説明

受電装置及び受電方法

【課題】 本発明は、給電に用いることができる線路についての自由度が高い受電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 受電装置を加熱する加熱部と、受電装置の内部の温度を測定する測定部と、第1の線路を介して受電した電力を制御部に供給する第1の電源部と、第2の線路を介して受電した電力を加熱部に供給し、測定部が測定した測定温度が所定温度を超えると加熱部への電力の供給を終了する第2の電源部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線路を介して給電装置から電力を受電する受電装置及び受電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、線路を介して給電装置から電力を受電する受電装置であって、受電装置を加熱するヒータ機能を有するものが知られている。ヒータ機能を有する受電装置として、例えば、ネットワークカメラが想定される。一般的にネットワークカメラは外部から受電した電力を用いて動作し、撮像した画像をネットワークを介してクライアントに送信する。ネットワークカメラは屋外に設置して用いられる場合もあるため、低温環境下であっても動作可能であることが望まれる。そこで、低温環境下ではヒータを用いてネットワークカメラ本体を加熱し、低温環境下でも動作可能な状態とするネットワークカメラが知られている。
また従来、イーサネット(登録商標)ケーブル等の通信線路を通じて電力を供給するためのシステムとして、IEEE802.3af規格にて定められているPoE(Power over Ethernet(登録商標))がある。例えば、特許文献1には、受電装置がPoEにより給電を受ける系統を2系統設けて、一方が給電を停止した場合に、他方に切替えることで電源供給に冗長性を持たせることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−142774
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後、受電装置の機能の向上に伴い、受電装置の使用電力量が上昇していくことが予想される。例えばネットワークカメラの場合、撮像画像の高画質化が進むことで処理負荷が増大し、ネットワークカメラの使用電力量が上昇することが想定される。
しかし、受電装置本体及びヒータを動作させるための使用電力が上昇すると、単独の線路で供給することができる電力量に上限がある給電方法を用いることができなくなってしまう場合がある。例えば、IEEE802.3af規格にて定められているPoEにおいては、単独の線路を通じて受電装置が受電することができる最大電力量は12.95Wと規定されている。従って、電力使用量が12.95Wを上回る受電装置については、通信に用いる通信線路のほかに、専用の電源敷設が必要となり設置工事が煩雑化する。
上記課題を鑑みて、本発明は、今後、受電装置の使用電力量が上昇した場合であっても専用の電源敷設を必要としない受電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、通信を行うための線路を介して給電装置から電力を受電する受電装置であって、第1の線路を介して受信した制御信号に応じて前記受電装置の動作を制御する制御手段と、前記受電装置を加熱する加熱手段と、前記受電装置の内部の温度を測定する測定手段と、前記給電装置から前記第1の線路を介して出力される第1の検出用信号に対して所定の応答を行うことにより前記給電装置に前記第1の線路を介した第1の給電を開始させる第1の受電手段と、前記給電装置から第2の線路を介して出力される第2の検出用信号に対して所定の応答を行うことにより前記給電装置に前記第2の線路を介した第2の給電を開始させる第2の受電手段と、前記第1の線路を介して受電した電力を前記制御手段に供給する第1の電源手段と、前記第2の線路を介して受電した電力を前記加熱手段に供給し、前記測定手段が測定した測定温度が第1の所定温度を超えると前記加熱手段への電力の供給を終了する第2の電源手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、受電装置の使用電力量が大きい場合であっても専用の電源敷設を必要としない受電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1における給電システムの構成を示す図。
【図2】第2受電部104の構成を示す図。
【図3】スイッチ110の構成を示す図。
【図4】実施例1における給電開始から制御部106駆動までの動作を示すフロー図。
【図5】実施例1におけるヒータ部109の駆動終了制御動作を示すフロー図。
【図6】実施例1におけるヒータ部109の起動動作を示すフロー図。
【図7】実施例1におけるPD102内部の温度制御を説明するための図。
【図8】実施例2における給電システムの構成を示す図。
【図9】実施例2における給電開始から制御部106駆動までの動作を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
(実施例1)
本実施例では、本発明をIEEE802.3af規格にて定められているPoE、又は、IEEE802.3at規格において規定のPoE Plusを用いた給電システムに適用した場合について説明する。
【0010】
まず、本実施例における給電システムの構成を図1を用いて説明する。PSE(Power Sourcing Equipment)101は後述のPD(Powered Dvice)102に対して給電を行う給電装置である。PSE101として、例えばHUB等のネットワーク機器を用いることができる。あるいは、HUBとPD102とを接続するネットワーク上にPSE101を設けることとしてもよい。PSE101は線路113a及び線路113bを介して後述のPD102に電力を給電する。線路は2本に限られず、PSE101は複数の線路を用いてPD102に対する給電を行うことができる。
