説明

可変領域配列のクローニング方法

【課題】免疫グロブリン由来のイムノグロブリン可変ドメイン(IGVD)配列をクローニングする方法、および上記方法により作成した免疫グロブリン可変領域配列のレパートリーライブラリーを提供する。
【解決手段】サンプルのmRNAからユニバーサルプライマーを用いて第一鎖cDNAを合成、種特異的プライマーを用いて第二鎖DNAを合成し2本鎖DNAを産生、自然発生的制限部位に特異的な制限酵素及び上記種特異的プライマーがコードする制限部位に特異的な制限酵素で2本鎖DNAを切断、および得られた可変ドメインフラグメント配列をベクター内にクローニングすること、を含む方法によって得ることができる、IGVDポリヌクレオチド配列及び前記配列のレパートリーを含む発現ライブラリー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫グロブリンに由来する可変領域ポリヌクレオチド配列のクローニングに関する。
【0002】
背景技術
免疫グロブリン(Ig)鎖は幾つかの領域に分けられる。Ig鎖のN末端には可変領域がある。重鎖および軽鎖の可変領域は一体となり特定抗原を受け取るよう設計された結合部位を形成する。可変領域は、それらのアミノ酸配列が分子間で著しく異なることからそう呼ばれている。この配列の多様性が非常に多様な標的の認識を可能にしている。各可変領域は複数の比較的保存された配列領域と同時に3カ所の超可変配列領域を含んでいる。3カ所の超可変領域は相補性決定領域(CDRs)として知られている。単離された免疫グロブリン可変領域(IGVDs)、例えば重鎖可変領域(HCVDs)は抗原と1:1の比率で結合でき、その結合係数は完全な抗体分子のそれと同等である。この様なIGVDsは完全なIg分子の結合親和性に近い結合親和性で結合できることから、それらをIg分子またはその断片として様々に用いることができる。現在Ig分子は、例えば治療、診断、ワクチン、ホルモンまたは増殖因子活性の調整、検出、バイオセンサー、そして触媒としても用いられている。小型のIGVDsには、例えば低分子薬物の活性の中和や薬物を結合した状態での腎臓通過性、組織および腫瘍への浸透、ウイルス表面上の小保存領域に結合してウイルスを中和すること、タンパク質の高解像度エピトープマッピング、ならびに抗原を模したIGVDsによるワクチン接種に関して、完全抗体を凌ぐ利点があると考えられている。ある個体に由来するIGVDsの全て、または大部分を含む混合物はレパートリーを形成すると言われている。可変領域のレパートリーのクローニングは当技術分野では周知である。最新の方法は欧州特許EP0368684に完全に記載されている。要約すると、レパートリーのクローニングに関する前記方法は、クローニングのためにポリメラーゼ連鎖反応を利用し、可変領域にフランキングする保存的DNA配列にアニーリングする2つの種特異的プライマーを必要とする。好適なベクター内へのクローニングは、前記2つの種特異的プライマーに制限酵素部位を組込むことで容易になる。
【0003】
国際特許出願WO99/23221、欧州特許EP0368684及び米国特許US6,291,161、Vand der Linden等(J.Immunol Methods, 240,p180〜195)、Larrick JW等(Progress in Biotechnology,5,p231〜246)はIGVDをコードする遺伝子を単離する方法を開示し、IGVD領域にフランキングする2つの種特異的プライマーの使用を挙げている。2つの種特異的プライマーを使用するには、全ての種についてIGVD両端をフランキングする領域の配列が既知である必要がある。幾つかの種、例えばラマではIgG配列の情報の入手は容易ではない。配列情報が入手できない場合には、その種の配列と完全には相補的ではないプライマーが用いられることが多いため、プライマーのアニーリング効率は低くなり、結果としてレパートリーの多様性はより小さくなる。実際、標的と完全には相補的でないプライマーを使用すると、レパートリーライブラリーに突然変異の発生を強制することになる。強制突然変異はIGVDsの機能に影響することが示されており、従ってプライマーを原因とする強制突然変異の数を減らす方法は機能的レパートリーライブラリーのサイズを有意に増加させる。例えば、Kipriyanov SM等(Two amino acid mutations in an anti-human CD3 single chain Fv antibody fragment that affect the yield on bacterial secretion but not the affinity、Protein Eng.(1997)、10(4)、p445〜53);de Haard H等(Venier zone residue 4 of mouse subgroup II kappa light chains is a critical determinant for antigen recognition、Immunotechnology、(1999)、4(3〜4)、p203〜15);de Haard HJ等(Absolute conservation of residue 6 of immunoglobulin heavy chain variable regions of class IIA is required for correct folding、Protein Eng(1998)、11(12)、p1267〜76);Honegger A、Pluckthun A.J(The influence of the buried glutamine or glutamate residue in position 6 on the structure of immunoglobulin variable domains、Mol Biol(2001)、309(3)、p687〜99);Jung S等(The importance of framework residues H6、H7 and H10 in antibody heavy chains:experimental evidence for a new structural subclassification of antibody V(H) domains、J Mol Biol(2001)、309(3)、p701〜16);Langedijk AC等(The nature of antibody heavy chain residue H6 strongly influences the stability of a VH domain lacking the disulfide bridge、J Mol Biol(1998)、283(1)、p95〜110)を参照せよ。
【0004】
国際特許出願WO01/79481はポリ−dT−プライム化cDNA合成の産物を増幅する方法を用いたVH遺伝子ライブラリーの構築方法を開示する。遺伝子の3′末端には、定常領域にアニーリングする種特異的プライマーを用いる。遺伝子の5′末端には、RT Cap Extensionを用いて遺伝子開始部位に合成テール(tail)を付加する。続くステップでは非コーディング領域の除去およびクローニングに必要な制限酵素部位の作製が求められる。多くの操作ステップを包含することとは別に、方法では幾つかの連続したDNA重合を利用しており、これが不要な突然変異を導入し、ライブラリーの多様性形成を低下することが知られている。
【0005】
