説明

取付板付転がり軸受ユニット

【課題】ラジアル転がり軸受2aを構成する外輪5aを、ハウジング3に設けた保持凹部10に締り嵌めで内嵌固定する構造を前提として、クリープ防止と組立作業の容易化とを両立できる構造を実現する。
【解決手段】前記外輪5aの外周面の周方向の一部に係止凹部17を設け、取付板11aの軸方向片面に、軸方向に突出する、周方向に関する幅寸法がこの係止凹部17の同方向に関する幅寸法よりも小さい係止突起18を形成する。そして、前記取付板11aを前記外輪5aの小径段部13に外嵌した状態で、前記係止凹部17と前記係止突起18とを、前記幅寸法の差に見合う角度のみ周方向に相対回転を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車用変速機(手動変速機及び自動変速機)を構成する回転軸の端部を、この自動車用変速機の構成部品を収納するハウジングの内面に回転自在に支持する為の回転支持装置を構成する、取付板付転がり軸受ユニットの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、従来から知られている回転支持装置の1例を示している。自動車用変速機を構成する回転軸1の端部は、ラジアル転がり軸受2により、保持部材であるハウジング3の内面に回転自在に支持されている。このラジアル転がり軸受2は、内周面に外輪軌道4を有する外輪5と、外周面に内輪軌道6を有し、この外輪5と同心に配置した内輪7と、これら外輪軌道4と内輪軌道6との間に転動自在に設けた、それぞれが転動体である、複数個の玉8、8とを備える。尚、これら各玉8、8は、円周方向に関して凡そ等間隔に配置された状態で、保持器9(図6〜7参照)に、転動自在に保持されている。又、前記ハウジング3の内面には、円形の保持凹部10を設け、この保持凹部10に前記ラジアル転がり軸受2の外輪5を内嵌している。又、このラジアル転がり軸受2の内輪7に前記回転軸1の端部を内嵌している。更に、取付板11により、前記外輪5を前記保持凹部10の奥部に向け抑え付けて、この外輪5がこの保持凹部10から抜け出す事を防止している。
【0003】
前記ラジアル転がり軸受2と前記取付板11とは、例えば特許文献1〜3等に記載されて従来から知られている様に、図6〜7に示す様な取付板付転がり軸受ユニット12として、前記保持凹部10への組み付け作業を容易に行える様にしている。この為に、前記外輪5の軸方向一端部外周面に、この外輪5の外径よりも小径の小径段部13を、全周に亙って形成し、この小径段部13に前記取付板11の中心部に形成した円形の嵌合孔14を、この外輪5に対する回転を可能に外嵌して、前記取付板付転がり軸受ユニット12としている。この様な取付板付転がり軸受ユニット12は前記ハウジング3内に、前記外輪5を前記保持凹部10に内嵌すると共に、前記取付板11の片面を前記ハウジング3の片面に突き当てた状態に組み付ける。そして、この取付板11を前記外輪5に対し回転させる事で、この取付板11の外径寄り部分に形成した、特許請求の範囲に記載した取付孔である通孔15、15と、前記ハウジング3の内面に開口したねじ孔(図示省略)とを整合させる。次いで、これら各通孔15、15を挿通したねじ(ボルトを含む。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)をこれら各ねじ孔に螺合し、更に締め付ける。前記取付板11の外径寄り部分に、前記各通孔15、15に代えてねじ孔を形成し、前記ハウジング3に形成した通孔を外から挿通したねじを、このねじ孔に螺合し、更に締め付ける構造もある。何れの構造であっても、ねじの締め付けにより、取付板11は、小径段部13の軸方向奥端部に設けられた段差面16に突き当たり、更に前記外輪5を前記保持凹部10の奥部に向け抑え付ける。
【0004】
