説明

吐水装置

【課題】シャワーホースと洗い場から浴槽にかけての手摺りとが交差しないように、シャワーホースが吐水装置上に配置されたとしても、浴室の床面と空気を適切に暖める機能を十分に発揮し、快適な入室を提供可能な吐水装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明による吐水装置150は、浴室100の水栓下方に設置されたカウンター122に埋設され、カウンター前面に露出する露出面210に湯水を吐出する複数の吐水孔212を有し、露出面の一部がカウンター前方に向かって突出形成されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室のカウンターに設けられ湯水を吐出する吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
快適な入浴を実現するため、浴室内の設備も日に日に改善されつつある。例えば、浴室の構造面では、高齢や疾病により身体機能が低下した人や幼児などの入浴を支援するため、様々な手摺りが提案されている。例えば、特許文献1および特許文献2には、浴室壁面の1つに手摺りを設ける構造が開示されている。また、特許文献3には、2つの浴室壁面それぞれに手摺りが設けられている浴室が開示されている。
【0003】
また、浴室の機能面では、予熱に関する提案もなされている。そもそも浴室は通常の室内暖房が行き届く範囲ではなく、まして脱衣して入る場所であるから寒さを感じやすい。これが冬期ともなれば入ることを躊躇するものである。そのため快適な入浴を実現するために浴室を入浴前に暖める要請があるが、結露が著しい場所であるため空調機の設置は難しい。そのため、従来から湯を散布することによって浴室を暖房するための様々な提案がなされている。
【0004】
例えば、特許文献4には、水栓の下方に設置されたカウが開示されている。特許文献5には、体を洗うシャワーの他に散水用のノズルを浴室のンターの下部の床近傍に、浴室の床上面に湯水を散水するためのノズルを設けた暖房装置壁面の高所に設けた構成が開示されている。特許文献6には、浴槽エプロン部の下部に設けた散水ノズルからお湯を散水する構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−250713号公報
【特許文献2】特開2004−218357号公報
【特許文献3】特開2001−329702号公報
【特許文献4】特開平4−244526号公報
【特許文献5】実開昭61−106821号公報
【特許文献6】特開平3−217725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、浴室の構造面として説明した従来の手摺りでは、浴室使用者の入浴動作を十分に支援しているとは言いがたい。例えば、浴室使用者が、洗い場から立ち上がり、浴槽まで移動し、浴槽内に再び座るという一連の入浴動作を実行しようとした場合に、1つの浴室壁面にしか手摺りが設けられていないと、上記一連の入浴動作中、手摺りを把持できない場面が生じるからである。手摺りを把持できない浴室使用者は、不安定になり、バランスを失ったり、転倒したりするおそれがある。
【0006】
そこで、隣接する2つ以上の浴室壁面に沿って連続して延伸する手摺りを設けて、身体機能が低下した人であっても、介助されることなく入浴することが可能となる技術が新たに提案されている。
【0007】
一方、浴室の機能面として説明した特許文献4や特許文献6に記載された技術のように、床近傍にノズルが配置されていると、遠くまで湯が届きにくく広範囲に渡って床を暖めにくい。また、湯がすぐに床に落ちて流れていってしまうため、床は暖めやすいが、浴室内の空気は暖まりにくい。さらに、体を洗う際の跳ね返りによってノズル付近が汚れやすくなるなどの不都合もある。これに対し特許文献5に示されるように高所にノズルが設けられていると、浴室内の空気は暖まり易いが床が暖まりにくい。さらに、浴室全体が濡れてしまうため始末が悪いという問題がある。
【0008】
そこで、吐水装置を浴室の水栓下方に設置されたカウンターの浴室出入口側に埋設し、適度な高さから湯水を吐出することで、浴室の床面と空気を適切に暖め、快適に入室することが可能な浴室の暖房装置も新たに提案されている。
【0009】
上述した手摺りおよび吐水装置によって、浴室使用者による快適な入浴が実現可能となる。しかし、提案される手摺りは、上述したように2つ以上の浴室壁面に跨っているため、カランから延伸するシャワーホースが、手摺りの洗い場から浴槽にかける部分と交差してしまう。このような洗い場から浴槽にかけての手摺りは、洗い場や浴槽における立ったり座ったりする行為や洗い場と浴槽との移動時に頻繁に利用される。従って、かかる領域へのシャワーホースの交差を避けるためシャワーホースを浴室出入口側に変位しなくてはならない。しかし、今度はシャワーホースが上述した吐水装置を塞いでしまい、吐水装置が十分に機能しないという問題が生じうる。
