説明

吐出器

【課題】使用者が手を滑らせても吐出器または吐出器を取り付けた容器本体の落下を防止できる吐出器を提供すること。
【解決手段】内容物を収容した容器本体2の口部3に装着される有頂筒状の装着キャップ4と、装着キャップ4に上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステム21を有するポンプ5と、ステム21の上端部に固定されると共に内容物を吐出する噴霧孔49Bが形成された押下ヘッド7と、装着キャップ4に装着キャップ4の周方向に沿って延在する収容管状体8と、収容管状体8に出没自在に収容されたストラップ体9と、を備え、ストラップ体9の両端部が、収容管状体8から露出すると共に収容管状体8に沿ってスライド自在な操作片61に連結されており、操作片61のスライドに伴ってストラップ体9のうち両端部を除く部分が収容管状体8に対して出没する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、吐出器として、内容物を収容した容器本体の口部に装着される有頂筒状の装着キャップと、装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有する吐出器本体と、ステムの上端部に固定されると共に内容物を吐出する吐出孔が形成された押下ヘッドと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−12050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような吐出器では、吐出時に吐出器またはこの吐出器を取りつけた容器本体が手から滑落することを抑制することについて、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、使用者が手を滑らせても吐出器または吐出器を取り付けた容器本体の落下を防止できる吐出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の吐出器は、内容物を収容した容器本体の口部に装着される有頂筒状の装着キャップと、前記装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有する吐出器本体と、前記ステムの上端部に固定されると共に内容物を吐出する吐出孔が形成された押下ヘッドと、前記装着キャップに該装着キャップの周方向に沿って延在する収容管状体と、前記収容管状体に出没自在に収容されたストラップ体と、を備え、前記ストラップ体の両端部のうち少なくとも一方が、前記収容管状体から露出すると共に前記収容管状体に沿ってスライド自在な操作片に連結されており、前記操作片のスライドに伴って前記ストラップ体のうち両端部を除く少なくとも一部が前記収容管状体に対して出没することを特徴とする。
【0007】
この発明では、収容管状体に出没自在に収容されたストラップ体を繰り出すことによってストラップ体と装着キャップの外面との間に画定された空間に指などを掛けることで、使用時に吐出器が落下することを防止できる。ストラップ体を使用する際には、操作片を収容管状体に沿ってスライドさせると、操作片に連結されているストラップ体の端部が容器本体の外部に向けて移動され、この移動に伴ってストラップ体が収容管状体の外部に繰り出され、ストラップ体と装着キャップの外面との間に上記空間が画定される。そして、操作片を逆方向にスライドさせると、上述とは逆に、ストラップ体のうち繰り出された部分が収容管状体内に収容される。このように、操作片を収容管状体に沿ってスライドさせることでストラップ体を出没させることができるので、不使用時における吐出器の取扱性を維持しつつストラップ体の操作性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の吐出器では、前記ストラップ体の一端部が前記操作片に連結され、他端部が前記収容管状体に対して固定されていてもよい。
この場合では、ストラップ体の一端部のみを収容管状体に対してスライドさせるため、吐出器の構成が簡略化される。
【発明の効果】
【0009】
この発明にかかる吐出器によれば、ストラップ体を繰り出してストラップ体と装着キャップの外面との間に画定された空間に指などを掛けることによって、使用時に吐出器が落下することを防止できると共に、不使用時における吐出器の取扱性を維持しつつストラップ体の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態における吐出器を示す軸方向断面図である。
