説明

取り扱い説明書

【課題】髪全体を確実に染毛又は脱色するためのスキルを確実にユーザに伝達することができる取り扱い説明書およびこの取り扱い説明書を含む染毛用キットを提供する。
【解決手段】取り扱い説明書は、第1剤および第2剤の混合液を泡状に吐出し、髪に適用することを図示する第1の部分141と、髪に適用した泡を再度泡立てる事を図示する第2の部分142と、髪に適用した泡を再度泡立てた状態を示す第3の部分143とを含む。第1の部分141には、図41〜43が、第2の部分142および第3の部分143には図44〜47が配置されている。第2の部分142および第3の部分143の図44〜47は、複数の写真44,46,47を含み、複数の写真44,46,47で、操作手順において最後のものにおける泡の量が、操作手順最初のものにおける泡の量よりも多い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り扱い説明書に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、染毛あるいは脱色を行う染毛剤としては、液状、クリーム状のものが普及しているが、これらを毛髪にムラ無く塗布することは難しい。特に、毛髪内側の根本部分や、後頭部の塗布には、ブロッキングや合わせ鏡等のスキルが必要とされ、多くの時間を要する。
そこで、染毛剤を泡状にして吐出することで、染毛等の操作を簡便化することが提案されている。たとえば、2剤式染毛剤を2つのエアゾール管で連結したタイプの吐出容器から、同時に泡状に吐出させるものや、1剤式の毛髪脱色剤をポンプフォーマー等のフォーマー容器に充填して泡状に吐出させる非エアゾールタイプのものがある。
【0003】
しかしながら、第1剤と、第2剤とが、それぞれ独立したエアゾール缶を連結したタイプの吐出容器を用いるものは、混合ムラが発生することがある。また、1剤式の毛髪脱色剤をポンプフォーマー等のフォーマー容器に充填したタイプのものは、過酸化水素を活性化せずに、毛髪に塗布するため、十分に脱色できないことがある。
このような問題を解決するために、非エアゾールタイプの2剤式泡状染毛剤が提案されている(特許文献1)。
これによれば、ブロッキングや合わせ鏡等のスキルが不要であり、さらに、簡便かつ短時間でムラなく染毛又は脱色できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−339216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した非エアゾールタイプの2剤式の泡状染毛剤組成物は、新しいタイプの染毛剤であり、使い方も新しい。非エアゾールタイプの2剤式の泡状染毛剤組成物を用いて毛髪全体を確実に染毛、脱色するためには、新しい使用方法を確実に新規ユーザに伝達する必要がある。
【0006】
本発明は、非エアゾールタイプの2剤式の泡状染毛剤組成物を用いて毛髪全体を確実に染毛又は脱色するためのスキルを確実に新規ユーザに伝達することができる取り扱い説明書およびこの取り扱い説明書を含む染毛用キットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に、界面活性剤が含まれ、前記第1剤と、前記第2剤との混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである2剤式染毛剤、および前記第1剤と前記第2剤との前記混合液を泡状に吐出するフォーマー容器を含む泡状染毛剤の取り扱い説明書であって、前記第1剤および前記第2剤の混合液を前記フォーマー容器により泡状に吐出し、髪に適用することを図示する第1の部分と、髪に適用した泡を再度泡立てることを図示する第2の部分と、髪に適用した泡を再度泡立てた状態を図示する第3の部分とを含み、前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分が操作手順に従って配置され、前記第2の部分および前記第3の部分内には、髪に適用した泡を再度泡立てることおよび髪に適用した泡を再度泡立てた状態を示す、複数の写真又は複数のイラストが配置され、前記複数の写真又は複数のイラストの中で、操作手順において最後のものにおける泡の量が、操作手順最初のものにおける泡の量よりも多い取り扱い説明書が提供される。
【0008】
本発明者は、髪に適用した泡を再度泡立てる事を示す図、再度泡立てた状態の図における図について検討を行った。
具体的には、髪に泡を適用する第一の部分、髪に適用した泡を再度泡立てる事を示す第二の部分、再度泡立てた状態を示す第三の部分の配置が異なる取り扱い説明書や、第二の部分、第三の部分の図の泡の量が異なる取扱説明書を複数用意し、アイカメラを用いユーザの目線を観察するとともに、取り扱い説明書の指示が新規ユーザに伝達されているかどうかの検討を行った。
【0009】
本発明は、このような検討結果に基づいて発案されたものである。
すなわち、本発明によれば、取り扱い説明書は、フォーマー容器により混合液を泡状に吐出し、髪に適用することを図示する第1の部分と、髪に適用した泡を再度泡立てることを図示する第2の部分と、髪に適用した泡を再度泡立てた状態を示す第3の部分とを含み、第1の部分、第2の部分、第3の部分が操作手順に従って配置されている。そして、前記第2の部分および前記第3の部分内には、髪に適用した泡を再度泡立てることおよび髪に適用した泡を再度泡立てた状態を示す、複数の写真又は複数のイラストが配置され、前記複数の写真又は複数のイラストの中で、操作手順において最後のものが、操作手順最初のものよりも泡の量が多くなっている。
このようにすることで、新規ユーザは、説明文を充分に読まなくても図で示した内容により、再度泡立てることについて確実にユーザに伝達することができる。
【0010】
ここで、再度泡立てる事が重要であるのは、以下の理由による。
2剤式泡状染毛剤は、毛髪に泡を適用した後、たとえば、3〜60分程度放置する。この放置の間に、泡状染毛剤液が垂れる事を一層防止し、毛髪の根元から先端まで均一に染めるために毛髪の根元にも混合液を十分に行きわたらせ、前頭部から後頭部まで均一かつ充分に混合液を適用して均一に染める観点から、再度泡立てる必要がある。そのため、取り扱い説明書においては、再度泡立てる事、さらには、泡立てた状態を確実にユーザに理解してもらう必要がある。