本発明の方法はIGVDsのレパートリークローニングに関する代替方法であり、メッセンジャーRNAを含むサンプルより始まる。この新規方法は、mRNAから第一鎖cDNAを合成した後に、IGVD配列のアンチセンスの3′末端に、またはその近傍に位置する配列とアニーリングする種特異的プライマーを1つだけ用いる。こうして産生した2本鎖DNAはIGVD配列と全ての定常領域とを包含している。その部分に対する制限酵素での切断が少なくともIGVD配列の一部をコードする2本鎖DNAを産生するように配置されたもともと存在する制限部位を利用することにより、こうして産生するIGVD断片を便利にクローニングし、そして発現することができる。1つの種特異的プライマーともともと存在する制限部位との組合せての使用はより高いライブラリーの多様性を実現するが、これは種間の配列変動への依存性が小さいからである。
【0006】
さらに前記のもともと存在する制限部位を使用すると、プライマーによる強制的突然変異は3′末端に起こらなくなる。
【0007】
この方法では全ての種について3′末端プライマーのアニーリングを最適化する必要がないこと、そして操作の工程数が明らかに少ないことから、従来の方法に比べ大幅に費用−時間が節約される。
【0008】
発明の目的および詳細な説明
本発明は免役グロブリン可変領域(IGVD)配列のクローニングの効率的方法に関する。遺伝子レベルでは、重鎖が3種類の遺伝子セグメント:即ち「未再配列」VH遺伝子(N−末端の3つのフレームワーク領域、最初の2つの全CDRと第3CDRのはじめの部分をコードしている)、多様性(DH)セグメント(第3GDRの中央部分をコードしている)および結合セグメント(JH)(第3CDRの最後の部分と第4フレームワーク領域をコードしている)から組み立てられた「再配列」遺伝子でコードされていることは周知である。B細胞の成熟の過程で、この遺伝子は各未再配列VH遺伝子が一つのDFI遺伝子と1つのJH遺伝子と連結するように再配置する。再配置した遺伝子がVH−DHJHに対応する。この再配置遺伝子はIg鎖の定常領域をコードする遺伝子に連結する。免疫グロブリンスーパーファミリーに由来する分子の可変重鎖領域の少なくとも一部分を構成するIGVDのレパートリーは、本発明による方法を包含する工程の最終産物である。あるいは、免役グロブリンスーパーファミリーに由来する分子の軽鎖可変領域の少なくとも一部分を構成するIGVDのレパートリーは、本発明による方法を包含する工程の最終産物である。あるいはIGVDのレパートリーは、免役グロブリンスーパーファミリーに由来する分子の重鎖可変領域の少なくとも一部分および免役グロブリンスーパーファミリーに由来する分子の可変軽鎖ドメインの少なくとも一部分から成る。用語「レパートリー」とは、免役グロブリンに関する場合、ある動物に認められるほぼ同一または類似の様々な範囲の特異性を持つ抗体の集まりを意味する。
【0009】
発明の第一実施態様では、IGVDポリヌクレオチド配列のクローニング方法を提供し、前記方法は(a)mRNAを含むサンプルを提供する工程、(b)第一鎖cDNA合成を実施する工程、(c)アンチセンス鎖のIGVD開始点に、またはその近傍にある部位とハイブリダゼーションできる第一プライマーを用いて2本鎖DNAを生成する工程、(d)制限部位に向けられた制限酵素による切断で機能的なIGVD断片をコードする2本鎖DNAが生成するように配置された制限部位に特異的な制限酵素で前記2本鎖DNAを切断する工程、(e)生じたIGVD配列をベクターにクローニングする工程、を含む。
【0010】
発明によれば、IGVDポリヌクレオチド配列は重鎖可変領域(HCVD)ポリヌクレオチド配列または軽鎖可変領域(LCVD)ポリヌクレオチド配列である。IGVDポリヌクレオチド配列のレパートリーは、HCVDポリヌクレオチド配列および/または軽鎖可変領域ポリヌクレオチド配列を含む。
【0011】
工程(d)の切断により生じたIGVD2本鎖DNAの断片は完全長のIGVDのヌクレオチド残基数より少なくとも、または多くとも、もしくは正確に同じでもよいが、しかしいずれの場合も生成した断片は抗原に結合できる。
【0012】
即ち、本発明の方法は単離したmRNAより開始できる。mRNAは免役グロブリンを産生することが特に知られている細胞または細胞株より、既知の方法で単離できるだろう。mRNAはオリゴ−dTクロマトグラフィーまたは当分野周知の他の方法を用いて他RNAより分離してもよい。次にmRNAを鋳型にして、逆転写酵素と好適プライマー(本明細書では「ユニバーサルプライマー」と呼ぶ)とを用いてcDNAの相補鎖を合成し、cDNA/mRNAヘテロ2重鎖を得る。好適ユニバーサルプライマーはオリゴ−dTを含み、あるいはランダムプライマーのセットを含むこともできる。
【0013】
2本鎖DNAはcDNA/mRNAヘテロ2重鎖より、種特異的プライマーを用い作られる。発明の方法によれば、種特異的プライマーは1種類の種特異的プライマーまたは種特異的プライマーの混合物である。種特異的プライマーはIGVD配列のアンチセンス鎖の3′末端に、またはその近傍に位置する配列にアニーリングする。用語「に、またはその近傍に」とは、プライマーがIGVD配列のN末端をコードするポリヌクオチド配列にアニーリングすることを意味する。理想的には、プライマーはIGVD配列のアンチセンス鎖の3′末端「に」アニーリングする。場合によっては、プライマーはHCVD配列のアンチセンスの3′末端の「近傍」にアニーリングするが、この場合はIGVD配列に属さない余分のDNAもセンス鎖の5′末端にクローニングされることになる。上記プライマーへのアニーリングは、前記プライマーが核酸にハイブリダイゼーション可能な条件の下で起こる。本明細書では、用語「種特異的」とは、プライマーがある特定の種、例えばマウス、ヒト、ラクダといった種のIGVD配列アンチセンス鎖の3′末端にある配列、またはその近傍の配列にアニーリングするようデザインされていることを意味する。さらに前記種特異的プライマーは、重鎖可変領域遺伝子のファミリー全てから演繹したコンセンサスポリヌクレオチド配列を持つ単一プライマーの1つでよいが、また既知IGVD配列の様々なファミリーに相補的になるようデザインされた複数の各種配列から成っても良い。プライマーは、例えばヌクレオチドの多様性または制限酵素部位の導入などの理由から、プライマーがアニーリングする標的配列に対し正確に相補的である配列を持たないことから、アニーリング混合液の条件を調整してプライマーが2本鎖の核酸にアニーリングできるようにする必要があることもある。この作業は当業者に周知である。種特異的プライマーは制限酵素認識部位を包含する配列を含むと有利である。制限酵素により認識される配列は、2本鎖の核酸にアニーリングするプライマーの一部である必要はないが、アニーリングしない延長物として提供されてもよい。1またはそれ以上の制限部位を持つプライマーまたはプライマーの組合せの使用には、DNAを少なくとも1つの制限酵素で切断して3′または5′にオーバーハングを持つヌクレオチドまたは平滑端を生ずることができるという利点がある。本発明の重要な要素は、IGVD配列が単一の種特異的プライマーだけで単離されることである。
【0014】
発明の種特異的プライマーを用い作成した2本鎖cDNAは、種特異的プライマーとmRNAからのcDNA合成開始に用いた部位までの間の領域を含んでいる。即ちそれは少なくともIGVDおよび全定常領域を含む。こうして作られた2本鎖cDNAは以下記載のようにしてクローニングに用いられる。あるいはクローニング前に、それを種特異的プライマーと、IGVD配列のセンス鎖の3′末端より下流の部位に結合する種特異的でない第2プライマーとを用い増幅してもよい。第2プライマーはIGVD配列のセンス鎖の3′末端下流にあるコンセンサス領域にアニーリングし、かつ全ての種にわたって存在する(即ち種特異的でない)配列を含むことができる。あるいは、第2プライマーは発明によるmRNAからのcDNA合成を開始するのに用いる配列(ユニバーサルプライマー)を含む。cDNA合成をランダムプライマーのセットを用いて行った場合には、第2プライマーは上記ランダムプライマーの混合物を含む。あるいは、第2プライマーはオリゴdTを含む配列である。
