説明

可逆性感熱記録媒体

【課題】発色の高濃度化、白抜けの減少及び、画像の均一化が可能で、更に消去可能エネルギー領域の拡大などのサーマルヘッドによる消去性に優れた可逆性感熱記録媒体の提供。
【解決手段】支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆的熱発色性組成物とバインダー樹脂からなる可逆的感熱記録媒体であって、該電子受容性化合物として、炭素数10以上の長鎖脂肪族基と水素結合可能な活性水素含有基を有するフェノール化合物を用い、さらに該支持体と該記録層との間に、中空率が70%以上で、最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであり、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が2.0〜3.0の中空粒子を含有する中間層を設け、サーマルヘッドを用いた消去における消去可能なエネルギー領域の巾を0.1mJ/dot以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関し、更に詳しくは支持体と感熱記録層との間に中間層(アンダーコート層)を有し、改良された画像濃度と消去特性を有する可逆性感熱記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサ、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。しかし、これら実用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできないし、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれていた。
【0003】
ところで、これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組み合わせを用いるもの(例えば、特許文献3参照)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(例えば、特許文献4参照)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(例えば、特許文献5〜7参照)、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの(例えば、特許文献8参照)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(例えば、特許文献9、10参照)などが提案されている。
【0004】
さらに、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行なわせることができ、その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体などが開発(例えば、特許文献11〜13参照)されている。
【0005】
ところが、これらの記録媒体は発色感度、画像濃度の点では必ずしも満足できるとは言い難く改善が求められていた。発色濃度、発色感度を改善する方法としては既に幾つかの方法が開示されているが、その中のひとつの方法として可逆性記録層と支持体の間に断熱効果を有する中間層を設ける方法がある。
例えば、中空シリカを用いた中間層を設定する方法(例えば、特許文献14参照)、スチレン−アクリルの微小中空粒子を用いた中間層を設置する方法(例えば、特許文献15、16参照)、中空状のカルボキシル基含有共重合ラテックスを用いる中間層を設置する方法(例えば、特許文献17、18参照)等が開示されている。
更に、断熱層として塩化ビニリデンの中空粒子や多孔質のアルミノ−シリケートを用いる中間層を設置する方法が開示されている(例えば、特許文献19参照)。
これらの方法は、可逆性感熱記録層と支持体の間に、中空状の粒子からなる層を設置することにより印加される熱の活用効率を上げることを目的としており、高濃度化にそれなりの有効性が認めれている。但し、これらの方法に用いられている中空状粒子は、その材料及び製法の特質上、中空率が低いものか、又は粒子径が大きいものかのいずれかという制限があるため、「高い中空率」と「小さい粒径」を同時に満たすものは使用されてなかった。中空率が低い粒子を利用している場合(例えば特許文献15、16で開示されている中空率50%程度のスチレン−アクリルの微小中空粒子を用いた中間層の場合)、断熱効果は僅かな効果しか発揮することができず、高濃度化の効果も決して満足できるものではなかった。また、粒子径が大きい場合(例えば、特許文献19で開示されている粒子径20μm程度の塩化ビニリデンの中空粒子を用いた中間層、特許文献14で開示されている粒子径40μm程度の中空シリカを用いた中間層の場合)、中間層の厚みに対し中空粒子の粒子径が大きくなることが発生し、中間層の表面に大きな凹凸が形成されてしまう。その結果、その上に可逆性感熱記録層を積層すると中間層表面に大きな粒子がある部分は可逆性感熱記録層が形成されない部分ができ、ベタ画像を印字した場合に白抜けが発生しやすい問題を抱えており、高濃度化に対し決して満足できるものではなかった。
【0006】
更に、前記の可逆性感熱記録媒体の消去特性は熱ローラを用いる消去方法では実用上可能なレベルの消去濃度を有しているが、サーマルヘッドを用いた消去方法では消去濃度が不充分になる現象が顕著であり、この点についての改善が強く望まれている。また消去可能なエネルギー領域を拡大することがサーマルヘッド消去を可能にする上で重要であり、この点についても現在満足できるレベルに至っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上記従来技術の有する欠点を改良し、発色画像の高濃度化、白抜けの減少、画像均一性の向上を図ると同時に、サーマルヘッドを用いた消去方式での消去濃度が優れ、更に消去可能エネルギー領域の拡大が可能な中空粒子含有の中間層を有する可逆性感熱記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、支持体と可逆性感熱記録層の間に断熱性を有する中間層を設ける際に、利用する中空粒子、バインダーを鋭意研究した結果、以下のような手段を採用することにより前記課題を解決することを見出し本発明に至った。すなわち、用いられる中空粒子毎に適切なバインダーは微妙に異なることを知見し、特定粒径及び中空度の中空粒子とバインダー樹脂との目的達成のための相性にも配慮することが本来は望ましいと、検討の過程で我々は留意するに至った。更に、可逆性感熱記録層に用いる電子受容性化合物、制御剤についても並行して研究した結果、発色特性、消去特性を向上させることも可能になり本発明に至った。
【0009】
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆的熱発色性組成物とバインダー樹脂からなる記録層を有し、該記録層は該組成物の溶融温度以上の加熱と冷却で発色状態を形成し、溶融温度未満の加熱で消色し、この消色状態は冷却により維持され、かつこの発色・消色状態が繰り返される可逆的感熱記録媒体であって、該電子受容性化合物として、部分構造として炭素数10以上の長鎖脂肪族基、水素結合可能な活性水素含有基を有するフェノール化合物が用いられ、さらに該支持体と該記録層との間に中空粒子を含有する中間層が設けられており、該中空粒子は、中空率が70%以上で該中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであると同時に、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が2.0〜3.0のものであり、サーマルヘッドを用いた消去における消去可能なエネルギー領域の巾が0.1mJ/dot以上であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体」、(2)「前記中空粒子を形成する材料が、アクリロニトリル及び/又はメタアクリロニトリルの共重合体であることを特徴とする前記第(1)項に記載の可逆性感熱記録媒体」、(3)「前記中空粒子を形成する材料が、下記一般式(1)で表わされるモノマー由来の構造単位を含有した共重合体であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の可逆性感熱記録媒体;
【0010】
【化1】


(式中、Rは水素またはメチル基を表わす。)」、(4)「前記中間層の結着剤として疎水性エマルジョン樹脂、紫外線硬化樹脂、水溶性樹脂が用いられていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」、(5)「前記結着剤を中空粒子に対して100〜200重量%含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」、(6)「前記電子受容性化合物が下記一般式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体;
【0011】
【化2】


