可撓性のある脊椎安定化システムおよび方法
脊柱の少なくとも一部分を安定化するためのデバイス、方法、およびシステムが提供される。アンカーは椎骨に固定可能であり、また安定化部材は、そのアンカー間に係合可能である。安定化部材は細長い引張部材と、その引張部材の通路内に圧縮部材を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性のある脊椎安定化システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎は、その耐荷重性および荷重支持能力を損なう様々の病変にかかりやすい。このような脊椎の病変には、例えば、変性疾患、腫瘍の影響、および身体の外傷に起因する骨折および脱臼も当然含まれる。脊椎の運動セグメント(2つ以上の隣接する椎骨、およびその間の椎間板組織もしくは椎間腔が含まれる)に影響を与える疾患、形成異常、または損傷の治療、特に、椎間板組織に影響を与えるものに対する治療においては、変性し破壊されたまたはその他の形で機能しない椎間板のいくつかまたはすべてを取り除くことが長い間知られてきた。椎間板材料が除去された後、人工椎間板、癒合インプラント、または他の椎体間デバイスを椎間腔内に挿入できることもよく知られている。単独で、または椎体間デバイスと組み合わせて脊椎セグメントを外部から安定化させることもまた利点がある。細長い剛性のある板、ロッド、および他の外部の安定化デバイスは、脊椎運動セグメントを安定化および固定化するのに役立ってきた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の原理の理解を促進するために、次に、図面で示された諸実施形態を参照し、またそれを説明するために特有の言語を使用する。そうではあるが、本発明の範囲を本明細書により限定するものではないことが理解されよう。本明細書で示された例示のデバイスにおける改変と、さらなる変更および本発明の原理のさらなる応用のいずれについても、本発明が関係する当業者であれば普通に行われ得るものとして企図されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
図1は、脊柱の少なくとも一部分を安定化するための一実施形態による脊椎安定化システム45を示す。安定化システム45は、脊柱の骨性部分に固定可能な第1のアンカー20Aおよび第2のアンカー20Bを含む。安定化部材48は、アンカー20Aと20Bの間に配置することができ、また脊柱に対して安定化作用を提供するためにアンカー20Aおよび20Bに固定可能である。
【0005】
安定化部材48は、引張部材50および少なくとも1つの圧縮部材60を含む。引張部材50は、本体54の両端部56、58間で伸びる通路52を有する本体54を含む。圧縮部材60は、その端部62、64間で伸びる本体66を含む。圧縮部材60は、安定化部材48を形成するために引張部材50の通路52内に配置可能である。安定化システム45は、安定化部材48が隣接するアンカー20Aと20Bとの間で少なくとも部分的に可撓性を有するので、それが取り付けられた脊椎の運動セグメントにおいて、少なくとも多少の脊椎運動を可能にする。引張部材50は、アンカー20A、20Bと係合すると、互いに離れる方向への椎骨の移動に抵抗し、また圧縮部材60は、相互方向への椎骨の移動に抵抗する。
【0006】
図1は、1軸の骨ねじ(bone screw)の形のアンカー20の一実施形態を示す。アンカー20は、ねじが切られた骨係合部分22および受け部材24を含む。受け部材24は、受け部材24の腕部26の間に安定化部材48を受け入れるための通路28を含む。プラグ30は、アンカー20に対して安定化部材48を固定するために受け部材24に取付け可能である。例示の実施形態では、プラグ30は、腕部26に沿って提供される内部ねじに係合可能な止めねじ部分34と、ねじ回しツールにより係合可能なヘッド部分32とを含む。
【0007】
他の実施形態では、アンカー20のための他の形態が企図されている。例えば、骨係合部分は、フック、ステープル、リベット、拡張アンカー、または骨構造に固定するための他の適切なデバイスとすることができる。受け部材は図示のように安定化部材48を上から挿入するためにU字型にすることができる。他の実施形態は、側方または底部から挿入する受け部材を含む。受け部材は、安定化部材48と係合するための適切な任意の形態とすることができる。受け部材24はまた、多軸機能を提供するために、骨係合部分22上に回転可能にマウントすることができる。プラグ30は、受け部材24の周りで係合するように構成することができる。プラグ30は、締まり嵌め、スナップ嵌め、またはバヨネットロック、あるいは、例えば、縫合糸、ピン、接着剤などの補助的な固定要素を含む、ねじ係合以外の手段で受け部材24と係合することができる。
【0008】
安定化システム45は、例えば、脊椎狭窄症、脊椎側弯症、変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、および脊椎骨折など様々な脊椎状態の治療で使用することができる。安定化システム45はまた、脊椎癒合デバイス、人工椎間板デバイス、髄核交換デバイスの挿入を含む手技、および、例えば、椎間板切除術、髄核摘出術、椎弓切除術、および椎間関節突起切除術などの椎間板および骨材料を除去する手技のための補足的なインストゥルメンテーションの提供を含む様々な治療システムと組み合わせて使用することもできる。安定化システム45は、治療される脊椎レベルにおいて、圧縮荷重の共用および椎間腔の伸延を提供するが、システムの引張部材および圧縮部材構成要素の可撓性により、脊椎運動セグメントの限定された動きを可能にする。例えば、システム45の取付け位置に応じて、変性した椎間板および椎間関節に対する過大な荷重を、圧縮部材60により提供される圧縮荷重共用能力により低減し、またはなくすことができる。椎間腔および椎間関節はまた、圧縮部材60が、影響される関節の両側にある骨の間に所望の空間を提供するための伸延を維持することにより、伸延され得る。
【0009】
安定化システム45は、安定化部材を2つ以上の椎骨に取り付けるために、単一のまたは複数レベルの複合安定化部材48およびアンカーを含むことができる。一実施形態では、安定化部材48は、アンカーに係合したとき張力に抵抗する可撓性のある外側シースの形の引張部材50を含み、また圧縮部材60は、引張部材50がアンカーに係合したとき、アンカー間の圧縮に抵抗するために外側シース内に収納される。安定化部材48は、アンカー20A、20B、または他の適切な任意の固定デバイスを用いて脊柱の椎骨の後部要素に固定することができる。安定化部材48はまた、アンカー20A、20B、または他の適切な任意のアンカーを用いて、脊柱の椎骨の前方部分に沿って固定することもできる。複数の安定化部材48を、同様の1つまたは複数の椎骨レベルに沿って固定することができる。複数の安定化部材48は、脊柱に沿って異なる椎骨レベルに沿って固定できることがまた企図されている。同様の安定化部材48はまた、脊柱の複数の椎骨レベルに沿って延びるように適合させることもできる。
【0010】
安定化システム45が脊柱に取り付けられると、処置された脊柱レベルは、圧縮部材60により負荷が部分的に軽減される。椎骨レベルの過大な伸張は、圧縮部材60により抵抗され、また処置された椎骨レベルの過大な屈曲は引張部材50の可撓性のある外側シースにより抵抗される。引張および圧縮部材50、60は共に、処置された1つまたは複数の椎骨レベルの過大な側方屈曲および軸回転に抵抗するように共に作用する。
【0011】
図4では、椎間腔38の両側に位置する第1の椎骨36および第2の椎骨40が示されている。第1のアンカー20Aは、第1の椎骨36に固定され、第2のアンカー20Bは、第2の椎骨40に固定される。図2に示すように、引張部材50は、圧縮部材60を除去した状態では圧潰可能な(collapsible)構造を含む。引張部材50の第2の端部58は、第2のアンカー20Bの受け部材内に配置される。プラグ30は第2のアンカー20Bに係合し、第2の端部58をその中に固定する。引張部材50は圧潰性なので、第2の端部58は、アンカー20B内に固定されると受け部24の下側表面とプラグ30の間でかしめられる(crimped)。
【0012】
次いで、圧縮部材60を、第1の端部56に隣接する引張部材50の開口部を通して装填することができる。圧縮部材60は通路52を占め、したがって、引張部材50は、図3に示すように、圧縮部材60の外側形状に一致するようになる。圧縮部材60は、互いの方向を向いたアンカー20Aと20Bの側部の間に延びかつそれに当接する寸法の長さを端部62、64で有する。一実施形態では、圧縮部材60は、その外側端部間で圧縮されて、アンカー20A、20Bの間に配置され、次いで、解放されてアンカー20A、20Bに対して拡張し、アンカー20A、20B間の空間を伸延することができる。
【0013】
引張部材50は、第1のアンカー20Aの受け部24の通路28内に配置され、そこに固定される。第1のアンカー20Aのプラグ30はそれに係合し、第1のアンカー20Aの底部表面とプラグ30との間で引張部材50をかしめまたは圧潰させる。圧縮部材60は、緩衝装置として機能するようにアンカー20A、20Bの間を延びまたそれに当接するが、椎骨36、40が移動すると、相互方向にアンカー20A、20Bの制限された移動を可能にする。必要または所望される場合、第2のアンカー20Bから離れて第1のアンカー20Aを通って延びる引張部材50の部分を、第1のアンカー20Aから延びる引張部材50の長さを最小化するために、次いで、切断することができる。
【0014】
図6に示すように、引張部材50がアンカー20A、20Bと係合したとき、第1および第2の端部56、58は、受け部材の底部表面とそのアンカーと係合したプラグとの間で各アンカー20A、20B内にかしめられる。端部56、58をかしめることにより、アンカー20A、20Bの受け部24内の引張部材50の通路52が圧潰される。引張部材50の可撓性により、圧縮部材60を通路52内に配置すると、通路52をそのかしめられた形状から復元された形状の輪郭となるようにすることができる。
【0015】
他の実施形態では、図5に示すように、椎間腔42のもう一方の側で、第3のアンカー20Cを第3の椎骨44に取り付けることができる。第2の圧縮部材60Bが、第1のアンカー20Aから延びる引張部材50の通路52の部分に配置される。引張部材50の端部は、第3のアンカー20Cの通路28内に配置され、プラグでその中に固定される。第2の圧縮部材60Bは、アンカー20Aと20Cの間を延び、互いの方向に、アンカー20A、20Cの移動に対して、したがって、椎骨36、44の移動に対して抵抗するための緩衝装置として機能する。
【0016】
図7で、安定化システム45は、第1および第2のアンカー20Aおよび20Bと係合した安定化部材48を含む。安定化部材48は、中間の圧縮可能な本体66の両端部で、剛性部分70A、70Bを有する圧縮部材60を含む。剛性部分70A、70Bは、図6に示すアンカーとプラグの間で引張部材50を取り付けることにより提供されるものよりもさらに剛性のある境界面を引張部材50と各アンカー20A、20Bとの間に提供する。剛性部分70Aは、中間の圧縮可能な本体66の各端部に隣接して配置可能な拡大端部分72、および端部分72から延び、各アンカー20A、20Bの受け部材24を通るステム74を含む。例示の実施形態では、剛性部分70A、70BはT字型である。例えば、漏斗形状およびキノコ形状を含む他の形状も企図される。
