説明

可変流量注入ポンプシステム

埋込み式注入ポンプシステムが開示されている。このポンプシステムは、好ましくは、埋込み式ポンプ(800)および着脱可能なモジュール(820,820’)を備えている。モジュール(820,820’)は、ポンプから投与された流体の流量を変更することができ、またはこのような流体の一定流量をもたらすことができる。流量特性を変更する場合、モジュール(820,820’)は、好ましくは、流量に関する情報を決定する1つまたは複数のセンサ(830,831)、流量情報を解析する電子機器(844,846,835,844e,844f,849,848,850,851,853,854,855,856)、および流量を物理的に変更する機構(821)を備えている。薬剤を患者に投与する方法、およびポンプシステムの変更例も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2005年5月10日に出願された米国特許出願第11/125,586号、2005年5月10日に出願された米国特許出願第11/126,101号、および2005年6月21日に出願された米国特許出願第11/157,437号の一部継続出願である、2006年11月17に「可変流量注入ポンプシステム」の表題で出願された米国特許出願第11/601,586号の利得を主張するものであり、これらの開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、埋込み式装置に関するものであり、さらに詳細に述べると、小型化された埋込み式ポンプと、薬剤または他の流体を人体内の選択された部位に送達する際に流量を変更することをプログラム可能に構成した埋込み式ポンプとに関するものである。
【背景技術】
【0003】
埋込み式ポンプは、広く知られており、長年にわたって広く利用されてきている。通常、この種のポンプは、活性物質または薬液を体内の特定の領域に送達する必要のある患者に移植されている。例えば、激しい痛みを感じる患者は、毎日または一日に複数回の鎮痛剤の投与を必要とする場合がある。この種の患者が、埋込み式ポンプなどを用いていない場合、このような薬液について一回または複数回の注射を受けることとなる。体の辺鄙な領域、例えば、脊椎に関する痛みを伴う場合において、これらの注射による投与は極めて困難であり、患者にとって特に激しい痛みを伴う可能性がある。さらに、このような疾患を薬剤の経口投与または血管内投与によって治療するという試みについては、多くの場合、より多くの投与量が必要となり、副作用がもたらされるおそれがある。そのため、埋込み式ポンプを利用することが患者および治療する医師の双方にとって有益であるということが、広く認識されてきている。
【0004】
そこで、多くの埋込み式ポンプのデザインが提案されている。例えば、共有に係る発明である特許文献1(’873特許)は、このようなデザインを示唆している。この開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。特許文献1は、定流量型ポンプの一例である。このポンプには、概して、2つのチャンバを有するハウジングが設けられ、第1のチャンバが投与される特定の薬液を収容するように構成され、第2のチャンバが推進剤を収容するように構成されている。2つのチャンバは、可撓性のある薄膜によって分離されているとよく、これによって、第2のチャンバ内の推進剤の膨張が、薬液を第1のチャンバから外に押し出すこととなる。この種のポンプは、通常、薬液を体の所望の領域に導くカテーテルに接続された出口開口と、薬液を第1のチャンバ内に再充填することを可能にする補充開口と、物質を第1のチャンバ内に注入することなくカテーテル内に直接注入することを可能にするボーラスポートとを備えている。補充開口およびボーラスポートのいずれも、典型的には隔膜によって覆われている。この隔膜は、針または同様の機器によって突き刺し可能となっており、針を取り外すと開口を適切に封止するように構成されている。この種のポンプは、体の特定の領域に一定流量の薬液を供給するように構成されており、継続的な放出に適した適切な濃度の薬液を周期的に再充填する必要がある。
【0005】
このような定流量型埋込み式ポンプは、このポンプを利用する患者および医師にとって明らかに有益であるが、このポンプを改良する余地の1つとして、その外形寸法が挙げられる。通常、このようなポンプは、上述の薬剤チャンバおよび推進剤チャンバ、並びに、これらに関連する隔膜を収容するために、著しく嵩張った外側ハウジングまたはケーシングを必要とする。埋込み式ポンプを埋め込む領域は、体内のかなり小さな領域に限定されることが多い。この限定された領域は、ポンプを移植する患者の体格に依存して、さらに一層限定される可能性もある。例えば、小柄な体格の人、または特異な生体構造を有する人に定流量型ポンプを移植することは、医師にとってかなり困難となる場合がある。さらに、標準的な大きさの定流量型ポンプを移植した患者が、不快に感じることがある。このようなポンプは、患者の外部から感知されることが多い。
【0006】
埋込み式ポンプは、プログラム可能な方式となっていてもよい。この種のポンプは、典型的には、ソレノイドポンプまたは蠕動ポンプを用いることによって、可変流量をもたらすように構成されている。ソレノイドポンプにおいては、ポンプのストローク速度を変化させることによって、薬液の流量を制御可能に構成されている。蠕動ポンプにおいては、ポンプのローラ速度を変化させることによって、流量を制御可能に構成されている。しかしながら、これらの方式のプログラム可能なポンプは、いずれも、複雑なデザインや複雑な制御機構を必要とするものである。従って、このようなプログラム可能なポンプとして、上述した定流量型ポンプと同様のデザインを有するポンプを用いることができると、より好ましい。
【0007】
一方、可変流量型ポンプを用いる利点を忘れてはならない。鎮痛剤のような薬剤を一定流量投与することは、確かに慢性的な痛みを和らげるのに有効であるかもしれない。しかしながら、患者がさらに強烈な痛みに直面することは、よくあることである。この痛みが激しくなったときに、痛みをより和らげるため、鎮痛剤の流量を変更することができれば好都合である。しかしながら、定流量型ポンプにおいては、典型的には、定まった領域に直接アクセスする上述のボーラスポートを通じて、鎮痛剤などを直接注入して、このような痛みを軽減するしかない。この方法は確かに有効であるが、結局のところ、痛みを伴う注射を追加的に行うにすぎず、このようなボーラス注射を回避するようにデザインされているポンプもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,969,873号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようする課題】
【0009】
そのため、外形寸法を縮小できる定流量型埋込み式ポンプと、周知のプログラム可能なポンプのような複雑な解決策を用いることなく簡単なデザインの定流量型ポンプに流量を変更する手段を組合せる埋込み式ポンプとが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様は、患者に活性物質を投与するように構成した小型化された埋込み式ポンプである。この第1態様の第1実施形態による埋込み式装置はハウジングを備え、このハウジングは、活性物質を患者の体内の目標部位に送達する出口に流体連通する活性物質チャンバと、活性物質チャンバに隣接する推進剤チャンバとを画成している。当該埋込み式装置は、活性物質チャンバを推進剤チャンバから分離する波状の可撓性薄膜をさらに備え、活性物質チャンバは波状面を有し、この波状面は、中心凸部と、この中心凸部の両側に位置する少なくとも2つの凹部とを有しており、さらに波状の可撓性薄膜と協働するように構成されている。
【0011】
本発明の第1態様の第1実施形態によれば、推進剤チャンバは、等圧的に膨張可能な推進剤を収容しているとよく、この推進剤によって、膨張時に、可撓性薄膜と協働して活性物質チャンバの容積が減少することとなる。協働する活性物質チャンバの波状面と波状の可撓性薄膜は、好ましくは、推進剤が完全に膨張したときに接触するとよい。埋込み式装置は、活性物質チャンバと流体連通するハウジングの補充開口と、この開口を封止する第1の隔膜とをさらに備えているとよい。補充開口は、埋込み式装置のハウジングの全体的な高さを低くするために、活性物質チャンバの波面の中心凸部内に配置されているとよい。加えて、ハウジングは、一緒になってネジ止めするように構成された2つの部分を備えているとよい。これらの2つの部分は、PEEK樹脂から形成されているとよい。このような2つの部分は、薄膜をそれらの部分間に保持するように構成されているとよい。最後に、ハウジングは、係止部および/または隔膜保持部材も備えているとよい。
【0012】
本発明の第1態様の第2実施形態は、活性物質を患者に投与するさらに他の埋込み式装置である。この第2実施形態による埋込み式装置はハウジングを備え、このハウジングは、チャンバと、活性物質を患者の体内の目標部位に送達するようにチャンバに流体連通している出口とを画成しており、さらに、第1の部分および第2の部分を有し、これらの第1の部分および第2の部分が、PEEK樹脂から形成され、かつ一緒になってネジ止めされるように構成されている。
【0013】
本発明の第1態様の第3実施形態は、患者に活性物質を投与するさらなる他の埋込み式装置である。この第3実施形態による埋込み式装置はハウジングを備え、このハウジングは、埋込み式装置の上部および下部と、係止部とを有している。このハウジングは、推進剤チャンバと、出口に流体連通する活性物質チャンバとを画成している。当該埋込み式装置は、好ましくは、上部と下部とに間に保持された薄膜を備え、この薄膜は、活性物質チャンバと推進剤チャンバとを分離している。完全な組立状態では、上部および下部は、好ましくは互いに重ねられ、係止部が、上部または下部の1つに係合し、かつ上部および下部を一緒に保持することになる。
【0014】
本発明の第1態様の第4実施形態は、小型化された埋込み式ポンプを組み立てる方法に関するものである。この実施形態による方法は、上部および下部を、薄膜をそれらの間に保持するように互いに重ねるステップと、係止部を上部または下部にねじ込み、上部および下部を一緒にして保持するステップとを含んでいる。
【0015】
本発明の第2態様は、患者に活性物質を投与するように構成した埋込み式装置を含むものである。この埋込み式装置は、ハウジングと、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段とを備えている。ハウジングは、チャンバを画成するように構成され、活性物質を患者の体内の目標部位に送達する出口を有しており、この出口がチャンバと流体連通している。本発明のこの第2態様によれば、チャンバは、出口に流体連通する活性物質チャンバと、推進剤チャンバとを備え、これらの活性物質チャンバと推進剤チャンバとが、可撓性薄膜によって分離されているとよい。推進剤チャンバは、等圧的に膨張可能な推進剤を収容し、この推進剤によって、膨張時、可撓性薄膜と協働して活性物質チャンバの容積が減少するように構成されているとよい。当該埋込み式装置のハウジングは、活性物質チャンバに流体連通している開口と、この開口を封止する第1の隔膜とを備えているとよい。ハウジングは、出口と流体連通している環状開口と、この環状開口を封止する第2の隔膜とをさらに備えているとよい。
【0016】
この第2態様の第1実施形態においては、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段が、断面直径を有する細長のポリマーフィラメントを備えているとよい。この実施形態によれば、フィラメントは、好ましくは毛細管内に配置され、かつ好ましくは断面直径を減少させながら延びていてもよい。いくつかの例においては、フィラメントは毛細管内の中心に配置され、他の例においては、フィラメントは毛細管内に偏心して配置されている。フィラメントは、その長さに沿って、均一な断面、実質的に円形の断面、または不均一な断面などを有していてもよい。さらに、この第1実施形態において、フィラメントを延ばす手段がさらに設けられていてもよい。
【0017】
この第2態様の第2実施形態においては、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段は、ネジ付き外面を有する第1の中空円筒と、ネジ付き内面を有する第2の中空円筒とを備えているとよい。第1の中空円筒は、第2の中空円筒内に軸方向に嵌め込まれ、これによって、第1の円筒のネジ付き外面が第2の円筒のネジ付き内面に係合することとなる。この実施形態では、第2の円筒に対する第1の円筒の軸方向の移動によって、活性物質の流量が変更することとなる。
【0018】
この第2態様の第3実施形態においては、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段は、変形可能な断面を有する中空管状要素を備えているとよい。この第3実施形態においては、チャンバと出口との間で流体連通する毛細管が設けられ、管状要素がこの毛細管内に配置されているとよい。この実施形態による中空管状要素は、毛細管内の中心に配置されていてもよいし、または毛細管内に偏心して配置されていてもよい。
【0019】
この第2態様の第4実施形態においては、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段は、その長さに沿って縦方向に変化する断面を有した細長の挿入物を備えているとよい。この細長の挿入物を移動させることによって、活性物質の流量が増減可能となる。
【0020】
本発明の第3態様は、ハウジングを備える活性物質を患者に投与する埋込み装置を含んでおり、このハウジングは、チャンバを画成して、かつ活性物質を患者の体内の目標部位に送達する出口を有しており、この出口はチャンバと流体連通している。当該埋込み式装置は、チャンバと出口との間に流体連通する毛細管も備え、この毛細管は、内面と、毛細管内に嵌め込まれた流量制御要素とを有している。この流量制御要素は、毛細管の内面と向き合う外面を有し、これらの内外面間に通路が画成されて、活性物質の流れが、この通路を通過することとなる。制御要素の外面は、好ましくは通過する活性物質の流れを変更するように、毛細管の内面に対して移動可能に構成されているとよい。制御要素の外面の作動によって、通路の形状および/または寸法を変化させることが可能である。
【0021】
この第3態様の第1実施形態においては、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段が、断面寸法を有する細長のポリマーフィラメントを備えているとよい。この実施形態によれば、フィラメントは、好ましくは毛細管内に配置され、好ましくは断面寸法を減少させながら延びるように構成可能である。いくつかの例においては、フィラメントは毛細管の中心に配置され、他の例においては、フィラメントは毛細管内に偏心して配置されている。フィラメントは、その長さに沿って、均一な断面、実質的に円形の断面、または非均一断面などを有することができる。さらに、この第1実施形態は、フィラメントを延ばす手段を備えているとよい。
【0022】
この第3態様の第2実施形態においては、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段は、ネジ付き外面を有する第1の中空円筒と、ネジ付き内面を有する第2の中空円筒とを備えているとよい。第1の中空円筒は、第2の中空円筒内に軸方向に嵌め込まれ、これによって、第1の円筒のネジ付き外面が第2の円筒のネジ付き内面に係合することとなる。この実施形態においては、第2の円筒に対する第1の円筒の軸方向移動が、活性物質の流量を変更させることとなる。
【0023】
この第3態様の第3実施形態では、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段は、変形可能な断面を有する中空管状要素を備えているとよい。この第3実施形態は、チャンバと出口との間に流体連通している毛細管も備え、管状要素がこの毛細管に配置されているとよい。この実施形態による中空管状要素は、毛細管内の中心に配置されていてもよいし、または毛細管内に偏心して配置されていてもよい。
【0024】
この第3態様の第4実施形態においては、チャンバと出口との間で活性物質の流量を変更する手段は、その長さに沿って縦方向に変化している断面を有した細長の挿入物を備えているとよい。この細長の挿入物を移動させることによって、活性物質の流量が増減可能となる。
【0025】
本発明の第4態様は、第1の点から第2の点へ流体の流量を変更する抵抗体であって、内面を有する毛細管と、毛細管内に嵌め込まれた流量制御要素とを備えている、抵抗体を有している。制御要素は、流体の通過する通路を確定するように、毛細管の内面と向き合った外面を有している。制御要素の外面は、好ましくは通過する流体を変更させるように、毛細管の内面に対して移動可能であるとよい。制御要素の外面を移動によって、通路の形状および/または寸法を変更させることができる。この態様は、薬剤を患者の体内の部位に送達させる埋込み式ポンプのような埋込み式装置と関連して利用可能であることに留意されたい。第3の態様による実施形態は、本発明の第1の態様および第2の態様に関して上述した実施形態と同様とすることができる。
【0026】
本発明の第5態様は、患者に投与される活性物質の流量を変更する方法を含んでいる。この方法は、内面を有する毛細管と、この毛細管内に嵌め込まれた流量制御要素とを備える埋込み式装置を設けるステップを含んでいる。制御要素は、好ましくは毛細管の内面と向き合った外面を有しており、活性物質を患者内の目標部位に投与する活性物質の流れの通路が、これらの内外面間により画成されている。さらに、この方法は、毛細管を通る活性物質の流量を変更するために、制御要素を毛細管の内面に対して移動させるステップを含んでいる。この移動ステップにおいては、通路の寸法および/または形状を変化させることができる。
【0027】
本発明のさらに他の態様は、患者に活性物質を1つの流量または可変流量で投与する埋込み式注入ポンプシステムである。当該システムは、ハウジングを有する定流量型ポンプであって、ハウジングが、活性物質チャンバと、出口ダクトと、定流量型ポンプの上面とを有する、定流量型ポンプと、定流量型ポンプの上面に当接する底面を有し、着脱可能に構成され、かつ活性物質チャンバと出口ダクトとの間の流体連通を促すモジュールとを備えているとよい。
【0028】
本発明のさらに他の態様は、注入ポンプを移植する方法である。当該方法は、可変流量型注入ポンプまたは定流量型注入ポンプの必要性を決定するステップと、決定ステップに基づいて、ポンプハウジングおよびモジュールを選択するとともに、モジュールを可変流量モジュールおよび定流量モジュールから選択するステップと、絞りモジュールがハウジングに流体連通するように、モジュールの底面をハウジングの上面に係合させて、注入ポンプを組み立てるステップと、注入ポンプを患者の体内に移植するステップとを含んでいる。
【0029】
本発明のさらに他に態様は、患者に活性物質を可変流量で投与する埋込み式注入ポンプである。当該ポンプは、ハウジングを有する定流量型ポンプを備えているとよく、ハウジングは、定流量型ポンプの上面と、活性物質チャンバと、第1の可撓性薄膜によって活性物質チャンバから分離された推進剤チャンバと、カテーテルを取付けた出口ダクトと、活性物質チャンバに流体連通する出口開口と、出口ダクトと流体連通している入口開口とを画成しているとよい。当該ポンプは着脱可能なモジュールをさらに備え、このモジュールが、定流量型ポンプの上面と当接する底面と、ハウジングの出口開口に流体連通させて底面に形成された入口と、ハウジングの入口開口に流体連通している出口と、弁本体内に配置された長さに沿って縦方向に変化する断面を有したニードル弁部と、弁本体内においてニードル弁部を縦方向に移動させる手段と、モジュールの入口とモジュールの弁本体との間で流体連通する定流量絞り装置と、定流量絞り装置の両側の第1の圧力センサおよび第2の圧力センサとを備えているとよい。好ましくは、ポンプシステム作動中、推進剤チャンバからの力によって活性物質チャンバから排出された流体が、ハウジングの出口開口を通り、モジュールの入口を通り、第1の圧力センサと接触し、定流量絞り装置を通り、第2の圧力センサと接触し、モジュールの弁本体を通り、モジュールの出口を通り、ハウジングの入口開口を通り、出口ダクトを通り、カテーテルを通るように構成されている。
【0030】
本発明のさらに他の態様は、埋込み式注入ポンプから投与された薬剤の量を監視する方法である。この態様の一実施形態によれば、当該方法は、薬剤を収容したポンプを設けるステップと、ポンプから薬剤の少なくともいくらかを可変実流量で投与するステップと、ポンプからの薬剤の実流量を少なくとも2つの異なる時点で測定するステップと、実流量に関する情報を記憶するステップと、実流量に関する情報に基づいて投与された薬剤の全量を計算するステップとを含んでいる。
【0031】
本発明の主題および本発明の種々の利点は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明によって、さらに完全に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態による小型化された埋込み式ポンプの正断面図である。
【図2】図1に示される小型化された埋込み式ポンプの一部の底断面図である。
【図3】図1に示されるポンプの取付け領域の拡大図である。
