説明

可搬式作業台

【課題】簡単構造の取付金具で手掛かり棒を起立姿勢に突出させる作業台を提供する。
【解決手段】手掛かり棒5の下端部5aには、ロック位置Lとロック解除位置Kとの間を水平姿勢で上下にスライド可能なロックピン12が貫通支持され、手掛かり棒5の下端部5aが取付金具6の溝部8の上半部Aに嵌合した状態でロックピン12がロック解除位置Kにある時は、手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック位置Lにスライドさせて溝部上半部Aの切欠部9に係入させることにより、手掛かり棒5は起立姿勢に固定され、また手掛かり棒5の下端部5aが溝部8の下半部Bに嵌合した状態でロックピン12がロック解除位置Kにある時は手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック位置Lにスライドさせて溝部下半部Bの切欠部10に係入させることによって、手掛かり棒5は折畳姿勢に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の建設現場等において天井の内装仕上げや天井内の配線、配管等の比較的高い場所で作業を行う時に使用する作業台に関するもので、特に、天板の前後両端に脚体が折り畳み可能に設けられ、各脚体は左右一対の脚柱と両脚柱間に横架された踏桟とからなり、脚体には天板より上方に突出する昇降補助用の手掛かり棒が設けられた可搬式の作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
天板より上方に突出する手掛かり棒が設けられた従来の可搬式作業台として、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。この作業台では、手掛かり棒を、脚柱に沿う折り畳み状態と最上部の枢支点より上方に突出する伸展状態とにわたって回動可能に枢着し、手掛かり棒が最上部の枢支点より上方に突出する伸展状態にあっては、手掛かり棒は脚柱が前後方向に傾斜するにもかかわらず起立状態に伸展され、手掛かり棒が脚柱に沿う折り畳み状態にあっては、手掛かり棒は脚柱の前後方向の傾斜角度面に合わせて折り畳まれるよう手掛かり棒の回転軌跡を矯正する手段を設けてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−131788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載されているような作業台は、手掛かり棒の取付構造が非常に複雑で部品点数が多くなり、製作コストが高くつくという難点があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、簡単な構造の取付金具によって手掛かり棒を使用位置と折畳位置とに位置変更可能な可搬式作業台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、天板1の前後両端に脚体2,2が折り畳み可能に設けられ、各脚体2は左右一対の脚柱2a,2aと両脚柱2a,2a間に横架された踏桟2bとからなり、脚体2には天板1より上方に突出する手掛かり棒5が設けられた可搬式作業台において、脚柱2aの上端部側に、上下方向に溝部8を形成すると共に溝部8の上下両端にロックピン係合用の切欠部9,10を形成した取付金具6が固定され、取付金具6の溝部8には中央部に手掛かり棒5の下端5oが枢支軸11によって上下方向回転可能に枢着され、溝部8の上半部Aには天板1上方に起立姿勢で突出する手掛かり棒5の下端部5aが嵌合され、下半部Bには起立姿勢から反転して脚柱2a沿いに折り畳まれた手掛かり棒5の下端部5aが嵌合されるようになっており、手掛かり棒5の下端部5aには、ロック位置Lとロック解除位置Kとの間を水平姿勢で上下にスライド可能なロックピン12が貫通支持され、しかして手掛かり棒5の下端部5aが溝部8の上半部Aに嵌合した状態でロックピン12がロック解除位置Kにある時は、手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック位置Lにスライドさせて溝部上半部Aの切欠部9に係入させることにより、手掛かり棒5は起立姿勢に固定され、また手掛かり棒5の下端部5aが溝部8の下半部Bに嵌合した状態でロックピン12がロック解除位置Kにある時は手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック位置Lにスライドさせて溝部下半部Bの切欠部10に係入させることによって