上述の様な取付板付転がり軸受ユニット12を前記ハウジング3に組み付けるには、前記外輪5を前記保持凹部10に締り嵌めで内嵌すると共に、前記取付板11を前記ハウジング3にねじ止め固定する。締り嵌めで内嵌する理由は、前記ラジアル転がり軸受2により前記回転軸1を前記ハウジング3に対し、がたつきなく、且つ、この回転軸1に加わるラジアル荷重を確実に支承できる様に支持する為に必要である。但し、前記外輪5が軸受鋼等の鉄系合金製であるのに対して、前記ハウジング3はアルミニウム系合金である場合が多い。鉄系合金の線膨張係数はアルミニウム系合金の線膨張係数よりも小さい。この為、温度上昇時には、前記保持凹部10に対する前記外輪5の締め代が、低下乃至は喪失する可能性がある。この結果、何らの対策も施さないと、この外輪5が前記保持凹部10の内側で回転する、クリープが発生する。そして、このクリープが発生すると、この保持凹部10の内周面が磨耗し、前記締め代が完全に喪失して、この保持凹部10内で前記外輪5ががたつき、前記回転軸1の回転に伴って振動が発生する等の不都合が発生する可能性がある。
【0005】
この様な不都合が発生するのを防止する為に、前記取付板11を前記小径段部13に、締り嵌めで外嵌固定する事が考えられる。この取付板11は、前記外輪5と同じ鉄系合金製であるから、これら両部材11、5の熱膨張量の差を僅少に抑えられ、温度上昇時にも、互いの嵌合部の締め代を十分に確保できる。又、前記取付板11は、前記ハウジング3に対しねじ止め固定される。従って、温度上昇時にも、前記外輪5が前記保持凹部10内でクリープする事を防止できる。
【0006】
但し、前記取付板11を前記小径段部13に締り嵌めで外嵌固定すると、この取付板11を前記ハウジング3にねじ止め固定する作業が面倒になる。即ち、このねじ止め固定の際には、前記取付板11側に設けた各通孔15、15若しくはねじ孔と、前記ハウジング3側に設けたねじ孔若しくは通孔とを整合させる必要がある。前記外輪5を前記保持凹部10に締り嵌めで内嵌しつつ、前記各孔同士を整合させる事は面倒であり、取付板付転がり軸受ユニットを組み込んだ自動車用変速機等の組立コストが嵩む原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2007−504412号公報
【特許文献2】特開2009−030794号公報
【特許文献3】ドイツ国特許公開公報、DE10153441A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ラジアル転がり軸受を構成する外輪を、ハウジング等の保持部材に設けた保持凹部に締り嵌めで内嵌固定する構造を前提として、クリープ防止と組立作業の容易化とを両立できる構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の取付板付転がり軸受ユニットは、前述した従来から知られている取付板付転がり軸受ユニットと同様に、小径段部及び段差面を備えたラジアル転がり軸受と、取付板とを備える。
特に、本発明の場合には、前記外輪の外周面の一部で、軸方向に関して前記小径段部に隣接する部分に、前記段差面に開口する係止凹部を、円周方向の一部にのみ設ける。
又、前記取付板の軸方向片面で前記嵌合孔の外周縁部分に、係止突起を形成する。この係止突起は、この軸方向片面から軸方向に突出するもので、周方向に関する幅寸法が前記係止凹部の同方向に関する幅寸法よりも小さい。
そして、前記取付板を前記小径段部に外嵌した状態で、前記係止凹部と係止突起とを係合させて、この取付板と前記外輪とが、前記係止凹部と前記係止突起との幅寸法の差に見合う角度のみ周方向に相対回転可能とする。この為に、前記取付板と前記小径段部との嵌合状態を、隙間嵌乃至は弱い締り嵌め(止まり嵌め)とする。
この様な本発明を実施する場合に、請求項2に記載した発明の様に、前記係止凹部を、前記外輪の外周面の1乃至複数箇所に設ける。そして、この係止凹部の円周方向に関する幅の合計値を、中心角に換算して36度以下(周長で1/10以下)とする。
【発明の効果】
【0010】
上述の様に構成する本発明の取付板付転がり軸受ユニットによれば、外輪を、ハウジング等の保持部材に設けた保持凹部に締り嵌めで内嵌固定する構造であっても、クリープ防止と組立作業の容易化とを両立できる。