【図4】本発明の他の実施形態による小型化された埋込み式ポンプの正断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態による小型化された埋込み式ポンプの正断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態による小型化された埋込み式ポンプの正断面図である。
【図7】本発明に従って用いられる定流量型埋込み式ポンプの正断面図である。
【図8】本発明に従って用いられる他の定流量型埋込み式ポンプの正断面図である。
【図9】毛細管内に同心状に配置されたフィラメントを有する本発明の第1実施形態による可変流量抵抗体の断面図である。
【図10A】初期位置にある、図9の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図10B】拡張位置にある、図10Aの可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図11A】毛細管内に偏心して配置されたフィラメントを有する本発明の可変流量抵抗体の断面図である。
【図11B】毛細管の湾曲を示す、図11Aの可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図12A】初期位置にある、図11Aの可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図12B】拡張位置にある、図12Aの可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図13】本発明による他の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図14】本発明による他の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図15】図14の可変流量抵抗体と共に用いられる駆動アセンブリの断面図である。
【図16】高抵抗位置にある、本発明の第2実施形態による可変流量抵抗体の断面図である。
【図17】低抵抗位置にある、図16の可変流量抵抗体の断面図である。
【図18】挿入物が中心に配置された、本発明の第3実施形態による可変流量抵抗体の断面図である。
【図19】挿入物が偏心して配置された、本発明の第3実施形態による可変流量抵抗体の断面図である。
【図20】図18の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図21】挿入物が中心に配置された、本発明の第4実施形態による可変流量抵抗体の大端部の断面図である。
【図22】挿入物が偏心して配置された、本発明の第4実施形態による可変流量抵抗体の大端部の断面図である。
【図23】図21の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図24】図22の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図25】挿入物が中心に配置された、本発明の第5実施形態による可変流量抵抗体の断面図である。
【図26】挿入物が偏心して配置された、本発明の第5実施形態による可変流量抵抗体の断面図である。
【図27】図25の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図28】図25の可変流量抵抗体の縦断面図である。
【図29】本発明の他の実施形態による埋込み式ポンプの断面図である。
【図30】図29に示される埋込み式ポンプの異なる部分に沿った断面図である。
【図31】図29に示される埋込み式ポンプの部分上面図である。
【図32】本発明の他の実施形態による埋込み式ポンプを上方から斜視した図である、
【図33】図32に示されるポンプの断面図である。
【図34】図32に示されるポンプの他の断面図である。
【図35】第1実施形態による可変流量モジュールが取付けられた、図32に示されているポンプを上方から斜視した図である。
【図36】図35に示されるポンプおよびモジュールの断面図である。
【図37】図35に示されるポンプおよびモジュールの他の断面図である。
【図38A】図35に示されているポンプおよびモジュールの上断面図である。
【図38B】異なって構成された、弁に運動を与えるためのオフセットカムまたはオフセット延長部の拡大上面図である。
【図39A】図35のモジュールに利用される弁の断面図である。
【図39B】図35のモジュールに利用される弁の断面図である。
【図40】例示を目的として、モジュールのいくつかの部分が透視され、または取り外されている、図35のポンプおよびモジュールを上方から斜視した図である。
【図41】例示を目的として、モジュールのいくつかの部分が取り外されている、図35のポンプおよびモジュールを側方から斜視した図である。
【図42】図35のポンプおよびモジュールの他の断面図である。
【図43】例示を目的として、いくつかの部分が透視されている、図42の拡大図である。
【図44】図35のポンプおよびモジュールを上方から斜視した分解図である。
【図45】図35のポンプおよびモジュールの下方から斜視した分解図である。
【図46】例示を目的として、モジュールのいくつかの部分が取り外されている、図46のポンプおよびモジュールを上方から斜視した図である。
【図47】モジュールの電子基板に注目した、図46のポンプおよびモジュールの上面図である。
【図48】図46の電子基板を示す図である。
【図49A】パーソナル・コンピュータと関連して、図35のポンプおよびモジュールの一般的な作動を示すブロック図である。
【図49B】手持ち操作装置と関連して、図35のポンプおよびモジュールの一般的な作動を示す他のブロック図である。
【図50】埋込み式ポンプと共に用いられる定流量モジュールの斜視図である。
【図51】図32のポンプに取付けられた図50の定流量モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図示される主題の好ましい実施形態を図面に基づいて説明するが、明瞭にするために、特定の専門用語を用いることにする。しかし、本発明は、ここに用いられるどのような特定の用語にも制限されるものではなく、これらの特定の用語は、それぞれ、同様の方法によって同様の目的を達成するように機能するあらゆる技術的に等価な用語を含むことを理解されたい。
【0034】
図面について説明するが、これらの図面では、同様の参照番号は同様の要素を指すものとする。図1および図2には、本発明の種々の実施形態において小型化された埋込み式ポンプが、参照番号1010で総称的に示されている。好ましい実施形態では、ポンプ1010は、ハウジング1012を備える定流量型ポンプとなっている。ハウジング1012は、2つのチャンバ1014,1016を有するように、その内部を画成している。チャンバ1014,1016は、好ましくは、可撓性薄膜1018によって分離されている。薄膜1018は、当該技術分野において知られているどのようなデザインのもの、例えば、共有に係る米国特許第5,814,019号明細書に開示されるような薄膜であってもよいことに留意すべきである。この特許の開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。好ましい実施形態では、チャンバ1014は、活性物質、例えば、痛みの緩和用の薬液、痙攣および神経メカニズム欠損症の治療用の薬液、および化学療法用の薬液を収容するようにデザインかつ構成されている。一方、チャンバ1016は、一定の体熱によって等圧的に膨張する推進剤を含んでいるとよい。この膨張によって、薄膜1018が変位し、チャンバ1014に収容されている薬液が、(図2に最もよく示されている)出口カテーテル1015を通って、患者の体内に投与されることになる。
【0035】
ポンプ1010の製造および組立が比較的に容易になるように、ハウジング1012はデザインおよび構成されている。ハウジング1012は、個別に製造される上部1020、下部1022、および係止部1024をさらに備えている。いくつかの好ましい実施形態では、ハウジング1012は、実質的に円形のポンプ1010を画成していることに留意されたい。しかし、ハウジングは、最終的にどのような形状のポンプを画成していてもよい。上記の構成要素に加えて、ポンプ1010は、好ましくは、通路1029を通じてチャンバ1014に流体連通している、第1の隔膜1028によって覆われた補充ポート1026と、第2の隔膜1032によって覆われた環状リングボーラスポート1030と、バリウム充填シリコーン製のOリング1033とを備えている。これらの構成要素の各々について、以下、さらに説明することにする。
【0036】
図1と、係止部1024の底断面図である図2との両方を参照すると、チャンバ1014内に含まれる薬液の流路が示されている。推進剤チャンバ1016内に含まれる推進剤が膨張し、薄膜1018の必要な変位が生じると、チャンバ1014に含まれる流体が、開口1049を通って空洞内1046に押し出されることになる。以下、このことについて、さらに説明することにする。図2に示されるように、空洞1046は、ポンプ1010の周りに円状に延びるように構成されている。いったん空洞1046に入ると、流体はフィルタ毛細管1072の長さに沿った任意の箇所に進入可能となる。本質的に、フィルタ毛細管1072は周知の形式のフィルタであり、この形式のフィルタにおいては、流体が置換などによってその内側の流路に進入することとなる。従って、ある量の流体が空洞1046内に溜まると、その流体は、フィルタ1072内に進入することになる。このフィルタは、好ましくは、端部1070,1074に配置された滴状の膠(にかわ)または接着剤によって、適所に固定されかつ封止されているとよい。次いで、流体は、フィルタ毛細管1072内を進み、抵抗体1076内に流出することとなる。この抵抗体は、好ましくは、比較的小径の長い管であるとよく、この管径によって、通過する流体の最大流量が決定されることになる。換言すると、抵抗体1076の直径が小さいほど、通過する流体の流速が遅くなることとなる。にもかかわらず、以下にさらに十分に説明するように、抵抗体1076に対して、多くの異なる種類のデザインを行うことができる。次いで、抵抗体1076内の流体は、ブリッジ1080への開口1078に向かって連続的に流れることとなる。このブリッジ1080によって、抵抗体1076が、ボーラスポート1030を実質的に跨ぐことが可能となる。この後、流体は、抵抗体1076内を継続的に流れ、最終的にカテーテル1015から流出することになる。端部1070,1074および開口1078を封止するために、エポキシまたは他の適切な接着剤、または封止材が用いられるとよい。このようにして、空洞1046内の流体は、上述した経路にのみ従って流れることになる。
【0037】
図2においては、ボーラス注入部を通って注入された流体が取り得る流路も示されていることに留意されたい。流体は、隔膜1032を突き刺すのに適切な機器、例えば、針を用いることによって、ボーラスポート1030内に注入されるとよい。流体は、ポンプ1010の周りに延在するポート1030内にいったん注入されると、通路1082に進入することとなる。この通路は、上述のブリッジ1080の周りに少なくとも部分的に延在し、この通路によって、ボーラスポート1030内に注入された流体が、抵抗体1076のどの部分も通過することなく、最終的にカテーテル1015から流出可能となる。図2に示されるように、流体は、その経路に関わらず、最終的にカテーテル1015の直前の通路1084に達することとなる。従って、チャンバ1014からの流体は、一定の流量で流れ、ポート1030内に直接注入された流体は、異なる流量で流れることになり、好ましくは、後者の流量の方が大きくなる。
【0038】
以下、ポンプ1010の組立について説明する。ポンプ1010の個々の要素/部品の各々は、個別に製造され、その後、手作業で組み立てられてもよいし、または自動化プロセスのような他のプロセスによって組み立てられてもよいことに留意されたい。最初のステップでは、薄膜1018を固定して保持するために、薄膜1018を取付け領域1034において上部1020と下部1022との間に保持するように、上部1020および下部1022が、一緒になって配置される、すなわち、一緒にサンドイッチ状に重ね合わされることになる。図3の拡大図にさらに明瞭に示されるように、取付け領域1034は、下部1022に位置する突起部1036と、上部1022に位置する凹部1038と、これらの2つの部分の協働によって形成された空洞1040とを備えている。組立時において、上部1020および下部1022をそれらの間に薄膜1018を介在させて一緒に重ね合わせるステップによって、突起部1036が凹部1038内に押し込まれることとなる。従って、介在している薄膜1018の部分も、突起部1036によって、凹部1038内に押し込まれることとなる。これによって、圧着に類似する接続が生じ、薄膜1018をハウジング1012内に固定して取付け、保持可能となる。図3に示されるように、薄膜1018は、多数の層から構成されているとよく、これらの層の全てが、好ましくは、取付けプロセス中に「圧着」されるとよい。上部1020および下部1022を一緒に加圧する前に、エポキシまたは他の接着剤の層が、空洞1040内に挿入されていてもよい。接着剤を用いるこのような実施形態では、このデザイン構造によって、上部1020および下部1022を重ね合わせるときに、上部1020および下部1022が互いに取付けられることとなる。さらに、空洞1040の接着剤によって、薄膜1018を2つの部分間に固定することを補助することもできる。エポキシまたは他の接着剤は、重ね合わせるステップの前に、上部1020および下部1022のいずれかに形成された空洞部分に配置されていてもよい。
【0039】
上部1020と下部1022とを組立てる前または組立てた後、Oリング1033などが上部1022に形成されたリング状の空洞に配置されるとよい。いくつかの好ましい実施形態では、Oリング1033は、バリウム充填シリコーンからなるOリングとされ、補充ポート1026を画成する領域の周囲に配置されることになる。このようなOリングのデザインによって、補充ポート1026を画成する領域が、X線のようないくつかの走査プロセスによって照らし出されることが可能となる。ポンプ1010は、人体内に移植されているので、ポンプを薬剤などで再充填するためにポート1026の位置を探すことが困難になることがある。この場合、ポート1026の領域の輪郭を実質的に描くバリウムを充填したOリング1033を設けることによって、医師は、周知の走査プロセスによって、所望の領域の位置を容易に探すことができる。また、異なる走査によって照らし出される他の構造物が利用されてもよい。Oリング1033は、好ましくは、後でOリングを保持することとなる小さな寸法の溝内にOリングを押し込むことによって、配置されるとよい。
【0040】
Oリング1033が適所に配置されると、係止部1024が他の部分に取付けられることとなる。係止部1024を取付ける前に、第1の隔膜1028が係止部1024内に挿入されるべきであることに留意されたい。好ましくは、第1の隔膜1028は、係止部1024内に形成された相補的な空洞内にすべり込んで、これによって、第1の隔膜1028に作用する力を必要とせずに空洞内に保持されることとなる。第1の隔膜1028は、係止部1024と上部1020との間で保持されるようにデザインされているので、係止部1024の取付け前に配置される必要がある。加えて、上述したように、係止部1024は、ボーラスポート1030を覆う第2の隔膜1032を備えているとよい。いくつかの好ましい実施形態においては、図1に示されるように、第2の隔膜1032は、リング状に形成され、Oリング1033の配置に関して上述したものと同様の方法によって、係止部1024内に押し込まれることになる。この押込みは、係止部1024を他の部分に取付ける前に行われてもよいし、または取付けた後に行われてもよい。
【0041】
取付けステップに関して、係止部1024は、好ましくはネジ付き延長部1044と協働するネジ付き領域1042を備えている。組立時に、係止部1024は、単にねじ込まれるだけで、下部1022に係合することになる。これによって、2つの他の部分間に配置される上部1020は、必然的に、これらの2つの他の部分間に保持されることになる。換言すると、係止部1024を下部1022にネジ止めすることによって、このような2つの部分が互いに固定して取付けられるのみならず、上部1020がこれらの2つの部分間に固定して保持されることとなる。係止部1024がいかに緊密に下部1022内にねじ込まれるかに依存して、上部1020および下部1022を一緒に押圧する強さが増加し、これによって、上部1020と下部1022との間における薄膜1018の固定の強さが強くなることに留意されたい。このように、ポンプ1010は、最小限の接続ステップを行うことによって、ポンプの部品の全てを一緒に保持可能とするようにデザインされている。上部1022および下部1024の上述したネジによる接続に加えて、他の取付け手段が利用されてもよいことにさらに留意されたい。例えば、このような2つの部分は、一緒にスナップ嵌合されてもよいし、または接着剤を利用することによって固定されてもよい。最終的に、係止部1024は、係止部1024と上部1020との間に空洞1046を形成するように構成されているとよい。この空洞は、接着剤を空洞内に注入し、これによって、ハウジング1012の異なる2つの部分間における固定の強さを増加可能にデザインされているとよい。加えて、空洞1046は、以下にさらに十分に説明するように流量抵抗体などを収容するように構成されているとよい。
【0042】
上述したように、ポンプ1010は、製造および組立の両方が比較的簡単になるように構成され、かつ寸法を決定されている。しかし、ポンプ1010は、全体の大きさを著しく縮小させながら、それにもかかわらず、ポンプ1010内に有効量の薬剤および推進剤を収容可能に構成され、かつ寸法を決定されている。図面に示される好ましい実施形態では、ポンプ1010の上部1020は、波形状または回旋形状を有する内面1047を備えている。さらに詳細には、内面1047は、2つの凹部が両側に位置する凸状中心部を備えている。この構成によって、中心に位置する補充ポート1026およびその補充ポート1026と協働する隔膜1028をポンプ1010の残りに対してより低い位置に配置可能となっている。同時に、上述した両側に位置する凹部によって、チャンバ1014,1016の全容積を、1つの一定凹部などを有する内面を利用したポンプの全容積と実質的に同一に保つことが可能になる。換言すると、両側に位置する凹部は、ポート1026と、そのポート1026と協働する隔膜1028とをより低い位置に配置することによって、失われた容積を補うこととなる。薄膜1018も、好ましくは内面1047と協働する初期の波形状を有するように構成されているとよい。従って、チャンバ1014内に薬剤または他の流体が存在していない状態では、薄膜1018は、好ましくは内面1014に支えられることとなる。しかし、流体がチャンバ1014内に注入されると、薄膜1018は、図1に示される位置に変化することとなる。
【0043】
図4は、参照番号1110によって示される他の小型化された埋込み式ポンプを示している。図に示されるように、ポンプ1110は、ポンプ1010の構成要素と構造および機能が類似する、いくつかの構成要素を備えている。これらの構成要素には、1100番台の同様の参照番号が付けられている。例えば、薄膜1118は、上述の薄膜1018と同様になっている。加えて、ポンプ1110は、ポンプ1010と同様の方法によって作動するようになっている。にもかかわらず、ポンプ1110は、いくつかの付加的な構成要素および異なる構造の構成要素を備えている。とりわけ、ポンプ1110は、付加的な構成要素、すなわち、隔膜保持部材1125を備えている。この部材は、好ましくは、上部1120内にねじ込まれるのに適するようになっている。ポンプ1110は、底側Oリング1150を備えているが、バリウムが充填されたOリングを備えていない。
【0044】
ポンプ1110の組立も、ポンプ1010の組立と異なっている。簡単に上述したように、最初に予め配置された隔膜1128を適所に保持するために、隔膜保持部材1125がまず上部1120内にねじ込まれることになる。次いで、ポンプ1010の上述の組立と同じように、ポンプ1110の組立は、薄膜1118を取付け領域1134において同じように上部1120と下部1122との間に保持させるるように、上部1120および下部1122を一緒にサンドイッチ状に重ね合わせるステップによって、行われることになる。しかし、この実施形態では、係止部1124は、ポンプ1110の底側に配置され、上部1220と係合するのに適するように構成されている。図4に示されるように、上部1120は、係止部1124のネジ付き領域1142と協働して、かつ係合するネジ付き延長部1152を備えている。これらの2つの部分間のネジによる接続が、同様に達成されることになる。しかし、底側Oリング1150は、好ましくは、係止部1124と下部1122との間に位置しているとよい。このOリングは、係止部1124によって下部1122に加えられる力を増加させるとともに、ハウジング1112が滑らかな外面を有することを可能にするものである。後者は、ポンプを患者内に移植する上で重要である。なぜなら、ギザギザの粗い表面は、ポンプと当接する組織に損傷をもたらすおそれがあるからである。最終的に、第2の隔膜1132が、組立中のどの時点において、上部1120内に圧入されてもよいことに留意されたい。
【0045】