【0011】
PD102は、PSE101から線路113a及び線路113bを介して電力を受電する受電装置である。受電装置としては、例えばネットワークカメラが想定されるが、PD102を加熱するための加熱部を有する受電装置であればよく、特に限定しない。
【0012】
線路113a及び線路113bは、PSE101から給電される電力をPD102へ伝送する。また線路113a及び線路113bは、PD102が線路113a又は線路113bによって接続された機器(不図示)と通信を行うための通信線として機能する。113a及び線路113bとして、例えば、PoE又はPoE Plusに対応したイーサネット(登録商標)ケーブルを用いることができる。
【0013】
本実施例において、線路113a及び線路113bはそれぞれ、信号やデータの送受信を行うために用いられる信号線の対(以下、「信号対」という)と、通信及びデータの送受信に使用されない予備の信号線の対(以下、「予備対」という)とを有する。PSE101は、線路113a及び線路113bのそれぞれの予備対に電圧を印加して電力を伝送する。あるいはPSE101は、線路113a及び線路113bのそれぞれの信号対に電圧を印加して電力を伝送することとしてもよい。
【0014】
また、本実施例では、線路113aおよび線路113bはそれぞれ1本のケーブルを用いる場合について説明するが、線路113aとして複数のケーブルを用い、又は、線路113bとして複数のケーブルを用いてもよい。
【0015】
第1受電部103は、PSE101から出力される第1の検出用信号に対して所定の応答を行うことによりPSE101に給電を開始させる。本実施例において第1受電部103は、PSE101から線路113aを介して出力される第1の検出用信号に対して所定の応答を行うための検出抵抗を有する。本実施例においては、検出抵抗として25KΩの抵抗が用いられるものとする。PSE101は線路103aを介してPD102が接続されると、検出用信号として2.8Vから10Vの範囲で電位差が1V以上である2種類の電圧を線路103aに印加する。第1受電部103は、25KΩの検出抵抗を有しているため、線路113aには25KΩに対応する電流が流れる。PSE101は線路113aに25KΩに対応する電流値の電流が流れたことを検出すると、線路113aを介して接続された機器がPoEに対応した機器であることを検出する。
【0016】
また、第1受電部103はPSE101から線路113aを介して受電する電力量の切替えを行う。本実施例において第1受電部103は、PSE101が出力する分類用信号に対して応答を行うための分類抵抗を複数有する。第1受電部103は、要求する電力量に応じて線路113aと接続する分類抵抗の本数を変化させる。第1受電部102は、線路113分類抵抗の本数に応じて、PSE101から出力される分類用信号に対して応答を行うための抵抗の抵抗値を変化させることができる。本実施例において、PSE101はPD102を検出した後、分類用信号として15.5Vから20.5Vの範囲の電圧を印加する。すると、線路113aには接続された分類抵抗の本数に応じた抵抗値に対応する電流が流れる。PSE101は線路113aに流れる電流を検出し、検出した電流の値に応じてPD102に給電する電力量を決定する。PSE101は給電する電力量を決定するとPD102に対する給電を開始する。受電する電力量を切替える必要がない場合、第1受電部103は分類抵抗を1種類だけ有し、給電装置から常に所定の電力量の供給を受けることとしてもよい。
【0017】
PSE101が給電する電力量を決定する方法は上記の態様に限られない。例えば、PSE101に接続された複数のPD102について、各PD102に給電すべき電力量を管理する管理装置を設けてもよい。管理装置は、例えば、IEEE 802.1ABに規定のLLDP(Link Layer Discovery Protocol)に基づいた通信方法を用いることができる。LLDPでは、管理装置が定期的にクライアントの管理情報をマルチキャストする。管理情報としては機器の識別情報、ポートの識別情報、有効期間に加えて各ポートの電力量についての情報が含まれる。PSE101は管理装置から受信した管理情報に基づいて、各ポートに給電する電力の電力量を決定する。
【0018】
第2受電部104は、PSE101から出力される第2の検出用信号に対して所定の応答を行うことによりPSE101に給電を開始させる。本実施例において第2受電部104は、図2に示すように、PSE101からの第2の検出用信号に対して所定の応答を行うための検出抵抗202を有する。また、第2受電部104はPSE101から線路113bを介して受電する電力量の切替えを行うための分類抵抗204を有する。
【0019】
第2受電部104の構成例を図2に示す。検出抵抗202は、PSE101がPD102を検出するために用いられる検出抵抗である。本実施例においては、検出抵抗202として25KΩの抵抗が用いられるものとする。検出抵抗202は、第1受電部が有する検出抵抗と同様にして、第2の検出用信号に対して所定の応答を行う。
【0020】
スイッチ201は、検出抵抗202を線路113bに接続させるか否かを、後述のヒータ制御部108の制御に応じて切替えるスイッチである。分類抵抗204aから分類抵抗204nは、PD102がPSE101に対して要求する電力を示すために用いられる分類抵抗である。本実施例では、第2受電部104は分類抵抗を8本有するものとする。第2受電部104が有する分類抵抗204の数はこれに限られず、任意の数とすることができる。また、本実施例では、より多くの分類抵抗を線路113bに接続した場合に、より大きな電力供給をPSE101に対して要求するものとする。
