取引処理装置
【課題】 受取書の発行枚数に関するデータを、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分毎に容易に管理し、出力することができる取引処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明の取引処理装置1は、制御部30の制御のもと、取引内容を示す取引データを取得し、取得した取引データに基づいて、受取書データを生成し、生成した受取書データに基づいて受取書の発行を制御する。発行された受取書の枚数示す受取書発行枚数データは、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に、記憶部31に記憶される。受取書発行枚数データは、発行された受取書の受取書発行日情報と、受取金額情報とに基づいて、更新される。さらに取引処理装置は、受取書の発行枚数を、受取書の発行日毎に、かつ所定の受取金額区分毎に表示する受取書発行枚数集計表130を出力する。
【解決手段】 本発明の取引処理装置1は、制御部30の制御のもと、取引内容を示す取引データを取得し、取得した取引データに基づいて、受取書データを生成し、生成した受取書データに基づいて受取書の発行を制御する。発行された受取書の枚数示す受取書発行枚数データは、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に、記憶部31に記憶される。受取書発行枚数データは、発行された受取書の受取書発行日情報と、受取金額情報とに基づいて、更新される。さらに取引処理装置は、受取書の発行枚数を、受取書の発行日毎に、かつ所定の受取金額区分毎に表示する受取書発行枚数集計表130を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引において引渡しを受けた金銭または有価証券の受取金額が記載され、該受取金額に相当する印紙の貼付に代わる書式が表示される受取書を発行する取引処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば店舗または交通機関の窓口において、商品または乗車券等の売上代金として、顧客から金銭または有価証券(以下、あわせて「金銭等」という。)の引渡しを受けた場合、その金銭等を受領した業者は、顧客からの求めに応じて、領収書または納品書など、金銭等の受領事実の証明書類である受取書を発行する。
【0003】
かかる受取書のうち、受取書に記載された金銭等の受取金額が一定額以上のものは、印紙税法上の課税文書に該当する。この場合、受取書の作成者に対して、受取書に記載された受取金額に応じた印紙税が課税される。印紙税法上、売上代金に係る金銭等の受取書に関する印紙税の税率は、受取書に記載された受取金額に応じて区分されている。
【0004】
原則、受取金額に相当する額の収入印紙が受取書に貼付されるが、印紙税法上の特例として、受取書を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受けることによって、相当額の印紙を受取書に貼付することに代えて、財務省令で定める書式を受取書に表示した上で、金銭でその受取書に係る印紙税を納付することができる。
【0005】
この場合、受取書の作成者である納税義務者は、毎月その月中(課税文書が特定の日に多量に作成されることとされている場合は、その特定の日中)に作成した受取書に係る課税標準数量および納付すべき税額などを記載した印紙税納税申告書を、その翌月末日までに税務署に提出しなければならない。また、税務署の求めに応じて、過去の特定月日の課税標準数量などの申告が必要となる場合がある。
【0006】
従来の技術として、この印紙貼付に代わる書式が印字される受取書の発行に関する技術が存在する(たとえば、特許文献1。)。この従来の技術は、印紙の貼付に代わる書式を印字するPOS(Point of Sales)端末装置と、このPOS端末装置とデータ通信ラインで接続され、POS端末装置によって出力された売上データを取り込み、この売上データから、印紙貼付に代わる書式を印字した売上データのみを抽出し、この抽出した売上データから出力用データを作成して出力するホスト装置とを備えるものである。
【0007】
【特許文献1】特開平8−101976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の従来の技術によれば、印紙税納付の際に、印紙の貼付に代わる書式を印字したかどうかによって、抽出すべき売上データを識別して、抽出した売上データから出力用データを作成するが、発行された受取書の枚数を、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に対応する受取金額の区分毎に管理しないため、印紙税納税申告書を定期的に作成するにあたって、または特定の発行日に係る印紙税納税申告書を作成するにあたって、申告すべき受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分毎に整理された受取書の発行枚数に関するデータを容易に出力することができず、よって印紙税の申告を容易に行うことができないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、受取書の発行枚数に関するデータを、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分毎に容易に管理し、出力することができ、印紙税の申告を容易にする取引処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、取引において引渡しを受けた金銭または有価証券の受取金額が記載され、該受取金額に相当する印紙の貼付に代わる書式が表示される受取書を発行するとともに、その受取書に関するデータを管理する取引処理装置において、
取引内容を示す取引データを取得する取引データ取得手段と、
前記取引データ取得手段によって取得された取引データに基づいて、発行されるべき受取書の発行日を示す受取書発行日情報と、その受取書に記載されるべき受取金額を示す受取金額情報とを含む受取書データを生成する受取書データ生成手段と、
前記受取書データ生成手段によって生成された前記受取書データに基づいて受取書の発行を制御する受取書発行制御手段と、
前記受取書発行制御手段の制御のもと発行された受取書の枚数を示す受取書枚数データを、前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に、記憶する受取書発行枚数データ記憶手段と、
発行された受取書に対応する前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを更新する受取書発行枚数管理手段と、
前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを抽出する受取書発行枚数データ抽出手段と、
前記受取書発行枚数データ抽出手段によって抽出された前記受取書発行枚数データに基づいて、受取書の発行日毎に、かつ前記受取金額区分毎に、発行された受取書の枚数を表示する受取書発行枚数集計表を出力する受取書発行枚数集計表出力手段とを含むことを特徴とする取引処理装置である。
【0011】
また本発明は、前記受取金額区分は、複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分を含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記受取書データは、受取書を識別することができる受取書識別情報をさらに含み、
前記複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分に含まれる受取金額が記載された受取書に対応する前記受取書データに含まれる前記受取金額情報と前記受取書識別情報とを、特定区分受取書データとして記憶する特定区分受取書データ記憶手段と、
前記特定区分受取書データ記憶手段によって記憶された前記特定区分受取書データを抽出する特定区分受取書データ抽出手段と、
前記特定区分受取書データ抽出手段によって抽出された前記特定区分受取書データを出力する特定区分受取書データ出力手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記受取書発行日情報と、前記所定の受取金額区分を示す受取金額区分情報との入力を受け付ける受取書データ入力手段をさらに含み、
前記受取書発行枚数管理手段は、
前記受取書データ入力手段によって入力された前記受取書発行日情報と前記受取金額区分情報とに基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、発行された受取書が不課税文書に該当するか否かを判断する不課税文書判断手段と、
前記不課税文書判断手段によって不課税文書に該当すると判断された受取書の枚数を示す不課税文書発行枚数データを記憶する不課税文書発行枚数データ記憶手段と、
前記不課税文書判断手段によって、発行された受取書が不課税文書に該当すると判断される毎に、前記不課税文書発行枚数データ記憶手段によって記憶される前記不課税文書発行枚数データを更新する不課税文書発行枚数管理手段とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発行された受取書の枚数を、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に記憶し、かつ管理することができる。また、印紙税額区分別の受取書の発行枚数を申告すべき受取書の発行日毎に表示する受取書発行枚数集計表として出力することできる。これによって、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分毎に整理された受取書の発行枚数に関するデータを、容易に出力することができる。こうして、印紙税の納付の申告を容易に行うことができ、また、特定の発行日の受取書発行枚数を、容易に確認することが可能となる。
【0016】
また本発明によれば、受取金額区分は、複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分を含むので、複数の印紙税額区分に相当する受取書の発行枚数を示す受取書発行枚数データを、1つの受取金額区分で記憶して管理することができ、さらに出力することができる。これによって、各取引において作成されることが稀な、たとえば高額の受取金額が記載された、複数の印紙税額区分に相当する受取書の枚数を、1つの受取金額区分で一括して管理して出力することができる。こうして、受取書の枚数管理を容易にすることができるとともに、受取書発行枚数データ記憶手段、および出力される受取書発行枚数集計表の構成を簡略化することができる。
【0017】
さらに本発明によれば、1つの受取金額区分が対応する複数の印紙税額区分に相当する受取書に対応する受取金額情報および受取書識別情報を記憶し、抽出し、かつ出力することができる。異なる印紙税額区分に相当する受取書の枚数が、1つの受取金額区分で混在して管理されることがあっても、出力結果を参照すれば、該当する受取書を特定することができるとともに、受取書個々の受取金額を容易に把握することができる。
【0018】
さらにまた本発明によれば、受取書発行日情報と受取金額区分情報とを入力することができ、入力された受取書発行日情報と受取金額区分情報に基づいて、受取書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することができる。これによって、たとえば受取書の発行後に取引自体の解除、または受取書の誤発行等を理由として受取書を取り消す場合、受取書の取消を、記憶されている受取書の発行枚数に反映させることが可能となる。
【0019】
さらにまた本発明によれば、発行されるべき受取書が、金銭または有価証券の受取書に該当しない文書、すなわち不課税文書に該当するか否かを判断することができ、不課税文書に該当すると判断された受取書の発行枚数を管理することができる。これによって、不課税文書、たとえばクレジットカードによって支払を受けて発行した領収書の枚数を別途管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の実施の一形態である取引処理装置1の適用例を示す図である。なお、本実施の形態では、鉄道交通機関の駅窓口における乗車券等の売買取引に、本発明の取引処理装置1を適用した場合として説明する。
【0021】
取引処理装置1は、乗車券等の発券処理を実行する発券処理装置であるマルス(登録商標)端末装置2と、領収書、領収書控えおよび取引記録などを印字するプリンタ3と、現金の入出金処理を実行する入出金処理装置4とに、それぞれケーブル5a,5b,5cを介して接続される。マルス端末装置2は、マルス端末装置2の制御のもと乗車券等の発券動作を行う発券機6に、ケーブル5dを介して接続される。
【0022】
以下、取引処理装置1を用いた基本的な取引の流れについて説明する。駅員は、顧客から、たとえば指定席券の注文を受けると、マルス端末装置2を操作して、指定席券の空席情報を確認し、注文された指定席券が空席であった場合は、発券処理を実行させる。マルス端末装置2の発券処理が実行されると、発券機6は、マルス端末装置2の制御のもと、所望の指定席券の発券動作を行う。
【0023】
次いで、マルス端末装置2は、指定席券の売上代金を示す売上代金情報などの取引データを、取引処理装置1に伝送して入力する。駅員が、顧客から、売上代金として現金を預かった場合、駅員は、入出金処理装置4に設けられる入金口7にその預かった現金、すなわち預り金を入金する。駅員によって取引処理装置1が操作されて、入金した預り金の金額を示す預り金額情報が、取引処理装置1に入力される。取引処理装置1は、マルス端末装置2から取得した売上代金情報と、預り金額情報とを対比して、釣銭金額を計算し、釣銭がある場合は、釣銭を出金するように入出金処理装置4を制御する。釣銭は、入出金処理装置4に設けられる釣銭出金口8から出金される。
【0024】
顧客から駅員に対して、領収書の発行が要求されると、駅員は、取引処理装置1を操作して、領収書の発行処理を実行させる。取引処理装置1の領収書発行処理が実行されると、プリンタ3は、取引処理装置1の制御のもと、領収金額および印紙の貼付に代わる書式などを領収書および領収書控えに印字する。
【0025】
図2(a)は、プリンタによって印字された領収書10の一例を示す図であり、図2(b)は、プリンタによって印字された領収書控え11の一例を示す図である。領収書10は、図2(a)に示すとおり、領収書識別番号の表示領域12と、駅識別番号の表示領域13と、窓口識別番号の表示領域14と、領収書の受取人欄の表示領域15と、領収金額の表示領域16と、但し書品目の表示領域17と、領収書の発行年月日の表示領域18と、印紙の貼付に代わる書式の表示領域19とを含んで構成される。領収書控え11は、図2(b)に示すとおり、領収書10に表示される各表示領域12〜19に加えて、領収書控えであることを示す表示領域20と、領収書の発行日およびその時刻の表示領域21とをさらに含んで構成される。また、クレジットカード支払の際に発行されるクレジット扱い領収書およびその領収書控え(図示しない)は、クレジットカード支払であることを示す表示領域をさらに含んで構成される。
【0026】
図3は、図1に示す取引処理装置1の構成を示すブロック図である。取引処理装置1は、取引処理装置1全体とプリンタ3および入出金処理装置4などの周辺機器とを制御する制御部30と、制御部30が実行するプログラムおよび取引データなどの各種データを記憶する記憶部31と、操作者からの入力を受け付けるキーボード32と、駅員カードから駅員識別番号を読取るカードリーダ33と、各種処理画面を表示する液晶ディスプレイで構成される表示部34と、現在の日付および時刻を計時する時計部35とを含んで構成される。
【0027】
