説明

可逆的に折りたたみ可能/組み立て可能な容器

折り畳み式の上端が開口する容器は単一のシート1から作られ、このシートを折り曲げることによって容器に変えることができる折り曲げ線(4,7)を持った材料からなる。この容器は、底(3)と、この底から延在して縁辺(5)を画成する側壁(16)とを有する。側壁は、隅部(11)によりそれぞれの端部がつなげられている。隅部のそれぞれは、2つの折り曲げ線から形成されるフラップである。このフラップは、1つの側壁に向けて延在する外側部(8c)と、隣接する側壁に向けて延在する内側部(8b)と、内側部および外側部の間の中間部(8a)とを有する。前記内側部および外側部の一方にある第1の一体構成部(ノッチ12)は、フラップを折り曲げ状態に保持するために前記内側部および外側部の他方(ノッチ14)と噛み合わされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器が液体および固体の両方を収容するのに使用できるように、例えば耐水材料にて作られた一枚の平らなシートから作られる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
折りたたみ式容器は、個人的な飲食のための飲み物または食品を収容するカップの如き容器として用いるものとして知られている。このような折りたたみ式容器は、これらが手または指の力をこれらに加えずに折り曲げられた状態に保持されない場合に構造が単純であるか、あるいはこれらはその折り曲げ状態を維持するために折り曲げられた容器本体に装着されるクランプまたは他の器具を含む比較的複雑な構造の何れかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
部品の全体的な複雑さおよびコストを増加する独立した留め具または他の部材を用いることなく、その折り曲げ状態を維持することができる単純な折りたたみ式容器に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の形態によると、折り曲げ線を有する材料の単一のシートから構成される上端が開いた容器が提供され、前記材料を前記折り曲げ線にて折り曲げることにより、前記シートを平らな状態から前記容器へと変えることができ、前記容器は底とこの底から延在して容器の縁辺を画成する複数の側壁とを具え、これらの側壁は、これらの各端部にて隅部によりつなげられ、隅部のそれぞれは前記縁辺から延在して前記底と分岐点にて交わる2本の折り曲げ線から形成されるフラップを構成し、このフラップは、1つの側壁へと延在する外側部と、隣接する側壁へと延在する内側部と、これら内側部および外側部の間の中間部と、前記内側部および外側部の一方にあって、前記フラップを折り曲げ状態に保持するように前記内側部および外側部の他方と噛み合う第1の一体構成部とを有する。
【0005】
好ましくは、前記第1の一体構成部は隅部の内側部の縁辺にあるタグであり、このタグは隅部の前記中間部と外側部の間の空間に折り返される。
【0006】
他の選択肢として、前記第1の一体構成部が前記隅部の内側部および外側部の一方の縁辺にある第1のノッチであってよく、このノッチは、前記隅部の内側部および外側部の他方の縁辺にある第2のノッチを具えた第2の一体構成部と噛み合わすことができる。好ましくは、前記隅部の前記内側部および外側部の一方の縁辺がタブを有し、前記第1のノッチがタブと前記内側部および外側部の一方との間に画成され、このノッチは、前記内側部および外側部の一方と前記中間部との間の前記折り曲げ線に開口し、これが前記縁辺をつないでいる。
【0007】
好ましくは、前記タブは、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、容器の縁辺の前記側壁の間の空間をほぼ塞ぐ。
【0008】
好ましくは、ノッチのそれぞれが根元を有し、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、各ノッチの根元が合致している。
【0009】
好ましくは、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、前記第1および第2のノッチは一直線状に並んでいる。
【0010】
