説明

可動式タッチコントロールモジュール及びそれを備えた電子機器

【課題】可動式タッチコントロールモジュールにおいて、従来にない新しいオリジナル設計によるタッチパッド技術を実現できると共に、迅速で効果的な入力操作を行なえるようにする。
【解決手段】可動式タッチコントロールモジュール12は、可動パーツ122と、可動パーツ122に固定されるタッチコントロールユニット120と、可動パーツ122四周に接するスプリングユニット124、4方向センサー素子126及び回転センサー素子128を備える。可動パーツ122は、電子機器1の本体10に設置され、本体10に対応して平面上において可動する。各センサー素子126,128は、可動パーツ122の第一収納エリア1221内に位置する。タッチコントロールユニット120を操作して可動パーツ122が移動又は回転されると、各センサー素子126,128が触発されることにより、電子機器1をコントロールするための各種機能が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置として用いられる可動式タッチコントロールモジュール、及びそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、ノートパソコン、携帯情報端末及び映像・音声再生装置等の電子機器は、すでに現代社会において欠かせないツールとなっている。また、市場における消費者のニーズもますます高くなっており、電子機器の機能性が重視されるのは言うまでもなく、設計や製品形態も消費者が製品を購入する際の大きな要素となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ノートパソコンの場合を例に挙げると、現在のノートパソコンは、通常マウスの役割を果たすタッチパッドが設置されている。しかしながら、現有のタッチパッドは、通常ノートパソコンの本体に固定されており、例えば、ユーザーの好みに合った新しいユニークなデザインや、移動又は回転等の視覚的な操作をユーザーに提供することができない。また、ノートパソコンの表示スクリーンの大きさが十分でないとき、ユーザーは画面を上下左右を移動させて閲覧する操作が必要になるが、従来のタッチパッドでは、上記の操作を迅速に行うことは難しい。
【0004】
本発明は、上記現有の技術における問題を改善する可動式タッチコントロールモジュール及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の可動式タッチコントロールモジュールは、電子機器の本体に設置される可動式タッチコントロールモジュールであって、前記本体に設置されて、該本体に対応して平面上において可動し、第一収納エリアを有する可動パーツと、前記可動パーツに固定されるタッチコントロールユニットと、前記本体に設置されて、前記可動パーツの四周に接する複数のスプリングユニットと、前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する4方向センサー素子と、前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する少なくとも2個の回転センサー素子とを備え、前記可動パーツが前記本体に対して平面に沿って移動するとき、該可動パーツは前記4方向センサー素子を触発し、前記可動パーツが前記本体に対して平面上を回転するとき、該可動パーツは前記回転センサー素子のうちの一つを触発することを特徴とする。
【0006】
この可動式タッチコントロールモジュールにおいて、前記本体は、回路板及びハウジングを備え、前記回路板は、前記ハウジング内に設置され、前記ハウジングは、開口部を有し、前記タッチコントロールユニットは、前記ハウジングの開口部に設置され、前記可動パーツは、前記タッチコントロールユニットと前記回路板の間に位置し、前記スプリングユニット、前記4方向センサー素子及び前記回転センサー素子は、前記回路板に固定されることが好ましい。
【0007】
この可動式タッチコントロールモジュールにおいて、前記本体に固定される少なくとも2個のワンタッチスイッチをさらに備え、前記タッチコントロールユニットは、前記ワンタッチスイッチを覆うことが好ましい。
【0008】
この可動式タッチコントロールモジュールにおいて、前記タッチコントロールユニットと可動パーツの間に位置するフレームを備え、前記可動パーツは、前記フレーム内に設置され、前記スプリングユニットは、前記フレーム内に設置され、該フレームの内壁及び前記可動パーツに接することが好ましい。
【0009】
この可動式タッチコントロールモジュールにおいて、前記タッチコントロールユニットは、タッチパッド及び支え部分を有し、前記タッチパッドは前記支え部分に固定され、前記支え部分は前記可動パーツに固定されることが好ましい。
【0010】
この可動式タッチコントロールモジュールにおいて、前記各スプリングユニットは、少なくとも1個のスプリング及びスライドブロックを有し、前記スライドブロックの一端は、前記可動パーツに接し、前記スプリングは、前記スライドブロックの他端に嵌め込まれることが好ましい。
【0011】
