説明

受光装置、情報取得装置および物体検出装置

【課題】透過波長帯域の異なる複数のフィルタの切り替えによって透過波長帯域の調整を行う場合に、フィルタ部全体の大きさを抑制できる受光装置、および、このような受光装置を用いた情報取得装置、物体検出装置を提供する。
【解決手段】情報取得装置1は、光を受光して信号を出力するCMOSイメージセンサ16と、レーザ光源11からのレーザ光をCMOSイメージセンサ16へと導く撮像レンズ14と、撮像レンズ14からのレーザ光と交差する方向に透過波長帯域の異なる複数のフィルタ151、152、153が直線的に並べられたフィルタユニット15と、フィルタユニット15を複数のフィルタ151、152、153の並び方向にスライドさせるためのアクチュエータ50とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を受光する受光装置に関する。また、本発明は、目標領域に光を投写したときの反射光を上記受光装置より受光し、受光した反射光の状態に基づいて目標領域内の情報を取得する情報取得装置、および、当該情報取得装置から取得した情報に基づいて目標領域内の物体を検出する物体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射された光を他の光と区別して受光する受光装置が知られている。この種の受光装置では、太陽光や電灯などの背景光の入射によって、上記光源からの光の検出精度が低下しないようにする必要がある。この場合、たとえば、レンズと受光素子との間に、光源からの光の波長(中心波長、以下同じ)に整合させた波長選択性のフィルタが配される。光源には、レーザ光源やLED(Light Emitting Device)等が用いられる。また、受光素子には、PSD(Position Sensitive Detector)やCMOSイメージセンサ等が用いられ、フィルタには、干渉フィルタやエタロンタイプのフィルタ等が用いられる。
【0003】
かかる受光装置では、光源毎に波長に公差があり、また、温度変化に応じて光源からの光の波長が変動する。このため、フィルタの透過波長帯域が固定されていると、光源からの光とフィルタの透過波長帯域との間にずれが生じてしまう。
【0004】
そこで、かかる問題に対処すべく、入射光に対するフィルタの傾きを調整することにより、フィルタの透過波長帯域を調節できるようにする構成が採られ得る(特許文献1参照)。この他、透過波長帯域の異なる複数のフィルタを準備し、これらフィルタを光源の波長に応じて切り替える構成も採られ得る。ここで、フィルタを切り替えるための構成として、回転軸を中心に周方向に複数のフィルタを配し、回転軸を回転させることによってフィルタを切り替える構成が考えられ得る(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59−122245号公報
【特許文献2】特開昭63−253915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように複数のフィルタを周方向に配する場合には、各波長帯域に対応するフィルタ領域が、フィルタリングの際に実際に光が透過する領域よりも、数段大きくなってしまう。このため、各波長帯域に対応するフィルタ領域に余分なスペースが生じ、結果、フィルタ部全体が大きくなりやすいという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、透過波長帯域の異なる複数のフィルタの切り替えによって透過波長帯域の調整を行う場合に、フィルタ部全体の大きさを抑制できる受光装置、および、このような受光装置を用いた情報取得装置、物体検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、光源からの光を受光する受光装置に関する。本態様に係る受光装置は、光を受光して信号を出力する受光素子と、前記光を前記受光素子へと導くレンズと、前記レンズからの光と交差する方向に透過波長帯域の異なる複数のフィルタが直線的に並べられたフィルタ部と、前記フィルタ部を前記複数のフィルタの並び方向にスライドさせるためのフィルタ駆動部とを備える。
【0009】
本発明の第2の態様は、光を用いて目標領域の情報を取得する情報取得装置に関する。本態様に係る情報取得装置は、所定波長の光を出射する光源と、前記光源からの光を目標領域に向けて投射する投射光学系と、前記目標領域から反射された反射光を受光する、上記第1の態様に係る受光装置とを備える。
【0010】
本発明の第3の態様は、物体検出装置に関する。本態様に係る物体検出装置は、上記第2の態様に係る情報取得装置と、前記情報取得装置にて取得された情報をもとに目標領域の物体を検出する検出部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、透過波長帯域の異なる複数のフィルタの切り替えによって透過波長帯域の調整を行う場合に、フィルタ部全体の大きさを抑制できる受光装置、および、このような受光装置を用いた情報取得装置、物体検出装置を提供することができる。
【0012】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態に係る物体検出装置の構成を示す。
【図2】実施の形態に係る情報取得装置と情報処理装置の構成を示す。
【図3】実施の形態に係る3次元距離演算部の処理を説明する図である。