(式中、lは0〜2の自然数、mは0または1、nは1〜3の整数を示し、X,YはN原子またはO原子を含む2価の基を表わす。また、Rは置換基を有していてもよい炭素数2以上の脂肪族炭化水素基を表わし、Rは炭素数1以上の脂肪族炭化水素基を表わす。)」、(7)「前記可逆性感熱記録層中に消色促進剤を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」、(8)「前記可逆性感熱記録層上に該感熱記録層を保護するための保護層を有し、該保護層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(9)「情報記憶部と可逆表示部を有し、該可逆表示部が少なくとも前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する可逆性感熱記録層からなるものであることを特徴とする情報記録部を有する部材」、(10)「前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットのいずれかであることを特徴とする前記第(9)項に記載の情報記憶部を有する部材」、(11)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を有することを特徴とする可逆性感熱記録ラベル」、(12)「情報記憶部と可逆表示部を有し、前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットのいずれかであり、前記可逆表示部が、前記第(11)項に記載の可逆性感熱ラベルであることを特徴とする部材」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(13)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、前記第(12)項に記載の可逆性感熱記録ラベル、又は前記第(10)項,(11)項,(12)項のいずれかに記載の情報記憶部を有する部材の可逆性感熱記録層を加熱することにより画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法」、(14)「サーマルヘッドを用いて画像を形成することを特徴とする前記第(13)項に記載の画像処理方法」、(15)「サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする前記第(13)項に記載の画像処理方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(16)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、前記第(12)項に記載の可逆性感熱記録ラベル又は前記第(10)項,(11)項,(12)項のいずれかに記載の情報記憶部を有する部材を搭載し、画像の形成及び/又は消去を行なう手段を具備してなることを特徴とする画像処理装置」、(17)「画像の形成手段がサーマルヘッドであることを特徴とする前記第(16)項に記載の画像処理装置」、(18)「画像の消去手段がサーマルヘッド又はセラミックヒータであることを特徴とする前記第(16)項に記載の画像処理装置」によって解決される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の感熱記録媒体は、支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆的熱発色性組成物とバインダー樹脂からなる記録層を設け、該記録層は該組成物の溶融温度以上の加熱と冷却で発色状態を形成し、溶融温度未満の加熱で消色し、この消色状態は冷却により維持され、かつこの発色・消色状態が繰り返される可逆的感熱記録媒体であって、該電子受容性化合物として、部分構造として長鎖脂肪族基、水素結合可能な活性水素含有基を有するフェノール化合物を用い、さらに該支持体と該記録層との間に中空粒子を含有する中間層を設け、該中空粒子として中空率が70%以上で、該中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであると同時に、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が2.0〜3.0である中空粒子を用いることにより、断熱が向上し、画像濃度の向上、消去濃度の低下、消去エネルギー領域の拡大が可能になるのと共に、印字白ぬけの発生防止、画像精細性が達成されていることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特性を示す図である。
【図2】可逆性感熱記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す図である。
【図3】可逆性感熱記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す図である。
【図4】ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いた例を示す図である。
【図5】本発明の画像処理装置の例を示す図である。
【図6】本発明のサーマルヘッド消去方式での消去エネルギーに対する画像濃度(=消去濃度)の様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明においては消去方式としてサーマルヘッドを用いた場合の消去特性を格段に改善することが可能になるが、その場合において重要な特性として消去可能エネルギー領域の拡大が挙げられる。
図6にサーマルヘッド消去方式での消去エネルギーに対する画像濃度(=消去濃度)の様子を示した。図から判るように消去特性はエネルギーに対し画像濃度が下に凸になる変化を示す。これは、記録層の溶融温度未満のエネルギー領域では消去状態を形成するが、記録層の溶融温度以上のエネルギー領域では発色状態を形成することを表している。当然のこととして、画像濃度が極力小さくなることが消去特性として重要であることは自明であるが、消去の画像濃度が同じレベルにある場合は、その消去の画像濃度を得るエネルギー巾が広いことが好ましい。つまり、実際に可逆性感熱記録媒体を利用する場合、周囲の温度環境によって与えられたエネルギーが同一でも可逆性感熱記録媒体の温度が僅かながら変化する。従って、消去可能なエネルギー巾が小さいと使用時の温度環境の変化に対し消去の画像濃度が大きく変化してしまい消去特性が不安定になる不具合が発生する。一方、消去可能なエネルギー巾が大きいと使用時の温度環境の変化に対し消去の画像濃度が小さく安定した消去特性を得ることが可能になる。従って、サーマルヘッド消去方式においては消去可能エネルギー領域の拡大が重要となる。
【0015】
本発明においてサーマルヘッド消去方式で消去する場合、消去の画像濃度が0.3以下となる場合を消去状態と判断する。消去の画像濃度が0.3を超える場合は、目視において消去前の画像を認知することが可能であり、消去レベルとしては不充分であることから消去時の画像濃度0.3以下が消去レベルとなり、消去時の画像濃度0.3以下のエネルギー領域が消去エネルギー巾となる。
【0016】
本発明では消去可能エネルギー巾は0.1mJ/dot以上が好ましい。0.1mJ/dotよりも小さい場合は、低温環境や高温環境でサーマルヘッド消去した場合に消去の画像濃度が大きくなり消去特性が低下する現象を発現する。また、消去可能エネルギー巾は大きいほうが好ましいが、実使用を考慮して0.5mJ/dot以下が好ましい。
【0017】
本発明においては、サーマルヘッド方式での消去エネルギー領域の拡大に対し、中空粒子を含有する中間層を設置し、その中空粒子として中空率が70%以上で、該中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであると同時に、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が2.0〜3.0である中空粒子を用いることにより可能であることを発見した。
なお、50%頻度の粒子径とは、粒子径分布を小さい方から累積%で表わしたときに、累積%が50%に達するときの粒子径を意味している。
【0018】
本発明において、中空粒子の最大粒子径5〜10μmであることが好ましいが、10μmよりの大きい場合は、これらを用いた中間層上に感熱記録層を設けると中間層の大きな粒子の部分は感熱記録層が形成されない部分ができ、ベタ画像を印字した場合に白抜けが発生しやすい。一方、5μmより小さい場合は、中空率70%以上を確保することが困難になりその結果感度が低くなる。従って、中空粒子の最大粒子径は5〜10μmであることが好ましい。また、発色濃度の高濃度化のみを考えた場合、中空率は60%以上あれば効果を発現することは可能であるが、可逆性感熱記録媒体は消去過程を有しており、中でもサーマルヘッドを用いた消去方式では、熱ローラを用いた方式と比べて消去に供するエネルギーが極端に小さくなる特徴があるため、印加エネルギーの有効活用の程度がより高くする必要がある。従って、サーマルヘッドを用いた消去方式での消去濃度、消去エネルギー領域の拡大を確保するためには中間層に用いる中空粒子の中空率は70%以上が必要となる。