【0015】
2本鎖cDNAは当業界周知の方法により増幅されるだろう。実施態様の一つでは、増幅方法は次の工程を含む:(a)cDNAを含むサンプルを変性して2本の鎖に分離する工程、(b)上記サンプルに種特異的プライマーおよび第2プライマーを、上記プライマーが核酸にハイブリダイゼーション可能な条件の下にアニーリングする工程、(c)アニーリングしたサンプルにDNAポリメラーゼ酵素を、デオキシヌクレオシド3リン酸存在下に、プライマー伸長が起こる条件の下に加える工程、および(d)伸長したプライマーが配列より分離する条件の下にサンプルを変性する工程。方法は工程(b)から(d)を複数回繰り返す工程(e)を更に含むと良い。
【0016】
変性工程(d)は、例えばサンプルを加熱すること、尿素またはグアニジンといったカオトロピック剤の使用、またはpHのイオン強度を変更することにより実施できるだろう。復帰が容易なことから加熱での実施が好ましい。加熱により変性する場合には、サイクル毎に補充する必要がないことから熱安定型DNAポリメラーゼを使用することが通常である。産物である2本鎖cDNAは、例えばアガロースゲルを用いたゲル電気泳動により、混合物より分離されるだろう。あるいは、2本鎖cDNAを精製せずに使用し、以下記載の方法によりクローニングしてもよい。
【0017】
増幅後、本発明記載の特異的−特異的プライマーおよび発明の第2プライマーを用いて得た2本鎖cDNAは、少なくともIGVDおよび定常領域の一部を含む。
【0018】
発明の別の実施態様では、2本鎖cDNAは、DNA増幅工程によりcDNA/mRNAヘテロ2重鎖より作られる。増幅に使用する鋳型は、第一鎖cDNA合成後に好適ユニバーサルプライマーを用い作成したcDNA/mRNAである。鋳型の増幅に用いるプライマーは種特異的プライマーおよび上記の第2プライマーである。cDNA/mRNAヘテロ2重鎖は当業者に周知の方法または上記実施例に従い増幅してよい。増幅後、特異的−特異的プライマーと発明の第2プライマーを用い作成した2本鎖cDNAは少なくともIGVDおよび定常領域の一部を含む。
【0019】
発明者は驚くべきことにIGVDと定常領域との結合部分(より正確にはフレームワークIV(4)領域の3′末端)(再配列IGVD内)に存在する特有の制限部位を利用すると、そうして作成されたライブラリーの多様性が従来のものに比べ遙かに高いことを見いだした。ヒトおよびラクダでは、好適制限部位がBstEII−制限部位であることが判明している。従って、発明により作られる2本鎖cDNAは適当な制限酵素、例えばヒトおよびラクダの場合にはBstEII、および種特異的プライマーがコードする制限酵素により切断されるだろう。追加の工程として、得られた制限酵素断片を例えばアガロースゲル電気泳動により分離し、そして単離してもよい。2本鎖cDNAを発現ベクター内に容易にクローニングでき、機能的IGVDが発現できるような制限部位を選択することが好ましい。
【0020】
2本鎖DNAの中に位置する別の制限部位を、この部分に対する制限酵素を用いて切断し、機能的IGVD断片をコードする2本鎖DNAの生成に利用することも発明の一部である。好ましい制限部位の例は上記の如くBstEIIである。その他制限部位を発明に従い用いてもよい。部位は当業者により、周知の方法を用いスクリーニングされるだろう。例えば発明に従い作成した2本鎖DNAのレパートリーライブラリーを、結合アッセイおよび制限酵素のコレクションとを用い、好適制限酵素部位についてスクリーニングしてもよい。消化により生じた断片をクローニングし、結合について試験する。好ましく配置した制限部位が1またはそれ以上存在することは、切断産物が機能的IGVD断片を発現するにより実証される。制限部位はIGVDの3′末端方向、好ましくはIGVDと定常領域の結合部部分に配置する。上記制限部位での切断により生じたIGVD2本鎖DNAの断片は、完全長IGVDより少ないか、多いか、または正確に同数のヌクレオチド残基を包含するだろうが、いずれの場合も生じた断片は抗原と結合できる。
【0021】
あるいはIGVDのレパートリークローニングに関する本発明の方法は、cDNAを含むサンプルから開始して実施できる。上記cDNAはリンパ細胞に由来するのが好ましい。mRNAからcDNAを作製する方法は当業者に周知である。第一(アンチセンス)鎖の逆転写は、好適なユニバーサルプライマーを利用して、いずれかの方法で実行できる。例えば、de Haard HJ等((1999)、A Large non-immunized human Fab fragment phage library that permits rapid isolation and kinetic analysis of high affinity antibodies J Biol Chem 274、18218〜18230)を参照。cDNAは種特異的プライマーおよび前記のユニバーサルプライマーの様な第二プライマーを用い増幅されるだろう。産物は例えばゲル電気泳動により混合物から分離されるだろう。あるいは産物は精製することなく用い、適当なクローニングベクターに直接挿入してもよい。いずれの場合も、前記のようにIGVDと定常領域との間にある固有の制限を利用する。
【0022】
別の方法では、種特異的プライマーの使用を省略できる。ユニバーサルプライマーを用いてcDNAを合成した後、DNA配列同士の連結に関する周知の各種方法を用いて、合成配列(アダプター配列とも呼ばれる)をDNA鎖の5′末端に取り付ける。RT CapExtensionは一例であり、参照により本明細書に組み込まれたとする国際特許出願WO01/179481に記載されている。合成配列またはアダプター配列はクローニングに用いることができる制限部位を1またはそれ以上含んでいると有利である。この様にすると、BstEII(フレームワーク4内にある)およびcDNAに結合したアダプターによりコードされている制限酵素による切断により、例えばヒトまたはラクダの可変重鎖のレパートリーを単離できる。生じた制限断片は例えばアガロースゲル電気泳動により分離し、単離でき、続いて適当なベクターにクローニングできる。即ち代替方法は、(1)mRNAを含むサンプルを提供すること、(2)cDNA合成を実施すること、(3)少なくとも1つの制限酵素を含むアダプター配列をDNAの5′末端に取り付けること、(3a)場合によってアダプター配列およびユニバーサル配列をプライマーとして用いて配列を増幅すること、(4)得られたDNAをBstEIIおよび前記アダプターにコードされる制限酵素により切断すること、ならびに(5)得られたヒトまたはラクダIGVD配列をベクター内にクローニングすることを含む、ヒトまたはラクダの免疫グロブリンIGVD配列をクローニングする技術を提供する。
【0023】
本明細書で言う「ベクター」とは、細胞内にあるポリヌクレオチド複製の自立的単位として振る舞う(即ちそれ自身の制御の下に複製できる)、または宿主細胞の染色体内への挿入により複製が可能となり、それに他のポリヌクレオチドセグメントを結合することで結合したセグメントを複製および/または発現する、例えばプラスミド染色体、ウイルスのような遺伝的要素を意味する。好適ベクターとしては、プラスミド、バクテリオファージおよびコスミッドが挙げられるが、これらに限定しない。「発現ベクター」は希望する宿主細胞内へのベクターの連結または挿入の実施、および結合したセグメントの発現の実施に必要なポリヌクレオチド配列を含むだろう。かかる配列は宿主生物によって異なる;その様な配列としては、転写をもたらすプロモーター配列、転写を促進するエンハンサー配列、リボソーム結合部位配列ならびに転写および翻訳終止配列を挙げられる。あるいは発現ベクターは、宿主細胞DNA配列内にベクターを連結または組み込むことなく、その中にコードされている可変重鎖のレパートリーのような産物遺伝子産物を直接発現することもきる。