駅員カードは、取引処理装置1を用いて実行される処理を担当する駅員にそれぞれ与えられる、磁気テープを備えた合成樹脂製のカードであり、駅員識別番号を記憶している。駅員識別番号は、駅員を識別するための番号であって、各駅員に与えられる異なる番号である。取引処理装置1は、駅員カードに記憶された駅員識別番号を、カードリーダ33によって読取ることによって、キーボード32の操作を可能とするように設定される。
【0028】
制御部30は、後述するように、主として、売上処理と、クレジット扱い領収書発行処理と、領収書枚数データテーブル更新処理と、廃札処理と、領収書印字再実行処理と、領収書発行枚数集計表出力処理とを実行する。
【0029】
記憶部31には、制御部が実行するプログラムと、領収書などの各種フォーマットと、取引処理装置1が設置される駅を識別するための駅識別番号と、取引処理装置1が設置される駅の窓口を識別するための窓口識別番号と、各駅員識別番号に対応する駅員の氏名を示す駅員氏名情報と、各取引の取引記録を示す取引記録データと、発行された各領収書に関する領収書データと、区分情報テーブル40と、第1領収書枚数データテーブル41と、特定区分領収書データテーブル42と、第2領収書枚数データテーブル43が記憶される。記憶部31に記憶される取引記録データ、領収書データ、区分情報テーブル40、第1領収書枚数データテーブル41、特定区分領収書データテーブル42、および第2領収書枚数データテーブル43は、暦月別、すなわち毎月1日から末日までの期間別に記憶される。記憶部31はまた、各種データを一時記憶するためのメモリ(図示しない)を含んで構成される。
【0030】
取引記録データには、売上金額を示す売上金額情報と、売上商品の品目および数量などを示す売上商品情報と、預り金額を示す預り金額情報と、釣銭金額を示す釣銭金額情報と、売上処理の日付および時刻を示す売上処理日時情報とが含まれる。本実施の形態において、売上商品として、たとえば乗車券、指定席券、定期券、プリペードカードが含まれる。
【0031】
領収書データには、領収書識別番号と、領収書に記載される領収金額を示す領収金額情報と、領収書の但し書品目表示領域に記載される売上商品の品目を示す但し書品目情報と、領収書の発行日を示す領収書発行日情報と、領収書の発行時刻を示す領収書発行時刻情報と、売上代金がクレジットカードによって支払われたことを示すクレジットカード支払フラグとが含まれる。領収書識別番号は、取引処理装置1の制御のもと発行される各領収書に与えられる通し番号であり、暦月毎にリセットされる。クレジットカード支払フラグには、クレジットカード扱い領収書が発行される場合、「1」がセットされるように構成される。
【0032】
図4は、区分情報テーブル40の一例を示す図である。区分情報テーブル40には、領収書に記載される領収金額の区分、および不課税文書であるクレジットカードによる支払形態が、各区分情報に対応付けて記憶される。領収金額の区分は、印紙税額の区分に基づいて予め定められる。また、領収金額の区分のうち1つの区分は、複数の印紙税額の区分に対応するように予め定められる。本実施の形態においては、非課税である3万円未満の領収金額が区分1を、相当する印紙税額が200円である3万円以上100万円以下の領収金額区分が区分2を、相当する印紙税額が400円である100万円を超え200万円以下の領収金額が区分3を、相当する印紙税額が600円〜20万円である200万円を超える領収金額が区分4を、不課税文書であるクレジットカードによる支払形態が区分5をそれぞれ示すように、対応付けて記憶されている。区分情報テーブル40を参照して、各区分情報から、領収書に記載された領収金額の区分、または領収書がクレジットカード扱い領収書であることを識別することができる。
【0033】
図5(a)は、第1領収書枚数データテーブル41の一例を示す図であり、図5(b)は、特定区分領収書データテーブル42の一例を示す図であり、図5(c)は、第2領収書枚数データテーブル43の一例を示す図である。図5(a)に示すように、第1領収書枚数データテーブル41には、区分情報テーブル40に記憶される区分情報のうち区分1〜4にそれぞれ対応する領収金額が記載された領収書の発行枚数P,Q,R,Sを示す領収書発行枚数データが、各領収書の領収書発行日情報と、区分情報とにそれぞれ対応付けて記憶される。すなわち、第1領収書枚数データテーブル41においては、マトリクス状の多数の記憶領域が設けられ、各記憶領域は、領収書の各発行日に、かつ各区分1〜4に関連付けられる。
【0034】
本実施の形態においては、前述の区分情報テーブル40に示すとおり、区分4は、200万円を超える領収金額が記載された領収書と対応している。200万円を超える領収金額が記載された領収書は、印紙税法上、複数の印紙税額区分に相当し得るが、本実施の形態においては、複数の印紙税額区分に相当する領収書の発行枚数を示す領収書発行枚数データを、1つの領収金額区分で記憶する。これによって、取引において作成されることが稀な高額の領収金額が記載された領収書の枚数を、1つの領収金額区分で一括して管理することができる。これによって、領収書の枚数管理を容易にすることができるとともに、第1領収書枚数データテーブル41、およびこれに基づいて出力される後述の領収書発行枚数集計表130の構成を簡略化することができる。
【0035】
特定区分領収書データテーブル42には、図5(b)に示すように、区分4に対応する領収書の領収書識別番号44と、その領収書識別番号44に対応する領収金額情報45とが、互いに対応付けて記憶される。これによって、印紙税納税の申告時において、これらのデータを抽出し、出力した結果を参照すれば、異なる印紙税額区分に相当する領収書の枚数が、1つの領収金額区分で混在して管理されることがあっても、該当する領収書を特定することができるとともに、領収書個々の領収金額を容易に把握することができる。
【0036】
第2領収書枚数データテーブル43は、図5(c)に示すように、区分情報テーブルに記憶される区分情報のうち区分5に対応する領収書の発行枚数Tを示す不課税文書発行枚数データと、後述する廃札処理によって取り消された領収書の枚数Uを示す廃札枚数データと、廃札処理後に領収書の印字が再度実行された件数Vを示す再実行件数データとを記憶する。
【0037】
図6は、図3に示すキーボード32のキー配置を示す図である。図6に示すように、キーボード32は、領収書プリントキー50、方向指示キー51、確認/完了キー52、受信キー53、実行キー54、紙幣キー55、硬貨キー56、ギフト券キー57、小切手キー58、置数入力キー59等の各種キーを備える。
【0038】
図7は、取引処理装置1の制御部30が実行する売上処理の流れを示すフローチャートである。売上処理は、マルス端末装置2による発券処理の終了後、取引処理装置1のキーボード32を操作して入力される売上処理開始の入力に応じて、開始される。
【0039】
まず、キーボード32の受信キー53が押下されると(ステップa1)、制御部30は、マルス端末装置2から、売上金額情報および売上商品情報を含む取引データを取得する(ステップa2)。顧客から売上代金として現金が引き渡され、受領した現金が入出金処理装置4の入金口7に投入された後、操作者によるキーボード32の操作によって、預り金金額情報が入力されると(ステップa3)、制御部30は、入力された預り金金額情報と、売上金額情報とを比較して、釣銭金額を計算した上で、後述する売上処理中画面60を表示部34に表示させる(ステップa4)。操作者によってキーボード32の確認/完了キー52が押下されると(ステップa5)、制御部30は、釣銭があるか否かを判断し(ステップa6)、釣銭があると判断した場合(ステップa6のYES)、すなわち計算した釣銭金額が1円以上の場合、計算した釣銭金額を、釣銭金額情報として生成し、この釣銭金額情報に基づいて、入出金処理装置4に対して、釣銭の出金指示を与える(ステップa7)。入出金処理装置4は、制御部30からの指示を受けて、釣銭金額情報に基づいて釣銭の出金処理を実行する。ステップa7の後、またはステップa6において釣銭がないと判断した場合(ステップa6のNO)、すなわち計算した釣銭金額が0円の場合、制御部30は、入出金処理装置4に預り金の収納指示を与える(ステップa8)。
【0040】
次いで、制御部30は、領収書の発行に備えて、領収書データを生成して、生成した領収書データを記憶部31に記憶する(ステップa9)。領収書データは、制御部30による制御のもと、マルス端末装置2から取得した売上金額情報および売上商品情報に基づいて、領収金額情報および但し書品目情報をそれぞれ生成し、時計部35の計時する日付および時刻をそれぞれ領収書発行日情報および領収書発行時刻情報として生成し、記憶部31から直近に発行された領収書の領収書識別番号を抽出し、抽出した領収書識別番号に1を加算した番号を、領収書識別番号として生成することによって、生成される。
【0041】
ここで、制御部30は、領収書の印字指示があるか否かを判断する(ステップa10)。すなわち、制御部30は、売上処理が開始され、領収書データの生成および記憶が行われるまでに、操作者によってキーボード32の領収書プリントキー50が押下された場合、領収書の印字指示があると判断する。制御部30は、領収書の印字指示があると判断した場合(ステップa10のYES)、記憶部31から、ステップa9において生成された領収書データ、駅識別番号および窓口識別番号などを抽出し、抽出されたこれらのデータに基づいて、プリンタ3に対して、領収書の印字指示を与える(ステップa11)。プリンタ3は、制御部3からの領収書の印字指示を受けて、領収書データ、駅識別番号および窓口識別番号などに基づいて、図2(a)および図2(b)に示すような領収書10およびその控え11を印字する。プリンタ3に領収書の印字指示を与えた後、制御部30は、後述する領収書枚数データテーブル更新処理を実行する(ステップa12)。
【0042】
領収書枚数データテーブル更新処理の終了後、またはステップa10において、領収書の印字指示がないと判断した場合(ステップa10のNO)、制御部30は、取引記録データを生成し、記憶部31から、駅識別番号、窓口識別番号、駅員識別番号および駅員氏名情報を抽出し、これらのデータに基づいて、プリンタ3に対して、取引記録の印字指示を与える(ステップa13)。取引記録データは、制御部の制御のもと、マルス端末装置2から取得した売上金額情報および売上商品情報と、キーボード32を操作して入力された預り金額情報と、釣銭金額情報と、時計部35によって計時された現在の日付および時刻を示す売上処理日時情報とを含むように生成される。プリンタ3は、制御部30からの取引記録の印字指示を受けて、取引記録データ、駅識別番号、窓口識別番号、駅員識別番号および駅員氏名情報に基づいて、後述する取引記録を印字する。プリンタ3に取引記録の印紙指示を与えた後、制御部30は、取引記録データを、記憶部31に記憶する(ステップa14)。
【0043】
このとき、いまだ領収書の発行処理を実行していない場合、キーボード32の領収書プリントキー50を押下して、領収書の発行を行うことができるように構成される。制御部30が、領収書プリントキー50が押下されたと判断した場合(ステップa15のYES)、制御部30は、プリンタ3に対して、領収書の印字指示を与え(ステップa16)、領収書枚数データテーブル更新処理を実行する(ステップa17)。これらのステップa16,a17の内容は、ステップa11,a12とそれぞれ共通するので重複する説明を省略する。ステップa15において制御部30が、領収書プリントキー50が押下されないと判断した場合(ステップa15のNO)、またはステップa17において領収書枚数データテーブル更新処理が終了した後、売上処理は、終了する。
【0044】
図8は、表示部34によって表示される売上処理中画面60を示す図である。図8に示すように、売上処理中画面60は、預り金金額の表示領域61と、売上商品の数量および売上金額の表示領域62と、釣銭金額の表示領域63と、「確認/完了」の表示領域64と、現在の日付および時刻の表示領域65と、売上年月日の表示領域66と、窓口識別番号の表示領域67と、駅識別番号の表示領域68とを含んで構成される。
【0045】
図9は、プリンタ3によって印字された取引記録70の一例を示す図である。図9に示すように、印字された取引記録70は、売上処理の日付および時刻の表示領域71と、駅識別番号の表示領域72と、窓口識別番号の表示領域73と、駅員識別番号の表示領域74と、駅員氏名の表示領域75と、売上金額の表示領域76と、売上商品の品目および数量の表示領域77と、預り金金額の表示領域78と、預り金の金種とその数量とを表示する表示領域79と、釣銭金額の表示領域80とを含んで構成される。
【0046】
図10は、取引処理装置1の制御部30が実行するクレジット扱い領収書発行処理の流れを示すフローチャートである。クレジット扱い領収書発行処理は、マルス端末装置2による発券処理の終了後、取引処理装置1のキーボード32を操作して入力されるクレジット扱い領収書発行処理開始の入力に応じて、開始される。
【0047】
まず、キーボード32の受信キー53が押下されると(ステップb1)、制御部30は、マルス端末処理装置2から、売上金額情報と売上商品情報とを取得する(ステップb2)。次いで、制御部30は、取得した売上金額情報と売上商品情報とを表示する発行処理画面を表示部34に表示させ(ステップb3)、操作者によるキーボード32の確認/完了キー52の入力を待機する。
【0048】
操作者によってキーボード32の確認/完了キー52が押下されると(ステップb4)、制御部30は、領収書データを生成し、生成した領収書データを記憶部31に記憶する(ステップb5)。領収書データは、制御部30の制御のもと、売上処理について前述した各種データを生成するとともに、クレジットカードフラグに「1」をセットすることによって、生成される。
【0049】
その後、制御部30は、記憶部31から、ステップb5において生成された領収書データ、駅識別番号、窓口識別番号および駅員識別番号などを抽出して、プリンタ3に対して、これらのデータに基づいて、領収書の印字指示を与える(ステップb6)。プリンタ3は、制御部30からの領収書の印字指示を受けて、制御部30の制御のもと、領収書データ、駅識別番号、窓口識別番号および駅員識別番号などに基づいて、領収書およびその控えを印字する。また、領収書には、クレジットカードによって支払われたことを示す表示が印字される。
【0050】
プリンタ3に領収書の印字指示を与えた後、制御部30は、後述する領収書枚数データテーブル更新処理を実行する(ステップb7)。領収書枚数データテーブル更新処理が終了した後、クレジット扱い領収書発行処理は、終了する。
【0051】
図11は、取引処理装置1の制御部30が実行する領収書枚数データテーブル更新処理の流れを示すフローチャートである。この領収書枚数データテーブル更新処理は、前述の売上処理またはクレジット扱い領収書発行処理において、制御部30がプリンタ3に対して領収書の印字指示を行った後に開始される。
【0052】
まず、制御部30は、発行された領収書が、クレジットカード扱いであるか否かを判断する(ステップc1)。すなわち、制御部30は、記憶部31に記憶された領収書データに含まれるクレジットカードフラグに「1」がセットされているか否かを判断する。発行された領収書がクレジットカード扱いであると判断した場合(ステップc1のYES)、制御部30は、記憶部31の第2領収枚数データテーブル43から不課税文書発行枚数データを抽出し、抽出された不課税文書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Tに1を加算して、不課税文書発行枚数データを更新する(ステップc2)。
【0053】
ステップc1において、発行された領収書がクレジットカード扱いでないと判断した場合(ステップc1のNO)、制御部30は、発行された領収書に記載された領収金額が、3万円未満であるか否かを判断する(ステップc3)。すなわち、制御部30は、記憶部31から発行された領収書に対応する領収書データを抽出し、抽出された領収書データに含まれる領収金額情報が示す領収金額が、3万円未満であるか否かを判断する。発行された領収書に記載された領収金額が、3万円未満であると判断した場合(ステップc3のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分1に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Pに1を加算して、領収書発行枚数データを更新する(ステップc4)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0054】
