可変表示構造
【課題】 第1の課題として、色度による表示のばらつきがない表示にでき、第2の課題として、光源の位置による輝度ムラがない表示にできる可変表示構造を提供すること。
【解決手段】 シート10gの片面に施された、第1光源3の波長のみを透過させる第1印刷部分10bと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第2光源4の波長のみを透過させる第2印刷部分10cと、シート10gに施された、第1光源3の波長と第2光源4の波長を透過させない背景印刷部分10eと、シート10gに施された、第1表示12と第2表示13の重複する部分と重なる部分で、第1光源3及び第2光源4の光を抑制する調光印刷部分10fとを備え、第1印刷部分10b、第2印刷部分10cに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた。
【解決手段】 シート10gの片面に施された、第1光源3の波長のみを透過させる第1印刷部分10bと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第2光源4の波長のみを透過させる第2印刷部分10cと、シート10gに施された、第1光源3の波長と第2光源4の波長を透過させない背景印刷部分10eと、シート10gに施された、第1表示12と第2表示13の重複する部分と重なる部分で、第1光源3及び第2光源4の光を抑制する調光印刷部分10fとを備え、第1印刷部分10b、第2印刷部分10cに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一表示面に異なる表示を切り換えて表示させる可変表示構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、第1波長領域の青色光を通過させる第1領域、第2波長領域の緑色光を通過させる第2領域、背景を形成するその他の領域を箔シート後面にプリント印刷し、後方から、青色光の第1光源と緑色光の第2光源で照明している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−100679号公報(第2−8頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来にあっては、色度の差により表示にばらつきが生じていた。また、光源の位置によって全体的に輝度ムラが生じていた。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、第1の課題として、色度による表示のばらつきがない表示にでき、第2の課題として、光源の位置による輝度ムラがない表示にできる可変表示構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、透光性のあるシートに波長の異なる第1光源の光と第2光源の光を切り換えて投光させ、第1表示と第2表示を行わせる可変表示構造であって、前記シートの片面に施された、第1光源の波長のみを透過させる第1印刷部分と、前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第2光源の波長のみを透過させる第2印刷部分と、前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第1光源の波長と第2光源の波長を透過させない第3印刷部分と、前記第1表示と前記第2表示の重複する部分と重なる部分で、第1光源及び第2光源の光を抑制して輝度及び色度を調整する調光印刷部を備えたことを特徴とする。
なお、請求項4における「インキの量」は、特定色のインキの量でも、全体のインキの量であっても含まれるものとする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、第1の効果として、色度による表示のばらつきがない表示にでき、第2の効果として、光源の位置による輝度ムラがない表示にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の可変表示構造を実現する実施の形態を、実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の可変表示構造を示す断面図である。図2は実施例1の可変表示構造のカラーフィルタの正面図及び背面図である。図3は図2(a)のA−A断面図である。図4は実施例1の可変表示構造の断面図である。図5は実施例1の可変表示構造の第1表示と第2表示を示す説明図である。図6は実施例1の可変表示構造の第1印刷部分、第2印刷部分の特性と第1光源、第2光源の波長との関係を示す説明図である。
【0009】
スイッチ1は、まず、矩形枠状のスイッチフィニッシャ2の内部に矩形枠状のガイドハウジング7を設ける(図1参照)。
ガイドハウジング7には、矩形枠状のスイッチフィニッシャ2の開口面から開口面へ向かう方向、つまり、前後面に摺動可能なレール部分を設ける。
スイッチフィニッシャ2及びガイドハウジング7の背面側には、開口を塞ぐ板状の基板6を設ける。
基板6の前面側、つまりスイッチフィニッシャ2の内部側には、波長が約500nmをピークとする第1光源3と、波長が約600nmをピークとする第2光源4、押されることによりON/OFFの操作入力を行うタクトスイッチ5を設ける。
【0010】
第1光源3及び第2光源4としては、異なる色を発光するLEDがコスト抑制、メンテナンス性から好ましいが、別のものであってもよい。
次に内外で2重の枠部分を有するスライダ8を設ける。スライダ8の内部の枠部分は、第1光源3及び第2光源4側に行くに従って角錐状に内側が狭くなる形状にする。また、スライダ8の内側の枠形状部分は後方に延長し、第1光源3及び第2光源4の側方を覆うようにする。
さらに、スライダ8の内側の枠形状部分の下方傾斜面には、下方に突出する形状の係合部8aを設ける。係合部8aの位置は、下方に移動するとタクトスイッチ5と係合する位置にする。
スライダ8の内側枠部分の前面部分には、カラーフィルタ10を設ける。
カラーフィルタ10の前面部分には、消灯時に外光によって印刷パターンが見えてしまうのを防ぐために全体的に透光性が低くされたスモークレンズ11を設ける。
【0011】
ここで、スモークレンズ11、カラーフィルタ10を取り付けたスライダ8を、ガイドハウジング7のレール部分に係合させて前後に摺動自在にする。
これにより、スライダ8をタクトスイッチ5に向かって押すと、スライダ8が摺動して傾斜面から下方に突出する形状の係合部8aがタクトスイッチ5を押す構造にする。
また、押された後に、自由状態にすると、タクトスイッチの反力で戻る構造にする。
【0012】
カラーフィルタ10は、透明なシート10g前面に、第1印刷部分10b、第2印刷部分10c、重なり部分10d(無印刷部分)、背景印刷部分10eを設け、シート後面に拡散印刷部10a、調光印刷部分10fを設ける。
ここで、第1表示12を図5(a)に示すように文字の「A」、第2表示13を図5(b)に示すように文字の「E」とする。
第1印刷部分10bは、第1表示12である「A」の第2表示13「E」と重ならない図2(a)の部分であり、赤色光を通過させる赤い色の印刷である。この第1印刷部分10bの波長に対する透過効率の特性は、図6の線21で示す特性となる。
【0013】
第2印刷部分10cは、第2表示13である「E」の第1表示12「A」と重ならない図2(a)の部分であり、青色光を通過させる青い色の印刷である。この第2印刷部分10cの波長に対する透過効率の特性は、図6の線23で示す特性となる。
重なり部分10dは、第1表示12の「A」と第2表示13の「E」とが重なった部分である。実施例1では、第1印刷部分10b、第2印刷部分10cを施すシートの前面には、何も印刷しない。つまり、前面の重なり部分10dには何も印刷せず、印刷は後面に行う。
【0014】
第1印刷部分10bと第2印刷部分10cは、実際に表示する第1表示12及び第2表示13よりやや幅広く印刷しておく。つまり、印刷精度をやや緩和したものでよい。その上から黒い印刷である背景印刷部分10eを印刷することにより、第1印刷部分10bと第2印刷部分10cの外周縁位置が決まるようにする。
さらに、第1印刷部分10bや第2印刷部分10cを設けた前面と反対側の後面には、拡散印刷部10aを設ける。拡散印刷部10aは、入光を拡散して出光させるものである。