【図4】実施の形態に係る情報取得装置の受光部の構成を詳細に示す。
【図5】実施の形態に係る情報取得装置の受光部の構成を詳細に示す。
【図6】実施の形態に係る中波長フィルタ、長波長フィルタおよび短波長フィルタの透過特性を示す。
【図7】実施の形態に係るフィルタ切替え処理のフローチャートである。
【図8】実施の形態に係るフィルタユニットの変更例を示す。
【図9】変更例に係る中波長フィルタ、長波長フィルタおよび短波長フィルタの透過特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0015】
まず、図1に本実施の形態に係る物体検出装置の概略構成を示す。図示の如く、物体検出装置は、情報取得装置1と、情報処理装置2とを備えている。テレビ3は、情報処理装置2からの信号によって制御される。
【0016】
情報取得装置1は、目標領域全体に赤外光を投射し、その反射光をCMOSイメージセンサにて受光することにより、目標領域にある物体各部の距離(以下、「3次元距離情報」という)を取得する。取得された3次元距離情報は、ケーブル4を介して情報処理装置2に送られる。
【0017】
情報処理装置2は、たとえば、テレビ制御用のコントローラやゲーム機、パーソナルコンピュータ等である。情報処理装置2は、情報取得装置1から受信した3次元距離情報に基づき、目標領域における物体を検出し、検出結果に基づきテレビ3を制御する。
【0018】
たとえば、情報処理装置2は、受信した3次元距離情報に基づき人を検出するとともに、3次元距離情報の変化から、その人の動きを検出する。たとえば、情報処理装置2がテレビ制御用のコントローラである場合、情報処理装置2には、受信した3次元距離情報からその人のジャスチャーを検出するとともに、ジェスチャに応じてテレビ3に制御信号を出力するアプリケーションプログラムがインストールされている。この場合、ユーザは、テレビ3を見ながら所定のジェスチャをすることにより、チャンネル切り替えやボリュームのUp/Down等、所定の機能をテレビ3に実行させることができる。
【0019】
また、たとえば、情報処理装置2がゲーム機である場合、情報処理装置2には、受信した3次元距離情報からその人の動きを検出するとともに、検出した動きに応じてテレビ画面上のキャラクタを動作させ、ゲームの対戦状況を変化させるアプリケーションプログラムがインストールされている。この場合、ユーザは、テレビ3を見ながら所定の動きをすることにより、自身がテレビ画面上のキャラクタとしてゲームの対戦を行う臨場感を味わうことができる。
【0020】
図2は、情報取得装置1と情報処理装置2の構成を示す図である。
【0021】
情報取得装置1は、光学部の構成として、レーザ光源11と、投射レンズ12と、アパーチャ13と、撮像レンズ14と、フィルタユニット15と、CMOSイメージセンサ16を備えている。また、回路部の構成として、CPU(Central Processing Unit)21と、レーザ駆動回路22と、撮像信号処理回路23と、フィルタ制御回路24と、入出力回路25と、メモリ26を備えている。
【0022】
なお、アパーチャ13、撮像レンズ14、フィルタ15、CMOSイメージセンサ16、後述するアクチュエータ50からなる構成部分が、本発明の受光装置の一つの実施形態に相当する。
【0023】
レーザ光源11は、波長800nm程度のレーザ光を出力する。投射レンズ12は、レーザ光源11から出射されたレーザ光を目標領域全体に広げて投射する。目標領域から反射されたレーザ光は、アパーチャ13を介して撮像レンズ14に入射する。アパーチャ13は、撮像レンズ14のFナンバーに合うように、外部からの光に絞りを掛ける。撮像レンズ14は、アパーチャ13を介して入射された光をCMOSイメージセンサ16上に集光する。
【0024】
フィルタユニット15は、レーザ光の進行方向に直交する方向、たとえば、図2に示すY軸方向に直線的に並べられた3つのフィルタを備えている。3つのフィルタは、透過波長帯域の異なるバンドパスフィルタであり、それぞれの透過波長帯域に整合する波長の光を透過する。フィルタユニット15は、アクチュエータ50によって駆動され、Y軸方向に直線的にスライドする。これにより、撮像レンズ14からのレーザ光の光路中に配置されるフィルタが切り替えられる。フィルタユニット15およびアクチュエータ50の詳細な構成については、追って説明する。
【0025】
CMOSイメージセンサ16は、撮像レンズ14にて集光された光を受光して、画素毎に、受光光量に応じた信号(電荷)を撮像信号処理回路23に出力する。ここで、CMOSイメージセンサ16は、各画素における受光から高レスポンスでその画素の信号(電荷)を撮像信号処理回路23に出力できるよう、信号の出力速度が高速化されている。
【0026】
CPU21は、メモリ26に格納された制御プログラムに従って各部を制御する。かかる制御プログラムによって、CPU21には、3次元距離情報を生成するための3次元距離演算部21aの機能、およびアクチュエータ50を制御するための駆動制御部21bの機能が付与される。
【0027】
レーザ駆動回路22は、CPU21からの制御信号に応じてレーザ光源11を駆動する。ここで、レーザ駆動回路22は、所定の変調方式に従ってレーザ光源11を駆動する。これにより、レーザ光源11からは、固有の変調パターンを持つレーザ光が出射される。
【0028】