図5は、参照番号1210によって表わされる他の小型化された埋込み式ポンプを示している。この図に示されるように、ポンプ1210は、ポンプ1010,1110の構成要素と構造および機能が類似する、いくつかの構成要素を備えている。ここでも、これらの構成要素には、1200番台の同様の参照番号が付けられている。にもかかわらず、ポンプ1210は、いくつかの追加的な構成要素および異なる構造の構成要素を備えている。例えば、ポンプ1110と同じように、ポンプ1210は、隔膜保持部材1225を備えている。同様に、ポンプ1010と同じように、ポンプ1210は上部取付け用係止部1224を用いている。しかし、この係止部1224は、上述のものと異なる構造を有している。
【0046】
ポンプ1210の組立は、上述のポンプ1010,1110の組立と異なっている。ポンプ1110と同じように、予め配置された隔膜1228を適所に保持するために、隔膜保持部材1225が、まず上部1220内にねじ込まれることになる。次いで、上部1120および下部1222が、一緒にサンドイッチ状に重ね合わされ、これによって、薄膜1218を取付け領域1234内に保持することになる。最終的に、係止部1224が、ねじ込みによって、下部1222に係合することになる。ポンプ1010のデザインと同じように、係止部1224は、下部1222のネジ付き延長部1244と係合するネジ付き領域1242を備えている。係止部1224が下部1222を保持し、上部1220を下部1222に向かって押し込むことによって、ポンプ1210の組立を完了することに加えて、この実施形態では、係止部1224は、第2の隔膜1232も保持するように構成され、かつ寸法を決定されている。図5に示されるように、係止部1224は、凹状部1254を備えている。下部1222および係止部1224が完全に係合したとき、この凹状部1254は隔膜1232に係合することとなる。
【0047】
さらに他の実施形態による小型化されたポンプ1310が、図6に示されている。上述したポンプと同じように、ポンプ1310は、好ましくは、構造および機能が類似しているいくつかの構成要素を備えている。従って、これらの構成要素には、1300番台の同様の参照番号が付けられている。本質的に、ポンプ1310の構成は、ポンプ1210において上述した構成と類似している。しかし、2つの主な違いがある。すなわち、係止部1324が上部1320および下部1322と協働する点と、通路1362が係止部1324と上部1320との間に設けられている点とである。図6に示される実施形態では、係止部1324は、上部1320および下部1322のそれぞれのネジ付き領域1358,1360と協働して、かつ係合するネジ付き延長部1356を備えていることに留意されたい。さらに、係止部1324は、好ましくは、係止部1324内に形成された通路1362を備えている。この通路は、上述したチャンバおよび/またはポートのいずれかと協働するのに適した構成であるとよい。加えて、通路1362は、以下に十分に説明する流量抵抗体のような他の構成要素を収容するようになっているとよい。
【0048】
本発明の第2の態様は、定流量型埋込み式ポンプに無段可変流量の能力をもたらすことに関するものである。上述したように、このような構造は、基準よりも多いかまたは少ない薬剤を埋込み式ポンプによって送達することを必要とする患者にとっては、有効である。本発明のこの第2態様の種々の実施形態は、実際には、どのような定流量型埋込み式ポンプと共に用いられるように寸法を決定され、かつ形成されてもよいが、ここでは、好ましいポンプについて説明することにする。本出願の図7に示されているような1つの好ましいポンプの例では、埋込み式ポンプの基本的なデザインは、参照番号20によって表わされている。ポンプ20は、2つのチャンバ24,26を有する内部を画成したハウジング22を備えている。チャンバ24,26は、可撓性薄膜28によって分離されている。チャンバ24は、活性物質、例えば、痛みの緩和用の薬液、痙攣および神経メカニズム欠損症の治療用の薬液、および化学療法用の薬液を収容するようにデザインされている。一方、チャンバ26は、体熱によって等圧的に膨張する推進剤を含んでいるとよい。この膨張によって、薄膜28が変位して、チャンバ24に収容されている薬液が、出口開口30と、抵抗体32と、出口ダクト34と、最後の出口カテーテル36とによって画成される経路を通って、患者の体内に投与されることになる。
【0049】
抵抗体32は、チャンバ24と出口ダクト34との間を接続している。従って、上述したように、チャンバ24から出口カテーテル36に流れる薬液は、必ず抵抗体32を通過しなければならない。この抵抗体は、薬液の流量を制御することができ、その結果、流量を変更することができる。抵抗体32は、多くの異なる実施形態において様々に構成されてもよく、以下、本発明の詳細な説明において、それらの実施形態のいくつかについて、述べることにする。本質的に、抵抗体32は、薬液が流れる通路を画成し、この通路を部分的に変えることによって、薬液の流量を変更することができる。
【0050】
また、埋込み式ポンプ20は、第1の隔膜40によって覆われた補充ポート38も備えている。隔膜40は、注射針(例えば、図7に示されているような針42)によって突き刺され、このような針が取り外されると、自動的に隔膜自体を再封止することができるように構成されている。この種の隔膜は、当業者にはよく知られている。埋込みポンプ20は、限られた期間にわたって患者を薬で治療するようにデザインされているが、空または空に近いときにチャンバ24を補充するために、補充ポート38が利用されることになる。使用時に、医師または他の医局員は、ポンプ20が配置されている患者の体内の領域に注射針42を挿入し、これによって、隔膜40が突き刺されることとなる。その後、針を操作することによって、溶液を針からポート38内に注入し、通路44を通じて、チャンバ24内に送ることになる。具体的なポンプの寸法および/または患者の要求によって、このようなプロセスが、所定の時間間隔、例えば、月に一回または週に一回の割合で繰り返される必要があることに留意されたい。
【0051】
補充ポート38に加えて、ポンプ20は、第2の隔膜48によって覆われた環状リングボーラスポート46も備えている。本質的に、このポートは、溶液を出口カテーテル36と、体の特定の目標領域とに直接注入することを可能にするものである。このポートは、患者が追加的な薬剤またはより強力な薬剤、例えば、単一のボーラス注入を必要とするとき、および/またはカテーテル36の流路を試験することが望まれたとき、特に有効である。このような注入は、補充ポート38内への上述の注入と同じような方法によって行われることになる。しかし、ボーラスポート46内への注入は、通路44と、チャンバ24と、抵抗体32とを迂回し、カテーテル36に直接届くように構成されている。また、体内から流体を引き出すために、ボーラスポート46を利用することも考えられる。例えば、カテーテル36が脊柱の椎骨部に延在するように、ポンプ20が体内に配置されている場合、注射器に接続された針がボーラス部46内に挿入され、髄液がカテーテル36を通って注射器内に引き出されるように、操作される構成であってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、隔膜40,48は、それぞれのポート内に注入するのに特別にデザインされた注射針以外を用いることができないように、位置付けられているとよい。例えば、図7にも示されているように、隔膜48は、ポート46の底部の比較的近くに位置付けられているとよく、隔膜40は、ポート38の底部からより大きく離れて位置付けられているとよい。この実施形態では、注射針42は、その先端部の上方に位置する注入孔(injection eye)43を備えている。代替的に、注射針50は、その先端部またはその近くに位置する注入孔51を備えている。この構成によって、典型的にはチャンバ24に長期供給用の薬液を補充するのに用いられる注射針42が、不注意によってその内容物をボーラスポート46内に注入することに用いられる事態を防ぐことができる。ボーラスポート46の左側に示されているように、もし注射針42が不注意によってこのポート46内に挿入された場合、その孔43が隔膜48によって阻止されることになる。一方、注射針50は、その孔51がより低い位置にあるので、ポート46内に注入することが可能である。これは、重要な安全機能である。なぜなら、ポート46内に長期供給用の薬液が直接注入されると、危険だからである。注射針50は、補充ポート38内にも溶液を注入することができるが、上述したことと同じ問題(すなわち、過剰な薬剤投与)は、チャンバ24の充填に関しては起こらないことに留意されたい。なぜなら、チャンバ内に収容されたこのような薬剤は、緩慢に放出されるからである。これは、ポンプ内への材料の注入に関する有力な安全機能の一例であるが、他の安全予防措置が利用されてもよいことが想定されている。例えば、米国特許第5,575,770号明細書は、付加的な弁保護具を有する同様の多重注射針システムを示唆している。この特許の開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。このような安全針システムは、ここに開示される種々の埋込み式ポンプの実施形態のいずれに関して用いられてもよいことに留意されたい。当業者であれば、このような安全機能を上述の他のポンプデザインに利用するのに、どのような修正が必要であるかを認識していることだろう。
【0053】
他の実施形態では、上述した‘873特許の基本的な埋込み式ポンプのデザインが、用いられてもよい。この特許の明細書において説明されているように、また本出願の図8に示されているように、‘873特許は、2つの部分1,2と、可撓性薄膜3によって分離された2つのチャンバ4,5を有する内部とによって構成されたハウジングを開示している。チャンバ4は、薬液を収容するようにデザインされ、チャンバ5は、ポンプ20の上述の説明で述べたように、体熱によって等圧的に膨張する推進剤を含んでいるとよい。この膨張によって、薄膜3が変位し、チャンバ4内に収容されている薬剤が、出口開口6と、出口減圧手段7と、最後の出口カテーテル8とによって画成される経路を通って、患部に投与されることになる。減圧手段7は、好ましくはハウジングの部分1の周囲に巻き付く菅であるとよい。いくつかの実施形態では、本発明の抵抗体は、出口開口6またはその近くに配置されるとよい。これについては、以下、さらに詳細に説明することにする。
【0054】
出口カテーテル8に達する前に、薬液は、ハウジングの部分1に環状に設けられたチャンバ9内に注入されることとなる。チャンバ9は、その上側がリングまたは隔膜10によって封止されている。隔膜10は、注射針によって突き刺され、その注射針が引き出されると、自動的に再封止するように構成されている。このチャンバは、ポンプ20の上述したボーラスポート46に類似している。チャンバ4からの薬液を出口カテーテル8に通すことに加えて、チャンバ9は、溶液を出口カテーテル8に直接注入することもできる。この直接注入の重要さについては、上述した通りである。上述の出口減圧手段7は、ボーラスポート内に注入された溶液がチャンバ4内に流れることを、阻止するものである。同様に、必要に応じて、チャンバ4は、さらに他の隔膜12を介して補充されてもよい。ここでも、注射針がこの目的に用いられるとよい。
【0055】
埋込み式ポンプの2つの基本的なデザインについて説明したが、異なる構成要素または追加的な構成要素を備える他のデザインも考えられることに留意されたい。同様に、上述の説明は、本発明に利用され得る2つの埋込み式ポンプを示唆しているが、他の埋込み式ポンプのデザインが利用されてもよい。たとえば、米国特許第5,085,656号明細書、第5,336,194号明細書、第5,722,957号明細所、第5,814,019号明細書、第5,766,150号明細書、第5,836,915号明細書、および第6,730,060号明細書が、本発明に従って用いられてもよい。なお、これらの特許の開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。さらに、以下、1つの特定の実施形態について説明することにする。
【0056】
上述したように、埋込み式ポンプの流量を変更する能力が望まれている。上述の定流量型ポンプでは、薬液の流量は、ポンプ圧と、カテーテル端部の圧力と、薬液が通過しなければならない毛細管または他の通路とのいずれかの流体抵抗に依存している。毛細管の抵抗に関して、このような抵抗は、毛細管自体の幾何学的形状および薬液の粘性に依存している。この粘性およびポンプ圧は、いずれも体温による影響を受けるものである。従って、ポンプの流量を制御することが望まれる場合の一例は、患者が発熱した場合である。なぜなら、この場合、注入装置の流量が悪影響を受けるからである。
【0057】
埋込み式ポンプの可変流量が望まれる他の例は、患者の状態、すなわち、活性状態に関連している。例えば、特に、鎮痛剤が投与されている場合、患者が眠っている夜間にはより少ない薬剤を送達すると有効である。加えて、上述したように、患者の症状が悪化したとき、このような鎮痛剤などの投与量を多くすることができると望ましい。患者の痛みの程度を弱めるために、薬液の流量を多くすることが必要である。本発明によれば、上述の抵抗体32は、体温変化による望ましくない流量変化を妨げ、および流量の望ましい調整を可能にし、高ぶった症状または悪化した症状を治療するために、流量を調整することに有効である。
【0058】
第1実施形態では、流量のこの調整は、抵抗体をなす物品の断面形状を調整することによって達成されることになる。以下、ポンプ20に関して、第1実施形態を説明するが、この実施形態は、どのような埋込み式ポンプと組合せて利用されてもよいことに留意されたい。図9〜図15に示されているように、この第1実施形態によれば、抵抗体32は、抵抗体毛細管54内に配置された伸縮性および弾性を有するフィラメント52を備え、抵抗体毛細管54は、出口開口30と出口毛細管34との間を接続している。毛細管54は、出口毛細管34の全体を実質的に構成するように配置されていてもよいし、その一部のみを構成するように配置されていてもよい。本質的に、毛細管54は、上述の薬液が通過することのみを必要とし、従って、流量を変更するのに適したどのような長さであってもよい。
【0059】
図9、図10A、および図10Bは、第1実施形態による抵抗体32の第1の例を示している。この例では、弾性フィラメント52が、抵抗体毛細管54内に同心に配置されている。この構成によって、流体が矢印Fによって示される方向に流れるリング状の流路56が形成されることになる。図10Aに最もよく示されているように、フィラメント52は、静止取付け部60に取付けられた第1の端部58、および可動取付け部64に取付けられた第2の端部62を備えている。抵抗体32は、毛細管入口66から毛細管出口68に延在する有効長さL、および初期の直径D1(すなわち、その半径R1の2倍)も有している。加えて、毛細管54は、直径D3(すなわち、その半径R3の2倍)を有している。これは、ここで説明する種々の他の毛細管の全体に当てはまることになる。
【0060】
この例では、可動取付け部64は、矢印A,Bによって示されている互いに反対の縦方向に移動することができるが、取付け部60は固定されている。作動時に、取付け部64を矢印Bの方向に移動させると、取付け部62,64間の距離が増加して、その結果、初期の直径D1が、小さな直径D2(すなわち、その小さい半径R2の2倍)に減少することとなる。これは、図10Bに最もよく示されている。フィラメント52の直径がD1からD2に減少すると、流路56の大きさが増加し、その結果、毛細管54内の流体抵抗が必然的に減少することとなる。反対に、取付け部64が矢印Aの方向に移動すると、フィラメント52が、図10Aに示される位置に戻り、毛細管54内の流体抵抗が増加することとなる。この種のフィラメントは、シリコーンゴム、または伸長によって変形した後に元の形状および寸法に戻るのに必要な伸縮性および弾性をもたらす他の適切なポリマー材料から構成されているとよい。同様に、フィラメント52は、実質的に円断面を有するように図示されているが、他の断面、例えば、多角形、楕円、正方形などの断面を有するフィラメントが利用されてもよいことが想定される。
【0061】
毛細管54の内径は、通常、極めて小さい(約数千μm)ので、多くの場合、フィラメント52を毛細管の中心に直接配置することが困難である。図11A、図11B、図12A、および図12Bは、弾性フィラメント52が毛細管54の内壁に接触している(すなわち、偏心位置にある)第2の例を示している。この偏心して配置されたフィラメント52は、第1の例のリング状流路とは対照的に、鎌状流路56を形成することになる。この第2の例は、フィラメント52の両端部58,62が、それぞれ、可動取付け部60,64に取付けられている点においても、上述の第1の例と異なっており、このことが有効になっている。なぜなら、作動時に、1つの可動取付け部(または可動取付け部を移動させる機構)が故障する可能性があるからである。この2つの可動取付け部のデザインは、二重安全機構をもたらし、これによって、フィラメント52は、故障のない取付け部の移動によって、伸長することが可能になる。取付け部64は、矢印A,Bによって示されている方向に上述の場合と同様に移動することができ、取付け部60も、矢印A’、B’によって示される方向に移動することができる。
【0062】
作動時に、取付け部60,64のいずれかが方向B’,Bのいずれかに移動することによって、直径D1が小さい直径D2(ここでも、これらの直径は、それぞれ、半径R1,R2の2倍)に減少することになる。この位置は、図12Bに最もよく示されている。上述の第1の例の場合と同じように、フィラメント52の直径がD1からD2に減少することによって、流路56の大きさが増加し、その結果、毛細管54内の流体抵抗が必然的に減少することになる。反対に、取付け部60,64のいずれかが矢印A’,Aのいずれかの方向に移動することによって、フィラメントは、図12Aに示される位置に戻り、毛細管54内の流体抵抗が増加することとなる。
【0063】
第1の例における取付け部64および第2の例における取付け部60,64は、当業者に知られているどのような手段によって移動されてもよい。例えば、マイクロモータのようなモータ、磁石または他の流体圧式、電気式または機械式アクチュエータを利用することがよく知られている。適切なモータアセンブリの一例が、ドイツ、ドルトムンドのエリップテック・レゾナント・アクチュエータ(Elliptec Resonant Actuator)からX15Gの商品名で販売されている。
【0064】
本発明と関連して、剛性壁によって画成された円形菅腔を有する毛細管をデザインすることは、知られている。本質的に、この種の装置は、流路を有する中空管(すなわち、フィラメント52を有していない本発明のデザイン)である。このようなデザインでは、流量は、以下のよく知られているハーゲン−ポアズイユの式を用いて、計算することが可能である。
【0065】
V=(ΔpπR)/(8ηL)
【0066】
ただし、上式におけるV、Δp、η、L、およびRは、以下の通りである。
【0067】
V=流量
【0068】
Δp=毛細管54の入口66と出口68との間の差圧
【0069】
η=流体の粘性
【0070】
L=抵抗体32の有効長さL
【0071】
=抵抗体毛細管54の半径(図9参照)
【0072】
上記の式に示されるように、毛細管の直径のわずかの変化が、流量に顕著な影響をもたらすことになる。しかし、R寸法の変更は、多くの場合、実現することが技術的に極めて困難である。従って、上述したように、本発明のこの第1実施形態によるデザインでは、弾性フィラメント52が、上述したように、抵抗体毛細管54内に組み入れられている。第1実施形態の第1の例(すなわち、同心に配置されたフィラメント52を用いる例)の場合、このデザインの流量を決定するのに、以下の式が用いられるとよい。
【0073】
V={(Δpπ)(R−R(R+R)}/(8ηL)
【0074】
ただし、上式におけるV、Δp、η、L、RおよびRは、以下の通りである。
【0075】
V=流量
【0076】
Δp=毛細管54の入口66と出口68との間の差圧
【0077】
η=流体の粘性
【0078】
L=抵抗体の有効長さL
【0079】
=フィラメント52の半径(図9参照)
【0080】
=抵抗体毛細管54の半径(図9参照)
【0081】
代替的に、第1実施形態の第2の例(すなわち、偏心して配置されたフィラメント52を用いる例)では、このデザインの流量を決定するのに、以下の式が用いられるとよい。
【0082】
V={(Δpπ)(R−R(R+R)2.5}/(8ηL)
【0083】
ただし、上式におけるV、Δp、η、L、RおよびRは、以下の通りである。
【0084】
V=流量
【0085】
Δp=毛細管54の入口66と出口68との間の差圧
【0086】
η=流体の粘性
【0087】
L=抵抗体32の有効長さL
【0088】
=フィラメント52の半径(図9参照)
【0089】
=抵抗体毛細管54の半径(図9参照)
【0090】
上記の式の3つ全てが、流体力学の分野ではよく知られている。さらに、図10A,12Aに最もよく示されるように、抵抗体32の有効長さLは、毛細管54の長さに対応しているが、この有効長さは、さらに具体的に述べれば、フィラメント52が内在している毛細管54の長さに関連していることに留意されたい。従って、上記の式に用いられる有効長さLは、もしフィラメント52が毛細管54の長さよりも短い長さを有しているのであれば、毛細管54の長さより短くてもよい。これらの式は、円形断面を有する毛細管およびフィラメントが使用される場合に適用されることに留意されたい。他の実施形態では、異なる形状の毛細管およびフィラメントが利用されてもよい。これらの実施形態では、別の式を用いなければならない。