この第1印刷部分10b等と反対側の後面の拡散印刷部10a上に、調光印刷部10fを設ける。調光印刷部10fを設ける位置は、重なり部分10dの印刷の無い前面部分と重なる位置である。
調光印刷部10fは、波長に対する透過効率の特性として、図6に示す特性を有することによって、輝度と色みの両方において、調光を行う。
【0015】
次に作用を説明する。
[表示作用]
(a)第1表示
実施例1において、第1表示12を表示させるには、第1光源3を点灯させ、第2光源を消灯する。
第1光源3から発せられる光は、スライダ8の内側枠で、第1光源3の側方に発散する光を前方に反射する。
このスライダ8の内側枠の内部空間を通るようにして、前面部分からカラーフィルタ10に光が入光する。
【0016】
カラーフィルタを構成する拡散印刷部10aの背面の一部には、調光印刷部10fを設けているため、この部分において、輝度及び色みの調整がされて、光が拡散印刷部10aに入光することになる。
また、調光印刷部10f以外の部分では、輝度を損なうことなく拡散印刷部10aに入光する。
拡散印刷部10aでは、光が拡散され前面に向かうことになる。
この拡散により、第1印刷部分10b及び第2印刷部分10cと、調光印刷部10fの輝度及び色みの格差がなくなる。
【0017】
シート10gの前面における、第1印刷部分10bでは、図6に示すように第1光源3の光を通過させる(線21と線22で示す関係)ため、第1印刷部分10bが明るく表示する。
この表示は、拡散印刷部10aにより光が拡散するため、光源の位置に重なる部分の輝度が最も高くなりすぎることなく、均一した表示になる。
【0018】
さらに、重なり部分10d、つまり調光印刷部10fでは、図6の波長に対する透過効率の関係において、第1光源3の光(線22)で示される特定波長域の透過特性が、第1印刷部分10b(線21)と調光印刷部10f(線25)で近似している。
この図6の線21と線25における近似の状態において、透過効率が近似していることにより、輝度が第1印刷部分10bと調光印刷部10fで近似し、特定波長域が近似していることにより、色みが第1印刷部分10bと調光印刷部10fで近似する。
【0019】
一方、第2印刷部分10cは、図6において、第1光源3の特性(線22)に対して線23で示す特性になるため、第1光源3の光は通過できない。
また、背景印刷部分10eは、第1光源3の光、第2光源4の光のいずれも通過させない。
これにより、第1表示12、つまり図5(a)に示す「A」が表示されることになる。
【0020】
(b)第2表示
実施例1において、第2表示13を表示させるには、第2光源4を点灯させ、第1光源3を消灯する。
すると、第2印刷部分10cと第2光源4との関係は、図6の線23と線24の関係となるため、第2印刷部分10cが明るく表示される。
さらに、重なり部分10d、つまり調光印刷部10fでは、図6の波長に対する透過効率の関係において、第2光源4の光(線24)で示される特定波長域の透過特性が、第2印刷部分10c(線23)と調光印刷部10fで近似している。
【0021】
この図6の線23と線25における近似の状態において、透過効率が近似していることにより、輝度が第2印刷部分10cと調光印刷部10fで近似し、特定波長が近似していることにより、色みが第2印刷部分10cと重なり部分10fで近似する。
一方、第1印刷部分10bと第2光源4との関係は、図6において、線21と線24の関係となるため、第2光源4の光は通過できない。
また、背景印刷部分10eは第1光源3及び第2光源の光をいずれも通過させない。
これにより、第2表示13つまり、図5(b)に示す「E」が表示されることになる。
【0022】
[スイッチ作用]
実施例1では、操作する人がスモークレンズ11を押すと、一体化したスライダ8が摺動し、スライダ8の一部がタクトスイッチ5を押す。
スイッチ1としては、基板6に設けられる図示しない回路によって、どちらの表示状態において、タクトスイッチ5に入力があったかを判断し、2つの操作入力として使用する。これにより、1つのスイッチにおいて、異なるモードでの操作入力が可能となる。
【0023】
[コスト抑制作用及び光漏れ防止作用]
実施例1では、印刷を設けない重なり部分10dを前面に設け、調光印刷部分10fを後面に設ける。
そのため、前面における印刷精度の緩和となり、また、光漏れが防止される。
また、第1表示12、第2表示13は、黒色の背景印刷部分10eにより所定の寸法形状で意匠部分を抜くポジ印刷ができるため、高精度の印刷を行うことなく精度のよい表示が行える。
また、印刷位置ズレによる光漏れは生じない。
さらに、調光印刷部分10fは、重なり部分10dより面積を広くしているので、精度を必要とせずに設けることができ、コストが抑制される。
【0024】
[表示品質の向上作用]
(a)重なり部分10dに印刷を施さない作用
重なり部分には、印刷を設けないため、印刷部分と印刷部分との印刷ずれが生じることがないため、表示品質が向上する。
【0025】
(b)スライダの集光作用
スライダ8の枠状部分は、光源の側方への光を集めて前方に向かわせる。よって、全体的により明るい表示にすることができ、表示品質が向上する。
【0026】
(c)調光印刷部における調光作用
実施例1では、調光印刷部10fにより、輝度と色みの調整が行われる。まず、輝度が調整されると、第1表示12及び第2表示13において、調光印刷部10fとの差が目立たなくなり、その光の形状と色から第1表示12、第2表示13が認識される。輝度が調整されることにより、調光印刷部10fを特に目立たなくし、良好に表示が認識される。
この輝度による作用は、調光印刷部10fの形状を光で認識させながらも、目立たせないようにする。目立つと第1印刷部分10b又は第2印刷部分10cと、調光印刷部10fの差が目立つからである。
【0027】
輝度による作用に色みの調整作用が加わることによって、第1印刷部分10bと第2印刷部分10cとの色差が小さくなる。すると、光の形状による認識、色による認識が相まって、より表示がはっきりと認識されることになる。
例えば、輝度のみの調整の場合、第1光源3、第2光源4の色、第1印刷部分10bの色、第2印刷部分10cの色のバラツキが大きいと、色差により、ある部分が目立って表示が認識しにくくなり表示品質が低下してしまう。
色みが調整されることにより、それぞれの色差が目立たなくなり、ばらつきがあっても、表示が充分に認識される。よって、より、はっきりと、表示の文字や形状が認識されるよう表示品質が向上する。
【0028】
次に効果を説明する。実施例1の可変表示構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0029】
(1)透光性のあるシート10gに波長の異なる第1光源3の光と第2光源4の光を切り換えて投光させ、第1表示12と第2表示13を行わせる可変表示構造であって、シート10gの片面に施された、第1光源3の波長のみを透過させる第1印刷部分10bと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第2光源4の波長のみを透過させる第2印刷部分10cと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第1光源3の波長と第2光源4の波長を透過させない背景印刷部分10eと、第1表示12と第2表示13の重複する部分と重なる部分で、第1光源3及び第2光源4の光を抑制して輝度及び色度を調整する調光印刷部10fを備えるため、高品質な2種類の表示ができる。
(2)調光印刷部10fは、第1表示12と第2表示13の重複する部分より面積を大きくして、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面と反対側の面に施されたため、第1印刷部分10bを設けた面における印刷精度の緩和となり、また、光漏れが防止される。さらに、調光印刷部分10fは、重なり部分10dより面積を広くしているので、精度を必要とせずに設けることができ、コストが抑制される。
【0030】
(3)調光印刷部10fは、第1光源3が点灯した際に、第1印刷部分10bを通過した光と、調光印刷部10fを通過した光の色みが同じになるよう調光印刷部10fの色度を調整し、第2光源4が点灯した際に、第2印刷部分10cを通過した光と、調光印刷部10fを通過した光の色みが同じになるよう調光印刷部10fの色度を調整したため、第1印刷部分10bと調光印刷部10f、第2印刷部分10cと調光印刷部10fを通過する光の色差を小さくして、高品質な2種類の表示を行うことができる。
【0031】