ステップc3において、発行された領収書に記載された金額が3万円未満でないと判断した場合(ステップc3のNO)、制御部30は、発行された領収書に記載された領収金額が、100万円以下であるか否かを判断する(ステップc5)。すなわち、制御部30は、記憶部31から発行された領収書に対応する領収書データを抽出し、抽出された領収書データに含まれる領収金額情報が示す領収金額が、100万円以下であるか否かを判断する。発行された領収書に記載された領収金額が、100万円以下であると判断した場合(ステップc5のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分2に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Qに1を加算して、領収書発行枚数データを更新する(ステップc6)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0055】
ステップc5において、発行された領収書に記載された金額が100万円以下でないと判断した場合(ステップc5のNO)、制御部30は、発行された領収書に記載された領収金額が、200万円以下であるか否かを判断する(ステップc7)。すなわち、制御部30は、記憶部31から発行された領収書に対応する領収書データを抽出し、抽出された領収書データに含まれる領収金額情報が示す領収金額が、200万円以下であるか否かを判断する。発行された領収書に記載された領収金額が、100万円以下であると判断した場合(ステップc7のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分3に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Rに1を加算して、領収書発行枚数データを更新する(ステップc8)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0056】
ステップc7において、発行された領収書に記載された金額が200万円以下でないと判断した場合(ステップc7のNO)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分4に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Sに1を加算して、領収書発行枚数データを更新するとともに、領収書データに含まれる領収書金額情報と領収書識別番号とを、記憶部31の特定区分領収書データテーブル42に書き込む(ステップc9)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0057】
図12は、取引処理装置1の制御部30が実行する廃札処理の流れを示すフローチャートである。廃札処理は、取引処理装置1のキーボード32を操作して入力される廃札処理開始の入力に応じて、開始される。
【0058】
まず、制御部30は、後述する廃札処理画面90を表示部34に表示させ(ステップd1)、操作者による領収書発行日情報および区分情報の入力を待機する。このとき、制御部30は、時計部35が計時する現在の日付を取得し、この日付を廃札処理画面90に表示させる。これによって、同日に発行された領収書の廃札処理を実行する場合は、領収書発行日情報の手入力を省略することができる。区分情報と、必要に応じて領収書発行日情報とがキーボード32によって入力され、キーボード32の実行キーが押下されると(ステップd2)、制御部30は、入力された区分情報が区分1〜3のいずれかであるか否かを判断する(ステップd3)。入力された区分情報が区分1〜3のいずれかであると判断した場合(ステップd3のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、入力された領収書発行日情報に対応し、かつ入力された区分情報に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数P、QまたはRが1枚以上であるか否かを判断する(ステップd4)。領収書の発行枚数P、QまたはRが1枚以上であると判断した場合(ステップd4のYES)、後述する領収金額区分表示画面91を表示部に表示させ(ステップd5)、キーボード32の確認/完了キー52の入力を待機する。キーボード32の確認/完了キー52が入力されると(ステップd6)、制御部30は、後述する確認画面92を表示部34に表示させる(ステップd7)。ステップd4において、領収書の発行枚数P、QまたはRが0枚であると判断した場合(ステップd4のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させるとともに、ステップd1に戻る。
【0059】
ステップd3において、入力された区分情報が区分1〜3のいずれでもないと判断した場合(ステップd3のNO)、制御部30は、入力された区分情報が区分4であるか否かを判断する(ステップd8)。入力された区分情報が区分4であると判断した場合(ステップd8のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、入力された領収書発行日情報に対応し、かつ区分4に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Sが1枚以上であるか否かを判断する(ステップd9)。領収書の発行枚数Sが1枚以上であると判断した場合(ステップd9のYES)、制御部30は、後述する金額入力画面93を表示部34に表示させ(ステップd10)、操作者による領収金額情報の入力を待機する。操作者によって領収金額情報が入力され、キーボード32の実行キー54が押下されると(ステップd11)、制御部30は、入力された領収金額情報を、記憶部30の特定区分領収書データテーブル42から検索し、特定区分領収書データテーブル42に記憶されているか否かを判断する(ステップd12)。入力された領収金額情報が、特定区分領収書データテーブル42に記憶されていると判断した場合(ステップd12のYES)、制御部30は、後述する確認画面94を表示部34に表示させる(ステップd7)。ステップd9において、領収書の発行枚数Sが0枚であると判断した場合(ステップd9のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させるとともに、ステップd1に戻る。ステップd12において、入力された領収金額情報が、特定区分領収書データテーブル42に記憶されていないと判断した場合(ステップd12のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させるとともに、ステップd1に戻る。
【0060】
ステップd8において、入力された区分情報が区分4ではないと判断した場合(ステップd8のNO)、制御部30は、入力された区分情報が区分5であるか否かを判断する(ステップd13)。入力された区分情報が区分5であると判断した場合(ステップd13のYES)、制御部30は、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から、不課税文書発行枚数データを抽出し、抽出された不課税文書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Tが1枚以上であるか否かを判断する(ステップd14)。領収書の発行枚数Tが1枚以上であると判断した場合(ステップd14のYES)、制御部30は、後述する確認画面92を表示部34に表示させる(ステップd7)。ステップd13において、入力された区分情報が区分5でないと判断した場合(ステップd13のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させ、ステップd1に戻る。ステップd14において、領収書の発行枚数Tが0枚であると判断した場合(ステップd14のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させ、ステップd1に戻る。
【0061】
ステップd7において、操作者は、キーボード32の方向指示キー51を操作して、確認画面92,94の「はい」または「いいえ」の表示領域95,96にカーソルを合わせ、キーボード32の実行キー54を押下することができる。制御部30は、「はい」が実行されたか、あるいは「いいえ」が実行されたかを判断する(ステップd15)。「はい」が実行されたと判断した場合(ステップd15の「はい」)、制御部30は、プリンタ3に対して、処理結果の印字指示を与える(ステップd16)。「いいえ」が実行されたと判断した場合(ステップd15の「いいえ」)、ステップd1に戻る。プリンタ3によって印字される処理結果には、入力された区分情報および領収書発行日情報などを表示する表示領域が設けられる。
【0062】
ステップd16において処理結果の印字指示を与えた後、制御部30は、第1領収書枚数データテーブル41、特定区分領収書データテーブル42および第2領収書枚数データテーブル43を更新する(ステップd17)。すなわち、ステップd2において入力された区分情報が区分1〜3の場合、制御部30は、ステップd4において抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数P,Q,Rから1を減算し、記憶部30の第2領収書枚数データテーブル43から廃札枚数データを抽出して、抽出された廃札枚数データが示す廃札処理が実行された領収書の枚数Uに1を加算する。その後、廃札処理は、終了する。
【0063】
ステップd2において入力された区分情報が区分4の場合、制御部30は、ステップd7において抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Sから1を減算し、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から廃札枚数データを抽出して、抽出された廃札枚数データが示す廃札処理が実行された領収書の枚数Uに1を加算する。また、制御部30は、ステップd11において入力された領収金額情報に基づいて、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から同一の領収金額情報を検索し、この領収金額情報と、この領収金額情報に対応する領収書識別番号とを削除する。その後、廃札処理は、終了する。
【0064】
ステップd2において入力された区分情報が区分5の場合、制御部30は、ステップd14において抽出された不課税文書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Tから1を減算し、記憶部30の第2領収書枚数データテーブル43から廃札枚数データを抽出して、抽出された廃札枚数データが示す廃札処理が実行された領収書の枚数Uに1を加算する。その後、廃札処理は、終了する。
【0065】
図13は、図12の廃札処理において表示部34に表示される各種処理画面90〜94を示す。図13(a)は、図12のステップd1において表示される廃札処理画面90を示し、現在の日付および時刻の表示領域97と、売上処理日付の表示領域98と、領収書日付の表示領域99を、区分情報の表示領域100と、各区分情報と各領収金額区分または支払形態とを対応付けてなる区分対応表の表示領域101と、駅識別番号の表示領域102と、窓口識別番号の表示領域103と、「実行」の表示領域104とを含んで構成される。図13(a)の領収書日付の表示領域99には、前述のとおり、現在の日付が予め表示されている。操作者は、キーボード32の方向指示キー51を操作して、領収書日付の表示領域99にカーソルを合わせて、適宜日付を入力することができる。
【0066】
図13(b)は、図12のステップd2において区分情報として「3」が入力され、実行キー54が押下された後に表示される領収金額区分表示画面91を示し、図13(a)に示す廃札処理画面90の区分情報の表示領域100の右方に、入力された区分情報に対応する領収金額区分の表示領域105をさらに表示するように構成される。また、図13(a)に示す廃札処理画面90の「実行」の表示領域104に代えて、「確認/完了」の表示領域106が設けられる。なお、図12のステップd2において区分情報として「5」が入力され、実行キー54が押下された場合は、領収金額区分の表示領域105に代えて、支払形態がクレジットによる支払であることを示す表示領域(図示しない)が表示される。
【0067】
図13(c)は、図12のステップd6において確認/完了キー52が押下された後に表示される確認画面92を示し、現在の日付および時刻の表示領域107と、売上処理の日付の表示領域108と、「廃札してよろしいですか?」のメッセージの表示領域109と、領収書日付の表示領域110と、領収金額区分の表示領域111と、「いいえ」の表示領域95と、「はい」の表示領域96と、「実行」の表示領域112とを含んで構成される。
【0068】
図13(d)は、図12のステップd2において区分情報として「4」を入力し、実行キー54が押下された後に表示される金額入力画面93を示し、図13(a)に示す廃札処理画面90の区分情報の表示領域99の右方に、入力されるべき領収金額の表示領域113をさらに表示するように構成される。また、図13(a)に示す廃札処理画面90の「実行」の表示領域104に代えて、「確認/完了」の表示領域114が設けられる。図13(e)は、図12のステップd11において領収金額情報として「3,200,000」が入力され、実行キー54が押下された後の金額入力画面93を示す。
【0069】
図13(f)は、図12のステップd13において確認/完了キー52が押下された後に表示される確認画面94を示し、現在の日付および時刻の表示領域115と、売上処理日付の表示領域116と、「廃札してよろしいですか?」のメッセージの表示領域117と、領収書日付の表示領域118と、領収金額情報の表示領域119と、「いいえ」の表示領域95と、「はい」の表示領域96と、「実行」の表示領域120とを含んで構成される。
【0070】
以下においては、制御部30が実行する領収書印字再実行処理について説明する。領収書印字再実行処理は、操作者がキーボード32を操作して入力される領収書印字再実行処理開始の入力に応じて開始される。
【0071】
まず、操作者がキーボード32を操作して、印字を再実行すべき領収書の領収書識別番号が入力されると、制御部30は、記憶部31から、入力された領収書識別番号を含む領収書データを検索して抽出し、この抽出された領収書データを表示部34に表示させる。このとき、操作者は、キーボード32を操作して、表示された領収書データを訂正することができる。操作者によって領収書データが訂正され、キーボードの確認/完了キー52が押下されると、制御部30は、訂正された領収書データに基づいて記憶部31に記憶された領収書データを更新するとともに、プリンタ3に対し、訂正された領収書データなどに基づいて、領収書の印字指示を与える。その後、制御部30は、前述の領収書発行枚数データテーブル更新処理を実行する。また、制御部30は、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から、再実行件数データを抽出し、抽出された再実行件数データが示す再実行件数Vに1を加算して、再実行件数データを更新する。再実行件数データの更新後、領収書印字再実行処理は、終了する。
【0072】