【0011】
ここで、「操作手順に従って配置する」とは、当該取り扱い説明書の説明の進行順に並んで配置されていることをいう。具体的には、第一の部分の後段に第二の部分が配置され、第二の部分の後段に第三の部分が配置されていればよい。
さらに、前記複数の写真又は複数のイラストが、操作手順に従って、略直線上に配置されていることが好ましい。
略直線上に配置するとは、複数の写真又は複数のイラストが2つの場合には、いかなる配置でもこの概念に含まれる。複数の写真又は複数のイラストが3つの場合には、作業手順の一番目の写真又はイラストの中心点と、二番目の写真又はイラストの中心点とを結ぶ直線を延長した延長線部分と、二番目の写真又はイラストの中心点と三番目の写真又はイラストの中心点とを結ぶ直線とがなす角度が±90度以内、好ましくは±45度以内、更には±30度以内の範囲で並ぶことをいう。
複数の写真又は複数のイラストが4つの場合には、3つの場合の条件に加えて、二番目・三番目・四番目の位置関係が、前記と同様な関係であることをいう。
このように配置することで、ユーザは、複数の写真又は複数のイラストを確実に注視することができ、複数の写真又は複数のイラストを見るユーザの視線が迷わない。再度泡立てることおよび再度泡立てた状態について確実にユーザに伝達することができる。
ここで視線が迷うとは、見落とし、順番の見間違い等を起こすことをいう。
【0012】
さらに、前記第1剤および前記第2剤の混合液を泡状に吐出し、髪に適用することを示す図がイラストであることが好ましい。
泡を髪につける図をイラストで構成することで、ユーザは泡を明確に認識することができる。
【0013】
さらに、ユーザの目線が図示された手順に従って順当に追えることで、再度泡立てることを一層確実にユーザに伝達する観点から再度泡立てることおよび再度泡立てた状態を示す図は、合計で2以上、5以下であることが好ましい。
【0014】
再度泡立てた状態を示す複数の写真又は複数のイラストのうち、少なくとも一つには、泡が接触した髪と、泡立て手段とが記載されていることが好ましく、前記泡立て手段が手であり、前記手が髪に触れている状態を示すことが好ましい。
【0015】
さらには、本発明によれば、上述した取り扱い説明書と、アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に、界面活性剤が含まれ、前記第1剤と、前記第2剤との混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである2剤式染毛剤、および前記第1剤と前記第2剤との前記混合液を泡状に吐出するフォーマー容器を含む泡状染毛剤と、
を含む染毛用キット
も提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に、界面活性剤が含有され、前記第1剤と第2剤との混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである2剤式染毛剤、および前記第1剤と前記第2剤の混合液を泡状に吐出するフォーマー容器を含む泡状染毛剤を用いて毛髪全体を確実に染毛又は脱色するためのスキルを確実にユーザに伝達することができる取り扱い説明書およびこの取り扱い説明書を含む染毛用キットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかる取り扱い説明書を示す図である。
【図2】取り扱い説明書の要部を示す図である。
【図3】フォーマー容器の構成を示す図である。
【図4】再度泡立てた状態を示す図の配置を説明する模式図である。
【図5】泡の量の計測を示す図である。
【図6】実施例における図の配置を示す図である。
【図7】実施例における図の配置を示す図である。
【図8】実施例における図の配置を示す図である。
【図9】実施例における図の配置を示す図である。
【図10】実施例における図の配置を示す図である。
【図11】比較例における図の配置を示す図である。
【図12】比較例における図の配置を示す図である。
【図13】実施例1、3におけるアイカメラでの目線を示す図である。
【図14】実施例6、比較例3におけるアイカメラでの目線を示す図である。
【図15】再度泡立てた状態を示す図の配置を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2を参照して、本実施形態の取り扱い説明書について説明する。
はじめに、取り扱い説明書1の概要について説明する。
この取り扱い説明書1は、アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に、界面活性剤が含有され、第1剤と第2剤との混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである2剤式染毛剤、および第1剤と前記第2剤の混合剤を泡状に吐出するフォーマー容器を含む泡状染毛剤の取り扱い説明書である。
取り扱い説明書1は、第1剤および第2剤の混合液を泡状に吐出し、髪に適用することを図示する第1の部分141と、髪に適用した泡を再度泡立てる事を図示する第2の部分142と、髪に適用した泡を再度泡立てた状態を示す第3の部分143とを含む。第一の部分141〜第三の部分143は操作手順に従って配置されている。第1の部分141には、イラスト41〜43が、第2の部分142および第3の部分143には写真44〜47が配置されている。
ここで、操作手順に従って第一の部分141〜第三の部分143が配置されるとは、当該取り扱い説明書の説明の進行順に並んで配置されていることをいう。具体的には、第一の部分141の後段に第二の部分142が配置され、第二の部分142の後段に第三の部分143が配置されていればよい。
第2の部分142および第3の部分143は、複数の写真44,46,47を含み、再度泡立てる事を示す写真44,および再度泡立てた状態を示す写真46,47を、操作手順に従って配置している。また、これら写真44,46,47は、操作手順に従って、略直線上に配置されている。さらに、複数の写真44,46,47で、操作手順において最後のものにおける泡の量が、操作手順最初のものにおける泡の量よりも多い。
