説明

可撓性ブラッグミラーの製造方法および該方法を用いて得られるブラッグミラー

本発明の主な目的は、剛性多孔質多層(1)から構成されるフォトニック結晶から可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法を提供することであり、該方法は、該多孔質多層(1)の細孔をポリマーで充填することにより、機械的安定性を付与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主な目的は、剛性多孔質多層から成るフォトニック結晶から、可撓性のブラッグミラーを得るための方法に関する。得られた可撓性のブラッグミラーは、出発物のフォトニック結晶の反射特性を維持すると共に、可撓性であり、任意の形状の対象物の被覆に使用できる。さらに、このミラーの光学特性は、光学干渉フィルターとして機能することもできる。本発明の別の目的は、上述の方法により得られるブラッグミラーを対象とする。
【背景技術】
【0002】
ブラッグミラーは、反復周期が特定波長のほぼ半波長に一致する場合、該特定波長の電磁放射線に対して高い反射性を備えると共に、異なる屈折率を示す2種類の光学材料の層を交互に配列することにより構成される構造体である。
【0003】
ブラッグミラーにより反射される波長は、実際にはバンドギャップと称される波長帯域であり、その位置は、ミラーを構成するシートの屈折率値と該シートの厚さに依存する。このバンドの分光幅は、これらのシートの屈折率差に依存する。次いで、ミラーに存在する層の数はこのバンドの位置および幅に影響を及ぼす。層が増えるにつれてミラーの反射性もより高くなる。
【0004】
これらの材料の用途のうちの1つは、特定波長の放射に対して対象物を保護すること、または所望の色彩を対象物にもたらすことである。さらに、この効果は構造的な起源を有するので、放射を吸収することによる加熱を妨げることができるしかしながら、ブラッグミラーの多くは平面状であり堅いので、これらの応用分野は大きく制限されている。
【0005】
近年、ある程度進歩しているものの、未だに問題を完全に解決することはできていない。可撓性ブラッグミラーを製造する際における1つの障害は、サブミクロンスケールで屈折率の周期変調を有すると共に、機械的に安定な可撓性構造を示す材料を発見することが難しいことである。
【0006】
一例として、2種類の異なる有機化合物から得られるフォトニック構造体が言及できる。この構造体は、例えば、ホモポリマーとコポリマーの自己集合により得られる層状構造体であるか(「可変同調ブロックコポリマー/ホモポリマーフォトニック結晶」Urbas他、Advanced Materials 2000年、第12巻、第812頁参照)、または、ポリスチレン球製の人工オパールの多孔質網へエラストマーを浸透させ「フォトニックペーパー」を形成することが挙げられる(「フォトニックパーパーおよびインク、無色の材料を用いて色彩を現す」、H.Fudouzi他、Advanced Materials 2003年、第15巻、第892頁参照)。しかしながら、これらの例の全ては有機化合物のみを使用しているので、誘電コントラスト(dielectric contrast)は低く、後の熱処理ができない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「可変同調ブロックコポリマー/ホモポリマーフォトニック結晶」Urbas他、Advanced Materials 2000年、第12巻、第812頁
【非特許文献2】「フォトニックパーパーおよびインク、無色の材料を用いて色彩を現す」、H.Fudouzi他、Advanced Materials 2003年、第15巻、第892頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の明細書における第1態様は、剛性多孔質多層から成るフォトニック結晶から、高い誘電コントラストを有する可撓性のブラッグミラーを得るための方法を開示する。本明細書において、「ブラッグミラー」という用語は光学干渉フィルターに関連するものも対象とし、また、一般的に、ブラッグミラーに類似した光学特性と反射性を備えるあらゆる構造体も対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