、手掛かり棒5は折畳姿勢に固定されるようになっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2は、請求項1に記載の可搬式作業台において、ロックピン12は、手掛かり棒5の下端部5aに設けられたロック位置L及びロック解除位置Kにおいて、ロックピン12を挟持するバネ手段14によって位置保持され、このバネ手段12の付勢力に抗してロックピン12を上下に押し引きすることにより、ロック位置Lとロック解除位置Kとの間でスライド可能とされることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項1又は2に記載の可搬式作業台において、手掛かり棒5の枢支軸11は、手掛かり棒5の下端部5aを左右方向に貫通すると共に取付金具6の左右両側壁を貫通していて、取付金具6の左右両側壁のうち脚柱と隣接する側と反対側の側壁を貫通する枢支軸11の外端部には、作業台が横転した時に作業台が受ける衝撃を緩和するためのクッション部材が取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、脚柱2aの上端部側に、溝部8を形成すると共に溝部8の上下両端にロックピン係合用の切欠部9,10を形成した取付金具6が固定され、溝部8の中央部に手掛かり棒5が枢支軸11によって上下方向回転可能に枢着され、溝部8の上半部Aには天板1上方に起立姿勢で突出する手掛かり棒5の下端部5aが嵌合され、下半部Bには起立姿勢から反転して脚柱2a沿いに折り畳まれた手掛かり棒5の下端部5aが嵌合されるようになっていて、手掛かり棒5の下端部5aには、ロック位置Lとロック解除位置Kとの間を水平姿勢で上下にスライド可能なロックピン12が貫通支持され、手掛かり棒5の下端部5aが溝部8の上半部Aに嵌合してロックピン12がロック解除位置Kにある時は、手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック位置Lにスライドさせて溝部上半部Aの切欠部9に係入させることにより、手掛かり棒5は起立姿勢に固定され、手掛かり棒5の下端部5aが溝部下半部Bに嵌合してロックピン12がロック解除位置Kにある時は、手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック位置Lにスライドさせて溝部下半部Bの切欠部10に係入させることにより、手掛かり棒5は折畳姿勢に固定されるようになっているから、簡単な構造の取付金具6に上下方向回転可能に枢着した手掛かり棒5の下端部に設けたロックピン12を上下にスライド操作することによって、手掛かり棒5を起立姿勢の使用位置に簡単容易に固定することができるし、折畳姿勢での収納位置に簡単容易に固定することができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、ロックピン12は、手掛かり棒5の下端部5aに設けたロック位置L及びロック解除位置Kにおいて、ロックピン12を挟持するバネ手段14で位置保持され、このバネ手段12の付勢力に抗してロックピン12を上下に押し引きすることによってロック位置Lとロック解除位置Kとの間でスライド可能となっているから、ロックピン12がロック位置Lとロック解除位置Kとの間を不測にスライドすることがなく、手掛かり棒5を使用位置及び収納位置で確実に固定できて、使用上の十分な安全を確保できる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、角筒状手掛かり棒5の下端部5aを左右方向に貫通すると共に、取付金具6の左右両側壁を貫通していて、この取付金具6の左右両側壁のうち脚柱2aと隣接する側と反対側の側壁を貫通する枢支軸11の外端部にクッション部材17が取り付けてあるから、このクッション部材17によって、作業台が横転した時に作業台が受ける衝撃を緩和すると共に、作業台の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る作業台の正面図である。
【図2】同作業台の側面図である。
【図3】手掛かり棒が起立姿勢にロックされている状態を示す斜視図である。
【図4】手掛かり棒が折畳姿勢にロックされている状態を示す斜視図である。
【図5】取付金具による手掛かり棒下端部の取付部分の拡大側面図である。
【図6】取付金具による手掛かり棒下端部の取付部分の拡大正面図で、ロックピンをロック解除位置にある状態を示す。
【図7】取付金具による手掛かり棒下端部の取付部分の拡大正面図で、ロックピンをロック位置にある状態を示す。