【0019】
次に、取り扱い説明書1について詳細に説明する。
この取り扱い説明書1には、図1に示すように、フォーマー容器を用いる2剤式泡状染毛剤の操作手順が記載されている。
2剤式泡状染毛剤は、前述したように、アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に、界面活性剤が含有される。
【0020】
第1剤は、アンモニア、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤と、染毛剤の場合には更に染料とを含む。ここで本明細書において、単に染毛剤という場合、染料を含まない脱色剤を含むものとする。
染料としては、酸化染料や直接染料が挙げられる。この酸化染料としては、パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、トルエン-2,5-ジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)パラフェニレンジアミン、2-(2-ヒドロキシエチル)パラフェニレンジアミン、4-アミノ-3-メチルフェノール、6-アミノ-3-メチルフェノール、オルトアミノフェノール、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール等の染料前駆体、レゾルシン、2-メチルレゾルシン、メタアミノフェノール、5-アミノオルトクレゾール、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1-ナフトール等のカップラーが挙げられる。また直接染料としては、パラニトロオルトフェニレンジアミン、パラニトロメタフェニレンジアミン、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31、ベーシックレッド12、ベーシックレッド51、ベーシックブルー99、アシッドオレンジ7等を挙げることができる。
第2剤は、過酸化水素を含む。
第1剤及び/又は第2剤は、起泡剤として界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩等のアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、アルキルスルホベタイン、アルキルカルボベタイン等の
両性界面活性剤等を挙げることができる。
また、第1剤及び/又は第2剤は、目的に応じて、香料、紫外線吸収剤、エデト酸等の金属封鎖剤、酸化防止剤、殺菌剤、パラオキシ安息香酸メチル等の防腐剤、ヒドロキシエタンジホスホン酸、硫酸オキシキノリン等の安定化剤、pH調整剤、エタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール等の有機溶剤、グリセリン等の保湿剤、カチオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子、非イオン性高分子、高級アルコール、脂肪酸、シリコーン、アミノ酸、タンパク質加水分解物等を含有することができる。また、第1剤及び第2剤の混合液は、水を主たる媒体とすることが好ましい。
なおここで二剤式とは、これら第1剤及び第2剤に加え、過硫酸塩を含有する第3剤またはコンディショニング成分等を含有する第3剤を更に混合して用いる三剤式酸化染毛剤をも含むものとする。第1剤と第2剤の混合比は、質量比で1:4〜4:1であることが好ましく、1:2:〜2:1が更に好ましい。
泡状染毛剤は、図3(A)、(B)に示すように、第1容器51に充填された第1剤と、第2容器52に充填された第2剤と、スクイズフォーマー53からなっている。第2容器52の容器本体521はフォーマー容器54の容器本体ともなっており、容器本体521とスクイズフォーマー53から図3(B)に示すようにフォーマー容器54が構成される。第1剤と第2剤とを使用直前に混合して用いる。
また、第1剤と、第2剤との混合液は、25℃における粘度が1〜300mPa・s、更には2〜200mPa・s、更には3〜100mPa・s、特に5〜30mPa・sとするのが好ましい。 なお、ここでの粘度は、25℃、株式会社トキメック製B型回転粘度計(モデルTV−10)で、ローターNo.1またはNo.2を用い、60rpmで1分間回転させた後の値とする。測定対象が100mPa・s未満の場合はローターNo.1を用い、100〜499mPa・sの場合はローターNo.2を用いて測定する。なお、測定は25℃の恒温槽において測定するものとし、第1剤と第2剤とを混合後ただちに測定するものとし、反応熱による温度変化は無視するものとする。
フォーマー容器は、非エアゾールタイプの容器であって、第1剤と第2剤の混合液を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。非エアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べて、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
非エアゾール式フォーマー容器としては、泡吐出手段を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、ポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐社、食品と容器(vol.35, No.10, p588〜593(1994); vol.35, No.11, p624〜627(1994); vol.36, No.3, p154〜158(1995)))、S1スクイズフォーマー(大和製罐社、特開平7-215352号公報)、電動泡立て器(松下電工社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)等が挙げられる。二剤式染毛剤に用いるフォーマー容器としては、安価で使い勝手が良いことから、ポンプフォーマー容器及びスクイズフォーマー容器が好ましい。
