説明

可撓性を有する共通ディスプレイを備えたゲーミングシステム及びその作動方法

【課題】プレイヤーや観客等の関心・注目を集めるべく、360度に表示可能な共通ディスプレイを備えたゲーミングシステムを提供する。
【解決手段】本発明に係るゲーミングシステムは、遊技価値をベットすることによりベースゲームを実行し、所定のウイニングに応じた賞を付与する複数のゲーミングマシンと、所定の表示をする共通ディスプレイとを備えており、前記共通ディスプレイは、可撓性を有する表示部と、前記表示部の上端をスライド自在に案内する上部レール及び前記表示部の下端をスライド自在に案内する下部レールと、前記表示部を出入可能に収容する収容機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構から引き出す引出駆動機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構に巻き取る巻取駆動機構とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーミングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーミングマシン及びゲーミングシステムは、複数のゲーム端末と、ゲーム端末毎に設けられ、ゲーム端末にゲームを実行させる端末コントローラと、各端末コントローラを制御するセンターコントローラとを有する。このような従来のゲーミングマシンは、例えば、米国特許出願2002/0042296号明細書、米国特許6733390号明細書、米国特許6312332号明細書、米国特許6142872号明細書、米国特許6361441号明細書、米国特許5820459号明細書、米国特許4283709号明細書、または米国特許6003013号明細書に開示されている。各端末コントローラは、ゲーム端末毎に独立してゲームを実行し、ゲームの実行に基づいて配当を付与する。センターコントローラは、複数のゲーム端末を介して複数のプレイヤーが、プログレッシブジャックポット、ミステリージャックポット等様々なジャックポットを競い合うボーナスゲームを提供する。
【0003】
このようなゲーミングマシン及びゲーミングシステムは、複数のゲーム端末を使用するため、大掛かりな舞台装置となり、必然と大型の遊技施設等に設置されることになる。そして、このようなゲーミングマシン及びゲーミングシステムは、大型の遊技施設等での目玉となることが多く、プレイヤーや観客等の関心・注目を集める外観・演出等が求められる。
【0004】
この点、プレイヤーや観客等の関心・注目を集めるべく、有機ELディスプレイをリールに貼り付け演出効果を狙ったゲーミングマシンがある(例えば、特許文献1)。また、有機ELディスプレイを使用したディスプレイが、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−105379号公報
【特許文献2】特開2004−279867号公報
【特許文献3】特開2005−292395号公報
【特許文献4】特開2004−118794号公報
【特許文献5】特開2006−039471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記の点を踏まえ、よりプレイヤーや観客等の関心・注目を集めるべく、360度に表示可能な共通ディスプレイを備えたゲーミングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技価値をベットすることによりベースゲームを実行し、所定のウイニングに応じた賞を付与する複数のゲーミングマシンと、所定の表示をする共通ディスプレイとを備え、前記共通ディスプレイは、可撓性(flexibility)を有する表示部と、前記表示部の上端をスライド自在に案内する上部レール及び前記表示部の下端をスライド自在に案内する下部レールと、前記表示部を出入可能に収容する収容機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構から引き出す引出駆動機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構に巻き取る巻取駆動機構と、を備えたゲーミングシステムである。
【0008】
上記の構成によれば、ゲーミングシステムに備わった共通ディスプレイの表示部を、巻き取ることにより、収容機構に出入自在に収容することができる。これにより、共通ディスプレイの薄型化、軽量化、コンパクト化が達成される。また、表示部が可撓性を有することから、表示部に柔軟性・屈曲性を持たせることができる。これにより、上部レール及び下部レールを自在に設定することにより、表示部の表示面を湾曲させることができ、様々な形をした共通ディスプレイを備えたゲーミングシステムを提供することができる。
【0009】
また、本発明は、上記に記載のゲーミングシステムであって、前記共通ディスプレイの表示部は、可撓性(flexibility)を有する有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display)であることを特徴とするゲーミングシステムである。
【0010】
上記の構成によれば、共通ディスプレイの表示部を、可撓性を有する有機ELディスプレイにすることができる。これにより、共通ディスプレイの表示部の視野角を広くすることができ、例え、表示部を湾曲させてセッティングしたとしても、見る角度による表示部のコントラストや輝度の低下を抑えることができる。
【0011】
また、本発明は、遊技価値をベットすることによりベースゲームを実行し、所定のウイニングに応じた賞を付与する複数のゲーミングマシンと、所定の表示をする共通ディスプレイと、を備え、前記共通ディスプレイは、可撓性(flexibility)を有する表示部と、前記表示部の上端をスライド自在に案内する円状の上部レール及び前記表示部の下端をスライド自在に案内する円状の下部レールと、前記表示部を出入可能に収容する収容機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構から引き出す引出駆動機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構に巻き取る巻取駆動機構とを備え、前記複数のゲーミングマシンは、それぞれ円状に配置され、前記共通ディスプレイは、前記円状に配置された複数のゲーミングマシンの上方に配置されていることを特徴とするゲーミングシステムである。
【0012】
上記の構成によれば、円筒状の共通ディスプレイを、円状に配置された複数のゲーミングマシンの上方に配置することができる。これにより、360度に表示可能な共通ディスプレイを備えたゲーミングシステムを提供することができ、ゲーミングシステム周辺に居るゲームの観覧者に、広くゲームに関する情報を報知することができる。
【0013】
また、本発明は、上記に記載のゲーミングシステムであって、更にコントローラを備え、前記複数のゲーミングマシンは、前記共通ディスプレイを使用したイベントゲームを実行し、前記コントローラは、以下の処理動作を実行させるようにプログラムされている。前記イベントゲーム実行時に、前記引出駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構から、引き出し、前記イベントゲーム終了時に、前記巻取駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構に、巻き取る。
【0014】
上記の構成によれば、イベントゲーム実行時に、引出駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構から、引き出し、イベントゲーム終了時には、巻取駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構に、巻き取ることができる。これにより、イベントゲーム発生時に、表示部がレールに沿って出現する演出を実行することができる。
【0015】
また、本発明は、上記に記載のゲーミングシステムであって、前記共通ディスプレイの表示部は、可撓性(flexibility)を有する有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display)であることを特徴とするゲーミングシステムである。
【0016】
上記の構成によれば、共通ディスプレイの表示部を、可撓性を有する有機ELディスプレイにすることができる。これにより、共通ディスプレイの表示部の視野角を広くすることができ、例え、表示部が湾曲した円筒状であったとしても、見る角度による表示部のコントラストや輝度の低下を抑えることができる。
【0017】
また、本発明は、所定の表示をする共通ディスプレイと、ベースゲーム及び前記共通ディスプレイを使用したイベントゲームを実行し、所定のウイニングに応じた賞を付与する複数のゲーミングマシンとを備え、前記共通ディスプレイは、可撓性(flexibility)を有する表示部と、前記表示部の上端をスライド自在に案内する円状の上部レール及び前記表示部の下端をスライド自在に案内する円状の下部レールと、前記表示部を出入可能に収容する収容機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構から引き出す引出駆動機構と、前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構に巻き取る巻取駆動機構と、を備えたゲーミングシステムの作動方法であり、前記イベントゲーム実行時に、前記引出駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構から、引き出すステップと、前記イベントゲーム終了時に、前記巻取駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構に、巻き取るステップとを含むことを特徴とするゲーミングシステムの作動方法である。
【0018】
上記の構成によれば、イベントゲーム実行時に、引出駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構から、引き出し、イベントゲーム終了時には、巻取駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構に、巻き取ることができる。これにより、イベントゲーム発生時に、表示部がレールに沿って出現する演出を実行することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プレイヤーや観客等の関心・注目を集めるべく、360度に表示可能な共通ディスプレイを備えたゲーミングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係るゲーミングシステム1の概略図である。
【図2】ゲーミングシステム100のブロック図である。
【図3】サイネージディスプレイ200の構造を説明するための略式図である。
【図4】本発明に適用される有機ELディスプレイ201の構成を示す説明図である。
【図5】スロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図6】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【図7】通常遊技用当籤役抽籤テーブルの説明図である。
【図8】通常遊技用配当テーブルの説明図である。
【図9】ジャックポットポイントテーブルの説明図である。
【図10】中央制御基盤の電気的構成を示したブロック図である。
【図11】スロットマシンでの表示画面の説明図である。
【図12】シンボル列及び各シンボルのコード番号を示す図である。
【図13】獲得ポイント表の説明図である。
【図14】ゲーミングシステムで実行される起動処理のフローチャートである。
【図15】ゲーミングシステムで実行されるイニシャル処理のフローチャートである。
【図16】スロットマシンで実行される遊技実行処理のフローチャートである。
【図17】スロットマシンで実行されるスロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理のフローチャートである。
【図18】中央制御基盤で実行される中央側ジャックポットゲーム実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、本発明に係るゲーミングシステム100、及びそのゲーミングシステムを動作させるための制御方法の概略を説明する。
【0022】
本発明は、図1及び図2に示すように、所定の表示をする共通ディスプレイ101(サイネージディスプレイ200)と、ベースゲーム及び共通ディスプレイを使用したイベントゲーム(ジャックポットゲーム)を実行し、所定のウイニング(当籤役)に応じた賞(配当)を付与する複数のゲーミングマシン102(スロットマシン3A〜3H)とを備え、共通ディスプレイ101は、可撓性を有する表示部(有機ELディスプレイ201)と、表示部の上端をスライド自在に案内する円状の上部レール(ハンガレール202)及び表示部の下端をスライド自在に案内する円状の下部レール(ガイドレール203)と、表示部を出入可能に収容する収容機構(収容ボックス204)と、表示部を、上部レール及び下部レールに沿って、収容機構から引き出す引出駆動機構(引出駆動装置207)と、表示部を、上部レール及び下部レールに沿って、収容機構に巻き取る巻取駆動機構(巻取駆動装置206)と、を備えたゲーミングシステム100(ゲーミングシステム1)であり、イベントゲーム実行時に、引出駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構から、引き出す段階と、イベントゲーム終了時に、巻取駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構に、巻き取る段階と、を含むことを特徴とするゲーミングシステムの制御方法として実現される。
【0023】
また、本実施形態に係るイベントゲームとしての「ジャックポットゲーム」とは、各ゲーミングマシン102(スロットマシン3A〜3H)でベットされたコインの一部が累計された累計値分のコインの獲得を目的とするゲームであり、ベースゲームの本来の進行とは独立して行われる余興として行われるゲームである。
【0024】
上記のゲームを実行するゲーミングシステム100は、図2に示すように、コントローラ111(中央制御基盤210)と、共通ディスプレイ101と、複数のゲーミングマシン102とを有している。