この可動式タッチコントロールモジュールにおいて、前記可動パーツは、4個の移動触発部を有し、前記移動触発部は、前記第一収納エリア内に設置され、該第一収納エリアに第二収納エリアを形成し、前記4方向センサー素子は、前記第二収納エリア内に位置することが好ましい。
【0012】
この可動式タッチコントロールモジュールにおいて、前記可動パーツは、2個の回転触発部をさらに有し、前記回転触発部は、前記第二収納エリアの外に位置することが好ましい。
【0013】
本発明の電子機器は、本体と、前記本体に設置される可動式タッチコントロールモジュールとを備える電子機器であって、前記可動式タッチコントロールモジュールは、前記本体に設置されて、該本体に対応して平面上において可動し、第一収納エリアを有する可動パーツと、前記可動パーツに固定されるタッチコントロールユニットと、前記本体に設置されて、前記可動パーツの四周に接する複数のスプリングユニットと、前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する4方向センサー素子と、前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する少なくとも2個の回転センサー素子とを備え、前記可動パーツが前記本体に対して平面に沿って移動するとき、該可動パーツは前記4方向センサー素子を触発し、前記可動パーツが前記本体に対して平面上を回転するとき、該可動パーツは前記回転センサー素子のうちの一つを触発することを特徴とする。
【0014】
この電子機器において、前記本体は、回路板及びハウジングを備え、前記回路板は、前記ハウジング内に設置され、前記ハウジングは、開口部を有し、前記タッチコントロールユニットは、前記ハウジングの開口部に設置され、前記可動パーツは、前記タッチコントロールユニットと前記回路板の間に位置し、前記スプリングユニット、前記4方向センサー素子及び前記回転センサー素子は、前記回路板に固定されることが好ましい。
【0015】
この電子機器において、前記可動式タッチコントロールモジュールは、前記本体に固定される少なくとも2個のワンタッチスイッチをさらに備え、前記タッチコントロールユニットは、前記ワンタッチスイッチを覆うことが好ましい。
【0016】
この電子機器において、前記可動式タッチコントロールモジュールは、前記タッチコントロールユニットと可動パーツの間に位置するフレームをさらに備え、前記可動パーツは、前記フレーム内に設置され、前記スプリングユニットは、前記フレーム内に設置され、該フレームの内壁及び前記可動パーツに接することが好ましい。
【0017】
この電子機器において、前記タッチコントロールユニットは、タッチパッド及び支え部分を有し、前記タッチパッドは前記支え部分に固定され、前記支え部分は前記可動パーツに固定されることが好ましい。
【0018】
この電子機器において、前記各スプリングユニットは、少なくとも1個のスプリング及びスライドブロックを有し、前記スライドブロックの一端は、前記可動パーツに接し、前記スプリングは、前記スライドブロックの他端に嵌め込まれることが好ましい。
【0019】
この電子機器において、前記可動パーツは、4個の移動触発部を有し、前記移動触発部は、前記第一収納エリア内に設置され、該第一収納エリアに第二収納エリアを形成し、前記4方向センサー素子は、前記第二収納エリア内に位置することが好ましい。
【0020】
この電子機器において、前記可動パーツは、2個の回転触発部をさらに有し、前記回転触発部は、前記第二収納エリアの外に位置することが好ましい。
【0021】
この電子機器は、ノートパソコンであることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の可動式タッチコントロールモジュールによれば、タッチコントロールユニットを操作することにより、可動パーツが本体に対し移動又は回転されると、4方向センサー素子又は回転センサー素子が触発されるので、電子機器をコントロールするための各種機能が実行される。このため、従来にない新しいオリジナル設計によるタッチパッド技術を実現できると共に、迅速で効果的な入力操作が行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る電子機器を示す斜視図。
【図2】同電子機器の部分分解図。
【図3】同電子機器の可動式タッチコントロールモジュールの部分分解図。
【図4】同可動式タッチコントロールモジュールの部分断面図。
【図5A】同可動式タッチコントロールモジュールの可動パーツが平面視右方向に移動された状態を示す図。
【図5B】同可動パーツが平面視上方向に移動された状態を示す図。
【図5C】同可動パーツが平面視反時計周りに回転された状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る電子機器を示す全体図である。図2は本電子機器の部分分解図である。電子機器1は、本体10と、可動式タッチコントロールモジュール12とを備える。
【0025】
本実施形態において、電子機器1はノートパソコンである。しかしながら、本発明はこれに制限されるものではない。その他の形態として、電子機器1は、例えば、携帯情報端末や映像・音声再生装置等の電子機器であってもよい。
