各台計数システム及びその持ち遊技媒体管理方法
【課題】携帯会員を増加させることを課題とする。
【解決手段】遊技店の店内システムにおいて、遊技客が所持する携帯端末80から携帯Idmを取得し、取得した携帯Idm及び持ち玉をT/C70に通知するようにCRユニット10を構成し、通知された携帯Idmに対応付けて該持ち玉を後述する携帯持ち玉管理テーブル72bに登録するようにT/C70を構成した。これによって、遊技店内での携帯端末80の利便性を遊技客に訴えかけ、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させる。
【解決手段】遊技店の店内システムにおいて、遊技客が所持する携帯端末80から携帯Idmを取得し、取得した携帯Idm及び持ち玉をT/C70に通知するようにCRユニット10を構成し、通知された携帯Idmに対応付けて該持ち玉を後述する携帯持ち玉管理テーブル72bに登録するようにT/C70を構成した。これによって、遊技店内での携帯端末80の利便性を遊技客に訴えかけ、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システム及び持ち遊技媒体管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店では、該遊技店の会員を遊技客から募り、会員登録を希望した遊技客に対して会員カードを発行するとともに、この会員カードを利用した貯玉・貯メダルサービスを行っている。
【0003】
具体的には、遊技客が、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申込用紙を遊技店の係員に渡して会員登録を要求すると、遊技店の係員は、この遊技客の個人情報を上位装置に登録するとともに、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを会員に発行する。
【0004】
このようにして会員カードを取得した各会員は、特許文献1等に記載されるように、獲得したパチンコ玉やメダルを貯玉・貯メダルするとともに、この貯玉・貯メダルを後日再プレイしたり、景品に交換することができる。
【0005】
さらに、最近では、手軽な会員登録を促進する観点から、遊技客が所有する携帯電話やPHS等の携帯端末に内蔵されるICチップ固有の識別情報(ICチップ識別情報)を計数時に上位装置に登録させ、かかる携帯端末を会員カードの代わりに使用させる携帯会員システムが考えられている。
【0006】
一方、最近では、遊技店において遊技媒体の計数を行う計数システムについても変化しつつある。すなわち、従来においては、島端に計数機を設置して遊技媒体の計数を行う遊技店が大半であったが、島端への遊技媒体の運搬等を不要化する観点から、各遊技台で計数を行う各台計数システムを導入する遊技店も散見されつつある。
【0007】
例えば、特許文献2には、遊技結果として投出された賞遊技媒体を各遊技台に設置される計数部または台間機に接続される計数部で計数し、その計数結果を持ち遊技媒体として台間機内のカード等の記録媒体に関連付けておき、この持ち遊技媒体の範囲内で再貸出しを行う各台計数システムが開示されている。
【0008】
具体的には、遊技台の上皿および下皿における貯留容量を超えた遊技媒体を遊技台または台間機の下部に設けられた計数部に投入させてその投入遊技媒体を計数し、該計数結果を累積記憶しておき、遊技客が離席を意図してカード返却操作を行った場合に、累積記憶した計数遊技媒体数を台間機に接続される上位装置に通知するとともに、当該計数遊技媒体数を記録媒体に関連付ける。
【0009】
このような各台計数システムにおいては、記録媒体に従前から関連付けられていた有価価値に加えて、各台の計数部で計数された持ち遊技媒体が記録媒体に記録された識別情報に紐付けて台間機に通信接続される上位装置で管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−210818号公報
【特許文献2】特開2007−229112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、遊技店で携帯会員システム及び各台計数システムの両方を導入する場合には、そもそも島端の計数機が不要であることから景品カウンタ等の端末で携帯会員の登録を行う他なく、携帯会員の登録を行うためにカード会員と同様の登録処理を行う必要があるので、携帯会員の登録を行うインセンティブが低下することになり、携帯会員を増加させるにはおのずから限界があった。
【0012】
このため、各台間機で携帯会員の登録が行えるように携帯会員システムを構成することも考えられるが、その場合には、携帯会員に必要な登録手順のガイダンスを行う液晶ディスプレイ等の表示デバイスを台間機に搭載する必要がある。
【0013】
すなわち、携帯会員の登録には、携帯会員に加入するための要件とする情報、たとえば暗証番号や生年月日を含んだ属性情報を正しい手順で入力する必要があり、かかる入力をガイダンスなしで行うのは困難であるからである。
【0014】
これらのことから、遊技店で携帯会員システム及び各台計数システムの両方を導入する場合に、各台間機にガイダンス用の表示デバイスを搭載するなどのイニシャルコストなしに携帯会員の登録を行うインセンティブをいかにして向上させるかが重要な課題となっている。
【0015】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、携帯会員を増加させることができる各台計数システム及びその持ち遊技媒体管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る各台計数システムは、各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムであって、前記各台対応装置は、遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知手段とを備え、前記管理装置は、前記通知手段によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記持ち遊技媒体と景品の交換制御を行う景品管理装置をさらに備え、前記景品管理装置は、前記携帯端末識別情報に対応する持ち遊技媒体を前記管理装置に問い合わせる問合せ手段を備え、前記管理装置は、前記問合せ手段によって問い合わされた携帯端末識別情報が携帯会員として予め登録された遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記携帯会員の携帯端末識別情報ではないと判定された場合に、当該携帯端末識別情報を用いた交換制御を規制する交換規制手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記管理装置は、前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記持ち遊技媒体記憶手段から所定の仮預かり遊技媒体記憶手段に移行登録する持ち遊技媒体移行手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記管理装置は、遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を携帯会員の携帯端末識別情報として登録する携帯会員登録手段と、前記携帯会員登録手段によって登録された携帯端末識別情報及びそれに対応する仮預かり遊技媒体を前記仮預かり遊技媒体記憶手段から所定の貯遊技媒体記憶手段に移行登録する仮預かり遊技媒体移行手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記管理装置は、携帯会員の携帯端末識別情報に対応付けて貯遊技媒体及び会員情報を記憶する会員情報記憶手段と、前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体それぞれを前記携帯会員の携帯端末識別情報及び前記貯遊技媒体として前記会員情報記憶手段に移行登録する貯遊技媒体移行登録手段と、前記会員情報記憶手段によって携帯端末識別情報に対応付けて会員情報が記憶された貯遊技媒体を対象に、前記貯遊技媒体に関する問合せ応答及び/又は更新処理を実行する貯遊技媒体処理手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る各台計数システムに適用する持ち遊技媒体管理方法は、各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムに適用する持ち遊技媒体管理方法であって、前記各台対応装置が、遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知工程とを含み、前記管理装置が、前記通知工程によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録工程を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得し、取得した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を管理装置に通知するように各台対応装置を構成し、通知された携帯端末識別情報に対応付けて持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録するように管理装置を構成したので、遊技店内での携帯端末の利便性を遊技客に訴えかける結果、本会員や仮会員の形式を問わず、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させることができ、携帯会員を増加させることが可能になるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、携帯端末識別情報に対応する持ち遊技媒体を管理装置に問い合わせるように景品管理装置を構成し、問い合わされた携帯端末識別情報が携帯会員として予め登録された遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報であるか否かを判定し、携帯会員の携帯端末識別情報ではないと判定した場合に、当該携帯端末識別情報を用いた交換制御を規制するように管理装置を構成したので、持ち遊技媒体を確保して景品交換を行うとする遊技客に対して会員登録を促すことができ、遊技一連の流れの中で会員登録させる結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を持ち遊技媒体記憶手段から所定の仮預かり遊技媒体記憶手段に移行登録するように構成したので、有効期限内の携帯持ち遊技媒体として混同使用されることを防止することが可能になるという効果を奏する。さらに、たとえば仮預かり遊技媒体に紐付けられた携帯端末識別情報の会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり遊技媒体を貯遊技媒体として救済することを可能としたり、また、貯遊技媒体として救済しない場合でも翌営業日以降において有効期限が途過した携帯持ち遊技媒体であることを証拠明示したりすることができる。
【0025】
また、本発明によれば、遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を携帯会員の携帯端末識別情報として登録し、登録した携帯端末識別情報及びそれに対応する仮預かり遊技媒体を仮預かり遊技媒体記憶手段から所定の貯遊技媒体記憶手段に移行登録するように構成したので、仮預かり遊技媒体に紐付けられた携帯端末識別情報の会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり遊技媒体を貯遊技媒体として救済することができ、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に高めることが可能になるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、携帯会員の携帯端末識別情報に対応付けて貯遊技媒体及び会員情報を記憶する会員情報記憶手段に対し、持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体それぞれを携帯会員の携帯端末識別情報及び貯遊技媒体として移行登録し、携帯端末識別情報に対応付けて会員情報が記憶された貯遊技媒体を対象に、貯遊技媒体に関する問合せ応答及び/又は更新処理を実行するように構成したので、会員登録が事後的に行われた場合に有効期限切れの持ち遊技媒体を貯遊技媒体として救済することを可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成図である。
【図2】図2は、遊技店での携帯端末の利用形態の一例を説明するための説明図である。
【図3】図3は、実施例1に係るCRユニットの外観を示した正面図である。
【図4】図4は、実施例1に係るCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、実施例1に係るT/Cの構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、携帯持ち玉、仮預かり玉及び貯玉の相関関係を説明するための説明図である。
【図7】図7は、実施例1に係る景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は、実施例1に係る携帯持ち玉登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例1に係る携帯持ち玉問合せ処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施例1に係る交換規制処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施例2に係る会員登録システムの構成を示すシステム構成図である。
【図12】図12は、実施例2に係る3者間通信を説明するための説明図である。
【図13】図13は、会員登録画面の一例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る各台計数システム及びその持ち遊技媒体管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技を提供する各台計数システムに適用する場合について説明することとする。
【実施例1】
【0029】
まず、本実施例に係る各台計数システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成図である。
【0030】
同図に示すように、遊技店には、計数機能付きCRユニット10(以下、単にCRユニットと言う)と、パチンコ機20と、島コントローラ30と、会員登録端末40と、景品管理装置50と、景品払出機60と、T/C(ターミナル・コントローラ)70とが設けられている。
【0031】
CRユニット10は、遊技店内の各パチンコ機20に併設されるカード処理ユニットであり、本実施例では、パチンコ機20の下皿から投入されるパチンコ玉を計数する計数機能をさらに有する。
【0032】
具体的には、自装置が接続されたパチンコ機20で遊技者が獲得したパチンコ玉を計数した上で、カード返却時には、持ち玉返却等により電子データからパチンコ玉の現物に還元して消化された計数値を除き、その時点で残存している残存計数値を持ち玉として一般カードや会員カード等のカードに関連付け、持ち玉を関連付けたカードを発行(返却)する。なお、本実施例では、CRユニット10内の持ち玉を後述する携帯端末80に関連付けることも可能としているがその詳細は後述する。
【0033】
このCRユニット10は、従来と同様、現金を用いたり、一般カードや会員カード等のカードに価値付けられたプリペイド残額を用いた玉貸しも行う。従って、一般カードには、持ち玉とプリペイド残額の2つの遊技価値が関連付けられ、会員カードには、これら2つの遊技価値の他、貯玉がさらに関連付けられる。
【0034】
また、CRユニット10は、T/C70に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能も有する。具体的には、ユニット内部に受入中の会員カードに記録された会員IDまたは携帯端末80内蔵のICチップに記録された携帯Idmに対応する貯玉残高から、予め規定された再プレイ玉数を減算するようにT/C70に依頼し、T/C70によって再プレイ玉数の減算が完了された後にパチンコ機20に玉投出指示を行う。
【0035】
このように、CRユニット10は、獲得玉の計数を各遊技席で行うだけでなく、携帯端末80を用いた再プレイにも対応している。
【0036】
なお、本実施例では、携帯端末80に搭載されるFelica(登録商標)チップ等のICチップからIdmと呼ばれるICチップの製造番号を読み取り、このIdmを携帯会員の会員識別子として使用することとするが、携帯端末80の製造番号や電話番号等の他の情報を用いることとしてもかまわない。
【0037】
また、本実施例では、遊技客の携帯率から携帯電話やPHSなどの通信端末を携帯端末80として例示することとするが、クレジットカードや電子マネーカード等のカードにも同様に適用することができる。
【0038】
パチンコ機20は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、CRユニット10と接続されるいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
【0039】
島コントローラ30は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のCRユニット10及びパチンコ機20を束ねる中継装置である。
【0040】
会員登録端末40は、景品カウンタに配設される会員登録用の端末装置であり、遊技店会員への加入要件とする個人情報をT/C70に登録するためのものである。具体的には、氏名、電話番号やメールアドレスなどの個人に密接した詳細な個人情報をT/C70に登録することを加入要件とする本会員と、生年月日や暗証番号などの簡易な個人情報をT/C70に登録することを加入要件とする仮会員との個人情報の登録を行う。
【0041】
かかる会員の種類としては、大別して3種類の本会員、すなわち会員カードだけを店内使用できるカード会員、携帯端末だけを店内使用できる携帯会員及び会員カード及び携帯端末の両方を店内使用できるマルチ会員と、本会員よりも登録処理を簡略化にした仮会員とが存在する。
【0042】
本会員の登録を行う場合には、会員申込用紙への記入を通じて会員登録が要求されると、遊技店の係員は、イメージスキャナによる読取操作やキーボード操作を通じて会員申込用紙に記載の会員情報をデータ入力し、該データ入力した個人情報を登録するようにT/C70に依頼する。なお、この個人情報は、会員登録を申し込む遊技客自身に入力させることとしてもかまわない。
【0043】
このとき、カード会員への登録である場合には、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを会員に発行し、携帯会員への登録である場合には、会員IDとして代用する携帯端末80の携帯Idmをリーダライタで読み取り、また、マルチ会員への登録である場合には、会員カードを発行するとともに携帯端末80の携帯Idmを読み取り、会員ID及び/又は携帯Idmに対応する貯玉口座を開設するようにT/C70に依頼する。
【0044】
また、仮会員の登録を行う場合には、生年月日や暗証番号等の簡易な個人情報の入力を受け付け、会員IDとして代用する携帯端末80の携帯Idmをリーダライタで読み取り、携帯Idmに対応する貯玉口座を開設するようにT/C70に依頼する。なお、本実施例では、仮会員と本会員の間で貯玉利用等に際して特段の違いを設けないが、本会員の再プレイ手数料を仮会員に比べて優遇するなど差別化を図るようにしてもよい。
【0045】
景品管理装置50は、遊技店内の景品カウンタに配設された景品交換用の管理装置であり、後述する交換玉数管理テーブル55aを用いて持ち玉と景品の交換制御を行う。この交換玉数管理テーブル55aは、景品ごとにその景品との交換に要する交換玉数を対応付けて記憶している。
【0046】
具体的には、景品カウンタ内の従業員が、CRユニット10により発行された一般カードや会員カード等を遊技客から受け取ると、図示しないリーダライタへの読取操作を通じて持ち玉を取得するとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に相当する交換玉数を持ち玉数から減算する交換制御を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置50に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブル55aを参照して持ち玉数に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機60に指示する。
【0047】
また、景品管理装置50は、T/C70によって記憶管理される貯玉と引き換えに交換制御を行う貯玉交換機能も有する。具体的には、図示しないリーダライタによって会員カードから読み取られた会員IDまたは後述する携帯R/W53によって携帯端末80内蔵のICチップから読み取られた携帯Idmに対応する貯玉残高を持ち玉の代わりに用いて交換制御を実行する。
【0048】
