説明

吸収性のマイクロ波相互作用パッケージ体

【課題】電子レンジ調理の際に食品の滲出物を吸収すると共に食品の焦げ目付け及びかりかりの焼き上げを高める構造体を提供する。
【解決手段】吸収構造体を、ポリエチレンテレフタレートからなる液体吸収層、該液体吸収層と向かい合う関係で設けられた、食品接触面を少なくとも部分的に画定する剥離コーティングからなる剥離層、及び該剥離層と該液体吸収層との間に設けられた結合層とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、吸収性の、任意にマイクロ波相互作用性を有する吸収構造体に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2004年8月25日に出願された米国仮出願第60/604,637号(その全体が本明細書の一部を構成する)の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
[背景]
電子レンジは一般に、食品を迅速且つ効果的に調理するのに用いられる。多くの材料及びパッケージ材料または包装材料(packages)が電子レンジでの使用のために設計されている。加熱処理中、多くの食品から、水、液汁、油分、脂分、油脂、及び血液(本明細書ではまとめて「滲出物」と呼ぶ)が出る。通常、滲出物は食品の下に溜まる。この溜まりが多少であれば食品の焦げ目付け又はかりかりの焼き上げを高め得るが、滲出物の溜まりが過剰であると焦げ目付け又はかりかりの焼き上げを妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、貯蔵及び調理の際に食品の滲出物を吸収する構造体が必要とされている。さらに、電子レンジ調理の際に食品の滲出物を吸収すると共に食品の焦げ目付け及びかりかりの焼き上げを高める構造体が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[概要]
本発明は包括的に、種々の材料、包装材すなわちブランク(blank)、スリーブ、パッケージ(packages)、トレー、及び、電子レンジでの加熱の際に食品の滲出物を吸収すると共に任意に食品の焦げ目付け及びかりかりの焼き上げを高める他の構造体に関する。
【0006】
本明細書では添付した図面を参照して説明するが、図面全体を通して同じ参照符号は同じ部品を示す。
【0007】
[詳細な説明]
本発明は包括的に、種々の吸収材料、包装材料すなわちブランク、スリーブ、パッケージ、トレー、及び、電子レンジ対応食品の包装及び加熱の際に使用する他の構造体(まとめて「構造体」(“constructs”or“structures”)とする)に関する。種々の構造体は、多数の食品、例えば獣肉、家禽肉、ベーコン、即席食品、ピザ、サンドイッチ、デザート、並びにポップコーン及び他のスナック食品と共に使用することができる。
【0008】
本発明は図を参照することで最もよく理解されるであろう。わかりやすくするため、同じ符号が同じ特徴を示すのに用いられ得る。しかしながら、同じ符号の使用はかかる特徴がいかなる様式においても等しいことを認めるものと解釈すべきではないことが理解されるであろう。また、複数の同様の特徴が示される場合、かかる同一の特徴の全てが図に示され得るわけではないことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電子レンジ用断熱材料を用いた、本発明の各種態様による例示的な吸収構造体を示す図である。
【図2】本発明の各種態様による別の例示的な吸収構造体を示す図である。
【図3A】図2の吸収構造体から形成された、本発明の各種態様による例示的なブランクを示す図である。
【図3B】図2の吸収構造体から形成された、本発明の各種態様による例示的なブランクを示す図である。
【図4】図3A及び図3Bのブランクから形成された、本発明の各種態様による例示的なスリーブを示す図である。
【図5A】本発明の各種態様による別の例示的なブランクを示す図である。
【図5B】本発明の各種態様による別の例示的なブランクを示す図である。
【図6】本発明に従って用いられ得る電子レンジ用断熱材料の断面図を示す。
【図7】本発明に従って用いられ得る別の電子レンジ用断熱材料の断面図を示す。
【図8】図7の電子レンジ用断熱材料の斜視図である。
【図9】マイクロ波エネルギーに晒された後の、図8の電子レンジ用断熱材料を示す図である。
【図10】本発明に従って用いられ得るさらに別の電子レンジ用断熱材料の断面図を示す。
【図11】本発明に従って用いられ得るさらに別の電子レンジ用断熱材料の断面図を示す。
【図12】サセプターを有さない、本発明による例示的な吸収構造体の断面図を示す。
【図13】サセプターを有さない、本発明による別の例示的な吸収構造体の断面図を示す。
【図14】サセプターを有さない、本発明によるさらに別の例示的な吸収構造体の断面図を示す。
【図15】サセプターを有さない、本発明によるさらに別の例示的な吸収構造体の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の各種態様によるスリーブ又は他の包装すなわちパッケージを形成する例示的な材料10を示す。材料10は複数の層を有する。層の特定の組み合わせを本明細書において説明するが、層の他の組み合わせも本明細書によって意図されることを理解されたい。
【0011】
図1を参照すると、構造体10は、食品接触層12とマイクロ波エネルギー相互作用層14とから形成されるサセプター(susceptor)を有する。サセプターは通常、食品の焦げ目付け及びかりかりの焼き上げを高めるのに使用される。選択されるマイクロ波エネルギー相互作用材料、及び包装の際のその位置付けに応じて、サセプターは、特定の食品の必要に応じて、マイクロ波エネルギーを吸収、伝導、又は反射し得る。マイクロ波エネルギー相互作用材料は、所望の調理成果を達成する必要に応じて、食品の表面と近接するか、食品と密接するか、又はそれらを組み合わせることができる。したがって、1つ又は複数の一体となったサセプターを有する、シート、スリーブ、パッケージ、又は他の構造体を用いて、食品を調理し、従来のフライ、ベーキング、又は網焼きと同様にして食品の表面を焦げ目付きにするか又はかりかりに焼き上げることができる。サセプターの多くの特定の構成、形状、及びサイズが当該技術分野において知られている。
【0012】
マイクロ波エネルギー相互作用層14は、導電性又は半導電性材料、例えば、金属箔として提供される金属若しくは合金、真空蒸着された金属若しくは合金、又は金属インク、有機インク、無機インク、金属ペースト、有機ペースト、無機ペースト、又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。本発明における使用に好適であり得る金属及び合金の例としては、アルミニウム、クロム、銅、インコネル合金(ニオブを含有するニッケル−クロム−モリブデン合金)、鉄、マグネシウム、ニッケル、ステンレス鋼、スズ、チタン、タングステン、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
金属は、安価であり真空蒸着又は箔の形態の双方で容易に得られるが、全ての用途に適するわけではないであろう。例えば、真空蒸着厚が大きい場合及び箔形態では、金属は可視光を通さず、透明の電子レンジ用パッケージ又は部材を形成するには適さないであろう。さらに、加熱に対するかかる真空蒸着金属の相互作用性は多くの場合、狭い範囲の熱流束及び温度の場合の加熱に限定される。したがって、かかる材料は、全ての食品の加熱、焦げ目付け、かりかりの焼き上げに最適であるわけではないであろう。さらに、電磁処理(field management)を用いる場合では、金属箔及び真空蒸着コーティングは取り扱いが困難であると共にパッケージとして設計することが困難であり、構造体の小さな欠陥でのアーク放電(arcing)につながる可能性がある。
【0014】
したがって、本発明の別の態様によれば、マイクロ波相互作用エネルギー材料は金属酸化物を含んでいてもよい。本発明における使用に好適であり得る金属酸化物の例としては、必要とされる導電性材料と併せて用いられる、アルミニウム、鉄及びスズの酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明における使用に好適であり得る金属酸化物の別の例はインジウムスズ酸化物(ITO)である。ITOは、マイクロ波エネルギー相互作用材料として使用して、加熱作用、遮断作用、又はそれらの組み合わせをもたらすことができる。サセプターを形成するために、ITOは一般的に、透明な高分子フィルム上にスパッタリングされる。本明細書中で使用される場合、「フィルム」は、或る物質又は複数の物質の組み合わせ(限定するものではないが、熱可塑性材料が挙げられる)の薄い連続したシートを指す。スパッタリングプロセスは一般的に、金属蒸着に用いられる蒸着プロセスよりも低温で行われる。ITOは、より均質な結晶構造を有しており、それゆえ、最大でも透明なコーティングの厚さである。また、ITOは、加熱作用又は電磁処理作用のいずれかのために使用することができる。ITOはまた、金属よりも欠点が少ないため、ITOの厚いコーティングをアルミニウム等の金属の厚いコーティングよりも電磁処理により一層好適なものにし得る。
