説明

吸収性の減圧マニホルドおよびシステム

減圧治療システムは、減圧治療のために、組織部位を周囲の組織から隔離するための隔離デバイスを含み、このデバイスが、第1生物学的吸収期間を有する第1の材料と、第2の異なる生物学的吸収期間を有する少なくとも第2の材料とから形成される。異なる材料は、隔離デバイスが当初は減圧治療に適切に機能するとともに、その後に速い速度で分解することを可能にして、治療を促進する。また、組織部位を治療するための減圧マニホルドが示されており、このマニホルドは、第1生物学的吸収期間を有する第1の材料から形成されるとともに、第1の複数の開口部が設けられたフレキシブルなバリア部材と、第2生物学的吸収期間を有し、複数の開口部内に配置される第2の材料とを備え、第1生物学的吸収期間が、第2生物学的吸収期間よりも長く、このマニホルドがさらに、治療中にバリア部材の第2の表面に減圧を送達するためにバリア部材に連結された減圧供給部材を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に治療システムに関し、より詳細には、吸収性の減圧マニホルドおよびシステムに関するものである。
【0002】
[関連出願]
本出願は、35U.S.C.§119(e)に基づき、2008年6月25日に出願された発明の名称を“Absorbable,Reduced−Pressure Manifold and System”とする米国仮特許出願第61/075,699号の出願の利益を主張するものであり、この出願は事実上、引用により本明細書に援用されるものである。
【背景技術】
【0003】
臨床研究および実践は、組織部位の近傍に減圧を付与することが組織部位における新たな組織の成長を拡大または促進することを示している。この現象の応用は多数あるが、減圧の利用は、創傷の治療において特に成果を上げている。この治療(医学界では、しばしば“負圧創傷療法”、“減圧療法”あるいは“吸引療法”と呼ばれる。)は、多くの恩恵を与え、その中には、より速い治癒および肉芽組織形成の増加が含まれる。一般的には、多孔質パッドまたはその他のマニホルドデバイスを介して組織に減圧が与えられる。多孔質パッドは、減圧を組織に分配するとともに、組織から引き出した流体を導くことができる気泡または気孔を含んでいる。多孔質パッドは、治療を促進するその他の要素を有するドレッシング内に組み込むことができる。減圧治療は、皮下創傷を治療したり、骨再生を促進したりするためにも、利用されている。
【発明の概要】
【0004】
減圧治療システムのある側面に関する欠点は、本明細書中の様々な例示的な実施形態に開示され記載されるように、本発明によって解消される。例示的な実施形態によれば、組織部位を治療するめの減圧マニホルドが、バリア部材(barrier member)を含み、このバリア部材が、第1の生体吸収性材料から形成されるとともに、第1の表面および第2の組織向きの表面を有する。バリア部材には、第1の複数の開口部が形成されている。第1の材料は、第1生物学的吸収期間(BA)を有する。第2の生体吸収性材料は、複数の開口部内に配置され、一時的なシール(仮シール)を形成するように機能する。第2の材料は、第2生物学的吸収期間(BA)を有する。第1生物学的吸収期間は、第2生物学的吸収期間とは異なる(BA≠BA)。また、減圧マニホルドは、治療中にバリア部材の第2の表面に減圧を送達するためにバリア部材に連結された減圧供給部材も含むことができる。
【0005】
別の例示的な実施形態によれば、組織部位に減圧を経皮送達するための減圧供給システムが、減圧マニホルドを含み、この減圧マニホルドが、第1生物学的吸収期間を有する第1の材料と、第2生物学的吸収期間を有する第2の材料とから形成されている。減圧マニホルドは、挿入位置(挿入状態:insertion position)および活性化位置(有効状態:activation position)を有する。このシステムはさらに、組織部位に減圧を送達するための少なくとも1の供給開口部が設けられた遠位端を有する減圧供給部材と、減圧マニホルドおよび減圧供給管の遠位端を組織部位に経皮供給して、減圧マニホルドを挿入位置から活性化位置に移行させるための挿入デバイス(insertion device)とを備える。第1生物学的吸収期間は、第2生物学的吸収期間よりも長くてもよい。
