説明

取得画像とオブジェクトとの関連付け

取得画像をオブジェクトと関連付けるシステムが開示される。システムは、記憶画像(6)を、複数の記憶された画像を有し、記憶画像(6)と関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを有するデータベース(5)から選択する画像セレクタ(1)と、イメージングセッションの間、関心のある画像の少なくとも一部の表示(10)を有する新しい画像(9)を取得する画像スキャナ(2)と、ユーザがイメージングセッションの間、新しい画像(9)が関心のある画像と関連付けられるべきであることを示すことを可能にするユーザインターフェース(3)と、データベースにおいて新しい画像(9)と関心のあるオブジェクトとの間の関連付け(23)を生成する関連付けサブシステム(4)とを有する。ユーザインターフェース(3)は、ユーザが記憶画像と関連付けられる複数の関心のあるオブジェクトから関心のあるオブジェクトを選択することを可能にするよう配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取得画像をオブジェクトと関連付けることに関する。本発明は、更に、取得画像を病変と関連付けることに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、乳がん診断は多くの画像診断法(例えば、x線マンモグラフィ、超音波(US)、及び/又は磁気共鳴)に基づく。しばしば、患者は1よりも多い病変を有し、複数の病変が単一の従前のマンモグラム又はMR検査において可視的である場合がある。同じ患者の更なる超音波画像が取得される場合に、超音波画像の粗い位置情報しか、例えば超音波プローブの位置に基づいて、記憶されない。この位置情報は、医療関係者によって手動で入力される。
【0003】
米国特許出願公開第2007/0036402(A1)号明細書(特許文献1)は、対象の医療画像における異常の検出のためのシステムを開示している。このシステムによれば、胸部のx線マンモグラフィ画像及び超音波画像は、検査バンドル(examination bundle)を形成するよう捕捉される。候補集団は、当業者に知られている技術を用いて、x線マンモグラフィ画像において特定される。x線マンモグラフィ画像におけるあらゆる特定された候補集団に対応する超音波画像における1又はそれ以上の範囲を特定することによって、x線マンモグラフィ画像と超音波画像との間には、対応付けが確立される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0036402(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
取得画像をオブジェクトと関連付ける改善された方法を有することが有利となりうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の懸案事項により良く対処するよう、本発明の第1の態様は、取得画像をオブジェクトと関連付けるシステムであって、
− 記憶画像を、複数の記憶された画像を有し、前記記憶画像と関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを有するデータベースから、選択する画像セレクタ;
− イメージングセッションの間、前記関心のある画像の少なくとも一部の表示を有する新しい画像を取得する画像スキャナ;
− ユーザが、前記イメージングセッションの間、前記新しい画像が前記関心のある画像と関連付けられるべきであることを示すことを可能にするユーザインターフェース;及び
− 前記データベースにおいて前記新しい画像と前記関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを生成する関連付けサブシステム
を有するシステムを提供する。
【0007】
画像を該画像によって表される関心のあるオブジェクトと関連付ける最良の時は画像を取得する時である。それは、画像を取得する者がその時点で、どのようなオブジェクトが画像によって表されるのかを知っているからである。過去を振り返って後に関連付けを行うことが試みられる場合、これははるかに困難となりうる。それは、記憶画像に対する新しい画像の位置が過去にさかのぼっての解析において利用可能でないかもしれないからである。これは、例えば、画像スキャナが、超音波プローブ又は手持ち式カメラ等の携帯型装置である場合に起こり得る。
【0008】
