説明

同軸ケーブル用コネクタ及びコネクタ取付用工具

【課題】LCXなどの同軸ケーブルの端末部分に取付ける同軸ケーブル用コネクタであって、同軸ケーブルの外部導体及び外被を損傷させることなく、また、取り付け作業時間を短縮することができる同軸ケーブル用コネクタを提供する。
【解決手段】同軸ケーブルの端末部分において外被205の外側を覆う圧着スリーブ7と、圧着スリーブ7の内側に位置し同軸ケーブルの端末部分において絶縁体202の一部が除去されて形成された空間210内に挿入されることにより外部導体204の内側に位置するシェル9とを備え、圧着スリーブ7が外部からの圧力によってシェル9側に収縮変形されて、この圧着スリーブ7及びシェル9によって外被205及び外部導体204を保持して、同軸ケーブルの端末部分に取付けられるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブル用コネクタに関し、特に、外径が細い丸型の漏洩同軸ケーブルの端末部にケーブルに損傷等の悪影響を与えずに簡単に取付けられる同軸ケーブル用コネクタ及びコネクタ取付用工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、漏洩同軸ケーブル(以下、「LCX」という。)が提案され、無線通信システムの送受信用アンテナとして利用されている。LCXは、例えば、列車と地上との間の無線連絡を目的として、列車軌道沿いに布設され、また、地下鉄構内や地下街との間の消防無線や警察無線による連絡を目的として、地下鉄構内や地下街に布設される。
【0003】
非特許文献1に記載されたLCXは、図7に示すように、中心導体201と、この中心導体201を被覆した絶縁体202と、この絶縁体202の周囲に配置された外部導体204と、この外部導体204を被覆した外被205とを備えた同軸ケーブルとして構成されている。LCXの中心導体201及び外部導体204をなす材料は、一般的には銅であるが、アルミニウムを使用する場合もある。絶縁体をなす材料としては、主にポリエチレンなどが使用されている。
【0004】
そして、LCXの外部導体204には、電磁波漏れ機構として、ケーブル長さ方向に周期的にスロット(細長い形状の開孔部)206が設けられている。LCXの放射原理は、ケーブル内部を伝送する電気信号エネルギーの一部が、電磁波として外部ヘ放射するものである。
【0005】
LCXの型名は、一般に、絶縁体の外径と標準インピーダンスとにより表現され、例えば、絶縁体の外径20mmでインピーダンスが50Ωの場合は、20D型と表現される。外部導体の厚さは、屋外布設作業時に牽引力や曲げ力が与えられても伸びや亀裂が発生しないための十分な厚さである必要があり、材料コストも考慮して、0.1mm乃至0.2mm程度となっている。従来、LCXには、20D型、33D型、43D型などがあり、その外被の外径は、30mm、40mm、50mmとなる。
【0006】
近年においては、より外径が細いLCXが提案されている。例えば、絶縁体の外径が5mmで、その上にスロット付の外部導体が縦添えされて巻き付けられた5D型LCXが提案されている。絶縁体と外部導体とは、ほぼ隙間無く接触しており、接着はされていない。外部導体が厚いと、剛性が強くなり、外径5mmの絶縁体上に縦添えして巻き付けるとシワなどを生じる虞がある。そのため、外部導体の厚さは、5μm〜44μmと薄くなっている。そして、外部導体の外側は、LCXを外傷から保護するための外被で覆われている。
【0007】
市場にある外径が細い丸型の同軸ケーブル用のコネクタは、LCXにも使用することができる。このコネクタは、シェル及び圧着スリーブにより同軸ケーブルの端末部分の外部導体及び外被を把持して、同軸ケーブルの端末部分に取付けられ、先端側に設けられた接続ナット部に、汎用円筒型同軸ケーブルが接続できるようになっている。このコネクタにおいては、接続ナット部に汎用円筒型同軸ケーブルを接続することにより、LCXと汎用円筒型同軸ケーブルとを電気的に接続させることができる。
【0008】
5D型LCX用のコネクタとしては、一般市場で入手できるコネクタを使用することができる。このコネクタは、図8に示すように、同軸ケーブルの端末部分の外部導体及び外被を把持する圧着スリーブ101及びシェル103を備えている。このコネクタを取り付けるには、図9に示すように、シェル103をLCXの絶縁体202と外部導体204との間に差し込み、シェル103と圧着スリーブ101との間に外部導体204及び外被205を挟みこみ、その後、圧着スリーブ101を圧着工具等により押圧して変形させ、コネクタとLCXとを電気的、かつ、機械的に接続する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「LCX通信システム」(岸本利彦、佐々木伸共著)コロナ社初版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来のコネクタは、外径が細いLCXに取付けるにあたって、以下のような問題がある。
【0011】
すなわち、LCXにおいて絶縁体202と外部導体204とは、ほとんど隙間無く接触しており、これらの間にシェル103を挿入することは容易ではない。無理に挿入すると、薄い外部導体204に亀裂を生じ、この外部導体204とコネクタとの電気的接触が得られない虞がある。外部導体204とコネクタとの電気的接触が得られないと、LCXとの信号電力の送受信ができず、LCXシステムが運用できない。