【0025】
また、コントローラ111(マザーボード240、メインCPU241)は、ジャックポットクレジット記憶部113(RAM243)と、ジャックポットゲーム開始判断部114(メインCPU241)と、共通ディスプレイ表示判断部115(メインCPU241)と、ジャックポットゲーム勝利判断部116(メイン)とを有している。また、ゲーミングマシン102は、ゲーム開始部105(コントロールパネル20)と、ゲーミングマシン側コントローラ110(マザーボード40、メインCPU41)と、ゲーミングマシン側ディスプレイ103(下側画像表示パネル16A〜16H)と、通常配当付与部108(ホッパー66等)と、ジャックポットゲーム配当付与部117(ホッパー66等)とを有している。
【0026】
更に、ゲーミングマシン側コントローラ110は、ゲーム実行部106(メインCPU241)と、ジャックポットクレジット送信部112(メインCPU241)と、役判断部107(メインCPU241)と、ジャックポットゲーム実行部104(メインCPU241)と、ジャックポットポイント判断部109(メインCPU241)とを有している。
【0027】
ゲーミングマシン側ディスプレイ103は、シンボル180をリールの回転により配置するリール装置で機械的に構成されていても良いし、画像表示されたビデオリールによりシンボル180を配置する電気的な構成にされていても良い。さらに、機械的な構成(リール)と電気的な構成(ビデオリール)とを組み合せた構成にされていてもよい。電気的な構成としては、液晶表示装置やCRT(cathode-ray tube)装置、プラズマディスプレイ装置等を挙げることができる。ゲーミングマシン側ディスプレイ103の具体的な構成は、後述する。
【0028】
(コントローラ111及びゲーミングマシン側コントローラ110)
コントローラ111及びゲーミングマシン側コントローラ110は、各ゲーミングマシン102で実行されるベースゲーム毎にベットされた遊技価値の一部を累計し、累計した遊技価値の値が所定の値に達したことを条件として、イベントゲームを実行し、イベントゲーム実行時に、引出駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構から、引き出す処理と、イベントゲーム終了時に、巻取駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構に、巻き取る処理と、を実行する。
【0029】
(コントローラ111及びゲーミングマシン側コントローラ110の動作)
上記の構成において、コントローラ111及びゲーミングマシン側コントローラ110の動作を説明する。先ず、遊技価値のベット後、ゲーム実行部106は、ゲーム開始部105からのゲーム開始信号をトリガーとして、ゲーミングマシン側ディスプレイ103において、配置されていた複数のシンボル180の変動表示を開始させる。即ち、各ゲーミングマシン102で実行されるベースゲームを実行する。
【0030】
そして、ゲーム実行部106において、ベースゲームを実行されると、ジャックポットクレジット送信部112は、ベットされた遊技価値の一部をコントローラ111に送信する。そして、ジャックポットクレジット記憶部113は、送信された遊技価値の一部を累計し記憶する。なお、ベースゲーム実行後、役判断部107は、ベースゲームに勝利したか否かを判断し、勝利した場合には、通常配当付与部108より配当を付与する。
【0031】
次に、ジャックポットゲーム開始判断部114は、ジャックポットクレジット記憶部113において累計し記憶した遊技価値の値が所定の値に達したか否かを判断し、遊技価値の値が所定の値に達していれば、ジャックポットゲーム実行部104にジャックポットゲーム開始信号を送信する。そして、ジャックポットゲーム実行部104は、ジャックポットゲーム開始信号をトリガーとしてジャックポットゲームを実行する。
【0032】
次に、ジャックポットゲーム実行時に、共通ディスプレイ表示判断部115は、引出駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構から、引き出す処理を実行する。
【0033】
次に、ジャックポットゲーム勝利判断部116は、ジャックポットポイント判断部109において判断したジャックポットポイントに基づいてジャックポットゲームに勝利したか否かを判断し、ジャックポットゲームに勝利したゲーミングマシン102に対して、ジャックポットゲーム勝利信号を送信する。そして、ジャックポットゲーム終了時に、共通ディスプレイ表示判断部115は、巻取駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構に、巻き取る処理を実行する。さらに、ジャックポットゲーム勝利信号を受信したことをトリガーとして、ジャックポットゲーム配当付与部117は、ジャックポットクレジット記憶部113に累計された遊技価値を付与する。
【0034】
尚、コントローラ111及びゲーミングマシン側コントローラ110の各ブロックは、ハードウエアにより形成されていてもよいし、必要に応じてソフトウエアにより形成されていてもよい。
【0035】
上記の構成によれば、イベントゲームとしてのジャックポットゲーム実行時に、引出駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構から、引き出し、イベントゲームとしてのジャックポットゲーム終了時には、巻取駆動機構を駆動させ、表示部を、収容機構に、巻き取ることができる。これにより、イベントゲームとしてのジャックポットゲーム発生時に、表示部がレールに沿って出現する演出を実行することができる。
【0036】
(実施の形態)
本発明に係るゲーミングシステム100の詳細な実施形態を説明する。なお、本発明におけるゲーミングシステム100を、実施例となるゲーミングシステム1に適用し、機械的、電気的及び動作的に具体的に構成した場合の実施の形態について説明する。
【0037】
(ゲーミングシステム1の構成)
ゲーミングシステム1は、遊技施設等に設置される。ゲーミングシステム1に備わった各スロットマシン3A〜3Hは、遊技価値の使用によりベースゲームを実行する。遊技価値は、コイン、紙幣またはこれらに相当する電子的な有価情報である。尚、本発明における遊技価値は、特に限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケットであってもよい。チケットは、特に限定されるものではなく、例えば、後述のバーコード付きチケット等であってもよい。
【0038】
まず、図1を用いて、本実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るゲーミングシステム1の概略図である。
【0039】
図1に示すように、ゲーミングシステム1は、8台のスロットマシン3A〜3Hと、サイネージディスプレイ200と、ゲーミングシステム1内に設けられた中央制御基盤210(図10参照)とを備え、それぞれネットワークで接続されている。
【0040】
そして、本実施形態に係るゲーミングシステム1では、各スロットマシン3A〜3Hでベットされたコインの一部が累計値として累計的に計数される。そして、累計的に計数された累計値を示す値が中央制御基盤210に設けられたRAM243に記憶される。そして、この累計値は、各スロットマシン3A〜3Hの上側画像表示パネル33に表示される。例えば、上記累計値が、「$12,34」であれば、各スロットマシン3A〜3Hの上側画像表示パネル33に、「$12,34」の値が表示される。累計値が所定値(本実施例では、「$12,34」)に達すると、係る累計値分のコインの獲得を目的とするジャックポットゲームが、各スロットマシン3A〜3Hにおいて、実行される。
【0041】
なお、ジャックポットゲームが開始された場合、後述するジャックポットポイントシンボルの数に応じた獲得ポイントが付与され(図9参照)、付与されて累積した獲得ポイントが所定の値(50ポイント)に達した場合に、各スロットマシン3A〜3Hの上側画像表示パネル33に表示された累計値分のコイン(「$12,34」)が付与される。ここで、各スロットマシン3A〜3Hにおいて獲得された獲得ポイントの累計値は、サイネージディスプレイ200に、獲得ポイント表300として表示されることになる(図13参照)。
【0042】
(サイネージディスプレイ200の構成)
本実施の形態におけるサイネージディスプレイ200は、図1および図3に示すように、有機ELディスプレイ201と、有機ELディスプレイ201の上端をスライド自在に吊下げる円形状のハンガレール202と、有機ELディスプレイ201の下端を案内する円形状のガイドレール203と、有機ELディスプレイ201を出入可能に収容する円筒状の収容ボックス204と、有機ELディスプレイ201の最先端部の上端及び下端に取付けられた2つのワイヤー(2つのワイヤーは、それぞれハンガレール202及びガイドレール203によって目隠しされており、周囲からは目視できないようにされている。)をハンガレール202及びガイドレール203に沿って出入可能に収容するワイヤーボックス205と、収容ボックス204内に設けられ有機ELディスプレイ201を、ハンガレール202及びガイドレール203に沿って、収容ボックス204内に巻き取る巻取駆動装置206と、ワイヤーボックス205内に設けられ、2つのワイヤーを、ハンガレール202及びガイドレール203に沿って、ワイヤーボックス205内に巻き取ることにより有機ELディスプレイ201を引き出す引出駆動装置207とを備えている。また、サイネージディスプレイ200は、円柱形状をしており、図1に示すように、円形に配置されたスロットマシン3A〜3Hの上方に設置されている。なお、図3は、サイネージディスプレイ200の構造を説明するための略式図である。
【0043】
上記の構成によれば、円筒状のサイネージディスプレイ200を、円状に配置されたスロットマシン3A〜3Hの上方に配置することができる。これにより、360度に表示可能なサイネージディスプレイ200を備えたゲーミングシステム1を提供することができ、ゲーミングシステム1周辺に居るゲームの観覧者に、広くゲームに関する情報を報知することができる。
【0044】
(有機ELディスプレイ201)
次に、サイネージディスプレイ200を構成する有機ELディスプレイ201について説明する。図4は、本発明に適用される有機ELディスプレイ201の構成を示す説明図である。有機ELディスプレイ201は、図4に示すように、印刷層281、可撓性基材282、バリア層283、第1電極284、EL層285、絶縁層286、第2電極288、封止材289、バリア層290及び可撓性封止材291がこの順で積層されたものである。
【0045】
(印刷層281)
印刷層281は、透明な層である。印刷層281は、例えば、プレイヤー等の側からフィルム基材281A、粘着層281Bの順で形成されている。フィルム基材281Aとしては、後述する可撓性基材282で用いられる樹脂フィルムと同じものを使用可能である。また、粘着層281Bは、後述する可撓性基材282に貼り合わせるために設けられ、代表的な粘着材料としては、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ビニル系、イソシアネート系の各粘着材料等が挙げられる。印刷層281の全体の厚さは200〜300μm程度としている。
【0046】
(可撓性基材282)
可撓性基材282は、プレイヤー側の最表面に設けられるものである。そのため、この可撓性基材282は、EL層285が発光することにより表示する文字、図形、記号又はこれらの結合からなる表示パターン(以下、「文字等」という。)を見る者が容易に視認することができる程度の透明性を有していることが必要である。
【0047】
可撓性基材282としては、フィルム状の樹脂製基材、または、厚さ100μm程度またはそれ以下の薄板ガラスに保護プラスチック板若しくは保護プラスチック層を設けたものが用いられる。こうした基材は、可撓性に優れ、柔軟な基材として丸めたり曲げたりすることができる。
【0048】
可撓性基材282を形成する樹脂材料としては、形成後の状態で有機ELディスプレイ用基材として十分な可撓性を有するものであれば特に限定されないが、具体的には、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。この他の樹脂材料であっても、有機ELディスプレイ用として使用できる条件を満たす高分子材料であれば使用可能であり、また上記した樹脂の出発原料であるモノマーを2種類以上用いて共重合させて得られる共重合体であってもよい。
【0049】
これらの樹脂製基材のうち、耐溶媒性と耐熱性のよいもの、また、その使用環境にもよるが水蒸気や酸素等のガスバリア性のよいものであればより好ましい。ガスバリア性のよい樹脂材料を使用する場合には後述するバリア層283を省略することもできるが、有機ELディスプレイにおいては、バリア層283を形成した可撓性基材282を用いることが好ましい。可撓性基材282には、厚さ50〜200μmのフィルム状基材が用いられる。
【0050】
また、厚さ100μm程度またはそれ以下の薄板ガラスに保護プラスチック板若しくは保護プラスチック層を設けた場合は、可撓性に優れ、丸めたり曲げたりすることができるので、可撓性基材282として好ましく用いられる。このとき、保護プラスチック板若しくは保護プラスチック層にガスバリア性のよいものを用いるとよい。
【0051】
(バリア層283)
バリア層283は、上述した可撓性基材282と第1電極284との間に形成される層である。バリア層283は、EL層285の寿命や発光性能に悪影響を及ぼす湿気(水蒸気)や酸素を遮断するよう作用する。このバリア層283においても、上述の可撓性基材282と同様に、透明性を有している。
【0052】
バリア層283としては、無機酸化物の薄膜が好ましく適用される。無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム又は酸化カリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いてもよい。中でも、酸化ケイ素、酸化アルミニウム又は酸化チタンが好ましく使用される。また、無機酸化物以外のものとしては、窒化ケイ素を挙げることができる。有機ELディスプレイに設けられるバリア層283の厚は、0.01〜0.5μm程度としている。
【0053】
バリア層283は、上述した可撓性基材282と第1電極284との間、例えば可撓性基材282上に真空蒸着法等により形成される。