【0021】
スイッチ203はPD102が要求する電力量に応じて線路113bと接続する分類抵抗204を、後述のヒータ制御部108の制御に応じて切替えるスイッチである。第2受電部104は、線路113と接続する分類抵抗204の本数を切り替えることにより、PSE101から給電を受ける電力量を切替えることができる。
【0022】
第1電源部105は、第1の受電部が線路113aを介して受電した電力を所定の後述の制御部106に供給する。また、第1電源部105は、線路113aから受電した電圧を所定の電圧に変換する。
【0023】
制御部106は、線路113aを介して受信した制御信号に応じてPD102の動作を制御する。PD102がネットワークカメラである場合、制御信号には、例えばPSE101あるいはPSE101に接続されたクライアント装置から送信されるカメラの撮像方向やズーム等を変更するための指示等が該当する。制御信号の内容はこれに限られず任意のものとすることができる。
【0024】
第2電源部107は、線路113bを介して受電した電力を後述のヒータ部109に供給する。また、第2電源部107は、線路113bから受電した電圧を所定の電圧に変換する。
【0025】
ヒータ部109は、第2電源部から供給された電力を用いてPD102を加熱する。ヒータ部109がPD102を加熱することにより、PD102が低温環境下にある場合であっても、制御部106などのPD102を構成する各構成を正常に動作させることができる。
【0026】
測定部112は、PD102内部の温度を測定する。測定部112として、例えば温度センサを用いることができる。測定部112は測定した温度を後述のヒータ制御部108に出力する。
【0027】
ヒータ制御部108は、測定部112の測定結果に基づいてヒータ部109の制御を行う。ヒータ制御部108は、測定部112が測定した温度が所定の温度であるT2以上となった場合にはヒータ部109の駆動を終了させ、ヒータ部109への給電を終了する。また、ヒータ制御部108は測定部112が測定した測定温度が所定の温度であるT3(T3はT2より低い)以下となった場合に、ヒータ部109を再び駆動させて、ヒータ部109への給電を再開させる。
【0028】
また、ヒータ制御部108は第1受電部103に対し、第1受電部103が有する検出抵抗を線路113aに接続させ、あるいは、線路113aから切断させる制御を行う。さらにヒータ制御部108は第1受電部103に対し、第1受電部103が有する分類抵抗のうち、線路113aに接続させる分類抵抗の数を指定する。
【0029】
同様に、ヒータ制御部108は第2受電部104に対し、第2受電部104が有する検出抵抗202を線路113bに接続させ、あるいは、線路113bから切断させる制御をスイッチ201に対して行う。さらに、ヒータ制御部108は第2受電部104に対し、第2受電部104が有する分類抵抗204を線路113bに接続させる本数を指示する。
【0030】
スイッチ110はヒータ制御部108に電力を供給する電源の切替えを行う。スイッチ110の構成を図3に示す。スイッチ110は第1電源部105と第2電源部107とに接続される。スイッチ110において、第1電源部105は定電圧ダイオード301に接続され、第2電源部107は定電圧ダイオード302に接続される。ここで、図3に示したスイッチ110の回路図は、定電圧ダイオード301及び定電圧ダイオード302をカソードコモンとしたダイオードオアの回路である。スイッチ110の回路は、第1電源部から出力される電圧V1と第2電源部から出力される電圧V2はV1>V2となるように構成される。スイッチ110はダイオードを使用しないで第1電源部105からの供給電圧により電源経路を切り替える半導体スイッチを用いてもよい。スイッチ110の動作については、図4を用いて後述する。
【0031】
表示部111はヒータ制御部108に接続され、ヒータ部109が加熱を開始してから所定時間経過しても所定の温度T1に達しない場合にはエラー表示を行う。ここで、所定温度T1は制御部106が正常に動作するために必要なPD102の内部温度である。表示手段として、例えばLED(Light Emitting Diode)ライトを用いることができる。加熱開始から所定時間経過しても測定部112が測定した測定温度がT1の温度に達しない場合には、LEDライトを点灯させることにより、ユーザにエラーを通知することができる。
【0032】
次に、PD102の動作について図4乃至図6を用いて説明する。まず、PD102の電源投入時の動作フローについて図4を用いて説明する。PSE101に線路113a及び線路113bを介してPD102を接続した状態で、PSE101を起動するとPD102への給電処理が開始される(S401)。あるいは、既に起動状態となっているPSE101に線路113a及び線路113bを介してPD102を接続する場合にも同様に給電処理が開始される。
【0033】
ここで、ステップS401における給電処理について説明する。初期状態において、第1受電部103内の検出抵抗はスイッチにより線路113aから切り離された状態とされる。また、初期状態において、第2受電部104内の検出抵抗202はスイッチ201によって線路113bに接続された状態とされる。
【0034】