他の選択肢として、前記第1の一体構成部が前記隅部の内側部にあるフックであってよく、このフックは前記内側部の2本の辺を持ったV字形切り欠きにより形成され、前記中間部に最も近い第1の前記辺は前記縁辺まで延在し、前記中間部から最も遠い第2の前記辺は前記縁辺から所定距離で終わり、前記第2の辺は、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、前記中間部と外側部との間の折り曲げ線と一直線状に並び、前記外側部と中間部との間の折り曲げ線は、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、V字形切り欠きの前記第2の辺の先端とほぼ同じ深さまで前記縁辺から除去され、前記フックは、前記隅部の前記中間部と外側部との間の折り曲げ線と係合する際、前記フラップをその折り曲げ状態に保持するようになっている。
【0011】
好ましくは、前記外側部と中間部との間の前記折り曲げ線の前記除去は、その縁辺での前記折り曲げ線によって形成される前記隅部を除去することにより達成される。
【0012】
好ましくは、根元と2つ節とを持ったV字形折り曲げ線によって前記隅部の前記フックと内側部分との間にヒンジが形成され、前記根元は前記V字形切り欠きの第2の辺の先端と一致し、前記節が前記縁辺まで延在している。
【0013】
好ましくは、前記V字形折り曲げ線の一方の節は、前記V字形切り欠きの第2の辺と一直線状に並んでいる。好ましくは、前記V字形折り曲げ線の他方の辺は、前記V形形切り欠きの第2の辺に対してほぼ直交している。
【0014】
他の選択肢として、前記第1の一体構成部は、前記外側部および中間部の両方に形成されたウイングであってよく、このウイングは前記中間部の縁辺から前記外側部の縁辺まで延在する折り曲げ線によって形成され、前記第2の一体構成部は前記内側部の縁辺にスロットを具え、前記内側部は、前記ウイングが折り曲げ状態にある場合、前記縁辺から前記外側部および中間部の先端とほぼ一致する深さまで除去され、前記スロットが前記ウイングと噛み合う際に前記フラップをその折り曲げ状態に保持するようになっている。
【0015】
好ましくは、前記底と側壁との間に折り曲げ線が画成され、これら折り曲げ線は隣接する隅部の前記合流点の間に延在している。
【0016】
好ましくは、前記材料からなるシートは、展開した平らな場合、ほぼ六角形状である。好ましくは、前記材料からなるシートが耐水材料である。好ましくは、前記材料からなるシートがプラスチック材料、例えばポリプロピレンである。前記容器はボウルの形態であってよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
さて、本発明の好ましい実施形態が添付図面を参照して単なる例示によって記述される。
【0018】
ここで添付図面の図1を参照すると、本発明による折りたたみ式容器の第1の実施形態がその展開された平らな状態で示されている。この容器は、その本体に引かれた複数の折り曲げ線が与えられた材料からなるシート1を具えている。
【0019】
このシート1はほぼ六角形の形状である。他の実施形態において、このシート1は、概ね円形または他の任意の適当な形状であってよい。六角形の各縁辺が5aから5fで示され、これらの縁辺は折り曲げ状態にて容器の縁辺5を形成する。
【0020】
シート1には、隅部6a,6bおよび6cを有する自立式三角底3を画成する底折り曲げ線2が与えられている。「自立式」というのは、容器がその折り曲げ状態にある場合、底3は、容器が外部の支持を必要とせずに直立が可能であることを意味する。
【0021】
V字形配列の2つの折り曲げ線4,7は、それぞれの隅部6a,6bおよび6cから縁辺5まで延在している。これら折り曲げ線4および7は、隅部11の中間部8を相互に画成する。例示した実施形態においては3つの中間部8があり、それぞれ概ね三角形の形状である。折り曲げ線4,7はまた、隅部11の間に延在する3つの側壁16a,16bおよび16cと共に隅部11の外側部8bおよび内側部8cを画成する。
【0022】
タブ9は、縁辺5a,5cおよび5eのそれぞれの端から分岐点300まで外側に延在している。それぞれのタブ9は湾曲した外端部10を有する。ノッチ12が分岐点300からそれぞれの縁辺5a,5cおよび5eと平行に破れ止め開口部13まで続いている。
【0023】
第2のノッチ14は、折り曲げ線7から離れた縁辺5a,5cおよび5eの箇所から傾斜状態で内側部8cのそれぞれへと内側に延在している。これらのノッチ14は、破れ止め開口部15まで続いている。
【0024】