【0017】
プラグ30は、プラグとアンカー座の間にステム74をクランプするように各アンカー20A、20Bに係合可能である。剛性部分70A、70Bは、圧縮可能な本体66よりもさらに剛性を有することができ、それにより、アンカー20A、20Bから延びる剛性のあるプラットフォームが提供され、それに対する圧縮荷重に、中間の圧縮可能な本体66の端部が抗する。アンカー20A、20B内に係合したとき、引張部材50はそれ自体で潰れることなくステム74を係合させるので、剛性ステム74はまた、アンカー20A、20Bにおける引張部材50のずれに対して大きな抵抗を提供することができる。端部分72は、圧縮荷重を分散させるように、圧縮部材60の中間の圧縮可能本体66の端部と合わさるように拡大された寸法を有する。
【0018】
図8で、安定化システム45は、各アンカー20A、20Bに隣接した引張部材50の両端部でワッシャ78A、78Bを含む。ワッシャ78A、78Bは、それを貫通する中心開口部を含み、引張部材50および剛性部分70A、70Bの各ステム74がそれを通って受け入れられる。ワッシャ78A、78Bは、剛性部分70A、70Bの各隣接する端部分72に当接し、引張部材50はその間を延びる。ワッシャ78A、78Bはプラットフォームを提供し、それに対して、圧縮荷重を隣接する剛性部分70A、70Bを介して圧縮部材60に分散させるようにアンカー20A、20Bの隣接する受け部24を配置することができる。
【0019】
他の実施形態では、ワッシャ78A、78Bは、剛性部分70A、70Bを使用せずにシステム45で使用される。その実施形態では、ワッシャ78A、78Bが、圧縮部材60の本体66の端部と当接し、引張部材50はその間を延びる。他の実施形態では、複数のワッシャが、アンカー20A、20Bの隣接する受け部24と、圧縮部材60もしくは剛性部分70A、70Bの間の空間を占めるように、引張部材50の一端または両端部で使用される。この実施形態では、そのワッシャにより、圧縮部材60の長さがアンカー間の距離全体に十分伸びていない場合であっても、圧縮部材を、ワッシャ78を介してアンカー20A、20Bと接触するように配置することができる。
【0020】
図9は、引張部材50および圧縮部材160を含む他の実施形態の安定化部材148を示す。圧縮部材160は、複数の交互に配置された剛性部分164および圧縮可能部分162を含む。図10で示すように、安定化部材148は、アンカー20A、20Bを用いて椎骨36、40に結合される。剛性部分164は、アンカー20A、20Bの受け部24と位置合わせされ、プラグでそれに固定される。1つまたは複数の中間の剛性部分164は圧縮可能部分162の間に配置される。
【0021】
図9で、圧縮可能部分162および剛性部分164は形状が円筒形であり、端と端を合わせて互いに当接するように引張部材50内に配置される。剛性部分と圧縮可能部分を交互にするための他の形状もまた企図される。例えば、図11で、剛性部分164はそれぞれ、もう一方の剛性部分164の方を向いているレセプタクル165を含む。圧縮可能部分162は両側の延長部163を含み、それらは、レセプタクル165の隣接する方の中に受け入れられる。例示の実施形態では、レセプタクル165は凹状に湾曲し、また延長部163が凸状に湾曲しており、延長部163とレセプタクル165の間の境界面に鋭利で急峻な角部がないようにする。凹凸の境界面により、圧縮部材160の部分が互いに側方または軸方向の滑りに抵抗するようになり、圧縮部材160に安定性が提供される。剛性部分と圧縮可能部分の間で入れ子式構成要素、および他のかみ合わせ(interdigitating)構成を含む他の軸方向境界面もまた企図される。他の実施形態では、縫合糸またはストランドなどの細長い部材が、部分162、164の位置合わせされた中心開口部を通って延びる。その細長い部材は、隣接する剛性部分と圧縮可能部分を互いに位置合わせした状態で、また互いに軸方向位置で維持するように圧縮部材160の両端部で固定される。
【0022】
図12を参照すると、引張部材50の通路52内に配置された他の実施形態の圧縮部材260が示されている。圧縮部材260は、中心に圧縮可能部分266をそれぞれが含むいくつかの圧縮要素261を含む。圧縮要素261はさらに、圧縮可能部分266の両側に配置された上側および下側剛性部分262、264を含む。剛性部分262、264は、間隙268で分離され、それにより、圧縮可能部分266の圧縮に応じて、剛性部分262、264を相互方向に移動させることができる。一連の圧縮要素261は、隣接する剛性部分を互いに端と端を合わせるように当接させて、通路52に沿って1つずつ隣り合わせに配置することができる。
【0023】
例示の実施形態では、剛性部分262、264は、圧縮可能部分266をその間に受け入れる互いの方向を向いた凹状に湾曲した凹部を含む。剛性部分262、264は、圧縮可能部分266の少なくとも一部分に沿って軸方向に延びており、その間で圧縮可能部分266を横方向かつ軸方向に規制する。圧縮可能部分266は、丸味のついた形状または球形状を含み、隣接する圧縮要素261の間で圧縮力を一様に遷移させる。
【0024】
図13を参照すると、引張部材50およびその引張部材50の通路52内に圧縮部材360を含む他の実施形態の安定化部材が示されている。圧縮部材360は、圧縮可能部分362および剛性部分364を含む。中間の剛性部分364は、拡大端部分366と、その拡大端部分366の間を延びるステム368とを有するダンベル型の形状を含む。剛性部分364は、隣接する圧縮可能部分362の隣接する端部に接触する。例示の実施形態では、圧縮部材360の両端部で剛性部分364は、単一の拡大端部分366だけを含み、ステム368がそこから自由端へと伸びている。
【0025】
安定化部材345はさらに、中間の剛性部分364に沿ったステム368および引張部分50の周りに配置された剛性のスリーブ370を含む。スリーブ370は、両側に拡大端部372と、両端部372の間に延びるスリーブ部分374を含む。拡大端部372は、スリーブ部分374の周りに半径方向外側に延び、剛性部分364の隣接する端部分366に接触しており、引張部材50がその間を延びる。圧縮部材360の両端部では、剛性スリーブ部分374の一端で単一の拡大端部372だけを含む剛性のスリーブ370が提供される。
【0026】
剛性のスリーブ370は、安定化部材345にアンカー20A、20Bを係合させるための安定化部材345に沿った固定位置を提供する。スリーブ370は、スリーブ部分374を各アンカーの通路28内に配置し、拡大端部372をアンカーの腕部26と接触させた状態で配置される。拡大端部372は、スリーブ370を各アンカー内で軸方向に規制する。拡大端部372はまた、引張部材50をその間に挟んで拡大端部分366と当接し、アンカー間で、圧縮部材360を軸方向に規制する。さらに、スリーブ370のスリーブ部分374は、プラグをアンカーに係合させたときに切断または裂けないように引張部材50を保護するための、引張部材50、プラグ、およびアンカーの間の隔壁を提供する。
【0027】
図14〜16を参照すると、他の実施形態の安定化部材448が示されている。安定化部材448は、引張部材50、および引張部材50内に配置された圧縮部材460を有する中間部分を含む。引張部材50は、圧縮部材460を受け入れるための通路を有する可撓性のある外側スリーブから構成される。剛性部分470は、引張部材50および圧縮部材460の両端部と係合し、またそこから延びる。剛性部分470は、引張部材50および圧縮部材460の両端部に隣接し、またそれらと突合せ係合された拡大端部分472を含む。ステム474は、拡大端部分472から、また引張部材50および圧縮部材460から離れるように延びる。ステム474は、アンカーの受け部の通路内に配置可能であり、また安定化部材を隣接する椎骨のそれぞれに固定するためにプラグを用いてアンカー内に固定可能である。
【0028】
引張部材50は可撓性があり、またアンカーが互いに離れるように移動するのを制限する。アンカーの相互方向への移動は、図15および16で示すように、剛性部分470を介してその両端部に圧縮荷重が加えられたとき、引張部材50内で外方向に膨らむことができる圧縮部材460により制限される。したがって、安定化部材448は、屈曲、伸張、および回転において可撓性のある制限を行うが、脊椎運動セグメントの限定された動きを可能にする。中間部分が脊柱の荷重を受けるとき、剛性部分470は、引張部材50および/または圧縮部材460の引張または圧縮に応じて互いに移動可能である。
【0029】
剛性部分470を引張部材50および/または圧縮部材460に取り付けるための様々な方法が企図されている。例示の実施形態では、拡大端部分472は、引張部材50および/または圧縮部材460を通って延びる糸479を受け入れる複数の穴478を含む。他の実施形態では、ファスナ、成形、融着、接着により取り付けられる剛性部分470、またはその他の形で引張部材50および/または圧縮部材460に固定する剛性部分が企図される。
【0030】
一実施形態では、安定化部材448は、参照としてそれぞれを本明細書に組みこむ、米国特許第6530929号および米国特許出願第10/769569号に開示のものなど、経皮挿入具と係合するようになっている。剛性部分470の一方は、皮膚を介した配置を容易にするために先細りさせた先端部477を含み、他方の剛体部分470は、所定の方向で容易に挿入具と係合できるように凹部471を含む。
【0031】
引張部材50は、例えば、ポリマー、金属、またはセラミックスを含む適切な任意の材料から作ることができる。適切なポリマーの例は、エラストマー、プラスチック、ゴム、および高性能な合成繊維へと処理できる任意のポリマーを含む。適切な合成繊維の例は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアリールエーテルケトン、ポリウレタン、シリコーンとポリウレタンのコポリマーを含む。引張部材50は、合成繊維材料の任意のコポリマー、配合物、複合材、または積層材から作ることができる。合成繊維材料に適したコポリマーの例は、シリコーン/ポリウレタンコポリマーを含む。合成繊維材料用の配合物の例は、ポリウレタンを有するシリコーンを含む。合成繊維材料の複合材の例は、ポリウレタン内にポリエステルメッシュまたは繊維を含む。合成繊維材料用の積層材の例は、編み組みされたポリエステル管材料およびシリコーン/ポリウレタンコポリマーを含む。一実施形態では、引張部材50は、管に織り込まれた編組み合成繊維により形成される。
【0032】
引張部材50は、0.5cm以下から100cm以上の範囲の任意の長さで提供することができる。一実施形態では、その長さは、椎骨レベルの各側部で椎骨に固定される隣接するアンカーを介して延びる寸法である。引張部材50は、円形、楕円形、長方形、正方形、六角形、または圧縮部材をその中に受け入れるための他の適切な任意の形状を含む任意の横断面形状を含むことができる。引張部材50は、例えば、編組み、織り、編み、縫製、押出し、射出成形、圧縮成形、鋳造、接着、または積層により作ることができる。
【0033】