(4)調光印刷部10fは、透過率の波長特性が、第1光源3の波長帯域においては、第1印刷部分10bの透過率の波長特性と近似させ、第2光源4の波長帯域においては、第2印刷部分の透過率の波長特性と近似させたため、透過率特性の近似により輝度を調整し、波長特性の近似により色みを調整して、色みの調整により表示の色差を小さくし、輝度の調整でさらに調光印刷部10fによる表示を目立たせないようにして、さらに高品質な2種類の表示を行うことができる。
【実施例2】
【0032】
実施例2は、拡散シートを用いる例である。すなわち、実施例2では、シート10g、拡散印刷部10aを設けず、図7,図8に示すように拡散シート10hを設ける。拡散シート10hは、半透明であり、これにより光を拡散させて通過させるものである。このように拡散シートを用いてもよい。
その他構成、作用効果は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【実施例3】
【0033】
実施例3は、印刷に用いるインキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた例である。
図9は実施例3における第1表示を示す説明図である。図10は図9のB−B断面図である。
実施例3では、重なり部分10dを設けずに、シート10gの前面、つまり第1印刷部分10b、第2印刷部分10cを設けた面に調光印刷部分10fを設ける。
さらに、図10に示すように、第1印刷部分10bには、第1光源3からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部31を設け、第2印刷部分10cには、第2光源4からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部32を設ける。
【0034】
シート10g後面に設けた拡散印刷部10aには、第1光源3からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部33と、第2光源4からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部34とを設ける。
その他構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0035】
次に作用を説明する。
[輝度ムラについて]
図13は第1光源3、第2光源4を点灯させた状態を示す説明図である。図14は図13のC−C断面図である。
第1光源3又は第2光源4を点灯させた場合において、その光を通過させて表示を行う場合に、第1印刷部分10b、第2印刷部分10c、調光印刷部10fは、拡散印刷部10a(又は拡散シート10h)で拡散処理が行なわれるが、第1光源3または、第2光源4に近い位置のほうが、輝度が高くなる輝度ムラを生じてしまう。
【0036】
輝度ムラが大きい場合には、調光の効果が失われることになり、調光印刷部10fと第1印刷部分10b又は第2印刷部分10cの違いが顕著に認識されてしまうことになる。このような場合には、表示品質が低下してしまうことになる。
これに対し本実施例3では、グラデーション部31,32,33,34を設けて、課題を解決している。
【0037】
[表示品質の向上作用]
実施例3においては、第1印刷部分10bと第2印刷部分10cにインキの量を段階的に変化させたグラデーション部31,32を設けている。もちろん、このグラデーション部は、調光印刷部10fに設けてもよく、段階的な変化は、本実施例3のように無段階なものでも、ステップ的に段階的なものであってもよい。
このグラデーション部31,32においては、インキの量の違いにより、通過できる光の量が抑制されるため、輝度が調整される。そのため、第1光源3又は第2光源4の光源に対する距離による輝度の差が調整される。よって、第1表示12又は第2表示13において、輝度ムラがなくなり、第1印刷部分10b,第2印刷部分10cと調光印刷部10fを一体の表示として認識させることをより確実にし、表示品質を向上させる。
【0038】
また、実施例3においては、拡散印刷部10aにおいても、グラデーション部33,34を設けている。光源に近づくにつれてインキ量を多くすることにより、光源に近い位置では、通過する光の量が強く制限されるとともに、より拡散が進むことになる。よって、さらに、輝度ムラがなくなるとともに、光源の位置での光が表示に見えてしまうようなことがなくなる。
よって、さらに表示品質が向上する。
【0039】
効果を説明する。実施例3の可変表示構造にあっては、以下の効果を有する。
(5)透過性のあるシート10gに波長の異なる第1光源3の光と第2光源4の光を切り換えて投光させ、第1表示12と第2表示13を行なわせる可変表示構造であって、シート10gの片面に施された、第1光源3の波長のみを透過させる第1印刷部分10bと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第2光源4の波長のみを透過させる第2印刷部分10cと、シート10gに施された、第1光源3の波長と第2光源4の波長を透過させない背景印刷部分10eと、シート10gに施された、第1表示12と第2表示13の重複する部分と重なる部分で、第1光源3及び第2光源4の光を抑制する調光印刷部分10fとを備え、第1印刷部分10b、第2印刷部分10cに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けたため、輝度ムラをなくし、表示品質を向上させることができる。
【0040】
(6)背景印刷部分10eと調光印刷部分10fをシート10gの第1印刷部分10bに設けた面に施すようにし、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面と反対側の面に、第1光源3及び第2光源4の光を拡散させる拡散印刷部10aを設け、拡散印刷部10aに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部23,24を設けたため、光源に近い位置の光の通過の制限と拡散を進め、光源の位置での光が表示に見えないようにでき、さらに表示品質を向上させることができる。
その他作用、効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【実施例4】
【0041】
実施例4は、インキの量の変化を、光源の光と同色系のインキの量の変化とした例である。
図11は、実施例4における可変表示構造の説明図であり、図12は、実施例4におけるインキの量の説明図である。
実施例4では、例えば、第1光源3が赤い発光を行い、第2光源4が青い発光を行なうとする。
図11は、説明上、第1表示12が赤い「I」の表示、第2表示13が青い「E」の表示を行なうものとする。この状態で、調光印刷部10fを、図11(b)に示すように、赤い第1光源3の近くでは青系のインキ量を増やし、赤い第1光源3の遠くでは青系のインキ量を少なくする。青い第2光源4の近くでは赤系のインキ量を増やし、青い第2光源の遠くでは赤系のインキ量を少なくする。よって、実施例4では、調光印刷部10f全体がグラデーション部に相当する。なお、このグラデーション部に相当する部分は一部に設けるものであってもよい。
【0042】
作用を説明する。
[輝度ムラについて]
表示の輝度ムラについて、図13を参照して説明する。図13に示すように、変化のない印刷が行われ、第1光源3を赤い発光、第2光源4を青い発光とした場合、調光印刷部10fでは、赤い発光と青い発光のいずれにおいても、光を通過させ、かつ、赤い発光の場合に赤色と一体の意匠「I」と認識させる色での光の透過を行い、青い発光の場合に青色と一体の意匠「E」と認識させる色での光の透過を行なう。
この調光印刷部10fにおいても、輝度ムラが発生し、光源の近くが明るすぎ、光源から離れると暗くなる表示となる。この変化が大きい場合には、調光の効果が失われることになり、調光印刷部10fと第1印刷部分10b又は第2印刷部分10cの違い(色差)が顕著に認識されてしまうことになる。このような場合には、表示品質が低下してしまうことになる。
これに対し本実施例4では、調光印刷部10fにおいて、赤系インキ量と青系インキ量を段階的に変化させることで課題を解決している。
【0043】
[表示品質の向上作用]
本実施例4では、第1光源3が赤い発光を行なうと、まず、第1印刷部分10bがこの赤い発光を通過させることで、赤い透過光を通過させる。言い換えれば、第1印刷部分10bは赤い発光を行なう。調光印刷部10fでは、赤い光に対して赤に近く、例えばピンクに近い色で発光するよう赤色光を透過させる。
