説明

吸収パワーサイクルシステム

吸収パワーサイクルシステムは、吸収回路からの作動流体を利用して、機械仕事を生じさせるものである。かかるシステムは、様々な吸収サイクル用途に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年12月19日出願の米国仮特許出願第61/139,180号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、機械仕事を生じさせる、吸収回路からの作動流体を用いる吸収パワーサイクルシステムに関する。かかるシステムは、様々な吸収サイクル用途に有用である。
【背景技術】
【0003】
吸収サイクルシステムは、冷蔵、空調および発電分野において公知である。典型的な吸収サイクルシステムにおいて、作動流体は、吸収剤混合物に吸収されてから、吸収剤混合物から放出される。吸収器は、液体ポンプ、熱交換器、膨張すなわち減圧デバイスおよび発生器を含む吸収回路の一部であり、そこでは、作動流体は吸収剤混合物から放出された後、冷却を行うために凝縮器および蒸発器に入るか、または機械動力を生成するためにタービンに入る。吸収回路は、主に、発生器に供給された熱および液体ポンプに供給された最小機械動力の使用により、高圧蒸気を生成する。吸収サイクルのタービンにより生成された電力を用いて、発電のための設備をはじめとする様々なタイプの設備を駆動することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、タービンまたはエキスパンダ等の機械仕事を生じさせるためのデバイスを駆動する吸収サイクルシステムを提供することである。用いる作動流体は、オゾン層破壊の可能性が無視できる、および地球温暖化の可能性の低い、ヒドロフルオロオレフィンまたはヒドロクロロフルオロオレフィンであるか、またはこれを含有することができる。吸収回路に用いる吸収剤は、100℃未満またはさらに周囲温度より低い融点を有するイオン液体を含むイオン化合物であるか、またはこれを含有することができる。吸収剤としてイオン液体を用いる1つの利点は、ほとんど純粋な作動流体を発生器から放出し、さらなる精留を全く必要とせずに、タービンに供給することを可能にする、その無視できる揮発性である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明によれば、作動流体を吸収剤に吸収して、吸収剤と作動流体との混合物を形成するための吸収器と、吸収剤および作動流体を、吸収器から受けて予熱するために、吸収器と流体連通して配置された第1の熱交換器と、吸収剤と作動流体との混合物を、吸収器から、第1の熱交換器までポンピングするための液体ポンプと、第1の熱交換器から予熱混合物を受け、追加の熱を予備混合物に移すことによって作動流体の高圧蒸気を放出するための、第1の熱交換器と流体連通して配置された発生器と、高圧作動流体から機械仕事を生じさせるために、発生器と流体連通して配置された機械仕事を生じさせるためのデバイスとを含み、吸収剤が、イオン液体を含む、吸収パワーサイクルシステムが提供される。
【0006】
本発明は、以下の図面を参照するとより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態による吸収パワーサイクルシステムの概略図である。
【図2】本発明の他の実施形態による同時冷却を含む吸収パワーサイクルシステムの概略図である。
【図3】本発明の他の実施形態による同時に冷却を行う吸収パワーサイクルシステムの概略図である。作動流体の凝縮および蒸発を含まないという点で図2の実施形態と異なる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明による吸収システムの概略図を、概して、図1の10に示す。システムは、図1に20−1で示される吸収回路を含み、作動流体を吸収剤と混合して、吸収剤と作動流体との混合物を形成し、吸収剤と作動流体との混合物をその中を通して循環させる。システムはまた、吸収回路と流体連通して配置された、第1の熱交換器20−3と、第1の熱交換器と流体連通して配置された、発生器20−4と、発生器と流体連通して配置された、機械仕事を生じさせるためのデバイス10−2とを含む。
【0009】
吸収器20−1は、作動流体蒸気を分配する入口を有し、そこでは、作動流体蒸気が、ライン25を介して分配された低作動流体含量の作動流体および吸収剤の混合物と結合して、高作動流体含量の吸収剤/作動流体混合物を形成する。吸収剤は、イオン化合物であっても、それを含有していてもよい。一般に、作動流体の吸収剤への吸収によってまた、熱(吸収熱)も生成される。冷却水は、吸収器の管の束(図示せず)を通って移動して、システムからのこの吸収熱を除去する。高作動流体含量の混合物は、吸収器の下部で集められ、吸収サイクルを再び始めることができる。
【0010】
高作動流体含量の吸収剤/作動流体混合物は、吸収器から、出口ライン21を通って出て、液体ポンプ20−2に送られ、この混合物は、第1の熱交換器20−3へポンピングされる。第1の熱交換器は、混合物が発生器に入る前に混合物を予熱する。第1の熱交換器は、例えば、シェルアンドチューブタイプ熱交換器またはプレートアンドフレームタイプ熱交換器であってよい。第1の熱交換器を出た後、混合物は、ライン22を通って、発生器へ流れる。発生器には、任意の好適な外部源から熱を供給する。必要に応じて、第2の高温発生器を用いて、プロセス効率を改善してもよい。一実施形態において、発生器内には管の束(図示せず)があって、温水またはその他の熱伝達流体、スチームまたは燃焼ガスを運び、ライン23を介して、発生器へ供給する。温水またはその他の熱伝達流体、スチームまたは燃焼ガスは、高作動流体含量の吸収剤/作動流体混合物へ、熱を移す。熱によって、この混合物からは作動流体蒸気が放出され、発生器からライン26を通って出て、低作動流体含量の混合物が後に残る。ここで、発生器を出る作動流体は、高圧蒸気である。場合によっては、ライン24を介して発生器を出る液体混合物には微量の作動流体が残る。他の場合においては、無視できない量の作動流体が、発生器から出る吸収剤/作動流体混合物に残り、その量は、約1重量パーセント〜約80重量パーセントである。いずれの場合においても、ライン24を介して発生器を出た混合物中の作動流体の量は、ライン21を介して吸収器を出た混合物におけるよりも少ない。発生器を出る混合物に残る作動流体の正確な量は、吸収剤における作動流体の溶解度をはじめとする多くの因子に応じて異なる。
【0011】
低作動流体含量の吸収剤/作動流体混合物は、ライン24を介して、第1の熱交換器へ戻るように流れ、そこで、吸収器からポンピングされた高作動流体含量の吸収剤/作動流体混合物により冷却される。低作動流体含量の吸収剤/作動流体混合物は、第1の熱交換器から、膨張または減圧デバイス20−5を通って、吸収器までライン25を介して流れ、吸収回路サイクルが開始された吸収器の下部で集められて、吸収器、ポンプ、第1の熱交換器および発生器を通るサイクルが繰り返される。
【0012】
上述したとおり、高蒸気圧である作動流体は、ライン26を介して発生器20−4を出る。高圧作動流体蒸気は、図1に示すとおり、タービン10−2等の、機械仕事を生じさせるためのデバイスへ流れる。タービンにおいて、高圧作動流体を用いて、シャフトを駆動するか、またはその他の機械仕事を生じさせる。作動流体は、低圧蒸気としてタービンから出て、吸収器に入り、全体の作動流体サイクルが繰り返される。
【0013】
本発明によって、概して、エネルギー管理を最適化し、それによってサイクルエネルギー効率、および、特に、機械仕事を生じさせるためのデバイスに用いることのできる高温高圧作動流体からの熱回収を増大させる、様々な構成が可能となる。タービンを、図1、図2および図3に示し、上述したが(および以下の他の実施形態の説明において)、機械仕事を生じさせるためのデバイスの様々な構成が本発明の範囲内であることが理解される。
【0014】
変形実施形態において、本発明の吸収サイクルを用いて、機械仕事と加熱または冷却の両方を行ってよい。本発明の他の実施形態による同時冷却を含む吸収パワーシステムの概略図を、概して、図2の30に示す。この場合、システムは、凝縮器10−3、膨張デバイス(図2においては膨張バルブ10−4として示されているが、毛細管またはその他当該技術分野において一般的に知られたものであってよい)および蒸発器10−5を、この順番で、タービン10−2と吸収器20−1の間に有する。発生器20−4からの高圧蒸気作動流体は、まず、ライン26を通って、タービン10−2へ流れて、発電する。蒸気作動流体は、凝縮器10−3へ流れ、冷却水(例えば、凝縮器内に位置する管のコイル(図示せず)に含まれる)によって、蒸気作動流体が、液体作動流体を形成する。液体作動流体は、凝縮器から膨張バルブ10−4へライン16を通って流れ、そこで、ある程度の蒸発がなされ、結合した蒸気および液体作動流体が、ライン14を通って、蒸発器10−5へ流れ、そこで、完全に蒸発した作動流体となって、冷却がなされ、液体は残らない。蒸発器からの蒸気作動流体は、ライン13を通って、吸収器へ移動して、ここで上記した第1の実施形態のようにサイクルが繰り返される。
【0015】
作動流体蒸気を、吸収剤/作動流体混合物から放出するために、発生器に供給された温水またはその他熱伝達流体、スチームまたは燃焼ガスは、特に、燃焼エンジンからの廃熱(燃焼ガス)により加熱された水、地熱により加熱された水および太陽加熱水をはじめとする様々な源により供給することができる。さらに、同時冷却を含む吸収パワーサイクルについて記載した変形実施形態の蒸発器において作動流体を蒸発させるには、ある熱源(例えば、建物等の冷却する物体からの熱)が必要である。
【0016】
冷却水は、上述したとおり、実施形態において、吸収器および凝縮器で用いられる。簡素化のために、吸収器と凝縮器を通る冷却水の流れは示していない。一実施形態において、冷却水は、吸収器に流れ、そこで、作動流体が吸収剤に吸収される際に放出された吸収熱により温められる。吸収器から、冷却水は、図示しない冷却塔へ流れ、吸収器へポンピングにより戻される。
【0017】
一実施形態において、本明細書に開示されているのは、吸収剤/作動流体混合物を、吸収器で形成することを含む機械仕事を生じさせ、吸収剤/作動流体混合物を加熱して、作動流体蒸気を放出し、作動流体蒸気を、機械仕事を生じさせるためのデバイスへ送り、加熱した吸収剤/作動流体混合物を再形成するプロセスである。再形成とは、濃縮した吸収剤/作動流体混合物を、作動流体蒸気の吸収により、再び希釈して、発生器へ作動流体を移す混合物の能力を回復することを意味する。
【0018】
他の実施形態において、機械仕事を生じさせるこのプロセスは、(機械仕事を生じさせた後、加熱した吸収剤/作動流体混合物を再形成する前に)この作動流体を凝縮器において凝縮し、この作動流体を膨張デバイスにおいて部分的に蒸発させ、この作動流体を蒸発器において完全に蒸発させて、冷却を行うことをさらに含む。
【0019】
さらに他の実施形態において、図2のサイクルは、機械動力と発熱に同時に用いることができる。加熱サイクルは、本明細書において上述した図2の冷却サイクルと同様に機能し、加熱工程は、凝縮器10−3でなされる。加熱は、凝縮器における凝縮および吸収器における吸収の際に、作動流体により放出される熱によりなされる。本実施形態において、蒸発器は、周囲空気、湖や池の底の水をはじめとする天然水域、または地表下の比較的安定した温度の地面等のサイクル外の源(図2に図示せず)からの熱を抽出する。このように、サイクルの加熱機能は、ヒートポンプのものと同様である。本実施形態において、機械仕事を生じさせるこのプロセスは、(機械仕事を生じさせた後、加熱した吸収剤/作動流体混合物を再形成する前に)この作動流体を凝縮器において凝縮して熱を生成し、この作動流体を膨張デバイスにおいて部分的に蒸発させ、この作動流体を蒸発器において完全に蒸発させることをさらに含む。
【0020】
図3に示すさらに他の実施形態において、同時機械動力および冷却が凝縮器なしでなされる。本実施形態において、作動流体は、タービンまたは機械仕事を生じさせるその他膨張器を通して膨張し、凝縮せずに、周囲温度より低い温度まで冷却される。次に、冷却された作動流体蒸気が、第2の熱交換器(図3に10−6で図示)を通過して、冷却されるストリーム(特に、水を含む熱伝達流体等、図3に図示せず)から熱を吸収する。本実施形態において、機械仕事を生じさせるこのプロセスは、(機械仕事を生じさせた後、加熱した吸収剤/作動流体混合物を再形成する前に)第2の熱交換器において冷却するストリームから熱を吸収して、冷却するストリームの冷却を行うことをさらに含む。
【0021】
作動流体/吸収剤対:
作動流体
本発明は、同時冷却または加熱による、またはよらない、吸収パワーサイクルに用いる作動流体/吸収剤対を提供する。一実施形態において、水を本発明における作動流体として用いる。他の実施形態において、作動流体は、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、フルオロカーボン、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、アンモニア(NH3)、アルゴン(Ar)、水素(H2)、フッ素化されていないヒドロカーボンまたはメタノールまたはこれらの混合物、すなわち、この段落において前述した作動流体のいずれかの混合物であってよい。フッ素化されていないヒドロカーボンは、C1〜C7直鎖状、分枝状または環状アルカンおよびC1〜C7直鎖状、分枝状または環状アルケンからなる群から選択され、本発明の範囲内でもある。
【0022】
本発明のヒドロフルオロカーボンおよびフルオロカーボン作動流体は、
(i)式E−R1CH=CHR2またはZ−R1CH=CHR2(式中、R1およびR2は、独立に、C1〜C6パーフルオロアルキル基である)のフルオロオレフィン、
(ii)式シクロ−[CX=CY(CZW)n−](式中、X、Y、ZおよびWは、独立に、HまたはFであり、nは2〜5の整数である)の環状フルオロオレフィン、および
(iii)テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)、ヘキサフルオロプロペン(CF3CF=CF2)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCF3)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CF2=CHCF3)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CF2=CFCHF2)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCHF2)、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CH2=CFCF3)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CHCF3)、1,1,2,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CF2=CFCH2F)、1,1,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CF2=CHCHF2)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCHF2)、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2=CHCF3)、2,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHF2CF=CH2)、1,1,2−トリフルオロ−1−プロペン(CH3CF=CF2)、1,2,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2FCF=CF2)、1,1,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2FCH=CF2)、1,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHF2CH=CHF)、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−ブテン(CF3CF=CFCF3)、1,1,2,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−1−ブテン(CF3CF2CF=CF2)、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(CF3CF=CHCF3)、1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCF2CF3)、1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(CHF2CF=CFCF3)、1,3,3,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−プロペン((CF32C=CHF)、1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CHCF2CF3)、1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCHFCF3)、1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCF2CHF2)、2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF3CF2CF=CH2)、1,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCF2CF3)、1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCHFCF3)、1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCF2CHF2)、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CHF2CF=CFCHF2)、1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CH2FCF=CFCF3)、1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CHF2CH=CFCF3)、1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CF3CH=CFCHF2)、1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCF2CH2F)、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCHFCHF2)、3,3,3−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−プロペン(CH2=C(CF32)、1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CH2FCH=CFCF3)、1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CF3CH=CFCH2F)、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CF3CF2CH=CH2)、1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHF2CH=CHCF3)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2−ブテン(CH3CF=CFCF3)、2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH2=CFCF2CHF2)、1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHF2CF=CHCHF2)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH3CF2CF=CF2)、1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CH2FCF=CFCHF2)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−メチル−1−プロペン(CF2=C(CF3)(CH3))、2−(ジフルオロメチル)−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2=C(CHF2)(CF3))、2,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH2=CFCHFCF3)、1,2,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCH2CF3)、1,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCHFCF3)、1,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCF2CHF2)、1,2,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCHFCHF2)、3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン(CH2=CHCF2CHF2)、1,1−ジフルオロ−2−(ジフルオロメチル)−1−プロペン(CF2=C(CHF2)(CH3))、1,3,3,3−テトラフルオロ−2−メチル−1−プロペン(CHF=C(CF3)(CH3))、3,3−ジフルオロ−2−(ジフルオロメチル)−1−プロペン(CH2=C(CHF22)、1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ブテン(CF3CF=CHCH3)、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン(CH3CF=CHCF3)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CFCF2CF3)、1,1,2,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−1−ペンテン(CF2=CFCF2CF2CF3)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CF32C=CHCF3)、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CHCF2CF3)、1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CH=CFCF2CF3)、1,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CHF=CFCF2CF2CF3)、1,1,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CF2=CHCF2CF2CF3)、1,1,2,3,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CF2=CFCF2CF2CHF2)、1,1,2,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CHF2CF=CFCF2CF3)、1,1,1,2,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CFCF2CHF2)、1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CFCHFCF3)、1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CFCF(CF32)、1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=CFCH(CF32)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CF3CH=C(CF32)、1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=CHCF(CF32)、2,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテン(CH2=CFCF2CF2CF3)、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテン(CHF=CFCF2CF2CHF2)、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=C(CF3)CF2CF3)、1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=CHCH(CF32)、1,3,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CHCF(CF32)、1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=C(CF3)CH2CF3)、3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン((CF32CFCH=CH2)、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CF3CF2CF2CH=CH2)、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH2=CFCF2CF2CHF2)、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CHCF2CH2CF3)、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−メチル−2−ブテン(CF3CF=C(CF3)(CH3))、2,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=CFCH(CF32)、1,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CHCH(CF32)、1,1,1,4−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CH2FCH=C(CF32)、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CH3CF=C(CF32)、1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CF32C=CHCH3)、3,4,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2−ペンテン(CF3CF2CF=CHCH3)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−ブテン(CF3C(CH3)=CHCF3)、3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−1−ペンテン(CH
2=CHCF2CHFCF3)、4,4,4−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=C(CF3)CH2CF3)、1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−1−ヘキセン(CF3(CF23CF=CF2)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−3−ヘキセン(CF3CF2CF=CFCF2CF3)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CF32C=C(CF32)、1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32CFCF=CFCF3)、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32C=CHC25)、1,1,1,3,4,5,5,5−オクタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32CFCF=CHCF3)、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン(CF3CF2CF2CF2CH=CH2)、4,4,4−トリフルオロ−3,3−ビス(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=CHC(CF33)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)− 2−ブテン((CF32C=C(CH3)(CF3))、2,3,3,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH2=CFCF2CH(CF32)、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−3−メチル−2−ペンテン(CF3CF=C(CH3)CF2CF3)、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン(CF3CH=CHCH(CF32)、3,4,4,5,5,6,6,6−オクタフルオロ−2−ヘキセン(CF3CF2CF2CF=CHCH3)、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ1−ヘキセン(CH2=CHCF2CF2CF2CHF2)、1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32C=CHCF2CH3)、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH2=C(CF3)CH225)、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−メチル−1−ペンテン(CF3CF2CF2C(CH3)=CH2)、4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロ−2−ヘキセン(CF3CF2CF2CH=CHCH3)、4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロ−1−ヘキセン(CH2=CHCH2CF225)、1,1,1,2,2,3,4−ヘプタフルオロ−3−ヘキセン(CF3CF2CF=CFC25)、4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH2=CHCH2CF(CF32)、1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−メチル−2−ペンテン(CF3CF=CHCH(CF3)(CH3))、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32C=CFC25)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロ−2−ヘプテン(CF3CF=CFCF2CF225)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロ−3−ヘプテン(CF3CF2CF=CFCF225)、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン(CF3CH=CFCF2CF225)、1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン(CF3CF=CHCF2CF225)、1,1,1,2,2,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(CF3CF2CH=CFCF225)および1,1,1,2,2,3,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(CF3CF2CF=CHCF225)からなる群から選択されるフルオロオレフィンからなる群から選択してよい。
【0023】
ある実施形態において、これらのフルオロオレフィンは、炭素原子、フッ素原子、および任意選択により水素または塩素原子、少なくとも1つの二重結合を含む。一実施形態において、本発明の組成物に用いるフルオロオレフィンは、2〜12個の炭素原子を備えた化合物を含む。他の実施形態において、フルオロオレフィンは、3〜10個の炭素原子を備えた化合物を含み、さらに他の実施形態において、フルオロオレフィンは、3〜7個の炭素原子を備えた化合物を含む。代表的なフルオロオレフィンとしては、これらに限られるものではないが、表1、表2および表3に挙げた全ての化合物が挙げられる。
【0024】
本発明の一実施形態において、作動流体は、式E−R1CH=CHR2またはZ−R1CH=CHR2(式中、R1およびR2は、独立に、C1〜C6パーフルオロアルキル基である)を有するフルオロオレフィンから選択される。R1およびR2基としては、これらに限られるものではないが、CF3、C25、CF2CF2CF3、CF(CF32、CF2CF2CF2CF3、CF(CF3)CF2CF3、CF2CF(CF32、C(CF33、CF2CF2CF2CF2CF3、CF2CF2CF(CF32、C(CF3225、CF2CF2CF2CF2CF2CF3、CF(CF3)CF2CF225およびC(CF32CF225が例示される。一実施形態において、式(i)のフルオロオレフィンは、分子中に少なくとも4つの炭素原子を有する。他の実施形態において、作動流体は、分子中に少なくとも5つの炭素原子を有する式(i)のフルオロオレフィンから選択される。さらに他の実施形態において、作動流体は、分子中に少なくとも6つの炭素原子を有する式(i)のフルオロオレフィンから選択される。限定されない例の式(i)化合物を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