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、ネット等の泡生成部分を有するものであり、1剤と2剤との混合液が乾燥固化して目詰まりを起こした場合に、次回の吐出時に泡の流れによって、直ちに固化物を溶解して目詰まりを解消できるという点から薄肉のネットを有することが好ましい。この場合、ネットのメッシュとしては、50〜280メッシュが好ましく、90〜250メッシュがより好ましく、130〜220メッシュがより好ましい。ここで、メッシュとは、1インチ当たりの目の数をいう。この範囲のメッシュのネットを使用することにより、クリーミーな泡を生成することができる。また、このようなネットの材質としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、テフロン(登録商標)、カーボンファイバー、ステンレス等を挙げることができ、より好ましくはナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルであり、より好ましくはナイロンである。
二剤式染毛剤において使用するフォーマー容器には、このようなネットを少なくとも一枚、好ましくは複数枚配設し、特に経済性、泡の安定性等の点から混合室と先端との二ヶ所に1枚ずつ配設することが好ましい。
【0021】
図1に示された取り扱い説明書1は、第一エリア11〜第五エリア15まで区画されている。取り扱い説明書1の左上部の第一エリア11には、第1剤と第2剤の混合液を泡状に吐出するフォーマー容器54についての説明が記載されている。ここでは、フォーマー容器54から前記混合液を泡状に吐出させる方法、また、吐出させる際における注意点がイラスト31,32にて図示されている。
【0022】
次に、第一エリア11に対し右横方向に隣接した第二エリア12には、混合液の作成方法について記載されている。
具体的には、
・第2剤が入った容器のキャップを外し、第1剤を第2剤が入った容器内に注入する点を示すイラスト33
・泡が立たないように、第1剤、第2剤を混合する状態を示すイラスト34
・第1剤および第2剤が入った容器の蓋を外して、フォーマー用のキャップを取り付け、フォーマー容器54を形成する状態を示すイラスト35
がそれぞれ示されている。
各イラスト33〜35は操作手順に従い、一方向(ここでは、図1横方向)に沿って、一直線上に配置されている。
また、この第二エリア12において、混合液の作成方法を説明する説明文はすべて横書きであり、説明文の文字の進行方向に対し、各イラスト33〜35の配置は操作手順に従ったものとなっている。よってユーザの視線が迷わないような配置である。
【0023】
第二エリア12に対し右横方向に隣接した第三エリア13には、フォーマー容器54からの泡の吐出方法が記載されている。
具体的には、
・ユーザが手袋をはめる状態を示すイラスト36
・フォーマー容器54の押し方を示すイラスト37
が示されている。
また、
・フォーマー容器54から出た泡を、手袋をした手に載せた状態
が写真38で開示されている。
フォーマー容器54から出た泡を、手袋をした手に載せた状態を写真38で表示することで、泡の量感をユーザに伝達することができる。
各イラスト36,37、写真38は操作手順に従い、一方向(ここでは、図1横方向)に沿って、一直線上に配置されている。
この第三エリア13において、泡の吐出方法を説明する説明文はすべて横書きであり、説明文の文字の進行方向に対し、各イラスト36,37さらには写真38の配置は操作手順に従ったものとなっている。よってユーザの視線が迷わないような配置である。
【0024】
第四エリア14は、第一エリア11,第二エリア12,第三エリア13それぞれに対し図1下方に隣接したエリアである。この第四エリア14については、図2の拡大図を参照して説明する。
この第四エリア14では、フォーマー容器54から吐出させた泡を髪に適用させる手順について説明している。
第四エリア14は、4つの部分に区画されている。区画された4つの領域(第一の部分141、第二の部分142,第三の部分143の第一領域部分143A、第三の部分143の第二領域部分143Bは、操作手順に従い、図面左側から右側に向かって並んで配置されている。
まず、第四エリア14のうち、第一の部分141には、髪に泡を適用させる点が記載されている。
ここでは、
・泡を頭頂部に適用させる状態を示すイラスト41
・泡を頭の左右に適用させる状態を示すイラスト42
・泡を後頭部に適用させる状態を示すイラスト43
がそれぞれ記載されている。第一の部分141でのイラストにより、最低限、髪に泡を適用させることが伝わればよいため、イラストは1つであってもよい。しかし、髪に泡をまんべんなく適用させることもわかりやすく伝える観点から、前向きのイラスト・後ろ向きのイラスト、あるいは前向きのイラスト・横向きのイラスト・後ろ向きのイラストが含まれていることが好ましい。各向きのイラストは1つ又は2つが含まれていればよい。こういった観点から、第一の部分141のイラストは好ましくは2つ〜8つ、更には2つ〜6つ記載されていることが好ましい。
各イラスト41〜43の大きさはほぼ同じ大きさである。
そして、各イラスト41〜43は、図面左側から右側に向かった一方向に沿って、一直線上に配置されている。なお、各イラストは図面上側から下側に向かった一方向に沿って、一直線上に配置されていてもよい。
各イラスト41〜43の指と接している泡領域の面積A1と泡と接している指の見えている部分の総面積A2との比A1/A2は、1回に適用する泡の量を確実に伝達し、新規ユーザであっても快適にしかもきれいに染毛できるようにする観点から0.1〜2.0が好ましく、更には0.2〜1.8、特に0.3〜1.5である。
この第一の部分141において、髪を分け、髪に泡を接触させる方法を説明する説明文はすべて横書きであり、イラスト41〜43の配置は操作手順に従ったものとなっている。よってユーザの視線が、迷わないような配置である。
また、各イラスト41〜43において、作業者の手袋の色は白色であり、泡の色も白色である。手袋の周囲には輪郭線がひかれている。この輪郭線と作業者の手袋の色、および泡の色と輪郭線の色の明度の差は何れも、HSV色空間のV値において好ましくは5%〜100%、更には10%〜100%、特に20%〜100%である。このようにすることで、ユーザは泡と、作業者の手袋とをそれぞれ確実に認識することができ、説明文を充分に読まなくても、手に取った泡を髪に適用することが確実に伝達される。