この調光印刷部10fは、赤色系のインキ量が第1光源3からの距離に対し、一定であるならば、光源から遠い位置が暗くなり、全体として赤い「I」の文字が「I」かどうかわかりにくくなり、又は認識できなくなる。
本実施例4では、赤色光を発する第1光源3からの距離が近くなるほど、青色系のインキ量が多くなるため、透光量が調整され、光源からの遠近に対しても、輝度が一定な調光印刷部10fとなり、全体として赤い「I」であるとはっきり見て取れる。つまり認識性が向上する。
【0044】
第2光源4が青い発光を行なう場合には、第2印刷部分10cが青い光を通過させることで、青い発光を行なう。調光印刷部10fでは、青い光に対しては、青に近く、例えば紫色に近い色で発光するよう青色光を透過させる。
この青色光の場合においても、青色光を発する第2光源4からの距離が近くなるほど、赤色系のインキ量が多くなるため、光源からの遠近に対しても、輝度が一定な調光印刷部10fとなり、全体として青い「E」であるとはっきり認識できる。
【0045】
効果を説明する。実施例4の可変表示構造では、以下の効果を有する。
(7)調光印刷部分10fをグラデーション部とし、赤色系のインキ量を、赤色光を発する第1光源3から距離が遠くなるにつれて徐々に多くするようにし、青色系のインキ量を、青色光を発する第2光源4から距離が遠くなるにつれて徐々に多くするようにしたため、距離による色度の差をなくし、表示品質を向上できる。また、言い換えれば高品質の2種類の表示を同じ部位で切り換えて行うことができる。
また、実施例4では、調整印刷部分10fにおいて、青系、赤系のインキ量について、光源からの距離に応じて段階的に変化させたが、全体のインキ量を光源からの距離に応じて段階的に変化させるようにしてもよい。全体のインキ量を変化させた場合の効果を以下に示す。
(8)調光印刷部分10fは、全体のインキ量を光源との距離に応じて段階的に変化させたため、容易に光源との距離に関する輝度の調整を行うことができる。
【0046】
以上、本発明の可変表示構造を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
第1表示、第2表示の色は他の色であってもよい。
第1印刷部分、第2印刷部分、背景印刷部、調光印刷部、拡散印刷部のシートへの印刷は、シルク印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷があり、いずれの印刷によるものでもよい。また、他の印刷によるものであってもよい。
調光印刷部は、輝度調整のために、黒点を所定密度で設けるものであってもよい。
【0047】
実施例1〜実施例4は、説明上、それぞれ個別の例として説明したが、組み合わせて用いるようにしてもよい。特に、実施例3のグラデーション部は実施例4のグラデーション部と組み合わせるとよい。組み合わせると輝度と色みの両方で表示品質が向上するため、非常に効果が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例1の可変表示構造を示す断面図である。
【図2】実施例1の可変表示構造のカラーフィルタの正面図及び背面図である。
【図3】図2(a)のA−A断面図である。
【図4】実施例1の可変表示構造の断面図である。
【図5】実施例1の可変表示構造の第1表示と第2表示を示す説明図である。
【図6】実施例1の可変表示構造の第1印刷部分、第2印刷部分の特性と第1光源、第2光源の波長との関係を示す説明図である。
【図7】実施例2の可変表示構造のカラーフィルタの断面図である。
【図8】実施例2の可変表示構造の断面図である。
【図9】実施例3における第1表示を示す説明図である。
【図10】図9のB−B断面図である。
【図11】実施例4における可変表示構造の説明図である。
【図12】実施例4におけるインキの量の説明図である。
【図13】実施例3において、グラデーション部を設けない場合を示す説明図である。
【図14】図13のC−C断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 スイッチ
2 スイッチフィニッシャ
3 第1光源
4 第2光源
5 タクトスイッチ
6 基板
7 ガイドハウジング
8 スライダ
8a 係合部
10 カラーフィルタ
10a 拡散印刷部
10b 第1印刷部分
10c 第2印刷部分
10d 重なり部分
10e 背景印刷部分
10f 調光印刷部分
10g シート
10h 拡散シート
11 スモークレンズ
12 第1表示
13 第2表示
21〜25 線
31〜34 グラデーション部
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一表示面に異なる表示を切り換えて表示させる可変表示構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、第1波長領域の青色光を通過させる第1領域、第2波長領域の緑色光を通過させる第2領域、背景を形成するその他の領域を箔シート後面にプリント印刷し、後方から、青色光の第1光源と緑色光の第2光源で照明している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−100679号公報(第2−8頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来にあっては、色度の差により表示にばらつきが生じていた。また、光源の位置によって全体的に輝度ムラが生じていた。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、第1の課題として、色度による表示のばらつきがない表示にでき、第2の課題として、光源の位置による輝度ムラがない表示にできる可変表示構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、透光性のあるシートに波長の異なる第1光源の光と第2光源の光を切り換えて投光させ、第1表示と第2表示を行わせる可変表示構造であって、前記シートの片面に施された、第1光源の波長のみを透過させる第1印刷部分と、前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第2光源の波長のみを透過させる第2印刷部分と、前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第1光源の波長と第2光源の波長を透過させない第3印刷部分と、前記第1表示と前記第2表示の重複する部分と重なる部分で、第1光源及び第2光源の光を抑制して輝度及び色度を調整する調光印刷部を備えたことを特徴とする。
なお、請求項4における「インキの量」は、特定色のインキの量でも、全体のインキの量であっても含まれるものとする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、第1の効果として、色度による表示のばらつきがない表示にでき、第2の効果として、光源の位置による輝度ムラがない表示にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の可変表示構造を実現する実施の形態を、実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の可変表示構造を示す断面図である。図2は実施例1の可変表示構造のカラーフィルタの正面図及び背面図である。図3は図2(a)のA−A断面図である。図4は実施例1の可変表示構造の断面図である。図5は実施例1の可変表示構造の第1表示と第2表示を示す説明図である。図6は実施例1の可変表示構造の第1印刷部分、第2印刷部分の特性と第1光源、第2光源の波長との関係を示す説明図である。
【0009】
スイッチ1は、まず、矩形枠状のスイッチフィニッシャ2の内部に矩形枠状のガイドハウジング7を設ける(図1参照)。
ガイドハウジング7には、矩形枠状のスイッチフィニッシャ2の開口面から開口面へ向かう方向、つまり、前後面に摺動可能なレール部分を設ける。
スイッチフィニッシャ2及びガイドハウジング7の背面側には、開口を塞ぐ板状の基板6を設ける。
基板6の前面側、つまりスイッチフィニッシャ2の内部側には、波長が約500nmをピークとする第1光源3と、波長が約600nmをピークとする第2光源4、押されることによりON/OFFの操作入力を行うタクトスイッチ5を設ける。