【0028】
式(i)の化合物は、式R1Iのヨウ化パーフルオロアルキルを、式R2CH=CH2のパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンと接触させて、式R1CH2CHIR2のトリヒドロヨードパーフルオロアルカンを形成することにより調製してよい。このトリヒドロヨードパーフルオロアルカンを脱ヨウ化水素化して、R1CH=CHR2を形成することができる。あるいは、オレフィンR1CH=CHR2は、同様に、式R2Iのヨウ化パーフルオロアルキルを、式R1CH=CH2のパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンと反応させることにより形成された式R1CHICH22のトリヒドロヨードパーフルオロアルカンの脱ヨウ化水素化により調製してもよい。
【0029】
ヨウ化パーフルオロアルキルと、パーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンの接触は、反応温度で、反応物および生成物の自生圧下で操作可能な好適な反応容器にて、反応物を化合することによりバッチモードで行ってよい。好適な反応容器としては、ステンレス鋼、特に、オーステナイトタイプのもの、および周知された高ニッケル合金、例えば、Monel(登録商標)ニッケル−銅合金、Hastelloy(登録商標)ニッケル系合金およびInconel(登録商標)ニッケル−クロム合金から作製されたものが挙げられる。
【0030】
あるいは、反応は、パーフルオロアルキルトリヒドロオレフィン反応物を、反応温度で、ポンプ等の好適な添加装置により、ヨウ化パーフルオロアルキル反応物に添加するセミバッチモードで行ってもよい。
【0031】
ヨウ化パーフルオロアルキル対パーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンの比は、約1:1〜約4:1、好ましくは、約1.5:1〜2.5:1である。1.5:1未満の比だと、Jeanneauxら、Journal of Fluorine Chemistry,Vol.4、261−270頁(1974)に報告されているとおり、2:1付加物が大量となる傾向がある。
【0032】
ヨウ化パーフルオロアルキルを、パーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンと接触させるのに好ましい温度は、好ましくは、約150℃〜300℃、好ましくは、約170℃〜約250℃、最も好ましくは、約180℃〜約230℃の範囲内である。
【0033】
ヨウ化パーフルオロアルキルとパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンとの反応に好適な接触時間は、約0.5時間〜18時間、好ましくは、約4〜約12時間である。
【0034】
ヨウ化パーフルオロアルキルとパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンの反応により調製されたトリヒドロヨードパーフルオロアルカンは、脱ヨウ化水素化工程に直接用いる、または、好ましくは、脱ヨウ化水素化工程の前に回収および蒸留により精製してもよい。
【0035】
脱ヨウ化水素化工程は、トリヒドロヨードパーフルオロアルカンを、塩基性物質と接触させることにより実施される。好適な塩基性物質としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)、アルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム)、アルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化カルシウム)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシド)、水性アンモニア、ナトリウムアミドまたはソーダ石灰等の塩基性物質の混合物が挙げられる。好ましい塩基性物質は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。
【0036】
トリヒドロヨードパーフルオロアルカンと、塩基性物質の接触は、液相において、好ましくは、両物質の少なくとも一部を溶解可能な溶剤の存在下で行うことができる。脱ヨウ化水素化工程に好適な溶剤としては、1つ以上の極性有機溶剤、例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールおよび第3級ブタノール)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリルまたはアジポニトリル)、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドまたはスルホランが挙げられる。溶剤の選択は、沸点生成物および精製中の生成物からの微量の溶剤の分離のし易さに応じて異なり得る。典型的に、エタノールまたはイソプロパノールが反応にとって良好な溶剤である。
【0037】
典型的に、脱ヨウ化水素化反応は、反応物の一方(塩基性物質か、トリヒドロヨードパーフルオロアルカンのいずれか)を、他方の反応物へ好適な反応容器において添加することにより行うことができる。この反応は、ガラス、セラミックまたは金属から作製でき、好ましくは、インペラまたは攪拌機構により攪拌される。
【0038】
脱ヨウ化水素化反応に好適な温度は、約10℃〜約100℃、好ましくは、約20℃〜約70℃である。脱ヨウ化水素化反応は、周囲圧力、減圧または高圧で行うことができる。注目すべきは、式(i)の化合物が、形成されると、反応容器から蒸留される脱ヨウ化水素化反応である。
【0039】
あるいは、脱ヨウ化水素化反応は、この塩基性物質の水溶液を、トリヒドロヨードパーフルオロアルカンの水溶液と、1つ以上の低極性有機溶剤、例えば、アルカン(例えば、ヘキサン、ヘプタンまたはオクタン)、芳香族ヒドロカーボン(例えば、トルエン)、ハロゲン化ヒドロカーボン(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素またはパークロロエチレン)またはエーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグリムまたはテトラグリム)中で、相間移動触媒の存在下で、行うことができる。好適な相間移動触媒としては、第4級アンモニウムハロゲン化物(例えば、臭化テトラブチルアンモニウム、硫酸(hydrosulfate)テトラブチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウムおよび塩化トリカプリルイルメチルアンモニウム)、第4級ホスホニウムハロゲン化物(例えば、臭化トリフェニルメチルホスホニウムおよび塩化テトラフェニルホスホニウム)またはクラウンエーテルとして当該技術分野において知られた環状ポリエーテル化合物(例えば、18−クラウン−6および15−クラウン−5)が挙げられる。
【0040】
あるいは、脱ヨウ化水素化反応は、トリヒドロヨードパーフルオロアルカンを、固体または液体塩基性物質に添加することにより、溶剤なしで行ってもよい。
【0041】
脱ヨウ化水素化反応に好適な反応時間は、反応物の溶解度に応じて、約15分〜約6時間以上である。典型的に、脱ヨウ化水素化反応は迅速であり、完了までに、約30分〜約3時間必要とする。式(i)の化合物は、水の添加後、相分離により、蒸発により、またはこれらの組み合わせにより、脱ヨウ化水素化反応混合物から回収することができる。
【0042】
本発明の他の実施形態において、作動流体は、環状フルオロオレフィン(シクロ−[CX=CY(CZW)n−](式(ii))、式中、X、Y、ZおよびWは、HおよびFから独立に選択され、nは2〜5の整数である)を含むフルオロオレフィンから選択される。一実施形態において、式(ii)のフルオロオレフィンは、分子中に少なくとも約3つの炭素原子を有する。他の実施形態において、式(ii)のフルオロオレフィンは、分子中に少なくとも約4つの炭素原子を有する。他の実施形態において、式(ii)のフルオロオレフィンは、分子中に少なくとも約5つの炭素原子を有する。さらに他の実施形態において、式(ii)のフルオロオレフィンは、分子中に少なくとも約6つの炭素原子を有する。式(ii)の代表的な環状フルオロオレフィンを表2に挙げる。
【0043】
【表4】