【0091】
第2の式によって明らかなように、図11Aに示されているように、フィラメント52を毛細管54の中心からずらした位置に配置することによって、流量を2.5倍変化させることが可能である。従って、流量をこのような比率で変化させることが望まれる用途では、フィラメント52を、(図9に示されているような)第1の例において示唆される中心位置から(図11Aに示されているような)第2の例で示唆される偏心位置に、単に移動させればよいことになる。しかし、多くの場合、流量を25倍以上に変化させることが、概して望まれている。このような流量変化を達成するには、オフセット位置にある上述したような弾性フィラメント52を利用するとよい。フィラメント52をオフセット位置に保持することを確実にするには、一般的に、湾曲した毛細管54が用いられることになる。図11Bに示されているように、フィラメント52は、毛細管54の湾曲によって、毛細管54内に偏心して配置されている。フィラメント52は、概して伸縮性および弾性を有しているので、毛細管54のどのような湾曲にも容易に従うことになる。
【0092】
弾性フィラメント52の直径変化の実際的な範囲は、おおよそ、その元の大きさからその元の大きさの約70%(すなわち、1:0.7の比率)である。以下は、偏心して配置されたフィラメント52に関する上記の式を用いて、計算したものである。例えば、フィラメント52の初期半径R1が、毛細管54の半径R3の約80%(すなわち、0.8:1の比率)とされ、フィラメント52の最大伸びによって、毛細管54の半径R3の略56%(すなわち、0.56:1の比率)の半径R2に変化した場合、非伸長状態と最大伸長状態との間の流量の比率は、約9.20:1、と計算されている。フィラメント52の初期半径R1が、毛細管54の半径R3の約85%(すなわち、0.85:1の比率)とされ、フィラメント52の最大伸びによって、毛細管54の半径R3の約59.5%(すなわち、0.595:1の比率)である半径R2に変化した場合、非伸長状態と最大伸長状態との間の流量の比率は、約17.00:1と計算されている。最後に、フィラメント52の初期半径R1が、毛細管54の半径R2の約90%(すなわち、0.9:1の比率)とされ、フィラメント52の最大伸びによって、毛細管54の半径R3の約63%(すなわち、0.63:1の比率)の半径R2に変化する場合、非伸長状態と最大伸長状態との間の流量は、約43.46:1と計算されている。従って、毛細管54の全半径R3の約85%と90%との間の半径R1を有するフィラメント52を用いることによって、約25倍の流量変化をもたらすことになるだろう。上述の説明から、流量抵抗体の周知の幾何学的形状に基づく所望の流量変化を計算することができる。
【0093】
本発明の第1実施形態の第3の例が、図13に示されている。この例は、中心壁155によって2つの領域に分割た毛細管154を備えている。流体は、流体流れの矢印Fによって示されるように、入口166内に流入し、出口168から流出することによって、毛細管154内を流れることができる。弾性フィラメント152は、その両端部が取付点160,164に取付けられ、その略中心部が磁性要素170の周囲に巻き付けられている。反発する磁力が、同様の極性を有する対応する磁気的相手側部172によって、磁気要素170に伝達されることになる。従って、相手側部172の移動によって、磁気要素170の同様の移動が生じることになる。相手側部172は、密封されたハウジング174などの内に配置されているとよい。上述した例におけるものと同じように、矢印Bによって示される方向における磁気要素の移動によって、フィラメント152の直径が減少し、これによって、流量が増加することになる。同様に、矢印Aによって示される方向における磁気要素170の移動によって、流量が減少することになる。この2つの領域を有するデザインは、流量を変更することに用いられる2つの毛細管−フィラメント関係を含んでいることに留意されたい。従って、毛細管およびフィラメントの両方が円形断面を有する場合、このシステムによってもたらされる全流体抵抗を決定するには、上述の式による2つの個別の計算が行われねばならない。
【0094】
さらに、第1実施形態のこの第3の例によれば、磁気要素170および磁気相手側部172は、互いに引き付けられるように逆極性化されてもよいことが想定されている。この種のデザインでは、相手側部172を磁気要素170に近くなる方向に移動させることによって、磁気要素と相手側部との間の誘引力を大きくすることができる。従って、もし相手側部172が、(図13に示されているのと対照的に)、磁気要素170の下方に配置されている場合、相手側部172が磁気要素170に向かって移動すると、2つの部品間の磁気的誘引力が増加し、必然的に、磁気要素170が矢印Bによって示される方向に移動することになる。上述したように、これによって、フィラメント152が延び、同時に、その直径が減少することになる。従って、これは、1つの代替的デザインを構成することになる。同様に、上述した2つの磁石の形態ではなく、単一の磁気部品に対して対応する金属部品を設けることも可能である。明らかに、よく理解されているように、このような部品は、互いに引き付けられることになる。従って、この磁石/金属構成は、上述の逆極性の磁気形態と同じように機能することになる。しかし、磁気部品の極性、並びに/または金属要素およびその対応する磁気要素の配置に依存して、種々の構成が考えられることを理解されたい。例えば、フィラメント152が金属要素の周囲に巻き付けられ、磁気部品がハウジング174内に配置されてもよいし、またはその逆であってもよい。
【0095】
本発明の第1実施形態の第4の例が図14に示されている。この例は、弾性フィラメント252を備えている。弾性フィラメント252は、一端部が取付け部260に取付けられ、他端部が軸276の周囲に巻き付けられている。ここでも、流体は、入口266から毛細管254に流入し、出口268から流出することになる。流体の流れ方向は、ここでも、矢印Fによって示されている。矢印Wによって示されている方向(すなわち、反時計方向)における軸276の回転によって、フィラメント252が延び、その直径が減少することになる。これによって、毛細管254を通る流量が増加することになる。代替的に、時計方向における軸276の回転によって、反対の効果が生じることとなる。上述したように、フィラメント252およびフィラメント254が円形断面を有している場合、システムの流体抵抗を計算するのに、上記の式を利用することができる。軸276は、図15に示されるように、減速歯車駆動アセンブリ280を介して、マイクロモータによって直接駆動されるとよい。
【0096】
軸276を駆動するために他の手段が利用されてもよいが、以下、上述した減速歯車駆動アセンブリ280について説明することにする。図15に示されているように、アセンブリ280は、密封筺体274から軸276への回転運動の伝達に対する解決策をもたらしている。アセンブリ280は、モータ282を備えている。モータ282の動力は、歯車駆動装置284によって増強され、ディスク286に伝達されることになる。ディスク286は、シャフト288を備えている。シャフト288は、好ましくは、ディスク286の面に対して90°未満の角度で配置されている。シャフト288は、密封筺体274の円筒部290内に延在している。さらに、シャフト288は、円筒部290内において、軸受292を介して支持されている。最終的に、円筒部290は、弾性接続部294によって筺体274に接続され、プッシャー板296を介して力を伝達し、軸276を回転させることができる。本質的に、ディスク286とシャフト288との間および円筒部290とプッシャー板296との間のそれぞれの接続部が偏っている特性が、筺体274と円筒部290との間の接続部が弾性を有している特性と組み合わさって、軸276を回転させることが可能になる。モータを異なる方向に作動させることによって、軸を時計方向または反時計方向に回転させることができることに留意されたい。
【0097】
歯車駆動アセンブリ280は、比較的小さいまたは弱いモータによって軸276を駆動することに有利である。モータをより有効に利用するために、歯車アセンブリを設けることは、よく知られている。しかし、本発明と共に用いられるのに適するどのような周知の歯車アセンブリが用いられてもよい。さらに、軸276を直接回転することができる適切なモータが用いられることも考えられる。本質的に、このようなデザインでは、軸276は、モータの駆動シャフトの延長部である。
【0098】
この第1実施形態に関して述べた例のいずれも、異なる構成要素、追加的な構成要素、またはより少ない構成要素を備えていてもよい。このような変更は、当業者によって理解されることであろう。例えば、種々の弾性フィラメントは、実質的に円形の断面を有して図示されているが、どのような形状の断面を備えていてもよいことが想定されている。同様に、上記のフィラメントは、実質的に直線状に示されているが、湾曲した毛細管と関連して用いられてもよい。加えて、第1実施形態に記述された本発明は、どのような周知の埋込み式ポンプと共に利用されてもよいことを理解されたい。特定のポンプのデザインには、ポンプと共に作動するように特別に構成され、かつ寸法を決定された抵抗体を用いることが必要である。このようなデザインの条件は、当業者には明らかである。
【0099】
第2実施形態では、流量の調整は、抵抗体32として用いられ、かつ互いに螺合されている1対の円筒体を設けることによって、実現されることになる。ここでも、第2実施形態は、ポンプ20に関連して説明するが、どのような埋込み式ポンプと組合せて用いられてもよい。図16および図17に示されているように、この第2実施形態によれば、抵抗体32は、中空内部304とネジ付き外面306とを有する第1のネジ付き部材302を備えている。この第1のネジ付き部材302は、第2のネジ付き部材308に配置されている。第2のネジ付き部材308は、ネジ付き内面310と閉端部312とを有する逆形状の中空部材である。第1のネジ付き部材302と第2のネジ付き部材308との間の相互螺合によって、第1の部材は、種々のレベルで第2の部材に配置され、これによって、これらの2つの部材の重なりを異ならせることができる。例えば、図16は、第2の部材内に実質的に配置されている第1の部材を示し、図17は、第2の部材内に部分的にしか配置されていない第1の部材を示している。
【0100】
この第2実施形態の作動について述べると、流体が、矢印314によって示されている方向において、中空内部304内に注入されることになる。流体の流れによって生じた圧力が十分に高まると、第2の部材308の閉端部312のデザインによって、流体が、(図17に最もよく示されているように)、矢印315によって示されている方向に押し出され、2つの部材320,308の螺合する形態によって画成された流路内を通ることになる。この場合、2つの螺合部の重なりの程度によって、流体抵抗、従って、流体の流量が決定されることになる。従って、図16に示されている大きい重なりの場合、図17に示されている小さい重なりの場合よりも、流量が少なくなる。にもかかわらず、流体は、最終的には、矢印316によって示されているように、この抵抗体のデザインから現れることになる。本発明のこの実施形態による他の例では、2つの部材の形状は、特定の螺合デザインを用いることによって、変更されてもよいことが想定されている。
【0101】
第3実施形態においては、流量の調整は、抵抗体の断面形状を調整することによって、実現されることになる。しかし、フィラメント52の直径を減少させるようにフィラメント52を延ばすことによって断面形状を調整する上述の第1実施形態と異なり、この第3実施形態においては、菅402の内圧を変化させることによって、管402の断面形状を変化させている。ここでも、第3実施形態は、ポンプ20に関して説明するが、どのような埋込み式ポンプと組合せて利用されてもよい。図18〜図20に示されているように、この第3実施形態によれば、抵抗体32は、毛細管404内に配置された弾性管状要素402を備えている。図20に最もよく示されているように、管状要素402は、毛細管404を貫通し、その両端部がシール要素406,408によって取付けられている。図18および図20に示されるように、管状要素402は、毛細管404を通るリング状流路410を画成するように配置されている。しかし、上述の第1実施形態と同じように、菅は、偏心して配置されているとよく、これによって、図19に示されているように、鎌状流路410を形成することになる。
【0102】
作動時に、流体は、矢印Fによって示されている方向に流れ、入口412から出口414までの流路を通ることとなる。ここでも、抵抗体の有効長さは、菅402および毛細管404が重なっている部分に沿って延びるように構成されている。管状要素402の直径は、その内圧P1に依存している。従って、流体の流量は、菅402の内側に対する増圧または減圧によって影響されることになる。圧力が上昇すると、管の外径が増し、流量を減少させる効果が生じる。同様に、圧力が低下すると、管の外径が減少し、流量が増加することになる。管状要素402は、特定の静止直径(すなわち、圧力が加えられていない状態の直径)を有していることに留意されたい。この第3実施形態のデザインには、第1実施形態に関して上述した流量計算が適用されることになる。具体的に、図19に示されるデザインでは、毛細管404の全内径の約85%から90%の間の直径を有する管を調整することによって、埋込み式ポンプの所望比である1:25の略流量変化が得られている。しかし、この第3実施形態の作動は、第1実施形態の作動と実質的に反対であることを理解されたい。明らかに、この第3実施形態においては、作動は、管402の直径を、静止直径から減少させるのではなく、静止直径から増加させることを意図している。従って、菅402の作動は、システムを流量が大きい状態から流量が小さい状態に移行させることになる。これは、第1実施形態とは逆である。
【0103】
管状要素402の内側への圧力を増加かつ低下させるのに適するどのような手段が利用されてもよい。例えば、ピストンアセンブリまたはベローズアセンブリを利用することが考えられるし、または化学反応によって差圧を生じさせることも考えられる。
【0104】
第4実施形態では、断面が縦方向に変化している挿入物502を設けることによって、流量の調整が実現されることとなる。この挿入物504を毛細管504の長軸に沿って移動させることによって、抵抗体32の流体抵抗を変化させることになる。ここでも、第4実施形態は、ポンプ20に関して説明するが、どのような埋込み式ポンプと組合せて利用されてもよい。図21〜図24に示されているように、この第4実施形態によれば、抵抗体32は、毛細管504内に配置された上述の挿入物502を備えている。この第4実施形態の一例では、図21および図23に示されるように、挿入物502は、円錐形状を有し、毛細管504の中心に配置されている。従って、挿入物502の断面は、その長軸に沿って変化し、この構造がリング状の流路506を形成している。この挿入物は、その両端部が2つの可動ピストン状の取付け部508,510に取付けられている。しかし、図23および図24には、他の例が示されている。この例では、挿入物502は、偏心して配置され、これによって、鎌状流路506が生じている。この例では、挿入物502の両端部は、2つの移動可能な取付部512,514に取付けられている。
【0105】
上記の2つの例の作動時に、流体は、矢印Fによって示されている方向に流れ、入口516から出口518までの(すなわち、上述の有効長さの)流路を通ることになる。流量に関する上述の式は、必ずしもこの実施形態には適用されないが、挿入物502を毛細管504の軸の方向に移動させることによって、流路506の幅が変化し得ることは、明らかである。例えば、図23に示されているように、挿入物502を矢印Aによって示される方向に移動させることによって、流路506の幅が減少し、これによって、流体の流量が減少することになる。代替としては、挿入物502を矢印Bによって示される方向に移動させることによって、流路506の幅が増し、これによって、流体の流量が増加することになる。
【0106】
挿入物502の移動は、用いられるデザインの種類に依存して、種々の手法によって達成されることに留意されたい。例えば、図23に示されるように、ピストン状取付け部508,510は、好ましくは、適切な圧力をこれらの取付け部508,510に加えることによって、移動されるとよい。しかし、図24に示されるように、流体圧源、電源、または機械的駆動源などの駆動源から機械的な力を加えることによって移動する移動可能な取付部512,514が利用されてもよい。挿入物502に運動をもたらす種々の手段、例えば、ここで説明した手段および当業者によく知られている他の手段が、用いられてもよい。例えば、ここでも、磁気力を用いて、挿入物502を移動させてもよい。最後に、挿入物502は、図示されているように、実質的に滑らかな縦方向の面となるように変化する断面を備えていてもよいし、またはいくつかの非一致断面部分から構成されていてもよい。後者の構成によれば、いくつかの異なる段付き部を有する挿入物が得られることになる。従って、比較的大きい断面の第1の部分を毛細管504内で移動させることによって、流量を最も低減させることができ、より小さい断面の第2の部分を毛細管504内で移動させることによって、流量を増加させることができる。
【0107】
第5実施形態では、流量の調整は、電気活性ポリマー(EAP)から構成される挿入物の断面形状を調整することによって、達成されることになる。例えば、このような挿入物は、ポリアニリン、ポリピロールなどから構成されているとよい。この種の材料は、人工筋肉としても、当該技術分野において知られている。本質的に、このEAP挿入物に電圧を印加することによって、EAP挿入物の直径を変化させることができる、この第5実施形態によれば、このようなEAP挿入物に印加される電圧は、約0〜2ボルトであるとよいが、7ボルトに至る高電圧であってもよい。ここでも、第5実施形態は、ポンプ20に関して説明するが、どのような埋込み式ポンプと組合せて用いられてもよい。図25〜図28に示されるように、この第5実施形態によれば、抵抗体32は、毛細管604内に配置されているEAPから構成された挿入物602を備えている。図25および図27は、挿入物602が毛細管604の中心に配置されている第1の例を示し、図26および図28は、挿入物602が毛細管604内に偏心して配置されている第2の例を示している。さらに、第1の例の挿入物602は、一端部が静止取付け部608に取付けられ、他端部が可動取付け部610に取付けられている。一方、第2の例の挿入物602は、両端部が移動可能な取付部612,614に取付けられている。
【0108】
上記の2つの例における作動時に、流体は、矢印Fによって示されている方向に流れ、入口616から出口618までの(すなわち、有効長さの)流路を通ることになる。流路606の幅は、挿入物602の両端部間の電圧を変化させることによって、調節可能である。このように電圧を加えることによって、挿入物602を延ばし、これによって、その直径を減少させることになる。本質的に、この第5実施形態によれば、挿入物602は、電極として作用し、毛細管604は、対向電極として作用することになる。何度も説明したように、挿入物602と同様の挿入物の直径が減少すると、毛細管604内の流体抵抗が必然的に減少し、流体の流量が増加することになる。それぞれが円形断面を有する挿入物602および毛細管604を利用しているこの第5実施形態の例に用いられる適切な大きさの挿入物602を決定するのに、上述の第1実施形態に関連する計算が有用であることに留意されたい。
【0109】
本発明による抵抗体32の種々の実施形態は、埋込み式ポンプの徐放チャンバ内に収容される流体が抵抗体を強制的に通過するように、配置されるべきである。この構成によって、埋込み式ポンプは、その通常の形態では、抵抗体32によって流体の流量を制御しながら、作動することが可能になる。しかし、好ましい構造では、ボーラスポートなどへの注入が抵抗体内を強制的に通過しないように、抵抗体32を配置している。ボーラス注入の流量を制御することは、通常、必要とされていない。むしろ、このような注入は、薬液を迅速に直接投与することが意図されていることが多い。例えば、図7に示されているように、抵抗体32は、チャンバ24から流れる流体を保持するが、ボーラスポート46内に直接注入された流体を保持しないように、配置されている。しかし、他の構造も考えられる。さらに、埋込み式ポンプが髄液を引き出すのに用いられる場合、このような髄液が抵抗体32内を強制的に通過しないようにすることも考えられる。図7のポンプにおいて、髄液の引出しは、ボーラスポート46を通して行われている。従って、この髄液は、抵抗体を通過することが強いられないことになる。
【0110】