基本的に、本発明による方法は、出発物の剛性多孔質多層における細孔を、ポリマーで充填することから構成される。それによって、所望により、多層が形成された基材から該多層構造を分離でき、次いで該多層構造を任意形状の表面に取り付けることが可能な機械的強度を備える、多層が提供される。使用されるポリマーは、適当な機械的特性を有する必要がある。これにより、任意の形状の対象物を被覆できる十分な機械的安定性と可撓性とを備える、多層フォトニック結晶が提供される。得られる可撓性のブラッグミラーは、広い反射幅(Δλ/λ≒40%)と高い強度ピーク(Imax≒70%)を有する。さらに、そのスペクトル位置は、出発物の多層フォトニック結晶の内部構造のパラメータを変化させることにより、精密に調整できる。
【0010】
出発物の多層フォトニック結晶の空孔をポリマーで充填するために、2つの方法を使用できる。
【0011】
a)第1の方法は、適当な溶媒中に溶解させたポリマーを、剛性多孔質多層の内部に埋入し、次いで、該溶媒を抽出することから構成される。もちろん、多層の細孔内へ浸透させるために、溶媒は適当な性質、例えば表面張力および粘度を有する必要があり、使用されるポリマーは可溶性である必要がある。適当なポリマーの例には、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドンおよびポリスチレンが含まれる。
【0012】
したがって、この第1方法に従う方法の工程には以下の工程1)〜3)が含まれる:
1)多孔質多層を、ポリマー溶液を用いて含浸させる。
この第1工程においては、該構造体の空孔中にポリマー溶液が十分に浸透するまで、多孔質多層をポリマー溶液で湿潤させる。上述のように、溶液の表面張力および粘度を十分に低くして、該溶液を、空孔中に十分浸透させることが重要である。このことは、使用するポリマー溶液に応じて、適正な範囲内に温度を維持するか、界面活性剤を用いることによりもたらすことができる。
【0013】
2)多層の細孔の内部にポリマー溶液を均一に分布させる。
多孔質構造体の細孔の内部において、化合物をより均一に分布させることにより、本発明方法の結果はより良好になる。したがって、本発明による好ましい実施態様においては、構造体の内部へ溶液を分布させることに対して更に寄与できると共に、非常に薄い厚さで外側のコーティングを形成することにより、より大きな機械的安定性を多孔質多層に付与することができるスピンコーティング法、ディップコーティング法またはドクターブレード法を使用できる。
【0014】
3)多孔質多層に埋入された溶媒を十分に蒸発させる
多層には固化したポリマーのみが存在するように、溶媒を十分に蒸発させる必要がある。この目的のために、本発明による特に好ましい実施態様においては、多層を、使用する溶媒に基づき当業者において既知である適当な温度および時間をかけて加熱する。
【0015】
b)第2の方法は、出発物の多層フォトニック結晶中において、予め浸透させたモノマー、ダイマー若しくはオリゴマーと硬化剤の重合を行うことから構成される。この場合、機械的性質を均一とするために、全てのフォトニック結晶において、重合を均一かつ十分に行うべきである。この方法は、多層の内部に浸透でき、次いで重合できるモノマー、ダイマー若しくはオリゴマーから合成できる任意のポリマーに適用できる。適当なモノマー、ダイマー若しくはオリゴマーの例は、種々の鎖状のジメチルシロキサン、メチルメタクリレートおよび塩化ビニルである。
【0016】
この第2の方法に従う方法における工程には以下の工程i)〜iii)が含まれる:
i)多孔質多層を、モノマー、ダイマー若しくはオリゴマーと適当な硬化剤との混合物で含浸させる。
この第1工程においては、該多層の細孔内に該混合物が十分に浸透するまで、多孔質多層を、適当量のモノマー、ダイマー若しくはオリゴマーと硬化剤を備える混合物で湿潤させる。上述のように、溶液の表面張力および粘度を十分に低くして、細孔内に十分浸透させることが重要である。このことは、いずれの場合も、使用するポリマー溶液に応じて、温度を適正な範囲内に維持するか、または界面活性剤を用いることによりもたらすことができる。
【0017】
ii)多層の細孔の内部に、モノマー、ダイマー若しくはオリゴマーと硬化剤の混合物を均一に分布させる。
多孔質構造体の細孔の内部に、混合物をより均一に分布させることによって、本発明方法によりもたらされる結果がより良好になる。したがって、本発明による好ましい実施態様においては、構造体の内部に浸透する混合物の分布について更に寄与でき、非常に薄い厚さで外側のコーティングを形成することで、より大きな機械的安定性を多孔質構造体に付与することが可能なスピンコーティング法、ディップコーティング法またはドクターブレード法を使用できる。
【0018】
iii)オリゴマーを重合させる。この目的のために、本発明による特に好ましい実施態様においては、多層を、使用するポリマーおよび硬化剤に基づき当業者において既知であり適当な温度および時間をかけて加熱する。