T/C70は、一般カード、会員カード及び携帯端末80に関連付けられたプリペイド残額、持ち玉または貯玉などの価値を管理する管理装置である。具体的には、一般カードの識別情報(一般カードID)または会員IDに対応付けてプリペイド残額を記憶するプリペイド残額管理テーブル、一般カードIDまたは会員IDに対応付けて持ち玉を記憶する持ち玉管理テーブル、さらには、会員IDまたは携帯Idmに対応付けて貯玉を記憶する貯玉管理テーブルを記憶している。なお、T/C70は、上記のテーブル以外にも携帯Idmに対応付けて携帯持ち玉を記憶する携帯持ち玉管理テーブル等の他のテーブルを有するが、その詳細は後述する。
【0049】
このT/C70は、CRユニット10からプリペイド残額の加算依頼を受け付けた場合に、当該加算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応するプリペイド残額に挿入紙幣金額などの価値付け依頼金額を加算更新し、また、プリペイド残額の減算依頼を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応するプリペイド残額から玉貸しの貸出単位金額等の減算依頼金額を減算更新する。
【0050】
また、T/C70は、CRユニット10から持ち玉の加算依頼を受け付けた場合に、当該加算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応する持ち玉数に計数値などの加算依頼玉数を加算更新し、また、CRユニット10又は景品管理装置50から持ち玉の減算依頼(持ち玉返却依頼)を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応する持ち玉数から持ち玉返却の単位玉数もしくは交換対価等の減算依頼玉数を減算更新する。
【0051】
このように、本実施例では、プリペイド残額については、CRユニット10及びT/C70の間で常に同期を取りつつ最新のプリペイド残額を両者によって管理する一方で、持ち玉については、カード返却操作が行われるまでCRユニット10内で持ち玉データをローカルに管理し、カード返却時に持ち玉を一般カードIDまたは会員IDに対応付けてT/C70に通知することとするが、必ずしもカード返却時に限定して持ち玉の関連付けを行う必要はなく、持ち玉を更新するタイミングや所定の周期(例えば、1分間隔)等に合わせて随時行うこともできる。
【0052】
また、T/C70は、CRユニット10又は景品管理装置50から貯玉の減算依頼を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれる会員IDまたは携帯Idmに対応する貯玉残高から再プレイ玉数もしくは交換対価等の減算依頼玉数を減算更新する。
【0053】
さらに、T/C70では、会員である遊技客の持ち玉については遊技店が予め定めた所定のタイミング(例えば、閉店処理時や翌営業日の開店処理時など)で貯玉口座に自動的に移行する。具体的には、会員IDに対応付けて記憶される持ち玉を当該会員IDの貯玉残高に加算更新し、また、携帯端末80の携帯Idmに対応付けて記憶される持ち玉を当該携帯Idmの貯玉残高に加算更新する。これによって、遊技点が再プレイに手数料を課す運営を行っている場合でも、持ち玉の有効期限内は持ち玉として使用させ、持ち玉が日を跨ぎ無効になるタイミング以降には貯玉として使用させることとした。
【0054】
このように、図1に示す遊技店の店内システムには、遊技台それぞれに計数機能を有する各台対応装置(CRユニット)を配置し、各々の遊技席で獲得玉を計数させる各台計数の仕組みに、遊技客が保有する携帯端末80を会員カードとして使用させる携帯会員の仕組みが援用されている。
【0055】
ここで、本実施例では、上記の各種会員の中でもとりわけ携帯端末80を使用する会員(仮会員、携帯会員やマルチ会員)の加入を促進することを目的とし、遊技客が所持する携帯端末80から携帯Idmを取得し、取得した携帯Idm及び持ち玉をT/C70に通知するようにCRユニット10を構成し、通知された携帯Idmに対応付けて該持ち玉を後述する携帯持ち玉管理テーブル72bに登録するようにT/C70を構成した。
【0056】
すなわち、従来では、携帯会員システム及び各台計数システムの両方を導入する場合に、そもそも島端の計数機が不要であることから景品カウンタの会員登録端末40等でしか携帯会員の登録を行うことはできない。
【0057】
なぜなら、景品カウンタ以外の場所において遊技客が遊技一連の流れの中で携帯会員の会員登録を行うには各遊技席で行う他ないが、そのためには、各CRユニット10にガイダンス用の表示デバイスを搭載し、携帯会員に必要な登録手順をガイダンスする必要があり、イニシャルコストが増大してしまうからである。
【0058】
このため、上記の従来技術では、景品カウンタに配設される会員登録端末40で携帯会員の登録を行った遊技客しか遊技席で携帯端末80を使用することができない。したがって、遊技店内での携帯端末80の利便性が遊技客に伝わりにくく、携帯会員の登録を行うインセンティブも向上しない。
【0059】
そこで、本実施例では、各遊技席での携帯端末80の利用を促進すべく、CRユニット10及びT/C70で連携して、CRユニット10の持ち玉を携帯端末80に関連付けるように構成した。
【0060】
これを具体的に説明すると、CRユニット10では、図2に示すように、後述する持ち玉運搬ボタン111の押下操作を受け付けると(1)、携帯端末80の読取待機状態となり、携帯端末80を携帯R/W13に近接する操作を受け付け(2)、携帯端末80から携帯Idmを読み取り(3)、該読み取った携帯IdmとともにCRユニット10に保持される持ち玉(残存計数値)をT/C70に通知する(4)。
【0061】
一方、T/C70では、CRユニット10から受け付けた携帯Idm及び持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bに登録する(5)。なお、本実施例では、携帯端末80に対応付けて登録された持ち玉を「携帯持ち玉」とし、カードIDに対応付けて登録される持ち玉を「カード持ち玉」とし、持ち玉が電子データとして関連付けされる対象主体を区別して呼称することとする。また、CRユニット10に保持される持ち玉についても「ユニット持ち玉」と呼称することとする。
【0062】
その後、CRユニット10では、後述する持ち玉持込みボタン112の押下操作を受け付けると(一)、携帯端末80の読取待機状態となり、携帯端末80を携帯R/W13に近接する操作を受け付け(二)、携帯端末80から携帯Idmを読み取り(三)、該読み取った携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70から取得し(四)、該取得した携帯持ち玉をユニット持ち玉としてローカル管理する(五)。なお、このユニット持ち玉は、携帯端末80に再度関連付けることも可能であるし、ユニット内にスタックされる一般カードにカード持ち玉として関連付けることも可能である。
【0063】
このように、100番台のCRユニット10に保持されていた持ち玉を携帯端末80に携帯持ち玉として関連付けておけば、他のCRユニット10の携帯R/W13に対して携帯端末80を近接操作することで、移動先である200番台のCRユニット10に携帯持ち玉を電子的に運搬することができ、携帯端末80を用いて台移動を行うことが可能になる。
【0064】
したがって、本実施例によれば、遊技店内での携帯端末80の利便性を遊技客に訴えかけることができることから、本会員や仮会員の形式を問わず、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させることができ、携帯会員を増加させることが可能になる。
【0065】
さらに、本実施例では、CRユニット10間での携帯持ち玉の移動、すなわち台移動については無条件に許可する一方で、景品管理装置50での携帯持ち玉の使用には一定の条件を設け、会員登録端末40で当該携帯端末80の会員登録が行われた場合にだけ、携帯端末80に関連付けられた携帯持ち玉を景品管理装置50で使用可能に構成した。
【0066】
これを具体的に説明すると、図2に示すように、景品管理装置50では、後述する携帯R/W53に対する携帯端末80の近接操作を受け付けると(A)、携帯端末80から携帯Idmを読み取り(B)、該読み取った携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせる(C)。
【0067】
一方、この問合せを受け付けたT/C70では、問合せの携帯Idmが後述する会員管理テーブル72aに登録されているか否かによって携帯会員としての会員登録が行われているか否かを判定する(D)。
【0068】
このとき、会員登録が完了していた場合には、T/C70は、当該携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出し、該読み出した携帯持ち玉を景品管理装置50に返信する。
【0069】
また、会員登録が完了していない場合には、T/C70は、携帯Idmに対応する携帯持ち玉の返信を行わずに、景品管理装置50に対して交換規制指示を景品管理装置50に行う(E)。この交換規制指示を行った場合でも、その後に景品管理装置50で仮会員等の会員登録が行われた場合には、携帯持ち玉を用いた交換制御を許可し、携帯持ち玉を景品管理装置50に送信する。
【0070】
このように、本実施例では、携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせるように景品管理装置50を構成し、問い合わされた携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定し、携帯会員の携帯Idmではないと判定した場合に、当該携帯Idmを用いた交換制御を規制するようにT/C70を構成したので、持ち玉を確保して景品交換を行うとする遊技客に対して会員登録を促すことができ、遊技一連の流れの中で会員登録させる結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に向上させることが可能になる。
【0071】
なお、本実施例では、非会員である一般遊技客の会員登録に係るインセンティブを向上させる場合に好適に適用できるものであるが、携帯端末80に持ち玉を関連付ける思想は、既会員の携帯端末80への持ち玉の関連付けを妨げるものではなく、携帯端末80に持ち玉を関連付ける前から仮会員または携帯会員である場合には、携帯持ち玉での台移動や景品交換に規制がかかることはなく自由に使用できることは言うまでもない。
【0072】
続いて、本実施例に係るCRユニットの構成について説明する。なお、ここでは、CRユニットの外観構成について説明してから内部構成を説明することとする。
【0073】
図3は、実施例1に係るCRユニットの外観を示した正面図である。なお、この図3には、CRユニット10が併設されたパチンコ機20を破線で示している。
【0074】
図3に示すように、CRユニット10は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、本体正面の上部から順に、状態表示部101と、紙幣挿入部102と、リモコン受光部103と、7SEG表示部104と、操作ボタン群105と、持ち玉払出部106と、携帯R/W13と、カード挿入部107と、計数部108と、玉貯留部109とを有する。
【0075】
このうち、状態表示部101は、ユニットの異常時(例えば、紙幣詰まりやスタックカード不足)などに点灯するLEDであり、紙幣挿入部102は、玉貸しのための各種紙幣を受け付ける繰込み/繰出し機構である。
【0076】
この紙幣挿入部102の背面には、内部に受け入れた紙幣を識別するBVユニットを有しており、このBVユニット部では、紙幣の金種(例えば、千円、二千円、五千円及び一万円)を識別し、該識別した挿入紙幣の金種を後述する制御部15に出力する。なお、挿入紙幣が識別不能な紙幣または偽造紙幣である場合には紙幣を返却する。
【0077】
リモコン受光部103は、従業員が所持するリモコンが発光する赤外線を受光する受光センサであり、7SEG表示部104は、貯玉数やポイント数などをセグメント表示するLED群であり、操作ボタン群105は、暗証番号を入力するためのテンキーや再プレイ操作を受け付ける再プレイボタンなどの群であり、また、持ち玉払出部106は、持ち玉を払い出すノズルを備えた投出機構である。
【0078】
携帯R/W13は、携帯端末80内蔵のICチップに対する読取や書込を行うリーダライタであり、カード挿入部107は、一般カードや会員カード等のカード類の受付/返却を行う繰込み/繰出し機構である。
【0079】
この携帯R/W13の背面には、ユニット持ち玉を携帯持ち玉とする「持ち玉の運搬」を要求するための持ち玉運搬ボタン111と、携帯持ち玉をユニット持ち玉とする「持ち玉の持込み」を要求するための持ち玉持込みボタン112とが設けられている。
【0080】
また、カード挿入部107の背面には、一般カードや会員カード等のカードに記録された情報を読み取るカード処理部を有しており、このカード処理部では、カード挿入部107を介して挿入されたカードを受け付けてデータを読み取り、返却/収納する。
【0081】
カード処理部は、プリペイド残額及び持ち玉が関連付けられていない一般カードを予め複数枚収納しており、カード返却操作がなされるまでに現金投入によりプリペイド残額が発生したり、或いは遊技により持ち玉が発生していた際にはプリペイド残額または持ち玉が関連付けられた一般カードをカード挿入部107から排出(返却)する。
【0082】
計数部108は、獲得玉を計数するものであり、また、玉貯留部109は、獲得玉を貯留するものである。この玉貯留部109には、持ち玉数を表示する持ち玉表示部109aと、持ち玉の返却(払戻し)要求を受け付ける持玉返却ボタン109bとが付設されている。
【0083】
一方、パチンコ機20には、パチンコ遊技に使用するパチンコ玉を貯留する上皿210と、上皿210の許容容量を超えて溢れたパチンコ玉を貯留する下皿220とが設けられており、この上皿210には、一般カードのプリペイド残額等を表示する7SEG表示部211と、玉貸し要求を受け付ける玉貸しボタン212と、一般カードや会員カードの返却要求を受け付ける返却ボタン213とがさらに設けられている。
【0084】
なお、本実施例では、玉貸しボタン212及び返却ボタン213をパチンコ機20に設けることとしたが、必ずしもパチンコ機20側に設ける必要はなく、CRユニット10に設けることとしてもよい。
【0085】
パチンコ玉を借り受ける際には、遊技客がパチンコ機20側の玉貸しボタン212を押下操作すると、玉貸し操作信号がCRユニット10に転送されてCRユニット10側で玉貸し操作が受け付けられる。このとき、プリペイド残額が存在する場合には、CRユニット10からパチンコ機20に玉投出指示が行われて貸し玉が上皿210に投出されることになる。
【0086】
獲得玉を計数する際には、パチンコ機20の下皿220から獲得玉を玉貯留部109に投入すると、その投入玉が計数部108に誘導されて獲得玉の数量が計数される。そして、遊技者が持玉返却ボタン109bを押下すると、後述する記憶部14によって持ち玉14aとして記憶管理されているユニット持ち玉の範囲内であれば、持ち玉が持ち玉払出部106経由でパチンコ機20の上皿210に投出される。
【0087】
持ち玉を携帯端末80に関連付ける際には、遊技客が持ち玉運搬ボタン111を押下操作してから所定期間内に携帯端末80を携帯R/W13に近接操作した場合に、携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られ、該読み取られた携帯Idmとともにユニット持ち玉がT/C70に通知される。
【0088】
持ち玉をCRユニット10に持ち込む際には、遊技客が持ち玉持込みボタン112を押下操作してから所定期間内に携帯端末80を携帯R/W13に近接操作した場合に、携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られ、該読み取られた携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70から取得し、該取得した携帯持ち玉をユニット持ち玉としてローカル管理する。
【0089】
図4は、実施例1に係るCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のCRユニット10では、図示した機能部以外の機能部(例えば、表示部、パチンコ機20との通信インターフェース、カード処理部やビルバリユニットなど)を有するが、図4では、本実施例に係るCRユニット10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
【0090】
図4に示すように、このCRユニット10は、操作部11と、通信I/F部12と、携帯R/W13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0091】
操作部11は、図3に示した持ち玉運搬ボタン111及び持ち玉持込みボタン112をはじめとした各種ボタン群の総称である。
【0092】
通信I/F部12は、T/C70、島コントローラ30及び景品管理装置50などの他の装置の間で各種通信を行うためのインターフェースである。
【0093】
携帯R/W13は、ICカードとの間で通信を行ってICカード内の記録情報の読取および書込を行う装置である。具体的には、ICカード内のICチップに組み込まれたアンテナコイルに弱電波を送信すると、そのICチップではアンテナコイルにより発電が行われてデータ通信が可能となり、これにより記録情報(例えば、携帯Idmなど)を取得する。
【0094】
記憶部14は、制御部15による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえば遊技客が現時点で保有する残存持ち玉数を示す持ち玉14aを記憶する。
【0095】
制御部15は、CRユニット10を全体制御する制御部であり、プリペイド残額、持ち玉や貯玉を更新する機能部を基本機能として有する他、本実施例に特有な機能部として、持ち玉有無判定部15aと、携帯持ち玉登録依頼部15bと、携帯持ち玉問合せ部15cとを有する。
【0096】
持ち玉有無判定部15aは、記憶部14に記憶された持ち玉14aの有無を判定する処理部である。具体的には、ユニット持ち玉を携帯端末80に関連付けて携帯持ち玉とする場合には、ユニット持ち玉がゼロであれば処理自体を行う意味がなく、また、携帯持ち玉をユニット持ち玉としてCRユニット10に保持させる場合には、ユニット持ち玉がゼロよりも大きければ他の遊技客の持ち玉が存在している可能性が高く、これら以降の処理を行うのが好ましくない場合に中止するためにユニット持ち玉の有無を判定している。
【0097】
携帯持ち玉登録依頼部15bは、T/C70に対してユニット持ち玉を携帯持ち玉として登録するように依頼する処理部である。具体的には、持ち玉運搬ボタン111が押下操作された後に携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られた場合であって、持ち玉有無判定部15aによってユニット持ち玉が存在すると判定された場合に、当該携帯Idmとともに記憶部14に記憶された持ち玉14aをT/C70に通知する。その結果、T/C70によって携帯Idm及び持ち玉の登録が行われた場合には、ユニット持ち玉と携帯持ち玉の2つが併存することを防止するために、記憶部14内の持ち玉14aをゼロクリアする。
【0098】
携帯持ち玉問合せ部15cは、T/C70に対して携帯端末80に関連付けられた携帯持ち玉を問い合わせる処理部である。具体的には、持ち玉持込みボタン112が押下操作された後に携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られた場合であって、持ち玉有無判定部15aによってユニット持ち玉が存在しないと判定された場合に、当該携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせ、問合せ結果として得られた携帯持ち玉を記憶部14内の持ち玉14aに登録する。
【0099】
次に、本実施例に係るT/C70の構成について説明する。図5は、実施例1に係るT/Cの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このT/C70は、CRユニット10及び景品管理装置50などの他の装置との通信を行うためのインターフェースである通信制御I/F部71と、記憶部72と、制御部73とを有する。
【0100】
記憶部72は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、プリペイド残額を管理するテーブル、カード持ち玉を管理するテーブルの他、例えば、会員情報を管理する会員管理テーブル72aと、携帯持ち玉を管理する携帯持ち玉管理テーブル72bと、仮預かり玉を管理する仮預かり玉管理テーブル72cと、貯玉を管理する貯玉管理テーブル72dとを併せて記憶する。
【0101】
会員管理テーブル72aは、会員ID及び/又は携帯Idmごとに本会員または仮会員の会員情報を記憶したテーブルである。ここで言う会員情報とは、本会員の場合には、氏名、電話番号やメールアドレスなどの個人に密接した詳細な個人情報を指し、また、仮会員の場合には、生年月日や暗証番号などの簡易な個人情報を指す。
【0102】
携帯持ち玉管理テーブル72bは、図6に示すように、携帯Idmごとに携帯持ち玉を記憶したテーブルである。この携帯持ち玉管理テーブル72bが携帯Idmに対応付けて持ち玉の数量を記憶管理することにより、携帯持ち玉は携帯端末80に関連付けられる。