なお上記は手袋も泡も同じ白のイラストの場合であるが、写真の場合や、手袋と泡の色が違う輪郭線のないイラストの場合でも明度の差は同じ数値を採用してよい。
なお、第一の部分141における図示は、写真によるものであってもよいが、手袋の周囲に輪郭線をひくことで、容易に泡の色と輪郭線の色との差異がつけやすいことから、イラストであることが好ましい。
【0025】
第二の部分142は、第一の部分141に対し、右側に隣接した領域であり、第二の部分142には、泡を再度泡立てることが示されている。ここで再度泡立てるとは、完全に泡が消えた後に泡立てること、泡が消える途中で泡立てること、又は適用した泡の泡質が時間の経過により変化する前に泡立てること、変化した後に泡立てることのいずれをも含む概念である。また再度泡立てるとは、ガスを注入しても、振動機やブラシのような器具を用いても、あるいは手を用いてもよいが、頭髪の根元にも二剤式染毛剤組成物を十分に行きわたらせることが可能になるので、手を用いるのがより好ましい。具体的には、シャンプーを泡立てるような操作であれば何でもよく、例えばもみこむ、握る、こする等が挙げられる。
この第二の部分142には、作業者が頭頂部周辺を泡立てている写真44と、
作業者が生え際部分を泡立てているイラスト45とが記載されている。
ここで、作業者が頭頂部周辺を泡立てている写真44と、作業者が生え際部分を泡立てているイラスト45とは、図1の上下方向に並んで配置される。
写真44は、後述する写真46,写真47とともに一直線上に配置されている。
また、写真44は、イラスト45と同程度の大きさであるが、イラスト45よりも大きくしてもよい。
ここで、写真44、イラスト45には、泡を適用した髪と、泡立て手段としての作業者の手が示されている。このように、作業者の手をも図示することで、泡立て方法を確実に理解してもらうことができる。
また、作業者の手は、泡がついた髪に触れた状態となっている。
【0026】
第三の部分143には、再度泡立てた状態が図示されている。
第三の部分143は、第二の部分142の右側に隣接した第一領域部分143Aと、この第一領域部分143Aの右側に隣接した第二領域部分143Bとで構成される。
第一領域部分143Aには、再度泡立てた泡にて、生え際を覆う点が示されている。
この第一領域部分143Aには、再度泡立てた泡を、生え際につけている写真46が記載されており、この写真46は、第二の部分142の写真44に対し、右側に隣接して配置されている。
【0027】
第二領域部分143Bには、充分に再度泡立てた状態にて、所定時間放置する点が示されている。
この第二領域部分143Bには、髪に多くの泡がついた状態の作業者の写真47が示されている。
この第二領域部分143Bの写真47は、第一領域部分143Aの写真46に対し右側に隣接して配置されている。
さらに、この写真44〜47の配置は操作手順に従い、かつ略直線上の配置となっている。よってユーザの視線が迷わないような配置である。
また、図4(A)に模式的に示すように、前記文字の進行方向に沿った軸をx軸、写真44の中心点と、写真46の中心点とを結ぶ直線と、前記x軸との交点を通り、x軸に垂直な軸をy軸とする。このとき、写真44の中心点は、x軸のマイナス領域にあり、写真46の中心点はx軸のプラス領域にある。写真46と、写真47との位置関係も同様である。すなわち、各写真44〜47を見るユーザの視線が前記文字の進行方向に対し迷わないように配置する場合には、操作手順の先の写真がx軸のマイナス領域に配置され、手順の後の写真がx軸のプラス領域に配置されていればよい。
【0028】
さらに、写真44〜47が略直線上に配置されるとは、図4(B)に模式的に示すように、写真44の中心点と写真46の中心点とを結ぶ直線の延長線と、写真46の中心点と写真47の中心点とを結ぶ直線とがなす角度が、±90°以下であることをいう(ここでは、写真46の中心点と写真47の中心点とを結ぶ直線に沿った軸をx軸としている)。ここで、写真44の中心点と写真46の中心点とを結ぶ直線の延長線と、写真46の中心点と写真47中心点とを結ぶ直線とがなす角度は、好ましくは±45°以下、更には±30°以下である。
【0029】
さらに、たとえば、写真が4つ以上ある場合には、以下のようであることが好ましい。図15に示すように、一番目の写真Aの中心点および二番目の写真Bの中心点を結ぶ直線の延長線と、写真Bの中心点および三番目の写真Cの中心点とを結ぶ直線がなす角度の許容範囲は、θ1となる。
次に、二番目の写真Bの中心点および三番目の写真Cの中心点を結ぶ直線の延長線と、写真Cの中心点および四番目の写真Dの中心点を結ぶ直線とがなす角度の許容範囲は、θ2となる。ただし、図15に示すように、二番目の写真Bの中心点および三番目の写真Cの中心点を結ぶ直線の延長線と、写真Cの中心点および四番目の写真Dの中心点を結ぶ直線とがなす角度は、θ2の範囲であり、かつ、θ1の範囲内であることが好ましい。
また、五番目の写真がある場合には、写真Cの中心点および四番目の写真Dの中心点とを結ぶ直線の延長線と、四番目の写真Dの中心点と五番目の写真Eの中心点とを結ぶ直線とのなす角度は、θ3の範囲であり、かつ、θ1,θ2の範囲内であることが好ましい。
【0030】
具体的には、本実施形態では、写真44〜47は、一方向(図2の横方向)に沿って配置され、一直線上に配置されている。一直線上に配置されているとは、一つの直線上に写真44〜47がのるように配置されていればよく、なかでも、写真44〜47の中心点が一つの直線上にのることが特に好ましい。
また、写真47は、第二の部分142の写真44、第三の部分143の第一領域部分143Aの写真46に比べ泡の量が多くなっている。具体的には、写真44における泡の量よりも写真46における泡の量の方が多く、写真46における泡の量よりも写真47における泡の量の方が多い。
なお、泡の量の多い、少ないは、画像処理等で検出することができる。
具体的には、写真における髪と泡の領域を手動指定し、その領域内の泡と髪の境界を自動検出して泡領域を自動指定し、髪領域全体面積に対する泡領域面積の比率を算出することで泡の量を定量する。泡と髪の境界閾値は、写真を例えば256階調のグレースケール画像に変換して画素値(0〜255)のヒストグラムを作成し、泡のある領域に対応するピークと泡のない領域に対応するピークの間の出現頻度が極小になる画素値に自動設定されるようプログラム化(一般の2値化の際に使用する閾値の設定法と同様)すればよい(図5参照)。
