説明

取り外し部分を有する圧縮デバイス

【課題】取り外し部分を有する圧縮デバイスを提供すること、および、取り外し部分を有する圧縮デバイスを提供すること。
【解決手段】着用者の身体の一部に圧縮治療を適用するためのデバイスであって、第1および第2の対向する袋層と、該第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つの一部分を含む連結部分と、該連結部分における弱線と、該第1および第2の袋層のうちの1つに対して概ね対向関係にある被覆層とを含む、デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、同一譲受人の米国出願第11/733,095号、第11/733,074号、第11/733,084号、第11/733,088号、第11/733,077号、第11/733,082号、第11/733,087号、第11/733,101号(出願日2007年4月9日)、および、米国出願第12/098,884号(出願日2008年4月7日)に関し、これらの米国特許出願は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、着用者の身体部分に圧縮治療を適用するための圧縮デバイスに関し、より詳細には、取り外し部分を有する圧縮デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
動けない患者ならびに同様の患者および人物に関する主要な問題は、血液中に塊(clot)を形成する医療状態、例えば、深部静脈血栓症(DVT)および抹消浮腫である。そのような患者および人物は、手術中の患者および人物、麻酔を受けている患者および人物、長期間におよぶベット休養中の患者および人物等を含む。これらの血液の塊を形成する状態は、概して、下肢および/または骨盤の深部静脈において発生する。これらの静脈、例えば腸骨静脈、大腿静脈、膝窩静脈(popiteal vein)、頚骨静脈は、脱酸素化されて心臓に戻る。例えば、これらの静脈における血液循環は、疾病、怪我または不活性が原因で妨害される場合、血液が蓄積またはプールする傾向がある。血液の静的プールは、塊の形成にとっては理想的である。この状態に関連する主要なリスクは、心臓血管の循環障害である。最も深刻なのは、血液の塊のフラグメントが、分解および移動し得ることである。肺動脈塞栓は、主な肺動脈の閉塞を形成し得、このことが、生命を危険にさらし得る。
【0004】
患者が動けないことに関連する状態および結果として生じるリスクは、血液循環をアシストするために、患者の体肢(例えば脚)に断続的な圧力を適用し、制御または軽減され得る。例えばワンピースパッドおよび圧縮ブーツのように、公知のデバイスは、血液循環をアシストするために採用されてきた。例えば、特許文献1および特許文献2を参照されたい。
【0005】
例えば、連続圧縮デバイスが用いられてきており、そのような連続圧縮デバイスは、一連の空気チューブによって使い捨ての巻きつき式パッドに連結された空気ポンプから構成される。巻きつき式パッドは、患者の脚のまわりに配置される。そして空気が連続的に巻きつき式パッドの様々な部分に押入れられ、ふくらはぎのまわりに圧力を形成し、静脈還流を促進する。
【0006】
これらの公知のデバイスは、大掛かりでかさばること、および、使用が面倒であることに起因する、様々な欠点をこうむる。これらの欠点は、快適性、コンプライアンスを低減し、不都合にも、手術後に回復が進行していくときに、患者の移動性を妨げ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,290,662号明細書
【特許文献2】米国特許第6,494,852号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、大掛かりな点を低減し、使用が面倒ではなく、患者に対する快適性およびコンプライアンスを向上させ、予防的(prophylaxis)連続圧縮デバイスを用いて従来技術の不都合および欠点を克服することが望ましくあり得る。本開示の利点を達成するために、予防連続圧縮デバイスが、取り外し部分を含んでいるならば、望ましくあり得る。取り外し大腿部分(thigh section)を有する圧縮スリーブは、同一譲受人の米国特許出願第10/784,607号(出願日2004年2月24日)に開示されており、この出願は、参照により本明細書中に援用される。大腿部分は、袋材料に提供されたミシン目に沿って、圧縮スリーブを引き裂くことによって取り外され得る。しかしながら、この出願は、異なる組成の複数の層を引き裂くことにより圧縮デバイスのセクションを切断することに関連する問題には対処していない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
1つの局面において、着用者の身体の一部分に圧縮治療を適用するためのデバイスは、概して、第1および第2の対向する袋層であって、2つの袋の線に沿って互いに固定されることにより、デバイスの軸に沿って互いに離間された第1および第2の膨張可能な袋を画定する第1および第2の対向する袋層を含む。連結部分は、第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つの一部分を含み、第1および第2の膨張可能な袋の間に延びており、第1および第2の膨張可能な袋を互いに連結する。連結部分における弱線は、膨張可能な袋を互いに選択的に離間するようにデバイスの軸を概ね横断する。被覆層は、第1および第2の袋層のうちの1つに対して概ね対向関係にある。被覆層は、弱線と概ね隣接した位置で不連続であり、概ね弱線に沿って延びている被覆層の末端エッジのマージンを画定する。末端エッジのマージンの各々は、他方の末端エッジのマージンから、弱線の反対側で、該第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つに連結されている。
【0010】
別の局面において、圧縮デバイスを製造する方法は、概して、第1および第2の対向する袋層を2つの袋の線に沿って互いに固定することにより、デバイスの軸に沿って互いに離間された第1および第2の膨張可能な袋を画定することと、第1および第2の膨張可能な袋の間の延びており、第1および第2の膨張可能な袋を互いに連結する連結部分を有することとを含む。連結部分に形成された弱線は、膨張可能な袋を互いに選択的に離間するようにデバイスの軸を概ね横断するように延びている。被覆層は、第1および第2の袋層のうちの1つに対して概ね対向関係で固定される。被覆層は、弱線と概ね隣接した位置で不連続であり、対向する末端エッジのマージンを画定する。末端エッジのマージンの各々は、弱線のそれぞれの反対側で、第1および第2の袋層のうちの1つに固定されている。
【0011】
その他の特徴は、ある部分は以下で明白なものとなり、ある部分は以下で指摘されるであろう。
【0012】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
着用者の身体の一部に圧縮治療を適用するためのデバイスであって、該デバイスは、
第1および第2の対向する袋層であって、2つの袋の線に沿って互いに固定されることにより、該デバイスの軸に沿って互いに離間された第1および第2の膨張可能な袋を画定する第1および第2の対向する袋層と、
該第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つの一部分を含む連結部分であって、該第1および第2の膨張可能な袋の間に延びており、該第1および第2の膨張可能な袋を互いに連結する連結部分と、
該連結部分における弱線であって、該膨張可能な袋を互いに選択的に分離するために該デバイスの該軸を概ね横断するように延びている弱線と、