なお、領収書印字再実行処理は、前述の売上処理または前述のクレジット扱い領収書発行処理において領収書印字指示が与えられたプリンタ3にエラー等が発生し、領収書が正常に印字されなかった場合、プリンタ30によって出力されたエラー等の解除を通知する信号を制御部30が検出した後にキーボード32の領収書プリントキー50が押下されることによって、開始されるように構成されてもよい。この場合、まず、制御部30は、記憶部31から、図7のステップa9または図10のステップb5において生成された領収書データなどを抽出し、これらのデータに基づいて、プリンタ3に、領収書の印字指示を再度与え、次いで、前述の領収書発行枚数データテーブル更新処理を実行し、前述のとおり再実行件数データを更新する。これによって、売上処理またはクレジット扱い領収書発行処理の流れの中で、領収書印字再実行処理を実行することができ、また、領収書識別番号の入力を省略することができる。
【0073】
以下においては、制御部30が実行する領収書発行枚数集計表出力処理について説明する。領収書発行枚数集計表出力処理は、操作者がキーボード32を操作して入力される領収書発行枚数集計表出力処理開始の入力に応じて開始される。
【0074】
まず、操作者がキーボード32を操作して、集計されるべき領収書の発行月を示す領収書発行月情報が入力されると、制御部30は、入力された領収書発行月情報に基づいて、記憶部31から、その領収書発行月情報に対応する第1領収書枚数データテーブルに記憶された領収書発行枚数データと、その領収書発行月情報に対応する特定区分領収書データテーブル42に記憶された領収金額情報および領収書識別番号と、その領収書発行月情報に対応する第2領収書枚数データテーブル43に記憶された不課税文書発行枚数データ、廃札枚数データおよび再実行件数データとを、検索して抽出する。次いで、制御部30は、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数P,Q,R,Sを、区分情報毎に、すなわち区分1〜4毎に合計する。
【0075】
その後、制御部30は、後述する領収書発行枚数集計表130を生成し、表示部34に表示させる。操作者がキーボード32を操作して入力される集計表印字の入力に応じて、制御部30は、プリンタ3に対して、領収書発行枚数集計表130の印字指示を与える。プリンタ3は、領収書発行枚数集計表130の印字指示を受けて、制御部30の制御のもと、領収書発行枚数集計表130を印字する。領収書発行枚数集計表130の印字指示後、領収書発行枚数集計表出力処理は終了する。
【0076】
図14は、領収書発行枚数集計表出力処理によって出力された領収書発行枚数集計表130を示す図である。図14に示すように、領収書発行枚数集計表130は、領収書発行枚数集計表出力処理の日付および時刻の表示領域131と、集計された領収書の発行月の表示領域132と、駅識別番号の表示領域133と、窓口識別番号の表示領域134と、駅員識別番号の表示領域135と、駅員の氏名の表示領域136と、領収書発行枚数P,Q,R,Sの表示領域137と、区分4に該当する領収書の領収書識別番号および領収金額情報の表示領域138と、不課税文書であるクレジットカード扱い領収書の発行枚数Tの表示領域139と、廃札枚数Uの表示領域140と、領収書の印字再実行件数Vの表示領域141とを含んで構成される。領収書発行枚数P,Q,R,Sの表示領域137は、多数のセルからなる表形式で構成され、各セルに表示される領収書発行枚数P,Q,R,Sは、対応する行の領収書発行日に対応し、対応する列の区分1〜4に対応する。また、領収書発行枚数P,Q,R,Sの表示領域137の最下行の各セルには、対応する列の区分1〜4と対応する、集計された領収書の発行月における領収書の合計発行枚数が表示される。
【0077】
以上のように、本実施の形態における取引処理装置1によれば、領収書発行枚数データが、記憶部30の第1領収書発行枚数データテーブル41において、その領収書の発行日に対応付けて、かつ領収金額区分に対応付けて記憶され、領収書の発行毎に更新されるように構成される。これによって、領収書の発行枚数P,Q,R,Sを、領収書の発行日毎に、かつ領収金額区分毎に記憶するとともに、領収書の発行毎に管理することができる。また、領収金額区分別の領収書の発行枚数P,Q,R,Sを、申告すべき領収書の発行日毎に表示する領収書発行枚数集計表130として出力することできる。これによって、領収書の発行日毎に、かつ領収金額区分毎に整理された領収書発行枚数データを、容易に出力することができる。こうして、印紙税の納付の申告を円滑に行うことができ、また、特定の発行日に係る領収書の発行枚数を容易に認識することが可能となる。
【0078】
また、本実施の形態における取引処理装置1によれば、発行された領収書がクレジットカード扱いの領収書か否かを判断し、クレジットカード扱いの領収書の発行枚数Tを、不課税文書発行枚数データとして記憶することができ、この不課税文書発行枚数データは、領収書の発行毎に更新されるように構成される。さらに、この不課税文書発行枚数データを、領収書発行枚数集計表130に含めて出力することができる。これによって、クレジットカード扱いの領収書の発行枚数Tを、課税対象の領収書の発行枚数P,Q,R,Sと区別して管理し、出力結果を参照して、容易に確認することが可能となる。
【0079】
さらに、本実施の形態における取引処理装置1によれば、領収書発行日情報と区分情報とが入力されることによって、入力された領収書発行日情報と区分情報とに基づいて、対応する領収書発行枚数データまたは不課税文書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することができる。これによって、たとえば領収書の発行後に取引の解除等を理由として領収書の発行を取り消した場合に、発行された領収書の廃札処理を、領収書の発行枚数の管理に反映させることが可能となる。
【0080】
また、本実施の形態における取引処理装置1によれば、廃札処理が実行された領収書の枚数Uを示す廃札枚数データが記憶され、廃札処理毎に更新されるように構成され、さらに、この廃札枚数データを、領収書発行枚数出力表130に含めて出力することができる。これによって、廃札処理が実行された領収書の枚数Uが異常であるか否かを確認するなどして、廃札処理を監視することができるので、不正な廃札処理を防止することができる。
【0081】
本実施の形態における取引処理装置1は、売上処理およびクレジットカード扱い領収書発行処理において、マルス端末装置2から、売上金額情報および売上商品情報が入力されることで、これらの情報を取得しているが、これらの情報を入力する取引データ入力手段を含んでもよく、たとえば、キーボード32を操作して売上金額情報および売上商品情報が手入力されることで、これらの情報を取得するように構成されてもよい。
【0082】
また、本実施の形態においては、売上処理の流れにおいて領収書発行処理が実行されるけれども、領収書発行処理のみを実行することを選択可能に構成されてもよい。この場合、領収書発行処理は、操作者がキーボード32を操作して入力される領収書発行処理開始の入力に応じて開始される。まず、操作者がキーボード32を操作して、取引データが入力されると、制御部30は、入力された取引データに基づいて、領収書データを生成し、この領収書データに基づいて、領収書の印字指示をプリンタ3に与え、その後、前述の領収書発行枚数データ更新処理を実行する。これによって、領収書発行機能を有しない取引処理装置において売上処理が実行された取引について、領収書の発行処理のみを実行することができ、これによって発行された領収書の発行枚数をも管理可能となる。
【0083】
また、本実施の形態においては、取引処理装置1は、マルス端末装置2、券売機6、プリンタ3および入出金処理装置4など各種周辺機器に接続され、担当する駅員の操作によって領収書が発行されるが、本発明は、これらの周辺機器の機能を内部機能として備え、各処理を自動化した自動券売機等の自動機器として適用することもできる。この場合、領収書が、駅員による操作を介さずに自動的に発行され、領収書の発行枚数などのデータを自動的に管理することができる。
【0084】
本実施の形態においては、廃札処理において、特定区分領収書データテーブル42に区分4に対応する領収書の領収金額情報が記憶されているか確認するために、廃札処理が実行されるべき領収書の領収金額情報を入力するように構成されるが、廃札処理が実行されるべき領収書の領収書識別番号を入力して、区分4に対応する領収書の領収書識別番号が記憶されているか確認するように構成されてもよい。
【0085】
本実施の形態においては、領収書発行枚数集計表出力処理において、領収書の発行月毎の領収書発行枚数集計表130を出力するように構成されるが、特定の領収書発行日の領収書発行枚数P,Q,R,Sを、領収金額区分毎に表示する集計表を出力するように構成されてもよい。この場合、特定の領収書発行日情報がキーボード32を用いて入力され、入力された領収書発行日情報に基づいて、対応する領収書発行枚数データを記憶部31から抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書発行枚数P,Q,R,Sを、領収金額区分毎に表示する領収書発行枚数集計表130を出力するように構成される。これによって、特定日の印紙税の納税申告が必要となった場合に、必要な情報だけ出力することが可能となる。
【0086】
本実施の形態においては、廃札処理において、廃札処理が実行された領収書の発行枚数Uを示す廃札枚数データが記憶され、管理されるように構成されているが、さらに、廃札処理が実行された各領収書の領収書識別番号が別途記憶され、管理されるように構成されてもよい。この場合、廃札処理を実行しようとする領収書の領収書識別番号が、キーボード32を用いて入力され、入力された領収書識別番号を、取消領収書識別番号として生成して、記憶部31に記憶し、領収書発行枚数集計表出力処理において、この取消領収書識別番号を、記憶部31から抽出して、領収書発行枚数集計表130に含めて出力するように構成される。これによって、廃札処理が実行された領収書を、領収書発行枚数集計表130を参照して特定することができ、廃札処理の監視をより確実に行うことができる。
【0087】
また、取引記録データは、取引記録に対応する領収書が発行されたことを示す領収書発行フラグを含むようにしてもよい。この場合、発行された領収書に対応する取引記録データの領収書発行フラグには、「1」がセットされるように構成される。これによって、たとえば取引自体の解除を行った場合、取引記録データの領収書発行フラグを参照することによって、廃札処理が必要かどうかを容易に確認することができる。
【0088】
本実施の形態においては、鉄道交通機関の駅窓口における乗車券等の売買取引において適用される取引処理装置1を説明したが、本発明は、あらゆる売買取引に適用することが可能であり、また、領収書のみならず、あらゆる売買代金に係る金銭または有価証券の受取書を発行する取引処置装置として適用することも可能である。たとえば、本発明は、店舗に設置されるPOSレジスタなどの電子式金銭登録機として適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の一形態である取引処理装置1の適用例を示す図である。
【図2】図2(a)は、領収書10の一例を示す図であり、図2(b)は、領収書控え11の一例を示す図である。
【図3】図1に示す取引処理装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】区分情報テーブル40の一例を示す図である。
【図5】図5(a)は、第1領収書枚数データテーブル41の一例を示す図であり、図5(b)は、特定区分領収書データテーブル42の一例を示す図であり、図5(c)は、第2領収書枚数データテーブル43の一例を示す図である。
【図6】図3に示すキーボード32のキー配置を示す図である。
【図7】取引処理装置1の制御部30が実行する売上処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】表示部34によって表示される売上処理中画面60を示す図である。
【図9】プリンタ3によって印字された取引記録70の一例を示す図である。
【図10】取引処理装置1の制御部30が実行するクレジット扱い領収書発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】取引処理装置1の制御部30が実行する領収書枚数データテーブル更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】取引処理装置1の制御部30が実行する廃札処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図12の廃札処理において表示部34に表示される各種処理画面90〜94を示す。
【図14】領収書発行枚数集計表出力処理によって出力された領収書発行枚数集計表130を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1 取引処理装置
30 制御部
31 記憶部
32 キーボード
33 カードリーダ
34 表示部
35 時計部
40 区分情報テーブル
41 第1領収書枚数データテーブル
42 特定区分領収書データテーブル
43 第2領収書枚数データテーブル
130 領収書発行枚数集計表
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引において引渡しを受けた金銭または有価証券の受取金額が記載され、該受取金額に相当する印紙の貼付に代わる書式が表示される受取書を発行する取引処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば店舗または交通機関の窓口において、商品または乗車券等の売上代金として、顧客から金銭または有価証券(以下、あわせて「金銭等」という。)の引渡しを受けた場合、その金銭等を受領した業者は、顧客からの求めに応じて、領収書または納品書など、金銭等の受領事実の証明書類である受取書を発行する。
【0003】
かかる受取書のうち、受取書に記載された金銭等の受取金額が一定額以上のものは、印紙税法上の課税文書に該当する。この場合、受取書の作成者に対して、受取書に記載された受取金額に応じた印紙税が課税される。印紙税法上、売上代金に係る金銭等の受取書に関する印紙税の税率は、受取書に記載された受取金額に応じて区分されている。
【0004】
原則、受取金額に相当する額の収入印紙が受取書に貼付されるが、印紙税法上の特例として、受取書を作成しようとする場所の所在地の所轄税務署長の承認を受けることによって、相当額の印紙を受取書に貼付することに代えて、財務省令で定める書式を受取書に表示した上で、金銭でその受取書に係る印紙税を納付することができる。
【0005】
この場合、受取書の作成者である納税義務者は、毎月その月中(課税文書が特定の日に多量に作成されることとされている場合は、その特定の日中)に作成した受取書に係る課税標準数量および納付すべき税額などを記載した印紙税納税申告書を、その翌月末日までに税務署に提出しなければならない。また、税務署の求めに応じて、過去の特定月日の課税標準数量などの申告が必要となる場合がある。
【0006】
従来の技術として、この印紙貼付に代わる書式が印字される受取書の発行に関する技術が存在する(たとえば、特許文献1。)。この従来の技術は、印紙の貼付に代わる書式を印字するPOS(Point of Sales)端末装置と、このPOS端末装置とデータ通信ラインで接続され、POS端末装置によって出力された売上データを取り込み、この売上データから、印紙貼付に代わる書式を印字した売上データのみを抽出し、この抽出した売上データから出力用データを作成して出力するホスト装置とを備えるものである。
【0007】