【0010】
本発明は、新たな技術を取り入れることによって生じた上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シャワーホースと洗い場から浴槽にかけての手摺りとが交差しないように、シャワーホースが吐水装置上に配置されたとしても、浴室の床面と空気を適切に暖める機能を十分に発揮し、快適な入室を提供可能な新規かつ改良された吐水装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、浴室の水栓下方に設置されたカウンターに埋設され、カウンター前面に露出する露出面に湯水を吐出する複数の吐水孔を有し、露出面の一部がカウンター前方に向かって突出形成されていることを特徴とする、吐水装置が提供される。
【0012】
かかる構成により、シャワーホースと洗い場から浴槽にかけての手摺りとが交差しないように、シャワーホースが浴室の出入口側に変位され、吐水装置上に配置されたとしても、上述の突出した部位から突出していない部位にシャワーホースが逃がされるので、突出した部位における吐水が確保され、浴室の床面と空気を適切に暖めるといった吐水装置の機能を十分に発揮することが可能となる。
【0013】
露出面は、突出した部位から該露出面における水平方向の縁に向かって傾斜しているとしてもよい。また、露出面は、突出した部位から該露出面における水平方向の縁に向かって、カウンター前面との距離が漸減する曲面で形成されていてもよい。
【0014】
かかる構成により、斜面または曲面といった広い範囲においてシャワーホースが逃がされ、露出面の広い範囲において吐水可能な領域が確保される。従って、吐水装置としての機能をより一層発揮することが可能となる。
【0015】
突出した部位が複数形成され、複数の突出した部位の間は、水平方向に凹状形成されるとしてもよい。
【0016】
ここでシャワーホースは、露出面の水平方向の縁以外にも、複数の突出した部位の間の凹状の溝にも逃がされる。また、シャワーホースを逃がすために所定の傾斜角が必要な場合、突出部を複数に分割することで、突出部の突出量を抑えることができる。さらに、突出量を同じにした場合、傾斜角を大きく設定できるので、より確実にシャワーホースを逃がすことが可能となる。また、突出部位を複数設けることにより、吐水装置のデザインの自由度も高まる。
【0017】
当該吐水装置は、カウンターの前面かつ上方に配置されてもよい。
【0018】
カウンターは通常、浴室使用者の膝下程度の高さにあり、またその前面は壁面よりも浴室中央部に向かって突出した位置に配置される。従って、吐水装置をカウンターの前面かつ上方に配置したことにより湯水を浴室全体に広範囲に吐水しやすくなり、また、ある程度の高さがあることから床面に落下するまでの間に浴室内の空気を暖めることもできる。また、床面からの距離により体を洗う際の跳ね返りによって汚れにくい。また位置が高すぎないため、浴室の内壁を不必要に濡らすこともない。さらにカウンターは水栓の直下にあるため、湯水の配管部材を短くすることができ、また配管部材の共通化を図ることができるため、部品コストおよび設置コストを抑えることができる。
【0019】
当該吐水装置は、カウンターの左右方向において、浴室の出入口に近い側の端部近傍に配置されてもよい。
【0020】
浴室への出入口近傍に湯水を散水することにより、浴室へ入室した際の足下をより効果的に暖め、快適な入室を実現することができる。
【0021】
当該吐水装置への湯水の供給は、水栓に給湯する給湯管をカウンターの内部で分岐させ、該カウンターの内部を通じて該吐水装置に接続される給湯管によってなされてもよい。これにより最短の経路によって吐水装置に給湯することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、シャワーホースと手摺りとが交差しないようにシャワーホースが吐水装置上に配置されたとしても、浴室の床面と空気を適切に暖めるといった吐水装置の機能を十分に発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
本発明の実施形態にかかる吐水装置は、浴室内のカウンターに埋設され、浴室の床面と空気を適切に暖める。このような吐水装置の利用形態の理解を容易にするため、まず、浴室内の構造を説明する。
【0025】
(浴室100)
図1は、本実施形態の壁パネルの利用形態を説明するための浴室100の外観図である。かかる外観図も含め以下の実施形態に示す材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
【0026】