【図8】(a) は図6のX−X線断面図、(b) は(a) のY−Y線断面図、(c) は手掛かり棒の下端部内に設けてあるバネ手段の配置状態、及び手掛かり棒の下端部側面に設けられたロックピンガイド孔を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1及び図2に示す作業台において、天板1の前後両端には、夫々梯子状の脚体2,2が、回転金具3により、天板1下面に平行に沿うように折り畳んだ閉脚状態と、図1に示す下広がり状に傾斜して起立した開脚状態との間で開閉可能に設けられ、天板1と各脚体2との間には途中で屈曲自在なステイ4が介装されている。各脚体2は、図2に示すように若干下広がり状に配置された左右一対の脚柱2a,2aと、両脚柱2a,2a間に複数段に横架した踏桟2bとからなり、各脚柱2aの上端部に、天板1よりも上方に突出する昇降補助棒としての手掛かり棒5が取付金具6によって取り付けられている。
【0014】
取付金具6は、図2及び図5に示すように、脚柱2aの上端部にスペーサ金具7を介して固定されている。この場合、左右の脚柱2a,2aは下広がり状に配置されて、各脚柱2aが一定角度傾斜しているため、図5に示すように、所定角度のスペーサ金具7を介して取付金具6を脚柱2aに対し所定角度傾斜させて取り付けると共に、手掛かり棒5の下端部5aをその上方部に対し所定角度傾斜させることによって、手掛かり棒5を天板1より上方に起立姿勢で突出伸展させるようにしている。
【0015】
この取付金具6は、図3〜図6に示すように、両側板6a,6bと背面板6cとにより側面視がくの字状を成して上下方向に延びる溝部8を形成するように脚柱2aにスペーサ金具7を介して取り付けられ、そして溝部8の両側板6a,6bの夫々上端及び下端にはロックピン係合用の切欠部9,9及び10,10が形成されている。尚、取付金具6は、スペーサ金具7を介して脚柱2aの上端部に取り付けられるが、このスペーサ金具7は、回転金具3を脚柱2aに取り付ける際に回転金具3と一緒に脚柱2aに取り付けられるもので、図5に示すように、脚柱2a、回転金具3及びスペーサ金具7を貫通するボルト挿通孔20にボルト21を通して、スペーサ金具7に固定されたナット22にねじ込んで取り付けられる。そして、取付金具6は、片方の側板6aをスペーサ金具7に溶接又はリベット止めすることによって取り付けられる。
【0016】
取付金具6の溝部8には上下方向中央部に、手掛かり棒5の下端5oが枢支軸11によって上下方向回転可能に枢着され、この溝部8の上半部Aには、天板1の上方に起立姿勢で突出する手掛かり棒5の下端部5aが図3に示すように嵌合され、溝部8の下半部Bには起立姿勢から反転して脚柱2a沿いに折り畳まれた手掛かり棒5の下端部5aが図4に示すように嵌合されるようになっている。
【0017】
手掛かり棒5の下端部5aには、図5〜図8に示すように、内部に設けたロック位置Lとロック解除位置Kとの間を水平姿勢で上下にスライド可能なロックピン12が貫通支持されている。しかして、手掛かり棒5の下端部5aが図6の実線図示のように、溝部8の上半部Aに嵌合した状態でロックピン12がロック解除位置Kにある時は、手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック解除位置Kからロック位置Lへと下方にスライドさせて、ロックピン12の両端部を溝部8の上半部Aの切欠部9,9に係入させることにより、手掛かり棒5は起立姿勢にロックされ、また手掛かり棒5の下端部5aが図6の仮想線図示のように、溝部8の下半部Bに嵌合した状態でロックピン12がロック解除位置Kにある時は手掛かり棒5の回転が可能であるが、ロックピン12をロック位置Lにスライドさせて、ロックピン12の両端部を溝部下半部Bの切欠部10,10に係入させることにより、手掛かり棒5は折畳姿勢にロックされるようになっている。
【0018】
手掛かり棒5は、図8の(a) から分かるように角筒状の金属押出形材からなるもので、この手掛かり棒5の下端部5aには、左右側壁部m,nの夫々所定位置に上下方向に長いガイド長孔13,13が形成されていて、ロックピン12が両ガイド長孔13,13に上下スライド可能に貫通支持されている。そして、両ガイド長孔13,13の上端部(手掛かり棒5の下端5oから遠い方の端部)がロックピン12のロック解除位置Kとなり、両ガイド長孔13,13の下端部(手掛かり棒5の下端5oに近い方の端部)がロック位置Lとなる。
【0019】