【0006】
別の例示的な実施形態によれば、減圧治療システムが、減圧治療のために、組織部位を周囲の組織から隔離するための隔離デバイス(isolation device)を含む。隔離デバイスは、第1生物学的吸収期間(BA)を有する第1の材料と、第2の異なる生物学的吸収期間(BA)を有する第2の材料とを含む。このシステムはさらに、減圧を提供する減圧源と、隔離デバイスと減圧源を流体流通可能に連結する減圧供給導管とを含む。
【0007】
別の例示的な実施形態によれば、減圧マニホルドを製造する方法が、第1生物学的吸収期間(BA)を持つ第1の材料からフレキシブルなバリア部材を形成するステップを含む。フレキシブルなバリア部材は、第1の表面と、第2の組織向きの表面とを有する。この方法はさらに、バリア部材に第1の複数の開口部を形成して第2の材料を第1の複数の開口部内に配置するステップを含む。第2の材料は、第2生物学的吸収期間(BA)を有する。第1生物学的吸収期間は、第2生物学的吸収期間とは異なる(BA≠BA)。
【0008】
別の例示的な実施形態によれば、減圧で組織部位を治療する方法が、減圧供給部材を使用して組織部位の近傍に減圧マニホルドを配置するステップを含む。減圧マニホルドは、バリア部材を含み、このバリア部材は、第1生物学的吸収期間(BA)を持つ第1の材料から形成されるとともに、第1の表面と、第2の組織向きの表面とを有する。バリア部材には、第1の複数の開口部が形成されている。開口部は、それら第1の複数の開口部内に第2の材料を配置させるものとなっており、それにより一時的なシールが形成される。第2の材料は、第2生物学的吸収期間(BA)を有する。第1生物学的吸収期間は、第2生物学的吸収期間とは異なる(BA≠BA)。この方法はさらに、治療中にバリア部材の第2の表面に減圧を供給するするために、バリア部材に減圧供給部材を連結するステップを含む。この方法はさらに、減圧マニホルドに減圧を与えるステップと、減圧供給部材を取り除くステップと、減圧マニホルドが吸収することを許容するステップとを含む。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、組織部位を治療するための減圧マニホルドがバリア部材を含み、このバリア部材が、ある材料から形成されて、第1の表面と、第2の組織向きの表面とを有し、このバリア部材には、第1の厚さ(t)を有する第1の複数の材料部分と、第2の厚さ(t)を有する第2の複数の材料部分とが設けられている。第1の厚さ(t)は、第2の厚さ(t)よりも大きい。第1の複数の材料部分の実効生物学的吸収期間は、第2の複数の材料部分の実効生物学的吸収期間よりも大きい。マニホルドはさらに、治療中にバリア部材の第2の表面に減圧を供給するためにバリア部材に連結された減圧供給部材を含むことができる。
【0010】
例示的な実施形態のその他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、減圧を組織部位に送達するためのシステムの例示的な実施形態の概略的な斜視図である。
【図2】図2は、減圧マニホルドの例示的な実施形態の概略的な斜視図である。
【図3】図3は、図2の減圧マニホルドの概略的な断面図である。
【図4】図4は、別の例示的な減圧マニホルドの概略的な断面図である。
【図5】図5は、別の例示的な減圧マニホルドの概略的な断面図である。
【図6】図6は、別の例示的な減圧マニホルドの概略的な断面図である。
【図7】図7は、別の例示的な減圧マニホルドの概略的な断面図である。
【図8】図8は、減圧マニホルドの別の例示的な実施形態の概略的な斜視図である。
【図9】図9は、減圧マニホルドの別の例示的な実施形態の概略的な斜視図である。
【図10】図10は、減圧マニホルドおよび挿入デバイスの例示的な実施形態の概略的な底面図(組織側の図)である。
【図11A】図11Aは、経皮挿入のための減圧マニホルドの例示的な実施形態の概略的な底面図(組織側の図)である。
【図11B】図11Bは、図11Aの減圧マニホルドの例示的な実施形態の概略的な底面図(組織側の図)であり、活性化を示している。