先ず、組立作業の容易化は、前記外輪を前記保持凹部に締り嵌めで内嵌する際に、取付板側に設けた各取付孔と、前記保持部材側に設けた各第二取付孔とを厳密に(これら各取付孔と各第二取付孔とに取付ねじを掛け渡せる程度に)整合させる必要がない事により図れる。即ち、前記保持凹部に前記外輪を内嵌する作業は、前記各取付孔と前記各第二取付孔との円周方向に関する位相を、大まかに一致させた状態で行えば良い。前記保持凹部に前記外輪を内嵌する(軸方向に押し込む)際に、この外輪が前記保持部材に対して少し回転方向に変位する事はあるにしても、大きく回転する事はない。従って、例えば係止突起を係止凹部のほぼ中央部に位置させ、前記各取付孔と前記各第二取付孔とをほぼ整合させた状態で前記内嵌作業を行えば、内嵌後にも、これら各取付孔とこれら各第二取付孔とをほぼ一致させる事ができる。そして、内嵌後に取付板を前記外輪に対し少しだけ回転させる事で、前記各取付孔と前記各第二取付孔とを厳密に一致させ、これら各取付孔と各第二取付孔とのうちの一方を挿通した取付ねじを他方に螺合し更に締め付けて、前記保持部材に対し前記取付板を支持固定できる。尚、前記外輪の小径段部に前記取付板を外嵌するのは、この外輪を前記保持凹部に内嵌する前でも良いが、内嵌後に外嵌する事もできる。
【0011】
次に、クリープ防止は、係止凹部と係止突起との係合により図れる。自動車用変速機を構成する回転軸の如く、本発明の対象となる取付板付転がり軸受ユニットにより回転自在に支持される回転軸は、回転方向が一定である(往復回転する事はない)。この為、組立完了時点で、前記係止突起が、前記係止凹部のうちで、前記回転方向前端部以外の部分に存在した場合でも、前記外輪が前記保持凹部に対して少しだけクリープすると、前記係止突起と前記係止凹部とが、この係止凹部の回転方向前端部で係合する。前記外輪は、この状態よりも更にクリープする事はないので、この外輪の外周面と前記保持凹部の内周面とがそれ以上擦れ合う事はなく、これら両周面の嵌合部が摩耗する事はない。
【0012】
尚、前記係止凹部を形成する分だけ、前記外輪の外周面と前記保持凹部の内周面との当接面積が減少するが、前記係止凹部の周長をこの外周面の周長の1/10以下に抑えているので、嵌合強度の低下は殆ど無視できる。この嵌合強度の低下を抑える面から、前記係止凹部の軸方向に関する幅寸法は、前記係止突部とを確実に係合させて前記クリープを確実に防止できる限り、小さい方が好ましい。この為に例えば、前記軸方向の幅寸法を、前記小径段部と前記係止凹部との合計で、前記外輪の幅寸法の1/2未満とする。又、ハウジングへの組み付け状態で、前記係止凹部が、前記ラジアル転がり軸受の負荷圏から外れた部分(非負荷圏)に存在する様に、この係止凹部と前記係止突起との位置を、前記各取付孔及び各第二取付孔の形成位置との関係で規制する事が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、回転支持装置の部分断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】外輪を取り出して図1の右方から見た状態で示す模式図。
【図4】取付板の内周縁部に係止突起を形成する方法の1例を示す模式図。
【図5】本発明の対象となる回転支持装置の1例を示す部分断面図。
【図6】この回転支持装置に組み込む転がり軸受ユニットの従来構造の1例を示す斜視図。
【図7】同じく断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜4は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、ラジアル転がり軸受2aを構成する外輪5aを、保持部材であるハウジング3に設けた保持凹部10に締り嵌めで内嵌固定する構造で、クリープ防止と組立作業の容易化とを両立できる様にする点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図5〜7に示した従来構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0015】
本例の取付板付転がり軸受ユニット12aを構成するラジアル転がり軸受2aの外輪5aの外周面の一部に、深さhの係止凹部17を形成している。この係止凹部17は、取付板11aを外嵌する為、前記外輪5aの端部外周面に全周に亙って形成した小径段部13に、軸方向に隣接する状態で、円周方向の一部に形成している。従って前記係止凹部17は、前記外輪5aの外周面と、前記小径段部13の端部に存在する段差面16とに開口している。本例の場合には、前記係止凹部17を、前記外輪5aの外周面の周方向1箇所のみ、図3にLで表した範囲に設けている。この範囲Lは、この外輪5aの周長の1/10以下、中心角αを36度以下としている。