【0103】
仮預かり玉管理テーブル72cは、図6に示すように、携帯Idmごとに仮預かり玉を記憶したテーブルである。かかる仮預かり玉とは、所定の有効期限(例えば、当日限り)を超えて無効となった携帯持ち玉を指す。すなわち、携帯持ち玉は、島端計数の場合における計数レシート玉と同様にその営業日当日に限って有効と定められたものであり、本来は営業日を跨いだ場合に無効とすべきものであるが、事後的に会員登録が行われた場合に貯玉として救済できるように携帯持ち玉とは別管理することとした。なお、本実施例では、携帯持ち玉の有効期限を営業日当日としたが、任意の営業日数を有効期限としてもよいし、期限ではなく持ち玉発生時から有効期間と起算するようにしてもよい。
【0104】
貯玉管理テーブル72dは、図6に示すように、会員ID及び/又は携帯Idmごとに貯玉を記憶したテーブルである。なお、カード会員の場合には、テーブル内の会員IDだけが登録される一方で携帯Idmがブランクとされ、携帯会員及び仮会員の場合には、テーブル内の携帯Idmだけが登録される一方で会員IDがブランクとされ、また、マルチ会員の場合には、会員ID及び携帯Idmの両方が登録されることとなる。
【0105】
制御部73は、T/C70を全体制御する制御部であり、会員登録部73aと、携帯会員判定部73bと、携帯持ち玉管理部73cと、携帯持ち玉移行部73dと、仮預かり玉移行部73eと、交換規制部73fとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、会員登録部73a、携帯会員判定部73b、携帯持ち玉管理部73c、携帯持ち玉移行部73d、仮預かり玉移行部73e及び交換規制部73fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0106】
会員登録部73aは、会員管理テーブル72aに会員情報を登録する処理部である。具体的には、会員登録端末40または景品管理装置50から会員登録依頼を受け付けた場合に、該会員登録依頼に含まれる会員ID及び/又は携帯Idm及び会員情報を対応付けて会員管理テーブル72aに登録する。なお、カード会員または携帯会員がマルチ会員登録を行う場合には、既に登録されている会員IDまたは携帯Idmのレコードに携帯Idmまたは会員IDを追加登録するだけでよい。
【0107】
携帯会員判定部73bは、店内機器から通知される携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定する処理部である。具体的には、CRユニット10または景品管理装置50などの店内機器から携帯Idmの問合せを受け付けるが、その問合せ元が景品管理装置50である場合に、非会員による携帯持ち玉を用いた景品交換を規制するために、問合せの携帯Idmが会員管理テーブル72aに登録されているか否かを判定する。
【0108】
携帯持ち玉管理部73cは、携帯持ち玉管理テーブル72bを用いて、携帯持ち玉の管理を行う処理部である。具体的には、CRユニット10からの携帯持ち玉の登録依頼や問合せ依頼、或いは景品管理装置50からの携帯持ち玉の問合せ依頼に応答し、携帯持ち玉の登録、返信や削除などの処理を行う。
【0109】
例えば、CRユニット10から携帯持ち玉の登録依頼を受け付けた場合に、携帯持ち玉管理部73cは、当該登録依頼に含まれる携帯Idmが既に携帯持ち玉管理テーブル72bに登録されていないことを条件に、携帯Idm及び持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bに登録する。
【0110】
ここで、登録依頼された携帯Idmが既登録のものである場合には、その携帯Idmの携帯端末80を所有する遊技客が既登録の携帯持ち玉と登録依頼元のユニット持ち玉の2つを保有していることが明らかであり、掛持ち遊技がなされている可能性が高いので、CRユニット10の状態表示部101、島端の報知ランプ、従業員のインカムや図示しないT/C70の表示部や音声出力部で遊技客が掛持ち遊技を行っている台番号や携帯Idmなどを報知することとしてもよい。
【0111】
また、CRユニット10から携帯持ち玉の問合せを受け付けた場合に、携帯持ち玉管理部73cは、当該問合せに含まれる携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元のCRユニット10に返信し、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除する。
【0112】
なお、本実施例では、携帯持ち玉管理テーブル72bの記憶容量を低減する観点から、T/C70で記憶管理される携帯持ち玉がCRユニット10で保持されてユニット持ち玉となった段階で、携帯持ち玉管理テーブル72bのレコード自体を削除することとしたが、携帯持ち玉の値をゼロクリアするのにとどめ、来店回数や遊技機種の嗜好分析等のモニタリングに利用してもかまわない。
【0113】
さらに、景品管理装置50から携帯Idmの問合せを受け付けた場合には、携帯持ち玉管理部73cは、携帯会員判定部73bによって問合せの携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであると判定された場合に、当該問合せに含まれる携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元の景品管理装置50に返信し、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除する。
【0114】
携帯持ち玉移行部73dは、携帯持ち玉を仮預かり玉に移行する処理部である。具体的には、図6に示すように、営業時間終了後または翌営業日開始時に、携帯持ち玉管理テーブル72bに記憶された携帯Idm及び携帯持ち玉を仮預かり玉管理テーブル72cに移行登録する。
【0115】
このように、有効期限が途過して無効とすべき携帯持ち玉を仮預かり玉として仮預かり玉管理テーブル72cに移行登録しておくことで、有効期限内の携帯持ち玉として混同使用されることを防止することとした。さらに、この移行登録により、仮預かり玉に紐付けられた携帯Idmの会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり玉を貯玉として救済することを可能としたり、また、貯玉として救済しない場合でも翌営業日以降において有効期限が途過した携帯持ち玉であることを証拠明示したりすることができる。
【0116】
仮預かり玉移行部73eは、仮預かり玉を貯玉に移行する処理部である。具体的には、図6に示すように、会員登録部73aによって会員登録が行われた携帯Idmが仮預かり玉管理テーブル72cに登録されている場合に、当該携帯Idm及び仮預かり玉を貯玉管理テーブル72dに移行登録する。
【0117】
図6の例では、携帯Idm「ABC」の携帯端末80を保有する遊技客が仮会員または携帯会員への登録を行い、また、携帯Idm「XYZ」の携帯端末80を保有する遊技客がマルチ会員への登録を行ったことを示している。なお、図示したように、会員登録部73aによって会員登録が行われた携帯Idmが携帯持ち玉管理テーブル72bに登録されている場合には、営業時間終了後または翌営業日開始時に当該携帯Idm及び携帯持ち玉を貯玉管理テーブル72dに移行登録することとしてもかまわない。また、営業時間内であっても、たとえばパチンコ玉の売り単価と買い単価が同一である場合には、会員登録時等の任意のタイミングで携帯Idm及び携帯持ち玉を貯玉管理テーブル72dに移行登録してもよい。
【0118】
このように、遊技客が所持する携帯端末80の携帯Idmを携帯会員の携帯Idmとして登録し、該登録した携帯Idm及びそれに対応する仮預かり玉を仮預かり玉管理テーブル72cから貯玉管理テーブル72dに移行登録することで、仮預かり玉に紐付けられた携帯Idmの会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり玉を貯玉として救済し、もって携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に高めることとした。
【0119】
交換規制部73fは、非会員による携帯持ち玉を用いた景品交換を規制する処理部である。具体的には、景品管理装置50から携帯Idmの問合せを受け付けた場合であって、携帯会員判定部73bによって問合せの携帯Idmが会員管理テーブル72aに登録されていないと判定された場合に、問合せ元の景品管理装置50に対して交換規制指示を行う。
【0120】
ここで、交換規制指示の送信後に景品管理装置50で会員登録が行われた場合には、交換規制部73fは、交換規制指示を解除して携帯持ち玉を用いた景品交換を許可し、問合せの携帯Idmに対応する携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元の景品管理装置50に返信し、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除する。
【0121】
次に、本実施例に係る景品管理装置の構成について説明する。図7は、実施例1に係る景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。なお、実際の景品管理装置50では、図示した機能部以外の機能部(例えば、一般カードや会員カードから記録情報を読み取るカード処理部など)を有するが、図7では、本実施例に係る景品管理装置50の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
【0122】
同図に示すように、景品管理装置50は、従業員用タッチパネル51aと、遊技客用タッチパネル51bと、通信I/F部52と、携帯R/W53と、印字部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。
【0123】
従業員用タッチパネル51aは、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスであり、例えば、一般カード、会員カード及び/又は携帯端末80の受付時には、カードまたは携帯端末80の読取数、総獲得玉(持ち玉)数、貯玉数や残数等の交換制御に関係する項目を含んだ交換画面の表示を行う。さらに、携帯端末80の受付時にT/C70から交換規制指示を受け付けた場合には、交換画面に併せて遊技客に会員登録を勧める会員勧誘指示画面や会員情報を入力するための会員登録画面等をポップアップ画面として表示する。
【0124】
遊技客用タッチパネル51bは、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な遊技客用デバイスであり、従業員用タッチパネル51aと同様の表示を行うことを基本とするが、両者の表示内容は必ずしも内容が同一である必要はなく、例えば、携帯端末80の読取時にT/C70から交換規制指示を受け付けた場合には、交換画面に併せて会員登録画面だけをポップアップ画面として表示するなど、交換業務を行う従業員に表示する画面よりも簡易な情報を表示させるようにしてもよい。
【0125】
通信I/F部52は、当該景品管理装置50と他の装置(例えば、CRユニット10、T/C70及び景品払出機60などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
【0126】
携帯R/W53は、ICカードとの間で通信を行ってICカード内の記録情報の読取および書込を行う装置である。具体的には、ICカード内のICチップに組み込まれたアンテナコイルに弱電波を送信すると、そのICチップではアンテナコイルにより発電が行われてデータ通信が可能となり、これにより記録情報(例えば、携帯Idmなど)を取得する。なお、ICカードだけでなく、携帯端末80も受け付け、携帯端末80のICチップから携帯Idmを読み取る。
【0127】
印字部54は、印刷データをレシートに印字処理する印字装置であり、例えば、景品管理装置50にて交換制御が行われた内容(例えば、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目)を印字して景品交換レシートとして発行したり、また、遊技店の営業終了後には、景品の入出庫管理(例えば、景品出庫による粗益管理)に係る情報を締上げ票として発行したりする。また、本実施例では、仮会員登録を行った場合等に、携帯端末80の紛失や機種変更等のトラブル時に本人確認を行うために仮会員特約や登録情報等を印字した会員登録レシートを印字発行することもできる。
【0128】
記憶部55は、制御部56による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、景品交換レシートや会員登録レシート等に印字するフォーマット及びその印字内容等の情報の他、景品との交換に要する交換玉数を管理する交換玉数管理テーブル55aとを記憶する。
【0129】
制御部56は、景品管理装置50を全体制御する制御部であり、携帯Idm問合せ部56aと、表示制御部56bと、交換制御部56cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、携帯Idm問合せ部56a、表示制御部56b及び交換制御部56cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0130】
携帯Idm問合せ部56aは、T/C70に対して携帯端末80の携帯Idmの関連付け情報を問い合わせる処理部である。具体的には、携帯R/W53によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られた場合に、当該携帯Idmの関連付け情報をT/C70に問い合わせ、問合せ結果として得られた携帯持ち玉や貯玉を交換制御部56cに受け渡す。
【0131】
表示制御部56bは、従業員用タッチパネル51a及び遊技客用タッチパネル51bの表示制御を行う処理部である。例えば、従業員用タッチパネル51aには、一般カード、会員カード及び/又は携帯端末80の読取数、総獲得玉数、持ち玉数、貯玉数や残数等の交換制御に関係する項目を含んだ交換画面を従業員用タッチパネル51a及び遊技客用タッチパネル51bに表示させる。
【0132】
携帯端末80の受付時に、表示制御部56bは、T/C70から交換規制指示を受け付けた場合には、会員勧誘指示画面及び会員登録画面等をポップアップ画面として従業員用タッチパネル51aに表示させる一方で、会員登録画面等をポップアップ画面として遊技客用タッチパネル51bに表示させる。
【0133】
交換制御部56cは、交換玉数管理テーブル55aを用いて持ち玉(獲得玉)と景品の交換制御を行う処理部である。具体的には、携帯Idm問合せ部56aによって問合せ結果として取得された持ち玉数及び/又は貯玉数を総獲得玉数とし、その総獲得玉の残数が最小交換可能玉数(本例では、景品に交換することができる最小の玉数を指す)未満になるまでは、遊技店の従業員から遊技客指定の景品に対応する交換ボタンの押下操作を受け付け、当該景品に相当する交換玉数を持ち玉数から減算する交換制御を行い、持ち玉数が最小交換可能玉数未満になった場合には、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目が印字された景品交換レシートを発行するように印字部54に指示する。
【0134】
次に、本実施例に係る各台計数システムの処理の流れについて詳細に説明する。なお、ここでは、CRユニット10によって行われる(1)携帯持ち玉登録処理を説明してから(2)携帯持ち玉問合せ処理を説明し、その後にT/C10によって行われる(3)交換規制処理を説明する。
【0135】
(1)携帯持ち玉登録処理
前述したように、ここでは、本実施例に係る携帯持ち玉登録処理について説明する。図8は、実施例1に係る携帯持ち玉登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0136】
同図に示すように、持ち玉運搬ボタン111が押下操作されると(ステップS101)、携帯R/W13は、携帯端末80の近接操作を受け付け(ステップS102)、該近接操作を受け付けた携帯端末80から携帯Idmを読み取る(ステップS103)。なお、持ち玉運搬ボタン111の押下操作と携帯端末80の近接操作を行う人物が同一人物であることを担保するために、押下操作及び近接操作の間隔が所定期間(例えば、5秒など)以上を過ぎるとそれ以降の処理を中止するようにしてもよい。
【0137】
続いて、持ち玉有無判定部15aは、記憶部14に記憶された持ち玉(ユニット持ち玉)14aの有無を判定し(ステップS104)、その結果、ユニット持ち玉が存在しない場合(ステップS104否定)には、ユニット持ち玉がゼロであれば処理自体を行う意味がないので、そのまま処理を終了する。
【0138】
ここで、ユニット持ち玉が存在する場合(ステップS104肯定)には、携帯持ち玉登録依頼部15bは、携帯R/W13によって読み取られた携帯Idmとともに記憶部14に記憶された持ち玉14aをT/C70に送信する(ステップS105)。
【0139】
一方、T/C70の携帯持ち玉管理部73cは、CRユニット10から携帯Idm及び持ち玉を受信し(ステップS106)、これら携帯Idm及び持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bに登録し(ステップS107)、その登録結果(登録OK)をCRユニット10に返信する(ステップS108)。なお、受信した携帯Idmが既に携帯持ち玉管理テーブル72bに登録されていた場合には、登録NGが登録結果として返信される。
【0140】
そして、携帯持ち玉登録依頼部15bは、T/C70から登録結果を受信し(ステップS109)、その登録結果を7SEG表示部104等の所定の表示部に表示し(ステップS110)、処理を終了する。なお、登録結果が登録OKであった場合には、ユニット持ち玉と携帯持ち玉の2つが併存することを防止するために、記憶部14内の持ち玉14aをゼロクリアする。
【0141】
(2)携帯持ち玉問合せ処理
次に、本実施例に係る携帯持ち玉問合せ処理について説明する。図9は、実施例1に係る携帯持ち玉問合せ処理の手順を示すフローチャートである。
【0142】
同図に示すように、CRユニット10では、持ち玉持込みボタン112が押下操作されると(ステップS201)、携帯R/W13は、携帯端末80の近接操作を受け付け(ステップS202)、該近接操作を受け付けた携帯端末80から携帯Idmを読み取る(ステップS203)。
【0143】
続いて、持ち玉有無判定部15aは、記憶部14に記憶された持ち玉(ユニット持ち玉)14aの有無を判定し(ステップS204)、その結果、ユニット持ち玉が存在する場合(ステップS204否定)には、他の遊技客の持ち玉が存在している可能性が高いので、そのまま処理を終了する。
【0144】
そして、ユニット持ち玉が存在しない場合(ステップS204肯定)には、当該携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせ(ステップS205)、問合せ結果として得られた携帯持ち玉がゼロよりも大きいか否かを判定し(ステップS206)、携帯持ち玉数がゼロよりも大きければ(ステップS206肯定)、当該携帯持ち玉の数量を記憶部14内の持ち玉14aに登録し、CRユニット10でユニット持ち玉としてのローカル管理を開始し(ステップS207)、処理を終了する。以降、ユニット持ち玉を使った遊技が可能となる。
【0145】
(3)交換規制処理
次に、本実施例に係る交換規制処理について説明する。図10は、実施例1に係る交換規制処理の手順を示すフローチャートである。
【0146】
同図に示すように、景品管理装置50からの携帯Idmの問合せを受け付けると(ステップS301)、携帯会員判定部73bは、当該問合せに含まれる携帯Idmが会員管理テーブル72aに登録されているか否か、携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定する(ステップS302)。
【0147】
ここで、非携帯会員の携帯Idmであった場合(ステップS302肯定)には、交換規制部73fは、問合せ元の景品管理装置50に対して交換規制指示を行い(ステップS303)、景品管理装置50からの会員情報を含む会員登録依頼の受付待機状態となる(ステップS304)。
【0148】
この交換規制指示を受け付けた景品管理装置50では、表示制御部56bによって会員勧誘指示画面及び/又は会員登録画面が従業員用タッチパネル51a及び遊技客用タッチパネル51bに表示される。このとき、会員登録画面には、携帯R/W53によって読み取った携帯Idmを入力済みした状態で表示することとしてもよい。
【0149】
そして、景品管理装置50では、遊技客自身が遊技客用タッチパネル51bに表示された会員登録画面に会員情報を入力したり、また、従業員が遊技客から会員情報を聞き取ってその会員情報を従業員用タッチパネル51aに表示された会員登録画面に入力したりし、携帯会員または仮会員に必要な情報が入力された状態で会員登録画面をT/C70に送信することにより会員登録依頼が行われる。なお、この時、景品管理装置50での会員登録を仮会員のみに限定すれば景品カウンタの混雑を招くことなく、会員登録を実行することができる。
【0150】
また、ここでは、景品管理装置50で会員情報の登録を行わせることとしたが、必ずしも景品管理装置50で会員情報の登録を行わせる必要はなく、たとえば景品管理装置50またはT/C70のいずれかの装置の制御により、会員登録端末40で携帯Idmが入力された状態の会員登録画面を表示させ、会員登録端末40のマンマシンインタフェースを介して会員情報を入力させることで、景品カウンタの混雑を防止することもできる。