【特許文献1】特開平8−101976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の従来の技術によれば、印紙税納付の際に、印紙の貼付に代わる書式を印字したかどうかによって、抽出すべき売上データを識別して、抽出した売上データから出力用データを作成するが、発行された受取書の枚数を、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に対応する受取金額の区分毎に管理しないため、印紙税納税申告書を定期的に作成するにあたって、または特定の発行日に係る印紙税納税申告書を作成するにあたって、申告すべき受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分毎に整理された受取書の発行枚数に関するデータを容易に出力することができず、よって印紙税の申告を容易に行うことができないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、受取書の発行枚数に関するデータを、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分毎に容易に管理し、出力することができ、印紙税の申告を容易にする取引処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、取引において引渡しを受けた金銭または有価証券の受取金額が記載され、該受取金額に相当する印紙の貼付に代わる書式が表示される受取書を発行するとともに、その受取書に関するデータを管理する取引処理装置において、
取引内容を示す取引データを取得する取引データ取得手段と、
前記取引データ取得手段によって取得された取引データに基づいて、発行されるべき受取書の発行日を示す受取書発行日情報と、その受取書に記載されるべき受取金額を示す受取金額情報とを含む受取書データを生成する受取書データ生成手段と、
前記受取書データ生成手段によって生成された前記受取書データに基づいて受取書の発行を制御する受取書発行制御手段と、
前記受取書発行制御手段の制御のもと発行された受取書の枚数を示す受取書枚数データを、前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に、記憶する受取書発行枚数データ記憶手段と、
発行された受取書に対応する前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを更新する受取書発行枚数管理手段と、
前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを抽出する受取書発行枚数データ抽出手段と、
前記受取書発行枚数データ抽出手段によって抽出された前記受取書発行枚数データに基づいて、受取書の発行日毎に、かつ前記受取金額区分毎に、発行された受取書の枚数を表示する受取書発行枚数集計表を出力する受取書発行枚数集計表出力手段とを含むことを特徴とする取引処理装置である。
【0011】
また本発明は、前記受取金額区分は、複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分を含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記受取書データは、受取書を識別することができる受取書識別情報をさらに含み、
前記複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分に含まれる受取金額が記載された受取書に対応する前記受取書データに含まれる前記受取金額情報と前記受取書識別情報とを、特定区分受取書データとして記憶する特定区分受取書データ記憶手段と、
前記特定区分受取書データ記憶手段によって記憶された前記特定区分受取書データを抽出する特定区分受取書データ抽出手段と、
前記特定区分受取書データ抽出手段によって抽出された前記特定区分受取書データを出力する特定区分受取書データ出力手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記受取書発行日情報と、前記所定の受取金額区分を示す受取金額区分情報との入力を受け付ける受取書データ入力手段をさらに含み、
前記受取書発行枚数管理手段は、
前記受取書データ入力手段によって入力された前記受取書発行日情報と前記受取金額区分情報とに基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、発行された受取書が不課税文書に該当するか否かを判断する不課税文書判断手段と、
前記不課税文書判断手段によって不課税文書に該当すると判断された受取書の枚数を示す不課税文書発行枚数データを記憶する不課税文書発行枚数データ記憶手段と、
前記不課税文書判断手段によって、発行された受取書が不課税文書に該当すると判断される毎に、前記不課税文書発行枚数データ記憶手段によって記憶される前記不課税文書発行枚数データを更新する不課税文書発行枚数管理手段とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発行された受取書の枚数を、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に記憶し、かつ管理することができる。また、印紙税額区分別の受取書の発行枚数を申告すべき受取書の発行日毎に表示する受取書発行枚数集計表として出力することできる。これによって、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分毎に整理された受取書の発行枚数に関するデータを、容易に出力することができる。こうして、印紙税の納付の申告を容易に行うことができ、また、特定の発行日の受取書発行枚数を、容易に確認することが可能となる。
【0016】
また本発明によれば、受取金額区分は、複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分を含むので、複数の印紙税額区分に相当する受取書の発行枚数を示す受取書発行枚数データを、1つの受取金額区分で記憶して管理することができ、さらに出力することができる。これによって、各取引において作成されることが稀な、たとえば高額の受取金額が記載された、複数の印紙税額区分に相当する受取書の枚数を、1つの受取金額区分で一括して管理して出力することができる。こうして、受取書の枚数管理を容易にすることができるとともに、受取書発行枚数データ記憶手段、および出力される受取書発行枚数集計表の構成を簡略化することができる。
【0017】
さらに本発明によれば、1つの受取金額区分が対応する複数の印紙税額区分に相当する受取書に対応する受取金額情報および受取書識別情報を記憶し、抽出し、かつ出力することができる。異なる印紙税額区分に相当する受取書の枚数が、1つの受取金額区分で混在して管理されることがあっても、出力結果を参照すれば、該当する受取書を特定することができるとともに、受取書個々の受取金額を容易に把握することができる。
【0018】
さらにまた本発明によれば、受取書発行日情報と受取金額区分情報とを入力することができ、入力された受取書発行日情報と受取金額区分情報に基づいて、受取書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することができる。これによって、たとえば受取書の発行後に取引自体の解除、または受取書の誤発行等を理由として受取書を取り消す場合、受取書の取消を、記憶されている受取書の発行枚数に反映させることが可能となる。
【0019】
さらにまた本発明によれば、発行されるべき受取書が、金銭または有価証券の受取書に該当しない文書、すなわち不課税文書に該当するか否かを判断することができ、不課税文書に該当すると判断された受取書の発行枚数を管理することができる。これによって、不課税文書、たとえばクレジットカードによって支払を受けて発行した領収書の枚数を別途管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の実施の一形態である取引処理装置1の適用例を示す図である。なお、本実施の形態では、鉄道交通機関の駅窓口における乗車券等の売買取引に、本発明の取引処理装置1を適用した場合として説明する。
【0021】
取引処理装置1は、乗車券等の発券処理を実行する発券処理装置であるマルス(登録商標)端末装置2と、領収書、領収書控えおよび取引記録などを印字するプリンタ3と、現金の入出金処理を実行する入出金処理装置4とに、それぞれケーブル5a,5b,5cを介して接続される。マルス端末装置2は、マルス端末装置2の制御のもと乗車券等の発券動作を行う発券機6に、ケーブル5dを介して接続される。
【0022】
以下、取引処理装置1を用いた基本的な取引の流れについて説明する。駅員は、顧客から、たとえば指定席券の注文を受けると、マルス端末装置2を操作して、指定席券の空席情報を確認し、注文された指定席券が空席であった場合は、発券処理を実行させる。マルス端末装置2の発券処理が実行されると、発券機6は、マルス端末装置2の制御のもと、所望の指定席券の発券動作を行う。
【0023】
次いで、マルス端末装置2は、指定席券の売上代金を示す売上代金情報などの取引データを、取引処理装置1に伝送して入力する。駅員が、顧客から、売上代金として現金を預かった場合、駅員は、入出金処理装置4に設けられる入金口7にその預かった現金、すなわち預り金を入金する。駅員によって取引処理装置1が操作されて、入金した預り金の金額を示す預り金額情報が、取引処理装置1に入力される。取引処理装置1は、マルス端末装置2から取得した売上代金情報と、預り金額情報とを対比して、釣銭金額を計算し、釣銭がある場合は、釣銭を出金するように入出金処理装置4を制御する。釣銭は、入出金処理装置4に設けられる釣銭出金口8から出金される。
【0024】
顧客から駅員に対して、領収書の発行が要求されると、駅員は、取引処理装置1を操作して、領収書の発行処理を実行させる。取引処理装置1の領収書発行処理が実行されると、プリンタ3は、取引処理装置1の制御のもと、領収金額および印紙の貼付に代わる書式などを領収書および領収書控えに印字する。
【0025】
図2(a)は、プリンタによって印字された領収書10の一例を示す図であり、図2(b)は、プリンタによって印字された領収書控え11の一例を示す図である。領収書10は、図2(a)に示すとおり、領収書識別番号の表示領域12と、駅識別番号の表示領域13と、窓口識別番号の表示領域14と、領収書の受取人欄の表示領域15と、領収金額の表示領域16と、但し書品目の表示領域17と、領収書の発行年月日の表示領域18と、印紙の貼付に代わる書式の表示領域19とを含んで構成される。領収書控え11は、図2(b)に示すとおり、領収書10に表示される各表示領域12〜19に加えて、領収書控えであることを示す表示領域20と、領収書の発行日およびその時刻の表示領域21とをさらに含んで構成される。また、クレジットカード支払の際に発行されるクレジット扱い領収書およびその領収書控え(図示しない)は、クレジットカード支払であることを示す表示領域をさらに含んで構成される。
【0026】
図3は、図1に示す取引処理装置1の構成を示すブロック図である。取引処理装置1は、取引処理装置1全体とプリンタ3および入出金処理装置4などの周辺機器とを制御する制御部30と、制御部30が実行するプログラムおよび取引データなどの各種データを記憶する記憶部31と、操作者からの入力を受け付けるキーボード32と、駅員カードから駅員識別番号を読取るカードリーダ33と、各種処理画面を表示する液晶ディスプレイで構成される表示部34と、現在の日付および時刻を計時する時計部35とを含んで構成される。
【0027】
駅員カードは、取引処理装置1を用いて実行される処理を担当する駅員にそれぞれ与えられる、磁気テープを備えた合成樹脂製のカードであり、駅員識別番号を記憶している。駅員識別番号は、駅員を識別するための番号であって、各駅員に与えられる異なる番号である。取引処理装置1は、駅員カードに記憶された駅員識別番号を、カードリーダ33によって読取ることによって、キーボード32の操作を可能とするように設定される。
【0028】
制御部30は、後述するように、主として、売上処理と、クレジット扱い領収書発行処理と、領収書枚数データテーブル更新処理と、廃札処理と、領収書印字再実行処理と、領収書発行枚数集計表出力処理とを実行する。
【0029】
記憶部31には、制御部が実行するプログラムと、領収書などの各種フォーマットと、取引処理装置1が設置される駅を識別するための駅識別番号と、取引処理装置1が設置される駅の窓口を識別するための窓口識別番号と、各駅員識別番号に対応する駅員の氏名を示す駅員氏名情報と、各取引の取引記録を示す取引記録データと、発行された各領収書に関する領収書データと、区分情報テーブル40と、第1領収書枚数データテーブル41と、特定区分領収書データテーブル42と、第2領収書枚数データテーブル43が記憶される。記憶部31に記憶される取引記録データ、領収書データ、区分情報テーブル40、第1領収書枚数データテーブル41、特定区分領収書データテーブル42、および第2領収書枚数データテーブル43は、暦月別、すなわち毎月1日から末日までの期間別に記憶される。記憶部31はまた、各種データを一時記憶するためのメモリ(図示しない)を含んで構成される。
【0030】
取引記録データには、売上金額を示す売上金額情報と、売上商品の品目および数量などを示す売上商品情報と、預り金額を示す預り金額情報と、釣銭金額を示す釣銭金額情報と、売上処理の日付および時刻を示す売上処理日時情報とが含まれる。本実施の形態において、売上商品として、たとえば乗車券、指定席券、定期券、プリペードカードが含まれる。
【0031】
領収書データには、領収書識別番号と、領収書に記載される領収金額を示す領収金額情報と、領収書の但し書品目表示領域に記載される売上商品の品目を示す但し書品目情報と、領収書の発行日を示す領収書発行日情報と、領収書の発行時刻を示す領収書発行時刻情報と、売上代金がクレジットカードによって支払われたことを示すクレジットカード支払フラグとが含まれる。領収書識別番号は、取引処理装置1の制御のもと発行される各領収書に与えられる通し番号であり、暦月毎にリセットされる。クレジットカード支払フラグには、クレジットカード扱い領収書が発行される場合、「1」がセットされるように構成される。
【0032】
図4は、区分情報テーブル40の一例を示す図である。区分情報テーブル40には、領収書に記載される領収金額の区分、および不課税文書であるクレジットカードによる支払形態が、各区分情報に対応付けて記憶される。領収金額の区分は、印紙税額の区分に基づいて予め定められる。また、領収金額の区分のうち1つの区分は、複数の印紙税額の区分に対応するように予め定められる。本実施の形態においては、非課税である3万円未満の領収金額が区分1を、相当する印紙税額が200円である3万円以上100万円以下の領収金額区分が区分2を、相当する印紙税額が400円である100万円を超え200万円以下の領収金額が区分3を、相当する印紙税額が600円〜20万円である200万円を超える領収金額が区分4を、不課税文書であるクレジットカードによる支払形態が区分5をそれぞれ示すように、対応付けて記憶されている。区分情報テーブル40を参照して、各区分情報から、領収書に記載された領収金額の区分、または領収書がクレジットカード扱い領収書であることを識別することができる。
【0033】
図5(a)は、第1領収書枚数データテーブル41の一例を示す図であり、図5(b)は、特定区分領収書データテーブル42の一例を示す図であり、図5(c)は、第2領収書枚数データテーブル43の一例を示す図である。図5(a)に示すように、第1領収書枚数データテーブル41には、区分情報テーブル40に記憶される区分情報のうち区分1〜4にそれぞれ対応する領収金額が記載された領収書の発行枚数P,Q,R,Sを示す領収書発行枚数データが、各領収書の領収書発行日情報と、区分情報とにそれぞれ対応付けて記憶される。すなわち、第1領収書枚数データテーブル41においては、マトリクス状の多数の記憶領域が設けられ、各記憶領域は、領収書の各発行日に、かつ各区分1〜4に関連付けられる。
【0034】
本実施の形態においては、前述の区分情報テーブル40に示すとおり、区分4は、200万円を超える領収金額が記載された領収書と対応している。200万円を超える領収金額が記載された領収書は、印紙税法上、複数の印紙税額区分に相当し得るが、本実施の形態においては、複数の印紙税額区分に相当する領収書の発行枚数を示す領収書発行枚数データを、1つの領収金額区分で記憶する。これによって、取引において作成されることが稀な高額の領収金額が記載された領収書の枚数を、1つの領収金額区分で一括して管理することができる。これによって、領収書の枚数管理を容易にすることができるとともに、第1領収書枚数データテーブル41、およびこれに基づいて出力される後述の領収書発行枚数集計表130の構成を簡略化することができる。