【0015】
代替的に、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、好適な導電性、半導電性、又は非導電性の人工誘電体又は強誘電体を含んでいてもよい。人工誘電体は、導電性、高分子の若しくは他の好適なマトリクス又はバインダ中の細分材料を含み、また、導電性金属、例えばアルミニウムの破片を含んでいてもよい。
【0016】
食品接触層12は、マイクロ波エネルギー相互作用材料14の上に、場合によってはその下に形成され、また一般的に、絶縁体、例えば高分子フィルムを含む。フィルムの厚みは一般的に、約40〜約55ゲージ(gauge)であってもよい。一態様では、フィルムの厚みは約43〜約52ゲージである。別の態様では、フィルムの厚みは約45〜約50ゲージである。さらに別の態様では、フィルムの厚みは約48ゲージである。好適であり得る高分子フィルムの例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、セロファン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。紙及びラミネート紙、金属酸化物、ケイ酸塩、セルロース系材料、又はそれらの任意の組み合わせ等の他の非導電性基板材料を使用してもよい。
【0017】
本発明の一態様によれば、高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでいてもよい。基板として使用するのに好適であり得るポリエチレンテレフタレートフィルムの例としては、DuPont Teijan Films (バージニア州ホープウェル所在)から市販されているMELINEX(登録商標)、及びSKC, Inc.(ジョージア州コヴィントン所在)から市販されているSKYROLが挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、市販のサセプター、例えばQWIK WAVE(登録商標)フォーカスサセプター及びMICRO−RITE(登録商標)サセプター(両方ともGraphic Packaging International(ジョージア州マリエッタ所在)から入手可能である)に使用される。
【0018】
場合によっては、高分子フィルムは、追加の剥離コーティングを必要としない程に十分な非粘着性を有し得る。他の場合によっては、所望の特性を与えるように高分子フィルムに剥離コーティング(図示せず)を塗布し得る。剥離コーティング又は剥離材料は、食品と連続的又は不連続的に密接してもよい。食品との接触が認可されており、塗布される基体と適合性があり、且つ、晒される温度で耐劣化性である限り、所望に応じて適切ないかなる剥離材料も用いることができる。本発明と共に使用するのに適し得る材料の例としては、シリコーン系材料、クロム、又はクロム脂肪酸錯体(chrome-fatty acid complexes)、ワックス、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。剥離コーティングは、任意のコーティング手段、例えば、グラビア印刷、ロールコーティング、及びエアナイフ、ブラシ処理、吹き付け、浸漬、巻線ロッド、又はそれらの任意の組み合わせを用いて食品接触面に施され得る。代替的に、剥離材料を吸収構造体中に例えば高分子繊維内に組み込むことで、剥離材料を繊維の表面に拡散するようにすることができる。
【0019】
マイクロ波エネルギー相互作用材料は、任意の適した方法で食品接触層又は基体に施され、例によっては、マイクロ波エネルギー相互作用材料は基体上にプリントされるか、押し出し成形されるか、スパッタリングされるか、蒸発されるか、又は積層される。マイクロ波エネルギー相互作用材料は、任意のパターンで任意の技法を用いて基体に施され、食品の所望の加熱作用を達成することができる。例えば、マイクロ波エネルギー相互作用材料は連続又は不連続の層又はコーティングとして、円形状、ループ状、六角形状、島状、正方形状、矩形状、八角形状等の形態で提供されることができる。本発明と共に使用するのに適し得る代替的なパターン及び方法の例は、米国特許第6,765,182号、同第6,717,121号、同第6,677,563号、同第6,552,315号、同第6,455,827号、同第6,433,322号、同第6,414,290号、同第6,251,451号、同第6,204,492号、同第6,150,646号、同第6,114,679号、同第5,800,724号、同第5,759,422号、同第5,672,407号、同第5,628,921号、同第5,519,195号、同第5,424,517号、同第5,410,135号、同第5,354,973号、同第5,340,436号、同第5,266,386号、同第5,260,537号、同第5,221,419号、同第5,213,902号、同第5,117,078号、同第5,039,364号、同第4,963,424号、同第4,936,935号、同第4,890,439号、同第4,865,921号、同第4,775,771号、及び再発行特許第34,683号(これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書の一部として組み込まれる)に挙げられている。マイクロ波エネルギー相互作用材料の特定の例を本明細書中に示し説明しているが、マイクロ波エネルギー相互作用材料の他のパターンも本発明により意図されることが理解されるであろう。
【0020】
なおも図1を参照すると、マイクロ波エネルギー相互作用層14が吸収層16の上に重なっている。吸収層16は、マイクロ波加熱中、食品からの滲出物を吸収することが可能ないずれもの材料から形成され得る。例えば、本発明の本態様及び他の態様では、吸収層がセルロース系材料、高分子材料、又はそれらの組み合わせから形成されてもよく、織布材料又は不織布材料であってもよい。
【0021】
本発明における使用に好適であり得るセルロース系材料の例としては、綿毛状の木材(wood fluff)、綿毛状の木材の綿撒糸、薄織物及び紙タオルが挙げられるが、これらに限定されない。セルロース系材料は、パルプ繊維、又は他の原料、例えば亜麻、トウワタ、マニラ麻、麻、綿又はそれらの任意の組み合わせからの繊維を含んでいてもよい。セルロース系材料を形成するのに使用されるプロセスは、当業者に知られているものであるため、本明細書中には記載しない。
【0022】
通常、繊維同士は、水素結合並びに共有結合及び/又はイオン結合によって紙及び薄織物製品中に保持される。場合によっては、例えば、水又は他の水溶液、血液、脂分、油脂、及び油分に晒されると、繊維間の接合点を固定すると共に湿潤状態での分裂に抗するように繊維を結合することが有益であろう。そのため、セルロース系材料は任意に湿潤紙力増強樹脂を有する。しかしながら、通常、かかる湿潤紙力増強樹脂は吸収性を下げるため、所望の特性のバランスをとらねばならない。
【0023】
一態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約0.5gの滲出物を吸収することが可能である。別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約1gの滲出物を吸収することが可能である。さらに別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約1.25gの滲出物を吸収することが可能である。別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約1.5gの滲出物を吸収することが可能である。さらに別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約1.75gの滲出物を吸収することが可能である。さらに別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約2gの滲出物を吸収することが可能である。別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約2.5gの滲出物を吸収することが可能である。別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約4gの滲出物を吸収することが可能である。さらに別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約5gの滲出物を吸収することが可能である。別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約8gの滲出物を吸収することが可能である。さらに別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約10gの滲出物を吸収することが可能である。さらに別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約12gの滲出物を吸収することが可能である。別の態様では、吸収材料はその1g当たり、食品から少なくとも約15gの滲出物を吸収することが可能である。