【0054】
(第1電極284、第2電極288)
第1電極284と第2電極288は、後述するEL層285に電場を与えるために設けられる必須の層である。本発明においては、EL層285から見て可撓性基材282側に設けられる電極を第1電極284とし、可撓性封止材291側に設けられる電極を第2電極288としている。透明性については、上述の可撓性基材282やバリア層283と同様、少なくともプレイヤー側の第1電極284が透明性を有していることが必要である。一方、第2電極288については、必ずしも透明である必要はない。
【0055】
第1電極284としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、金又はポリアニリン等の薄膜電極材料を挙げることができる。中でも、透明酸化物である酸化インジウム錫(ITO)と酸化インジウム亜鉛(IZO)が好ましく用いられる。
【0056】
第2電極288としては、上述した酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、金又はポリアニリン等からなる透明電極材料の他、マグネシウム合金(MgAg等)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg等)又は金属カルシウム等を挙げることができる。
【0057】
第1電極284と第2電極288の厚さは、何れも500nm以下、より好ましくは300nm以下であることが好ましく、通常、真空蒸着法によりEL層285に隣接するように設けられる。
【0058】
第1電極284と第2電極288は、全面に形成されていても、EL層285が形成される位置に対応するようにパターン状に形成されていてもよい。パターン状の電極は、全面に形成した後、エッチングすることにより形成される。
【0059】
(EL層285)
EL層285は、必須の層である。EL層の構成については図示しないが、一般的な種々の構成が挙げられる。例えば、(a)有機発光体(有機蛍光発光体)を専ら含む有機発光体層がEL層として電極間に形成されているもの、(b)有機発光体層の陽極側に正孔輸送材料からなる正孔輸送層が形成され、有機発光体層の陰極側に電子輸送材料からなる電子輸送層が形成されたもの、(c)正孔輸送層の性質を兼ね備えた有機発光体層が形成され、その有機発光体層の陰極側に電子輸送層が形成されたもの、(d)電子輸送層の性質を兼ね備えた有機発光体層が形成され、その有機発光体層の陽極側に正孔輸送層が形成されたもの、等を例示できる。
【0060】
有機発光体を含有する有機発光体層には、有機EL層として一般に使用されているアゾ系化合物が使用されるが、他の有機発光体を加えたアゾ系化合物を用いてもよい。そうした他の有機発光体としては、ピレン、アントラセン、ナフタセン、フェナントレン、コロネン、クリセン、フルオレン、ペリレン、ペリノン、ジフェニルブタジエン、クマリン、スチリル、ピラジン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエチレン、メロシアニン、キナクリドン若しくはルブレン、又はこれらの誘導体等、有機発光体として通常使用されるものを挙げることができる。有機発光体層は、こうした化合物を含有した有機発光体層形成用塗液を用いて形成される。
【0061】
正孔輸送材料としては、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポリフィリン、オキサジアゾール、トリフェニルアミン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、ピラゾリン、テトラヒドロイミダゾール、ヒドラゾン、スチルベン若しくはブタジエン、又はこれらの誘導体等、正孔輸送材料として通常使用されるものを用いることができる。また、正孔輸送層形成用組成物として、例えばポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート等も正孔輸送材料として使用してもよい。正孔輸送層は、こうした化合物を含有した正孔輸送層形成用塗液を用いて形成される。
【0062】
電子輸送材料としては、アントラキノジメタン、フルオレニリデンメタン、テトラシアノエチレン、フルオレノン、ジフェノキノンオキサジアゾール、アントロン、チオピランジオキシド、ジフェノキノン、ベンゾキノン、マロノニトリル、ニジトロベンゼン、ニトロアントラキノン、無水マレイン酸若しくはペリレンテトラカルボン酸、又はこれらの誘導体等、電子輸送材料として通常使用されるものを用いることができる。電子輸送層は、こうした化合物を含有した電子輸送層形成用塗液を用いて形成される。
【0063】
EL層285の形成は、上述したような各種の積層態様に応じて、有機発光体層形成用塗液、正孔輸送層形成用塗液及び電子輸送層形成用塗液を隔壁により区分けされた所定の位置に注入して行われる。注入された各塗液は、通常の手段に従い、真空熱処理等の加熱処理が施される。上述した各積層態様からなるEL層285の厚さとしては、0.1〜2.5μmの範囲内としている。
【0064】
なお、図示しない隔壁は、有機ELディスプレイの平面上に発光色毎に区分けする領域を形成するものである。隔壁で区分けされた領域には、EL層の構成態様に応じて、正孔輸送層形成用塗液、有機発光体層形成用塗液、電子輸送層形成用塗液等が注入される。隔壁材料としては、従来より隔壁材料として使用されている各種の材料、例えば、感光性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
【0065】
(絶縁層286)
絶縁層286は、必須の層ではないが、第1電極284と第2電極288との間に所定のパターンで形成されており、所定形状の発光表示領域を画定するよう作用する。この絶縁層286は、両極間に印加された電圧を遮断するので、その両極間にEL層285が形成されている場合であっても、その領域での発光を妨げるように作用する。したがって、絶縁層286がパターン形成された領域は、非発光領域となり、その結果、発光表示領域を画定することとなる。一方、絶縁層286が形成されていない発光表示領域では、EL層285の両側には両電極が接触しているので、両極から電圧が加えられたEL層285は発光し、訴求効果を発揮するよう作用する。
【0066】
絶縁層286をパターン形成することにより、文字、図形、記号又はこれらの結合からなる表示パターンを、訴求効果に優れた発光表示領域として形成できる。
【0067】
そうした表示パターンは、幾つかの部分から構成されていてもよく、単純な切り抜き構造のような態様で形成されていてもよい。また、絶縁層286を網点の集まりで構成していてもよい。なお、文字を一定方向に流す表示画面を形成するようにしてもよく、例えば、絶縁層286で形成した表示パターンを単純な切り抜き構造とし、その表示部については、EL層285をドット状に縦横に配列し、各々のドットを互いに独立して発光させることにより、文字を一方向に流しながら表示できる。
【0068】
こうした絶縁層286は、第1電極284に積層させても第2電極288に積層させても何れでもよく、特に限定されない。使用される材料は、通常透明であるので、その絶縁層286自体が有機ELディスプレイ201の視認性に影響を与えることはない。絶縁層286は感光性樹脂を材料として使用している。絶縁層286の厚さは、通常0.1〜10μmの範囲内である。
【0069】
(封止材289)
封止材289は、EL層285を含む有機EL素子と可撓性封止材291との間に、空隙が存在しないようにすること及び封止性を向上させることを目的として、好ましく設けられるものである。封止材としては、通常使用されている各種のものを使用できるが、エポキシ樹脂系の熱硬化型接着剤やアクリル樹脂系のUV硬化型接着剤を使用する。
【0070】
なお、封止材289は、その種類によってはバリア性を兼ね備えているので、後述する可撓性封止材291とバリア層290を設けることなく、EL層285の一方の側(プレイヤー側の反対)をこの封止材289のみで構成してもよい。
【0071】
封止材289は、有機EL素子上の全面に直接塗布して形成しても、可撓性封止材291上に塗布形成した後に、その封止材289面を有機EL素子上に貼り合わせるようにして形成してもよい。封止材289は、空隙を埋めることができる範囲内でできるだけ薄く形成されることが好ましく、その厚さ等は適宜調整される。硬化手段は熱硬化型であるかUV硬化型であるかにより異なり、それぞれの硬化条件に基づいて硬化させることができる。
【0072】
この封止材289は、EL素子全面に設けられる。ガラス基板へ施しているような従来の枠状塗布の場合には、封止材289を貼り合わせた後にパネルを曲げるなどの力を加えると封止材289の中央付近が素子と接触することがあるが、封止材289を全面に設けることによりこのような不具合を防止できる。したがって、封止材289を全面に形成して得られた有機ELディスプレイ201は、その内部に空隙が存在していないので、丸めたり曲げたりした場合であっても不要な歪みや張力の発生を防ぐことができ、EL素子内部の異常接触等の問題を抑制することができる。また、封止材289自体がバリア性を有しているので、封止材289を全面に設けて密閉度を高めることにより、透湿性・通気性を更に抑えることができ、素子の保護性を向上させることができる。
【0073】
(バリア層290)
このバリア層290は、可撓性封止材291のEL層285側に設けられる層である。このバリア層290は、可撓性封止材291と第2電極288との間、より具体的には、可撓性封止材291と前述した封止材289との間に形成され、上述したバリア層283と同じ作用効果を発揮する。また、使用する材料についても特に限定されないが、上述のバリア層283と同じものを用いている。
【0074】
バリア層290は、後述する可撓性封止材291上に、真空蒸着法等により形成される。バリア層290の成膜装置としては、後述するフィルム状の可撓性封止材291を搬送しながら蒸着できる蒸着装置が用いられる。
【0075】
(可撓性封止材291)
可撓性封止材291は、プレイヤー等の側とは反対側の最表面に設けられるものである。
【0076】
可撓性封止材291としては、フィルム状の樹脂製基材が用いられる。フィルム状の樹脂製基材は、可撓性に優れ、丸めたり曲げたりすることができるので、多様な対象物に装着又は設置できる有機ELディスプレイ用の基材として用いている。その形成材料及び形成方法については、上述した可撓性基材282と同じなので、ここでは省略する。なお、可撓性封止材291の厚さについても、上述の可撓性基材282と同様、50〜200μmであり、有機ELディスプレイに可撓性(フレキシビリティ)を付与できる。
【0077】
なお、図示しないが、有機ELディスプレイ201の上端側には、断面が開口部先細りのC型の球体が設けられている。この球体は、回転自在の状態で保持されており、円状に形成されるハンガレール202内にそれぞれ収容され、これによって有機ELディスプレイ201はハンガレール202に沿ってスライド自在に吊下げられる。また、有機ELディスプレイ201の下端側にも、断面が開口部先細りのC型の球体が設けられている。この球体は、回転自在の状態で保持されており、円状に形成されるガイドレール203内にそれぞれ収容され、円状に形成されるガイドレール203に沿って案内されるようになっている。また、有機ELディスプレイ201の最先端部の上端及び下端には、2つのワイヤー(2つのワイヤーは、それぞれハンガレール202及びガイドレール203によって目隠しされており、周囲からは目視できないようにされている。)が取付けられている。
【0078】
このように、サイネージディスプレイ200の表示部に有機ELディスプレイを用いると、高コントラスト、輝度変化への応答速度の高速化、視野角度の高角度化、EL層285において色の付いた光を直接出せるためエネルギーの変換効率の効率化を図ることができる。また、可撓性を備えた層を備えることで柔らかくて折り曲げることができる。
【0079】
(ハンガレール202とガイドレール203)
ハンガレール202とガイドレール203は、図1及び図3に示すように、対を成して有機ELディスプレイ201を案内している。そして、有機ELディスプレイ201が、ワイヤーボックス205がある方向へ移動せしめられると、有機ELディスプレイ201は、ハンガレール202とガイドレール203に沿って、目視可能な位置まで移動させられる(図1及び図3参照)。また、有機ELディスプレイ201が、収容ボックス204がある方向へ移動せしめられると、有機ELディスプレイ201は、ハンガレール202とガイドレール203に沿って、収容ボックス204内に収容されることになる(図1及び図3参照)。
【0080】
(収容ボックス204及び巻取駆動装置206)
収容ボックス204は、円筒状の外筒と、外筒に設けられた開口部204Aと、有機ELディスプレイ201を収容可能な空間とを備えており、有機ELディスプレイ201が、収容ボックス204がある方向へ移動せしめられると、有機ELディスプレイ201は、収容ボックス204内に渦巻状に収容されるようになっている(図1及び図3参照)。また、収容ボックス204内には、有機ELディスプレイ201を、ハンガレール202及びガイドレール203に沿って、収容ボックス204内に巻き取る巻取駆動装置206が備えられている。
【0081】
(ワイヤーボックス205及び引出駆動装置207)
ワイヤーボックス205は、円筒状の外筒と、外筒に設けられた開口部205Aと、有機ELディスプレイ201の最先端部の上端及び下端に取付けられた2つのワイヤーを収容可能な空間とを備えており、有機ELディスプレイ201が、ワイヤーボックス205がある方向へ移動せしめられると、有機ELディスプレイ201の最先端部の上端及び下端に取付けられた2つのワイヤーは、ワイヤーボックス205内に収容されるようになっている(図1及び図3参照)。また、ワイヤーボックス205内には、2つのワイヤーを、ハンガレール202及びガイドレール203に沿って、ワイヤーボックス205内に巻き取ることにより有機ELディスプレイ201を引き出す引出駆動装置207が備えられている。
【0082】
上記の構成によれば、ゲーミングシステム1に備わったサイネージディスプレイ200の有機ELディスプレイ201を、巻き取ることにより、収容ボックス204に出入自在に収容することができる。これにより、サイネージディスプレイ200の薄型化、軽量化、コンパクト化が達成される。また、有機ELディスプレイ201が可撓性を有することから、有機ELディスプレイ201に柔軟性・屈曲性を持たせることができる。これにより、ハンガレール202及びガイドレール203を自在に設定することにより、有機ELディスプレイ201の表示面を湾曲させることができ、様々な形をしたサイネージディスプレイ200を備えたゲーミングシステム1を提供することができる。