【0010】
第1光源3及び第2光源4としては、異なる色を発光するLEDがコスト抑制、メンテナンス性から好ましいが、別のものであってもよい。
次に内外で2重の枠部分を有するスライダ8を設ける。スライダ8の内部の枠部分は、第1光源3及び第2光源4側に行くに従って角錐状に内側が狭くなる形状にする。また、スライダ8の内側の枠形状部分は後方に延長し、第1光源3及び第2光源4の側方を覆うようにする。
さらに、スライダ8の内側の枠形状部分の下方傾斜面には、下方に突出する形状の係合部8aを設ける。係合部8aの位置は、下方に移動するとタクトスイッチ5と係合する位置にする。
スライダ8の内側枠部分の前面部分には、カラーフィルタ10を設ける。
カラーフィルタ10の前面部分には、消灯時に外光によって印刷パターンが見えてしまうのを防ぐために全体的に透光性が低くされたスモークレンズ11を設ける。
【0011】
ここで、スモークレンズ11、カラーフィルタ10を取り付けたスライダ8を、ガイドハウジング7のレール部分に係合させて前後に摺動自在にする。
これにより、スライダ8をタクトスイッチ5に向かって押すと、スライダ8が摺動して傾斜面から下方に突出する形状の係合部8aがタクトスイッチ5を押す構造にする。
また、押された後に、自由状態にすると、タクトスイッチの反力で戻る構造にする。
【0012】
カラーフィルタ10は、透明なシート10g前面に、第1印刷部分10b、第2印刷部分10c、重なり部分10d(無印刷部分)、背景印刷部分10eを設け、シート後面に拡散印刷部10a、調光印刷部分10fを設ける。
ここで、第1表示12を図5(a)に示すように文字の「A」、第2表示13を図5(b)に示すように文字の「E」とする。
第1印刷部分10bは、第1表示12である「A」の第2表示13「E」と重ならない図2(a)の部分であり、赤色光を通過させる赤い色の印刷である。この第1印刷部分10bの波長に対する透過効率の特性は、図6の線21で示す特性となる。
【0013】
第2印刷部分10cは、第2表示13である「E」の第1表示12「A」と重ならない図2(a)の部分であり、青色光を通過させる青い色の印刷である。この第2印刷部分10cの波長に対する透過効率の特性は、図6の線23で示す特性となる。
重なり部分10dは、第1表示12の「A」と第2表示13の「E」とが重なった部分である。実施例1では、第1印刷部分10b、第2印刷部分10cを施すシートの前面には、何も印刷しない。つまり、前面の重なり部分10dには何も印刷せず、印刷は後面に行う。
【0014】
第1印刷部分10bと第2印刷部分10cは、実際に表示する第1表示12及び第2表示13よりやや幅広く印刷しておく。つまり、印刷精度をやや緩和したものでよい。その上から黒い印刷である背景印刷部分10eを印刷することにより、第1印刷部分10bと第2印刷部分10cの外周縁位置が決まるようにする。
さらに、第1印刷部分10bや第2印刷部分10cを設けた前面と反対側の後面には、拡散印刷部10aを設ける。拡散印刷部10aは、入光を拡散して出光させるものである。
この第1印刷部分10b等と反対側の後面の拡散印刷部10a上に、調光印刷部10fを設ける。調光印刷部10fを設ける位置は、重なり部分10dの印刷の無い前面部分と重なる位置である。
調光印刷部10fは、波長に対する透過効率の特性として、図6に示す特性を有することによって、輝度と色みの両方において、調光を行う。
【0015】
次に作用を説明する。
[表示作用]
(a)第1表示
実施例1において、第1表示12を表示させるには、第1光源3を点灯させ、第2光源を消灯する。
第1光源3から発せられる光は、スライダ8の内側枠で、第1光源3の側方に発散する光を前方に反射する。
このスライダ8の内側枠の内部空間を通るようにして、前面部分からカラーフィルタ10に光が入光する。
【0016】
カラーフィルタを構成する拡散印刷部10aの背面の一部には、調光印刷部10fを設けているため、この部分において、輝度及び色みの調整がされて、光が拡散印刷部10aに入光することになる。
また、調光印刷部10f以外の部分では、輝度を損なうことなく拡散印刷部10aに入光する。
拡散印刷部10aでは、光が拡散され前面に向かうことになる。
この拡散により、第1印刷部分10b及び第2印刷部分10cと、調光印刷部10fの輝度及び色みの格差がなくなる。
【0017】
シート10gの前面における、第1印刷部分10bでは、図6に示すように第1光源3の光を通過させる(線21と線22で示す関係)ため、第1印刷部分10bが明るく表示する。
この表示は、拡散印刷部10aにより光が拡散するため、光源の位置に重なる部分の輝度が最も高くなりすぎることなく、均一した表示になる。
【0018】
さらに、重なり部分10d、つまり調光印刷部10fでは、図6の波長に対する透過効率の関係において、第1光源3の光(線22)で示される特定波長域の透過特性が、第1印刷部分10b(線21)と調光印刷部10f(線25)で近似している。
この図6の線21と線25における近似の状態において、透過効率が近似していることにより、輝度が第1印刷部分10bと調光印刷部10fで近似し、特定波長域が近似していることにより、色みが第1印刷部分10bと調光印刷部10fで近似する。
【0019】
一方、第2印刷部分10cは、図6において、第1光源3の特性(線22)に対して線23で示す特性になるため、第1光源3の光は通過できない。
また、背景印刷部分10eは、第1光源3の光、第2光源4の光のいずれも通過させない。
これにより、第1表示12、つまり図5(a)に示す「A」が表示されることになる。
【0020】
(b)第2表示
実施例1において、第2表示13を表示させるには、第2光源4を点灯させ、第1光源3を消灯する。
すると、第2印刷部分10cと第2光源4との関係は、図6の線23と線24の関係となるため、第2印刷部分10cが明るく表示される。
さらに、重なり部分10d、つまり調光印刷部10fでは、図6の波長に対する透過効率の関係において、第2光源4の光(線24)で示される特定波長域の透過特性が、第2印刷部分10c(線23)と調光印刷部10fで近似している。
【0021】
この図6の線23と線25における近似の状態において、透過効率が近似していることにより、輝度が第2印刷部分10cと調光印刷部10fで近似し、特定波長が近似していることにより、色みが第2印刷部分10cと重なり部分10fで近似する。
一方、第1印刷部分10bと第2光源4との関係は、図6において、線21と線24の関係となるため、第2光源4の光は通過できない。
また、背景印刷部分10eは第1光源3及び第2光源の光をいずれも通過させない。
これにより、第2表示13つまり、図5(b)に示す「E」が表示されることになる。
【0022】
[スイッチ作用]
実施例1では、操作する人がスモークレンズ11を押すと、一体化したスライダ8が摺動し、スライダ8の一部がタクトスイッチ5を押す。
スイッチ1としては、基板6に設けられる図示しない回路によって、どちらの表示状態において、タクトスイッチ5に入力があったかを判断し、2つの操作入力として使用する。これにより、1つのスイッチにおいて、異なるモードでの操作入力が可能となる。
【0023】
[コスト抑制作用及び光漏れ防止作用]
実施例1では、印刷を設けない重なり部分10dを前面に設け、調光印刷部分10fを後面に設ける。
そのため、前面における印刷精度の緩和となり、また、光漏れが防止される。
また、第1表示12、第2表示13は、黒色の背景印刷部分10eにより所定の寸法形状で意匠部分を抜くポジ印刷ができるため、高精度の印刷を行うことなく精度のよい表示が行える。
また、印刷位置ズレによる光漏れは生じない。
さらに、調光印刷部分10fは、重なり部分10dより面積を広くしているので、精度を必要とせずに設けることができ、コストが抑制される。
【0024】
[表示品質の向上作用]
(a)重なり部分10dに印刷を施さない作用
重なり部分には、印刷を設けないため、印刷部分と印刷部分との印刷ずれが生じることがないため、表示品質が向上する。
【0025】
(b)スライダの集光作用
スライダ8の枠状部分は、光源の側方への光を集めて前方に向かわせる。よって、全体的により明るい表示にすることができ、表示品質が向上する。
【0026】
(c)調光印刷部における調光作用
実施例1では、調光印刷部10fにより、輝度と色みの調整が行われる。まず、輝度が調整されると、第1表示12及び第2表示13において、調光印刷部10fとの差が目立たなくなり、その光の形状と色から第1表示12、第2表示13が認識される。輝度が調整されることにより、調光印刷部10fを特に目立たなくし、良好に表示が認識される。