ノッチ12,14は、隅部11が折り曲げられた場合(図2b参照)、ノッチ12,14の根元が実質的に合致するように位置決めされる。さらにこの位置において、これらは相互に一直線状に整列し、これらを係合させた場合、隅部11を相互に保持する。開口部13および15は、ノッチ12および14が引き裂かれるのを阻止する。
【0025】
隅部11を折るため、(それぞれ容器の内部に対して)内側部8bが内側を向くと共に中間部8aが外側を向くように、折り曲げ線4が容器の中心に向けて内側に折り曲げられる。同時に、外側部8cも同様であるが中間部8aの背後から内側を向くように、折り曲げ線7が外側に折り曲げられる。これによってフラップ8が形成され、それぞれ重なり合う内側,中間および外側部8b,8aおよび8cを具えている。フラップが形成されると、ノッチ12および14を相互に係合して噛み合わすために動かすことができるように、フラップの中間部を横切ってタブ9を折り曲げることが可能である。これは、隅部11を折り曲げ位置に実質的に固定する。
【0026】
シート1の他の選択肢として、図3に示すようにタブ9を与えず、その代わりに2つのノッチ20および21を与える。場合によって、各ノッチは、シート1の縁辺5から側壁16a,16bおよび16cへと延在することができる。フラップを形成するため、図2に示すように折り曲げ線7および4を用いて隅部片8を折り曲げた時、ノッチ20およびノッチ21の根元が実質的に合致してこれらノッチ20および21が相互に噛み合わすことができるように、ノッチ24および21が位置決めされる。
【0027】
本発明の第2の実施形態が図4に示され、折りたたみ式容器1'がその展開された平らな状態で示されている。容器1'は、材料からなるシート22を具えている。このシート22にはその本体に引かれた複数の折り曲げ線が与えられている。
【0028】
このシート22の形状は、ほぼ九角形である。この九角形は、6つの等しい長さの縁辺23と、これよりも短くしかも等しい長さの3つの縁辺24とを具えている。
【0029】
第1の折り曲げ線25は、それぞれ短尺縁辺24の第1の端26から、場合によってシート22上の分岐点27,27'または27"まで延在することができる。分岐点27a,27bおよび27cは相互に等距離にあり、容器の折り曲げによって分岐点の間の領域が容器の自立底を充分に形成するよう、位置決めされている。第2の折り曲げ線28は、それぞれ短尺縁辺24の第2の端30から、場合によって分岐点27a,27bまたは27cまで延在することができる。折り曲げ線27および28は、隅部の中間部33aを相互に画成する。本実施形態においては3つの隅部の中間部が与えられ、それぞれ概ね三角形の形状である。折り曲げ線はまた、3つの内側部33bと、外側部33cとを側壁34と共に画成する。
【0030】
形状が台形のタブ29は、各縁辺23から外側に延在し、隣接する短尺縁辺24の第2の端30に隣接している。タブ29には2つの湾曲した外側端31が与えられる。折り曲げ線32がタブ29の底を画成している。折り曲げ線32は、縁辺24と同じか、僅かに長さが短い。
【0031】
シート22を平らな状態から折り曲げ状態へと変えるため、中間部33aが(容器の内部に対して)外側を向くように、内側部33bが折り曲げ線28に沿って内側に折り曲げられる。外側部33bは外側に押されて折り曲げ線25に沿って折れ曲がる。これにより、図5に示すようにフラップ33a,33b,33cが形成される。フラップは、縁辺から2つの折り曲げ線25および28の分岐点27まで延在する。タブ29は内側部33bと一体である。
【0032】
フラップが形成されると、次にタブ29がフラップの中間部33aに折り曲げられる。タブ29,中間部33aおよび外側部33cの相互作用がフラップを支持すると共に隅部11'を折り曲げ位置に保持する。
【0033】
望むのであれば、分岐点27a, 27bおよび27cの間に折り曲げ線を与え、これらの間の底40を平らにすることができる。
【0034】
本発明の第3実施形態が図6に示され、折りたたみ式容器はその展開された平らな状態で示されている。この容器は、材料からなる1枚のシート800を具えている。このシート800にはその本体に引かれた複数の折り曲げ線が与えられている。
【0035】
シート800は、八角形の形状である。このシート800は、それぞれ等しい長さの2つの長尺縁辺801と、同じく等しい長さの4つの短尺縁辺802と、4つの隅端部806とをそれぞれ具えている。
【0036】