【0035】
特定区分領収書データテーブル42には、図5(b)に示すように、区分4に対応する領収書の領収書識別番号44と、その領収書識別番号44に対応する領収金額情報45とが、互いに対応付けて記憶される。これによって、印紙税納税の申告時において、これらのデータを抽出し、出力した結果を参照すれば、異なる印紙税額区分に相当する領収書の枚数が、1つの領収金額区分で混在して管理されることがあっても、該当する領収書を特定することができるとともに、領収書個々の領収金額を容易に把握することができる。
【0036】
第2領収書枚数データテーブル43は、図5(c)に示すように、区分情報テーブルに記憶される区分情報のうち区分5に対応する領収書の発行枚数Tを示す不課税文書発行枚数データと、後述する廃札処理によって取り消された領収書の枚数Uを示す廃札枚数データと、廃札処理後に領収書の印字が再度実行された件数Vを示す再実行件数データとを記憶する。
【0037】
図6は、図3に示すキーボード32のキー配置を示す図である。図6に示すように、キーボード32は、領収書プリントキー50、方向指示キー51、確認/完了キー52、受信キー53、実行キー54、紙幣キー55、硬貨キー56、ギフト券キー57、小切手キー58、置数入力キー59等の各種キーを備える。
【0038】
図7は、取引処理装置1の制御部30が実行する売上処理の流れを示すフローチャートである。売上処理は、マルス端末装置2による発券処理の終了後、取引処理装置1のキーボード32を操作して入力される売上処理開始の入力に応じて、開始される。
【0039】
まず、キーボード32の受信キー53が押下されると(ステップa1)、制御部30は、マルス端末装置2から、売上金額情報および売上商品情報を含む取引データを取得する(ステップa2)。顧客から売上代金として現金が引き渡され、受領した現金が入出金処理装置4の入金口7に投入された後、操作者によるキーボード32の操作によって、預り金金額情報が入力されると(ステップa3)、制御部30は、入力された預り金金額情報と、売上金額情報とを比較して、釣銭金額を計算した上で、後述する売上処理中画面60を表示部34に表示させる(ステップa4)。操作者によってキーボード32の確認/完了キー52が押下されると(ステップa5)、制御部30は、釣銭があるか否かを判断し(ステップa6)、釣銭があると判断した場合(ステップa6のYES)、すなわち計算した釣銭金額が1円以上の場合、計算した釣銭金額を、釣銭金額情報として生成し、この釣銭金額情報に基づいて、入出金処理装置4に対して、釣銭の出金指示を与える(ステップa7)。入出金処理装置4は、制御部30からの指示を受けて、釣銭金額情報に基づいて釣銭の出金処理を実行する。ステップa7の後、またはステップa6において釣銭がないと判断した場合(ステップa6のNO)、すなわち計算した釣銭金額が0円の場合、制御部30は、入出金処理装置4に預り金の収納指示を与える(ステップa8)。
【0040】
次いで、制御部30は、領収書の発行に備えて、領収書データを生成して、生成した領収書データを記憶部31に記憶する(ステップa9)。領収書データは、制御部30による制御のもと、マルス端末装置2から取得した売上金額情報および売上商品情報に基づいて、領収金額情報および但し書品目情報をそれぞれ生成し、時計部35の計時する日付および時刻をそれぞれ領収書発行日情報および領収書発行時刻情報として生成し、記憶部31から直近に発行された領収書の領収書識別番号を抽出し、抽出した領収書識別番号に1を加算した番号を、領収書識別番号として生成することによって、生成される。
【0041】
ここで、制御部30は、領収書の印字指示があるか否かを判断する(ステップa10)。すなわち、制御部30は、売上処理が開始され、領収書データの生成および記憶が行われるまでに、操作者によってキーボード32の領収書プリントキー50が押下された場合、領収書の印字指示があると判断する。制御部30は、領収書の印字指示があると判断した場合(ステップa10のYES)、記憶部31から、ステップa9において生成された領収書データ、駅識別番号および窓口識別番号などを抽出し、抽出されたこれらのデータに基づいて、プリンタ3に対して、領収書の印字指示を与える(ステップa11)。プリンタ3は、制御部3からの領収書の印字指示を受けて、領収書データ、駅識別番号および窓口識別番号などに基づいて、図2(a)および図2(b)に示すような領収書10およびその控え11を印字する。プリンタ3に領収書の印字指示を与えた後、制御部30は、後述する領収書枚数データテーブル更新処理を実行する(ステップa12)。
【0042】
領収書枚数データテーブル更新処理の終了後、またはステップa10において、領収書の印字指示がないと判断した場合(ステップa10のNO)、制御部30は、取引記録データを生成し、記憶部31から、駅識別番号、窓口識別番号、駅員識別番号および駅員氏名情報を抽出し、これらのデータに基づいて、プリンタ3に対して、取引記録の印字指示を与える(ステップa13)。取引記録データは、制御部の制御のもと、マルス端末装置2から取得した売上金額情報および売上商品情報と、キーボード32を操作して入力された預り金額情報と、釣銭金額情報と、時計部35によって計時された現在の日付および時刻を示す売上処理日時情報とを含むように生成される。プリンタ3は、制御部30からの取引記録の印字指示を受けて、取引記録データ、駅識別番号、窓口識別番号、駅員識別番号および駅員氏名情報に基づいて、後述する取引記録を印字する。プリンタ3に取引記録の印紙指示を与えた後、制御部30は、取引記録データを、記憶部31に記憶する(ステップa14)。
【0043】
このとき、いまだ領収書の発行処理を実行していない場合、キーボード32の領収書プリントキー50を押下して、領収書の発行を行うことができるように構成される。制御部30が、領収書プリントキー50が押下されたと判断した場合(ステップa15のYES)、制御部30は、プリンタ3に対して、領収書の印字指示を与え(ステップa16)、領収書枚数データテーブル更新処理を実行する(ステップa17)。これらのステップa16,a17の内容は、ステップa11,a12とそれぞれ共通するので重複する説明を省略する。ステップa15において制御部30が、領収書プリントキー50が押下されないと判断した場合(ステップa15のNO)、またはステップa17において領収書枚数データテーブル更新処理が終了した後、売上処理は、終了する。
【0044】
図8は、表示部34によって表示される売上処理中画面60を示す図である。図8に示すように、売上処理中画面60は、預り金金額の表示領域61と、売上商品の数量および売上金額の表示領域62と、釣銭金額の表示領域63と、「確認/完了」の表示領域64と、現在の日付および時刻の表示領域65と、売上年月日の表示領域66と、窓口識別番号の表示領域67と、駅識別番号の表示領域68とを含んで構成される。
【0045】
図9は、プリンタ3によって印字された取引記録70の一例を示す図である。図9に示すように、印字された取引記録70は、売上処理の日付および時刻の表示領域71と、駅識別番号の表示領域72と、窓口識別番号の表示領域73と、駅員識別番号の表示領域74と、駅員氏名の表示領域75と、売上金額の表示領域76と、売上商品の品目および数量の表示領域77と、預り金金額の表示領域78と、預り金の金種とその数量とを表示する表示領域79と、釣銭金額の表示領域80とを含んで構成される。
【0046】
図10は、取引処理装置1の制御部30が実行するクレジット扱い領収書発行処理の流れを示すフローチャートである。クレジット扱い領収書発行処理は、マルス端末装置2による発券処理の終了後、取引処理装置1のキーボード32を操作して入力されるクレジット扱い領収書発行処理開始の入力に応じて、開始される。
【0047】
まず、キーボード32の受信キー53が押下されると(ステップb1)、制御部30は、マルス端末処理装置2から、売上金額情報と売上商品情報とを取得する(ステップb2)。次いで、制御部30は、取得した売上金額情報と売上商品情報とを表示する発行処理画面を表示部34に表示させ(ステップb3)、操作者によるキーボード32の確認/完了キー52の入力を待機する。
【0048】
操作者によってキーボード32の確認/完了キー52が押下されると(ステップb4)、制御部30は、領収書データを生成し、生成した領収書データを記憶部31に記憶する(ステップb5)。領収書データは、制御部30の制御のもと、売上処理について前述した各種データを生成するとともに、クレジットカードフラグに「1」をセットすることによって、生成される。
【0049】
その後、制御部30は、記憶部31から、ステップb5において生成された領収書データ、駅識別番号、窓口識別番号および駅員識別番号などを抽出して、プリンタ3に対して、これらのデータに基づいて、領収書の印字指示を与える(ステップb6)。プリンタ3は、制御部30からの領収書の印字指示を受けて、制御部30の制御のもと、領収書データ、駅識別番号、窓口識別番号および駅員識別番号などに基づいて、領収書およびその控えを印字する。また、領収書には、クレジットカードによって支払われたことを示す表示が印字される。
【0050】
プリンタ3に領収書の印字指示を与えた後、制御部30は、後述する領収書枚数データテーブル更新処理を実行する(ステップb7)。領収書枚数データテーブル更新処理が終了した後、クレジット扱い領収書発行処理は、終了する。
【0051】
図11は、取引処理装置1の制御部30が実行する領収書枚数データテーブル更新処理の流れを示すフローチャートである。この領収書枚数データテーブル更新処理は、前述の売上処理またはクレジット扱い領収書発行処理において、制御部30がプリンタ3に対して領収書の印字指示を行った後に開始される。
【0052】
まず、制御部30は、発行された領収書が、クレジットカード扱いであるか否かを判断する(ステップc1)。すなわち、制御部30は、記憶部31に記憶された領収書データに含まれるクレジットカードフラグに「1」がセットされているか否かを判断する。発行された領収書がクレジットカード扱いであると判断した場合(ステップc1のYES)、制御部30は、記憶部31の第2領収枚数データテーブル43から不課税文書発行枚数データを抽出し、抽出された不課税文書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Tに1を加算して、不課税文書発行枚数データを更新する(ステップc2)。
【0053】
ステップc1において、発行された領収書がクレジットカード扱いでないと判断した場合(ステップc1のNO)、制御部30は、発行された領収書に記載された領収金額が、3万円未満であるか否かを判断する(ステップc3)。すなわち、制御部30は、記憶部31から発行された領収書に対応する領収書データを抽出し、抽出された領収書データに含まれる領収金額情報が示す領収金額が、3万円未満であるか否かを判断する。発行された領収書に記載された領収金額が、3万円未満であると判断した場合(ステップc3のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分1に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Pに1を加算して、領収書発行枚数データを更新する(ステップc4)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0054】
ステップc3において、発行された領収書に記載された金額が3万円未満でないと判断した場合(ステップc3のNO)、制御部30は、発行された領収書に記載された領収金額が、100万円以下であるか否かを判断する(ステップc5)。すなわち、制御部30は、記憶部31から発行された領収書に対応する領収書データを抽出し、抽出された領収書データに含まれる領収金額情報が示す領収金額が、100万円以下であるか否かを判断する。発行された領収書に記載された領収金額が、100万円以下であると判断した場合(ステップc5のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分2に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Qに1を加算して、領収書発行枚数データを更新する(ステップc6)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0055】
ステップc5において、発行された領収書に記載された金額が100万円以下でないと判断した場合(ステップc5のNO)、制御部30は、発行された領収書に記載された領収金額が、200万円以下であるか否かを判断する(ステップc7)。すなわち、制御部30は、記憶部31から発行された領収書に対応する領収書データを抽出し、抽出された領収書データに含まれる領収金額情報が示す領収金額が、200万円以下であるか否かを判断する。発行された領収書に記載された領収金額が、100万円以下であると判断した場合(ステップc7のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分3に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Rに1を加算して、領収書発行枚数データを更新する(ステップc8)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0056】
ステップc7において、発行された領収書に記載された金額が200万円以下でないと判断した場合(ステップc7のNO)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、領収書データに含まれる領収書発行日情報に対応し、かつ区分4に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Sに1を加算して、領収書発行枚数データを更新するとともに、領収書データに含まれる領収書金額情報と領収書識別番号とを、記憶部31の特定区分領収書データテーブル42に書き込む(ステップc9)。その後、領収書枚数データテーブル更新処理は、終了する。
【0057】
図12は、取引処理装置1の制御部30が実行する廃札処理の流れを示すフローチャートである。廃札処理は、取引処理装置1のキーボード32を操作して入力される廃札処理開始の入力に応じて、開始される。
【0058】
まず、制御部30は、後述する廃札処理画面90を表示部34に表示させ(ステップd1)、操作者による領収書発行日情報および区分情報の入力を待機する。このとき、制御部30は、時計部35が計時する現在の日付を取得し、この日付を廃札処理画面90に表示させる。これによって、同日に発行された領収書の廃札処理を実行する場合は、領収書発行日情報の手入力を省略することができる。区分情報と、必要に応じて領収書発行日情報とがキーボード32によって入力され、キーボード32の実行キーが押下されると(ステップd2)、制御部30は、入力された区分情報が区分1〜3のいずれかであるか否かを判断する(ステップd3)。入力された区分情報が区分1〜3のいずれかであると判断した場合(ステップd3のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、入力された領収書発行日情報に対応し、かつ入力された区分情報に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数P、QまたはRが1枚以上であるか否かを判断する(ステップd4)。領収書の発行枚数P、QまたはRが1枚以上であると判断した場合(ステップd4のYES)、後述する領収金額区分表示画面91を表示部に表示させ(ステップd5)、キーボード32の確認/完了キー52の入力を待機する。キーボード32の確認/完了キー52が入力されると(ステップd6)、制御部30は、後述する確認画面92を表示部34に表示させる(ステップd7)。ステップd4において、領収書の発行枚数P、QまたはRが0枚であると判断した場合(ステップd4のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させるとともに、ステップd1に戻る。