ユーザインターフェースは、ユーザが前記記憶画像と関連付けられる複数の関心のあるオブジェクトから前記関心のあるオブジェクトを選択することを可能にするよう配置されてよい。このように、複数の関心のあるオブジェクトが記憶画像と関連付けられる場合を扱うことが可能である。
【0009】
データベースは、前記関心のあるオブジェクトと前記記憶画像における前記関心のあるオブジェクトの位置との間の関連付けを有してよい。これは、例えば、記憶画像における関心のあるオブジェクトの表示を視覚化することによって、進歩した機能性を提供することを可能にする。
【0010】
ユーザインターフェースは、ユーザが前記記憶画像における前記関心のあるオブジェクトの前記位置を示すことによって前記関心のあるオブジェクトを選択することを可能にするよう配置されてよい。これは、関心のあるオブジェクトを選択する直感的な方法である。
【0011】
記関連付けサブシステムは、前記関心のあるオブジェクトと前記新しい画像における前記関心のあるオブジェクトの位置との間の関連付けを前記データベースにおいて記憶するよう配置されてよい。これは、新しい画像における関心のあるオブジェクトの位置に関するより詳細な情報を提供することを可能にする。
【0012】
ユーザインターフェースは、ユーザが前記新しい画像における前記関心のあるオブジェクトの前記位置を示すことを可能にするよう配置されてよい。これは、システムが関心のあるオブジェクトの位置の知識を得る有効な方法である。この知識によれば、システムは、関心のあるオブジェクトと新しい画像におけるその位置との間の関連付けを生成することができる。
【0013】
画像セレクタは、前記新しい画像が取得される前に前記記憶画像又は前記関心のあるオブジェクトを選択するよう配置されてよい。これは、ユーザが画像取得の間に関係のある関心のあるオブジェクトを積極的に探すことができるので、プロセスをより効率的にする。
【0014】
システムは、前記新しい画像を取得する時間と、前記新しい画像が前記関心のあるオブジェクトと関連付けられるべきであることを示す時間とを含む時間インターバルの間、前記記憶画像を表示するグラフィカルサブシステムを更に有してよい。これは、ユーザが、新しい画像を取得しながら、患者における関心のあるオブジェクトの場所を見つけ出すことをより容易にする。
【0015】
ユーザインターフェースは、少なくとも部分的に前記画像スキャナに設けられてよい。これは、ユーザが予め画像スキャナを扱っているので、ユーザが容易に、画像が関心のあるオブジェクトと関連付けることを示すことを可能にする。例えば、ユーザは、現在の画像が関心のあるオブジェクトと関連付けるべきであることを、画像スキャナを介して示すことができる。
【0016】
前記記憶画像及び前記新しい画像は胸部画像であってよく、前記関心のあるオブジェクトは乳房病変を有してよい。これは、システムの有用な応用分野である。
【0017】
新しい画像を取得する前記画像スキャナは、超音波スキャナを有してよい。このように、手持ち式のスキャナにより生じた画像は、関係のある関心のあるオブジェクトと適切に関連付けられ得る。
【0018】
システムは、医療ワークステーションを有してよく、前記画像セレクタ(1)、前記ユーザインターフェース(3)、及び/又は前記関連付けサブシステム(4)は、少なくとも部分的に、前記医療ワークステーションで実行されるよう配置されるソフトウェアにおいて実施されてよい。これは、システムの有効な実現化の可能性である。
【0019】
本発明の他の態様は、上記のようなシステムを有する医療画像取得装置を提供する。本発明の他の態様は、上記のようなシステムを有する医療ワークステーションを提供する。
【0020】
本発明の他の態様は、取得画像をオブジェクトと関連付ける方法であって、
− 記憶画像を、複数の記憶された画像を有し、前記記憶画像と関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを有するデータベースから、選択するステップ;
− イメージングセッションの間、前記関心のある画像の少なくとも一部の表示を有する新しい画像を取得するステップ;
− ユーザが、前記イメージングセッションの間、前記新しい画像が前記関心のある画像と関連付けられるべきであることを示すことを可能にするステップ;及び
− 前記データベースにおいて前記新しい画像と前記関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを生成するステップ
を有する方法を提供する。
【0021】
本発明の他の態様は、プロセッサシステムに上記のような実行させる命令を有するコンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0022】