PSE101は、起動状態において線路113a及び線路113bに周期的にそれぞれ検出用信号として所定の電圧を印加する。ここで、線路113aは初期状態において検出抵抗が切り離された状態となっており、第1受電部103は線路113aを介して出力された第1の検出用信号に対して上述の所定の応答を行わない。従ってPSE101は、線路113aを介してPD102が接続されていることを検出することができないので、給電は開始されない。一方、線路113bは初期状態において、検出抵抗202が接続されている。従って、第2受電部104は、PSE101から線路113bを介して出力された第2の検出用信号に対して上述の所定の応答を行う。
【0035】
PSE101は、第2受電部104から所定の応答がなされると、次に分類用信号として所定の電圧を線路113bに印加して出力する。第2受電部104は、スイッチ203によって線路113bに接続されている分類抵抗204によって、当該分類用信号に所定の応答を行う。PSE101は、第2受電部104の応答に応じて、線路113bを介してPD102に給電する電力を決定し、給電を開始する。
【0036】
ここで、初期状態においては、第2受電部104は、PSE101が給電することができる電力量のうち最大の電力量で給電を行わせるため、8本全ての分類抵抗を線路113bにつないでおく。これにより、ヒータ部109による加熱を迅速に行わせることができる。
【0037】
PSE101から線路113bを介して給電が開始されると、第2受電部104を介して第2電源部107が起動する。第2電源部107は、ヒータ部109及びヒータ制御部108に電力を供給し、ヒータ部109及びヒータ制御部108を起動させる(S402)。この時、第1電源部105から電力は供給されず、第2の電源部107のみから電力が供給されるので、スイッチ110において、第2電源部107から供給される電力がヒータ制御部108に供給される。
【0038】
続いて、ヒータ制御部108は測定部112が測定した測定温度を取得する(S403)。そして、ヒータ制御部108は取得した測定温度Tが駆動部106を駆動可能な所定温度であるT1より高いか判定する(S404)。
【0039】
測定温度Tが温度T1以上となると(S404でYesの場合)、ヒータ制御部108は第1受電部103が有する検出抵抗を線路113aに接続させる。第1受電部103において検出抵抗が線路113aに接続されると、第2受電部104の場合と同様にしてPSE101は線路113aを介してPD102が接続されていることを検出し、第2受電部104の分類抵抗の値に応じて給電する電力量を決定する。そしてPSE101は、線路113aを介して給電を開始する。このようにして、ヒータ制御部108は、第1受電部103にPSE101から受電を開始させる(S405)。
【0040】
PSE101から線路113aを介して給電が開始されると、第1受電部103を介して第1電源部105が起動する。第1電源部105はスイッチ110を介してヒータ制御部108に電力を供給する。スイッチ110には第1電源部105及び第2電源部107から電力が供給される。ここで、スイッチ110において、上述の通り、第1の電源部が出力する電圧V1と、第2の電源部が出力する電圧V2の間にV1>V2の関係が成り立つように構成されている。従って、定電圧ダイオード301に接続された第1電源部105から供給される電力がヒータ制御部108に供給される。ヒータ部109には、第2電源部107から電力が供給される。
【0041】
また、PSE101から線路113aを介して給電が開始されると、第1電源部105から制御部106にも電力が供給されカメラ本体が起動される。
【0042】
測定温度TがT1未満である場合(S404でNoの場合)、ヒータ制御部108は所定時間待つ(S406)。そして、ヒータ制御部108はヒータ制御部108内に有するカウンタのカウント数Nを1つ増やす(S407)。ヒータ制御部108はカウンタがカウントした回数Nが所定回数N0以上であるか判断し(S408)、所定回数以上であればエラー処理を行う(S409)。エラー処理として、例えば表示手段111にエラー表示を行うことができる。これにより、ユーザは測定温度がT1よりも低いことを認識し、ユーザが温かい環境にいったんカメラをなじませてから、再度設置することが可能となる。一方、カウンタがカウントした回数が所定回数未満である場合には、ステップS403からステップS408の処理を繰り返す。
【0043】
上記の例では、必ずヒータ部109を起動させることとしたが、ステップS401において給電が開始された後、測定部112が測定した測定温度がT2(T2はT1より高い)よりも高い場合には、ヒータ部109を起動させずにステップS405の処理を行ってもよい。すなわち、測定温度T2よりも高い場合には、第2受電部104の検出抵抗202を切り離し、第1受電部103の検出抵抗を接続すればよい。
【0044】
上述のステップS403からステップS409の動作フローは、ヒータ制御部108がプロセッサ及びメモリを内蔵する形態では、ステップS403からステップS409に示される手順をこのプロセッサに実行させるためのプログラムを示す。このヒータ制御部108が内蔵するプロセッサは、コンピュータであり、ヒータ制御部108が内蔵するメモリから読み出したプログラムを実行する。ヒータ制御部108が内蔵するメモリは、このプロセッサが読み出すことができるようにこのプログラムを記録した記録媒体である。あるいは、ヒータ制御部108の動作はハードウェアにより実現されることとしてもよい。
【0045】
次に、ヒータ部109を停止させる動作について図5を用いて説明する。ヒータ制御部108がプロセッサ及びメモリを内蔵する形態では、図5の処理フローは、各フローに示される手順をこのプロセッサに実行させるためのプログラムを示す。あるいは、ヒータ制御部108の動作はハードウェアにより実現されることとしてもよい。
【0046】