【図11C】図11Cは、図11Aの減圧マニホルドの例示的な実施形態の概略的な底面図(組織側の図)であり、活性化位置にあるマニホルドを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明においては、その一部を構成する添付図面を参照する。それらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、また、その他の実施形態が利用可能であるとともに、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。本明細書に記載の実施形態を当業者が実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるために、当業者に既知の一部の情報を説明から省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味で捉えるべきではなく、例示的な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0013】
図1を参照すると、組織部位102を治療する例示的な減圧供給システム100が示されており、この例では、組織部位が骨104とされている。骨組織成長を促進するために使用されるときは、減圧組織治療は、骨折、癒着不能、ボイドまたはその他の骨欠損に関連する治癒の速度を増加させ、骨髄炎からの回復を助け、骨粗しょう症に苦しむ患者の局部的な骨密度を増加させ、あるいは、臀部インプラント、膝インプラントおよび固定デバイスのような整形外科用インプラントの骨結合を加速させて改善することができる。本明細書に使用されるように、“or(または)”は相互排他性を必要とするものではない。減圧供給システム100は、それら組織の種類および部位と同様に、その他の種類および部位で使用することもできる。この例示的な実施形態では、骨折106を治療する減圧供給システム100が示されている。
【0014】
減圧供給システム100は、数多くの様々な実施形態を取り得る減圧源160を含む。減圧源160は、減圧供給システム100の一部として減圧を提供する。用語“reduced pressure(減圧)”は、本明細書で使用されているように、一般に、治療を受ける組織部位の周囲圧力未満の圧力のことをいう。多くの場合、この減圧は、患者がいる位置の大気圧未満となるであろう。若しくは、減圧は、組織部位における組織の静水圧未満であってもよい。“真空”および“負圧”といった用語が組織に加えられる圧力を説明するのに使用されるかもしれないが、組織部位に加えられる実際の圧力は、完全真空に通常付随する圧力よりも非常に大きくなることがある。特に記載がなければ、本明細書で述べる圧力の値は、ゲージ圧である。
【0015】
減圧源160により供給される減圧は、一定であっても、あるいは(パターン化されたまたはランダムな)変化を生じるものであってもよく、また、連続的または間欠的に供給されるものであってもよい。患者の動き易さおよび気楽さを最大化するために、減圧源160は、電池式の使い捨ての減圧発生器であってもよい。これは、手術室における利用を促進し、リハビリテーションの段階で患者に動き易さと利便性を提供する。テキサス州サンアントニオ所在のKCIから入手可能なV.A.C.(登録商標)治療ユニット、壁面吸い込みまたは機械的ユニットのようなその他の減圧源も利用することができる。
【0016】
減圧源160によって生成された減圧は、減圧供給導管170、または医療導管またはチューブを介して減圧マニホルド110に送達される。減圧導管170と減圧源160との間に、疎水性の介装薄膜フィルタを組み入れることができる。減圧マニホルド110は、外科的または経皮的に患者に挿入して骨折106の近傍に配置させることができる。経皮的に挿入するときは、患者の表皮を貫通する消毒された挿入シースを介して、減圧供給導管170を挿入することができる。減圧マニホルド110は、異なる吸収期間を持つ少なくとも2の材料を含む。
【0017】