【0019】
さらに、本発明による方法を行うために使用される出発物の多層フォトニック結晶には、ポリマーで充填できる細孔をその構造体内に有する任意の多層を使用できる。例えば、基材上に堆積させることによりもたらすことができる、ナノ粒子から成る多層構造を有するフォトニック結晶であってもよい。本発明による好ましい実施態様において、多孔質の多層は、金属酸化物、金属、半導体若しくはポリマーのナノ粒子、最も好ましくは酸化チタンおよび酸化ケイ素の層から成る。
【0020】
この方法を用いることにより、ごく僅かな変質が生じるだけで、出発物の多層フォトニック結晶の光学品質を維持できる。基材にそれを付着させる場合、該方法の最終工程は、直前に製造された可撓性のブラッグミラーを基材から剥離することである。本発明による別の好ましい実施態様においては、任意の形状を有する対象物に一度貼り合せたブラッグミラーを、その構造の細孔中に充填されたポリマーが十分に溶融する温度まで加熱してもよい。それにより、ポリマーは、発明の方法に先立って、元の構造を残しつつ抽出される。
【0021】
本発明の第二の目的は、ポリマーで細孔を充填することにより機械的安定性がもたらされた多孔質多層を含有する、上述の方法に従い製造されたブラッグミラーを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明による実施態様の好ましい例に従って、本発明の特徴をより理解することを助けるために、図面は記載された説明を補足する。特徴の説明に役立ち、該特徴を限定するものではない図面の組み合わせは該説明と一体不可分に用いられる。以下の図が表される。
【図1】図1は、本発明による方法を行う前における、ナノ粒子から構成される多層フォトニック結晶の断面図を示す。
【図2】図2は、図1における構造体の細孔中に組み込まれたポリマーを有する、多層フォトニック結晶の断面図を示す。
【図3】図3は、基材から機械的に剥離した後における、前述の図に関する多層フォトニック結晶を示す。
【図4】図4は、任意の表面形態の対象物に、前述の図における多層フォトニック結晶を貼り合せたことを示す図である。
【図5】図5は、任意の表面形態の対象物に多層フォトニック結晶を貼り合せ、該構造体の細孔からポリマーを抽出した後の該構造体を示す図である。
【図6】図6は、ポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)を浸透させた多層フォトニック結晶の断面を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したものである。(a)および(b)に関するスケールは、それぞれ500nmと100nmである。
【図7】図7は、PDMSを浸透させた多層フォトニック結晶の断面を、電子顕微鏡観察したものである。
【図8】図8は、ポリカーボネートを浸透させ、ガラス基材から分離させた、異なる周期性を有する多層フォトニック結晶に関して得られる正反射スペクトルを示す。
【図9】図9は、PDMSを浸透させた多層フォトニック結晶の断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察したものである。(a)および(b)に関するスケールは、それぞれ500nmと100nmである。
【図10】図10(a)は、基材へ貼り合わされ、450℃で熱処理された多層フォトニック結晶の断面を電子顕微鏡観察したものである。スケールは500nmに対応する。図10(b)は、ガラス基材上に貼り合わされた多層(黒色の点線)の正反射スペクトル、450℃で処理した多層(オレンジの実線)の正反射スペクトル、およびその後エタノールを浸透させた多層(赤い破線)の正反射スペクトルを示す。
【図11】図11は、後に重合させるPDMSオリゴマーを浸透させ、ガラス基材から剥離した、種々の周期性を有する多層フォトニック結晶に関して得られる透過率スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明に従い記載された各方法に関する例を記載する。いずれの場合においても、酸化ケイ素(SiO)および酸化チタン(TiO)のナノ粒子から形成された多孔質多層(1)によって形成されたフォトニック結晶を開始材料とした。具体的には、図1に示されるような、ガラス基材(2)上に堆積させることにより製造された、12層の多孔質多層(1)が用いられ、その左側に記載の詳細図によると、どのようにしてTiO層(4)がSiO層(3)に入り込んでいるかを知ることができる。