ヒータ制御部108は、測定部112に一定時間ごとにPD102内部の温度を測定させる(S501)。そして、ヒータ制御部108は測定部112が測定した測定温度Tを取得し、測定温度Tがヒータ部109の駆動を終了させるための所定温度T2を超えたか判断する(S502)。測定温度TがT2以下である場合(S502でNoの場合)には、ヒータ制御部108は、所定時間待った後(S503)ステップS501の処理からステップS502の処理を繰り返す。一方、測定温度TがT2を超えた場合(S502でYesの場合)、ヒータ制御部108は第2受電部104を停止させ、第2電源部107及びヒータ部109の動作を停止させる(S504)。
【0047】
ヒータ部109の動作が停止されると、線路113bを介した消費電流が低下する。PSE101は、消費電流が所定の値を下回ると線路113bを介した給電を停止する。PSE101は周期的にPD102を検出するための検出用信号を出力するので、検出抵抗202が接続されていると、検出用信号に対する応答がなされ、一旦停止された給電が再開されてしまう。そこで、ヒータ制御部108は、第2電源部107が停止すると、スイッチ201をOFFにして検出抵抗202を線路113bから切り離す(S505)。第2電源部107がヒータ部109への電力の供給を終了した場合には、PSE101から周期的に出力される検出信号に対して応答を行わないようにすることにより、給電の開始と終了が繰り返されることを防ぐことができる。
【0048】
次に、一旦停止されたヒータ部109を再び動作させる場合の動作について図6を用いて説明する。ヒータ制御部108がプロセッサ及びメモリを内蔵する形態では、図6の処理フローは、各フローに示される手順をこのプロセッサに実行させるためのプログラムを示す。あるいは、ヒータ制御部108の動作はハードウェアによって実現されることとしてもよい。
【0049】
ヒータ制御部108は、測定部112に一定時間ごとにPD102内部の温度を測定させる(S601)。そして、ヒータ制御部108は、測定部112が測定した測定温度Tを取得して、制御部106を駆動可能な温度T1を下回っているか判断する(S602)。ステップS602において測定温度Tと比較を行う温度はT1よりも低い値としてもよい。制御部106が行う制御処理に半導体が用いられる場合、ステップS602の処理を行う時点では当該半導体は既に通電されているため、半導体自体が発熱することにより半導体の温度が上がっている。したがって、PD102の内部温度の測定値TがT1より低い温度であっても制御部106を駆動させることができる。
【0050】
ヒータ制御部108は、測定温度TがT1を下回っている場合、第2受電部の検出抵抗202をスイッチ201により線路113bに接続させる。検出抵抗202が線路113bに接続されると、PSE101から周期的に出力される検出用信号に対する所定の応答がなされ、給電される電力量が決定された後、線路113bを介して給電が再開される(S603)。本実施例では、ステップS603の電力量の決定に際し、第2受電部104内のスイッチ203は、PSE101が給電可能な最大電力で給電を受けるために、全ての分類抵抗を線路113bに接続するものとする。ただし、PD102がPSE101から受電する電力量を選択できる場合、必ずしも最大電力を受電する必要はなく、いずれの電力量によって受電を行うかについては特に限定しない。
【0051】
ヒータ制御部108は線路113bを介して給電が開始されると、第1受電部103を停止させる(S604)。この時、ヒータ制御部108の電源供給はV2>V1(V1=0V)となるため、スイッチ110において第2電源部107から供給される電力がヒータ制御部108に供給される。
【0052】
ステップS604の処理が行われた後は、ヒータ制御部108は、図4を用いて説明したステップS403からステップS409の第1受電部起動処理を行う(S605)。
【0053】
第1受電部起動処理が行われた後、ヒータ制御部108は、図5を用いて説明したステップS501からステップS505の処理を行い、測定温度Tがヒータ停止温度Tを超えた場合に第2受電部を停止させる(S606)。
【0054】
ステップS602の処理において、測定温度TがT1より大きい場合、ヒータ制御部108は測定温度Tがヒータ再投入温度であるT3より高い温度であるか判断する(S607)。ここで、T3は制御部が駆動可能となる温度であるT1より高く、ヒータへの給電を終了させる温度であるT2よりも低い温度である。
【0055】
測定温度Tがヒータ再投入温度T3より高い場合、ヒータ制御部108はステップS601の処理に戻る。一方、測定温度TがT3以下である場合、ヒータ制御部108はステップS608からステップS611において第2受電部104において受電を開始させる。そして、ヒータ制御部108は測定温度Tがヒータを停止させるための温度であるT2を超えるまでヒータ部109を駆動させる。
【0056】
ここで、ステップS601の温度測定処理は一定時間ごとに行われる処理であるため、測定部112が測定を行ってからステップS606の処理が行われるまでの間に一定の時間が経過している。従って、ステップS606においてT≦T3と判断された時点において、必ずしもT=T3ではない。Tの温度によって、測定温度を温度T2にするために必要な電力量が異なる。そこで、本実施例において、Tの温度に応じて、PSE101から受電する電力量を切り替えてヒータ部109に供給する処理を行う。
【0057】
ヒータ制御部108はヒータ部109を停止させる温度であるT2と、T≦T3となってから所定時間経過後の現在の温度であるTとの温度差が、所定の閾値であるT4以下であるか判断する(S608)。ここで、所定時間とは、例えば、T≦T3となった時点から、その後最初に測定手段が温度を測定する時点までの時間を指す。これに限られず、所定時間は任意の時間とすることができる。
【0058】