上述の実施形態の各々に対して、薬液の流量を選択的に変更する制御機構を設けることが考えられる。多くの異なるこのような機構は、周知であり、患者の体内に移植される埋込み式装置と共に広く利用されている。例えば、先行技術の装置によれば、専用の配線で接続された制御装置または赤外線制御装置などを利用することが可能であることが明らかにされている。これらの制御装置は、本発明に従って、モータのような種々の要素を制御するために、および薬液の流量を選択的に変更するために用いられてもよい。米国特許第6,589,205号(‘205特許)明細書は、無線外部制御装置の使用を示唆している。この特許の開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。‘205特許において述べられているように、このような無線制御信号は、ポンプに誘導結合されたRF電力信号の変調によって得られている。‘205特許は、米国特許第5,876,425号明細書を参照によって含んでいるが、この特許の開示内容は、参照することによって、ここにも含まれるものとする。この特許は、前方遠隔測定または情報指示およびプログラミング指示の交換に対するこのような1つの使用例を示唆している。これは、ポンプを制御するために、および流量に影響を及ぼすために変化する種々の上述の構成要素を制御するために、本発明と共に用いられてもよい。しかし、同様の外部制御装置が用いられてもよいことに留意されたい。このような制御装置は、無線によって(例えば、IR、RF、または他に周波数によって)、制御信号を送信することができ、または患者の皮膚の表面またはその近くに配置されたリード線に配線され、これによって、制御信号を送信することもできる。さらに、本発明によるポンプは、不注意による信号伝送またはポンプの不適切なプログラミングを防止するために、安全装置を備えていてもよい。例えば、本発明は、ポンプを制御するのに用いられるソフトウエアまたはハードウエアまたは安全目的のためにのみ特定されたソフトウエアまたはハードウエアによって点検されることになる保護プリアンブルコードまたは暗号信号を利用することができる。このプリアンブルコードは、ポンプから流出する流体の流量が、外側の無関係な遠隔制御装置または遠隔制御信号によって、または他の同様のポンプ制御装置によって、不用意に変更されるのを防止することになる。他の安全予防措置、例えば、パスワード、ハードウエアキーまたはソフトウエアキー、暗号、多重確認要求または多重確認手順などが、ポンプのプログラミングに用いられるソフトウエアまたはハードウエアに用いられてもよい。
【0111】
流量を変化させるために用いられるモータおよび制御可能に変位可能な構成要素を制御するために、本発明と共に用いられ得る電子機器および制御論理回路として、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、トランスデューサなどが挙げられる。これらは、埋込み式ポンプと共に体内に配置されもよいし、または埋込み式ポンプ内に配置されてもよいし、および/またはポンプを制御するためにポンププログラミング情報を送信する任意の外部プログラマ装置と共に対外に配置されてもよい。例えば、ポンプのプログラミングを可能にするどのような外部プログラマ装置が用いられてもよい。電子機器は、種々の試験および状態の点検を行うために、さらにポンプの作動に関する情報または種々のトランスデューサによって検出された他の生理学的情報を記憶するために、用いられてもよい。
【0112】
外部プログラマ装置は、例えば、制御を皮膚の表面またはその下に配置された制御ボタンまたは制御スイッチなどを介して行うことができるように、必要な論理回路および電子機器を体内またはその近くまたは埋込み式ポンプ内に内蔵させることによって、排除されてもよい。もちろん、プログラミングの不用意な変更を回避するために、(確認ボタンを押す順序のような)必要な予防措置を取る必要がある。
【0113】
以下、上述した本発明の小型化デザインと共に、上述した本発明の無段可変デザインを含む特定の埋込み式ポンプ700について、説明することにする。本質的に、ポンプ700は、いくつかの新規の特性を有する埋込み式ポンプである。これらの特性は、ポンプの相対的な小型化および容易な組立の両方を可能にするものである。加えて、ポンプ700は、上述の抵抗体32のデザインの1つを特定の実施形態内に組み込んでいる。ポンプ700は、確かに本発明によって用いられる1つの好ましい実施形態であるが、このポンプは、多くの異なる構成において上述した抵抗体32のデザインの各々を含むように、修正され得ることが明確に理解されるべきである。
【0114】
図29および図30に示されるように、ポンプ700は、上部702および下部704から構成されたハウジングを備えている。これらのハウジングの部分は、好ましくは、強靭なポリマー材料、例えば、英国のインビビオ(Invibio)社からPEEK(登録商標)の商品名で販売されるポリエーテルエーテルケトン(Polyethererehterketone)から構成されている。他の適切な生体適合性材料が用いられてもよい。にもかかわらず、複雑なダブルクリンチ(double−clinch)組立または溶接プロセスなどを用いることなく安全に組立てられる2部品ハウジングを形成するには、上記の特定の材料が選択されるべきである。体内、特に、過量な薬剤溶液を収容している体内に挿入されるどのような装置の構造においても、安全性は、明らかに極めて重要な問題である。これまで、埋込み式ポンプのハウジングは、金属材料またはポリマー材料のいずれかから構成され、金属材料の場合、ハウジングの部分を一緒に取付けるために溶接プロセスが用いられ、ポリマー材料の場合、ハウジングの部分を一緒に取付けるために複雑なクリンチ組立が用いられていた。例えば、金属ポンプは、通常、ポンプハウジングの2つの金属半体を一緒に溶接することによって、構成されている。同様に、共有の米国特許第5,814,019号明細書および第5,836,915号明細書に示唆されているように、ポリマーポンプのハウジング半体を安全に取付けるために、ダブルクリンチ組立が、既に提案されている。
【0115】
本発明によれば、PEEKのような材料を用いることによって、複雑な取付け手順のいずれを用いることもなく、ポリマー製のポンプハウジングを組み立てることが可能になることが見出されている。このような副次的な要素をなくすことによって、ポンプ700の大きさを小さくすることができる。例えば、上述のダブルクリンチ安全機構をなくすことによって、ポンプ700の全幅を短くすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、これによって、ポンプの全重量、および組立に必要な複雑さのレベルを低減することもできる。図29に示されているように、ポンプ700のハウジングの部分702,704は、PEEK樹脂によって構成され、簡単にネジ止めすることができるようにデザインされている。さらに詳細には、部分702は、部分704の雄ネジ面705を受け入れる雌ネジ付き延長部703を備えている。いくつかの実施形態では、ネジによる接続に加えて、膠または他の接着剤の層が、部分702,704間の接続部に施されていてもよい。接着剤をこのように施すことによって、2つの部分が不用意に離脱しないことをさらに確実にできる。他のより複雑でない取付け方法が用いられることも考えられる。例えば、部分702,704間のネジによる接続に加えて、単一のクリンチ接続が用いられてもよい。この種の取付けでは、2つの部分は、一緒にスナップ嵌合して2つの部分を一緒に固着させるようにデザインされた構成要素を備えているとよい。
【0116】
上述の包括的ポンプ20のデザインと同様に、埋込み式ポンプ700は、可撓性薄膜728によって分離された2つのチャンバ724,726を有する内部をさらに備えている。チャンバ724は、薬液のような活性物質を収容するようにデザインされ、チャンバ726は、一定の体熱によって等圧的に膨張する推進剤を収容するようにデザインされている。上述の包括的なポンプ20と同様に、ポンプ700内の推進剤の膨張によって、薄膜728が変位し、チャンバ724内に収容されている薬液が、出口開口730(図30)と、円筒状凹部764と、抵抗体732(図31)と、円筒状凹部766(図29)と、出口ダクト734と、最後の出口カテーテル736とによって画成している経路を通って、患者の体内に投与されることになる。また、ポンプ20と同様に、ポンプ700は、第1の隔膜740によって覆われた補充ポート738と、第2のリング状隔膜748によって覆われた環状リングボーラスポート746とをさらに備えている。これらのポートの有用性は、ポンプ20のポートの有用性と実質的に同じである。例えば、通路744は、補充ポート738内に注入された流体がチャンバ724内に注入可能とするものである。加えて、ポンプ20と同じように、特別にデザインされた注入針およびそれに対応して配置された隔膜が、上述したように、安全性を高めるために用いられることも想定されている。
【0117】
上述のポンプ20とは違って、ポンプ700は、部分702の波状内面707と協働する同じような波形状の薄膜728を備えている。図29および図30に最もよく示されているように、部分702の内面707は、チャンバ724の上面として機能する波面を有し、薄膜724は、チャンバ724の下面として機能し、対応する波面を有している。チャンバ724が空のとき、薄膜724は、同様の形状を有する内面707に同一面をなして合わさっている。これは、図29に最もよく示されている。しかし、流体がチャンバ724内に注入されると、薄膜728は、湾曲し、チャンバ724の膨張を可能にする。これは、図30に最もよく示されている。薄膜728と、部分702の内面707のこの波形状とによって、補充ポート738および隔膜740をポンプの高さに関してより低い位置に配置することができる。本質的に、内面707および薄膜728の両方の中心部は、部分738および隔膜740をより低く設置できるような凸形状を有している。同時に、この中心部の左右の部分は、拡大され、実質的に凹形状を有している。これによって、チャンバ724の全容積を、周知の埋込み式ポンプと比較して、実質的に同様に維持することができる。ポンプ700の作動も、推進剤によって駆動される先行技術の埋込み式ポンプと実質的に同様である。図29および図30に示されるこの特定の波形状(すなわち、2つの凹状部または高い部分が両側に位置する凸状部または低い部分を有する形状)は、1つの適切な実施形態であるが、他の実施形態も考えられる。例えば、多数の凹状部および/または多数の凸状部を有するように互いに対応して形成される内面および薄膜を備えた他のポンプも考えられる。
【0118】
ポンプ700内の抵抗体732の特定の構造および協働関係が、図29〜図31に詳細に示されている。この特定の実施形態に示されている抵抗体は、上述の第1実施形態に類似している。図31に最もよく示されているように、抵抗体732は、毛細管754内に位置する伸縮性および弾性を有するフィラメント752を備えている。フィラメント752は、毛細管754を貫通し、その両端部が2つのスプール760,762に取付けられている。スプール760は、部分702の開口730と流体連通している円筒状凹部764内に位置し、スプール762は、部分702の円筒状凹部766内に位置している。凹部764は、出口開口730、従って、(図30に最もよく示されている)チャンバ724に流体連通している。同様に、凹部766は、出口ダクト734、従って、(図29に最もよく示されている)出口カテーテル736に流体連通している。その結果、流体は、チャンバ724から抵抗体732を通って、カテーテル736から流出し、体内の目標部位に至ることになる。
【0119】
図31に最もよく示されているように、毛細管754は、好ましくは、フィラメント752を、その片側に押し付けるように湾曲している。スプール760,762は、フィラメント752をその周囲に巻き付け、これによって、その断面を変化させることに適するように構成されている。さらに詳細にすでに述べたように、この断面の変化によって、毛細管754内を通る流体の流量が変化することになる。図29〜図31に示される実施形態では、スプール760は、取付位置に保持されるのに適するように構成され、スプール762は、回転に適するように構成されている。しかし、他の実施形態では、両スプールが、回転に適するように構成されていてもよい。図29の断面図に最もよく示されているように、スプール762は、いくつかの作動部品に機械的に連結されている。例えば、スプール762は、軸770を介してホイール772に連結されている。ホイール772を回転させるために、上述のX15Gのモータと同様のモータ774が設けられている。軸受776などが、軸770を案内し、軸770に滑らかな運動をもたらすことによって、軸770の回転を促すように構成されているとよい。図面に示される実施形態においては、モータ774は、電気エネルギーを受け、かつ電子ユニット778によって制御されるように構成されている。電子ユニット778は、上述したように体内または体外のいずれかから制御されてもよい。
【0120】
上述した作動部品は、図29に最もよく示される特定の協働関係を保って、ポンプ700内で一緒に保持されている。本質的に、リング状隔膜748および弾性要素780は、これらの作動部品をポンプ700に留めるようにデザインされている。作動要素は、好ましくは、スプール762と、軸770と、ホイール772と、モータ774と、軸受776と、電子ユニット778とを含む単一モジュールとして収容されるとよい。組立中、このモジュールは、その片側をリング状隔膜748に当接させるように、ポンプ700の凹部内に配置されることとなる。モジュールが適所に配置されると、隔膜740を保持するホルダー782をポンプ700の部分702にねじ込むことによって、隔膜740が、部分702に取付けられ、これによって、ネジ接続部783を形成することとなる。ホルダー782は、好ましくは、部分702,704と同様のPEEK樹脂から形成されている。他の取付け方法、例えば、接着剤による方法、または接着剤とネジ山の組合せによる方法が用いられることも考えられる。弾性材料のリング780が、好ましくは、ホルダー782と電子ユニット778との間に配置され、これらの協働関係によって、上述のモジュールが、隔膜748とリング780との間に保持されることになる。本質的に、モジュールの片側は、隔膜748と協働するように(すなわち、湾曲して協働するように)デザインされ、モジュールの他の側は、リング780と協働するように(すなわち、傾斜して協働するように)デザインされている。従って、完全に組み立てられた状態では、作動部品のモジュールは、本質的に、摩擦によってポンプ700に取付けられていることになる。
【0121】
図29〜図31に示されている特定の実施形態は、可変流量型ポンプから定流量型ポンプへの容易な変換も可能にするものである。使用時に、ポンプの製造業者またはユーザは、作動部品の上述のモジュールを簡単に取り外すことができる。スペーサまたは挿入物などが、モジュールの取外し後にポンプ700のハウジングに生じた空洞内に挿入されるとよい。フィラメント752も、毛細管754から取り外され、ガラスのような材料から構成された(図示されない)小さい菅と取り換えられるとよい。この菅は、好ましくは、毛細管754内へのすべり嵌めが可能となるように、毛細管754の内径よりもわずかに小さな外径を有している。さらに、この菅は、どのような適切な内径を有していてもよいが、特定の内径が毛細管754を通る流体の流量に影響を与えることに留意されたい。従って、望まれる一定流量に依存して、適切な内径を有する特定の菅が選択されるべきである。最後に、この菅は、毛細管754の好ましい湾曲形状に適合可能とすべきである。ポンプ700にこれらの単純な変更を施すことによって、比較的安価な定流量型ポンプが製造されることになる。この簡単な変更においては、ポンプ700の大部分の部品を、どのような変更を必要とすることもなく用いることができる。これは、ポンプデザインを変更するのに、新しい金型などを必要としないので有益である。
【0122】
さらに好ましい実施形態による埋込み式ポンプが、図32〜図34に示され、参照番号800で表わされている。ポンプ800は、上述の埋込み式ポンプと事実的に同様であり、ポンプからの薬剤の流量を変更するように作動する抵抗体または絞りモジュールを用いるようにデザインされている。以下、ポンプ800と共に用いられる絞りモジュールについて、さらに十分に説明することにする。ポンプ800は、いくらか異なる構造、およびいくつかの追加的部品および/または異なる部品を用いているが、それ自体、上述したポンプ700と同様に作動するように構成されている。ポンプ700とポンプ800との間にいくつかの違いがあり、および/または構成要素が追加されているので、ポンプ800の同様の部品および/または構造に、ポンプ700の対応する部品および/または構造の参照番号が付されていない。
【0123】
図32〜図34に示されているように、ポンプ800は、ハウジングの上部をなす上部801、および下部802を備えている。下部802は、好ましくは、上部801にねじ込まれ、上述した他の実施形態におけるものと同じように、これらの2つの部分間に薄膜803を保持するようにデザインされている。しかし、ポンプ800では、(図41に最もよく示されている)第2の薄膜803aが設けられ、好ましくは、薄膜803と協働してポケットまたはバルーンを形成するように構成されている。換言すれば、薄膜803は、ポケットの上側バリアを形成し、薄膜803aは、本質的に下部802に適合するポケットの下側バリアを形成している。上部801は、絞りモジュールを受け入れる上面804と、(図33および図34の断面図に最もよく示されている)上側チャンバまたは薬剤チャンバ806の上部を画成する下面805とを備えている。下部802は、下側チャンバまたは推進剤チャンバ808の下部を画成する(または薄膜803によって形成されたポケットが隣接する)上面807を備えている。加えて、ポンプ800は、例えば、上述のポンプ700内に含まれている他の要素のいくつか、例えば、第1の隔膜810によって覆われた補充ポート809および第2のリング状隔膜812によって覆われたリングボーラスポート811も備えている。上部801の上面804は、ネジ814a,814bをそれぞれ受け入れる2つの挿通孔813a,813bと、肩部816を形成する直立した円形リング延長部815と、薬剤チャンバ806からの出口開口817と、薬剤をポンプ800内に戻すための入口開口818とをさらに備えている。なお、入口開口818からポンプ800内に戻された薬剤は、以下に述べる方法によって、最終的に出口ダクト819に供給され、次いで、患者の目標地点に送られることになる。
【0124】
ポンプ800は、ポンプ700および上述した他の小型化された埋込み式ポンプの場合と同様のチャンバおよび/または薄膜のデザインを、以下に述べる改良された可変流量アセンブリと共に用いていることに留意されたい。ポンプ800のチャンバおよび/または薄膜のデザインは、ここで説明した他の実施形態のポンプとデザインおよび機能性が類似しているのみならず、ここで説明した他の埋込み式ポンプに関して考えられるチャンバおよび/または薄膜のデザインの変更例のいずれも含むことができる。
【0125】
ポンプ800は、好ましくは、1つまたは複数の絞りモジュールと関連して作動され、埋込み式注入ポンプシステムを形成するように、デザインされている。図35〜図45は、ポンプ800を第1の絞りモジュール820と共に示している。絞りモジュール820は、好ましくは、(ネジ814a,814bによって)、上部801に着脱可能に連結されて構成されており、ポンプ800から供給される活性物質の流量を変更することに利用されるいくつかの構成要素を備えている。さらに詳細には、絞りモジュール820は、固体(solid)材料、例えば、上述のPEEK樹脂のようなポリマー材料内に包囲または封入された、いくつかの構成要素を有する独立したコンポーネントである。このことに関連して、上部802、下部802、およびモジュール820の各々は、同様の材料から構成されていてもよいし、またはこれらのコンポーネントのいくつかは、異なる材料から構成されていてもよいことに留意されたい。モジュールは、好ましくは、隔膜810へのアクセスを可能にするための中心開口を有すると共に、隔膜812によって画成された領域の境界内に着座することが可能な全直径を有するように、デザインされている。モジュール820は、好ましくは、患者に特定の処方された流量の薬剤または活性物質を供給するために、ポンプ800から排出された薬剤または活性物質の流量を監視し、かつ変更するものである。例えば、モジュール820は、外部発信源(例えば、手持ち操作装置)から受信した信号に応じて、または患者の状態(例えば、圧力または温度の変化)に応じて、薬剤の流量を変更することができる。
【0126】
図35は、上部801の面804上に取付けられて完全に組み立てられた状態の絞りモジュール820を備えたポンプ800を示している。図36〜図38は、ポンプ800の種々の構成要素およびモジュール820に収容されている種々の構成要素を示すために、ポンプ800およびモジュール820のいくつかの部分が隠れているか、または取り外されている、ポンプ800の種々の部分切断図を示している。
【0127】
図38Aの上切断図に最もよく示されているように、モジュール820は、弁821と、モータ822と、弁821とに運動を与えるオフセットカムまたはオフセット延長部823を備えている。モータ822は、モジュール820内に収容可能などのような適切なモータであってもよいことに留意されたい。従って、このようなモータは、ポンプ800およびモジュール820の全体的な小寸法および特定の形状による制約内に収まっていなければならない。1つの適切なモータ822は、64:1の歯車比を備えるもので、独国、スコーネイ(Schoneich)のドクター・フリッツ・フォールハーバ(Dr.Fritz Faulhaber)社からADM0620−2R−V6−05の商品名で販売されている。カム823は、オフセットカムとしてデザインされ、モータ822によるカムの一回転が、弁821の直進運動を生じさせるように構成されている。当業者には容易に認識されるように、多くの異なる構成のものが利用されてもよい。構成要素の各々に対して、どのような特定のデザインが用いられても、これらの構成要素の各々は、好ましくは弁821を作動させてポンプ800から患者への活性物質の流量の変更を生じさせるために、モータ822の作動がカム823の運動を生じさせるように協働するとよい。図示された好ましいカムは、単純な長円形状となっている。従って、カムの回転によって、弁821をカムの薄い部分から厚い部分に接触させ、これによって、弁821の必要な直進運動を生じさせることとなる。
