説明

受信端末およびその制御プログラム

【課題】P2Pネットワークから受信端末が離脱する際の再接続処理において、クライアントピアが使用する回線帯域が小さい場合であっても、再接続に要する時間を短縮することが可能な受信端末を提供する。
【解決手段】受信端末1は、P2Pネットワークから離脱する際に、再接続先候補選定手段25によって、当該受信端末1と接続しているクライアントピアに対して、当該受信端末と接続しているサーバピアを選定して再接続先候補情報を生成し、サーバピアおよびクライアントピアにそれぞれ送信し、クライアントピアである受信端末1は、再接続要求制御手段に281よって、再接続先候補情報で特定される再接続先に再接続の要求し、サーバピアである受信端末1は、再接続受付制御手段に282よって、再接続先候補情報で特定される再接続先から再接続の要求を受け付けることで再接続を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2P(ピア・ツー・ピア;Peer to Peer)ネットワークの接続処理技術に係り、より詳細には、P2Pネットワークからの離脱に伴う再接続処理を行う受信端末およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信回線の大容量化に伴って、通信回線を介して、動画等の放送番組(番組コンテンツ)をストリーミングデータとして配信するコンテンツ配信が盛んに行われている。このような通信回線を介したコンテンツ配信では、コンテンツ配信サーバの負荷を軽減するため、メッシュ型あるいはツリー型のP2Pネットワークを用いたストリーミング配信技術が用いられている(非特許文献1参照)。
【0003】
ここで、P2Pネットワークを用いたストリーミング配信は、番組コンテンツを一定時間間隔(例えば、1秒)に分割した番組データを受信した受信端末が、アプリケーション層で接続関係を持つ受信端末に、自身が受信した番組データを送信することで、通信回線を介した番組コンテンツの配信を実現している。なお、P2Pネットワークでは、個々の受信端末(ピア)は、番組データを送信する側、受信する側といった役割が固定的に決まっておらず、状況に応じてその役割が変動する対等な関係にある。そこで、P2Pネットワークでは、ネットワークに接続している番組データを送信する際の受信端末をサーバピア、番組データを受信する際の受信端末をクライアントピアと呼ぶ。
【0004】
このP2Pネットワークでストリーミング配信を行うには、受信端末が、ストリーミングデータを必要とする時点でP2Pネットワークに接続(参加)したり、あるいは、不要となった時点でP2Pネットワークから離脱したりする接続処理が必要となる。また、離脱する受信端末が他の受信端末に対してサーバピアとして機能していた場合、クライアントピアとして機能していた他の受信端末は、他のサーバピアに対して接続を行う再接続処理が必要となる。
【0005】
以下、この再接続処理について、従来の手法を説明する。
メッシュ型P2Pネットワークを用いたストリーミング配信では、受信端末がP2Pネットワークから離脱した場合、離脱した受信端末と接続していたクライアントピアは、P2Pネットワークに参加している受信端末の接続状況が記されたグループ情報を参照し、接続可能なサーバピア候補を、自律的に選定する。そして、クライアントピアであった受信端末は、選定したサーバピア候補に接続を要求するメッセージ(接続要求メッセージ)を送信する。
【0006】
そして、接続要求メッセージを受信したサーバピア候補は、クライアントピアとの接続数が予め定めた最大接続数に達していない場合、接続要求メッセージを送信した受信端末(クライアントピア)と接続する。一方、クライアントピアとの接続数が最大接続数に達している場合、サーバピア候補は、接続要求メッセージを送信した受信端末に対して、接続要求を拒否する。
【0007】
なお、P2Pネットワークに参加している受信端末の接続状況が記されたグループ情報の更新は、グループ情報を管理する専用サーバ(グループ情報管理サーバ)により最新のグループ情報が全受信端末に配信される集中管理方法、あるいは、受信端末間で個々の最新の接続状況を交換する分散管理方法により行われる。
【0008】
また、ツリー型P2Pネットワークにおいては、以下の手法によって再接続を行う技術が開示されている(特許文献1参照)。
すなわち、ツリー型P2Pネットワークにおいて、トポロジを一意に管理している接続先紹介サーバが、最新のトポロジ情報から接続可能な候補を複数選定し、接続先候補情報を生成する。そして、その生成された接続先候補情報は、接続先紹介サーバから、放送局(配信サーバ)に送信された後、放送番組が配信されるのと同様に、ツリー型のトポロジに沿って配信サーバから下流の受信端末に向けて送信される。そして、上流の配信サーバもしくは受信端末から接続先候補情報を受信した受信端末は、最新の接続先候補情報を内部に記憶する。そして、上流の受信端末が離脱した場合、下流の受信端末は、内部に記憶している最新の接続先候補情報から受信端末を選定し、その選定した受信端末に対して接続を要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−117944号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】江崎浩 監修、“P2P(ピア・ツー・ピア)教科書”、インプレスR&D、2007年12月22日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記した従来のメッシュ型P2Pネットワークにおける再接続処理では、グループ情報を最新の状態としておくため、常時、グループ情報の更新が行われる。この場合、離脱した受信端末のクライアントピアであった受信端末は、サーバピア候補の受信端末に接続を要求した際、すでにサーバピア候補が最大接続数に達するまで他のクライアントピアと接続しており、再接続要求を拒否されてしまうことがある。すなわち、従来の再接続処理では、クライアントピアであった受信端末は、再接続先を拒否されることで、再接続を行うために他の端末に再試行を行うため、端末そのものの負荷に加え、ネットワークの負荷が増加するという問題がある。
【0012】
また、前記した従来のツリー型P2Pネットワークにおける再接続処理では、内部に最新の接続先候補情報を記憶することから、接続先サーバへの問い合わせを抑え、サーバ負荷を軽減させることができる。しかし、上流から下流に配信される接続先候補情報は、ネットワークの負荷軽減のため、接続先候補情報の更新を間歇的に行う必要があり、先に指摘した再接続が拒否されることに伴う問題点を解決してはいない。
【0013】
また、一般に、下り回線帯域が小さい回線を利用しているクライアントピアは、下り回線が大きい回線を利用しているクライアントピアに比べて、最新のグループ情報が配信されるまでの伝送遅延が大きい。また、上り回線帯域が小さい回線を利用しているクライアントピアは、上り回線が大きい回線を利用しているクライアントピアに比べて、接続要求メッセージがサーバピア候補に到達するまでの伝送遅延が大きい。
【0014】
このため、離脱した受信端末と接続していたクライアントピアが、下り回線および上り回線帯域の小さい回線を利用している場合、そのクライアントピアが送信した再接続要求メッセージがサーバピア候補に到達した際、サーバピア候補は、下り回線および上り回線帯域の大きい回線を利用しているクライアントピアとすでに最大接続数に達するまで接続し、再接続要求が拒否される確率が高くなる。
【0015】
このように、従来の再接続処理では、P2Pネットワークから受信端末が離脱した際、離脱した受信端末のクライアントピアであった受信端末が再接続を拒否されることがあるため、他の接続先候補に対して接続処理を再試行しなければならず、再試行にかかる時間によっては、ストリーミング配信が分断されてしまうという問題がある。また、再試行により、ネットワーク全体として負荷が大きくなってしまうという問題もある。
【0016】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、P2Pネットワークから受信端末が離脱する際の再接続処理において、クライアントピアが、たとえ下り回線および上り回線帯域の小さい回線を利用している場合であっても、再接続に要する時間を短縮するとともに、ネットワーク負荷を軽減させることが可能な受信端末およびその制御プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、前記課題を解決するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載の受信端末は、P2Pネットワークへの接続および前記P2Pネットワークからの離脱を行う接続処理手段を備え、前記P2Pネットワークに接続した際に、番組コンテンツを分割した番組データを、接続関係を構築した受信端末間で送受信する受信端末において、接続先情報記憶手段と、再接続先候補選定手段と、再接続先候補情報送信手段と、再接続先候補情報受信手段と、再接続先候補情報記憶手段と、再接続要求制御手段と、再接続受付制御手段と、を備える構成とした。
【0018】
かかる構成において、受信端末は、P2Pネットワークに接続した状態で、接続先情報記憶手段に、当該受信端末と接続しているサーバピアおよびクライアントピアの接続先を示す接続先情報を記憶する。なお、このサーバピアは、当該受信端末に対して番組データを配信する端末であり、クライアントピアは、当該受信端末から番組データを配信される端末である。
【0019】
そして、受信端末は、再接続先候補選定手段によって、当該受信端末がP2Pネットワークから離脱する際に、接続先情報記憶手段に記憶されている接続先情報を参照して、当該受信端末と接続しているクライアントピアに対して、当該受信端末と接続しているサーバピアを選定し、その対応付けを再接続先候補情報として生成する。そして、受信端末は、再接続先候補情報送信手段によって、サーバピアおよびクライアントピアにそれぞれ再接続先候補情報を送信する。また、受信端末は、他の受信端末から送信された再接続先候補情報を再接続先候補情報記憶手段に記憶する。
これによって、サーバピアは、どのクライアントピアから再接続が要求されるのかを示す情報を予め取得することができる。また、クライアントピアは、どのサーバピアに対して再接続を行えばよいのかを示す情報を予め取得することができる。