ここで図2および図3を主に参照すると、減圧マニホルド210の例示的な実施形態が示されている。減圧マニホルド210は、バリア本体214として第1の材料216から形成されたバリア部材212を含む。第1の材料は、硬質な材料であっても、フレキシブルな材料であってもよい。減圧マニホルド部材210は、組織部位の近傍に減圧を維持するためのフレキシブルなバリア部材を含む隔離デバイスとして機能することができる。
【0018】
バリア部材212のバリア本体214は、第1の表面218と、第2の治療方向を向く(または組織向きの)表面220とを備える。バリア本体214には、第1の複数の開口部222が形成されている。開口部222には、第2の材料224を充填することができる。開口部222は、図2に示すように、バリア本体214全体に広がるものであっても、あるいはバリア本体214の一部に広がるものであってもよい。開口部222は、ランダムに設けられるものであっても、図2に示す均等パターンのような様々なパターンで設けられるものであってもよい。バリア本体214は、平面的な材料として示されているが、異なる組織部位に利用するために、様々な形状および輪郭に形成することもできる。
【0019】
治療中、バリア本体214は、組織部位に減圧を加えるのを助けるとともに、治療フェーズ中に潜在的に邪魔となる組織の浸入を防ぐのを助ける。治療が終わったときには、治療された組織が、バリア本体214に予め曝されたその他の組織との間で化学コミュニケーション(chemical communication)を行うのが望ましい場合もある。減圧マニホルド210に比較的速く吸収する追加材料を含むことは、このコミュニケーションを促進するのを助ける。材料の相対的な吸収速度およびその他の設計的特微は、様々な結果を達成するように制御することができる。
【0020】
第1の材料216および第2の材料224を選択する際には、多くの設計パラメータを考慮することができる。第1の材料216は、減圧マニホルド210を使用する減圧治療に必要な構造を提供するために、強度のような機械的性質を提供するように選択することができる。同時に、治療が完了したら、減圧マニホルド210が吸収されて、なるべく速く、あるいは減圧マニホルド210のバリア部材212に予め曝されたその他の周囲の組織と治療組織が化学コミュニケーションを少なくとも開始するまでに、分解するのが望ましい場合がある。後者のこの検討は、第2の材料224の吸収速度または吸収期間、開口部222の直径、バリア本体214の厚さ等のような数多くの設計パラメータによって制御することができる。例えば、厚い本体214の小さな直径の開口部は、薄い本体214のより大きい直径の孔よりも、機械的衝撃が少なくなるとともに、分解が遅くなるであろう。その他の状況では、持続的な機械的強度が望まれる場合もあり、また、組織安定要素としてのマニホルド210の部分、例えば、材料216からなる部分の維持が、開口部222を介して成長する組織によって達成される場合もある。この場合、第1の吸収速度BA1(以下を参照)が臨床的に関連する持続時間に選択されるとともに、BAが、開口部を通過する組織の成長を可能にするためにより速く吸収するように選択されるものであってもよい。
【0021】
第1の材料216は、第1生物学的吸収期間(BA)をもたらす所与の吸収速度を有し、第2の材料224は、第2生物学的吸収期間(BA)をもたらす所与の吸収速度を有する。材料216および224には数多くの材料を使用することができる。例えば、第1の材料216は、数ヶ月の吸収時間または期間(BA)を持つポリグリコール酸材料とすることができ、第2の材料224は、ほんの数日またはそれ未満の吸収時間または期間(BA)を持つ乾燥させたゼラチン状の材料とすることができる。その他の適当な生物学的吸収材料には、それに限定される訳ではないが、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)のポリマーブレンドが含まれる。また、ポリマーブレンドには、それらに限定される訳ではないが、ポリカーボネート、ポリフマレートおよびカプララクトンが含まれる。第1の材料216と第2の材料224は、その一方または両方が、流体の流れを可能にする連続気泡を有する多孔質材料であっても、あるいは両材料が流体を通さないものであってもよい。
【0022】