【0044】
本発明の作動流体は、例えば、表1または表2の化合物の1つである、式(i)または式(ii)の単一化合物を含む、または式(i)または式(ii)の化合物の組み合わせを含むことができる。
【0045】
他の実施形態において、作動流体は、表3に挙げた化合物を含むフルオロオレフィンから選択される。
【0046】
【表5】

【0047】
【表6】

【0048】
【表7】

【0049】
【表8】

【0050】
【表9】

【0051】
【表10】

【0052】
【表11】

【0053】
【表12】

【0054】
表2および表3に挙げた化合物は、市販されている、あるいは当該技術分野に公知の、または本明細書に記載されたプロセスにより調製することができる。
【0055】
1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテンは、室温での蒸気相中固体KOHによる、1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタン(CHF2CH2CHFCF3)からの脱フッ化水素化により調製することができる。1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタンの合成は、米国特許第6,066,768号明細書に記載されている。1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンは、約60℃で相間移動触媒を用いたKOHとの反応により、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ヨードブタン(CF3CHICH2CF3)から調製することができる。1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ヨードブタンの合成は、ヨウ化パーフルオロメチル(CF3I)と、3,3,3−トリフルオロプロペン(CF3CH=CH2)の反応により、約8時間、約200℃、自生圧下で、行うことができる。
【0056】
3,4,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2−ペンテンは、200〜300℃で、固体KOHを用いて、または炭素触媒により、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロペンタン(CF3CF2CF2CH2CH3)の脱フッ化水素化により調製することができる。1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロペンタンは、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CF3CF2CF2CH=CH2)の水素化により調製することができる。
【0057】
1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを用いた1,1,1,2,3,3,4−ヘプタフルオロブタン(CH2FCF2CHFCF3)の脱フッ化水素化により調製することができる。
【0058】
1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを用いた1,1,1,2,2,4,4−ヘプタフルオロブタン(CHF2CH2CF2CF3)の脱フッ化水素化により調製することができる。
【0059】
1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ2−ブテンは、固体KOHを用いた1,1,1,3,3,4,4−ヘプタフルオロブタン(CF3CH2CF2CHF2)の脱フッ化水素化により調製することができる。
【0060】
1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを用いた1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロブタン(CH2FCH2CF2CF3)の脱フッ化水素化により調製することができる。
【0061】
1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを用いた1,1,1,3,3,4−ヘキサフルオロブタン(CF3CH2CF2CH2F)の脱フッ化水素化により調製することができる。
【0062】
1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテンは、120℃で1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(CF3CH2CF2CH3)を水性KOHと反応させることにより調製することができる。
【0063】
1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンは、約60℃で相間移動触媒を用いたKOHとの反応により、(CF3CHICH2CF2CF3)から調製することができる。4−ヨード−1,1,1,2,2,5,5,5−オクタフルオロペンタンの合成は、約200℃、自生圧力下、約8時間にわたるヨウ化パーフルオロエチル(CF3CF2I)と3,3,3−トリフルオロプロペンの反応により行うことができる。
【0064】
1,1,1,2,2,5,5,6,6,6−デカフルオロ−3−ヘキセンは、約60℃で、相間移動触媒を用いた、KOHとの反応により、1,1,1,2,2,5,5,6,6,6−デカフルオロ−3−ヨードヘキサン(CF3CF2CHICH2CF2CF3)から調製することができる。1,1,1,2,2,5,5,6,6,6−デカフルオロ−3−ヨードヘキサンの合成は、約200℃で、自生圧力下、約8時間にわたるヨウ化パーフルオロエチル(CF3CF2I)および3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CF3CF2CH=CH2)の反応により行うことができる。
【0065】
1,1,1,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテンは、イソプロパノール中KOHにより、1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−ヨード−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン(CF3CHICH2CF(CF32)の脱フッ化水素化により調製することができる。CF3CHICH2CF(CF32は、高温、例えば、約200℃での(CF32CFIと、CF3CH=CH2の反応から作製される。
【0066】
1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2−ヘキセンは、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CF3CH=CHCF3)と、テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)および五フッ化アンチモン(SbF5)の反応により調製することができる。
【0067】
2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテンは、フッ素化アルミナによる、高温での1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブタンの脱フッ化水素化により調製することができる。
【0068】
2,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテンは、固体KOHによる2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンタンの脱フッ化水素化により調製することができる。
【0069】
1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテンは、フッ素化アルミナによる、高温での2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンタンの脱フッ化水素化により調製することができる。
【0070】
式1、式2、表1、表2および表3の化合物の多くが、異なる構成の異性体または立体異性体として存在する。特定のイソマーが指定されていないときは、本発明は、全ての単一構成異性体、単一立体異性体またはこれらの任意の組み合わせを含むものとする。例えば、F11Eは、E−異性体、Z−異性体または任意の比の両異性体の任意の組み合わせまたは混合物を表わすものとする。他の例を挙げると、HFO−1225yeは、E−異性体、Z−異性体または任意の比の両異性体の任意の組み合わせまたは混合物を表わすものとする。
【0071】
さらに、作動流体は、式(i)、式(ii)、表1、表2および表3の単一フルオロオレフィンのいずれか、または式(i)、式(ii)、表1、表2および表3からの異なるフルオロオレフィンの任意の組み合わせであってよい。
【0072】
ある実施形態において、作動流体は、式(i)、式(ii)、表1、表2および表3から選択される単一フルオロオレフィンまたは多数のフルオロオレフィンと、ヒドロフルオロカーボン、フルオロエーテル、ヒドロカーボン、CF3I、アンモニア(NH3)、二酸化炭素(CO2)、亜酸化窒素(N2O)および上述した化合物の任意の混合物を意味するこれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の冷媒の任意の組み合わせであってよい。
【0073】
ヒドロフルオロカーボン作動流体は、水素およびフッ素と炭素の任意の組み合わせを有する化合物をさらに含んでいてよく、炭素−炭素二重の化合物を含む。本発明に有用なヒドロフルオロカーボン作動流体としては、これらに限られるものではないが、トリフルオロメタン(HFC−23)、ジフルオロメタン(HFC−32)、フルオロメタン(HFC−41)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、フルオロエタン(HFC−161)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC−43−10mee)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロヘプタン(HFC−63−14mcee)、シス−またはトランス−1,2−ジフルオロエテン(HFO−1132)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、シス−またはトランス−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ye)、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、シス−またはトランス−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225zc)、シス−またはトランス−1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(HFO−1327my)、シス−またはトランス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz)、3,4,4,4−テトラフルオロ−3−トリフルオロメチル−1−ブテン((CF32CFCH=CH2、HFO−1447fzy)、シス−またはトランス−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(CF3CF2CH=CHCF3、HFO−1438mzz)、シス−またはトランス−1,1,1,2,2,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(HFO−162−13mczy)およびシス−またはトランス−1,1,1,2,2,3,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(HFO−162−13mcyz)およびこれらの混合物が例示される。本発明の一実施形態において、ヒドロフルオロカーボン作動流体は、ジフルオロメタン(HFC−32)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0074】
クロロフルオロカーボン作動流体は、塩素およびフッ素と炭素の任意の組み合わせを有する化合物を含み、0℃未満の通常の沸点を有する炭素−炭素二重結合を備えた化合物を含むことができる。本発明に有用な代表的なクロロフルオロカーボン作動流体としては、これらに限られるものではないが、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)、フルオロトリクロロメタン(CFC−11)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(CFC−113)、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
ヒドロクロロフルオロカーボン作動流体は、水素、塩素およびフッ素と炭素の任意の組み合わせを有する化合物を含み、0℃未満の通常の沸点を有する炭素−炭素二重結合を備えた化合物を含むことができる。本発明に有用な代表的なヒドロクロロフルオロカーボン作動流体としては、これらに限られるものではないが、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf、CF3CCl=CH2)、シス−またはトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd、CF3CH=CHCl)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0076】
フルオロカーボン作動流体は、フッ素および炭素の任意の組み合わせを有する化合物を含み、炭素−炭素二重結合を備えた化合物および環状化合物を含むことができる。本発明に有用なフルオロカーボン作動流体としては、これらに限られるものではないが、パーフルオロメタン(FC−14)、パーフルオロエタン(FC−116)、パーフルオロプロパン(FC−218)、パーフルオロシクロブタン(FC−C318)、オクタフルオロ−2−ブテン(FO−1318my)およびこれらの混合物が例示される。
【0077】
本発明に有用なフッ素化されていないヒドロカーボン作動流体としては、これらに限られるものではないが、メタン、エタン、エチレン、プロパン、シクロプロパン、プロピレン、n−ブタン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンおよびこれらの混合物を挙げることができる。
【0078】
一実施形態において、本明細書で用いる作動流体はまた、水、水とその他水溶性化合物、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールおよびこれらの混合物を含むアルコールとの混合物からなる群から選択することもできる。その他の化合物はまた、HFC−32、HFC−125、HFC−134、HFC−134a、HFC-143a、HFC−152a、HFC−161、HCFC−22、FC−14、FC−116、CFC−12、NH3、CO2、N2、O2、H2、Ar、メタン、エタン、プロパン、シクロプロパン、プロピレン、ブタン、ブテンおよびイソブタンを挙げることもできる。
【0079】
作動流体の混合物もまた、吸収設備に適切な適正な沸点または圧力を得るのにも有用である。特に、共沸混合物、共沸様組成物または定沸点混合物を形成する混合物が好ましいことがある。作動流体が吸収冷却システムから漏れても、混合物の分別が生じるのが最少あるいは生じないからである。
【0080】
他の実施形態において、ヒドロフルオロカーボン作動流体は、ヒドロフルオロカーボンと、他の化合物、例えば、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロカーボンまたはその他化合物との混合物またはブレンドを含むことができる。かかる作動流体ブレンドとしては、以下の組成物が挙げられる。
【0081】
HFO−1447fzyと、シス−またはトランス−HFO−1438mzz、シス−またはトランス−HFO−1336mzz、HCFO−1233xfおよびシス−またはトランス−HCFO−1233zdからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
シス−HFO−1438mzzと、トランス−HFO−1438mzz、シス−またはトランス−HFO−1336mzz、HCFO−1233xfおよびシス−またはトランス−HCFO−1233zdからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
トランス−HFO−1438mzzと、シス−またはトランス−HFO−1336mzz、HCFO−1233xf、シス−またはトランス−HCFO−1233zdおよびイソペンタンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
シス−HFO−1336mzzと、トランス−HFO−1336mzz、HCFO−1233xf、シス−またはトランス−HCFO−1233zd、イソペンタン、n−ペンタン、シクロペンタン、ギ酸メチル、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)およびトランス−1,2−ジクロロエチレンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに
トランス−HFO−1336mzzと、HCFO−1233xfおよびシス−またはトランス−HCFO−1233zdからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
HCFO−1233xfと、シス−およびトランス−HCFO−1233zdからなる群から選択される少なくとも1つの化合物。
【0082】
他の実施形態において、混合物である作動流体は、以下のような共沸または共沸様組成物であってよい。
【0083】
約51重量パーセント〜約70重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約49重量パーセント〜約30重量パーセントのイソペンタン、
約62重量パーセント〜約78重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約38重量パーセント〜約22重量パーセントのn−ペンタン、
約75重量パーセント〜約88重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約25重量パーセント〜約12重量パーセントのシクロペンタン、
約25重量パーセント〜約35重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約75重量パーセント〜約65重量パーセントのHCFC−123、
約67重量パーセント〜約87重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約33重量パーセント〜約13重量パーセントのトランス−1,2−ジクロロエチレン、ならびに
約61重量パーセント〜約78重量パーセントのトランス−HFO−1438mzzおよび約39重量パーセント〜約22重量パーセントのイソペンタン。
【0084】
吸収剤
本発明の吸収サイクルの好ましい実施形態において、用いる吸収剤は、主に、選択した作動流体(例えば、アンモニアまたはCO2、HFO−1336mzzまたはHFO−1234yfまたはHCFO−1233zdまたはHCFO−1233xfまたはこれらの混合物)を吸収する任意のイオン液体とすることのできるイオン化合物である。作動流体を吸収する好適なイオン化合物は、少なくともある程度、作動流体が混和性であるイオン液体である。吸収パワーサイクルのエネルギー効率は、概して、イオン液体の作動流体に対する吸収性(すなわち、作動流体が高混和性を有する、または作動流体が、かなりの程度、可溶である)が増大するにつれて、増大する。
【0085】
多くのイオン液体は、窒素含有複素環、好ましくは、ヘテロ芳香族環と、アルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキル)と反応させて、第四級アンモニウム塩を形成し、様々なルイス酸またはその共役塩基とのイオン交換またはその他好適な反応を実施して、イオン化合物を形成することにより形成される。好適なヘテロ芳香族環としては、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピロールおよび置換ピロールが例示される。これらの環は、実質的にいずれの直鎖状、分枝状または環状C1-20アルキル基によってもアルキル化することができるが、好ましくは、アルキル基は、C1-16基である。様々なトリアリールホスフィン、チオエーテル、環状および非環状第四級アンモニウム塩もまた、この目的に用いてよい。用いてよい対イオンとしては、クロロアルミン酸塩、ブロモアルミン酸塩、塩化ガリウム、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、硝酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、ヘキサフルオロヒ酸塩、テトラクロロアルミン酸塩、テトラブロモアルミン酸塩、過塩素酸塩、水酸化物アニオン、二塩化銅アニオン、三塩化鉄アニオン、三塩化亜鉛アニオンおよび様々なランタン、カリウム、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンおよびその他金属含有アニオンが例示される。
【0086】
イオン液体は、塩メタセシスにより、酸−塩基中和反応により、または選択した窒素含有化合物の四級化により合成してもよいし、Merck(Darmstadt,Germany)またはBASF(Mount Olive,New Jersey)等の数社より市販のものを入手してもよい。
【0087】
ここで有用なイオン液体の代表例としては、J.Chem.Tech.Biotechnol.,68:351-356(1997)、Chem.Ind.,68:249−263(1996)、J.Phys.Condensed Matter,5:(supp 34B):B99−B106(1993)、Chemical and Engineering News,Mar.30,1998,32−37、J.Mater.Chem.,8:2627−2636(1998);Chem.Rev.,99:2071−2084(1999)および国際公開第05/113,702号パンフレット等の源(およびその中に引用されている参考文献)に記載されているものが挙げられる。一実施形態において、イオン化合物のライブラリ、すなわち、組み合わせライブラリは、例えば、第四級アンモニウムカチオンの様々なアルキル誘導体を調製し、関連のアニオンを変えることにより作製してよい。イオン化合物の酸性度は、モル等量、種類およびルイス酸の組み合わせを変えることにより調節することができる。
【0088】
吸収剤として用いるのに好適なイオン液体としては、以下から選択されるカチオンおよびこれらの混合物が挙げられる。リチウム、ナトリウム、カリウム、セリウムおよび以下の式:
【0089】
【化1】

