可動部分を備えた缶蓋の形成方法
タブ付きの缶蓋を製作するのに適した方法及び工具が開示され、缶蓋は、タブの取っ手の下に位置した可動部分を有する。可動部分は、缶蓋の良好な積み重ね性を提供する第1の上方位置と消費者が指でアクセスしやすいようにする第2の下方位置との間で動くことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶蓋又は缶端部を形成(成形)する方法及び工具類に関する。特に、本発明は、開きやすさを向上させた缶蓋を形成する方法及び工具類に関する。
【背景技術】
【0002】
金属包装分野において、金属缶用の「イージーオープン」型(開けやすい)蓋が周知である。典型的には、イージーオープン型缶蓋は、プルタブ及び開放領域を定めるスコアライン(切り目線)を備えたほぼ平面状のパネルを有する。イージーオープン型缶蓋を有する缶を開けるためには、ユーザは、プルタブの取っ手を持ち上げてスコアラインの裂けを開始させ、次にタブを引っ張ってパネルの一部分を部分的に又は完全に取り外すのが良く、それによりユーザが内容物にアクセスできるようにする開口部が作られる。
【0003】
典型的には、プルタブ取っ手と缶蓋パネルとの間の隙間は、極めて僅かである。この隙間が僅かなので、ユーザは、プルタブを掴むことが困難な場合がある。というのは、プルタブの下にはユーザが指を差し込むのに十分な間隙がない場合があるからである。したがって、典型的なイージーオープン型缶は、ユーザにとって開けるのが困難な場合がある。
【0004】
可動部分がタブの取っ手の下に設けられた缶蓋がクラウン・パッケージング・テクノロジー・インコーポレイテッド(Crown Packaging Technology, Inc.)によって開発された。この缶蓋(市場ではEasylift(登録商標)缶蓋と呼ばれている)は、米国特許出願第11/613,909号(米国特許出願公開第2007/0108209号)明細書に開示されており、これら特許文献を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。Easylift(登録商標)缶蓋は、上方位置から下方位置に変形可能な可動部分を有し、これら2つの状態は、米国特許出願公開第2007/0108209号明細書の図2に明確に示されている。上方位置では、缶蓋は、輸送のために(即ち、缶本体に取り付けられる前に)容易に積み重ね可能であるが、かかる缶蓋とタブとの間の間隙はほとんどなく又は全くない。下方位置に変形させると(典型的には、缶本体に取り付けられた後)、変形した可動部分は、ユーザが自分の指をタブに当てて缶を開くことができるようにする間隙をタブと缶蓋との間に生じさせる。
【0005】
機械的な力を用いて可動部分を下方位置に変形させることができるが、理想的には、下方位置は、缶蓋前後の圧力差を利用して達成される。例えば、缶蓋を缶本体に取り付ける前に、缶本体には高温の食料品が詰め込まれる。缶蓋を取り付けた後、高温食料品は、次第に冷えて周囲温度に近づく。この低い温度になると共に結果としての蒸気が容器内に取り込まれ、その結果、低圧期間が生じる場合がある。容器内部でのこの減圧によって、可動部分に作用する下向きの力(即ち、真空)が生じ、それにより機械的パネルプッシャを用いないでも可動部分が下方位置に変形する場合がある。
【0006】
缶蓋前後の圧力差を利用して可動部分を下方位置に変形することが理想的なので、かかる能力を備えた改良型缶蓋及び缶蓋の製作方法が要望されている。
【0007】
注記:「缶」及び「容器」という用語は、区別なく用いられ、同一の物品を表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0108209号明細書
【発明の概要】
【0009】
可動部分がタブの下に設けられた缶蓋を製作する方法が開示される。さらに、可動部分がタブの下に設けられた缶蓋を製作するのに適した工具類も又、開示される。
【0010】
かかる方法は、独立形式の請求項1に記載されている。本発明のこの観点によれば、中央パネルを備えた缶蓋を形成するのが良い。上方位置と下方位置との間で動くことができる可動部分を中央パネルに形成するのが良い。可動部分は、その形成後、下方位置にあるのが良い。次に、可動部分に隣接して位置する中央パネルの一部分が拘束解除されるように拘束工具によって缶蓋を拘束するのが良い。缶蓋をこのように拘束している間、可動部分をその上方位置に移動させるのが良い。
【0011】
別の方法が独立形式の請求項6に記載されている。本発明のこの第2の観点によれば、上側工具及び下側工具を有する拘束工具で缶蓋を拘束するのが良い。上側工具は、中央パネルの上面に圧接するのが良く、下側工具は、中央パネルの下面に圧接するのが良い。拘束工具が缶蓋を拘束している間、上側工具は、可動部分に隣接して位置する中央パネルの一部分から間隔を置いて配置されるのが良い。
【0012】
可動部分が中央パネルに形成された缶蓋を拘束したり矯正したりする拘束工具が独立形式の請求項12に記載されている。本発明のこの第3の観点では、拘束工具は、上側工具及びこれに対応した下側工具を有するのが良い。上側工具は、缶蓋の頂面に接触する第1の接触面を有するのが良い。下側工具は、突起及び缶蓋の底面に接触する第2の接触面を有するのが良い。第1の接触面及び第2の接触面は、缶蓋に圧接し、それにより缶蓋を拘束するのが良い。中央パネルの可動部分に隣接して位置する中央パネルの部分は、缶蓋が上側及び下側工具によって拘束されているとき、上側工具から間隔を置いて配置されるのが良い。缶蓋がこのように拘束されている間、突起は、可動部分の裏側に接触し、それにより可動部分を下方位置から上方位置に動かすことができる。
【0013】
これら利点及び特徴並びに種々の他の利点及び特徴は、本明細書に添付されると共にその一部をなす特許請求の範囲に具体的に記載されている。しかしながら、本発明の内容、その使用によるその利点並びに目的を良好に理解するため、本明細書の別の一部をなす図面及びこれを参照して行なわれる説明を参照すべきである。なお、かかる図面及び説明において、本発明の好ましい実施形態を図示すると共に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】可動部分を備えた缶蓋の一実施形態の平面図である。
【図2A】可動部分が上方位置にある状態の図1に示されている缶蓋の断面図である。
【図2B】可動部分が下方位置にある状態の図1に示されている缶蓋の断面図である。
【図3A】缶蓋を第1の作業で形成した後の缶蓋の平面図である。
【図3B】缶蓋を第2の作業で形成した後の図3Aの缶蓋の平面図である。
【図3C】缶蓋を第3の作業で形成した後の図3Bの缶蓋の平面図である。
【図3D】缶蓋を第4の作業で形成した後の図3Cの缶蓋の平面図である。
【図3E】タブを缶蓋に取り付けた後の図3Dの缶蓋の平面図である。
【図4】第4の作業中に用いられる上側工具及び下側工具を含む拘束工具の概略断面図である。
【図5】第4の作業中に用いられる上側工具及び下側工具を含む別の拘束工具の概略断面図である。
【図6】図5に示された拘束工具に用いることができる上側工具の斜視図である。
【図7A】図5に示されている拘束工具に示されている拘束工具に用いることができる下側工具の第1のダイの一実施形態の斜視図である。
【図7B】図5に示されている拘束工具に示されている拘束工具に用いることができる下側工具の第2のダイの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
缶蓋の好ましい構造及び好ましい方法に関する技術について本明細書において説明する。かかる技術を用いた缶蓋の実施形態及び缶蓋を製作する工具類の実施形態についても説明する。さらに、本発明は、本明細書においては説明しない他の設計例としての缶蓋を含む。
【0016】