圧縮部材は、ポリマー、金属、またはセラミックスを含む適切な任意の材料から作ることができる。適切なポリマーの例は、エラストマー、プラスチック、およびゴムを含む。適切な弾性のあるまたはゴム状のポリマーの例は、シリコーン、ポリウレタン、シリコーンとポリウレタンのコポリマー、ポリオレフィン、およびヒドロゲルを含む。圧縮部材は、ポリマー材料の任意のコポリマー、配合物、複合材、または積層材から作ることができる。コポリマーの例は、シリコーン/ポリウレタンコポリマーを含む。配合物の例は、ポリウレタンを有するシリコーンを含む。複合材の例は、ポリウレタン内にポリエステルメッシュまたは繊維を含む。積層材の例は、ポリエステルメッシュと、シリコーン/ポリウレタンコポリマーの複数の層を含む。
【0034】
圧縮部材は、0.5cm以下から100cm以上の範囲の任意の長さで提供することができる。一実施形態では、その長さは、椎骨レベルの各側部で椎骨に固定される隣接するアンカー間を延びる寸法である。他の実施形態では、圧縮部材は、上記のように、圧縮可能部分および剛性部分、および/またはワッシャを備えており、圧縮部材60に対して、圧縮可能部分、剛性部分、および/またはワッシャを追加し、または除去することにより、圧縮部材の長さを調整することができる。圧縮部材は、円形、楕円形、長方形、正方形、六角形、または他の適切な任意の形状を含む任意の横断面形状を含むことができる。圧縮部材の表面は、その表面上または表面下に、材料挙動に対して所望の変更を行える特徴を含むことができる。このような特徴は、例えば、溝、穴、空隙(void)、空洞(cavity)、延長部、レセプタクル、あるいは、剛性、コンプライアンス、衝撃吸収、圧縮抵抗、および/または隣接する剛性部分との係合を変更できる他の機能を含む。圧縮部材は、例えば、押出し、射出成形、圧縮成形、鋳造、接着、積層、または機械加工を含む適切な任意のプロセスにより作ることができる。
【0035】
例示の実施形態では、圧縮部材は、引張部材50内に取外し可能に受け入れられる。引張部材50、およびその中に配置される圧縮部材は、互いに物理的に接着され得ることも企図される。引張部材50は、圧縮部材を取り付けた状態で成形し、単一の複合構造を形成することができる。圧縮部材は、1つまたは複数の圧縮可能部分だけから、あるいは1つまたは複数の剛性部分と組み合わせて構成することが可能である。圧縮可能部分および剛性部分は、別々の構成要素とすることができ、または一体部材として形成することも可能であり、あるいは接着剤、融着、またはファスナで互いに固定することもできる。
【0036】
圧縮部材は、剛性または他の物理特性の異なるレベルを有する複数のセクションを備えることができ、安定化システム内で互いに協力して動作させることも企図されている。引張部材50は、アンカー内で圧縮部材の剛性部分に固定することができる。代替的には、剛性スリーブを引張部材50の周りに配置し、さらに、圧縮部材の剛性部分を外側スリーブを通るようにすることができる。剛性のある外側スリーブは、骨アンカーに係合する安定化部材に沿った取付け位置を提供する。
【0037】
本明細書で論ずる安定化システムは、脊椎の頸部、胸部、腰部、腰仙部、仙骨領域を含む脊椎のすべての領域で使用できることを理解されたい。本安定化システムは、2つの椎骨だけ、またはそれを超える椎骨を有する脊椎運動セグメントにわたり延びることができることも理解されたい。同様の脊椎運動セグメントに沿って、同時に、2つ以上の安定化システムを使用できることもさらに企図されている。さらに、本安定化システムは、脊椎運動セグメントの後部領域に適用するのに適しているが、代替的に、または付加的に、脊椎運動セグメントの前方、前側方、側方、および/または後側方部分を含む、脊椎運動セグメントへの他の外科手術アプローチで、およびそれらの組合せで適用することができる。
【0038】
本発明は、図面および前述の説明で詳細に示し説明されているが、それは、例示的なものであり、限定的な性質のものではないと見なすべきであり、本発明の趣旨に含まれる変更および修正はすべて保護されるのが望ましいことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】安定化システムの分解図である。
【図2】図1の安定化システムの引張部材の端面図である。
【図3】安定化部材を形成するために、圧縮部材をその通路内に有する図2の引張部材の端面図である。
【図4】脊柱の椎骨に対する安定化システムの取付けを示す正面図である。
【図5】複数の椎骨レベルに取り付けられた安定化システムを示す正面図である。
【図6】安定化システムの断面図である。
【図7】他の実施形態の安定化システムの断面図である。
【図8】他の実施形態の安定化システムの断面図である。
【図9】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図10】脊椎の椎骨に結合された図9の安定化部材を示す断面図である。
【図11】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図12】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図13】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図14】他の実施形態の安定化部材の正面図である。
【図15】圧縮荷重を受ける図14の安定化部材の正面図である。
【図16】図15の安定化部材の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性のある脊椎安定化システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎は、その耐荷重性および荷重支持能力を損なう様々の病変にかかりやすい。このような脊椎の病変には、例えば、変性疾患、腫瘍の影響、および身体の外傷に起因する骨折および脱臼も当然含まれる。脊椎の運動セグメント(2つ以上の隣接する椎骨、およびその間の椎間板組織もしくは椎間腔が含まれる)に影響を与える疾患、形成異常、または損傷の治療、特に、椎間板組織に影響を与えるものに対する治療においては、変性し破壊されたまたはその他の形で機能しない椎間板のいくつかまたはすべてを取り除くことが長い間知られてきた。椎間板材料が除去された後、人工椎間板、癒合インプラント、または他の椎体間デバイスを椎間腔内に挿入できることもよく知られている。単独で、または椎体間デバイスと組み合わせて脊椎セグメントを外部から安定化させることもまた利点がある。細長い剛性のある板、ロッド、および他の外部の安定化デバイスは、脊椎運動セグメントを安定化および固定化するのに役立ってきた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の原理の理解を促進するために、次に、図面で示された諸実施形態を参照し、またそれを説明するために特有の言語を使用する。そうではあるが、本発明の範囲を本明細書により限定するものではないことが理解されよう。本明細書で示された例示のデバイスにおける改変と、さらなる変更および本発明の原理のさらなる応用のいずれについても、本発明が関係する当業者であれば普通に行われ得るものとして企図されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
図1は、脊柱の少なくとも一部分を安定化するための一実施形態による脊椎安定化システム45を示す。安定化システム45は、脊柱の骨性部分に固定可能な第1のアンカー20Aおよび第2のアンカー20Bを含む。安定化部材48は、アンカー20Aと20Bの間に配置することができ、また脊柱に対して安定化作用を提供するためにアンカー20Aおよび20Bに固定可能である。
【0005】
安定化部材48は、引張部材50および少なくとも1つの圧縮部材60を含む。引張部材50は、本体54の両端部56、58間で伸びる通路52を有する本体54を含む。圧縮部材60は、その端部62、64間で伸びる本体66を含む。圧縮部材60は、安定化部材48を形成するために引張部材50の通路52内に配置可能である。安定化システム45は、安定化部材48が隣接するアンカー20Aと20Bとの間で少なくとも部分的に可撓性を有するので、それが取り付けられた脊椎の運動セグメントにおいて、少なくとも多少の脊椎運動を可能にする。引張部材50は、アンカー20A、20Bと係合すると、互いに離れる方向への椎骨の移動に抵抗し、また圧縮部材60は、相互方向への椎骨の移動に抵抗する。
【0006】
図1は、1軸の骨ねじ(bone screw)の形のアンカー20の一実施形態を示す。アンカー20は、ねじが切られた骨係合部分22および受け部材24を含む。受け部材24は、受け部材24の腕部26の間に安定化部材48を受け入れるための通路28を含む。プラグ30は、アンカー20に対して安定化部材48を固定するために受け部材24に取付け可能である。例示の実施形態では、プラグ30は、腕部26に沿って提供される内部ねじに係合可能な止めねじ部分34と、ねじ回しツールにより係合可能なヘッド部分32とを含む。
【0007】
他の実施形態では、アンカー20のための他の形態が企図されている。例えば、骨係合部分は、フック、ステープル、リベット、拡張アンカー、または骨構造に固定するための他の適切なデバイスとすることができる。受け部材は図示のように安定化部材48を上から挿入するためにU字型にすることができる。他の実施形態は、側方または底部から挿入する受け部材を含む。受け部材は、安定化部材48と係合するための適切な任意の形態とすることができる。受け部材24はまた、多軸機能を提供するために、骨係合部分22上に回転可能にマウントすることができる。プラグ30は、受け部材24の周りで係合するように構成することができる。プラグ30は、締まり嵌め、スナップ嵌め、またはバヨネットロック、あるいは、例えば、縫合糸、ピン、接着剤などの補助的な固定要素を含む、ねじ係合以外の手段で受け部材24と係合することができる。
【0008】
安定化システム45は、例えば、脊椎狭窄症、脊椎側弯症、変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、および脊椎骨折など様々な脊椎状態の治療で使用することができる。安定化システム45はまた、脊椎癒合デバイス、人工椎間板デバイス、髄核交換デバイスの挿入を含む手技、および、例えば、椎間板切除術、髄核摘出術、椎弓切除術、および椎間関節突起切除術などの椎間板および骨材料を除去する手技のための補足的なインストゥルメンテーションの提供を含む様々な治療システムと組み合わせて使用することもできる。安定化システム45は、治療される脊椎レベルにおいて、圧縮荷重の共用および椎間腔の伸延を提供するが、システムの引張部材および圧縮部材構成要素の可撓性により、脊椎運動セグメントの限定された動きを可能にする。例えば、システム45の取付け位置に応じて、変性した椎間板および椎間関節に対する過大な荷重を、圧縮部材60により提供される圧縮荷重共用能力により低減し、またはなくすことができる。椎間腔および椎間関節はまた、圧縮部材60が、影響される関節の両側にある骨の間に所望の空間を提供するための伸延を維持することにより、伸延され得る。
【0009】