【0151】
図10の説明に戻り、景品管理装置50から会員登録依頼を受け付けた場合(ステップS304肯定)には、会員登録部73aは、当該会員登録依頼に含まれる会員情報を先に受け付けた携帯Idmに対応付けて会員管理テーブル72aに登録する(ステップS305)。
【0152】
そして、交換規制部73fは、交換規制指示を解除して携帯持ち玉を用いた景品交換を許可し(ステップS306)、問合せの携帯Idmに対応する携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元の景品管理装置50に返信し(ステップS307)、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除し(ステップS308)、処理を終了する。
【0153】
一方、景品管理装置50から会員登録依頼を受け付けずに交換制御が中断された場合(ステップS304否定)には、そのまま処理を終了する。
【0154】
なお、問合せを受け付けた携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであった場合(ステップS302否定)には、当該問合せに含まれる携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元のCRユニット10に返信し(ステップS307)、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除し(ステップS308)、終了する。
【0155】
このように、以前からの会員にも携帯端末80を用いた持ち玉サービスを提供しつつ、最終的に景品カウンタで景品交換を行うまでに会員登録を行えば、非携帯会員であっても携帯持ち玉の台移動ならびに携帯持ち玉の景品交換を行うことができる。
【0156】
上述してきたように、本実施例によれば、遊技客が所持する携帯端末80から携帯Idmを取得し、取得した携帯Idm及び持ち玉をT/C70に通知するようにCRユニット10を構成し、通知された携帯Idmに対応付けて該持ち玉を後述する携帯持ち玉管理テーブル72bに登録するようにT/C70を構成したので、遊技店内での携帯端末80の利便性を遊技客に訴えかける結果、本会員や仮会員の形式を問わず、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させることができ、携帯会員を増加させることが可能である。
【0157】
さらに、携帯会員の増加が促進すればするほど、遊技店で必要な一般カードの絶対数を低減し、最終的には一般カードとして店内使用する記録媒体自体を不要化することができる結果、遊技店の設備投資費用を低減することも可能である。
【0158】
また、本実施例によれば、携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせるように景品管理装置50を構成し、問い合わされた携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定し、携帯会員の携帯Idmではないと判定した場合に、当該携帯Idmを用いた交換制御を規制するようにT/C70を構成したので、持ち玉を確保して景品交換を行うとする遊技客に対して会員登録を促すことができ、遊技一連の流れの中で会員登録させる結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に向上させることが可能である。
【0159】
さらに、本実施例によれば、携帯持ち玉を用いた交換制御を規制するので、第三者が他人の携帯持ち玉を略取しても会員登録を行わねば景品交換できず、遊技店外に持ち出せなくなる結果、ユニット持ち玉の盗難のリスクを低減することも可能になる。
【0160】
また、本発明では、ユニット持ち玉が携帯持ち玉として略取された場合には、その不正者の携帯端末80を追跡することもできる。
【0161】
例えば、携帯持ち玉の登録依頼を行うCRユニット10の台番号の履歴を登録できるように、台番号の履歴を登録するフィールドを携帯持ち玉管理テーブル72bに設けた上で、携帯持ち玉管理テーブル72bに一度登録された携帯Idmは携帯持ち玉がゼロになっても削除せずに残すとともに、携帯持ち玉を登録する場合に登録依頼元のCRユニット10の台番号を登録するように携帯持ち玉管理部73cを構成する。
【0162】
その上で、ユニット持ち玉が略取されたCRユニット10の台番号さえ特定することができれば、当該台番号の入力を受け付け、該受け付けた台番号を履歴に含む携帯Idmを携帯持ち玉管理テーブル72bから検索することにより、不正者が携帯端末80の携帯Idmを特定するとともにその携帯端末80を用いて遊技を行った履歴(台番号の経路)を把握することができる。
【0163】
さらに、不正者の携帯端末80の携帯Idmのロック操作を受け付けた場合に、携帯Idmに対応する携帯持ち玉及び/又は貯玉の使用を禁止するフラグを記憶部72内の各種テーブルに立てておくことで、略取したユニット持ち玉の使用を禁止することができる。なお、不正が行われた台番号、不正携帯Idmまたは不正カードIDの入力操作は、従業員が所持するリモコン等の遠隔操作装置及びCRユニット10のリモコン受光部103を介してT/C70に入力することもできる。
【0164】
また、ユニット持ち玉を略取する際に、一般カードまたは会員カードにカード持ち玉として一旦関連付けてから、他のCRユニット10でカード持ち玉をユニット持ち玉として保持させ、さらに、そのユニット持ち玉を携帯持ち玉として携帯端末80に関連付ける不正も想定される。
【0165】
かかる場合には、カード持ち玉の登録依頼を行うCRユニット10の台番号の履歴を登録できるように、台番号の履歴を登録するフィールドをカード持ち玉管理テーブルに設けた上で、携帯持ち玉を登録する場合に登録依頼元のCRユニット10の台番号を登録するようにT/C70を構成する。
【0166】
これによって、不正な一般カードまたは不正会員カードのカードIDを特定することができ、さらに、そのカードIDが使用された最後の台番号でのユニット持ち玉の関連付け先も特定することができるので、各種カード類及び携帯端末80を組み合わせて略取を行った場合でも不正者を追跡することが可能である。
【0167】
なお、上記の実施例1では、T/C70が主体となって景品管理装置50の交換制御を規制することとしたが、T/C70では携帯持ち玉とともに非会員である旨を通知するにとどめ、景品管理装置50側で会員登録が行われるまで携帯端末80を用いた交換制御を規制することとしてもかまわない。
【0168】
また、上記の実施例1では、持ち玉運搬ボタン111の押下操作を契機として携帯持ち玉登録処理を行い、また、持ち玉持込みボタン112の押下操作を契機として携帯持ち玉問合せ処理を行うこととしたが、必ずしもボタン操作をトリガーとして処理を実行する必要はない。
【0169】
すなわち、携帯端末80の近接操作を契機に上記2つの処理を介することとしてもかまわない。例えば、持ち玉有無判定部15aによってユニット持ち玉が存在すると判定された場合には携帯持ち玉登録処理を行い、ユニット持ち玉が存在しないと判定された場合には携帯持ち玉問合せ処理を行えばよい。
【0170】
なお、上記の実施例1では、有効期限が途過した携帯持ち玉を仮預かり玉として移行登録する場合について説明したが、有効期限が途過した携帯持ち玉及びその携帯Idmを暫定的に貯玉として移行登録を行い、本会員または仮会員の登録に必要な会員情報が事後的に入力されることを条件に貯玉の使用(例えば、再プレイや景品交換等)を可能にするようにしてもかまわない。また、会員情報が登録されていなくとも(使用は不許可としても)貯玉の残高問合せについては許可することとしてもよい。
【実施例2】
【0171】
さて、上記の実施例1では、会員登録端末40または景品管理装置50等の店内機器で会員登録を行わせる場合について説明したが、会員登録はWebサーバ等の外部装置を用いて行うこともできる。そこで、実施例2では、携帯端末80、ICチップ及び携帯R/W13間の3者間通信を用いて、携帯端末80からWebサーバにアクセスさせ、インターネット上で会員登録を行わせる場合について説明する。
【0172】
図11は、実施例2に係る会員登録システムの構成を示すシステム構成図である。図11に示すように、この会員登録システムは、遊技客が所持する携帯端末80と、複数の遊技店A、B、C等の会員情報を統括管理する会員データセンタに配設されるWebサーバ90と、T/C70とを有する。
【0173】
また、会員登録システムにおいて携帯端末80とWebサーバ90の間は、インターネットを介して接続され、また、Webサーバ90と各遊技店のT/C70の間は、専用回線を介して接続される。
【0174】
ここで、携帯端末80とWebサーバ90のインターネット接続は、遊技店内の携帯R/W13または53に近接操作が行われた時に3者間通信を行って、Webサーバ90のホームページのURLにアクセスさせるブラウジング処理を携帯端末80に実行させる。
【0175】
例えば、CRユニット10からT/C70へ携帯持ち玉の登録依頼が行われたとした時には、T/C70は、登録依頼に含まれる携帯端末80の携帯Idmが会員管理テーブル72aに記憶された携帯会員の携帯Idmであるか否かを携帯会員判定部73bに判定させ、この結果、非携帯会員の携帯Idmであった場合に、携帯持ち玉管理部73cに携帯持ち玉の登録を行わせ、その登録結果の返信時に3者間通信の実行指示をCRユニット10に行う。
【0176】
この3者間通信の実行指示を受け付けたCRユニット10の携帯R/W13は、図12に示すように、Webサーバ90のホームページのURLにアクセスするブラウジング指示を携帯端末80のICチップ81を介してCPU82に送信する。このブラウジング指示に応答して、携帯端末80のCPU82は、ブラウザを起動してWebサーバ90のホームページのURLにアクセスし、Webサーバ90から受信した会員登録画面を表示部に表示させる。
【0177】
このように3者間通信を行うことにより、携帯端末80は、会員データセンタのホームページにアクセスして図13に示す会員登録画面を取得すると(1)、会員登録画面に存在する項目に関する会員情報の入力を受け付け(2)、入力を受け付けた会員情報をWebサーバ90に送信する(3)。
【0178】
例えば、図13に示す例では、遊技店Aの携帯会員を行う会員登録画面を示しており、携帯会員の要件とする(1)〜(5)の項目の会員情報が入力された状態でOKボタンが押下操作されると、入力された会員情報がWebサーバ90に送信される。なお、ここでは、携帯会員の登録を行う場合について説明したが、マルチ会員として登録させてもよいし、本会員よりも入力必須項目が少ない仮会員として登録させてもよい。
【0179】
一方、Webサーバ90は、携帯端末80から受信した会員情報を該当店舗(図13の例では遊技店A)の会員情報として図示しない店舗別会員管理テーブルに登録し(4)、店舗別会員管理テーブルによって店舗別ごとに記憶された会員情報を各遊技店のT/C70に配信する(5)。
【0180】
なお、かかる会員情報の配信頻度または配信契機は、任意に設定することができる。例えば、会員情報の登録が行われる度に登録が行われた遊技店のT/C70だけに該遊技店の会員情報を配信することとしてもよいし、遊技店の営業開始前または営業終了後に1日につき1度の頻度で店舗別会員管理テーブルに店舗別に記憶された会員情報を各遊技店のT/C70に一斉配信することとしてもかまわない。また、追加登録された会員情報だけを送信するか、或いは全会員の会員情報を送信するかなどのT/C70へのデータ送信内容についても任意に設定することができる。
【0181】
そして、T/C70では、Webサーバ90から受信した会員情報を会員管理テーブル72aに登録する(6)。例えば、追加登録された会員情報だけを受信した場合には、その会員情報を自店舗の会員管理テーブル72aに追加登録し、全会員の会員情報を受信した場合には、会員管理テーブル72aに記憶された情報すべてを上書き更新したり、会員管理テーブル72aに未登録の会員IDまたは携帯Idmを受信データから検索し、未登録の会員IDまたは携帯Idmを含む会員情報だけを追加登録することとしてもよい。
【0182】
上述してきたように、本実施例では、携帯端末80、ICチップ及び携帯R/W13間の3者間通信を用いて、携帯端末80からWebサーバ90へアクセスさせるように携帯R/W13または53を構成し、会員情報の入力を受け付け、該受け付けた会員情報をWebサーバ90に送信するように携帯端末80を構成し、携帯端末80から受け付けた会員情報をアクセス制御実行元のT/C70に配信するようにWebサーバ90を構成し、Webサーバ90から受信した会員情報を会員管理テーブル72aに登録するようにT/C70を構成した。
【0183】
したがって、本実施例によれば、遊技客が場所または時間の制約なく会員情報の登録を行うことができるため、携帯持ち玉を使い切って景品カウンタに赴かずに退店する遊技客にも手軽に会員登録を行わせることができ、会員登録に係る利便性が向上する結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを飛躍的に向上させることが可能である。
【0184】
また、上記の実施例1及び2では、非携帯会員による携帯持ち玉を用いた交換制御を規制することとしたが、携帯会員または非携帯会員を問わず無条件に携帯持ち玉を用いた交換制御を行わせることとしてもかまわない。
【0185】
また、本発明では、一方の携帯端末80から他方の携帯端末80に携帯持ち玉を移行させるようにT/C70を構成することもできる。
【0186】
すなわち、携帯端末80が携帯R/W13に近接操作されてから他の携帯端末80が携帯R/W13に近接操作された場合には、先に携帯端末の操作を行った遊技客が後に携帯端末の操作を行う遊技客の操作を許容しているので、両携帯端末を保有する遊技客同士が知り合いである可能性が高い。
【0187】
このような場合には、先に近接操作された携帯端末80のIdmに対応する持ち玉の一部または全部を後に近接操作された携帯端末80の携帯持ち玉に加算移行するようにT/C70を構成することで、遊技客同士の持ち玉共有に係る利便性を向上させることができる。また、移行する持ち玉数は、T/C70からCRユニット10に予め設定しておくこともできるし、操作部11を介して設定することもできる。
【0188】
なお、上記の実施例1及び2では、計数機能付きCRユニット10として、遊技媒体貸出機と各台対応装置を一体化して構成する場合について説明したが、2つのユニット(ダブルサンド)として、CRユニット10の機能を分散して構成することもできる。
【0189】
例えば、図14に示すように、プリペイド残額に関する機能を有するCRユニット200と、持ち玉に関する機能を有する計数ユニット300とに分散してCRユニット10の機能を実現することもできる。なお、図14では、図3と比較して同様の機能を発揮する部分については同一の符号を用いている。
【0190】
このCRユニット200では、現金をプリペイド残額としてプリペイドカードまたは会員カードに価値付けたり、プリペイドカードまたは会員カードに価値付けられたプリペイド残額を用いた玉貸しを行う。なお、玉貸し時には、CRユニット200がパチンコ機20に投出指示を送信し、投出指示を受け付けたパチンコ機20から貸し玉を投出する。
【0191】
また、計数ユニット300では、パチンコ機20の下皿から投入されるパチンコ玉を持ち玉として計数したり、持ち玉返却により持ち玉の一部を返却したり、その結果として残存する計数値(ユニット持ち玉)をカード持ち玉として持ち玉カードに関連付けたり、ユニット持ち玉を携帯持ち玉として携帯端末80に関連付けたりする。なお、持ち玉返却時には、持ち玉払出部106経由で持ち玉を投出する。
【0192】
なお、ダブルサンドとして構成した場合、CRユニット200では、プリペイド残額が関連付けられたプリペイドカードを発行(返却)する一方で、計数ユニット300では、カード持ち玉が関連付けられた持ち玉カードを発行するので、CRユニット200及び計数ユニット300には、カード挿入部とカード処理部がそれぞれ個別に必要となる。
【0193】
また、上記の実施例では、CRユニット10の内下部に計数部108を含んで構成する場合について説明したが、CRユニット10とは独立した計数装置(計数ユニット)として設けることもできる。例えば、パチンコ機20の下皿220の下部にある膳板上に計数装置を設けるタイプの各台計数システムにも本発明を同様に適用することができる。なお、この場合には、計数装置とCRユニット10は通信可能に接続される。
【0194】
また、上記の実施例1及び2では、T/C70でプリペイド残額、持ち玉及び貯玉を統合管理する場合について説明したが、必ずしも統合管理する必要はなく、プリペイド管理装置、持ち玉管理装置及び貯玉管理装置でプリペイド残額、持ち玉または貯玉を分散して管理させるようにしてもよい。
【0195】
また、上記の実施例1及び2では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0196】
以上のように、本発明に係る各台計数システム及びその持ち遊技媒体管理方法は、携帯会員を増加させる場合に適している。
【符号の説明】
【0197】
10 計数機能付きCRユニット
11 操作部
12 通信I/F部
13 携帯R/W
14 記憶部
15 制御部
15a 持ち玉有無判定部
15b 携帯持ち玉登録依頼部
15c 携帯持ち玉問合せ部
20 パチンコ機
30 島コントローラ
40 会員登録端末
50 景品管理装置
51a 従業員用タッチパネル
51b 遊技客用タッチパネル
52 通信I/F部
53 携帯R/W
54 印字部
55 記憶部
56 制御部
56a 携帯Idm問合せ部
56b 表示制御部
56c 交換制御部
60 景品払出機
70 T/C
71 通信制御I/F部
72 記憶部
72a 会員管理テーブル
72b 携帯持ち玉管理テーブル
72c 仮預かり玉管理テーブル
72d 貯玉管理テーブル
73 制御部
73a 会員登録部
73b 携帯会員判定部
73d 携帯持ち玉移行部
73e 仮預かり玉移行部
73f 交換規制部
80 携帯端末
90 Webサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システム及び持ち遊技媒体管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店では、該遊技店の会員を遊技客から募り、会員登録を希望した遊技客に対して会員カードを発行するとともに、この会員カードを利用した貯玉・貯メダルサービスを行っている。
【0003】
具体的には、遊技客が、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申込用紙を遊技店の係員に渡して会員登録を要求すると、遊技店の係員は、この遊技客の個人情報を上位装置に登録するとともに、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを会員に発行する。
【0004】
このようにして会員カードを取得した各会員は、特許文献1等に記載されるように、獲得したパチンコ玉やメダルを貯玉・貯メダルするとともに、この貯玉・貯メダルを後日再プレイしたり、景品に交換することができる。
【0005】
さらに、最近では、手軽な会員登録を促進する観点から、遊技客が所有する携帯電話やPHS等の携帯端末に内蔵されるICチップ固有の識別情報(ICチップ識別情報)を計数時に上位装置に登録させ、かかる携帯端末を会員カードの代わりに使用させる携帯会員システムが考えられている。
【0006】
一方、最近では、遊技店において遊技媒体の計数を行う計数システムについても変化しつつある。すなわち、従来においては、島端に計数機を設置して遊技媒体の計数を行う遊技店が大半であったが、島端への遊技媒体の運搬等を不要化する観点から、各遊技台で計数を行う各台計数システムを導入する遊技店も散見されつつある。
【0007】
例えば、特許文献2には、遊技結果として投出された賞遊技媒体を各遊技台に設置される計数部または台間機に接続される計数部で計数し、その計数結果を持ち遊技媒体として台間機内のカード等の記録媒体に関連付けておき、この持ち遊技媒体の範囲内で再貸出しを行う各台計数システムが開示されている。
【0008】
具体的には、遊技台の上皿および下皿における貯留容量を超えた遊技媒体を遊技台または台間機の下部に設けられた計数部に投入させてその投入遊技媒体を計数し、該計数結果を累積記憶しておき、遊技客が離席を意図してカード返却操作を行った場合に、累積記憶した計数遊技媒体数を台間機に接続される上位装置に通知するとともに、当該計数遊技媒体数を記録媒体に関連付ける。
【0009】
このような各台計数システムにおいては、記録媒体に従前から関連付けられていた有価価値に加えて、各台の計数部で計数された持ち遊技媒体が記録媒体に記録された識別情報に紐付けて台間機に通信接続される上位装置で管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−210818号公報
【特許文献2】特開2007−229112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、遊技店で携帯会員システム及び各台計数システムの両方を導入する場合には、そもそも島端の計数機が不要であることから景品カウンタ等の端末で携帯会員の登録を行う他なく、携帯会員の登録を行うためにカード会員と同様の登録処理を行う必要があるので、携帯会員の登録を行うインセンティブが低下することになり、携帯会員を増加させるにはおのずから限界があった。