【0083】
また、上記の構成によれば、サイネージディスプレイ200の有機ELディスプレイ201を、可撓性を有する有機ELディスプレイにすることができる。これにより、サイネージディスプレイ200の有機ELディスプレイ201の視野角を広くすることができ、例え、有機ELディスプレイ201を湾曲させてセッティングしたとしても、見る角度による有機ELディスプレイ201のコントラストや輝度の低下を抑えることができる。
【0084】
(スロットマシン3A〜3Hの構成)
次に、ゲーミングシステム1に設けられたスロットマシン3A〜3Hについて説明する。図5に示すように、スロットマシン3A〜3Hは、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13とを備えている。メインドア13には、下側画像表示パネル16A〜16Hが設けられている。下側画像表示パネル16A〜16Hは、各種の情報を表示する透明液晶パネルを備えている。下側画像表示パネル16A〜16Hは、複数のシンボル180を配置する表示窓151〜155、マトリクス156を表示すると共に、ゲームに関する各種の情報や演出画像等を必要に応じて表示する。
【0085】
ここで、『複数のシンボルを配置する』とは、シンボル180が外部のプレイヤーに対して目視により確認可能な状態であることを意味する。例えば、図11においては、シンボル180が表示窓151〜155に表示された状態をいう。尚、シンボル180の配置を解除した後、再び配置することを『再配置』と称する。
【0086】
なお、本実施形態では、下側画像表示パネル16A〜16Hが電気的に複数のシンボル180を表示させて、5列3行のシンボルを表示する場合を例に挙げているが、これに限定されるものではなく、例えば、3列3行でも、5列5行でもよい。
【0087】
また、本実施例では、表示窓151〜155に配置されるシンボル180をスキャッタシンボルとしている。ここで、スキャッタシンボルとは、表示窓151〜155の5列のカラムと3行のロウとで構成されるマトリクス状の配置領域に所定数停止表示されるだけで有効(配当付与・ボーナスゲーム付与等)となるシンボルである。例えば、スキャッタシンボルが採用された通常ゲームでは、このスキャッタシンボルが表示窓151〜155(15個の配置領域)に所定個数(例えば、5個以上)表示された場合に配当が付与される。即ち、このスキャッタシンボルは、表示窓151〜155内に所定数だけ表示されていれば配当が付与され、その際の表示位置や並び方はどの様であってもよいことになる。
【0088】
また、下側画像表示パネル16A〜16Hには、クレジット数表示部及びペイアウト数表示部が表示されていてもよい。クレジット数表示部は、スロットマシン3A〜3Hがプレイヤーに払い出し可能な合計枚数(以下、合計クレジット数とも称する)を表示する。ペイアウト数表示部は、払い出されるコインの枚数を表示する。
【0089】
下側画像表示パネル16A〜16Hの下方には、コントロールパネル20とコイン受入口21と紙幣識別器22とが設けられている。コントロールパネル20は、複数のボタン23〜27を備えている。これらのボタン23〜27は、プレイヤーによる遊技進行に関係する指示を入力可能にしている。コイン受入口21は、コインをキャビネット11内に受け入可能にしている。
【0090】
コントロールパネル20は、スピンボタン23と、チェンジボタン24と、キャッシュアウトボタン25と、1−BETボタン26と、最大BETボタン27とを有している。スピンボタン23は、シンボル180のスクロールを開始させる指示を入力するためのボタンである。チェンジボタン24は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いるボタンである。キャッシュアウトボタン25は、合計クレジット数分のコインをコイントレイ18に払い出す指示を入力するためのボタンである。
【0091】
1−BETボタン26は、合計クレジット数分のコインのうち、1枚のコインを遊技に賭けるという指示を入力するためのボタンである。最大BETボタン27は、合計クレジット数分のコインのうち、1回の遊技に賭ける最大枚数(例えば、50枚)のコインを遊技に賭けるという指示を入力するためのボタンである。
【0092】
紙幣識別器22は、紙幣が正規のものであるか否かを識別すると共に、正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れる。なお、紙幣識別器22は、後述するバーコード付チケット39を読み取ることができる。紙幣識別器22は、バーコード付チケット39を読み取った場合、読み取った内容に関する読取信号をメインCPU41に出力する。
【0093】
メインドア13の下部前面、即ち、コントロールパネル20の下方には、ベリーガラス34が設けられている。ベリーガラス34は、スロットマシン3A〜3Hのキャラクタ等が描かれている。トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル33が設けられている。上側画像表示パネル33は、液晶パネルを備えており、例えば、演出画像、遊技内容の紹介や遊技のルールの説明を表す画像を表示する。
【0094】
トップボックス12には、演出用のランプ30、音声出力用のスピーカ29が設けられている。上側画像表示パネル33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データ表示器37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数や日時、スロットマシン3A〜3Hの識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。プレイヤーは、バーコード付チケット39を用いて他のスロットマシン3A〜3Hで遊技することや、バーコード付チケット39を遊技施設のキャッシャ等で紙幣等に交換することができる。
【0095】
カードリーダ36は、スマートカードからのデータの読み取り及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、プレイヤーが所持するカードであり、例えば、プレイヤーを識別するためのデータ、プレイヤーが行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。
【0096】
データ表示器37は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ36が読み取ったデータや、プレイヤーがキーパッド38により入力したデータを表示する。キーパッド38は、チケット発行等に関する指示やデータを入力する。
【0097】
(ゲーミングシステム1の電気的構成)
図6及び図10は、ゲーミングシステム1全体の電気的構成を示したブロック図である。
【0098】
(スロットマシン3A〜3Hの電気的構成)
図6は、スロットマシン3A〜3Hの電気的構成を示したブロック図である。キャビネット11の内部には、制御ユニットが設けられている。図6に示すように、制御ユニットは、マザーボード40、本体PCB(Printed Circuit Board)60、ゲーミングボード50、ドアPCB80、各種のスイッチ、及びセンサ等の構成要素を備えている。
【0099】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互い接続されたCPU(CentralProcessing Unit)51と、ROM55及びブートROM52と、メモリカード53に対応したカードスロット53Sと、GAL(Generic Array Logic)54に対応したICソケット54Sとを備えている。
【0100】
メモリカード53は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶する。ゲームプログラムには、停止シンボル決定プログラムが含まれている。停止シンボル決定プログラムは、マトリクス156上に停止するシンボル(シンボルに対応するコードナンバー)を決定するためのプログラムである。
【0101】
なお、この停止シンボル決定プログラムに、複数種類のペイアウト率(例えば、80%、84%、88%)のそれぞれに対応したシンボル重み付けデータが含まれる構成としてもよい。シンボル重み付けデータは、表示窓151〜155のそれぞれについて、各シンボル列(シンボルラインA〜E)のコードナンバーと、所定の数値範囲に属する1または複数の乱数値との対応関係を示すデータである。ペイアウト率は、GAL54から出力されるペイアウト率設定用データに基づいて定められるものであり、このペイアウト率に対応したシンボル重み付けデータに基づいて停止シンボルが決定される。
【0102】
さらに、メモリカード53は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムで用いられる各種のデータを記憶する。例えば、表示窓151〜155に表示されるシンボル180と乱数範囲との関係を示すデータが、通常遊技用当選役抽選テーブル160(図7参照)の形式で記憶されている。また、通常遊技用当選役抽選テーブル160の抽籤結果に基づいた配当データが、通常遊技用配当テーブル161(図8参照)の形式で記憶されている。また、ジャックポットゲーム時に表示窓151〜155に表示される『SUN』181のシンボルの数と獲得ポイントとの関係を示すデータが、ジャックポットポイントテーブル162(図9参照)の形式で記憶されている。尚、これらのデータは、遊技の実行時において、マザーボード40のRAM43に転送される。
【0103】
また、カードスロット53Sは、メモリカード53の挿入、取り外しができるように構成され、IDEバスによってマザーボード40に接続されている。従って、カードスロット53Sからメモリカード53を取り外し、メモリカード53に別のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを書き込み、そのメモリカード53をカードスロット53Sに挿入することにより、スロットマシン3A〜3Hで行われる遊技の種類や内容を変更することができる。
【0104】
ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラムが含まれる。また、ゲームプログラムには、遊技中に出力される画像データや音データが含まれる。
【0105】
GAL54は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えている。GAL54は、入力ポートにデータが入力されると、このデータに対応したデータを出力ポートから出力する。
【0106】
ICソケット54Sは、GAL54を取り付け、取り外しできるように構成されている。ICソケット54Sは、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。従って、ICソケット54SからGAL54が取り外され、GAL54に格納されたプログラムが書き換えられた後、そのGAL54がICソケット54Sに取り付けられるという作業によって、GAL54から出力されるデータの変更が可能になる。
【0107】
内部バスにより互いに接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52は、PCIバスによりマザーボード40に接続されている。PCIバスは、マザーボード40とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うと共に、マザーボード40からゲーミングボード50への電力供給を行う。ROM55には、国識別情報及び認証プログラムが記憶される。ブートROM52には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0108】
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムが改竄されていないことの確認及び証明を行うためのプログラムである。即ち、認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの認証を行う手順に沿って記述されている。予備認証プログラムは、上述した認証プログラムを認証するためのプログラムである。予備認証プログラムは、認証処理の対象となる認証プログラムが改竄されていないことの証明、即ち、認証プログラムの認証を行う手順に沿って記述されている。
【0109】
マザーボード40は、メインCPU41と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、通信部44とを備えている。
【0110】
メインCPU41は、スロットマシン3A〜3H全体を制御する機能を備える。特に、メインCPU41は、クレジットがBETされた後、スピンボタン23が押された際に、グラフィックボード68に対して複数のシンボル180を変動表示させる指令信号を出力する制御、複数のシンボル180が変動表示された後に、停止させるシンボル180を決定する制御、決定したシンボル180を表示窓151〜155で停止させる制御を行う。
【0111】
即ち、メインCPU41は、下側画像表示パネル16A〜16Hに表示される複数のシンボルをスクロールした後に、新たなシンボルを再配置するために、再配置するシンボルを複数種類のシンボルの中から選択して決定し、スクロール状態からその決定されたシンボルで停止する配置制御を実行する機能を備えている。
【0112】
ROM42には、メインCPU41により実行されるBIOS(Basic Input/OutputSystem)等のプログラムが記憶され、且つ、恒久的に用いるデータが記憶されている。メインCPU41によりBIOSが実行されると、各周辺装置の初期化処理が行われると共に、メモリカード53に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムのゲーミングボード50を介した読み取り処理が開始される。RAM43には、メインCPU41が処理を行う際に用いられるデータやプログラムが記憶される。例えば、通常遊技用当選役抽選テーブル160、通常遊技用配当テーブル161、ジャックポットポイントテーブル162、遊技実行処理プログラム、スロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理プログラムが記憶される。また、RAM43には、クレジット数が記憶される。
