説明

受診者の身体に関する情報を管理するためのシステム、サーバ装置およびプログラム

【課題】互いに遠隔の複数の医療従事者が容易かつ安全に連携して検査および診断を行うことを可能とする。
【解決手段】受診者の基本データ、脳MRI画像データおよび心電図データは、担当医端末装置12からサーバ装置11に送信される。サーバ装置11は脳MRI画像データを受信すると、放射線科医端末装置14に画像診断指示データを送信し、その応答として、放射線科医端末装置14から画像診断結果データを受信する。一方、血液検査結果データが、血液検査センター端末装置13からサーバ装置11に送信される。サーバ装置11は基本データ、脳MRI画像データ、心電図データ、血液検査結果データおよび画像診断結果データの全てを受信すると、総合診断指示データを生成し、神経内科医端末装置15に送信し、その応答として、神経内科医端末装置15から総合診断結果データを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受診者の身体に関する情報を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高度な予防医療には、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CT(Computed Tomography)装置等による受診者の身体からのデータ取得が不可欠である。これらの装置の多くは高額な初期投資とメインテナンス費用を必要とするが、その利用率は必ずしも高くない。その主な理由の一つとして、それらの装置が配置されている医療施設に、それらの装置により取得されたデータに基づき診断を行う専門家が揃っているわけではないことが挙げられる。
【0003】
例えば、全身のMRI画像データを生成可能なMRI装置が配置されている医療施設に放射線科医がいなければ、そのMRI装置は脳梗塞等の高度な読影能力を必要とする分野の予防医療には利用されることがない。
【0004】
上記のような問題を解消するため、放射線科医がいる医療施設に対し、ネットワークを介して放射線科医がいない医療施設からMRI画像データを送信するとともに、読影の依頼を行うことを可能とするシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−207831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高度な予防医療には、複数の専門家によるチームワークが必要である。例えば、脳梗塞等の脳血管障害予防のためには、血液検査結果、心電図、脳MRI画像の読影を行う放射線科医による画像診断結果、という複数種類のデータに基づき、神経内科医や神経外科医による総合診断が行われる必要がある。
【0007】
本願は、脳血管障害予防のみを対象とするものではないが、例として脳血管障害予防のケースにつき述べると、本願の出願時点で全国には約5500台のMRI装置が設置されているのに対し、脳ドックを受けられる医療施設は約600施設にとどまっている。
【0008】
この理由として、一つには上述したように、MRI装置の配置されている医療施設に必ずしも脳MRI画像の読影を行う放射線科医がいない、ということが挙げられる。しかしながら、仮にMRI装置が配置されている医療施設に脳MRI画像の読影を行う放射線科医がいても、その医療施設に神経内科医等がいなければ、高度な予防医療を提供することはできない。
【0009】
従って、高度な予防医療の普及のためには、限られた数の医療従事者が容易かつ安全にチームワークを行うことを可能とする従来にない仕組みが必要である。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑み、互いに地理的に離れた位置に配置された複数の医療従事者が容易かつ安全にチームワークにより受診者の健康に関する検査および診断を行うことを可能とする手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を実現するために、本発明は、
サーバ装置と、前記サーバ装置との間でネットワークを介してデータ通信可能な2以上の端末装置とを備え、
前記サーバ装置は、
任意の端末装置からネットワークを介して一の受診者を識別する受診者識別データと当該一の受診者の身体に関する1以上の種類のデータとを受信する受信手段と、
複数の受診者の各々に関し当該受診者を識別する受診者識別データに関連付けて当該受診者の身体に関する複数の種類のデータを記憶可能であり、前記受信手段により1以上の種類のデータが受信された場合、当該1以上の種類のデータを当該1以上の種類のデータとともに受信された受診者識別データに関連付けて記憶する記憶手段と、
予め定められた2以上の種類のデータに関し、一の受診者識別データに関連付けて当該2以上の種類のデータの全てが前記記憶手段に記憶された場合、当該一の受診者識別データにより識別される受診者に関する所定の検査もしくは診断を指示する指示データを生成する生成手段と、
前記生成手段により指示データが生成された場合、当該指示データを予め定められた一の端末装置もしくは予め定められた端末装置群の中から所定の規則に従い選択された一の端末装置に送信する送信手段と
を備え、
前記2以上の端末装置の各々は、任意の受診者に関し当該受診者を識別する受診者識別データと当該受診者の身体に関する1以上の種類のデータとを前記サーバ装置に送信する送信手段を備え、
前記2以上の端末装置のうち少なくとも1の端末装置は、前記サーバ装置から前記指示データを受信する受信手段を備え、
前記指示データを受信する受信手段を備える端末装置の前記送信手段は、受信した指示データに対する応答として当該指示データに含まれる受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する
システム
を提供する(第1の実施態様)。
【0012】
上記の第1の実施態様において、
前記2以上の端末装置のうち少なくとも2の端末装置は、前記ネットワークを介した通話データの送受信を行う通話手段を備え、
前記通話手段を備える端末装置のうち少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを受信し、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記通話手段を備える端末装置のうちの少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、一の受診者識別データもしくは一の受診者識別データにより識別される受診者の前記複数の種類のデータのうち1の種類のデータを識別する通話要求データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記通話要求データを受信し、
前記サーバ装置の前記送信手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データにより識別される受診者識別データもしくは身体に関する1の種類のデータに関連付けて前記サーバ装置の前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
構成が採用されてもよい(第2の実施態様)。
【0013】
上記の第1の実施態様において、
前記2以上の端末装置のうち少なくとも2の端末装置は、前記ネットワークを介した通話データの送受信を行う通話手段を備え、
前記通話手段を備える端末装置のうち少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを受信し、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記サーバ装置の前記送信手段は、一の受診者の身体に関する1の種類のデータを一の端末装置に送信する際、当該一の受診者の受診者識別データもしくは当該送信するデータに関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データを当該一の端末装置に送信し、
前記通話手段を備える端末装置のうちの少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、当該端末装置の前記受信手段により前記サーバ装置から受信された前記ユーザ識別データを含む通話要求データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記通話要求データを受信し、
前記サーバ装置の前記送信手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データに含まれる前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
構成が採用されてもよい(第3の実施態様)。
【0014】
上記の第1乃至第3のいずれかの実施態様において、
前記2以上の端末装置の各々に関し、当該端末装置の前記送信手段は、任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを受信し、