【0024】
ある実施態様では、mRNAを含むサンプルは、刺激を受けてmRNAの産生が促進されたリンパ細胞より得る。リンパ細胞、特にBリンパ細胞は免疫グロブリンを合成でき、これら細胞は一般に免疫グロブリン鎖に翻訳できるmRNAを持っている。リンパ細胞は免疫した、または免疫していない動物から得ることができる。一般には、mRNA供給源は末梢血液細胞、骨髄細胞、脾臓細胞またはリンパ節細胞(B−リンパ細胞または形質細胞のような)、少なくとも1種類の自己免疫疾患または癌にかかっている患者、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、リューマチ関節炎、抗リン脂質症候群または血管炎の様な自己免疫疾患に罹っている患者を包含する。
【0025】
別の実施態様では、本発明の方法の一部を形成する第一鎖cDNA合成は、ランダムプライミングまたはオリゴdT−プライミングを介して実施できる。いずれのプライミング法も当業者に周知であり、詳しい説明は必要ない。
【0026】
別の実施態様では、種特異的プライマーは少なくとも1種類の制限酵素についてのコードを持つ。即ちプライマーを含む配列により少なくとも1個の制限酵素部位をコードできるが、この場合上記制限酵素部位は各IGVD配列のアンチセンス鎖の3′末端とアニーリングする必要はない。
【0027】
別の実施態様では、IGVDはラクダ科の動物より得ることができる。上記の科の免疫グロブリンについては、軽鎖ポリペプチド鎖を欠くことがしられている。従ってラクダ由来のIGVD配列はHCVDであり、VHHと表す。「ラクダ」には、旧世界ラクダ(Camelus bactrianusおよびCamelus dromadeius)および新世界ラクダ(例えばLama paccos、Lama glama、Llama guanacoeおよびLama vicugna)が含まれる。欧州特許EP0656946はラクダの免疫グロブリンの単離および使用を記載しており、参照により本明細書に取り込まれる。
【0028】
別実施態様の本発明の方法では、IGVDポリヌクレオチド配列のレパートリーを含む発現ライブラリーを提供する。別実施態様の本発明の方法は、上記IGVDポリヌクレオチド配列はHCVDポリヌクレオチド配列である。別の実施態様である本発明の方法では、前記IGVDポリヌクレオチド配列はLCVDポリヌクレオチド配列である。別実施態様の本発明の方法では、前記IGVDポリヌクレオチド配列はHCVDポリヌクレオチド配列およびLCVDポリヌクレオチド配列である。即ち本発明により得る産物である、IGVD配列をコードするcDNAは、発現ベクター内に直接クローニングできる。宿主は前核生物でも真核生物でもよいが、細菌が好ましい。種特異的プライマー内およびベクター内の制限酵素部位の選択、ならびにベクターのその他特徴より、完全なIGVD配列の発現が可能となるだろう。
【0029】
望まれれば、IGVDの遺伝子に突然変異を誘導し、発現するIGVDの性質を改良し、例えばIGVDの発現収率または可溶性を高め、IGVDの親和性を改良し、あるいは他の分子が共有結合もしくは非共有結合する第2部位を導入する。特に補体成分あるいは細胞表面上のレセプターの様なエフェクター機能を持つ分子との結合に関する第2部位を誘導することが望まれるだろう。即ち一般には軽鎖可変領域とIGVDとの相互作用域に存在する疎水性残基をより親水性の残基を突然変異させて可溶性を改良することができるだろう;CDRループ内の残基を突然変異させて抗原結合を向上できるだろう;その他ループまたはベータシート部分にある残基を突然変異させて新たな結合活性を誘導できるだろう。突然変異としては単独点突然変異、多点突然変異またはより大きな変化を挙げることができ、様々な組換え体DNAの方法、例えば遺伝子合成、部位指定突然変異導入、またはポリメラーゼ連鎖反応により導入できる。従って別の実施態様では、本発明の方法はIGVDsをコードする配列を多様化するのに用いられるだろう。例えばこれは増幅ステップの間に突然変異誘発性ヌクレオチド3リン酸を用いて、標的領域全体に点突然変異を散在させることで達成できるだろう。あるいはこの様な点突然変異は、増幅サイクルを数多く実施することで導入されるが、これはDNAポリメラーゼが持つ自然発生誤り率を原因とする間違いが、特に高濃度のヌクレオシド3リン酸を用いた時に増幅するからである。
【0030】
組換え体DNA技術によるIg分子操作に関する基礎技術は、当業界で多く記載されている(例えば、Antibody Engineering、A practical approach、ed.J.McCafferty、H.R.Hoongenboom and D.J.Chiswellを参照せよ)。
【0031】
本発明の実施態様の一つは、免疫グロブリン可変領域(IGVD)をコードするポリヌクレオチド配列をクローニングする方法である:
(a)mRNAを含むサンプルを提供する工程、
(b)ユニバーサルプライマーを用いて第一鎖cDNA合成を実施する工程、
(c)アンチセンス鎖上の各IGVD配列の3′末端に、または近傍にある部位とハイブリダイゼーションできる第一プライマーを用いて第二鎖DNA合成を実施し、2本鎖DNAを生成する工程、
(d)その部分に対する制限酵素での切断が機能的IGVD断片をコードする2本鎖DNAを生ずる様に配置された制限部位に特異的な酵素を用いて2本鎖DNAを切断する工程、および
(e)生じた可変領域断片配列をベクター内にクローニングする工程。
【0032】
本発明の別の実施態様は、工程(c)で作製した2本鎖DNAを、前記第一プライマーおよび前記ユニバーサルプライマーを用いて引き続き増幅する上記の方法である。
【0033】
本発明の別の実施態様は、工程(c)が前記第一プライマーと前記ユニバーサルプライマー、および工程(b)の産物の鋳型としての使用を含む増幅工程である上記の方法である。
【0034】
本発明の別の実施態様は、ユニバーサルプライマーがオリゴ−dT配列を含む上記の方法である。
【0035】
本発明の別の実施態様は、ユニバーサルプライマーが一組のランダムプライマーの配列を含む上記の方法である。
【0036】
本発明の別の実施態様は、前記第一プライマーが酵素制限部位を少なくとも一つコードしている、上記の方法である。
【0037】
本発明の別の実施態様は、前記サンプルがリンパ細胞由来のmRNAを含む上記の方法である。
【0038】
本発明の別の実施態様は、工程(d)の制限部位がBstEIIである上記の方法である。
【0039】
本発明の別の実施態様は、前記mRNAがヒトに由来する上記の方法である。
【0040】
本発明の別の実施態様は、前記mRNAがラクダに由来する上記の方法である。
【0041】
本発明の別の実施態様は、前記ベクターが少なくともIGVDポリヌクレオチド配列部分を発現できる発現ベクターである、上記の方法である。
【0042】
本発明の別の実施態様は、上記IGVDポリヌクレオチド配列が重鎖可変領域ポリヌクレオチド配列である、上記の方法である。
【0043】
本発明の別の実施態様は、上記IGVDポリヌクレオチド配列が軽鎖可変領域ポリヌクレオチド配列である、上記の方法である。
【0044】
本発明の別の実施態様は、上記IGVDポリヌクレオチド配列が重鎖可変領域および軽鎖可変領域ポリヌクレオチド配列である、上記の方法である。
【0045】
本発明の別の実施態様は、上記の方法により得ることができる、IGVDポリヌクレオチド配列のレパートリーを含む発現ライブラリーである。
【0046】
本発明の別の実施態様は、上記の方法により得た、IGVDポリヌクレオチド配列のレパートリーを含む発現ライブラリーである。
【0047】
本発明の別の実施態様は、上記の方法により得ることができるIGVDポリヌクレオチドである。
【0048】
本発明の別の実施態様は、上記の方法により得たIGVDポリヌクレオチドである。