【図2】図1の収容管状体及びストラップ体を示す断面図である。
【図3】図1の収容管状体及びストラップ体を示す平面図である。
【図4】図2の環状底部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明における吐出器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0012】
本実施形態における吐出器1は、図1に示すように、有底筒状の容器本体2の口部3に装着される吐出ポンプであって、容器本体2の口部3に装着される有頂円筒状の装着キャップ4と、装着キャップ4に上方付勢状態で下方移動可能に貫設された円筒状のステム21を有するポンプ(吐出器本体)5と、ステム21の上端に円筒状の継手部材6を介して装着されると共に外部とステム21の内側とを連通させる噴霧孔(吐出孔)49Bが形成された押下ヘッド7と、装着キャップ4の外周面に取り付けられた平面視で円環状の収容管状体8と、収容管状体8内に出没自在に収容されるストラップ体9と、を備えている。
ここで、容器本体2、装着キャップ4、ステム21、継手部材6及び収容管状体8それぞれの中心軸は、共通軸上に位置している。以下、この共通軸を中心軸Oとし、中心軸Oに沿って押下ヘッド7側を上側、容器本体2側を下側と称し、中心軸Oに直交する方向を径方向、中心軸O回りの方向を周方向と称する。
【0013】
装着キャップ4は、中央部に円形の開口部が形成された平面視で円環板状の天壁部11と、天壁部11の外周縁から下方に向けて突設された円筒状の周壁部12と、天壁部11の内縁部から上方に向けて突設された案内筒部13と、案内筒部13よりも径方向外方において天壁部11から上方に向けて突設された外筒部14と、を有する。
周壁部12の内周面には、容器本体2の口部3に形成された雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成されている。また、周壁部12の上端部は、他の部分よりも径方向内方に陥没しており、収容管状体8が取り付けられる取付段部15となっている。この取付段部15の下端部の外周面には、径方向内方に向けて陥没する係合溝部15A(図2参照)が全周にわたって形成されており、取付段部15の上端部は、径方向内方に向けてさらに陥没している。
なお、装着キャップ4には、オーバーキャップ16が被着されている。
【0014】
ポンプ5は、装着キャップ4に上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステム21と、内部にステム21の下端部が上下動自在に配設された円筒状のシリンダ22と、シリンダ22の内部に上下摺動自在に配設されたピストン(図示略)と、ステム21を上方に付勢する付勢部材(図示略)と、を有する。
ステム21の上部は、シリンダ22の上端から上方に突出し、かつ装着キャップ4の案内筒部13内に配設されている。また、ステム21の上端部は、案内筒部13の上端から上方に突出している。さらに、ステム21の上端部には、径方向外方に突設されており、継手部材6の内周面に摺接する摺接部23が設けられている。
【0015】
シリンダ22の上端には、全周にわたってフランジ部22Aが径方向外方に向けて突設されており、このフランジ部22Aは、装着キャップ4の天壁部11の下面と容器本体2の口部3の開口端縁上にあるパッキン24とによって上下方向で挟み込まれている。シリンダ22の下端部内には、パイプ25の上端部が嵌合されており、このパイプ25の下端開口部が容器本体2内の底部に位置している。
【0016】
継手部材6は、平面視で円環状の天板部31と、天板部31の外周縁から下方に向けて突設された円筒状の下筒部32と、天板部31の外周縁から上方に向けて突設された円筒状の上筒部33と、上筒部33よりも径方向内方において天壁部11から上方に向けて突設された円筒状の内筒部34と、を有する。下筒部32の内側には、ステム21の摺接部23が上下方向に摺動可能に嵌入されている。
【0017】
押下ヘッド7は、頂壁部41と、頂壁部41の中央部から下方に向けて突設された円筒状の連通筒部42と、頂壁部41の外周縁から下方に向けて突設されたヘッド筒部43と、内容物を外部に向けて噴霧する噴霧部44と、を有する。
連通筒部42は、継手部材6の上筒部33よりも径方向内方に配設されており、連通筒部42の内側には、継手部材6の内筒部34が嵌合されている。この連通筒部42の内部は、継手部材6を介してステム21内と連通しており、容器本体2内の内容物が流通する。
【0018】