当該温度差が閾値T4より大きい場合(S608でNoの場合)、ヒータに大きな電力量を供給する必要があるため、ヒータ制御部108はスイッチ203を制御して、大きな電力量を受電するために分類抵抗8本全てを線路113bに接続させる(S610)。一方、温度差が閾値T4以下である場合は、ヒータ制御部108は、スイッチ203を制御して、8本の分類抵抗が線路113bに接続された場合よりも少ない電力量を受電するために、4本の分類抵抗を線路113bに接続させる(S609)。
【0059】
選択する分類抵抗204の本数が決定されると、ヒータ制御部108は前述のように、検出抵抗202を線路113bに接続して第2受電部104を駆動させる(S611)。第2受電部104が駆動すると、ステップS609又はステップS610においてなされた設定に応じた電力量の給電が行われる。このようにすることで、PSE101は第2受電部104に対して最大電力を供給する必要がなくなるため、複数ポートに対して給電する場合、他の給電ポートに対しての余裕度が上がる利点がある。なお、T2までの到達時間を短くする場合にはステップS608及びステップS610の処理を行うことなく、常に8本の分類抵抗を線路113bに接続さえ、最大電力を要求することとしてもよい。
【0060】
その後、ヒータ制御部108は図5を用いて説明したステップS501からステップS505の処理を行い、測定温度Tがヒータ停止温度T2を超えた場合に第2受電部104を停止させる(S606)。
【0061】
次に、本実施例を実施することにより実現されるPD102内部の温度制御について図7を用いて説明する。図7の縦軸はPD102内部の温度を、横軸は時間の経過を示す。
【0062】
PSE101から線路113bを介して給電が開始されると、PD102のヒータ部109が起動され、PD102の内部温度が上昇する。PD102の内部温度が、制御部104を駆動させることができる温度であるT1を超えると、第1受電部103からも線路113aを介して受電が開始される。第1受電部103が受電した電力は制御部104に供給される。制御部104に電力が供給されると、制御部104が有する半導体に通電され半導体自体が発熱するため、図7においてPD102の内部温度が上昇する傾きが急になる。
【0063】
続いて、PD102の内部温度が、ヒータ部109の駆動を停止させる温度であるT2に達すると、第2電源部107からヒータ部109への電力供給が停止され、ヒータ部109は駆動を停止する。続いて、第2受電部104により線路113bを介した受電が終了される。
【0064】
ヒータ部109が駆動を停止した後、PD102の外気温の影響等により、PD102の内部温度がヒータ再投入温度であるT3以下となると、再度線路113bを介して受電が開始され、それに伴ってヒータ部109が駆動される。ヒータ部109が駆動を開始するとPD102の内部温度は上昇し始め、再びT2に達するとヒータ部109の駆動が停止される。以降、同様にしてヒータ部109の駆動と停止が繰り返される。このようにして、PD102の内部温度を一定の範囲内の温度に保つことができ、低温環境下等においても安定的にPD102を動作させることができる。
【0065】
以上のようにして、本実施例では、第1の線路を介して受電した電力をPD102の動作を制御するための制御部106に供給し、第2の線路を介して受電した電力をヒータ部109に供給する。本実施例のように複数の線路を用いて給電を行うことにより、例えばPoE給電のように、1つの線路によって給電することができる電力が限られている給電方法によっても、制御部106およびヒータ部109を駆動させるための電力を賄うことが可能となる。従って、受電装置の使用電力量が大きい場合であっても専用の電源敷設を必要とせずに受電装置の電力を賄うことができる。
【0066】
例えば、制御部106のみであればPoE給電により駆動出来る場合でも、制御部106及びヒータ部109を駆動させるための電力をPoE給電で賄うことができない場合に本実施例を適用することができる。このような状況では、本実施例を実施しない場合、制御部106及びヒータ部109を駆動させるための専用の電源敷設がLANの敷設とは別に必要となり設置工事が煩雑化する。しかし、本実施例によれば複数のPoEポートを用いてPD102に給電するため、専用の電源を敷設する工事無しに、LAN接続のみでPD102を駆動させることができる。
【0067】
また、本実施例によれば、測定部112が測定した温度が所定の温度を超えるとヒータ部109への電力の給電を終了することができる。従って、本実施例によればPD102の内部温度を適切な温度に保つことができる。
【0068】
さらに、本実施例によれば、測定部112が測定した温度が、制御部109が動作可能な温度を超えると、制御部109に電力を供給するために線路113aを介して給電を開始させる。従って、本実施例によれば、制御部109を適切な温度で動作させることができる。
【0069】
さらに本実施例では、ヒータ制御部108及びそれに接続された測定部112は、第1受電部103に対して給電が行われている場合は第1電源部103から電力の供給を受け、第1受電部103に対して給電が行われていない場合は、第2電源部104から電力の供給を受ける。このようにすることで、本実施例にかかる受電装置のように複数の線路を用いて受電を行う場合に、いずれか一方の線路を介した給電が行われていない場合であっても、ヒータ制御部108および測定部112は継続的に電力の供給を受けることができる。
【0070】
(実施例2)
実施例2では、測定部112が測定する測定温度Tが制御部106を駆動させるための温度であるT1以下であっても、PD102がPSE101から線路113aを介して電力を受電する例について説明する。実施例2にかかる給電システムの構成について図8を用いて説明する。実施例1において図1を用いて説明した給電システムの構成と同じ構成については、同じ符号を付して表し説明を省略する。