【0113】
通信部44は、通信回線を介して中央制御基盤210との間で通信を行うためのものである。また、マザーボード40には、本体PCB(Printed Circuit Board)60及びドアPCB80が、それぞれUSB(Universal Serial Bus)によって接続されている。更に、マザーボード40には、電源ユニット45が接続されている。電源ユニット45からマザーボード40に電力が供給されると、マザーボード40のメインCPU41が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動する。
【0114】
本体PCB60及びドアPCB80には、メインCPU41に入力される入力信号を発生させる機器や装置と、メインCPU41から出力される制御信号により動作が制御される機器や装置とが接続されている。メインCPU41は、メインCPU41に入力された入力信号に基づいて、RAM43に記憶されたゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを実行することにより、演算処理を行ってその結果をRAM43に記憶したり、各機器や装置に対する制御処理として各機器や装置に制御信号を送信したりする処理を行う。
【0115】
本体PCB60には、ランプ30と、ホッパー66と、コイン検出部67と、グラフィックボード68と、スピーカ29と、紙幣識別器22と、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、キースイッチ38Sと、データ表示器37とが接続されている。
【0116】
ランプ30は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、点灯、消灯が制御される。
【0117】
ホッパー66は、キャビネット11内に設置され、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定数のコインをコイン払出口19からコイントレイ18に払い出す。コイン検出部67は、コイン払出口19の内部に設けられ、コイン払出口19から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0118】
グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル33及び下側画像表示パネル16A〜16Hにおける画像表示を制御する。また、グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード53から読み出されてRAM43に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0119】
紙幣識別器22は、紙幣の画像を読み取り、正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れる。また、紙幣識別器22は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。メインCPU41は、該入力信号により伝達された紙幣の額に応じたクレジット数をRAM43に記憶する。
【0120】
チケットプリンタ35は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、RAM43に記憶されたクレジット数、日時やスロットマシン3A〜3Hの識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力する。
【0121】
カードリーダ36は、スマートカードからのデータを読み取ってメインCPU41へ送信したり、メインCPU41からの制御信号に基づいてスマートカードへのデータの書き込みを行う。キースイッチ38Sは、キーパッド38に設けられ、プレイヤーによりキーパッド38が操作されたとき、入力信号をメインCPU41へ出力する。データ表示器37は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ36が読み取ったデータや、プレイヤーによりキーパッド38を介して入力されたデータを表示する。
【0122】
ドアPCB80には、コントロールパネル20と、リバータ21Sと、コインカウンタ21Cと、冷陰極管81とが接続されている。コントロールパネル20には、スピンボタン23に対応したスピンスイッチ23S、チェンジボタン24に対応したチェンジスイッチ24S、キャッシュアウトボタン25に対応したキャッシュアウトスイッチ25S、1−BETボタン26に対応した1−BETスイッチ26S、及び、最大BETボタン27に対応した最大BETスイッチ27Sが設けられている。各スイッチ23S〜27Sは、対応するボタン23〜27がプレイヤーによって操作されたとき、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0123】
コインカウンタ21Cは、コイン受入口21の内部に設けられていて、プレイヤーによってコイン受入口21に投入されたコインが正規のものであるか否かを識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口19から排出される。また、コインカウンタ21Cは、正規のコインを検出したときにメインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0124】
リバータ21Sは、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ21Cによって正規のコインとして認識されたコインを、スロットマシン3A〜3H内に設置されたキャッシュボックス(図示せず)またはホッパー66に振り分ける。即ち、ホッパー66がコインで満たされている場合、正規のコインはリバータ21Sによってキャッシュボックスに振り分けられる。一方、ホッパー66がコインで満たされていない場合には、正規のコインはホッパー66に振り分けられる。冷陰極管81は、下側画像表示パネル16A〜16Hと、上側画像表示パネル33との背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0125】
(通常遊技用当選役抽選テーブル)
図7に基づいて、スロットマシン3A〜3Hで実行される遊技実行処理時に使用される通常遊技用当選役抽選テーブル160について説明する。図7は通常遊技用当選役抽選テーブルを示した説明図である。なお、通常遊技用当選役抽選テーブル160は、RAM43に格納されており、後述する遊技実行処理のシンボル決定処理で読み込まれるデータである。
【0126】
図7に示すように通常遊技用当選役抽選テーブル160で使用される乱数値の範囲は0〜5998であり、メインCPU41によってサンプリングされた乱数値が0〜29である場合には、『SUN』181の当選役に当選する。そして、『SUN』181のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示される。また、メインCPU41によってサンプリングされた乱数値が30〜51である場合には、『HEART』182の当選役に当選する。そして、『HEART』182のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示される。また、メインCPU41によってサンプリングされた乱数値が52〜107である場合には、『MOON』183の当選役に当選する。そして、『MOON」183のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示される。以下同様に、乱数値が108〜207である場合には「K」186、208〜407である場合には「A」184、408〜807である場合には「Q」187、808〜1477である場合には「J」185、1478〜1807である場合には「10」188の当選役に当選となる。また、メインCPU41によってサンプリングされた乱数値が1808〜5998である場合には、ハズレとなり上記のいずれの当選役の組合せとならないハズレのシンボル180の組合せが表示窓151〜155に停止表示される。ここで、これらの当選役に当選した状態を当籤役が成立するという。
【0127】
(通常遊技用配当テーブル)
次に、図8に基づいて、図7に示す通常遊技用当選役抽選テーブル160において決定した当選役に応じたコインの払い出し枚数を示した通常遊技用配当テーブル161について説明する。図8は通常遊技用配当テーブルを示した図である。なお、通常遊技用配当テーブル161は、RAM43に格納されており、後述する遊技実行処理の通常遊技の払出処理で読み込まれるデータである。
【0128】
通常遊技用当選役抽選テーブル160を使用してサンプリングされた結果に対して、通常遊技用配当テーブル161に基づいて表示窓151〜155に表示された当選役に応じたコインの払い出しが行われる。
【0129】
具体的には、『SUN』181のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、払い出されるコインは、70枚である。『HEART』182のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、払い出されるコインは、50枚である。『MOON』183のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、配当として払い出されるコインは、30枚である。以下同様に、『K』186のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、配当として払い出されるコインは、25枚である。『A』184のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、配当として払い出されるコインは、20枚である。『Q』187のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、配当として払い出されるコインは、15枚である。『J』185のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、配当として払い出されるコインは、10枚である。『10』188のシンボル180が5つ表示窓151〜155に停止表示されれば、配当として払い出されるコインは、5枚である。また、抽籤の結果ハズレとなり上記のいずれの当選役の組合せとならないハズレのシンボル180の組合せが表示窓151〜155に停止表示された場合は、配当として払い出されるコインは、0枚である。なお、上記の配当として払い出されるコインの枚数は、1枚のコインを遊技に投入した場合のコインの払い出し枚数であって、1回の遊技に投入するコインを複数枚にした場合は、配当されるコイン数は、投入したコイン枚数に上記配当されるコイン枚数を乗じたコインが払い出されることになる。
【0130】
(ジャックポットポイントテーブル)
次に、図9に基づいて、ジャックポットゲーム時に参照されるジャックポットポイントテーブル162について説明する。ジャックポットポイントテーブル162は、ジャックポットゲーム時に表示窓151〜155に表示されたジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の数に応じて、プレイヤーに付与される獲得ポイントのポイント数を示したものである。図9はジャックポットポイントテーブルを示した図である。なお、ジャックポットポイントテーブル162は、RAM43に格納されており、後述するスロットマシン側ジャックポットゲームの実行処理で読み込まれるデータである。また、各スロットマシン3A〜3Hに付与された獲得ポイントの累計値は、有機ELディスプレイ201に表示された獲得ポイント表300において、各スロットマシン3A〜3Hの各ゲージ311・312・313・314・315・316・317・318に対応して点灯しているポイントマトリックス301の数で表されることになる。
【0131】
具体的には、ジャックポットゲーム時に表示窓151〜155に表示されたジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が0であれば、獲得ポイントは、0PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が1であれば、獲得ポイントは、1PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が2であれば、獲得ポイントは、2PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が3であれば、獲得ポイントは、3PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が4であれば、獲得ポイントは、4PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が5であれば、獲得ポイントは、5PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が6であれば、獲得ポイントは、6PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が7であれば、獲得ポイントは、7PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が8であれば、獲得ポイントは、8PTである。ジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の合計が9であれば、獲得ポイントは、9PTである。
【0132】
(中央制御基盤の電気的構成)
図10は、中央制御基盤210の電気的構成を示したブロック図である。中央制御基盤210の内部には、制御ユニットが設けられている。図10に示すように、制御ユニットは、マザーボード240、ゲーミングボード250、及びアクチュエータ等の構成要素を備えている。
【0133】
ゲーミングボード250は、内部バスによって互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)251と、ROM255及びブートROM252と、メモリカード253に対応したカードスロット253Sと、GAL(Generic Array Logic)254に対応したICソケット254Sとを備えている。即ち、このゲーミングボード250は、上記ゲーミングボード50と同一構成であり、同様の機能を有している。