撮像信号処理回路23は、CMOSイメージセンサ16を制御して、CMOSイメージセンサ16で生成された各画素の信号(電荷)をライン毎に順次取り込む。そして、取り込んだ電荷を順次信号としてCPU21に出力する。CPU21は、撮像信号処理回路23から供給される信号をもとに、情報取得装置1から各画素位置までの距離を、3次元距離演算部21aによる処理によって算出する。このとき、CPU21は、各画素位置の信号が、レーザ駆動回路22におけるレーザ光の変調方式と同様に変調されているかを判定し、同様に変調されている場合にのみ、この信号を、3次元距離の算出に用いる。
【0029】
フィルタ制御回路24は、アクチュエータ50を駆動する。駆動制御部21bは、CMOSイメージセンサ16からの信号に基づいて、フィルタ制御回路24に制御信号を出力することにより、アクチュエータ50を制御する。
【0030】
入出力回路25は、情報処理装置2とのデータ通信を制御する。
【0031】
情報処理装置2は、CPU31と、入出力回路32と、メモリ33を備えている。なお、情報処理装置2には、同図に示す構成の他、テレビ3との通信を行うための構成や、CD−ROM等の外部メモリに格納された情報を読み取ってメモリ33にインストールするためのドライブ装置等が配されるが、便宜上、これら周辺回路の構成は図示省略されている。
【0032】
CPU31は、メモリ33に格納された制御プログラム(アプリケーションプログラム)に従って各部を制御する。かかる制御プログラムによって、CPU31には、画像中の物体を検出するための物体検出部31aの機能が付与される。かかる制御プログラムは、たとえば、図示しないドライブ装置によってCD−ROMから読み取られ、メモリ33にインストールされる。
【0033】
たとえば、制御プログラムがゲームプログラムである場合、物体検出部31aは、情報取得装置1から供給される3次元距離情報から画像中の人およびその動きを検出する。そして、検出された動きに応じてテレビ画面上のキャラクタを動作させるための処理が制御プログラムにより実行される。
【0034】
また、制御プログラムがテレビ3の機能を制御するためのプログラムである場合、物体検出部31aは、情報取得装置1から供給される3次元距離情報から画像中の人およびその動き(ジェスチャ)を検出する。そして、検出された動き(ジェスチャ)に応じて、テレビ1の機能(チャンネル切り替えやボリューム調整、等)を制御するための処理が制御プログラムにより実行される。
【0035】
入出力回路32は、情報取得装置1とのデータ通信を制御する。
【0036】
図3は、3次元距離演算部21aにおける処理を説明する図である。
【0037】
情報処理装置2からの指令に応じて情報取得装置1における情報取得処理が起動されると、レーザ光源11から目標領域に向かって固有の変調パターンでレーザ光が投射される。このとき、同図にように目標領域に人(M)がいると、レーザ光は人(M)により反射され、撮像レンズ14を介してCMOSイメージセンサ16に入射される。こうして、人(M)の像がCMOSイメージセンサ16に投影される。
【0038】
このとき、レーザ光源11からのレーザ光のうち、人(M)の位置Poに当たった光は、CMOSイメージセンサ16上の画素Ppの位置に入射する。したがって、レーザ光源11における変調レーザ光の出射タイミングと、画素Ppにおける当該変調レーザ光の受光タイミングの時間差をΔtとすると、情報取得装置1から人(M)の位置Poまでの距離Dpは、
Dp=C×Δt(C:光速) …(1)
で求められる。人(M)のその他の位置の距離も同様に求められる。
【0039】
3次元距離演算部21aは、レーザ駆動回路22に変調レーザ光の発光指令を行ってから、各画素における変調レーザ光の受光信号が撮像信号処理回路23から入力されるまでの時間差ΔTをもとに、各回路部におけるタイムラグおよびレーザ光源11とCMOSイメージセンサ16のレスポンスを考慮して、上記式(1)における時間差Δtを画素毎に求め、求めたΔtをもとに式(1)の演算を行って、情報取得装置1から人(M)の各位置までの距離を求める。このとき、目標領域内に人(M)以外に物や壁等があれば、これらについても同様に距離が求められる。
【0040】
3次元距離演算部21aは、こうして求めた、目標領域内の各位置の距離を3次元距離情報として情報処理装置2に出力する。この場合、たとえば、人(M)が前後にまっすぐ手を動かすと、手の位置の距離が変化する3次元距離情報が順次情報処理装置2に出力される。情報処理装置2の物体検出部31aは、このように変化する3次元距離情報をもとに、人(M)の検出と、この人(M)が手を前後に動かす動作を行っていることの検出を行う。そして、CPU31は、この検出結果に基づいて、制御プログラムに規定された制御動作を行う。
【0041】
図4および図5は、アパーチャ13、撮像レンズ14、フィルタユニット15、アクチュエータ50およびCMOSイメージセンサ16の部分の詳細な構成を示す図である。図4(a)、(b)は、それぞれ、異なる方向から見た保持筒41、アクチュエータ50、保持枠42、回路基板43の分解斜視図である。図5は、保持筒41およびアクチュエータ50が回路基板43にセットされた状態を示す斜視図である。
【0042】
図4(a)、(b)に示すように、本実施の形態では、回路基板43上に保持枠42が重ねられる。回路基板43は、CMOSイメージセンサ16が装着されている他、CMOSイメージセンサ16に関連する回路が配されている。保持枠42には、中央に光を透過させる開口が形成されており、その開口からCMOSイメージセンサ16が上方に臨んでいる。