【0012】
絶縁体202と外部導体204との間にシェル103を挿入するには、これらの間に隙間ができるように、外部導体204及び外被205を変形させなければならない。外部導体204及び外被205を変形させると、機械的強度が劣化し、電気的特性の劣化も招来する虞がある。
【0013】
また、従来のコネクタにおいては、取り付け作業に長時間を要し、加工費の増大を招いていた。
【0014】
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、LCXなどの同軸ケーブルの端末部分に取付ける同軸ケーブル用コネクタであって、同軸ケーブルの外部導体及び外被を損傷させることなく、また、取り付け作業時間を短縮することができる同軸ケーブル用コネクタ及びこの同軸ケーブル用コネクタを同軸ケーブルの端末部分に取付けるためのコネクタ取付用工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る同軸ケーブル用コネクタ及びコネクタ取付用工具は、以下の構成を有するものである。
【0016】
〔構成1〕
中心導体と中心導体を覆う絶縁体と絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に取付けられる同軸ケーブル用コネクタであって、同軸ケーブルの端末部分において外被の外側を覆う圧着スリーブと、圧着スリーブの内側に位置し同軸ケーブルの端末部分において絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間内に挿入されることにより外部導体の内側に位置するシェルとを備え、圧着スリーブが外部からの圧力によってシェル側に収縮変形されて、この圧着スリーブ及びシェルによって外被及び外部導体を保持して、同軸ケーブルの端末部分に取付けられることを特徴とするものである。
【0017】
〔構成2〕
構成1を有する同軸ケーブル用コネクタにおいて、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間は、絶縁体の一部が除去されて形成されたものであることを特徴とするものである。
【0018】
〔構成3〕
中心導体と中心導体を覆う絶縁体と絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に、構成2を有する同軸ケーブル用コネクタを取付けるためのコネクタ取付用工具であって、絶縁体の外径に略等しい外径を有し中心導体の外径より大きい内径を有する円筒体と、円筒体の先端部に取付けられ円筒体の外径に略等しい外径を有し円筒体の内径に略等しい内径を有し絶縁体の端末部分を切削するための円環状の切削刃と、円筒体の側面部に形成され切削刃により切削された絶縁体の切削カスが外部に移動除去されるための溝とを有することを特徴とするものである。
【0019】
〔構成4〕
構成1を有する同軸ケーブル用コネクタにおいて、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間は、絶縁体が圧縮変形され細径化されて形成されたものであることを特徴とするものである。
【0020】
〔構成5〕
中心導体と中心導体を覆う絶縁体と絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に、構成4を有する同軸ケーブル用コネクタを取付けるためのコネクタ取付用工具であって、第1の工具と第2の工具とからなり、第1の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の内径が絶縁体の外径より0.1mm乃至0.5mm太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体の外径より0.5mm乃至1.0mm細い径にまで至っており、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具であり、第2の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の外径が絶縁体の外径より0.0mm乃至0.1mm細く、先端部の内径が第1の工具によって細径化された絶縁体の先端部分の外径より太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体の外径より0.5mm乃至2.0mm細い径にまで至っており、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具であることを特徴とするものである。
【0021】
〔構成6〕
構成5を有するコネクタ取付用工具において、第1の工具の先端部分の形状及び第2の工具の先端部分の形状とが、両端側にそれぞれ形成されて一体的な円筒状に形成されていることを特徴とするものである。
【0022】
〔構成7〕
構成1を有する同軸ケーブル用コネクタにおいて、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間は、外部導体及び外被が拡張されるとともに絶縁体が圧縮変形され細径化されて形成されたものであることを特徴とするものである。
【0023】
〔構成8〕