缶蓋の中には、缶蓋のタブの下に設けられた可動部分を有するものがある。可動部分は、上方位置と下方位置との間で動くことができる。かかる缶蓋は、好ましくは、可動部分が上方位置にあるように製作される。可動部分が上方位置にあるようにすることによって、缶蓋を輸送のために高密度に積み重ねることができる。缶蓋を容器本体に継ぎ合わせて容器を形成すると、可動部分は、下方位置に動かされて(機械的に又は内部負圧の利用によって)これらのそれぞれのタブの下に隙間を形成することができるようになる。これら隙間により、ユーザは、指をプルタブの下に容易に差し込み、それにより容器の開けやすさを向上させることができる。
【0017】
図1は、可動部分14を有する缶蓋10を示している。図示のように、缶蓋10は、中央パネル18を有し、その周囲には補強ビード22が設けられている。補強ビード22は、壁26内に上方に延び、壁26は、継ぎ合わせパネル30を形成するよう半径方向外方に延びている。円形スコアライン34が缶蓋10に形成されており、かかる円形スコアラインは、スコアライン34の内方に開放可能なパネル部分38を定めている。スコアライン34は(いったん切り離されると)、製品を小出しすることができるようにする孔を画定し、開放可能なパネル部分38は、缶蓋10から完全に取り外し可能である。中央パネル18を強化する目的でビーディング(ビード付け)42が中央パネル18に施されるのが良い。
【0018】
タブ46がリベット50により中央パネル18に取り付けられている。タブ46の第1の端部は、スコアライン34に隣接して設けられたノーズ部分54を備えている。タブ46の反対側の端部は、リングの形態をした取っ手部分58を備えている。
【0019】
図1、図2A及び図2Bに示されているように、可動部分14は、中央パネル18の凹み部分62に形成されるのが良く、この可動部分は、その周囲に下方に傾斜した環状段部66を有するのが良い。図2A及び図2Bに示されているように、図2Aに示されている上方位置と図2Bに示されている下方位置との間で行ったり来たりすることができる。
【0020】
代表的には、缶蓋10は、後で缶本体に固定できるよう別々の場所(即ち、詰込み機が缶蓋を缶本体に取り付ける場所)相互間で輸送される。好ましくは、可動部分14は、輸送中、図2Aに示されている上方位置にある。上方位置にあるとき、可動部分14は、中央パネル18の底側部に凹部70を構成する凸の輪郭形状を有するのが良い。かくして、缶蓋10は、可動部分14が上方位置にあるときに最も効率的に積み重ね可能である。というのは、凹部70が下に位置する缶蓋のタブのためのスペースを提供するからである。
【0021】
缶本体に製品をいったん詰め込むと、缶蓋10を缶本体に継ぎ合わせる。継ぎ合わせ後、可動部分14は、下方位置に戻ることができる。可動部分14を下方位置に動かすため、可動部分14に全体として下向きの方向の力を及ぼすのが良い。この力は、好ましくは、缶蓋10前後の圧力差に起因して生じ、この場合、缶蓋10の上側(容器外側)に加わる圧力は、缶蓋10の下側(容器内部)に加わる圧力よりも高い。他の実施形態では、力は、可動部分14の上側に及ぼされる機械的力に起因して生じても良い。
【0022】
可動部分14は、図2Bに示されているような下方位置にあるとき、結果として取っ手部分58と可動部分14との間に隙間Δhが生じるようにする凹状の輪郭の形状を有するのが良い。消費者が、可動部分14が下方位置にある状態で容器で受け取るべきであることが意図されている。というのは、これにより、タブへのアクセスが最大になり、その結果開けやすくなるからである。環状段部66が設けられていることにより、可動部分14がポップアップして上方位置に戻るのに必要な力を増大させることができる。即ち、環状段部66は、容器がその隣りの容器又は他の物品との衝突を生じ又は高い高度で輸送されている場合であっても可動部分14の望ましくないポップアップが生じないようにすることができる。このように、環状段部66は、かかる缶蓋10を有する容器についてタブ46の下への適度な指のアクセス又は差し込みやすさを維持するのに役立つ。
【0023】
使用にあたり、消費者は、自分の指を取っ手部分58に当てて、先ず最初に、タブ46をリベット50周りに上方に起こしてノーズ部分54がスコアライン34の裂けを開始させるようにする。しかる後、消費者は、タブ46を引き戻してスコアライン34の残部の裂けを進展させ、それにより缶蓋10からの開放可能なパネル部分38の取り外しを行なうのが良い。
【0024】
缶蓋10は、任意の材料、例えばアルミニウム又はスチールで形成可能である。例えば、缶蓋10は、0.21mm厚さのDR550N材料で作られるのが良い。図3A〜図3Eは、缶蓋10をその形成作業の各々の後における状態で示している。
【0025】
図3Aに示されているように、第1の形成作業後、缶蓋10は、周囲に補強ビード22を備えた中央パネル18を有する。図示のように、補強ビード22は、壁26中に上方に延びており、壁26は、継ぎ合わせパネル30を形成するよう半径方向外方に延びている。この段階では、中央パネル18は、全体として平面状であるのが良い。
【0026】
図3Bに示されているように、第2の形成作業後、スコアライン34が補強ビード22の近くで中央パネル18に形成されている。
【0027】
図3Cに示されているように、第3の形成作業後、可動部分14及びビーディング42が中央パネル18に実施されている。代表的には、可動部分14は、図2Bに示されているように下方位置で形成される。
【0028】
しかしながら、缶蓋10を代表的には可動部分14が上方位置にある状態で輸送するので、第4の作業を利用して可動部分14を上方位置に動かすのが良い。この点に関し、図3Dに示されているように、可動部分14を第4の作業中、上方位置に動かす。さらに、この作業中、追加のビーディング76を中央パネル18に実施するのが良い。図示のように、ビーディング76は、スコアライン34及びリベット50の近くに実施されるのが良い。
【0029】
図3に示されているように、第4の作業後、タブ46が中央パネル18に取り付けられる。図示のように、タブ46をリベット50により取り付けて取っ手部分58が可動部分14の上方に位置するようにするのが良い。第6の作業の際、タブ46に生じたバリを除去するのが良い。
【0030】
可動部分14を上方位置に動かす図3Dに示されている第4の作業中、缶蓋10を拘束工具によって拘束する。用いられる拘束工具及び拘束工具が缶蓋10の中央部分18を拘束する仕方に応じて、缶蓋は、種々の作業パラメータを有するのが良い。即ち、金属を第4の作業中、別々に引き伸ばし、それにより類似の条件下において別々に動作する蓋を作るのが良い。図4及び図5は、缶蓋10の第4の形成作業中に使用できる2つの互いに異なる拘束工具を示している。
【0031】
図4に示されているように、拘束工具80は、上側工具84及び下側工具88を含む。図示のように、缶蓋10は、上側工具84と下側工具88との間に拘束されるのが良い。缶蓋10を拘束しているとき、中央パネル18に形成されている可動部分14は、その上方位置に動かされる。
【0032】
上側工具84は、第1の接触面94、第2の接触面98及び凹部102を有している。第1の接触面94及び第2の接触面98は、缶蓋10の中央パネル18の上面に圧接する。図示のように、第2の接触面98は、第1の接触面94よりも更に下に延び、可動部分14のすぐ隣りに位置する中央パネル18の部分を含む中央パネル18の凹み部分62に接触する。したがって、可動部分14がその上方位置に動かされているとき、可動部分14のすぐ隣りの箇所にヒンジ106が形成される。
【0033】