安定化システム45は、安定化部材を2つ以上の椎骨に取り付けるために、単一のまたは複数レベルの複合安定化部材48およびアンカーを含むことができる。一実施形態では、安定化部材48は、アンカーに係合したとき張力に抵抗する可撓性のある外側シースの形の引張部材50を含み、また圧縮部材60は、引張部材50がアンカーに係合したとき、アンカー間の圧縮に抵抗するために外側シース内に収納される。安定化部材48は、アンカー20A、20B、または他の適切な任意の固定デバイスを用いて脊柱の椎骨の後部要素に固定することができる。安定化部材48はまた、アンカー20A、20B、または他の適切な任意のアンカーを用いて、脊柱の椎骨の前方部分に沿って固定することもできる。複数の安定化部材48を、同様の1つまたは複数の椎骨レベルに沿って固定することができる。複数の安定化部材48は、脊柱に沿って異なる椎骨レベルに沿って固定できることがまた企図されている。同様の安定化部材48はまた、脊柱の複数の椎骨レベルに沿って延びるように適合させることもできる。
【0010】
安定化システム45が脊柱に取り付けられると、処置された脊柱レベルは、圧縮部材60により負荷が部分的に軽減される。椎骨レベルの過大な伸張は、圧縮部材60により抵抗され、また処置された椎骨レベルの過大な屈曲は引張部材50の可撓性のある外側シースにより抵抗される。引張および圧縮部材50、60は共に、処置された1つまたは複数の椎骨レベルの過大な側方屈曲および軸回転に抵抗するように共に作用する。
【0011】
図4では、椎間腔38の両側に位置する第1の椎骨36および第2の椎骨40が示されている。第1のアンカー20Aは、第1の椎骨36に固定され、第2のアンカー20Bは、第2の椎骨40に固定される。図2に示すように、引張部材50は、圧縮部材60を除去した状態では圧潰可能な(collapsible)構造を含む。引張部材50の第2の端部58は、第2のアンカー20Bの受け部材内に配置される。プラグ30は第2のアンカー20Bに係合し、第2の端部58をその中に固定する。引張部材50は圧潰性なので、第2の端部58は、アンカー20B内に固定されると受け部24の下側表面とプラグ30の間でかしめられる(crimped)。
【0012】
次いで、圧縮部材60を、第1の端部56に隣接する引張部材50の開口部を通して装填することができる。圧縮部材60は通路52を占め、したがって、引張部材50は、図3に示すように、圧縮部材60の外側形状に一致するようになる。圧縮部材60は、互いの方向を向いたアンカー20Aと20Bの側部の間に延びかつそれに当接する寸法の長さを端部62、64で有する。一実施形態では、圧縮部材60は、その外側端部間で圧縮されて、アンカー20A、20Bの間に配置され、次いで、解放されてアンカー20A、20Bに対して拡張し、アンカー20A、20B間の空間を伸延することができる。
【0013】
引張部材50は、第1のアンカー20Aの受け部24の通路28内に配置され、そこに固定される。第1のアンカー20Aのプラグ30はそれに係合し、第1のアンカー20Aの底部表面とプラグ30との間で引張部材50をかしめまたは圧潰させる。圧縮部材60は、緩衝装置として機能するようにアンカー20A、20Bの間を延びまたそれに当接するが、椎骨36、40が移動すると、相互方向にアンカー20A、20Bの制限された移動を可能にする。必要または所望される場合、第2のアンカー20Bから離れて第1のアンカー20Aを通って延びる引張部材50の部分を、第1のアンカー20Aから延びる引張部材50の長さを最小化するために、次いで、切断することができる。
【0014】
図6に示すように、引張部材50がアンカー20A、20Bと係合したとき、第1および第2の端部56、58は、受け部材の底部表面とそのアンカーと係合したプラグとの間で各アンカー20A、20B内にかしめられる。端部56、58をかしめることにより、アンカー20A、20Bの受け部24内の引張部材50の通路52が圧潰される。引張部材50の可撓性により、圧縮部材60を通路52内に配置すると、通路52をそのかしめられた形状から復元された形状の輪郭となるようにすることができる。
【0015】
他の実施形態では、図5に示すように、椎間腔42のもう一方の側で、第3のアンカー20Cを第3の椎骨44に取り付けることができる。第2の圧縮部材60Bが、第1のアンカー20Aから延びる引張部材50の通路52の部分に配置される。引張部材50の端部は、第3のアンカー20Cの通路28内に配置され、プラグでその中に固定される。第2の圧縮部材60Bは、アンカー20Aと20Cの間を延び、互いの方向に、アンカー20A、20Cの移動に対して、したがって、椎骨36、44の移動に対して抵抗するための緩衝装置として機能する。
【0016】
図7で、安定化システム45は、第1および第2のアンカー20Aおよび20Bと係合した安定化部材48を含む。安定化部材48は、中間の圧縮可能な本体66の両端部で、剛性部分70A、70Bを有する圧縮部材60を含む。剛性部分70A、70Bは、図6に示すアンカーとプラグの間で引張部材50を取り付けることにより提供されるものよりもさらに剛性のある境界面を引張部材50と各アンカー20A、20Bとの間に提供する。剛性部分70Aは、中間の圧縮可能な本体66の各端部に隣接して配置可能な拡大端部分72、および端部分72から延び、各アンカー20A、20Bの受け部材24を通るステム74を含む。例示の実施形態では、剛性部分70A、70BはT字型である。例えば、漏斗形状およびキノコ形状を含む他の形状も企図される。
【0017】
プラグ30は、プラグとアンカー座の間にステム74をクランプするように各アンカー20A、20Bに係合可能である。剛性部分70A、70Bは、圧縮可能な本体66よりもさらに剛性を有することができ、それにより、アンカー20A、20Bから延びる剛性のあるプラットフォームが提供され、それに対する圧縮荷重に、中間の圧縮可能な本体66の端部が抗する。アンカー20A、20B内に係合したとき、引張部材50はそれ自体で潰れることなくステム74を係合させるので、剛性ステム74はまた、アンカー20A、20Bにおける引張部材50のずれに対して大きな抵抗を提供することができる。端部分72は、圧縮荷重を分散させるように、圧縮部材60の中間の圧縮可能本体66の端部と合わさるように拡大された寸法を有する。
【0018】
図8で、安定化システム45は、各アンカー20A、20Bに隣接した引張部材50の両端部でワッシャ78A、78Bを含む。ワッシャ78A、78Bは、それを貫通する中心開口部を含み、引張部材50および剛性部分70A、70Bの各ステム74がそれを通って受け入れられる。ワッシャ78A、78Bは、剛性部分70A、70Bの各隣接する端部分72に当接し、引張部材50はその間を延びる。ワッシャ78A、78Bはプラットフォームを提供し、それに対して、圧縮荷重を隣接する剛性部分70A、70Bを介して圧縮部材60に分散させるようにアンカー20A、20Bの隣接する受け部24を配置することができる。
【0019】
他の実施形態では、ワッシャ78A、78Bは、剛性部分70A、70Bを使用せずにシステム45で使用される。その実施形態では、ワッシャ78A、78Bが、圧縮部材60の本体66の端部と当接し、引張部材50はその間を延びる。他の実施形態では、複数のワッシャが、アンカー20A、20Bの隣接する受け部24と、圧縮部材60もしくは剛性部分70A、70Bの間の空間を占めるように、引張部材50の一端または両端部で使用される。この実施形態では、そのワッシャにより、圧縮部材60の長さがアンカー間の距離全体に十分伸びていない場合であっても、圧縮部材を、ワッシャ78を介してアンカー20A、20Bと接触するように配置することができる。
【0020】
図9は、引張部材50および圧縮部材160を含む他の実施形態の安定化部材148を示す。圧縮部材160は、複数の交互に配置された剛性部分164および圧縮可能部分162を含む。図10で示すように、安定化部材148は、アンカー20A、20Bを用いて椎骨36、40に結合される。剛性部分164は、アンカー20A、20Bの受け部24と位置合わせされ、プラグでそれに固定される。1つまたは複数の中間の剛性部分164は圧縮可能部分162の間に配置される。
【0021】
図9で、圧縮可能部分162および剛性部分164は形状が円筒形であり、端と端を合わせて互いに当接するように引張部材50内に配置される。剛性部分と圧縮可能部分を交互にするための他の形状もまた企図される。例えば、図11で、剛性部分164はそれぞれ、もう一方の剛性部分164の方を向いているレセプタクル165を含む。圧縮可能部分162は両側の延長部163を含み、それらは、レセプタクル165の隣接する方の中に受け入れられる。例示の実施形態では、レセプタクル165は凹状に湾曲し、また延長部163が凸状に湾曲しており、延長部163とレセプタクル165の間の境界面に鋭利で急峻な角部がないようにする。凹凸の境界面により、圧縮部材160の部分が互いに側方または軸方向の滑りに抵抗するようになり、圧縮部材160に安定性が提供される。剛性部分と圧縮可能部分の間で入れ子式構成要素、および他のかみ合わせ(interdigitating)構成を含む他の軸方向境界面もまた企図される。他の実施形態では、縫合糸またはストランドなどの細長い部材が、部分162、164の位置合わせされた中心開口部を通って延びる。その細長い部材は、隣接する剛性部分と圧縮可能部分を互いに位置合わせした状態で、また互いに軸方向位置で維持するように圧縮部材160の両端部で固定される。
【0022】
図12を参照すると、引張部材50の通路52内に配置された他の実施形態の圧縮部材260が示されている。圧縮部材260は、中心に圧縮可能部分266をそれぞれが含むいくつかの圧縮要素261を含む。圧縮要素261はさらに、圧縮可能部分266の両側に配置された上側および下側剛性部分262、264を含む。剛性部分262、264は、間隙268で分離され、それにより、圧縮可能部分266の圧縮に応じて、剛性部分262、264を相互方向に移動させることができる。一連の圧縮要素261は、隣接する剛性部分を互いに端と端を合わせるように当接させて、通路52に沿って1つずつ隣り合わせに配置することができる。
【0023】
例示の実施形態では、剛性部分262、264は、圧縮可能部分266をその間に受け入れる互いの方向を向いた凹状に湾曲した凹部を含む。剛性部分262、264は、圧縮可能部分266の少なくとも一部分に沿って軸方向に延びており、その間で圧縮可能部分266を横方向かつ軸方向に規制する。圧縮可能部分266は、丸味のついた形状または球形状を含み、隣接する圧縮要素261の間で圧縮力を一様に遷移させる。
【0024】
図13を参照すると、引張部材50およびその引張部材50の通路52内に圧縮部材360を含む他の実施形態の安定化部材が示されている。圧縮部材360は、圧縮可能部分362および剛性部分364を含む。中間の剛性部分364は、拡大端部分366と、その拡大端部分366の間を延びるステム368とを有するダンベル型の形状を含む。剛性部分364は、隣接する圧縮可能部分362の隣接する端部に接触する。例示の実施形態では、圧縮部材360の両端部で剛性部分364は、単一の拡大端部分366だけを含み、ステム368がそこから自由端へと伸びている。
【0025】
安定化部材345はさらに、中間の剛性部分364に沿ったステム368および引張部分50の周りに配置された剛性のスリーブ370を含む。スリーブ370は、両側に拡大端部372と、両端部372の間に延びるスリーブ部分374を含む。拡大端部372は、スリーブ部分374の周りに半径方向外側に延び、剛性部分364の隣接する端部分366に接触しており、引張部材50がその間を延びる。圧縮部材360の両端部では、剛性スリーブ部分374の一端で単一の拡大端部372だけを含む剛性のスリーブ370が提供される。