中心導体と中心導体を覆う絶縁体と絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に、構成7を有する同軸ケーブル用コネクタを取付けるためのコネクタ取付用工具であって、第1の工具と第3の工具とからなり、第1の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の内径が絶縁体の外径より0.1mm乃至0.5mm太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体の外径より0.5mm乃至1.0mm細い径にまで至っており、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具であり、第3の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の外径が絶縁体の外径より0.0mm乃至0.1mm細く、後方に向けてテーパ状に拡径され少なくとも絶縁体の外径より0.0mm乃至1mm太くなっており、先端部の内径が第1の工具によって細径化された絶縁体の先端部分の外径より太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体の外径より0.5mm乃至2.0mm細い径にまで至っており、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、外部導体及び外被を拡張するとともに、絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具であることを特徴とするものである。
【0024】
〔構成9〕
構成8を有するコネクタ取付用工具において、第1の工具の先端部分の形状及び第3の工具の先端部分の形状とが、両端側にそれぞれ形成されて一体的な円筒状に形成されていることを特徴とするものである。
【0025】
〔構成10〕
構成5、構成6、構成8、または、構成9を有するコネクタ取付用工具において、絶縁体を細径化する前に、60°C〜90°Cに加熱されて使用されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る同軸ケーブル用コネクタは、構成1、構成2、構成4、または、構成7を有することにより、シェルは、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体の一部が除去されて形成された空間内、または、絶縁体が圧縮変形され細径化されて形成された空間内、あるいは、外部導体及び外被が拡張されるとともに絶縁体が圧縮変形され細径化されて形成された空間内に挿入されることにより外部導体の内側に位置し、圧着スリーブが外部からの圧力によってシェル側に収縮変形されて、圧着スリーブ及びシェルによって同軸ケーブルの外被及び外部導体を保持して、同軸ケーブルの端末部分に取付けられるので、外部導体の内側にシェルを挿入することが容易であり、また、シェルを挿入するために外部導体を変形させる量は僅かであるため、同軸ケーブルに損傷を与えることがない。
【0027】
本発明に係るコネクタ取付用工具は、構成3、構成5、または、構成8を有することにより、シェルの内側となる絶縁体を除去、または、圧縮、あるいは、外部導体及び外被を拡張するとともに絶縁体を圧縮して細径化することが容易に行え、外部導体の内側にシェルを挿入することを容易とすることができる。絶縁体を圧縮して細径化する場合には、コネクタ取付用工具を絶縁体の融点以下の60°C〜90°Cに加熱しておくことが好ましい。
【0028】
すなわち、本発明は、LCXなどの同軸ケーブルの端末部分に取付ける同軸ケーブル用コネクタであって、同軸ケーブルの外部導体及び外被を損傷させることなく、また、取り付け作業時間を短縮することができる同軸ケーブル用コネクタ及びこの同軸ケーブル用コネクタを同軸ケーブルの端末部分に取付けるためのコネクタ取付用工具を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る同軸ケーブル用コネクタの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の形態(1)に係るコネクタ取付用工具の構成を示す側面図及び正面図である。
【図3】本発明の形態(1)に係るコネクタ取付用工具による加工状態を示す側面図である。
【図4】本発明の形態(2)に係るコネクタ取付用工具の第1の工具の構成及び加工状態を示す側面図である。
【図5】本発明の形態(2)に係るコネクタ取付用工具の第2の工具の構成及び加工状態を示す側面図である。
【図6】本発明の形態(3)に係るコネクタ取付用工具の第3の工具の構成及び加工状態を示す側面図である。
【図7】漏洩同軸ケーブルの構成を示す断面図である。
【図8】従来の同軸ケーブル用コネクタの構成を示す側面図である。
【図9】従来の同軸ケーブル用コネクタの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
〔同軸ケーブル用コネクタの実施の形態〕
図7は、漏洩同軸ケーブルの構成を示す断面図である。
【0032】
本発明に係る同軸ケーブル用コネクタが取付けられる同軸ケーブルは、図7に示すように、中心導体201と、中心導体201を被覆した絶縁体202と、絶縁体202の周囲に巻き付けられ(縦添えされ)た外部導体204を有して構成されている。
【0033】
中心導体201としては、銅線を用いることができ、また、アルミニウム線を用いてもよい。絶縁体202は、ポリエチレンなどの合成樹脂材料等からなり、外径は、例えば、10mm以下である。外部導体204は、銅やアルミニウムなどの金属板からなり、厚さは、5μm乃至44μm程度である。