【実施例】
【0024】
第1の方法
まず、多孔質多層(1)によって形成されたフォトニック結晶に、30℃±2℃の温度にて、塩化メチレンを溶媒とするポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)の5%溶液を含浸させる。多孔質多層(1)における全てのナノサイズ細孔へ溶液を確実に到達させるには、この範囲内に温度を維持することが重要である。何故ならば、より低い温度では溶液の粘度が全体的な浸透を妨げ、より高い温度では、溶媒の蒸発が極めて早く、ポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)の適切な拡散を妨げるからである。
【0025】
次に、40秒間、6000rpmの速度でスピンコーティング処理を施すことにより、多孔質多層(1)の構造の内部において、溶液の均一な分布をもたらす。図2は、詳細図における明灰色の模様として示され溶液が、多孔質多層(1)の該構造内の細孔をどのようにして充填するかを示す。浸透させた断面のSEM画像と、層間の界面の詳細図のSEM画像を図6aおよび図6bに示す。
【0026】
その後、多孔質多層(1)から形成されたフォトニック結晶を、60℃で2時間加熱することにより溶媒の蒸発を十分に行い、次いで、力学的手段によってガラス基材(2)から剥離させる。この方法により得られたブラッグミラー(1')は、例えば、異なる周期性を有するフォトニック結晶に関して示される図8を見ればわかるように、出発物の多孔質の多層(1)の光学的性質を維持する。一方、得られた可撓性は、該ミラーを、任意の形状の対象物に施すことを可能にする。具体的には、図3は、得られたブラッグミラー(1')をガラス基材(2)から、どのようにして力学的に剥離させるかを示し、図4においては、該ミラー(1')を、任意の形状を有する対象物(5)にどのように貼り合せるかを示す。剥離工程と、それに続く、別の表面上への接合に関する写真画像は、図9aおよび9bにおいて示される。
【0027】
最後に、図5は、ポリマーを溶融させ、その内部からポリマーを抽出する機能を果たす加熱工程の後におけるブラッグミラー(1'')を示し、該ブラッグミラー(1'')は、本方法の開始時に用いた多孔質の多層(1)によって形成されたフォトニック結晶から構成され、元の構造体へと復元されている。図1に示されるように、より明るい色彩が回復しているので、図5においては、ポリマーが欠如していることが判る。図10a)は、任意の表面に施し、450℃で処理したフォトニック結晶の断面に関するSEM画像である。図10b)は、熱処理前の結晶の光学特性(点線)と、処理後の光学特性(実線)と、その後エタノールで浸透させたものの光学特性(破線)を示す。
【0028】
第2の方法
まず、ビニル官能基を末端基とするシロキサンオリゴマー(オリゴマー)と架橋したシロキサンオリゴマー(硬化剤)の10:1混合物を調製する。ドクターブレード法を用いて、この混合物をフォトニック結晶上に塗布する。ポリマーのより薄い最終厚さが好ましい場合、60秒間、1200rpmの速度でスピンコーティング処理が施される。
【0029】
次いで、浸透させた多層を20分間120℃で加熱して、シロキサンの重合を開始させることにより、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を生成させる。最後に、それを冷却して、次いで、系全体を液体窒素中に浸漬させることによりPDMSの剛性を増加させ、基材から、ポリマーを浸透させた多層を剥離する。図7は、ナノ粒子により構成され、本発明による方法により浸透させた多層の断面に関する電子顕微鏡画像を示す。基材を分離したフィルムの透過率スペクトルを図11に示す。
【符号の説明】
【0030】
1 剛性多孔質多層
1' 可撓性ブラッグミラー
2 基材
3 SiO
4 TiO
5 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性多孔質多層(1)により構成されるフォトニック結晶から可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法であって、
ポリマーを用いて該多孔質多層の細孔を充填することにより、該多孔質多層に機械的安定性を付与することを含む該方法。
【請求項2】
ポリマーを用いて多孔質多層(1)の細孔を充填する工程が、下記の工程i)〜iii)を順に含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法:
i)ポリマー溶液を該多孔質多層(1)の内部に浸透させ、
ii)該多孔質多層(1)の内部に該ポリマー溶液を均一に分布させ、次いで
iii)該溶媒の蒸発が完了するまで該多孔質多層(1)を加熱する。
【請求項3】
多孔質多層(1)の内部にポリマー溶液を均一に分布させる工程が、下記の方法のうちの1つを用いて行われることを特徴とする請求項2に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法:
スピンコーティング法、ディップコーティング法およびドクターブレード法。
【請求項4】
ポリマー溶液が、下記のポリマーを含有することを特徴とする請求項2または3に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法:
ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドンおよびポリスチレン。
【請求項5】
ポリマーを用いて多孔質多層(1)の細孔を充填する工程が、下記の工程i)〜iii)を順に含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法:
i)モノマー、ダイマー若しくはオリゴマーと硬化剤との混合物を該多孔質多層(1)の内部に浸透させ、
ii)該多孔質多層(1)の内部に該混合物を均一に分布させ、
iii)該多孔質多層(1)を加熱することにより、モノマー、ダイマー若しくはオリゴマーを重合させる。
【請求項6】
多孔質多層(1)の内部に混合物を均一に分布させる工程が、下記の方法のうちの1つを用いて行われることを特徴とする請求項5に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法:
スピンコーティング法、ディップコーティング法およびドクターブレード法。
【請求項7】
混合物中のモノマー、ダイマー若しくはオリゴマーが下記のものから選択されることを特徴とする請求項5または6に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法:種々の鎖状のジメチルシロキサン、メチルメタクリレートおよび塩化ビニル。
【請求項8】
可撓性ブラッグミラー(1')を固定する基材(2)から該可撓性ブラッグミラー(1')を剥離する工程を更に含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法。
【請求項9】
任意の形状を備える対象物(5)へ、可撓性ブラッグミラー(1')を貼り合せる工程を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法。
【請求項10】
対象物(5)に貼り合せたブラッグミラー(1')を加熱することにより、該ブラッグミラー構造体の細孔内に埋入されたポリマーを溶融させる工程を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法。
【請求項11】
出発物の多孔質多層(1)は、金属酸化物、金属、半導体若しくはポリマーのナノ粒子から成る層から構成されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法。
【請求項12】
金属酸化物がSiO(3)およびTiO(4)であることを特徴とする請求項11に記載の可撓性ブラッグミラー(1')を得るための方法。
【請求項13】
多孔質多層(1)の細孔をポリマーで充填することにより、機械的安定性が付与された多孔質多層(1)を具備する請求項1から12のいずれかに記載の方法により製造される可撓性ブラッグミラー(1')。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−516465(P2012−516465A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546883(P2011−546883)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/ES2010/070044
【国際公開番号】WO2010/086483
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(593005895)コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス (67)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS
【Fターム(参考)】