なお、イラストの場合には、髪と泡を示す場合に(i)色の使い分け(ii)境界を示す、等のいずれかであるので、これらの示し方に従い、手動で各領域を指定し、面積を計算するプログラムにより計算するものとする。
ここで比較する写真同士・イラスト同士で泡の量が多いとは、泡領域全体の面積/(泡領域全体の面積+髪領域全体の面積)の値の差が4%以上、好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上、多い方の値が大きい関係をいうものとする。
【0031】
再度、図1に戻り、第五エリア15について説明する。第五エリア15は、第四エリア14の下方に配置された領域であり、この第五エリア15には、再度泡立てた状態にて、所定時間放置した後、髪を洗浄することが文章にて記載されている。
【0032】
以上のような取り扱い説明書1は、前述した2剤式泡状染毛剤、フォーマー容器とともに、染毛用キットとなる。
【0033】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
写真44〜47は、泡状に吐出した混合液を適用する第1の部分141の後に一直線上に配置されている。かつ写真47は、写真44、写真46に比べ泡の量が多くなっている。
このような場合では、アイカメラを用いて検出されるユーザの目線の軌跡は、全ての図を確実に追うことができる。これは、ユーザの目線の軌跡が全ての図面上を通っていること、また、各図面上において、ユーザの目線が一定時間停止していることから、各図面を注視することができていると考えられる。
従って、取り扱い説明書1によれば、ユーザは、髪に適用した泡を再度泡立てる事を図示する部分、再度泡立てた状態を図示する部分の全ての図面を確実に注視することができ、再度泡立てた状態について確実にユーザに伝達することができる。
再度泡立てた状態において、泡立てが不十分である場合には、泡が垂れたり、髪の内部にまで十分に混合剤が浸透しなかったりすることが考えられる。これにより、染めむら等が発生する可能性がある。そのため、本実施形態の取り扱い説明書1を使用することで、再度泡立てた状態を確実にユーザに理解してもらうことができる。
【0034】
また、同種の図同士(写真同士又はイラスト同士、本実施形態では、写真44、46,47)を連続して配置することで、一連の写真、又は一連のイラストにてユーザの注意を引くことができる。これにより、ユーザは確実に全ての写真44,46,47を注視することができ、再度泡立てた状態を、より、確実にユーザに伝達することができる。
【0035】
また、本実施形態では、再度泡立てること、および再度泡立てた状態を3つの写真44,46,47で示している。このようにすることで、ユーザが確実に再度泡立てること、および再度泡立てた状態を注視することができる。
なお、再度泡立てること、および再度泡立てた状態を示す写真又はイラストは、合計で2つ以上6つ以下、好ましくは3つ以上6つ以下、好ましくは3つ以上5つ以下、更には3つ又は4つであることが好ましい。
【0036】
さらに、本実施形態では、操作手順に従って、写真44,46,47における泡の量が増えている。泡を適用することを図示する部分の後に操作手順に従って、写真44,46,47における泡の量が増えていれば、髪に適用した泡を泡立てる必要があることが理解できる。
これにより、髪に泡をつけた後、髪につけた泡を再度泡立てることをより確実にユーザに理解してもらうことが可能となる。
【0037】
また、本実施形態では、フォーマー容器から出た泡を髪に適用させる図を、イラスト41〜43で構成している。このようにすることで、写真で示した場合に比べて、一層ユーザは手にとった泡を髪に適用することを明確に認識することができる。
【0038】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、前記実施形態では、泡立てること・泡立てた状態を示す図として、複数枚の写真44,46,47を使用したが、これに限らず、イラストとしてもよい。
【0039】
また、前記実施形態では、写真44,46,47を、図1横方向に配置していたが、これに限らず、図1縦方向に配置してもよい。このとき、図面の配置方向にかかわらず文字は縦書きであっても横書きであってもよいが、図面の配置が横方向の場合は文字も横書き、図面の配置が縦方向の場合は文字も縦書きであることがより一層好ましい。
【0040】
さらには、前記実施形態では、写真44,46,47の顔・髪・泡の合計面積をすべて同じとしたが、これにかぎらず、面積をかえてもよい。たとえば、再度泡立てた泡にて生え際を覆う点については、再度泡立てる流れの中で派生的な行為であるため、写真46での顔・髪・泡の合計面積については、他の写真44,47での顔・髪・泡の合計面積よりも小さくしてもよく、あるいは省略してもよい。再度泡立てる事を示す写真44での顔・髪・泡の合計面積と、充分に再度泡立てた状態を示す写真47での顔・髪・泡の合計面積については、同等か写真44の方を大きくすることが好ましい。このようにすることで、より注視してもらいたい部分を確実にユーザに伝達することができる。ここで大きいとは、比較する小さい側の顔・髪・泡の合計面積から見て大きい側の顔・髪・泡の合計面積が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上大きいことをいう。
【0041】
さらには、第2の部分および第3の部分内における複数の写真又は複数のイラストは、操作手順において最後のものにおける泡の量が、操作手順最初のものにおける泡の量よりも多ければ、操作手順において途中のものの泡の量は操作手順最初のものよりも少なくてもよい。
【実施例】
【0042】
次に、本発明の実施例について説明する。
以下の実施例、比較例では、取り扱い説明書における再度泡立てることを示す図、再度泡立てた状態を示す図のレイアウトについて検討した。
図6〜図12に図のレイアウトを記載する。図中○は、写真を示し、□はイラストを示す。さらに、○又は□中に記載された少、中、多は、泡の量を示している。