【0019】
本発明において、中空粒子の50%頻度の粒子径(D50)と最大粒子径(D100)の比率D100/D50は2.0〜3.0が好ましいが、3.0より大きい場合は、粒子径分布がブロード状態にあることを示しており、粒子径1μm以下の微小粒子の割合が多くなり、これらを用いた中間層は層内の中空粒子の分布不均一になり感度が低下する現象を引き起こす。一方、2.0未満の場合は非常にシャープな粒子径分布を有することになり合成条件の点から実現が難しいのが現状である。従って中空粒子の50%頻度の粒子径(D50)と最大粒子径(D100)の比率D100/D50は2.0〜3.0が好ましい。
【0020】
本発明において、中空粒子の2μm以下の割合は5〜10%が好ましいが、10%を越える場合は、粒子径1μm以下の微小粒子の割合が多くなり、これらを用いた中間層は層内の中空粒子の分布不均一になり感度が低下する現象を引き起こす。一方、5%未満の場合は非常にシャープな粒子径分布を有することになり合成条件の点から実現が難しいのが現状である。従って中空粒子の2μm以下の割合は5〜10%が好ましい。
【0021】
本発明において用いる中空粒子は中空率が70%以上であると同時に、中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであると同時に、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が2.0〜3.0を満足することが特徴であり、従来この条件を満足するような中空粒子を可逆感熱記録材料に利用することは知られていなかった。従来、可逆性感熱記録材料で用いられている中空粒子は、中空率60%以上を達成するためには揮発性物質を熱可塑性ポリマーに内包させて揮発発泡させる方法が必要であるが、粒子径は20μm以上の中空粒子しかなかった。一方、粒子径を小さくするためにはシード重合を利用して水等を内包させた粒子から水を放出することにより粒子径1μm以下のタイプは存在したが、中空率が50%以下しかなかった。本発明では、シェル材、重合方法、揮発性内包剤の検討から中空率が70%以上と、中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmと、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が2.0〜3.0を満足する中空粒子を得ることができ、それを可逆性感熱記録材料に初めて展開するための繰り返し試行を通じて、それらのパーフォマンスを逐次確認することにより、良好な可逆性感熱記録材料を実現することができるに至った。
【0022】
本発明において中空粒子のTgは95〜150℃が好ましく、更により好ましくは95℃〜120℃が好ましい。Tgが95℃よりが低い場合、これらを用いた中間層はサーマルヘッドによる印字時に感熱発色層と融着しその結果スティッキングが発生し良好な印字が困難になる現象が認められる。一方、150℃より高い場合は、サーマルヘッドによる印字時に中間層が剛直な状態にあり柔軟性が不足するためにヘッドとの密着性が低下し感度が低下する現象が認められる、従って、中空粒子のTgは95〜150℃が好ましい。
【0023】
このように、感熱記録媒体の中間層に中空率が70%以上であり、最大粒子径(D100)が10.0μm以下、好ましくは5.0〜10.0μm、更に、50%頻度の粒子径(D50)と最大粒子径(D100)の比率D100/D50は3.0以下、好ましくは2.0〜3.0、更に、2μm以下の割合が10%以下、好ましくは5〜10%、更に、Tgが95℃以上、好ましくは95〜150℃の中空粒子を用いることにより、断熱性、ヘッド密着性が向上し、サーマルヘッドの熱が効率よく感熱記録媒体表面へ伝わるため高感度化が達成させると共に、感熱記録媒体の表面を均一に保ち印字白ぬけの発生を防止し、印字画像の均一性が向上する。
【0024】
本発明でいう粒径の値は、全てレーザー回折式粒径分布測定装置(堀場委製作所性LA−900)を用いて測定したものである。メジアン径は50%頻度の粒径でありD50と記し、最大粒子径は分布の最大粒子径でありD100と記す。このプラスチック球状中空微粒子の中空度は、中空粒子の外径と内径の比であり下記式で表示されるものである。
中空度(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100
【0025】
本発明で用いるTgはガラス転移温度のことであり、中空粒子の樹脂成分のTgを表わす。これは、中空粒子の樹脂成分と同一の樹脂で固形物を形成し、その固形物について通常の方法(DSC、DTA、TMA等)によってTgを測定したものである。
【0026】
本発明において、中空粒子は断熱材として作用すると共に弾力性を有することから、サーマルヘッドからの熱エネルギーを効率良く活用し発色感度向上をもたらす。感度の点から中空率は70%以上であり、好ましくは75〜98%、更により好ましくは85%〜95%の範囲の中空粒子が使用される。中空率は70%未満では上記の効果が少なく、98%を超えた中空率のものでは膜厚が薄くなるため強度が劣る。
【0027】
中空粒子の製造方法は種々提案されているが、本発明の中空粒子を製造する方法としては、ポリマーの芯物質として揮発性物質を内包させ、外層は熱可塑性ポリマーからなり、揮発発泡させる方法が、通常用いられる。具体的な方法としてはWO/43758号公報、WO99/46320号公報、特開2000−24488号公報に開示されている方法が該当する。この方法においては、加熱発泡時に中空率を70%以上に上げるためには、シェル材の透過性が低いことが要件である。従来の塩化ビニリデンを含むポリマーは、透過性は低いが環境上問題があった。そこで、本発明者らは、透過性の低い中空粒子のシェル材として、塩化ビニリデンではなく、架橋されたビニルポリマーを用いることにより、透過性を低く、かつ中空率を70%以上にできることを見出した。
【0028】
本発明で使用するビニルポリマーとしては、アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、イタコン酸、などカルボン酸を分子内に有するモノマー、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸亜鉛等のカルボン酸金属塩、分子内にカルボン酸と反応性の基を有しているN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、マグネシウムモノアクリレート、ジンクモノアクリレート等、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、メチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルメタアクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミド等が挙げられる。
【0029】
中空粒子は中空率が高くなると同時にシェルの厚みが薄くなることが必要になる。シェルが薄くなると圧力等に対する強度が弱くなり破壊されやすくなってしまう。一方、単にシェルを固くして強度を持たせようとした場合、脆くなる傾向があり屈曲により破壊されやすくなってしまう。従って、固さと柔軟性のバランスがシェル材に葉必要であり、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルは固さと柔軟性を併せ持つ好ましいシェル材として挙げられる。しかし、無論、前記粒径及び中空率の中空粒子が、該特定なシェル材、重合方法、揮発性内包剤でしか実現できないと傲慢に考えている訳ではなく、この中空粒子が他の手段によっても実現可能であることは否定し得ない。
【0030】
本発明において使用される中空粒子は架橋構造を形成することも可能である。
架橋構造を形成する材料即ち架橋剤としては、上記ビニルモノマーと共に2官能性以上のモノマーを共重合することで達成される。また、ビニル基を一分子当り2個以上有するビニルモノマー又はジビニルベンゼンが好適である。以下にこの架橋性モノマーの代表例を挙げる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート3−アクロイルオキシグリセリンモノアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、フタル酸ジアリール、ジビニルベンゼン、等一般の架橋性モノマーを用いることができる。架橋性モノマーとしても、塩素原子等のハロゲン原子を含まないものが使用され、また、中空粒子の最大粒径を10μm以下とするためには、形成された中空粒子の粒径分布がシャープであることが必要であり、そのためには前記式(1)で表わされるアクリルモノマーを含有した共重合体は、粒子の粒径分布がシャープとなるという特性を有し、この点で優れた効果を示す。該式(1)の左の環であるノルボルナンのクロスした結合手の末端は水素であるが、メチル基であってもよい。本発明で使用する架橋剤の使用量はモノマー中に0.1〜10%程度が好ましい。