【0059】
ステップd3において、入力された区分情報が区分1〜3のいずれでもないと判断した場合(ステップd3のNO)、制御部30は、入力された区分情報が区分4であるか否かを判断する(ステップd8)。入力された区分情報が区分4であると判断した場合(ステップd8のYES)、制御部30は、記憶部31の第1領収書枚数データテーブル41から、入力された領収書発行日情報に対応し、かつ区分4に対応する領収書発行枚数データを検索して抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Sが1枚以上であるか否かを判断する(ステップd9)。領収書の発行枚数Sが1枚以上であると判断した場合(ステップd9のYES)、制御部30は、後述する金額入力画面93を表示部34に表示させ(ステップd10)、操作者による領収金額情報の入力を待機する。操作者によって領収金額情報が入力され、キーボード32の実行キー54が押下されると(ステップd11)、制御部30は、入力された領収金額情報を、記憶部30の特定区分領収書データテーブル42から検索し、特定区分領収書データテーブル42に記憶されているか否かを判断する(ステップd12)。入力された領収金額情報が、特定区分領収書データテーブル42に記憶されていると判断した場合(ステップd12のYES)、制御部30は、後述する確認画面94を表示部34に表示させる(ステップd7)。ステップd9において、領収書の発行枚数Sが0枚であると判断した場合(ステップd9のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させるとともに、ステップd1に戻る。ステップd12において、入力された領収金額情報が、特定区分領収書データテーブル42に記憶されていないと判断した場合(ステップd12のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させるとともに、ステップd1に戻る。
【0060】
ステップd8において、入力された区分情報が区分4ではないと判断した場合(ステップd8のNO)、制御部30は、入力された区分情報が区分5であるか否かを判断する(ステップd13)。入力された区分情報が区分5であると判断した場合(ステップd13のYES)、制御部30は、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から、不課税文書発行枚数データを抽出し、抽出された不課税文書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Tが1枚以上であるか否かを判断する(ステップd14)。領収書の発行枚数Tが1枚以上であると判断した場合(ステップd14のYES)、制御部30は、後述する確認画面92を表示部34に表示させる(ステップd7)。ステップd13において、入力された区分情報が区分5でないと判断した場合(ステップd13のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させ、ステップd1に戻る。ステップd14において、領収書の発行枚数Tが0枚であると判断した場合(ステップd14のNO)、制御部30は、エラー画面を表示部34に表示させ、ステップd1に戻る。
【0061】
ステップd7において、操作者は、キーボード32の方向指示キー51を操作して、確認画面92,94の「はい」または「いいえ」の表示領域95,96にカーソルを合わせ、キーボード32の実行キー54を押下することができる。制御部30は、「はい」が実行されたか、あるいは「いいえ」が実行されたかを判断する(ステップd15)。「はい」が実行されたと判断した場合(ステップd15の「はい」)、制御部30は、プリンタ3に対して、処理結果の印字指示を与える(ステップd16)。「いいえ」が実行されたと判断した場合(ステップd15の「いいえ」)、ステップd1に戻る。プリンタ3によって印字される処理結果には、入力された区分情報および領収書発行日情報などを表示する表示領域が設けられる。
【0062】
ステップd16において処理結果の印字指示を与えた後、制御部30は、第1領収書枚数データテーブル41、特定区分領収書データテーブル42および第2領収書枚数データテーブル43を更新する(ステップd17)。すなわち、ステップd2において入力された区分情報が区分1〜3の場合、制御部30は、ステップd4において抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数P,Q,Rから1を減算し、記憶部30の第2領収書枚数データテーブル43から廃札枚数データを抽出して、抽出された廃札枚数データが示す廃札処理が実行された領収書の枚数Uに1を加算する。その後、廃札処理は、終了する。
【0063】
ステップd2において入力された区分情報が区分4の場合、制御部30は、ステップd7において抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Sから1を減算し、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から廃札枚数データを抽出して、抽出された廃札枚数データが示す廃札処理が実行された領収書の枚数Uに1を加算する。また、制御部30は、ステップd11において入力された領収金額情報に基づいて、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から同一の領収金額情報を検索し、この領収金額情報と、この領収金額情報に対応する領収書識別番号とを削除する。その後、廃札処理は、終了する。
【0064】
ステップd2において入力された区分情報が区分5の場合、制御部30は、ステップd14において抽出された不課税文書発行枚数データが示す領収書の発行枚数Tから1を減算し、記憶部30の第2領収書枚数データテーブル43から廃札枚数データを抽出して、抽出された廃札枚数データが示す廃札処理が実行された領収書の枚数Uに1を加算する。その後、廃札処理は、終了する。
【0065】
図13は、図12の廃札処理において表示部34に表示される各種処理画面90〜94を示す。図13(a)は、図12のステップd1において表示される廃札処理画面90を示し、現在の日付および時刻の表示領域97と、売上処理日付の表示領域98と、領収書日付の表示領域99を、区分情報の表示領域100と、各区分情報と各領収金額区分または支払形態とを対応付けてなる区分対応表の表示領域101と、駅識別番号の表示領域102と、窓口識別番号の表示領域103と、「実行」の表示領域104とを含んで構成される。図13(a)の領収書日付の表示領域99には、前述のとおり、現在の日付が予め表示されている。操作者は、キーボード32の方向指示キー51を操作して、領収書日付の表示領域99にカーソルを合わせて、適宜日付を入力することができる。
【0066】
図13(b)は、図12のステップd2において区分情報として「3」が入力され、実行キー54が押下された後に表示される領収金額区分表示画面91を示し、図13(a)に示す廃札処理画面90の区分情報の表示領域100の右方に、入力された区分情報に対応する領収金額区分の表示領域105をさらに表示するように構成される。また、図13(a)に示す廃札処理画面90の「実行」の表示領域104に代えて、「確認/完了」の表示領域106が設けられる。なお、図12のステップd2において区分情報として「5」が入力され、実行キー54が押下された場合は、領収金額区分の表示領域105に代えて、支払形態がクレジットによる支払であることを示す表示領域(図示しない)が表示される。
【0067】
図13(c)は、図12のステップd6において確認/完了キー52が押下された後に表示される確認画面92を示し、現在の日付および時刻の表示領域107と、売上処理の日付の表示領域108と、「廃札してよろしいですか?」のメッセージの表示領域109と、領収書日付の表示領域110と、領収金額区分の表示領域111と、「いいえ」の表示領域95と、「はい」の表示領域96と、「実行」の表示領域112とを含んで構成される。
【0068】
図13(d)は、図12のステップd2において区分情報として「4」を入力し、実行キー54が押下された後に表示される金額入力画面93を示し、図13(a)に示す廃札処理画面90の区分情報の表示領域99の右方に、入力されるべき領収金額の表示領域113をさらに表示するように構成される。また、図13(a)に示す廃札処理画面90の「実行」の表示領域104に代えて、「確認/完了」の表示領域114が設けられる。図13(e)は、図12のステップd11において領収金額情報として「3,200,000」が入力され、実行キー54が押下された後の金額入力画面93を示す。
【0069】
図13(f)は、図12のステップd13において確認/完了キー52が押下された後に表示される確認画面94を示し、現在の日付および時刻の表示領域115と、売上処理日付の表示領域116と、「廃札してよろしいですか?」のメッセージの表示領域117と、領収書日付の表示領域118と、領収金額情報の表示領域119と、「いいえ」の表示領域95と、「はい」の表示領域96と、「実行」の表示領域120とを含んで構成される。
【0070】
以下においては、制御部30が実行する領収書印字再実行処理について説明する。領収書印字再実行処理は、操作者がキーボード32を操作して入力される領収書印字再実行処理開始の入力に応じて開始される。
【0071】
まず、操作者がキーボード32を操作して、印字を再実行すべき領収書の領収書識別番号が入力されると、制御部30は、記憶部31から、入力された領収書識別番号を含む領収書データを検索して抽出し、この抽出された領収書データを表示部34に表示させる。このとき、操作者は、キーボード32を操作して、表示された領収書データを訂正することができる。操作者によって領収書データが訂正され、キーボードの確認/完了キー52が押下されると、制御部30は、訂正された領収書データに基づいて記憶部31に記憶された領収書データを更新するとともに、プリンタ3に対し、訂正された領収書データなどに基づいて、領収書の印字指示を与える。その後、制御部30は、前述の領収書発行枚数データテーブル更新処理を実行する。また、制御部30は、記憶部31の第2領収書枚数データテーブル43から、再実行件数データを抽出し、抽出された再実行件数データが示す再実行件数Vに1を加算して、再実行件数データを更新する。再実行件数データの更新後、領収書印字再実行処理は、終了する。
【0072】
なお、領収書印字再実行処理は、前述の売上処理または前述のクレジット扱い領収書発行処理において領収書印字指示が与えられたプリンタ3にエラー等が発生し、領収書が正常に印字されなかった場合、プリンタ30によって出力されたエラー等の解除を通知する信号を制御部30が検出した後にキーボード32の領収書プリントキー50が押下されることによって、開始されるように構成されてもよい。この場合、まず、制御部30は、記憶部31から、図7のステップa9または図10のステップb5において生成された領収書データなどを抽出し、これらのデータに基づいて、プリンタ3に、領収書の印字指示を再度与え、次いで、前述の領収書発行枚数データテーブル更新処理を実行し、前述のとおり再実行件数データを更新する。これによって、売上処理またはクレジット扱い領収書発行処理の流れの中で、領収書印字再実行処理を実行することができ、また、領収書識別番号の入力を省略することができる。
【0073】
以下においては、制御部30が実行する領収書発行枚数集計表出力処理について説明する。領収書発行枚数集計表出力処理は、操作者がキーボード32を操作して入力される領収書発行枚数集計表出力処理開始の入力に応じて開始される。
【0074】
まず、操作者がキーボード32を操作して、集計されるべき領収書の発行月を示す領収書発行月情報が入力されると、制御部30は、入力された領収書発行月情報に基づいて、記憶部31から、その領収書発行月情報に対応する第1領収書枚数データテーブルに記憶された領収書発行枚数データと、その領収書発行月情報に対応する特定区分領収書データテーブル42に記憶された領収金額情報および領収書識別番号と、その領収書発行月情報に対応する第2領収書枚数データテーブル43に記憶された不課税文書発行枚数データ、廃札枚数データおよび再実行件数データとを、検索して抽出する。次いで、制御部30は、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書の発行枚数P,Q,R,Sを、区分情報毎に、すなわち区分1〜4毎に合計する。
【0075】
その後、制御部30は、後述する領収書発行枚数集計表130を生成し、表示部34に表示させる。操作者がキーボード32を操作して入力される集計表印字の入力に応じて、制御部30は、プリンタ3に対して、領収書発行枚数集計表130の印字指示を与える。プリンタ3は、領収書発行枚数集計表130の印字指示を受けて、制御部30の制御のもと、領収書発行枚数集計表130を印字する。領収書発行枚数集計表130の印字指示後、領収書発行枚数集計表出力処理は終了する。
【0076】
図14は、領収書発行枚数集計表出力処理によって出力された領収書発行枚数集計表130を示す図である。図14に示すように、領収書発行枚数集計表130は、領収書発行枚数集計表出力処理の日付および時刻の表示領域131と、集計された領収書の発行月の表示領域132と、駅識別番号の表示領域133と、窓口識別番号の表示領域134と、駅員識別番号の表示領域135と、駅員の氏名の表示領域136と、領収書発行枚数P,Q,R,Sの表示領域137と、区分4に該当する領収書の領収書識別番号および領収金額情報の表示領域138と、不課税文書であるクレジットカード扱い領収書の発行枚数Tの表示領域139と、廃札枚数Uの表示領域140と、領収書の印字再実行件数Vの表示領域141とを含んで構成される。領収書発行枚数P,Q,R,Sの表示領域137は、多数のセルからなる表形式で構成され、各セルに表示される領収書発行枚数P,Q,R,Sは、対応する行の領収書発行日に対応し、対応する列の区分1〜4に対応する。また、領収書発行枚数P,Q,R,Sの表示領域137の最下行の各セルには、対応する列の区分1〜4と対応する、集計された領収書の発行月における領収書の合計発行枚数が表示される。
【0077】
以上のように、本実施の形態における取引処理装置1によれば、領収書発行枚数データが、記憶部30の第1領収書発行枚数データテーブル41において、その領収書の発行日に対応付けて、かつ領収金額区分に対応付けて記憶され、領収書の発行毎に更新されるように構成される。これによって、領収書の発行枚数P,Q,R,Sを、領収書の発行日毎に、かつ領収金額区分毎に記憶するとともに、領収書の発行毎に管理することができる。また、領収金額区分別の領収書の発行枚数P,Q,R,Sを、申告すべき領収書の発行日毎に表示する領収書発行枚数集計表130として出力することできる。これによって、領収書の発行日毎に、かつ領収金額区分毎に整理された領収書発行枚数データを、容易に出力することができる。こうして、印紙税の納付の申告を円滑に行うことができ、また、特定の発行日に係る領収書の発行枚数を容易に認識することが可能となる。
【0078】
また、本実施の形態における取引処理装置1によれば、発行された領収書がクレジットカード扱いの領収書か否かを判断し、クレジットカード扱いの領収書の発行枚数Tを、不課税文書発行枚数データとして記憶することができ、この不課税文書発行枚数データは、領収書の発行毎に更新されるように構成される。さらに、この不課税文書発行枚数データを、領収書発行枚数集計表130に含めて出力することができる。これによって、クレジットカード扱いの領収書の発行枚数Tを、課税対象の領収書の発行枚数P,Q,R,Sと区別して管理し、出力結果を参照して、容易に確認することが可能となる。
【0079】