【0026】
可動式タッチコントロールモジュール12は、本体10に設置される。本体10は、ハウジング100と、回路板102とを備える。回路板102は、ハウジング100内に設置される。可動式タッチコントロールモジュール12は、タッチコントロールユニット120と、フレーム121と、可動パーツ122と、複数のスプリングユニット124(図4参照)と、4方向センサー素子126と、2個の回転センサー素子128と、2個のワンタッチスイッチ129とを備える。
【0027】
可動パーツ122は、本体10に設置されて、本体10に対応して平面上において可動する。ここでは、上述の平面は、本体10において回路板102が存在する平面である。しかしながら、本発明において平面は上記に制限されず、本体10を形成するいずれかの平面(例えば、ハウジング100の一面)に対応すればよい。
【0028】
タッチコントロールユニット120は、可動パーツ122に固定される。フレーム121は本体10に設置されて、タッチコントロールユニット120と可動パーツ122の間に位置する。可動パーツ122は、タッチコントロールユニット120と回路板102の間に位置する。スプリングユニット124は、フレーム121内に設置されて、可動パーツ122の四周に接する。4方向センサー素子126、回転センサー素子128及びワンタッチスイッチ129は、いずれも本体10の回路板102に固定される。
【0029】
本体10のハウジング100は、電子機器1にノートパソコン外側のハウジングとして設けられる。タッチコントロールユニット120は、ハウジング100に設置される。図2に示すように、ハウジング100は、その最上部に、開口部1000及び装飾パーツ1001を有する。タッチコントロールユニット120は、開口部1000に位置し、タッチコントロールユニット120の背面が開口部1000から外に露出されて可動パーツ122に固定される。装飾パーツ1001は、開口部1000を取り囲むように設置されて、タッチコントロールユニット120とハウジング100の間に生じる隙間を遮蔽する。タッチコントロールユニット120の底部辺縁は、装飾パーツ1001上に接する。装飾パーツ1001は、可動パーツ122と平行になるように設置されて、タッチコントロールユニット120と平行である。これにより、タッチコントロールユニット120は、ユーザー操作により、ハウジング100の装飾パーツ1001が位置する平面に沿って移動、又は該平面上において回転される。しかしながら、本発明はこのような構成に制限されない。開口部1000は矩形を呈し、装飾パーツ1001は開口部1000の周縁に沿うような矩形の輪郭を呈する。開口部1000及び装飾パーツ1001の形状はこれに限定されず、例えば、例えば、円形や楕円形であってもよい。
【0030】
実用性の観点から、ハウジング100は、例えばプラスチック材質を用い、装飾パーツ1001は、例えば金属材質を用いることが好ましい。これにより、電子機器1全体の美観性を高めることができる。しかしながら、ハウジング100及び装飾パーツ1001は、は上記に制限されるものではない。
【0031】
タッチコントロールユニット120、フレーム121、可動パーツ122、スプリングユニット124及び回路板102の組立て方向は、本体10において回路板102が位置する平面に対して垂直な方向である。具体的には、回路板102は、ハウジング100内に設置されて、開口部1000の下方に位置する。フレーム121は、ハウジング100の開口部1000の下方であって、回路板102の上方に位置する。可動パーツ122及びスプリングユニット124は、いずれも回路板102の上方に位置する。回路板102は、ハウジング100の底部に、例えば、ねじ(図示しない)によって固定される。4方向センサー素子126、回転センサー素子128及びワンタッチスイッチ129は、回路板102に、例えば、表面実装技術(surface mount Technology,SMT)によって固定される。
【0032】
ハウジング100の装飾パーツ1001がある平面は、回路板102が位置する平面に平行である。このため、タッチコントロールユニット120が装飾パーツ1001が位置する平面に沿って上下に移動、又は該平面において回転されると、可動パーツ122が回路板102上の平面に沿って上下に移動又は回転される。しかしながら、本発明はこのような構成に制限されるものではない。
【0033】
以下、可動式タッチコントロールモジュール12の具体的な構造について、図3、図4及び上述の図2を用いて説明する。図3は可動式タッチコントロールモジュールの部分分解図である。図4は可動式タッチコントロールモジュールの部分断面図である。図3においては、可動パーツ122の構造を明確に示すため、可動パーツ122を背面から図示する。図4においては、フレーム121内に収納される可動パーツ122と、4方向センサー素子126及び回転センサー素子128との位置関係を明確に示すため、フレーム121のタッチコントロール外部パーツ1201の頂上部及び可動パーツ122の頂上部は図示していない。
【0034】