【0031】
実際のマイクロカプセル作成に当たっては、従来からの発泡性マイクロカプセルの作成方法が一般に用いられる。すなわち、水系として分散剤はコロイダルシリカ系のゲルを用いる。補助分散剤として水溶性高分子化合物を用いる。
水溶性高分子としてジエタノールアミンアジピン酸縮合物、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン系ポリマーなど両性かカチオン系の水溶性高分子を用いる。
【0032】
また、本発明には多量の水溶性モノマーを使用するために無機金属塩を使用する。水溶性金属塩として塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ソーダなど中性または酸性領域で水に溶解する化合物を用いる。
使用量は水性混合物への飽和量〜(飽和量−5%)の濃度で行なう。上記混合物をpH3〜5に調製し水系とする。
【0033】
油相は均一に混合して用いる。上記したラジカル反応性の不飽和2重結合を持つモノマー混合物、合成に適した沸点を有する溶剤混合物、ラジカル開始剤混合物が油相として用いられる。溶剤は合成に適した温度以下の沸点を有する有機溶剤が用いられるが、外壁ポリマーに溶解せず発泡効率の高いものなら何でも使用できるが、高温時に使用するために溶剤としては沸点50℃〜200℃範囲の炭化水素型の溶剤が使用に適している。n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、イソデカン、その他石油分留成分が適時使用されるが、比較的低沸点の溶剤を使用すると発泡開始温度番は低下する傾向にある。
【0034】
ラジカル開始剤としては、2種類以上を混合して用いる。10時間半減期の温度差が20℃以上である2種類以上の触媒を併用することが、残存するアクリロニトリルモノマーを無くするのに好ましい。使用できる触媒としては、過酸化物型、アゾビス型いずれでも良いが10時間半減期が0〜130℃、好ましくは20〜100℃範囲のものが良い。
具体的にはジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、ラウロイルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが使用され、アゾビスイソブチロニトリルと1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)の併用又はアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)と1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)の併用がより好ましい。
【0035】
本発明は上記粒子の特性の一つである感度向上に対し中空粒子を使用すると共にその結着剤として疎水性エマルジョン樹脂、紫外線硬化樹脂、水溶性樹脂等を使用しその含有量を中空粒子に対し結着剤が100〜300重量%、好ましくは100〜200重量%にすることで大幅に感度向上できることが判明した。これは、中間層内で充填された中空粒子の空隙を埋めることにより中間層表面の平滑性が更に向上した結果と考えられ、結着剤が100重量%より少ない場合は中空粒子の空隙が残るために発色濃度の低下を引き起こし、逆に300重量%を越える場合は、中間層内の中空粒子の割合が低下するため中間層の断熱性が低下して感度低下を引き起こす。
【0036】
中間層に使用される疎水性樹脂としてはスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリルエステル共重合体のラテックスや酢酸ビニール、酢酸ビニール/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリルエステル共重合体、アクリルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。また、中間層に用いられる紫外線硬化樹脂としてはウレタンアクリレート系水溶性紫外線硬化樹脂、エポキシアクリレート系水溶性紫外線硬化樹脂、アルコキシアクリレート系紫外線硬化樹脂、ポリウレタンアクリレート系紫外線硬化エマルジョン、アクリル系モノマー、ウレタンアクリル系オリゴマー、エーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、エステル系ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。更に、中間層に使用される水溶性樹脂としては、完全けん化ポリビニルアルコール、カルボキシル変成ポリビニルアルコール、部分けん価ポリビニルアルコール、スルホン酸変成ポリビニルアルコール、シリル変成ポリビニルアルコール、アセトアセチル変成ポリビニルアルコール、ジアセトン変成ポリビニルアルコール等各種変成ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0037】
本発明においては、感度等の品質を阻害しない範囲で公知の水溶性高分子を組み合わせて使用できる。公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーとしては澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/無水マレイン酸のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン、等が挙げられる。水溶性エマルジョンとしてはスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリルエステル共重合体のラテックスや酢酸ビニール、酢酸ビニール/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリルエステル共重合体、アクリルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
【0038】
本発明において、ヘッドマッチング向上のために前記中間層にアルカリ性増粘剤を用いることも可能である。アルカリ性増粘剤は、アルカリ条件下で増粘する結着剤を意味する。このようなアルカリ増粘性結着剤の代表例としては、スチレン−ブタジエン共重合体を主成分としたエマルジョンラテックスが挙げられる。本発明では、アルカリ増粘性結着剤を単独で用いることも可能であるが、結着剤成分を分散粒子として安定に存在させるために、例えば不飽和カルボン酸の共重合体であるカルボキシル化ラテックス等を用いることが望ましい。すなわち、カルボキシル化ラテックスはpHを高くすると粒子表面の高カルボキシル化ポリマーが水中に溶解してゆくために増粘し、このため上記結着剤の増粘性を更に向上することができるからである。本発明に係るアンダーコート層は上記構成としたことから、プラスチック微小中空粒子の分散安定性が増大するので、従来のようにソディウムモンモリロナイトあるいは変性ポリアクリル酸等の通常添加される増粘剤を添加する必要が無い。また、アルカリ増粘性結着剤は増粘作用の他に中空粒子同士を強固に結着させるため、前記増粘剤を用いた時に較べてサーマルヘッドとのマッチング性が著しく改善される。このアルカリ増粘性結着剤は、中空粒子100部に対し1〜80部、好ましくは5〜50部存在させることが望ましい。また、該結着剤はスチレン−ブタジエン共重合体であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、アルカリ条件下で増粘するものであればどのようなものでも良い。また、アンダーコート液をアルカリ下に保つためにpH調整剤が必要となるが、そのようなものとして、例えば、NH水などが用いられるが、著しく発色を阻害するものでなければこれに限定されるものでは無い。なお、アンダーコート層には、プラスチック微小中空粒子及びアルカリ増粘性結着剤に加え、必要に応じて更にこの種の感熱記録媒体に慣用される補助添加成分、例えばフィラー、熱可溶性物質、界面活性剤等を使用することができる。この場合フィラー及び熱可溶性物質の具体例としては後記において可逆性感熱記録層成分との関連で示された各種のものが挙げられる。
【0039】
上記中間層には、上記の中空粒子及びバインダーと共に、必要に応じて更にこの種の感熱記録媒体に慣用される補助添加成分、例えばフィラー、熱可融性成分、界面活性剤等を使用することができる。また、これら中間層成分を均一に、かつ、さらに高速に塗工するためには中空粒子の20%水分散液の液温20℃における粘度が200mPa.s以下であることが好ましい。200mPa.sを超える粘度の場合、上記のようにして作成した塗工液は粘度が高くなり、塗工ムラが発生する。また、前記のようにして支持体上に形成された中間層の表面をより平滑にするために中間層形成後、キャレンダー処理することにより平面を平滑にしても良い。
【0040】
本発明において可逆性感熱記録層に用いられる電子受容性化合物は、発色濃度、消去特性の点から一般式(2)で表わされる化合物が好ましい。
【0041】
【化3】