【0034】
この同軸ケーブルが漏洩同軸ケーブル(LCX)である場合には、外部導体204には、ケーブル長手方向に周期的に、電磁波漏れ機構となる複数のスロット(細長い形状の開孔部)206が形成されている。この漏洩同軸ケーブルにおいては、ケーブル内部を伝送する電気信号エネルギーの一部が、複数のスロット206において、電磁波として外部ヘ放射される。
【0035】
そして、外部導体204は、合成樹脂材料によって形成された外被205によって被覆されている。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係る同軸ケーブル用コネクタの構成を示す断面図である。
【0037】
本発明に係る同軸ケーブル用コネクタ1は、図1に示すように、円筒状の基体部3を有している。この基体部3は、金属材料により、中空の円筒状に形成され、基端側が同軸ケーブルに取付けられ、先端側が他の同軸ケーブルに取付けられた端子に接続されるようになっている。
【0038】
基体部3の先端側には、接続ナット5が回転可能に取付けられている。この接続ナット5は、内側部にネジ溝が形成された雌ネジナットであり、基体部3に対して回転可能となっている。基体部3と接続ナット5とは、電気的に導通された状態となっている。この接続ナット5は、図示しない他の同軸ケーブルの端末部分に取付けられた端子に螺合される。他の同軸ケーブルの端末部分に取付けられた端子の先端部分は、外周部にネジ溝が形成された雄ネジとなっている。
【0039】
基体部3の基端側には、円筒状の圧着スリーブ7と、この圧着スリーブ7の内側に位置する円筒状のシェル9とが形成されている。これら圧着スリーブ7及びシェル9は、基体部3に一体的に形成されている。
【0040】
圧着スリーブ7の内径は、同軸ケーブルの外被205の外径よりもわずかに大きくなされている。この同軸ケーブル用コネクタ1を同軸ケーブルの端末部分に取付けるときには、圧着スリーブ7は、同軸ケーブルの端末部分において、外被205の外側を覆う状態となされる。そして、シェル9の外径は、同軸ケーブルの外部導体204の内径よりもわずかに小さくなされている。この同軸ケーブル用コネクタ1を同軸ケーブルの端末部分に取付けるときには、シェル9は、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体202の一部が除去されて形成された空間210内に挿入され、外部導体204の内側に位置する状態となされる。
【0041】
絶縁体202の一部が除去されて形成される空間210は、同軸ケーブルの端末部から数mm〜10mm程度の所定の長さの領域において、外部導体204の内側面に沿った円筒状の領域が除去されてなるものである。この空間210と中心導体201との間には、絶縁体202が残されており、この残された絶縁体202により、シェル9と中心導体201との導通が防止される。シェル9は、空間210が形成されていることにより、外部導体204を傷付けることなく、容易に外部導体204の内側に挿入されることができる。
【0042】
この同軸ケーブル用コネクタ1は、同軸ケーブルの端末部分において、圧着スリーブ7が外被205の外側を覆い、シェル9が空間210内に挿入されて外部導体204の内側に位置する状態において、図1において矢印Pで示すように、圧着スリーブ7を外部からの圧力によってシェル9側に収縮変形させ、圧着スリーブ7及びシェル9によって外被205及び外部導体204を保持させることにより、同軸ケーブルの端末部分に取付けられる。この同軸ケーブル用コネクタ1は、同軸ケーブルの端末部分に対し、電気的に安定して、かつ、機械的にも強固に接続される。
【0043】
このとき、中心導体201の端末部分は、シェル9により絶縁体202を介して保持され、基体部3及び接続ナット5の中心軸上に位置して、接続ナット5内に達しており、基体部3及び接続ナット5とは電気的に絶縁された状態となっている。
【0044】
なお、絶縁体202の一部が除去されて形成される空間210は、絶縁体202の一部を除去するのではなく、絶縁体202の端末部分を圧縮変形させて細径化させて形成した空間であってもよい。すなわち、同軸ケーブルの端末部から数mm〜10mm程度の所定の長さの領域において、外部導体204の内側面に沿った円筒状の領域の絶縁体202を、中心側に圧縮変形させることにより、絶縁体202と外部導体204との間に円筒状の空間210を形成することができる。この場合にも、空間210と中心導体201との間には、絶縁体202が残され、この残された絶縁体202により、シェル9と中心導体201との導通が防止される。
【0045】
このようにして空間210を形成した場合にも、シェル9は、外部導体204を傷付けることなく、容易に外部導体204の内側に挿入されることができる。そして、同軸ケーブル用コネクタ1は、圧着スリーブ7を外部からの圧力によってシェル9側に収縮変形させ、圧着スリーブ7及びシェル9によって外被205及び外部導体204を保持させることにより、同軸ケーブルの端末部分に取付けられる。
【0046】