本実施形態において、タッチコントロールユニット120は矩形を呈する。本発明においてタッチコントロールユニット120の形状はこれに限定されず、例えば、円形や楕円形であってもよい。
【0035】
図2に示すように、タッチコントロールユニット120は、タッチコントロール外部パーツ1201と、タッチパッド1202と、支え部分1203とを備える。タッチコントロール外部パーツ1201は、タッチパッド1202上に固定され、タッチパッド1202は支え部分1203上に固定される。支え部分1203は、ハウジング100の開口部1000に設置されて、可動パーツ122に固定される。タッチコントロール外部パーツ1201は、例えば、タッチコントロールフィルムにより構成される。タッチパッド1202は、例えば、電子センサーパッドにより構成される。タッチパッド1202は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)を介して本体10の回路板102又はメインボードに接続されることにより、現有のタッチパッドの機能を実現している。タッチパッド1202は、例えば、タッチコントロール外部パーツ1201上で使用者の手の指が移動することを感知して、電子機器1のスクリーン上でのマウスポインタの動作をコントロールする。
【0036】
タッチコントロールユニット120は、支え部分1203によって可動パーツ122に固定される。タッチコントロールユニット120の可動パーツ122への固定方法としては、例えば、支え部分1203の背面を可動パーツ122の頂上部に張り付けて、両者を貫通穴を通してビス固定する方法が挙げられる。上記固定方法の他の形態として、支え部分1203上に凹陥部を設け、可動パーツ122の頂上部に凸出部に設け、これら凸出部と凹陥部の噛合せにより、支え部分1203と可動パーツ122との固定を実現するようにしてもよい。
【0037】
フレーム121は、回路板102又はハウジング100に固定される。フレーム121は、上記構成に限られず、例えば、ハウジング100と一体成型されてもよい。
【0038】
フレーム121は矩形を呈し、収納部1210及び2個の開口部1212を有する。開口部1212は、収納部1210の両側に位置する。収納部1210は、十字型の十二辺形を呈する。可動パーツ122は、収納部1210の中央に設置される。スプリングユニット124(図4参照)は、収納部1210の四方の先端部に設置される。
【0039】
回路板102上の各ワンタッチスイッチ129は、フレーム121に設けられた2つの開口部1212から突出するように設けられる。タッチコントロールユニット120は、ワンタッチスイッチ129を覆うように設けられる。これにより、タッチコントロールユニット120のタッチコントロール外部パーツ1201が、開口部1212から突出されたワンタッチスイッチ129と当接される。図3に示すように、タッチコントロールユニット120のタッチコントロール外部パーツ1201の背面には、ワンタッチスイッチ129を触発させるための突起点1205が設置される。ワンタッチスイッチ129の位置に関しては、特に制限されない。上記のように構成される2個のワンタッチスイッチ129は、現有のノートパソコンにおいてタッチコントロールエリア周囲の左右のクリックボタンに相当する。言い換えれば、可動式タッチコントロールモジュール12は、左右一対のクリックボタン機能が備わっていることになる。
【0040】
図3及び図4に示すように、可動パーツ122は、第一収納エリア1221と、第二収納エリア1222と、4個の移動触発部1226と、2個の回転触発部1228とを有する。第一収納エリア1221は、可動パーツ122の外縁部分にある複数の側壁1224によって囲まれることにより形成される。第二収納エリア1222は、第一収納エリア1221の中央に位置し、4個の移動触発部1226によって囲まれることにより形成される。第一収納エリア1221及び第二収納エリア1222は、それぞれ矩形を呈する。本発明において第一収納エリア1221及び第二収納エリア1222の形状は、これに限定されず、例えば、円形や楕円形であってもよい。
【0041】
2個の回転触発部1228は、第一収納エリア1221内に位置し、第二収納エリア1222外に位置する。具体的には、各回転触発部1228は、第一収納エリア1221内において移動触発部1226と側壁1224とに囲まれた空間を対角線状に接続することにより形成され、第二収納エリア1222の平面視上方部において左右に設置される。本発明において回転触発部1228は、上記構成に限定されず、例えば、第一収納エリア1221内に4個設置されていてもよい。また、移動触発部1226及び回転触発部1228の設置位置は、特に限定されるものではない。
【0042】
4方向センサー素子126は、可動パーツ122の第二収納エリア1222内に位置する。すなわち、可動パーツ122の4個の移動触発部1226が、4方向センサー素子126の周囲を取り囲むような形となっている。
【0043】
2個の回転センサー素子128は、可動パーツ122の第一収納エリア1221内に位置し、可動パーツ122の各回転触発部1228の側方に位置する。具体的には、各回転センサー素子128は、左右の回転触発部1228を介して可動パーツ122の側壁1224及び移動触発部1226に囲まれるように形成されたエリア内に位置する。本発明において回転センサー素子128の数量は、特に限定されるものではない。
