説明

同一表面に搭載された幾つかの電子モジュールを有するデータサポート

携帯オブジェクトは、第一の面および第二の面を具備する。第一の面には、第一の電子情報サポートが設けられる。第一の面には更に、第二の電子情報サポートが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幾つかの電子情報サポートを具えた携帯オブジェクト、および斯かる携帯オブジェクトを製造する方法に関する。この携帯オブジェクトは、特に、ISO 7816フォーマットのカードであることができる。
【0002】
電子情報サポートはサポート本体を具備し、該本体の中には、データを保存および/または処理するように構成された集積回路が挿入される。この集積回路はモジュールの中に含めることができる。該モジュールは、例えば、導電性ワイヤまたは導電性ボールを介してコンタクトパッドに接続された集積回路を具備する。これら導電性ワイヤおよび集積回路は、一般に保護樹脂で被覆される。
【背景技術】
【0003】
当該電子情報サポートは、例えば、2G(第二世代)のSIM(契約者本人確認モジュール)カードであってよい。2G SIMカードは、一般には、移動体電話に挿入されるISO 7816フォーマットカードの一部である。また、当該電子情報サポートは、3G(第三世代)のUSIMカードであってもよい。現在では、図1に示すように、モジュール(1)はカード(2)の中に埋め込まれ、そこから2G SIM(3)が切出される。次いで、該2G SIM(3)は、ソフトウエアおよびグラフィックスの両方に関してパーソナライズされる。次いで、2G SIMカード(3)は、使用できる状態でカード(2)から取外すことができる。こうして、ISO 7816カード(2)当たり一つの単一の2G SIMカードが製造される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの目的は、コストの節減を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの側面に従えば、携帯オブジェクトは第一の面および第二の面を具備し、前記第一の面には第一の電子情報サポートが設けられ、また前記第一の面には、更に第二の電子情報サポートが設けられることを特徴とするものである。
【0006】
この携帯オブジェクトは、特に、ISO 7816規格に定義されたスマートカードのフォーマットを備えたカードであってよい。該電子情報サポートは、特に、2G SIMカードであることができる。従って、同じカードから、幾つかの2G SIMカードを製造することができる。その結果、使用する材料をより少なくできる。加えて、同じカードの同じ面に幾つかの電子情報サポートが存在するので、種々の製造工程の間に、マシーンはより高い効率で動作することができる。従って、本発明によって、製造コストが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明のより良い理解を提供するために、例示としての図2を使用することにより、本発明の特別な実施形態を説明する。
【0008】
印刷工程(IMP)において、有利には、カード(1)(最初はブランクが好ましい)に例えば広告グラフィックを印刷して、印刷されたカードを得る。有利には、該カード(1)はISO 7816規格に定義されたスマートカードのフォーマットを備えた直角平行六面体である。
【0009】
キャビティー形成工程(FRA)では、印刷されたカードの中に四つのキャビティー(2)を形成する。これらのキャビティーは、例えばフライス削り(milling)によって形成される。有利には、一つのキャビティーは二つの副キャビティー、即ち、保護樹脂で被覆されたモジュールの一部を収容するように構成された、第一の副キャビティーおよび第二の副キャビティーからなっている。有利には、製造プロセスを単純化し且つ製造コストを低減するために、図2に示すように、これらのキャビティーはカードの同じ面に形成される。有利には、図2に示すように、これらのキャビティーは、製造プロセスを単純化し且つ製造コストを低減するように整列される。
【0010】
組込み工程(ENCAR)においては、モジュール(3)が、印刷されたカードのキャビティーの中に挿入するために、モジュールのストリップに切断される。従って、組込まれたカードが得られる。
【0011】
パーソナライゼーション工程(PERSO)においては、組込まれたカードがパーソナライズされる。このパーソナライゼーション工程は以下の副工程を含んでいる:
・ソフトウエアパーソナライゼーション副工程…ここでは、モジュールの集積回路がプログラムされる;
・グラフィックパーソナライゼーション副工程…ここでは、将来的な2G SIMカードのサポート本体に対応するエリアがグラフィック的にパーソナライズされる。例えば、個人の識別番号(PIN)を印刷することができる。
【0012】
プレカット工程(PRED)において、該カードは、有利にはプレカットライン(PL)でマークすることができる。このプレカットライン(PL)は、後で、2G SIMカードを3G USIMカードのフォーマットに切断するために使用されるであろう。
切断ステップ(DEC)においては、カード(1)の中の四つの2G SIMカードが切り出される。
【0013】
認証工程(VER)においては、パーソナライズされた2G SIMカードの注文がチェックされる。実際に2G SIMカードがパーソナライズされていれば、それらは使用できる状態で、且つ番号に相違なく、顧客に配送されなければならない。
【0014】
包装工程(EMB)においては、各2G SIMカードが、その関連の挿入物中に配置される。結局、顧客はISO 7816フォーマットカードに挿入された2G SIMカードを受取るのではなく、その代りに、挿入物に結合された2G SIMカードを受取る。