前記サーバ装置は、前記サーバ装置の前記受信手段により受信された1以上の種類のデータの提供に対する対価を所定の規則に従い算出し、算出した対価を示す対価データを生成する算出手段を備え、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により受信された1以上の種類のデータに関し前記算出手段により生成された対価データを、当該1以上の種類のデータとともに受信された前記ユーザ識別データに関連付けて記憶する
構成が採用されてもよい(第4の実施態様)。
【0015】
上記の第1乃至第4のいずれかの実施態様において、
前記2以上の端末装置の各々に関し、当該端末装置の前記送信手段は、任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1以上の種類のデータがサンプルデータとして提供されることが承諾されているか否かを示す承諾有無データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記承諾有無データを受信し、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記承諾有無データが受信された場合、受信された前記承諾有無データを、当該承諾有無データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記2以上の端末装置のうち少なくとも1の端末装置に関し、当該端末装置の前記送信手段は、所望のデータを抽出するための抽出条件を示す抽出条件データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記抽出条件データを受信し、
前記サーバ装置は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記抽出条件データが受信された場合、前記サーバ装置の前記記憶手段に記憶されている身体に関する複数の種類のデータのうち、サンプルデータとして提供されることが承諾されていることを示す前記承諾有無データが対応付けて記憶されているデータの中から、受信された前記抽出条件データにより示される抽出条件を満たすデータを抽出する抽出手段を備え、
前記サーバ装置の前記送信手段は、前記抽出条件データの送信元の端末装置に対し前記抽出手段により抽出されたデータを送信する
構成が採用されてもよい(第5の実施態様)。
【0016】
また、本発明は、
任意の端末装置からネットワークを介して一の受診者を識別する受診者識別データと当該一の受診者の身体に関する1以上の種類のデータとを受信する受信手段と、
複数の受診者の各々に関し当該受診者を識別する受診者識別データに関連付けて当該受診者の身体に関する複数の種類のデータを記憶可能であり、前記受信手段により1以上の種類のデータが受信された場合、当該1以上の種類のデータを当該1以上の種類のデータとともに受信された受診者識別データに関連付けて記憶する記憶手段と、
予め定められた2以上の種類のデータに関し、一の受診者識別データに関連付けて当該2以上の種類のデータの全てが前記記憶手段に記憶された場合、当該一の受診者識別データにより識別される受診者に関する所定の検査もしくは診断を指示する指示データを生成する生成手段と、
前記生成手段により指示データが生成された場合、当該指示データを予め定められた一の端末装置もしくは予め定められた端末装置群の中から所定の規則に従い選択された一の端末装置に送信する送信手段と
を備えるサーバ装置
を提供する(第6の実施態様)。
【0017】
上記の第6の実施態様において、
前記受信手段は、任意の端末装置から任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを受信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを受信し、
前記記憶手段は、前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受診された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記受信手段は、任意の端末装置から、一の受診者識別データもしくは一の受診者識別データにより識別される受診者の前記複数の種類のデータのうち1の種類のデータを識別する通話要求データを受信し、
前記送信手段は、前記受信手段により任意の端末装置から前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データにより識別される受診者識別データもしくは身体に関する1の種類のデータに関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
構成が採用されてもよい(第7の実施態様)。
【0018】
上記の第6の実施態様において、
前記受信手段は、任意の端末装置から任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを受信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを受信し、
前記記憶手段は、前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記送信手段は、一の受診者の身体に関するに関する1の種類のデータを一の端末装置に送信する際、当該一の受診者の受診者識別データもしくは当該送信するデータに関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データを当該一の端末装置に送信し、
前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを含む通話要求データを受信し、
前記送信手段は、前記受信手段により前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データに含まれる前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
構成が採用されてもよい(第8の実施態様)。
【0019】
上記の第6乃至第8のいずれかの実施態様において、
前記受信手段は任意の端末装置から任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを受信する際、当該端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを受信し、
前記受信手段により受信された1以上の種類のデータの提供に対する対価を所定の規則に従い算出し、算出した対価を示す対価データを生成する算出手段を備え、
前記記憶手段は、前記受信手段により受信された1以上の種類のデータに関し前記算出手段により生成された対価データを、当該1以上の種類のデータとともに受信された前記ユーザ識別データに関連付けて記憶する
構成が採用されてもよい(第9の実施態様)。
【0020】
上記の第6乃至第9のいずれかの実施態様において、
前記受信手段は、任意の端末装置から任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1以上の種類のデータがサンプルデータとして提供されることが承諾されているか否かを示す承諾有無データを受信し、
前記記憶手段は、前記受信手段により前記承諾有無データが受信された場合、受信された前記承諾有無データを、当該承諾有無データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記受信手段は、任意の端末装置から所望のデータを抽出するための抽出条件を示す抽出条件データを受信し、
前記受信手段により前記抽出条件データが受信された場合、前記記憶手段に記憶されている身体に関する複数の種類のデータのうち、サンプルデータとして提供されることが承諾されていることを示す前記承諾有無データが対応付けて記憶されているデータの中から、受信された前記抽出条件データにより示される抽出条件を満たすデータを抽出する抽出手段を備え、
前記送信手段は、前記抽出条件データの送信元の端末装置に対し前記抽出手段により抽出されたデータを送信する
構成が採用されてもよい(第10の実施態様)。
【0021】
また、本発明は、
任意の端末装置との間でネットワークを介したデータ通信を行う通信手段を備えたコンピュータを、上記の第6乃至第8のいずれかの実施態様にかかるサーバ装置が備える前記受信手段、前記記憶手段、前記生成手段および前記送信手段として機能させるプログラム
を提供する(第11の実施態様)。
【0022】
上記の第11の実施態様において、
任意の端末装置との間でネットワークを介したデータ通信を行う通信手段を備えたコンピュータを、上記の第9の実施態様にかかるサーバ装置が備える前記算出手段として機能させる
構成が採用されてもよい(第12の実施態様)。
【0023】
上記の第11または第12の実施態様において、
任意の端末装置との間でネットワークを介したデータ通信を行う通信手段を備えたコンピュータを、上記の第10の実施態様にかかるサーバ装置が備える前記抽出手段として機能させる