【0044】
また、4方向センサー素子126及び回転センサー素子128の設置位置については、上記に限定されず、可動パーツ122が移動又は回転する際に通過する軌跡上に位置すればよい。
【0045】
4方向センサー素子126は、4方向レバー式スイッチを用いることが理想的である。回転センサー素子128は、レバー式スイッチを用いることが理想的である。しかしながら、本発明において4方向センサー素子126及び回転センサー素子128は上記構成に限定されず、必要に応じて上記とは異なるタイプのスイッチを用いることも可能である。
【0046】
スプリングユニット124の数量は4個であり、それぞれのスプリングユニット124がフレーム121の収納部1210の四方の先端部に位置する。スプリングユニット124は、それぞれ可動パーツ122及び収納部1210の側壁1214に接し、可動パーツ122が移動又は回転した際に元の位置に戻すように付勢する。各スプリングユニット124は、1個のスライドブロック1240及び2個のスプリング1242を備える。しかしながら、本発明においてスプリング1242の数量は、特に限定されない。また、スプリングユニット124は、その他の形態として、スプリング片等のスプリング構造を用いることも可能である。
【0047】
各スライドブロック1240は、その一端が可動パーツ122の一個の側壁1224に接し、他端が2個のステム1241に設置される。ステム1241の一端は、収納部1210の側壁1214上の貫通穴1216(図2参照)に貫通設置される。2個のスプリング1242は、それぞれスライドブロック1240のステム1241上に設置される。これにより、スプリング1242の両端は、スライドブロック1240と収納部1210の側壁1214に接する。可動式タッチコントロールモジュール12の具体的な動作過程に関しては後述する。
【0048】
上記のように構成されたモジュール12において、図4に示すように、可動パーツ122が初期位置(すなわち、タッチコントロールユニット120が未作動時)にあるとき、可動パーツ122の移動触発部1226は、いずれも4方向センサー素子126に接触せず、また、回転触発部1228は、いずれも回転センサー素子128に接触しない。このとき、可動パーツ122がスプリングユニット124のスライドブロック1240を介してスプリング1242により予め押さえられた状態にあることで、可動パーツ122の位置バランスが保たれる。
【0049】
図5A乃至図5Cは、可動式タッチコントロールモジュール12の動作を示す。図5A乃至図5Cにおいては、モジュール12の動作過程を明確に示すため、フレーム121の収納部1210の頂上部及び可動パーツ122の頂上部は図示していない。
【0050】
使用者がタッチコントロールユニット120を、ハウジング100の装飾パーツ1001が位置する平面に沿って上下左右に移動、又は該平面上で回転させる操作をすると、タッチコントロールユニット120が可動パーツ122に固定されていることにより、可動パーツ122は、本体10に対して回路板102が位置する平面に沿って上下左右に移動するか、該平面上を回転される。
【0051】
具体的には、図5Aに示すように、使用者がタッチコントロールユニット120を装飾パーツ1001が位置する平面に沿って右に移動させると、可動パーツ122は、回路板102が位置する平面に沿って右に移動する。これに伴い、4方向センサー素子126がその平面視左側に位置する移動触発部1226と接触して右に向かって触発され、電子機器1をコントロールする所定の機能(例えば、画面上に表示された図を右に移動させたり、ページを右にめくったりする)が実行される。このとき、可動パーツ122の平面視右側の側壁1224は、その右側に位置するスプリングユニット124を右に押し動かす。スプリングユニット124のスライドブロック1240が右に押されると、スライドブロック1240のステム1241は、収納部1210の側壁1214上の貫通穴1216(図2参照)を貫通して露出し、スプリング1242を圧縮する。その後、使用者がタッチコントロールユニット120をリリースすると、可動パーツ122の平面視右側のスプリングユニット124は、そのスプリング回復力により、可動パーツ122を元の位置に押し戻す。ここに、可動パーツ122の平面視左側のスプリングユニット124のスプリング1242も一定の弾性力を有するので、可動パーツ122が平面視右側のスプリング1242に押されて、初期位置から離脱するという状況が発生しない。
【0052】
これにより、例えば、ノートパソコンの表示スクリーンの大きさが不足している場合、使用者がタッチコントロールユニット120を右に移動させることで、スクリーン表示画面を右に移動させるコントロールをすることができる。使用者がタッチコントロールユニット120をリリースすると、スクリーン表示画面の移動は停止され、スクリーンには対応する部分の画面が表示される。このように、使用者はタッチコントロールユニット120を任意の方向に移動させるだけで、画面の閲覧を迅速に行うことができるようになる。