当業者には当然のことながら、本発明の上記の実施形態、実施、及び/又は態様のうち2又はそれ以上が、有用と考えられるあらゆる方法において組み合わされてよい。
【0023】
システムの記載される改良及び変形に対応する画像取得装置、ワークステーション、及び/又はコンピュータプログラムプロダクトの改良及び変形は、本明細書に基づいて当業者によって行われ得る。
【0024】
当業者には当然のことながら、方法は、標準的なx線イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、超音波(US)、陽電子放出型断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、及び核医学(NM)等の、しかしこれらに限られない様々な取得モダリティによって取得される多次元の画像データ、例えば、2次元(2D)、3次元(3D)又は4次元(4D)画像に適用されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】取得画像をオブジェクトと関連付けるシステムの図である。
【図2】取得画像をオブジェクトと関連付ける方法の図である。
【図3】関連付けが表され得る様態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の上記の及び他の態様は、以下で記載される実施形態から明らかであり、それらを参照して説明される。
【0027】
図1は、図表により、取得画像をオブジェクトと関連付けるシステムの態様を表す。そのような関連付けは、取得画像を解釈する場合に有用となりうる。特に、複数の取得画像において現れるオブジェクトは、そのような関連付けを用いて互いに結び付けられてよい。システムはデータベース5を有してよい。データベース5は画像及び関連付けを有してよい。代替的に、システムが外部のデータベースと通信するための通信サブシステムを有することも可能である。システムは、データベース5から記憶画像6を選択する画像セレクタ1を更に有してよい。データベース5は、自身において、記憶画像6と関心のあるオブジェクトとの間の関連付け21を有してよい。
【0028】
システムは、新しい画像9を取得する画像スキャナ2を有してよい。そのような新しく取得された画像は、新しい画像9における位置10に示されるような、関心のあるオブジェクトの少なくとも一部の表示を含んでよい。この場合に、ユーザは、画像が関心のあるオブジェクトの少なくとも一部のこの表示を含むことを示してよい。このために、ユーザインターフェース3は、ユーザが新しい画像9が関心のあるオブジェクトと関連付けられるべきことを示すことを可能にするために、設けられてよい。ユーザインターフェース3は、ユーザが、新しい画像9が取得されているイメージングセッションの間に、例えば、患者が未だそこにいて、更なる画像がユーザによって取得され得る間に、そのような指示を出すことを可能にするよう配置されてよい。
【0029】
システムは、データベース5において新しい画像9と関心のあるオブジェクトとの間の関連付け23を生成する関連付けサブシステム4を有してよい。
【0030】
関連付けは多種多様にデータベース5において表されてよいことが知られる。図1において表される、関連付けの1つの可能な表現は、テーブル19を有する。テーブル19はオブジェクト識別子20を有してよい。オブジェクト識別子20は、ランダム識別子、又は代替的に、記述テキスト識別子であってよい。なお、そのような識別子は任意であり、別の形をとってよい。関心のあるオブジェクトに関する更なる情報が必要に応じて更に記憶されてよい。テーブルは、画像及び/又は画像における位置との関連付けを更に有してよい。そのような関連付けは、夫々、画像の識別子及び/又は座標によって表されてよい。テーブル19において、左の列は、例えば画像識別子の形で、画像との関連付け21、23を有し、右の列は、夫々の画像21、23における位置との関連付け22、24を有する。位置との関連付けは、例えば、画像座標を有してよい。関連付けの他の種類の表現も、例えば、画像又は画像の特定の部分に対するメモリポインタを用いて、可能である。図1における破線は、関連付け21、22、23、24の対象である画像及び位置を示す。例えば、関連付け21は、画像6と関心のあるオブジェクトとの関連付けを与え、関連付け22は(関連付け21とともに)、画像6における位置8と関心のあるオブジェクトとの関連付けを与える。結果として、関連付けサブシステム4は、例えば、新しい画像9の識別子をテーブル19に含めることによって、新しい画像9を関心のあるオブジェクトと関連付ける関連付け23を生成するよう配置されてよい。