【0012】
このため、各台間機で携帯会員の登録が行えるように携帯会員システムを構成することも考えられるが、その場合には、携帯会員に必要な登録手順のガイダンスを行う液晶ディスプレイ等の表示デバイスを台間機に搭載する必要がある。
【0013】
すなわち、携帯会員の登録には、携帯会員に加入するための要件とする情報、たとえば暗証番号や生年月日を含んだ属性情報を正しい手順で入力する必要があり、かかる入力をガイダンスなしで行うのは困難であるからである。
【0014】
これらのことから、遊技店で携帯会員システム及び各台計数システムの両方を導入する場合に、各台間機にガイダンス用の表示デバイスを搭載するなどのイニシャルコストなしに携帯会員の登録を行うインセンティブをいかにして向上させるかが重要な課題となっている。
【0015】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、携帯会員を増加させることができる各台計数システム及びその持ち遊技媒体管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る各台計数システムは、各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムであって、前記各台対応装置は、遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知手段とを備え、前記管理装置は、前記通知手段によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記持ち遊技媒体と景品の交換制御を行う景品管理装置をさらに備え、前記景品管理装置は、前記携帯端末識別情報に対応する持ち遊技媒体を前記管理装置に問い合わせる問合せ手段を備え、前記管理装置は、前記問合せ手段によって問い合わされた携帯端末識別情報が携帯会員として予め登録された遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記携帯会員の携帯端末識別情報ではないと判定された場合に、当該携帯端末識別情報を用いた交換制御を規制する交換規制手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記管理装置は、前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記持ち遊技媒体記憶手段から所定の仮預かり遊技媒体記憶手段に移行登録する持ち遊技媒体移行手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記管理装置は、遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を携帯会員の携帯端末識別情報として登録する携帯会員登録手段と、前記携帯会員登録手段によって登録された携帯端末識別情報及びそれに対応する仮預かり遊技媒体を前記仮預かり遊技媒体記憶手段から所定の貯遊技媒体記憶手段に移行登録する仮預かり遊技媒体移行手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る各台計数システムは、上記の発明において、前記管理装置は、携帯会員の携帯端末識別情報に対応付けて貯遊技媒体及び会員情報を記憶する会員情報記憶手段と、前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体それぞれを前記携帯会員の携帯端末識別情報及び前記貯遊技媒体として前記会員情報記憶手段に移行登録する貯遊技媒体移行登録手段と、前記会員情報記憶手段によって携帯端末識別情報に対応付けて会員情報が記憶された貯遊技媒体を対象に、前記貯遊技媒体に関する問合せ応答及び/又は更新処理を実行する貯遊技媒体処理手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る各台計数システムに適用する持ち遊技媒体管理方法は、各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムに適用する持ち遊技媒体管理方法であって、前記各台対応装置が、遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知工程とを含み、前記管理装置が、前記通知工程によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録工程を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得し、取得した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を管理装置に通知するように各台対応装置を構成し、通知された携帯端末識別情報に対応付けて持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録するように管理装置を構成したので、遊技店内での携帯端末の利便性を遊技客に訴えかける結果、本会員や仮会員の形式を問わず、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させることができ、携帯会員を増加させることが可能になるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、携帯端末識別情報に対応する持ち遊技媒体を管理装置に問い合わせるように景品管理装置を構成し、問い合わされた携帯端末識別情報が携帯会員として予め登録された遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報であるか否かを判定し、携帯会員の携帯端末識別情報ではないと判定した場合に、当該携帯端末識別情報を用いた交換制御を規制するように管理装置を構成したので、持ち遊技媒体を確保して景品交換を行うとする遊技客に対して会員登録を促すことができ、遊技一連の流れの中で会員登録させる結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を持ち遊技媒体記憶手段から所定の仮預かり遊技媒体記憶手段に移行登録するように構成したので、有効期限内の携帯持ち遊技媒体として混同使用されることを防止することが可能になるという効果を奏する。さらに、たとえば仮預かり遊技媒体に紐付けられた携帯端末識別情報の会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり遊技媒体を貯遊技媒体として救済することを可能としたり、また、貯遊技媒体として救済しない場合でも翌営業日以降において有効期限が途過した携帯持ち遊技媒体であることを証拠明示したりすることができる。
【0025】
また、本発明によれば、遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を携帯会員の携帯端末識別情報として登録し、登録した携帯端末識別情報及びそれに対応する仮預かり遊技媒体を仮預かり遊技媒体記憶手段から所定の貯遊技媒体記憶手段に移行登録するように構成したので、仮預かり遊技媒体に紐付けられた携帯端末識別情報の会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり遊技媒体を貯遊技媒体として救済することができ、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に高めることが可能になるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、携帯会員の携帯端末識別情報に対応付けて貯遊技媒体及び会員情報を記憶する会員情報記憶手段に対し、持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体それぞれを携帯会員の携帯端末識別情報及び貯遊技媒体として移行登録し、携帯端末識別情報に対応付けて会員情報が記憶された貯遊技媒体を対象に、貯遊技媒体に関する問合せ応答及び/又は更新処理を実行するように構成したので、会員登録が事後的に行われた場合に有効期限切れの持ち遊技媒体を貯遊技媒体として救済することを可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成図である。
【図2】図2は、遊技店での携帯端末の利用形態の一例を説明するための説明図である。
【図3】図3は、実施例1に係るCRユニットの外観を示した正面図である。
【図4】図4は、実施例1に係るCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、実施例1に係るT/Cの構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、携帯持ち玉、仮預かり玉及び貯玉の相関関係を説明するための説明図である。
【図7】図7は、実施例1に係る景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は、実施例1に係る携帯持ち玉登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例1に係る携帯持ち玉問合せ処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施例1に係る交換規制処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施例2に係る会員登録システムの構成を示すシステム構成図である。
【図12】図12は、実施例2に係る3者間通信を説明するための説明図である。
【図13】図13は、会員登録画面の一例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る各台計数システム及びその持ち遊技媒体管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技を提供する各台計数システムに適用する場合について説明することとする。
【実施例1】
【0029】
まず、本実施例に係る各台計数システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成図である。
【0030】
同図に示すように、遊技店には、計数機能付きCRユニット10(以下、単にCRユニットと言う)と、パチンコ機20と、島コントローラ30と、会員登録端末40と、景品管理装置50と、景品払出機60と、T/C(ターミナル・コントローラ)70とが設けられている。
【0031】
CRユニット10は、遊技店内の各パチンコ機20に併設されるカード処理ユニットであり、本実施例では、パチンコ機20の下皿から投入されるパチンコ玉を計数する計数機能をさらに有する。
【0032】
具体的には、自装置が接続されたパチンコ機20で遊技者が獲得したパチンコ玉を計数した上で、カード返却時には、持ち玉返却等により電子データからパチンコ玉の現物に還元して消化された計数値を除き、その時点で残存している残存計数値を持ち玉として一般カードや会員カード等のカードに関連付け、持ち玉を関連付けたカードを発行(返却)する。なお、本実施例では、CRユニット10内の持ち玉を後述する携帯端末80に関連付けることも可能としているがその詳細は後述する。
【0033】
このCRユニット10は、従来と同様、現金を用いたり、一般カードや会員カード等のカードに価値付けられたプリペイド残額を用いた玉貸しも行う。従って、一般カードには、持ち玉とプリペイド残額の2つの遊技価値が関連付けられ、会員カードには、これら2つの遊技価値の他、貯玉がさらに関連付けられる。
【0034】
また、CRユニット10は、T/C70に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能も有する。具体的には、ユニット内部に受入中の会員カードに記録された会員IDまたは携帯端末80内蔵のICチップに記録された携帯Idmに対応する貯玉残高から、予め規定された再プレイ玉数を減算するようにT/C70に依頼し、T/C70によって再プレイ玉数の減算が完了された後にパチンコ機20に玉投出指示を行う。
【0035】
このように、CRユニット10は、獲得玉の計数を各遊技席で行うだけでなく、携帯端末80を用いた再プレイにも対応している。
【0036】
なお、本実施例では、携帯端末80に搭載されるFelica(登録商標)チップ等のICチップからIdmと呼ばれるICチップの製造番号を読み取り、このIdmを携帯会員の会員識別子として使用することとするが、携帯端末80の製造番号や電話番号等の他の情報を用いることとしてもかまわない。
【0037】
また、本実施例では、遊技客の携帯率から携帯電話やPHSなどの通信端末を携帯端末80として例示することとするが、クレジットカードや電子マネーカード等のカードにも同様に適用することができる。
【0038】
パチンコ機20は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、CRユニット10と接続されるいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
【0039】
島コントローラ30は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のCRユニット10及びパチンコ機20を束ねる中継装置である。
【0040】
会員登録端末40は、景品カウンタに配設される会員登録用の端末装置であり、遊技店会員への加入要件とする個人情報をT/C70に登録するためのものである。具体的には、氏名、電話番号やメールアドレスなどの個人に密接した詳細な個人情報をT/C70に登録することを加入要件とする本会員と、生年月日や暗証番号などの簡易な個人情報をT/C70に登録することを加入要件とする仮会員との個人情報の登録を行う。
【0041】
かかる会員の種類としては、大別して3種類の本会員、すなわち会員カードだけを店内使用できるカード会員、携帯端末だけを店内使用できる携帯会員及び会員カード及び携帯端末の両方を店内使用できるマルチ会員と、本会員よりも登録処理を簡略化にした仮会員とが存在する。
【0042】
本会員の登録を行う場合には、会員申込用紙への記入を通じて会員登録が要求されると、遊技店の係員は、イメージスキャナによる読取操作やキーボード操作を通じて会員申込用紙に記載の会員情報をデータ入力し、該データ入力した個人情報を登録するようにT/C70に依頼する。なお、この個人情報は、会員登録を申し込む遊技客自身に入力させることとしてもかまわない。
【0043】
このとき、カード会員への登録である場合には、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを会員に発行し、携帯会員への登録である場合には、会員IDとして代用する携帯端末80の携帯Idmをリーダライタで読み取り、また、マルチ会員への登録である場合には、会員カードを発行するとともに携帯端末80の携帯Idmを読み取り、会員ID及び/又は携帯Idmに対応する貯玉口座を開設するようにT/C70に依頼する。
【0044】
また、仮会員の登録を行う場合には、生年月日や暗証番号等の簡易な個人情報の入力を受け付け、会員IDとして代用する携帯端末80の携帯Idmをリーダライタで読み取り、携帯Idmに対応する貯玉口座を開設するようにT/C70に依頼する。なお、本実施例では、仮会員と本会員の間で貯玉利用等に際して特段の違いを設けないが、本会員の再プレイ手数料を仮会員に比べて優遇するなど差別化を図るようにしてもよい。
【0045】
景品管理装置50は、遊技店内の景品カウンタに配設された景品交換用の管理装置であり、後述する交換玉数管理テーブル55aを用いて持ち玉と景品の交換制御を行う。この交換玉数管理テーブル55aは、景品ごとにその景品との交換に要する交換玉数を対応付けて記憶している。
【0046】
具体的には、景品カウンタ内の従業員が、CRユニット10により発行された一般カードや会員カード等を遊技客から受け取ると、図示しないリーダライタへの読取操作を通じて持ち玉を取得するとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に相当する交換玉数を持ち玉数から減算する交換制御を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置50に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブル55aを参照して持ち玉数に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機60に指示する。
【0047】
また、景品管理装置50は、T/C70によって記憶管理される貯玉と引き換えに交換制御を行う貯玉交換機能も有する。具体的には、図示しないリーダライタによって会員カードから読み取られた会員IDまたは後述する携帯R/W53によって携帯端末80内蔵のICチップから読み取られた携帯Idmに対応する貯玉残高を持ち玉の代わりに用いて交換制御を実行する。
【0048】
T/C70は、一般カード、会員カード及び携帯端末80に関連付けられたプリペイド残額、持ち玉または貯玉などの価値を管理する管理装置である。具体的には、一般カードの識別情報(一般カードID)または会員IDに対応付けてプリペイド残額を記憶するプリペイド残額管理テーブル、一般カードIDまたは会員IDに対応付けて持ち玉を記憶する持ち玉管理テーブル、さらには、会員IDまたは携帯Idmに対応付けて貯玉を記憶する貯玉管理テーブルを記憶している。なお、T/C70は、上記のテーブル以外にも携帯Idmに対応付けて携帯持ち玉を記憶する携帯持ち玉管理テーブル等の他のテーブルを有するが、その詳細は後述する。
【0049】
このT/C70は、CRユニット10からプリペイド残額の加算依頼を受け付けた場合に、当該加算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応するプリペイド残額に挿入紙幣金額などの価値付け依頼金額を加算更新し、また、プリペイド残額の減算依頼を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応するプリペイド残額から玉貸しの貸出単位金額等の減算依頼金額を減算更新する。
【0050】
また、T/C70は、CRユニット10から持ち玉の加算依頼を受け付けた場合に、当該加算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応する持ち玉数に計数値などの加算依頼玉数を加算更新し、また、CRユニット10又は景品管理装置50から持ち玉の減算依頼(持ち玉返却依頼)を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれる一般カードIDまたは会員IDに対応する持ち玉数から持ち玉返却の単位玉数もしくは交換対価等の減算依頼玉数を減算更新する。
【0051】
このように、本実施例では、プリペイド残額については、CRユニット10及びT/C70の間で常に同期を取りつつ最新のプリペイド残額を両者によって管理する一方で、持ち玉については、カード返却操作が行われるまでCRユニット10内で持ち玉データをローカルに管理し、カード返却時に持ち玉を一般カードIDまたは会員IDに対応付けてT/C70に通知することとするが、必ずしもカード返却時に限定して持ち玉の関連付けを行う必要はなく、持ち玉を更新するタイミングや所定の周期(例えば、1分間隔)等に合わせて随時行うこともできる。
【0052】
また、T/C70は、CRユニット10又は景品管理装置50から貯玉の減算依頼を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれる会員IDまたは携帯Idmに対応する貯玉残高から再プレイ玉数もしくは交換対価等の減算依頼玉数を減算更新する。
【0053】
さらに、T/C70では、会員である遊技客の持ち玉については遊技店が予め定めた所定のタイミング(例えば、閉店処理時や翌営業日の開店処理時など)で貯玉口座に自動的に移行する。具体的には、会員IDに対応付けて記憶される持ち玉を当該会員IDの貯玉残高に加算更新し、また、携帯端末80の携帯Idmに対応付けて記憶される持ち玉を当該携帯Idmの貯玉残高に加算更新する。これによって、遊技点が再プレイに手数料を課す運営を行っている場合でも、持ち玉の有効期限内は持ち玉として使用させ、持ち玉が日を跨ぎ無効になるタイミング以降には貯玉として使用させることとした。
【0054】
このように、図1に示す遊技店の店内システムには、遊技台それぞれに計数機能を有する各台対応装置(CRユニット)を配置し、各々の遊技席で獲得玉を計数させる各台計数の仕組みに、遊技客が保有する携帯端末80を会員カードとして使用させる携帯会員の仕組みが援用されている。
【0055】
ここで、本実施例では、上記の各種会員の中でもとりわけ携帯端末80を使用する会員(仮会員、携帯会員やマルチ会員)の加入を促進することを目的とし、遊技客が所持する携帯端末80から携帯Idmを取得し、取得した携帯Idm及び持ち玉をT/C70に通知するようにCRユニット10を構成し、通知された携帯Idmに対応付けて該持ち玉を後述する携帯持ち玉管理テーブル72bに登録するようにT/C70を構成した。
【0056】
すなわち、従来では、携帯会員システム及び各台計数システムの両方を導入する場合に、そもそも島端の計数機が不要であることから景品カウンタの会員登録端末40等でしか携帯会員の登録を行うことはできない。