(式中、lは0〜2の自然数、mは0または1、nは1〜3の整数を示し、X,YはN原子またはO原子を含む2価の基を表わす。また、Rは置換基を有していてもよい炭素数2以上の脂肪族炭化水素基を表わし、Rは炭素数1以上の脂肪族炭化水素基を表わす。)
【0042】
前記一般式(2)において、脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等がある。R、Rの炭素の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることが更に好ましい。
の好ましい例としては以下に示すものが挙げられる。
【0043】
【化4】

これらの中でも−(CH)q−が特に好ましい。
なお、式中のq、q’、q”、q’”はそれぞれ前記R、Rの炭素数を満足する整数を表わす。
また、Rの好ましい例としては以下に示すものが挙げられる。
【0044】
【化5】

これらの中でも−(CH)q−CHが特に好ましい。なお、式中のq、q’、q”、q’”は前記と同じである。
X、YはN原子またはO原子を含む2価の基を示し、好ましくは
【0045】
【化6】

で表わされる基を少なくとも1個以上する2価の基を表わす。その例としては、以下示すものが挙げられる。
【0046】
【化7】

これらのうち、特に好ましい基は次に示すものである。
【0047】
【化8】

更に、具体的なフェノール化合物としては、以下のものが挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化9】

(式中、rは2以上の整数、sは1以上の整数を表わす。)
【0049】
本発明において可逆性感熱記録層に用いられる制御剤は、発色濃度、消去特性の点からアミド基、ウレタン基、尿素基、ケトン基、ジアシルヒドラジド基等を部分構造として含有する化合物が好ましい。中でも、アミド基、2級アミド基、ウレタン基を有する化合物が特に好ましく、具体的な例として以下のものが挙げられる。
【0050】
【化10】

【0051】
【化11】

【0052】
【化12】


(式中、n,n’,n”,n’”,n””は0〜21の整数を示す。ただし全てが5以下であることはない。)
【0053】
1123CONHC1225、C1531CONHC1633、C1735CONHC1837、C1735CONHC1835、C2141CONHC1837、C1531CONHC1837、C1735CONHCHHNOCC1735、C1123CONHCHHNOCC1123、C15CONHCHNOCC1735、C19CONHCHNOCC19、C1123CONHCHNOCC1123、C1735CONHCHNOCC1735、(CHCHC1435CONHCHNOCC1435(CH、C2143CONHCHNOCC2143、C1735CONHC12HNOCC1735、C2143CONHC12HNOCC2143、C1733CONHCHHNOCC1733、C1733CONHCHNOCC1733、C2141CONHCHNOCC2141、C1733CONHC12HNOCC1733、C17NHCOCCONHC1837、C1021NHCOCCONHC1021、C1225NHCOCCONHC1225、C1837NHCOCCONHC1837、C2143NHOCCCONHC2143、C1837NHOCC12CONHC1837、C1835NHCOCCONHC1835、C1835NHCOC16CONHC1835、C1225OCONHC1837、C1327OCONHC1837、C1633OCONHC1837、C1837OCONHC1837、C2143OCONHC1837、C1225OCONHC1633、C1327OCONHC1633、C1633OCONHC1633、C1837OCONHC1633、C2143OCONHC1633、C1225OCONHC1429、C1327OCONHC1429、C1633OCONHC1429、C1837OCONHC1429、C2245OCONHC1429、C1225OCONHC1237、C1327OCONHC1237、C1633OCONHC1237、C1837OCONHC1237、C2143OCONHC1237、C2245OCONHC1837、C1837NHCOOCOCONHC1837、C1837NHCOOCOCONHC1837、C1837NHCOOCOCONHC1837、C1837NHCOOC12OCONHC1837、C1837NHCOOC16OCONHC1837、C1837NHCOOCOCOCONHC1837、C1837NHCOOCOCOCONHC1837、C1837NHCOOC1224OCONHC1837、C1837NHCOOCOCOCOCONHC1837、C1633NHCOOCOCONHC1633、C1633NHCOOCOCONHC1633、C1633NHCOOCOCONHC1633、C1633NHCOOC12OCONHC1633、C1633NHCOOC16OCONHC1633、C1837OCOHNC12NHCOOC1837、C1633OCOHNC12NHCOOC1633、C1429OCOHNC12NHCOOC1429、C1225OCOHNC12NHCOOC1225、C1021OCOHNC12NHCOOC1021、C17OCOHNC12NHCOOC17
【0054】
【化13】