【0128】
モジュール820に用いられる構成要素の変更の一例が、図38Bに示されている。具体的に、この図は、カム823の代替的な構成を示している。この代替的カムは、モータ822に接続された軸823aを備えている。軸823aは、偏心カム本体823bを駆動し、軸受823cを回転させることになる。ほとんどの軸受と同じように、軸受823cは、回転する内部および一般的には回転しない外部を備えている。弁821のいくつかの部分は、軸受821の外部に当接している。これらの部分は、以下に詳細に説明するような形態で作動することになる。要するに、モータ822によって軸823aが回転すると、偏心カム本体823bおよび軸受823cの内部が回転することになる。ここで、カム本体823bが偏心しているので、この偏心体が回転すると、軸受823cが直進運動することになる。この特定の構造によって、回転部分が弁821のどの部分とも接触することなく、弁821の直進運動をもたらすことに留意されたい。それどころか、軸受823cの外部は、回転することなく、単純に直進運動し、弁821に接触することとなる。
【0129】
図37〜図39Bに示されているように、弁821は、弁本体825内に配置された両側張出しニードル弁部824を、ポンプ800から供給された活性物質の流量を変更することを可能にする機構として備えている。図37は、2つの断片824a,824bから構成されたニードル弁部824を示している。いくつかの実施形態では、これらの断片の1つ(例えば、断片824b)は、ゴムまたはシリコーンのような可撓性材料の被膜を備えているとよい。この被膜によって、(例えば、通路の閉塞中)、この断片は、それほど正確な公差を有していなくても、弁本体825の内面と協働することができる。換言すれば、このような可撓性材料は、弁本体825の内面に追従することができる。組立の点から、多断片の構成が好ましいが、単一片からなるニードル弁部824が用いられてもよい。弁本体825は、モジュール820の種々の部品を含む材料内に形成された中空コアから構成されている。ニードル弁部824は、好ましくは、取付け部材826a,826bによって、弁本体825の中空コア内に取付けられている。さらに詳細には、弁本体825は、モジュール820の本体を形成する材料(たとえば、PEEK樹脂)内に型成形されるかまたは当該材料をミリング加工されることによって、作製されることになる。弁本体825がニードル弁部824と協働することによって、以前から多くの異なる機械的なアセンブリに利用されてきた周知のニードル弁アセンブリと事実上同様の形態がもたらされることになる。例えば、図39Aに示されているように、ニードル弁部824を弁本体825の左側に移動させることによって、通路828に向かう通路827内の全ての流体流れを阻止できる。これらの通路は、ポンプ800から流れる流体が通過しなければならない経路である。これについては、以下、ポンプ800からの流体の進路と関連させて、さらに十分に説明することにする。代替的に、図39Bに示されているように、ニードル弁部824を弁本体825の右側に移動させることによって、通路827から通路828への流体の流れを可能にする。明らかに、当業者によって認識されているように、弁本体825に対してニードル弁部825を中間位置に配置することによって、流体流れをそれに応じて変更させることができる。これに関して、弁本体825内におけるニードル弁部824の移動(longitudinal movement)は、弁本体825を通る流体の流れに対して、略直交(transeverse to)していることを理解されたい。
【0130】
加えて、弁821の特性が、両側張出しニードル弁部824の作動時に、患部に向かう流体の流れを円滑にする。これは、ニードル弁部824が閉位置に移動すると、同時に、参照番号829によって示されている空間が、通路827,828の左側に生じる図39Aに最もよく示されている。ニードル弁部853が閉位置に移動したとき、この空間829が通路827,828の周りに溜まった過剰な流体を受け入れるので、弁が閉鎖しているとき、この過剰な流体が患者の体内に押し出されることがない。2つの断片824a,824bを有するニードル弁部824の場合、組立中、1つの断片が、弁本体825に形成されたコアの各側に挿入されるとよい。この後、断片824a,824bは、スナップ接続などによって、一緒に組み合わされるとよい。
【0131】
上述したように、モータ822およびオフセットカム823は、モータの作動時に、弁821のニードル弁部824を図39Bに示されている位置に移動させるように、デザインされている。カム823の一般的なオフセット(片寄り)特性によって、本質的に、カム823が一方向に回転すると、ニードル弁部824が押し出され、カム823が他の方向に回転すると、ニードル弁部824は、部材826a,826bの影響を受けて、元の閉位置に戻されることになる。これに関して、ニードル弁部824を弁本体825に接続している部材826a,826bは、弁821から流体を漏洩させることなく、図39Aおよび図39Bに示される左右の運動を可能にするように構成されている。これらの部材は、ゴムまたはシリコーンのような可撓性材料から形成されているとよく、好ましくは、1つの方向に付勢されているとよい。例えば、取付け部材826a,826bは、ニードル弁部824を図39Aに示されている閉位置に戻すようにデザインされているとよい。代替的に、ニードル弁部853を閉位置または開位置に戻す二次的な機構が設けられてもよい。適切な構造として、板バネまたは追加的なモータ機構などが挙げられる。部材826a,826bは、チタンのような他の材料から形成されていてもよいし、金属とポリマー材料の両方から形成されていてもよいことにも留意されたい。最後に、部材826a,826bは、弁821からの流体の漏洩を妨げることをさらに促す油(例えば、シリコーン油)を含む中心空洞を備えていてもよい。
【0132】
絞りモジュール820は、好ましくは、(図40および図41に最もよく示されている)センサシート832,833にそれぞれ着座する(図35に最もよく示されている)2つの圧力センサ830,831と、(図40に最もよく示されている)定流量抵抗体または定流量絞り装置834と、種々の電気部品が搭載された電子基板835と、1つまたは複数のバッテリ836とも収容している。圧力センサ830,831は、好ましくは、定流量絞り装置834の両側に流れる流体の圧力を測定するように配置され、かつ用いられるものである。例えば、図示されるセンサ830は、チャンバ806から排出された薬剤または他の活性物質の初期圧力値を検出するように配置され、図示されるセンサ831は、活性物質が定流量絞り装置834を通過したときの圧力値を検出するように配置されている。これによって、ポンプ800から排出された流体の圧力値と、流体が弁821に入る直前の圧力値とが得られることになる。明らかに、弁821がより閉鎖されるほど、圧力がより高くなり、またその逆も成り立つ。これらの圧力値は、好ましくは、ポンプ800によって供給される活性物質の流量を決定するために、基板835に配置された種々の電気部品のいくつかによって処理されることになる。もちろん、この処理を行う多くの異なる方法があり、当業者であれば、流量を計算する方法およびその計算を行うために用いられる電気的構成は、適宜異なることを容易に認識するだろう。1つの好ましい実施形態によるポンプ800は、スイス、ブヴェ(Bevaix)のインターセマ・センソリック(Intersema Sensoric)社からMS5401の部品名で製造されているセンサ830,831を利用している。電力を必要とするモジュール820の種々の構成要素に電力を供給するために、好ましくは、1つまたは複数のバッテリ836が用いられるとよい。例えば、バッテリ836は、とりわけ、モータ822、用いられるセンサ830,831、および種々の電気部品に電力を供給することができる。図35に示されている実施形態では、バッテリ836は、モジュール820に形成された切込み837内に装着されるようにデザインされているとよく、2つのバッテリは、異なる構成要素に電力を供給するようにデザインされているとよい。
【0133】
使用時に、(モジュール820が取付けられた)ポンプ800の作動は、ポンプ700の作動とは異なっている。活性物質または他の流体は、好ましくは、ポンプ800の上側チャンバ806から上部801の出口開口817を通して排出されることになる。この開口は、ポンプ700の開口730と同様であり、好ましくは、絞りモジュール820の下側の(図45に最もよく示されている)対応する入口開口817’と協働するようにデザインされている。同様に、絞りモジュール820の下側の(図45に最もよく示されている)出口開口818’は、好ましくは、上部801の入口開口818と協働するようにデザインされている。これによって、流体は、出口ダクト819内に送られ、最終的に、(図示されない)カテーテルを通して、患者の体の一部に送られることになる。これらの開口の適切な位置合わせを確実にするために、モジュール820に形成された(図44および図45に最もよく示されている)開口813a’、813b’は、それぞれ、ポンプ800の上部801の開口813a,813bと真っ直ぐに並ぶように、デザインされている。加えて、ポンプ800は、突起部817,818の近くにそれぞれ配置された(図32に最もよく示されている)開口852,854を備えている。これらの開口は、(図45に最もよく示されている)突起部856,858を受け入れるように、デザインされている。従って、このデザインは、本質的に、ポンプ800上へのモジュール820の位置合わせを確実にする4つの構成要素を備えている。モジュール820をポンプ800に接続するのに、多くの異なる機構が用いられてもよいが、図面では、ネジ814a,814bが示されている。ポンプ800から排出される流体の流れとポンプ700によって排出される流体の流れとの間の主な違いは、以下に説明するモジュール内の経路である。
【0134】
図38〜図43は、モジュール820内を通る流体流れの種々の通路を示している。図40を参照すると、流体は、モジュール820内に流入すると、好ましくは、まず第1の通路838を通って、第1の圧力センサ830に送られ、この第1の圧力センサ830によって、初期の圧力値が検出されることになる。代替として、第1のセンサ830によって初期圧力値を検出するために、別の開口および通路が設けられてもよいが、この場合、別の開口をポンプ800の部分801に形成する必要がある。初期圧力が検出された後、流体は、第2の通路839を通って、定流量絞り装置834に送られることになる。図40および図41に最もよく示されるように、定流量絞り装置834は、フィラメント841が配置されたガラス毛細管840などを備えている。この毛細管840は湾曲し、フィラメント841は、その片側に押し付けられている。さらに十分に上述したように、この構造は、毛細管内の流体の流れを低減させるのに好適である。毛細管の代わりに、湾曲した通路がモジュール820の材料内に形成されていてもよく、フィラメント841がその湾曲した通路内に配置されていてもよい。
【0135】
定流量絞り装置834内を通過すると、流体は、好ましくは、通路842内に流入することになる。この通路は、(第2の圧力値を検出する)第2のセンサ831およびニードル弁部821に至る通路827に分岐することになる。加えて、少なくとも通路839が、通常の流体流れの一部が分岐する部分をもたらしている。これに関して、一部の流体がこの方向に流れ、この流体が溜まると、この閉鎖部分から意図される方向に流れるように構成されていることを理解されたい。これらの補助通路は、以下にさらに十分に説明するように、モジュール820の製造中に設けられるとよい。弁821に送達された時点で、弁本体825内のニードル弁部824の位置が、患部への流量を決定することになる。外力が加えられない場合、(例えば、弁821が流量を減少させない場合)、流体の最大流量は、常に、チャンバ806からの初期流量から定流量絞り装置834によって低減された分を引いた流量であることに留意されたい。
【0136】
図42および図43は、弁821から出た流体が通過する経路をさらに示している。さらに具体的に、弁821から出た流体は、通路828に流入し、次いで、モジュール820の外に流体を導く通路843内に入ることになる。その後、流体は、ポンプ800の通路844内に入り、出口ダクト819内を通ることになる。これによって、流体は、最終的に、カテーテル(図示せず)を通って、患者の部位に送達されることになる。どのようなカテーテル、例えば、制限はされないが、一体型カテーテルまたは2分割型カテーテルが用いられてもよいことを理解されたい。加えて、このようなカテーテルとポンプ800の出口ダクト819との間の特定の接続機構が用いられてもよい。例えば、ハインデル(Haindl)の米国特許第5,423,776号明細書は、可撓性カテーテルをポートに連結させる可撓性連結具を示唆している。この可撓性連結具は、本発明と関連して用いられてもよい。なお、この特許の開示内容は、参照することによって、ここに含まれることになる。
【0137】
ポンプ800および絞りモジュール820の製造は、多くの異なる方法によって行われることが可能である。例えば、モジュール820の種々の構成要素が、図面に示されている形態に位置決めされ、その後、上述したPEEK樹脂のような材料が射出成形されるとよい。他の適切な材料が用いられてもよい。代替として、金型を用いて、材料のシェルを形成し、このシェル内に、種々の構成要素が配置されてもよい。この材料のシェルは、図46に示されている。上記の成形ステップのいずれかに続いて、モジュール820を通る流体の通常の流れを可能にするのに必要な通路が、材料をドリル加工することによって、形成されるとよい。モジュール820が比較的小さいので、このドリル加工プロセスにおいては、好ましくは、モジュール820を形成する材料が外部から内部にドリル加工されるとよい。流路を形成するのに必要な互いに接続された通路を形成するために、このドリル加工プロセスは、好ましくは、異なる角度で多数回行われるとよい。必要な通路が形成され、適切な流路がモジュール820内に埋設された時点で、ドリル加工プロセスによって生じたいくつかの残留している不必要な外部開口が、エポキシまたはいくつかの適切な材料によって閉鎖されることになる。モジュール820を製造するこの方法は、流体の流路から離れる方向に延在する通路を含む上述の通路839において検証されることになる。もちろん、流体をチャンバ806からモジュール820に流入させるモジュール開口817’および流体をモジュール820から流出させるモジュール開口818’のようないくつかの開口は、残されることになる。加えて、上述したように、弁本体825が、好ましくは、モジュール820の材料に型成形またはミリング加工を行うことによって、作製されるとよい。このように、絞りモジュール820は、ポンプ800との協働を可能にする単一の独立部品である。
【0138】
図44および図45は、ポンプ800とモジュール820との協働を示す分解図である。ポンプ800へのモジュール820の取付けは、好ましくは、これらのコンポーネントが使用中のどの時点でも外れないように行なわれるとよい。図示されるように、これらの2つのコンポーネントを固定して接続するために、ネジが用いられている。これらのネジは、モジュール820をポンプ800に取付けるのみならず、(図35および図36に最もよく示されているように)回路基板835をモジュール820に締め付け、これによって、センサ830をシート832に保持すると共にセンサ831をシート833により保持し、さらにモータ822をモジュール820のシート822aにより保持することができる(図46参照)。代替として、このようなセンサは、もし回路基板によって加えられる力が存在しない場合、それぞれのシートに取付けられていてもよい。ポンプ800へのモジュール820の取付けがどのようなものであろうと、この取付けは、好ましくは、ポンプ800およびモジュール820の必要とされる互いに協働する通路(すなわち、817/817’および818/818’)が一直線に並ぶのみならず、不用意な流体の漏れを許容しない、比較的緊密な相互接続部をもたらすようにデザインされている。Oリングは、これらの接続部のみならず、センサとシートとの間の接続部に設けられてもよい。
【0139】
図36および図37および図42〜図45に示されているように、ポンプ800は、上面804の肩816にスナップ嵌合されるキャップ845を備えているとよい。このキャップは、好ましくは、人体の環境を遮るカバーをモジュールにもたらすものである。加えて、モジュール820のいくつかの構成要素または全ての構成要素(例えば、バッテリ836、モータ822、センサ830,831、基板835など)は、従来から埋込み式の医学装置内に用いられている(図49Aおよび図49Bに構成要素844bとして概略的に示されている)1つまたは複数の密封パッケージ内に封入されているとよいことを理解されたい。当業者であれば、本発明に用いられる多くの異なる種類の密封パッケージを認識していることだろう。にもかかわらず、以下にさらに十分に説明するように、いくつかの構成要素(例えば、アンテナ844c)は、ポンプ800およびモジュール820が適切に作動することを可能にするために、(キャップ845の下方には保持されているが)、このようなパッケージによって形成された障壁を貫通している必要がある。
【0140】
図47および図48は、モジュール820およびポンプ800と共に用いられる1つの適切な回路基板835をさらに詳細に示している。上述したように、この基板は、いくつかの電子部品、例えば、プロセッサチップ846と、チップ846によって起動されるプログラムを記憶するメモリ847と、バッテリ836からのエネルギーを貯蔵するキャパシタ848と、センサ830の信号を高める第1の増幅器849と、センサ831の信号を高める第2の増幅器850と、センサ830,831から受信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する二重チャンネルアナログ/デジタル変換器851と、所望のプログラムをメモリ847に取り込むのに有用な入力パッド853と、電力部854と、モータドライバ部855と、無線送受信部856とを備えている。センサ830,831は、基板835の下側に設けられたトレースに電気的に接続されたパッドを備えている。図47および図48は、(従来の回路トレース、抵抗体、接点、などを有する)実施形態の基板835の実際的な例を示しているが、電気業界の当業者であれば、図49Aおよび図49Bに示されているようなポンプの所望の機能性を有効にするのに用いられ得る多くの異なる種類の接続部および回路要素を認識していることだろう。
【0141】
図49Aおよび図49Bは、モジュール820およびポンプ800の一般的な作動を示すブロック図である。これらの図に明らかに示されているように、プロセッサチップ846には、定流量絞り装置834を通る流体の流量の瞬間値をもたらすために、センサ830,831によって得られた情報が供給されることになる。患者に望まれる流量は、ライン844aによってプロセッサに送られ、プロセッサ内において、定流量絞り装置の両側で検出された流量と比較されることになる。もし望まれる流量が(センサ830,831によって検出された)定流量絞り装置内を流れる現在の流量と異なっている場合、モータ822が作動され、弁821のニードル弁部824を移動させ、流量変化を行うことになる。モータ822は、定流量絞り装置の両側の検出された流量が所望の流量と等しくなるまで、弁821のニードル弁部824を変化させ、等しくなった時点で、停止する。モータ822は、新しい流量が望まれるまで、停止し、新しい流量が望まれた時点で、上記のプロセスが繰り返されることになる。多くの異なる種類のプロセッサチップがモジュール820に利用されてもよいが、このようなチップは、ポンプ800の寸法/形状の拘束条件に合致していなくてはならない。例えば、図面に示されているチップ846は、基板とキャップ845との間で上部基板上に装着されるように、デザインされている。図示されている特定のチップは、アリゾナ州、チャンドラーのマイクロチップ・テクノロジーズ(Microchip Technologies)からPIC18LF2580の部品番号で製造されているものである。
【0142】
モジュール820の上述の作動は、連続的プロセスではなく、間欠的プロセスとしてデザインされているとよい。例えば、一実施形態では、モジュール820は、15分に一回の割合でセンサ830,831によって圧力値を検出するように、デザインされている。同様に、同じ実施形態において、モジュール820は、一時間に一回の割合で弁821を作動させるように、デザインされている。この種の作動は、実時間の監視および実時間の補正というよりも、薬剤の所望の平均流量の決定を容易にすることになる。このような方法による作動は、バッテリの寿命およびモジュール820の種々の部品の全作動寿命を劇的に改良することができる。しかし、モジュール820は、実時間を含む任意の時間間隔で作動するように、構成されてもよいことを理解されたい。図49Aおよび図49Bに示されるように、モジュール820は、好ましくは、システム温度と、バッテリ電圧と、電源電圧とを監視することもできる。図49Aおよび図49Bにおいて、これらの状態を監視するのに用いられるセンサには、明瞭にするために、参照番号844d,844e,844fが付けられている。これらの目的には、どのような適切なセンサが用いられてもよく、測定値がどのような時間間隔で検出されてもよい。例えば、一実施形態では、システムの健全さを確実にするために、一秒ごとにこのような測定値を検出している。加えて、無線/受信部品を頻繁に(例えば、15秒ごとに)切り換えることも考えられる。