下側工具88は、第1のダイ108及び第2のダイ110を有する。第1のダイ108は、第1の接触面114、第2の接触面118及び凹部120を有している。第1の接触面114及び第2の接触面118は、缶蓋10の中央パネル18の下面に圧接する。図示のように、第2の接触面118は、第1の接触面114よりも低いところに位置し、この第2の接触面は、中央パネル18の凹み部分62の一部分に接触する。
【0034】
第2のダイ110は、第1のダイ108の凹部120内に位置決めされる。図示のように、第2のダイ110は、突起122を有している。缶蓋10が上側工具84及び下側工具88のそれぞれの接触面94,98,114,118によって拘束されている間、突起122は、可動部分14の裏側又は裏面に接触し、それにより可動部分14を上方位置に動かす。上側工具84の凹部102は、可動部分14がその上方位置にあるとき、可動部分14のための間隙を提供する。
【0035】
図示の缶蓋10は、直径が73mmである。拘束工具80を用いて製作される缶蓋10は、或る特定の作業パラメータを有する。例えば、この缶蓋10を缶本体にいったん継ぎ合わせると、可動部分14をその下方位置に動かすのに約600ミリバールの圧力が必要な場合がある。さらに、いったん下方位置に位置すると、可動部分14をその上方位置に戻すのに約600ミリバールの圧力が必要な場合がある。
【0036】
図5は、第4の作業中に使用できる別の拘束工具を示している。図5の拘束工具は、図4の場所に対して可動部分14から更に側方外方に位置した場所に中央パネル18を拘束する際、図4の拘束工具とは作業モードが異なっている。図示のように、拘束工具180は、上側工具184及び下側工具188を含む。図示のように、缶蓋10は、上側工具184と下側工具188との間に拘束されるのが良い。缶蓋10を拘束すると、中央パネル18に形成されている可動部分14は、その上方位置に動かされる。
【0037】
上側工具184は、第1の接触面194及び凹部202を有する。第1の接触面194は、缶蓋10の中央パネル18の上面に圧接する。図4の拘束工具80と比較して、図5の拘束工具180の上側工具184は、中央パネル18を全体として中央パネルの凹み部分62の側方外方に拘束する。実際、第4の作業中、拘束工具180を用いて可動部分14をその上方位置に動かす際、中央パネル18は、拘束工具80を用いた場合よりも拘束度が小さい。可動部分14が拘束工具180を用いてその上方位置に動かされているとき、可動部分14から見て半径方向外方の場所にヒンジ206が作られる。このヒンジ206は、図4の拘束工具80を用いた場合に作られるヒンジ106よりも更に半径方向外方に位置している。
【0038】
下側工具188は、第1のダイ208及び第2のダイ210を有する。第1のダイ208は、第1の接触面214、第2の接触面218及び凹部220を有している。第1の接触面214及び第2の接触面218は、缶蓋10の中央パネル18の下面に圧接する。図示のように、第2の接触面218は、第1の接触面214よりも低いところに位置し、この第2の接触面は、中央パネル18の凹み部分62の一部分に接触する。
【0039】
第2のダイ210は、第1のダイ208の凹部220内に位置決めされる。図示のように、第2のダイ210は、突起222を有している。缶蓋10が拘束されている間、突起222は、可動部分14の裏側又は裏面に接触し、それにより可動部分14を上方位置に動かす。上側工具184の凹部202は、可動部分14がその上方位置にあるとき、可動部分14のための間隙を提供する。
【0040】
拘束工具180を用いて製作された缶蓋10は、拘束工具80を用いて製作された缶蓋の作業パラメータとは異なる場合のある或る特定の作業パラメータを有する。例えば、この缶蓋10を缶本体にいったん継ぎ合わせると、可動部分14をその下方位置に動かし、それによりタブの下への指のアクセスをもたらすのに約300ミリバールの圧力が必要な場合がある。さらに、いったん下方位置に位置すると、可動部分14をその上方位置に戻すのに約600ミリバールの圧力が必要な場合がある。缶蓋の可動部分を下方位置に動かすのに約300ミリバールしか必要としない缶蓋を製作することにより、機械的パネルプッシャを必要としないでポップダウンを生じさせるのに十分な真空を生じさせる可能性が高くなる。したがって容器の高温内容物により生じる内部負圧を効果的に利用すると、可動部分をその下方位置に動かすことができる。したがって、これにより、拘束工具180を用いることにより提供される拘束度の減少という利点が実証されている。というのは、これにより、タブの下への指のアクセスをもたらすよう可動部分を下方位置に動かすための機械的プッシャの使用を回避する可能性が高くなるからである。缶蓋の可動部分をその下方位置に動かすために容器の内部負圧を利用する方法の例が米国特許仮出願第61/113,490号明細書(発明の名称:Method of Assembling An Easy Open Can End)に開示されており、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0041】
理解されるべきこととして、多くの要因、例えば缶の内容物、製造業者及び用いられる材料に応じて、可動部分をその下方位置に動かしたり可動部分をその上方位置に動かしたりするために互いに異なる圧力が必要な場合がある。それにもかかわらず、拘束工具180を用いて製作された缶蓋は、機械的プッシャなしで可動部分を下方位置に動かす可能性を高めることができる。さらに、拘束工具180を用いて製作された缶蓋は、拘束継ぎ合わせ作業において缶本体に継ぎ合わせ可能である。
【0042】
図7、図7A及び図7Bは、拘束工具180に用いることができる例示の上側工具及び下側工具を開示している。したがって、図6に示されている上側工具及び図7A及び図7Bに示されている下側工具は、可動部分に隣接して位置する中央パネルの部分を拘束しない状態で、缶蓋の可動部分を上方位置に動かすことができるであろう。
【0043】
図6に示されているように、上側工具250は、第1の接触面254及び凹部258を有する。図示のように、凹部258は、円筒形であるのが良く、この凹部は、第1の接触面254によって包囲されているのが良い。換言すると、第1の接触面254は、上側工具250の周縁から凹部258まで延びるのが良い。
【0044】
図7Aは、下側工具の第1のダイ270を示し、図7Bは、下側工具の第2のダイ272を示している。図7Aに示されているように、第1のダイ270は、第1の接触面274、第2の接触面278及び凹部282を有する。第1の接触面274は、第1のダイ270の最も上に位置する表面によって構成されるのが良く、第2の接触面は、第1のダイ270に形成された第2の凹部288の表面によって構成されるのが良い。第2の凹部288は、缶蓋10が第4の形成作業中に損傷しないよう缶蓋10の凹み部分を受け入れるよう形作られているのが良い。凹部282は、第2の凹部288に形成されるのが良く、かかる凹部282は、第2のダイ272を受け入れ又は違ったやり方で保持するよう形作られているのが良い。
【0045】
図7Bに示されているように、第2のダイ272は、第1のダイ270の凹部282内に嵌まり込むよう形作られているのが良く、この第2のダイは、突起296を有する。第2のダイ272が第1のダイ270の凹部282によって受け入れられると、突起296は、缶蓋の可動部分の底面に接触するようになっている。
【0046】