【0024】
特定の一例では、吸収層はReliance(商標)の名で市販されている、Fiber Mark(商標)ブロッタボード製品(blotter board product)を含む。Fiber Mark(商標)ブロッタボードは、16.36立方センチメートル(1立方インチ)当たり、1回食べ切り分の(a single serving of)スナック食品から約7〜約9gの油分を吸収し得る。さらに、ブロッタボードは、1平方メートル当たり約370グラム(278.7平方メートル(3,000平方フィート)当たり103.1キログラム(227.4ポンド))の坪量の場合では約0.635ミリメートル(約0.025インチ)厚とすることができる。
【0025】
別の態様では、吸収層は高分子材料を含む。本明細書中に記載される場合、「高分子材料」又は「高分子」という用語は、ホモポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム及び交互コポリマー等のコポリマー、ターポリマー等、並びにそれらの配合物及び変性物が含まれるが、これらに限定されない。さらに、特に限定されなければ、「高分子」という用語は、分子の可能な幾何学構造を全て含むことができる。これらの構造としては、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本発明において使用され得る一般的な熱可塑性高分子としては、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及びそれらのコポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂(例えばポリアクリレート、及びポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート)、ポリアミド(すなわちナイロン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、セルロース樹脂(すなわち硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、エチルセルロース等)、上記の材料のいずれかのコポリマー(例えばエチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー及びスチレン−ブタジエンブロックコポリマー)、Kratonブランド名のポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
さらに別の態様では、吸収層は、セルロース系材料及び高分子材料の両方を含んでいてもよい。好適であり得るこのような材料の例としては、コフォーム(coform)材料、フェルト、ニードルパンチ材料、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本発明の一態様によれば、吸収層は、コフォーム処理から形成されるコフォーム材料を含む。本明細書において用いられる場合の「コフォーム処理」という用語は、少なくとも1つのメルトブローンダイヘッドがシュート付近に配置され、このシュートを介して他の材料がメルトブローン繊維に付加され、ウェブを形成するようになっているプロセスを指す。次いで、ウェブはカレンダー加工され、接合され、且つ/又はロールになるように巻かれる。かかる他の材料は例えば、パルプ、セルロース、又は短繊維とすることができる。
【0029】
本明細書において用いる場合の「メルトブローン繊維」という用語は、メルトブロー法から形成された未配向ポリマーの微細繊維を指す。メルトブローン繊維は多くの場合、複数の微細な通常は円形のダイ口金から溶融糸又は溶融フィラメントとして溶融熱可塑性材料を高収束速度で通常は高温のガス(例えば空気)流に押し出すことによって形成され、このガス流は、溶融熱可塑性材料のフィラメントをその直径が縮小するように細くし、この直径はマイクロファイバ径にまでなることができる。その後、メルトブローン繊維を高速ガス流によって搬送し、捕集面上に堆積して、ランダムに分散したメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続であっても不連続であってもよく、概して平均直径が10マイクロメートル(ミクロン)よりも小さい。
【0030】
本明細書において用いる場合の「不織布」材料又は布又はウェブという用語は、間に介在するが編物中にあるため識別可能ではない様式の個々の繊維又は糸から成る構造を有するウェブを指す。不織布又は不織布ウェブは例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、及び結合したカードウェブ法等、多くの方法から形成されている。
【0031】
本明細書において用いる場合の「スパンボンド繊維」という用語は、スパンボンド法から形成された分子配向ポリマーの小径繊維を指す。スパンボンド繊維は、複数の微細の通常は円形の紡糸口金からフィラメントとして溶融熱可塑性材料を押し出すことによって形成され、押し出されたフィラメントの直径は急激に縮小する。
【0032】
「結合したカードウェブ」は、短繊維をほぐして機械方向に揃えることで概ね機械方向に配向された不織布繊維ウェブを形成するコーミング又はカードユニットを経て送られる短繊維から成るウェブを指す。かかる繊維は通常、梱で購入され、繊維を分離するピッカに入れられてからカードユニットに入れられる。ウェブは形成されるといくつかの既知の接着方法の1つ又は複数によって接着される。かかる接着方法は粉末接着であり、粉末状接着剤がウェブ中に分配され、粉末状接着剤は通常、ウェブ及び当該接着剤を高温空気により加熱することによって活性化する。別の適した接着方法はパターン接着であり、加熱されたカレンダロール又は超音波接着機を用いて、通常は局所接着パターンで繊維を合わせて接着するが、所望であればウェブをその表面全体にわたって接着することができる。別の適した既知の接着方法は、特に複合短繊維を用いる場合では、加熱空気による(through-air)接着である。
【0033】
一態様では、吸収層はフェルトを含む。本明細書において用いる場合の「フェルト」は、天然繊維及び/又は合成繊維から形成されると共に、機械的及び化学的作用、圧力、湿分、及び熱の組み合わせによって作製されるマット状不織布材料を指す。本明細書中に記載される繊維及びポリマーのいずれかを用いて、本発明に従ってフェルトを形成することができる。したがって、例えば、フェルトはポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンから形成されてもよい。本発明に従って用いられるフェルトは、一連(278.7平方メートル(3,000平方フィート))当たり約22.68kg(約50lbs/ream)〜45.36kg(100lbs/ream)、例えば34.02kg(75lbs/ream)の坪量を有し得る。一態様では、フェルトは1連当たり約22.68kg(約50lbs/ream)〜約27.22kg(約60lbs/ream)の坪量を有する。別の態様では、フェルトは1連当たり約27.22kg(約60lbs/ream)〜約31.75kg(約70lbs/ream)の坪量を有する。さらに別の態様では、フェルトは1連当たり約31.75kg(約70lbs/ream)〜約36.29kg(約80lbs/ream)の坪量を有する。さらに別の態様では、フェルトは1連当たり約36.29kg(約80lbs/ream)〜約40.82kg(約90lbs/ream)の坪量を有する。さらに他の態様では、フェルトは1連当たり約40.82kg(約90lbs/ream)〜約45.36kg(約100lbs/ream)の坪量を有する。本発明と共に使用するのに適し得るフェルト材料の例は、HDK Industries(サウスカロライナ州グリーンヴィル所在)、Hollingsworth & Vose Company(マサチューセッツ州イーストウォルポール所在)、及びBBA Fiberweb(ノースカロライナ州シャルロッテ所在)から市販されているフェルト材料である。