【0049】
本発明の別の実施態様は、上記の発現ライブラリーまたは上記のIGVDポリヌクレオチドの使用に基づく診断アッセイである。
【0050】
本発明の別の実施態様は、上記診断アッセイより得た診断報告である。
【0051】
本発明の別の実施態様は、上記クローン化配列の一つを発現後に得たポリペプチドの、医薬品の製造のための使用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1−1】実施例2による、1つの種特異的プライマーを使用した場合と2つの種特異的プライマーを使用し調製したファージの力価の比較。
【図1−2】実施例2による、1つの種特異的プライマーを使用した場合と2つの種特異的プライマーを使用し調製したファージの力価の比較。
【図2】実施例2によるVHHのcDNAレパートリーより得た2つの断片(1650および1300)の増幅を示すアガロースゲル電気泳動。
【図3】BstEIIで制限消化した結果を示すアガロースゲル電気泳動。実施例2による90%を越える増幅断片が内部EstEII部位を含んでいた。
【0053】
実施例
1.抗−ポティウイルス(Potyvirus)Y殻タンパク質VHHのレパートリーライブラリーの構築
a.免疫化
ヘキサヒスチジンペプチドをカルボキシル末端に付けたポティウイルス(Potyvirus)Y殻タンパク質(PVYCP−His8)を大腸菌(Escherichia coli)で組換え体的に発現した。第1日目にヒトコブラクダ「48」にPVYCP−His61mg含むフロイント完全アジュバントを注射した。第8、15、22,29および36日目に、PVYCP−His6を1mg用量含むフロイント不完全アジュバントを注射した。最後のPVYCP−His6ブーストから1週間後に、免役したヒトコブラクダから血液50mlを採取した。
【0054】
b.リンパ細胞、mRNAの単離およびcDNA調製
末梢血リンパ細胞(PBL′s)をUNI−SEP MAXIチューブ(Wak Chemie Medica)を用いてメーカープロトコールに従い単離し、107細胞に小分けし、そして−80℃に貯蔵した。mRNAは107個のPBL′sより、Quickprep Mico mRNA Purification Kit(Amersham Pharmacia Biotech)を用い単離した。このmRNAをオリゴ−dTをプライマーに用いたRT−PCRに鋳型として用い、cDNAの第一鎖を合成した(Ready−To−Go Kit,Amersham Pharmacia Biotech)。
【0055】
c.ライブラリーの構築
以下の全てのPCR増幅ではExpand High Fidelity PCR System(Roche)を用い、いずれの場合も3分間の初回変性期の最後の1分間にポリメラーゼを加えて「ホットスタート」を実施した。VHHレパートリーを増幅するために、3種類のPCR増幅を連続して実施した。L3b(IgGリーダー配列にアニーリングする5′−GGCTGAGCTCGGTGGTCCTGGCT−3′(配列番号1))およびオリゴ−dT(IgGコード配列の下流に位置するポリA配列にアニーリングする)をプライマーに使用する最初のPCRでは(PCR1)、合成したヒトコブラクダのcDNA2μlを鋳型に用いた。鋳型を3分間、94℃で変性した後、94℃の変性20秒間、52℃のプライマーアニーリング1分間および72℃、3分間の伸長ステップのサイクルを33回繰り返した。VHHsは1.2%アガロースゲル電気泳動でVHsから分離した。VHHsに相当する断片(予想サイズ1.2〜1.3kb)をゲルから切り出し、Qiaquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用いて精製し、DNA濃度を決定した。PCR1で得た精製鋳型5ピコグラムと、
SM17
【0056】
【表1】

【0057】
および
SM18
【0058】
【表2】

【0059】
の等モル混合物を上流プライマーに、そしてオリゴ−dTを下流プライマーに用いるネステッドPCR(PCR2)により5′末端にNco1制限部位(プライマー配列内太字)を導入した。鋳型を3分間、94℃で変性した後、94℃で20秒、48℃で1分、72℃で3分のサイクルを25回行った。さらに72℃、10分間の伸長を追加して増幅を終了した。増幅した1.2〜1.3kbの20個の断片をゲル精製(Qiaquick Gel Extraction Kit)、DNA濃度を決定した。
【0060】
5′末端にSfiI制限部位(プライマー配列内太字)を導入するために、PCR2精製物5μgを鋳型にして、A4short
【0061】
【表3】

【0062】
を上流プライマーとし、そしてオリゴ−dTを用いる第3PCR(PCR3)を実施した。このPCRの実験条件はPCR2の条件と同一であった。PCR3で得た増幅断片はQiaquick PCR purification Kit(Qiagen)を用いて精製した。PCR3増幅産物約5pgをSfiIおよびBseEIIで二重消化した、なお、後者の制限部位はヒトコブラクダVHHsのフレームワーク4の中に存在している。制限断片をアガロースゲル電気泳動で分離し、約380bpのサイズの断片を切り出し、Qiaquick Gel Extraction Kitで精製した。総容積500μl当たり高濃縮T4DNAリガーゼ(20単位/μl、Promega)2μlを用いて、SfiI−BstEII消化したVHHレパートリー約350ngをファージミドpHEN4(Ghahroudiら、1997)約1200ngの対応する制限部位に連結した。14℃で一晩インキュベーションした後、連結反応物をフェノールで2回、続いてクロロホルムで1回精製した。0.1容積量の5MのLiClおよび2.5倍容積量の冷100%エタノールを加え、続いて−20℃で30分間インキュベーションしてDNAを沈降させた。DNAを沈殿させてから70%エタノールで洗浄した。DNA沈殿物を風乾してから水80μlに溶解した。0.1cmのキュベットの中で、新鮮に調製したTG1エレクトロ用コンピテント細胞と混合した精製した連結構築体5μl(それぞれベクター50ng当量を含んでいる)を用い、E.coliパルサー(Biorad)を使って2.5Mオーム、1,8kvで12回形質転換を行った(Sambrook and Russell 2001 Molecular Cloning A laboratory manual third edition, Cold spring harbor Laboratory press Cols spring harbor, New York, Page 1, 120-1, 121)。我々はSOC培地1mlを各エレクトロポレーションに用いて形質転換TG1細胞を回収した。形質転換TG1細胞は、軽く振とうしながら1時間37℃でインキュベーションした。pHEN4−内在TG1細胞はLB−Ap100−2%グルコースプレートを使って選別した。109個の形質転換細胞のライブラリーを得た。フレームワーク1およびフレームワーク4に合わせたプライマーを用いたコロニーPCRにより、我々は挿入体含有クローンのライブラリー中での存在を実証した。試験した93個のコロニーの全てがフレームワーク1〜フレームワーク4増幅VHHに相当するサイズの断片を持つ挿入体を含有していた。
【0063】
d.ファージディスプレイおよびバイオパンニングによるPVYCP特異的結合体の単離
pHEN4へのVHHレパートリーのクローニングにより、我々はファージM13先端部にある線毛との融合タンパク質として単一VHHsのライブラリーを発現できた。ライブラリーのレスキューおよびPVYCP−His6(100μg/ml)でコーティングされたイムノチューブ(immunotube)状の結合体の選別は、Ghahroudi等((1997), FEBS Letters 414:521-526)の記載通りに行った。2回目のパンニング後に、我々はPVYCP−特異的結合体を単離できた。