【0134】
マザーボード240は、メインCPU241と、ROM(Read Only Memory)242と、RAM(Random Access Memory)243とを備えている。また、マザーボード240は、電源ユニット245と、通信部224と、サイネージディスプレイ200と接続されている。そして、サイネージディスプレイ200は、グラフィックボード268と、グラフィックボード268に接続された有機ELディスプレイ201と、巻取駆動装置206と、巻取駆動装置206に接続された収容ボックス204と、引出駆動装置207と、引出駆動装置207に接続されたワイヤーボックス205とを備えている。RAM243は、中央側ジャックポットゲーム実行処理プログラムを記憶する。また、RAM243には、各スロットマシン3A〜3Hでベットされたコインの一部が累計的に計数された累計値が記憶される(ジャックポットクレジット情報)。
【0135】
サイネージディスプレイ200に設けられた有機ELディスプレイ201には、ジャックポットゲーム時に、各スロットマシン3A〜3Hに付与された獲得ポイントの合計値を表す獲得ポイント表300が表示される。具体的には、図13に示すように、各スロットマシン3A〜3Hが獲得した獲得ポイントの合計値は、各スロットマシン3A〜3Hの各ゲージ311・312・313・314・315・316・317・318に対応して点灯しているポイントマトリックス301の数で表示されることになる。また、有機ELディスプレイ201は、ゲームに関する各種の情報や演出画像等を必要に応じて表示することができる。なお、グラフィックボード268は、メインCPU241から出力される制御信号に基づいて、有機ELディスプレイ201に表示される画像表示の制御を行う。
【0136】
メインCPU241は、中央制御基盤210全体を制御する機能を備える。例えば、メインCPU241は、ジャックポットゲームを始める際に、引出駆動装置207の動作制御を行う。また、メインCPU241は、ジャックポットゲームを終了する際に、巻取駆動装置206の動作制御を行う。
【0137】
通信部224は、通信回線を介してスロットマシン3A〜3Hの通信部44との間で通信を行うためのものである。
【0138】
有機ELディスプレイ201を巻き取る巻取駆動装置206は、有機ELディスプレイ201を収容ボックス204内部へ収納するための駆動装置である。巻取駆動装置206は、回転軸とモータを備えており、有機ELディスプレイ201の収容ボックス204内部への収納は、回転軸の周りに有機ELディスプレイ201を内面としてモータの回転力により巻き取ることにより行われる。また、なお、収容ボックス204の開口部204Aに、一対のローラを設けて、それに接合した有機ELディスプレイ201を一対のゴム製のローラとで挟み込んで弾性を付与するように構成してもよい。
【0139】
2つのワイヤーを、ワイヤーボックス205内に巻き取ることにより有機ELディスプレイ201を引き出す引出駆動装置207は、有機ELディスプレイ201の最先端部の上端及び下端に取付けられた2つのワイヤーをワイヤーボックス205内部へ収納するための駆動装置である。引出駆動装置207は、回転軸とモータを備えており、2つのワイヤーのワイヤーボックス205内部への収納は、回転軸にワイヤーを固定してモータの回転力により巻き取ることにより行われる。
【0140】
(スロットマシンの表示窓151〜155における表示状態)
上記のゲーミングシステム1の動作過程におけるスロットマシン3A〜3Hの下側画像表示パネル16A〜16Hの表示状態の一例を具体的に説明する。尚、係る表示状態の説明は、図11に示すように、表示窓151〜155にビデオリール方式によりシンボル180を配置する構成に基づいて行う。
【0141】
下側画像表示パネル16A〜16Hは、複数のシンボル180を配置する表示窓151〜155を有している。表示窓151〜155は、下側画像表示パネル16A〜16Hの中央部に配置されている。表示窓151〜155においては、複数のシンボル180からなるシンボル列(シンボルラインA〜E:図12参照)がスクロール表示される(図11参照)。また、各表示窓151〜155は、a行の151a・152a・153a・154a・155a、b行の151b・152b・153b・154b・155b、c行の151c・152c・153c・154c・155cに区分されている。各行151a〜155a・151b〜155b・151c〜155cには、シンボル180がそれぞれ停止(配置)される。例えば、図11においては、表示窓151の上段151aに『SUN』181が停止され、表示窓151の中段151bに『J』185が停止され、表示窓153の下段153cに『SUN』181が停止される。これにより、表示窓151〜155は、5列のカラムと3行のロウとで構成される配置領域としてのマトリクス156を表示する。尚、マトリクス156は、5列3行に限定されない。
【0142】
また、通常遊技において、当籤役として、スキャッタシンボルとよばれるシンボル181〜188が、下側画像表示パネル16A〜16H上に所定数表示された場合に、コインが払い出される等の配当を付与する処理が行われる(スキャッタシンボルとは、表示窓151〜155の5列のカラムと3行のロウとで構成される配置領域の表示領域上のいずれかに所定数停止表示されるだけで有効(配当付与・ボーナスゲーム付与等)となるシンボルである)。例えば、図11に示すスキャッタシンボルの1つである『J』185が5つ表示窓151〜155に再配置(表示)されると配当として10枚のコインが払い出される。また、スキャッタシンボルの1つである『HEART』182が5つ表示窓151〜155に再配置(表示)されると配当として50枚のコインが払い出される。
【0143】
なお、本実施形態においては、シンボル181〜188をスキャッタシンボルとしているが、これに限られず、特定のシンボルだけをスキャッタシンボルとして構成してもよい。また、スキャッタシンボルをプレイヤーに選択されるように構成してもよい。また、各表示窓151〜155のb行(151b〜155b)を水平に横切るように、ペイラインLを設け、ペイラインL上に停止表示されたシンボルが所定の組み合わせである場合に、コインが払い出される等の処理が行われる構成を採用してもよい。即ち、ペイラインLは、シンボル180のコンビネーションを判断するためのものである。シンボル180がペイラインL上とペイラインL外とに再配置されたときに、ペイライン上に再配置されたシンボル180についてだけ、コンビネーションが判断される。そして、コンビネーションの判断の結果、ウイニングコンビネーションが成立していれば、このウイニングコンビネーションに基づいてコインが払い出される等の処理が行われるように構成してもよい。
【0144】
(シンボル列等)
スロットマシン3A〜3Hの下側画像表示パネル16A〜16Hの表示窓151〜155に表示されるシンボル180は、図12に示すように、22個のシンボルにより5つのシンボル列(シンボルラインA〜E)から形成されている。各シンボル列を構成するシンボル180には、00〜21の何れかのコード番号が付与される。各シンボル列は、『SUN』181、『HEART』182、『MOON』183の絵柄のシンボル及び『A』184、『J』185、『K』186、『Q』187、『10』188の字柄のシンボルが組み合わされて構成されている。
【0145】
シンボル列の内の3個の連続したシンボルは、各表示窓151〜155の上段151a、152a、153a、154a、155a、中段151b、152b、153b、154b、155b、下段151c、152c、153c、154c、155cのそれぞれに表示(配置)されることによって、表示窓151〜155において5列3行のマトリクスを構成している。マトリクスを構成するシンボル180は、1−BETボタン26、又は、最大BETボタン27BETボタンが押下された後にスピンボタン23が押下されてゲームが開始されると、スクロールを開始する。スクロールが開始されてから所定時間が経過すると、各シンボル180のスクロールが停止する(再配置)。
【0146】
また、シンボル181〜188をスキャッタシンボルとしている。スキャッタシンボルは、表示窓151〜155に所定の数以上表示されると、プレイヤーにとって有利な状態になるシンボルである。有利な状態とは、スキャッタシンボルに応じたコインが払い出される状態、コインの払出数がクレジットに加算される状態等のことである。
【0147】
例えば、表示窓151〜155に『MOON』183のシンボルが5つ以上停止した場合には、1BET当たり30枚のコイン(遊技価値)の払い出しが行われる。
【0148】
尚、本実施例では、表示窓151〜155に所定のシンボルが所定数停止した場合に、遊技価値の払い出しが行われるが、ボーナスゲームが付与される構成としてもよい。ここで、ボーナスゲームとは、ベーシックゲームよりも有利な遊技状態である。例えば、ボーナスゲームは、フリーゲームである。フリーゲームは、コインをBETすることなく所定回数にわたって遊技を行うことができるゲームである。ボーナスゲームは、プレイヤーにとって有利な遊技状態、即ち、ベーシックゲームより有利であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ベーシックゲームより多くの遊技価値を獲得し得る状態、ベーシックゲームより高い確率で遊技価値を獲得し得る状態、ベーシックゲームより遊技価値の消費数が少なくなる状態等を挙げることができる。具体的には、フリーゲーム、セカンドゲーム、フィーチャーゲーム等をボーナスゲームとして挙げることができる。
【0149】
また、ジャックポットゲームでは、『SUN』181のシンボルが、ジャックポットポイントシンボルとなり、表示窓151〜155に所定の数表示されると、プレイヤーは、表示窓151〜155に表示された『SUN』181のジャックポットポイントシンボルの数に対応した獲得ポイントを得ることができる(図9参照)。
【0150】
(サイネージディスプレイ200における表示状態)
次に、図13に基づいて、ジャックポットゲーム時にサイネージディスプレイ200の有機ELディスプレイ201に表示される獲得ポイント表300について説明する。獲得ポイント表300は、ジャックポットゲーム時に、各スロットマシン3A〜3Hの表示窓151〜155に表示されたジャックポットポイントシンボル(『SUN』181)の数に応じて、各プレイヤーに付与される獲得ポイントを累計した獲得ポイント数を、プレイヤー別(スロットマシン3A〜3H別)に示したものである。
【0151】
各スロットマシン3A〜3Hに付与された獲得ポイントを累計した獲得ポイント数を表す獲得ポイント表300は、図13に示すように、8行×50列の点灯自在なポイントマトリックス301の集合によって表される。そして、各スロットマシン3A〜3Hが獲得した獲得ポイントの累計値は、各スロットマシン3A〜3Hの各ゲージ311・312・313・314・315・316・317・318に対応して点灯しているポイントマトリックス301の数で表されることになる。具体的には、図13に示すように、スロットマシン3Aが獲得した獲得ポイントの累計値は、15ポイントであり、スロットマシン3Bが獲得した獲得ポイントの累計値は、26ポイントであり、スロットマシン3Cが獲得した獲得ポイントの累計値は、30ポイントであり、スロットマシン3Dが獲得した獲得ポイントの累計値は、17ポイントであり、スロットマシン3Eが獲得した獲得ポイントの累計値は、21ポイントであり、スロットマシン3Fが獲得した獲得ポイントの累計値は、32ポイントであり、スロットマシン3Gが獲得した獲得ポイントの累計値は、7ポイントであり、スロットマシン3Hが獲得した獲得ポイントの累計値は、22ポイントであることを表している。なお、各スロットマシン3A〜3Hの内いずれかの獲得ポイントの累計値が、GOALポイント302(50ポイント)に達した場合に、ジャックポットゲームに勝利したことになり、ジャックポットゲームに勝利したスロットマシン3A〜3Hに対して、ジャックポットゲームに基づく配当(コイン)の払い出しが行われることになる。
【0152】
(ゲーミングシステムの処理動作)
次に、ゲーミングシステム1において行われる各種処理について説明する。メインCPU41及びメインCPU241がROM42、RAM43、ROM242、RAM243に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、各種遊技に関する処理が進行される。
【0153】
(ゲーミングシステムの処理動作:起動処理)
次に、ゲーミングシステム1において行われる起動処理について説明する。ゲーミングシステム1に電源が投入されると、図14に示す起動処理ルーチンが、中央制御基盤210におけるマザーボード240及びゲーミングボード250、並びにスロットマシン3A〜3Hにおけるマザーボード40及びゲーミングボード50で実行される。なお、ゲーミングボード50・250におけるカードスロット53S・253Sには、メモリカード53・253が差し込まれ、ICソケット54S・254Sには、GAL54・254が取り付けられているものとする。
【0154】
まず、電源ユニット45・245において電源スイッチの投入(電源の投入)が行われると、マザーボード40・240及びゲーミングボード50・250が起動される。マザーボード40・240及びゲーミングボード50・250が起動されると、それぞれ別個の処理が並行して行われる。すなわち、ゲーミングボード50・250では、CPU51・251が、ブートROM52・252に格納されている予備認証プログラムの読み出しを行い、その読み出した予備認証プログラムに従い、マザーボード40・240への取込前に予め認証プログラムの改寛が行われていないことを確認及び証明する予備認証を行う(S1)。一方、マザーボード40・240では、メインCPU41・241が、ROM42・242に格納されているBIOSを実行して、BIOSに組み込まれている圧縮データをRAM43・243に展開する(S2)。そして、メインCPU41・241は、RAM43・243に展開されたBIOSを実行し、各種周辺装置の診断と初期化とを行う(S3)。
【0155】