【0034】
別の態様では、吸収層はニードルパンチ処理から形成されるニードルパンチ材料を含む。本明細書において用いる場合の「ニードルパンチ」は、ばらばらの繊維のバットをまとまった不織布に転換する処理を指し、ここでは、バーブニードル(barbed needles)がバット中を穿孔することにより繊維を絡ませる。本明細書に記載される繊維及びポリマーのいずれかを用いて、本発明によるニードルパンチ材料を形成することができる。例えば、吸収層は綿繊維及び/又はパルプ繊維を有するニードルパンチスパンボンド材料を含み得る。
【0035】
さらに、図1を見ると、構造体10はまた食品から出る滲出物を含有するための液体不透過層18を備える。構造体10がパッケージを形成するのに使用される場合、液体不透過層18は、使用者がつかんだ際に乾燥感を維持する。また、液体不透過層18は、滲出物がパッケージから漏洩するのを防止する。任意の疎水性及び/又は親水性材料を使用して、液体不透過層18を形成してもよい。好適であり得る材料の例としては、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィン、並びにそれらのコポリマー、アクリルポリマー、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル酸コポリマー、部分的に中和された酸コポリマー、並びにパラフィンワックスが挙げられるが、これらに限定されない。これらの材料は、個々に、混合物として、又は共押出層において使用されてもよい。
【0036】
液体不透過層は、積層、押出し成形、及び溶液コーティングが挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野において既知の任意の適した方法、技法、又はプロセスを用いて形成され得る。したがって、液体不透過層は、構造体に積層されるフィルムとしてもよく、又は溶液、溶融ポリマー等として構造体に直接塗布されてもよい。
【0037】
複数の部分スリット、孔、エンボス、又は穿孔20(まとめて「穿孔」とする)を構造体10に設けて、食品接触面22から各種層を通っての吸収層16への通り道を画定することができる。図1に見られるように、穿孔20は各種層12及び14内を延びるが、吸収層16又は液体不透過層18内へは延びない。こうして、食品からの滲出物が穿孔を通って移動し、吸収層に吸収される。
【0038】
所望であれば、穿孔は構造体の厚さ全体中を延びてもよい。しかしながら、かかる構成では、滲出物は大部分が吸収層に吸収されるであろうが、一部の液体が電子レンジ用トレー上又はパッケージの外表面上に残る可能性がある。穿孔は、本明細書では特定の構成で示されているが、円形、楕円形、台形、又は必要若しくは所望とされる任意の他の形状等、任意の数の可能な形状を画定し得る。さらに、穿孔の数及び構成は、構造体内又は構造体上への配置を意図した食品の液体含有量、及び任意の数の他の要因に応じて様々とすることができる。
【0039】
図2中の別の例示的な構造体24で示すように、サセプターは、支持体26に積層されていてもよい。支持体は、紙、板紙、低収縮高分子、又は任意の他の好適な材料から形成され得る。したがって、例えば、金属で被覆された高分子フィルムは、紙、例えばクラフト紙、或いは、低収縮高分子フィルム、例えば注型ナイロン6又はナイロン6,6フィルム、又はこのような高分子を含有する共押出フィルムに積層され、一緒に開口されてもよい。本発明における使用に好適であり得る1つのこのような材料は、DuPont Canadaから市販されているDARTEKである。支持体が紙の場合、支持体は、1連当たり約6.8〜約13.6kg(約15〜約30lbs/ream)の坪量を有し得る。一態様では、紙支持体は、1連当たり約9.1〜約13.6kg(約20〜約30lbs/ream)の坪量を有する。別の態様では、紙支持体は、1連当たり約11.3kg(約25lbs/ream)の坪量を有する。支持体が板紙の場合、支持体は、約0.20mm〜約0.50mm(約8〜約20ミル)の厚みを有し得る。一態様では、板紙支持体が約0.25〜約0.45mm(約10〜約18ミル)の厚みを有する。別の態様では、板紙支持体が約0.33mm(約13ミル)の厚みを有する。
【0040】
図3A及び図3Bは、図2の吸収構造体24から形成される例示的な包装材料すなわちブランク28を示す。ブランク28は、折り線でつながっている複数のパネルを有する。底面30は、第1の側部パネル32及び第2の側部パネル34にそれぞれ折り線36及び38でつながっている。第1の側部パネル32は、第1の上部パネル部40aに折り線42でつながっている。第2の側部パネル34は、第2の上部パネル部40bに折り線44でつながっている。第1の側部パネル32及び第2の側部パネル34はそれぞれ、概ねパネルの中心線に沿った孔46及び48を有する。かかる孔は典型的に、ブランク28から形成されるパッケージ内に収容される食品の通気口用である。このような通気口は任意であり、多くの他の通気特徴部及び構成部が本明細書により意図されることが理解されるであろう。理論に縛られることは望まないが、かかる孔はまた、1990年8月14日に発行された「Apertured Microwave Reactive Package」と題する米国特許第4,948,932号(その全体が参照により本明細書の一部を構成する)に記載されているように、食品の中央を主に加熱するようにマイクロ波エネルギーの一部を食品に向けて当てることができると考えられる。また、第1の側部パネル32及び第2の側部パネル34は、ブランク28から形成されるパッケージ又はスリーブ内にガセット(gussets)を形成する各自の折り線50及び52を有する。
【0041】
図4は、スリーブ54になるように折り込まれた、図3Aのブランク28を示す。スリーブ56を形成するには、各種パネルを折り線36、38、42、44に沿って折る。第1の上部パネル部40a及び第2の上部パネル部40bは、互いに向かい合わせて重ねる結果、上部パネル(本明細書では「食品対面パネル」とも呼ぶ)40が底部パネル(本明細書では「食品支持パネル」とも呼ぶ)30とほぼ同じ寸法となる。しかしながら、他のパッケージの構成では、このような対称性は必要とされないか又は所望とされない場合もあることが理解されるであろう。多くのパッケージの形状及び構成が本明細書により意図される。第1の上部パネル部40a及び第2の上部パネル部40bは接着されるか又は他の方法で接合されて、食品(図示せず)及び孔端58及び60を受け入れるキャビティ56を有するスリーブ54を形成する。第1の側部パネル32及び第2の側部パネル34は、折り線50及び52に沿ってキャビティ56の側へ折り込まれる。
【0042】
食品が中で加熱されると、食品からのいかなる滲出物も穿孔20を通って各種層に流れ込み、吸収層16によって吸収され、液体不透過層18に取り込まれる(図3Bを参照のこと)。そのため、使用者が食品を電子レンジから取り出すとき、滲出物がスリーブ54から漏れることはほとんどないか又は全くない。
【0043】
図5A及び図5Bは、本発明の各種態様による別の例示的なブランク62を示す。この例では、吸収層16は、ブランク62の長さLの一部にのみ沿って設けられている。本例では、吸収材料16は、ブランク62から形成されるスリーブの底部パネル30にのみ沿って位置している。さらに、穿孔20が底部パネル30にのみ沿って設けられており、滲出物を吸収層16へ流すようになっている。吸収層16を部分的にしか有さないブランク62を形成することで、ブランク62は、(図3A及び図3Bに示すような)吸収層を完全に有するブランクに比して折り易く、より可撓性があり、コストがあまりかからず、また、食品を中に挿入し易い。
【0044】