【0031】
ユーザインターフェース3は、ユーザが、記憶画像6と関連付けられる複数の関心のあるオブジェクトから関心のあるオブジェクトを選択することを可能にするよう配置されてよい。例えば、テーブル19と同様の複数のテーブルが利用可能であってよく、夫々のテーブルは、異なる関心のある画像に関する。それらのテーブルのうち1よりも多くのテーブルは同じ記憶画像6との関連付けを定義することが可能である。そのような場合において、ユーザインターフェース3は、記憶画像6と関連付けられるそれらの関心のあるオブジェクトのうち特定の1つを選択することを可能にしてよい。これは、関連付けサブシステムが、新しい画像9と特定の選択された関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを生成することを可能にする。また、ユーザが、新しい画像9が関連付けられるべき複数のオブジェクトを選択することを可能にすることも可能である。
【0032】
データベース5は、関心のあるオブジェクトと記憶画像6における関心のあるオブジェクトの位置8との間の関連付け22を更に有してよい。結果として、ユーザインターフェース3は、ユーザが、記憶画像6における関心のあるオブジェクトの位置8を示すことによって、関心のあるオブジェクトを選択することを可能にするよう配置されてよい。例えば、ユーザは、記憶画像6が表示される場合にポインタを位置8へ動かすためにポインティング装置を用いることを可能にされてよい。
【0033】
関連付けサブシステム4は、関心のあるオブジェクトと新しい画像9における関心のあるオブジェクトの位置10との間の関連付け24をデータベース5において記憶するよう配置されてよい。ユーザインターフェース3は、ユーザが、位置8が示されうるのと同様に、新しい画像9における関心のあるオブジェクトの位置10を示すことを可能にするよう配置されてよい。関連付けサブシステム4は、図1において対応する破線によって示されるように、関心のあるオブジェクトと位置10との間の関連付け24を含めるよう配置されてよい。
【0034】
画像セレクタ1は、新しい画像9が取得される前に記憶画像6又は関心のあるオブジェクトを選択するよう配置されてよい。
【0035】
システムは、記憶画像6を表示するグラフィカルサブシステム14を有してよい。例えば、記憶画像6は、新しい画像9を取得する時間と、新しい画像9が関心のあるオブジェクトと関連付けられるべきことを示す時間とを含む時間インターバルの間、表示されてよい。すなわち、記憶画像6は選択されて表示されてよい。表示される画像は、新しい画像9の取得の間ユーザによってリファレンスとして使用され得る。記憶画像6は、少なくとも、新しい画像9が関心のあるオブジェクトと関連付けられることを示されるまで、表示されてよい。
【0036】
ユーザインターフェース3は、少なくとも部分的に画像スキャナ2において設けられてよい。例えば、ボタンは、どの新しく取得された画像が関心のあるオブジェクトと関連付けられるべきかを示すよう、画像スキャナ2において設けられてよい。例えば、ボタンは、最後に取得された画像が関心のあるオブジェクトと関連付けられるべき新しい画像であることをユーザが示すことを可能にするよう、設けられてよい。また、制御は、記憶画像及び/又は新しい画像における関心のあるオブジェクトの位置を示すよう、画像スキャナ2において設けられてよい。
【0037】
適用例として、記憶画像6及び新しい画像9は、胸部画像であってよい。そのような場合に、関心のあるオブジェクトは、乳房病変を有してよい。
【0038】
新しい画像を取得する画像スキャナは、超音波スキャナを有してよい。
【0039】
システムは、少なくとも部分的に、画像スキャナを有する医療ワークステーションにおいて実施されてよい。例えば、モニタ、キーボード、及びマウスを備えるコンピュータ端末が設けられてよい。画像セレクタ、ユーザインターフェース、及び/又は関連付けサブシステムは、少なくとも部分的に、医療ワークステーションにインストールされるソフトウェアとして実施されてよい。コンピュータ端末は、例えばUSB接続を介して、画像スキャナ2(例えば、手持ち式の超音波装置)へ接続されてよい。ユーザインターフェース3は、少なくとも部分的に画像スキャナにおいて実施されてよい。
【0040】