【0020】
そして、離脱した他の受信端末が当該受信端末に対してサーバピアである場合、受信端末は、再接続要求制御手段によって、再接続先候補情報を受信後、再接続先候補情報で特定される再接続先に再接続を要求し、再接続を行う。
また、離脱した他の受信端末が当該受信端末に対してクライアントピアである場合、受信端末は、再接続受付制御手段によって、再接続先候補情報で特定される再接続先からの再接続の要求を受け付け、再接続を行う。
そして、受信端末は、再接続要求制御手段および再接続受付制御手段によって、再接続を行った後、再接続先候補情報記憶手段に記憶されている再接続先に対応する再接続先候補情報を削除する。
【0021】
また、請求項2に記載の受信端末は、請求項1に記載の受信端末において、前記接続先情報記憶手段に記憶されているサーバピアの接続数と、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されているサーバピアの候補となる再接続先の数との合計が、予め定めた最大接続数であるか否かを判定する接続可否判定手段を備える構成とした。
【0022】
かかる構成において、受信端末は、接続処理手段によって、接続可否判定手段の判定結果で、合計が最大接続数に満たない場合に、再接続先候補情報記憶手段に記憶されているサーバピアの候補以外のサーバピアに対して接続を要求する。
これによって、受信端末は、サーバピアが離脱した際の再接続処理により、予約しているサーバピアとの接続経路を確保しつつ、他のサーバピアに対して最大数の接続を行うことができる。
【0023】
さらに、請求項3に記載の受信端末は、請求項1に記載の受信端末において、前記接続先情報記憶手段に記憶されているクライアントピアの接続数と、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されているクライアントピアの候補となる再接続先の数との合計が、予め定めた最大接続数であるか否かを判定する接続可否判定手段える構成とした。
【0024】
かかる構成において、受信端末は、接続処理手段によって、接続可否判定手段の判定結果で、合計が最大接続数に満たない場合にのみ、再接続先候補情報記憶手段に記憶されているクライアントピアの候補以外のクライアントピアからの接続の要求を受け付ける。
これによって、受信端末は、クライアントピアが離脱した際の再接続処理において、予約しているクライアントピアと確実に接続することができる。
【0025】
また、請求項4に記載の受信端末は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受信端末において、前記再接続先候補情報受信手段による再接続先候補情報を受信後、予め定めた時間を計測するタイマを備える構成とした。
【0026】
かかる構成において、受信端末は、再接続要求制御手段および再接続受付制御手段によって、タイマで計測した時間内に再接続が完了しない場合、再接続先候補情報記憶手段に記憶されている再接続先に対応する再接続先候補情報を削除する。これによって、不要となった再接続先候補情報が確実に削除されることになり、最大数の接続先を確保することが可能になる。
【0027】
また、請求項5に記載の受信端末は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受信端末において、再接続先候補選定手段が、他の受信端末との接続数、前記番組データの配信元からのホップ数、前記番組データを蓄積しているバッファ量、接続している通信回線速度の少なくとも1つ以上が予め定めた基準に合致するか否かにより、前記クライアントピアの再接続先の候補を選定する構成とした。
【0028】
かかる構成において、受信端末は、再接続先候補選定手段によって、ホップ数がクライアントピアよりも小さいサーバピアを選択したり、バッファ量がクライアントピアよりも多いサーバピアを選択したり、通信回線速度がクライアントピアより速いサーバピアを選択したり、予め定めた基準によって、クライアントピアのデータ枯渇が発生しないように再接続先候補を選定することができる。
【0029】
さらに、請求項6に記載の受信端末は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受信端末において、前記再接続先候補選定手段は、前記再接続先の候補が存在しない場合、前記再接続先候補情報にその旨を記載し、前記再接続先候補情報受信手段が他の受信端末から前記再接続先の候補が存在しない旨の再接続先候補情報を受信した際に、前記接続処理手段が接続制御を行う構成とした。
【0030】
かかる構成において、受信端末は、離脱するサーバピアから再接続先の候補が存在しないと通知された場合、受信端末自らが、接続処理手段によって、接続可能なサーバピアに対して接続を行う。
【0031】
また、請求項7に記載の受信端末の制御プログラムは、P2Pネットワークへの接続および前記P2Pネットワークからの離脱を行う接続処理手段を備え、前記P2Pネットワークに接続した際に、番組コンテンツを分割した番組データを、接続関係を構築した受信端末間で送受信する受信端末において、前記P2Pネットワークからの離脱に伴う再接続を行うために、前記受信端末を制御するコンピュータを、再接続先候補選定手段、再接続先候補情報送信手段、再接続先候補情報受信手段、再接続要求制御手段、再接続受付制御手段、として機能させる構成とした。
【0032】
かかる構成において、受信端末の制御プログラムは、再接続先候補選定手段によって、当該受信端末がP2Pネットワークから離脱する際に、当該受信端末と接続している現在のサーバピアおよびクライアントピアの接続先を示す接続先情報記憶手段に記憶されている接続先情報を参照して、当該受信端末と接続しているクライアントピアに対して、当該受信端末と接続しているサーバピアを選定し、その対応付けを再接続先候補情報として生成する。そして、受信端末の制御プログラムは、再接続先候補情報送信手段によって、サーバピアおよびクライアントピアにそれぞれ再接続先候補情報を送信する。また、受信端末の制御プログラムは、他の受信端末から送信された再接続先候補情報を再接続先候補情報記憶手段に記憶する。
【0033】
そして、離脱した他の受信端末が当該受信端末に対してサーバピアである場合、受信端末の制御プログラムは、再接続要求制御手段によって、再接続先候補情報を受信後、再接続先候補情報で特定される再接続先に再接続を要求し、再接続を行う。
また、離脱した他の受信端末が当該受信端末に対してクライアントピアである場合、受信端末の制御プログラムは、再接続受付制御手段によって、再接続先候補情報で特定される再接続先からの再接続の要求を受け付け、再接続を行う。
そして、受信端末の制御プログラムは、再接続要求制御手段および再接続受付制御手段によって、再接続を行った後、再接続先候補情報記憶手段に記憶されている再接続先に対応する再接続先候補情報を削除する。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
請求項1〜3,7に記載の発明によれば、受信端末は、P2Pネットワークから離脱する際に、接続していた他の受信端末に再接続先の候補を通知することができる。これによって、再接続先を通知された受信端末は、サーバピアとして機能していた場合、予め通知されたクライアントピアからの再接続を待つことで、クライアントピアに対して接続を拒否することがなくなる。また、クライアントピアとして機能していた受信端末は、再接続先のサーバピアが予め通知されるため、接続処理の再試行を繰り返すことがなく、確実に接続を行うことができる。また、請求項1〜3,7に記載の発明によれば、再接続を行うため再接続先が予約されることになるため、たとえ、クライアントピアが使用する回線帯域が小さい場合であっても、確実に再接続ができる。これによって、接続処理の再試行を繰り返すことによって発生するネットワークの負荷を抑えることができる。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、再接続先の予約をタイムアウトによって取り消すことができ、常に最大限の接続数を確保することができる。
請求項5に記載の発明によれば、クライアントピアに対して、番組データを配信する際の最適なサーバピアを割り当てることができる。これによって、受信端末内のバッファに蓄積する番組データの枯渇を防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、たとえ、予約による再接続処理ができない場合であっても、通常の接続処理に移行することで、確実に再接続を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの接続形態を模式的に説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコンテンツ受信装置(受信端末)の構成を示すブロック構成図である。
【図4】グループ情報記憶手段に記憶されるグループ情報の内容を示す図である。
【図5】接続先情報記憶手段に記憶される接続先情報の内容を示す図である。
【図6】再接続先候補情報記憶手段に記憶される再接続先候補情報の内容を示す図である。
【図7】接続可否判定手段が接続可否を判定する際に参照するデータを説明するための図である。
【図8】接続要求メッセージおよび離脱メッセージのデータ形式の例を示すデータ構造図である。
【図9】再接続先候補情報通知メッセージのデータ形式の例を示すデータ構造図である。
【図10】再接続要求メッセージのデータ形式の例を示すデータ構造図である。
【図11】再接続応答メッセージのデータ形式の例を示すデータ構造図である。
【図12】再接続先候補情報を含む離脱メッセージのデータ形式の例を示すデータ構造図である。
【図13】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおいて、あるコンテンツ受信装置がネットワークから離脱する動作を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信装置の再接続先候補選定処理の全体動作を示すフローチャートである。
【図15】図14の再接続先候補選定処理において、クライアントピアを選択する動作を示すフローチャートである。