いくつかの特定の構造体を本明細書において説明してきたが、多くの他の吸収構造体、材料、スリーブ、パッケージ、及び構造体も本明細書によって意図されることが理解されるであろう。さらに、多くの他の層は本発明に従って用いられ得ることが理解されるであろう。例えば、一態様では、構造体は「電子レンジ用断熱材料」を含み得る。本明細書中で用いられる場合の「電子レンジ用断熱材料」は、ポリエステル層、サセプター層、ポリマー層、紙層、連続接着剤層及び不連続接着剤層、並びに断熱効果を与えるパターン化した接着剤層等の層の任意の構成部を指す。パッケージは1つ又は複数のサセプター、1つ又は複数の膨張性断熱セル、又はサセプターと膨張性断熱セルとの組み合わせを有し得る。単独で又は組み合わせて適し得る材料の例としては、QwikWave(登録商標)Susceptorパッケージ材料、QwikWave(登録商標)Focus(登録商標)パッケージ材料、Micro−Rite(登録商標)パッケージ材料、MicroFlex(登録商標)Qパッケージ材料、及びQuiltWave(商標)Susceptorパッケージ材料(これらはそれぞれ、Graphic Packaging International,Incから市販されている)が挙げられるがこれらに限定されない。かかる材料の例は、国際出願番号PCT/US03/03779(その全体が参照により本明細書に援用される)に記載されている。
【0045】
本発明に従って用いられる電子レンジ用断熱材料は、少なくとも1つのサセプターを有し得る。サセプターと組み合わせて電子レンジ用断熱材料を用いることで、サセプターによって生成される潜熱のより多くが加熱環境へではなく食品の表面へ伝導されるため、食品の焦げ目付け及びかりかりの焼き上がりが高まる。これとは逆に、断熱材料がなければ、サセプターによって生成される熱の一部又は全てが、周囲空気への伝導、及び電子レンジの底部又はターンテーブル等の他の伝導媒体を介して失われるであろう。さらに、電子レンジ用断熱材料は電子レンジでの調理の際に食品中の水分を保持することができるため、食品の表面のきめ及び風味が高まる。さらに、かかるパッケージは多くの場合、触れても低温であるため、使用者がより快適に食品を把持することが可能となる。
【0046】
各種の例示的な断熱材料は図6〜図11に示す。本明細書に示す例のそれぞれでは、層幅は必ずしも遠近法では示されていないことを理解されたい。例によっては、例えば、接着剤層は他の層に対して非常に薄いものとすることができるが、層の構成をはっきり示すために幾分厚く示されている。
【0047】
図6を参照すると、材料64は複数の異なる層の組み合わせとすることができる。第1のプラスチックフィルム68にマイクロ波相互作用材料66を重ねた薄層から形成されたサセプターは、例えば接着剤70を用いて、寸法安定性の基体72(例えば紙)に接着される。基体72は、パターン化した接着剤76又は他の材料を用いて第2のプラスチックフィルム74に接着され、クローズドセル(closed cell:独立気泡)78が材料64中に形成されるようになっている。クローズドセル78は実質的に水蒸気移動に抗する。かかる材料を用いると共にスリット又は穿孔が形成される、本発明の本態様及び他の態様では、かかる穿孔はセル間に設けられ得る。
【0048】
任意に、図7に示すように、さらなる基体層80が接着剤82又は他の方法でマイクロ波相互作用材料66とは反対の側の第1のプラスチックフィルム68に接着されてもよい。さらなる基体層80は、紙又は任意の他の適した材料の層とすることができ、また、加熱中にひびが入って基体から剥がれ落ちる、サセプターフィルムのいかなる剥片からも、食品(図示せず)を保護するように設けることができる。断熱材料64は、図8に示すようにほぼ平坦な多層シート84をもたらす。
【0049】
図9は、電子レンジ(図示せず)によりマイクロ波エネルギーに晒された後の、図8の例示的な断熱材料84を示す。サセプターはマイクロ波エネルギーが当たると熱くなるため、水蒸気、及び基体72(例えば紙)中に通常保持される他のガス、並びに第2のプラスチックフィルム74と基体72との間のクローズドセル78内の薄いスペースに捕捉されるいかなる空気も膨張する。水蒸気、及びクローズドセル78内の空気の膨張は、サセプターフィルム68に圧力を加えると共に、クローズドセル78の一方の側の基体72及びクローズドセル78の他方の側の第2のプラスチックフィルム74に圧力を加える。クローズドセル78を形成する材料64の各側は、加熱及び水蒸気膨張に対して同時であるが固有に反応する。クローズドセル78は、膨張(expand or inflate)して、サセプターフィルム68と基体72との積層体の溝路(図示せず)によって分離される枕のキルト付き頂面86を形成し、この頂面86は、第2のプラスチックフィルム74で形成される底面88から上方に隆起している。この膨張は、起動した電子レンジ内で1〜15秒内で生じ、場合によっては、2〜10秒内で生じ得る。
【0050】
図10及び図11は、本発明の各種パッケージのいずれかと共に使用するのに適し得る代替の例示的な電子レンジ用断熱材料層構成を示す。先に図10を参照すると、電子レンジ用断熱材料90が、パターン化した接着剤層により合わせて接着された2つの対称層構成を有して示されている。図面の上部から始まる第1の対称層構成は、PETフィルム層92、金属層94、接着剤層96、及び紙層又は板紙層98から成る。金属層94は、PETフィルム層92の一部又は全てに沿って堆積される、アルミニウム等の金属を含み得る。PETフィルム92及び金属層94はともにサセプターを画定する。接着剤層96は、PETフィルム92及び金属層94を板紙層98に接着する。
【0051】
図面の底部から始まる第2の対称層構成もまた、PETフィルム層100、金属層102、接着剤層104、及び紙層又は板紙層106から成る。所望であれば、2つの対称構成は、一方の層構成を他方に折り重ねることによって形成されてもよい。第2の対称層構成の層は、第1の対称構成の層と同様にして一緒に接着される。パターン化した接着剤層108は、2つの紙層98及び106間に設けられ、マイクロ波エネルギーに晒されると膨張するように構成されるクローズドセル110のパターンを画定する。一態様では、本発明による2つの金属層94及び102を有する断熱材料90は、より多くの熱及びより大きなセルの塊を生成する。
【0052】
図11を参照すると、さらに別の電子レンジ用断熱材料90が示されている。材料90は、PETフィルム層92、金属層94、接着剤層96、及び紙層98を含み得る。さらに、材料90は、透明PETフィルム層100、接着剤104、及び紙層106を含み得る。これらの層は、複数の膨張性クローズドセル110を画定するパターン化した接着剤108により接着又は固着される。
【0053】
本発明の別の態様によれば、吸収構造体はサセプター材料を有さずに提供される。かかる構造体は、焦げ目付け及びかりかりの焼き上げを望まないか若しくは必要としない場合に、又は所望の焦げ目付け及びかりかりの焼き上げを達成するのにサセプターを必要としない場合に有用であろう。例えば、電子レンジでベーコンを調理する際、ベーコンはサセプターを用いずにかりかりに焼き上げることができる。
【0054】
図12及び図13は、サセプター材料を有さない電子レンジで食品を加熱するための例示的な構造体112を示す。この構造体は、複数の重ね合わされた層を含む。この例では、構造体112は非粘着面116を有する吸収層114を特徴とする。非粘着面116は、吸収層114(図12)を形成するように、固有の剥離特性を有する材料を用いることで形成されてもよく、例えば層が高分子材料(図示せず)から形成される場合に、吸収層に剥離添加剤を組み込まれて形成されてもよく、又は、例えばグラビア印刷、ロールコーティング、及びエアナイフ、ブラシ処理、吹き付け、浸漬、巻線ロッド、又はそれらの任意の組み合わせによって、吸収層114の少なくとも一部にわたって剥離コーティング又は層118(図13)を塗布することによって形成されてもよい。
【0055】
この態様及び他の態様では、剥離コーティング又は剥離材料は、食品と連続的又は断続的に密接していてもよい。任意の好適な剥離材料、例えばシリコーン系材料、Zaclon, Inc.(オハイオ州クリーブランド所在)から市販されているQUILON(登録商標)クロム錯体等のクロム又はクロム脂肪酸錯体、ワックス、又はそれらの任意の組み合わせを所望であれば使用し得る。
【0056】
図14を参照すると、構造体は、剥離材料又は剥離コーティング118のための支持体層すなわち担体120を備えていてもよい。支持体層120は、食品(図示せず)と吸収材料との間の障壁として作用し、それにより、緩んだ繊維、及び吸収構造体中に含まれる添加物から食品を遮断する。また、支持体層が見苦しい滲出物を吸収する際、吸収構造体の概観を改良し得る。
【0057】
支持体層は、任意の好適な硬質又は半硬質材料、例えばセルロース系材料、不織布材料、フィルム、紙又はそれらの任意の組み合わせから形成され得る。支持体層は、滲出物を容易に通過させる穿孔を備えていてもよい。開口又はスリットは、支持体層を通る所望の流れを実現するのに必要な、任意の好適なパターン又は配置で設けられ得る。
【0058】