【0015】
上記の説明は、第一の面および第二の面を具備した携帯オブジェクトを例示している。第一の面には、第一の電子情報サポートが設けられる。該第一の面には、更に第二の電子情報サポートが設けられる。
【0016】
この特定の実施形態の説明は、本発明を例示するものであって限定するものではない。多くの代替例が存在することは明白である。これに関連して、以下の纏めを付記する。
【0017】
上記の説明において、当該携帯オブジェクトは、ISO 7816規格に定義されたスマートカードのフォーマットを備えたカードである。本発明は、異なる寸法および異なる形状を備えた他の如何なる携帯オブジェクトにも関する。
【0018】
フライス削り(milling)工程(FRA)において、キャビティーは研削により形成される。フライス削り以外の技術を使用することができる。特に、キャビティーはモールド成形によっても得ることができる。
【0019】
加えて、上記の実施形態では、カード(1)は四つの2G SIMカードを含んでいる。より一般的に言えば、それは少なくとも二つの2G SIMカードを含むカードに関する。
【0020】
なお、上記の説明では、2G SIMカードカードは、有利にはカード(1)の同じ面に配置される。しかし、2G SIMカードは、カード(1)の両面に配置することもできるであろう。この場合、標準の構成を維持しながらマシンの変更を制限するために、二つの2G SIMカードカードは相互に対向するのが有利である。
【0021】
2G SIMカードを3G USIMカードのフォーマットに予備切断するために用いられるプレカット工程(PRED)は、パーソナライゼーション工程の前に行ってもよい。加えて、この工程は任意であり、本発明に不可欠の部分ではない。
【0022】
なお、上記の説明においては、電子情報サポートはカードから取外すことができるが、本発明はまた、取外し可能でない電子情報サポートを備えたカードにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、カード(2)に埋め込まれたモジュールを示しており、該カードからは2G SIMカードが切出される。
【図2】図2は、本発明に従って2G SIMカードを製造する方法を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の面および第二の面を具備すると共に、該第一の面に第一の電子情報サポートが設けられてなる携帯オブジェクトにおいて、該携帯オブジェクトは、前記第一の面に、更に第二の電子情報サポートが設けられることを特徴とする携帯オブジェクト。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯オブジェクトにおいて、前記第一および第二の電子情報サポートが整列されている携帯オブジェクト。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯オブジェクトにおいて、前記第一の電子情報サポートはサポート本体を具備し、該サポート本体の中には、データを保存および/または処理するように構成された集積回路が挿入されることを特徴とする携帯オブジェクト。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯オブジェクトにおいて、前記第一の電子情報サポートは、前記携帯オブジェクトから取外されるように構成されることを特徴とする携帯オブジェクト。
【請求項5】
請求項1に記載の携帯オブジェクトにおいて、ISO 7816規格に定義されているスマートカードのフォーマットを備えた、直角平行六面体の形状を有することを特徴とする携帯オブジェクト。
【請求項6】
請求項2に記載の携帯オブジェクトにおいて、前記第一の電子情報サポートが、2G SIMカードであることを特徴とする携帯オブジェクト。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯オブジェクトにおいて、前記2G SIMカードが、プレカットエリアを含んでなることを特徴とする携帯オブジェクト。
【請求項8】
携帯オブジェクトを製造する方法において、前記携帯オブジェクトは第一の面および第二の面を含んでなり、前記方法は、前記第一の面に第一のキャビティーが形成される第一のキャビティー形成工程を含んでなり、前記方法は更に、前記第一の面に第二のキャビティーが形成される第二のキャビティー形成工程を含んでなることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、該方法は更に、前記第一のキャビティーおよび前記第二のキャビティーの中にモジュールが挿入される組込み工程を含んでなることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、前記キャビティーが、フライス削りによって形成されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法において、前記キャビティーが、モールド成形によって形成されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−504207(P2006−504207A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501551(P2005−501551)
【出願日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004690
【国際公開番号】WO2004/038653
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(504239847)アクサルト ソシエテ アノニム (17)
【Fターム(参考)】