図2は、取得画像をオブジェクトと関連付ける方法のフローチャートを表す。方法は、複数の記憶された画像を有するデータベースから記憶画像6を選択するステップ201を有してよい。データベースは、記憶画像6と関心のあるオブジェクトとの間の関連付け21を有する。方法は、イメージングセッションの間、関心のあるオブジェクトの少なくとも一部の表示を有する新しい画像9を取得するステップ202を更に有してよい。方法は、ユーザがイメージングセッションの間、新しい画像9が関心のあるオブジェクトと関連付けられるべきであることを示すことを可能にするステップ203を更に有してよい。方法は、新しい画像9と関心のあるオブジェクトとの間の関連付け23をデータベースに記憶するステップ204を更に有してよい。方法に対する変形及び/又は付加は、本開示に照らして当業者に想到可能な範囲内にある。方法は、少なくとも部分的に、コンピュータ読出可能な命令を有するコンピュータプログラムプロダクトによって実施されてよい。
【0041】
以下で、とりわけ超音波イメージングによる胸部撮像の応用が記載される。しかし、これは限定されない例である。他の応用が可能である。例えば、脳撮像又は心臓撮像も可能である。他の画像診断法も可能であり、例えば、MR又はx線イメージングがある。
【0042】
上記のシステムによれば、目下超音波(US)で撮像された病巣を、例えば、従前のMR又はマンモグラフィ画像におけるその出現と結び付けることが可能である。この結び付け、すなわち、関連付けは、US取得時に確立され得る。このように、誤りの数は低減されうる。
【0043】
グラフィカルサブシステムは、USルームにおいて個々の病巣の構造化されたレポートとともに患者の従前の胸部画像を表示するよう配置されてよい。例えば、ボリュームレンダリングは、患者の皮膚及び病巣を表示するために使用されてよい。データベース5は、夫々の特定される身体の病巣について、従前の画像及び病巣を示すそれらの画像における関心のある領域との関連付けとともに、一意の識別子20を有してよい。ユーザインターフェース3は、ユーザが、例えば、利用可能な従前の画像のうち1又はそれ以上において撮像された病巣を選択することによって、データベースにおいて病巣の1つを選択することを可能にするよう配置されてよい。関連付けサブシステム4は、新しく取得された超音波画像を、選択された関心のあるオブジェクトへ自動的に結び付けるよう配置されてよい。この自動関連付けは、画像処理を介して得られる画像特徴情報の助けを借りて生成されてよい。例えば、病巣検出器は、画像における病巣の位置を関心のあるオブジェクトとして見つけ出すのを助けるために使用されてよい。代替的に、位置は、手動により又は半自動的にユーザによって示されてよい。
【0044】
図3は、関連付けが表され得る代替の様態を表す。図は、2種類のテーブル、すなわち、関心のあるオブジェクトのテーブル308と、関心のあるオブジェクトの画像テーブル309とを示す。関心のあるオブジェクトが病巣であるとき、それらのテーブルは夫々、病巣テーブル及び病巣画像テーブルと呼ばれてよい。それらのテーブルは、データベースに記憶され得るコンピュータソフトウェアオブジェクトに相当する。識別によって、そのようなコンピュータソフトウェアオブジェクトは、結び付き又は関連付けを生成するよう互いを参照してよい。テーブルの更なる種類がデータベースにおいて提供されてよく、例えば、派生データ(セグメンテーション又は計算された特徴)並びに放射線及び病理学的発見を含む、関心のあるオブジェクトを患者へ結び付ける更なるテーブルがある。
【0045】
図3においては、関心のあるオブジェクトのテーブル308及び関心のあるオブジェクトの画像テーブル309が表されている。関心のあるオブジェクトのテーブル308は、そのテーブルを関心のあるオブジェクトのテーブルとして識別する識別子301を有してよい。更に、関心のあるオブジェクトのテーブル308は、一意の関心のあるオブジェクトID302を有してよい。その一意の関心のあるオブジェクトID302によって識別される関心のあるオブジェクトのテーブル308は、現実世界における関心のあるオブジェクト、例えば、患者における特定の病巣を表してよい。夫々の関心のあるオブジェクトは、複数回にわたって1又はそれ以上の画像診断法(マンモグラフィ、MR、USを含む。)によって撮像されてよい。関心のあるオブジェクトを示す夫々の画像について、関心のあるオブジェクトの画像テーブル309が生成されてよい。関心のあるオブジェクトの画像テーブル309は、識別子303によって関心のあるオブジェクトの画像テーブルとして識別されてよい。また、関心のあるオブジェクトの画像テーブル309は、一意の関心のあるオブジェクト画像テーブルID304を有してよい。