【0026】
剛性のスリーブ370は、安定化部材345にアンカー20A、20Bを係合させるための安定化部材345に沿った固定位置を提供する。スリーブ370は、スリーブ部分374を各アンカーの通路28内に配置し、拡大端部372をアンカーの腕部26と接触させた状態で配置される。拡大端部372は、スリーブ370を各アンカー内で軸方向に規制する。拡大端部372はまた、引張部材50をその間に挟んで拡大端部分366と当接し、アンカー間で、圧縮部材360を軸方向に規制する。さらに、スリーブ370のスリーブ部分374は、プラグをアンカーに係合させたときに切断または裂けないように引張部材50を保護するための、引張部材50、プラグ、およびアンカーの間の隔壁を提供する。
【0027】
図14〜16を参照すると、他の実施形態の安定化部材448が示されている。安定化部材448は、引張部材50、および引張部材50内に配置された圧縮部材460を有する中間部分を含む。引張部材50は、圧縮部材460を受け入れるための通路を有する可撓性のある外側スリーブから構成される。剛性部分470は、引張部材50および圧縮部材460の両端部と係合し、またそこから延びる。剛性部分470は、引張部材50および圧縮部材460の両端部に隣接し、またそれらと突合せ係合された拡大端部分472を含む。ステム474は、拡大端部分472から、また引張部材50および圧縮部材460から離れるように延びる。ステム474は、アンカーの受け部の通路内に配置可能であり、また安定化部材を隣接する椎骨のそれぞれに固定するためにプラグを用いてアンカー内に固定可能である。
【0028】
引張部材50は可撓性があり、またアンカーが互いに離れるように移動するのを制限する。アンカーの相互方向への移動は、図15および16で示すように、剛性部分470を介してその両端部に圧縮荷重が加えられたとき、引張部材50内で外方向に膨らむことができる圧縮部材460により制限される。したがって、安定化部材448は、屈曲、伸張、および回転において可撓性のある制限を行うが、脊椎運動セグメントの限定された動きを可能にする。中間部分が脊柱の荷重を受けるとき、剛性部分470は、引張部材50および/または圧縮部材460の引張または圧縮に応じて互いに移動可能である。
【0029】
剛性部分470を引張部材50および/または圧縮部材460に取り付けるための様々な方法が企図されている。例示の実施形態では、拡大端部分472は、引張部材50および/または圧縮部材460を通って延びる糸479を受け入れる複数の穴478を含む。他の実施形態では、ファスナ、成形、融着、接着により取り付けられる剛性部分470、またはその他の形で引張部材50および/または圧縮部材460に固定する剛性部分が企図される。
【0030】
一実施形態では、安定化部材448は、参照としてそれぞれを本明細書に組みこむ、米国特許第6530929号および米国特許出願第10/769569号に開示のものなど、経皮挿入具と係合するようになっている。剛性部分470の一方は、皮膚を介した配置を容易にするために先細りさせた先端部477を含み、他方の剛体部分470は、所定の方向で容易に挿入具と係合できるように凹部471を含む。
【0031】
引張部材50は、例えば、ポリマー、金属、またはセラミックスを含む適切な任意の材料から作ることができる。適切なポリマーの例は、エラストマー、プラスチック、ゴム、および高性能な合成繊維へと処理できる任意のポリマーを含む。適切な合成繊維の例は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアリールエーテルケトン、ポリウレタン、シリコーンとポリウレタンのコポリマーを含む。引張部材50は、合成繊維材料の任意のコポリマー、配合物、複合材、または積層材から作ることができる。合成繊維材料に適したコポリマーの例は、シリコーン/ポリウレタンコポリマーを含む。合成繊維材料用の配合物の例は、ポリウレタンを有するシリコーンを含む。合成繊維材料の複合材の例は、ポリウレタン内にポリエステルメッシュまたは繊維を含む。合成繊維材料用の積層材の例は、編み組みされたポリエステル管材料およびシリコーン/ポリウレタンコポリマーを含む。一実施形態では、引張部材50は、管に織り込まれた編組み合成繊維により形成される。
【0032】
引張部材50は、0.5cm以下から100cm以上の範囲の任意の長さで提供することができる。一実施形態では、その長さは、椎骨レベルの各側部で椎骨に固定される隣接するアンカーを介して延びる寸法である。引張部材50は、円形、楕円形、長方形、正方形、六角形、または圧縮部材をその中に受け入れるための他の適切な任意の形状を含む任意の横断面形状を含むことができる。引張部材50は、例えば、編組み、織り、編み、縫製、押出し、射出成形、圧縮成形、鋳造、接着、または積層により作ることができる。
【0033】
圧縮部材は、ポリマー、金属、またはセラミックスを含む適切な任意の材料から作ることができる。適切なポリマーの例は、エラストマー、プラスチック、およびゴムを含む。適切な弾性のあるまたはゴム状のポリマーの例は、シリコーン、ポリウレタン、シリコーンとポリウレタンのコポリマー、ポリオレフィン、およびヒドロゲルを含む。圧縮部材は、ポリマー材料の任意のコポリマー、配合物、複合材、または積層材から作ることができる。コポリマーの例は、シリコーン/ポリウレタンコポリマーを含む。配合物の例は、ポリウレタンを有するシリコーンを含む。複合材の例は、ポリウレタン内にポリエステルメッシュまたは繊維を含む。積層材の例は、ポリエステルメッシュと、シリコーン/ポリウレタンコポリマーの複数の層を含む。
【0034】
圧縮部材は、0.5cm以下から100cm以上の範囲の任意の長さで提供することができる。一実施形態では、その長さは、椎骨レベルの各側部で椎骨に固定される隣接するアンカー間を延びる寸法である。他の実施形態では、圧縮部材は、上記のように、圧縮可能部分および剛性部分、および/またはワッシャを備えており、圧縮部材60に対して、圧縮可能部分、剛性部分、および/またはワッシャを追加し、または除去することにより、圧縮部材の長さを調整することができる。圧縮部材は、円形、楕円形、長方形、正方形、六角形、または他の適切な任意の形状を含む任意の横断面形状を含むことができる。圧縮部材の表面は、その表面上または表面下に、材料挙動に対して所望の変更を行える特徴を含むことができる。このような特徴は、例えば、溝、穴、空隙(void)、空洞(cavity)、延長部、レセプタクル、あるいは、剛性、コンプライアンス、衝撃吸収、圧縮抵抗、および/または隣接する剛性部分との係合を変更できる他の機能を含む。圧縮部材は、例えば、押出し、射出成形、圧縮成形、鋳造、接着、積層、または機械加工を含む適切な任意のプロセスにより作ることができる。
【0035】
例示の実施形態では、圧縮部材は、引張部材50内に取外し可能に受け入れられる。引張部材50、およびその中に配置される圧縮部材は、互いに物理的に接着され得ることも企図される。引張部材50は、圧縮部材を取り付けた状態で成形し、単一の複合構造を形成することができる。圧縮部材は、1つまたは複数の圧縮可能部分だけから、あるいは1つまたは複数の剛性部分と組み合わせて構成することが可能である。圧縮可能部分および剛性部分は、別々の構成要素とすることができ、または一体部材として形成することも可能であり、あるいは接着剤、融着、またはファスナで互いに固定することもできる。
【0036】
圧縮部材は、剛性または他の物理特性の異なるレベルを有する複数のセクションを備えることができ、安定化システム内で互いに協力して動作させることも企図されている。引張部材50は、アンカー内で圧縮部材の剛性部分に固定することができる。代替的には、剛性スリーブを引張部材50の周りに配置し、さらに、圧縮部材の剛性部分を外側スリーブを通るようにすることができる。剛性のある外側スリーブは、骨アンカーに係合する安定化部材に沿った取付け位置を提供する。
【0037】
本明細書で論ずる安定化システムは、脊椎の頸部、胸部、腰部、腰仙部、仙骨領域を含む脊椎のすべての領域で使用できることを理解されたい。本安定化システムは、2つの椎骨だけ、またはそれを超える椎骨を有する脊椎運動セグメントにわたり延びることができることも理解されたい。同様の脊椎運動セグメントに沿って、同時に、2つ以上の安定化システムを使用できることもさらに企図されている。さらに、本安定化システムは、脊椎運動セグメントの後部領域に適用するのに適しているが、代替的に、または付加的に、脊椎運動セグメントの前方、前側方、側方、および/または後側方部分を含む、脊椎運動セグメントへの他の外科手術アプローチで、およびそれらの組合せで適用することができる。
【0038】
本発明は、図面および前述の説明で詳細に示し説明されているが、それは、例示的なものであり、限定的な性質のものではないと見なすべきであり、本発明の趣旨に含まれる変更および修正はすべて保護されるのが望ましいことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】安定化システムの分解図である。
【図2】図1の安定化システムの引張部材の端面図である。
【図3】安定化部材を形成するために、圧縮部材をその通路内に有する図2の引張部材の端面図である。
【図4】脊柱の椎骨に対する安定化システムの取付けを示す正面図である。
【図5】複数の椎骨レベルに取り付けられた安定化システムを示す正面図である。
【図6】安定化システムの断面図である。
【図7】他の実施形態の安定化システムの断面図である。
【図8】他の実施形態の安定化システムの断面図である。
【図9】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図10】脊椎の椎骨に結合された図9の安定化部材を示す断面図である。
【図11】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図12】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図13】他の実施形態の安定化部材の断面図である。
【図14】他の実施形態の安定化部材の正面図である。
【図15】圧縮荷重を受ける図14の安定化部材の正面図である。
【図16】図15の安定化部材の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
少なくとも2つの椎体間の距離にわたる寸法の細長い引張部材であり、貫通した内部通路を有する可撓性のある管状のスリーブを含み、前記内部通路が前記スリーブ長の少なくとも一部分に沿って圧潰性があり、また少なくとも2つの椎骨のそれぞれに係合可能な一対のアンカーに係合可能であり、係合したときに、前記アンカーの対が互いに離れるように変位するのを制限することができる引張部材と、