【0053】
また、使用者がタッチコントロールユニット120をハウジング100の装飾パーツ1001が位置する平面に沿って左に移動させると、可動パーツ122が回路板102の位置する平面に沿って左に移動する。これに伴い、4方向センサー素子126が、その平面視右側に位置する移動触発部1226と接触して左に向かって触発され、電子機器1をコントロールする所定の機能(例えば、画面上に表示された図を左に移動させたり、ページを左にめくったりする)が実行される。このとき、可動パーツ122の平面視左側の側壁1224は、その左側に位置するスプリングユニット124を押し動かす。使用者がタッチコントロールユニット120をリリースすると、可動パーツ122の平面視左側のスプリングユニット124は、そのスプリング回復力により、可動パーツ122を元の位置に押し戻す。
【0054】
また、図5Bに示すように、使用者がタッチコントロールユニット120をハウジング100の装飾パーツ1001が位置する平面に沿って上に移動させると、可動パーツ122は、回路板102が位置する平面に沿って上に移動する。これに伴い、4方向センサー素子126がその平面視下側に位置する移動触発部1226と接触して上に向かって触発され、電子機器1をコントロールする所定の機能(例えば、画面上に表示された図を上に移動させたり、音量を大きくしたりする)が実行される。このとき、可動パーツ122の平面視上側の側壁1224は、その上側に位置するスプリングユニット124を上に向かって押し動かす。スプリングユニット124のスライドブロック1240が上に動かされると、スライドブロック1240のステム1241は、収納部1210の側壁1214上の貫通穴1216(図2参照)から突出してスプリング1242を圧縮する。その後、使用者がタッチコントロールユニット120をリリースすると、可動パーツ122の平面視上側のスプリングユニット124は、そのスプリング回復力により、可動パーツ122を元の位置に戻す。ここに、可動パーツ122の平面視下側のスプリングユニット124のスプリング1242も一定の弾性力を有するので、可動パーツ122が平面視上側のスプリングユニット124に押されて、初期位置からずれることがない。
【0055】
また、使用者がタッチコントロールユニット120をハウジング100の装飾パーツ1001が位置する平面に沿って下に移動させると、可動パーツ122が回路板102の位置する平面に沿って下に移動する。これに伴い、4方向センサー素子126が、その平面視上側に位置する移動触発部1226が接触して、下に向かって触発され、電子機器1をコントロールする所定の機能(例えば、画面上に表示された図を下に移動させたり、音量を小さくしたりする)が実行される。このとき、可動パーツ122の平面視下側の側壁1224は、その下側に位置するスプリングユニット124を押し動かす。使用者がタッチコントロールユニット120をリリースすると、可動パーツ122の平面視下側のスプリングユニット124は、そのスプリング回復力により、可動パーツ122を元の位置に押し戻す。
【0056】
また、図5Cに示すように、使用者がタッチコントロールユニット120をハウジング100の装飾パーツ1001が位置する平面上において反時計回りに回転させると、可動パーツ122は、回路板102が位置する平面上において反時計回りに回転する。これに伴い、可動パーツ122の平面視右側の回転触発部1228が、その側方に位置する右側の回転センサー素子128と接触して、この回転センサー素子128が触発され、電子機器1をコントロールする所定の機能(例えば、画像を反時計回りに回転させたり、あるプログラムを終了させたりする)が実行される。このとき、可動パーツ122の各側壁1224がその周囲に位置する各スプリングユニット124を押し動かす。各スプリングユニット124のスライドブロック1240が押されると、各スライドブロック1240のステム1241は、収納部1210の側壁1214上の貫通穴1216(図2参照)から突出し、各スプリング1242がいずれも圧縮される。その後、使用者がタッチコントロールユニット120をリリースすると、4個のスプリングユニット124は、そのスプリング回復力により、可動パーツ122を元の位置に押し戻す。可動パーツ122は、その四周の側壁1224がいずれもスプリングユニット124に接するため、元の位置に確実に戻される。
【0057】
また、使用者がタッチコントロールユニット120をハウジング100の装飾パーツ1001が位置する平面上において、時計回りに回転させると、可動パーツ122が回路板102が位置する平面上において時計回りに回転する。これに伴い、可動パーツ122の平面視左側の回転触発部1228が、その側方に位置する左側の回転センサー素子128と接触して、この回転センサー素子128が触発され、電子機器1をコントロールする所定の機能(例えば、画像を時計回りに回転させたり、あるプログラムを終了させたりする)が実行される。このとき、可動パーツ122の各側壁1224がその周囲に位置する各スプリングユニット124を押し動かし、各スプリング1242がいずれも圧縮される。使用者がタッチコントロールユニット120をリリースすると、4個のスプリングユニット124は、そのスプリング回復力により、可動パーツ122を元の位置に押し戻す。