構成が採用されてもよい(第13の実施態様)。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1の実施形態にかかるシステム、第6の実施形態にかかるサーバ装置、もしくは第11の実施態様にかかるプログラムに従いコンピュータより実現される第6の実施形態にかかるサーバ装置によれば、例えば、受診者に直接、医療的なアドバイス等を行う担当医(以下、単に「担当医」と呼ぶ)が使用する端末装置から脳MRI画像データ、心電図データおよび血液検査結果データがサーバ装置に送信され、サーバ装置から脳MRI画像データを受信し読影を行う放射線科医の使用する端末装置から画像診断結果データがサーバ装置に送信され、脳MRI画像データ、血液検査結果データ、画像診断結果データ等の所定の必須データの全てが揃った場合、自動的にサーバ装置から、神経内科医等が使用する端末装置に対し、総合診断の指示が送信される。
【0025】
このように、複数の医療従事者が連携するにおいて、データの受け渡しがサーバ装置を介して一元的に行われるため、受診者の取り違いといったミスの発生を低減することが可能であるとともに、必要に応じて受診者および医療従事者の匿名性の確保も容易である。
【0026】
本発明の第2または第3の実施形態にかかるシステム、第7または第8の実施形態にかかるサーバ装置、もしくは第11の実施態様にかかるプログラムに従いコンピュータより実現される第7または第8の実施形態にかかるサーバ装置によれば、例えば担当医が、その受診者に関する診断を行った神経内科医等に質問等がある場合、自分の端末装置において「呼出」ボタンをクリックする等の操作により、容易かつ確実に目的の神経内科医等と通話を行うことが可能となる。
【0027】
本発明の第4の実施形態にかかるシステム、第9の実施形態にかかるサーバ装置、もしくは第12の実施態様にかかるプログラムに従いコンピュータより実現される第9の実施形態にかかるサーバ装置によれば、受診者の診断に関与した医療従事者の各々の貢献に対する対価が予め取り決められた規則に従い自動計算されるため、複数の医療従事者の連携が経理的な側面から促進される。
【0028】
本発明の第5の実施形態にかかるシステム、第10の実施形態にかかるサーバ装置、もしくは第13の実施態様にかかるプログラムに従いコンピュータより実現される第10の実施形態にかかるサーバ装置によれば、例えば神経内科医等が診断に迷うような場合、過去に自分もしくは他の神経内科医等により行われた他の類似の受診者に関する診断結果を参考とすることが可能となり、誤診を低減することができる。その際、データの提供元による閲覧の承諾の有無がチェックされるため、個人情報保護等の観点からの問題が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる医療情報管理システムの全体構成および動作フローを示した図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかる担当医端末装置の周辺装置を示した図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態にかかる担当医端末装置に表示される診断結果表示ページを模式的に示した図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態にかかるサーバ装置の機能構成を示したブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態にかかるサーバ装置に記憶されている受診DBのデータ構成を模式的に示した図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態にかかるサーバ装置に記憶されている対価DBのデータ構造を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[1.実施形態]
以下に、本発明の一実施形態として、本発明を脳血管障害予防に適用した医療情報管理システム1につき説明する。なお、以下の説明において総合診断を行う医師は神経内科医であるものとするが、例えば神経内科医の代わりに神経外科医が総合診断を行ってもよいし、神経内科医と神経外科医が協力して総合診断を行ってもよい。
【0031】
図1は、医療情報管理システム1の全体構成および動作フローを示した図である。医療情報管理システム1は、以下の装置を備えている。
(1)医療情報管理システム1を構成する他の装置との間の各種データの送受信を中継するとともに、他の装置から受信した各種データを管理するサーバ装置11。
(2)受診者が受診のために足を運ぶ一般医療施設の各々に配置され、担当医が使用する担当医端末装置12。
(3)一般医療施設から輸送されてくる血液サンプルを分析する血液検査センターに配置された血液検査センター端末装置13。
(4)脳MRI画像の読影を行う放射線科医が使用する放射線科医端末装置14。
(5)他の医療施設から提供されるデータに基づき総合診断を行う神経内科医が使用する神経内科医端末装置15。
(6)受診者から得られた食事摂取に関するアンケート結果に基づき食事分析改善指導を行う食事分析改善指導センターに配置された食事分析改善指導センター端末装置16。
【0032】
なお、担当医端末装置12、放射線科医端末装置14および神経内科医端末装置15の数は通常複数であり、医療情報管理システム1を利用する医療従事者の数に応じて任意に変化する。
【0033】
また、担当医端末装置12の各々とサーバ装置11、サーバ装置11と放射線科医端末装置14は、互いにDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)に準拠した通信ネットワークであるDICOMネットワーク18を介して互いに脳MRI画像データの送受信を行うことができる。
【0034】
また、医療情報管理システム1を構成するサーバ装置11以外の全ての装置の各々はインターネット19を介してサーバ装置11と互いにデータ通信可能である。なお、医療情報管理システム1において装置間で送受信される全てのデータは既知の暗号化技術によりその秘匿性が確保されている。
【0035】
図2は、一般医療施設に配置されている担当医端末装置12およびその周辺装置を示した図である。担当医端末装置12には、MRI装置21と、心電図装置22と、担当医が神経内科医と通話を行う際に用いるヘッドセット23が接続されている。担当医端末装置12とMRI装置21および担当医端末装置12と心電図装置22は、LAN(Local Area Network)29により互いにデータ通信可能であり、MRI装置21により受診者から撮影され生成された脳MRI画像データおよび心電図装置22により受診者から計測され生成された心電図データはLAN29を介して担当医端末装置12に送信され、担当医端末装置12に記録される。
【0036】
担当医端末装置12は、DICOMネットワーク18およびインターネット19を介してサーバ装置11と、またインターネット19を介して血液検査センター端末装置13とデータ通信を行うとともに、LAN29を介してMRI装置21および心電図装置22とデータ通信を行う通信部(通信部は送信部と受信部からなる、以下同様)と、ヘッドセット23から引き渡される音声データを通信部に引き渡しインターネット19経由でサーバ装置11に送信させるとともに、通信部がインターネット19を介してサーバ装置11から受信する音声データをヘッドセット23に引き渡す通話部とを備えた一般的なコンピュータである。すなわち、通信部および通話部を備えたコンピュータに、本発明にかかるアプリケーションプログラムに従った処理を行わせることにより、担当医端末装置12が実現される。
【0037】
図1に戻り、医療情報管理システム1の全体説明を続ける。担当医は、受診者から脳ドックの申込みを受けると、担当医端末装置12を用いてサーバ装置11にアクセスし、新しい受診レコードの生成を行う。受診レコードとは、後述するように、ある受診者がある時に行う脳ドックに関するデータ一式を含むデータ群であり、サーバ装置11において受診DB(Database)の一部として管理される。各受診レコードは、受診DB内においてユニークな受診ID(Identifier)により識別される。
【0038】
担当医は、新たに生成された受診レコードに、申込みに伴い受診者から提示された氏名、年齢、性別、既往症等の基本データの入力を行う(ステップS01)。その後、受診者が来院し、脳MRI画像の撮影や心電図の計測を行う際、それらにより得られる脳MRI画像データおよび心電図データは、担当医端末装置12からサーバ装置11に送信され(ステップS02)、その受診に関する受診レコードに登録される。
【0039】
サーバ装置11の受診DBに新たな脳MRI画像データが登録されると、サーバ装置11はインターネット19を介して、放射線科医端末装置14に対し、新たに脳MRI画像データが登録された受診レコードの受診IDを含む読影指示データを生成し、生成した読影指示データを放射線科医端末装置14に送信する(ステップS03)。