【図16】図14の再接続先候補選定処理において、クライアントピアに対する再接続先を確定する動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける再接続処理の動作を模式的に説明するための説明図(1/3)である。
【図18】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける再接続処理の動作を模式的に説明するための説明図(2/3)である。
【図19】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける再接続処理の動作を模式的に説明するための説明図(3/3)である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[コンテンツ配信システムの概要]
まず、図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係るコンテンツ受信装置(受信端末)を備えたコンテンツ配信システムの概要について説明する。
【0038】
コンテンツ配信システムSは、図1に示すように、コンテンツ配信サーバSvから、P2Pストリーミングによって、動画等の放送番組(以下、番組コンテンツという)を、ネットワーク(P2Pネットワーク)Nを介して接続された複数のコンテンツ受信装置1に配信するものである。
【0039】
コンテンツ配信サーバSvは、番組コンテンツを一定時間間隔(例えば、1秒)で分割した番組データを、アプリケーション層で接続関係を有するコンテンツ受信装置1に配信するものである。このコンテンツ配信サーバSvは、番組コンテンツを配信する事業者、例えば、放送局の設備として設置される。なお、番組コンテンツの配信時間等の編成情報は、予めコンテンツ受信装置1に配信されているものとする。
【0040】
コンテンツ受信装置(受信端末)1は、コンテンツ配信サーバSvから配信される番組データを、番組データの送受信の接続関係が予め構築されているコンテンツ受信装置1間で、逐次、バッファに番組データを蓄積しながらP2Pストリーミングとして送受信するものである。すなわち、コンテンツ受信装置1は、番組データを受信するクライアントピアとしての機能と、番組データを送信するサーバピアとしての機能とを有している。なお、以下の説明において、コンテンツ受信装置1を、番組データの受信側として説明する場合はクライアントピア、番組データの送信側として説明する場合はサーバピアと呼称する場合がある。このコンテンツ受信装置1は、番組コンテンツを視聴する視聴者の宅内に設置される。
【0041】
また、コンテンツ受信装置1は、番組コンテンツが配信される時刻等を示す編成情報や、同一の番組コンテンツを受信する他のコンテンツ受信装置1の情報(端末ID等)を、管理サーバ(図示せず)等から、予め取得しているものとする。
【0042】
このコンテンツ配信システムSは、図2に示すような接続形態(トポロジ)で構成されるP2Pネットワークにおいて、グループを構成し、そのグループ内で、サーバピアとして機能するコンテンツ受信装置1(例えば、101)から、クライアントピアとして機能するコンテンツ受信装置1(例えば、105)に順次番組データを配信する。このようなネットワーク構成は、コンテンツ受信装置1の接続(参加)や離脱によって、変化する。
【0043】
なお、図2中、コンテンツ受信装置1間、あるいは、コンテンツ配信サーバSvとコンテンツ受信装置1との間の矢印は、サーバピアとクライアントピアとの接続関係を示し、矢印の向きは、クライアントピアからサーバピアへの向きを示している。
また、ここでは、一例として、メッシュ型のP2Pネットワークの例を示しているが、本発明は、ツリー型のP2Pネットワークであっても構わない。
【0044】
本発明において、コンテンツ受信装置1が、P2Pネットワークから離脱する際の再接続処理の概要は以下の通りである。
例えば、図2に示したコンテンツ受信装置101が、P2PネットワークNから離脱する場合、コンテンツ受信装置101は、サーバピアであるコンテンツ受信装置102〜104のそれぞれに、クライアントピアであるコンテンツ受信装置105〜107のいずれかが再接続を要求することを予め通知する。また、一方で、コンテンツ受信装置101は、クライアントピアであるコンテンツ受信装置105〜107に、離脱後のサーバピアとなる再接続先のコンテンツ受信装置102〜104を通知する。その後、コンテンツ受信装置101は、P2PネットワークNから離脱する。
【0045】
そして、コンテンツ受信装置102〜104は、コンテンツ受信装置105〜107のうち予め予約されたコンテンツ受信装置から再接続の要求があるまで、クライアントピアの接続数が予め定めた最大数にならないように、他のコンテンツ受信装置からの接続要求を制御して、再接続要求を待つ。そして、コンテンツ受信装置105〜107は、再接続先として通知されたコンテンツ受信装置102〜104のいずれかに再接続要求を行うことで、再接続を行う。
これによって、クライアントピアは、たとえ下り回線および上り回線帯域の小さい回線を利用している場合であっても、再接続を予約したサーバピアに対して、再接続を要求すればよいため、接続を拒否されることを防止し、再接続に要する時間を短縮することができる。
以下、コンテンツ受信装置1の構成および動作について詳細に説明を行う。
【0046】
[コンテンツ受信装置の構成]
最初に、図3を参照して、本発明の実施形態に係るコンテンツ受信装置1の構成について説明を行う。ここでは、コンテンツ受信装置(受信端末)1は、記憶部10と、P2P制御部20と、タイマ30と、送受信部40と、を備えている。
なお、図3では、P2Pネットワークの接続、離脱および再接続や、番組コンテンツ(番組データ)の配信に必要な構成を示し、それ以外の構成、番組コンテンツを再生する再生手段等については、一般的なものであるため、図示を省略している。
【0047】
記憶部10は、コンテンツ受信装置(受信端末)1において必要となる各種情報や、配信された番組データ等を記憶するものであって、半導体メモリ等の一般的な記憶媒体である。ここでは、記憶部10は、グループ情報記憶手段11と、接続先情報記憶手段12と、再接続先候補情報記憶手段13と、バッファ14と、を備えている。なお、これらは、物理的に分離した記憶媒体で構成してもよいし、同一の記憶媒体で構成してもよい。
【0048】
グループ情報記憶手段11は、同一の番組コンテンツを視聴し、P2PネットワークNのグループとして構成している複数のコンテンツ受信装置1の接続状態を示すグループ情報を記憶するものである。このグループ情報は、後記するグループ情報管理手段21によって、書き込まれ、更新される。
【0049】
例えば、グループ情報は、図4に示すように、端末ID、IPアドレス、HOP数、回線クラス、バッファ量および接続数を含んだ情報である。
ここで、「端末ID」は、コンテンツ受信装置1固有に予め定められた識別子である。また、「IPアドレス」は、コンテンツ受信装置1のネットワークアドレスである。また、「HOP数」は、P2Pネットワークにおけるコンテンツ配信サーバSv(図1参照)から経由するピアの数(ホップ数)である。なお、コンテンツ受信装置1が複数のサーバピアと接続している場合は、最小の数をHOP数とする。
【0050】
また、「回線クラス」は、各コンテンツ受信装置1が接続している回線種別を予め分類した数値である。ここでは、高速回線を“2”、低速回線を“1”としている。例えば、この高速回線は、光回線線等、低速回線は、ADSL等である。
また、「バッファ量」は、各コンテンツ受信装置1が番組データを保持している量である。すなわち、このバッファ量は、コンテンツ受信装置1ごとに、後記するバッファ14に蓄積している番組データの情報を、各コンテンツ受信装置1で交換することで得られる番組データの量である。
また、「接続数」は、各コンテンツ受信装置1が接続中のサーバピアの数およびクライアントピアの数である。
【0051】
このように、グループ情報記憶手段11には、同一の番組コンテンツを視聴しているコンテンツ受信装置を特定する情報、並びに、そのコンテンツ受信装置の接続の状態がグループ情報として保持されている。
【0052】
接続先情報記憶手段12は、コンテンツ受信装置1の現在の接続先を示す情報(接続先情報)を記憶するものである。この接続先情報は、後記する接続処理手段24、再接続処理手段28によって、接続先が変化したタイミングで更新される。
【0053】
例えば、接続先情報は、図5に示すように、端末ID、IPアドレス、ピア種別、HOP数、回線クラス、バッファ量および接続数を含んだ情報である。ピア種別以外の情報は、図4で説明したグループ情報と同じものであるため、説明を省略する。
【0054】
「ピア種別」は、コンテンツ受信装置1と、他のコンテンツ受信装置との間における接続関係を示す情報であって、接続先がサーバピアとして機能しているのか、クライアントピアとして機能しているのかを示している。例えば、ピア種別が“サーバピア”であれば、コンテンツ受信装置1は、その端末から番組データを受信していることを示し、ピア種別が“クライアントピア”であれば、コンテンツ受信装置1は、その端末に番組データを送信していることを示している。
【0055】
再接続先候補情報記憶手段13は、P2PネットワークNから離脱する他のコンテンツ受信装置から受信した再接続先の候補を示す情報(再接続先候補情報)を記憶するものである。この再接続先候補情報は、後記する再接続先候補情報受信手段27によって、再接続先候補を通知するメッセージ(再接続先候補通知メッセージ)を受信した段階で書き込まれ、すでに、再接続先候補情報が存在する場合は、再接続先が追記される。なお、ここでは、再接続先候補情報には、再接続先の候補の接続状態を示す情報も併せて記憶することとする。
【0056】
例えば、再接続先候補情報は、図6に示すように、再接続先候補端末ID、IPアドレス、ピア種別、HOP数、回線クラス、バッファ量、接続数および離脱端末IDを含んだ情報である。再接続先候補端末ID、離脱端末ID以外の情報は、図4で説明したグループ情報、図5で説明した接続先情報と同じものであるため、説明を省略する。
【0057】
「再接続先候補端末ID」は、再接続先の候補となる端末IDである。
「離脱端末ID」は、P2PネットワークNから離脱し、再接続先候補通知メッセージを送信したコンテンツ受信装置1の端末IDである。