なお、絶縁体202の一部が除去されて形成される空間210は、絶縁体202の一部を除去するのではなく、外部導体204及び外被205を拡張させるとともに絶縁体202の端末部分を圧縮変形させて細径化させて形成した空間であってもよい。すなわち、同軸ケーブルの端末部から数mm〜10mm程度の所定の長さの領域において、外部導体204及び外被205を拡張させるとともに、外部導体204の内側面に沿った円筒状の領域の絶縁体202を中心側に圧縮変形させることにより、絶縁体202と外部導体204との間に円筒状の空間210を形成することができる。この場合にも、空間210と中心導体201との間には、絶縁体202が残され、この残された絶縁体202により、シェル9と中心導体201との導通が防止される。
【0047】
このようにして空間210を形成した場合にも、シェル9は、外部導体204を傷付けることなく、容易に外部導体204の内側に挿入されることができる。そして、同軸ケーブル用コネクタ1は、圧着スリーブ7を外部からの圧力によってシェル9側に収縮変形させ、圧着スリーブ7及びシェル9によって外被205及び外部導体204を保持させることにより、同軸ケーブルの端末部分に取付けられる。
【0048】
〔コネクタ取付用工具の実施の形態(1)〕
本発明に係るコネクタ取付用工具は、前述した同軸ケーブルの端末部分に、前述した同軸ケーブル用コネクタ1を取付けるにあたって、同軸ケーブルの端末部分に空間210を形成するための工具である。
【0049】
図2は、本発明の形態に係るコネクタ取付用工具の構成を示す側面図(a)及び正面図(b)である。
【0050】
このコネクタ取付用工具20は、図2中の(a)に示すように、同軸ケーブルの絶縁体202の外径に略等しい外径を有し、中心導体201の外径より大きい内径の中心孔21aを有する円筒体21を有している。この円筒体21は、金属材料により、中空の円筒状に形成されている。
【0051】
円筒体21の先端部には、図2中の(b)に示すように、円筒体21の外径に略等しい外径を有し円筒体21の内径に略等しい内径を有する円環状の切削刃23が取付けられている。この切削刃23は、絶縁体202の端末部分を切削するための刃である。
【0052】
円筒体21の側面部には、切削刃23により切削された絶縁体202の切削カスが外部に移動除去されるための溝25が形成されている。
【0053】
図3は、本発明の形態に係るコネクタ取付用工具による加工状態を示す側面図である。
【0054】
このコネクタ取付用工具を用いて、同軸ケーブルの端末部分に空間210を形成するには、図3に示すように、同軸ケーブルの端末部分の絶縁体202に、円筒体21を同軸状に突き合わせる。このとき、絶縁体202の端部に切削刃23が当接する。なお、このとき、同軸ケーブルの端末部分においては、外被205、外部導体204及び絶縁体202を所定長さに亘って除去して、中心導体201のみが露出するようにしておく。
【0055】
そして、円筒体21を軸回りに回転させつつ、図3中の矢印Aで示すように、円筒体21を絶縁体202の端部側に加圧すると、切削刃23により、絶縁体202の端末部分が切削される。このとき、切削カスは、溝25内を通って、外部に移動除去される。
【0056】
このようにして、円筒体21の先端側を、形成するべき空間210の長さに相当する長さだけ、外部導体204内に挿入すると、絶縁体202の端末部分に空間210が形成される。この空間210は、外周側が外部導体204の内面部となっており、内周側が絶縁体202となっている。この絶縁体202内には、中心導体201が通っている。なお、円筒体21の後端側においては、中心孔21aは、中心導体201の外径に相当する内径を有する細径部21bとしておいてもよい。
【0057】
そして、円筒体21の先端側を、図3中の矢印Bで示すように、外部導体204内から抜き取ると、同軸ケーブルは、外部導体204の端末部分内において、絶縁体202の端末部分に空間210が形成され、また、絶縁体202の端部より中心導体201のみが突出した状態となされる。絶縁体202の端部より突出した中心導体201は、所定の寸法で切断する。
【0058】
このようにして形成された空間210内には、同軸ケーブル用コネクタ1のシェル9を容易に挿入することができ、前述したように、同軸ケーブル用コネクタ1を取付けることができる。
【0059】
〔コネクタ取付用工具の実施の形態(2)〕
同軸ケーブルの端末部分に空間210を形成するための本発明に係るコネクタ取付用工具は、絶縁体202を切削するのではなく、絶縁体202の端末部分を圧縮して縮径させるものであってもよい。
【0060】
図4は、本発明の形態(2)に係るコネクタ取付用工具の第1の工具の構成(a)及び加工状態を示す側面図(b)である。
【0061】
図5は、本発明の形態(2)に係るコネクタ取付用工具の第2の工具の構成(a)及び加工状態を示す側面図(b)である。
【0062】
このコネクタ取付用工具は、図4に示す第1の工具30と、図5に示す第2の工具40とからなる。
【0063】
第1の工具30は、図4中の(a)に示すように、円筒状の先端部分を有し、先端部の内径31が同軸ケーブルの絶縁体202の外径より0.1mm乃至0.5mm太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体の外径より0.5mm乃至1.0mm細い径にまで至っている。このテーパ部分の軸方向の長さは、数mm程度である。
【0064】
この第1の工具30は、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体202の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、絶縁体202の先端部分を圧縮して細径化する工具である。