この輝度による作用は、調光印刷部10fの形状を光で認識させながらも、目立たせないようにする。目立つと第1印刷部分10b又は第2印刷部分10cと、調光印刷部10fの差が目立つからである。
【0027】
輝度による作用に色みの調整作用が加わることによって、第1印刷部分10bと第2印刷部分10cとの色差が小さくなる。すると、光の形状による認識、色による認識が相まって、より表示がはっきりと認識されることになる。
例えば、輝度のみの調整の場合、第1光源3、第2光源4の色、第1印刷部分10bの色、第2印刷部分10cの色のバラツキが大きいと、色差により、ある部分が目立って表示が認識しにくくなり表示品質が低下してしまう。
色みが調整されることにより、それぞれの色差が目立たなくなり、ばらつきがあっても、表示が充分に認識される。よって、より、はっきりと、表示の文字や形状が認識されるよう表示品質が向上する。
【0028】
次に効果を説明する。実施例1の可変表示構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0029】
(1)透光性のあるシート10gに波長の異なる第1光源3の光と第2光源4の光を切り換えて投光させ、第1表示12と第2表示13を行わせる可変表示構造であって、シート10gの片面に施された、第1光源3の波長のみを透過させる第1印刷部分10bと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第2光源4の波長のみを透過させる第2印刷部分10cと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第1光源3の波長と第2光源4の波長を透過させない背景印刷部分10eと、第1表示12と第2表示13の重複する部分と重なる部分で、第1光源3及び第2光源4の光を抑制して輝度及び色度を調整する調光印刷部10fを備えるため、高品質な2種類の表示ができる。
(2)調光印刷部10fは、第1表示12と第2表示13の重複する部分より面積を大きくして、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面と反対側の面に施されたため、第1印刷部分10bを設けた面における印刷精度の緩和となり、また、光漏れが防止される。さらに、調光印刷部分10fは、重なり部分10dより面積を広くしているので、精度を必要とせずに設けることができ、コストが抑制される。
【0030】
(3)調光印刷部10fは、第1光源3が点灯した際に、第1印刷部分10bを通過した光と、調光印刷部10fを通過した光の色みが同じになるよう調光印刷部10fの色度を調整し、第2光源4が点灯した際に、第2印刷部分10cを通過した光と、調光印刷部10fを通過した光の色みが同じになるよう調光印刷部10fの色度を調整したため、第1印刷部分10bと調光印刷部10f、第2印刷部分10cと調光印刷部10fを通過する光の色差を小さくして、高品質な2種類の表示を行うことができる。
【0031】
(4)調光印刷部10fは、透過率の波長特性が、第1光源3の波長帯域においては、第1印刷部分10bの透過率の波長特性と近似させ、第2光源4の波長帯域においては、第2印刷部分の透過率の波長特性と近似させたため、透過率特性の近似により輝度を調整し、波長特性の近似により色みを調整して、色みの調整により表示の色差を小さくし、輝度の調整でさらに調光印刷部10fによる表示を目立たせないようにして、さらに高品質な2種類の表示を行うことができる。
【実施例2】
【0032】
実施例2は、拡散シートを用いる例である。すなわち、実施例2では、シート10g、拡散印刷部10aを設けず、図7,図8に示すように拡散シート10hを設ける。拡散シート10hは、半透明であり、これにより光を拡散させて通過させるものである。このように拡散シートを用いてもよい。
その他構成、作用効果は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【実施例3】
【0033】
実施例3は、印刷に用いるインキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた例である。
図9は実施例3における第1表示を示す説明図である。図10は図9のB−B断面図である。
実施例3では、重なり部分10dを設けずに、シート10gの前面、つまり第1印刷部分10b、第2印刷部分10cを設けた面に調光印刷部分10fを設ける。
さらに、図10に示すように、第1印刷部分10bには、第1光源3からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部31を設け、第2印刷部分10cには、第2光源4からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部32を設ける。
【0034】
シート10g後面に設けた拡散印刷部10aには、第1光源3からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部33と、第2光源4からの距離が遠くなるにつれて、印刷のインキの量を少なくするグラデーション部34とを設ける。
その他構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0035】
次に作用を説明する。
[輝度ムラについて]
図13は第1光源3、第2光源4を点灯させた状態を示す説明図である。図14は図13のC−C断面図である。
第1光源3又は第2光源4を点灯させた場合において、その光を通過させて表示を行う場合に、第1印刷部分10b、第2印刷部分10c、調光印刷部10fは、拡散印刷部10a(又は拡散シート10h)で拡散処理が行なわれるが、第1光源3または、第2光源4に近い位置のほうが、輝度が高くなる輝度ムラを生じてしまう。
【0036】
輝度ムラが大きい場合には、調光の効果が失われることになり、調光印刷部10fと第1印刷部分10b又は第2印刷部分10cの違いが顕著に認識されてしまうことになる。このような場合には、表示品質が低下してしまうことになる。
これに対し本実施例3では、グラデーション部31,32,33,34を設けて、課題を解決している。
【0037】
[表示品質の向上作用]
実施例3においては、第1印刷部分10bと第2印刷部分10cにインキの量を段階的に変化させたグラデーション部31,32を設けている。もちろん、このグラデーション部は、調光印刷部10fに設けてもよく、段階的な変化は、本実施例3のように無段階なものでも、ステップ的に段階的なものであってもよい。
このグラデーション部31,32においては、インキの量の違いにより、通過できる光の量が抑制されるため、輝度が調整される。そのため、第1光源3又は第2光源4の光源に対する距離による輝度の差が調整される。よって、第1表示12又は第2表示13において、輝度ムラがなくなり、第1印刷部分10b,第2印刷部分10cと調光印刷部10fを一体の表示として認識させることをより確実にし、表示品質を向上させる。
【0038】
また、実施例3においては、拡散印刷部10aにおいても、グラデーション部33,34を設けている。光源に近づくにつれてインキ量を多くすることにより、光源に近い位置では、通過する光の量が強く制限されるとともに、より拡散が進むことになる。よって、さらに、輝度ムラがなくなるとともに、光源の位置での光が表示に見えてしまうようなことがなくなる。
よって、さらに表示品質が向上する。
【0039】
効果を説明する。実施例3の可変表示構造にあっては、以下の効果を有する。
(5)透過性のあるシート10gに波長の異なる第1光源3の光と第2光源4の光を切り換えて投光させ、第1表示12と第2表示13を行なわせる可変表示構造であって、シート10gの片面に施された、第1光源3の波長のみを透過させる第1印刷部分10bと、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面に施された、第2光源4の波長のみを透過させる第2印刷部分10cと、シート10gに施された、第1光源3の波長と第2光源4の波長を透過させない背景印刷部分10eと、シート10gに施された、第1表示12と第2表示13の重複する部分と重なる部分で、第1光源3及び第2光源4の光を抑制する調光印刷部分10fとを備え、第1印刷部分10b、第2印刷部分10cに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けたため、輝度ムラをなくし、表示品質を向上させることができる。