【0090】
【化2】

【0091】
【化3】

【0092】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R12およびR13は、
(i)H、
(ii)ハロゲン、
(iii)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(iv)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(v)C6〜C20非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25非置換ヘテロアリール、および
(vi)C6〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25置換ヘテロアリールであって、
(1)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群から独立して選択され、
7、R8、R9およびR10は、
(i)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(ii)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(iii)C6〜C25非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25非置換ヘテロアリール、
(iv)C6〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25非置換ヘテロアリールであって、
(1)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群から独立して選択され、
任意選択的に、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の少なくとも2つが一緒になって、環状または二環式のアルカニルまたはアルケニル基を形成することができる。
【0093】
吸収剤として用いるのに好適なイオン液体としては、以下およびそれらの混合物から選択されるアニオンを有するものが挙げられる。[CH3CO2-、[HSO4-、[CH3OSO3-、[C25OSO3-、[AlCl4-、[CO32-、[HCO3-、[NO2-、[NO3-、[SO42-、[PO33-、[HPO32-、[H2PO31-、[PO43-、[HPO42-、[H2PO4-、[HSO3-、[CuCl2-、Cl-、Br-、I-、SCN-、BR1234、BOR1OR2OR3OR4、任意選択的にアルキルまたは置換アルキルで置換されたカーボレート(1−カルバドデカボレート(1−))、任意選択的にアルキルアミン、置換アルキルアミン、アルキルまたは置換アルキルで置換されたカーボラン(ジカルバドデカボレート(1−))および、好ましくは、任意のフッ素化アニオン。ここで有用なフッ素化アニオンとしては、[BF4-、[PF6-、[SbF6-、[CF3SO3-、[HCF2CF2SO3-、[CF3HFCCF2SO3-、[HCClFCF2SO3-、[(CF3SO22N]-、[(CF3CF2SO22N]-、[(CF3SO23C]-、[CF3CO2-、[CF3OCFHCF2SO3-、[CF3CF2OCFHCF2SO3-、[CF3CFHOCF2CF2SO3-、[CF2HCF2OCF2CF2SO3-、[CF2ICF2OCF2CF2SO3-、[CF3CF2OCF2CF2SO3-、[(CF2HCF2SO22N]-、[(CF3CFHCF2SO22N]-およびF-が挙げられる。その他好適なアニオンとしては、式
【0094】
【化4】

【0095】
のものが挙げられ、
式中、R11は、
(i)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C10の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(ii)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む−CH3、−C25またはC3〜C10の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(iii)C6〜C10非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C10非置換ヘテロアリール、および
(iv)C6〜C10置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C10置換ヘテロアリールであって、この置換アリールまたは置換ヘテロアリールが、
(1)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C10の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有するもの
からなる群から独立して選択される。
【0096】
他の実施形態において、ここで用いるのに好適なイオン液体は、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、セシウム、コリン、ジメチルイミダゾリウム、グアニジウム、リチウム、ホスホニウムコリン(ヒドロキシエチルトリメチルホスホニウム)、カリウム、ナトリウム、テトラメチルアンモニウム、テトラメチルホスホニウムからなる群から選択されるカチオン、およびアミノ酢酸(グリシン)、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、カテコレート、クエン酸塩、リン酸ジメチル、ギ酸塩、フマル酸塩、没食子酸塩、グリコール酸塩、グリオキシル酸塩、イミノ二酢酸塩、イソ酪酸塩、コウジ酸塩(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−ピロンイオン)、乳酸塩、レブリン酸塩、シュウ酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、サクシナメート、コハク酸塩、チグリン酸塩(CH3CH=C(CH3)COO-)、テトラフルオロホウ酸塩、テトラフルオロエタンスルホン酸塩およびトロポロナート(2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オンイオン)、[CH3CO2-、[HSO4-、[CH3OSO3-、[C25OSO3-、[AlCl4-、[CO32-、[HCO3-、[NO2-、[NO3-、[SO42-、[PO43-、[HPO42-、[H2PO4-、[HSO3-、[CuCl2-、Cl-、Br-、I-、SCN-、[BF4-、[PF6-、[SbF6-、[CF3SO3-、[HCF2CF2SO3-、[CF3HFCCF2SO3-、[HCClFCF2SO3-、[(CF3SO22N]-、[(CF3CF2SO22N]-、[(CF3SO23C]-、[CF3CO2-、[CF3OCFHCF2SO3-、[CF3CF2OCFHCF2SO3-、[CF3CFHOCF2CF2SO3-、[CF2HCF2OCF2CF2SO3-、[CF2ICF2OCF2CF2SO3-、[CF3CF2OCF2CF2SO3-、[(CF2HCF2SO22N]-、[(CF3CFHCF2SO22N]-、F-および任意のフッ素化アニオンからなる群から選択されるアニオンを有していてよい。
【0097】
作動流体は、吸収システムの操作の温度範囲、特に、蒸発器の操作温度から発生器の操作温度まで、ここで用いるイオン液体と混和性である、または可溶であるのが好ましいであろう。その結果、吸収システムの温度範囲にわたって、吸収サイクルにおいて、様々な異なるレベルの相対含量の作動流体および吸収剤が好適であり、それから形成された組成物中の作動流体かイオン液体のいずれかの濃度は、イオン液体と作動流体を併せた重量の約1重量%〜約99重量%の範囲となればよい。
【0098】
本発明の様々な実施形態において、本明細書に記載または開示した個々のカチオンのいずれかを選択し、カチオンと対をなす、本明細書に記載または開示した個々のアニオンを選択することにより形成されたイオン化合物を、吸収パワーサイクルにおいて吸収剤として用いてよい。それに対応して、さらに他の実施形態において、(i)合計群の個々の部類の全ての様々な異なる組み合わせにおいて、本明細書に記載および開示したカチオンの合計群から採った任意のサイズのカチオンの下位群および(ii)合計群の個々の部類の全ての様々な異なる組み合わせにおいて、本明細書に記載および開示したアニオンの合計群から採った任意のサイズのアニオンの下位群を選択することにより形成されたイオン液体の下位群を、吸収剤として用いてよい。前述したとおり選択を行うことにより、イオン液体またはイオン液体の下位群を形成する際、イオン液体または下位群は、選択を行うのに合計群から除外されたカチオンおよび/またはアニオンの群の部類なしで用いられ、望ましい場合には、選択は、使用される群の部類からよりも、使用から除外された合計群の部類に関して行ってよい。
【0099】
吸収パワーサイクルに用いる吸収剤は、望ましくは、作動流体(例えば、アンモニア)に高溶解度、同じく、作動流体に比べて非常に高い沸点を有する化合物である。
【0100】
本発明に用いる吸収剤は、イオン液体を含有または、それから実質的になり(必ずしもではないが)、すなわち、非イオン化合物を含有または、それから実質的になる可能性がある。好適な非イオン化合物吸収剤としては、これらに限られるものではないが、エーテル、エステル、アミドおよびケトンが挙げられる。
【0101】
イオン液体または非イオン化合物の混合物または非イオン化合物およびイオン液体の混合物を、ここでは吸収剤として用いてもよく、かかる混合物は、例えば、適切な吸収挙動を達成するのが望ましい。
【0102】
添加剤、例えば、潤滑剤、結晶化抑制剤、サビ止剤、安定剤、染料およびその他適切な材料を、それらが、作動流体がイオン液体吸収剤に可溶となる程度まで、望ましくない影響を与えないのであれば、様々な目的で、本発明に有用な作動流体/吸収剤対組成物に添加してよい。本発明の作動流体/吸収剤対組成物は、所望量の各成分を適切な容器で、例えば、回転混合要素を有する公知の種類の攪拌器を用いて混合または化合することをはじめとする、何らかの簡便な方法により調製してよい。
【0103】
結晶化抑制剤としては、2009年11月6日出願の同時係属PCT特許出願第PCT/US09/63599号明細書ならびに2009年3月31日出願の同時係属米国特許仮出願第61/165,089号明細書、第61/165,093号明細書、第61/165,147号明細書、第61/165,155号明細書、第61/165,160号明細書、第61/165,161号明細書、第61/165,166号明細書および第61/165,173号明細書に記載された化合物が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)作動流体を吸収剤に吸収して、吸収剤と作動流体との混合物を形成するための吸収器と、
(b)前記吸収剤および作動流体を前記吸収器から受けて予熱するために、前記吸収器と流体連通して配置された第1の熱交換器と、
(c)前記吸収剤と作動流体との混合物を、前記吸収器から前記第1の熱交換器までポンピングするための液体ポンプと、
(d)前記第1の熱交換器から前記予熱混合物を受け、追加の熱を前記予備混合物に移すことによって前記作動流体の高圧蒸気を放出するための、前記第1の熱交換器と流体連通して配置された発電機発生器と、
(e)前記高圧作動流体から機械仕事を生じさせるために、前記発電機発生器と流体連通して配置された機械仕事を生じさせるためのデバイスと
を含み、前記吸収剤がイオン液体を含む、吸収パワーサイクルシステム。
【請求項2】
(a)前記機械仕事を生じさせるためのデバイスから出る前記高圧作動流体を凝縮する凝縮器と、
(b)前記圧力を減じ、前記作動流体を部分的に蒸発させるための膨張デバイスと、
(c)前記作動流体を完全に蒸発させて、冷却を行うための蒸発器と
をさらに含む、請求項1に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項3】
前記イオン液体が、カチオンとアニオンとを含み、前記カチオンが、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、および以下の式
【化1】

