2からアイレットブランク4を折り曲げた後では、その端部が互いに向き合った2つのフック状のアイレットとなる。
【0035】
図9(a)と9(b)は、図1および2に示した取り付け装置に、相手部材8の取り付け突起80が脱着可能に固定される様子を概略的に示している。相手部材は、最初に言及した本出願人による文献に開示されたものの中から選択されることが好ましい。相手部材8の取り付け突起80は、金属基板に同様のブランクを切り込み、引き続いて基板から折り曲げることにより、作製することが好ましい。すなわち、この相手部材8の作製は、本発明の取り付け装置の作製と同様のものである。取り付け突起80を、これらが切り込まれた基板と共に示すが、取り付け突起80は、この図の手前側を向いている。取り付け突起80は、平らな形状を備えるが、図の面に直角の方向において、金属基板の厚さに対応する厚さを有している。取り付け突起80のそれぞれは、非対称な頭部81と、これに連続するくびれ部82を備え、これにより、かんぬき状の突起部83を両側に形成している。図9(a)に示す位置から、本発明の取り付け装置の方向へ相手部材8を移動させると、頭部81の傾斜端部が、取り付けアイレット3の間に入り込み、取り付けアイレット3を互いに離れる方向に移動させ、図面の右側に示すように、取り付けアイレット3のブリッジの頂部の裏側まで至る。なお、この頂部は、図の面に直角の方向に伸長している。その後、取り付けアイレット3は、再び弾性的に元の状態に戻り、突起部83が取り付けアイレットのブリッジの裏側に位置した状態で、取り付けアイレット3により係止される。
【0036】
この工程について、図10(a)〜10(c)に別の表現で示す。上側の図には、取り付け突起80が示されているが、これらは、互いに鏡面対称的に配置されている点を除いては、図9のものとほぼ同様である。下側の図は、ブリッジ30が隣り合って伸長することにより、取り付けアイレットがクロスウェブを構成している状態を概略的に示す平面図となっている。ブリッジ30は、上側の図においても、黒い点でその断面が示されている。図面から明らかなとおり、取り付けアイレットのブリッジ30は、高さに関して、相対的にオフセットされている。図10(a)は、相手部材8が本発明の取り付け装置に近接する状態を示している。取り付け装置80の左側にある頭部81は、隣接する2つのブリッジの間に滑り込む。図10(b)では、頭部81は、クロスウェブ30に係合し、その間隔が最も広がるまで弾性的に変形させる。取り付け突起80を取り付け装置1の方向にさらに移動させると、図10(c)に示された状態となり、ウェブ30を構成する2つの取り付けアイレットが、取り付けエレメントの突起80の後方でスナップ止めのように閉まる。この係止は脱着可能なものであり、逆のプロセスで取り付け突起80を、これを保持するアイレットの間から取り外すことができる。このプロセスは何度でも繰り返すことができる。
【0037】
図9および10は、1つの取り付け突起が、2つの取り付けアイレットの間にスナップ止めされる実施例を示している。しかしながら、そのようなスナップ止めには、さまざまなバリエーションが考えられる。たとえば、2つの隣接する取り付け突起が、それらの間で1つ以上の取り付けアイレットにスナップ止めされる場合もある。反対に、複数の取り付け突起が、隣接する取り付けアイレットの間にスナップ止めされることも可能である。さらに、1つ以上の取り付け突起が、隣接する異なるグループの間で隣り合う取り付けアイレットにスナップ止めされる場合もある。
【0038】
図11(a)〜11(d)には、複数あるいはすべての取り付けアイレットがその頂部42で切断されている、取り付け装置の実施例をかなり簡略化して示している。図11(a)と11(b)の例では、取り付けアイレットの頂部に交互に開口31が設けられている。図11(c)と(d)の例では、それぞれの取り付けアイレット3の頂部に開口31が設けられている。このような頂部の開口により、取り付け装置1同士を固定することが可能となる。すなわち、相手部材を本発明の取り付け装置により構成することが可能となる。図11(a)および(b)と、図11(c)および11(d)のそれぞれは、2つの同じ取り付け装置について、その取り付けプロセスを示している。上段の図11(a)と11(c)は、2つの取り付け装置が互いに近接するが、まだ係止されていない状態を示している。係止された状態を、下段の図11(b)と11(d)に示している。いずれの場合でも、取り付け装置1は、開口31のある部分で相互に係止し合っている。切断された頂部を伴う取り付け装置1の割合は、広範囲で変更することが可能である。このことは、本発明の取り付け装置が2つ、互いに係止し合う態様でも同様である。
【0039】
図12は、曲げられる前の状態における、複数のグループ7のアイレットブランク4を備える、他の実施例の基板の部分平面図を示している。これらのグループ7は、隣接する列のグループが互い違いになるように配置される共に、各列が平行に配置されている。屈曲縁部6を通るラインを示す一点鎖線が、隣接するグループの列が平行に配置されていることを示している。図示の実施例では、1列ごとに4つあるいは5つのグループ7を備えている。点線L1、L2およびL3を追加的に示すが、これらは、上記の一点鎖線に対して直角をなし、かつ、アイレットブランク4のグループ7を、屈曲縁部6からブリッジ42までの2つの部分に分割するように、アイレットブランクと交差している。図示から明らかなとおり、1列おきに同一の点線とグループが交差するように、各列のグループが互い違いに配置されている。