【0040】
(6)背景印刷部分10eと調光印刷部分10fをシート10gの第1印刷部分10bに設けた面に施すようにし、シート10gの第1印刷部分10bを設けた面と反対側の面に、第1光源3及び第2光源4の光を拡散させる拡散印刷部10aを設け、拡散印刷部10aに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部23,24を設けたため、光源に近い位置の光の通過の制限と拡散を進め、光源の位置での光が表示に見えないようにでき、さらに表示品質を向上させることができる。
その他作用、効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
【実施例4】
【0041】
実施例4は、インキの量の変化を、光源の光と同色系のインキの量の変化とした例である。
図11は、実施例4における可変表示構造の説明図であり、図12は、実施例4におけるインキの量の説明図である。
実施例4では、例えば、第1光源3が赤い発光を行い、第2光源4が青い発光を行なうとする。
図11は、説明上、第1表示12が赤い「I」の表示、第2表示13が青い「E」の表示を行なうものとする。この状態で、調光印刷部10fを、図11(b)に示すように、赤い第1光源3の近くでは青系のインキ量を増やし、赤い第1光源3の遠くでは青系のインキ量を少なくする。青い第2光源4の近くでは赤系のインキ量を増やし、青い第2光源の遠くでは赤系のインキ量を少なくする。よって、実施例4では、調光印刷部10f全体がグラデーション部に相当する。なお、このグラデーション部に相当する部分は一部に設けるものであってもよい。
【0042】
作用を説明する。
[輝度ムラについて]
表示の輝度ムラについて、図13を参照して説明する。図13に示すように、変化のない印刷が行われ、第1光源3を赤い発光、第2光源4を青い発光とした場合、調光印刷部10fでは、赤い発光と青い発光のいずれにおいても、光を通過させ、かつ、赤い発光の場合に赤色と一体の意匠「I」と認識させる色での光の透過を行い、青い発光の場合に青色と一体の意匠「E」と認識させる色での光の透過を行なう。
この調光印刷部10fにおいても、輝度ムラが発生し、光源の近くが明るすぎ、光源から離れると暗くなる表示となる。この変化が大きい場合には、調光の効果が失われることになり、調光印刷部10fと第1印刷部分10b又は第2印刷部分10cの違い(色差)が顕著に認識されてしまうことになる。このような場合には、表示品質が低下してしまうことになる。
これに対し本実施例4では、調光印刷部10fにおいて、赤系インキ量と青系インキ量を段階的に変化させることで課題を解決している。
【0043】
[表示品質の向上作用]
本実施例4では、第1光源3が赤い発光を行なうと、まず、第1印刷部分10bがこの赤い発光を通過させることで、赤い透過光を通過させる。言い換えれば、第1印刷部分10bは赤い発光を行なう。調光印刷部10fでは、赤い光に対して赤に近く、例えばピンクに近い色で発光するよう赤色光を透過させる。
この調光印刷部10fは、赤色系のインキ量が第1光源3からの距離に対し、一定であるならば、光源から遠い位置が暗くなり、全体として赤い「I」の文字が「I」かどうかわかりにくくなり、又は認識できなくなる。
本実施例4では、赤色光を発する第1光源3からの距離が近くなるほど、青色系のインキ量が多くなるため、透光量が調整され、光源からの遠近に対しても、輝度が一定な調光印刷部10fとなり、全体として赤い「I」であるとはっきり見て取れる。つまり認識性が向上する。
【0044】
第2光源4が青い発光を行なう場合には、第2印刷部分10cが青い光を通過させることで、青い発光を行なう。調光印刷部10fでは、青い光に対しては、青に近く、例えば紫色に近い色で発光するよう青色光を透過させる。
この青色光の場合においても、青色光を発する第2光源4からの距離が近くなるほど、赤色系のインキ量が多くなるため、光源からの遠近に対しても、輝度が一定な調光印刷部10fとなり、全体として青い「E」であるとはっきり認識できる。
【0045】
効果を説明する。実施例4の可変表示構造では、以下の効果を有する。
(7)調光印刷部分10fをグラデーション部とし、赤色系のインキ量を、赤色光を発する第1光源3から距離が遠くなるにつれて徐々に多くするようにし、青色系のインキ量を、青色光を発する第2光源4から距離が遠くなるにつれて徐々に多くするようにしたため、距離による色度の差をなくし、表示品質を向上できる。また、言い換えれば高品質の2種類の表示を同じ部位で切り換えて行うことができる。
また、実施例4では、調整印刷部分10fにおいて、青系、赤系のインキ量について、光源からの距離に応じて段階的に変化させたが、全体のインキ量を光源からの距離に応じて段階的に変化させるようにしてもよい。全体のインキ量を変化させた場合の効果を以下に示す。
(8)調光印刷部分10fは、全体のインキ量を光源との距離に応じて段階的に変化させたため、容易に光源との距離に関する輝度の調整を行うことができる。
【0046】
以上、本発明の可変表示構造を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
第1表示、第2表示の色は他の色であってもよい。
第1印刷部分、第2印刷部分、背景印刷部、調光印刷部、拡散印刷部のシートへの印刷は、シルク印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷があり、いずれの印刷によるものでもよい。また、他の印刷によるものであってもよい。
調光印刷部は、輝度調整のために、黒点を所定密度で設けるものであってもよい。
【0047】
実施例1〜実施例4は、説明上、それぞれ個別の例として説明したが、組み合わせて用いるようにしてもよい。特に、実施例3のグラデーション部は実施例4のグラデーション部と組み合わせるとよい。組み合わせると輝度と色みの両方で表示品質が向上するため、非常に効果が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例1の可変表示構造を示す断面図である。
【図2】実施例1の可変表示構造のカラーフィルタの正面図及び背面図である。
【図3】図2(a)のA−A断面図である。
【図4】実施例1の可変表示構造の断面図である。
【図5】実施例1の可変表示構造の第1表示と第2表示を示す説明図である。
【図6】実施例1の可変表示構造の第1印刷部分、第2印刷部分の特性と第1光源、第2光源の波長との関係を示す説明図である。
【図7】実施例2の可変表示構造のカラーフィルタの断面図である。
【図8】実施例2の可変表示構造の断面図である。
【図9】実施例3における第1表示を示す説明図である。
【図10】図9のB−B断面図である。
【図11】実施例4における可変表示構造の説明図である。
【図12】実施例4におけるインキの量の説明図である。
【図13】実施例3において、グラデーション部を設けない場合を示す説明図である。
【図14】図13のC−C断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 スイッチ
2 スイッチフィニッシャ
3 第1光源
4 第2光源
5 タクトスイッチ
6 基板
7 ガイドハウジング
8 スライダ
8a 係合部
10 カラーフィルタ
10a 拡散印刷部
10b 第1印刷部分
10c 第2印刷部分
10d 重なり部分
10e 背景印刷部分
10f 調光印刷部分
10g シート
10h 拡散シート
11 スモークレンズ
12 第1表示
13 第2表示
21〜25 線
31〜34 グラデーション部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性のあるシートに波長の異なる第1光源の光と第2光源の光を切り換えて投光させ、
第1表示と第2表示を行わせる可変表示構造であって、
前記シートの片面に施された、第1光源の波長のみを透過させる第1印刷部分と、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第2光源の波長のみを透過させる第2印刷部分と、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第1光源の波長と第2光源の波長を透過させない第3印刷部分と、