【0058】
バッファ14は、サーバピアから受信した番組データを蓄積するものである。このバッファ14は、サーバピアから受信した、番組コンテンツを分割した番組データを順次、番組データの順番を示すシーケンス番号とともに蓄積し、再生時間が過ぎた段階で先頭の番組データから順次削除するバッファである。このバッファ14に蓄積されている番組データの数が、バッファ量として、図4〜図6に示した各情報に反映される。
なお、このバッファ14に蓄積される番組データは、後記する番組データ取得・配信手段29によって、サーバピアから取得され、クライアントピアに順次配信される。
【0059】
P2P制御部20は、P2PネットワークNへの接続、離脱および再接続処理を行うとともに、番組データを、サーバピアから取得し、クライアントピアに配信するP2Pストリーミングの制御を行うものである。
ここでは、P2P制御部20は、グループ情報管理手段21と、接続先候補選定手段22と、接続可否判定手段23と、接続処理手段24と、再接続先候補選定手段25と、再接続先候補情報送信手段26と、再接続先候補情報受信手段27と、再接続処理手段28と、番組データ取得・配信手段29と、を備えている。
【0060】
グループ情報管理手段21は、当該コンテンツ受信装置1が属するグループの接続状態を示すグループ情報を、送受信部40を介して取得するものである。このグループ情報管理手段21は、取得したグループ情報を記憶部10のグループ情報記憶手段11に書き込む。なお、このグループ情報管理手段21は、図示を省略したグループ情報を管理する専用サーバ(グループ情報管理サーバ)から、定期的にグループ情報を取得する(集中管理方法)こととしてもよいし、他のコンテンツ受信装置1間で定期的に現在の接続状況を交換し合う(分散管理方法)こととしてもよい。
【0061】
接続先候補選定手段22は、グループ情報記憶手段11に記憶されているグループ情報を参照して、接続可能なサーバピアの候補を選定するものである。この接続先候補選定手段22は、接続処理手段24から接続先の候補の要求があった段階で動作し、グループ情報に記述されている複数のコンテンツ受信装置1の中から、接続可能な候補を選定し、接続処理手段24に通知する。このとき、接続先候補選定手段22は、グループ情報の中から、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補を除外して、接続可能な候補を選定することとする。
【0062】
なお、接続先候補選定手段22が、グループ情報から接続可能なサーバピアの候補を選定する手法は、一般的な手法を用いることができる。例えば、自身のコンテンツ受信装置1よりもHOP数が少ないサーバピアを選定したり、バッファ量が最も大きいサーバピアを選定したり、クライアントピアとの接続数が最も少ないものを選定したり等である。
【0063】
接続可否判定手段23は、サーバピアおよびクライアントピアとの接続可能な数を管理し、サーバピアへの接続の可否、クライアントピアからの接続の可否を判定するものである。この接続可否判定手段23は、接続処理手段24から可否判定の要求があった段階で動作し、接続の可否(あるいは、接続可能な数)を、接続処理手段24に通知する。
この接続可否判定手段23は、図7に示すように、ピア種別ごとに、最大接続数、接続数、再接続先候補により接続数を管理する。なお、図7に示した管理情報は、図示を省略したメモリ等で管理するものとする。
【0064】
ここで、「ピア種別」は、当該コンテンツ受信装置1に対してサーバピアとして機能するのか、クライアントピアとして機能するのかを示す情報である。「最大接続数」は、当該コンテンツ受信装置1と接続可能な端末の最大数を示し、予め設定されている数である。
また、「接続数」は、現在接続されている端末の数を示す。この「接続数」は、接続可否判定手段23が、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報(図5参照)を参照し、ピア種別ごとに累計した数である。
【0065】
また、「再接続先候補による接続数」は、P2PネットワークNから離脱した他のコンテンツ受信装置1から通知された再接続先の累計数であって、今後、再接続が予定されている数である。この「再接続先候補による接続数」は、接続可否判定手段23が、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報(図6参照)を参照し、自身の端末IDに対応する再接続先候補の数をピア種別ごとに累計した数である。
【0066】
例えば、図7に示した例は、コンテンツ受信装置1が、サーバピアとの最大接続数が“4”、現在のサーバピアとの接続数が“1”、離脱したサーバピアから通知された再接続先のサーバピア候補の累計数が“2”であることを示している。また、図7に示した例は、コンテンツ受信装置1が、クライアントピアとの最大接続数が“5”、現在のクライアントピアとの接続数が“3”、離脱したクライアントピアから通知された再接続先のクライアントピア候補の累計数が“2”であることを示している。
この場合、コンテンツ受信装置1は、再接続先候補のサーバピア以外に、1台のサーバピアと接続が可能であり、再接続先候補のクライアントピア以外に他のクライアントピアとは接続できないことになる。
【0067】
このように、接続可否判定手段23は、ピア種別ごとに最大接続数、現在の接続数、再接続先候補による接続数を管理することで、接続処理手段24からの可否判定要求に対して、サーバピアあるいはクライアントピアとして接続可能な数を通知することができる。
【0068】
接続処理手段24は、P2Pネットワークへの接続および離脱の処理を行うものである。ここでは、接続処理手段24は、接続制御手段241と、離脱制御手段242と、を備えている。
【0069】
接続制御手段241は、サーバピアやクライアントピアとの接続処理を行うものである。すなわち、接続制御手段241は、サーバピアとして機能するコンテンツ受信装置1に対して、送受信部40を介して、接続要求メッセージを送信し、接続許可の応答メッセージを受信することで、サーバピアと接続する。なお、この接続制御手段241がサーバピアと接続するタイミングは、例えば、番組コンテンツを視聴するアプリケーションが起動されたとき等である。
【0070】
ここでは、接続制御手段241は、サーバピアと接続する際に、接続先候補選定手段22に対して接続先の候補を要求し、接続先の候補を取得する。また、接続制御手段241は、接続可否判定手段23に対してサーバピアとの接続可能か否か(接続可能な数)を要求し、その接続可能な数を取得する。そして、接続制御手段241は、接続先の候補の中から、接続可能な数のサーバピアを選択し、接続要求メッセージを送信することで、サーバピアとの接続を行う。この接続要求メッセージは、例えば、図8に示すように、接続要求メッセージ固有の識別子であるメッセージIDと、要求を行う側のコンテンツ受信装置1の識別子である要求端末IDとを含んでいる。
このように、接続制御手段241は、サーバピアあるいはクライアントピアと接続した段階で、接続先情報記憶手段12の接続先情報を更新する。
【0071】
また、接続制御手段241は、クライアントピアから、送受信部40を介して、接続要求メッセージを受信し、応答メッセージを返信することで、クライアントピアと接続する。ここでは、接続制御手段241は、接続可否判定手段23に対してクライアントピアとの接続可能か否かを要求し、接続可能である場合にのみ、接続可の応答メッセージを送信する。
なお、この接続制御手段241におけるサーバピア、クライアントピアとの接続処理は、一般的なP2Pネットワークの接続処理と同様である。
【0072】
離脱制御手段242は、コンテンツ受信装置1自身のP2PネットワークNからの離脱処理、および、接続関係にある他のコンテンツ受信装置1(サーバピア、クライアントピア)のP2PネットワークNからの離脱処理を行うものである。
すなわち、離脱制御手段242は、コンテンツ受信装置1自身がP2Pネットワークから離脱する場合、後記する再接続先候補選定手段25を動作させて、今まで接続していたサーバピアあるいはクライアントピアに対して、送受信部40を介して、再接続先候補を通知するとともに、離脱メッセージを送信する。この離脱メッセージは、例えば、図8に示すように、離脱メッセージ固有の識別子であるメッセージIDと、離脱を行う側のコンテンツ受信装置1の識別子である離脱端末IDとを含んでいる。
【0073】
また、離脱制御手段242は、サーバピアあるいはクライアントピアから、送受信部40を介して、離脱メッセージを受信した段階で、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報から、要求のあったサーバピアあるいはクライアントピアの端末ID(離脱端末ID)で特定される情報を削除する。
【0074】
再接続先候補選定手段25は、コンテンツ受信装置1自身がP2PネットワークNから離脱する際に、今までコンテンツ受信装置1が接続を行っていたクライアントピアに対するサーバピアとなる再接続先候補を選定するものである。
すなわち、再接続先候補選定手段25は、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報を参照して、今まで接続を行っていたクライアントピアごとに、サーバピアとなる再接続先候補(端末ID)を割り当てた再接続先候補情報を生成する。なお、サーバピアに対して割り当てができなかったクライアントピアに対しては、再接続先候補の端末IDの値を端末IDと区別可能な値(例えば、“0”)に設定した再接続先候補情報を生成する。
【0075】
この再接続先候補選定手段25は、サーバピアとクライアントピアとをどのように割り当てるかは、ランダムに割り当てることとしてもよいし、各サーバピアやクライアントピアの他のピアとの接続数、バッファ量、回線クラス等を考慮して割り当ててもよい。このサーバピアとクライアントピアとの割り当て手法については、動作の説明において詳細に説明することとする。
このように生成された各再接続先候補情報は、再接続先候補情報送信手段26に出力される。
【0076】
再接続先候補情報送信手段26は、再接続先候補選定手段25で生成された再接続先候補情報を、離脱直前に接続を行っていたサーバピアあるいはクライアントピアごとに再接続先候補情報通知メッセージとして、送受信部40を介して送信するものである。