【0043】
保持枠42の上方に、フィルタユニット15が装着されたホルダ51が配され、さらにその上方に保持筒41が配される。保持筒41は、アパーチャ13と撮像レンズ14を保持する。即ち、保持筒41は、底部が開放された中空の箱形状を有しており、内部に複数枚のレンズ群からなる撮像レンズ14を収容している。また、保持筒41の上部には、円形状の開口が形成され、この開口から外部に臨むようにアパーチャ13が保持筒41の上部に装着されている。
【0044】
フィルタユニット15は、中波長フィルタ151、長波長フィルタ152および短波長フィルタ153の3つのフィルタで構成されている。これらフィルタ151、152、153は、ガラス等からなる基板の一面に誘電体膜が積層された構成を有する、いわゆる「干渉フィルタ」であり、誘電体膜での多光束干渉の作用によって特定の波長帯域の光のみを透過させる。CMOSイメージセンサ16のセンサ面は方形状を有しているため、これに合わせて、これらフィルタ151、152、153も方形状に形成されている。中波長フィルタ151、長波長フィルタ152および短波長フィルタ153は、透過波長帯がそれぞれ異なる異種のフィルタである。
【0045】
図6に、中波長フィルタ151、長波長フィルタ152および短波長フィルタ153の透過特性を示す。
【0046】
図6に示すように、中波長フィルタ151は、その透過中心波長がレーザ光源11の所期の波長(公差によるずれのない設計上の波長)に略整合するような透過波長帯域を有する。長波長フィルタ152は、中波長フィルタ151よりも長波長領域に透過波長帯域を有する。短波長フィルタ153は、中波長フィルタ151よりも短波長領域に透過波長帯域を有する。
【0047】
レーザ光源11には光源毎に公差がある。また、レーザ光源11の波長は、発光部の温度変化に伴って変化する。本実施の形態では、公差や温度変化によって、レーザ光源11の波長が所期の波長から変動しても、そのときの波長に応じて、各フィルタ151、152、153の中から最適なフィルタが使用される。このため、レーザ光源11の波長が変動する範囲(図6に矢印で示す波長変動範囲)において、何れのフィルタが使用されても、CMOSイメージセンサ16にて適正な受光がなされる透過率(たとえば、80%以上)が維持できるように、各フィルタ151、152、153の透過波長帯域が設定されている。
【0048】
図4に戻り、アクチュエータ50は、フィルタユニット15が装着されるホルダ51と、ホルダ51をY軸方向に直線的にスライド可能に支持する支持部52と、ホルダ51をスライド駆動する駆動部53とを備えている。
【0049】
ホルダ51は、収容部511を有する。収容部511には、Y軸方向に並ぶ3つの開口が形成されている。本実施の形態では、中央の開口に中波長フィルタ151が装着されており、その両側の開口に長波長フィルタ152と短波長フィルタ153が装着されている。
【0050】
ホルダ51において、収容部511の一方側には、Y軸方向に沿う1つのガイド孔512が形成されており、収容部511の他方側には、Y軸方向に沿う2つのガイド孔513、513が開口514を挟んで形成されている。また、ホルダ51のガイド孔513側の端部には、凹部515aを有する取付部515が形成されている。
【0051】
支持部52は、2本のシャフト521、522と、これらシャフト521、522を固定するための固定具523、524とで構成されている。シャフト521の両端が固定具523により固定され、シャフト522の両端が固定具524により固定される。これら固定具523、524は保持筒41の側面に取り付けられる。これにより、2本のシャフト521、522は、Y軸方向に沿うように保持筒41の下方に配される。このとき、シャフト521とシャフト522との間隔は、ホルダ51のガイド孔512とガイド孔513との間隔と等しくされる。
【0052】
駆動部53は、モータ531と、支持盤532と、リードスクリュー533と、移動体534とで構成されている。
【0053】
モータ531は、たとえば、ステッピングモータである。支持盤532には、モータ取付部532aおよび軸受部532bが形成されている。モータ取付部532aにはモータ531が取り付けられる。軸受部532bにはモータ531の回転軸の先端が軸支される。モータ531の回転軸にはリードスクリュー533が取り付けられている。モータ531が回転すると、リードスクリュー533が回転する。
【0054】
移動体534には、リードスクリュー533に噛み合うネジ穴(図示せず)が設けられている。移動体534のネジ穴にリードスクリュー533が挿入されている。また、移動体534には、ホルダ51の取付部515に移動体534を取り付けるための取付片534aが設けられている。
【0055】
保持筒41、アクチュエータ50、保持枠42、回路基板43を組み立てる際には、1つのカイド孔512がシャフト521に、2つのガイド孔513がシャフト522に通されるようにして、ホルダ51がガイド部52に装着される。これにより、ホルダ51が、2本のシャフト521、522にガイドされて、Y軸方向にスライド可能となる。
【0056】
次に、移動体534の取付片534aが固定部515の凹部515aに嵌め込まれ、ネジ止等により固定されることにより、駆動部53がホルダ51に連結される。こうして、保持筒41とアクチュエータ50が一体化される。