材料の吸収期間は、様々な目的のために様々な組み合わせの中から選ぶことができる。第1の材料がポリグリコール酸材料で、第2の材料が乾燥させたゼラチン状の材料である場合には、第1生物学的吸収期間(BA)が第2生物学的吸収期間(BA)よりも長く、すなわちBA>BAとなる。その他の実施形態では、その他の方法で、すなわちBA>BAとなるように材料が選択されることもある。また、第1の材料216および第2の材料224は、別の制御機構として、第2の材料224の分解速度を低下させる第3の材料によって覆われるものであってもよい。
【0023】
一方の材料、例えば、第2の材料224の吸収は、所望の目的を達成するのに適切な孔径、すなわち開口部222を広げる場合もある。例えば、例示的な一実施形態では、孔径が、化学的シグナル伝達を許容するのに十分な大きさであるが、細胞移動を制限するには十分に小さいものであってもよい。より具体的な実施例において、ある組織に関しては、約50ミクロンの孔径が、含まれる組織について細胞移動を阻止するが、化学的シグナル伝達を許容することとなる。望まれる実際の孔径は、含まれる組織に依存して幾分変わることとなるであろう。あるいは、孔径は、一方の材料が吸収された後に、細胞の移動または開口部を横切る成長を許容するように、意図的にサイズ設定することもできる。第3の材料は、薬またはその他の物質の供給を可能にするために加えることができ、また、その他の2材料の一方が吸収された後またはそれらのある部分が吸収された後にのみ、利用可能となるように設計することもできる。
【0024】
様々な状況に適合させるために、数多くの組合せが可能である。幾つかの例を以下に示す。第1の例示的な実施例では、配置した減圧マニホルド210の典型的な条件下で、第1生物学的吸収期間(BA)が少なくとも1ヶ月であり、第2生物学的吸収期間(BA)が1週間未満である。別の例示的な実施例では、第1生物学的吸収期間(BA)が少なくとも1週間で、第2生物学的吸収期間(BA)が3日未満である。第3の例示的な実施例では、第1生物学的吸収期間(BA)が少なくとも2日間で、第2生物学的吸収期間(BA)が1日未満である。さらに別の例示的な実施例では、第1生物学的吸収期間(BA)が約90日程度で、第2生物学的吸収期間(BA)が約10−14日程度である。さらに別の例示的な実施例では、第1生物学的吸収期間(BA)が90日よりも長く、第2生物学的吸収期間(BA)が10日よりも短い。ある場合には、第1生物学的吸収期間(BA)が数年どころか数十年であることもある。また、数多くの可能性が存在し、さらにまた、第3の材料が含まれるものであってもよく、厚さのようなその他のパラメータも同様に変化するものであってもよい。第3の材料が加えられる場合、第3の材料は、当該第3の材料が吸収または開口部(図4を参照)内に配置された際に第1の材料216をより多孔質なものとするために、第1の材料216内で形成される、当該第3の材料の沈殿の形態、例えば、第3の材料のボールであってもよい。
【0025】
第1の材料216の厚さと開口部222の直径または幅との比は、マニホルド210の生物学的吸収特性を制御または調節するために選択することができる。例えば、相対的に厚いシートに小さい径を有する開口部は、より薄いシートにおける大きな直径の開口部よりも、機械的衝撃が小さく、吸収速度が遅い。第1の材料216および第2の材料224は、任意には、第1の材料216、第2の材料224またはその両方の吸収を遅らせるその他の材料で覆うことができる。
【0026】
別の例示的な実施形態では、BAがBAよりも大きくなるように(すなわち、BA>BA)、材料を選択するようにしてもよい。この場合、第1の材料が吸収された後に残る分散された第2の材料は、一般的には、組織の動きに抵抗することも、その領域に機械的機能性を提供することもないであろう。上述した材料とパラメータに関して、その他の多くの組み合わせが可能である。
【0027】