【0077】
この再接続先候補情報送信手段26は、例えば、図9に示した形式で、再接続先候補情報通知メッセージを生成する。
図9に示した再接続先候補情報通知メッセージは、当該メッセージが再接続先候補情報通知メッセージであることを示す固有の識別子であるメッセージIDと、離脱するコンテンツ受信装置1の識別子である端末ID(離脱端末ID)と、再接続先候補情報を通知する先のコンテンツ受信装置1(サーバピア、クライアントピア)に対して割り当てた再接続先候補の端末ID(再接続先候補端末ID)と、再接続先候補がサーバビアであるかクライアントピアであるかを示すピア種別とを含んでいる。
【0078】
再接続先候補情報受信手段27は、P2PネットワークNから離脱する他のコンテンツ受信装置から、送受信部40を介して、再接続先候補情報通知メッセージを受信するものである。なお、再接続先候補情報通知メッセージは、例えば、図9で説明した形式のメッセージである。
【0079】
この再接続先候補情報受信手段27は、受信した再接続先候補情報通知メッセージに含まれている再接続先候補情報によって、再接続先候補情報記憶手段13に再接続先候補情報を書き込む。なお、すでに再接続先候補情報が存在する場合、再接続先候補情報受信手段27は、再接続先候補を追記する。
すなわち、再接続先候補情報受信手段27は、再接続先候補情報通知メッセージ(図9)の「離脱端末ID」、「再接続先候補端末ID」、「ピア種別」を、それぞれ再接続先候補情報(図6)の「離脱端末ID」、「再接続先候補端末ID」、「ピア種別」として追記する。また、再接続先候補情報受信手段27は、再接続先候補情報(図6)のIPアドレス等の他の情報については、再接続先候補端末ID(端末ID)に対応する情報をグループ情報記憶手段11に記憶されているグループ情報(図4)から読み出して再接続先候補情報(図6)に追記する。
【0080】
これによって、再接続先候補情報記憶手段13には、コンテンツ受信装置1が再接続するサーバピアを特定する各種情報、あるいは、再接続を要求することが予定されるクライアントピアを特定する各種情報が書き込まれることになる。
【0081】
なお、再接続先候補情報受信手段27は、離脱に伴う再接続先候補情報通知メッセージを受信したタイミングで、離脱端末に対応付けて予め定めた時間(例えば、3秒)のタイムアウト時間をタイマ30に設定する。このタイムアウト時間は、再接続先候補として通知されているサーバピアやクライアントピアとの再接続を監視するための時間である。このタイマ30の停止、あるいは、タイムアウト処理は、後記する再接続処理手段28で行われる。
【0082】
再接続処理手段28は、P2PネットワークNへの再接続処理を行うものである。ここでは、再接続処理手段28は、再接続要求制御手段281と、再接続受付制御手段282と、を備えている。
【0083】
再接続要求制御手段281は、サーバピアの候補に対して再接続処理を行うものである。すなわち、再接続要求制御手段281は、当該コンテンツ受信装置1に対してサーバピアとして機能していた他のコンテンツ受信装置から、離脱メッセージを受信した旨を接続処理手段24から通知された段階で、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報(図6)を参照して、再接続先候補に対して再接続の要求を行う。
【0084】
そして、再接続要求制御手段281は、再接続先候補から、接続可の応答を受信することで、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報(図5)に新たな接続先を追加するとともに、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報(図6)から、再接続先の情報を削除する。
【0085】
具体的には、再接続要求制御手段281は、再接続先候補情報(図6)を参照して、離脱メッセージで通知される離脱端末IDに対応する再接続先候補端末IDのサーバピアに対する再接続要求メッセージを生成し、送受信部40を介して、再接続先に送信する。
【0086】
この再接続要求制御手段281は、例えば、図10に示した形式で再接続要求メッセージを生成し、送信する。
図10に示した再接続要求メッセージは、当該メッセージが再接続要求メッセージであることを示す固有の識別子であるメッセージIDと、再接続を要求する当該コンテンツ受信装置1の識別子である端末IDと、再接続を要求する当該コンテンツ受信装置1の種別を示すピア種別と、離脱端末IDとを含んでいる。
【0087】
例えば、図6に示した再接続先候補端末IDが“0015”のコンテンツ受信装置に再接続要求メッセージを送信する場合、再接続先候補端末IDのピア種別は“サーバピア”であるため、再接続要求メッセージに付与するピア種別は“クライアントピア”とする。これによって、再接続を受け付けるサーバピアでは、サーバピアとクライアントピアとの接続関係を容易に確認することができる。
【0088】
そして、再接続要求制御手段281は、再接続要求メッセージに対する応答として、例えば、図11に示した再接続応答メッセージを受信する。
図11に示した再接続応答メッセージは、当該メッセージが再接続応答メッセージであることを示す固有の識別子であるメッセージIDと、再接続先候補の識別子である端末IDと、再接続先候補の種別を示すピア種別と、離脱端末IDと、再接続の可否情報とを含んでいる。
【0089】
ここで、「再接続の可否情報」が、再接続が可であることを示す情報(例えば、“1”)であれば、再接続要求制御手段281は、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報(図5)に新たな接続先を追加するとともに、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報(図6)から、離脱端末IDに対応する再接続先の情報を削除する。
【0090】
一方、「再接続の可否情報」が、再接続が不可であることを示す情報(例えば、“0”)であれば、再接続要求制御手段281は、接続処理手段24に制御を移し、接続制御手段241によって、サーバピアとの接続が行われる。
なお、再接続要求制御手段281は、再接続応答メッセージを受信した段階で、再接続先候補情報受信手段27で起動した離脱端末IDに対応するタイマ30を停止する。
【0091】
また、再接続要求制御手段281は、再接続応答メッセージを受信することなくタイマ30からタイムアウトが通知された段階で、再接続に失敗したと判定し、制御を接続処理手段24に移行する。これによって、通常の接続処理が行われることになる。
【0092】
再接続受付制御手段282は、クライアントピアの候補から再接続を受け付ける処理を行うものである。すなわち、再接続受付制御手段282は、当該コンテンツ受信装置1に対してクライアントピアとして機能していた他のコンテンツ受信装置の離脱に伴い、当該他のコンテンツ受信装置に対してクライアントピアとして機能していたコンテンツ受信装置から、再接続の要求を受け付けて再接続を行う。
【0093】
具体的には、再接続受付制御手段282は、送受信部40を介して、他のコンテンツ受信装置から、再接続要求メッセージを受信する。この再接続要求メッセージは、図10で説明したものと同じである。
【0094】
この再接続要求メッセージを受信した再接続受付制御手段282は、再接続要求メッセージに含まれている端末IDが、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報(図6)に記述されている場合に、再接続が可であることを示す再接続の可否情報(例えば、“1”)を含んだ再接続応答メッセージを生成し、送受信部40を介して、要求のあった再接続先に送信する。この再接続応答メッセージは、図11で説明したものと同じである。
【0095】
また、再接続受付制御手段282は、再接続が可の再接続応答メッセージの送信後、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報(図5)に新たな接続先を追加するとともに、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報(図6)から、離脱端末IDに対応する再接続先の情報を削除する。
なお、再接続受付制御手段282は、再接続要求メッセージを受信した段階で、再接続先候補情報受信手段27で起動した離脱端末IDに対応するタイマ30を停止する。
【0096】
また、再接続受付制御手段282は、再接続要求メッセージを受信することなくタイマ30からタイムアウトが通知された段階で、タイムアウトが発生した離脱端末IDの再接続先の情報を、再接続先候補情報(図6)から削除する。
【0097】
番組データ取得・配信手段29は、P2PネットワークNを介して、サーバピアから番組データを取得したり、クライアントピアに番組データを配信したりするものである。
この番組データ取得・配信手段29は、サーバピアから配信される番組データを、送受信部40を介して受信し、バッファ14に蓄積する。
また、番組データ取得・配信手段29は、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報を参照して、バッファ14に蓄積されている番組データを読み出し、現在接続されているクライアントピアに、送受信部40を介して送信する。
なお、この番組データ取得・配信手段29の処理は、一般的なP2Pストリーミングにおける処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0098】
タイマ30は、時間を計時するものである。このタイマ30は、タイムアウト時間を設定されることで時間を計時し、タイムアウト時間に到達した段階で、P2P制御部20に、例えば、割り込み等によって通知する。
【0099】
送受信部40は、P2PネットワークNを介して、コンテンツ受信装置1間で、番組データや各種メッセージを送受信するものである。この送受信部40は、一般的な通信制御回路等によって実現することができる。
【0100】
以上説明したようにコンテンツ受信装置1を構成することで、コンテンツ受信装置1は、P2Pストリーミングによって、番組コンテンツを番組データごとに逐次受信する形態において、他のコンテンツ受信装置がネットワークから離脱する場合に、その離脱するコンテンツ受信装置に接続していたサーバピア、クライアントピアの再接続を短時間で行うことができる。