【0040】
また、サーバ装置11は新たに登録された脳MRI画像データに対し、解像度を下げ、圧縮率を高める等の処理を施した参照用脳MRI画像データを生成し、受信レコードに登録する。この参照用脳MRI画像データは、後述の神経内科医による総合診断の際に利用される。
【0041】
また、体重、身長、血圧など、脳MRI画像および心電図の他に受診者から計測等すべき事項があれば、受診者が来院の際、それらの計測等を行い、得られたデータを追加的な基本データとして、担当医端末装置12に接続された計測装置から自動的に入力させたり、担当医が手入力したりしてもよい。そのように入力される基本データもまた、担当医端末装置12からサーバ装置11に送信され(ステップS01)、その受診に関する受診レコードに登録される。
【0042】
さらに、受診者が来院の際、担当医は例えば受診IDを示すラベルを貼付した容器に受診者から血液サンプルの採取を行い、採取した血液サンプルを血液検査センターに輸送する(ステップS04)。
【0043】
血液検査センター端末装置13は、インターネット19を介して担当医端末装置12とデータ通信を行う通信部を備えた一般的なコンピュータである。すなわち、通信部を備えたコンピュータに、本発明にかかるアプリケーションプログラムに従った処理を行わせることにより、血液検査センター端末装置13が実現される。
【0044】
血液検査センターの医療従事者は、一般医療施設から輸送されてくる血液サンプルを検査し、その検査結果を示す血液検査結果データを、例えば血液サンプルの容器に貼付されている受診IDとともに、血液検査センター端末装置13に入力した後、「送信」ボタンをクリックする等の所定の操作を行う。その操作に応じて、血液検査センター端末装置13は血液検査結果データを受信IDとともに担当医端末12に送信する(ステップS05)。
【0045】
上記のように担当医端末12に送信された血液検査結果データは担当医により確認された後、受診IDとともに担当医端末装置12からサーバ装置11に送信され(ステップS06)、その受診に関する受診レコードに登録される。
【0046】
なお、ここで担当医は1名の医師に限られず、例えば受診者に医療カウンセリングを行う医師、脳MRI画像の撮影を行う放射線技師、心電図の計測を行う医療従事者、血液サンプルの採取を行う医療従事者等の複数の医療従事者の集まりであってもよい。
【0047】
放射線科医端末装置14は、DICOMネットワーク18およびインターネット19を介してサーバ装置11とデータ通信を行う通信部を備えた一般的なコンピュータである。すなわち、通信部を備えたコンピュータに、本発明にかかるアプリケーションプログラムに従った処理を行わせることにより、放射線科医端末装置14が実現される。
【0048】
放射線科医端末装置14は、サーバ装置11から任意のタイミングで送られてくる読影指示データを受診すると(ステップS03)、表示部に所定の表示を行う等して、放射線科医に通知を行う。放射線科医はその通知に応じて、放射線科医端末装置14を用いてサーバ装置11にアクセスし、例えば表示部に表示される「読影開始」ボタンをクリックする等の所定の操作を行う。その操作に従い、放射線科医端末装置14はDICOMネットワーク18を介してサーバ装置11から、読影指示データに含まれていた受診IDにより識別される受診レコードに登録されている脳MRI画像データを取得する(ステップS07)。
【0049】
放射線科医端末装置14の表示部にはサーバ装置11から取得した脳MRI画像データに従った画像が表示される。放射線科医はその画像を観察しながら読影を行い、診断の結果を示す画像診断結果データと、所見の有無を示す所見有無データとを放射線科医端末装置14に入力する。放射線科医端末装置14は放射線科医により入力された画像診断結果データと所見有無データを受診IDとともに、インターネット19を介してサーバ装置11に送信する(ステップS08)。サーバ装置11は放射線科医端末装置14から送信されてくるデータを受診IDにより識別される受診レコードに登録する。
【0050】
ところで、担当医端末装置12からサーバ装置11に基本データ、脳MRI画像データ、心電図データおよび血液検査結果データの各々が送信されてくるタイミング(ステップS01、ステップS02およびステップS06のタイミング)や、放射線科医端末装置14からサーバ装置11に画像診断結果データおよび所見有無データが送信されてくるタイミング(ステップS08のタイミング)は各々異なっており、それらの前後は特定できない。
【0051】
サーバ装置11は継続的にこれらのデータ、すなわち、基本データ、脳MRI画像データ、心電図データ、血液検査結果データ、画像診断結果データおよび所見有無データのうち、予め定められた必須データ(例えば、基本データの一部、脳MRI画像データ、血液検査結果データの一部、画像診断結果データおよび所見有無データ)の全てが登録された受診レコードが新たに現れないかを監視しており、そのような受診レコードが新たに現れた場合、まず所見有無データが「所見無し」「所見有り」のいずれを示すかを判定する。
【0052】
所見有無データが「所見無し」を示す場合、サーバ装置11は受診IDを含む診断完了通知データを生成し、生成した診断完了通知データを当該受診IDにより識別される受診の担当医の担当医端末装置12に対し送信する(ステップS09)。
【0053】
一方、所見有無データが「所見有り」を示す場合、サーバ装置11は受診IDを含む総合診断指示データを生成し、生成した総合診断指示データを神経内科医端末装置15に送信する(ステップS10)。
【0054】
神経内科医端末装置15は、インターネット19を介してサーバ装置11とデータ通信を行う通信部と、神経内科医端末装置15に接続されるヘッドセットから引き渡される音声データを通信部に引き渡しインターネット19経由でサーバ装置11に送信させるとともに、通信部がインターネット19を介してサーバ装置11から受信する音声データをヘッドセットに引き渡す通話部とを備えた一般的なコンピュータである。すなわち、通信部および通話部を備えたコンピュータに、本発明にかかるアプリケーションプログラムに従った処理を行わせることにより、神経内科医端末装置15が実現される。
【0055】
神経内科医端末装置15は、サーバ装置11から任意のタイミングで送られてくる総合診断指示データを受診すると(ステップS10)、その表示部に所定の表示を行う等して、神経内科医に通知を行う。神経内科医はその通知に応じて、神経内科医端末装置15を用いてサーバ装置11にアクセスし、例えば表示部に表示される「総合診断開始」ボタンをクリックする等の所定の操作を行う。その操作に従い、神経内科医端末装置15はインターネット19を介してサーバ装置11から、総合診断に必要なデータ、すなわち基本データの一部、参照用脳MRI画像データ、心電図データ、血液検査結果データの一部、画像診断結果データ等を取得する(ステップS11)。
【0056】
神経内科医端末装置15の表示部にはサーバ装置11から取得した各種データに従った参照用の脳MRI画像や心電図、受診者の基本情報や血液検査結果、そして画像診断結果の内容を示すテキスト等が表示される。放射線科医はそれらの情報に基づき診断を行い、診断の結果を示す総合診断結果データを神経内科医端末装置15に入力する。神経内科医端末装置15は神経内科医により入力された総合診断結果データを受診IDとともに、インターネット19を介してサーバ装置11に送信する(ステップS12)。サーバ装置11は神経内科医端末装置15から送信されてくるデータを受診IDにより識別される受診レコードに登録する。
【0057】
サーバ装置11は継続的に、総合診断結果データが登録された受診レコードが新たに現れないかを監視しており、そのような受診レコードが新たに現れた場合、サーバ装置11は受診IDを含む診断完了通知データを生成し、生成した診断完了通知データを当該受診IDにより識別される受診の担当医の担当医端末装置12に対し送信する(ステップS09)。
【0058】
担当医端末装置12は、サーバ装置11から任意のタイミングで送られてくる総合診断結果データを受診すると(ステップS09)、その表示部に所定の表示を行う等して、担当医に通知を行う。担当医はその通知に応じて、担当医端末装置12を用いてサーバ装置11にアクセスし、例えば表示部に表示される「診断結果表示」ボタンをクリックする等の所定の操作を行う。その操作に従い、担当医端末装置12はインターネット19を介してサーバ装置11から、受診に関するデータ一式、すなわち、基本データ、参照用脳MRI画像データ、心電図データ、血液検査結果データ、画像診断結果データおよび総合診断結果データを取得する(ステップS13)。
【0059】
担当医端末装置12の表示部にはサーバ装置11から取得した各種データに従った画像およびテキスト等が診断結果表示ページとして表示される。図3は、担当医端末装置12の表示部に表示される診断結果表示ページを模式的に示した図である。
【0060】