【0016】
一方、取付板11aの軸方向片面で嵌合孔14の外周縁部分に係止突起18を、この取付板11aの軸方向片面から軸方向に突出する状態で形成している。前記外輪5a及び前記嵌合孔14の径方向位置に関して、前記係止突起18の内径側面は、前記係止凹部17の底面と同じか、この底面よりも少しだけ外側で、且つ、前記外輪5aの外周面よりも内側に存在する。又、前記係止突起18の周方向に関する幅寸法は、前記外輪5aのクリープを防止する面から、この係止突起18の強度及び剛性を確保できる限り小さく抑える。従って、この係止突起18の幅寸法は、前記係止凹部17の同方向に関する幅寸法(前記範囲Lと同じ)よりも十分に小さい。
この様な係止突起18は、図4に矢印で示す様に、前記取付板11aのうち、軸方向に関して、この係止突起18を形成するのとは反対側の外周寄り部分をパンチで押圧して塑性変形させたり、或いは、1対の金型同士の間で強く押圧して塑性変形させる、プレス加工等により形成する。
【0017】
前述の様な係止凹部17を有する外輪5aと、上述の様な係止突起18を有する前記取付板11aとは、前記小径段部13にこの取付板11aを外嵌すると共に、前記係止凹部17内に前記係止突起18を進入させた状態に組み合わせる。この状態で、前記外輪5aと前記取付板11aとが、前記係止凹部17と前記係止突起18との周方向に関する幅寸法の差に見合う角度のみ、周方向に相対回転可能となる。この為に、前記取付板11aを前記小径段部13に、隙間嵌乃至は弱い締り嵌めで外嵌する。
【0018】
上述の様に構成する本例の構造を組み立てる場合、前記外輪5aのうちで前記小径段部13を除く部分を前記保持凹部10に、前記係止凹部17の円周方向に関する位相を大まかに規制した状態で、締り嵌めにより内嵌する。この様に位相を大まかに規制するとは、前記係止凹部17と前記係止突起18とを円周方向に相対変位させる事で、前記ハウジング3の複数箇所(例えば3箇所)に形成した通孔19と、前記取付板11aの複数箇所に形成したねじ孔20とを整合させられる状態にする事を言う。この取付板11aと前記ハウジング3との円周方向に関する位相は、前記周方向に関する幅寸法の差分だけ相対変位させる事が可能であるから、前記外輪5aを前記保持凹部10に内嵌固定する際に規制する位相は、前記差分に見合うだけずれても良い。従って、この保持凹部10に前記外輪5aを締り嵌めで内嵌する作業を容易に行える。そして、内嵌固定後の状態では、この外輪5aが前記ハウジング3に対しがたつく事がなくなる。
【0019】
前記保持凹部10に前記外輪5aを内嵌固定した後、この外輪5aの軸方向端部で前記ハウジング3の内面から突出した前記小径段部13に外嵌固定した前記取付板11aを、前記外輪5aに対し回転させる。尚、前記外輪5aを前記保持凹部10に内嵌固定する作業と、前記取付板11aを前記小径段部13に外嵌固定する作業との前後は問わない。何れにしても、この取付板11aをこの小径段部13に外嵌固定した状態で、この取付板11a側に突設した前記係止突起18を、前記外輪5a側に形成した係止凹部17に係合させる。そして、前記取付板11aをこの外輪5aに対し回転させて、前記各通孔19と前記各ねじ孔20とを整合させる。次いで、これら各通孔19を挿通した取付ねじ21をこれら各ねじ孔20に螺合し更に締め付ける。この結果、前記取付板11aが前記ハウジング3の内面に支持固定されると共に、この取付板11aが前記外輪5aを前記保持凹部10の奥面に向け押し付けて、この保持凹部10からこの外輪5aが抜け出る事を防止する。
【0020】