【化2】

【化3】

からなる群から選択され、
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R12およびR13は、
(i)H、
(ii)ハロゲン、
(iii)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(iv)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(v)C6〜C20非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25非置換ヘテロアリール、および
(vi) C6〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25置換ヘテロアリールであって、前記置換アリールまたは置換ヘテロアリールが、
(1)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有するもの
からなる群から独立して選択され、
7、R8、R9およびR10は、
(i)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(ii)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(iii)C6〜C25非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25非置換ヘテロアリール、および
(iv)C6〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C25置換ヘテロアリールであって、
(1)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C25の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群から独立して選択され、
任意選択的に、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の少なくとも2つが一緒になって、環状または二環式のアルカニルまたはアルケニル基を形成することができ、
前記アニオンが、
[CH3CO2-、[HSO4-、[CH3OSO3-、[C25OSO3-、[AlCl4-、[CO32-、[HCO3-、[NO2-、[NO3-、[SO42-、[PO33-、[HPO32-、[H2PO31-、[PO43-、[HPO42-、[H2PO4-、[HSO3-、[CuCl2-、Cl-、Br-、I-、SCN-、BR1234、BOR1OR2OR3OR4、任意選択的にアルキルまたは置換アルキルで置換されたカーボレート(1−カルバドデカボレート(1−))、任意選択的にアルキルアミン、置換アルキルアミン、アルキルまたは置換アルキルで置換されたカーボラン(ジカルバドデカボレート(1−))、[BF4-、[PF6-、[SbF6-、[CF3SO3-、[HCF2CF2SO3-、[CF3HFCCF2SO3-、[HCClFCF2SO3-、[(CF3SO22N]-、[(CF3CF2SO22N]-、[(CF3SO23C]-、[CF3CO2-、[CF3OCFHCF2SO3-、[CF3CF2OCFHCF2SO3-、[CF3CFHOCF2CF2SO3-、[CF2HCF2OCF2CF2SO3-、[CF2ICF2OCF2CF2SO3-、[CF3CF2OCF2CF2SO3-、[(CF2HCF2SO22N]-、[(CF3CFHCF2SO22N]-、F-および式
【化4】

