説明

合成樹脂製蓋部材

【課題】 本発明は、破断線とプルリングによる開封機構を有する蓋部材に係る従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、シール壁に形成した破断線の易破断性を損なうことなく、シール壁によるバリア性の低下を抑制することを技術的課題とするものである。
【解決手段】 容器の開口部を密に覆う合成樹脂製の蓋部材において、開口部を覆うと共に破断可能に薄肉に形成した破断線により囲成して除去板部が規定されるシール壁と、除去板部の外周縁部を基端として上方に延びる連結柱を介して除去板部に接続されたプルリングとを備え、シール壁の下面側に、破断線を含む領域を被覆するようにバリア性フィルム層を積層し、連結柱の基端部の直近に位置する破断線部分においてバリア性フィルム層にスリット、あるいは孔を貫通形成する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破断線とプルリングによる開封機構を備えた合成樹脂製蓋部材に関する。

【背景技術】
【0002】
プルリングを備えた合成樹脂製蓋部材の典型例としては、醤油やソースや食用油等の液体調味料を収容した壜体の口筒部に組付き固定されて使用されている注出キャップや中栓体を挙げることができる。
例えば、特許文献1には破断線とプルリングによる開封機構を備えた注出キャップに係る発明が記載されている。
【0003】
図6、7には特許文献1に実施例として記載される注出キャップを示す。
この注出キャップは、キャップ本体101と、このキャップ本体101にヒンジ109を介して連接されるオーバーキャップ110から構成されている。
キャップ本体101は、壜体の口筒部に密に組付く組付き筒102を有し、この組付き筒102の上端部から有底筒状の注出筒104を起立設し、この注出筒104の底壁で、口筒部の開口部を覆うシール壁106には薄肉に形成した破断線Lbにより囲成して除去板部112が規定され、この除去板部112の外周縁部を基端として上方に延びる連結柱113を介して除去板部112に接続されるプルリング114を備えている。(なお、この例ではキャップ本体101は外装部101aと中栓部101bの2ケの部材から構成されている。)
そして、この注出キャップを備えた、液体調味料等を充填した製品を使用する際には、プルリング114を上方に引張り、破断線Lbを破断し、除去板部112を取り除き、この取り除いた部分を開口部として内容液を注出することができる。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−167308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば、油成分を含む調味料用に使用する合成樹脂製の壜体容器では、酸素による内容液の品質の低下を防ぐために高い酸素バリア性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂製のフィルムを中間層として積層した合成樹脂製壜体を使用する場合がある。
一方、上記した図6、7に示すような注出キャップを使用する場合、少なくとも中栓部101bには、壜体の口筒部のシール性や、破断線Lbによる破断が容易である点を考慮して、比較的酸素バリア性の低い低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂を使用する場合が多く、壜体容器の酸素バリア性を高くしても注出キャップ、特に注出キャップのシール壁106からの酸素の透過による品質の低下が懸念される。
【0006】
また、上記したような注出キャップのシール壁106による透過性の低下に係る問題は、酸素バリア性のように壜体外部から内部への気体の透過の他にも、壜体内部から外部への芳香成分等の有効成分の逃散の問題もある。
【0007】
本発明は、破断線とプルリングによる開封機構を有する蓋部材に係る従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、シール壁に形成した破断線の易破断性を損なうことなく、シール壁によるバリア性の低下を抑制することを技術的課題とするものである。