図1に示すように、浴室100には、浴槽112、洗い場となる床面114、排水溝116、水栓であるカラン118およびシャワー120、カラン118の下方に設置されたカウンター122、手摺りの例としてのサポートバー124、鏡126、収納棚128、照明130、および、浴室100において浴槽112の反対側に設けられた扉132が備わる。
【0027】
(カウンター122)
上記カウンター122は、洗面器などを載置するための台であって、その上面は浴室使用者の膝下程度の高さになっている。かかるカウンター122の前面は、壁面170よりも浴室中央部に向かって突出するように形成され、カウンター122の下部は、壁面170に向かって後退している。
【0028】
そして、カウンター122の前面かつ上方には、吐水装置150が埋設されている。かかる吐水装置150は、浴室100の外部にコントロールユニット160からの指示により、浴室100の天井裏に配置された制御部162を通じて湯温制御される。また、吐水装置150は、カウンター122の前面かつ上方に露出する露出面に湯水を吐出する複数の吐水孔を有している。そして、カウンター122の前面といった適度な高さから湯水を吐出することで、浴室100の床面114と空気とを適切に暖め、浴室使用者の快適な入室を支援する。
【0029】
カウンター122は、通常、浴室使用者の膝下程度の高さにあり、またその前面は壁面170よりも浴室100中央部に向かって突出している。従って、吐水装置150をカウンターの前面かつ上方(カウンター122の天面近傍)に配置したことにより湯水を浴室100全体に広範囲に散水しやすく、ある程度の高さがあることから床面に落下するまでの間に浴室内の空気をも暖めることができる。また、床面114からもある程度の距離があるので、浴室使用者が体を洗う際の跳ね返りによっても汚れにくい。また位置が高すぎないため、浴室100の内壁を不必要に濡らすことがない。さらにカウンター122は水栓の直下にあるため、湯水の配管部材を短くすることができ、また配管部材の共通化を図ることができるため、部品コストおよび設置コストを抑えることができる。
【0030】
また、吐水装置150は、浴室使用者の特に浴室100への1歩目に着目して提案されているので、上述したように、カウンター122の左右方向における、浴室100の出入口に近い側の端部近傍に配置されている。そして、浴室100への出入口近傍に湯水を散水することで、浴室100へ入室した際の足下をより効果的に暖め、快適な入室を実現する。
【0031】
吐水装置150は、図1に示したように、カウンター122の前面かつ上方に設けられているが、カウンター122の前面の高さ(上下幅)が吐水装置150の高さと大差ない場合には、単にカウンター122の前面に吐水装置150を設けてもよい。
【0032】
(サポートバー124)
一方、上記サポートバー124は、カウンター122が設けられた壁面170、および、その壁面170に直角に隣接する、浴槽112が併設された壁面172に沿って連続して延伸される。これにより、浴室使用者は、2つの壁面170、172にわたって連続してサポートバー124を把持可能となり、床面114から浴槽112までの一連の入浴動作が良好に支援される。
【0033】
また、一連のサポートバー124のうち、壁面172において浴槽の長手方向に沿って延伸している部分124aは、浴槽底面に対して一定の勾配による高低差が設けられており、かかる部分124aの任意の部位を把持した浴室使用者は、体重をかける位置を、無理なく、徐々に他の部位へ移動することにより、スムーズに立ち上がり、あるいは座り込むことができ、転倒も防止される。
【0034】
また、壁面172に沿って延伸している部分以外にも、一連のサポートバー124のうち、床面114から浴槽112にかける部分124bは、床面114や浴槽112における立ったり座ったりする行為や、床面114と浴槽112との移動時に頻繁に利用される。
【0035】
このような壁面172や床面114から浴槽112にかける領域は、サポートバー124が重要な役目を担っており、かかる領域には、他の備品を設置しないとするのが好ましい。しかし、体を洗うのに使われるシャワー120は、カウンター122上のカラン118から伸びているので、床面114から浴槽112にかけてのサポートバー124の部分124bと交差してしまう。かかる交差を回避するため、本実施形態においては、シャワー120のシャワーホース180を、そのような部分124bとの交差を避けるため浴室100出入口側に変位させる。
【0036】
しかし、シャワーホース180を、サポートバー124のかかる部分124bと交差しないように浴室100出入口側に変位すると、今度は上述した吐水装置150を塞いでしまい吐水装置150が十分に機能しないこととなる。
【0037】