診断結果表示ページには、例えば情報をグループ毎に表示するタブとして、この受診に関する基本データを表示する「基本情報」タブ、参照用脳MRI画像を表示する「脳MRI画像」タブ、心電図を表示する「心電図」タブ、血液検査結果を表示する「血液検査結果」タブ、画像診断結果を表示する「画像診断結果」タブ、そして総合診断結果を表示する「総合診断結果」タブが含まれている。担当医はこれらの各タブに表示される情報に基づき、受診者に対する受診結果の説明を行う。
【0061】
担当医が受診者に対し受診結果の説明を行う際に、神経内科医の所見に関し質問が生じる場合がある。そのような場合、担当医は、例えば図3に示される「神経内科医へコール」ボタンをクリックする等の操作を行うことにより、簡易かつ確実に、この受診に関する総合診断を行った神経内科医との間で通話を行うことができる。
【0062】
担当医により「神経内科医へコール」ボタンをクリックする等の操作が行われた場合、担当医端末装置12はサーバ装置11に対し、この受診を識別する受診IDを含む通話要求データを送信する。サーバ装置11は通話要求データを受信すると、通話要求データに含まれる受診IDにより識別される受診レコードを受診DBから検索し、検索した受診レコードに登録されている神経内科医のID、すなわち神経内科医IDを取得する。
【0063】
続いて、サーバ装置11は上記のように取得した神経内科医IDに基づき特定される神経内科医端末装置15(例えば、その時点で、その神経内科医IDを用いて医療情報管理システム1にログインしている神経内科医端末装置15)に対し、通話の呼び出しを指示する呼出データを送信する。
【0064】
呼出データを受信した神経内科医端末装置15は、呼び出し音の発音や表示部への表示により、担当医より通話の要求がある旨を神経内科医に通知する。神経内科医がその通知に応じて、例えば表示部に表示される「受話」ボタンをクリックする等の操作を行うと、神経内科医端末装置15は通話受諾データをサーバ装置11に送信する。
【0065】
サーバ装置11は神経内科医端末装置15から通話受諾データを受信すると、通話要求データの送信元の担当医端末装置12と通話受諾データの送信元の神経内科医端末装置15とのデータ通信を相互接続する。その後、担当医端末装置12と神経内科医端末装置15とは各々の通話部を用いて音声データの送受信を行い、担当医と神経内科医の通話が可能となる。
【0066】
担当医は、必要に応じて上記のように神経内科医との情報交換を行った後、受診者の来院の際に受診結果の説明を行う。その際、担当医は食事摂取状況を調査するアンケート用紙を受診者に手渡すか、もしくは受診者へ郵送等する(ステップS14)。このアンケート用紙は、例えば1週間に摂取した食事の内容や食事に対する嗜好等を調査するためのものである。アンケート用紙には、受診IDが印刷されている。
【0067】
受診者は、受け取ったアンケート用紙に必要事項を記入して、食事分析改善指導センターに郵送する(ステップS15)。
【0068】
食事分析改善指導センターに配置されている食事分析改善指導センター端末装置16は、インターネット19を介してサーバ装置11とデータ通信を行う通信部を備えた一般的なコンピュータである。すなわち、通信部を備えたコンピュータに、本発明にかかるアプリケーションプログラムに従った処理を行わせることにより、食事分析改善指導センター端末装置16が実現される。
【0069】
食事分析改善指導センター端末装置16には、任意の受診者に関し、例えば基本データ、血液検査結果データおよび食事摂取状況データに基づき、その受診者の食生活を分析し、改善のためのアドバイスを示す食生活改善提案データを生成する食事分析改善指導ソフトウェアがインストールされている。
【0070】
食事分析改善指導センターの医療従事者は、郵送されてくるアンケート用紙の記載内容を示す食事摂取状況データを食事分析改善指導センター端末装置16にOCR(Optical Character Reader)等により自動で、もしくは手入力にて入力する。
【0071】
食事分析改善指導センター端末装置16は食事摂取状況データが入力されると、受診データ要求データを生成し、食事摂取状況データおよび受診データ要求データをサーバ装置11に送信する(ステップS16)。
【0072】
サーバ装置11は食事分析改善指導センター端末装置16から食事摂取状況データおよび受診データ要求データを受診すると、食事摂取状況データに伴う受診IDにより識別される受診レコードを受診DBから検索し、検索した受診レコードに食事摂取状況データを登録するとともに、検索した受診レコードに登録されている基本データおよび血液検査結果データを食事分析改善指導センター端末装置16に送信する(ステップS17)。
【0073】
食事分析改善指導センター端末装置16は、サーバ装置11から基本データおよび血液検査結果データを受信すると(ステップS17)、それらのデータと先に入力された食事摂取状況データとに基づき、食事分析改善指導ソフトウェアに従った処理を行い、食生活改善提案データを生成する。
【0074】
食事分析改善指導センターの医療従事者は、食事分析改善指導センター端末装置16が食事分析改善指導ソフトウェアに従い自動的に生成する食生活改善提案データに対し、必要に応じて加筆や修正を行うこともできる。
【0075】
上記のように生成された食生活改善提案データは、食事分析改善指導センター端末装置16からサーバ装置11に送信され(ステップS18)、サーバ装置11において受診レコードに登録される。そのようにサーバ装置11に蓄積される食生活改善提案データは、必要に応じて食事分析改善指導センター端末装置16からアクセスされ、例えば統計的な処理を経て新たな食生活改善提案データの生成に利用される。
【0076】
また、上記のように生成された食生活改善提案データは、食事分析改善指導センターの医療従事者による所定の操作に応じて、食事分析改善指導センター端末装置16からプリンタに出力され、食生活改善提案書として印刷された後、受診者に郵送される(ステップS19)。
【0077】
上述したような医療情報管理システム1の動作を可能とするサーバ装置11に関し、以下に説明する。サーバ装置11は担当医端末装置12および放射線科医端末装置14との間でDICOMネットワーク18を介したデータ通信を、また医療情報管理システム1を構成する他の全ての装置との間でインターネット19を介したデータ通信を行う通信部を備えた一般的なコンピュータである。すなわち、通信部を備えたコンピュータに、本発明にかかるアプリケーションプログラムに従った処理を行わせることにより、サーバ装置11が実現される。
【0078】
図4は、サーバ装置11の機能構成を示したブロック図である。サーバ装置11は、医療情報管理システム1を構成する他の装置との間でデータ通信を行う通信部111と、各種データを記憶する記憶部112と、上述した総合診断指示データを生成する生成部113と、1つの受診に携わった各医療従事者に対する対価を算出する算出部114と、受診DBに格納されているデータの中から特定の抽出条件を満たすデータを抽出する抽出部115とを備えている。
【0079】
通信部111は、医療情報管理システム1を構成する他の装置から送信されてくる各種データを受信する受信部1111と、他の装置に対し各種データを送信する送信部1112を有している。さらに、受信部1111および送信部1112の各々は、DICOMネットワーク18を介したデータ通信を行う構成部と、インターネット19を介したデータ通信を行う構成部とを有している。
【0080】
図5は、記憶部112に記憶されている受診DBのデータ構成を模式的に示した図である。受診DBは各受診に関するデータ一式を格納する受診レコードの集まりである。受診レコードの各々は、例えば以下のフィールドに区分された複数種類のデータを格納することができる。
【0081】
「受診ID」:各々の受診を識別する受診IDを格納する。
「基本情報」:受信日、受診者の氏名、年齢、性別、体重等々を示す基本データを格納する。
「受診者承諾有無」:受診者が、自分の受診に関する情報が匿名で参照されることを承諾しているか否かを示す承諾有無データ(「有」または「無」のいずれか)を格納する。
「担当医ID」:担当医を識別する担当医IDを格納する。
「担当医承諾有無」:担当医が、担当の受診者の受診に関する情報が匿名で参照されることを承諾しているか否かを示す承諾有無データ(「有」または「無」のいずれか)を格納する。
【0082】
「脳MRI画像」:脳MRI画像データ(通常、複数)もしくはそのファイル名(またはファイルID)を格納する。高解像度・低圧縮率のオリジナルの脳MRI画像データと、低解像度・高圧縮率の参照用脳MRI画像データが含まれる。
「心電図」:心電図データもしくはそのファイル名(またはファイルID)を格納する。
【0083】
「血液検査結果」:LDL−C(Low Density Lipoprotein Cholesterol)、HDL−C(High Density Lipoprotein
Cholesterol)等々を示す血液検査結果データを格納する。
【0084】
「放射線科医ID」:画像診断(読影)を担当した放射線科医を識別する放射線科医IDを格納する。
「放射線科医承諾有無」:放射線科医が、自分が行った画像診断の結果に関する情報が匿名で参照されることを承諾しているか否かを示す承諾有無データ(「有」または「無」のいずれか)を格納する。