前記細長い引張部材の前記通路内に配置可能な圧縮部材であり、その中に配置されたとき前記圧潰性の通路部分を少なくとも部分的に復元する寸法の横断面を含み、また前記アンカー間に少なくとも1つの圧縮可能部分を含み、さらに、前記アンカーの対の相互方向への変位を制限できるように、前記アンカーの対の間に延び前記アンカーの対に接触する寸法であるその両端部間長さを有する圧縮部材と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記アンカーの対の一方に係合したとき、前記スリーブの前記通路の一部分がかしめられ、前記アンカー内の前記通路の前記部分が完全に圧潰される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アンカーのそれぞれが、前記引張部材を受け入れるための通路を有する受け部と、前記受け部内で前記引張部材をかしめるために前記受け部に係合可能なプラグとを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記圧縮部材が、前記引張部材の前記通路内に摺動可能に受け入れられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧縮部材が前記圧縮可能部分の両端部に一対の剛性部分を含み、前記剛性部分は前記引張部材の前記通路内に延び、かつ、前記剛性部分は、前記引張部材が前記アンカーの対に係合したときに前記アンカーの対の対応する一方と係合するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記圧縮部材が、前記剛性部分の隣接するそれぞれの間にあるいくつかの圧縮可能部分により互いに分離されるいくつかの剛性部分を含み、前記剛性部分および前記圧縮可能部分が、前記引張部材の前記通路内に受け入れられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記剛性部分の少なくとも1つが前記引張部材内で前記アンカーの対のそれぞれ一方と位置合わせされ、前記引張部材が前記各アンカーに係合したときに前記剛性部分の少なくとも1つが前記各アンカーに係合する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記剛性部分および前記圧縮可能部分が凹凸の境界面を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧縮可能部分の少なくとも1つが、その両端部に軸方向延長部を含み、また前記剛性部分の少なくとも1つが、前記軸方向延長部の方向に配置可能な、前記軸方向延長部を受け入れる軸方向の凹部を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記剛性部分および前記圧縮可能部分がそれぞれ円筒形であり、前記引張部材内で端と端を合わせて互いに当接する、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記圧縮部材がいくつかの圧縮要素を含んでおり、前記圧縮要素のそれぞれが、その間の空洞を画定する対向する剛性部分と、前記剛性部分の間に延びる前記空洞内の圧縮可能部分とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記剛性部分が、少なくとも、前記圧縮可能部分が圧縮されないとき、それらの間に間隙を画定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記圧縮部材が、第1の圧縮可能部分の第1の端部に当接する第1の拡大端部分を有する少なくとも1つの剛性部分を含み、前記少なくとも1つの剛性部分が、前記拡大端部分から、前記アンカーの対の隣接する一方の受け部を介して延びるステムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの剛性部分がさらに、前記第1の拡大端部分とは反対にある前記ステムの端部に第2の拡大端部分を含み、前記第2の拡大端部分が、前記第1の圧縮可能部分の反対にある前記隣接するアンカーの側部上の第2の圧縮可能部分の隣接する端部に当接する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の圧縮可能部分の前記第1の端部の反対にある、前記第1の圧縮可能部分の第2の端部に当接する第2の剛性部分をさらに備え、前記第2の剛性部分が、前記圧縮可能部分の前記第2の端部に当接する拡大端部分と、前記アンカーの対の他方の受け部を介して前記拡大端部分から延びるステムとを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記剛性部分の前記ステムに沿って前記引張部材の周りに延びる、前記隣接するアンカーの前記受け部内に係合可能な剛性スリーブをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記スリーブが、拡大端部の間に延びるスリーブ部分の周りに半径方向に延びる前記拡大端部を含んでおり、前記引張部材が前記スリーブと前記剛性部分との間に延びている状態で、前記スリーブの前記拡大端部が、前記剛性部分の前記拡大部分の隣接する一方に当接する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記引張部材の前期スリーブが、合成繊維で形成された編組み管を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記合成繊維が、コポリマー、配合物、複合材、および積層材からなる群から選択された材料から作成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
少なくとも2つの椎体間の距離にわたる寸法の細長い引張部材であり、貫通した内部通路を有する編み組みされたポリマーのスリーブを含み、少なくとも2つの椎骨のそれぞれに係合可能な一対のアンカーに係合可能であり、係合されたときは、前記アンカーの対が互いに離れるように変位するのを制限することができる、引張部材と、
前記細長い引張部材の前記通路内に配置可能な圧縮部材であり、前記アンカー間に少なくとも1つの圧縮可能部分を含み、さらに、前記アンカーの対の相互方向への変位を制限できるように、前記アンカーの対の間に延び前記アンカーの対に接触する寸法である両端部間長さを有する圧縮部材と
を備えるシステム。
【請求項21】
前記内部通路が、前記スリーブの長さの少なくとも一部分に沿って圧潰され、前記圧縮部材が、その中に配置されたとき、前記圧潰された通路部分を少なくとも部分的に復元する寸法の横断面を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記アンカーの対の一方に係合されるとき、前記スリーブの前記通路の一部分がかしめられ、前記アンカー内の前記通路の前記部分が完全に圧潰される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記アンカーのそれぞれが、前記引張部材を受け入れるための通路を有する受け部と、前記受け部内で前記引張部材をかしめるために前記受け部に係合可能なプラグとを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記圧縮部材が、前記剛性部分の隣接するそれぞれの間のいくつかの圧縮可能部分により互いに分離されるいくつかの剛性部分を含み、前記剛性部分および前記圧縮可能部分が、前記引張部材の前記通路内に受け入れられる、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記剛性部分の少なくとも1つが、前記引張部材内で前記アンカーの対のそれぞれ一方と位置合わせされ、また前記引張部材が前記各アンカーに係合するとき、前記剛性部分の少なくとも1つが前記各アンカーに係合する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記圧縮可能部分の少なくとも1つが、その両端部に軸方向の延長部を含み、また前記剛性部分の少なくとも1つが、前記軸方向の延長部の方向に配置可能な、前記軸方向の延長部を受け入れる軸方向の凹部を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記剛性部分および前記圧縮可能部分がそれぞれ円筒形であり、前記引張部材内で端と端を合わせて互いに当接する、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記圧縮部材がいくつかの圧縮要素を含んでおり、前記圧縮要素のそれぞれが、空洞をその間に画定しかつ前記空洞内に前記圧縮可能部分を有する、対向する剛性部分を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記剛性部分が、少なくとも、前記圧縮可能部分が圧縮されないとき、それらの間に間隙を画定する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記圧縮部材が、前記圧縮可能部分の第1の端部に当接する第1の拡大端部分を有する少なくとも1つの剛性部分を含み、前記少なくとも1つの剛性部分が、前記拡大端部分から、前記アンカーの対の隣接する一方の受け部を介して延びるステムを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項31】
前記隣接するアンカーと前記剛性部分の前記拡大端部分との間で前記引張部材の周りに配置された剛性ワッシャをさらに備え、前記ステムおよび前記引張部材が前記ワッシャを通って延びる、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記剛性部分の前記ステムに沿って前記引張部材の周りに延びる、前記隣接するアンカーの前記受け部内に係合可能な剛性スリーブをさらに備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
少なくとも2つの椎体間の距離にわたる寸法の細長い引張部材であり、貫通した内部通路を有する可撓性のあるスリーブを含み、椎骨に係合可能な少なくとも1つのアンカーの受け部を介して延びる、引張部材と、
前記可撓性のあるスリーブの前記通路内に配置可能な圧縮部材であり、少なくとも1つの圧縮可能部分および前記圧縮可能部分の端部と接触する剛性部分を含み、前記剛性部分が、前記少なくとも1つのアンカーの前記受け部内で前記引張部材の一部分を通って延び、前記引張部材および前記剛性部分が、前記少なくとも1つのアンカーの前記受け部に係合可能なプラグと前記受け部内で係合可能である、圧縮部材と
を備えるシステム。
【請求項34】
前記圧縮部材の前記圧縮可能部分および前記剛性部分が円筒形である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記剛性部分が、前記圧縮可能部分の前記端部と接触する拡大端部分、および前記受け部内の前記引張部材の前記部分を通って前記拡大部分から延びるステムを含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記剛性部分が、前記拡大端部分の反対にある前記ステムの端部で第2の拡大端部分を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記引張部材および前記ステムの周りに配置された、前記プラグと前記受け部内で係合可能な剛性スリーブをさらに備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記剛性スリーブが、スリーブ部分と前記スリーブ部分の周りに半径方向に延びる拡大端部とを含み、前記スリーブの前記拡大端部が、前記引張部材が間に延びている状態で前記剛性部分の前記拡大端部の隣接する一方に当接する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記少なくとも1つのアンカーの前記受け部と前記剛性部分の前記拡大端部分との間で、前記引張部分の周りに配置されたワッシャをさらに備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項40】