【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決する手段の内、本発明の主たる構成は、
容器の開口部を密に覆う合成樹脂製の蓋部材において、
開口部を覆うと共に破断可能に薄肉に形成した破断線により囲成して除去板部が規定されるシール壁と、除去板部の外周縁部を基端として上方に延びる連結柱を介して除去板部に接続されたプルリングとを備え、
シール壁の下面側に、破断線を含む領域を被覆するようにバリア性フィルム層を積層し、
連結柱の基端部の直近に位置する破断線部分においてバリア性フィルム層にスリット、あるいは孔を貫通形成する構成とする、
と云うものである。
【0009】
上記構成により、バリア性フィルム層をシール壁の下面側に積層することにより、注出キャップのシール壁によるバリア性の低下を効果的に抑制することが可能となる。
そして、シール壁の下面側は一般的にフラットに成形される部位でありバリア性フィルム層の積層は比較的容易に、破断線を横断するように破断線を含む領域を被覆、積層することが可能である。
なお、上記構成で蓋部材は注出キャップ、一般的なキャップ、中栓、一般的な蓋体等、容器の開口部を密に覆う部材を総称するものである。
また、シール壁はたとえば前述した注出キャップでは注出筒の底壁に相当し、蓋部材中、容器の開口部を平坦板状に覆う部位を総称するものである。
【0010】
一方、上記のようにバリア性フィルム層を積層すると、破断線による応力集中の効果が低下する、あるいはバリア性フィルムは多くの場合延伸変形し易い等の原因により、
プルリングを引張った際に、バリア性フィルム層が破断し難く、延伸変形し、破断線とプルリングによる開口機構がスムーズに機能せず、破断するのに大きな力を要する、除去板部が除去されてもバリア性フィルム層が剥離残存し開口できない、またバリア性フィルム層が破断したとしても除去板部が除去されて形成される開口縁部にバリア性フィルム層の延伸状に破断した部分がバリとしてはみ出すため内容液の注出の邪魔になって、注出方向が定まらない、液切れが悪い等の問題が生じる。
【0011】
そこで上記構成において、連結柱の基端部の直近に位置する破断線部分においてバリア性フィルム層にスリットあるいは孔を貫通形成する構成とすることにより、このスリットや孔を起点として、破断線に沿ったバリア性フィルム層およびシール壁の破断をスムーズに進行させることが可能となる。
また、例えば剃刀で切込みを入れる程度のスリットやピンホール程度の孔でも破断の起点としての作用が十分に発揮されるため、スリットや孔の形成によるバリア性の低下は、極く小さく限定することが可能である。
なお、バリア性フィルム層へのスリットあるいは孔の貫通形成は、シール壁にバリア性フィルム層を積層した後に後加工により容易に形成することが可能である。
【0012】
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、シール壁の上面側と下面側に形成した一対の溝により上下から挟むようにして破断線を形成する、と云うものである。
【0013】
上記構成によれば、プルリングによる引張り力を、連結柱を介してスリットあるいは孔が貫通形成された破断線部分に、より集中して作用させることができ、スリットあるいは孔を起点としたバリア性フィルム層とシール壁の破断をよりスムーズに進行させることが可能となる。
【0014】
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、バリア性フィルムをインサート材としたインサート成形により、シール壁にバリア性シート層を積層した構成とする、と云うものである。
【0015】
上記構成によれば、インサート成形により、シール壁の下面側の破断線を含む所定領域にバリア性フィルム層を強固な接着状態で積層することが可能となる。
ここで、バリア性フィルムは、酸素バリア性、炭酸ガスバリア性、水分バリア性、有効成分の逃散抑止性等の使用目的を考慮して適宜選択することができ、
たとえば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エチレン酢酸ビニール共重合(EVA)樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等の各種バリア性を有する合成樹脂からなるフィルムを単層フィルム、あるいはこれらの樹脂層を積層した積層フィルを使用することもできる。
さらに、アルミラミネートフィルムも使用することもできる。
【0016】
本発明のさらに他の構成は、上記構成において、バリア性フィルム層のシール壁との接着面を構成する層を、インサート成形により熱溶着状に接着可能にシール壁と同種の合成樹脂製とする、と云うものである。
【0017】
上記構成によれば、インサート成形によりシール壁の下面側とバリア性フィルム層を熱溶着状に接着強固することができ、バリア性フィルム層のシール壁の下面側からの部分的な剥離を防ぐことができ、剥離に起因するバリア性の低下や破断性の低下を防ぐことができる。
例えば、シール壁がLDPE樹脂製の場合は、LDPE樹脂/バリア性樹脂/PE樹脂、と云うような積層フィルムとするのが好ましい。
【0018】
また、接着面ではシール壁の下面側とバリア性フィルム層を熱溶着状に一体化できるので、バリア性フィルム層に形成したスリットや孔のノッチ効果がシール壁にも及び、バリア性フィルム層と共にシール壁自体の破断をより容易に、またスムーズに開始させることが可能となる。
また、後加工でスリットあるいは孔を貫通形成する際、スリットあるいは孔がシール壁の下面側の一部にまで及ぶようにすることも可能である。
【0019】
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、壜体の口筒部に組付く組付き筒を有し、組付筒の上端部から有底筒状の注出筒を起立設し、この注出筒の底壁をシール壁とした注出キャップとする、と云うものである。