噴霧部44は、連通筒部42の外周面とヘッド筒部43の内周面との間に介在する円筒状の外壁部45と、外壁部45の内側において連通筒部42の上端部から径方向外方に向けて突設された円柱状の芯部46と、を有する。
外壁部45は、上部が押下ヘッド7の頂壁部41によって形成されており、押下ヘッド7と一体に形成されている。また、外壁部45の基端部(連通筒部42側の端部)は、連通筒部42の内部に向けて開口しており、外壁部45の先端部(押下ヘッド7の径方向外方側の端部)は、ヘッド筒部43の外部に向けて開口している。
【0019】
芯部46の基端部(連通筒部42側の端部)は、外壁部45と同軸上に配設されており、芯部46の外周面には、芯部46の長手方向に沿って延在する凹溝46Aが形成されている。また、芯部46の先端部(押下ヘッド7の径方向外方側の端部)には、有頂円筒状の噴霧キャップ47が被着されている。
噴霧キャップ47は、芯部46と同軸上に配設されており、芯部46の外周面に設けられた円筒状のキャップ筒部48と、キャップ筒部48の先端部(押下ヘッド7の径方向外方側の端部)に設けられた端壁部49と、を有する。
キャップ筒部48は、外壁部45の内周面に嵌合されており、端壁部49は、芯部46の先端面に当接している。端壁部49のうち芯部46の先端面に当接する面には、芯部46の凹溝46Aに連通するスピン流路49Aが形成されている。また、端壁部49の中央部分には、スピン流路49Aに連通する噴霧孔49Bが形成されている。
【0020】
収容管状体8は、図1から図3に示すように、平面視で円環状の環状底部51と断面逆L字状をなす環状壁部52とを有し、収容管状体8には、径方向外方に向けて開口する縦断面視でC字状の収容溝部8Aが周方向で形成されている。
環状底部51は、装着キャップ4の周壁部12における取付段部15上に載置されている。また、環状底部51の内周縁には、図4に示すように、径方向外方に向けて陥没する複数(本実施形態では4つ)の取付凹部51Aが周方向で間隔をあけて形成されている。さらに、環状底部51の外周縁は、図1及び図2に示すように、収容溝部8A内に収容されているストラップ体9が容易に収容溝部8Aから離脱することを防止するために、全周にわたって上方に向けて突出している。
【0021】
環状壁部52は、図2及び図3に示すように、平面視で円環状の環状頂部53と、環状頂部53の内縁部から下方に向けて延在し、環状壁部52と環状底部51とを連結する円筒状の連結筒部54と、を有する。
環状頂部53の内縁部は、連結筒部54よりも径方向内方に向けて突出しており、周壁部12における取付段部15の上端と係合している。また、環状頂部53の外周縁は、図1及び図2に示すように、収容溝部8A内に収容されているストラップ体9が容易に収容溝部8Aから離脱することを防止するために、全周にわたって下方に向けて突出している。
【0022】
連結筒部54は、装着キャップ4の周壁部12における取付段部15の外周面に沿って配設されている。連結筒部54のうち周方向の一部(例えば、押下ヘッド7の周方向位置が固定される場合において、平面視で噴霧孔49Bと周方向で対応する位置)には、図3に示すように、径方向外方に向けて突出する係止部55が設けられている。係止部55は、環状壁部52と一体に形成されており、後述する操作片61と周方向で係合することによって操作片61の周方向の移動を規制する。このように、環状底部51及び環状壁部52によって収容溝部8Aが画定される。
連結筒部54の外周面には、径方向内方に向けて陥没すると共に、後述する操作片61の被着筒部62の周方向のスライド移動を案内する一対のスライド溝部54Aが形成されている。スライド溝部54Aは、係止部55の周方向端部を起点として図3(a)における時計回り及び反時計回り双方において周方向で約90°ずらした位置まで延在しており、収容溝部8Aと連通している。
【0023】
連結筒部54の下端部には、下方に向けて突出する複数(本実施形態では4つ)の取付突出部54Bが周方向で間隔をあけて形成されており、この取付突出部54Bは、図1に示すように、環状底部51の取付凹部51A(図1及び図4参照)と係合することによって環状壁部52を環状底部51に固定している。また、取付突出部54Bには、係合溝部15Aと係合する係合突出部54Cが径方向内方に向けて突設されている。
【0024】
ストラップ体9は、図3に示すように、断面円形状をなす弾性を有する紐状部材であり、平面視C字状をなしている。そして、ストラップ体9は、全長にわたって収容管状体8の収容溝部8A内に収容されている。ストラップ体9の両端部それぞれには、収容溝部8Aを介して装着キャップ4の外部に露出する操作片61が被着されている。