【0064】
2.単一の種特異的プライマーを用い得たライブラリー多様性と、2つの種特異的プライマーを用い得たライブラリー多様性の比較
a.免疫化
ラマ(Llama glama)をヒトの標的IgE、癌胚抗原(CEA)、フォン・ウィルブランド因子(vWF)およびインターロイキン−6(IL−6)で免疫した。免疫化のために、標的物は適当な動物用のアジュバント(Specoll,CEDI Diagnostics、B.V.)を使って乳液に調剤した。ダブルスポットで抗原カクテルを首の筋中に注入投与した。動物に各抗原を週1回の割合で100から25μg含む乳剤を、6回注射した。免疫化の様々な時点で、動物から血液サンプル10mlを採取し、血清を調製した。抗原特異的体液性免疫反応の誘導は、免疫化抗原を標的としたELISA実験に血清サンプルを用いて確認した。最終免疫から5日後に血液サンプル150mlを採取した。このサンプルから一般的な重鎖抗体(HcAbs)を分画して(Lauwereys M, et al(1998) Potent enzyme inhibitors derived from dromedary heavy-chain antibodies, EMBO J 17, 3512-3520.)、ELISAに使用したところ、HcAbsが抗原特異的体液性免疫反応の原因であることが明らかになった。末梢血リンパ細胞(PBLs)を、ラマの重鎖免疫グロブリンの遺伝子供給源として、150mlの血液サンプルよりFicoll−Paque勾配(Amersham Biosciences)を用いて単離し、5×10PBLsを得た。最大の抗体多様性は、サンプル採取したBリンパ細胞の数に等しいと予想されるが、それはPBLs数の約10%である(5×10)。ラマの重鎖抗体画分は最大Bリンパ細胞数の20%である。従って、サンプル150mlの最大HcAbs多様性は10分子種と計算される。全RNA(約400μg)をこれら細胞から、酸グアニジンチオシアネート抽出法(Chomczynski P and Sacchi N(1987). Single-step method of RNA isolation by acid guanidinium thiocyanate-phenol-chloroform extraction. Anal Biochem 162, 156-159)を用いて単離した。
【0065】
b.免疫ライブラリーの構築
i)2つのIgG起源プライマーを使ったレパートリーの増幅
全RNA100μgより、M−MLV逆転写酵素(Gibco BRL)とヘキサヌクレオチドランダムプライマー(Amersham Biosciences)を前述(de Haard H et al., Venier zone residue 4 of mouse subgroup II kappa light chains is a critical determinant for antigen recognition、Immunotechnology、(1999)、4(3〜4)、p203〜15)の様に用いてcDNAを調製した。cDNAをフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈殿の組合せを用いて精製し、続いて鋳型として用いVHHレパートリーを特異的に増幅した。レパートリーは2つのIgG特異的オリゴヌクレオチドプライマーを使って、ヒンジ依存的な方法で増幅した。単回PCR反応では、縮重フレームワーク1(FR1)プライマーABLO13
【0066】
【表4】

【0067】
に重鎖可変領域遺伝子セグメントの増幅に特異的であることが知られている短
【0068】
【表5】

【0069】
または長
【0070】
【表6】

【0071】
ヒンジプライマーを組合せた。
【0072】
Pstl(太字)およびNot1(太字下線付き)制限部位をそれぞれFR1およびヒンジプライマー内に導入し、クローニングできるようにした。続いてDNA断片をPst1−Not1消化したファージミドベクターpAX004内に連結したが、このベクターはpHEN1と同一である(Hoogenborm HR, et al. (1991). Multi-subunit proteins on the surface of filamentous phage: methodologies for displaying antibody (Fab) heavy and light chains, Nucleic Acids Res 19:4133-4137)が、それぞれ精製および検出用にカルボキシル末端の(His)6−およびc−myc−タグをコードしている。連結混合物をMicroconフィルター(YM−50、Millipore)を使って脱塩し、大腸菌TG1細胞内にエレクトロポレーションして1.8×10クローンを含有するライブラリーを得た。形質転換細胞をアンピシリン100μg/mlおよびグルコースを2%含むLBの入った一枚の20×20cmのプレート内で一晩、37℃で増殖した。2×TY培地を用いてコロニーをプレートから掻き取り、20%グリセロール内、−80℃に貯蔵した。
【0073】
品質管理として、ライブラリー毎に24クローンについて、ベクターをベースとしたプライマーの組合せを用いたPCRにより挿入体含有コロニーの割合を検証した。この分析より、クローンの95%がVHHをコードした挿入体を含有することが判明した。これら24クローンの増幅VHH断片についてHInf1フィンガープリント分析を行い、多様性を調べたところ全てのクローンが実際には異なっていることが示された。
【0074】
ii)オリゴ−dTプライマーと1つのIgG起源プライマーを用いたレパートリーの増幅
PCRの鋳型として、全RNA100μgからオリゴ−dTをライマーにしてcDNAを調製した(de Haard H et al., Venier zone residue 4 of mouse subgroup II kappa light chains is a critical determinant for antigen recognition、Immunotechnology、(1999)、4(3〜4)、p203〜15)。実施例1記載の3回の連続したPCR増幅を行う方法でVHHを増幅した。オリゴ−dTおよび免疫グロブリンシグナル配列にアニーリングするプライマーを用いたPCR1からは、1650bpおよび1300bpの2つの断片が増幅されたが、後者はCH1欠損HcAb遺伝子に由来する産物であった(図2参照)。この断片をゲルから切り出し、オリゴ−dTプライマーおよびNcol−制限部位を導入したFR1プライマーを使って再増幅した。再増幅した1300bp断片をゲルから切り出し、オリゴ−dTプライマーおよびSfiI−制限部位を導入するA4shortプライマーを用いて3回目の増幅(PCR3)に用いた。増幅したVHH内在断片約10μgをSfil−BstEIIで二重消化した。アガロースゲル電気泳動より、我々はPCR3産物の90%以上が内部にBstEII制限部位を持つと見積もった(図3参照)
【0075】
第二の方法では、SfiIおよびNco1制限部位を導入する一組のFR1プライマー(表1)をオリゴ−dTプライマーと直接組合せて用い、再増幅のステップを回避した。
【0076】
【表7】

【0077】
あるいは、1種類の縮重FR1プライマーABL013をオリゴ−dTプライマーと組合せて用いラマのVHHレパートリーを増幅した。実施例1のPCR1に記載の様に1ステップPCR増幅を行い、ラマのVHHレパートリーを回収した。ゲル精製したPCR産物をSfiI(またはABL013を用いた時はPst1)およびBstEIIで消化した。90%を越える精製PCR産物がBstEIIで内部消化されたことから、BstEII−部位は重鎖由来VHHをコードするDNA−断片のFR4内に多く生じている。