すると、メインCPU41・241には、PCIバスを介して、ゲーミングボード50・250のROM55・255が接続されているので、メインCPU41・241は、ROM55・255に格納されている認証プログラムの読み出しを行うとともに、読み出した認証プログラムをRAM43・243に記憶させる処理を行う(S4)。このとき、メインCPU41・241は、BIOSの標準BIOSの機能に従い、ADDSUM方式(標準チェック機能)によるチェックサムを取り、格納が間違いなく行われるか否かの確認処理を行いながら、認証プログラムをRAM43・243に記憶させる。
【0156】
次に、メインCPU41・241は、IDEバスに何が接続されているのかを確認した上で、IDEバスを介してカードスロット53S・253Sに差し込まれているメモリカード53・253にアクセスし、メモリカード53・253から、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの読み出しを行う。この場合、メインCPU41・241は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを構成するデータを4バイトずつ読み出す。続いて、メインCPU41・241は、RAM43・243に記憶された認証プログラムに従い、読み出したゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの改変が行われていないことを確認及び証明する認証を行う(S5)。
【0157】
この認証処理が正常に終了すると、メインCPU41・241は、認証対象となった(認証された)ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムをRAM43・243に書き込み記憶させる(S6)。
【0158】
次に、メインCPU41・241は、PCIバスを介してICソケット54S・254Sに取り付けられているGAL54・254にアクセスし、GAL54・254から、データを読み込み、RAM43・243に書き込み記憶させる(S7)。
【0159】
次に、メインCPU41・241は、PCIバスを介して、ゲーミングボード50・250のROM55・255に格納されている国識別情報の読み出しを行うとともに、読み出した国識別情報をRAM43・243に記憶させる処理を行う(S8)。
【0160】
上述した処理を行った後、メインCPU41・241は、図15に示すイニシャル処理を実行する。
【0161】
(ゲーミングシステムの処理動作:イニシャル処理)
次に、ゲーミングシステム1において行われるイニシャル処理について説明する。中央制御基盤210は、図14に示す起動処理の実行が終了すると、図15に示す中央側初期設定ルーチンをRAM243から読み出して実行する。スロットマシン3A〜3Hは、図14に示す起動処理の実行が終了すると、図15に示すスロットマシン側初期設定ルーチンをRAM43から読み出して実行する。中央側初期設定ルーチン及びスロットマシン側初期設定ルーチンは、並行して実行される。
【0162】
まず、スロットマシン3A〜3HのメインCPU41は、RAM43等の各ワークメモリの動作チェック、各種センサの動作チェック、各種駆動機構の動作チェック、及び各種電飾の動作チェックを行う(A1)。そして、メインCPU41は、チェック結果が全て正常であるか否かを判断する(A2)。チェック結果が全て正常でないと判断された場合には(A2:NO)、中央制御基盤210に対して異常信号を出力し(A3)、ランプ30を点灯させる等により異常状態を報知し(A4)、本ルーチンの実行を終了する。
【0163】
一方、A2の処理において、チェック結果が全て正常であると判断された場合には(A2:YES)、中央制御基盤210に対して初期設定信号を出力する(A5)。次に、中央制御基盤210から初期設定信号を受信するまで待機を行う(A6、A7:NO)。
【0164】
中央制御基盤210のメインCPU241は、各スロットマシンからの信号を受け付ける(B1)。次に、受け付けた信号が異常信号であるか否かを判断する(B2)。異常信号であると判断された場合には(B2:YES)、図示しないホストコンピュータ等の管理サーバに対して異常信号を出力し(B9)、異常状態を報知し(B10)、本ルーチンの実行を終了する。
【0165】
一方、メインCPU241は、B2の処理において、異常信号でないと判断された場合には(B2:NO)、電源が投入されてから所定の時間(チェック時間)経過しているか否かを判断する(B3)。チェック時間が経過していると判断された場合には(B3:YES)、B9の処理を実行する。一方、チェック時間が経過していないと判断された場合には(B3:NO)、全てのスロットマシン3A〜3Hから初期設定信号を受信したか否かを判断する(B4)。全てのスロットマシン3A〜3Hから初期設定信号を受信していないと判断された場合には(B4:NO)、B1の処理に戻る。一方、全てのスロットマシン3A〜3Hから初期設定信号を受信したと判断された場合には(B4:YES)、RAM243等の各ワークメモリの動作チェック、各種センサの動作チェック、各種駆動機構の動作チェック、及び各種電飾の動作チェックを行う(B5)。そして、メインCPU241は、チェック結果が全て正常であるか否かを判断する(B6)。チェック結果が全て正常でないと判断された場合には(B6:NO)、B9の処理を実行する。
【0166】
一方、B6の処理において、チェック結果が全て正常であると判断された場合には(B6:YES)、全てのスロットマシン3A〜3Hに対して初期設定信号を出力し(B7)、サイネージディスプレイ200にデモ画面を表示させ(B8)、本ルーチンの実行を終了する。
【0167】
そして、スロットマシン3A〜3HのメインCPU41は、A7の処理において、中央制御基盤210から初期設定信号を受信したと判断し(A7:YES)、上側画像表示パネル33にデモ画面を表示させ(A8)、本ルーチンの実行を終了する。
【0168】
(ゲーミングシステムの処理動作:遊技実行処理)
図15に示すスロットマシン側初期設定ルーチンの実行を終了すると、スロットマシン3A〜3HのメインCPU41は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを順次読み出して実行することにより、図16に示した遊技実行処理を実行する。この遊技実行処理プログラムは、RAM43に記憶されている。なお、この遊技実行処理が、各スロットマシン3A〜3Hで実行されるベースゲームである。
【0169】
スロットマシン3A〜3HのメインCPU41は、図16に示す遊技実行処理を実行する。遊技実行処理が実行されると、まず、コインがBETされたか否かがメインCPU41により判断される(C1)。この処理において、1−BETボタン26が押されることによる1−BETスイッチ26Sからの入力信号を受信したか否かが判断されると共に、最大BETボタン27が押されることによる最大BETスイッチ27Sからの入力信号を受信したか否かが判断される。コインがBETされていないと判断された場合には(C1:NO)、C1の処理が再実行されることによって、コインがBETされるまで待機状態とされる。
【0170】
一方、コインがBETされたと判断された場合には(C1:YES)、BETされたコインの枚数に応じて、RAM43に記憶されたクレジット数が減算される(C2)。なお、BETされるコインの枚数がRAM43に記憶されたクレジット数より多い場合には、クレジット数を0に減算する処理が行われ、C3の処理が実行される。また、BETされるコインの枚数が、1回の遊技にBETすることが可能な上限値(本実施形態では50枚)を超える場合には、クレジット数を50減算する処理が行われ、C3の処理が実行される。
【0171】
次に、スピンボタン23がONされたか否かが判断される(C3)。スピンボタン23がONされていないと判断された場合には(C3:NO)、C1に処理が戻される。尚、スピンボタン23がONされなかった場合(例えば、スピンボタン23がONされずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、C2の処理における減算結果がキャンセルされる。
【0172】
一方、スピンボタン23がONされたと判断された場合には(C3:YES)、ジャックポットクレジット情報送信処理を実行する(C4)。即ち、メインCPU41は、C1でBETされたコインの一部(本実施形態では5%)をジャックポットクレジット情報として中央制御基盤210に送信する。
【0173】
次に、シンボル決定処理が実行される(C5)。即ち、RAM43に記憶された通常遊技用当選役抽選テーブル160に基づき停止シンボル決定プログラムが実行されることによって、表示窓151〜155に停止する15個のシンボル180が決定される。
【0174】
次に、表示窓151〜155のシンボル列(シンボルラインA〜E)上のシンボル180がスクロール表示される(C6)。シンボル180のスクロール表示が開始されてから所定時間(通常時間)が経過した後、C5の処理において決定されたシンボル180が表示窓151〜155に停止(再配置)される(C7)。
【0175】
次に、当選役が成立したか否か、即ち、表示窓151〜155に停止したシンボル180の組み合わせが、通常遊技用配当テーブル161に示す当籤役を構成しているか否かが判断される(C8)。そして、当籤役の成立がないと判断された場合には(C8:NO)、C10の処理に移行する。一方、当籤役が成立していると判断された場合には(C8:YES)、通常遊技に基づく払出処理が実行される(C9)。即ち、図8に示す通常遊技用配当テーブル161に基づいて、当籤役の種類に対応するコインの払出枚数が算出される。払い出されるコインが貯留される場合には、払出されるコインの数のクレジットが、RAM43に記憶されているクレジット数に加算される。一方、コインが払い出される場合には、ホッパー66に制御信号が送信されることによって、払い出されるコインの枚数分がコイントレイ18に払い出される。即ち、当籤役に応じて通常配当が付与されることになる。
【0176】
次に、後述する中央側ジャックポットゲーム実行処理の過程で送信されるジャックポットゲーム開始信号を受信したか否かが判断される(C10)。そして、受信していなければ(C10:NO)、本処理は終了される。一方、ジャックポットゲーム開始信号を受信すれば(C10:YES)、後述するスロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理が実行される(C11)。そして、一旦、本処理が終了される。
【0177】
(ゲーミングシステムの処理動作:スロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理)
ゲーミングシステム1のメインCPU41は、図16のC11において、スロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理が実行された場合に、図17に示すスロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理を実行する。このスロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理プログラムは、RAM43に記憶されている。
【0178】
スロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理が実行されると、まず、スピンボタン23がONされたか否かが判定される(D1)。スピンボタン23がONされていないと判定された場合には(D1:NO)、D1に処理が戻される。
【0179】
一方、スピンボタン23がONされたと判定された場合には(D1:YES)、表示窓151〜155のシンボル180がスクロール表示される(D2)。シンボル180のスクロール表示が開始されてから所定時間(通常時間)が経過した後、シンボル180が表示窓151〜155に停止(再配置)される(D3)。
【0180】
次に、表示窓151〜155に停止したシンボル180の中にジャックポットポイントシンボルとしての『SUN』181がいくつあるかが判断される(D4)。
【0181】
次に、D4の処理で判断したジャックポットポイントシンボルとしての『SUN』181の数とジャックポットポイントテーブル162とに基づいて獲得ポイントが算出される(D5)。そして、獲得ポイント情報送信処理が実行される(D6)。即ち、メインCPU41は、D5で算出された獲得ポイントを獲得ポイント情報として中央制御基盤210に送信する。
【0182】
次に、後述する中央側ジャックポットゲーム実行処理の過程で送信されるジャックポットゲーム勝利信号を受信したか否かが判断される(D7)。そして、ジャックポットゲーム勝利信号を受信しなければ(D7:NO)、D9へ移行する。
【0183】
一方、ジャックポットゲーム勝利信号を受信すれば(D7:YES)、ジャックポットゲームの払出処理が実行される(D8)。即ち、各スロットマシン3A〜3Hでベットされたコインの一部が累計的に計数された累計値分のコインの払い出しが行われる。例えば、各スロットマシン3A〜3Hでベットされたコインの一部の累計値が「$12,34」である場合には、この累計値「$12,34」分のコインの払い出しが行われることになる。そして、払い出されるコインが貯留される場合には、累計値分のクレジットが、RAM43に記憶されているクレジット数に加算される。一方、コインが払い出される場合には、ホッパー66に制御信号が送信されることによって、累計値分のコインがコイントレイ18に払い出される。
【0184】
次に、後述する中央側ジャックポットゲーム実行処理の過程で送信されるジャックポットゲーム終了信号を受信したか否かが判断される(D9)。そして、ジャックポットゲーム終了信号を受信しなければ(D9:NO)、D1に戻される。一方、ジャックポットゲーム終了信号を受信すれば(D9:YES)、一旦、本処理が終了される。
【0185】
(ゲーミングシステムの処理動作:中央側ジャックポットゲーム実行処理)
図15に示す中央側初期設定ルーチンの実行を終了すると、中央制御基盤210のメインCPU241は、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを順次読み出して実行することにより、図18に示した中央側ジャックポットゲーム実行処理を実行する。この中央側ジャックポットゲーム実行処理プログラムは、RAM243に記憶されている。
【0186】