上述の説明は、説明の目的のために提供されており、本発明を限定するものと解されてはならない。本発明を好ましい実施形態又は好ましい方法に関して説明したが、本明細書において用いられた用語は、本発明を限定する用語ではなく、説明及び例示のための用語であることはいうまでもない。さらに、本発明を特定の構造、方法及び実施形態に関して本明細書において説明したが、本発明は、本明細書において開示された細部に限定されるものではない。というのは、本発明の内容は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるあらゆる構造、方法及び使用まで及ぶからである。本明細書の教示の恩恵を受ける当業者であれば、本明細書において説明した本発明の多くの改造例を想到でき、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、変更を実施することができる。さらに、説明した一実施形態のどの特徴であっても、これを本明細書において説明した他の実施形態に利用することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶蓋又は缶端部を形成(成形)する方法及び工具類に関する。特に、本発明は、開きやすさを向上させた缶蓋を形成する方法及び工具類に関する。
【背景技術】
【0002】
金属包装分野において、金属缶用の「イージーオープン」型(開けやすい)蓋が周知である。典型的には、イージーオープン型缶蓋は、プルタブ及び開放領域を定めるスコアライン(切り目線)を備えたほぼ平面状のパネルを有する。イージーオープン型缶蓋を有する缶を開けるためには、ユーザは、プルタブの取っ手を持ち上げてスコアラインの裂けを開始させ、次にタブを引っ張ってパネルの一部分を部分的に又は完全に取り外すのが良く、それによりユーザが内容物にアクセスできるようにする開口部が作られる。
【0003】
典型的には、プルタブ取っ手と缶蓋パネルとの間の隙間は、極めて僅かである。この隙間が僅かなので、ユーザは、プルタブを掴むことが困難な場合がある。というのは、プルタブの下にはユーザが指を差し込むのに十分な間隙がない場合があるからである。したがって、典型的なイージーオープン型缶は、ユーザにとって開けるのが困難な場合がある。
【0004】
可動部分がタブの取っ手の下に設けられた缶蓋がクラウン・パッケージング・テクノロジー・インコーポレイテッド(Crown Packaging Technology, Inc.)によって開発された。この缶蓋(市場ではEasylift(登録商標)缶蓋と呼ばれている)は、米国特許出願第11/613,909号(米国特許出願公開第2007/0108209号)明細書に開示されており、これら特許文献を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。Easylift(登録商標)缶蓋は、上方位置から下方位置に変形可能な可動部分を有し、これら2つの状態は、米国特許出願公開第2007/0108209号明細書の図2に明確に示されている。上方位置では、缶蓋は、輸送のために(即ち、缶本体に取り付けられる前に)容易に積み重ね可能であるが、かかる缶蓋とタブとの間の間隙はほとんどなく又は全くない。下方位置に変形させると(典型的には、缶本体に取り付けられた後)、変形した可動部分は、ユーザが自分の指をタブに当てて缶を開くことができるようにする間隙をタブと缶蓋との間に生じさせる。
【0005】
機械的な力を用いて可動部分を下方位置に変形させることができるが、理想的には、下方位置は、缶蓋前後の圧力差を利用して達成される。例えば、缶蓋を缶本体に取り付ける前に、缶本体には高温の食料品が詰め込まれる。缶蓋を取り付けた後、高温食料品は、次第に冷えて周囲温度に近づく。この低い温度になると共に結果としての蒸気が容器内に取り込まれ、その結果、低圧期間が生じる場合がある。容器内部でのこの減圧によって、可動部分に作用する下向きの力(即ち、真空)が生じ、それにより機械的パネルプッシャを用いないでも可動部分が下方位置に変形する場合がある。
【0006】
缶蓋前後の圧力差を利用して可動部分を下方位置に変形することが理想的なので、かかる能力を備えた改良型缶蓋及び缶蓋の製作方法が要望されている。
【0007】
注記:「缶」及び「容器」という用語は、区別なく用いられ、同一の物品を表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0108209号明細書
【発明の概要】
【0009】
可動部分がタブの下に設けられた缶蓋を製作する方法が開示される。さらに、可動部分がタブの下に設けられた缶蓋を製作するのに適した工具類も又、開示される。
【0010】
かかる方法は、独立形式の請求項1に記載されている。本発明のこの観点によれば、中央パネルを備えた缶蓋を形成するのが良い。上方位置と下方位置との間で動くことができる可動部分を中央パネルに形成するのが良い。可動部分は、その形成後、下方位置にあるのが良い。次に、可動部分に隣接して位置する中央パネルの一部分が拘束解除されるように拘束工具によって缶蓋を拘束するのが良い。缶蓋をこのように拘束している間、可動部分をその上方位置に移動させるのが良い。
【0011】
別の方法が独立形式の請求項6に記載されている。本発明のこの第2の観点によれば、上側工具及び下側工具を有する拘束工具で缶蓋を拘束するのが良い。上側工具は、中央パネルの上面に圧接するのが良く、下側工具は、中央パネルの下面に圧接するのが良い。拘束工具が缶蓋を拘束している間、上側工具は、可動部分に隣接して位置する中央パネルの一部分から間隔を置いて配置されるのが良い。
【0012】
可動部分が中央パネルに形成された缶蓋を拘束したり矯正したりする拘束工具が独立形式の請求項12に記載されている。本発明のこの第3の観点では、拘束工具は、上側工具及びこれに対応した下側工具を有するのが良い。上側工具は、缶蓋の頂面に接触する第1の接触面を有するのが良い。下側工具は、突起及び缶蓋の底面に接触する第2の接触面を有するのが良い。第1の接触面及び第2の接触面は、缶蓋に圧接し、それにより缶蓋を拘束するのが良い。中央パネルの可動部分に隣接して位置する中央パネルの部分は、缶蓋が上側及び下側工具によって拘束されているとき、上側工具から間隔を置いて配置されるのが良い。缶蓋がこのように拘束されている間、突起は、可動部分の裏側に接触し、それにより可動部分を下方位置から上方位置に動かすことができる。
【0013】
これら利点及び特徴並びに種々の他の利点及び特徴は、本明細書に添付されると共にその一部をなす特許請求の範囲に具体的に記載されている。しかしながら、本発明の内容、その使用によるその利点並びに目的を良好に理解するため、本明細書の別の一部をなす図面及びこれを参照して行なわれる説明を参照すべきである。なお、かかる図面及び説明において、本発明の好ましい実施形態を図示すると共に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】可動部分を備えた缶蓋の一実施形態の平面図である。
【図2A】可動部分が上方位置にある状態の図1に示されている缶蓋の断面図である。
【図2B】可動部分が下方位置にある状態の図1に示されている缶蓋の断面図である。
【図3A】缶蓋を第1の作業で形成した後の缶蓋の平面図である。
【図3B】缶蓋を第2の作業で形成した後の図3Aの缶蓋の平面図である。
【図3C】缶蓋を第3の作業で形成した後の図3Bの缶蓋の平面図である。
【図3D】缶蓋を第4の作業で形成した後の図3Cの缶蓋の平面図である。
【図3E】タブを缶蓋に取り付けた後の図3Dの缶蓋の平面図である。
【図4】第4の作業中に用いられる上側工具及び下側工具を含む拘束工具の概略断面図である。
【図5】第4の作業中に用いられる上側工具及び下側工具を含む別の拘束工具の概略断面図である。
【図6】図5に示された拘束工具に用いることができる上側工具の斜視図である。
【図7A】図5に示されている拘束工具に示されている拘束工具に用いることができる下側工具の第1のダイの一実施形態の斜視図である。
【図7B】図5に示されている拘束工具に示されている拘束工具に用いることができる下側工具の第2のダイの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