マニホルド本体214は、平面状の薄い部材として、図2の例示的な実施形態に概略的に示されているが、より厚い部材がある臨床的状況で有利となる場合もあるため、非平面部材、例えば、より厚い部材または様々な形状の部材を使用することもできる。また、上述したように、異なる吸収特性を有する減圧マニホルド210またはバリアを構成するために、開口部および材料(例えば、図3,4,5,6および7を参照)の変化を利用することもできる。より具体的な例示的な実施例では、フェルト状のマットに形成されたポリグリコール酸(PGA)の第1の材料(BAを有する)と、乾燥させたゼラチン材料(BA)の第2の材料から減圧マニホルド210を形成することができる。そのようなフェルト状のマットは、ロードアイランド州ウォーウィック所在のBiomedical Structures,LLCより入手することができる。この例では、BA>BAである。ゼラチンは、液体状態にあるときは、フェルト上またはフェルト内に加えた後に、そのまま乾燥させることができる。この場合、第2の材料の生物学的吸収は、組織がフェルト内の空き領域へと成長することを可能にするであろう。その後、フェルト状のPGAは、機械的支持構造体として、一定期間、そのまま留まることとなる。さらに別の例示的な実施形態では、前の実施例で述べられたフェルトの代わりに、連続気泡PGA発泡体を使用することができる。繰り返しになるが、その他の多くの置き換えが可能である。
【0028】
そのまま図2を参照すると、減圧供給部材268または減圧供給導管が減圧マニホルド210に使用されている。減圧供給部材268は、マニホルド210近傍の組織部位に減圧を送達するもので、よって、バリア部材212と治療される組織との間で減圧が生じるようにするために、減圧マニホルド210の第2の組織向きの表面220上に示されている。減圧供給部材268は、一部に供給開口部(図示せず)が形成されるものであっても、あるいは、減圧の供給を容易にするために成形された遠位端を有するものであってもよい。減圧供給部材268は複数のルーメンを含むようにしてもよく、例えば、減圧供給部材268が2つのルーメン部材であって、一方のルーメンが流体のような物質を組織部位に供給し、他方のルーメンが減圧を送達して流体を除去するものとすることができる。治療が完了したら、減圧供給部材268は、患者の体から取り除くようにしてもよいが、減圧マニホルド210は、後の吸収のために留置するようにしてもよい。
【0029】
ここで図4を主に参照すると、減圧マニホルド210の代替的な実施形態が示されている。バリア部材212は、第1の材料216から形成されるものであるが、第2の材料224で満たされた複数の開口部222を有している。さらに、第2の材料224は、開口部222およびバリア本体214の第1の表面218を覆うことにより、オーバレイ223も形成する。第2の材料224は、第1の表面218を覆って開口部222を満たすことにより、与えられるものであってもよい。
【0030】
ここで図5を主に参照すると、減圧マニホルド210の別の代替的な実施形態が示されている。バリア部材212は、第1の材料216から形成されるものであるが、複数の開口部222を有している。しかしながら、この例示的な実施形態では、開口部222は充填されておらず、第2の材料224が、開口部222およびバリア本体214の第1の表面218を覆う(しかし、開口部を充填しない)ことにより、オーバレイ223を形成する。第2の材料224は、第1の表面218を積層することにより、付与されるものであってもよい。さらに別の代替的な実施形態(図示省略)では、開口部222が第2の材料224で充填されて、第3の材料がオーバレイ223を形成するために使用されるものであってもよい。
【0031】
ここで図6を参照すると、減圧マニホルド310の別の例示的な実施形態が示されている。減圧マニホルド310は、図3の減圧マニホルド210と多くの面で類似しているが、第2の材料が第2の表面320を越えて延出して複数の突出部336を形成する程度まで、第2の材料324が複数の開口部322内に配置されている。減圧マニホルド310は、第1の材料316から形成されたバリア本体314を有するバリア部材312を備える。バリア本体314には複数の開口部322が形成されている。
【0032】
開口部322から延出する突出部336は、当該突出部336間に流路338を形成する。第1の材料316および第2の材料324が流体を通さない場合には、流路338は特に好都合である。突出部336の寸法、形状および間隔の変化は、流路338の寸法および流動特性を変えるために使用することができる。バリア本体314には、当該バリア本体314を貫通する第2の複数の開口部326を形成して、それら開口部326内に第3の材料328が配置されるようにしてもよい。第3の材料は、生物学的吸収期間(BA)を有するが、この期間は、減圧マニホルド310の分解または吸収、分布の更なる実行および制御のために変わるものであってもよい。