関心のあるオブジェクトの画像テーブル309は、対応する関心のあるオブジェクトのテーブル308との関連付けによって、現実世界における関心のあるオブジェクトと関連付けられてよい。そのような関連付けは、305に表されるように、関心のあるオブジェクトID302のコピーの形をとってよい。関心のあるオブジェクトの画像テーブル309は、関心のあるオブジェクトを示す画像(例えば、記憶画像又は新しい画像)との関連付けを提供する画像識別子306を更に有してよい。その画像識別子306は、DICOMシリーズUIDを有してよい。画像における病巣の位置は、位置307又は関心のある範囲又は関心のある体積の記述によって特定されてよい。例えば、適切な画像座標が、関心のあるオブジェクトの中心又は関心のある画像を含む長方形の角について与えられてよい。関心のある範囲又は体積の他の形状も可能であり、例えば、円形、球形、又は楕円形がある。
【0046】
従前の記憶されている画像における関心のある画像と新しい画像との関連付けの手順は、次のステップを有してよい。
【0047】
従前の画像(例えば、そのDICOMシリーズUIDによって特定されるMR又はx線画像)に基づき、ユーザは、例えば、病巣ボクセル(x_lesion,y_lesion,z_lesion)をクリックすることによって、関心のあるオブジェクトを選択してよい。代替的に、ユーザは、(特定の患者に限定された)データベースから直接関心のあるオブジェクトを選択することを可能にされてよい。次いで、関心のあるオブジェクトの画像テーブルは、正確な画像識別子を有するテーブルを検索されてよい。そのようなテーブルにおいて、位置307は指示される位置におおよそ対応し、あるいは、指示される位置は関心のある範囲/体積に含まれる。関心のある範囲/体積と重なる場合に、これは、指示される位置を含む関心のある範囲/体積のうち1つを選択するようユーザに要求することによって、決定されてよい。
【0048】
一致する関心のあるオブジェクトの画像テーブルが見つけられない場合には、新しい関心のあるオブジェクトのテーブル308が生成されてよく、対応する新しい関心のあるオブジェクトの画像テーブル309が生成されて、同じ関心のあるオブジェクトテーブルID302、305によって関連付けられる。そうするために、ユーザは、手動で病巣を含むVIOを定義するよう、又は自動的に提案されたVOIを修正若しくは確認するよう要求されてよい。
【0049】
上述されたように取り出された又は生成された関心のあるオブジェクトの画像テーブルは、取得されるべき新しい画像が結び付けられる関心のあるオブジェクトID302を含む。
【0050】
ユーザは、自身が記憶画像において示したのと同じ関心のあるオブジェクトを探しながら、USイメージングプロシージャを実行してよい。
【0051】
関心のあるオブジェクトの許容ビューが生成されると、画像が記憶される。同時に、新しい関心のあるオブジェクトの画像テーブル309が生成されてよい。この新しい関心のあるオブジェクトの画像テーブル309は、新しい画像の画像識別子306(例えば、DICOMシリーズUID)を有してよい。ユーザは、新しい画像において関心のあるオブジェクトを含む関心のある範囲/体積又は関心のあるオブジェクトの位置を示すよう要求されてよい。それらの位置データ307は、新しい関心のあるオブジェクトの画像テーブル309において記憶されてよい。代替的に、自動オブジェクト検出アルゴリズムが、自動的に関心のある範囲/体積を提案するために使用されてよい。そのような自動的に提案された関心のある範囲/体積は、ユーザによって確認され、あるいは、自動的に新しい関心のあるオブジェクトの画像テーブル309において記憶されてよい。
【0052】
任意に、更なる一貫性検査(consistency check)が組み込まれ得る。このために、関心のあるオブジェクトは、既存のセグメンテーションアルゴリズムを用いて、従前の画像及び新しい画像において自動的に切り出されてよい。オブジェクトのサイズ等のオブジェクト特徴は、両方の画像におけるセグメンテーションに基づき測定又は計算されてよい。結果間に有意な不一致(例えば、20%超)がある場合、ユーザは修正されてよく、自身の決定を変更すると決定することができる。
【0053】