前記第1表示と前記第2表示の重複する部分と重なる部分で、第1光源及び第2光源の光を抑制して輝度及び色度を調整する調光印刷部を備えた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項2】
請求項1に記載された可変表示構造において、
前記調光印刷部は、
第1表示12と第2表示13の重複する部分より面積を大きくして、前記シートの前記第1印刷部分を設けた面と反対側の面に施された、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された可変表示構造において、
前記調光印刷部は、
前記第1光源が点灯した際に、前記第1印刷部分を通過した光と、前記調光印刷部を通過した光の色みが同じになるよう前記調光印刷部の色度を調整し、
前記第2光源が点灯した際に、前記第2印刷部分を通過した光と、前記調光印刷部を通過した光の色みが同じになるよう前記調光印刷部の色度を調整した、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3に記載された可変表示構造において、
前記調光印刷部は、
透過率の波長特性が、
前記第1光源の波長帯域においては、前記第1印刷部分の透過率の波長特性と近似させ、
前記第2光源の波長帯域においては、前記第2印刷部分の透過率の波長特性と近似させた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項5】
透過性のあるシートに波長の異なる第1光源の光と第2光源の光を切り換えて投光させ、
第1表示と第2表示を行わせる可変表示構造であって、
前記シートの片面に施された、第1光源の波長のみを透過させる第1印刷部分と、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第2光源の波長のみを透過させる第2印刷部分と、
前記シートに施された、第1光源の波長と第2光源の波長を透過させない第3印刷部分と、
前記シートに施された、前記第1表示と前記第2表示の重複する部分と重なる部分で、第1光源及び第2光源の光を抑制する調光印刷部分と、
を備え、
前記第1印刷部分、前記第2印刷部分、前記調光印刷部分の少なくともいずれか一つに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項6】
請求項5に記載の可変表示構造において、
前記第3印刷部分と前記調光印刷部分を前記シートの前記第1印刷部分に設けた面に施すようにし、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面と反対側の面に、第1光源及び第2光源の光を拡散させる拡散印刷部分を設け、
前記拡散印刷部分に、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の可変表示構造において、
前記調光印刷部分に前記グラデーション部を設け、
前記調光印刷部分のグラデーション部は、
前記第1光源の光と同色系のインキ量と、
前記第2光源の光と同色系のインキ量の少なくともいずれかを、
光源との距離に応じて段階的に変化させた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項8】
請求項5又は請求項6に記載の可変表示構造において、
前記調光印刷部分に前記グラデーション部を設け、
前記調光印刷部分の全体のインキ量を光源との距離に応じて段階的に変化させた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項1】
透光性のあるシートに波長の異なる第1光源の光と第2光源の光を切り換えて投光させ、
第1表示と第2表示を行わせる可変表示構造であって、
前記シートの片面に施された、第1光源の波長のみを透過させる第1印刷部分と、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第2光源の波長のみを透過させる第2印刷部分と、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第1光源の波長と第2光源の波長を透過させない第3印刷部分と、
前記第1表示と前記第2表示の重複する部分と重なる部分で、第1光源及び第2光源の光を抑制して輝度及び色度を調整する調光印刷部を備えた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項2】
請求項1に記載された可変表示構造において、
前記調光印刷部は、
第1表示12と第2表示13の重複する部分より面積を大きくして、前記シートの前記第1印刷部分を設けた面と反対側の面に施された、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された可変表示構造において、
前記調光印刷部は、
前記第1光源が点灯した際に、前記第1印刷部分を通過した光と、前記調光印刷部を通過した光の色みが同じになるよう前記調光印刷部の色度を調整し、
前記第2光源が点灯した際に、前記第2印刷部分を通過した光と、前記調光印刷部を通過した光の色みが同じになるよう前記調光印刷部の色度を調整した、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3に記載された可変表示構造において、
前記調光印刷部は、
透過率の波長特性が、
前記第1光源の波長帯域においては、前記第1印刷部分の透過率の波長特性と近似させ、
前記第2光源の波長帯域においては、前記第2印刷部分の透過率の波長特性と近似させた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項5】
透過性のあるシートに波長の異なる第1光源の光と第2光源の光を切り換えて投光させ、
第1表示と第2表示を行わせる可変表示構造であって、
前記シートの片面に施された、第1光源の波長のみを透過させる第1印刷部分と、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面に施された、第2光源の波長のみを透過させる第2印刷部分と、
前記シートに施された、第1光源の波長と第2光源の波長を透過させない第3印刷部分と、
前記シートに施された、前記第1表示と前記第2表示の重複する部分と重なる部分で、第1光源及び第2光源の光を抑制する調光印刷部分と、
を備え、
前記第1印刷部分、前記第2印刷部分、前記調光印刷部分の少なくともいずれか一つに、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項6】
請求項5に記載の可変表示構造において、
前記第3印刷部分と前記調光印刷部分を前記シートの前記第1印刷部分に設けた面に施すようにし、
前記シートの前記第1印刷部分を設けた面と反対側の面に、第1光源及び第2光源の光を拡散させる拡散印刷部分を設け、
前記拡散印刷部分に、インキの量を段階的に変化させたグラデーション部を設けた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の可変表示構造において、
前記調光印刷部分に前記グラデーション部を設け、
前記調光印刷部分のグラデーション部は、
前記第1光源の光と同色系のインキ量と、
前記第2光源の光と同色系のインキ量の少なくともいずれかを、
光源との距離に応じて段階的に変化させた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【請求項8】
請求項5又は請求項6に記載の可変表示構造において、
前記調光印刷部分に前記グラデーション部を設け、
前記調光印刷部分の全体のインキ量を光源との距離に応じて段階的に変化させた、
ことを特徴とする可変表示構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図11】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図11】
【図13】
【公開番号】特開2006−126297(P2006−126297A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311374(P2004−311374)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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