該第1および第2の袋層のうちの1つに対して概ね対向関係にある被覆層であって、該被覆層は、該弱線と概ね隣接した位置で不連続であり、概ね該弱線に沿って延びている該被覆層の末端エッジのマージンを画定し、該末端エッジのマージンの各々は、他方の末端エッジのマージンから該弱線の反対側で該第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つに連結されている、被覆層と
を含む、デバイス。
(項目2)
上記末端エッジのマージンは、上記弱線の両側で互いに離間されている、上記項目に記載のデバイス。
(項目3)
上記被覆層は、上記デバイスの上記軸を横断する方向における全ての位置で互いに離間されている第1および第2の被覆層部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目4)
上記被覆層の上記末端エッジのマージンは、該末端エッジのマージンに沿って上記第1および第2の袋層のうちの1つに固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目5)
上記第1の膨張可能な袋に空気を送達するための連結部分に沿って延びているチューブをさらに含み、末端エッジのマージンの各々は、不連続的な溶着線に沿って、上記第1および第2の袋層のうちの1つに固定され、該不連続な溶着線は、該チューブを横切らない、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目6)
上記被覆層は、該被覆層の周囲に概ね隣接して走っている周囲の固定線に沿って、上記第1および第2の袋層のうちの1つにさらに固定され、該被覆層の該周囲内の該被覆層のうちの少なくとも大部分は、該第1および第2の袋層の両方に対する固定から自由である、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目7)
上記周囲の固定線は、上記被覆層の上記周囲のまわりで実質的に連続的に延びている、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目8)
上記被覆層は、上記第1の袋層に対して概して対向関係にある内側層を含む、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目9)
上記第2の袋層に対して概して対向関係にある外側被覆をさらに含み、該外側被覆は、上記弱線と概ね隣接した位置で不連続であり、概ね該弱線に沿って延びている該外側被覆の末端エッジのマージンを画定し、該末端エッジのマージンの各々は、他方の末端エッジのマージンから該弱線の反対側で該第2の袋層に連結されている、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目10)
上記第1の膨張可能な袋に空気を送達するための連結部分に沿って延びているチューブをさらに含み、末端エッジのマージンの各々は、不連続な溶着線に沿って、上記第2の袋層に連結され、該不連続な溶着線は、該チューブを横切らない、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目11)
上記外側被覆の上記末端エッジのマージンは、上記弱線の両側で互いに離間されている、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目12)
上記外側被覆は、上記デバイスの上記軸を横断する方向における全ての位置で互いに離間されている第1および第2の被覆部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目13)
上記外側被覆の上記末端エッジのマージンは、該末端エッジのマージンに沿って上記第2の袋層に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目14)
上記連結部分は、上記第1および第2の袋層の両方を含み、上記弱線は、該第1および第2の袋層の両方に形成されたミシン線を含む、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
(項目15)
上記デバイスは、上記着用者の膝を受容するようにサイズおよび形状が決められた膝開口部を含み、上記連結部分は、上記第2の袋を含む上記スリーブの遠位部分から、上記第1の袋を含む該スリーブの近位部分まで延びている、該膝開口部の両側の第1および第2のブリッジ部材を含み、上記弱線は、該第1のブリッジ部材が上記遠位部分に出会う位置に概ね隣接している第1の弱線と、該第2のブリッジ部材が該遠位部分に出会う位置に概ね隣接している第2の弱線とを含む、上記項目のいずれか一項に記載のデバイス。
【0013】
(摘要)
着用者の身体の一部分に圧縮治療を適用するためのデバイスは、第1および第2の膨張可能な袋を備え、該第1および第2の膨張可能な袋は、デバイスの軸に沿って、互いに離間されている。第1および第2の袋の間の連結部分における弱線(line of weakness)は、膨張可能な袋を選択的に互いに分離するように、デバイスの軸を概ね横断するように延びている。デバイスは、第1および第2の袋層のうちの1つと概して対向関係にある被覆層を含む。被覆層は、弱線と概して不連続的に隣接しており、概して弱線に沿って延びている被覆層の末端エッジのマージンを画定する。末端エッジのマージンの各々は、他方の末端エッジのマージンから、弱線の両側で、第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つに連結されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、スリーブの外側被覆層および袋層を有する圧縮スリーブの一実施形態の前方立面図であり、下部層を示すために一部分が取り除かれている。
【図2】図2は、圧縮スリーブの分解斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1の拡大された断片図であり、圧縮スリーブの左ブリッジにわたって延びているミシン線を示している。
【図2B】図2Bは、図2Aに類似しており、ミシン線は円形開口部を含んでいる。
【図2C】図2Cは、図2Aに類似しており、ミシン線はスロット状の開口部を含んでいる。
【図2D】図2Dは、図2Aにおける線2D−2Dを含む平面で切り取られた断面である。
【図2E】図2Eは、図1の拡大された断片図であり、圧縮スリーブの右ブリッジにわたって延びているミシン線を示している。
【図3】図3は、圧縮スリーブの内側層の後方立面図である。
【図4】図4は、外側被覆が取り除かれた圧縮スリーブの前方立面図である。
【図5】図5は、膨張状態におけるスリーブの膨張可能な袋を有する圧縮スリーブの長手方向断面である。
【図6】図6は、収縮状態における膨張可能な袋を有する圧縮スリーブの長手方向断面である。
【図7】図7は、ループ材料を示す外側被覆の拡大された断片図である。
【0015】
対応する参照文字は、複数の図面を通して対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(図面の詳細な説明)
ここで図面を参照し、特に図1および図2を参照すると、着用者の体肢に連続圧縮治療を適用するための圧縮デバイス(広くは「ガーメントまたはスリーブ」)の一実施形態が、概して10で示されている。圧縮スリーブは、着用者の脚のまわりに配置されるようにサイズおよび形状が決められたタイプの圧縮スリーブであるが、着用者の身体のその他の部分に適用するためにも構成され得る。より詳細には、スリーブ10は、脚の全周囲のまわりに巻きつけるための幅W(図1)と、脚のうちの足首から大腿まで走る長さL(図1)とを有する。このタイプのスリーブは、概して、当該技術分野においては、サイレングススリーブ(thigh−length sleeve)と称され、大腿部分11a、ふくらはぎ部分11b、および足首部分11cを含む。例えば脚のうちの足首からふくらはぎまで延びるニーレンクススリーブ(knee−length sleeve)(図20)のように、圧縮スリーブが様々なサイズになり得ることが理解され得るべきである。例えば乳癌の治療において患者の胸のまわりに巻きつけられるような、着用者の身体のその他の体肢のまわりに配置されるその他のタイプの圧縮デバイスが、本発明の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0017】