【0040】
図13には、アイレット3のグループ7を有する基板2と多数の頭部81を有する相手部材8とが固定結合されている状態を示している。アイレットのグループ7は、図13に示すように、互い違いにかつ平行に配置されているが、すでに基板2の面から折り曲げられた状態となっている。相手部材8の頭部81も同様に、相手部材を構成するストリップの外縁に平行に伸長するラインE上に、平行かつ互い違いに配置されている。複数のラインは頭部81を示しているが、このライン上が、図9や図10に示した頭部81が伸長する領域となっている。図13から明らかなように、基板2と相手部材8は、両者の外縁が相対的に角度をもって伸長するように取り付けられている。同様の関係が、基準となる屈曲縁部のライン6に平行な取り付けアイレット3と、ラインEに平行な頭部81の位置関係に該当する。図示された実施例では、ライン6とラインEは、約70°〜80°の角度(ε)をなしている。図13から明らかなとおり、頭部81は、広範囲の角度(ε)において取り付けアイレット3内に係合可能である。ただし、角度(ε)が0°または0°に近い場合には、係合することができない。頭部81が伸長する領域を示すラインと取り付けアイレット3が伸長する方向を示す屈曲縁部6のラインとの間の角度は、25°〜155°の間、好ましくは40°〜140°の間、最も好ましくは65°〜115°の間で変化し、これにより、多くの頭部81が取り付けアイレット3内に係止されることが可能となる。
【0041】
図14と15は、それぞれ、取り付けアイレット3またはアイレットブランク4の形状を詳細に示している。図14は、取り付けアイレットとするために、基板2からアイレットブランク4を折り曲げる、曲げ角度(β)を示している。いずれの場合においても、曲げ角度は、屈曲縁部の存在する領域で取り付けアイレット3に対して引かれた接線と基板2の平面の間の角度である。最も平坦な取り付け端部は、約40°の曲げ角度(β)を有する。さらに、図14には、総角度(γ)が示されており、この総角度(γ)は、いずれの場合においても、基板と屈曲縁部からアイレットの頂部に伸長する直線によって形成される角度である。最も内側のアイレットでは、この総角度(γ)は約50°であるが、最も外側のアイレットでは90°以上、ここでは97°となっている。総角度(γ)は、アイレットの曲率を表してはいないが、屈曲縁部と基板に対するブリッジの位置関係が示される。図示のように角度(β)および角度(γ)は、常に基板の同じ面から測定される。
【0042】
図15は、アイレットブランク4または完成したアイレット3の側部41の傾きを示している。この場合、側部の傾き(α)は、屈曲縁部6と側部41の外縁の間で拡張する角度である。角度(α)は90°より小さいことが好ましい。すなわち、側部は互いに内側に傾斜することとなる。
【符号の説明】
【0043】
1 取り付け装置
2 基板
3 取り付けアイレット
4、4i〜iii アイレットブランク
5 結合部
6 屈曲縁部
7 グループ
8 相手部材
20 切除部
30 ブリッジ
31 開口
40 角部
41 側部
42 頂部
43 切断部
50 切除部の縁部を示す一点鎖線
80 取り付け突起
81 非対称頭部
82 くびれ部
83 突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の取り付けアイレットが突出する金属基板を備える取り付け装置であって、
該取り付け装置は、複数のアーチ状のアイレットブランクを、1つのアイレットブランクにつき2つの結合部が基板の面内に残るように切り込み、該結合部の屈曲縁部を中心にして、該アイレットブランクを該基板から折り曲げて、前記取り付けアイレットを形成することにより、得られるものであって、
前記アイレットブランクが、それぞれが少なくとも2つのアイレットブランクを有し、1つのアイレットブランクの少なくとも一部が、他のアイレットブランクの内側となるように、入れ子状になっている、複数のグループを形成するように切り込まれていることを特徴とする、取り付け装置。
【請求項2】
前記アイレットブランクが、円形アーチ状または1つ以上の角部を有するブリッジからなる、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項3】
前記アイレットブランクが、互いに直接隣接している、請求項1または2に記載の取り付け装置。
【請求項4】
前記アイレットブランクが、
−該アイレットブランクの側部の内側と前記屈曲縁部との間の角度が90°未満である、
−平坦な頂部を有する、
−前記ブリッジの幅が0.05mm以上である、
−前記ブリッジの幅が0.5mm以下である、
−前記結合部のある領域の幅が0.4mm以上である、
−高さが0.5〜10mmである、
という特性のうち少なくとも1つを備える、請求項2に記載の取り付け装置。