【0058】
ここに、4方向センサー素子126は4方向レバー式スイッチであり、回転センサー素子128はレバー式スイッチであるので、4方向センサー素子126又は回転センサー素子128は、可動パーツ122の移動又は回転により触発された後には、非触発状態に自動的に回復する。
【0059】
また、可動式タッチコントロールモジュール12は、ワンタッチスイッチ129による左右のクリックボタン機能も有する。すなわち、図5Aに示すように、使用者がタッチコントロールユニット120を押下すると、タッチコントロールユニット120を介してワンタッチスイッチ129が触発される。押下されたタッチコントロールユニット120は、ワンタッチスイッチ129の弾性作用によって元の位置に戻る。
【0060】
このように本実施形態に係る電子機器1によれば、タッチコントロールユニット120を操作することにより、可動パーツ122が本体10に対し移動又は回転されると、4方向センサー素子126又は回転センサー素子128が触発されるので、電子機器1をコントロールするための各種機能が実行される。また、電子機器1は、タッチコントロールユニット120を押下することにより、各種機能を実行するクリックボタン機能も有する。このため、従来にない新しいオリジナル設計によるタッチパッド技術を実現できると共に、迅速で効果的な操作方式を提供することができる。
【0061】
以上、本発明を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 電子機器
10 本体
100 ハウジング
1000 開口部
102 回路板
12 可動式タッチコントロールモジュール
120 タッチコントロールユニット
1202 タッチパッド
1203 支え部分
121 フレーム
122 可動パーツ
1221 第一収納エリア
1222 第二収納エリア
1226 移動触発部
1228 回転触発部
124 スプリングユニット
1240 スライドブロック
1242 スプリング
126 4方向センサー素子
128 回転センサー素子
129 ワンタッチスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の本体に設置される可動式タッチコントロールモジュールであって、
前記本体に設置されて、該本体に対応して平面上において可動し、第一収納エリアを有する可動パーツと、
前記可動パーツに固定されるタッチコントロールユニットと、
前記本体に設置されて、前記可動パーツの四周に接する複数のスプリングユニットと、
前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する4方向センサー素子と、
前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する少なくとも2個の回転センサー素子とを備え、
前記可動パーツが前記本体に対して平面に沿って移動するとき、該可動パーツは前記4方向センサー素子を触発し、前記可動パーツが前記本体に対して平面上を回転するとき、該可動パーツは前記回転センサー素子のうちの一つを触発することを特徴とする可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項2】
前記本体は、回路板及びハウジングを備え、
前記回路板は、前記ハウジング内に設置され、
前記ハウジングは、開口部を有し、
前記タッチコントロールユニットは、前記ハウジングの開口部に設置され、
前記可動パーツは、前記タッチコントロールユニットと前記回路板の間に位置し、
前記スプリングユニット、前記4方向センサー素子及び前記回転センサー素子は、前記回路板に固定されることを特徴とする請求項1に記載の可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項3】
前記本体に固定される少なくとも2個のワンタッチスイッチをさらに備え、
前記タッチコントロールユニットは、前記ワンタッチスイッチを覆うことを特徴とする請求項1に記載の可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項4】
前記タッチコントロールユニットと可動パーツの間に位置するフレームを備え、
前記可動パーツは、前記フレーム内に設置され、
前記スプリングユニットは、前記フレーム内に設置され、該フレームの内壁及び前記可動パーツに接することを特徴とする請求項1に記載の可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項5】
前記タッチコントロールユニットは、タッチパッド及び支え部分を有し、
前記タッチパッドは前記支え部分に固定され、前記支え部分は前記可動パーツに固定されることを特徴とする請求項1に記載の可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項6】
前記各スプリングユニットは、少なくとも1個のスプリング及びスライドブロックを有し、
前記スライドブロックの一端は、前記可動パーツに接し、