【0078】
SfiI−BstEII消化断片300ngをファージミドベクターpAX004内に連結した。連結反応物を、全反応容積300μl中にT4DNAリガーゼ(Promega)10単位を用い、16時間、室温でインキュベーションした。リガーゼ2単位を追加してさらに2時間、室温でインキュベーションした後、連結混合液を2回のフェノールおよびクロロホルムによる抽出とそれに続くエタノール沈殿を行い精製した。沈殿したDNAをさらに70%エタノールで洗浄して風乾し、HPLC等級の水50μlに溶解した。精製連結混合液を5つに等量分割し、5個の0.2cmキュベットを用い、マイクロパルサー(Biorad)を使ってエレクトロ用コンピテント大腸菌TG1細胞200μlの中に1.8kvで別々にエレクトロポレーションした。各キュベット内の形質転換細胞は2×TY1mlを使って回収した。pAX004含有TG1細胞を、アンピシリン100μg/mlおよびグルコース2%を含むLB培地の入った1枚の20×20cmのプレートで選別し、1.4×10クローンのライブラリーを得た。i)と同タイプの品質管理を行ったところ、クローンの100%が適当なサイズの挿入体を含有していることが示され、多様なレパートリーの存在が確認された。
【0079】
c.抗原特異的ファージの力価測定
b.iおよびb.iiで記載の両ライブラリーについて、ファージを調製した。ポリクローナルファージレパートリーをレスキューするために、ライブラリーを37℃、アンピシリン100μg/mlおよびグルコース2%を含む2×TYで対数期(OD600=0.5)まで増殖し、続いてM13K07ヘルパーファージを30分間、37℃で重複感染した。感染細胞を5分間、4000rpmで沈殿してからアンピシリン100μg/mlおよびカナマイシン25μg/mlを含む2×TYに再浮遊した。一晩37℃、250rpmでインキュベーションしてビリオンを調製した。一晩培養したものを15分間、4500rpmの遠心分離にかけ、30分間氷上でインキュベーションしてファージを1/5の容量の[20%ポリエチレングリコール、1.5MのNaCl]溶液で沈降させた。ファージを15分間、4500rpm、4℃で遠心分離にかけて沈殿した。PBS中にファージを再懸濁した後、最大速度で1分間遠心分離して細胞破壊物を微量遠心チューブ内で沈殿させた。ファージを含有する上清を新しいチューブに移し、再度同様にファージを沈殿した。濃縮したファージをPBSに溶解し、上記同様にして残存細胞破壊物から分離した。ファージの力価は、対数増殖期のTG1細胞に感染させてから選択培地にプレーティングして決定した。両ライブラリーから単離した抗原特異的VHH断片の力価は、ファージELISAを用い比較した。ファージを抗原コーティングした(1μg/ml)Maxisorp ELISAプレートに、2×1010ファージ/mlから2倍希釈系列で加えた。結合したファージは、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗−M13とインキュベーションし、続いて発色させて検出した。試験した全ての抗原について、ファージを単一のIgG特異プライマーを用い増幅したレパートリーを発現するライブラリーからレスキューした時に、抗原特異的ファージ力価は有意に高かった(図1)。
【0080】
d.標的抗原による免疫ライブラリーの選択およびスクリーニング
b.ii記載のライブラリー(単一の種特異的プライマーおよびオリゴ−dTプライマーにより増幅したVHHレパートリー)より、ファージをc記載の様にレスキューした。抗原特異的結合体を、ファージディスプレイの原理および5μg/mlの濃度のTNFα、vWF、CEAまたはIL−6をコーティングした固相上での単回バイオパンニングを利用して選択した(Marks JD, et al(1991) By-psssing immunization. Human antibodies from V-gene libraries displayed on phage. J. mol.Biol.222, 581-597., 1991およびHawkins RE, et al(1992) Selection of phage antibodies by binding affinity. Mimicking affinity maturation. J. Mol. Biol. 226, 889-896)。レスキューしたファージをそれぞれの固定化抗原と2時間インキュベーションした後、非特異的ファージを洗い流すと同時に特異的ファージは20分間かけてpHショックで溶出し(0.1Mグリセリン、pH2.5)、続いて1M Trisバッファー、pH7.5で中和した。対数増殖期の大腸菌細胞に溶出ファージを感染させ、選択培地上にプレーティングした。各抗原について、48クローンを拾い上げ、詳しく特性解析した。
【0081】
これら48個のクローンの培養上清を、それらクローンを対数増殖期になるまでアンピシリン100μg/mlおよび0.1%グルコースを含む2×TY中に増殖して調製した。続いて1mMのIPTGを加えて一晩37℃、250rpmでインキュベーションし、VHH−遺伝子III融合タンパク質の発現を誘導した。VHH発現クローンの特異性を、生の培養上清を用いて、抗原コーティング(1μg/ml)したマイクロウエルと、コーティングしていないマイクロウエル(バックグランド)のELISAで検証した。20分の発色後のシグナルがバックグランドの2倍の例を陽性例とし、さらに詳しい特性分析を行った。
【0082】
e.レパートリークローニング法の多様性の評価
b.iに記載のライブラリー(2つの免疫グロブリン特異的プライマーを用い増幅したレパートリー)より、ファージをc記載の様にしてレスキューした。IgEおよびCEAに対する抗原特異的結合体を、d記載と同一条件で単回パンニングを行い、固相コーティング免疫チューブ(5μg/ml)上で選択した。48個のクローンの上清を上記ELISAでスクリーニングして、同定済みの全種類のHinfIプロフィールに対応する代表的なクローンの配列を決定したところ、1つのIgG特異的プライマーを用い作製されたライブラリーより単離された14例の抗IgE−結合体の内12例と、8例の抗−CEA結合体の内6例が、2つのIgG特異的プライマーを用い作製したライブラリーでは同定できなかった。
【0083】
3.ヒト免疫グロブリンレパートリー増幅
a.ヒト免疫グロブリンレパートリーの増幅
2名のヒト供血者の血液はベルギー赤十字の血液銀行より得た。PBLsを単離し、全RNAを調製した。全RNA100μgを用いてオリゴ−dTプライマーによるcDNA合成を行い(de Haard H et al., Venier zone residue 4 of mouse subgroup II kappa light chains is a critical determinant for antigen recognition、Immunotechnology、(1999)、4(3〜4)、p203〜15)、続いてこれを鋳型として免疫グロブリン重鎖および軽鎖の増幅を行った。
【0084】
ヒトVHレパートリーはオリゴ−dTを、ヒトVH遺伝子の異なるファミリーのFR1とアニーリングする5種類のオリゴヌクレオチド(セット)(表2)を組合せて用い増幅した。
【0085】
【表8】

【0086】