【0033】
この実施形態では、複数の開口部(例えば、図6の322および326)が、バリア本体の表面全体に亘って設けられるものであっても、あるいはバリア本体の一部だけに設けられるものであってもよい。一部の突出部(例えば、図6の336)は、第2の材料から形成されるものではなく、治療プロセス中にその領域に薬またはその他の物質を供給するための別の材料から形成されるものであってもよい。また、材料の単一の基質層が示されているが、多くのバリエーションが可能である。例えば、フレキシブルな支持層または裏当層を加えることも可能である(例えば、図9の下方の層642を参照)。さらに、材料は、バリア部材内に織られた、または不織の第1の糸状材料および第2の糸状材料であってもよい。
【0034】
代替的な実施形態では、バリア本体314が単一の材料で形成されて、その材料の厚さが変化するものであってもよい。このように、例えば、バリア本体314の一部の厚さを増加させることにより、突出部336を形成するようにしてもよい。この実施形態では、材料の材料吸収率は一定であるが、バリア本体314の様々な部分の実効吸収期間が厚さの関数として変化することとなる。厚い部分は薄い部分よりも吸収に長い時間がかかることとなる。したがって、バリア部材は、1つの材料から形成されて、第1の厚さ(t)を有する第1の複数の材料部分と、第2の厚さ(t)を有する第2の複数の材料部分とを備えるものであってもよい。第1の厚さ(t)は、第2の厚さ(t)よりも大きい。この配置では、バリア部材は、第1の複数の材料部分についての実効生物学的吸収期間を有し、この期間は、第2の複数の材料部分についての実効生物学的吸収期間よりも大きい。
【0035】
ここで図7を参照すると、図6の減圧マニホルド310と多くの面で類似している例示的な減圧マニホルド410が示されている。減圧マニホルド410は、バリア本体414を有するバリア部材412を備える。バリア本体414は、第1の材料416から形成され、複数の開口部422を有する。第2の材料424は開口部422内に配置されている。また、減圧マニホルド410には、複数の突出部436が設けられるとともに、それら突出部436間に、それに付随する流路438が形成されている。突出部436は、バリア本体414の第2の(組織向きの)表面420上に、突出部436を押出、固着もしくは形成することにより、作られる。突出部436は、例えば、円筒状、矩形状(断面で)、台形(断面で)、円錐状、球状、半球状、立方体形状など、様々な形状をとることができ、第1の材料416、第2の材料424または別の材料から形成することができる。
【0036】
ここで図8を参照すると、別の例示的な減圧マニホルド510が示されている。減圧マニホルド510は、2つの材料:第1の材料ユニット516および第2の材料ユニット524で形成されている。第1の材料ユニット516および第2の材料ユニット524は、同一のまたは異なる吸収率または期間を有するようにしてもよい。この実施形態では、材料ユニット516および524は当接して、一体のバリア本体514として形成されている。一実施形態では、供給装置568を介して減圧が供給される治療フェーズで、結合された材料516および524が十分な強度と機械的特性を与える。2つの材料の一方は、より速く吸収する材料で、他方よりも速く吸収することとなり、それにより、治療される組織がその他の組織と化学コミュニケーションすることが可能になる。化学コミュニケーションは、連続的または迅速な治癒を促進することができる。
【0037】
なお、2つの材料が示されているが、当然のことながら、減圧マニホルド510の吸収の分布および性質を制御するために、数多くの可能性のあるバリエーションの中から、異なる吸収期間(BA)を有する複数の材料を使用することができる。また、この実施形態およびその他の実施形態では、材料の一貫したパターンが示されているが、それらはその他の制御因子に従って変化するものであってもよいことに留意されたい。