一態様では、支持体層は、上記のような材料等の穿孔されたセルロース系材料から成っていてもよい。セルロース系支持体層は、1連当たり約4.5〜約13.6kg(約10〜約30lbs/ream)の総坪量を有する1つ又は複数の堆積物から成っていてもよい。一態様では、セルロース系支持体層は、1連当たり約6.8〜約11.3kg(約15〜約25lbs/ream)の坪量を有する。別の態様では、セルロース系支持体層は、1連当たり約9.1kg(約20lbs/ream)の坪量を有する。
【0059】
代替的に、支持体層は、上記の材料等の不織布材料から成っていてもよい。不織布支持体層は、1平方メートル当たり約6〜約70g(gsm)の総坪量を有する1つ又は複数の堆積物から成っていてもよい。一態様では、不織布支持体層は、約8〜約30gsmの坪量を有する。別の態様では、不織布支持体層は、約10gsmの坪量を有する。
【0060】
別の態様では、支持体層は、穿孔された紙、例えば穿孔されたクラフト紙から成っていてもよい。紙支持体層は、1連当たり約2.3〜約13.6kg(約5〜約30lbs/ream)の坪量を有していてもよい。一態様では、紙支持体層は、1連当たり約4.5〜約9.1kg(約10〜約20lbs/ream)の坪量を有する。別の態様では、紙支持体層は、1連当たり約6.8kg(約15lbs/ream)の坪量を有する。
【0061】
さらに代替的に、支持体層は、穿孔されたフィルムから成っていてもよい。フィルム支持体層は、約0.0005〜約0.025mm(約0.2〜約1ミル)の厚みを有していてもよい。一態様では、フィルム層は、約0.0075〜約0.02mm(約0.3〜約0.8ミル)の厚みを有する。別の態様では、フィルム層は、約0.01mm(約0.4ミル)の厚みを有する。本発明において使用されるフィルムを形成する上で用いるのに好適であり得る熱可塑性材料の例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、セロファン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクタム、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、又は、それらのいずれかの混合物、コポリマー若しくは共押出物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
前述したように、本明細書中に記載されるか、又は本明細書おいて意図される吸収構造体のいずれかが、層同士を連結させる1つ又は複数の結合層又は吸収層を備えていてもよい。例えば、図15に例示したように、結合層122を、支持体層120を吸収層114に連結させるのに使用し得る。結合層122は、高分子材料、接着剤、又は任意の他の好適な材料であってもよい。
【0063】
本明細書中に記載されるか、又は本明細書において意図される構造体のいずれかにおいて、超吸収材料を、構造体の吸収性を向上させるのに使用し得る。本明細書中で使用する場合、「超吸収」又は「超吸収材料」は、好適な条件下、0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する水溶液中で重量の少なくとも約20倍、より望ましくは重量の少なくとも約30倍吸収することができる水膨潤、水溶性有機材料又は水溶性無機材料を指す。本発明に関連して超吸収材料として使用されるのに好適な有機材料としては、グアーガム、アガー及びペクチン等の天然材料、並びに、合成ヒドロゲルポリマー等の合成材料が挙げられるが、これらに限定されない。このようなヒドロゲルポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン、マレイン酸無水物コポリマー、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルモルフォリノン、並びにビニルスルホン酸のポリマー及びコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、並びにポリビニルピリジン等が挙げられる。他の好適なポリマーとしては、加水分解アクリロニトリルグラフト化デンプン、アクリル酸グラフト化デンプン、及びイソブチレンマレイン酸無水物ポリマー及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ヒドロゲルポリマーを軽く架橋して、材料を実質的に水不溶性とする。架橋は、例えば、照射によって、又は共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合若しくは水素結合によって達成されてもよい。超吸収材料は、粒子、繊維、破片及び球等を含む吸収構造体に用いられるのに好適な任意の形態であり得る。通常、超吸収材料は、吸収構造体の総重量に基づき約5〜約95重量%の量で吸収構造体中に存在する。超吸収材は一般的に、約20〜約1,000μm(ミクロン)の範囲の粒径で利用可能である。
【0064】
本発明の吸収構造体は、各種の包装及び加熱用途のために多くの製品を形成するのに用いられ得る。
【0065】
本発明の一態様によれば、吸収構造体は使用者に様々な食品及び調理器具と共に提供される。吸収構造体は様々な形態で提供されることができ、使用者は必要に応じて使用するために吸収構造体を備えておける。
【0066】
例えば、吸収構造体を使用して、個人用途(家庭、仕事、旅行、キャンプ等)、商業用途(例えばレストラン、ケータリング、ベンディング等)、又は施設用途(例えば大学、病院等)に使用するためのプレカットされた使い捨て吸収シートを形成することもできる。シートは、例えば、正方形、矩形、円形、楕円形、多角形、星形、菱形、又は任意の他のパターンの、いずれもの形状で提供されことができる。シートは、使用目的が電子レンジ、従来のオーブン、オーブントースター、ホットプレート、浅い電気鍋(electrical skillet)、又はグリル鍋用であるかに応じて様々なサイズで提供されることができる。例えば、シートは標準プレートのサイズ、平鍋、又はベーキングシートに合うようにカットされることができる。シートは、トラベルユース用に個装されてもよく、又は複数のシートの包装スタックとして提供されてもよい。シートは箱又は小袋に入れられて提供されてもよい。シートは、ポップアップ又はプルダウン式のディスペンサで提供されてもよく、また、C折り又は三つ折り等、個々の折り畳み又は折り込みを含み得る。
【0067】
吸収シートを用いて電子レンジで食品を調理することができる。さらに詳細には、吸収シートを用いて電子レンジでベーコンを調理することができる。かかる例では、吸収シートはパッケージから引き出されて任意にプレート又はトレー上に載せられる。ベーコンは吸収構造体上に載せられる。ベーコンは電子レンジで調理される際、ベーコン片から脂分が抜けて、吸収構造体(ある場合)の各種層を通過して、吸収層に吸収される。結果として、調理されたベーコンは脂分が少なく、いっそうかりかりに焼き上がる。こうして、好都合なことに、吸収構造体は脂分を捨て去る。
【0068】
代替的に、吸収構造体は、吸収材料のロールとして使用者に提供され得る。一態様では、ロールは、縦寸法及び横寸法を有する連続シートから形成される。ロールは、任意にコア上に、長手方向に材料を巻くことによって形成される。ロールは、使用者がロールからシートを引きちぎることができるように縦寸法に沿って間隔位置に横ミシン目を有していてもよい。使用者は個別に1枚又は複数枚のシートを引きちぎることができるか、又は、電子レンジ、従来のオーブン、オーブントースター、浅い電気鍋、グリル鍋、又は他の調理器具での使用に必要である場合には2つ以上の接合したシートを引き出すようにロールをほどくことができる。別の態様では、ロールは複数の重ねシートから形成され、例えば、ロールの最外側のシートを引き出しやすくする孔のある蓋付きの、可撓性又は剛性の容器内に収容され得る。そのため、吸収シートは蓋の孔から引き出される。
【0069】
本発明の別の態様によれば、吸収構造体はトレー又は他の容器で使用する吸収シートとして提供されることができる。食品容器及び/又は包装自体の特定の形態は、例えば包装トレー、段ボール箱、プラスチック容器、密封可能な袋等、当業者に既知の多くの形態のうちの任意の1つを含み得る。一態様では、吸収シートは特定の食品に備えられるが、調理するまでパッケージ内の食品とは別にしておくことができる。別の態様では、食品はパッケージ内の食品と密接して配置される。この態様では、吸収シートは調理前並びに調理中及び/又は調理後に滲出物を吸収する。シートはトレー又は容器に取着されてもよく、又は上に支持されている食品によって所定位置に保持されてもよい。
【0070】