【0143】
多くの場合、センサ830,831が、各センサから生じる電気信号のオフセット(ずれ)を含んでいることも理解されたい。例えば、上述の好ましい実施形態におけるセンサは、+40ミリボルトまたは−40ミリボルトのように高いオフセットが含んでいる可能性がある。その結果、正確な圧力値、従って、正確な流量値を得るために、このオフセットは、周期的に測定され、かつ補正されねばならない。これを実施する1つの方法として、弁821を閉じ、ポンプ800から患者に流体が流れないようにすることが挙げられる。これによって、モジュール820内に圧力が蓄積され、均等化されると、センサ830,831における圧力が同一になり、その結果として、それぞれのセンサから同一の測定値が検出されねばならないことになる。しかし、上述のオフセットにより、それぞれのセンサの測定値は、多くの場合、異なっているだろう。従って、センサ830,831のそれぞれの測定値がこの時点で検出され、プロセッサチップ846に送信されることになる。(もしいくらかでも測定値の違いがあるなら)、その測定値の違いが記録され、この後、さらなる流量の計算に組み入れられることになる。このようにして、圧力および流量の正確な測定を確実にするために、オフセットは、周期的にリセットされることになる。このオフセット補正プロセスは、任意の期間または任意の所定間隔で行われるとよい。例えば、一実施形態では、このようなオフセット補正プロセスは、一日に一回行われるようになっている。
【0144】
ポンプ800およびモジュール820によって得られる1つの重要な利点は、薬剤送達の全体が、医師または患者によって監視され得ることである。これは、患者に投与される薬剤の量を検出するために、痛みを伴う外科的な手順を行う必要のある周知の埋込み式ポンプと対照的である。上述したように、患者に投与される特定の流量は、モジュール820によって、少なくとも周期的に監視されることになる。場合によっては、この流量は、特定の時間間隔にわたって、平均流量で維持されることもある。(上述したような)制御装置は、流量値または平均流量に基づいて、投与された薬剤の量の確実さを維持するようにデザインされているとよい。従って、患者または医師は、投与された薬剤またはポンプ800内に残っている薬剤の実時間測定値または周期的測定値を行う(可能であれば、制御装置内に構築された)計器を備えていることになる。後者は、ほとんどの場合、ポンプ800内に設定された初期量に基づくことになるだろう。これは、ポンプ800およびモジュール820との協働によってもたらされる極めて重要な効果である。
【0145】
従って、投与される薬剤の量は、平均流量(または実時間流量)にポンプ800からその流量が送られた時間を掛け算することによって、決定されることになる。異なる時間間隔の全てが考慮され、これらの個々の量を加算することによって、全体の量が決定されることになる。上述したように、センサ830,831による測定値の検出は、どのような間隔、例えば、15分ごとに行われてもよい。平均流量を保持するために、これらの測定値が検出され、弁821の位置の補正は、流量が所望の流量からある量だけ偏ったときにのみ行われることになる。例えば、いくつかの実施形態では、流量の補正は、全流量の10%偏ったときに行われるようにされている。従って、もしポンプが、望まれている流量よりも10%少ない流量で作動しているなら、平均値を均等化するために、補正がなされることになる。この場合、弁821は、望ましい流れよりもいくらか高い流れを可能にするように作動されるだろう。これによって、好ましくは、平均流れを特定の時間にわたって均等化することができる。もちろん、平均値が望ましい流れよりも10%高い場合、弁821は、流量を低くするように作動されるだろう。部品の摩耗などによって生じる流量の軽微な偏りなども、流れを監視し、かつ変更するこの方法によって、対処することができる。ここでも、この方法による作動は、ポンプ800の特定の電源を常時使用しないため、その電源の寿命を延ばすことができる。
【0146】
上述したように、絞りモジュール820は、患者に所定量の活性物質を適切に投与するように、遠隔制御されてもよい。このような制御装置、例えば、RF信号、磁場または電場信号、または他の信号を伝達する制御装置は、当該技術分野において周知であり、医師、他の医局員、または体内にポンプ800が移植されている患者によって、容易に操作され得るようにデザインされているとよい。例えば、図49Aは、パーソナル・コンピュータ(PC)と関連して利用されるポンプ800を示し、図49Bは、手持ち操作装置と関連して利用されるポンプ800を示している。手持ち操作装置は、どのような適切な装置、例えば、独立型装置、または他の有用な特徴を含む装置であってもよいことに留意されたい。例えば、本発明と関連して用いられる制御装置は、ブラックベリー(blackberry)、携帯情報端末(PDA)、または他の手持ち操作式の装置に内蔵されていてもよい。アンテナ844cが、基板835とキャップ845との間に配置され、基板835の無線送受信部856に関連付けられているとよい。このアンテナは、好ましくは、用いられるどのような密封パッケージも貫通し、これによって、明瞭な伝送が確実に得られるようになっているとよい。ポンプ800、特に絞りモジュール820の作動は、ポンプ800からの所望の流量を生じさせるために、種々のアルゴリズムまたは種々のプログラムの実行を含んでいるとよい。このようなアルゴリズムまたはプログラムも、当技術分野において周知であり、外部から書き込まれてもよいし、またはハードウエアでモジュール820内に組み込まれてもよい。上述の入力パッド853は、種々のプログラムをメモリ847内に取り込むのに有用である。
【0147】
絞りモジュール820の多くの異なる製造プロセスが利用されてもよいのと同じように、絞りモジュール820の他のデザインが利用されてもよいことに留意されたい。例えば、さらに多くの構成要素またはさらに少ない構成要素をモジュール820内に備えることも考えられる。加えて、図35〜図46に示されているモジュール820の例は、適切なモジュールの1つの実施形態にすぎず、異なる形状および/または異なる寸法、並びに異なる構造の構成要素が配置されている他のモジュールも考えられることに留意されたい。上述したように、ポンプ800および/またはモジュールは、PEEK樹脂などの材料から構成されているが、どのような生体適合性材料またはそれらの組合せから形成されてもよいことも理解されたい。例えば、ポンプ800の主ハウジングの上部801および他の部分が、PEEK樹脂から形成される一方、絞りモジュール820が金属材料から形成されるか、またはモジュール820の種々の部品が金属材料によって封入されてもよい。同様に、ポンプ800へのモジュール820の取付けは、多くの異なる方法によって行われてもよい。
【0148】
最後に、ポンプ800のようなポンプと協働可能な定流量絞りモジュールを設けることが考えられる。図50に示されているように、モジュール820’は、ポンプ800と協働可能に構成されている。本質的に、この定流量モジュール820’は、モジュール820の取付け構造と同様のポンプ800に取付けられるための取付け構造(例えば、上述したネジ814a,814bと協働する開口813a’,813b’)を用いているが、ポンプから排出された流体の流量を変更させるのに有用な種々の構成要素を備えていない。むしろ、図50に示されているように、モジュール820’は、同様の全体寸法および全体形状を有しているが、チャンバ806から流体を受入れる第1の側部834a’および流体をポンプ800の出口ダクト819を通して最終的に排出する第2の側部834b’を備える単一の定流量絞り装置834’のみを備えている。従って、使用時、ポンプ800のチャンバ806から排出された流体は、絞り装置834’を通して送られることになる。特定の流量のみを可能にするモジュール820’を設けることが特に想定されており、このような特定の流量は、ポンプ800のチャンバ806から生じ得るよりも小さくなるように意図してデザインされている。本質的に、モジュール820’を通る流体の流量は、絞り装置834’の直径によって影響され、直径が大きくなると、流速が大きくなり、直径が小さくなると、流速が小さくなる。定流量絞り装置834と同じように、絞り装置834’は、通過する流体の流量をさらに低減させるために、フィラメントを用いてもよいことを理解されたい。図51は、モジュール820’が取付けられたポンプ800を示している。キャップ845がポンプ800にさらに接続され、これによって、完全に組み立てられ、ポンプシステムを移植する準備が整えられることを理解されたい。
【0149】
特定の実施形態を参照して、本発明をここに説明したが、これらの実施形態は、本発明の原理および応用の単なる例示に過ぎないことを理解されたい。従って、例示的な実施形態に対して、多くの修正がなされてもよく、添付の請求項に記載の本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、制限されないが、埋込み式ポンプに患者への薬剤の流量を変更する可変流量抵抗体を設けることを含む、広い産業上の利用可能性を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対して活性物質を一定流量または可変流量で投与可能に構成した埋込み式注入ポンプシステムにおいて、
ハウジングを有する定流量型ポンプであって、前記ハウジングが、活性物質チャンバと、出口ダクトと、定流量型ポンプの上面とを有する、定流量型ポンプと、
前記定流量型ポンプの上面に当接する底面を有する着脱可能なモジュールであって、前記活性物質チャンバと前記出口ダクトとの間の流体連通を促すように構成されたモジュールと
を備えている埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項2】
前記活性物質を前記患者の体内の目的部位に送達するカテーテルをさらに備え、前記カテーテルが前記出口ダクトに取付けられている、請求項1に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項3】
前記カテーテルが前記出口ダクトに着脱可能に取付けられている、請求項2に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項4】
前記ハウジングが推進剤チャンバをさらに備えている、請求項1に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項5】
前記ハウジングが前記活性物質チャンバと前記推進剤チャンバとを分離する第1の可撓性薄膜をさらに備えている、請求項4に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記第1の可撓性薄膜と一緒になって前記推進剤チャンバを密閉する第2の可撓性薄膜をさらに備えている、請求項5に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項7】
前記ハウジングが上部と下部とをさらに備えている、請求項6に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項8】
前記上部および前記下部が、一緒になって着脱可能にネジ止めされ、前記第1の可撓性薄膜と前記第2の可撓性薄膜とを前記上部と前記下部との間で保持している、請求項7に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項9】
前記上部が、前記活性物質チャンバの補充を可能にする第1の開口と、前記出口ダクトへの流体の直接注入を可能にする第2の開口とを備えている、請求項8に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項10】
前記第1の開口および前記第2の開口が、それぞれ隔膜によって覆われている、請求項9に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項11】
前記ハウジングの上面が肩部を形成する直立延長部を備えている、請求項1に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項12】
前記肩部に着脱可能に取付けられ、かつ前記モジュールを覆うキャップをさらに備えている請求項11に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項13】
前記モジュールは、長さに沿って縦方向に変化する断面を有したニードル弁部をさらに備えている、請求項1に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項14】
前記ニードル弁部が中心点を備え、前記中心点に対して両側に位置する横断面が鏡面対称に形成されている、請求項13に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項15】
前記ニードル弁部が弁本体の内部に配置されている、請求項13に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項16】
前記モジュールが、前記ニードル弁部を前記弁本体内で縦方向に移動させる手段をさらに備えている、請求項15に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項17】
前記弁本体における前記ニードル弁部の縦方向の移動が、前記活性物質チャンバから前記弁本体内への流体の流れに対して略直交するように構成されている、請求項16に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項18】
前記ニードル弁部を前記弁本体内で縦方向に移動させる前記手段が、モータと、オフセットカムとを備えている、請求項16に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項19】
前記ニードル弁部を前記弁本体内で縦方向に移動させる前記手段が、モータと、軸と、偏心カム本体と、軸受とを備え、前記軸受が、前記偏心カム本体に取付けられた内側回転部と、前記ニードル弁部に当接する外側部とを有している、請求項16に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項20】
前記ハウジングの上面が、前記活性物質チャンバに流体連通する出口開口と、前記出口ダクトに流体連通する入口開口とを備えている、請求項16に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項21】
前記モジュールが、前記ハウジングの出口開口および入口開口の両方と流体連通するように構成されている、請求項20に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項22】
前記モジュールが、前記ハウジングの出口開口に流体連通する入口と、前記ハウジングの入口開口に流体連通する出口とを備えている、請求項21に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項23】
前記モジュールが、前記モジュールの入口と前記モジュールの弁本体との間で流体連通する定流量絞り装置を備えている、請求項22に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項24】
前記定流量絞り装置が、毛細管と、前記毛細管内に配置されたフィラメントとを備えている、請求項23に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項25】
前記モジュールが、前記定流量絞り装置の両側の圧力値を検出する第1の圧力センサおよび第2の圧力センサを備えている、請求項23に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項26】
前記第1の圧力センサおよび前記第2の圧力センサが、前記モジュールの固体材料部分に形成されたシートの内側に配置されている、請求項25に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項27】
前記固体材料部分がPEEK樹脂により構成されている、請求項26に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項28】
ポンプシステム作動中に、前記活性物質チャンバから排出された流体が、前記ハウジングの出口開口を通り、前記モジュールの入口を通り、前記第1の圧力センサに接触し、前記定流量絞り装置を通り、前記第2の圧力センサに接触し、前記モジュールの弁本体を通り、前記モジュールの出口を通り、前記ハウジングの入口開口を通り、前記出口ダクトを通るように構成されている、請求項25に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項29】
前記モジュールが、前記第1の圧力センサおよび前記第2の圧力センサから送られる圧力情報を処理して、前記定流量絞り装置を通る流量に関する情報を作成可能とするプロセッサチップをさらに備えている、請求項25記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項30】
前記モジュールが電子回路基板をさらに備え、前記プロセッサチップが前記電子回路基板に実装されている、請求項29に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項31】
前記モジュールが電源をさらに備えている、請求項30に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項32】
前記電源が少なくとも1つのバッテリを有している、請求項31に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項33】
外部発信源から送られる所望の流量に関する情報を受信するアンテナをさらに備えている請求項29に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項34】
前記外部発信源が手持ち操作式の装置となっている、請求項33に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項35】
前記外部発信源がネットワークとなっている、請求項33に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項36】
前記モジュールが、締結手段によって前記ハウジングの上面に取付けられている、請求項31に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項37】
前記締結手段が少なくとも1つのネジを含んでいる、請求項36に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項38】
前記ネジが、前記電子回路基板と前記モジュールと前記ハウジングとに形成された開口に挿通されている、請求項37に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項39】
前記ネジによって、前記電子回路基板が前記モジュールに取付けられるとともに、前記モジュールが前記ハウジングに取付けられている、請求項38に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項40】
前記ネジによって、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが前記モジュールの固体材料部分に形成されたシートの内側で保持されている、請求項39に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項41】
2つのネジによって、前記モジュールが前記ハウジングの上面に取付けられている、請求項40に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項42】
前記モジュールが、締結手段によって前記ハウジングの上面に取付けられている、請求項1に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項43】
前記締結手段が少なくとも1つのネジを含んでいる、請求項42に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項44】
前記ネジが前記モジュールと前記ハウジングとに形成された開口に挿通されている、請求項43に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項45】
前記モジュールが毛細管を備えている、請求項1に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項46】
前記毛細管がガラス毛細管となっている、請求項45に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項47】
前記毛細管が湾曲している、請求項45に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項48】