【0055】
以下、本発明の可逆性感熱記録媒体について更に詳しく説明する。
可逆性感熱記録層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などがある。
これらのバインダー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。たとえば、熱、紫外線、電子線などで、バインダー樹脂を架橋させてもよい。
【0056】
本発明に用いられる架橋させた状態にある樹脂としては、具体的にはアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0057】
また、アクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−HBA)、1,4―ヒドロキシブチルモノアクリレート(1−HBA)などが用いられるが、特に第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や耐久性が良いことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく用いられる。
【0058】
本発明に用いられる硬化剤としては、従来公知のイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物等が挙げられる。その中でもイソシアネート系硬化剤が好ましく用いられる。ここで用いられるイソシアネート系化合物は、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0059】
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。また、本発明におけるポリマーが架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるポリマーは、溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、溶質のポリマー構造の有無を分析すればよい。そこで、溶質中にポリマー構造の存在が確認できなければ、該ポリマーは非架橋状態にあることが言え、架橋状態のポリマーと区別することができる。ここでは、これをゲル分率で表わすことができる。
【0060】
ゲル分率とは、溶媒中で樹脂溶質が相互作用により独立運動性を喪失して集合し個化した状態(ゲル)を生じるときのそのゲルの生成比率をいう。該樹脂は、ゲル分率が30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましく、80%以上がより特に好ましい。ゲル分率が小さいと繰り返し耐久性が低下するので、ゲル分率を向上させるには、樹脂中に熱、UV、EB等によって硬化する硬化性樹脂を混合するか、樹脂自身を架橋すればよい。
【0061】
ゲル分率測定方法としては、支持体より膜を剥離してその膜の初期重量を測定し、その後に膜を400メッシュ金網に挾んで、架橋前の樹脂が可溶な溶剤中に24時間浸してから真空乾燥して、乾燥後の重量を測定する。
ゲル分率計算は、下記式によって行なう。
ゲル分率(%)=[乾燥後重量(g)/初期重量(g)]×100
この計算でゲル分率を算出するときに、感熱層中の樹脂成分以外の有機低分子物質粒子等の重量を除いて計算を行なう。この際、予め有機低分子物質重量が分からないときには、TEM、SEM等の断面観察により、単位面積あたりに占める面積比率と樹脂と有機低分子物質のそれぞれの比重により重量比率を求めて、有機低分子物質重量を算出して、ゲル分率値を算出すればよい。
【0062】
また、上記測定の際に、支持体上に可逆性感熱記録層が設けられており、その上に保護層等の他の層が積層されている場合や、支持体と感熱層の間に他の層がある場合には、上記したように、まず上記したTEM、SEM等の断面観察により可逆性感熱記録層及びその他の層の膜厚を調べておき、その他の層の膜厚分の表面を削り、可逆性感熱記録層表面を露出させると共に、可逆性感熱記録層を剥離して前記測定方法と同様にゲル分率測定を行なえばよい。
【0063】
また、この方法において可逆性感熱記録層上層に紫外線硬化樹脂等からなる保護層等がある場合には、この層が混入するのを極力防ぐために、保護層分の膜厚分を削ると共に可逆性感熱記録層表面も少し削りゲル分率値への影響を防ぐ必要がある。
【0064】
本発明で用いられるロイコ染料の例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、ロイコ染料を単独または混合して用いることもできる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
【0065】
本発明で用いる発色剤は前記のフルオラン化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ染料を単独または混合して使用することができる。その発色剤を以下に示す。
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0066】
本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤などがある。
【0067】
発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1〜20の範囲であり、好ましくは0.2〜10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。また、消色促進剤の割合は顕色剤に対し0.1重量%〜300重量%が好ましく、より好ましくは3重量%〜100重量%が好ましい。また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。可逆性感熱記録層中の発色成分と樹脂の割合は、重量比で発色成分1に対して0.1〜10が好ましく、これより少ないと可逆性感熱記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。
【0068】
記録層の形成には、前記の顕色剤、発色剤、種々の添加剤、硬化剤及び架橋状態にある樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いる。
塗液調製に用いられる溶媒の具体例としては水;メタノール、エタノール、イソプロパノール,n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。
【0069】
塗液調製はペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行なうことができる。また、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解して急冷または除冷によって析出させても良い。
【0070】
記録層を設ける塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0071】
本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体としては紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層を保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚みのものを単独あるいは貼り合わせる等して用いることができる。すなわち、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。また、これらの支持体は可逆性感熱記録層と同一面および/または反対面に磁気記録層を有していても良い。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は粘着層等を介して、他の媒体へ貼り付けても良い。あるいは、PETフィルムなどの支持体の片面にバックコート層を設け、該バックコート層の反対面に熱転写リボンに用いられる剥離層、剥離層上に本発明の感熱記録層、更に表面上に紙、樹脂フィルム、PETフィルムなどに転写できる樹脂層を設け熱転写プリンターを用いて転写させても良い。本発明の可逆性感熱記録媒体は、シート状あるいはカード状に加工されていても良く、その形状は任意の形状に加工することができ、また、媒体表面への印刷加工を施すことができる。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆の感熱記録層を併用しても良く、このときそれぞれの記録層の発色色調は同じでも異なっても良い。
【0072】
記録層の乾燥・硬化方法は塗布・乾燥後、必要に応じて硬化処理を行なう。高温槽等を用いて比較的高温で短時間でも良く、また、比較的低温で長時間かけて熱処理しても良い。架橋反応の具体的な条件としては反応性の面から30℃〜130℃程度の温度条件で1分〜150時間程度加温することが好ましい。より好ましくは40℃〜100℃の温度条件で2分〜120時間程度加温することが好ましい。また、製造では生産性を重視するので、架橋が充分完了するまで時間をかけるのは困難である。したがって、乾燥過程とは別に架橋工程を設けてもよい。架橋工程の条件としては40℃〜100℃の温度条件で2分〜120時間程度加温することが好ましい。
可逆性感熱記録層の膜厚は1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは3〜15μmである。
【0073】
可逆性感熱記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層に含まれる添加剤が記録層へ移行する、あるいは、記録層に含まれる添加剤が保護層へ移行することを防止する目的で、両者の間に中間層を設けても良い。中間層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。中間層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、バインダー、塗工方法、乾燥・硬化方法等は上記記録層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0074】
保護層の形成において、保護層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。保護層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、バインダー、塗工方法、乾燥・硬化方法等は上記記録層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0075】
可逆性感熱記録層、中間層、保護層には紫外線吸収性能または紫外線遮蔽性能を有しない他のフィラーを添加しても良く、フィラーとしては無機フィラーと有機フィラーに分けることができる。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、シリカ、タルク、マイカ、等が挙げられる。有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、スチレン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。本発明ではフィラーを単独で用いることもできるが、2種類以上含まれていても良い。複数の場合、無機フィラーと有機フィラーの組み合わせ方について特に限定はされない。また、形状としては球状、粒状、板状、針状等が挙げられる。保護層中のフィラーの含有量は体積分率で5〜50体積%である。
【0076】