シート800には、正方形の自立底804を画成する内側折り曲げ線803が与えられている。折り曲げ線805が自立底804の各隅部の分岐点806から延在している。各折り曲げ線805は、各隅端部806の分岐点807まで延在している。第2の折り曲げ線809は、底804の各隅部の分岐点806から延在している。第2の折り曲げ線809のそれぞれは、各短尺縁辺の分岐点まで延在している。
【0037】
折り曲げ線805および809は、隅部11''の中間部816を相互に画成する。本実施形態においては4つの中間部が与えられ、それぞれ概ね三角形の形状である。折り曲げ線805および809はまた、4つの側壁、つまり2つの小さな側壁814と、2つの大きな側壁818とを画成する。
【0038】
第3の折り曲げ線815は、縁辺802から隅部片816を横切って縁辺801にある分岐点まで延在している。これは、隅部片と隣接する側壁818の部分とにまたがるウイング817を画成する。
【0039】
第1の下向き傾斜の縁辺810は、各短尺縁辺802の第1の端811から2つの縁辺が交わる分岐点812まで延在している。2つのスロット813および813'は、分岐点812からそれぞれの側壁814へとV字形に延在している。
【0040】
シート800を平らな状態から折り曲げ状態へと変えるため、折り曲げ線805および809を使い、隅部片816のそれぞれが隣接する側壁814の外側に向けて折り曲げられ、隅部片816の外側面が隣接する側壁818の外側面と接してフラップ819を形成するようになっている。フラップ819は、側壁818へと延在する外側部820と、隅部片816によって形成される中間部823と、側壁814へと延在する内側部824とを有する。ウイング817は、中間部823および外側部820の両方に対して一体である。スロット813は内側片824と一体である。
【0041】
図7に示すようにフラップが形成された場合、下向き傾斜の縁辺810は、縁辺の深さが外側部823および中間部820の先端とほぼ完全に一致するように、中間部823の(縁辺802によって形成された)縁辺に変化を与える。従って、隅部片817を折り曲げ状態に維持するフックと折り曲げとの相互作用により、ウイング817は内側部824にてスロット813に係合することが可能である。
【0042】
本発明の第4実施形態が図8に示され、折りたたみ式容器がその展開された平らな状態で示されている。この容器は、材料からなるシート50を具えている。このシート50には、その本体に引かれた複数の折り曲げ線が与えられている。
【0043】
シート35は、ほぼ24角形の形状である。本実施形態において、24角形は、それぞれ等しい長さの4つの長尺縁辺51と、同じく等しい長さの20の短尺縁辺52,52',52'',52''',52''''とを具えている。
【0044】
シート50には自立底54を画成する内側折り曲げ線53が与えられている。本実施形態における自立底54は長方形である。自立底の他の選択肢として他の任意の適当な形状がある。
【0045】
折り曲げた場合、容器50は4つの複合隅部65を有する。それぞれの隅部は、上述の図4および図5を参照したものと同様な2つの隅部11a,11bを具えている。第1の折り曲げ線55は、自立底54の各隅部の分岐点56,56',56''および56'''から延在している。それぞれの折り曲げ線55は、各短尺縁辺52'の第1の端部56まで延在している。第2の折り曲げ線57は、長方形の底54の各隅部の分岐点56,56',56''および56'''から延在している。折り曲げ線57のそれぞれは、各短尺縁辺52'は、第2の端部58まで延在している。折り曲げ線55および57は第1の中間部63aを相互に画成する。
【0046】
第3の折り曲げ59線は、各隅部の分岐点56,56',56''および56'''から延在している。折り曲げ線59のそれぞれは、各短尺縁辺52''''の第1の端部61まで延在している。第4の折り曲げ線60は、各隅部の分岐点56,56',56''および56'''から各短尺縁辺の第2の端部62まで延在している。折り曲げ線59および60は、第2の中間部64aを相互に画成する。
【0047】
折り曲げ線59および57は、4つの複合隅部片65を相互に画成する。折り曲げ線55,64はまた、第1および第2の側壁66,67と共に内側部63b,64bをそれぞれ画成する。
【0048】
第1のタブ68が各縁辺52''から外側に延在している。縁辺52''は、タブ68の底の折り曲げ線として機能する。第2のタブ69は各縁辺52'''から外側に延在している。縁辺52'''は、タブ69の底の折り曲げ線として機能する。