また、このロックピン12は、手掛かり棒5の下端部5aに設けられたロック位置L及びロック解除位置Kにおいて、ロックピン12を挟持するバネ手段14によって位置保持され、このバネ手段14の付勢力に抗してロックピン12を上下に押し引きすることにより、ロック位置Lとロック解除位置Kとの間でスライドできるようになっている。
【0020】
上記バネ手段14は、図8の(b) 及び(c) に示すように、角筒状手掛かり棒5の下端部5a内に両側対称状に一定間隔で配置された一対の略々C字形板バネ15,15からなるもので、両C字形板バネ15,15間の上部側に形成されるロック解除位置用ピン挟持部15a,15aと、両C字形板バネ15,15間の下部側に形成されるロック位置用ピン挟持部15b,15bとを有し、ロック解除位置Kでは、ロックピン12がロック解除位置用ピン挟持部15a,15aにより挟持されてロック解除位置Kに保持され、ロック位置Lでは、ロック解除位置Kからロック位置Lへスライドしたロックピン12がロック位置用ピン挟持部15b,15bにより挟持されてロック位置Lに保持されるようになっている。
【0021】
上記C字形板バネ15,15は、図8の(a) ,(b) に示すように、角筒状手掛かり棒5内に夫々リベットRで固定されたコ字形のブラケット19,19に夫々内嵌された状態で同じくリベットRによりブラケット19,19に取り付けられている。
【0022】
上記ロックピン12は、図5〜図7に示すように、頭無しのボルトからなるもので、角筒状手掛かり棒5の左右側壁部m,nに設けられたガイド長孔13,13に挿通されて、その両端部には夫々、ワッシャー16a付きのナット16が螺合されている。各ナット16のワッシャー16aの径は、図6及び図7から分かるように、取付金具6の両側板6a,6bの夫々上端及び下端に形成されたロックピン係合用切欠部9,10の幅よりも十分大きいため、起立姿勢にある手掛かり棒5のロックピン12が図6に示すロック解除位置Kから図7に示すロック位置Lにスライドした時に、各ワッシャー16aは各ロックピン係合用切欠部9の外側位置で切欠部9を保持している状態にあり、従って作業者によって手掛かり棒5が左右方向(枢支軸11を中心とする手掛かり棒5の上下回転方向と直交する方向)に揺動されることがあっても、その手掛かり棒5の左右方向の揺動によって両側板6a,6bの上端側が開口変形したり切欠部9の付近6c,6d(図4参照)が変形するような事態の発生が防止されると共に、もし上記ワッシャー16aが備えていなければ、手掛かり棒5が左右に動揺した場合には、ロックピン12が左右側壁部の上記ガイド長孔13,13及び両側板6a,6bの切欠部9,9から脱落する虞れが多分にある。この実施形態では、図5に示すように、外側のワッシャー16aとその内側のワッシャー16bとはカラー16cが介在され、これら3者がナット16で堅固に固定されているが、ワッシャー16aとナット16とが一体に形成されたものでもよい。
【0023】
また、手掛かり棒5の下端5oを取付金具6に上下方向回転可能に枢着する枢支軸11もボルトからなるもので、図5に示すように、角筒状手掛かり棒5の下端部5aを左右方向に貫通すると共に、取付金具6の左右両側壁m,nを貫通していて、この取付金具6の左右両側壁m,nのうち脚柱2aと隣接するがわの側壁mと反対側の側壁nを貫通する枢支軸11の外端部であるボルト頭部11aには合成ゴムなどの弾性材料からなるクッション部材17が、この枢支軸(ボルト)11の外端部を被うように取り付けられている。このクッション部材17を枢支軸(ボルト)11の外端部に設けたことにより、作業台が横転した時に作業台が受ける衝撃を緩和すると共に、作業台の破損を防止することができる。枢支軸11であるボルトの先端部にはナット18が螺着されている。
【0024】
次に、上述した手掛かり棒5の使用方法について説明する。
先ず、図4に示すように手掛かり棒5が取付金具6の溝部8の下半部Bに嵌合してロックピン12がロック位置L(図7参照)にある状態から、ロックピン12をバネ手段14の付勢力に抗して押し下げてロック位置Lからロック解除位置Kへスライドさせることにより、折畳姿勢での手掛かり棒5のロックを解除し、枢支軸11を中心に手掛かり棒5を上方に回転させる。
【0025】
手掛かり棒5の上方への回転により、その下端部5aが溝部8の上半部Aに嵌合して、図6に実線で示すような状態とする。この状態から、ロックピン12をバネ手段14の付勢力に抗し引き上げてロック解除位置Kからロック位置Lへスライドさせることにより、ロックピン12をロック位置Lにロックして、手掛かり棒5を起立姿勢に固定する。この状態は、図3及び図7の実線図示の通りである。
【0026】