【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
すなわち本発明の主たる構成を有する合成樹脂製蓋部材にあっては、
連結柱の基端部の直近に位置する破断線部分においてバリア性フィルム層にスリットあるいは孔を貫通形成する構成とすることにより、このスリットや孔を起点として、破断線に沿ったバリア性フィルム層およびシール壁の破断をスムーズに進行させることができ、
シール壁に形成した破断線とプルリングによる開封機構において、破断線の易破断性を損なうことなく、シール壁によるバリア性の低下を効果的に抑制することができる。
なお、例えば剃刀で切込みを入れる程度のスリットやピンホール程度の孔でも破断の起点としての作用が十分に発揮されるため、スリットや孔の形成によるバリア性の低下は、極く小さく限定することができる。

【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の蓋部材の一実施例である注出キャップの開姿勢状態での縦断面図である。
【図2】図1の注出キャップの平面図である。
【図3】図1中の、連結柱の基端部近傍を要部拡大して示す縦断面図である。
【図4】図2中の、連結柱の基端部近傍を要部拡大して示す平面図である。
【図5】図4において、バリア性フィルム層にスリットの替わりに孔を貫通形成した例を示す平面図である。
【図6】注出キャップ容器の従来例を示す開姿勢状態での縦断面図である。
【図7】図6の注出キャップの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1〜図4は本発明の合成樹脂製蓋部材の実施形態の一つである注出キャップの一実施例を説明するためのものであり、図1はオーバーキャップ10を開姿勢にした状態での縦断面図、図2は平面図である。
また図3は、図1中の、後述する連結柱13の基端部近傍を要部拡大して示す縦断面図、図4は、図2中の、連結柱13の基端部近傍を要部拡大して示す平面図である。なお図4では連結柱13についてはその基端部をハッチングして示している。
【0023】
この注出キャップは、キャップ本体1と、このキャップ本体1にヒンジ9を介して連接されるオーバーキャップ10から構成されており、図1ではオーバーキャップ10の一部のみ示しているが、その形状は前述した図6に示す注出キャップ101のオーバーキャップ110と同様な断面形状を有する。
【0024】
キャップ本体1は、ポリプロピレン樹脂製で、ヒンジ9を介してオーバーキャップ10を連接する外装部1aとLDPE樹脂製の中栓部1bの二つ射出成形品を嵌合して構成されている。
この中、外装部1aは、図1に二点鎖線で示した壜体31の口筒部32に外嵌係合する組付き筒2を有し、この組付き筒2の上端縁から内鍔状の頂板2tを介して上端部をラッパ状に広げた注出筒4を起立設し、この注出筒4を下方に延長した形態で頂板2tの内周端縁から嵌着筒3を垂下設し、さらに注出筒4の内周面下端縁から係止フランジ片5を突周設した構成を有する。
なお、本実施例では注出キャップ1を上記したように外装部1aと中栓部1bの2つの部材を嵌合して構成しているが、勿論、2つの部材の射出成形や嵌合工程に係る生産性等を考慮して、注出キャップを一体的に射出成形した部材とすることができる。
【0025】
一方、中栓部1bは、壜体31の開口部を覆う平坦板状のシール壁6の周端縁から内筒8を垂下設し、この内筒8の下端縁から外鍔周片を介して外筒7を反転立設した構成を有し、外筒7と内筒8の間に嵌着筒3を密にかつ強固に嵌入し、シール壁6の周端部上面を係止フランジ片5の下面に当接させて、上記した外装部1aと中栓部1bを嵌合する。
そして、図1に示すように外装部1aと中栓部1bを嵌合してキャップ本体1が構成されるが、このキャップ本体1では中栓部1bのシール壁6は注出筒4の底壁6aを形成する。
【0026】
また、シール壁6には薄肉に形成した破断線Lbにより囲成して除去板部12が規定され、この除去板部12の外周縁部(図1、2では除去板部12の右側端部)を基端として上方に延びる連結柱13を起立設し、この連結柱13を介して除去板部12に接続されるプルリング14を備えており、
これら破断線Lbとプルリング14によりこの注出キャップの開封機構が構成される。
【0027】