【0065】
すなわち、図4中の(a)に示すように、同軸ケーブルの端末部分の外被205及び外部導体204を所定長さに亘って除去して、絶縁体202が露出した状態としておく。このとき、絶縁体202の端部からは、中心導体201のみがさらに突出した状態としておく。そして、同軸ケーブルの端末部分の絶縁体202に、図4中の(a)において矢印Cで示すように、第1の工具30の円筒状の先端部分を同軸状に突き合わせる。
【0066】
そして、第1の工具30を絶縁体202の端部側に加圧すると、図4中の(b)に示すように、絶縁体202の先端側の数mmに亘る部分が、圧縮されて細径化する。
【0067】
そして、第2の工具40は、図5中の(a)に示すように、円筒状の先端部分を有し、先端部の外径43が絶縁体202の外径より0.0mm乃至0.1mm細く、先端部の内径41が第1の工具30によって細径化された絶縁体202の先端部分202aの外径より太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体202の外径より0.5mm乃至2.0mm細い径にまで至っている。
【0068】
この第2の工具40は、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体202の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、絶縁体202の先端部分を圧縮して細径化する工具である。
【0069】
すなわち、図5中の(a)に示すように、第1の工具30による加工が完了した同軸ケーブルの端末部分の絶縁体202に、図5中の(a)において矢印Dで示すように、第2の工具40の円筒状の先端部分を同軸状に突き合わせる。
【0070】
そして、第2の工具40を絶縁体202の端部側に加圧し、図5中の(b)に示すように、第2の工具40の先端側を、形成するべき空間210の長さに相当する長さだけ、外部導体204内に挿入すると、絶縁体202が圧縮されて細径化され、端末部分に空間210が形成される。この空間210は、外周側が外部導体204の内面部となっており、内周側が絶縁体202となっている。この絶縁体202内には、中心導体201が通っている。
【0071】
そして、第2の工具40の先端側を、外部導体204内から抜き取ると、同軸ケーブルは、外部導体204の端末部分内において、絶縁体202の端末部分に空間210が形成され、また、絶縁体202の端部より中心導体201のみが突出した状態となされる。絶縁体202の端部より突出した中心導体201は、所定の寸法で切断する。
【0072】
このようにして形成された空間210内には、同軸ケーブル用コネクタ1のシェル9を容易に挿入することができ、前述したように、同軸ケーブル用コネクタ1を取付けることができる。
【0073】
なお、第1の工具30及び第2の工具40は、前述のように絶縁体202を細径化する前に、絶縁体の融点以下の60°C〜90°C、好ましくは80°C程度に加熱しておくことが望ましい。第1の工具30及び第2の工具40を加熱しておくことにより、絶縁体202の細径化を容易に行うことができる。
【0074】
また、第1の工具30及び第2の工具40は、一体的な円筒状に形成してもよい。この場合には、一体的な円筒状工具の両端側に、第1の工具30の先端側部分の形状及び第2の工具40の先端側部分の形状をそれぞれ形成する。
【0075】
〔コネクタ取付用工具の実施の形態(3)〕
同軸ケーブルの端末部分に空間210を形成するための本発明に係るコネクタ取付用工具は、絶縁体202を切削するのではなく、外部導体204及び外被205を拡張させるとともに、絶縁体202の端末部分を圧縮して縮径させるものであってもよい。
【0076】
図6は、本発明の形態(3)に係るコネクタ取付用工具の第3の工具の構成(a)及び加工状態を示す側面図(b)である。
【0077】
このコネクタ取付用工具は、図4に示す第1の工具30と、図6に示す第3の工具50とからなる。
【0078】
第1の工具30は、図4中の(a)に示すように、円筒状の先端部分を有し、先端部の内径31が同軸ケーブルの絶縁体202の外径より0.1mm乃至0.5mm太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体の外径より0.5mm乃至1.0mm細い径にまで至っている。このテーパ部分の軸方向の長さは、数mm程度である。
【0079】
この第1の工具30は、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体202の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、絶縁体202の先端部分を圧縮して細径化する工具である。
【0080】
すなわち、図4中の(a)に示すように、同軸ケーブルの端末部分の外被205及び外部導体204を所定長さに亘って除去して、絶縁体202が露出した状態としておく。このとき、絶縁体202の端部からは、中心導体201のみがさらに突出した状態としておく。そして、同軸ケーブルの端末部分の絶縁体202に、図4中の(a)において矢印Cで示すように、第1の工具30の円筒状の先端部分を同軸状に突き合わせる。
【0081】
そして、第1の工具30を絶縁体202の端部側に加圧すると、図4中の(b)に示すように、絶縁体202の先端側の数mmに亘る部分が、圧縮されて細径化する。
【0082】