【0049】
シート50を平らな状態から折り曲げ状態へと変えるため、図9aおよび図9bに示すように各中間部63a,64aの外側面が内側に折り曲げられる。それぞれのフラップ63,64が形成されると、タブ68,69は各中間部63a,64aに重ねて折り曲げられる。タブ68、69と中間部63a,64aおよび外側部63c,64cとの相互作用が隅部65を折り曲げ位置に保持する。
【0050】
本発明の第5実施形態が図10および図11に示され、折りたたみ式容器がその展開された平らな状態で示されている。この容器は材料からなるシート70を具えている。このシート70には、その本体に引かれた複数の折り曲げ線が与えられている。
【0051】
シート70には、自立底74を画成する内側折り曲げ線73が与えられている。本実施形態における自立底40は三角形である。自立底の他の選択肢として他の任意の適当な形状がある。
【0052】
折り曲げ線75は、自立底74の各隅部の分岐点76,76'および76''から延在している。それぞれの折り曲げ線75は、各短尺縁辺72の第1の端部76まで延在している。第2の折り曲げ線77は、三角形の底74の各隅部の分岐点76,76'および76''から延在している。第2の折り曲げ線77のそれぞれは、第1の下向き傾斜の縁辺80と第2の下向き傾斜の縁辺81との間の分岐点78まで延在している。第1の下向き傾斜の縁辺80は、各短尺縁辺72の第2の端部82から分岐点78まで延在している。第2の下向き傾斜の縁辺81は、各長尺縁辺71の第1の端83から分岐点78まで延在している。
【0053】
折り曲げ線75および77は、隅部片84を相互に画成する。本実施形態においては3つの隅部片が与えられ、それぞれ概ね三角形の形状である。折り曲げ線75および77はまた、3つの側壁85を画成する。
【0054】
フック90は、下向きのV字形切り欠きによって各側壁85に形成されている。V字形切り欠きは、2つの辺88および87を有する。第1の辺88は縁辺71まで延在している。第2の辺87は縁辺71からある距離で終わっている。フック90には、2つの節401および402を有するV字形折り曲げ線を具えたヒンジが与えられている。各節は、縁辺71から、V字形切り欠きの第2の辺87の先端と合致する分岐点403まで延在している。V字形折り曲げ線の第1の節401は、V字形切り欠きの第2の辺87とほぼ一直線状に並ぶ。V字形折り曲げ線の第2の節402は、第1の節401とほぼ直交している。フック90は好ましくはタブ700を有する。
【0055】
シート50を平らな状態から折り曲げ状態へと変えるため、隅部片84のそれぞれが折り曲げ線75および77を使って隣接する側壁85の外側に向けて折り曲げられ、フラップ330を形成するフック90の下で隅部片84の外側面が隣接する側壁85の外側面に接するようになっている。フラップ330は、側壁85へと延在する外側部331と、隅部片84によって形成される中間部332と、側壁85'へと延在する内側部333とを有する。フック90は内側部333と一体に形成されている。
【0056】
フラップを形成した場合、縁辺の深さがほぼV字形切り欠きの辺87の先端とほぼ合致するように、下向き傾斜の縁辺80および81が中間部332および外側部331の(縁辺70および71によって形成される)縁辺の負荷を軽減する。従って、フック90は、中間部332と外側部331との間のフラップ330に係合することが可能であり、フックと折り曲げとの相互作用が隅部片84を折り曲げ状態に保持する。
【0057】
前述の実施形態において、内側部および外側部の折り曲げを逆にすることによって一般的に入れ替え可能である。一方の部材(すなわちノッチ,タブまたはフック)がある一体化部品は、他方の部材がある部品を何れかの方向に噛み合わせるのに概ね役立つ。他方、(本発明の容器を有効に構成する)ポリプロピレンの弾性のため、いくつかの前述の構造は一方向にのみうまく機能し、容器の曲がり具合は隅部を相互に保持するための責めの一部となる。これは、例えば、フラップが中間部と外側部との間の隙間に向けてタブを内側に押し付けるのを助けるように、タブ29を(容器の中央から)外側に折り曲げる必要がある図4の実施形態に関して当てはまる。この分野の熟練者であれば、異なる要求に応じた構造を示すことができる。例えば、図1の実施形態におけるフラップ9を記載したように六角形状に折り曲げた場合、隣接する側壁の間に必然的に形成される隙間を塞ぐのにも役立つ。従ってタブは実質的に滑らかな縁辺をもたらす。