前記外輪5aを含むラジアル転がり軸受2aの内輪7には、回転軸1の端部を内嵌するので、この外輪5aには、このラジアル転がり軸受2aの動トルク(回転抵抗)に見合う力が、前記回転軸1が回転している間中加わる。この為、前述した様に、温度上昇に伴って、前記保持凹部10の内周面と前記外輪5aの外周面との間の締め代が低下し、この外輪5aがこの保持凹部10内で回転する(クリープする)可能性がある。但し、前記回転軸1の回転方向は一定であるから、最初にクリープが発生した直後に、前記係止突起18と前記係止凹部17とが、前記回転軸1の回転方向に関して、この係止凹部17の前端部で係合する。前記外輪5aは、この状態よりも更に回転する事はない。従って、この外輪5aの外周面と前記保持凹部10の内周面とがそれ以上擦れ合う事はなく、これら両周面の嵌合部が摩耗する事はない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の取付板付転がり軸受ユニットは、自動車用変速機を構成する回転軸の端部を支持する為の回転支持部に限らず、各種機械装置の回転支持部に利用できる。但し、回転軸の回転方向が一定である事が条件となる。回転方向が不定(両方向回転)の機械装置の場合には、係止凹部の内側で係止突部が変位できる範囲で、保持凹部の内側で外輪が往復揺動し、嵌合部が摩耗する可能性がある為、本発明を実施する事は不適切である。
又、単列深溝型玉軸受の如きラジアル転がり軸受の組み付け方向が限定されない様に、或いは、ラジアル転がり軸受に対する外輪の組み付け方向が限定されない様に、この外輪の外周面の軸方向両端部に小径段部及び段差面を形成する事もできる。この場合、何れか一方の小径段部にのみ取付板を外嵌し、他方の小径段部はそのまま残す。勿論、この様な構造も、本件各発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0022】
1 回転軸
2、2a ラジアル転がり軸受
3 ハウジング
4 外輪軌道
5、5a 外輪
6 内輪軌道
7 内輪
8 玉
9 保持器
10 保持凹部
11、11a 取付板
12、12a 取付板付転がり軸受ユニット
13 小径段部
14 嵌合孔
15 通孔
16 段差面
17 係止凹部
18 係止突起
19 通孔
20 ねじ孔
21 取付ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジアル転がり軸受と取付板とを備え、
このうちのラジアル転がり軸受は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有し、この外輪と同心に配置した内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備え、前記外輪の軸方向一端部外周面に、この外輪の外径よりも小径の小径段部、及び、この小径段部の軸方向奥端部に設けられた段差面を形成したものであり、
前記取付板は、外径寄り部分の円周方向複数箇所に取付ねじを挿通若しくは螺合させる為の取付孔を、中央部に嵌合孔を、それぞれ備えたものであり、
この嵌合孔に前記外輪に形成した小径段部を内嵌した状態に組み合わせ、この外輪を保持部材の保持凹部に締り嵌めで内嵌した状態で、前記各取付孔とこの保持部材の一部でこれら各取付孔と整合する複数箇所に形成した第二取付孔とに挿通若しくは螺合した各取付ねじの締め付けに伴って、前記取付板の軸方向片面のうちの前記嵌合孔周囲部分で前記段差面を軸方向に押圧する取付板付転がり軸受ユニットに於いて、
前記外輪の外周面の一部で、軸方向に関して前記小径段部に隣接する部分に、前記段差面に開口する係止凹部が、円周方向の一部にのみ設けられており、前記取付板の軸方向片面で前記嵌合孔の外周縁部分にこの軸方向片面から軸方向に突出する、周方向に関する幅寸法が前記係止凹部の同方向に関する幅寸法よりも小さい係止突起が形成されており、前記取付板を前記小径段部に外嵌した状態で、前記係止凹部とこの係止突起とを係合させて、前記取付板と前記外輪とが、前記幅寸法の差に見合う角度のみ相対回転を可能とした事を特徴とする取付板付転がり軸受ユニット。
【請求項2】
前記係止凹部が前記外輪の外周面の1乃至複数箇所に設けられており、この係止凹部の円周方向に関する幅の合計値が、中心角に換算して36度以下である、請求項1に記載した取付板付転がり軸受ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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