操作片61は、図2及び図3に示すように、ストラップ体9の端部に被着、固定される円筒状の被着筒部62と、収容溝部8Aに沿って周方向にスライドするスライド部63と、収容溝部8Aを介して被着筒部62とスライド部63とを連結する連結部64と、を有する。一方の操作片61は、収容溝部8Aの周方向の一端部に位置しており、他方の操作片61は、収容溝部8Aの周方向の他端部に位置している。
被着筒部62は、スライド溝部54Aに沿って周方向で案内され、スライド溝部54Aの周方向端部において周方向の移動が規制される。
【0025】
次に、以上のような構成の吐出器1の使用方法について説明する。まず、吐出器1を使用しない状態では、図3(a)に示すように、一対の操作片61それぞれが収容溝部8Aの周方向両端部に位置しており、ストラップ体9全体が収容溝部8A内に収容されている。
【0026】
吐出器1を使用する際には、まず、収容管状体8からストラップ体9を繰り出す。ここでは、一対の操作片61それぞれを互いに離間するようにスライド溝部54Aに沿って周方向でスライドさせる。操作片61を周方向で移動させると、操作片61に接続されているストラップ体9の両端部も操作片61と共に周方向で移動する。そして、ストラップ体9は、操作片61を周方向で移動させるにしたがって、例えば長手方向中央部から両端部にかけて順に収容溝部8Aから収容管状体8の外部に繰り出される。その後、操作片61をスライド溝部54Aの周方向端部までスライドさせると、スライド溝部54Aの周方向端壁によって被着筒部62の周方向でのさらなる移動が規制される。これにより、ストラップ体9と収容管状体8との間に例えば指などを掛ける空間が画定される。
【0027】
次に、オーバーキャップ16を取り外して押下ヘッド7を露出させる。押下ヘッド7を押し下げると、ステム21が下方に向けて移動させられる。そして、ステム21の移動に追従して上記ピストン部材がシリンダ22の内周面に摺接しつつ下方に移動する。これにより、シリンダ22内の内容物が圧縮され、この圧縮されたシリンダ22内の内容物は、ステム21内に進入してステム21内及び継手部材6内を上方に向けて移動し、押下ヘッド7内に流入する。そして、内容物は、図1に示す噴霧部44の凹溝46Aを通ってスピン流路49A内に流入し、スピン流路49Aで渦状に流通した後、噴霧孔49Bから噴霧される。
【0028】
その後、押下ヘッド7の押し下げを解除すると、上記ピストン部材が上記付勢部材の上方付勢力によってシリンダ22の内周面に摺接しつつ上方に向けて復元移動する。これにより、シリンダ22内が減圧され、容器本体2内に収容されている内容物がパイプ25を通じてシリンダ22内に吸い上げられる。
このようにして、内容物を適宜噴霧した後、オーバーキャップ16を再度被着する。
【0029】
続いて、ストラップ体9を収容管状体8内に収容する。ここでは、上述とは逆に、一対の操作片61をスライド溝部54Aに沿って互いが接近するように周方向でスライドさせ、操作片61に接続されているストラップ体9の両端部を互いに近接するように周方向で移動させる。ストラップ体9は、ストラップ体9の両端部が周方向で移動するにしたがって、両端部それぞれに近接する部分から順に収容溝部8Aに収容される。これにより、ストラップ体9全体は、収容管状体8内に収容される。
なお、ストラップ体9を繰り出してからオーバーキャップ16を取り外しているが、オーバーキャップ16を取り外してからストラップ体9を繰り出してもよく、ストラップ体9を収容してからオーバーキャップ16を被着させてもよい。
【0030】
以上のような構成の吐出器1によれば、ストラップ体9を収容管状体8から繰り出してストラップ体9と装着キャップ4との間に画定された空間に指などを掛けることで、使用時における吐出器1の落下を防止できる。また、ストラップ体9を収容管状体8に対して出没するので、不使用時における吐出器1の取扱性を維持しつつストラップ体9の操作性を向上させることができる。さらに、収容管状体8を装着キャップ4に取りつけるだけなので、吐出器1の構成を複雑化することなく吐出器1の落下を防止する機能を付与できる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、吐出器は、内容物を噴霧する構成となっているが、内容物を霧状とせずに吐出させる構成や内容物を泡状に吐出する構成など、内容物を外部に吐出できれば、他の構成であってもよい。
吐出器本体は、吐出ポンプの構成となっているが、いわゆるエアゾール機構など、他の構造であってもよい。
【0032】