包装された獣肉及び家禽肉を用いる場合、吸収構造体は発泡トレー又はプラスチックトレーの中央部を覆うように配置することができる。矩形の構造が最も一般的であるが、トレーの実際の寸法は包装すべく意図された製品の性質及び量に応じて相当様々とすることができる。吸収構造体は単一の連続ユニットとしてトレーに合うサイズにされてもよく、又は分割的にトレーを覆うように構成されてもよい。さらに、吸収シートは、単に支持トレーを覆うように配置されてからその上に製品を載せることができるが、扱い時に同じ動作をしないようにトレーに本固定されてもよい。一例として、吸収シートをトレーに接着剤により取着してもよい。さらに、吸収シートはトレー自体の一体部を成していてもよい。
【0071】
別の例として、吸収シートは獣肉(例えばベーコン)のパッケージのトレーに備えられてもよい。吸収シートはベーコンとは別個のパッケージに収容されていてもよく、通常、食品用プラスチックで包まれている。使用者は吸収シートをトレー上に配置し、ベーコンの包装を外し、ベーコンを吸収シート上に載せる。吸収シート及びベーコンを載せたトレーを調理のために電子レンジに入れる。ベーコンを調理する際、脂分がベーコンから抜け、吸収層中に取り込まれる。
【0072】
代替的に、吸収シートは、ベーコンを載せた状態でトレー上に配置し、ベーコン及び吸収シートを有する完備したトレーを食品用プラスチックでラップしてもよい。この例では、使用者はトレーの包装を外し、ベーコン及び吸収シートを載せたトレーを調理のために電子レンジに入れる。代替的に、ベーコンを吸収シート上に載せたまま一緒に包装して、包装されたベーコン及び吸収シートをパッケージ内のトレーに載せてもよい。この例では、使用者はベーコン及び吸収シートの包装を外し、それらを調理のためにトレー上に載せる。調理後、ベーコンを取り出し、吸収シート及びトレーは捨てる。
【0073】
本発明の各種構造体は、複数の異なるプロセスに従って形成されることができる。かかるプロセスは当業者に既知であるため、本明細書では簡単にしか説明しない。
【0074】
吸収構造体の各層は材料の巻きロールとして製造及び供給され得る。次いで層をほどき、重ねて接着して吸収構造体を形成し得る。層は、上述のように、接着剤により接着するか、機械的に接着するか、熱的に接着するか、超音波接着するか、又はそれらの任意の組み合わせにより接着とすることができる。接着の程度及び形式は、吸収層へ滲出物が流れることを妨げることなく十分な構造一体性を与えるように選択される。
【0075】
熱接着プロセスの例としては、カレンダー加工、エアスルー接着(through-air bonding)、及び点接着が挙げられるが、これらに限定されない。点接着は、接着されるべき材料を、加熱したカレンダーロールとアンビルロールとの間に通過させることを伴う。必ずしもそうとは限らないが、カレンダーロールは通常、布地全体をその表面全体にわたって接着しないようにパターン化されており、アンビルロールは通常平坦である。結果として、カレンダーロールの様々なパターンは、機能的理由並びに美的理由により創られている。機械接着は、ステープル、ステッチ、グロメット、及び層同士を連結させるための他の留め具の使用を含む。接着技法は、例えば接着テープ、ホットメルト接着剤及び様々な硬化性接着剤を使用する。超音波接着は、接着すべき材料を音波ホーンとアンビルロールとの間に通過させて、機械エネルギーを熱に変換することを含む。一態様では、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はそれらの組み合わせ若しくはコポリマー等の高分子層を1つ又は複数の他の層同士の間に付与して、層同士を連結する。
【0076】
接合すべき層は、構造一体性、強度、及び透過性のバランスを達成するように選択的に接着される。一般に、接着により、強度及び構造一体性は高まるが透過性は下がる。一態様では、周縁は少なくとも一部が未接着であり、食品接触面から流れ出た滲出物が縁を通して吸収され得るようになっている。その場合、吸収構造体は、ロールになるように巻かれ、ダイカットされ、包装され得る。
【0077】
代替的に、吸収構造体の各種層の1つ又は複数は連続プロセスの一部として形成され得る。よって、例えば、剥離コーティングを基体(例えば紙又は不織布)に塗布して、ロールになるように巻くことができる。別途に、ベースシートを形成してもよく、その上に吸収層を形成して高分子バインダを用いてベースシートに接着してもよい。吸収構造体を組み立てるには、2つの複合材を向かい合わせて重ね、上述したように接着し、仕上げロール、シート、パッド、又は他の構造体にする。
【0078】
上述したように、穿孔は、特定の用途の必要又は所望に応じて構造体の1つ又は複数の層に設けられてもよい。一部の深さの切り込み(多くの場合「キスカット」と呼ばれる)を用いて、組み立てられた構造体の層全てよりも少なく穿孔することができる。また、穿孔は、「Container and Methods Associated Therewith」と題する国際出願番号PCT/US03/00573号(2002年1月18日に出願された「Container and Methods Associated Therewith」と題する関連の米国出願第10/053,732号の優先権を主張するものである)、及び2002年12月13日に出願された「Packages, Blanks for Making Packages, and Associated Methods and Apparatus」と題する米国特許出願第10/318,437号(これらの全ては参照により本明細書に援用される)に記載されているような、ロータリーダイカットスリットのデュアルカットウェブプロセスを用いて形成されてもよい。例えば、吸収層はサセプター整合されてもよく、また、サセプターに接着されてもよい。代替的に、かかる層にスリットを設けてから組み立てて吸収構造体にすることができる。
【0079】
一態様では、接着剤は穿孔ライン間に塗布されるため、滲出物が穿孔を通って流れることを妨げることはない。このようにして接着剤を塗布することで、各種層の1つ又は複数を穿孔してから構造体を組み立てることができる。別の態様では、構造体を組み立て、いなかる接着剤も乾燥させてから、各種層を穿孔することができる。
【0080】
本発明は、以下の実施例によってさらに示すが、これらの実施例は、本発明の範囲に限定を与えるものと決して解釈すべきではなない。それとは逆に、本発明の各種の他の態様、変更、及びその均等物に対する手段が、本明細書を読めば、本発明の精神又は添付の特許請求の範囲から逸脱せずに当業者に示唆されるであろうことが明確に理解されるであろう。
【実施例】
【0081】
各種の吸収構造体を、流体不透過層が電子レンジのターンテーブルへ滲出物が流れるのを妨げるかどうかを判定することで評価した。底面が15.24センチメートル(6インチ)×15.24センチメートル(6インチ)、深さが2.54センチメートル(1インチ)であるウェブコーナートレー(web cornered tray)を、Basic Adhesives(ニューヨーク州ブルックリン所在)から「3482」の商品名で市販されている約4.4gsmの接着剤を用いて、1連当たり約58.97kg(約130lbs/ream)の坪量を有する板紙支持体に金属化(アルミニウム)ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層することによって製造した。結果として得た構造体を、約123gsmの坪量を有する、Ahlstrom Corporation(ペンシルヴァニア州マウントホーリースプリングス所在)から入手した「1279」吸収フィルタ紙に積層した。次に、同じサンプルを、トレーを形成する前に流体不透過フィルムに積層した。全てのサンプルに、CAD/CAMサンプルプロッタテーブルを用いて、金属化フィルム及び板紙支持体内から吸収紙にかけて(吸収紙内は入らない)約198個の切り込みスコア又はスリットを設けた。これらのスリットは長さが約0.635センチメートル(約0.25インチ)、間隔が約0.9525センチメートル(約0.375インチ)であった。各サンプルトレーの吸収紙層は約2.5gの重量であった。
【0082】
各トレーを白い複写機用紙シートの上に置き、約5グラムのカノラオイルと共に1,100Wの電子レンジに入れた。カノラオイル及びトレーを約2分間加熱した。サンプルを電子レンジから取り出し、プリンタ用紙の汚れを監察した。その結果を表1に示す。各例では、加熱中、カノラオイルの大部分がスリットを通った。流体不透過フィルムを用いて評価したサンプルのそれぞれでは、5グラムのオイルのほぼ全てが2.5gの吸収層によって吸収された。
【0083】
【表1】

【0084】