さらに、本実施の形態における取引処理装置1によれば、領収書発行日情報と区分情報とが入力されることによって、入力された領収書発行日情報と区分情報とに基づいて、対応する領収書発行枚数データまたは不課税文書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することができる。これによって、たとえば領収書の発行後に取引の解除等を理由として領収書の発行を取り消した場合に、発行された領収書の廃札処理を、領収書の発行枚数の管理に反映させることが可能となる。
【0080】
また、本実施の形態における取引処理装置1によれば、廃札処理が実行された領収書の枚数Uを示す廃札枚数データが記憶され、廃札処理毎に更新されるように構成され、さらに、この廃札枚数データを、領収書発行枚数出力表130に含めて出力することができる。これによって、廃札処理が実行された領収書の枚数Uが異常であるか否かを確認するなどして、廃札処理を監視することができるので、不正な廃札処理を防止することができる。
【0081】
本実施の形態における取引処理装置1は、売上処理およびクレジットカード扱い領収書発行処理において、マルス端末装置2から、売上金額情報および売上商品情報が入力されることで、これらの情報を取得しているが、これらの情報を入力する取引データ入力手段を含んでもよく、たとえば、キーボード32を操作して売上金額情報および売上商品情報が手入力されることで、これらの情報を取得するように構成されてもよい。
【0082】
また、本実施の形態においては、売上処理の流れにおいて領収書発行処理が実行されるけれども、領収書発行処理のみを実行することを選択可能に構成されてもよい。この場合、領収書発行処理は、操作者がキーボード32を操作して入力される領収書発行処理開始の入力に応じて開始される。まず、操作者がキーボード32を操作して、取引データが入力されると、制御部30は、入力された取引データに基づいて、領収書データを生成し、この領収書データに基づいて、領収書の印字指示をプリンタ3に与え、その後、前述の領収書発行枚数データ更新処理を実行する。これによって、領収書発行機能を有しない取引処理装置において売上処理が実行された取引について、領収書の発行処理のみを実行することができ、これによって発行された領収書の発行枚数をも管理可能となる。
【0083】
また、本実施の形態においては、取引処理装置1は、マルス端末装置2、券売機6、プリンタ3および入出金処理装置4など各種周辺機器に接続され、担当する駅員の操作によって領収書が発行されるが、本発明は、これらの周辺機器の機能を内部機能として備え、各処理を自動化した自動券売機等の自動機器として適用することもできる。この場合、領収書が、駅員による操作を介さずに自動的に発行され、領収書の発行枚数などのデータを自動的に管理することができる。
【0084】
本実施の形態においては、廃札処理において、特定区分領収書データテーブル42に区分4に対応する領収書の領収金額情報が記憶されているか確認するために、廃札処理が実行されるべき領収書の領収金額情報を入力するように構成されるが、廃札処理が実行されるべき領収書の領収書識別番号を入力して、区分4に対応する領収書の領収書識別番号が記憶されているか確認するように構成されてもよい。
【0085】
本実施の形態においては、領収書発行枚数集計表出力処理において、領収書の発行月毎の領収書発行枚数集計表130を出力するように構成されるが、特定の領収書発行日の領収書発行枚数P,Q,R,Sを、領収金額区分毎に表示する集計表を出力するように構成されてもよい。この場合、特定の領収書発行日情報がキーボード32を用いて入力され、入力された領収書発行日情報に基づいて、対応する領収書発行枚数データを記憶部31から抽出し、抽出された領収書発行枚数データが示す領収書発行枚数P,Q,R,Sを、領収金額区分毎に表示する領収書発行枚数集計表130を出力するように構成される。これによって、特定日の印紙税の納税申告が必要となった場合に、必要な情報だけ出力することが可能となる。
【0086】
本実施の形態においては、廃札処理において、廃札処理が実行された領収書の発行枚数Uを示す廃札枚数データが記憶され、管理されるように構成されているが、さらに、廃札処理が実行された各領収書の領収書識別番号が別途記憶され、管理されるように構成されてもよい。この場合、廃札処理を実行しようとする領収書の領収書識別番号が、キーボード32を用いて入力され、入力された領収書識別番号を、取消領収書識別番号として生成して、記憶部31に記憶し、領収書発行枚数集計表出力処理において、この取消領収書識別番号を、記憶部31から抽出して、領収書発行枚数集計表130に含めて出力するように構成される。これによって、廃札処理が実行された領収書を、領収書発行枚数集計表130を参照して特定することができ、廃札処理の監視をより確実に行うことができる。
【0087】
また、取引記録データは、取引記録に対応する領収書が発行されたことを示す領収書発行フラグを含むようにしてもよい。この場合、発行された領収書に対応する取引記録データの領収書発行フラグには、「1」がセットされるように構成される。これによって、たとえば取引自体の解除を行った場合、取引記録データの領収書発行フラグを参照することによって、廃札処理が必要かどうかを容易に確認することができる。
【0088】
本実施の形態においては、鉄道交通機関の駅窓口における乗車券等の売買取引において適用される取引処理装置1を説明したが、本発明は、あらゆる売買取引に適用することが可能であり、また、領収書のみならず、あらゆる売買代金に係る金銭または有価証券の受取書を発行する取引処置装置として適用することも可能である。たとえば、本発明は、店舗に設置されるPOSレジスタなどの電子式金銭登録機として適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の一形態である取引処理装置1の適用例を示す図である。
【図2】図2(a)は、領収書10の一例を示す図であり、図2(b)は、領収書控え11の一例を示す図である。
【図3】図1に示す取引処理装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】区分情報テーブル40の一例を示す図である。
【図5】図5(a)は、第1領収書枚数データテーブル41の一例を示す図であり、図5(b)は、特定区分領収書データテーブル42の一例を示す図であり、図5(c)は、第2領収書枚数データテーブル43の一例を示す図である。
【図6】図3に示すキーボード32のキー配置を示す図である。
【図7】取引処理装置1の制御部30が実行する売上処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】表示部34によって表示される売上処理中画面60を示す図である。
【図9】プリンタ3によって印字された取引記録70の一例を示す図である。
【図10】取引処理装置1の制御部30が実行するクレジット扱い領収書発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】取引処理装置1の制御部30が実行する領収書枚数データテーブル更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】取引処理装置1の制御部30が実行する廃札処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図12の廃札処理において表示部34に表示される各種処理画面90〜94を示す。
【図14】領収書発行枚数集計表出力処理によって出力された領収書発行枚数集計表130を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1 取引処理装置
30 制御部
31 記憶部
32 キーボード
33 カードリーダ
34 表示部
35 時計部
40 区分情報テーブル
41 第1領収書枚数データテーブル
42 特定区分領収書データテーブル
43 第2領収書枚数データテーブル
130 領収書発行枚数集計表
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引において引渡しを受けた金銭または有価証券の受取金額が記載され、該受取金額に相当する印紙の貼付に代わる書式が表示される受取書を発行するとともに、その受取書に関するデータを管理する取引処理装置において、
取引内容を示す取引データを取得する取引データ取得手段と、
前記取引データ取得手段によって取得された取引データに基づいて、発行されるべき受取書の発行日を示す受取書発行日情報と、その受取書に記載されるべき受取金額を示す受取金額情報とを含む受取書データを生成する受取書データ生成手段と、
前記受取書データ生成手段によって生成された前記受取書データに基づいて受取書の発行を制御する受取書発行制御手段と、
前記受取書発行制御手段の制御のもと発行された受取書の枚数を示す受取書枚数データを、前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に、記憶する受取書発行枚数データ記憶手段と、
発行された受取書に対応する前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを更新する受取書発行枚数管理手段と、
前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを抽出する受取書発行枚数データ抽出手段と、
前記受取書発行枚数データ抽出手段によって抽出された前記受取書発行枚数データに基づいて、受取書の発行日毎に、かつ前記受取金額区分毎に、発行された受取書の枚数を表示する受取書発行枚数集計表を出力する受取書発行枚数集計表出力手段とを含むことを特徴とする取引処理装置。
【請求項2】
前記受取金額区分は、複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分を含むことを特徴とする請求項1記載の取引処理装置。
【請求項3】
前記受取書データは、受取書を識別することができる受取書識別情報をさらに含み、
前記複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分に含まれる受取金額が記載された受取書に対応する前記受取書データに含まれる前記受取金額情報と前記受取書識別情報とを、特定区分受取書データとして記憶する特定区分受取書データ記憶手段と、
前記特定区分受取書データ記憶手段によって記憶された前記特定区分受取書データを抽出する特定区分受取書データ抽出手段と、
前記特定区分受取書データ抽出手段によって抽出された前記特定区分受取書データを出力する特定区分受取書データ出力手段とを含むことを特徴とする請求項2記載の取引処理装置。
【請求項4】
前記受取書発行日情報と、前記所定の受取金額区分を示す受取金額区分情報との入力を受け付ける受取書データ入力手段をさらに含み、
前記受取書発行枚数管理手段は、
前記受取書データ入力手段によって入力された前記受取書発行日情報と前記受取金額区分情報とに基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の取引処理装置。
【請求項5】
発行された受取書が不課税文書に該当するか否かを判断する不課税文書判断手段と、
前記不課税文書判断手段によって不課税文書に該当すると判断された受取書の枚数を示す不課税文書発行枚数データを記憶する不課税文書発行枚数データ記憶手段と、
前記不課税文書判断手段によって、発行された受取書が不課税文書に該当すると判断される毎に、前記不課税文書発行枚数データ記憶手段によって記憶される前記不課税文書発行枚数データを更新する不課税文書発行枚数管理手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の取引処理装置。
【請求項1】
取引において引渡しを受けた金銭または有価証券の受取金額が記載され、該受取金額に相当する印紙の貼付に代わる書式が表示される受取書を発行するとともに、その受取書に関するデータを管理する取引処理装置において、
取引内容を示す取引データを取得する取引データ取得手段と、
前記取引データ取得手段によって取得された取引データに基づいて、発行されるべき受取書の発行日を示す受取書発行日情報と、その受取書に記載されるべき受取金額を示す受取金額情報とを含む受取書データを生成する受取書データ生成手段と、
前記受取書データ生成手段によって生成された前記受取書データに基づいて受取書の発行を制御する受取書発行制御手段と、
前記受取書発行制御手段の制御のもと発行された受取書の枚数を示す受取書枚数データを、前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、受取書の発行日毎に、かつ印紙税額区分に基づいて予め定められる受取金額区分毎に、記憶する受取書発行枚数データ記憶手段と、
発行された受取書に対応する前記受取書データに含まれる受取書発行日情報および受取金額情報に基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを更新する受取書発行枚数管理手段と、
前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データを抽出する受取書発行枚数データ抽出手段と、
前記受取書発行枚数データ抽出手段によって抽出された前記受取書発行枚数データに基づいて、受取書の発行日毎に、かつ前記受取金額区分毎に、発行された受取書の枚数を表示する受取書発行枚数集計表を出力する受取書発行枚数集計表出力手段とを含むことを特徴とする取引処理装置。
【請求項2】
前記受取金額区分は、複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分を含むことを特徴とする請求項1記載の取引処理装置。
【請求項3】
前記受取書データは、受取書を識別することができる受取書識別情報をさらに含み、
前記複数の印紙税額区分に対応する受取金額区分に含まれる受取金額が記載された受取書に対応する前記受取書データに含まれる前記受取金額情報と前記受取書識別情報とを、特定区分受取書データとして記憶する特定区分受取書データ記憶手段と、
前記特定区分受取書データ記憶手段によって記憶された前記特定区分受取書データを抽出する特定区分受取書データ抽出手段と、
前記特定区分受取書データ抽出手段によって抽出された前記特定区分受取書データを出力する特定区分受取書データ出力手段とを含むことを特徴とする請求項2記載の取引処理装置。
【請求項4】
前記受取書発行日情報と、前記所定の受取金額区分を示す受取金額区分情報との入力を受け付ける受取書データ入力手段をさらに含み、
前記受取書発行枚数管理手段は、
前記受取書データ入力手段によって入力された前記受取書発行日情報と前記受取金額区分情報とに基づいて、前記受取書発行枚数データ記憶手段によって記憶された前記受取書発行枚数データが示す受取書の発行枚数を減算することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の取引処理装置。
【請求項5】
発行された受取書が不課税文書に該当するか否かを判断する不課税文書判断手段と、
前記不課税文書判断手段によって不課税文書に該当すると判断された受取書の枚数を示す不課税文書発行枚数データを記憶する不課税文書発行枚数データ記憶手段と、
前記不課税文書判断手段によって、発行された受取書が不課税文書に該当すると判断される毎に、前記不課税文書発行枚数データ記憶手段によって記憶される前記不課税文書発行枚数データを更新する不課税文書発行枚数管理手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の取引処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−268555(P2006−268555A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−86799(P2005−86799)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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