【0071】
本実施例にかかるPD102における第1受電部801は、測定部112が測定する測定温度が、制御部106を駆動させるための所定温度であるT1以下である場合にも、PSE101から電力を受電する。
【0072】
また、本実施例にかかるPD103は、スイッチ802を有する。スイッチ802は第1電源部105と制御部106との間に設けられ、第1電源部105と制御部106とを接続したり切り離したりする。また、ヒータ制御部803は、スイッチ802を制御して制御部106への電力の供給を制御する。
【0073】
次に、本実施例にかかるPD102の動作について図9を用いて説明する。まず、PSE101に線路113a及び線路113bを介してPD102を接続した状態で、PSE101を起動するとPD102への給電処理が開始される(S901)。あるいは、既に起動状態となっているPSE101に線路113a及び線路113bを介してPD102を接続する場合にも同様に給電処理が開始される。
【0074】
初期状態において、第1受電部103内の検出抵抗はスイッチにより線路113aに接続された状態とされる。また、初期状態において、第2受電部104内の検出抵抗202もスイッチ201によって線路113bに接続された状態とされる。さらに、初期状態において、第1電源部105と制御部106とはスイッチ802によって切り離された状態とされ、第1電源部105から制御部106へ電力が供給されない状態とされる。
【0075】
PSE101は、起動状態において線路113a及び線路113bに周期的にそれぞれ検出用信号として所定の電圧を印加する。ここで、線路113aは初期状態において検出抵抗が接続された状態となっているので、第1受電部103は線路113aを介して出力された第1の検出用信号に対して上述の所定の応答を行う。従ってPSE101は、線路113aを介してPD102が接続されていることを検出し、第1受電部103の分類抵抗の値に応じて供給する電力量を決定した後、第1受電部103に対して電力の供給を開始する。第1受電部103が電力の受電を開始すると、それに伴って第1電源部103が起動する(S902)。
【0076】
ここで、初期状態において第1電源部105と制御部106とはスイッチ802により切り離された状態にあるので、第1電源部103から制御部106に電力は供給されない。
【0077】
また、線路113bは初期状態において、第2受電部104の検出抵抗202が接続されている。従って、第2受電部104は、PSE101から線路113bを介して出力された第2の検出用信号に対して上述の所定の応答を行う。従って、PSE101は、第2受電部104の応答を検出すると、線路113bを介して第2受電部104に給電する電力を第2受電部104の分類抵抗の値に応じて決定し、給電を開始する。
【0078】
PSE101から線路113bを介して給電が開始されると、第2受電部104を介して電力の供給を受けた第2電源部107が起動する。第2電源部107は、ヒータ部109に電力を供給し、ヒータ部109を起動させる。
【0079】
また、実施例1と同様に第1電源部105及び第2電源部107はスイッチ110に接続されており、第1電源部105から供給される電力が第2電源部107から供給される電力に優先してヒータ制御部803に供給される。
【0080】
ヒータ制御部108は測定部112が測定した測定温度を取得する(S903)。そして、ヒータ制御部108が取得した測定温度Tが制御部106を駆動可能な温度T1より高いか判定する(S904)。
【0081】
測定温度Tが温度T1を超えると(S904でYesの場合)、ヒータ制御部108はスイッチ802を制御して制御部106を第1電源部105に接続させる。制御部106が第1電源部105に接続されると、制御部106第1電源部105からの電力供給を受け、PD102の動作制御を開始する。
【0082】
一方、測定温度Tが温度T2以下である場合(S904でNoの場合)、ヒータ制御部108は第2電源部107に給電が行われているか確認する(S907)。第2電源部107に給電が行われている場合(S907でYesの場合)、ステップS903の処理に戻る。
第2電源部107に給電が行われていない場合(S907でNoの場合)、ヒータ制御部803は表示部111にエラー表示を行わせる。エラー表示により、ユーザは113bを介して給電が為されていないことを知ることができる。
【0083】
上述のステップS903からステップS908の動作フローは、ヒータ制御部108がプロセッサ及びメモリを内蔵する形態では、ステップS903からステップS908に示される手順をこのプロセッサに実行させるためのプログラムを示す。
【0084】
図9に示した処理を行った後、PD102の内部温度がヒータ部109の駆動を終了させる所定温度であるT2に達した場合、ヒータ制御部108は、実施例1において図5を用いて説明した動作と同様の動作により、ヒータ部109の駆動を停止させることができる。また、ヒータ部109の駆動を終了させた後、再度ヒータ部109を駆動させる場合、ヒータ制御部108は、実施例1において図6を用いて説明した動作と同様の動作により、ヒータ部109を起動させることができる。ただし、本実施例においてはステップS604において、ヒータ制御部108は、第1受電部による受電を終了させるかわりにスイッチ802を切り、第1電源部105と制御部106とを切り離す。また、ステップS605の処理において、ヒータ制御部108は図9に示したステップS903からステップS908の処理を行う。
【0085】