そして、第3の工具50は、図6中の(a)に示すように、円筒状の先端部分を有し、先端部の外径53が絶縁体202の外径より0.0mm乃至0.1mm細く、後方に向けてテーパに拡径され少なくとも絶縁体202の外径より0.0mm乃至1mm太くなっており、先端部の内径51が第1の工具30によって細径化された絶縁体202の先端部分202aの外径より太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも絶縁体202の外径より0.5mm乃至2.0mm細い径にまで至っている。
【0083】
この第3の工具50は、同軸ケーブルの端末部分において、絶縁体202の先端部分を円筒状の先端部分内に挿入することによって、外部導体204及び外被205を拡張させるとともに、絶縁体202の先端部分を圧縮して細径化する工具である。
【0084】
すなわち、図6中の(a)に示すように、第1の工具30による加工が完了した同軸ケーブルの端末部分の絶縁体202に、図6中の(a)において矢印Eで示すように、第3の工具50の円筒状の先端部分を同軸状に突き合わせる。
【0085】
そして、第3の工具50を絶縁体202の端部側に加圧し、図6中の(b)に示すように、第3の工具50の先端側を、形成するべき空間210の長さに相当する長さだけ、外部導体204内に挿入すると、外部導体204及び外被205が僅かに拡張されるとともに、絶縁体202が圧縮されて細径化され、端末部分に空間210が形成される。この空間210は、外周側が外部導体204の内面部となっており、内周側が絶縁体202となっている。この絶縁体202内には、中心導体201が通っている。
【0086】
そして、第3の工具50の先端側を、外部導体204内から抜き取ると、同軸ケーブルは、外部導体204の端末部分内において、絶縁体202の端末部分に空間210が形成され、また、絶縁体202の端部より中心導体201のみが突出した状態となされる。絶縁体202の端部より突出した中心導体201は、所定の寸法で切断する。
【0087】
このようにして形成された空間210内には、同軸ケーブル用コネクタ1のシェル9を容易に挿入することができ、前述したように、同軸ケーブル用コネクタ1を取付けることができる。
【0088】
なお、第1の工具30及び第3の工具50は、前述のように絶縁体202を細径化する前に、絶縁体の融点以下の60°C〜90°C、好ましくは80°C程度に加熱しておくことが望ましい。第1の工具30及び第3の工具50を加熱しておくことにより、絶縁体202の細径化を容易に行うことができる。
【0089】
また、第1の工具30及び第3の工具50は、一体的な円筒状に形成してもよい。この場合には、一体的な円筒状工具の両端側に、第1の工具30の先端側部分の形状及び第3の工具50の先端側部分の形状をそれぞれ形成する。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、同軸ケーブル用コネクタに適用され、特に、外径が細い丸型の漏洩同軸ケーブルの端末部にケーブルに損傷等の悪影響を与えずに簡単に取付けられる同軸ケーブル用コネクタ及びコネクタ取付用工具に適用される。
【符号の説明】
【0091】
3 基体部
5 接続ナット
7 圧着スリーブ
9 シェル
30 第1の工具
40 第2の工具
201 中心導体
202 絶縁体
204 外部導体
205 外被

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体と、この中心導体を覆う絶縁体と、この絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と、この外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に取付けられる同軸ケーブル用コネクタであって、
前記同軸ケーブルの端末部分において、前記外被の外側を覆う圧着スリーブと、
前記圧着スリーブの内側に位置し、前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間内に挿入されることにより、前記外部導体の内側に位置するシェルと
を備え、
前記圧着スリーブが外部からの圧力によって前記シェル側に収縮変形されて、この圧着スリーブ及び前記シェルによって、前記外被及び前記外部導体を保持して、前記同軸ケーブルの端末部分に取付けられる
ことを特徴とする同軸ケーブル用コネクタ。
【請求項2】
前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間は、前記絶縁体の一部が除去されて形成されたものである
ことを特徴とする請求項1記載の同軸ケーブル用コネクタ。
【請求項3】
中心導体と、この中心導体を覆う絶縁体と、この絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と、この外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に、請求項2記載の同軸ケーブル用コネクタを取付けるためのコネクタ取付用工具であって、
前記絶縁体の外径に略等しい外径を有し、前記中心導体の外径より大きい内径を有する円筒体と、
前記円筒体の先端部に取付けられ、この円筒体の外径に略等しい外径を有し、この円筒体の内径に略等しい内径を有し、前記絶縁体の端末部分を切削するための円環状の切削刃と、