また、シール壁6の下面側には、バリア性フィルムをインサート材とした中栓部1bの射出成形により、破断線Lbを含む略全領域にバリア性フィルム層15が積層されている。このバリア性フィルム層15は、図3中の拡大図に示されように、EVOH樹脂層15bをLDPE樹脂層15a、15cでサンドイッチ状に挟んだ積層構造を有し、EVOH樹脂層15bにより高度な酸素バリア性が発揮される。
また、インサート成形によりバリア性フィルム層15はLDPE樹脂層15aを介して、同様にLDPE樹脂製である中栓部1bのシール壁6に、強固に、また破断線Lbの凹状の断面形状に沿って積層されている。
【0028】
図3の要部を拡大した断面図にも見られるように、本実施例では破断線Lbは上面側の溝11tと下面側の溝11uにより上下から挟むようにして形成されている。このように破断線Lbを形成することにより、プルリング14による引張り力を、薄肉に形成された破断線Lb部分に、より集中して作用させることができる。
【0029】
また、図3に示されるように連結柱13の基端部の外周縁側直近に位置する破断線Lb部分において、積層するバリア性フィルム層15には、シール壁6の下面側に達するスリットS1が破断線Lbに沿って(図4も参照)貫通形成されている。
さらに詳述すると、スリットS1は上記した下面側の溝11uの底面に積層するバリア性フィルム層15に形成されている。
このスリットS1はインサート成形により中栓部1bを射出成形した後、後加工により剃刀状の鋭利な刃先を有する治具で形成したものである。
【0030】
そして、上記説明した構成を有する本実施例の注出キャップについて、開封のためにプルリング14を上方に引っ張ると、積層するバリア性フィルム層15と共に破断線Lbに沿ったシール壁6の破断をスムーズに進行させることができ、除去板部12を除去する開封操作を容易に達成することができた。
ここで、バリア性フィルム層15についてその破断の態様を観察すると、延伸変形することなくスリットS1を起点としてスムーズに引裂き状に破断が進行しており、開口縁部にバリ等の発生もなく、内容液をスムーズに注出することができた。
【0031】
ここで、本実施例の注出キャップと同様な構成でスリットS1を形成しない注出キャップを用意し、同様にプルリング14を上方に引っ張って開封する試験を実施したが、
バリア性フィルム層15が延伸変形し、破断のためにかなりの力を必要とした。また、破断線Lbに沿ってバリア性フィルム層15共にシール壁6を破断できたとしても、開口縁部にバリア性フィルム層15の延伸状に破断した部分がバリとしてはみ出すため、内容液を注出する際このバリが邪魔になって、注出方向が定まらない、液切れが悪い等の問題が生じた。
【0032】
以上、実施例に沿って本発明の合成樹脂製蓋部材の実施の形態、およびその作用効果を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
たとえば、本発明の蓋部材は上記説明したような注出キャップに限定されることなく、一般的なキャップ体、中栓体、蓋体等、容器の開口部を密に覆う蓋部材とすることができる。
また、実施例で説明した注出キャップ体についても、たとえば実施例ではキャップ本体を外装部と中栓部の2つの部材からなるものとしたが前述したように生産性等を考慮して1つの部材とすることもでき、その形状についても様々なバリエーションとすることができる。
【0033】
バリア性フィルム層については、上記実施例では酸素バリア性を考慮して中間層にEVOH樹脂層を有する積層フィルムを採用したが、
勿論、遮断すべきガスの種類や、有効成分の逃散抑止性等、容器の使用目的を考慮して、バリア層を形成する合成樹脂を適宜選択することができ、バリア性を有する樹脂製の単層フィルムとすることもできるし、積層フィルムとすることもできる。
また、上記実施例ではバリア性フィルムをインサート材とした射出成形によりバリア性フィルム層を積層する例を説明したが、勿論、別工程で積層することもできる。
【0034】
また、上記実施例ではバリア性フィルム層の破断の起点として、スリットを破断線Lbに沿って貫通形成した例を説明したが、連結柱の基端部での力の作用する方向や、破断の起点としての作用効果を考慮してスリットの形状や延設方向を選択することができるし、図5に示されるように孔S2とすることもできる。
このように孔S2とする場合にも、ピンホールのように極く小さなものでも破断の起点としての機能を発揮させることができる。