前記可撓性のあるスリーブに圧潰性があり、また前記圧縮可能部分が、その中に配置されたとき前記スリーブが圧潰することを阻止する寸法の横断面を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項41】
前記可撓性のあるスリーブが、編み組みされた合成繊維により形成された管から構成される、請求項33に記載のシステム。
【請求項42】
脊柱を安定化する方法であって、
可撓性のある引張部材の第1の端部を、第1の椎骨に係合する第1のアンカーに係合させるステップと、
圧縮部材の第1の端部を前記第1のアンカーに隣接させて、前記引張部材の通路内に前記圧縮部材を配置するステップと、
圧縮部材の第2の端部を第2のアンカーに隣接させて、前記圧縮部材の前記第2の端部を、第2の椎骨に係合された前記第2のアンカーに隣接して配置するステップと、
前記第2のアンカーに前記引張部材を係合させるステップと
を含む方法。
【請求項43】
第2の圧縮部材の第1の端部を前記第2のアンカーに隣接させて、前記第2の圧縮部材を前記引張部材の通路内に配置するステップと、
前記第2の圧縮部材の第2の端部を第3のアンカーに隣接させて、前記第2の圧縮部材の前記第2の端部を、第3の椎骨に係合された前記第3のアンカーに隣接して配置するステップと、
前記引張部材を前記第3のアンカーに係合させるステップと
をさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記引張部材を前記第2のアンカーに係合させる前記ステップが、前記アンカーの受け部材内で前記引張部材をかしめるステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記引張部材の前記通路に圧潰性があり、前記圧縮部材を前記通路内に配置する前記ステップが、前記引張部材の前記圧潰された通路を復元する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記引張部材が編み組みされたスリーブである、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記通路内に前記圧縮部材を配置する前記ステップが、前記引張部材の前記通路内に少なくとも1つの剛性部分と少なくとも1つの圧縮可能部分とを交互に配置するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のアンカー内で前記剛性部分のうちの第1の前記剛性部分を前記引張部材と係合させ、前記第2のアンカー内で前記剛性部分のうちの第2の前記剛性部分を前記引張部材と係合させるステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記圧縮部材を前記通路内に配置する前記ステップが、いくつかの圧縮要素を前記通路内に配置するステップを含み、前記圧縮要素がそれぞれ、一対の剛性部分および前記剛性部分の間の圧縮可能部分を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
可撓性のあるスリーブを備える引張部材、および前記可撓性のあるスリーブ内に配置された圧縮部材を含む、中間部分と、
前記可撓性のある引張部材および前記可撓性のある圧縮部材の両端部から延びる第1および第2の剛性部分であって、第1および第2の椎骨のそれぞれに係合可能な第1および第2のアンカーのそれぞれに係合可能であり、前記中間部分を圧縮または伸張させると、相互に移動可能な、第1および第2の剛性部分と
を備えるシステム。
【請求項51】
前記第1および第2の剛性部分がそれぞれ、前記中間部分の隣接する端部と突合せ係合する拡大端部分と、前記拡大された端部から延びる細長いステムとを含む、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記剛性部分の前記拡大端部の少なくとも1つが複数の穴を含み、また前記少なくとも1つの拡大端部を前記中間部分に係合させる、前記穴を通して延びる少なくとも1つの取付け部材をさらに備える、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記圧縮部材が、前記中間部分に加えられた圧縮荷重に応じて前記可撓性のあるスリーブ内で外方向に膨らむ、請求項50に記載のシステム。
【請求項1】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
少なくとも2つの椎体間の距離にわたる寸法の細長い引張部材であり、貫通した内部通路を有する可撓性のある管状のスリーブを含み、前記内部通路が前記スリーブ長の少なくとも一部分に沿って圧潰性があり、また少なくとも2つの椎骨のそれぞれに係合可能な一対のアンカーに係合可能であり、係合したときに、前記アンカーの対が互いに離れるように変位するのを制限することができる引張部材と、
前記細長い引張部材の前記通路内に配置可能な圧縮部材であり、その中に配置されたとき前記圧潰性の通路部分を少なくとも部分的に復元する寸法の横断面を含み、また前記アンカー間に少なくとも1つの圧縮可能部分を含み、さらに、前記アンカーの対の相互方向への変位を制限できるように、前記アンカーの対の間に延び前記アンカーの対に接触する寸法であるその両端部間長さを有する圧縮部材と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記アンカーの対の一方に係合したとき、前記スリーブの前記通路の一部分がかしめられ、前記アンカー内の前記通路の前記部分が完全に圧潰される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アンカーのそれぞれが、前記引張部材を受け入れるための通路を有する受け部と、前記受け部内で前記引張部材をかしめるために前記受け部に係合可能なプラグとを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記圧縮部材が、前記引張部材の前記通路内に摺動可能に受け入れられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記圧縮部材が前記圧縮可能部分の両端部に一対の剛性部分を含み、前記剛性部分は前記引張部材の前記通路内に延び、かつ、前記剛性部分は、前記引張部材が前記アンカーの対に係合したときに前記アンカーの対の対応する一方と係合するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記圧縮部材が、前記剛性部分の隣接するそれぞれの間にあるいくつかの圧縮可能部分により互いに分離されるいくつかの剛性部分を含み、前記剛性部分および前記圧縮可能部分が、前記引張部材の前記通路内に受け入れられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記剛性部分の少なくとも1つが前記引張部材内で前記アンカーの対のそれぞれ一方と位置合わせされ、前記引張部材が前記各アンカーに係合したときに前記剛性部分の少なくとも1つが前記各アンカーに係合する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記剛性部分および前記圧縮可能部分が凹凸の境界面を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧縮可能部分の少なくとも1つが、その両端部に軸方向延長部を含み、また前記剛性部分の少なくとも1つが、前記軸方向延長部の方向に配置可能な、前記軸方向延長部を受け入れる軸方向の凹部を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記剛性部分および前記圧縮可能部分がそれぞれ円筒形であり、前記引張部材内で端と端を合わせて互いに当接する、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記圧縮部材がいくつかの圧縮要素を含んでおり、前記圧縮要素のそれぞれが、その間の空洞を画定する対向する剛性部分と、前記剛性部分の間に延びる前記空洞内の圧縮可能部分とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記剛性部分が、少なくとも、前記圧縮可能部分が圧縮されないとき、それらの間に間隙を画定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記圧縮部材が、第1の圧縮可能部分の第1の端部に当接する第1の拡大端部分を有する少なくとも1つの剛性部分を含み、前記少なくとも1つの剛性部分が、前記拡大端部分から、前記アンカーの対の隣接する一方の受け部を介して延びるステムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの剛性部分がさらに、前記第1の拡大端部分とは反対にある前記ステムの端部に第2の拡大端部分を含み、前記第2の拡大端部分が、前記第1の圧縮可能部分の反対にある前記隣接するアンカーの側部上の第2の圧縮可能部分の隣接する端部に当接する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の圧縮可能部分の前記第1の端部の反対にある、前記第1の圧縮可能部分の第2の端部に当接する第2の剛性部分をさらに備え、前記第2の剛性部分が、前記圧縮可能部分の前記第2の端部に当接する拡大端部分と、前記アンカーの対の他方の受け部を介して前記拡大端部分から延びるステムとを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記剛性部分の前記ステムに沿って前記引張部材の周りに延びる、前記隣接するアンカーの前記受け部内に係合可能な剛性スリーブをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記スリーブが、拡大端部の間に延びるスリーブ部分の周りに半径方向に延びる前記拡大端部を含んでおり、前記引張部材が前記スリーブと前記剛性部分との間に延びている状態で、前記スリーブの前記拡大端部が、前記剛性部分の前記拡大部分の隣接する一方に当接する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記引張部材の前期スリーブが、合成繊維で形成された編組み管を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記合成繊維が、コポリマー、配合物、複合材、および積層材からなる群から選択された材料から作成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
少なくとも2つの椎体間の距離にわたる寸法の細長い引張部材であり、貫通した内部通路を有する編み組みされたポリマーのスリーブを含み、少なくとも2つの椎骨のそれぞれに係合可能な一対のアンカーに係合可能であり、係合されたときは、前記アンカーの対が互いに離れるように変位するのを制限することができる、引張部材と、