【0058】
容器を耐水材料で作った場合、液体を漏らさずに収容できることは明らかである。さらに、展開した場合に拭うことによってこれらを容易にきれいにすることができる。本発明は、主としてボウルを形成する場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態による容器を展開した平らな状態で示した平面図である。
【図2a】折り曲げ途中状態にある図1の容器の隅部を示している。
【図2b】折り曲げ状態にある図1の容器の隅部を示している。
【図3】本発明による容器の第2実施形態をその展開した平らな状態で示す平面図である。
【図4】本発明による容器の第3実施形態をその展開した平らな状態で示す平面図である。
【図5】折り曲げ途中の状態にある図4の容器の隅部を示している。
【図6】図4の容器の変形例の平面図を示している。
【図7】折り曲げ途中の状態にある図6の容器の隅部を示している。
【図8】複合隅部を有する図6の容器の変形例の平面図を示している。
【図9a】折り曲げ途中状態にある図8の容器の隅部を示している。
【図9b】折り曲げ状態にある図8の容器の隅部を示している。
【図10】本発明による別な容器を展開した平らな状態で示した平面図である。
【図11a】折り曲げ途中状態にある図10の容器の隅部を示している。
【図11b】折り曲げ状態にある図10の容器の隅部を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げ線を有する材料の単一シートから構成される上端が開いた容器であって、前記材料を前記折り曲げ線にて折り曲げることにより、前記シートを平らな状態から前記容器へと変えることができ、前記容器は底とこの底から延在して容器の縁辺を画成する複数の側壁とを具え、これらの側壁は、これらの各端部にて隅部によりつなげられ、隅部のそれぞれは前記縁辺から延在して前記底と分岐点にて交わる2本の折り曲げ線から形成されるフラップを構成し、このフラップは、1つの側壁へと延在する外側部と、隣接する側壁へと延在する内側部と、これら内側部および外側部の間の中間部と、前記内側部および外側部の一方にあって、前記フラップを折り曲げ状態に保持するように前記内側部および外側部の他方と噛み合う第1の一体構成部とを有することを特徴とする折りたたみ式容器。
【請求項2】
前記第1の一体構成部が前記隅部の内側部の縁辺にあるタグであり、このタグは前記隅部の前記中間部と外側部との間の空間に折り返されることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式容器。
【請求項3】
少なくとも2つの隅部が複合隅部を形成するように相互に隣接し合い、前記複合隅部の前記隣接する隅部の前記外側部が相互に隣接していることを特徴とする請求項2に記載の折りたたみ式容器。
【請求項4】
少なくとも3つの前記複合隅部があることを特徴とする請求項3に記載の折りたたみ式容器。
【請求項5】
前記第1の一体構成部が前記隅部の内側部および外側部の一方の縁辺にある第1のノッチであり、このノッチは、前記隅部の内側部および外側部の他方の縁辺にある第2のノッチを具えた第2の一体構成部と噛み合わされることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式容器。
【請求項6】
前記隅部の前記内側部および外側部の一方の縁辺がタブを有し、前記第1のノッチがこのタブと前記内側部および外側部の一方との間に画成され、当該ノッチは、前記内側部および外側部の一方と前記中間部との間の前記折り曲げ線に開口し、これが前記縁辺をつなぐことを特徴とする請求項5に記載の折りたたみ式容器。
【請求項7】
前記タブは、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、容器の縁辺の前記側壁の間の空間をほぼ塞ぐことを特徴とする請求項6に記載の折りたたみ式容器。
【請求項8】
ノッチのそれぞれが根元を有し、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、各ノッチの根元が合致していることを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の折りたたみ式容器。
【請求項9】