「画像診断結果」:放射線科医による画像診断の結果を示す画像診断結果データを格納する。
【0085】
「神経内科医ID」:総合診断を担当した神経内科医を識別する神経内科医IDを格納する。
「神経内科医承諾有無」:神経内科医が、自分が行った総合診断の結果に関する情報が匿名で参照されることを承諾しているか否かを示す承諾有無データ(「有」または「無」のいずれか)を格納する。
「総合診断結果」:神経内科医による総合診断の結果を示す総合診断結果データを格納する。
【0086】
「食事指導担当者ID」:食事分析改善指導センターの食事指導担当者を識別する食事指導担当者IDを格納する。
「食事指導担当者承諾有無」:食事指導担当者が、自分が担当し作成した食生活改善提案に関する情報が匿名で参照されることを承諾しているか否かを示す承諾有無データ(「有」または「無」のいずれか)を格納する。
「食事摂取状況」:酒類の摂取量、野菜の摂取量等々の食事摂取状況を示す食事摂取状況データを格納する。
「食生活改善提案」:食事指導担当者による食生活改善提案を示す食生活改善提案データを格納する。
【0087】
なお、生成部113は、図5に示される各フィールドのうち、「基本情報」、「脳MRI画像」、「心電図」、「血液検査結果」および「画像診断結果」のうち予め定められた必須データを格納する全てのフィールド(またはサブフィールド)に有意なデータが格納された場合、上述した総合診断指示データを生成する。
【0088】
また、担当医が神経内科医と通話をする際、すなわち図3に示される「神経内科医へコール」ボタンがクリック等された際、フィールド「神経内科医ID」に格納されているIDが呼出データの送信先の神経内科医端末装置15を特定するために用いられる。
【0089】
算出部114は、既に述べたように、1つの受診に携わった各医療従事者に対する対価を算出する。図6は、記憶部112に記憶され、算出部114が各医療従事者(または各医療施設、以下同様)に対する対価を算出するために用いる対価DBのデータ構造を模式的に示した図である。対価DBは各受診に携わった医療従事者毎の対価に関するデータを格納する対価レコードの集まりである。各対価レコードには以下のフィールドが含まれている。
【0090】
「医療従事者ID」:受診に従事した医療従事者を各々識別するID(担当医ID、放射線科医ID、神経内科医ID等のいずれか)を格納する。
「日時」:成果物としてのデータが受診DBに登録された日時を示す日時データを格納する。
「対価」:各医療従事者の業務に対する対価を示す対価データを格納する。
【0091】
例えば、1つの受診に関し、一般医療施設が○○○○○円、放射線科医が△△△△△円、神経内科医が□□□□□円、のように、各々に対する対価が予め定められ、記憶部112に記憶されている。
【0092】
算出部114は、受診DBの「基本情報」、「脳MRI画像」および「心電図」のうち予め定められている必須データのフィールド(またはサブフィールド)の全てに有意なデータが格納された場合、その受診レコードの「担当医ID」の内容を「医療従事者ID」に、その時点の日時を示す日時データを「日時」に、そして「○○○○○円」を「対価」に含む対価レコードを生成し、対価DBに登録する。
【0093】
同様に、算出部114は受診DBの「画像診断結果」に有意なデータが格納された場合、その受診レコードの「放射線科医ID」の内容を「医療従事者ID」に、その時点の日時を示す日時データを「日時」に、そして「△△△△△円」を「対価」に含む対価レコードを生成し、対価DBに登録する。受診DBの「総合診断結果」等のフィールドに有意なデータが格納された場合も同様である。
【0094】
算出部114は、例えば所定の締め日が到来すると、対価DBの中から「日時」に示される日時が対価精算の対象期間内に含まれるものを抽出し、続いて「対価」に示される金額を「医療従事者ID」毎に(もしくは同じ医療施設に属する医療従事者を示す医療従事者IDグループ毎に)集計し、その結果を対価データとして生成する。このように生成される対価データは、例えば受診者から一般医療施設に支払われた対価総額を他の医療施設に分配する際に利用される。
【0095】
ところで、受診DBには過去の多くの受診に関するデータが蓄積されている。それらのデータが、例えば食生活改善提案書の作成に利用されてもよい点は、既に述べたとおりである。ただし、受診DBに蓄積されるデータのほとんどは個人情報であるため、法律やガイドライン等により定められた所定のルールに従い、例えば受診者本人や担当医等の承諾がなければ他の受診の診断等に利用されるべきではない。一方、必要な承諾が得られている場合、それらのデータは広く医療サービス改善のために有効活用されることが望ましい。
【0096】
受診レコードに含まれる「受診者承諾有無」、「担当医承諾有無」、「放射線科医承諾有無」および「食事指導担当者承諾有無」の各フィールドに格納される承諾有無データは、上記のニーズを満たすために利用される。
【0097】
例えば、総合診断指示を受け取った神経内科医がある受診に関する総合診断において判断に迷うことがあった場合、過去の事例を参考にすることで誤診の確率を下げることが期待できる。そのため、神経内科医端末装置15の表示部には、基本情報、脳MRI画像等の情報を表示する画面に、例えば「過去事例参照」ボタンが表示されるようになっている。
【0098】
神経内科医が「過去事例参照」ボタンをクリック等すると、神経内科医端末装置15からサーバ装置11に対し、受診IDを含む事例要求データが送信される。サーバ装置11の抽出部115は事例要求データに応じて、事例要求データに含まれる受診IDにより識別される受診レコードとの間で、予め定められた算出式に従い算出される類似度の高いデータを含む受診レコードを、その類似度の高い順に所定数だけ抽出する。
【0099】
その際、抽出部115はいずれかの承諾有無データに「無」が格納されている受診レコードを抽出対象から除外する。その結果、受診者および担当の医療従事者の全ての承諾が得られている受診に関するデータのみが抽出されることになる。
【0100】
サーバ装置11は、そのように抽出した受診レコードに含まれる基本データ等のうち、氏名、住所のような診断に不要な個人情報以外の部分を、要求元の神経内科医端末装置15に送信する。その結果、神経内科医端末装置15の表示部には、過去の類似タイプの受診者に関する受診情報が順次表示可能となり、神経内科医の診断の参考情報として活用される。
【0101】
以上のように、医療情報管理システム1によれば、互いに地理的に離れた位置に配置された複数の医療施設、医療従事者が容易かつ安全に連携して検査および診断を行うことが可能となる。
【0102】
[2.変形例]
上記の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそのような変形の例を示す。
【0103】
上述した実施形態においては、医療情報管理システム1を利用した通話が可能となるのは担当医と神経内科医との間のみであるものとして説明したが、例えば担当医と放射線科医、神経内科医と放射線科医など、いずれの医療従事者間で通話を可能とするかは設計事項である。
【0104】
例えば担当医が放射線科医とも神経内科医とも通話可能である場合、担当医端末装置12からサーバ装置11に対し送信される通話要求データに、受診IDに加え、例えば「画像診断結果」、「総合診断結果」のように情報交換を行いたい対象データの識別情報を付加することにより、「放射線科医ID」と「神経内科医ID」のいずれを呼出データの送信先として選択すべきかがサーバ装置11において特定可能とすればよい。
【0105】
また、上述した実施形態においては、通話の呼出先の識別は、呼出元の端末装置から送信されてくる受診IDに基づきサーバ装置11において行われるものとして説明したが、サーバ装置11が予め、受診に関するデータを端末装置に送信する際、そのデータの作成に携わった医療従事者IDをそのデータに関連付けて送信しておき、呼出元の端末装置が通話要求データに呼出先の医療従事者IDを含めるようにしてもよい。その場合、サーバ装置11は通話要求データを受信した際、受診DBから呼出先の医療従事者IDを検索することなく呼出データを生成し送信できるため、より迅速な呼び出しが可能となる。
【0106】
また、担当医が放射線科医および神経内科医の両名と同時に通話を行う等、3名以上の医療従事者が同時に通話を行うことを可能としてもよい。さらに、音声のみに通話による電話会議に代えて、動画を加えたビデオ会議を可能としてもよい。
【0107】
また、上述した実施形態においては、血液検査センターおよび食事分析改善指導センターの各々は1つであるものとして説明したが、これらの数は複数であってもよい。また、放射線科医および神経内科医が所属する医療施設の数については上述の説明において言及しなかったが、それらの医療施設の数も任意である。
【0108】