【0057】
なぜなら、景品カウンタ以外の場所において遊技客が遊技一連の流れの中で携帯会員の会員登録を行うには各遊技席で行う他ないが、そのためには、各CRユニット10にガイダンス用の表示デバイスを搭載し、携帯会員に必要な登録手順をガイダンスする必要があり、イニシャルコストが増大してしまうからである。
【0058】
このため、上記の従来技術では、景品カウンタに配設される会員登録端末40で携帯会員の登録を行った遊技客しか遊技席で携帯端末80を使用することができない。したがって、遊技店内での携帯端末80の利便性が遊技客に伝わりにくく、携帯会員の登録を行うインセンティブも向上しない。
【0059】
そこで、本実施例では、各遊技席での携帯端末80の利用を促進すべく、CRユニット10及びT/C70で連携して、CRユニット10の持ち玉を携帯端末80に関連付けるように構成した。
【0060】
これを具体的に説明すると、CRユニット10では、図2に示すように、後述する持ち玉運搬ボタン111の押下操作を受け付けると(1)、携帯端末80の読取待機状態となり、携帯端末80を携帯R/W13に近接する操作を受け付け(2)、携帯端末80から携帯Idmを読み取り(3)、該読み取った携帯IdmとともにCRユニット10に保持される持ち玉(残存計数値)をT/C70に通知する(4)。
【0061】
一方、T/C70では、CRユニット10から受け付けた携帯Idm及び持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bに登録する(5)。なお、本実施例では、携帯端末80に対応付けて登録された持ち玉を「携帯持ち玉」とし、カードIDに対応付けて登録される持ち玉を「カード持ち玉」とし、持ち玉が電子データとして関連付けされる対象主体を区別して呼称することとする。また、CRユニット10に保持される持ち玉についても「ユニット持ち玉」と呼称することとする。
【0062】
その後、CRユニット10では、後述する持ち玉持込みボタン112の押下操作を受け付けると(一)、携帯端末80の読取待機状態となり、携帯端末80を携帯R/W13に近接する操作を受け付け(二)、携帯端末80から携帯Idmを読み取り(三)、該読み取った携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70から取得し(四)、該取得した携帯持ち玉をユニット持ち玉としてローカル管理する(五)。なお、このユニット持ち玉は、携帯端末80に再度関連付けることも可能であるし、ユニット内にスタックされる一般カードにカード持ち玉として関連付けることも可能である。
【0063】
このように、100番台のCRユニット10に保持されていた持ち玉を携帯端末80に携帯持ち玉として関連付けておけば、他のCRユニット10の携帯R/W13に対して携帯端末80を近接操作することで、移動先である200番台のCRユニット10に携帯持ち玉を電子的に運搬することができ、携帯端末80を用いて台移動を行うことが可能になる。
【0064】
したがって、本実施例によれば、遊技店内での携帯端末80の利便性を遊技客に訴えかけることができることから、本会員や仮会員の形式を問わず、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させることができ、携帯会員を増加させることが可能になる。
【0065】
さらに、本実施例では、CRユニット10間での携帯持ち玉の移動、すなわち台移動については無条件に許可する一方で、景品管理装置50での携帯持ち玉の使用には一定の条件を設け、会員登録端末40で当該携帯端末80の会員登録が行われた場合にだけ、携帯端末80に関連付けられた携帯持ち玉を景品管理装置50で使用可能に構成した。
【0066】
これを具体的に説明すると、図2に示すように、景品管理装置50では、後述する携帯R/W53に対する携帯端末80の近接操作を受け付けると(A)、携帯端末80から携帯Idmを読み取り(B)、該読み取った携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせる(C)。
【0067】
一方、この問合せを受け付けたT/C70では、問合せの携帯Idmが後述する会員管理テーブル72aに登録されているか否かによって携帯会員としての会員登録が行われているか否かを判定する(D)。
【0068】
このとき、会員登録が完了していた場合には、T/C70は、当該携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出し、該読み出した携帯持ち玉を景品管理装置50に返信する。
【0069】
また、会員登録が完了していない場合には、T/C70は、携帯Idmに対応する携帯持ち玉の返信を行わずに、景品管理装置50に対して交換規制指示を景品管理装置50に行う(E)。この交換規制指示を行った場合でも、その後に景品管理装置50で仮会員等の会員登録が行われた場合には、携帯持ち玉を用いた交換制御を許可し、携帯持ち玉を景品管理装置50に送信する。
【0070】
このように、本実施例では、携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせるように景品管理装置50を構成し、問い合わされた携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定し、携帯会員の携帯Idmではないと判定した場合に、当該携帯Idmを用いた交換制御を規制するようにT/C70を構成したので、持ち玉を確保して景品交換を行うとする遊技客に対して会員登録を促すことができ、遊技一連の流れの中で会員登録させる結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に向上させることが可能になる。
【0071】
なお、本実施例では、非会員である一般遊技客の会員登録に係るインセンティブを向上させる場合に好適に適用できるものであるが、携帯端末80に持ち玉を関連付ける思想は、既会員の携帯端末80への持ち玉の関連付けを妨げるものではなく、携帯端末80に持ち玉を関連付ける前から仮会員または携帯会員である場合には、携帯持ち玉での台移動や景品交換に規制がかかることはなく自由に使用できることは言うまでもない。
【0072】
続いて、本実施例に係るCRユニットの構成について説明する。なお、ここでは、CRユニットの外観構成について説明してから内部構成を説明することとする。
【0073】
図3は、実施例1に係るCRユニットの外観を示した正面図である。なお、この図3には、CRユニット10が併設されたパチンコ機20を破線で示している。
【0074】
図3に示すように、CRユニット10は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、本体正面の上部から順に、状態表示部101と、紙幣挿入部102と、リモコン受光部103と、7SEG表示部104と、操作ボタン群105と、持ち玉払出部106と、携帯R/W13と、カード挿入部107と、計数部108と、玉貯留部109とを有する。
【0075】
このうち、状態表示部101は、ユニットの異常時(例えば、紙幣詰まりやスタックカード不足)などに点灯するLEDであり、紙幣挿入部102は、玉貸しのための各種紙幣を受け付ける繰込み/繰出し機構である。
【0076】
この紙幣挿入部102の背面には、内部に受け入れた紙幣を識別するBVユニットを有しており、このBVユニット部では、紙幣の金種(例えば、千円、二千円、五千円及び一万円)を識別し、該識別した挿入紙幣の金種を後述する制御部15に出力する。なお、挿入紙幣が識別不能な紙幣または偽造紙幣である場合には紙幣を返却する。
【0077】
リモコン受光部103は、従業員が所持するリモコンが発光する赤外線を受光する受光センサであり、7SEG表示部104は、貯玉数やポイント数などをセグメント表示するLED群であり、操作ボタン群105は、暗証番号を入力するためのテンキーや再プレイ操作を受け付ける再プレイボタンなどの群であり、また、持ち玉払出部106は、持ち玉を払い出すノズルを備えた投出機構である。
【0078】
携帯R/W13は、携帯端末80内蔵のICチップに対する読取や書込を行うリーダライタであり、カード挿入部107は、一般カードや会員カード等のカード類の受付/返却を行う繰込み/繰出し機構である。
【0079】
この携帯R/W13の背面には、ユニット持ち玉を携帯持ち玉とする「持ち玉の運搬」を要求するための持ち玉運搬ボタン111と、携帯持ち玉をユニット持ち玉とする「持ち玉の持込み」を要求するための持ち玉持込みボタン112とが設けられている。
【0080】
また、カード挿入部107の背面には、一般カードや会員カード等のカードに記録された情報を読み取るカード処理部を有しており、このカード処理部では、カード挿入部107を介して挿入されたカードを受け付けてデータを読み取り、返却/収納する。
【0081】
カード処理部は、プリペイド残額及び持ち玉が関連付けられていない一般カードを予め複数枚収納しており、カード返却操作がなされるまでに現金投入によりプリペイド残額が発生したり、或いは遊技により持ち玉が発生していた際にはプリペイド残額または持ち玉が関連付けられた一般カードをカード挿入部107から排出(返却)する。
【0082】
計数部108は、獲得玉を計数するものであり、また、玉貯留部109は、獲得玉を貯留するものである。この玉貯留部109には、持ち玉数を表示する持ち玉表示部109aと、持ち玉の返却(払戻し)要求を受け付ける持玉返却ボタン109bとが付設されている。
【0083】
一方、パチンコ機20には、パチンコ遊技に使用するパチンコ玉を貯留する上皿210と、上皿210の許容容量を超えて溢れたパチンコ玉を貯留する下皿220とが設けられており、この上皿210には、一般カードのプリペイド残額等を表示する7SEG表示部211と、玉貸し要求を受け付ける玉貸しボタン212と、一般カードや会員カードの返却要求を受け付ける返却ボタン213とがさらに設けられている。
【0084】
なお、本実施例では、玉貸しボタン212及び返却ボタン213をパチンコ機20に設けることとしたが、必ずしもパチンコ機20側に設ける必要はなく、CRユニット10に設けることとしてもよい。
【0085】
パチンコ玉を借り受ける際には、遊技客がパチンコ機20側の玉貸しボタン212を押下操作すると、玉貸し操作信号がCRユニット10に転送されてCRユニット10側で玉貸し操作が受け付けられる。このとき、プリペイド残額が存在する場合には、CRユニット10からパチンコ機20に玉投出指示が行われて貸し玉が上皿210に投出されることになる。
【0086】
獲得玉を計数する際には、パチンコ機20の下皿220から獲得玉を玉貯留部109に投入すると、その投入玉が計数部108に誘導されて獲得玉の数量が計数される。そして、遊技者が持玉返却ボタン109bを押下すると、後述する記憶部14によって持ち玉14aとして記憶管理されているユニット持ち玉の範囲内であれば、持ち玉が持ち玉払出部106経由でパチンコ機20の上皿210に投出される。
【0087】
持ち玉を携帯端末80に関連付ける際には、遊技客が持ち玉運搬ボタン111を押下操作してから所定期間内に携帯端末80を携帯R/W13に近接操作した場合に、携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られ、該読み取られた携帯Idmとともにユニット持ち玉がT/C70に通知される。
【0088】
持ち玉をCRユニット10に持ち込む際には、遊技客が持ち玉持込みボタン112を押下操作してから所定期間内に携帯端末80を携帯R/W13に近接操作した場合に、携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られ、該読み取られた携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70から取得し、該取得した携帯持ち玉をユニット持ち玉としてローカル管理する。
【0089】
図4は、実施例1に係るCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のCRユニット10では、図示した機能部以外の機能部(例えば、表示部、パチンコ機20との通信インターフェース、カード処理部やビルバリユニットなど)を有するが、図4では、本実施例に係るCRユニット10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
【0090】
図4に示すように、このCRユニット10は、操作部11と、通信I/F部12と、携帯R/W13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0091】
操作部11は、図3に示した持ち玉運搬ボタン111及び持ち玉持込みボタン112をはじめとした各種ボタン群の総称である。
【0092】
通信I/F部12は、T/C70、島コントローラ30及び景品管理装置50などの他の装置の間で各種通信を行うためのインターフェースである。
【0093】
携帯R/W13は、ICカードとの間で通信を行ってICカード内の記録情報の読取および書込を行う装置である。具体的には、ICカード内のICチップに組み込まれたアンテナコイルに弱電波を送信すると、そのICチップではアンテナコイルにより発電が行われてデータ通信が可能となり、これにより記録情報(例えば、携帯Idmなど)を取得する。
【0094】
記憶部14は、制御部15による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、たとえば遊技客が現時点で保有する残存持ち玉数を示す持ち玉14aを記憶する。
【0095】
制御部15は、CRユニット10を全体制御する制御部であり、プリペイド残額、持ち玉や貯玉を更新する機能部を基本機能として有する他、本実施例に特有な機能部として、持ち玉有無判定部15aと、携帯持ち玉登録依頼部15bと、携帯持ち玉問合せ部15cとを有する。
【0096】
持ち玉有無判定部15aは、記憶部14に記憶された持ち玉14aの有無を判定する処理部である。具体的には、ユニット持ち玉を携帯端末80に関連付けて携帯持ち玉とする場合には、ユニット持ち玉がゼロであれば処理自体を行う意味がなく、また、携帯持ち玉をユニット持ち玉としてCRユニット10に保持させる場合には、ユニット持ち玉がゼロよりも大きければ他の遊技客の持ち玉が存在している可能性が高く、これら以降の処理を行うのが好ましくない場合に中止するためにユニット持ち玉の有無を判定している。
【0097】
携帯持ち玉登録依頼部15bは、T/C70に対してユニット持ち玉を携帯持ち玉として登録するように依頼する処理部である。具体的には、持ち玉運搬ボタン111が押下操作された後に携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られた場合であって、持ち玉有無判定部15aによってユニット持ち玉が存在すると判定された場合に、当該携帯Idmとともに記憶部14に記憶された持ち玉14aをT/C70に通知する。その結果、T/C70によって携帯Idm及び持ち玉の登録が行われた場合には、ユニット持ち玉と携帯持ち玉の2つが併存することを防止するために、記憶部14内の持ち玉14aをゼロクリアする。
【0098】
携帯持ち玉問合せ部15cは、T/C70に対して携帯端末80に関連付けられた携帯持ち玉を問い合わせる処理部である。具体的には、持ち玉持込みボタン112が押下操作された後に携帯R/W13によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られた場合であって、持ち玉有無判定部15aによってユニット持ち玉が存在しないと判定された場合に、当該携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせ、問合せ結果として得られた携帯持ち玉を記憶部14内の持ち玉14aに登録する。
【0099】
次に、本実施例に係るT/C70の構成について説明する。図5は、実施例1に係るT/Cの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このT/C70は、CRユニット10及び景品管理装置50などの他の装置との通信を行うためのインターフェースである通信制御I/F部71と、記憶部72と、制御部73とを有する。
【0100】
記憶部72は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、プリペイド残額を管理するテーブル、カード持ち玉を管理するテーブルの他、例えば、会員情報を管理する会員管理テーブル72aと、携帯持ち玉を管理する携帯持ち玉管理テーブル72bと、仮預かり玉を管理する仮預かり玉管理テーブル72cと、貯玉を管理する貯玉管理テーブル72dとを併せて記憶する。
【0101】
会員管理テーブル72aは、会員ID及び/又は携帯Idmごとに本会員または仮会員の会員情報を記憶したテーブルである。ここで言う会員情報とは、本会員の場合には、氏名、電話番号やメールアドレスなどの個人に密接した詳細な個人情報を指し、また、仮会員の場合には、生年月日や暗証番号などの簡易な個人情報を指す。
【0102】
携帯持ち玉管理テーブル72bは、図6に示すように、携帯Idmごとに携帯持ち玉を記憶したテーブルである。この携帯持ち玉管理テーブル72bが携帯Idmに対応付けて持ち玉の数量を記憶管理することにより、携帯持ち玉は携帯端末80に関連付けられる。
【0103】
仮預かり玉管理テーブル72cは、図6に示すように、携帯Idmごとに仮預かり玉を記憶したテーブルである。かかる仮預かり玉とは、所定の有効期限(例えば、当日限り)を超えて無効となった携帯持ち玉を指す。すなわち、携帯持ち玉は、島端計数の場合における計数レシート玉と同様にその営業日当日に限って有効と定められたものであり、本来は営業日を跨いだ場合に無効とすべきものであるが、事後的に会員登録が行われた場合に貯玉として救済できるように携帯持ち玉とは別管理することとした。なお、本実施例では、携帯持ち玉の有効期限を営業日当日としたが、任意の営業日数を有効期限としてもよいし、期限ではなく持ち玉発生時から有効期間と起算するようにしてもよい。
【0104】
貯玉管理テーブル72dは、図6に示すように、会員ID及び/又は携帯Idmごとに貯玉を記憶したテーブルである。なお、カード会員の場合には、テーブル内の会員IDだけが登録される一方で携帯Idmがブランクとされ、携帯会員及び仮会員の場合には、テーブル内の携帯Idmだけが登録される一方で会員IDがブランクとされ、また、マルチ会員の場合には、会員ID及び携帯Idmの両方が登録されることとなる。
【0105】
制御部73は、T/C70を全体制御する制御部であり、会員登録部73aと、携帯会員判定部73bと、携帯持ち玉管理部73cと、携帯持ち玉移行部73dと、仮預かり玉移行部73eと、交換規制部73fとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、会員登録部73a、携帯会員判定部73b、携帯持ち玉管理部73c、携帯持ち玉移行部73d、仮預かり玉移行部73e及び交換規制部73fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0106】
会員登録部73aは、会員管理テーブル72aに会員情報を登録する処理部である。具体的には、会員登録端末40または景品管理装置50から会員登録依頼を受け付けた場合に、該会員登録依頼に含まれる会員ID及び/又は携帯Idm及び会員情報を対応付けて会員管理テーブル72aに登録する。なお、カード会員または携帯会員がマルチ会員登録を行う場合には、既に登録されている会員IDまたは携帯Idmのレコードに携帯Idmまたは会員IDを追加登録するだけでよい。
【0107】
携帯会員判定部73bは、店内機器から通知される携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定する処理部である。具体的には、CRユニット10または景品管理装置50などの店内機器から携帯Idmの問合せを受け付けるが、その問合せ元が景品管理装置50である場合に、非会員による携帯持ち玉を用いた景品交換を規制するために、問合せの携帯Idmが会員管理テーブル72aに登録されているか否かを判定する。
【0108】
携帯持ち玉管理部73cは、携帯持ち玉管理テーブル72bを用いて、携帯持ち玉の管理を行う処理部である。具体的には、CRユニット10からの携帯持ち玉の登録依頼や問合せ依頼、或いは景品管理装置50からの携帯持ち玉の問合せ依頼に応答し、携帯持ち玉の登録、返信や削除などの処理を行う。
【0109】
例えば、CRユニット10から携帯持ち玉の登録依頼を受け付けた場合に、携帯持ち玉管理部73cは、当該登録依頼に含まれる携帯Idmが既に携帯持ち玉管理テーブル72bに登録されていないことを条件に、携帯Idm及び持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bに登録する。
【0110】
ここで、登録依頼された携帯Idmが既登録のものである場合には、その携帯Idmの携帯端末80を所有する遊技客が既登録の携帯持ち玉と登録依頼元のユニット持ち玉の2つを保有していることが明らかであり、掛持ち遊技がなされている可能性が高いので、CRユニット10の状態表示部101、島端の報知ランプ、従業員のインカムや図示しないT/C70の表示部や音声出力部で遊技客が掛持ち遊技を行っている台番号や携帯Idmなどを報知することとしてもよい。
【0111】