前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、前記第1および第2のノッチは一直線状に並んでいることを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の折りたたみ式容器。
【請求項10】
前記第1の一体構成部が前記隅部の内側部にあるフックであり、このフックは前記内側部の2本の辺を持ったV字形切り欠きにより形成され、前記中間部に最も近い第1の前記辺は前記縁辺まで延在し、前記中間部から最も遠い第2の前記辺は前記縁辺から所定距離で終わり、前記第2の辺は、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、前記中間部と外側部との間の折り曲げ線と一直線状に並び、前記外側部と中間部との間の折り曲げ線は、前記フラップがその折り曲げ位置にある場合、V字形切り欠きの前記第2の辺の先端とほぼ同じ深さまで前記縁辺から除去され、前記フックは、前記隅部の前記中間部と外側部との間の折り曲げ線と係合する際、前記フラップをその折り曲げ状態に保持するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式容器。
【請求項11】
前記外側部と中間部との間の前記折り曲げ線の前記除去は、その縁辺での前記折り曲げ線によって形成される前記隅部を除去することにより達成されることを特徴とする請求項10に記載の折りたたみ式容器。
【請求項12】
根元と2つ節とを持ったV字形折り曲げ線によって前記隅部の前記フックと内側部分との間にヒンジが形成され、前記根元は前記V字形切り欠きの第2の辺の先端と一致し、前記節が前記縁辺まで延在していることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の折りたたみ式容器。
【請求項13】
前記V字形折り曲げ線の一方の節は、前記V字形切り欠きの第2の辺と一直線状に並んでいることを特徴とする請求項12に記載の折りたたみ式容器。
【請求項14】
前記V字形折り曲げ線の他方の辺は、前記V形形切り欠きの第2の辺に対してほぼ直交していることを特徴とする請求項13に記載の折りたたみ式容器。
【請求項15】
前記第1の一体構成部は、前記外側部および中間部の両方に形成されたウイングであり、このウイングは前記中間部の縁辺から前記外側部の縁辺まで延在する折り曲げ線によって形成され、前記第2の一体構成部は前記内側部の縁辺にスロットを具え、前記内側部は、前記ウイングが折り曲げ状態にある場合、前記縁辺から前記外側部および中間部の先端とほぼ一致する深さまで除去され、前記スロットが前記ウイングと噛み合う際に前記フラップをその折り曲げ状態に保持するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ式容器。
【請求項16】
前記底と側壁との間に折り曲げ線が画成され、これら折り曲げ線は隣接する隅部の前記合流点の間に延在していることを特徴とする請求項1から請求項15の何れかに記載の折りたたみ式容器。
【請求項17】
前記材料からなるシートは、展開した平らな場合、ほぼ六角形状であることを特徴とする請求項1から請求項16の何れかに記載の折りたたみ式容器。
【請求項18】
前記材料からなるシートが耐水材料であることを特徴とする請求項1から請求項17の何れかに記載の折りたたみ式容器。
【請求項19】
前記材料からなるシートがプラスチック材料であることを特徴とする請求項18に記載の折りたたみ式容器。
【請求項20】
前記プラスチック材料がポリプロピレンであることを特徴とする請求項19に記載の折りたたみ式容器。
【請求項21】
ボウルの形態にあることを特徴とする請求項1から請求項20の何れかに記載の折りたたみ式容器。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【公表番号】特表2006−502922(P2006−502922A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544470(P2004−544470)
【出願日】平成15年10月13日(2003.10.13)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004468
【国際公開番号】WO2004/035397
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(504339491)
【Fターム(参考)】