缶蓋の好ましい構造及び好ましい方法に関する技術について本明細書において説明する。かかる技術を用いた缶蓋の実施形態及び缶蓋を製作する工具類の実施形態についても説明する。さらに、本発明は、本明細書においては説明しない他の設計例としての缶蓋を含む。
【0016】
缶蓋の中には、缶蓋のタブの下に設けられた可動部分を有するものがある。可動部分は、上方位置と下方位置との間で動くことができる。かかる缶蓋は、好ましくは、可動部分が上方位置にあるように製作される。可動部分が上方位置にあるようにすることによって、缶蓋を輸送のために高密度に積み重ねることができる。缶蓋を容器本体に継ぎ合わせて容器を形成すると、可動部分は、下方位置に動かされて(機械的に又は内部負圧の利用によって)これらのそれぞれのタブの下に隙間を形成することができるようになる。これら隙間により、ユーザは、指をプルタブの下に容易に差し込み、それにより容器の開けやすさを向上させることができる。
【0017】
図1は、可動部分14を有する缶蓋10を示している。図示のように、缶蓋10は、中央パネル18を有し、その周囲には補強ビード22が設けられている。補強ビード22は、壁26内に上方に延び、壁26は、継ぎ合わせパネル30を形成するよう半径方向外方に延びている。円形スコアライン34が缶蓋10に形成されており、かかる円形スコアラインは、スコアライン34の内方に開放可能なパネル部分38を定めている。スコアライン34は(いったん切り離されると)、製品を小出しすることができるようにする孔を画定し、開放可能なパネル部分38は、缶蓋10から完全に取り外し可能である。中央パネル18を強化する目的でビーディング(ビード付け)42が中央パネル18に施されるのが良い。
【0018】
タブ46がリベット50により中央パネル18に取り付けられている。タブ46の第1の端部は、スコアライン34に隣接して設けられたノーズ部分54を備えている。タブ46の反対側の端部は、リングの形態をした取っ手部分58を備えている。
【0019】
図1、図2A及び図2Bに示されているように、可動部分14は、中央パネル18の凹み部分62に形成されるのが良く、この可動部分は、その周囲に下方に傾斜した環状段部66を有するのが良い。図2A及び図2Bに示されているように、図2Aに示されている上方位置と図2Bに示されている下方位置との間で行ったり来たりすることができる。
【0020】
代表的には、缶蓋10は、後で缶本体に固定できるよう別々の場所(即ち、詰込み機が缶蓋を缶本体に取り付ける場所)相互間で輸送される。好ましくは、可動部分14は、輸送中、図2Aに示されている上方位置にある。上方位置にあるとき、可動部分14は、中央パネル18の底側部に凹部70を構成する凸の輪郭形状を有するのが良い。かくして、缶蓋10は、可動部分14が上方位置にあるときに最も効率的に積み重ね可能である。というのは、凹部70が下に位置する缶蓋のタブのためのスペースを提供するからである。
【0021】
缶本体に製品をいったん詰め込むと、缶蓋10を缶本体に継ぎ合わせる。継ぎ合わせ後、可動部分14は、下方位置に戻ることができる。可動部分14を下方位置に動かすため、可動部分14に全体として下向きの方向の力を及ぼすのが良い。この力は、好ましくは、缶蓋10前後の圧力差に起因して生じ、この場合、缶蓋10の上側(容器外側)に加わる圧力は、缶蓋10の下側(容器内部)に加わる圧力よりも高い。他の実施形態では、力は、可動部分14の上側に及ぼされる機械的力に起因して生じても良い。
【0022】
可動部分14は、図2Bに示されているような下方位置にあるとき、結果として取っ手部分58と可動部分14との間に隙間Δhが生じるようにする凹状の輪郭の形状を有するのが良い。消費者が、可動部分14が下方位置にある状態で容器で受け取るべきであることが意図されている。というのは、これにより、タブへのアクセスが最大になり、その結果開けやすくなるからである。環状段部66が設けられていることにより、可動部分14がポップアップして上方位置に戻るのに必要な力を増大させることができる。即ち、環状段部66は、容器がその隣りの容器又は他の物品との衝突を生じ又は高い高度で輸送されている場合であっても可動部分14の望ましくないポップアップが生じないようにすることができる。このように、環状段部66は、かかる缶蓋10を有する容器についてタブ46の下への適度な指のアクセス又は差し込みやすさを維持するのに役立つ。
【0023】
使用にあたり、消費者は、自分の指を取っ手部分58に当てて、先ず最初に、タブ46をリベット50周りに上方に起こしてノーズ部分54がスコアライン34の裂けを開始させるようにする。しかる後、消費者は、タブ46を引き戻してスコアライン34の残部の裂けを進展させ、それにより缶蓋10からの開放可能なパネル部分38の取り外しを行なうのが良い。
【0024】
缶蓋10は、任意の材料、例えばアルミニウム又はスチールで形成可能である。例えば、缶蓋10は、0.21mm厚さのDR550N材料で作られるのが良い。図3A〜図3Eは、缶蓋10をその形成作業の各々の後における状態で示している。
【0025】
図3Aに示されているように、第1の形成作業後、缶蓋10は、周囲に補強ビード22を備えた中央パネル18を有する。図示のように、補強ビード22は、壁26中に上方に延びており、壁26は、継ぎ合わせパネル30を形成するよう半径方向外方に延びている。この段階では、中央パネル18は、全体として平面状であるのが良い。
【0026】
図3Bに示されているように、第2の形成作業後、スコアライン34が補強ビード22の近くで中央パネル18に形成されている。
【0027】
図3Cに示されているように、第3の形成作業後、可動部分14及びビーディング42が中央パネル18に実施されている。代表的には、可動部分14は、図2Bに示されているように下方位置で形成される。
【0028】
しかしながら、缶蓋10を代表的には可動部分14が上方位置にある状態で輸送するので、第4の作業を利用して可動部分14を上方位置に動かすのが良い。この点に関し、図3Dに示されているように、可動部分14を第4の作業中、上方位置に動かす。さらに、この作業中、追加のビーディング76を中央パネル18に実施するのが良い。図示のように、ビーディング76は、スコアライン34及びリベット50の近くに実施されるのが良い。
【0029】
図3に示されているように、第4の作業後、タブ46が中央パネル18に取り付けられる。図示のように、タブ46をリベット50により取り付けて取っ手部分58が可動部分14の上方に位置するようにするのが良い。第6の作業の際、タブ46に生じたバリを除去するのが良い。
【0030】
可動部分14を上方位置に動かす図3Dに示されている第4の作業中、缶蓋10を拘束工具によって拘束する。用いられる拘束工具及び拘束工具が缶蓋10の中央部分18を拘束する仕方に応じて、缶蓋は、種々の作業パラメータを有するのが良い。即ち、金属を第4の作業中、別々に引き伸ばし、それにより類似の条件下において別々に動作する蓋を作るのが良い。図4及び図5は、缶蓋10の第4の形成作業中に使用できる2つの互いに異なる拘束工具を示している。
【0031】
図4に示されているように、拘束工具80は、上側工具84及び下側工具88を含む。図示のように、缶蓋10は、上側工具84と下側工具88との間に拘束されるのが良い。缶蓋10を拘束しているとき、中央パネル18に形成されている可動部分14は、その上方位置に動かされる。
【0032】
上側工具84は、第1の接触面94、第2の接触面98及び凹部102を有している。第1の接触面94及び第2の接触面98は、缶蓋10の中央パネル18の上面に圧接する。図示のように、第2の接触面98は、第1の接触面94よりも更に下に延び、可動部分14のすぐ隣りに位置する中央パネル18の部分を含む中央パネル18の凹み部分62に接触する。したがって、可動部分14がその上方位置に動かされているとき、可動部分14のすぐ隣りの箇所にヒンジ106が形成される。
【0033】