可逆性感熱記録層、中間層、保護層に滑剤を添加しても良く、滑剤の具体例としては、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられる。層中の滑剤の含有量は体積分率で0.1〜95%、より好ましくは1〜75%である。
【0077】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基本的な発色・消色現象を説明する。図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度Tで発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度Tで消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
【0078】
本発明の記録媒体では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
【0079】
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、上述した可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の感熱層を形成する面と反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたものである。この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
【0080】
接着剤層又は粘着剤層の材料は、一般的に用いられているものが使用可能である。例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0081】
次に、情報記憶部と可逆表示部を有し、該可逆表示部として上述の可逆性感熱記録媒体を構成する感熱層からなる部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記録部を有する部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として、感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記録部を有する部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記録部を有する部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
これら(1)、(2)、(3)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうであれば情報記憶部の設定位置は、熱可逆性記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
【0082】
この情報記録部を有する部材として用いられるものは、特に限定されないが、一般的にはカード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットがある。
これらの例として次のようなものを挙げることができる。
ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等、この可逆表示部と情報記憶部の双方を有する部材は、例えばカードの場合で説明すると、情報記憶部に記憶された情報の一部を可逆性感熱記録層に表示することによって、カード所有者等は、特別な装置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、可逆性感熱記録媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。
【0083】
情報記憶部は、必要な情報を記憶できるものでありさえすれば特に限定されないが、例えば、磁気記録、接触型IC、非接触型ICあるいは光メモリが有用である。磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
【0084】
前記(3)の可逆性感熱記録ラベルを用いる例として、磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等のように、支持体として可逆性感熱記録層の塗布が困難な厚手のもの場合には、その全面又は一部に接着剤層又は粘着剤層を設けることができる。こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
【0085】
また、この可逆性感熱記録ラベルは、フレキシブルディスク、MDやDVDRAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の表示ラベルの代わりとして用いることができる。
図2に、可逆性感熱記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す。さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
【0086】
図3に、可逆性感熱記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、CD−Rなどの追記型ディスク上に可逆性感熱記録ラベルを貼って、CD−Rに追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能である。
さらに、図4に示すように、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
【0087】
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
【0088】
本発明は、さらに、上記可逆性感熱記録媒体、上記情報記憶部を有する部材又は上記ラベルを用い、加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法及び上記可逆性感熱記録媒体、上記情報記憶部を有する部材又は上記ラベルを有し、加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0089】
画像の形成は、サーマルヘッド、レーザ等、該媒体を画像上に部分的に加熱可能である画像記録手段が用いられる。画像の消去は、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、熱風等やサーマルヘッド、レーザ等の画像消去手段が用いられる。この中では、セラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。セラミックヒータの設定温度は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましい。
【0090】
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。一つのサーマルヘッドで形成と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を形成してもよく、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。そのためには、表面平滑性だけでなく、各層中で使用される各材料の均一分散が不可欠であり、これは本発明により達成されている。
可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
【0091】
図5に、本発明の画像処理装置の例を示す。図5は、本発明により画像の消去をセラミックヒータで、画像の形成をサーマルヘッドでそれぞれ行なう場合の装置の概略例を示す。
図5の画像処理装置においては、最初、記録媒体の磁気記録層に記憶された情報を磁気ヘッドで読み取り、次に、セラミックヒータで可逆性感熱記録層に記録された画像を加熱消去し、さらに、磁気ヘッドで読み取られた情報をもとにして、処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、逆性感熱層に記録される。その後、磁気記録層の情報も新たな情報に書き替えられる。
【0092】
すなわち、図5の画像処理装置においては、感熱層の反対側に磁気記録層を設けた熱可逆性記録媒体は往復の矢印で図示されている搬送路に沿って搬送され、又は搬送路に沿って装置内を逆方向に搬送される。
熱可逆性記録媒体は、磁気ヘッド(34)と搬送ローラ(40)間で磁気記録層に磁気記録又は記録消去され、セラミックヒータ(38)と搬送ローラ(40)間で像消去のため加熱処理され、サーマルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間で像形成され、その後、装置外に搬出される。ただし、磁気記録の書き替えは、セラミックヒータによる画像消去の前であっても後であってもよい。また、所望により、セラミックヒータ(38)と搬送ローラ(40)間を通過後、又はサーマルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間を通過後、搬送路を逆方向に搬送され、セラミックヒータ(38)による再度の熱処理、サーマルヘッド(53)による再度の印字処理を施すことができる。
【実施例】
【0093】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。
<中空粒子aの調製>
塩化ナトリウム55gをイオン交換水160gに溶解し、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物1.0g、コロイダルシリカ20%水溶液25gを加えた後、硫酸でpHを3.8から4.2に調整し、均一に混合してこれを水相とする。アクリロニトリル45g、メタクリロニトリル16g、N−メチロールアクリルアミド5g、イソボニルメタクリレート23g、エチレングリコールジメタクリエート0.1g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル(V−40)0.1g、イソブタン15gを混合、攪拌、溶解し、これを油相とする。水相と油相を混合し、ホモミキサーで4000rpmにて1分間攪拌して懸濁液とする。これをセパラブルフラスコに移して窒素置換をしてから、攪拌しつつ70℃で6時間その後90℃で14時間反応する。反応後冷却し、濾過してカプセル粒子を得る。次にこれを加熱による発泡を行ない中空粒子を形成した。この中空粒子のTg、中空率、粒子径のD100、D100/D50の数値を表1に示した。
中空粒子aの調整方法において、ホモミキサーの回転数を3500rpmに変えた以外は中空粒子aと同様の方法で中空樹脂樹脂粒子bを調製した。次に、中空粒子aの調整方法において、N−メチロールアクリルアミドを除いた以外は中空粒子aと同様の方法で中空樹脂樹脂粒子cを調製した。次に中空粒子aの調整方法において、イソブタンの替わりにイソオクタンを用いた以外は中空粒子aと同様の方法で中空樹脂樹脂粒子dを調製した。次に、中空粒子aの調製方法において、イソボニルメタクリレートの量を20gに変えた以外は中空粒子aと同様の方法で中空粒子eを調製した。次に、中空粒子aの調製方法において、イソボニルメタクリレートの量を15g、アクリロニトリルの量を55gに変えた以外は中空粒子aと同様の方法で中空粒子fを調製した。次に、中空粒子aの調製方法において、イソボニルメタクリレートの替わりに塩化ビニリデンを用いた以外は中空粒子aと同様の方法で中空粒子gを調製した。中空粒子bからgのTg、中空率、最大粒子径(D100)、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50を表1に記す。
【0094】
【表1】