本発明がコンピュータプログラム、特に、本発明を実現するよう適合された媒体上又は内のコンピュータプログラムにも適用することは、明らかである。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形をとるコード中間ソース及びオブジェクトコード、又は本発明の方法の実施における使用に適した何らかの他の形をとってよい。また、明らかなように、そのようなプログラムは多くの異なる構造上の設計を有してよい。例えば、本発明に従う方法又はシステムの機能を実施するプログラムコードは、1又はそれ以上のサブルーチンに細分されてよい。それらのサブルーチンの間で機能を分配する多くの異なる方法は当業者に明らかである。サブルーチンは、自立プログラムを形成するよう1つの実行ファイルにおいて一緒に記憶されてよい。そのような実行ファイルは、コンピュータにより実行可能な命令、例えば、プロセッサ命令及び/又はインタープリタ命令(例えば、Java(登録商標)インタープリタ命令)を有してよい。代替的に、サブルーチンのうちの1若しくはそれ以上又は全ては、少なくとも1つの外部ライブラリにおいて記憶され、静的又は動的に(例えば、実行時間に)メインプログラムとリンクされてよい。メインプログラムは、サブルーチンのうちの少なくとも1つに対する少なくとも1回の呼出を含む。サブルーチンは、互いに対する機能呼出を更に含んでよい。コンピュータプログラムプロダクトに関する実施形態は、ここで説明される方法のうち少なくとも1つの夫々の処理ステップに対応するコンピュータにより実行可能な命令を有する。それらの命令は、サブルーチンに細分され、且つ/あるいは、静的又は動的にリンクされてよい1又はそれ以上のファイルにおいて記憶されてよい。コンピュータプログラムプロダクトに関する他の実施形態は、ここで説明されるシステム及び/又は製品のうち少なくとも1つの夫々の手段に対応するコンピュータにより実行可能な命令を有する。それらの命令は、サブルーチンに細分され、且つ/あるいは、静的又は動的にリンクされてよい1又はそれ以上のファイルにおいて記憶されてよい。
【0054】
コンピュータプログラムの媒体は、プログラムを運ぶことが可能なあらゆるエンティティ又は装置であってよい。例えば、媒体は、ROM(例えば、CD−ROM又は半導体ROM)又は磁気記録媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク又はハードディスク)のような記憶媒体を含んでよい。更に、媒体は、電気若しくは光ケーブルを介して又は無線若しくは他の手段によって搬送され得る電気又は光信号のような伝送可能な媒体であってよい。プログラムがそのような信号において運ばれる場合に、媒体は、そのようなケーブル又は他の装置若しくは手段によって構成されてよい。代替的に、媒体は、プログラムが具現される集積回路であってよく、集積回路は、関係のある方法を実行するよう適合され、又は関係のある方法の実行において使用される。
【0055】
当然のことながら、上記の実施形態は本発明を限定するのではなく説明しており、当業者は添付の特許請求の範囲の適用範囲から逸脱することなく多くの代替の実施形態を設計することができる。特許請求の範囲において、括弧内の全ての参照符号は、請求項を限定するよう解釈されるべきではない。動詞「有する」又は「含む」及びその活用形の使用は、請求項に挙げられている以外の要素又はステップの存在を除外しない。要素の前の冠詞「1つの」は、そのような要素の複数個の存在を除外しない。本発明は、複数の異なった要素を有するハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてよい。複数の手段を列挙する装置クレームにおいて、それらの手段の幾つかは、ハードウェアの同一の事項によって具現されてよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項において挙げられているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すわけではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得画像をオブジェクトと関連付けるシステムであって、
− 記憶画像を、複数の記憶された画像を有し、前記記憶画像と関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを有するデータベースから、選択する画像セレクタ;
− イメージングセッションの間、前記関心のある画像の少なくとも一部の表示を有する新しい画像を取得する画像スキャナ;
− ユーザが、前記イメージングセッションの間、前記新しい画像が前記関心のある画像と関連付けられるべきであることを示すことを可能にするユーザインターフェース;及び
− 前記データベースにおいて前記新しい画像と前記関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを生成する関連付けサブシステム