下側工具88は、第1のダイ108及び第2のダイ110を有する。第1のダイ108は、第1の接触面114、第2の接触面118及び凹部120を有している。第1の接触面114及び第2の接触面118は、缶蓋10の中央パネル18の下面に圧接する。図示のように、第2の接触面118は、第1の接触面114よりも低いところに位置し、この第2の接触面は、中央パネル18の凹み部分62の一部分に接触する。
【0034】
第2のダイ110は、第1のダイ108の凹部120内に位置決めされる。図示のように、第2のダイ110は、突起122を有している。缶蓋10が上側工具84及び下側工具88のそれぞれの接触面94,98,114,118によって拘束されている間、突起122は、可動部分14の裏側又は裏面に接触し、それにより可動部分14を上方位置に動かす。上側工具84の凹部102は、可動部分14がその上方位置にあるとき、可動部分14のための間隙を提供する。
【0035】
図示の缶蓋10は、直径が73mmである。拘束工具80を用いて製作される缶蓋10は、或る特定の作業パラメータを有する。例えば、この缶蓋10を缶本体にいったん継ぎ合わせると、可動部分14をその下方位置に動かすのに約600ミリバールの圧力が必要な場合がある。さらに、いったん下方位置に位置すると、可動部分14をその上方位置に戻すのに約600ミリバールの圧力が必要な場合がある。
【0036】
図5は、第4の作業中に使用できる別の拘束工具を示している。図5の拘束工具は、図4の場所に対して可動部分14から更に側方外方に位置した場所に中央パネル18を拘束する際、図4の拘束工具とは作業モードが異なっている。図示のように、拘束工具180は、上側工具184及び下側工具188を含む。図示のように、缶蓋10は、上側工具184と下側工具188との間に拘束されるのが良い。缶蓋10を拘束すると、中央パネル18に形成されている可動部分14は、その上方位置に動かされる。
【0037】
上側工具184は、第1の接触面194及び凹部202を有する。第1の接触面194は、缶蓋10の中央パネル18の上面に圧接する。図4の拘束工具80と比較して、図5の拘束工具180の上側工具184は、中央パネル18を全体として中央パネルの凹み部分62の側方外方に拘束する。実際、第4の作業中、拘束工具180を用いて可動部分14をその上方位置に動かす際、中央パネル18は、拘束工具80を用いた場合よりも拘束度が小さい。可動部分14が拘束工具180を用いてその上方位置に動かされているとき、可動部分14から見て半径方向外方の場所にヒンジ206が作られる。このヒンジ206は、図4の拘束工具80を用いた場合に作られるヒンジ106よりも更に半径方向外方に位置している。
【0038】
下側工具188は、第1のダイ208及び第2のダイ210を有する。第1のダイ208は、第1の接触面214、第2の接触面218及び凹部220を有している。第1の接触面214及び第2の接触面218は、缶蓋10の中央パネル18の下面に圧接する。図示のように、第2の接触面218は、第1の接触面214よりも低いところに位置し、この第2の接触面は、中央パネル18の凹み部分62の一部分に接触する。
【0039】
第2のダイ210は、第1のダイ208の凹部220内に位置決めされる。図示のように、第2のダイ210は、突起222を有している。缶蓋10が拘束されている間、突起222は、可動部分14の裏側又は裏面に接触し、それにより可動部分14を上方位置に動かす。上側工具184の凹部202は、可動部分14がその上方位置にあるとき、可動部分14のための間隙を提供する。
【0040】
拘束工具180を用いて製作された缶蓋10は、拘束工具80を用いて製作された缶蓋の作業パラメータとは異なる場合のある或る特定の作業パラメータを有する。例えば、この缶蓋10を缶本体にいったん継ぎ合わせると、可動部分14をその下方位置に動かし、それによりタブの下への指のアクセスをもたらすのに約300ミリバールの圧力が必要な場合がある。さらに、いったん下方位置に位置すると、可動部分14をその上方位置に戻すのに約600ミリバールの圧力が必要な場合がある。缶蓋の可動部分を下方位置に動かすのに約300ミリバールしか必要としない缶蓋を製作することにより、機械的パネルプッシャを必要としないでポップダウンを生じさせるのに十分な真空を生じさせる可能性が高くなる。したがって容器の高温内容物により生じる内部負圧を効果的に利用すると、可動部分をその下方位置に動かすことができる。したがって、これにより、拘束工具180を用いることにより提供される拘束度の減少という利点が実証されている。というのは、これにより、タブの下への指のアクセスをもたらすよう可動部分を下方位置に動かすための機械的プッシャの使用を回避する可能性が高くなるからである。缶蓋の可動部分をその下方位置に動かすために容器の内部負圧を利用する方法の例が米国特許仮出願第61/113,490号明細書(発明の名称:Method of Assembling An Easy Open Can End)に開示されており、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0041】
理解されるべきこととして、多くの要因、例えば缶の内容物、製造業者及び用いられる材料に応じて、可動部分をその下方位置に動かしたり可動部分をその上方位置に動かしたりするために互いに異なる圧力が必要な場合がある。それにもかかわらず、拘束工具180を用いて製作された缶蓋は、機械的プッシャなしで可動部分を下方位置に動かす可能性を高めることができる。さらに、拘束工具180を用いて製作された缶蓋は、拘束継ぎ合わせ作業において缶本体に継ぎ合わせ可能である。
【0042】
図7、図7A及び図7Bは、拘束工具180に用いることができる例示の上側工具及び下側工具を開示している。したがって、図6に示されている上側工具及び図7A及び図7Bに示されている下側工具は、可動部分に隣接して位置する中央パネルの部分を拘束しない状態で、缶蓋の可動部分を上方位置に動かすことができるであろう。
【0043】
図6に示されているように、上側工具250は、第1の接触面254及び凹部258を有する。図示のように、凹部258は、円筒形であるのが良く、この凹部は、第1の接触面254によって包囲されているのが良い。換言すると、第1の接触面254は、上側工具250の周縁から凹部258まで延びるのが良い。
【0044】
図7Aは、下側工具の第1のダイ270を示し、図7Bは、下側工具の第2のダイ272を示している。図7Aに示されているように、第1のダイ270は、第1の接触面274、第2の接触面278及び凹部282を有する。第1の接触面274は、第1のダイ270の最も上に位置する表面によって構成されるのが良く、第2の接触面は、第1のダイ270に形成された第2の凹部288の表面によって構成されるのが良い。第2の凹部288は、缶蓋10が第4の形成作業中に損傷しないよう缶蓋10の凹み部分を受け入れるよう形作られているのが良い。凹部282は、第2の凹部288に形成されるのが良く、かかる凹部282は、第2のダイ272を受け入れ又は違ったやり方で保持するよう形作られているのが良い。
【0045】
図7Bに示されているように、第2のダイ272は、第1のダイ270の凹部282内に嵌まり込むよう形作られているのが良く、この第2のダイは、突起296を有する。第2のダイ272が第1のダイ270の凹部282によって受け入れられると、突起296は、缶蓋の可動部分の底面に接触するようになっている。
【0046】