また、各図において、再度泡立てること、泡立てた状態における各工程を説明する説明文は、横書きでなされており図6〜図12横方向に記載されている。
なお、各図において、取り扱い説明書の第一エリア11〜第三エリア13、第五エリア15の記載内容は同じであり、第一エリア11〜第三エリア13、第五エリア15については記載が省略されている。
【0043】
(実施例1)(図6(A))
本実施例では、第一の部分141を取り扱い説明書の左端に配置した。そして第一の部分141にフォーマー容器により吐出させた泡を髪に適用することを図示した。また、第二の部分142を第一の部分141の右横に配置した。そして第二の部分142に再度泡立てることを示す写真を1つ記載した。第三の部分143を第二の部分142の右横に配置した。そして第三の部分143に再度泡立てた状態を示す写真を2つ記載した。
操作手順に従って、再度泡立てることを示す写真、および再度泡立てた状態を示す写真を一直線上に配置した。また、写真中の泡は、手順に従い多くなるようにした。
【0044】
(実施例2)(図6(B))
本実施例では、第三の部分143に再度泡立てた状態を示す写真を3つ記載し、再度泡立てることを示す写真、および再度泡立てた状態を示す写真を略直線上に配置した以外は、実施例1と同様に配置した。
【0045】
(実施例3)(図6(C))
本実施例では、実施例2とは別のパターンの略直線上の配置とした以外は実施例2と同様に配置した。
【0046】
(実施例4)(図7(A))
本実施例では、第三の部分143に再度泡立てた状態を示す写真を1つ記載した以外は実施例1と同様に配置した。
【0047】
(実施例5)(図7(B))
本実施例では、第三の部分143に記載した再度泡立てた状態を示す写真の泡の量が、第二の部分142に記載した再度泡立てることを示す写真の泡の量よりも多いが、第三の部分143に記載した写真同士は泡の量が同じであるように記載した以外は実施例1と同様に配置した。
【0048】
(実施例6)(図7(C))
本実施例では、第三の部分143に再度泡立てた状態を示す写真を4つ記載した。そして第三の部分143に記載した再度泡立てた状態を示す写真の泡の量が、第二の部分142に記載した再度泡立てることを示す写真の泡の量よりも多いが、第三の部分143に記載した写真のうち、1つ目と2つ目、3つ目と4つ目については泡の量は同じ、3つ目の方が2つ目よりも泡の量が多くなるように記載した以外は実施例1と同様に配置した。
【0049】
(実施例7)(図8)
本実施例では、再度泡立てることを示す記載、再度泡立てた状態を示す記載としてイラストを用いた以外は実施例1と同様に配置した。
【0050】
(実施例8)(図9)
本実施例では、第三の部分143の1つ目の写真の泡の量を、第二の部分142の写真における泡の量より少ないものを用いた以外は実施例1と同様に配置した。各写真は、略直線上に配置されている。
【0051】
(実施例9)(図10)
本実施例では、第一の部分141、第二の部分142、第三の部分143の配置、及び第二の部分142における再度泡立てることを示す写真、第三の部分143における再度泡立てた状態を示す写真2つをいずれも縦に配置した以外は実施例1と同様に配置した。各写真は、略直線上に配置されている。
【0052】
(比較例1)(図11(A))
本比較例では、第一の部分141にフォーマー容器により吐出させた泡を髪に適用することを文章のみで説明(図中点線で囲んだ部分は、文章のみで説明がなされていることを示す)した以外は実施例1と同様に配置した。
【0053】
(比較例2)(図11(B))
本比較例では、第二の部分142に再度泡立てることは図示せずに、説明文だけを記載(図中点線で囲んだ部分は、文章のみで説明がなされていることを示す)した以外は実施例1と同様に配置した。
【0054】
(比較例3)(図11(C))
本比較例では、第一の部分141を取り扱い説明書の右端、第二の部分142を取り扱い説明書の左端、第三の部分143を第二の部分142の右横に配置した以外は実施例1と同様に配置した。
【0055】
(比較例4)(図12(A))
本比較例では、第三の部分143に再度泡立てた状態を示す記載としてイラストを1枚のみとした以外は実施例1と同様に配置した。
【0056】
(比較例5)(図12(B))
本比較例では、第二の部分142の再度泡立てる写真の泡の量が一番多く、第三の部分143の再度泡立てた状態を示す写真の泡の量がそれよりも少ない以外は実施例1と同様に配置した。
【0057】
(結果)
図13,図14に実施例1,3,6、比較例3における初めてのユーザによるアイカメラのデータを示す。
実施例1では、説明文の文字の並び方向に対し写真を見るユーザの視線が戻ってしまうことはなかった。
また、実施例3、6では、はじめて取り扱い説明書をみた際には、説明文の文字の並び方向に対し写真を見るユーザの視線が戻ってしまうことがあるが、2回目においては、説明文の文字の並び方向に対し写真を見るユーザの視線が戻ってしまうことはなかった。
これに対し、比較例3では、ユーザの視線が迷い、ユーザは、図を読み飛ばしながら取り扱い説明書を見ていることがわかった。
【0058】
さらに、以下に、実施例1〜9、比較例1〜5の取り扱い説明書のみを手がかりにして、表1〜表3の染毛剤、およびS1スクイズフォーマー(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さは混合室150メッシュ、先端200メッシュ)を用いて初めてのユーザ3人に染毛してもらった。剤の垂れの有無、染毛後の染めムラについて以下の基準で評価を行った。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
剤の垂れの有無の評価スコア
1 塗布開始5分以内に垂れる
2 塗布開始5分より後〜塗布終了(約20分)に垂れる
3 放置中に垂れる(塗布中には垂れない)
4 垂れない
【0063】
染毛後の染めムラの有無の評価スコア(専門パネラー3人によって評価した)
1 はっきりわかる染めムラが複数箇所ある
2 はっきりわかる染めムラが一箇所ある
3 注意深く見ればわかる程度の染めムラがある
4 染めムラがない