【0101】
なお、ここでは、再接続先候補情報送信手段26が、再接続先候補情報を再接続先候補情報通知メッセージとして送信し、離脱制御手段242が、離脱メッセージを送信する構成としたが、再接続先候補情報は、離脱メッセージに付加して送信することとしてもよい。
【0102】
この場合、離脱メッセージは、例えば、図12に示す形式とすることができる。
図12に示した離脱メッセージ(再接続先候補情報を含む離脱メッセージ)は、当該メッセージが再接続先候補情報を含む離脱メッセージであることを示す固有の識別子であるメッセージIDと、離脱するコンテンツ受信装置1の識別子である離脱端末IDと、再接続先候補情報を含むか否かを示すフラグ(再接続先候補の有無フラグ)と、再接続先候補情報を通知する先のコンテンツ受信装置1(サーバピア、クライアントピア)に対して割り当てた再接続先候補の端末ID(再接続先候補端末ID)と、再接続先候補がサーバビアであるかクライアントピアであるかを示すピア種別とを含んでいる。
なお、離脱端末ID、再接続先候補端末IDおよびピア種別は、図9で説明した再接続先候補情報通知メッセージと同じものである。
【0103】
この再接続先候補情報を含む離脱メッセージを送信する場合、コンテンツ受信装置1は、再接続先候補選定手段25から離脱制御手段242に対して再接続先候補を通知し、離脱制御手段242が、図8に示した離脱メッセージの代わりに、図12に示した離脱メッセージを生成すればよい。この場合、離脱制御手段242が、再接続先候補情報送信手段26の機能を有することになる。
【0104】
以上説明したコンテンツ受信装置1は、図示を省略したCPUやメモリを搭載した一般的なコンピュータで実現することができる。このとき、コンテンツ受信装置1は、コンピュータを、前記した各手段として機能させる制御プログラムによって動作する。
【0105】
[コンテンツ受信装置の動作]
次に、図13を参照(構成については、適宜図3参照)して、本発明の実施形態に係るコンテンツ受信装置1の動作について説明を行う。ここでは、コンテンツ受信装置1が、P2Pネットワークから離脱する動作について詳細に説明を行うこととする。なお、以下の説明において、P2Pネットワークから離脱するコンテンツ受信装置1を離脱端末1R、当該離脱端末1Rに対してサーバピアとして機能していたコンテンツ受信装置1をサーバピア1S、クライアントピアとして機能していたコンテンツ受信装置1をクライアントピア1Cと呼称して説明を行う。また、離脱端末1Rに対してサーバピア1S、クライアントピア1Cは、それぞれ1台以上存在することがあるが、ここでは、説明を簡略化するため、それぞれの台数は1台とする。
【0106】
まず、離脱端末1Rは、再接続先候補選定手段25によって、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報を参照して、今まで接続を行っていたクライアントピア1Cごとに再接続先候補を選定し、再接続先候補情報を生成する(ステップS1)。なお、この選定動作(再接続先候補選定処理)については、後で、図14〜図16を参照して詳細に説明する。
【0107】
そして、離脱端末1Rは、再接続先候補情報送信手段26によって、ステップS1で生成された再接続先候補情報を含んだ再接続先候補情報通知メッセージをサーバピア1S、クライアントピア1Cごとに生成し、送受信部40を介してサーバピア1S、クライアントピア1Cに送信する(ステップS2)。
【0108】
そして、サーバピア1Sは、再接続先候補情報受信手段27によって、ステップS2で送信された接続候補情報通知メッセージを、送受信部40を介して受信する(ステップS3)。そして、サーバピア1Sは、再接続先候補情報受信手段27によって、再接続先候補情報通知メッセージに含まれている接続先候補情報を、再接続先候補情報記憶手段13に書き込み、記憶させる(ステップS4)。ここで、サーバピア1Sの再接続先候補情報受信手段27は、離脱端末1Rに対応付けて予め定めた時間のタイムアウト時間をタイマ30に設定する(ステップS5)。
【0109】
一方、クライアントピア1Cは、再接続先候補情報受信手段27によって、ステップS2で送信された接続候補情報通知メッセージを、送受信部40を介して受信する(ステップS6)。そして、クライアントピア1Cは、再接続先候補情報受信手段27によって、再接続先候補情報通知メッセージに含まれている接続先候補情報を、再接続先候補情報記憶手段13に書き込み、記憶させる(ステップS7)。ここで、クライアントピア1Cの再接続先候補情報受信手段27は、離脱端末1Rに対応付けて予め定めた時間のタイムアウト時間をタイマ30に設定する(ステップS8)。
【0110】
その後、離脱端末1Rは、接続処理手段24の離脱制御手段242によって、今まで接続を行っていたサーバピア1Sおよびクライアントピア1Cに対して、送受信部40を介して、離脱メッセージを送信する(ステップS9)。
【0111】
そして、サーバピア1Sは、接続処理手段24の離脱制御手段242によって、ステップS9で送信された離脱メッセージを、送受信部40を介して受信する(ステップS10)。そして、サーバピア1Sは、離脱制御手段242によって、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報から、離脱メッセージに含まれている離脱端末1Rの端末IDで特定される情報を削除し、接続先情報を更新する(ステップS11)。
【0112】
一方、クライアントピア1Cもサーバピア1Sと同様に、接続処理手段24の離脱制御手段242によって、ステップS9で送信された離脱メッセージを、送受信部40を介して受信する(ステップS12)。そして、クライアントピア1Cは、離脱制御手段242によって、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報から、離脱メッセージに含まれている離脱端末1Rの端末IDで特定される情報を削除し、接続先情報を更新する(ステップS13)。
【0113】
次に、クライアントピア1Cは、再接続処理手段28の再接続要求制御手段281によって、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報を参照して、ステップS7で記憶された再接続先候補(ここでは、サーバピア1S)に対して、再接続要求メッセージを生成し、送信する(ステップS14)。
【0114】
一方、サーバピア1Sは、再接続処理手段28の再接続受付制御手段282によって、ステップS14で送信された再接続要求メッセージを、送受信部40を介して受信する(ステップS15)。
【0115】
そして、サーバピア1Sは、再接続受付制御手段282によって、ステップS15で受信した再接続要求メッセージに含まれている再接続先(ここでは、クライアントピア1C)の端末IDが、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報に記述されている場合、ステップS5で設定したタイマ30を停止する(ステップS16)。
【0116】
そして、サーバピア1Sは、再接続受付制御手段282によって、再接続が可であることを示す情報を含んだ再接続応答メッセージを生成し、送受信部40を介して、要求のあった再接続先(ここでは、クライアントピア1C)に送信する(ステップS17)。
【0117】
その後、サーバピア1Sは、再接続受付制御手段282によって、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報に新たな接続先(ここでは、クライアントピア1C)を追加するとともに、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報から、再接続先(ここでは、クライアントピア1C)の情報を削除することで、各記憶手段の情報を更新する(ステップS18)。
【0118】
そして、クライアントピア1Cは、再接続処理手段28の再接続要求制御手段281によって、ステップS17で送信された再接続応答メッセージを、送受信部40を介して受信する(ステップS19)。
【0119】
そして、クライアントピア1Cは、再接続要求制御手段281によって、ステップS19で受信した再接続応答メッセージに含まれている再接続先(ここでは、サーバピア1S)の端末IDが、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報に記述されている場合、ステップS8で設定したタイマ30を停止する(ステップS20)。
【0120】
その後、クライアントピア1Cは、再接続要求制御手段281によって、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報に新たな接続先(ここでは、サーバピア1S)を追加するとともに、再接続先候補情報記憶手段13に記憶されている再接続先候補情報から、再接続先(ここでは、サーバピア1S)の情報を削除することで、各記憶手段の情報を更新する(ステップS21)。
【0121】
以上の動作によって、離脱端末1RがP2Pネットワークから離脱する場合、サーバピア1Sは、再接続先候補情報によって、クライアントピア1Cからの接続要求があることを認識することができる。また、一方で、クライアントピア1Cは、再接続先候補情報によって、接続要求を行う接続先を認識することができる。
これによって、離脱端末の離脱に伴うサーバピアとクライアントピアとの接続を短時間で完了することができる。
【0122】
〔再接続先候補選定処理〕
次に、図14〜図16を参照(構成については、適宜図3参照)して、P2Pネットワークから離脱するコンテンツ受信装置1が再接続先候補選定手段25において行う再接続先候補選定処理の動作について説明する。この動作は、図13で説明したコンテンツ受信装置1の動作のステップS1の動作に相当するものである。
【0123】
図14に示すように、再接続先候補選定手段25は、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報を参照して、今まで接続を行っていたクライアントピアを1台ずつ選択(クライアントピア選択処理)し、再接続を行うターゲットとなるクライアントピア(ターゲットクライアントピア)を確定する(ステップS100)。