【請求項5】
前記グループのそれぞれの前記少なくとも2つのアイレットブランクの結合部が、高さ方向に関してオフセットされている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項6】
前記取り付けアイレットが、前記基板からアーチ状に折り曲げられている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項7】
前記取り付けアイレットが、30°〜135°の総角度で前記基板から折り曲げられており、かつ、前記グループのそれぞれにおいて、前記少なくとも2つの取り付けアイレットが、異なる総角度で該基板から折り曲げられている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項8】
前記アイレットブランクのすべてのグループが、列ごとに少なくとも2つのアイレットブランクを備える平行な複数の列を形成し、かつ、隣接する該アイレットブランクのグループが互い違いとなるように、基板上に配置されている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項9】
前記アイレットブランクのグループの少なくとも一部が、他のアイレットブランクのグループに対して相対的に回転した位置関係となるように、前記基板上に配置されている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項10】
前記アイレットブランクのグループが、相対的に30°〜180°回転した位置関係となっている、請求項9に記載の取り付け装置。
【請求項11】
前記取り付けアイレットの少なくとも一部は、前記頂部において切断されている、請求項1〜10のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項12】
請求項1〜12のいずれか1つに記載の取り付け装置の製造方法であって、
a)複数のアーチ状のアイレットブランクを、1つのアイレットブランクにつき2つの結合部が基板の面内に残るようにすると共に、該アイレットブランクが、それぞれが少なくとも2つのアイレットブランクを有し、1つのアイレットブランクの少なくとも一部が、他のアイレットブランクの内側となるように、入れ子状になっている、複数のグループを形成するように切り込み、
b)前記結合部の屈曲縁部を中心にして、該アイレットブランクを該基板から折り曲げる、
工程を備える、取り付け装置の製造方法。
【請求項13】
前記アイレットブランクが、打ち抜き加工、レーザ加工、または、せん断加工により形成される、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記グループのそれぞれにおいて、前記入れ子状のアイレットブランクを、最も内側にあるアイレットブランクから順次形成する、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記アイレットブランクが、せん断加工により、1つの工程で、前記切り込みおよび前記基板からの折り曲げが行われる、請求項12〜14のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項16】
前記アイレットブランクの少なくとも一部を、他のアイレットブランクに対して相対的に回転した位置関係となるように配置する、請求項12〜14のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項1】
複数の取り付けアイレットが突出する金属基板を備える取り付け装置であって、
該取り付け装置は、複数のアーチ状のアイレットブランクを、1つのアイレットブランクにつき2つの結合部が基板の面内に残るように切り込み、該結合部の屈曲縁部を中心にして、該アイレットブランクを該基板から折り曲げて、前記取り付けアイレットを形成することにより、得られるものであって、
前記アイレットブランクが、それぞれが少なくとも2つのアイレットブランクを有し、1つのアイレットブランクの少なくとも一部が、他のアイレットブランクの内側となるように、入れ子状になっている、複数のグループを形成するように切り込まれていることを特徴とする、取り付け装置。
【請求項2】
前記アイレットブランクが、円形アーチ状または1つ以上の角部を有するブリッジからなる、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項3】
前記アイレットブランクが、互いに直接隣接している、請求項1または2に記載の取り付け装置。
【請求項4】
前記アイレットブランクが、
−該アイレットブランクの側部の内側と前記屈曲縁部との間の角度が90°未満である、
−平坦な頂部を有する、
−前記ブリッジの幅が0.05mm以上である、
−前記ブリッジの幅が0.5mm以下である、
−前記結合部のある領域の幅が0.4mm以上である、
−高さが0.5〜10mmである、
という特性のうち少なくとも1つを備える、請求項2に記載の取り付け装置。
【請求項5】