R.D.Kammによってなされた「Bioengineering Studies of periodic External Compression as Prophylaxis Against Deep vein thrombosis - Part I: Numerical Studies」と題された数値研究は、とりわけ、「静脈の全長は、できるだけ完全に、かつ、できるだけ迅速にエンプティにされるべきである」と結論づけている。Kammの研究は、3つのタイプの圧縮を調査したものであり、対象のうちの1つは、波状圧縮である。波状圧縮は、本発明の例示的実施形態によって提供される連続圧縮に最も類似している。Kammの研究は、波状圧縮が、効果的な予防治療のために血液を移動させることにおいて、最も効果的であることを発見した。
【0018】
図1を参照すると、圧縮スリーブ10は、本発明の例示的実施形態においては、互いに固定された4つの層を含む。本発明の範囲は、4つの層に限定されるものではない。より詳細には、圧縮スリーブは、概して12で示されている内側層を含み、この内側層上では、概して14で示されている第1の中間層(広くは第1の袋層)が被覆されている。概して16で示されている第2の中間層(広くは第2の袋層)は、第1の中間層14を被覆しており、そこに固定されている。外側被覆は、概して18で示されており、第2の中間層16を被覆し、そこに固定されている。使用中、内側層12は、着用者の体肢に最も隣接して配置され、着用者の体肢と接触し、外側被覆18は、着用者の体肢から最も遠くにある。膝開口部19は、スリーブ10を通って形成されており、スリーブが脚に適用されるときに、膝の後部と概して整列される。これらの層は、同じ幾何学的形状を有しており、層のエッジが概して一致するように、互いに重ねあわされる。層12、14、16および18のうちの1つ以上は、患者の体肢の特定の特徴に順応するように、対応する層上に重ね合わされずに、わずかにずらされることがあり得ることが企図される。さらに、圧縮スリーブ10の各層12、14、16または18を構成するシートの数または厚さは、記載されているもの以外であることがあり得る。層の厚さは、膨張中に、強度を追加するために、または、一方向におけるさらなる拡張(例えば、体肢に向けた拡張)をもたらすために、変更され得る。
【0019】
図1、図2および図4を参照すると、第1および第2の中間層14、16のそれぞれは、弾性材料の単一のシート(広くは「袋材料」)を含む。例えば、シート14および16は、袋材料として柔軟なPVC材料から形成される。層12および18は、ポリエステル材料から形成される。第2の中間層16は、近位の袋24a、中間の袋24bおよび遠位の袋24cのそれぞれを画定する3つの別個の袋縫い線22a、22b、22cを通して第1の中間層14に固定され、これらは、スリーブ10に沿って長手方向に離間されている。袋の数は、3つ以外であり得るが、本発明の範囲から逸脱しない。本明細書中で用いられるとき、用語「近位」、「遠位」および「中間」は、スリーブが着用者の体肢に固定されたときの圧縮スリーブのコンポーネント、パーツ等の相対的な位置を表す。したがって「近位」のコンポーネント等は、着用者の胴体に対する着用者の体肢の取り付けのポイントに最も隣接して配置され、「遠位」のコンポーネントは、取り付けのポイントから最も遠位に配置され、「中間」のコンポーネントは、概して、近位のコンポーネントと遠位のコンポーネントとの間の任意の位置に配置される。
【0020】
以下で議論される理由により、近位の袋24aは、スリーブ10の上部エッジのマージンの近くで近位の横方向の延長部25を画定する。袋24a、24b、24cは、円周の袋である。すなわち、これらの袋は、着用者の体肢の実質的全周のまわりに巻きつくように、または、体肢のほぼ全周のまわり巻きつくように、サイズおよび形状が決められている。例えば、一実施形態において、袋24a、24b、24cの各々は、脚の円周中央の少なくとも90%のまわりに延びている。しかしながら、従来技術のデバイスは、部分的な袋(例えば、AirCast(登録商標)およびHillRom(登録商標))を有し、これらの従来技術のデバイスは、開口部、弾性および本発明のその他の特徴を提供しない。本明細書中に記載されている構成は、本発明の範囲から逸脱することなしに、部分的な袋の構成を有する従来技術のスリーブによって採用され得ることが理解されるべきである。
【0021】
中間層14、16は、無線周波数溶着、接着剤、または、その他の化学的および/または機械的プロセスによって互いに固定され得る。中間層14、16は、その他の位置において(例えば、それらの外周のまわりに、および、袋の縫い線22a、22b、22cにおいて)互いに固定されることにより、膨張可能な袋24a、24b、24cの形状をさらに画定し得ることが理解されるべきである。以下に議論される理由により、第1の中間層14は、袋24a、24b、24cの中央領域が内側層12に固定されないように、第1の中間層14の外周に沿って走っている縫い線25(図5および図6)に沿って内側層12に固定される。このことは、袋24a、24b、24cが、内側層12に対して動くことを可能にする。第2の中間層16もまた、同じ縫い線25に沿って内側層12に固定され得る。第1の中間層14は、RF溶着によって、または、接着剤によって、または、その他の適切な方法で、内側層12に固定され得る。以下に議論されるように、この構造は、快適性を向上させる。
【0022】
図2および図4を参照すると、膨張可能な袋24a、24b、24cの各々は、専用の、近位の袋チューブ26a、中間の袋チューブ26b、遠位の袋チューブ26c(図2)のそれぞれを通して、圧縮流体(図示されず)のソースから流体を受容する。チューブの線は、本発明を実施するために、必ずしもある袋の専用であるとは限らない。各チューブ26a、26b、26cは、中間層14、16の間に配置され、それぞれの袋縫い線22a、22b、22cによって、それぞれの袋24a、24b、24cに固定される。図2および図4に示されているように、第1の中間層16は、チューブ26a、26b、26cの部分が中間層の間に配置されないように、カットアウト27(図2)を画定する。チューブ26a、26b、26cを袋24a、24b、24cに固定するその他の方法は、本発明の範囲内にある。チューブ26a、26b、26cの反対の端は、第2のコネクタ30(図1および図2)によって互いにグルーピングされ、この第2のコネクタ30は、チューブを圧縮流体のソースに流体連通するために適合されている。圧縮流体のソースは、マイクロプロセッサの制御を受ける空気コンプレッサーであり得、これは、概して従来技術において公知なように、袋を連続的に圧縮する。例示的な空気コンプレッサーは、Bockに対する米国特許第5,876,359号に記載されており、この米国特許の全体は、参照により本明細書中に援用される。袋24a、24b、24cは、少なくとも約10mmHg(1333Pa)〜約45mmHg(6000Pa)まで圧縮された空気を含むように構成され得る。袋は、故障することなく繰り返し圧縮されることができるものであるべきである。シートに適切な材料は、実質的に伸縮しない可撓性PVC材料を含むが、それには限定されない。別の実施形態において、中間層は、膨張可能な袋を受容するためのチャンバを形成し得、袋はチャンバとは別に形成される。この実施形態において、層は、袋が圧縮された空気を含むことができる限り、圧縮空気を含むことができないことがあり得る。本発明の実施形態において記載されるように、袋24a、24b、24cは、袋を完全に抜けて延びる開口部32を有し得る。