前記毛細管が、前記毛細管を通る流体の流量を所定の最大流量とすることを可能にする構成となっている、請求項45に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項49】
前記ハウジングの上面が、前記活性物質チャンバに流体連通する出口開口と、前記出口ダクトに流体連通する入口開口とを備えている、請求項48に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項50】
前記モジュールが前記ハウジングの出口開口および入口開口の両方に流体連通している、請求項49に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項51】
前記モジュールが、前記ハウジングの出口開口に流体連通している入口と、前記ハウジングの入口開口に流体連通している出口とを備えている、請求項50に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項52】
前記毛細管が前記モジュールの入口と出口との間で流体連通している、請求項51に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項53】
前記モジュールが、締結手段によって前記ハウジングの上面に取付けられている、請求項52に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項54】
前記締結手段が少なくとも1つのネジを含んでいる、請求項53に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項55】
前記ネジが前記モジュールと前記ハウジングとに形成された開口に挿通されている、請求項54に記載の埋込み式注入ポンプシステム。
【請求項56】
注入ポンプを移植する方法であって、
可変流量型注入ポンプまたは定流量型注入ポンプの必要性を決定するステップと、
前記決定ステップに基づいて、ポンプハウジングおよびモジュールを選択するとともに、前記モジュールを可変流量モジュールおよび定流量モジュールから選択するステップと、
前記モジュールが前記ハウジングと流体連通するように、前記モジュールの底面を前記ハウジングの上面に係合させて、前記注入ポンプを組み立てるステップと、
前記注入ポンプを患者の体内に移植するステップと
を含む方法。
【請求項57】
活性物質を前記患者の体内の目標部位に送達するカテーテルを、前記ポンプハウジングの出口ダクトに取付けるステップをさらに含む請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記取付けステップが、前記カテーテルを前記出口ダクトに着脱可能に取付けることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記選択ステップが、前記ポンプハウジングを構成するために、前記ポンプハウジングの上部および下部を一緒にネジ止めするステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記ネジ止めステップが、可撓性薄膜を前記ポンプハウジングの上部と下部との間で保持することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ポンプハウジングに形成された活性物質チャンバ内に流体を注入するステップをさらに含む請求項56に記載の方法。
【請求項62】
前記注入ステップが、前記流体を前記ポンプハウジングに形成された補充開口を通して注入することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記注入ステップが、隔膜に針を突き刺すことをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記モジュールを覆うように、キャップを前記ポンプハウジングに取付けるステップをさらに含む請求項56に記載の方法。
【請求項65】
前記ポンプハウジングから排出された流体の流量を変更するために、前記モジュールに形成された弁本体の内部においてニードル弁部を移動させるステップをさらに含む請求項56に記載の方法。
【請求項66】
前記移動ステップが、前記弁本体内で前記ニードル弁部を、前記弁本体を通る前記流体の流れと直交する方向に移動させることを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記係合ステップには、前記ポンプハウジングに形成された出口開口が前記モジュールに形成された入口と一直線上に並んで、かつ前記モジュールに形成された出口が前記ポンプハウジングに形成された入口開口と一直線上に並ぶように、前記モジュールを前記ポンプハウジングの上面に係合させることが含まれる、請求項56に記載の方法。
【請求項68】
前記モジュールの固体材料部分に形成されたシートの内側に、第1の圧力センサおよび第2の圧力センサを挿入するステップをさらに含む請求項56に記載の方法。
【請求項69】
電子回路基板を前記モジュールに係合するステップをさらに含む請求項56に記載の方法。
【請求項70】
前記電子回路基板に接続する電源を設けるステップをさらに含む請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記係合ステップが、前記モジュールを締結手段によって前記ハウジングの前記上面に取付けることを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項72】
前記係合ステップが、少なくとも1つのネジを、前記モジュールに挿通させて前記ポンプハウジングにねじ込むことを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
電子回路基板を前記モジュールに係合するステップをさらに含み、前記ネジによって、前記電子回路基板が前記モジュールに取付けられるとともに、前記モジュールが前記ハウジングに取付けられる、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
第1の圧力センサおよび第2の圧力センサを前記モジュールの固体材料部分に形成されたシートの内側に挿入するステップをさらに含み、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが、前記電子回路基板によって前記モジュールの固体材料部分に形成されたシートの内側で保持されるように構成されている、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記モジュールが毛細管を備えている、請求項56に記載の方法。
【請求項76】
前記毛細管が前記毛細管内を通る流体の流量を最大流量とすることを可能にする、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記係合ステップには、前記ポンプハウジングに形成された出口開口が前記モジュールに形成された入口と一直線上に並んで、かつ前記モジュールに形成された出口が前記ポンプハウジングに形成された入口開口と一直線上に並ぶように、前記モジュールを前記ポンプハウジングの上面に係合させることが含まれる、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
患者に活性物質を可変流量で投与する埋込み式注入ポンプにおいて、
ハウジングを有する定流量型ポンプであって、前記ハウジングが、定流量型ポンプの上面と、活性物質チャンバと、第1の可撓性薄膜によって前記活性物質チャンバから分離された推進剤チャンバと、カテーテルを取付ける出口ダクトと、前記活性物質チャンバに流体連通する出口開口と、前記出口ダクトに流体連通する入口開口とを画成している、定流量型ポンプと、
前記定流量型ポンプの上面に当接する底面と、前記ハウジングの前記出口開口に流体連通させて前記底面に形成された入口と、前記ハウジングの前記入口開口に流体連通する出口と、弁本体の内部に配置された部分を有するニードル弁部であって、長さに沿って縦方向に変化する断面を有するニードル弁部と、前記弁本体内で前記ニードル弁部を縦方向に移動させる手段と、前記モジュールの入口と前記モジュールの弁本体との間で流体連通する定流量絞り装置と、前記定流量絞り装置の両側の圧力を検出する第1の圧力センサおよび第2の圧力センサとを有する着脱可能なモジュールと
を備え、
ポンプ作動中に、前記推進剤チャンバからの力によって前記活性物質チャンバから排出された流体が、前記ハウジングの出口開口を通り、前記モジュールの入口を通り、前記第1の圧力センサと接触し、前記定流量絞り装置を通り、前記第2の圧力センサと接触し、前記モジュールの弁本体を通り、前記モジュールの出口を通り、前記ハウジングの入口開口を通り、前記出口ダクトを通り、前記カテーテルを通るように構成されている、埋込み式注入ポンプ。
【請求項79】
前記ハウジングが、前記第1の可撓性薄膜と一緒になって前記推進剤チャンバを密閉する第2の可撓性薄膜をさらに備えている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項80】
前記ハウジングが上部および下部をさらに備えている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項81】
前記上部および前記下部が一緒になってネジ止めされて、前記第1の可撓性薄膜および前記第2の可撓性薄膜を前記上部と前記下部との間で保持するように構成されている、請求項80に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項82】
前記上部が、前記活性物質チャンバの補充を可能にする第1の開口と、前記出口ダクトへの流体の直接注入を可能にする第2の開口とを備えている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項83】
前記第1の開口および前記第2の開口が、それぞれ隔膜によって覆われている、請求項82に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項84】
前記ハウジングの上面が肩部を形成する直立延長部を備えている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項85】
前記肩部に取付けられ、かつ前記モジュールを覆うキャップをさらに備えている請求項84に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項86】
前記ニードル弁部が中心点を備え、前記中心点に対して両側に位置する断面が鏡面対称に形成されている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項87】
前記ニードル弁部を前記弁本体内で縦方向に移動させる前記手段が、モータと、オフセットカムとを備えている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項88】
前記ニードル弁部を前記弁本体内で縦方向に移動させる前記手段が、モータと、軸と、偏心カム本体と、軸受とを備え、前記軸受が、前記偏心カム本体に取付けられた内側回転部分と、前記ニードル弁部と当接する外側部分とを有している、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項89】
前記弁本体内における前記ニードル弁部の縦方向の移動が、前記活性物質チャンバから前記弁本体内を通る流体の流れと略直交するように構成されている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項90】
前記定流量絞り装置が、毛細管と、前記毛細管内に配置されたフィラメントとを備えている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項91】
前記第1の圧力センサおよび前記第2の圧力センサが、前記モジュールの固体材料部分に形成されたシートの内側に配置されている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項92】
前記固体材料部分がPEEK樹脂から構成されている、請求項91に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項93】
前記モジュールが、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサから送られる圧力情報を処理して、かつ前記定流量絞り装置を通る流量に関する情報を作成可能とするプロセッサチップをさらに備えている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項94】
前記モジュールが電子回路基板をさらに備え、前記プロセッサチップが前記電子回路基板上に実装されている、請求項93に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項95】
前記モジュールが電源をさらに備えている、請求項94に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項96】
前記電源が少なくとも1つのバッテリを有している、請求項95に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項97】
外部発信源から送られる所望の流量に関する情報を受信するアンテナをさらに備えている、請求項93に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項98】
前記外部発信源が手持ち操作式の装置となっている、請求項97に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項99】
前記外部発信源がネットワークとなっている、請求項97に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項100】
前記モジュールが、締結手段によって前記ハウジングの前記上面に取付けられている、請求項78に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項101】
前記締結手段が少なくとも1つのネジを含んでいる、請求項100に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項102】
前記ネジが、前記モジュールと前記ハウジングとに形成された開口に挿通されている、請求項101に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項103】
前記ネジによって、前記モジュールが締付けられると共に、前記モジュールが前記ハウジングに取付けられている、請求項102に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項104】
前記モジュールが電子回路基板をさらに備え、前記少なくとも1つのネジが前記電子回路基板に形成された開口に挿通されている、請求項103に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項105】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記電子回路基板によって前記モジュールの固体材料部分に形成されたシートの内側に保持されている、請求項104に記載の埋込み式注入ポンプ。
【請求項106】
埋込み式注入ポンプから投与された薬剤の量を監視する方法であって、
前記薬剤を収容可能なポンプを設けるステップと、
前記ポンプから送られる前記薬剤の少なくともいくらかを可変実流量で投与するステップと、
前記ポンプから送られる前記薬剤の前記実流量を少なくとも2つの異なる時点で測定するステップと、
前記実流量に関する情報を記憶するステップと、
前記実流量に関する情報に基づいて投与された薬剤の全量を計算するステップと
を含む方法。
【請求項107】
前記準備ステップが、ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに接続されたモジュールとを設けることを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記測定ステップが前記実流量を表す圧力測定値を検出することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記圧力測定値を、前記ポンプの2つの異なる箇所で検出する請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記圧力測定値を、前記ポンプに設けられる定流量絞り装置の両側にて検出する請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記ポンプに、ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに取付けられたモジュールとが設けられており、前記圧力測定値を前記モジュールにて検出する請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記圧力測定値を、前記モジュールに設けられる定流量絞り装置の両側で検出する、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記記憶ステップが前記実流量に関する情報を外部装置に送信することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項114】
前記外部装置がパーソナル・コンピュータとなっている、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記外部装置が手持ち操作式の装置となっている、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
前記記憶ステップが、前記実流量に関する情報を前記ポンプに関連するメモリモジュールに記憶することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項117】
前記計算ステップが前記ポンプの外部で行われる、請求項106に記載の方法。
【請求項118】
前記投与ステップが前記薬剤を所望の流量で投与することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項119】
前記測定ステップが前記所望の流量を前記実流量と比較することを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記実流量が前記所望の流量から第1の量の分異なっているとき、前記実流量を変更する請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記第1の量が前記所望の流量に対して10%となっている、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記実流量が前記所望の流量よりも第1の量の分少ないとき、前記実流量を増加させる請求項120に記載の方法。
【請求項123】
前記実流量が前記所望の流量よりも第1の量の分多いとき、前記実流量を減少させる請求項120に記載の方法。
【請求項124】
前記計算ステップが、前記測定ステップに基づく第1の期間にわたって第1の平均流量を決定し、かつ前記測定ステップに基づく第2の期間に渡って第2の平均流量を決定することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項125】
前記計算ステップが、前記第1の期間にわたって投与された薬剤の前記第1の量と、前記第2の期間に渡って投与された薬剤の前記第2の量とを決定することを含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記ポンプから投与された薬剤の全量には、前記第1の量および前記第2の量が加えられる、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49A】
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【図49B】
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【図50】
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【図51】
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【公表番号】特表2010−509989(P2010−509989A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537212(P2009−537212)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/024026
【国際公開番号】WO2008/063541
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(505236274)パリヨン・メディカル(ビー・ヴイ・アイ)・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】