手掛かり棒5を収納する時は、図3及び図7の実線図示の状態から、ロックピン12をバネ手段14の付勢力に抗して引き上げてロック位置Lからロック解除位置Kへスライドさせることにより、起立姿勢での手掛かり棒5のロックを解除して、枢支軸11を中心に手掛かり棒5を下方へ回転させ、図7の仮想線図示の状態とする。この状態から、ロックピン12をバネ手段14の付勢力に抗し引き上げてロック解除位置Kからロック位置Lへスライドさせることにより、ロックピン12をロック位置Lにロックして、手掛かり棒5を折畳姿勢に固定する。この状態は、図4及び図7の仮想線図示の通りである。
【0027】
以上説明した作業台によれば、簡単な構造で上下方向の溝部8を形成した取付金具6に手掛かり棒5の下端5oを上下方向回転可能に枢着し、この手掛かり棒5の下端部に設けたロックピン12を上下にスライド操作することによって、手掛かり棒5起立直姿勢の使用位置に簡単容易に固定することができると共に、折畳姿勢での収納位置に簡単容易に固定することができる。
【0028】
また、この作業台にあっては、ロックピン12は、手掛かり棒5の下端部5aに設けたロック位置L及びロック解除位置Kにおいて、ロックピン12を挟持するバネ手段14で位置保持され、このバネ手段12の付勢力に抗してロックピン12を上下に押し引きすることによってロック位置Lとロック解除位置Kとの間でスライド可能となっているから、ロックピン12が、ロック位置Lとロック解除位置Kとの間を不測にスライドするようなことがなく、手掛かり棒5を使用位置及び収納位置で確実に固定できて、使用上の十分な安全を確保することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 天板
2 脚体
2a 脚柱
5 手掛かり棒
5o 手掛かり棒の下端
5a 手掛かり棒の下端部
6 取付金具
8 溝部
A 溝部の上半部
B 溝部の下半部
9,10 切欠部
11 枢支軸
12 ロックピン
L ロック位置
K ロック解除位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の前後両端に脚体が折り畳み可能に設けられ、各脚体は左右一対の脚柱と両脚柱間に横架された踏桟とからなり、脚体には天板より上方に突出する手掛かり棒が設けられた可搬式作業台において、脚柱の上端部側に、上下方向に溝部を形成すると共に溝部の上下両端にロックピン係合用の切欠部を形成した取付金具が固定され、取付金具の溝部には中央部に手掛かり棒の下端が枢支軸によって上下方向回転可能に枢着され、溝部の上半部には天板上方に起立姿勢で突出する手掛かり棒の下端部が嵌合され、下半部には起立姿勢から反転して脚柱沿いに折り畳まれた手掛かり棒の下端部が嵌合されるようになっており、手掛かり棒の下端部には、ロック位置とロック解除位置との間を水平姿勢で上下にスライド可能なロックピンが貫通支持され、しかして手掛かり棒の下端部が溝部の上半部に嵌合した状態でロックピンがロック解除位置にある時は、手掛かり棒の回転が可能であるが、ロックピンをロック位置にスライドさせて溝部上半部の切欠部に係入させることにより、手掛かり棒は起立姿勢に固定され、また手掛かり棒の下端部が溝部の下半部に嵌合した状態でロックピンがロック解除位置にある時は手掛かり棒の回転が可能であるが、ロックピンをロック位置にスライドさせて溝部下半部の切欠部に係入させることによって、手掛かり棒は折畳姿勢に固定されるようになっている可搬式作業台。
【請求項2】
ロックピンは、手掛かり棒の下端部に設けられたロック位置及びロック解除位置において、ロックピンを挟持するバネ手段によって位置保持され、このバネ手段の付勢力に抗してロックピンを上下に押し引きすることにより、ロック位置とロック解除位置との間でスライド可能とされる請求項1に記載の可搬式作業台。
【請求項3】
手掛かり棒の枢支軸は、手掛かり棒の下端部を左右方向に貫通すると共に取付金具の左右両側壁を貫通していて、取付金具の左右両側壁のうち脚柱と隣接する側と反対側の側壁を貫通する枢支軸の外端部には、作業台が横転した時に作業台が受ける衝撃を緩和するためのクッション部材が取り付けられている請求項1又は2に記載の可搬式作業台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−58225(P2011−58225A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207683(P2009−207683)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】