【0023】
特に図1および図4を参照すると、スリーブ10は、連結部分を画定し、この連結部分は、膝開口部19の両側の一対のブリッジ部材84を含み、これは、近位の袋24aを含むスリーブの近位部分とスリーブの残りとの間に延びており、それらを連結している。近位チューブ26aは、概してブリッジ部材84の軸に沿って横たわり、スリーブ10に対する構造的な縦方向の支持を提供する。図4に最も良く示されているように、中間シート16におけるカットアウト27は、ブリッジ部材84を通って延びていない。近位チューブ26aは、ブリッジ部材84の遠位端に隣接して配置された離間された遠位スポット溶着86の間に延びており、かつ、ブリッジ部材の近位端に隣接して配置された離間された近位スポット溶着88の間に延びている。スポット溶着は、近位の袋24aと中間の袋24bとの間の離間を維持し、連結部分の長手方向の構造の一体性を維持するために、近位の袋チューブ26aがリジッド構造コンポーネント(広くは「第1のリジッド構造コンポーネント」)を構成するように、ブリッジ部材84に対してチューブ26aを固定する。言い換えると、スリーブ10は、着用者の脚から下落または下方にスライドすることに抗してリジッドにされる。上述のように、近位の袋チューブ26aは、近位の横方向の延長部25において近位の袋24aに固定される。近位の袋チューブ26aは、近位の横方向の延長部25に到達するまで袋に入らないように、近位の袋24aの遠位部分の側部に沿って走っている。袋24aの近位の横方向の側部25に固定されることは、チューブが袋の遠位部分に固定されている場合よりも、近位の袋チューブ26aはスリーブの近位部分にわたってより多く縦方向に延びるので、スリーブ10に追加的な長手方向の支持を提供する。一実施形態において、近位のチューブ26aは、スリーブ10の大腿部分にわたる道の少なくとも1/4延びている。図4に示されている別の実施形態において、チューブ26aは、大腿部分にわたる道の半分以上延びている。これは、スリーブ10の近位部分が着用者の脚の所定の位置から下落および/または下方にスライドして外れないように維持することを助ける。
【0024】
図2および図4を参照すると、近位の袋チューブ26aに加え、中間層14,16の間に配置され、かつ、連結部分のその他のブリッジ部分84内に延びている第2のリジッド構造コンポーネント90もまた、スリーブ10に長手方向の構造的な支持を提供する。第2の構造コンポーネント90は、ブリッジ部材84の近位端と遠位端との間に延びている。構造コンポーネントがブリッジ部材に固定されるように、構造コンポーネント90の近位端と遠位端とのそれぞれは、コンポーネントの中間部分よりも幅広く、コンポーネントの周囲は、ブリッジ部材84の側壁の周囲と概して一致する。
【0025】
図1、図3および図4を参照すると、近位の袋24aは、袋の開口部32に隣接したスポット溶着92において、そして、袋の縫い線22aによって画定される袋の外周内で、内側層12および外側被覆18に固定される。スポット溶着92は、袋24a、24b、24cに対して適切な位置に、被覆18および内側層12を維持する。言い換えると、スポット溶着92は、袋24a、24b、24cが内側層12および外側被覆18に対して実質的にシフトすることを防ぎ、その一方で、スリーブ10に実質的な可撓性を提供する。袋24a、24b、24cに対する内側層12および外側被覆18の過度に大きな動きは、スリーブのフィットを低減し、それにより、圧縮治療の有効性を低減させる結果を招き得る。近位の袋24aは、患者の脚の可動性が落ちないように、スリーブの可撓性を維持するために、スポット溶着92以外の内側層12および外側被覆18に対する固定から自由である。内側層12は、スポット溶着86、88、92において層16に接合され得るか、または、内側層12は、開口部32の縫い線34において接合され得る。開口部32およびスポット溶着86、88、92以外では、内側層12は、拡張して患者の体肢に対する圧縮治療を提供する袋を形成している袋材料の表面に接合されない。
【0026】
示されている実施形態において、大腿部分11aは、スリーブ10の残りから取り外し可能である。特に、近位の袋24aを含むスリーブ10の近位部分とブリッジ部材84とは、スリーブの残りから取り外し可能である。引き裂き線(広くは弱線)は、中間層14、16においてミシン線93を含み、このミシン線は、ブリッジ部材84が大腿部分11aを膝および足首部分11b、11cに接合する位置に隣接し、中間層を横断するように延びている。好適な実施形態において、取り外しは破壊性および永続性である。スリーブは1つの引き裂き線または3つ以上の引き裂き線を含み得ることは、本発明の範囲内であることが理解されるべきである。ミシン線の形状が円形(図2B)またはスロット状(図2C)またはその他の形状であり得ることは、本発明の範囲内であることが理解されるべきである。ミシン線93の他に、引き裂き線においてスリーブ10を弱めるその他の方法は、本発明の範囲内にある。例えば、引き裂き線は、中間層14、16の薄くなった部分を含み得る。引き裂き線は、例示されている圧縮スリーブ以外のその他のタイプの圧縮スリーブに用いられ得ることもまた理解されるべきである。例えば、2つの袋を有する圧縮デバイスおよび4つ以上の袋を有する圧縮デバイスは、本発明の範囲内にある。またさらに、引き裂き線は、スリーブ部分のうちの異なる部分(すなわち、大腿部分11aの他に)を切断するように配置され得る。
【0027】
内側層12および外側被覆18のいずれも、弱線を有さないが、そのような構成が企図され、本発明の範囲内にある。代わりに、図2Aおよび図2Dに最も良く見ることができるように、内側層12および外側被覆18の両方は、ミシン線に隣接する両側の末端エッジのマージン94のそれぞれを画定するように、中間層14、16においてミシン線93に概して不連続に隣接している。各ミシン線93は、内側層12および外側被覆18の両側の末端エッジのマージン94のそれぞれの間に配置されている。示されている実施形態において、内側ライナー12および外側被覆18の末端エッジのマージン94は、左および右ブリッジ部材84のそれぞれに関連付けられた末端固定線95a、95bに沿って、中間層14、16のそれぞれに少なくとも部分的に溶着されるか、または、固定される。溶着線95a、95bは、層14,16を内側層12および外側被覆18に固定する縫い線42と連続的である。右ブリッジ部材84(図2E)に関連付けられた末端固定線95bの各々は、連続的であり、ブリッジ部材にわたって延びている。しかしながら、左ブリッジ部材84(図2A〜図2C)に関連付けられた末端固定線95aは、不連続的であり、近位の袋チューブ26aにわたって延びていない。代わりに、末端固定線95aは、ブリッジ84の中央に向けて部分的に延びているが、末端エッジのマージン94の端部まで戻り、下方に湾曲している。そして固定線95aは、袋チューブ26aの両側において、対向する内側突起部分を形成し、袋チューブの配置を容易にする。しかしながら、以下に記載されるように、溶着線95aは、袋チューブ26aが取り外され得るように袋チューブ26aを永続的には接合しない。
【0028】