以上のようすれば、実施例1の場合と同様にして、受電装置の使用電力量が大きい場合であっても専用の電源敷設を必要とせずに受電装置の電力を賄うことができる。また、本実施例によればPD102の内部温度を適切な温度に保つことができる。また、本実施例によれば、制御部109を適切な温度で動作させることができる。また、本実施例にかかる受電装置のように複数の線路を用いて受電を行う場合に、いずれか一方の線路を介した給電が行われていない場合であっても、ヒータ制御部108および測定部112は継続的に電力の供給を受けることができる。
【0086】
(その他の実施例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0087】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0088】
102 PD
113 線路
109 ヒータ部
112 測定部
103 第1受電部
104 第2受電部
105 第1電源部
107 第2電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を行うための線路を介して給電装置から電力を受電する受電装置であって、
第1の線路を介して受信した制御信号に応じて前記受電装置の動作を制御する制御手段と、
前記受電装置を加熱する加熱手段と、
前記受電装置の内部の温度を測定する測定手段と、
前記給電装置から前記第1の線路を介して出力される第1の検出用信号に対して所定の応答を行うことにより前記給電装置に前記第1の線路を介した第1の給電を開始させる第1の受電手段と、
前記給電装置から第2の線路を介して出力される第2の検出用信号に対して所定の応答を行うことにより前記給電装置に前記第2の線路を介した第2の給電を開始させる第2の受電手段と、
前記第1の線路を介して受電した電力を前記制御手段に供給する第1の電源手段と、
前記第2の線路を介して受電した電力を前記加熱手段に供給し、前記測定手段が測定した測定温度が第1の所定温度を超えると前記加熱手段への電力の供給を終了する第2の電源手段とを有することを特徴とする受電装置。
【請求項2】
前記第1の受電手段は、前記測定温度が前記第1の所定温度以下の温度である第2の所定温度以上となると、前記第1の給電を開始させることを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
【請求項3】
前記測定手段は、前記第1の給電が行われている場合は前記第1の電源手段から電力の供給を受け、前記第1の給電が行われていない場合は前記第2の電源手段から電力の供給を受けることを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
【請求項4】
前記加熱手段が加熱を開始してから所定時間経過しても前記測定温度が前記第2の所定温度に達しない場合はエラー表示を行う表示手段を有することを特徴とする請求項2に記載の受電装置。
【請求項5】
前記第2の受電手段は、
前記第2の電源手段が前記加熱手段への電力の供給を終了した場合には前記給電装置から周期的に出力される前記第2の検出信号に対して前記所定の応答を行わないことを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
【請求項6】
前記第2の受電手段は、前記給電装置から前記第2の線路を介して受電する電力量を切替えることが可能であって、
前記第2の電源手段は、前記電力の供給を終了した後であって前記測定温度が前記第1の所定温度以下の温度である第3の所定温度以下となってから前記第1の所定温度を超えるまでの間は前記加熱手段に対して電力を供給し、
前記第1の電源手段は、前記測定温度が前記第3の所定温度以下となってから前記第1の所定温度を超えるまでの間は前記制御手段に対する電力の供給を停止し、
前記第2の受電手段は、前記測定温度が前記第3の所定温度以下となってから所定時間後の測定温度と前記第2の所定温度との差に応じて前記第2の線路を介して受電する電力の電力量を決定することを特徴とする請求項2に記載の受電装置。
【請求項7】
前記第1の線路及び前記第2の線路は、IEEE802.3af規格において規定のPoE又はIEEE802.3at規格において規定のPoE Plusに対応したイーサネット(登録商標)ケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
【請求項8】
通信を行うための線路を介して給電装置から受電装置が電力を受電する受電方法であって、
第2の受電手段が、前記給電装置から第2の線路を介して出力される第2の検出用信号に対して所定の応答を行うことにより前記給電装置に前記第2の線路を介した第2の給電を開始させる第2の受電ステップと、
加熱手段が、前記第2の受電ステップにおいて給電された電力の供給を電源手段から受けて前記受電装置を加熱する加熱ステップと、
測定手段が、前記受電装置の内部の温度を測定する測定ステップと、
第1の受電手段が、前記給電装置から第1の線路を介して出力される第1の検出用信号に対して所定の応答を行うことにより前記給電装置に前記第1の線路を介した第1の給電を開始させる第1の受電ステップと、
前記第1の受電ステップにおいて給電された電力の供給を受けた制御手段が、前記第1の線路を介して受信した制御信号に応じて前記受電装置の動作を制御する制御ステップと、
前記電源手段が、前記測定ステップにおいて測定した測定温度が所定温度を超えると前記加熱手段への電力の供給を終了する終了ステップとを有することを特徴とする受電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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