前記グループのそれぞれの前記少なくとも2つのアイレットブランクの結合部が、高さ方向に関してオフセットされている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項6】
前記取り付けアイレットが、前記基板からアーチ状に折り曲げられている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項7】
前記取り付けアイレットが、30°〜135°の総角度で前記基板から折り曲げられており、かつ、前記グループのそれぞれにおいて、前記少なくとも2つの取り付けアイレットが、異なる総角度で該基板から折り曲げられている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項8】
前記アイレットブランクのすべてのグループが、列ごとに少なくとも2つのアイレットブランクを備える平行な複数の列を形成し、かつ、隣接する該アイレットブランクのグループが互い違いとなるように、基板上に配置されている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項9】
前記アイレットブランクのグループの少なくとも一部が、他のアイレットブランクのグループに対して相対的に回転した位置関係となるように、前記基板上に配置されている、請求項1〜7のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項10】
前記アイレットブランクのグループが、相対的に30°〜180°回転した位置関係となっている、請求項9に記載の取り付け装置。
【請求項11】
前記取り付けアイレットの少なくとも一部は、前記頂部において切断されている、請求項1〜10のいずれか1つに記載の取り付け装置。
【請求項12】
請求項1〜12のいずれか1つに記載の取り付け装置の製造方法であって、
a)複数のアーチ状のアイレットブランクを、1つのアイレットブランクにつき2つの結合部が基板の面内に残るようにすると共に、該アイレットブランクが、それぞれが少なくとも2つのアイレットブランクを有し、1つのアイレットブランクの少なくとも一部が、他のアイレットブランクの内側となるように、入れ子状になっている、複数のグループを形成するように切り込み、
b)前記結合部の屈曲縁部を中心にして、該アイレットブランクを該基板から折り曲げる、
工程を備える、取り付け装置の製造方法。
【請求項13】
前記アイレットブランクが、打ち抜き加工、レーザ加工、または、せん断加工により形成される、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記グループのそれぞれにおいて、前記入れ子状のアイレットブランクを、最も内側にあるアイレットブランクから順次形成する、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記アイレットブランクが、せん断加工により、1つの工程で、前記切り込みおよび前記基板からの折り曲げが行われる、請求項12〜14のいずれか1つに記載の製造方法。
【請求項16】
前記アイレットブランクの少なくとも一部を、他のアイレットブランクに対して相対的に回転した位置関係となるように配置する、請求項12〜14のいずれか1つに記載の製造方法。
【図1】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図11(c)】
【図11(d)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図11(c)】
【図11(d)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2011−526348(P2011−526348A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515229(P2011−515229)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004715
【国際公開番号】WO2010/000444
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(303050078)ラインツーディチュングスーゲーエムベーハー (9)
【出願人】(511000234)ヘルツェル スタンツ−ウント ファインヴェルクテクニク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004715
【国際公開番号】WO2010/000444
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(303050078)ラインツーディチュングスーゲーエムベーハー (9)
【出願人】(511000234)ヘルツェル スタンツ−ウント ファインヴェルクテクニク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー (1)
【Fターム(参考)】
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