概して、各末端エッジのマージン94は、ミシン線93の両側のそれぞれにおいて中間層14,16に連結される。中間層14,16におけるミシン線93に隣接する位置において、内側ライナー12および外側被覆18を不連続にすることにより、スリーブは、内側ライナーおよび外側被覆が連続的で、かつ、中間層におけるミシン線のようなミシン線を含んでいる場合よりも、ミシン線においてより容易に引き裂かれる。さらに、スリーブの引き裂きに対する抵抗は、末端固定線95a、95bにおいてより大きくなる。末端固定線95a、95bにおけるこのより大きな引き裂きの抵抗は、ミシン線93に沿ったスリーブのより正確な引き裂きを容易にし、かつ、引き裂き線からの偶発的な顕著な逸脱を防ぐ。引き裂き線は、スリーブ10の残りから大腿部分11aを取り外すために、例示されている以外の位置に存在し得ることが理解されるべきである。示されているように、膝および足首部分11b、11cは、それらの間に引き裂き線を有さない。スリーブ10が、大腿部分11aに加えて、または、大腿部分11aの代わりに、その他の取り外し可能部分を有する様に構成されえることは、本発明の範囲内にあることもまた理解されるべきである。
【0029】
既に記載されたように、近位の袋チューブ26aは、中間層14、16の間に配置され、ブリッジ部材84のうちの1つを通って延びている。近位の袋チューブ26aは、近位の袋チューブ26aがコネクタから切断され得るように、および、大腿部分11aがスリーブ10の残りから取り外され得るように、コネクタ30に解放可能なように固定される。コネクタ30および近位の袋チューブ26aは、係属中の米国特許出願第10/784,607号(出願日2004年2月23日)に開示されているタイプのチューブであり得、この米国特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、その内容の全体は、参照により本明細書中に援用される。特に、コネクタ30は、大腿部分11aを取り外すための準備において、近位の袋チューブ26aの非破壊性の切断を可能にする。近位の袋チューブ26aは、引き裂き線を概ね横断しているブリッジ部材84のうちの1つを通って延びているので、中間層14、16における対応するミシン線に沿ってスリーブ10を引き裂くことは困難であり得る。したがって、チューブアクセス開口部またはウィンドウ96が、外側被覆18における開口部96aと、第2の中間層16における整列された開口部96bとによって形成される。ウィンドウは外側被覆18を通って延びており、かつ、第2の中間層16は近位の袋チューブの一部分を露出させるように外側被覆に隣接しているので、スリーブ10を引き裂く前に、ブリッジ部材84から近位の袋チューブ26aを取り外すことが容易である。例示されている実施形態において、チューブアクセスウィンドウ96は、概して長方形状であり、ブリッジ部材84の軸方向の長さ全体未満延びている。使用中、近位の袋チューブ26aは、チューブが中間層14、16の間で引き裂き線をもはや通り過ぎて延びないように、ネクタ30から切断され得、そして、チューブアクセスウィンドウ96を通して引き抜かれ得る。チューブ26aが対応する引き裂き線において中間層14、16の間から取り除かれると、スリーブは、近位の袋24aおよびブリッジ部材84を含む近位部分を取り外すために、ミシン線93に沿って容易に引き裂かれ得る。
【0030】
一実施形態において、袋24a、24b、24cは、着用者から離れるよりも着用者に向かってより拡張するように構成され、それにより、着用者の体肢により大きな圧縮力を適用する。一実施形態において、第1の中間層14(すなわち、内側層12に最も隣接した層)は、第2の中間層16の厚さよりも小さな厚さを有する。層14、16の両方が同じ材料(すなわち、弾性PVC材料)から形成されていると、第1の中間シートは、より低い弾性率を有し得る。したがって、空気が袋24a、24b、24cの中に導入されるとき、袋は着用者から離れるよりも内側層12に向かってより拡張し得る。中間層14、16の間の異なる厚さにおける差異に加え、袋24a、24b、24cが着用者から離れるよりも着用者に向かってより拡張するように、袋24a、24b、24cを構成するその他の方法は、本発明の範囲内にあることが理解されるべきである。
【0031】
図2および図3を参照すると、内側層12は、患者の体肢の近くの湿気を毛管現象を利用して運ぶ(wick)ことが可能な材料から構成される。内側層12は、以下に記載される以外の、その他の構成であり得、その他の特性および性質を有し得、その他の材料から形成され得る。内側(または「ウィッキング」)層12は、開口部32において、大気への蒸散のために、毛管作用を介することにより、着用者の脚または体肢の近くに捕らえられた湿気を吸収し、湿気を体肢の表面から運搬し、湿気が潤沢な内側層12における体肢の位置から湿気がそれほど潤沢ではない領域へと湿気を移動させる。開口部は、様々なサイズ、形状であり得、および、圧縮を提供する袋領域内の位置にあり得る。開口部32は、袋材料の下のウィッキング層とは逆に、ウィッキング層を大気または取り巻いている空気に露出する。開口部32と整列する内側層12の部分は、「露出部分」と称され得る。ウィッキング材料を露出させるその他の方法、例えばスリット、または、ウィッキング材料を袋材料の周囲の外に延ばすこと等は、本発明の範囲内にある。本発明は、その露出部分を、圧縮を提供する袋領域内に有する。圧縮領域は、空気圧またはその他の流体の影響下で膨張および収縮する袋領域である。圧縮を提供しない袋領域は、縫い線もしくは空気または水を通さない境界を提供するため互いに密封された袋材料のポイントである溶着ポイントであるか、または、袋の周囲の外側の向き合ったシート14、16のその他の領域である。ウィッキング材料12は、内側層12を形成する不浸透性の材料と織り交ぜられ得る。ウィッキング材料12は、湿気をより湿気が少ない領域に移動させる。開口部32は、血流速度を維持する一方で、湿気の蒸散を最大化するように処理されなければなない。適切なウィッキング材料は、例えば、ポリエステルの一部の形態から構成され得るが、これらは、ポリエチレンから構成され得る。マイクロ繊維が用いられ得る。適切なマイクロ繊維材料は、CoolDryモデル番号CD9604(販売元Quanzhou Fulian Warp Knitting Industrial Co.,Ltd.,Quanzhou City, Fujian Province, China)およびCoolMax(登録商標)(販売元E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington, Delaware)を含むが、それらには限定されない。
【0032】
ウィッキング層、開口部、袋およびその他の層の構成が議論される。開口部は、患者のコンプライアンスを増加させるために、モデル9529のような圧縮スリーブの血流の効率性を維持し、かつ、向上された湿気の蒸発を提供するようにサイズおよび形状が決められなければならない。例えば、限定するものではないが、表1(以下)は、小さなニーレンクス圧縮スリーブ、中程度のニーレンクス圧縮スリーブ、中程度のサイレングス圧縮スリーブ、大きなサイレングス圧縮スリーブの各々における、開口部32の例示的な割合および開領域を示している。その他の割合および開領域は、本発明の範囲内にある。
【0033】
【表1】

図1〜図4を参照すると、スリーブ10は、内側層12によって毛管現象を利用して運ばれた湿気が内側層12の開口部に移動して周囲に蒸散するように、中間層14、16の部分が内側層12の上に重ならないように構成される。この示された実施形態において、膨張可能な袋24a、24b、24cの各々は、第1および第2の中間層14、16のそれぞれを通って内側層12まで延びている開口部32を含む。そのような開口部を形成する方法の1つは、連続的な縫い線34を用いることにより、それぞれの袋24a、24b、24cの周囲内で、中間層14、16を互いに密封することである。縫い線34の周囲内の中間層14、16の部分は、例えば切断し、取り外され、それにより、開口部32を形成し得る。開口部32を形成するその他の方法は、本発明の範囲内にある。一旦開口部のサイズおよびパターンが決定されると、向かい合うシートのPVC袋材料における開口部を切断するために、金属ダイが鋳造される。