前記スプリングは、前記スライドブロックの他端に嵌め込まれることを特徴とする請求項1に記載の可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項7】
前記可動パーツは、4個の移動触発部を有し、
前記移動触発部は、前記第一収納エリア内に設置され、該第一収納エリアに第二収納エリアを形成し、
前記4方向センサー素子は、前記第二収納エリア内に位置することを特徴とする請求項1に記載の可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項8】
前記可動パーツは、2個の回転触発部をさらに有し、
前記回転触発部は、前記第二収納エリアの外に位置することを特徴とする請求項7に記載の可動式タッチコントロールモジュール。
【請求項9】
本体と、前記本体に設置される可動式タッチコントロールモジュールとを備える電子機器であって、
前記可動式タッチコントロールモジュールは、
前記本体に設置されて、該本体に対応して平面上において可動し、第一収納エリアを有する可動パーツと、
前記可動パーツに固定されるタッチコントロールユニットと、
前記本体に設置されて、前記可動パーツの四周に接する複数のスプリングユニットと、
前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する4方向センサー素子と、
前記本体に固定されて、前記第一収納エリア内に位置する少なくとも2個の回転センサー素子とを備え、
前記可動パーツが前記本体に対して平面に沿って移動するとき、該可動パーツは前記4方向センサー素子を触発し、前記可動パーツが前記本体に対して平面上を回転するとき、該可動パーツは前記回転センサー素子のうちの一つを触発することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
前記本体は、回路板及びハウジングを備え、
前記回路板は、前記ハウジング内に設置され、
前記ハウジングは、開口部を有し、
前記タッチコントロールユニットは、前記ハウジングの開口部に設置され、
前記可動パーツは、前記タッチコントロールユニットと前記回路板の間に位置し、
前記スプリングユニット、前記4方向センサー素子及び前記回転センサー素子は、前記回路板に固定されることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記可動式タッチコントロールモジュールは、前記本体に固定される少なくとも2個のワンタッチスイッチをさらに備え、
前記タッチコントロールユニットは、前記ワンタッチスイッチを覆うことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
前記可動式タッチコントロールモジュールは、前記タッチコントロールユニットと可動パーツの間に位置するフレームをさらに備え、
前記可動パーツは、前記フレーム内に設置され、
前記スプリングユニットは、前記フレーム内に設置され、該フレームの内壁及び前記可動パーツに接することを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項13】
前記タッチコントロールユニットは、タッチパッド及び支え部分を有し、
前記タッチパッドは前記支え部分に固定され、前記支え部分は前記可動パーツに固定されることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項14】
前記各スプリングユニットは、少なくとも1個のスプリング及びスライドブロックを有し、
前記スライドブロックの一端は、前記可動パーツに接し、
前記スプリングは、前記スライドブロックの他端に嵌め込まれることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項15】
前記可動パーツは、4個の移動触発部を有し、
前記移動触発部は、前記第一収納エリア内に設置され、該第一収納エリアに第二収納エリアを形成し、
前記4方向センサー素子は、前記第二収納エリア内に位置することを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項16】
前記可動パーツは、2個の回転触発部をさらに有し、
前記回転触発部は、前記第二収納エリアの外に位置することを特徴とする請求項15に記載の電子機器。
【請求項17】
前記電子機器は、ノートパソコンであることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2011−227896(P2011−227896A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89327(P2011−89327)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(510242473)昌碩科技(上海)有限公司 (6)
【出願人】(508226687)和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司 (29)
【Fターム(参考)】