そして、再接続先候補選定手段25は、ステップS100で確定したターゲットクライアントピアごとに、接続先情報記憶手段12に記憶されている接続先情報(図6)を参照して、再接続先候補を確定(再接続先確定処理)する(ステップS200)。
【0124】
そして、再接続先候補選定手段25は、すべてのクライアントピアに対する再接続先確定処理が完了したか否かを判定し(ステップS300)、完了していない場合(ステップS300でNo)、ステップS100に戻って、動作を継続する。一方、すべてのクライアントピアに対する再接続先確定処理が完了した場合(ステップS300でYes)、再接続先候補選定手段25は、動作を終了する。そして、コンテンツ受信装置1は、図13のステップS2に動作を移行する。
以下、このクライアントピア選択処理(ステップS100)と、再接続先確定処理(ステップS200)の動作についてさらに詳細に説明する。
【0125】
(クライアントピア選択処理)
まず、図15を参照して、再接続先候補選定手段25が行うクライアントピア選択処理(図14のステップS100)の動作について説明する。
再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、今まで接続を行っていたクライアントピア(すなわち、再接続先候補情報でピア種別がクライアントピアとして記述されているコンテンツ受信装置)で、まだ、ターゲットクライアントピアとして確定していないクライアントピアから、サーバピアとの接続数が最小のクライアントピアを選択する(ステップS101)。
【0126】
ここで、対象となるクライアントピアが1つに定まれば、再接続先候補選定手段25は、当該クライアントピアをターゲットクライアントピアとして確定し、以下の動作を行わず、図14のステップS200に動作を移行する(動作として図示せず)。
【0127】
そして、このステップS101で複数のクライアントピアが候補となった場合、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、当該複数のクライアントピアの候補から、バッファ量が最小のクライアントピアを選択する(ステップS102)。
ここで、対象となるクライアントピアが1つに定まれば、再接続先候補選定手段25は、当該クライアントピアをターゲットクライアントピアとして確定し、以下の動作を行わず、図14のステップS200に動作を移行する(動作として図示せず)。
【0128】
そして、このステップS102で複数のクライアントピアが候補となった場合、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、当該複数のクライアントピアの候補から、回線クラスが最低のクライアントピアを選択する(ステップS103)。
ここで、対象となるクライアントピアが1つに定まれば、再接続先候補選定手段25は、当該クライアントピアをターゲットクライアントピアとして確定し、以下の動作を行わず、図14のステップS200に動作を移行する(動作として図示せず)。
【0129】
そして、以上の動作によっても、対象となるクライアントピアが複数存在する場合、再接続先候補選定手段25は、その中からランダムにクライアントピアを選択し、ターゲットクライアントピアとして確定する。
【0130】
以上の動作によって、再接続先候補選定手段25は、サーバピアとの接続数が少ない、番組データの蓄積量(バッファ量)が少ない、あるいは、ネットワークの回線速度が遅い(回線クラスが低い)クライアントピアを、優先的にサーバピアに割り当てることで、当該クライアントピアにおける番組データの枯渇を防止することができる。
なお、このステップS101〜S103は、必ずしもこの順番で動作させる必要はない。
【0131】
(再接続先確定処理)
次に、図16を参照して、再接続先候補選定手段25が行う再接続確定処理(図14のステップS200)の動作について説明する。
再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、今まで接続を行っていたサーバピア(すなわち、再接続先候補情報でピア種別がサーバピアとして記述されているコンテンツ受信装置)で、まだ、クライアントピアとの再接続先が未定のサーバピアから、HOP数がターゲットクライアントピアと同数以下のサーバピアが存在するか否かを判定する(ステップS201)。
【0132】
そして、HOP数がターゲットクライアントピアと同数以下のサーバピアが存在する場合(ステップS201でYes)、再接続先候補選定手段25は、当該サーバピアを、ターゲットクライアントピアの再接続先候補として選択する(ステップS202)。
これによって、ターゲットクライアントピアのHOP数の増加を抑え、番組データの伝送遅延を抑えることができる。
【0133】
なお、ここで、再接続先候補のサーバピアが1つに定まれば、再接続先候補選定手段25は、当該サーバピアをターゲットクライアントピアの再接続先として確定し、以下の動作を行わず、図14のステップS300に動作を移行する(動作として図示せず)。
【0134】
そして、このステップS202で複数のサーバピアが再接続先候補となった場合、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、当該複数の再接続先候補から、バッファ量がターゲットクライアントピアより大きいサーバピアが存在するか否かを判定する(ステップS203)。
【0135】
そして、バッファ量がターゲットクライアントピアより大きいサーバピアが存在する場合(ステップS203でYes)、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、バッファ量がターゲットクライアントピアより大きいサーバピアの中から、バッファ量が最大のサーバピアを、ターゲットクライアントピアの再接続先候補として選択する(ステップS204)。
これによって、ターゲットクライアントピアに大量の番組データを供給可能なサーバピアを接続することが可能になり、ターゲットクライアントピアのバッファの枯渇を抑制することができる。
【0136】
なお、ここで、再接続先候補のサーバピアが1つに定まれば、再接続先候補選定手段25は、当該サーバピアをターゲットクライアントピアの再接続先として確定し、以下の動作を行わず、図14のステップS300に動作を移行する(動作として図示せず)。
【0137】
そして、このステップS204で複数のサーバピアが再接続先候補となった場合、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、当該複数の再接続先候補から、回線クラスがターゲットクライアントピアより大きいサーバピアが存在するか否かを判定する(ステップS205)。
【0138】
そして、回線クラスがターゲットクライアントピアより大きいサーバピアが存在する場合(ステップS205でYes)、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、回線クラスがターゲットクライアントピアより大きいサーバピアの中から、回線クラスが最大(最速)のサーバピアを、ターゲットクライアントピアの再接続先候補として選択する(ステップS206)。
これによって、ターゲットクライアントピアに大量の番組データを供給可能なサーバピアを接続することが可能になり、ターゲットクライアントピアのバッファの枯渇を抑制することができる。
【0139】
なお、ここで、再接続先候補のサーバピアが1つに定まれば、再接続先候補選定手段25は、当該サーバピアをターゲットクライアントピアの再接続先として確定し、以下の動作を行わず、図14のステップS300に動作を移行する(動作として図示せず)。
【0140】
そして、このステップS206で複数のサーバピアが再接続先候補となった場合、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補情報(図6)を参照して、当該複数の再接続先候補のサーバの中から、クライアントピアとの接続数が最小のサーバピアを選択する(ステップS207)
これによって、すでに多くのクライアントピアと接続しているサーバピアを再接続先から除外し、サーバピアに接続するクライアントピアを分散させることで、負荷分散を行うことができる
【0141】
なお、ここで、再接続先候補のサーバピアが1つに定まれば、再接続先候補選定手段25は、当該サーバピアをターゲットクライアントピアの再接続先として確定し、以下の動作を行わず、図14のステップS300に動作を移行する(動作として図示せず)。
【0142】
そして、以上の動作によっても、対象となるサーバピアが複数存在する場合、再接続先候補選定手段25は、その中からランダムにサーバピアを選択し、ターゲットクライアントピアの再接続先として確定する。
【0143】
なお、ステップS201,S203,S205において、対象となるサーバピアが存在しない場合、再接続先候補選定手段25は、再接続先候補のサーバピアの中には、ターゲットクライアントピアの再接続先となる候補が存在しない旨を確定する。
以上の動作によって、再接続先候補選定手段25は、ターゲットクライアントピアに対して、再接続先候補のサーバピアを確定、あるいは、再接続先候補のサーバピアが存在しないことを確定することができる。
【0144】
[コンテンツ配信システムの再接続処理の例]
最後に、図17〜図19を参照して、コンテンツ配信システムS(図1,図2参照)における再接続処理について、模式的に説明する。
コンテンツ受信装置1(101〜114)は、メッシュ型のP2PネットワークNに、図17に示すように接続されているものとする。なお、ここでは、番組コンテンツの配信元であるコンテンツ配信サーバSv、上流のサーバピア等については、図示を省略し、ネットワークの一部を示している。
【0145】
以下、コンテンツ受信装置101が、P2PネットワークNから離脱する場合を例に説明を行う。このコンテンツ受信装置101は、サーバピアであるコンテンツ受信装置102〜104と接続し、クライアントピアでるコンテンツ受信装置105〜108と接続している。
【0146】
この場合、図18に示すように、離脱を行うコンテンツ受信装置101は、接続を行っていたコンテンツ受信装置102〜108のそれぞれに再接続先候補情報P〜Pをメッセージとして送信する。例えば、コンテンツ受信装置101は、サーバピアであるコンテンツ受信装置102に、再接続を要求してくるクライアントピアの候補であるコンテンツ受信装置105の端末IDを記述した再接続先候補情報Pを送信する。