のアニオンからなる群から選択され、
(式中、R11は、
(i)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C10の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(ii)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む−CH3、−C25またはC3〜C10の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(iii)C6〜C10非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C10非置換ヘテロアリール、および
(iv)C6〜C10置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC3〜C10置換ヘテロアリールであって、
(1)任意選択的にCl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換された、−CH3、−C25またはC3〜C10の直鎖状、分枝状または環状のアルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群から独立して選択され、
任意選択的により、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の少なくとも2つが一緒になって、環状または二環式のアルカニルまたはアルケニル基を形成することができる)
請求項1に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項4】
前記作動流体が水またはアンモニアを含む、請求項1に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項5】
前記作動流体が、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、フルオロカーボン、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、アルゴン(Ar)、水素(H2)、フッ素化されていないヒドロカーボン、メタノールおよび前述したもののいずれかの混合物からなる群から選択される作動流体を含む、請求項1に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項6】
前記フッ素化されていないヒドロカーボンは、C1〜C7の直鎖状、分枝状または環状のアルカンおよびC1〜C7の直鎖状、分枝状または環状のアルケンからなる群から選択される、請求項5に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項7】
前記作動流体が、
(i)式E−R1CH=CHR2またはZ−R1CH=CHR2(式中、R1およびR2は、独立に、C1〜C6パーフルオロアルキル基である)のフルオロオレフィン、
(ii)式シクロ−[CX=CY(CZW)n−](式中、X、Y、ZおよびWは、独立に、HまたはFであり、nは2〜5の整数である)の環状フルオロオレフィン、および
(iii)テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)、ヘキサフルオロプロペン(CF3CF=CF2)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCF3)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CF2=CHCF3)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CF2=CFCHF2)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCHF2)、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CH2=CFCF3)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CHCF3)、1,1,2,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CF2=CFCH2F)、1,1,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CF2=CHCHF2)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCHF2)、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2=CHCF3)、2,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHF2CF=CH2)、1,1,2−トリフルオロ−1−プロペン(CH3CF=CF2)、1,2,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2FCF=CF2)、1,1,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2FCH=CF2)、1,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHF2CH=CHF)、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−ブテン(CF3CF=CFCF3)、1,1,2,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−1−ブテン(CF3CF2CF=CF2)、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(CF3CF=CHCF3)、1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCF2CF3)、1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(CHF2CF=CFCF3)、1,3,3,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−プロペン((CF32C=CHF)、1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CHCF2CF3)、1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCHFCF3)、1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCF2CHF2)、2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF3CF2CF=CH2)、1,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCF2CF3)、1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCHFCF3)、1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCF2CHF2)、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CHF2CF=CFCHF2)、1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CH2FCF=CFCF3)、1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CHF2CH=CFCF3)、1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CF3CH=CFCHF2)、1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCF2CH2F)、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF2=CFCHFCHF2)、3,3,3−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−プロペン(CH2=C(CF32)、1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CH2FCH=CFCF3)、1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CF3CH=CFCH2F)、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CF3CF2CH=CH2)、1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHF2CH=CHCF3)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2−ブテン(CH3CF=CFCF3)、2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH2=CFCF2CHF2)、1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHF2CF=CHCHF2)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH3CF2CF=CF2)、1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CH2FCF=CFCHF2)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−メチル−1−プロペン(CF2=C(CF3)(CH3))、2−(ジフルオロメチル)−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH2=C(CHF2)(CF3))、2,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH2=CFCHFCF3)、1,2,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCH2CF3)、1,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCHFCF3)、1,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCF2CHF2)、1,2,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCHFCHF2)、3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン(CH2=CHCF2CHF2)、1,1−ジフルオロ−2−(ジフルオロメチル)−1−プロペン(CF2=C(CHF2)(CH3))、1,3,3,3−テトラフルオロ−2−メチル−1−プロペン(CHF=C(CF3)(CH3))、3,3−ジフルオロ−2−(ジフルオロメチル)−1−プロペン(CH2=C(CHF22)、1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ブテン(CF3CF=CHCH3)、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン(CH3CF=CHCF3)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CFCF2CF3)、1,1,2,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−1−ペンテン(CF2=CFCF2CF2CF3)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CF32C=CHCF3)、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CHCF2CF3)、1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CH=CFCF2CF3)、1,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CHF=CFCF2CF2CF3)、1,1,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CF2=CHCF2CF2CF3)、1,1,2,3,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CF2=CFCF2CF2CHF2)、1,1,2,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CHF2CF=CFCF2CF3)、1,1,1,2,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CFCF2CHF2)、1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CF3CF=CFCHFCF3)、1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CFCF(CF32)、1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=CFCH(CF32)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CF3CH=C(CF32)、1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=CHCF(CF32)、2,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテン(CH2=CFCF2CF2CF3)、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテン(CHF=CFCF2CF2CHF2)、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=C(CF3)CF2CF3)、1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=CHCH(CF32)、1,3,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CHCF(CF32)、1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF2=C(CF3)CH2CF3)、3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン((CF32CFCH=CH2)、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CF3CF2CF2CH=CH2)、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH2=CFCF2CF2CHF2)、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF2=CHCF2CH2CF3)、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−メチル−2−ブテン(CF3CF=C(CF3)(CH3))、2,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=CFCH(CF32)、1,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CHCH(CF32)、1,1,1,4−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CH2FCH=C(CF32)、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CH3CF=C(CF32)、1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CF32C=CHCH3)、3,4,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2−ペンテン(CF3CF2CF=CHCH3)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−ブテン(CF3C(CH3)=CHCF3)、3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−1−ペンテン(CH