【0057】
その後、COMSイメージセンサ16のセンサ面上にホルダ51装着されたフィルタユニット15が位置するように、保持筒41およびアクチュータ50が回路基板43にセットされる。こうして、図5に示すように、保持筒41、アクチュータ50および回路基板43のセッティングが完了する。
【0058】
たとえば、モータ531が左回り(図5の実線矢印の方向)に回転すると、リードスクリュー533が左回りに回転する。これにより、移動体534が図5の+Y軸方向(実線矢印の方向)に移動し、これに伴って、ホルダ51が+Y軸方向(実線矢印の方向)にスライドする。一方、モータ531が右回り(図5の点線矢印の方向)に回転すると、リードスクリュー533が右回りに回転する。これにより、移動体534が図5の−Y軸方向(点線矢印の方向)に移動し、これに伴って、ホルダ51が−Y軸方向(点線矢印の方向)にスライドする。このようにして、ホルダ51がY軸方向にスライドされることにより、COMSイメージセンサ16上に配されるフィルタユニット15のフィルタが切り替えられる。
【0059】
本実施の形態では、たとえば、各フィルタ151、152、153がCMOSイメージセンサ16上に正対する位置(以下、「フィルタ使用位置」という)にあるときのモータ531の中立位置からのステップ数が予め規定されている。なお、図示しないが、アクチュエータ50には、磁石とホール素子による検出手段等、中立位置を検出するための構成が設けられている。
【0060】
中波長フィルタ151がフィルタ使用位置に配される場合には、中波長フィルタ151に対応するステップ数となるようモータ531が駆動される。また、長波長フィルタ152がフィルタ使用位置に配される場合には、長波長フィルタ152に対応するステップ数となるようモータ531が駆動される。さらに、短波長フィルタ153がフィルタ使用位置に配される場合には、短波長フィルタ153に対応するステップ数となるようモータ531が駆動される。なお、各フィルタ151、152、153がフィルタ使用位置にあるか否かを位置センサによって検出することもできる。たとえば、各フィルタに対応するフォトインタラプタが設けられ、各フィルタがフィルタ使用位置に来たときに、対応するフォトインタラプタの光を遮るような構成とすることにより、各フィルタがフィルタ使用位置に来たことが検出できる。
【0061】
なお、図4および図5の構成では、フィルタユニット15をY軸方向にスライドさせているが、フィルタユニット15をX軸方向にスライドさせてもよい。
【0062】
また、図4および図5の構成では、フィルタユニット15は、中波長フィルタ151が中央に配され、その両側に長波長フィルタ152および短波長フィルタ153が配された構成とされている。しかしこれに限らず、フィルタユニット15は、端から中波長フィルタ151、長波長フィルタ152、短波長フィルタ153と並ぶような構成とされてもよい。ただし、中波長フィルタ151と長波長フィルタ152は隣接して配されることが望ましい。
【0063】
中波長フィルタ151は、レーザ光源11の所期の波長に対応しており、使用頻度が最も高いと考えられる。また、レーザ光源11の温度が上昇すると、波長は長波長側へずれる。よって、中波長フィルタ151から長波長フィルタ152へとフィルタが切り替えられるケースが多くなると考えられる。上記のように、中波長フィルタ151と長波長フィルタ152が隣接して配されていれば、このように中波長フィルタ151から長波長フィルタ152へと切り替えられる際のフィルタの移動量が抑えられるので、フィルタの切替えに要する時間を短くできる。
【0064】
さて、本実施の形態では、駆動制御部21bによる制御のもと、レーザ光源11の波長に応じてフィルタユニット15の各フィルタ151、152、153を切り替えるフィルタ切替え処理が実行される。このフィルタ切替え処理では、各フィルタ151、152、153の中で、CMOSイメージセンサ16にて受光される1画面分の総光量(以下、単に「CMOSイメージセンサ16の総受光量」という)が最大となるフィルタが、使用されるフィルタ(以下、「使用フィルタ」という)に設定される。フィルタ切替え処理は、たとえば、情報取得装置1が起動されたときに実行され、その後、所定時間毎(たとえば、数分毎)に実行される。なお、フィルタ切替え処理が実行されている間は、3次元距離情報の取得する処理が一時的に中断される。
【0065】
図7は、フィルタ切替え処理のフローチャートである。本実施の形態では、フィルタユニット15が3つのフィルタにより構成されているが、図7のフィルタ切替え処理は、フィルタユニット15を構成するフィルタの個数が4つ以上となっても適用することができる。
【0066】
図7を参照して、処理が開始されると、開始当初に使用されているフィルタによるCMOSイメージセンサ16の総受光量D1が検出される(S1)。ここで、総受光量の検出は、撮像信号処理回路23から出力される1画面分の信号を加算することにより行われる。
【0067】
次に、開始当初のフィルタが、最長波長のフィルタでなければ(S2:NO)、一つ長波長側のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる(S3)。なお、フィルタ使用位置にフィルタが配される度に、そのフィルタを識別するための情報がメモリに格納される。よって、この情報を検出することによって、フィルタ使用位置にあるフィルタが何れのフィルタであるかを把握することができる。