上記のように、同種の医療施設や医療従事者が医療情報管理システム1を利用する場合、サーバ装置11が新たな検査もしくは診断の指示を行う先の医療施設や医療従事者(例えば、画像診断指示データの送信先の放射線科医端末装置14や、総合診断指示データの送信先の神経内科医端末装置15等)を、例えば各医療施設または医療従事者における処理速度や、空き状況、地理的な遠近、といった情報に基づき所定の規則に従い選択するようにしてもよい。
【0109】
また、上述した実施形態においては、血液検査結果データは血液検査センターにおいて血液検査センター端末装置13に入力され、担当医端末装置12経由でサーバ装置11に送信されるが、血液検査結果データが入力される場所は担当医端末装置12であってもよいし、また血液検査センター端末装置13に入力された血液検査結果データが直接、サーバ装置11に送信されてもよい。
【0110】
また、上述した実施形態においては、食生活改善提案データの生成は食事分析改善指導センター端末装置16において行われるものとしたが、例えばサーバ装置11において行われてもよい。
【0111】
また、上述した実施形態においては、食事摂取状況データは受診者により紙媒体のアンケート用紙に記入された情報をOCR等により読み取る等するものとしたが、例えば受診者に所定のWebページにログインするためのIDおよびパスワードを通知し、受診者が自分のパーソナルコンピュータ等を用いて所定のWebページにアクセスした後、アンケートの回答をそのWebページにおいて入力するようにしてもよい。その場合、受診者に入力された食事摂取状況データは、サーバ装置11経由で、もしくは直接、食事分析改善指導センター端末装置16に送信され、処理されることになる。また、アンケート結果を受診者が所定のFAX番号に対しFAX送信するようにしてもよい。その場合、電話回線を通じて画像データとして送信されてくるアンケート結果はOCR等により読み取られ、食事摂取状況データとして利用されることになる。
【0112】
また、サーバ装置11において、もしくはサーバ装置11とデータ通信可能な外部の装置において、例えば受診DBに蓄積されている血液検査結果データと総合診断結果データ等とに基づいた相関分析等により脳血管障害リスクを示す指標データを生成するなど、食生活改善提案データ以外の予防医療に資するデータを生成可能としてもよい。
【0113】
また、医療情報管理システム1を構成する各装置はコンピュータに本発明にかかるアプリケーションプログラムに従った処理を実行させることにより実現されるものとしたが、いわゆる専用機により実現されてもよい。
【0114】
なお、上述した実施形態において例示したデータ構造やデータ例、対価の額などは全て説明のための例示である。
【0115】
さらに、上述した実施形態において説明した複数の医療従事者の連携の仕組みや業務フローは一例であって、様々に変更可能である。例えば、食事摂取状況データの入力を一般医療施設において基本データとともに入力するようにしてもよい。また、検査・診断の目的も脳血管障害の予防に限られず、互いに地理的に離れた位置に配置された複数の医療従事者による連携が可能な他の様々な検査・診断(予防に限られない)に本発明は適用可能である。例えば、MRI装置に代えて、CT装置等の他の装置を用いた検査・診断に適用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、互いに地理的に離れた位置に配置された複数の医療従事者による連携が可能な全ての検査・受診に適用可能であり、医療事業において利用され得る。
【符号の説明】
【0117】
1…医療情報管理システム、11…サーバ装置、12…担当医端末装置、13…血液検査センター端末装置、14…放射線科医端末装置、15…神経内科医端末装置、16…食事分析改善指導センター端末装置、18…DICOMネットワーク、19…インターネット、21…MRI装置、22…心電図装置、23…ヘッドセット、29…LAN、111…通信部、112…記憶部、113…生成部、114…算出部、115…抽出部、1111…受信部、1112…送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、前記サーバ装置との間でネットワークを介してデータ通信可能な2以上の端末装置とを備え、
前記サーバ装置は、
任意の端末装置からネットワークを介して一の受診者を識別する受診者識別データと当該一の受診者の身体に関する1以上の種類のデータとを受信する受信手段と、
複数の受診者の各々に関し当該受診者を識別する受診者識別データに関連付けて当該受診者の身体に関する複数の種類のデータを記憶可能であり、前記受信手段により1以上の種類のデータが受信された場合、当該1以上の種類のデータを当該1以上の種類のデータとともに受信された受診者識別データに関連付けて記憶する記憶手段と、
予め定められた2以上の種類のデータに関し、一の受診者識別データに関連付けて当該2以上の種類のデータの全てが前記記憶手段に記憶された場合、当該一の受診者識別データにより識別される受診者に関する所定の検査もしくは診断を指示する指示データを生成する生成手段と、
前記生成手段により指示データが生成された場合、当該指示データを予め定められた一の端末装置もしくは予め定められた端末装置群の中から所定の規則に従い選択された一の端末装置に送信する送信手段と
を備え、
前記2以上の端末装置の各々は、任意の受診者に関し当該受診者を識別する受診者識別データと当該受診者の身体に関する1以上の種類のデータとを前記サーバ装置に送信する送信手段を備え、
前記2以上の端末装置のうち少なくとも1の端末装置は、前記サーバ装置から前記指示データを受信する受信手段を備え、
前記指示データを受信する受信手段を備える端末装置の前記送信手段は、受信した指示データに対する応答として当該指示データに含まれる受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する
システム。
【請求項2】
前記2以上の端末装置のうち少なくとも2の端末装置は、前記ネットワークを介した通話データの送受信を行う通話手段を備え、
前記通話手段を備える端末装置のうち少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを受信し、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記通話手段を備える端末装置のうちの少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、一の受診者識別データもしくは一の受診者識別データにより識別される受診者の前記複数の種類のデータのうち1の種類のデータを識別する通話要求データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記通話要求データを受信し、
前記サーバ装置の前記送信手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データにより識別される受診者識別データもしくは身体に関する1の種類のデータに関連付けて前記サーバ装置の前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記2以上の端末装置のうち少なくとも2の端末装置は、前記ネットワークを介した通話データの送受信を行う通話手段を備え、
前記通話手段を備える端末装置のうち少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを受信し、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記サーバ装置の前記送信手段は、一の受診者の身体に関する1の種類のデータを一の端末装置に送信する際、当該一の受診者の受診者識別データもしくは当該送信するデータに関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データを当該一の端末装置に送信し、
前記通話手段を備える端末装置のうちの少なくとも1の端末装置の前記送信手段は、当該端末装置の前記受信手段により前記サーバ装置から受信された前記ユーザ識別データを含む通話要求データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記通話要求データを受信し、
前記サーバ装置の前記送信手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データに含まれる前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記2以上の端末装置の各々に関し、当該端末装置の前記送信手段は、任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを受信し、
前記サーバ装置は、前記サーバ装置の前記受信手段により受信された1以上の種類のデータの提供に対する対価を所定の規則に従い算出し、算出した対価を示す対価データを生成する算出手段を備え、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により受信された1以上の種類のデータに関し前記算出手段により生成された対価データを、当該1以上の種類のデータとともに受信された前記ユーザ識別データに関連付けて記憶する