PCR1についての記載(実施例1参照)と同一条件を適用した時、各プライマーの組合せについて、IgG分子の予想サイズに対応する約1.6kbの断片が増幅された。同じ増幅反応では更にIgM増幅産物の計算サイズに対応する約2.1kbの断片も合成された。1.6kbおよび2.1kb断片がそれぞれIgGおよびIgMに相当するか検証するために、ゲル精製した断片各1ngを、ネステッドPCRを使って再増幅した。増幅反応条件はPCR2(実施例1)に同じでで、適当な(セットの)FRP1プライマーおよびCH1領域にアニールするIgG−(5′−GTCCACCTTGGTGTTGCTGGGCTT−3′)またはIgM特異的プライマー(5′−TGGAAGAGGCACGTTCTTTTCTTT−3′)を用いた。実際には、1.6kbのゲル精製断片を鋳型に用いた時、適当なFR1とIgG−特異的CH1プライマーとの組合せでは予想サイズ0.65kbの断片のみが増幅されたが、IgM−特異的CH1プライマーとの組合せでは増幅しなかった。これとは逆に2.1kbのゲル精製断片を鋳型にした時は、適当なFR1とIgM−特異的CH1プライマーとの組合せを用いた時に、予想サイズ0.67kbの断片が単独増幅された。予想通り、FR1とIgG−特異的CH1プライマーの組合せはPCR産物を産生しなかった。ゲル精製した1.6kb(または2.1kb)断片をBstEIIとインキュベーションしアガロースゲル電気泳動にかけたところ、0.38(0.38)および1.22(1.72)kbの余分な断片2本が生じた。6例のヒトJ−遺伝子中5例に特有のBstEII制限部位が存在することから、この1.6および2.1kbの断片はそれぞれIgGおよびIgMに相当することが示唆された。未消化断片の量より、我々は90%を越えるIgGまたはIgM増幅産物が内部BstEII制限部位を持つと予測し、このことがそれをVHレパートリークローニングの好適候補にしている。VHレパートリーはオリゴ−dTと、VHレパートリークローニングに使用可能なSfiIのような特有の制限部位を導入するFR1プライマーのセットとの組合せにより増幅できる。
【0087】
オリゴ−dTでプライムしたcDNAを用い、PCR1に記載の条件(実施例1参照)を適用して行ったPCRより、ヒトVLレパートリーが増幅する可能性が示された。レパートリーの多様性率を最大化するために、それぞれ6および4種類のプライマーセット(表3)をオリゴ−dTと組合せて用い、VλおよびVκレパートリーを増幅した。全てのプライマーの組合せで予想された約0.82kbのサイズの断片が増幅した。
【0088】
【表9】

【0089】
【表10】

【符号の説明】
【0090】
図1:−▲−2種類のIgG由来プライマー;・・・▲・・・実験ブランク、2プライマー法;−■−1つのIgGプライマーとオリゴ−dTの組合せ;・・・■・・・実験ブランク、1プライマー法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫グロブリン可変領域(IGVD)をコードするポリヌクレオチドをクローニングする方法であって、
(a)mRNAを含むサンプルを提供する工程、
(b)ユニバーサルプライマーを用いて第一鎖cDNA合成を実施する工程、
(c)アンチセンス鎖上の各IGVD配列の3′末端に、またはその近傍にある部位とハイブリダイゼーションできる第一プライマーを用い第二鎖DNA合成を実施し、2本鎖DNAを産生する工程、
(d)制限部位に向けられた制限酵素での切断が機能的IGVD断片をコードする2本鎖DNAを産生する様に配置された制限部位に特異的な制限酵素で2本鎖DNAを切断する工程、および
(e)得られた可変領域断片配列をベクター内にクローニングする工程、
を含む方法。
【請求項2】
工程(c)で産生した2本鎖DNAを、第一プライマーとユニバーサルプライマーとを用いて引き続き増幅する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(c)が第一プライマーおよびユニバーサルプライマーの使用、ならびに工程(b)の産物を鋳型として使用することを含む増幅工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユニバーサルプライマーがオリゴ−dTの配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ユニバーサルプライマーが一組のランダムプライマーの配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第一プライマーが制限酵素部位を少なくとも1つコードしている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
サンプルがリンパ細胞由来のmRNAを含む、請求項1および6に記載の方法。
【請求項8】
工程(d)の制限部位がBstEIIである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
mRNAがヒト由来である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
mRNAがラクダ由来である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ベクターがIGVDポリヌクレオチド配列の少なくとも一部を発現できる発現ベクターである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
IGVDポリヌクレオチド配列が重鎖可変領域ポリヌクレオチド配列である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
IGVDポリヌクレオチド配列が軽鎖可変領域ポリヌクレオチド配列である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
IGVDポリヌクレオチド配列が重鎖可変領域ポリヌクレオチド配列および軽鎖可変領域ポリペプチドである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により得ることができる、IGVDポリヌクレオチド配列のレパートリーを含む発現ライブラリー。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により得た、IGVDポリヌクレオチド配列のレパートリーを含む発現ライブラリー。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれか1項の方法により得ることができるIGVDポリヌクレオチド。
【請求項18】
請求項1〜14のいずれか1項の方法により得たIGVDポリヌクレオチド。
【請求項19】
請求項15および16に記載の発現ライブラリー、または請求項17および18に記載のIGVDポリヌクレオチドの使用に基づく診断アッセイ。
【請求項20】
請求項19に記載の診断アッセイより得た診断報告。
【請求項21】
請求項1〜14のいずれか1項の方法によりクローン化した配列の一つを発現後に得たポリペプチドの医薬品製造のための使用。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−171975(P2009−171975A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−60673(P2009−60673)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【分割の表示】特願2003−554732(P2003−554732)の分割
【原出願日】平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願人】(301034267)フラームス・インテルウニフェルシタイル・インステイチュート・フォール・ビオテヒノロヒー・ヴェーゼットウェー(ヴェーイーベー・ヴェーゼットウェー) (10)
【氏名又は名称原語表記】VLAAMS INTERUNIVERSITAIR INSTITUUT VOOR BIOTECHNOLOGIE VZW(VIB VZW)
【Fターム(参考)】