【0068】
次に、新たなフィルタによるCMOSイメージセンサ16の総受光量D2が検出される(S4)。そして、総受光量D2が総受光量D1より大きければ(S5:YES)、そのフィルタが最長波長のフィルタであるか否かが判定される(S6)。そのフィルタが最長波長のフィルタであれば(S6:YES)、そのフィルタが全てのフィルタの中で総受光量が最大のものと考えられるため、そのフィルタが使用フィルタに設定される(S7)。
【0069】
一方、新たなフィルタが最長波長のフィルタでなければ(S6:NO)、総受光量D2が総受光量D1に置き換えられた後(S8)、一つ長波長側のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる(S3)。そして、再び、新たなフィルタによるCMOSイメージセンサ16の総受光量D2が検出される(S4)。
【0070】
ここで、総受光量D2が総受光量D1以下となれば(S5:NO)、今回が最初の総受光量の比較かが判別される(S9)。ここでは、今回が最初の比較ではないことから(S9:NO)、1つ前のフィルタが全てのフィルタの中で総受光量が最大のものとされ、1つ前のフィルタが使用フィルタに設定される(S10)。この場合、1つ前のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる。
【0071】
一方、今回も総受光量D2が総受光量D1より大きければ、そのフィルタが最長波長のフィルタであるか否かが判定され(S6)、最長波長のフィルタであれば(S6:YES)、そのフィルタが使用フィルタに設定される(S7)。
【0072】
このように、最初のステップS5での総受光量の比較において、総受光量D2が総受光量D1より大きいと判定された場合には、長波長側のフィルタへ順次スライドされつつ、総受光量D2と総受光量D1とが比較される。そして、総受光量D2が総受光量D1以下であると判定されれば、1つ前のフィルタが使用フィルタに設定される。一方、総受光量D2が総受光量D1以下であると判定されることなく、最長波長のフィルタに達すれば、最長波長のフィルタが使用フィルタに設定される。
【0073】
これに対し、最初のステップS5での総受光量の比較において、総受光量D2が総受光量D1より大きいと判定された場合には、開始当初のフィルタよりも長波長側には、総受光量が最大となるフィルタがないことになる。このとき、1つ前のフィルタ、即ち開始当初のフィルタが最短波長のフィルタであれば(S11:YES)、開始当初のフィルタが使用フィルタに設定され(S10)、開始当初のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる。
【0074】
一方、開始当初のフィルタが最短波長のフィルタでなければ(S11:NO)、開始当初のフィルタより1つ短波長側のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる(S12)。
【0075】
また、ステップS2において、開始当初のフィルタが最長波長のフィルタであると判定された場合も(S2:YES)、開始当初のフィルタより1つ短波長側のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる(S13)。
【0076】
次に、新たなフィルタによるCMOSイメージセンサ16の総受光量D2が検出される(S14)。そして、総受光量D2が総受光量D1より大きければ(S15:YES)、そのフィルタが最短波長のフィルタであるか否かが判定される(S16)。そのフィルタが最短波長のフィルタであれば(S16:YES)、そのフィルタが全てのフィルタの中で総受光量が最大のものと考えられるため、使用フィルタに設定される(S7)。
【0077】
一方、新たなフィルタが最短波長のフィルタでなければ(S16:NO)、総受光量D2が総受光量D1に置き換えられた後(S17)、一つ短波長側のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる(S13)。そして、再び、新たなフィルタによるCMOSイメージセンサ16の総受光量D2が検出される(S14)。
【0078】
ここで、総受光量D2が総受光量D1以下となれば(S15:NO)、1つ前のフィルタが全てのフィルタの中で総受光量が最大のものと考えられるので、1つ前のフィルタが使用フィルタに設定される(S18)。この場合、1つ前のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる。
【0079】
一方、今回も総受光量D2が総受光量D1より大きければ、そのフィルタが最短波長のフィルタであるか否かが判定され(S16)、最短波長のフィルタであれば(S16:YES)、そのフィルタが使用フィルタに設定される(S7)。
【0080】
なお、開始当初のフィルタから1つ短波長側にスライドされた最初のステップS15での総受光量の比較において、総受光量D2が総受光量D1以下であると判定された場合には、開始当初のフィルタが全てのフィルタの中で総受光量が最大のものと考えられるため、使用フィルタに設定される(S18)。この場合、開始当初のフィルタがフィルタ使用位置にスライドされる。
【0081】