本実施形態における吐水装置150は、シャワーホース180を逃がす工夫がなされ、上記のようにシャワーホース180が吐水装置150上に覆い被さったとしても、浴室100の床面114と空気を適切に暖めるといった機能を十分に発揮することができる。以下、吐水装置150に関して詳細に説明する。
【0038】
(吐水装置150)
図2は、吐水装置150の構造を示した外観図である。吐水装置150は、上述したように本体200がカウンター122の出入口側かつ上部に埋設され、カウンター122前面に露出する露出面210に湯水を吐出する複数の吐水孔212を有し、露出面210の一部がカウンター122前方に向かって突出形成されている。このとき、露出面210は、カウンター122の端部側、即ち浴室100の出入口側で突出し、このような突出した部位からカウンター122の中心側に向かって傾斜している。
【0039】
このような突出部および水平方向の縁に向かう傾斜面により、シャワーホース180が浴室100の出入口側に変位され、吐水装置150上に配置されたとしても、図中矢印で示すように突出した部位から突出していない部位にシャワーホース180が逃げるので、突出した部位における吐水が確保され、吐水装置150が浴室100の床面114と空気とを適切に暖めるといった機能を十分に発揮することが可能となる。
【0040】
図3は、吐水装置の他の例の構造を示した外観図である。図3(a)における吐水装置300は、図2の吐水装置150同様、カウンター122前面に露出する露出面310に湯水を吐出する複数の吐水孔312を有し、露出面310の一部がカウンター122前方に向かって突出形成されている。このとき、露出面310は、水平方向の中央近辺で突出し、露出面310の両端部に向かって傾斜している。
【0041】
また、図3(b)においては、吐水装置350における露出面360の水平方向および垂直方向の中央近辺が突出形成され、露出面360の水平方向および垂直方向の両端部に向かって傾斜している。
【0042】
かかる図3(a)および(b)の吐水装置300、350も、中央に形成された突出部により、シャワーホース180が逃がされるので、突出した部位における吐水が確保され、吐水装置300、350が浴室100の床面114と空気を適切に暖めるといった機能を十分に発揮することが可能となる。
【0043】
図4は、吐水装置のさらに他の例の構造を示した外観図である。図4(a)における吐水装置400も、カウンター122前面に露出する露出面410に湯水を吐出する複数の吐水孔412を有し、露出面410の一部がカウンター122前方に向かって突出形成されている。このとき、露出面410は、水平方向の中央近辺で突出し、突出した部位から露出面410における水平方向の縁に向かって、カウンター122前面との距離が漸減する曲面で形成される。
【0044】
また、図4(b)においては、吐水装置450における露出面460の水平方向および垂直方向の中央近辺が突出形成され、露出面460の水平方向および垂直方向の両端部に向かって曲面が形成されている。
【0045】
かかる図4(a)および(b)の吐水装置400、450も、中央に形成された突出部により、シャワーホース180が逃がされるので、突出した部位における吐水が確保され、吐水装置400、450が浴室100の床面114と空気を適切に暖めるといった機能を十分に発揮することが可能となる。
【0046】
また、上述した実施形態では、突出部を一カ所としているが、かかる場合に限られず、突出部を複数箇所形成することもできる。
【0047】
図5は、吐水装置のさらに他の例の構造を示した外観図である。図5における吐水装置500は、カウンター122前面に露出する露出面510に湯水を吐出する複数の吐水孔を有し、露出面510の複数の部分がカウンター122前方に向かって突出形成されている。図5において、露出面510は、露出面510を水平方向に三分割する2つの突出部514が形成され、突出部514から露出面510における水平方向の縁に向かって傾斜している。また、突出部514間は、水平方向に曲面による凹形状が形成されている。
【0048】
図5に示したような吐水装置500も、露出面510上に複数形成された突出部514により、シャワーホース180が逃がされ、また、露出面の水平方向の縁以外にも、複数の突出部514間の凹状の溝にも逃がされる。従って、突出した部位における吐水が確保され、吐水装置150が浴室100の床面114と空気を適切に暖めるといった機能を十分に発揮することができる。
【0049】
シャワーホース180を逃がすため露出面510に所定の傾斜角を設ける必要がある場合、突出部514を複数に分割することで、各傾斜面が短くなり、突出部を1つとした場合よりカウンター122からの突出量(厚み)を削減することができる。また、複数の突出部514のそれぞれの突出量を、突出部を1つとした場合と同じにした場合、突出部が1つの場合に比べ、面の水平方向の幅に対する突出量の比率が上がり傾斜角が大きくなるので、より確実にシャワーホース180を逃がすことが可能となる。また、突出部514を複数備え得ることにより、吐水装置500のデザインの自由度も高まる。