上述の説明は、説明の目的のために提供されており、本発明を限定するものと解されてはならない。本発明を好ましい実施形態又は好ましい方法に関して説明したが、本明細書において用いられた用語は、本発明を限定する用語ではなく、説明及び例示のための用語であることはいうまでもない。さらに、本発明を特定の構造、方法及び実施形態に関して本明細書において説明したが、本発明は、本明細書において開示された細部に限定されるものではない。というのは、本発明の内容は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるあらゆる構造、方法及び使用まで及ぶからである。本明細書の教示の恩恵を受ける当業者であれば、本明細書において説明した本発明の多くの改造例を想到でき、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、変更を実施することができる。さらに、説明した一実施形態のどの特徴であっても、これを本明細書において説明した他の実施形態に利用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タブ(46)の下に設けられた可動部分(14)を有する缶蓋(10)を製作する方法であって、前記方法は、
中央パネル(18)を備えた缶蓋(10)を形成するステップを有し、
上方位置と下方位置との間で動くことができる可動部分(14)を前記中央パネル(18)に形成するステップを有し、前記可動部分(14)は、当初、その下方位置にあり、
前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の一部分が拘束解除されるように前記缶蓋(10)の一部分を拘束するステップを有し、
前記缶蓋(10)が拘束されている間、前記可動部分(14)をその上方位置に移動させるステップを有する、方法。
【請求項2】
タブ(46)を前記缶蓋(10)に取り付けるステップを更に有し、前記タブ(46)は、前記可動部分(14)の上方に位置した取っ手部分(58)を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記移動ステップは、工具を移動させてこれを前記可動部分(14)に接触させ、前記可動部分(14)が下方位置から上方位置に動くようにするステップを含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記拘束ステップ中、前記缶蓋(10)は、上側工具(84)と下側工具(88)との間に拘束され、前記下側工具(88)は、前記可動部分(14)の裏側に接触する突起(122)を有する、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
前記上側工具(84)は、前記可動部分(14)が上方位置に矯正されているとき、前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の前記一部分から間隔を置いて配置される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
タブ(46)の下に設けられた可動部分(14)を有する缶蓋(10)を製作する方法であって、前記方法は、
中央パネル(18)を備えた缶蓋(10)を形成するステップを有し、
上方位置と下方位置との間で動くことができる可動部分(14)を前記中央パネル(18)に形成するステップを有し、前記可動部分(14)は、当初、その下方位置にあり、
前記缶蓋(10)を拘束工具(80)で拘束するステップを有し、前記拘束工具(80)は、前記中央パネル(18)の上面に圧接する上側工具(84)及び前記中央パネル(18)の下面に圧接する下側工具(88)を有し、前記上側工具(84)は、前記缶蓋(10)が前記上側工具(84)と前記下側工具(88)との間に拘束されているとき、前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の一部分から間隔を置いて配置され、
前記缶蓋(10)が拘束されている間、前記可動部分(14)をその上方位置に移動させるステップを有する、方法。
【請求項7】
(i)前記中央パネル(18)は、凹み部分(62)を更に有し、
(ii)前記可動部分(14)は、前記凹み部分(62)に形成され、
(iii)前記上側工具(84)は、前記上側工具(84)及び前記下側工具(88)が前記缶蓋(10)を拘束しているとき、前記凹み部分(62)から間隔を置いて配置される、請求項4〜6のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記上側工具(84)及び前記下側工具(88)は、前記凹み部分(62)から半径方向外方に位置した前記中央パネル(18)の一部分に圧接することにより前記缶蓋(10)を拘束する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
スコア(34)が前記可動部分(14)の形成中、前記中央パネル(18)の周囲の近くで前記缶蓋(10)に形成され、前記スコア(34)は、開くことができるパネル部分(38)を定める、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
前記缶蓋(10)は、壁部分(26)、前記壁部分(26)から半径方向内方に延びる環状補強ビード(22)及び前記環状補強ビード(22)から半径方向内方に延びる前記中央パネル(18)を有するよう形成される、請求項1〜9のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
缶本体に食料品を詰め込むステップと、
前記缶蓋(10)を前記缶本体に継ぎ合わせるステップと、
前記可動部分(14)を前記下方位置に戻すステップとを更に有し、前記戻しは、前記缶本体内の前記食料品の冷却によって生じる内部負圧に応答して行なわれる、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
可動部分(14)が中央パネル(18)に形成されている缶蓋(10)を拘束し矯正する工具(80)であって、前記工具(80)は、
前記中央パネル(18)の上面に接触する第1の接触面(94,98)を備えた上側工具(84)と、
突起(122)と、前記中央パネル(18)の下面に接触する第2の接触面(114,118)とを有する下側工具(88)とを含み、
(i)前記第1の接触面(94,98)及び前記第2の接触面(114,118)は、前記中央パネル(18)に圧接し、それにより前記缶蓋(10)を拘束し、(ii)前記中央パネル(18)の前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の一部分は、前記缶蓋(10)が前記上側及び前記下側工具(84,88)によって拘束されているとき、前記上側工具(84)から間隔を置いて配置され、(iii)前記突起(122)は、前記可動部分(14)の裏側に接触し、それにより前記可動部分(14)を下方位置から上方位置に動かす、工具(80)。
【請求項13】
(i)前記缶蓋(10)の前記中央パネル(18)は、凹み部分(62)を有し、
(ii)前記可動部分(14)は、前記凹み部分(62)に形成され、
(iii)前記第1及び前記第2の接触面は、前記凹み部分(62)から半径方向外方に前記中央パネル(18)に圧接する、請求項12記載の工具(80)。
【請求項14】
前記上側工具(84)は、前記缶蓋(10)の前記可動部分(14)の上方に位置した凹部(102)を有する、請求項12又は13記載の工具(80)。
【請求項15】
前記缶蓋(10)は、壁部分(26)、前記壁部分(26)から半径方向内方に延びる環状補強ビード(22)及び前記環状補強ビード(22)から半径方向内方に延びる前記中央パネル(18)を有するよう形成されている、請求項12〜14のうちいずれか一に記載の工具(80)。
【請求項1】
タブ(46)の下に設けられた可動部分(14)を有する缶蓋(10)を製作する方法であって、前記方法は、
中央パネル(18)を備えた缶蓋(10)を形成するステップを有し、