請求項1乃至3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記2以上の端末装置の各々に関し、当該端末装置の前記送信手段は、任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1以上の種類のデータがサンプルデータとして提供されることが承諾されているか否かを示す承諾有無データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記承諾有無データを受信し、
前記サーバ装置の前記記憶手段は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記承諾有無データが受信された場合、受信された前記承諾有無データを、当該承諾有無データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記2以上の端末装置のうち少なくとも1の端末装置に関し、当該端末装置の前記送信手段は、所望のデータを抽出するための抽出条件を示す抽出条件データを前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置の前記受信手段は任意の端末装置から前記抽出条件データを受信し、
前記サーバ装置は、前記サーバ装置の前記受信手段により前記抽出条件データが受信された場合、前記サーバ装置の前記記憶手段に記憶されている身体に関する複数の種類のデータのうち、サンプルデータとして提供されることが承諾されていることを示す前記承諾有無データが対応付けて記憶されているデータの中から、受信された前記抽出条件データにより示される抽出条件を満たすデータを抽出する抽出手段を備え、
前記サーバ装置の前記送信手段は、前記抽出条件データの送信元の端末装置に対し前記抽出手段により抽出されたデータを送信する
請求項1乃至4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
任意の端末装置からネットワークを介して一の受診者を識別する受診者識別データと当該一の受診者の身体に関する1以上の種類のデータとを受信する受信手段と、
複数の受診者の各々に関し当該受診者を識別する受診者識別データに関連付けて当該受診者の身体に関する複数の種類のデータを記憶可能であり、前記受信手段により1以上の種類のデータが受信された場合、当該1以上の種類のデータを当該1以上の種類のデータとともに受信された受診者識別データに関連付けて記憶する記憶手段と、
予め定められた2以上の種類のデータに関し、一の受診者識別データに関連付けて当該2以上の種類のデータの全てが前記記憶手段に記憶された場合、当該一の受診者識別データにより識別される受診者に関する所定の検査もしくは診断を指示する指示データを生成する生成手段と、
前記生成手段により指示データが生成された場合、当該指示データを予め定められた一の端末装置もしくは予め定められた端末装置群の中から所定の規則に従い選択された一の端末装置に送信する送信手段と
を備えるサーバ装置。
【請求項7】
前記受信手段は、任意の端末装置から任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを受信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを受信し、
前記記憶手段は、前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受診された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記受信手段は、任意の端末装置から、一の受診者識別データもしくは一の受診者識別データにより識別される受診者の前記複数の種類のデータのうち1の種類のデータを識別する通話要求データを受信し、
前記送信手段は、前記受信手段により任意の端末装置から前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データにより識別される受診者識別データもしくは身体に関する1の種類のデータに関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記受信手段は、任意の端末装置から任意の受診者識別データと当該受診者識別データにより識別される受診者の身体に関する1以上の種類のデータを受信する際、当該1の端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを受信し、
前記記憶手段は、前記受信手段により前記ユーザ識別データが受信された場合、受信された前記ユーザ識別データを、当該ユーザ識別データとともに受信された受診者識別データもしくは当該ユーザ識別データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記送信手段は、一の受診者の身体に関するに関する1の種類のデータを一の端末装置に送信する際、当該一の受診者の受診者識別データもしくは当該送信するデータに関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記ユーザ識別データを当該一の端末装置に送信し、
前記受信手段は任意の端末装置から前記ユーザ識別データを含む通話要求データを受信し、
前記送信手段は、前記受信手段により前記通話要求データが受信された場合、受信された前記通話要求データに含まれる前記ユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置に対し通話の呼び出しを示す呼出データを送信する
請求項6に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記受信手段は任意の端末装置から任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを受信する際、当該端末装置のユーザを識別するユーザ識別データを受信し、
前記受信手段により受信された1以上の種類のデータの提供に対する対価を所定の規則に従い算出し、算出した対価を示す対価データを生成する算出手段を備え、
前記記憶手段は、前記受信手段により受信された1以上の種類のデータに関し前記算出手段により生成された対価データを、当該1以上の種類のデータとともに受信された前記ユーザ識別データに関連付けて記憶する
請求項6乃至8のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記受信手段は、任意の端末装置から任意の受診者の身体に関する1以上の種類のデータを前記サーバ装置に送信する際、当該1以上の種類のデータがサンプルデータとして提供されることが承諾されているか否かを示す承諾有無データを受信し、
前記記憶手段は、前記受信手段により前記承諾有無データが受信された場合、受信された前記承諾有無データを、当該承諾有無データとともに受信された受診者の身体に関する1以上の種類のデータに関連付けて記憶し、
前記受信手段は、任意の端末装置から所望のデータを抽出するための抽出条件を示す抽出条件データを受信し、
前記受信手段により前記抽出条件データが受信された場合、前記記憶手段に記憶されている身体に関する複数の種類のデータのうち、サンプルデータとして提供されることが承諾されていることを示す前記承諾有無データが対応付けて記憶されているデータの中から、受信された前記抽出条件データにより示される抽出条件を満たすデータを抽出する抽出手段を備え、
前記送信手段は、前記抽出条件データの送信元の端末装置に対し前記抽出手段により抽出されたデータを送信する
請求項6乃至9のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項11】
任意の端末装置との間でネットワークを介したデータ通信を行う通信手段を備えたコンピュータを、請求項6乃至9のいずれかに記載のサーバ装置が備える前記受信手段、前記記憶手段、前記生成手段および前記送信手段として機能させるプログラム。
【請求項12】
任意の端末装置との間でネットワークを介したデータ通信を行う通信手段を備えたコンピュータを、請求項9に記載のサーバ装置が備える前記算出手段として機能させる
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
任意の端末装置との間でネットワークを介したデータ通信を行う通信手段を備えたコンピュータを、請求項10に記載のサーバ装置が備える前記抽出手段として機能させる
請求項11または12に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−164956(P2011−164956A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27249(P2010−27249)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(509180441)株式会社再生医療 (1)
【Fターム(参考)】