また、CRユニット10から携帯持ち玉の問合せを受け付けた場合に、携帯持ち玉管理部73cは、当該問合せに含まれる携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元のCRユニット10に返信し、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除する。
【0112】
なお、本実施例では、携帯持ち玉管理テーブル72bの記憶容量を低減する観点から、T/C70で記憶管理される携帯持ち玉がCRユニット10で保持されてユニット持ち玉となった段階で、携帯持ち玉管理テーブル72bのレコード自体を削除することとしたが、携帯持ち玉の値をゼロクリアするのにとどめ、来店回数や遊技機種の嗜好分析等のモニタリングに利用してもかまわない。
【0113】
さらに、景品管理装置50から携帯Idmの問合せを受け付けた場合には、携帯持ち玉管理部73cは、携帯会員判定部73bによって問合せの携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであると判定された場合に、当該問合せに含まれる携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元の景品管理装置50に返信し、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除する。
【0114】
携帯持ち玉移行部73dは、携帯持ち玉を仮預かり玉に移行する処理部である。具体的には、図6に示すように、営業時間終了後または翌営業日開始時に、携帯持ち玉管理テーブル72bに記憶された携帯Idm及び携帯持ち玉を仮預かり玉管理テーブル72cに移行登録する。
【0115】
このように、有効期限が途過して無効とすべき携帯持ち玉を仮預かり玉として仮預かり玉管理テーブル72cに移行登録しておくことで、有効期限内の携帯持ち玉として混同使用されることを防止することとした。さらに、この移行登録により、仮預かり玉に紐付けられた携帯Idmの会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり玉を貯玉として救済することを可能としたり、また、貯玉として救済しない場合でも翌営業日以降において有効期限が途過した携帯持ち玉であることを証拠明示したりすることができる。
【0116】
仮預かり玉移行部73eは、仮預かり玉を貯玉に移行する処理部である。具体的には、図6に示すように、会員登録部73aによって会員登録が行われた携帯Idmが仮預かり玉管理テーブル72cに登録されている場合に、当該携帯Idm及び仮預かり玉を貯玉管理テーブル72dに移行登録する。
【0117】
図6の例では、携帯Idm「ABC」の携帯端末80を保有する遊技客が仮会員または携帯会員への登録を行い、また、携帯Idm「XYZ」の携帯端末80を保有する遊技客がマルチ会員への登録を行ったことを示している。なお、図示したように、会員登録部73aによって会員登録が行われた携帯Idmが携帯持ち玉管理テーブル72bに登録されている場合には、営業時間終了後または翌営業日開始時に当該携帯Idm及び携帯持ち玉を貯玉管理テーブル72dに移行登録することとしてもかまわない。また、営業時間内であっても、たとえばパチンコ玉の売り単価と買い単価が同一である場合には、会員登録時等の任意のタイミングで携帯Idm及び携帯持ち玉を貯玉管理テーブル72dに移行登録してもよい。
【0118】
このように、遊技客が所持する携帯端末80の携帯Idmを携帯会員の携帯Idmとして登録し、該登録した携帯Idm及びそれに対応する仮預かり玉を仮預かり玉管理テーブル72cから貯玉管理テーブル72dに移行登録することで、仮預かり玉に紐付けられた携帯Idmの会員登録が事後的に行われた場合に仮預かり玉を貯玉として救済し、もって携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に高めることとした。
【0119】
交換規制部73fは、非会員による携帯持ち玉を用いた景品交換を規制する処理部である。具体的には、景品管理装置50から携帯Idmの問合せを受け付けた場合であって、携帯会員判定部73bによって問合せの携帯Idmが会員管理テーブル72aに登録されていないと判定された場合に、問合せ元の景品管理装置50に対して交換規制指示を行う。
【0120】
ここで、交換規制指示の送信後に景品管理装置50で会員登録が行われた場合には、交換規制部73fは、交換規制指示を解除して携帯持ち玉を用いた景品交換を許可し、問合せの携帯Idmに対応する携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元の景品管理装置50に返信し、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除する。
【0121】
次に、本実施例に係る景品管理装置の構成について説明する。図7は、実施例1に係る景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。なお、実際の景品管理装置50では、図示した機能部以外の機能部(例えば、一般カードや会員カードから記録情報を読み取るカード処理部など)を有するが、図7では、本実施例に係る景品管理装置50の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
【0122】
同図に示すように、景品管理装置50は、従業員用タッチパネル51aと、遊技客用タッチパネル51bと、通信I/F部52と、携帯R/W53と、印字部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。
【0123】
従業員用タッチパネル51aは、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスであり、例えば、一般カード、会員カード及び/又は携帯端末80の受付時には、カードまたは携帯端末80の読取数、総獲得玉(持ち玉)数、貯玉数や残数等の交換制御に関係する項目を含んだ交換画面の表示を行う。さらに、携帯端末80の受付時にT/C70から交換規制指示を受け付けた場合には、交換画面に併せて遊技客に会員登録を勧める会員勧誘指示画面や会員情報を入力するための会員登録画面等をポップアップ画面として表示する。
【0124】
遊技客用タッチパネル51bは、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な遊技客用デバイスであり、従業員用タッチパネル51aと同様の表示を行うことを基本とするが、両者の表示内容は必ずしも内容が同一である必要はなく、例えば、携帯端末80の読取時にT/C70から交換規制指示を受け付けた場合には、交換画面に併せて会員登録画面だけをポップアップ画面として表示するなど、交換業務を行う従業員に表示する画面よりも簡易な情報を表示させるようにしてもよい。
【0125】
通信I/F部52は、当該景品管理装置50と他の装置(例えば、CRユニット10、T/C70及び景品払出機60などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
【0126】
携帯R/W53は、ICカードとの間で通信を行ってICカード内の記録情報の読取および書込を行う装置である。具体的には、ICカード内のICチップに組み込まれたアンテナコイルに弱電波を送信すると、そのICチップではアンテナコイルにより発電が行われてデータ通信が可能となり、これにより記録情報(例えば、携帯Idmなど)を取得する。なお、ICカードだけでなく、携帯端末80も受け付け、携帯端末80のICチップから携帯Idmを読み取る。
【0127】
印字部54は、印刷データをレシートに印字処理する印字装置であり、例えば、景品管理装置50にて交換制御が行われた内容(例えば、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目)を印字して景品交換レシートとして発行したり、また、遊技店の営業終了後には、景品の入出庫管理(例えば、景品出庫による粗益管理)に係る情報を締上げ票として発行したりする。また、本実施例では、仮会員登録を行った場合等に、携帯端末80の紛失や機種変更等のトラブル時に本人確認を行うために仮会員特約や登録情報等を印字した会員登録レシートを印字発行することもできる。
【0128】
記憶部55は、制御部56による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、景品交換レシートや会員登録レシート等に印字するフォーマット及びその印字内容等の情報の他、景品との交換に要する交換玉数を管理する交換玉数管理テーブル55aとを記憶する。
【0129】
制御部56は、景品管理装置50を全体制御する制御部であり、携帯Idm問合せ部56aと、表示制御部56bと、交換制御部56cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、携帯Idm問合せ部56a、表示制御部56b及び交換制御部56cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0130】
携帯Idm問合せ部56aは、T/C70に対して携帯端末80の携帯Idmの関連付け情報を問い合わせる処理部である。具体的には、携帯R/W53によって携帯端末80から携帯Idmが読み取られた場合に、当該携帯Idmの関連付け情報をT/C70に問い合わせ、問合せ結果として得られた携帯持ち玉や貯玉を交換制御部56cに受け渡す。
【0131】
表示制御部56bは、従業員用タッチパネル51a及び遊技客用タッチパネル51bの表示制御を行う処理部である。例えば、従業員用タッチパネル51aには、一般カード、会員カード及び/又は携帯端末80の読取数、総獲得玉数、持ち玉数、貯玉数や残数等の交換制御に関係する項目を含んだ交換画面を従業員用タッチパネル51a及び遊技客用タッチパネル51bに表示させる。
【0132】
携帯端末80の受付時に、表示制御部56bは、T/C70から交換規制指示を受け付けた場合には、会員勧誘指示画面及び会員登録画面等をポップアップ画面として従業員用タッチパネル51aに表示させる一方で、会員登録画面等をポップアップ画面として遊技客用タッチパネル51bに表示させる。
【0133】
交換制御部56cは、交換玉数管理テーブル55aを用いて持ち玉(獲得玉)と景品の交換制御を行う処理部である。具体的には、携帯Idm問合せ部56aによって問合せ結果として取得された持ち玉数及び/又は貯玉数を総獲得玉数とし、その総獲得玉の残数が最小交換可能玉数(本例では、景品に交換することができる最小の玉数を指す)未満になるまでは、遊技店の従業員から遊技客指定の景品に対応する交換ボタンの押下操作を受け付け、当該景品に相当する交換玉数を持ち玉数から減算する交換制御を行い、持ち玉数が最小交換可能玉数未満になった場合には、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目が印字された景品交換レシートを発行するように印字部54に指示する。
【0134】
次に、本実施例に係る各台計数システムの処理の流れについて詳細に説明する。なお、ここでは、CRユニット10によって行われる(1)携帯持ち玉登録処理を説明してから(2)携帯持ち玉問合せ処理を説明し、その後にT/C10によって行われる(3)交換規制処理を説明する。
【0135】
(1)携帯持ち玉登録処理
前述したように、ここでは、本実施例に係る携帯持ち玉登録処理について説明する。図8は、実施例1に係る携帯持ち玉登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0136】
同図に示すように、持ち玉運搬ボタン111が押下操作されると(ステップS101)、携帯R/W13は、携帯端末80の近接操作を受け付け(ステップS102)、該近接操作を受け付けた携帯端末80から携帯Idmを読み取る(ステップS103)。なお、持ち玉運搬ボタン111の押下操作と携帯端末80の近接操作を行う人物が同一人物であることを担保するために、押下操作及び近接操作の間隔が所定期間(例えば、5秒など)以上を過ぎるとそれ以降の処理を中止するようにしてもよい。
【0137】
続いて、持ち玉有無判定部15aは、記憶部14に記憶された持ち玉(ユニット持ち玉)14aの有無を判定し(ステップS104)、その結果、ユニット持ち玉が存在しない場合(ステップS104否定)には、ユニット持ち玉がゼロであれば処理自体を行う意味がないので、そのまま処理を終了する。
【0138】
ここで、ユニット持ち玉が存在する場合(ステップS104肯定)には、携帯持ち玉登録依頼部15bは、携帯R/W13によって読み取られた携帯Idmとともに記憶部14に記憶された持ち玉14aをT/C70に送信する(ステップS105)。
【0139】
一方、T/C70の携帯持ち玉管理部73cは、CRユニット10から携帯Idm及び持ち玉を受信し(ステップS106)、これら携帯Idm及び持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bに登録し(ステップS107)、その登録結果(登録OK)をCRユニット10に返信する(ステップS108)。なお、受信した携帯Idmが既に携帯持ち玉管理テーブル72bに登録されていた場合には、登録NGが登録結果として返信される。
【0140】
そして、携帯持ち玉登録依頼部15bは、T/C70から登録結果を受信し(ステップS109)、その登録結果を7SEG表示部104等の所定の表示部に表示し(ステップS110)、処理を終了する。なお、登録結果が登録OKであった場合には、ユニット持ち玉と携帯持ち玉の2つが併存することを防止するために、記憶部14内の持ち玉14aをゼロクリアする。
【0141】
(2)携帯持ち玉問合せ処理
次に、本実施例に係る携帯持ち玉問合せ処理について説明する。図9は、実施例1に係る携帯持ち玉問合せ処理の手順を示すフローチャートである。
【0142】
同図に示すように、CRユニット10では、持ち玉持込みボタン112が押下操作されると(ステップS201)、携帯R/W13は、携帯端末80の近接操作を受け付け(ステップS202)、該近接操作を受け付けた携帯端末80から携帯Idmを読み取る(ステップS203)。
【0143】
続いて、持ち玉有無判定部15aは、記憶部14に記憶された持ち玉(ユニット持ち玉)14aの有無を判定し(ステップS204)、その結果、ユニット持ち玉が存在する場合(ステップS204否定)には、他の遊技客の持ち玉が存在している可能性が高いので、そのまま処理を終了する。
【0144】
そして、ユニット持ち玉が存在しない場合(ステップS204肯定)には、当該携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせ(ステップS205)、問合せ結果として得られた携帯持ち玉がゼロよりも大きいか否かを判定し(ステップS206)、携帯持ち玉数がゼロよりも大きければ(ステップS206肯定)、当該携帯持ち玉の数量を記憶部14内の持ち玉14aに登録し、CRユニット10でユニット持ち玉としてのローカル管理を開始し(ステップS207)、処理を終了する。以降、ユニット持ち玉を使った遊技が可能となる。
【0145】
(3)交換規制処理
次に、本実施例に係る交換規制処理について説明する。図10は、実施例1に係る交換規制処理の手順を示すフローチャートである。
【0146】
同図に示すように、景品管理装置50からの携帯Idmの問合せを受け付けると(ステップS301)、携帯会員判定部73bは、当該問合せに含まれる携帯Idmが会員管理テーブル72aに登録されているか否か、携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定する(ステップS302)。
【0147】
ここで、非携帯会員の携帯Idmであった場合(ステップS302肯定)には、交換規制部73fは、問合せ元の景品管理装置50に対して交換規制指示を行い(ステップS303)、景品管理装置50からの会員情報を含む会員登録依頼の受付待機状態となる(ステップS304)。
【0148】
この交換規制指示を受け付けた景品管理装置50では、表示制御部56bによって会員勧誘指示画面及び/又は会員登録画面が従業員用タッチパネル51a及び遊技客用タッチパネル51bに表示される。このとき、会員登録画面には、携帯R/W53によって読み取った携帯Idmを入力済みした状態で表示することとしてもよい。
【0149】
そして、景品管理装置50では、遊技客自身が遊技客用タッチパネル51bに表示された会員登録画面に会員情報を入力したり、また、従業員が遊技客から会員情報を聞き取ってその会員情報を従業員用タッチパネル51aに表示された会員登録画面に入力したりし、携帯会員または仮会員に必要な情報が入力された状態で会員登録画面をT/C70に送信することにより会員登録依頼が行われる。なお、この時、景品管理装置50での会員登録を仮会員のみに限定すれば景品カウンタの混雑を招くことなく、会員登録を実行することができる。
【0150】
また、ここでは、景品管理装置50で会員情報の登録を行わせることとしたが、必ずしも景品管理装置50で会員情報の登録を行わせる必要はなく、たとえば景品管理装置50またはT/C70のいずれかの装置の制御により、会員登録端末40で携帯Idmが入力された状態の会員登録画面を表示させ、会員登録端末40のマンマシンインタフェースを介して会員情報を入力させることで、景品カウンタの混雑を防止することもできる。
【0151】
図10の説明に戻り、景品管理装置50から会員登録依頼を受け付けた場合(ステップS304肯定)には、会員登録部73aは、当該会員登録依頼に含まれる会員情報を先に受け付けた携帯Idmに対応付けて会員管理テーブル72aに登録する(ステップS305)。
【0152】
そして、交換規制部73fは、交換規制指示を解除して携帯持ち玉を用いた景品交換を許可し(ステップS306)、問合せの携帯Idmに対応する携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元の景品管理装置50に返信し(ステップS307)、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除し(ステップS308)、処理を終了する。
【0153】
一方、景品管理装置50から会員登録依頼を受け付けずに交換制御が中断された場合(ステップS304否定)には、そのまま処理を終了する。
【0154】
なお、問合せを受け付けた携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであった場合(ステップS302否定)には、当該問合せに含まれる携帯Idmに対応する携帯持ち玉を携帯持ち玉管理テーブル72bから読み出してその携帯持ち玉を問合せ元のCRユニット10に返信し(ステップS307)、当該携帯Idm及び携帯持ち玉からなるレコードを携帯持ち玉管理テーブル72bから削除し(ステップS308)、終了する。
【0155】
このように、以前からの会員にも携帯端末80を用いた持ち玉サービスを提供しつつ、最終的に景品カウンタで景品交換を行うまでに会員登録を行えば、非携帯会員であっても携帯持ち玉の台移動ならびに携帯持ち玉の景品交換を行うことができる。
【0156】
上述してきたように、本実施例によれば、遊技客が所持する携帯端末80から携帯Idmを取得し、取得した携帯Idm及び持ち玉をT/C70に通知するようにCRユニット10を構成し、通知された携帯Idmに対応付けて該持ち玉を後述する携帯持ち玉管理テーブル72bに登録するようにT/C70を構成したので、遊技店内での携帯端末80の利便性を遊技客に訴えかける結果、本会員や仮会員の形式を問わず、携帯会員の登録を行うインセンティブを向上させることができ、携帯会員を増加させることが可能である。
【0157】
さらに、携帯会員の増加が促進すればするほど、遊技店で必要な一般カードの絶対数を低減し、最終的には一般カードとして店内使用する記録媒体自体を不要化することができる結果、遊技店の設備投資費用を低減することも可能である。
【0158】
また、本実施例によれば、携帯Idmに対応する携帯持ち玉をT/C70に問い合わせるように景品管理装置50を構成し、問い合わされた携帯Idmが携帯会員の携帯Idmであるか否かを判定し、携帯会員の携帯Idmではないと判定した場合に、当該携帯Idmを用いた交換制御を規制するようにT/C70を構成したので、持ち玉を確保して景品交換を行うとする遊技客に対して会員登録を促すことができ、遊技一連の流れの中で会員登録させる結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを効果的に向上させることが可能である。
【0159】
さらに、本実施例によれば、携帯持ち玉を用いた交換制御を規制するので、第三者が他人の携帯持ち玉を略取しても会員登録を行わねば景品交換できず、遊技店外に持ち出せなくなる結果、ユニット持ち玉の盗難のリスクを低減することも可能になる。
【0160】
また、本発明では、ユニット持ち玉が携帯持ち玉として略取された場合には、その不正者の携帯端末80を追跡することもできる。
【0161】
例えば、携帯持ち玉の登録依頼を行うCRユニット10の台番号の履歴を登録できるように、台番号の履歴を登録するフィールドを携帯持ち玉管理テーブル72bに設けた上で、携帯持ち玉管理テーブル72bに一度登録された携帯Idmは携帯持ち玉がゼロになっても削除せずに残すとともに、携帯持ち玉を登録する場合に登録依頼元のCRユニット10の台番号を登録するように携帯持ち玉管理部73cを構成する。
【0162】