【0034】
好適な実施形態に対し、開口部の形状は、概して水滴状の形状である。各開口部32は、第1の丸い端部から第2のより小さな丸い端部に向けてテーパ付けされる。本発明の範囲から逸脱することなく、開口部32は、例えば、円形、楕円形、スリット等の、その他の形状であり得る。袋において、開口部の形状は、本発明の範囲から逸脱することなく混合され得る。
【0035】
各袋24a、24b、24cに関して、開口部32は、遠位の行36および近位の行38(図4)に配列される。行36、38の両方は、スリーブ10の幅Wに沿って、それぞれの袋24a、24b、24cにわたって延びている。図面に示されているように、近位の行38の各々における開口部32は、逆向きの中程度の水滴状の開口部であり、これらの開口部は遠位にテーパ付けされており、その一方で、遠位の行36の各々における開口部は、上向きであり、これらの開口部は近位にテーパ付けされている。遠位の行36の各々における開口部32は、近位の行38のそれぞれにおける開口部から、スリーブの幅Wに沿ってオフセットされている。開口部32をオフセットすることは、開口部を袋24a、24b、24cの表面領域にわたって均等に分配し、それにより、袋の構造的一体性を落とすことなしに、または、圧縮力を脚または身体部位に適用する(すなわち、予防処置)袋の能力を落とすことなしに、袋の通気性を増大させ、スリーブ10の全体としての通気性を増大させる。さらに、近位および遠位の行36、38のそれぞれにおける開口部をオフセットすることはまた、スリーブ10の幅方向に、袋34a、34b、34cをより伸縮可能にする。袋を通る開口部32に加え、内側層12によって毛管現象を利用して運ばれた流体が蒸散することを可能にするその他の方法は、本発明の範囲内にある。
【0036】
図1および図2を参照すると、圧縮スリーブ10の外側被覆18は、単一の材料シートから構成される。外側被覆18は通気可能であり、多数の開口部40またはミシン線を有しており、外側被覆18はメッシュ構成を有することにより、さらに多くの通気性を提供する。外側被覆18がその他の構成であり得、その他の特性および性質を有し得、以下に記載されている以外のその他の材料から形成され得ることが理解されるべきである。外側被覆18に適切な材料は、ポリエステルのメッシュであり得る。開口部からの蒸散の速度は、メッシュ材料の繊維を親水性の材料を用いて処理することによって向上させられる。メッシュ材料は、毛管現象を利用して運ばれた流体をより容易に吸収し得る。このタイプのウィッキング繊維は、図7において概して21で示されている。これらの親水性の繊維は、毛管現象を利用して運ばれた流体のより効率的な蒸散のために、メッシュ材料の表面張力を低下させることにより、体液が繊維の中により容易に吸収され、かつ、その繊維を通して拡散されることを可能にする。流体をより容易に吸収することは、蒸散のために流体が開領域へとより迅速に移動することを可能にし得る。毛管現象は、開口部において吸収された流体がメッシュ外側被覆18を通してより迅速に移動するときに、より効率的になされる。
【0037】
図1、図5および図6を参照すると、外側被覆18は、縫い線42に沿って第2の中間層16に固定される。縫い線42は、袋24a、24b、24cが被覆に対する取り付けから自由になるように、第2の中間層の外周にちょうど隣接して走っている。第2の中間層16は、RF溶着または接着剤またはその他の適切な方法により、内側層12に固定され得る。
【0038】
図1および図7を参照すると、外側被覆18の外面の全体はまた、スリーブ10を着用者の体肢に固定するためのファスナー留めシステムのファスナー留めコンポーネントとして機能する。特定の実施形態において、メッシュの外側被覆18(図7)は、例えば、フックアンドループ(hook−and−loop)ファスナー留めシステムのループコンポーネントとして機能するループ44(図7)を含む外面を有する。図7に示されているメッシュ構成は、外側被覆18を形成する材料の相互接続されたまたは織り交ぜられた繊維を有する。ループ44は、外側被覆18の材料の一部分として形成されるか、または、外側被覆の表面上に配置される。そのような構成を有する適切な材料は、ポリエステルメッシュループ2103(販売元Quanzhou Fulian Warp Knitting Industrial Co.,Ltd. of Quanzhou City, China)である。フックコンポーネント46(図3)が、近位、中間、遠位のフラップ41a、41b、41cのそれぞれにおいて、内側層12の内面に取り付けられる。外側被覆18のループ44は、スリーブ10が着用者の体肢のまわりに円周状に巻きつけられたときに、フックコンポーネント46(図3)が外側被覆の外面に沿ったどこかの位置に固定されることを可能にする。これは、スリーブ10が様々な着用者の体肢の周囲に関して実質的にワンサイズフィットオール(one−size−fits−all)構成であることを可能にする。さらに、ループ44を有する外側被覆18は、ファスナー留めコンポーネントを整列させることを必要とせずに、従業者がスリーブ10を着用者の体肢に迅速かつ確信をもって固定することを可能にする。
【0039】
外側被覆18は、通気可能であることに加えて、毛管現象を利用して流体を運ぶことが可能であり得ることが企図される。例えば、外側被覆18は、内側層12(例えば、Cool dry)と同じ材料から構成され得る。このようにして、内側層12によって毛管現象を利用して運ばれる湿気は、袋24a、24b、24cにおける開口部32を通して外側被覆18によって毛管現象を利用して運ばれ得る。その後、湿気は、外側被覆18にわたって均等に拡散され、外側被覆がウィッキング材料から形成されていない場合よりも、より容易に蒸散することが可能である。なぜならば、内側層12とは逆に、外側被覆のより大きな表面積が、空気に対して露出されるからである。あるいは、被覆は、外側被覆の上部において織り込まれた、または、外側被覆の上面の上に織り込まれた、ウィッキング材料を有し得る。
【0040】
層12、14、16、18の相乗的な関係のために、圧縮スリーブ10は全体として、着用がより快適である。例えば、内側層12は、体肢から毛管現象を利用して湿気を運ぶことが可能であり、湿気がスリーブ10の外に蒸散することを可能にする。上述のように、毛管現象を利用して運ぶことは、体肢から湿気を移動させ、湿気が潤沢な位置から湿気を移動させ、湿気がそれほど潤沢ではない領域へと湿気を移動させることを含む。湿気がウィッキング材料において均等に分散され、かつ、ウィッキング材料が飽和されたときに、材料はそのウィッキング速度を低減させる。しかしながら、スリーブ10の通気性は、毛管現象を利用して運ばれた湿気が蒸散することを可能にする。袋24a、24b、24cにおける水滴状の開口部32と、通気可能な外側被覆18とは、開口部に隣接する内側層12における湿気が、開口部を通して蒸散することを可能にする。したがって、湿気が蒸散するときに、湿気は内側層12のより乾燥した部分に移動させられ、内側層は毛管現象を利用してより多くの湿気を運ぶことが可能である。
【0041】
患者の可動性を向上させるために、スリーブは、弾性の内側層12と外側被覆18とを有するように設計される。弾性のスリーブは、快適性を向上させ、これは、患者のコンプライアンスを増大させる。以下の弾性に関する議論のために、図1〜図7を参照する。弾性のデバイスは、患者の体肢に適応することにより、連続的な毛管現象を利用した運搬を保証し得る。コンプライアントまたは実質的に適応した着心地は、使用中に患者の皮膚に対する袋の接触を保証することを助け得る。袋は、圧力を適用することにより、血液を移動させる。弾性の外側層18はその元の形状に戻り、患者の体肢に対してわずかな力を及ぼすので、弾性の外側層は、スリーブを所定の位置に保持するためのストラップの数を低減させる。この力は、スリーブを所定の位置に保持することを助け、かつ、従業者がストラップを過度に締め付けないようにすることを可能にする。一部の従来技術のデバイスは、圧縮スリーブの下で、例えばT.E.D.(登録商標)ストッキング等の弾性のストッキングを用いる。少なくとも一部の実施形態の圧縮スリーブは、まず圧縮ストッキングを患者の上に配置し、そしてスリーブをストッキングの情報に配置する2つのステップのプロセスを回避する。本発明の好適な実施形態のスリーブはまた、ストッキングおよびスリーブをオーダーする必要がないので、看護士の仕事を簡略化する。