前記円筒体の側面部に形成され、前記切削刃により切削された前記絶縁体の切削カスが外部に移動除去されるための溝と
を有することを特徴とするコネクタ取付用工具。
【請求項4】
前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間は、前記絶縁体が圧縮変形され細径化されて形成されたものである
ことを特徴とする請求項1記載の同軸ケーブル用コネクタ。
【請求項5】
中心導体と、この中心導体を覆う絶縁体と、この絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と、この外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に、請求項4記載の同軸ケーブル用コネクタを取付けるためのコネクタ取付用工具であって、
第1の工具と第2の工具とからなり、
前記第1の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の内径が前記絶縁体の外径より0.1mm乃至0.5mm太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも前記絶縁体の外径より0.5mm乃至1.0mm細い径にまで至っており、前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体の先端部分を前記円筒状の先端部分内に挿入することによって、前記絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具であり、
前記第2の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の外径が前記絶縁体の外径より0.0mm乃至0.1mm細く、先端部の内径が前記第1の工具によって細径化された前記絶縁体の先端部分の外径より太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも前記絶縁体の外径より0.5mm乃至2.0mm細い径にまで至っており、前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体の先端部分を前記円筒状の先端部分内に挿入することによって、前記絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具である
ことを特徴とするコネクタ取付用工具。
【請求項6】
前記第1の工具の先端部分の形状及び前記第2の工具の先端部分の形状とが、両端側にそれぞれ形成されて一体的な円筒状に形成されている
ことを特徴とする請求項5記載のコネクタ取付用工具。
【請求項7】
前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体が存在していた領域の一部に形成された空間は、前記外部導体及び前記外被が拡張されるとともに前記絶縁体が圧縮変形され細径化されて形成されたものである
ことを特徴とする請求項1記載の同軸ケーブル用コネクタ。
【請求項8】
中心導体と、この中心導体を覆う絶縁体と、この絶縁体の上に縦添えされて巻き付けられた外部導体と、この外部導体を被覆した外被とを有する同軸ケーブルの端末部分に、請求項7記載の同軸ケーブル用コネクタを取付けるためのコネクタ取付用工具であって、
第1の工具と第3の工具とからなり、
前記第1の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の内径が前記絶縁体の外径より0.1mm乃至0.5mm太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも前記絶縁体の外径より0.5mm乃至1.0mm細い径にまで至っており、前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体の先端部分を前記円筒状の先端部分内に挿入することによって、前記絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具であり、
前記第3の工具は、円筒状の先端部分を有し、先端部の外径が前記絶縁体の外径より0.0mm乃至0.1mm細く、後方に向けてテーパ状に拡径され少なくとも前記絶縁体の外径より0.0mm乃至1mm太くなっており、先端部の内径が前記第1の工具によって細径化された前記絶縁体の先端部分の外径より太く、後方に向けてテーパ状に縮径されて、少なくとも前記絶縁体の外径より0.5mm乃至2.0mm細い径にまで至っており、前記同軸ケーブルの端末部分において、前記絶縁体の先端部分を前記円筒状の先端部分内に挿入することによって、前記外部導体及び前記外被を拡張するとともに、前記絶縁体の先端部分を圧縮して細径化する工具である
ことを特徴とするコネクタ取付用工具。
【請求項9】
前記第1の工具の先端部分の形状及び前記第3の工具の先端部分の形状とが、両端側にそれぞれ形成されて一体的な円筒状に形成されている
ことを特徴とする請求項8記載のコネクタ取付用工具。
【請求項10】
前記絶縁体を細径化する前に、60°C〜90°Cに加熱されて使用される
ことを特徴とする請求項5、請求項6、請求項8、または、請求項9記載のコネクタ取付用工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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