中央側ジャックポットゲーム実行処理が実行されると、まず、前述の遊技実行処理の過程で送信されたジャックポットクレジット情報を受信したか否かが判断される(E1)。そして、受信していなければ(E1:NO)、E1の処理を繰り返す。一方、受信していれば(E1:YES)、ジャックポットクレジット情報の累計値を更新する(E2)。即ち、メインCPU241は、RAM243に記憶されているジャックポットクレジット情報の累計値に、各スロットマシン3A〜3Hから送信されたジャックポットクレジット情報に基づいて、各スロットマシン3A〜3HでBETされたコインの一部(本実施形態では5%)に対応する値を加算して記憶する。
【0187】
次に、メインCPU241は、RAM243に記憶されたジャックポットクレジット情報の累計値が所定の値(本実施形態では、「$12,34」の値)に達したか否かが判断される(E3)。そして、所定の値に達していなければ(E3:NO)、E1の処理に戻る。一方、所定の値に達していれば(E3:YES)、ジャックポットゲームを開始するトリガーとなるジャックポットゲーム開始信号を各スロットマシン3A〜3Hに送信する(E4)。
【0188】
なお、本実施例では、ジャックポットクレジット情報の累計値が所定の値(本実施例では、固定値として「$12,34」)を超えた場合に、ジャックポットゲームの実行を開始するものとしたが、これに限定されることはない。例えば、ゲーミングシステム1は、ジャックポットゲームの実行の開始となるジャックポットクレジット情報の累計値をジャックポットゲーム毎に所定の範囲内(例えば、200ドル〜300ドル)でランダムに変化させてもよい。
【0189】
次に、E4の処理終了後、メインCPU241は、有機ELディスプレイ引出処理を実行する(E5)。これは、引出駆動装置207を駆動させて、有機ELディスプレイ201の上端及び下端に設けられた2つのワイヤーを、ワイヤーボックス205内に巻き取らせる処理である。これにより、図1及び図3に示すように、有機ELディスプレイ201が、サイネージディスプレイ200を円筒状に覆うことになり、有機ELディスプレイ201が、プレイヤーによって360度目視可能な状態になる。
【0190】
次に、前述したスロットマシン側ジャックポットゲーム実行処理の過程で送信された獲得ポイント情報を受信したか否かが判断される(E6)。そして、獲得ポイント情報を受信していなければ(E6、NO)、E6の処理を繰り返す。一方、獲得ポイント情報を受信すれば(E6:YES)、スロットマシン3A〜3H別に、獲得ポイント数の累計値を更新する(E7)。即ち、メインCPU241は、RAM243に、スロットマシン3A〜3H別に、既に記憶されている獲得ポイント数の累計値に、各スロットマシン3A〜3Hから送信された獲得ポイント情報に基づいて、各スロットマシン3A〜3Hで獲得された獲得ポイント数を加算して記憶する。
【0191】
そして、E7の処理で記憶されたスロットマシン3A〜3H別の獲得ポイント数の累計値を有機ELディスプレイ201に、図13に示す、獲得ポイント表300として表示する(E8)。
【0192】
次に、獲得ポイントの累計値が、50ポイントに達したスロットマシン3A〜3Hがあるか否かが判断される(E9)。具体的には、図13において、GOALポイント302(50ポイント)まで、ポイントマトリックス301が点灯したゲージ311・312・313・314・315・316・317・318があるか否かが判断される。即ち、本ジャックポットゲームに勝利したプレイヤーがいるか否かが判断されることになる。そして、獲得ポイントの累計値が、50ポイントに達したスロットマシン3A〜3Hがなければ(E9:NO)、E6の処理へ戻る。一方、獲得ポイントの累計値が、50ポイントに達したスロットマシン3A〜3Hがあれば(E9:YES)、獲得ポイントの累計値が、50ポイントに達したスロットマシンに対してジャックポットゲーム勝利信号を送信する(E10)。
【0193】
なお、本実施例では、スロットマシン3A〜3Hにおいて、ジャックポットクレジット情報の累計値が所定の値(本実施形態では、「$12,34」の値)が付与されるために必要な獲得ポイントを固定値(50ポイント)としているが、選択して設定可能に構成されるものであってもよい。例えば、外部からの入力により、ジャックポットクレジット情報の累計値が付与されるために必要な獲得ポイントを、複数の数値(例えば、50ポイント、100ポイント、及び、150ポイント)のうちから何れか一つを選択できるものであってもよい。
【0194】
E10の処理終了後、ジャックポットゲーム終了信号をスロットマシン3A〜3Hに対して送信する(E11)。
【0195】
次に、メインCPU241は、有機ELディスプレイ巻取処理を実行する(E12)。これは、巻取駆動装置206を駆動させて、有機ELディスプレイ201を、収容ボックス204内に巻き取らせる処理である。これにより、図1及び図3に示すように、有機ELディスプレイ201が、収容ボックス204内に収容されることになる。これで、一旦、本処理が終了される。
【0196】
上記の構成によれば、ジャックポットゲーム実行時に、引出駆動装置207を駆動させ、有機ELディスプレイ201を、収容ボックス204から、引き出し、ジャックポットゲーム終了時には、巻取駆動装置206を駆動させ、有機ELディスプレイ201を、収容ボックス204に、巻き取ることができる。これにより、ジャックポットゲーム発生時に、有機ELディスプレイ201がハンガレール202及びガイドレール203に沿って出現する演出を実行することができる。
【0197】
(ゲーミングシステムの処理動作:演出動作)
上記のゲーミングシステム1における各種の処理が実行されると、処理に応じた結果や内容がコマンドやデータとして各アクチュエータに入力される。例えば、各スロットマシン3A〜3Hにおいてジャックポットゲーム勝利信号を受信した場合、メインCPU41は、ランプ30を点滅するように制御する。ジャックポットゲーム勝利信号が送信された場合には、各スロットマシン3A〜3Hの上側画像表示パネル33及び有機ELディスプレイ201に演出画像を表示させる。また、上記演出にともなって、或いは独立して、スピーカ29からの音の出力による演出を行う。
【0198】
また、本発明の実施形態のゲーミングシステム1は、ジャックポットクレジット情報の累計値が所定の値(例えば、固定値として「$12,34」)を超えた場合に、ジャックポットゲームの実行を開始するものとしたが、これに限定されることはない。例えば、ゲーミングシステム1は、ジャックポットゲームの実行の開始となるジャックポットクレジット情報の累計値をジャックポットゲーム毎に所定の範囲内(例えば、200ドル〜300ドル)でランダムに変化させてもよい。
【0199】
また、本発明の実施形態では、スロットマシン3A〜3Hにおいて、ジャックポットクレジット情報の累計値(本実施形態では、「$12,34」の値)が付与されるために必要なポイントを固定値(50ポイント)としているが、選択して設定可能に構成されるものであってもよい。例えば、ゲーミングシステム1において、付与されて累積する獲得ポイントが、ジャックポットゲーム毎に所定の範囲内(例えば、50〜500ポイント)で変化する大きさに達した場合に、ジャックポットクレジット情報の累計値を付与するものであってもよい。
【0200】
また、本実施例では、スロットマシン3A〜3Hにおいて、ジャックポットクレジット情報の累計値(本実施形態では、「$12,34」の値)が付与されるために必要な獲得ポイントを固定値(50ポイント)としているが、選択して設定可能に構成されるものであってもよい。例えば、外部からの入力により、ジャックポットクレジット情報の累計値が付与されるために必要な獲得ポイントを、複数の数値(例えば、50ポイント、100ポイント、及び、150ポイント)のうちから何れか一つを選択できるものであってもよい。
【0201】
以上の詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明したが、本発明は、以上の詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は可能な限り広く解釈されるべきである。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされるべきである。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的な公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判断し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌することが望まれる。
【0202】
以上の詳細な説明は、コンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行される処理を含むものである。以上の説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップや、所定の処理機能を備えたブロックは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップや各ブロックでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップや各ブロックにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップや各ブロックにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップや各ブロックのために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【符号の説明】
【0203】
1、100 ゲーミングシステム
3A〜3H スロットマシン
101 共通ディスプレイ
102 ゲーミングマシン
200 サイネージディスプレイ
201 有機ELディスプレイ
202 ハンガレール
203 ガイドレール
204 収容ボックス
206 巻取駆動装置
207 引出駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値をベットすることによりベースゲームを実行し、所定のウイニングに応じた賞を付与する複数のゲーミングマシンと、
所定の表示をする共通ディスプレイと、
を備え、
前記共通ディスプレイは、
可撓性を有する表示部と、
前記表示部の上端をスライド自在に案内する上部レール及び前記表示部の下端をスライド自在に案内する下部レールと、
前記表示部を出入可能に収容する収容機構と、
前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構から引き出す引出駆動機構と、
前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構に巻き取る巻取駆動機構と、
を備えたゲーミングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーミングシステムであって、
前記共通ディスプレイの表示部は、可撓性を有する有機ELディスプレイであることを特徴とするゲーミングシステム。
【請求項3】
遊技価値をベットすることによりベースゲームを実行し、所定のウイニングに応じた賞を付与する複数のゲーミングマシンと、
所定の表示をする共通ディスプレイと、
を備え、
前記共通ディスプレイは、
可撓性を有する表示部と、
前記表示部の上端をスライド自在に案内する円状の上部レール及び前記表示部の下端をスライド自在に案内する円状の下部レールと、
前記表示部を出入可能に収容する収容機構と、
前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構から引き出す引出駆動機構と、
前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構に巻き取る巻取駆動機構と、
を備え、
前記複数のゲーミングマシンは、それぞれ円状に配置され、前記共通ディスプレイは、前記円状に配置された複数のゲーミングマシンの上方に配置されていることを特徴とするゲーミングシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーミングシステムであって、
更にコントローラを備え、
前記複数のゲーミングマシンは、前記共通ディスプレイを使用したイベントゲームを実行し、
前記コントローラは、以下の処理動作を実行させるようにプログラムされている。
前記イベントゲーム実行時に、前記引出駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構から、引き出し、
前記イベントゲーム終了時に、前記巻取駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構に、巻き取る。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーミングシステムであって、
前記共通ディスプレイの表示部は、可撓性を有する有機ELディスプレイであることを特徴とするゲーミングシステム。
【請求項6】
所定の表示をする共通ディスプレイと、
ベースゲーム及び前記共通ディスプレイを使用したイベントゲームを実行し、所定のウイニングに応じた賞を付与する複数のゲーミングマシンと、
を備え、
前記共通ディスプレイは、
可撓性を有する表示部と、
前記表示部の上端をスライド自在に案内する円状の上部レール及び前記表示部の下端をスライド自在に案内する円状の下部レールと、
前記表示部を出入可能に収容する収容機構と、
前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構から引き出す引出駆動機構と、
前記表示部を、前記上部レール及び前記下部レールに沿って、前記収容機構に巻き取る巻取駆動機構と、
を備えたゲーミングシステムの作動方法であり、
前記イベントゲーム実行時に、前記引出駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構から、引き出すステップと、
前記イベントゲーム終了時に、前記巻取駆動機構を駆動させ、前記表示部を、前記収容機構に、巻き取るステップと
を含むことを特徴とするゲーミングシステムの作動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−4812(P2011−4812A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149013(P2009−149013)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】