【0050】
以上説明したようなシャワーホース180の逃げ構造により、シャワーホース180と、床面114から浴槽112にかけてのサポートバー124の部分124bとが交差しないように、シャワーホース180が吐水装置上に配置されたとしても、吐水装置は、浴室の床面と空気を適切に暖めることができる。
【0051】
また、吐水装置への湯水の供給は、水栓に給湯する給湯管をカウンター122の内部で分岐させ、カウンター122の内部を通じて吐水装置に接続される給湯管によってなされてもよい。
【0052】
図6は、吐水装置400の給湯管の構造を示した外観図である。図6に示すように、吐水装置400は、湯水を吐出するための複数の吐水孔412を備える露出面410を備え、湯を供給するための給湯管600aおよび冷水を供給するための給水管600bに温度制御部602を介して接続された電磁弁610と接続されている。制御部162が温度制御部602および電磁弁610を制御することにより、給湯管600aおよび給水管600bから湯水が混合して供給され、露出面410から噴出、または噴出を停止される。
【0053】
このように、吐水装置400には、カラン118に給湯する給湯管から分岐された給湯管を通じて湯水が供給される。分岐点はカウンター122の内部であればよいが、カラン118の下方であることが好ましい。これにより、最短の経路によって吐水装置400に給湯することができる。また、カウンター122内の吐水装置400とカラン118との位置関係は変動しないため、配管部材の共通化を図ることができ、部品コストおよび設置コストを抑えることができる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、浴室のカウンターに設けられ湯水を吐出する吐水装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態の壁パネルの利用形態を説明するための浴室の外観図である。
【図2】吐水装置の構造を示した外観図である。
【図3】吐水装置の他の例の構造を示した外観図である。
【図4】吐水装置の他の例の構造を示した外観図である。
【図5】吐水装置の他の例の構造を示した外観図である。
【図6】吐水装置の給湯管の構造を示した外観図である。
【符号の説明】
【0057】
100 …浴室
114 …床面
120 …シャワー
122 …カウンター
124 …サポートバー
150、300、350、400、450、500 …吐水装置
180 …シャワーホース
210 …露出面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の水栓下方に設置されたカウンターに埋設され、
前記カウンター前面に露出する露出面に湯水を吐出する複数の吐水孔を有し、
前記露出面の一部がカウンター前方に向かって突出形成されていることを特徴とする、吐水装置。
【請求項2】
前記露出面は、前記突出した部位から該露出面における水平方向の縁に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記露出面は、前記突出した部位から該露出面における水平方向の縁に向かって、前記カウンター前面との距離が漸減する曲面で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記突出した部位が複数形成され、
前記複数の突出した部位の間は、水平方向に凹状形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項5】
当該吐水装置は、前記カウンターの前面かつ上方に配置されることを特徴とする、請求項1〜4に記載の吐水装置。
【請求項6】
当該吐水装置は、前記カウンターの左右方向において、浴室の出入口に近い側の端部近傍に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の吐水装置。
【請求項7】
当該吐水装置への湯水の供給は、前記水栓に給湯する給湯管を前記カウンターの内部で分岐させ、該カウンターの内部を通じて該吐水装置に接続される給湯管によってなされることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の吐水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−110075(P2008−110075A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294955(P2006−294955)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】