上方位置と下方位置との間で動くことができる可動部分(14)を前記中央パネル(18)に形成するステップを有し、前記可動部分(14)は、当初、その下方位置にあり、
前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の一部分が拘束解除されるように前記缶蓋(10)の一部分を拘束するステップを有し、
前記缶蓋(10)が拘束されている間、前記可動部分(14)をその上方位置に移動させるステップを有する、方法。
【請求項2】
タブ(46)を前記缶蓋(10)に取り付けるステップを更に有し、前記タブ(46)は、前記可動部分(14)の上方に位置した取っ手部分(58)を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記移動ステップは、工具を移動させてこれを前記可動部分(14)に接触させ、前記可動部分(14)が下方位置から上方位置に動くようにするステップを含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記拘束ステップ中、前記缶蓋(10)は、上側工具(84)と下側工具(88)との間に拘束され、前記下側工具(88)は、前記可動部分(14)の裏側に接触する突起(122)を有する、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
前記上側工具(84)は、前記可動部分(14)が上方位置に矯正されているとき、前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の前記一部分から間隔を置いて配置される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
タブ(46)の下に設けられた可動部分(14)を有する缶蓋(10)を製作する方法であって、前記方法は、
中央パネル(18)を備えた缶蓋(10)を形成するステップを有し、
上方位置と下方位置との間で動くことができる可動部分(14)を前記中央パネル(18)に形成するステップを有し、前記可動部分(14)は、当初、その下方位置にあり、
前記缶蓋(10)を拘束工具(80)で拘束するステップを有し、前記拘束工具(80)は、前記中央パネル(18)の上面に圧接する上側工具(84)及び前記中央パネル(18)の下面に圧接する下側工具(88)を有し、前記上側工具(84)は、前記缶蓋(10)が前記上側工具(84)と前記下側工具(88)との間に拘束されているとき、前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の一部分から間隔を置いて配置され、
前記缶蓋(10)が拘束されている間、前記可動部分(14)をその上方位置に移動させるステップを有する、方法。
【請求項7】
(i)前記中央パネル(18)は、凹み部分(62)を更に有し、
(ii)前記可動部分(14)は、前記凹み部分(62)に形成され、
(iii)前記上側工具(84)は、前記上側工具(84)及び前記下側工具(88)が前記缶蓋(10)を拘束しているとき、前記凹み部分(62)から間隔を置いて配置される、請求項4〜6のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記上側工具(84)及び前記下側工具(88)は、前記凹み部分(62)から半径方向外方に位置した前記中央パネル(18)の一部分に圧接することにより前記缶蓋(10)を拘束する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
スコア(34)が前記可動部分(14)の形成中、前記中央パネル(18)の周囲の近くで前記缶蓋(10)に形成され、前記スコア(34)は、開くことができるパネル部分(38)を定める、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
前記缶蓋(10)は、壁部分(26)、前記壁部分(26)から半径方向内方に延びる環状補強ビード(22)及び前記環状補強ビード(22)から半径方向内方に延びる前記中央パネル(18)を有するよう形成される、請求項1〜9のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
缶本体に食料品を詰め込むステップと、
前記缶蓋(10)を前記缶本体に継ぎ合わせるステップと、
前記可動部分(14)を前記下方位置に戻すステップとを更に有し、前記戻しは、前記缶本体内の前記食料品の冷却によって生じる内部負圧に応答して行なわれる、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
可動部分(14)が中央パネル(18)に形成されている缶蓋(10)を拘束し矯正する工具(80)であって、前記工具(80)は、
前記中央パネル(18)の上面に接触する第1の接触面(94,98)を備えた上側工具(84)と、
突起(122)と、前記中央パネル(18)の下面に接触する第2の接触面(114,118)とを有する下側工具(88)とを含み、
(i)前記第1の接触面(94,98)及び前記第2の接触面(114,118)は、前記中央パネル(18)に圧接し、それにより前記缶蓋(10)を拘束し、(ii)前記中央パネル(18)の前記可動部分(14)に隣接して位置する前記中央パネル(18)の一部分は、前記缶蓋(10)が前記上側及び前記下側工具(84,88)によって拘束されているとき、前記上側工具(84)から間隔を置いて配置され、(iii)前記突起(122)は、前記可動部分(14)の裏側に接触し、それにより前記可動部分(14)を下方位置から上方位置に動かす、工具(80)。
【請求項13】
(i)前記缶蓋(10)の前記中央パネル(18)は、凹み部分(62)を有し、
(ii)前記可動部分(14)は、前記凹み部分(62)に形成され、
(iii)前記第1及び前記第2の接触面は、前記凹み部分(62)から半径方向外方に前記中央パネル(18)に圧接する、請求項12記載の工具(80)。
【請求項14】
前記上側工具(84)は、前記缶蓋(10)の前記可動部分(14)の上方に位置した凹部(102)を有する、請求項12又は13記載の工具(80)。
【請求項15】
前記缶蓋(10)は、壁部分(26)、前記壁部分(26)から半径方向内方に延びる環状補強ビード(22)及び前記環状補強ビード(22)から半径方向内方に延びる前記中央パネル(18)を有するよう形成されている、請求項12〜14のうちいずれか一に記載の工具(80)。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2012−526713(P2012−526713A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510311(P2012−510311)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056628
【国際公開番号】WO2010/130820
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(506128042)クラウン パッケイジング テクノロジー インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056628
【国際公開番号】WO2010/130820
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(506128042)クラウン パッケイジング テクノロジー インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
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