2=CHCF2CHFCF3)、4,4,4−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=C(CF3)CH2CF3)、1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−1−ヘキセン(CF3(CF23CF=CF2)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−3−ヘキセン(CF3CF2CF=CFCF2CF3)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CF32C=C(CF32)、1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32CFCF=CFCF3)、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32C=CHC25)、1,1,1,3,4,5,5,5−オクタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32CFCF=CHCF3)、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン(CF3CF2CF2CF2CH=CH2)、4,4,4−トリフルオロ−3,3−ビス(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH2=CHC(CF33)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CF32C=C(CH3)(CF3))、2,3,3,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH2=CFCF2CH(CF32)、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−3−メチル−2−ペンテン(CF3CF=C(CH3)CF2CF3)、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン(CF3CH=CHCH(CF32)、3,4,4,5,5,6,6,6−オクタフルオロ−2−ヘキセン(CF3CF2CF2CF=CHCH3)、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ1−ヘキセン(CH2=CHCF2CF2CF2CHF2)、1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32C=CHCF2CH3)、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH2=C(CF3)CH225)、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−メチル−1−ペンテン(CF3CF2CF2C(CH3)=CH2)、4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロ−2−ヘキセン(CF3CF2CF2CH=CHCH3)、4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロ−1−ヘキセン(CH2=CHCH2CF225)、1,1,1,2,2,3,4−ヘプタフルオロ−3−ヘキセン(CF3CF2CF=CFC25)、4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH2=CHCH2CF(CF32)、1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−メチル−2−ペンテン(CF3CF=CHCH(CF3)(CH3))、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CF32C=CFC25)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロ−2−ヘプテン(CF3CF=CFCF2CF225)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロ−3−ヘプテン(CF3CF2CF=CFCF225)、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン(CF3CH=CFCF2CF225)、1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン(CF3CF=CHCF2CF225)、1,1,1,2,2,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(CF3CF2CH=CFCF225)および1,1,1,2,2,3,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(CF3CF2CF=CHCF225)からなる群から選択されるフルオロオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つのヒドロフルオロカーボンまたはフルオロカーボンを含む、請求項5に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項8】
前記フルオロオレフィンが、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタ−2−エン、1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロペンタ−2−エン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロヘキサ−2−エン、1,1,1,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタ−2−エン、1,1,1,2,2,5,5,6,6,6−デカフルオロヘキサ−3−エン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロヘプタ−2−エン、1,1,1,4,4,5,6,6,6−ノナフルオロ−5−(トリフルオロメチル)ヘキサ−2−エン、1,1,1,4,5,5,6,6,6−ノンフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ヘキサ−2−エン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)ペンタ−2−エン、1,1,1,2,2,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロヘプタ−3−エン、1,1,1,2,2,5,6,6,6−ノナフルオロ−5−(トリフルオロメチル)ヘキサ−3−エン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロオクタ−2−エン、1,1,1,4,4,5,5,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ヘプタ−2−エン、1,1,1,5,5,6,6,6−オクタフルオロ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)ヘキサ−2−エン、1,1,1,2,2,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロオクタ−3−エン、1,1,1,2,2,5,5,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,2,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−5−(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,2,6,6,6−オクタフルオロ−5,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘキサ−3−エン、1,1,1,2,2,3,3,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロオクタ−4−エン、1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘキサ−3−エン、1,1,1,2,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロノナ−2−エン、1,1,1,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ヘプタ−2−エン、1,1,1,6,6,6−オクタフルオロ−4,4−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタ−2−エン、1,1,1,2,2,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロノナ−3−エン、1,1,1,2,2,5,5,6,6,7,8,8,8−トリデカフルオロ−7−(トリフルオロメチル)オクタ−3−エン、1,1,1,2,2,6,6,7,7,7−デカフルオロ−5,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,2,3,3,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロノナ−4−エン、1,1,1,2,2,3,3,6,6,7,8,8,8−トリデカフルオロ−7−(トリフルオロメチル)オクタ−4−エン、1,1,1,2,2,3,3,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−6−(トリフルオロメチル)オクタ−4−エン、1,1,1,5,5,6,6,7,7,7−デカフルオロ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−2(トリフルオロメチル)オクタ−3−エン、1,1,1,2,5,5,6,7,7,7−デカフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,5,6,6,7,7,7−デカフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,6,6,6−ヘプタフルオロ−2,5,5−トリス(トリフルオロメチル)ヘキサ−3−エン、1,1,1,2,2,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−オクタデカフルオロデカ−3−エン、1,1,1,2,2,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロ−5−(トリフルオロメチル)ノナ−3−エン、1,1,1,2,2,6,6,7,7,8,8,8−ドデカフルオロ−5,5−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−3−エン、1,1,1,2,2,3,3,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−オクタデカフルオロデカ−4−エン、1,1,1,2,2,3,3,6,6,7,7,8,9,9,9−ペンタデカフルオロ−8−(トリフルオロメチル)ノナ−4−エン、1,1,1,2,2,3,3,7,7,8,8,8−ドデカフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−4−エン、1,1,1,2,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ノナ−3−エン、1,1,1,2,5,5,6,6,7,8,8,8−ドデカフルオロ−2,7−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−3−エン、1,1,1,2,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−2,5,5−トリス(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,7,7,8,8,9,9,10,10,10−オクタデカフルオロデカ−5−エン、1,1,1,2,3,3,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ノナ−4−エン、1,1,1,2,2,3,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ノナ−4−エン、1,1,1,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ドデカフルオロ−2,2,−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−3−エン、1,1,1,2,3,3,6,6,7,8,8,8−ドデカフルオロ−2,7−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−4−エン、1,1,1,2,3,3,6,7,7,8,8,8−ドデカフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−4−エン、1,1,1,5,5,6,7,7,7−ノナフルオロ−2,2,6−トリス(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エン、1,1,1,2,2,3,6,7,7,8,8,8−ドデカフルオロ−3,6−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−4−エン、1,1,1,2,2,3,6,7,7,8,8,8−ドデカフルオロ−3,6−ビス(トリフルオロメチル)オクタ−4−エン、1,1,1,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−2,2,5−トリス(トリフルオロメチル)ヘプタ−3−エンおよび1,1,1,6,6,6−ヘキサフルオロ−2,2,5,5−テトラキス(トリフルオロメチル)ヘキサ−3−エンからなる群から選択される、請求項7に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項9】
前記フルオロオレフィンが、1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブテン、3,3,4,4−テトラフルオロシクロブテン、3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテンおよび1,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキセンからなる群から選択される、請求項7に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項10】
前記作動流体が、ジフルオロメタン(HFC−32)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、フルオロエタン(HFC−161)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC−43−10mee)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロヘプタン(HFC−63−14mcee)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ye)、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225zc)、1,1,1,2,2,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(HFO−162−13mczy)および1,1,1,2,2,3,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(HFO−162−13mcyz)、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)、フルオロトリクロロメタン(CFC−11)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(CFC−113)、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)、パーフルオロメタン(FC−14)、パーフルオロエタン(FC−116)、パーフルオロプロパン(FC−218)、パーフルオロシクロブタン(FC−C318)、オクタフルオロ−2−ブテン(FO−1318my)、メタン、エタン、エチレン、プロパン、シクロプロパン、プロピレン、n−ブタン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)、アンモニア(NH3)、アルゴン(Ar)、水素(H2)およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの作動流体を含む、請求項5に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項11】
前記発電機発生器と前記第1の熱交換器の間、および前記第1の熱交換器と前記吸収器の間に、前記吸収剤と作動流体との混合物を、前記吸収器に戻して再循環するための再循環ラインをさらに含む、請求項1に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項12】
前記作動流体が、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、シス−またはトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、3,4,4,4−テトラフルオロ−3−トリフルオロメチル−1−ブテン、シス−またはトランス−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの作動流体を含む、請求項1に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項13】
前記作動流体が、
約51重量パーセント〜約70重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約49重量パーセント〜約30重量パーセントのイソペンタン、
約62重量パーセント〜約78重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約38重量パーセント〜約22重量パーセントのn−ペンタン、
約75重量パーセント〜約88重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約25重量パーセント〜約12重量パーセントのシクロペンタン、
約25重量パーセント〜約35重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約75重量パーセント〜約65重量パーセントのHCFC−123、
約67重量パーセント〜約87重量パーセントのシス−HFO−1336mzzおよび約33重量パーセント〜約13重量パーセントのトランス−1,2−ジクロロエチレン、ならびに
約61重量パーセント〜約78重量パーセントのトランス−HFO−1438mzzおよび約39重量パーセント〜約22重量パーセントのイソペンタン
からなる群から選択される少なくとも1つの共沸または共沸様組成物を含む、請求項1に記載の吸収パワーサイクルシステム。
【請求項14】
(a)吸収器において吸収剤/作動流体混合物を形成する工程と、
(b)前記吸収剤/作動流体混合物を加熱して、作動流体蒸気を放出する工程と、
(c)前記作動流体蒸気を機械仕事を生じさせるためのデバイスに送る工程と、
(d)前記加熱された吸収剤/作動流体混合物を改良再形成する工程と
を含む機械仕事を生じさせる方法。
【請求項15】
工程(c)と(d)の間に、
(c−i)凝縮器において前記作動流体を凝縮する工程と、
(c−ii)膨張デバイスにおいて前記作動流体を部分的に蒸発させる工程と、
(c−iii)蒸発器において前記作動流体を完全に蒸発させて、冷却を行う工程と
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(c)と(d)の間に、
(c−i)凝縮器において前記作動流体を凝縮して熱を生成する工程と、
(c−ii)膨張デバイスにおいて前記作動流体を部分的に蒸発させる工程と、
(c−iii)蒸発器において前記作動流体を完全に蒸発させる工程と
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
工程(c)と(d)の間に、冷却するストリームからの熱を第2の熱交換器で吸収して、前記冷却するストリームを冷却する工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−512991(P2012−512991A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542417(P2011−542417)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068380
【国際公開番号】WO2010/080467
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】