収容管状体は、平面視で円環状をなして装着キャップの全周にわたって取り付けられているが、平面視でC字状をなすなど、装着キャップの全周にわたって取り付けられていなくてもよく、装着キャップの天壁部に取り付けられてもよい。
収容溝部は、径方向外方に向けて開口しているが、収容管状体の外部に向けて開口していればよく、上方や下方に向けて開口していてもよい。
収容管状体は、環状底部と環状壁部とを連結した構成となっているが、環状底部と環状壁部とを一体成形してもよい。また、収容管状体を装着キャップと別体としているが、収容管状体と装着キャップとを一体としてもよく、例えば環状底部のみを装着キャップと一体としてもよい。同様に、ストラップ体の両端部の少なくとも一方に操作片を被着、固定しているが、ストラップ体と操作片とを一体成形してもよい。
収容管状体には係止部が形成されており、これにより平面視でC字状の収容溝部が形成されているが、係止部を形成せずに、収容管状体の全周にわたって収容溝部を形成してもよい。
【0033】
ストラップ体の両端部に操作片を設けているが、少なくとも一端部に操作片が設けられていればよく、操作片を設けない端部を収容管状体に固定してもよい。ストラップ体の一端部を収容管状体に固定することで、ストラップ体の一端部のみを収容管状体に対してスライドさせるので、吐出器の構成が簡略化される。
ストラップ体は、紐状に限らず、帯状など、他の形状をなしてもよい。また、ストラップ体は、少なくとも一部が収容管状体内に収容されればよい。この場合、ストラップ体のうち収容管状体内に収容されない部分は、収容管状体に近接または当接していることが好ましい。
ストラップ体及び操作片の配設位置は、上述した実施形態に限らず、他の部分であってもよく、ストラップ体を複数配設してもよい。
【0034】
ストラップ体を収容管状体に収容する収容位置と収容管状体に対するストラップ体の繰出量が最大になる繰出位置とのそれぞれにおいて操作片を位置決めすることを容易にするため、例えば操作片と収容管状体とに収容位置と繰出位置とのそれぞれにおいて係合する係脱可能な各種係止手段を設けてもよい。同様に、収容位置と繰出位置との間で操作片を位置決めしてストラップ体の繰出量の調整を容易にするため、例えば操作片や収容管状体に上記係止手段を複数設けてもよい。
オーバーキャップは、収容管状体を露出させるように装着キャップに被着されているが、収容管状体を覆うように装着キャップに被着されてもよい。これにより、操作片が外部に露出しないため、操作片を誤動作させることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明によれば、使用者が手を滑らせても吐出器または吐出器を取り付けた容器本体の落下を防止できる吐出器に関して、産業上の利用可能性が認められる。
【符号の説明】
【0036】
1 吐出器、2 容器本体、3 口部、4 装着キャップ、5 ポンプ(吐出器本体)、7 押下ヘッド、8 収容管状体、8A 収容溝部、9 ストラップ体、21 ステム、49B 噴霧孔(吐出孔)、61 操作片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容した容器本体の口部に装着される有頂筒状の装着キャップと、
前記装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有する吐出器本体と、
前記ステムの上端部に固定されると共に内容物を吐出する吐出孔が形成された押下ヘッドと、
前記装着キャップに該装着キャップの周方向に沿って延在する収容管状体と、
前記収容管状体に出没自在に収容されたストラップ体と、を備え、
前記ストラップ体の両端部のうち少なくとも一方が、前記収容管状体から露出すると共に前記収容管状体に沿ってスライド自在な操作片に連結されており、前記操作片のスライドに伴って前記ストラップ体のうち両端部を除く少なくとも一部が前記収容管状体に対して出没することを特徴とする吐出器。
【請求項2】
前記ストラップ体の一端部が前記操作片に連結され、他端部が前記収容管状体に対して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の吐出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−28362(P2013−28362A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165351(P2011−165351)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】