その上で、ユニット持ち玉が略取されたCRユニット10の台番号さえ特定することができれば、当該台番号の入力を受け付け、該受け付けた台番号を履歴に含む携帯Idmを携帯持ち玉管理テーブル72bから検索することにより、不正者が携帯端末80の携帯Idmを特定するとともにその携帯端末80を用いて遊技を行った履歴(台番号の経路)を把握することができる。
【0163】
さらに、不正者の携帯端末80の携帯Idmのロック操作を受け付けた場合に、携帯Idmに対応する携帯持ち玉及び/又は貯玉の使用を禁止するフラグを記憶部72内の各種テーブルに立てておくことで、略取したユニット持ち玉の使用を禁止することができる。なお、不正が行われた台番号、不正携帯Idmまたは不正カードIDの入力操作は、従業員が所持するリモコン等の遠隔操作装置及びCRユニット10のリモコン受光部103を介してT/C70に入力することもできる。
【0164】
また、ユニット持ち玉を略取する際に、一般カードまたは会員カードにカード持ち玉として一旦関連付けてから、他のCRユニット10でカード持ち玉をユニット持ち玉として保持させ、さらに、そのユニット持ち玉を携帯持ち玉として携帯端末80に関連付ける不正も想定される。
【0165】
かかる場合には、カード持ち玉の登録依頼を行うCRユニット10の台番号の履歴を登録できるように、台番号の履歴を登録するフィールドをカード持ち玉管理テーブルに設けた上で、携帯持ち玉を登録する場合に登録依頼元のCRユニット10の台番号を登録するようにT/C70を構成する。
【0166】
これによって、不正な一般カードまたは不正会員カードのカードIDを特定することができ、さらに、そのカードIDが使用された最後の台番号でのユニット持ち玉の関連付け先も特定することができるので、各種カード類及び携帯端末80を組み合わせて略取を行った場合でも不正者を追跡することが可能である。
【0167】
なお、上記の実施例1では、T/C70が主体となって景品管理装置50の交換制御を規制することとしたが、T/C70では携帯持ち玉とともに非会員である旨を通知するにとどめ、景品管理装置50側で会員登録が行われるまで携帯端末80を用いた交換制御を規制することとしてもかまわない。
【0168】
また、上記の実施例1では、持ち玉運搬ボタン111の押下操作を契機として携帯持ち玉登録処理を行い、また、持ち玉持込みボタン112の押下操作を契機として携帯持ち玉問合せ処理を行うこととしたが、必ずしもボタン操作をトリガーとして処理を実行する必要はない。
【0169】
すなわち、携帯端末80の近接操作を契機に上記2つの処理を介することとしてもかまわない。例えば、持ち玉有無判定部15aによってユニット持ち玉が存在すると判定された場合には携帯持ち玉登録処理を行い、ユニット持ち玉が存在しないと判定された場合には携帯持ち玉問合せ処理を行えばよい。
【0170】
なお、上記の実施例1では、有効期限が途過した携帯持ち玉を仮預かり玉として移行登録する場合について説明したが、有効期限が途過した携帯持ち玉及びその携帯Idmを暫定的に貯玉として移行登録を行い、本会員または仮会員の登録に必要な会員情報が事後的に入力されることを条件に貯玉の使用(例えば、再プレイや景品交換等)を可能にするようにしてもかまわない。また、会員情報が登録されていなくとも(使用は不許可としても)貯玉の残高問合せについては許可することとしてもよい。
【実施例2】
【0171】
さて、上記の実施例1では、会員登録端末40または景品管理装置50等の店内機器で会員登録を行わせる場合について説明したが、会員登録はWebサーバ等の外部装置を用いて行うこともできる。そこで、実施例2では、携帯端末80、ICチップ及び携帯R/W13間の3者間通信を用いて、携帯端末80からWebサーバにアクセスさせ、インターネット上で会員登録を行わせる場合について説明する。
【0172】
図11は、実施例2に係る会員登録システムの構成を示すシステム構成図である。図11に示すように、この会員登録システムは、遊技客が所持する携帯端末80と、複数の遊技店A、B、C等の会員情報を統括管理する会員データセンタに配設されるWebサーバ90と、T/C70とを有する。
【0173】
また、会員登録システムにおいて携帯端末80とWebサーバ90の間は、インターネットを介して接続され、また、Webサーバ90と各遊技店のT/C70の間は、専用回線を介して接続される。
【0174】
ここで、携帯端末80とWebサーバ90のインターネット接続は、遊技店内の携帯R/W13または53に近接操作が行われた時に3者間通信を行って、Webサーバ90のホームページのURLにアクセスさせるブラウジング処理を携帯端末80に実行させる。
【0175】
例えば、CRユニット10からT/C70へ携帯持ち玉の登録依頼が行われたとした時には、T/C70は、登録依頼に含まれる携帯端末80の携帯Idmが会員管理テーブル72aに記憶された携帯会員の携帯Idmであるか否かを携帯会員判定部73bに判定させ、この結果、非携帯会員の携帯Idmであった場合に、携帯持ち玉管理部73cに携帯持ち玉の登録を行わせ、その登録結果の返信時に3者間通信の実行指示をCRユニット10に行う。
【0176】
この3者間通信の実行指示を受け付けたCRユニット10の携帯R/W13は、図12に示すように、Webサーバ90のホームページのURLにアクセスするブラウジング指示を携帯端末80のICチップ81を介してCPU82に送信する。このブラウジング指示に応答して、携帯端末80のCPU82は、ブラウザを起動してWebサーバ90のホームページのURLにアクセスし、Webサーバ90から受信した会員登録画面を表示部に表示させる。
【0177】
このように3者間通信を行うことにより、携帯端末80は、会員データセンタのホームページにアクセスして図13に示す会員登録画面を取得すると(1)、会員登録画面に存在する項目に関する会員情報の入力を受け付け(2)、入力を受け付けた会員情報をWebサーバ90に送信する(3)。
【0178】
例えば、図13に示す例では、遊技店Aの携帯会員を行う会員登録画面を示しており、携帯会員の要件とする(1)〜(5)の項目の会員情報が入力された状態でOKボタンが押下操作されると、入力された会員情報がWebサーバ90に送信される。なお、ここでは、携帯会員の登録を行う場合について説明したが、マルチ会員として登録させてもよいし、本会員よりも入力必須項目が少ない仮会員として登録させてもよい。
【0179】
一方、Webサーバ90は、携帯端末80から受信した会員情報を該当店舗(図13の例では遊技店A)の会員情報として図示しない店舗別会員管理テーブルに登録し(4)、店舗別会員管理テーブルによって店舗別ごとに記憶された会員情報を各遊技店のT/C70に配信する(5)。
【0180】
なお、かかる会員情報の配信頻度または配信契機は、任意に設定することができる。例えば、会員情報の登録が行われる度に登録が行われた遊技店のT/C70だけに該遊技店の会員情報を配信することとしてもよいし、遊技店の営業開始前または営業終了後に1日につき1度の頻度で店舗別会員管理テーブルに店舗別に記憶された会員情報を各遊技店のT/C70に一斉配信することとしてもかまわない。また、追加登録された会員情報だけを送信するか、或いは全会員の会員情報を送信するかなどのT/C70へのデータ送信内容についても任意に設定することができる。
【0181】
そして、T/C70では、Webサーバ90から受信した会員情報を会員管理テーブル72aに登録する(6)。例えば、追加登録された会員情報だけを受信した場合には、その会員情報を自店舗の会員管理テーブル72aに追加登録し、全会員の会員情報を受信した場合には、会員管理テーブル72aに記憶された情報すべてを上書き更新したり、会員管理テーブル72aに未登録の会員IDまたは携帯Idmを受信データから検索し、未登録の会員IDまたは携帯Idmを含む会員情報だけを追加登録することとしてもよい。
【0182】
上述してきたように、本実施例では、携帯端末80、ICチップ及び携帯R/W13間の3者間通信を用いて、携帯端末80からWebサーバ90へアクセスさせるように携帯R/W13または53を構成し、会員情報の入力を受け付け、該受け付けた会員情報をWebサーバ90に送信するように携帯端末80を構成し、携帯端末80から受け付けた会員情報をアクセス制御実行元のT/C70に配信するようにWebサーバ90を構成し、Webサーバ90から受信した会員情報を会員管理テーブル72aに登録するようにT/C70を構成した。
【0183】
したがって、本実施例によれば、遊技客が場所または時間の制約なく会員情報の登録を行うことができるため、携帯持ち玉を使い切って景品カウンタに赴かずに退店する遊技客にも手軽に会員登録を行わせることができ、会員登録に係る利便性が向上する結果、携帯会員の登録を行うインセンティブを飛躍的に向上させることが可能である。
【0184】
また、上記の実施例1及び2では、非携帯会員による携帯持ち玉を用いた交換制御を規制することとしたが、携帯会員または非携帯会員を問わず無条件に携帯持ち玉を用いた交換制御を行わせることとしてもかまわない。
【0185】
また、本発明では、一方の携帯端末80から他方の携帯端末80に携帯持ち玉を移行させるようにT/C70を構成することもできる。
【0186】
すなわち、携帯端末80が携帯R/W13に近接操作されてから他の携帯端末80が携帯R/W13に近接操作された場合には、先に携帯端末の操作を行った遊技客が後に携帯端末の操作を行う遊技客の操作を許容しているので、両携帯端末を保有する遊技客同士が知り合いである可能性が高い。
【0187】
このような場合には、先に近接操作された携帯端末80のIdmに対応する持ち玉の一部または全部を後に近接操作された携帯端末80の携帯持ち玉に加算移行するようにT/C70を構成することで、遊技客同士の持ち玉共有に係る利便性を向上させることができる。また、移行する持ち玉数は、T/C70からCRユニット10に予め設定しておくこともできるし、操作部11を介して設定することもできる。
【0188】
なお、上記の実施例1及び2では、計数機能付きCRユニット10として、遊技媒体貸出機と各台対応装置を一体化して構成する場合について説明したが、2つのユニット(ダブルサンド)として、CRユニット10の機能を分散して構成することもできる。
【0189】
例えば、図14に示すように、プリペイド残額に関する機能を有するCRユニット200と、持ち玉に関する機能を有する計数ユニット300とに分散してCRユニット10の機能を実現することもできる。なお、図14では、図3と比較して同様の機能を発揮する部分については同一の符号を用いている。
【0190】
このCRユニット200では、現金をプリペイド残額としてプリペイドカードまたは会員カードに価値付けたり、プリペイドカードまたは会員カードに価値付けられたプリペイド残額を用いた玉貸しを行う。なお、玉貸し時には、CRユニット200がパチンコ機20に投出指示を送信し、投出指示を受け付けたパチンコ機20から貸し玉を投出する。
【0191】
また、計数ユニット300では、パチンコ機20の下皿から投入されるパチンコ玉を持ち玉として計数したり、持ち玉返却により持ち玉の一部を返却したり、その結果として残存する計数値(ユニット持ち玉)をカード持ち玉として持ち玉カードに関連付けたり、ユニット持ち玉を携帯持ち玉として携帯端末80に関連付けたりする。なお、持ち玉返却時には、持ち玉払出部106経由で持ち玉を投出する。
【0192】
なお、ダブルサンドとして構成した場合、CRユニット200では、プリペイド残額が関連付けられたプリペイドカードを発行(返却)する一方で、計数ユニット300では、カード持ち玉が関連付けられた持ち玉カードを発行するので、CRユニット200及び計数ユニット300には、カード挿入部とカード処理部がそれぞれ個別に必要となる。
【0193】
また、上記の実施例では、CRユニット10の内下部に計数部108を含んで構成する場合について説明したが、CRユニット10とは独立した計数装置(計数ユニット)として設けることもできる。例えば、パチンコ機20の下皿220の下部にある膳板上に計数装置を設けるタイプの各台計数システムにも本発明を同様に適用することができる。なお、この場合には、計数装置とCRユニット10は通信可能に接続される。
【0194】
また、上記の実施例1及び2では、T/C70でプリペイド残額、持ち玉及び貯玉を統合管理する場合について説明したが、必ずしも統合管理する必要はなく、プリペイド管理装置、持ち玉管理装置及び貯玉管理装置でプリペイド残額、持ち玉または貯玉を分散して管理させるようにしてもよい。
【0195】
また、上記の実施例1及び2では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0196】
以上のように、本発明に係る各台計数システム及びその持ち遊技媒体管理方法は、携帯会員を増加させる場合に適している。
【符号の説明】
【0197】
10 計数機能付きCRユニット
11 操作部
12 通信I/F部
13 携帯R/W
14 記憶部
15 制御部
15a 持ち玉有無判定部
15b 携帯持ち玉登録依頼部
15c 携帯持ち玉問合せ部
20 パチンコ機
30 島コントローラ
40 会員登録端末
50 景品管理装置
51a 従業員用タッチパネル
51b 遊技客用タッチパネル
52 通信I/F部
53 携帯R/W
54 印字部
55 記憶部
56 制御部
56a 携帯Idm問合せ部
56b 表示制御部
56c 交換制御部
60 景品払出機
70 T/C
71 通信制御I/F部
72 記憶部
72a 会員管理テーブル
72b 携帯持ち玉管理テーブル
72c 仮預かり玉管理テーブル
72d 貯玉管理テーブル
73 制御部
73a 会員登録部
73b 携帯会員判定部
73d 携帯持ち玉移行部
73e 仮預かり玉移行部
73f 交換規制部
80 携帯端末
90 Webサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムであって、
前記各台対応装置は、
遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知手段とを備え、
前記管理装置は、
前記通知手段によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録手段を備えた
ことを特徴とする各台計数システム。
【請求項2】
前記持ち遊技媒体と景品の交換制御を行う景品管理装置をさらに備え、
前記景品管理装置は、
前記携帯端末識別情報に対応する持ち遊技媒体を前記管理装置に問い合わせる問合せ手段を備え、
前記管理装置は、
前記問合せ手段によって問い合わされた携帯端末識別情報が携帯会員として予め登録された遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記携帯会員の携帯端末識別情報ではないと判定された場合に、当該携帯端末識別情報を用いた交換制御を規制する交換規制手段とをさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の各台計数システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記持ち遊技媒体記憶手段から所定の仮預かり遊技媒体記憶手段に移行登録する持ち遊技媒体移行手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の各台計数システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を携帯会員の携帯端末識別情報として登録する携帯会員登録手段と、
前記携帯会員登録手段によって登録された携帯端末識別情報及びそれに対応する仮預かり遊技媒体を前記仮預かり遊技媒体記憶手段から所定の貯遊技媒体記憶手段に移行登録する仮預かり遊技媒体移行手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の各台計数システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
携帯会員の携帯端末識別情報に対応付けて貯遊技媒体及び会員情報を記憶する会員情報記憶手段と、
前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体それぞれを前記携帯会員の携帯端末識別情報及び前記貯遊技媒体として前記会員情報記憶手段に移行登録する貯遊技媒体移行登録手段と、
前記会員情報記憶手段によって携帯端末識別情報に対応付けて会員情報が記憶された貯遊技媒体を対象に、前記貯遊技媒体に関する問合せ応答及び/又は更新処理を実行する貯遊技媒体処理手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の各台計数システム。
【請求項6】
各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムに適用する持ち遊技媒体管理方法であって、
前記各台対応装置が、
遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知工程とを含み、
前記管理装置が、
前記通知工程によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録工程を含んだ
ことを特徴とする持ち遊技媒体管理方法。
【請求項1】
各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムであって、
前記各台対応装置は、
遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知手段とを備え、
前記管理装置は、
前記通知手段によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録手段を備えた
ことを特徴とする各台計数システム。
【請求項2】
前記持ち遊技媒体と景品の交換制御を行う景品管理装置をさらに備え、
前記景品管理装置は、
前記携帯端末識別情報に対応する持ち遊技媒体を前記管理装置に問い合わせる問合せ手段を備え、
前記管理装置は、
前記問合せ手段によって問い合わされた携帯端末識別情報が携帯会員として予め登録された遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記携帯会員の携帯端末識別情報ではないと判定された場合に、当該携帯端末識別情報を用いた交換制御を規制する交換規制手段とをさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の各台計数システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記持ち遊技媒体記憶手段から所定の仮預かり遊技媒体記憶手段に移行登録する持ち遊技媒体移行手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の各台計数システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
遊技客が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を携帯会員の携帯端末識別情報として登録する携帯会員登録手段と、
前記携帯会員登録手段によって登録された携帯端末識別情報及びそれに対応する仮預かり遊技媒体を前記仮預かり遊技媒体記憶手段から所定の貯遊技媒体記憶手段に移行登録する仮預かり遊技媒体移行手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の各台計数システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
携帯会員の携帯端末識別情報に対応付けて貯遊技媒体及び会員情報を記憶する会員情報記憶手段と、
前記持ち遊技媒体記憶手段への持ち遊技媒体の登録後に所定の有効期限を途過した携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体それぞれを前記携帯会員の携帯端末識別情報及び前記貯遊技媒体として前記会員情報記憶手段に移行登録する貯遊技媒体移行登録手段と、
前記会員情報記憶手段によって携帯端末識別情報に対応付けて会員情報が記憶された貯遊技媒体を対象に、前記貯遊技媒体に関する問合せ応答及び/又は更新処理を実行する貯遊技媒体処理手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の各台計数システム。
【請求項6】
各遊技台に対応して配設されるとともに当該遊技台における遊技結果として計数した遊技媒体の計数値を持ち遊技媒体として保持する各台対応装置と、前記各台対応装置に上位装置として接続される管理装置とを含んで構成される各台計数システムに適用する持ち遊技媒体管理方法であって、
前記各台対応装置が、
遊技客が所持する携帯端末から該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された携帯端末識別情報及び持ち遊技媒体を前記管理装置に通知する通知工程とを含み、
前記管理装置が、
前記通知工程によって通知された携帯端末識別情報に対応付けて前記持ち遊技媒体を所定の持ち遊技媒体記憶手段に登録する登録工程を含んだ
ことを特徴とする持ち遊技媒体管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−220897(P2010−220897A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72870(P2009−72870)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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