を有するシステム。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記記憶画像と関連付けられる複数の関心のあるオブジェクトから前記関心のあるオブジェクトを選択することを可能にするよう配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データベースは、前記関心のあるオブジェクトと前記記憶画像における前記関心のあるオブジェクトの位置との間の関連付けを有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記記憶画像における前記関心のあるオブジェクトの前記位置を示すことによって前記関心のあるオブジェクトを選択することを可能にするよう配置される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記関連付けサブシステムは、前記関心のあるオブジェクトと前記新しい画像における前記関心のあるオブジェクトの位置との間の関連付けを前記データベースにおいて記憶するよう配置される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記新しい画像における前記関心のあるオブジェクトの前記位置を示すことを可能にするよう配置される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記画像セレクタは、前記新しい画像が取得される前に前記記憶画像又は前記関心のあるオブジェクトを選択するよう配置される、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
前記新しい画像を取得する時間と、前記新しい画像が前記関心のあるオブジェクトと関連付けられるべきであることを示す時間とを含む時間インターバルの間、前記記憶画像を表示するグラフィカルサブシステム
を更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースは、少なくとも部分的に前記画像スキャナに設けられる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記記憶画像及び前記新しい画像は胸部画像であり、前記関心のあるオブジェクトは乳房病変を有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記画像スキャナは、超音波スキャナを有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
医療ワークステーションを有し、
前記画像セレクタ、前記ユーザインターフェース、及び/又は前記関連付けサブシステムは、少なくとも部分的に、前記医療ワークステーションで実行されるよう配置されるソフトウェアにおいて実施される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムを有する医療画像取得装置。
【請求項14】
取得画像をオブジェクトと関連付ける方法であって、
− 記憶画像を、複数の記憶された画像を有し、前記記憶画像と関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを有するデータベースから、選択するステップ;
− イメージングセッションの間、前記関心のある画像の少なくとも一部の表示を有する新しい画像を取得するステップ;
− ユーザが、前記イメージングセッションの間、前記新しい画像が前記関心のある画像と関連付けられるべきであることを示すことを可能にするステップ;及び
− 前記データベースにおいて前記新しい画像と前記関心のあるオブジェクトとの間の関連付けを生成するステップ
を有する方法。
【請求項15】
プロセッサシステムに請求項14に記載の方法を実行させる命令を有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−514117(P2013−514117A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543935(P2012−543935)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055386
【国際公開番号】WO2011/073832
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】