【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明したように、本発明の合成樹脂製蓋部材は、破断線とプルリングによる開封機構における破断線の易破断性を損なうことなく、シール壁によるバリア性の低下を効果的に抑制できるものであり、高い酸素バリア性や、有効成分の逃散を抑制することが必要な用途に使用する容器の蓋部材として幅広い使用展開が期待される。

【符号の説明】
【0036】
1 ;キャップ本体
1a;外装部
1b;中栓部
2 ;組付き筒
2t;頂板
3 ;嵌着筒
4 ;注出筒
5 ;係止フランジ
6 ;シール壁
6a;底壁
7 ;外筒片
8 ;内筒片
9 ;ヒンジ
10:オーバーキャップ
11t;(上面側の)溝
11u;(下面側の)溝
12;除去板部
13;連結柱
14;プルリング
15;バリア性フィルム層
Lb;破断線
S1;スリット
S2;孔
31;壜体
32;口筒部
101;キャップ本体
101a;外装部
101b;中栓部
102;組付き筒
104;注出筒
106;シール壁
109;ヒンジ
110;オーバーキャップ
112;除去板部
113;連結柱
114;プルリング



【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の開口部を密に覆う合成樹脂製蓋部材であり、前記開口部を覆うと共に破断可能に薄肉に形成した破断線(Lb)により囲成して除去板部(12)が規定されるシール壁(6)と、前記除去板部(12)の外周縁部を基端として上方に延びる連結柱(13)を介して該除去板部(12)に接続されたプルリング(14)とを備え、前記シール壁(6)の下面側に、前記破断線(Lb)を含む領域を被覆するようにバリア性フィルム層(15)を積層し、前記連結柱(13)の基端部の直近に位置する破断線(Lb)部分において前記バリア性フィルム層(15)にスリット(S1)、あるいは孔(S2)を貫通形成する構成としたことを特徴とする合成樹脂製蓋部材。
【請求項2】
シール壁(6)の上面側と下面側に形成した一対の溝(11t、11u)により上下から挟むようにして破断線(Lb)を形成した請求項1記載の合成樹脂製蓋部材。
【請求項3】
バリア性フィルムをインサート材としたインサート成形により、シール壁(6)にバリア性シート層(15)を積層した請求項1または2記載の合成樹脂製容器蓋。
【請求項4】
バリア性フィルム層(15)の、シール壁(6)との接着面を構成する層を、インサート成形により熱溶着状に接着可能にシール壁(6)と同種の合成樹脂製とした請求項3記載の合成樹脂製蓋部材。
【請求項5】
壜体の口筒部に組付く組付き筒(2)を有し、該組付筒(2)の上端部から有底筒状の注出筒(4) を起立設し、該注出筒(4)の底壁(6a)をシール壁(6)とした注出キャップである請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製蓋部材。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−75684(P2013−75684A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216964(P2011−216964)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】