結果を表4に示す。
【0064】
【表4】

【0065】
以上より、いずれの実施例でも、再度泡立てること、再度泡立てた状態がユーザに確実に伝達され、これにより液垂れもほとんど生じず、染めムラについてもほとんど問題なかった。一方で、比較例では、説明文を手がかりとして泡をつけること、再度泡立てる事が充分に伝わったユーザもいる反面、伝わっていないユーザもいることがわかった。
【0066】
(比較例1の垂れ2、ムラ1のユーザ)
泡を適用することについての説明が文章だけなので、泡をどのように適用してよいかわからず、しばらく首をひねっていた。しばらくして迷いながら少量ずつつけはじめた。その後、泡の適用がなかなか進まないので、しびれを切らして一気につけはじめた。泡をつけることしか伝わらず、再度泡立てることに気づかなかったので、その後間もなく垂れ始めた。もみ込まなかったので泡が髪全体に行き渡らずにムラとなった。
【0067】
(比較例2の垂れ1、ムラ1のユーザ)
泡を適用すること、1回の適用量、適用する全体量については伝わっていた。しかし、一通り泡を適用した後、最後の写真の泡の量に至っていないので迷い始めた。再度泡立てることを説明する文章を読んで、手のひらでなすりつけていた。これでは泡立ちがまばらなので垂れはじめた。まばらな泡なのでムラになった。
【0068】
(比較例3の垂れ2、ムラ2のユーザ)
まず再度泡立てる所に目が行ったので、どのように泡を適用するかわからず視線があちこちに散らばった(図13(B)のアイカメラデータ)。そのために、やることは伝わったものの、行動が全体的に遅かった。これにより再度泡立てるタイミングが遅く、垂れた。放置時間中に充分な泡立て量に至らずムラの原因となった。
【0069】
(比較例4の垂れ1、ムラ2のユーザ)
やる事は充分に伝わっていたが、再度泡立てることと再度泡立てた状態が写真とイラストとで異種だったので、泡の量の違いについて直感的に伝わらなかった。よって再度泡立てることにより泡の量をどこまで増やせばよいか伝わらず、泡立てが不十分で垂れた。充分に泡が行き渡らずにムラになった。
【0070】
(比較例5の垂れ2、ムラ3のユーザ)
再度泡立てることの部分で泡の量が多く、充分に再度泡立てることに気づかずに泡立てが不十分であったために垂れた。
【符号の説明】
【0071】
1 取り扱い説明書
11 第一エリア
12 第二エリア
13 第三エリア
14 第四エリア
15 第五エリア
31 イラスト
32 イラスト
33 イラスト
34 イラスト
35 イラスト
36 イラスト
37 イラスト
38 写真
41 イラスト
42 イラスト
43 イラスト
44 写真
45 イラスト
46 写真
47 写真
51 第一容器
52 第二容器
53 スクイズフォーマー
54 フォーマー容器
521 容器本体
141 第一の部分
142 第二の部分
143 第三の部分
143A第一領域部分
143B第二領域部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に、界面活性剤が含まれ、前記第1剤と、前記第2剤との混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである2剤式染毛剤、および
前記第1剤と前記第2剤との前記混合液を泡状に吐出するフォーマー容器を含む泡状染毛剤の取り扱い説明書であって、
前記第1剤および前記第2剤の混合液を前記フォーマー容器により泡状に吐出し、髪に適用することを図示する第1の部分と、
髪に適用した泡を再度泡立てることを図示する第2の部分と、
髪に適用した泡を再度泡立てた状態を図示する第3の部分とを含み、
前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分が操作手順に従って配置され、
前記第2の部分および前記第3の部分内には、髪に適用した泡を再度泡立てることおよび髪に適用した泡を再度泡立てた状態を示す、複数の写真又は複数のイラストが配置され、
前記複数の写真又は複数のイラストの中で、操作手順において最後のものにおける泡の量が、操作手順最初のものにおける泡の量よりも多い
取り扱い説明書。
【請求項2】
請求項1に記載の取り扱い説明書において、
前記複数の写真又は複数のイラストが、操作手順に従って、略直線上に配置されている取り扱い説明書。
【請求項3】
請求項1または2に記載の取り扱い説明書において、
前記第1剤および前記第2剤の混合液を泡状に吐出し、髪に適用することを示す図がイラストである取り扱い説明書。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の取り扱い説明書において、
再度泡立てることおよび再度泡立てた状態を示す図が合計で2以上、5以下である取り扱い説明書。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の取り扱い説明書において、
前記複数の写真又は複数のイラストのうち、少なくとも一つには、泡が適用された髪と、泡立て手段とが記載されている取り扱い説明書。
【請求項6】
請求項5に記載の取り扱い説明書において、
前記泡立て手段が手であり、前記手が髪に触れている状態を示す取り扱い説明書。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の取り扱い説明書と、
アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤とを含み、前記第1剤および前記第2剤の少なくとも一方に、界面活性剤が含まれ、前記第1剤と、前記第2剤との混合液の25℃における粘度が1〜300mPa・sである2剤式染毛剤、および前記第1剤と前記第2剤との前記混合液を泡状に吐出するフォーマー容器を含む泡状染毛剤と、
を含む染毛用キット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−6805(P2010−6805A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130991(P2009−130991)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】