【0042】
出願人は、体肢のまわりの伸縮の量および体肢に沿った伸縮の量を決定するための弾性試験を案出した。患者は、処置の間に可動である必要がある。従来技術のスリーブは、扱いにくく、厄介で、重いので、ユーザは、あちこちに動かすことが必要な場合に、デバイスを取り外し得る。開口部32を過度に破壊すること(例えば、細長くすること、または、開口部を重ねさせることであり、蒸散のための開口部のサイズを低減させる)をせずに、弾性を向上させることが必要とされる。
【0043】
例えば、内側層12は、好適には、内側層が着用者の体肢の形状の周囲に適応することが可能なように、スリーブ10の幅Wに沿って弾性的に伸縮可能である。周囲に適応することは、内側層12が緊密なままであることを可能にし、着用者の体肢との密接かつ連続的な接触を可能にすることにより、内側層が体肢から毛管現象を利用して湿気を連続的に運ぶことを保証する。内側層12はまた、長さLに沿って伸縮可能であり得る。好適には、内側層12は、スリーブの幅Wと長さLの両方に沿って弾性的に伸縮可能であり、幅に沿ってよりも、スリーブ10の長さに沿ってより弾性的に伸縮可能である。好適なアプローチを要約すると、以下に記載される試験を用いると、内側層12は、約13lbs/in(23N/cm)〜約14lbs/in(25N/cm)のスリーブの幅方向における平均的な弾性を有し得、一実施形態においては、約13.3lbs/in(23.3N/cm)の弾性を有し得る。内側層12は、約0.5lbs/in(0.9N/cm)〜約0.7lbs/in(1.2N/cm)のスリーブの長さ方向における平均的な弾性を有し得、一実施形態においては、約0.63lbs/in(1.10N/cm)の弾性を有し得る。内側層12における小さな開口部20はまた、内側層がより伸縮することを可能にする。
【0044】
外側被覆18もまた、スリーブ10の長さLに沿って弾性的に伸縮可能であったり、または、長さおよび幅(周囲)の両方に沿って伸縮可能であったりしり得る。好適には、外側被覆18は、幅よりも長さに沿ってより弾性的である。弾性的に伸縮可能ではあるが、外側被覆18は、袋24a、24b、24cの拡張の量を抑えるように機能する。外側被覆18は、血液を移動させるために圧力を均等に適用することを助けるために、袋を体肢に適応させることを助ける。例えば、以下に記載される弾性試験を用いると、外側被覆18は、約13lbs/in(23N/cm)〜約15lbs/in(26N/cm)の幅方向における平均的な弾性を有し得、一実施形態においては、約13.6lbs/in(23.8N/cm)の弾性を有し得る。外側被覆18は、約19lbs/in(33N/cm)〜約22lbs/in(39N/cm)の長手方向における平均的な弾性を有し得、一実施形態においては、約19.8lbs/in(34.7N/cm)の弾性を有し得る。
【0045】
圧縮スリーブ10は全体として、長手方向に伸縮可能な内側層12と、中間層14、16と、外側被覆18とによって、長手方向に伸縮可能である。さらに、スリーブ10は、内側層12と、中間層14、16と、被覆18とが幅に沿って伸縮可能である性能により、幅に沿ってわずかに伸縮可能である。水滴状の開口部32と開口部が幅に沿ってオフセットしているという事実ともまた、幅に沿った伸縮を助ける。
【0046】
手術を受けている患者が体肢の膨れをこうむることは一般的である。スリーブ10の幅に沿った伸縮は、膨れを経験している患者にとってより快適である。なぜならば、体肢が膨れるときに、スリーブが伸縮し得る(すなわち、周囲のサイズが増大する)からである。さらに、スリーブ10の弾性は、スリーブを着用者の脚のまわりに巻きつけるときに、着用者が体肢のより大きな可動性を有し、かつ、従業者により大きな自由度を与えることを可能にする。例えば、以下に記載される弾性試験を用いると、上述のような内側層12と、中間層14、16と、外側被覆18とを含むサイレングススリーブ10は、約22lbs/in(39N/cm)〜約27lbs/in(47N/cm)の幅方向における平均的な弾性を有し得、一実施形態においては、約24.3lbs/in(42.6N/cm)の弾性を有し得る。圧縮スリーブ10は、約17lbs/in(30N/cm)〜約22lbs/in(39N/cm)の長さ方向における平均的な弾性を有し得、一実施形態においては、約19.4lbs/in(34.0N/cm)の弾性を有し得る。
【0047】
別の例において、以下に記載される弾性試験を用いると、上述のようなサイレングススリーブと同じ材料の内側層と、中間層と、外側被覆とを含むニーレンクススリーブは、約22lbs/in(39N/cm)〜約27lbs/in(47N/cm)の幅方向における平均的な弾性を有し得、約33lbs/in(58N/cm)〜約40lbs/in(70N/cm)の長さ方向における平均的な弾性を有し得る。
【0048】
以下の試験(本明細書中では「弾性試験」と称される)は、幅および長さの両方に沿って、層12、14,16、18およびスリーブ10の弾性を測定するために用いられる。第1に、構造クランプが、試験される構造(例えば、層12、14、16、18のうちの1つまたはスリーブ10)に固定される。長さに沿った弾性を試験するとき、構造クランプは、構造の上部および下部のエッジに固定される。幅に沿った弾性を試験するとき、構造クランプは、構造の両側のエッジに固定される。スリーブサンプルとそれに固定された構造クランプとは、構造クランプを機械の対向する機械クランプに固定することにより、万能引張試験機械(例えば、製造元Instron(登録商標)Grove City, Pennsylvaniaの万能試験機械)に配置される。機械は、張力測定プログラムを有するマイクロプロセッサを有し得、そのような張力測定プログラムは、機械を制御したり、力および変位の測定を記録したりするために用いられる。一旦構造が機械に固定されると、対向する機械のクランプは、構造における弛みを排除または最小化する位置へと離れるように移動させられる。この位置は、以下の試験のための最初の位置である。その後、張力測定プログラムが実行される。機械のクランプが離れるように移動させられるときのスリーブのサンプルの変位は、一様な線形の伸張であり得、構造を損傷しないものであり得る。この変位は、試験の繰り返しの各々に対して設定および維持される。試験は、層12、14、16、18の各々とスリーブ10とに対して、7回繰り返される。弾性は、力(lbs)を変位(in)で割ったものとして計算される。8回の試験の平均的な弾性は、8回の試験に対する弾性の計算を合計し、合計を8で割ることによって計算される。
【0049】
一部の実施形態におけるスリーブは、内側層12と外側被覆18とが、内側層と外側被覆との外周に隣接してだけ中間層14、16のそれぞれに固定され、それにより、袋24a、24b、24cが内側層と被覆とに直接的に固定されないという事実によって、着用者にとってより快適に作られる。この構成は、袋24a、24b、24cが内側層12とは独立して移動することとを可能にし、その逆も可能にする。同一譲受人の米国特許出願第11/299,568号は、使用中に人物の皮膚の摩擦を低減することに関する実施形態を開示しており、この米国特許出願は、参照により本明細書中に援用される。