前記細長い引張部材の前記通路内に配置可能な圧縮部材であり、前記アンカー間に少なくとも1つの圧縮可能部分を含み、さらに、前記アンカーの対の相互方向への変位を制限できるように、前記アンカーの対の間に延び前記アンカーの対に接触する寸法である両端部間長さを有する圧縮部材と
を備えるシステム。
【請求項21】
前記内部通路が、前記スリーブの長さの少なくとも一部分に沿って圧潰され、前記圧縮部材が、その中に配置されたとき、前記圧潰された通路部分を少なくとも部分的に復元する寸法の横断面を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記アンカーの対の一方に係合されるとき、前記スリーブの前記通路の一部分がかしめられ、前記アンカー内の前記通路の前記部分が完全に圧潰される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記アンカーのそれぞれが、前記引張部材を受け入れるための通路を有する受け部と、前記受け部内で前記引張部材をかしめるために前記受け部に係合可能なプラグとを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記圧縮部材が、前記剛性部分の隣接するそれぞれの間のいくつかの圧縮可能部分により互いに分離されるいくつかの剛性部分を含み、前記剛性部分および前記圧縮可能部分が、前記引張部材の前記通路内に受け入れられる、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記剛性部分の少なくとも1つが、前記引張部材内で前記アンカーの対のそれぞれ一方と位置合わせされ、また前記引張部材が前記各アンカーに係合するとき、前記剛性部分の少なくとも1つが前記各アンカーに係合する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記圧縮可能部分の少なくとも1つが、その両端部に軸方向の延長部を含み、また前記剛性部分の少なくとも1つが、前記軸方向の延長部の方向に配置可能な、前記軸方向の延長部を受け入れる軸方向の凹部を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記剛性部分および前記圧縮可能部分がそれぞれ円筒形であり、前記引張部材内で端と端を合わせて互いに当接する、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記圧縮部材がいくつかの圧縮要素を含んでおり、前記圧縮要素のそれぞれが、空洞をその間に画定しかつ前記空洞内に前記圧縮可能部分を有する、対向する剛性部分を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記剛性部分が、少なくとも、前記圧縮可能部分が圧縮されないとき、それらの間に間隙を画定する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記圧縮部材が、前記圧縮可能部分の第1の端部に当接する第1の拡大端部分を有する少なくとも1つの剛性部分を含み、前記少なくとも1つの剛性部分が、前記拡大端部分から、前記アンカーの対の隣接する一方の受け部を介して延びるステムを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項31】
前記隣接するアンカーと前記剛性部分の前記拡大端部分との間で前記引張部材の周りに配置された剛性ワッシャをさらに備え、前記ステムおよび前記引張部材が前記ワッシャを通って延びる、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記剛性部分の前記ステムに沿って前記引張部材の周りに延びる、前記隣接するアンカーの前記受け部内に係合可能な剛性スリーブをさらに備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
少なくとも2つの椎体間の距離にわたる寸法の細長い引張部材であり、貫通した内部通路を有する可撓性のあるスリーブを含み、椎骨に係合可能な少なくとも1つのアンカーの受け部を介して延びる、引張部材と、
前記可撓性のあるスリーブの前記通路内に配置可能な圧縮部材であり、少なくとも1つの圧縮可能部分および前記圧縮可能部分の端部と接触する剛性部分を含み、前記剛性部分が、前記少なくとも1つのアンカーの前記受け部内で前記引張部材の一部分を通って延び、前記引張部材および前記剛性部分が、前記少なくとも1つのアンカーの前記受け部に係合可能なプラグと前記受け部内で係合可能である、圧縮部材と
を備えるシステム。
【請求項34】
前記圧縮部材の前記圧縮可能部分および前記剛性部分が円筒形である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記剛性部分が、前記圧縮可能部分の前記端部と接触する拡大端部分、および前記受け部内の前記引張部材の前記部分を通って前記拡大部分から延びるステムを含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記剛性部分が、前記拡大端部分の反対にある前記ステムの端部で第2の拡大端部分を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記引張部材および前記ステムの周りに配置された、前記プラグと前記受け部内で係合可能な剛性スリーブをさらに備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記剛性スリーブが、スリーブ部分と前記スリーブ部分の周りに半径方向に延びる拡大端部とを含み、前記スリーブの前記拡大端部が、前記引張部材が間に延びている状態で前記剛性部分の前記拡大端部の隣接する一方に当接する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記少なくとも1つのアンカーの前記受け部と前記剛性部分の前記拡大端部分との間で、前記引張部分の周りに配置されたワッシャをさらに備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項40】
前記可撓性のあるスリーブに圧潰性があり、また前記圧縮可能部分が、その中に配置されたとき前記スリーブが圧潰することを阻止する寸法の横断面を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項41】
前記可撓性のあるスリーブが、編み組みされた合成繊維により形成された管から構成される、請求項33に記載のシステム。
【請求項42】
脊柱を安定化する方法であって、
可撓性のある引張部材の第1の端部を、第1の椎骨に係合する第1のアンカーに係合させるステップと、
圧縮部材の第1の端部を前記第1のアンカーに隣接させて、前記引張部材の通路内に前記圧縮部材を配置するステップと、
圧縮部材の第2の端部を第2のアンカーに隣接させて、前記圧縮部材の前記第2の端部を、第2の椎骨に係合された前記第2のアンカーに隣接して配置するステップと、
前記第2のアンカーに前記引張部材を係合させるステップと
を含む方法。
【請求項43】
第2の圧縮部材の第1の端部を前記第2のアンカーに隣接させて、前記第2の圧縮部材を前記引張部材の通路内に配置するステップと、
前記第2の圧縮部材の第2の端部を第3のアンカーに隣接させて、前記第2の圧縮部材の前記第2の端部を、第3の椎骨に係合された前記第3のアンカーに隣接して配置するステップと、
前記引張部材を前記第3のアンカーに係合させるステップと
をさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記引張部材を前記第2のアンカーに係合させる前記ステップが、前記アンカーの受け部材内で前記引張部材をかしめるステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記引張部材の前記通路に圧潰性があり、前記圧縮部材を前記通路内に配置する前記ステップが、前記引張部材の前記圧潰された通路を復元する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記引張部材が編み組みされたスリーブである、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記通路内に前記圧縮部材を配置する前記ステップが、前記引張部材の前記通路内に少なくとも1つの剛性部分と少なくとも1つの圧縮可能部分とを交互に配置するステップを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のアンカー内で前記剛性部分のうちの第1の前記剛性部分を前記引張部材と係合させ、前記第2のアンカー内で前記剛性部分のうちの第2の前記剛性部分を前記引張部材と係合させるステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記圧縮部材を前記通路内に配置する前記ステップが、いくつかの圧縮要素を前記通路内に配置するステップを含み、前記圧縮要素がそれぞれ、一対の剛性部分および前記剛性部分の間の圧縮可能部分を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
脊椎運動セグメントを安定化するためのシステムであって、
可撓性のあるスリーブを備える引張部材、および前記可撓性のあるスリーブ内に配置された圧縮部材を含む、中間部分と、
前記可撓性のある引張部材および前記可撓性のある圧縮部材の両端部から延びる第1および第2の剛性部分であって、第1および第2の椎骨のそれぞれに係合可能な第1および第2のアンカーのそれぞれに係合可能であり、前記中間部分を圧縮または伸張させると、相互に移動可能な、第1および第2の剛性部分と
を備えるシステム。
【請求項51】
前記第1および第2の剛性部分がそれぞれ、前記中間部分の隣接する端部と突合せ係合する拡大端部分と、前記拡大された端部から延びる細長いステムとを含む、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記剛性部分の前記拡大端部の少なくとも1つが複数の穴を含み、また前記少なくとも1つの拡大端部を前記中間部分に係合させる、前記穴を通して延びる少なくとも1つの取付け部材をさらに備える、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記圧縮部材が、前記中間部分に加えられた圧縮荷重に応じて前記可撓性のあるスリーブ内で外方向に膨らむ、請求項50に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−502448(P2008−502448A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527708(P2007−527708)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/020228
【国際公開番号】WO2005/122925
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/020228
【国際公開番号】WO2005/122925
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]