このように、開始当初のフィルタよりも短波長側にスライドされた後の処理においては、短波長側のフィルタへ順次スライドされつつ、総受光量D2と総受光量D1とが比較される。そして、総受光量D2が総受光量D1以下であると判定されれば、1つ前のフィルタが使用フィルタに設定される。一方、総受光量D2が総受光量D1以下であると判定されることなく、最短波長のフィルタまで達すれば、最短波長のフィルタが使用フィルタに設定される。
【0082】
このようにして、ステップS7、S10、S18において、CMOSイメージセンサ16の総受光量D2が最大となるフィルタが使用フィルタに設定されると、フィルタ切替え処理が終了する。
【0083】
以上、本実施の形態によれば、レーザ光源11の波長が公差よって所期の波長からずれている場合に、その波長に応じて異なる透過波長帯域のフィルタを切り替えることによって、その波長にフィルタユニット15の透過波長帯域を合わせることができる。さらに、その後の温度変化等によってレーザ光源11の波長が時々刻々と変化しても、その波長にフィルタユニット15の透過波長帯域を合わせることができる。よって、本実施の形態によれば、3次元距離演算部21aにおいて3次元距離情報を精度よく求めることができ、結果、物体検出部31aにおける検出精度を高めることができる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、フィルタユニット15は、複数のフィルタ(中波長フィルタ151、長波長フィルタ152、短波長フィルタ153)が直線的に並べられた構成であるため、各フィルタはCMOSイメージセンサ16の受光領域と略同じサイズであれば良く、隣接するフィルタ間に余分なスペースが生じ難い。よって、フィルタユニット15全体としての大きさを抑制することができる。
【0085】
さらに、本実施の形態によれば、フィルタ切替え処理において、最初にフィルタを長波長側にスライドさせて総受光量の比較を行い、その結果によって使用フィルタを設定するようにしている。上述したように、レーザ光源11の温度が上昇すると、波長は長波長側へずれるため、フィルタが長波長側に切り替えられるケースが多い。このような制御処理とすれば、フィルタが長波長側に切り替えられる場合に、使用フィルタを設定する時間が短くてすむ。よって、全体として、フィルタ切替え制御を短時間に行うことが可能となる。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記の他に種々の変更が可能である。
【0087】
<変更例>
図8は、フィルタユニット15の変更例を示す。図8(a)は、フィルタユニット15がホルダ51に装着された状態を示す斜視図であり、図8(b)は図8(a)のA−A´断面図である。
【0088】
本変更例では、同じ種類(透過特性)の干渉フィルタを、それぞれ傾き角を変えて配することにより、中波長フィルタ154、長波長フィルタ155、短波長フィルタ156を構成するようにしている。
【0089】
中波長フィルタ154は、Z軸に垂直となる状態から図8のY−Z平面に平行な方向に角度αだけ傾けられている。長波長フィルタ155は、Z軸に垂直な状態であり傾けられていない。短波長フィルタ156は、Z軸に垂直となる状態から図8のY−Z平面に平行な方向に角度β(β>α)だけ傾けられている。
【0090】
図9に、中波長フィルタ154、長波長フィルタ155および短波長フィルタ156の透過特性を示す。
【0091】
図9に示すように、干渉フィルタにおいては、光束に対するフィルタの傾き角を変化させることにより、フィルタ15の透過波長帯域を変化させることができる。本変更例では、傾きがない状態で、その透過中心波長がレーザ光源11の所期の波長より長波長側にずれている干渉フィルタが用いられる。そして、この干渉フィルタの傾き角をゼロとすることにより、長波長フィルタ155が構成される。また、干渉フィルタの傾き角を、透過中心波長がレーザ光源11の所期の波長に略整合するような角度αとすることにより、中波長フィルタ154が構成される。さらに、干渉フィルタの傾き角を、中波長フィルタ151よりも短波長領域に透過波長帯域を有するような角度βとすることにより、短波長フィルタ156が構成される。
【0092】
本変更例においても、レーザ光源11の波長が変動する範囲(図9に矢印で示す波長変動範囲)において、何れのフィルタが使用されても、CMOSイメージセンサ16にて適正な受光がなされる透過率(たとえば、80%以上)が維持できるように、各フィルタ154、155、156の透過波長帯域が設定されている。
【0093】
このように、本変更例によれば、フィルタユニット15を構成する複数のフィルタに、同じ種類の干渉フィルタを用いることができるので、コストの低減を図ることができる。
【0094】
<その他>
上記実施の形態では、フィルタユニット15の各フィルタに、基板に誘電体膜を積層した干渉フィルタを用いているが、これに限らず、エタロンタイプのフィルタを用いるようにしても良い。なお、エタロンタイプのフィルタも、干渉フィルタと同様、光束に対するフィルタの傾き角を変化させることにより、フィルタの透過波長帯域を変化させることができる。
【0095】
また、上記実施の形態では、フィルタユニット15が3つのフィルタで構成されている。しかしこれに限らず、フィルタユニット15が4つ以上のフィルタで構成されてもよい。たとえば、上記実施の形態よりも波長変動範囲が大きくなるようなレーザ光源が用いられる場合には、フィルタの個数が増やされ得る。また、隣り合うフィルタの透過特性曲線が交わる点での透過率を高めるためには、隣り合うフィルタの透過波長帯域を近づける必要がある。この場合に、波長変動範囲をカバーするため、フィルタの個数が増やされ得る。