【実施例1】
【0095】
<中間層の作製>
中空粒子(表1の中空粒子a)の水分散液(固形分濃度30%) 30部
ポリウレタン樹脂エマルジョン
(固形分濃度35%、第一工業製薬製スーパーフレックス150) 28部
完全ケン価ポリビニルアルコール水溶液(固形分濃度16%) 9部
水 50部
上記混合物を攪拌分散して、中間層塗布液を調製した。上記組成の該中間層塗布液を厚さ約250μmの磁気層付き白色PETフィルム(大日本インキ製)上にワイヤーバーを用い塗布し、115℃1分で乾燥して、膜厚約6.0μmの中間層を設けた。
<可逆性感熱記録層の作製>
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 2部
下記構造の顕色剤 8部
【0096】
【化14】

下記構造の制御剤 2部
【0097】
【化15】

アクリルポリオール樹脂の15%THF溶液 150部
(水酸基価:70、酸価:1.0未満、分子量:35000、
ガラス転移温度:52℃、
水酸基モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
コロネートHL 10部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μmまでなるように粉砕分散した。得られた分散液で可逆性感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の該記録層塗布液を、前記中間層の上にワイヤーバーを用い塗布し、115℃1分で乾燥した後、60℃36時間加熱して、膜厚約11.0μmの可逆性感熱記録層を設けた。
<保護層の作製>
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ社製C7−157) 15部
酢酸エチル 85部
上記組成を良く攪拌し保護層液を調製した。この塗液を、上記記録層の上にワイヤーバーを用いて塗工し90℃で1分間乾燥させたのち、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚約3μmの保護層を設けて本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
【実施例2】
【0098】
実施例1において中空粒子aの替わりに中空粒子bを用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【実施例3】
【0099】
実施例1において中空粒子aの替わりに中空粒子cを用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【実施例4】
【0100】
実施例1において中空粒子aの替わりに中空粒子dを用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【実施例5】
【0101】
実施例1においてポリウレタン樹脂エマルジョン(第一工業製薬製、スーパーフレックス150)の替わりにアクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度35%、ジョンソン製ジョンクリル538)を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【実施例6】
【0102】
実施例1において中間層を以下の方法で形成した以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
<中間層の作製2>
中空粒子(表1の中空粒子a)の水分散液(固形分濃度30%) 30部
ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂エマルジョン
(固形分濃度35%/荒川化学工業製ビームセットEM−90) 28部
ダロキュア1173 0.5部
完全ケン価ポリビニルアルコール水溶液(固形分濃度16%) 9部
水 50部
上記混合物を攪拌分散して、中間層塗布液を調製した。上記組成の該中間層塗布液を厚さ約250μmの磁気層付き白色PETフィルム(大日本インキ製)上にワイヤーバーを用い塗布し、90℃で1分間乾燥させたのち、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下9m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚約6μmの中間層を設けた。
【実施例7】
【0103】
実施例6において、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂エマルジョン(荒川化学工業製ビームセットEM−90)の替わりにウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂エマルジョン(固形分濃度35%/ダイセルユーシービー製DW7825)を用いた以外は実施例7と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【実施例8】
【0104】
実施例1において中空粒子aの替わりに中空粒子eを用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【実施例9】
【0105】
実施例1において中空粒子aの替わりに中空粒子fを用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0106】
比較例1
実施例1において中空粒子aの替わりに中空粒子gを用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0107】
比較例2
実施例1において中空粒子aの替わりに富士シリシア化学社製フジバルーンS35(粒子径40μm)を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0108】
比較例3
実施例1において中空粒子aの替わりに松本油脂製薬社製ミクロパールF−30(粒子径20μm)を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0109】
比較例4
実施例1において中空粒子aの替わりにローム&ハース社製ローペイクHP−91(中空率50%、粒子径1μm)を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0110】
比較例5
実施例1において中間層を設けないで、それ以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0111】
(評価方法)
(1)画像濃度、消去濃度、消去エネルギー領域
作製した可逆性感熱記録媒体を松下電子部品社製EUX−ET8A9AS1端面型サーマルヘッド(抵抗値1152オーム)を用いた八城製作所製感熱印字シュミレーターを用いて下記の条件で印字及び消去を行ない、濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定した。
・評価条件:パルス幅2ms、ライン周期2.86ms、印字速度43.10mm/s、副走査密度8dot/mm
・画像濃度:印加エネルギー0.25mJ/dot〜0.62mJ/dotの範囲で電圧を変化させて印字したときの最大濃度を用いる。
・消去濃度:前記画像濃度で最大濃度を得た印加エネルギーでベタ画像を形成し、それに対し、印加エネルギーを0.15mJ/dot〜0.52mJ/dotの範囲で電圧を変化させて消去したときの最小消去濃度を用いる。
・消去エネルギー領域:前記消去濃度評価において消去濃度が0.3を下回るエネルギーの巾を用いる。
(2)白抜け;前記画像濃度評価の発色画像を目視にて白抜けを判定した。
○:白抜けなし
×:白抜けあり
(3)精細性:前記画像濃度評価の印字サンプルで画像濃度が0.6になる印字画像を顕微鏡にて1ドット印字の精細性を目視確認する。1ドットの形状(四角形)に近い方が精細性が良い(表2参照)。
【0112】
【表2】


以上の評価結果を表3に示す。
【0113】
【表3】

【符号の説明】
【0114】
34 磁気ヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】
【特許文献1】特開昭63−107584号公報
【特許文献2】特開平4−78573号公報
【特許文献3】特開昭60−193691号公報
【特許文献4】特開昭61−237684号公報
【特許文献5】特開昭62−138556号公報
【特許文献6】特開昭62−138568号公報
【特許文献7】特開昭62−140881号公報
【特許文献8】特開昭63−173684号公報
【特許文献9】特開平2−188293号公報
【特許文献10】特開平2−188294号公報
【特許文献11】特開平5−124360号公報
【特許文献12】特開平6−210954号公報
【特許文献13】特開平10−95175号公報
【特許文献14】特開2003−11514号公報
【特許文献15】特開平6−340174号公報
【特許文献16】特開平8−183254号公報
【特許文献17】特開平7−228050号公報
【特許文献18】特開平7−257036号公報
【特許文献19】特許第3007899号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆的熱発色性組成物とバインダー樹脂からなる記録層を有し、該記録層は該組成物の溶融温度以上の加熱と冷却で発色状態を形成し、溶融温度未満の加熱で消色し、この消色状態は冷却により維持され、かつこの発色・消色状態が繰り返される可逆的感熱記録媒体であって、該電子受容性化合物として、部分構造として炭素数10以上の長鎖脂肪族基、水素結合可能な活性水素含有基を有するフェノール化合物が用いられ、さらに該支持体と該記録層との間に中空粒子を含有する中間層が設けられており、該中空粒子は、中空率が70%以上で該中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0〜10.0μmであると同時に、50%頻度の粒子径(D50)との比率D100/D50が2.0〜3.0のものであり、サーマルヘッドを用いた消去における消去可能なエネルギー領域の巾が0.1mJ/dot以上であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【請求項2】
前記中空粒子を形成する材料が、アクリロニトリル及び/又はメタアクリロニトリルの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項3】
前記中空粒子を形成する材料が、下記一般式(1)で表わされるモノマー由来の構造単位を含有した共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録媒体。
【化1】


(式中、Rは水素またはメチル基を表わす。)
【請求項4】
前記中間層の結着剤として疎水性エマルジョン樹脂、紫外線硬化樹脂、水溶性樹脂が用いられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項5】
前記結着剤を中空粒子に対して100〜200重量%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項6】
前記電子受容性化合物が下記一般式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【化2】


(式中、lは0〜2の自然数、mは0または1、nは1〜3の整数を示し、X,YはN原子またはO原子を含む2価の基を表わす。また、Rは置換基を有していてもよい炭素数2以上の脂肪族炭化水素基を表わし、Rは炭素数1以上の脂肪族炭化水素基を表わす。)
【請求項7】
前記可逆性感熱記録層中に消色促進剤を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項8】
前記可逆性感熱記録層上に該感熱記録層を保護するための保護層を有し、該保護層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項9】
情報記憶部と可逆表示部を有し、該可逆表示部が少なくとも請求項1乃至8のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する可逆性感熱記録層からなるものであることを特徴とする情報記録部を有する部材。
【請求項10】
前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットのいずれかであることを特徴とする請求項9に記載の情報記憶部を有する部材。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を有することを特徴とする可逆性感熱記録ラベル。
【請求項12】
情報記憶部と可逆表示部を有し、前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットのいずれかであり、前記可逆表示部が、請求項11に記載の可逆性感熱ラベルであることを特徴とする部材。
【請求項13】
請求項1乃至8のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、請求項12に記載の可逆性感熱記録ラベル、又は請求項10,11,12のいずれかに記載の情報記憶部を有する部材の可逆性感熱記録層を加熱することにより画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
サーマルヘッドを用いて画像を形成することを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
【請求項15】
サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−279943(P2009−279943A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169773(P2009−169773)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【分割の表示】特願2004−363439(P2004−363439)の分割
【原出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】