本明細書に記載されると共に本明細書が意図する種々のブランク及びカートンのそれぞれでは、「折り線」はいずれもほぼ直線とすることができるが、必ずしも真っ直ぐである必要はなく、それに沿って折り易い弱化形態であり得ることが理解されるであろう。より詳細には、本発明の範囲を狭める意図はないが、折り線は、ブラントなスコアナイフ等を用いて形成される線のようなスコア線とすることができ、これは、所望の弱化線に沿った材料の破断部、所望の弱化線に沿って材料内に部分的に延びる切込み、及び/又は所望の弱化線に沿って材料内を部分的に及び/又は完全に延びる一連の切り込み、及びそれらの特徴部の様々な組み合わせを生じさせる。切り込みを用いて折り線を形成する場合、切り込みは通常、分別ある使用者に折り線を誤って引きちぎり線であると思わせる可能性があるほど過度には延びない。
【0085】
例えば、従来の引きちぎり線の一タイプは、材料内を完全に延びる一連の切り込み形態であり、隣接する切り込みは、通常は一時的に引きちぎり線にわたって材料をつなげておくように刻み目(nick)(例えば幾分ブリッジ状の小さな材料片)がそれらの隣接する切り込み間に画定されるように、わずかに間隔が空いている。刻み目は引きちぎり線に沿って引き裂く際に破断する。刻み目は通常、割合が比較的小さな露呈(subject:被破断)線であるため、刻み目を含むそのような引きちぎり線をカット線とも呼ぶことができ、或いは、刻み目をそのようなカット線から省くこともできる。上述したように、切り込みを用いて折り線を設ける場合、切り込みは通常、分別ある使用者に折り線を誤って引きちぎり線であると思わせる可能性があるほど過度には延びない。同様に、刻み目がカット線(例えば引きちぎり線)で呈示される場合、刻み目は通常、分別ある使用者に露呈線を誤って折り線であると思わせる可能性があるほど過度に大きくないか又は過度に多くない。
【0086】
「接着する」及び「接着される」という語は、接着剤、又は当業者に既知の材料を接着するいかなる方法又は技法も包含することを意図する。「接着する」「接着される」という用語を本明細書で用いているが、種々のフラップを固定する他の方法も本発明によって意図されることが理解されるであろう。
【0087】
したがって、本発明の上記の詳細な説明に鑑みて、本発明は広範の実用及び用途に用いることができることを当業者は容易に理解するであろう。本明細書中で説明したもの以外の本発明の多くの適合物、及び多くの変形物、変更物、並びに等価な構成物は、本発明の主旨又は範囲から逸脱することなく、本発明及びその上記の詳細な説明から明らかであるか、又は本発明及びその上記の詳細な説明によって適正に示唆されるであろう。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を或る程度特定的に上記で説明してきたが、当業者は、本発明の精神又は範囲から逸脱せずに開示の実施形態にいくつかの代替を行うことができる。方向についての全ての言及(例えば、上、下、上向き、下向き、左、右、左側、右側、頂部、底部、上方、下方、垂直、水平、時計回り、及び反時計回り)は、読み手による本発明の実施形態の理解に役立たせる明示目的のために用いているにすぎず、特許請求の範囲で特に記載していない限り、特に、本発明の位置、向き、又は使用に関して限定をもたらすものではない。結合(joinder)についての言及(例えば、取着された、結合された、つながれた等)は、広く解釈されるべきであり、要素どうしの接続と要素間の相対運動との間の中間部材を含み得る。したがって、かかる結合に対する言及は、2つの要素が直接つながって互いに固定関係になることを必ずしも示唆するものではない。
【0089】
各種実施形態を参照して説明される各種要素が、本発明の範囲内にある全く新たな実施形態をつくるように入れ替えられ得ることは、当業者によって理解されるであろう。上記説明に含まれているか又は添付の図面に図示されている主題は全て、例示にすぎず、限定されないことが意図される。詳細部又は構造体の変更は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神から逸脱せずに行われることができる。本明細書に記載の詳細な説明は、本発明を限定する、また、本発明のいずれものそのような他の実施形態、適合物、変形物、変更物、及び均等の構成物も排斥するものと意図も解釈もされない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンテレフタレートからなる液体吸収層と、
該液体吸収層と向かい合う関係で設けられた、食品接触面を少なくとも部分的に画定する剥離コーティングからなる剥離層と、
該剥離層と該液体吸収層との間に設けられた結合層とからなることを特徴とする吸収構造体。
【請求項2】
該剥離コーティングがシリコーン、クロム錯体、およびワックスの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収構造体。
【請求項3】
該剥離層が、さらに、該剥離コーティングを支持する担体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の吸収構造体。
【請求項4】
該担体がセルロース系材料からなることを特徴とする請求項3に記載の吸収構造体。
【請求項5】
該担体が高分子フィルムからなることを特徴とする請求項3に記載の吸収構造体。
【請求項6】
該担体が複数の穿孔を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の吸収構造体。
【請求項7】
該穿孔が剥離コーティングと液体吸収層との間に通り道を画定することを特徴とする請求項6に記載の吸収構造体。
【請求項8】
該穿孔がスリットであることを特徴とする請求項6または7に記載の吸収構造体。
【請求項9】
該結合層が接着剤からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収構造体。
【請求項10】
該結合層がポリオレフィンからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収構造体。
【請求項11】
該結合層がポリプロピレンからなることを特徴とする請求項10に記載の吸収構造体。
【請求項12】
該液体吸収層が繊維材料からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の吸収構造体。
【請求項13】
該繊維材料が1連当たり約22.68〜約45.36kg(約50〜約100lbs/ream)の坪量を有するフェルトからなることを特徴とする請求項12に記載の吸収構造体。
【請求項14】
該液体吸収層が、その1g当たり約0.5g〜約2.5gの液体を吸収することができるものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の吸収構造体。
【請求項15】
さらに、液体吸収層の、結合層とは反対側で、液体吸収層に接合された液体不透過層からなることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の吸収構造体。
【請求項16】
該液体不透過層が高分子フィルムからなることを特徴とする請求項15に記載の吸収構造体。
【請求項17】
複数のシートからなるロール状に形成されたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の吸収構造体。
【請求項18】
該シートがミシン目の線に沿って接合されていることを特徴とする請求項17に記載の吸収構造体。
【請求項19】
該シートがロール内で重ね合わせの関係で相互に分離していることを特徴とする請求項17に記載の吸収構造体。
【請求項20】
食品を載せるためのトレーとの組み合わせからなることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の吸収構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−274770(P2009−274770A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193050(P2009−193050)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【分割の表示】特願2007−530119(P2007−530119)の分割
【原出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(504075588)グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド (137)
【Fターム(参考)】