【0147】
また、例えば、コンテンツ受信装置101は、クライアントピアであるコンテンツ受信装置108に、再接続先のサーバピアの候補となるコンテンツ受信装置104の端末IDを記述した再接続先候補情報Pを送信する。なお、ここで、コンテンツ受信装置101は、コンテンツ受信装置107に対しては、再接続先のサーバピアの候補が存在しない旨を示す再接続先候補情報Pを送信している。
【0148】
そして、コンテンツ受信装置101は、コンテンツ受信装置102〜108に離脱メッセージを送信することで、P2PネットワークNから離脱する。なお、コンテンツ受信装置101は、離脱メッセージに再接続先候補情報P〜Pをそれぞれ付加して、コンテンツ受信装置102〜108に送信することとしてもよい。
【0149】
その後、図19に示すように、再接続先候補のサーバピアを通知されたクライアントピアであるコンテンツ受信装置105〜108は、通知されたサーバピアに再接続要求メッセージを送信することで再接続を行う。
【0150】
例えば、再接続先候補のサーバピアとしてコンテンツ受信装置102を通知されたコンテンツ受信装置105は、コンテンツ受信装置102に対して、再接続要求メッセージを送信し再接続を行う。このとき、コンテンツ受信装置102は、再接続先候補としてコンテンツ受信装置105から接続要求があることを通知されている。そこで、コンテンツ受信装置102は、コンテンツ受信装置105から接続要求がある前であっても、コンテンツ受信装置105を含んだクライアントピアの接続数が最大接続数であった場合、他のコンテンツ受信装置(ここではコンテンツ受信装置116)からの接続の要求を拒否する。
これによって、コンテンツ受信装置105は、確実にコンテンツ受信装置102と接続を行うことができる。
【0151】
また、ここで、再接続先のサーバピアが存在しないと通知されたコンテンツ受信装置107は、グループ情報を参照して、接続可能なコンテンツ受信装置(ここではコンテンツ受信装置115)と新たな接続を行う。
【0152】
以上説明したように、コンテンツ受信装置1は、P2PネットワークNから離脱する際に、サーバピア、クライアントピアに再接続先候補情報を配信して離脱することで、クライアントピアが再接続を行う際の時間を短縮することができる。
【0153】
また、このとき、クライアントピアが、上り回線帯域が小さい回線を利用し、再接続要求メッセージがサーバピアに到達するまでの伝送遅延が大きい場合であって、サーバピアが当該要求を予め予約しており拒否することがない。これによって、クライアントピアは、サーバピアと接続することができる。
【符号の説明】
【0154】
1 コンテンツ受信装置(受信端末、サーバピア、クライアントピア)
10 記憶部
11 グループ情報記憶手段
12 接続先情報記憶手段
13 再接続先候補情報記憶手段
14 バッファ
20 P2P制御部
21 グループ情報管理手段
22 接続先候補選定手段
23 接続可否判定手段
24 接続処理手段
241 接続制御手段
242 離脱制御手段
25 再接続先候補選定手段
26 再接続先候補情報送信手段
27 再接続先候補情報受信手段
28 再接続処理手段
281 再接続要求制御手段
282 再接続受付制御手段
30 タイマ
40 送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
P2Pネットワークへの接続および前記P2Pネットワークからの離脱を行う接続処理手段を備え、前記P2Pネットワークに接続した際に、番組コンテンツを分割した番組データを、接続関係を構築した受信端末間で送受信する受信端末において、
当該受信端末と接続している、番組データの送信元の受信端末であるサーバピアと、前記番組データの送信先の受信端末であるクライアントピアとの接続先を示す接続先情報を記憶する接続先情報記憶手段と、
当該受信端末が前記P2Pネットワークから離脱する際に、前記接続先情報記憶手段に記憶されている接続先情報を参照して、当該受信端末と接続しているクライアントピアに対して、当該受信端末と接続しているサーバピアを選定し、その対応付けを再接続先候補情報として生成する再接続先候補選定手段と、
この再接続先候補選定手段で生成された再接続先候補情報を、前記サーバピアおよび前記クライアントピアにそれぞれ送信する再接続先候補情報送信手段と、
他の受信端末から送信される前記再接続先候補情報を受信する再接続先候補情報受信手段と、
この再接続先候補情報受信手段で受信した再接続先候補情報を記憶する再接続先候補情報記憶手段と、
前記他の受信端末が当該受信端末に対してサーバピアである場合、前記再接続先候補情報を受信後、前記再接続先候補情報で特定される再接続先に再接続を要求し、再接続を行う再接続要求制御手段と、
前記他の受信端末が当該受信端末に対してクライアントピアである場合、前記再接続先候補情報で特定される再接続先からの再接続の要求を受け付け、再接続を行う再接続受付制御手段と、を備え、
前記再接続要求制御手段および前記再接続受付制御手段は、再接続を行った後、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されている前記再接続先に対応する再接続先候補情報を削除することを特徴とする受信端末。
【請求項2】
前記接続先情報記憶手段に記憶されているサーバピアの接続数と、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されているサーバピアの候補となる再接続先の数との合計が、予め定めた最大接続数であるか否かを判定する接続可否判定手段を備え、
前記接続処理手段は、前記接続可否判定手段の判定結果で、前記合計が前記最大接続数に満たない場合に、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されているサーバピアの候補以外のサーバピアに対して接続を要求することを特徴とする請求項1に記載の受信端末。
【請求項3】
前記接続先情報記憶手段に記憶されているクライアントピアの接続数と、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されているクライアントピアの候補となる再接続先の数との合計が、予め定めた最大接続数であるか否かを判定する接続可否判定手段を備え、
前記接続処理手段は、前記接続可否判定手段の判定結果で、前記合計が前記最大接続数に満たない場合にのみ、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されているクライアントピアの候補以外のクライアントピアからの接続の要求を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の受信端末。
【請求項4】
前記再接続先候補情報受信手段による再接続先候補情報を受信後、予め定めた時間を計測するタイマを備え、
前記再接続要求制御手段および前記再接続受付制御手段は、前記タイマで計測した時間内に再接続が完了しない場合、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されている前記再接続先に対応する再接続先候補情報を削除することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受信端末。
【請求項5】
前記再接続先候補選定手段は、他の受信端末との接続数、前記番組データの配信元からのホップ数、前記番組データを蓄積しているバッファ量、接続している通信回線速度の少なくとも1つ以上が予め定めた基準に合致するか否かにより、前記クライアントピアの再接続先の候補を選定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受信端末。
【請求項6】
前記再接続先候補選定手段は、前記再接続先の候補が存在しない場合、前記再接続先候補情報にその旨を記載し、
前記再接続先候補情報受信手段が他の受信端末から前記再接続先の候補が存在しない旨の再接続先候補情報を受信した際に、前記接続処理手段が接続制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受信端末。
【請求項7】
P2Pネットワークへの接続および前記P2Pネットワークからの離脱を行う接続処理手段を備え、前記P2Pネットワークに接続した際に、番組コンテンツを分割した番組データを、接続関係を構築した受信端末間で送受信する受信端末において、前記P2Pネットワークからの離脱に伴う再接続を行うために、前記受信端末を制御するコンピュータを、
当該受信端末が前記P2Pネットワークから離脱する際に、当該受信端末と接続している、番組データの送信元の受信端末であるサーバピアと、前記番組データの送信先の受信端末であるクライアントピアとの接続先を示す接続先情報記憶手段に記憶されている接続先情報を参照して、当該受信端末と接続しているクライアントピアに対して、当該受信端末と接続しているサーバピアを選定し、その対応付けを再接続先候補情報として生成する再接続先候補選定手段、
この再接続先候補選定手段で生成された再接続先候補情報を、前記サーバピアおよび前記クライアントピアにそれぞれ送信する再接続先候補情報送信手段、
他の受信端末から送信される前記再接続先候補情報を受信して再接続先候補情報記憶手段に記憶する再接続先候補情報受信手段、
前記他の受信端末が当該受信端末に対してサーバピアである場合、前記再接続先候補情報を受信後、前記再接続先候補情報で特定される再接続先に再接続を要求し、再接続を行う再接続要求制御手段、
前記他の受信端末が当該受信端末に対してクライアントピアである場合、前記再接続先候補情報で特定される再接続先からの再接続の要求を受け付け、再接続を行う再接続受付制御手段、として機能させ、
前記再接続要求制御手段および前記再接続受付制御手段は、再接続を行った後、前記再接続先候補情報記憶手段に記憶されている前記再接続先に対応する再接続先候補情報を削除することを特徴とする受信端末の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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