【0050】
したがって、スリーブ10が着用者の体肢の周囲のまわりに巻きつけられるとき、内側層12は、体肢の輪郭または形状に実質的に適応し、袋24a、24b、24cが膨張および収縮するとき、および/または、位置をシフトするときに、着用者の体肢に対して実質的に静的に留まり得る。膨張および収縮するときと体肢に対する位置をシフトするときの両方における袋24a、24b、24cの移動は、袋の表面が体肢に対して連続的に摩擦される場合に、患者に対して擦り剥きやその他の不快さをもたらし得る。しかしながら、中間層14、16の外周においてのみ固定されることにより、内側層12は、袋24a、24b、24cと体肢との間に緩衝を形成し、この緩衝が、体肢の皮膚に対する擦り剥きやその他の摩擦を防ぐ。袋24a、24b、24cは、皮膚に対する内側層12の対応する移動を引き起こすことなしに移動し得る。
【0051】
本発明または本発明の好適な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味するように意図されている。用語「備える」、「含む」および「有する」は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加的な要素が存在し得ることを意味するように意図されている。
【0052】
本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な偏光が上述の構成、製品および方法に対してなされ得るので、上述の記載に含まれ、添付の図面に示されている全ての事柄は、例示的なものに過ぎず、意味を限定するものではないと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0053】
10 圧縮デバイス
11a 大腿部分
11b ふくらはぎ部分
11c 足首部分
12 内側層
20、32、40 開口部
24a 近位の袋
24b 中間の袋
24c 遠位の袋
26a 近位の袋チューブ
26b 中間の袋チューブ
26c 遠位の袋チューブ
30 コネクタ
34、42 縫い線
41a 近位のフラップ
41b 中間のフラップ
41c 遠位のフラップ
84 ブリッジ部材
92 スポット溶着
93 ミシン線
96 ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の身体の一部に圧縮治療を適用するためのデバイスであって、該デバイスは、
第1および第2の対向する袋層であって、2つの袋の線に沿って互いに固定されることにより、該デバイスの軸に沿って互いに離間された第1および第2の膨張可能な袋を画定する第1および第2の対向する袋層と、
該第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つの一部分を含む連結部分であって、該第1および第2の膨張可能な袋の間に延びており、該第1および第2の膨張可能な袋を互いに連結する連結部分と、
該連結部分における弱線であって、該膨張可能な袋を互いに選択的に分離するために該デバイスの該軸を概ね横断するように延びている弱線と、
該第1および第2の袋層のうちの1つに対して概ね対向関係にある被覆層であって、該被覆層は、該弱線と概ね隣接した位置で不連続であり、概ね該弱線に沿って延びている該被覆層の末端エッジのマージンを画定し、該末端エッジのマージンの各々は、他方の末端エッジのマージンから該弱線の反対側で該第1および第2の袋層のうちの少なくとも1つに連結されている、被覆層と
を含む、デバイス。
【請求項2】
前記末端エッジのマージンは、前記弱線の両側で互いに離間されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記被覆層は、前記デバイスの前記軸を横断する方向における全ての位置で互いに離間されている第1および第2の被覆層部分を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記被覆層の前記末端エッジのマージンは、該末端エッジのマージンに沿って前記第1および第2の袋層のうちの1つに固定されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の膨張可能な袋に空気を送達するための連結部分に沿って延びているチューブをさらに含み、末端エッジのマージンの各々は、不連続的な溶着線に沿って、前記第1および第2の袋層のうちの1つに固定され、該不連続な溶着線は、該チューブを横切らない、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記被覆層は、該被覆層の周囲に概ね隣接して走っている周囲の固定線に沿って、前記第1および第2の袋層のうちの1つにさらに固定され、該被覆層の該周囲内の該被覆層のうちの少なくとも大部分は、該第1および第2の袋層の両方に対する固定から自由である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記周囲の固定線は、前記被覆層の前記周囲のまわりで実質的に連続的に延びている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記被覆層は、前記第1の袋層に対して概して対向関係にある内側層を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2の袋層に対して概して対向関係にある外側被覆をさらに含み、該外側被覆は、前記弱線と概ね隣接した位置で不連続であり、概ね該弱線に沿って延びている該外側被覆の末端エッジのマージンを画定し、該末端エッジのマージンの各々は、他方の末端エッジのマージンから該弱線の反対側で該第2の袋層に連結されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の膨張可能な袋に空気を送達するための連結部分に沿って延びているチューブをさらに含み、末端エッジのマージンの各々は、不連続な溶着線に沿って、前記第2の袋層に連結され、該不連続な溶着線は、該チューブを横切らない、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記外側被覆の前記末端エッジのマージンは、前記弱線の両側で互いに離間されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記外側被覆は、前記デバイスの前記軸を横断する方向における全ての位置で互いに離間されている第1および第2の被覆部分を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記外側被覆の前記末端エッジのマージンは、該末端エッジのマージンに沿って前記第2の袋層に固定されている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記連結部分は、前記第1および第2の袋層の両方を含み、前記弱線は、該第1および第2の袋層の両方に形成されたミシン線を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスは、前記着用者の膝を受容するようにサイズおよび形状が決められた膝開口部を含み、前記連結部分は、前記第2の袋を含む前記スリーブの遠位部分から、前記第1の袋を含む該スリーブの近位部分まで延びている、該膝開口部の両側の第1および第2のブリッジ部材を含み、前記弱線は、該第1のブリッジ部材が前記遠位部分に出会う位置に概ね隣接している第1の弱線と、該第2のブリッジ部材が該遠位部分に出会う位置に概ね隣接している第2の弱線とを含む、請求項1に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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