【0096】
さらに、上記実施の形態では、モータ531を用いたアクチュエータを示したが、ホルダ51にレバーを設けて、手動によりホルダ51をスライドする構成とすることもできる。
【0097】
さらに、上記実施の形態には、目標領域にレーザ光を広げて投写するようにしたが、目標領域をレーザ光が走査するように構成しても良い。この場合、レーザ光の走査手段として、ミラーを用いたスキャン機構(たとえば、特開2008−102026号公報)やレンズを用いたスキャン機構(たとえば、特開2006−308558号公報)を用いることができる。また、レーザ光の走査位置が検出可能であれば、CMOSイメージセンサに替えて、受光光量を検出可能な光検出器を用いることができる。
【0098】
さらに、上記実施の形態では、CMOSイメージセンサ16の総受光量をモニタし、これが最大となるように各フィルタ151、152、153の切替えを行ったが、たとえば、レーザ光源11の温度を検出する温度センサを配置し、検出された温度をもとに、フィルタの切替えを行うようにしても良い。この場合、メモリ26は、たとえば、温度とフィルタ(その温度のときに最適であると想定されるフィルタ)との関係を規定するテーブルを保持しており、駆動制御部21bは、このテーブルを参照して、使用フィルタを設定する。なお、テーブルには、温度と、中立位置からのステッピングモータのステップ数とが対応づけられていても良い。この場合、磁石とホール素子による検出手段等、中立位置を検出するための構成が別途アクチュエータ50に必要となる。
【0099】
さらに、上記実施の形態では、光源としてレーザ光源11を用いたが、これに替えて狭帯域LEDを用いることもでき、また、CMOSイメージセンサ16に替えて、高速応答性のCCDイメージセンサを用いることもできる。さらに、情報取得装置1と情報処理装置2は一体化されても良い。
【0100】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 情報取得装置
2 情報処理装置(検出部)
11 レーザ光源(光源)
12 投射レンズ(投射光学系)
14 撮像レンズ(レンズ)
15 フィルタユニット(フィルタ部)
151、154 中波長フィルタ(第1のフィルタ)
152、155 長波長フィルタ(第2のフィルタ)
153、156 短波長フィルタ(第3のフィルタ)
16 CMOSイメージセンサ(受光素子)
21b 駆動制御部
50 アクチュエータ(フィルタ駆動部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を受光する受光装置において、
光を受光して信号を出力する受光素子と、
前記光を前記受光素子へと導くレンズと、
前記レンズからの光と交差する方向に透過波長帯域の異なる複数のフィルタが直線的に並べられたフィルタ部と、
前記フィルタ部を前記複数のフィルタの並び方向にスライドさせるためのフィルタ駆動部と、
を備えたことを特徴とする受光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受光装置において、
前記フィルタ部は、
前記光源の所期の波長に対応する透過波長帯域を有する第1のフィルタと、前記第1のフィルタよりも長い波長域に透過波長帯域を有する第2のフィルタと、前記第1のフィルタよりも短い波長域に透過波長帯域を有する第3のフィルタと、を備え、
前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとが隣接するように配されている、
ことを特徴とする受光装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の受光装置において、
前記複数のフィルタは、種類が異なっている、あるいは、種類が同じであって傾きが異なるように配されている、
ことを特徴とする受光装置。
【請求項4】
光を用いて目標領域の情報を取得する情報取得装置において、
所定波長の光を出射する光源と、
前記光源からの光を目標領域に向けて投射する投射光学系と、
前記目標領域から反射された反射光を受光する、請求項1ないし3の何れか一項に記載の受光装置と、
を備えたことを特徴とする情報取得装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報取得装置において、
前記受光素子からの信号が最良となるフィルタが前記光の光路中に配されるよう前記フィルタ駆動部を駆動する駆動制御部を備えた、
ことを特徴とする情報取得装置。
【請求項6】
物体検出装置において、
請求項4または5に記載の情報取得装置と、
前記情報取得装置にて取得された情報をもとに目標領域の物体を検出する検出部と、
を備えたことを特徴とする物体検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−33478(P2011−33478A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180042(P2009−180042)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】