【0038】
図8の例示的な実施形態では、最短の吸収期間を持つ材料が吸収されるときに、残りの材料が強固に結合されることがなくなる。そのため、連続的な機械的作用が殆どないか、あるいは完全になくなる。また、その他の材料が吸収されるときに、薬送達材料が曝されて組織部位への薬の送達を開始するように配置された薬送達材料を有することも可能である。
【0039】
図9を参照すると、図1の減圧供給システム100のような減圧供給システムに適した減圧マニホルド610またはマニホルドユニットの別の例示的な実施形態が示されている。減圧マニホルド610は、フレキシブルなバリア612を含み、それは、背部630と、第1の翼部632および第2の翼部634とを有する。第1の翼部632および第2の翼部634は、背部630の両側に沿って配置されている。背部630は、アーチ形の流路640を形成するが、それは、減圧マニホルド610の全長に亘って延びるものでも、一部に亘って延びるものでもよい。第1の翼部632および第2の翼部634の幅が同じとなるように減圧マニホルド610の中心に背部630を位置させることもできるが、図9に示すように、背部630をオフセットさせることもできる。減圧マニホルド610が骨再生または治療に関連して使用され、より広い減圧マニホルド610が、骨に取り付けられる固定ハードウェアの周りに巻き付けられる場合には、第2の翼部634の余分な幅が特に有効であることがある。減圧マニホルド610の厚さは、翼部632,634におけるよりも、アーチ形の流路640における方が小さいものとすることができる。
【0040】
減圧マニホルド610は、新しい細胞増殖用の足場材として機能する材料をさらに含むことができ、あるいは細胞増殖を促進するために、減圧マニホルド610とともに足場材を使用することもできる。適当な足場材には、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、珊瑚のヒドロキシアパタイト、炭酸塩または処理済みの同種移植材料が含まれるが、それらに限定されるものではない。好ましくは、足場材は、高い空隙率(すなわち、高容量の空気)を有するものとなる。そのような足場材は、相対的に速いか、あるいは極めて遅い速度の生物学的吸収を有するものであってもよい。例えば、コラーゲンから形成される足場材は、吸収率が相対的に速くなる一方、リン酸カルシウムから形成される足場材は、生物学的吸収速度が遅くなるであろう。
【0041】
フレキシブルなバリア612に付加的な強度と耐久性を与えるために、フレキシブルな裏当て642をフレキシブルなバリア612に貼り付けるか、あるいは付着させるようにしてもよい。フレキシブルなバリア612およびフレキシブルな裏当て642の厚さは、翼部632,634におけるよりも、アーチ形の流路640において小さいものとすることができる。減圧マニホルド610は、減圧マニホルド610の第2の組織向きの表面620上に、第1の翼部632および第2の翼部634から延びる第1の複数の突出部636を含むことができる。突出部636は、各突出部636の少なくともある部分が、突出部636が付着される減圧マニホルド610の面に関連する平面と異なる平面内にある限りは、円筒状、球状、半球状、立方体形状またはその他の形状であってもよい。これに関して、特定の突出部636は、その他の突出部636と同じ形状または寸法を有することが必要とされることもない。突出部636は、異なる形状と寸法のランダムな混合を含むものであってもよい。したがって、各突出部636がマニホルドユニット610から延びる距離は、変わるかもしれないが、複数の突出部636間で均一であってもよい。
【0042】
マニホルドユニット610上の突出部636の配置によって、それら突出部間に流路638を形成することができる。突出部638が同一の形状および寸法で、減圧マニホルド610上に均等に間隔を置いて配置されるときは、突出部636間に形成される流路638は同様に同一である。突出部636の寸法、形状および間隔の変化は、流路638の寸法および流動特性を変更するのに使用することができる。
【0043】
フレキシブルなバリア612は、裏当て642を含むようにしてもよいが、上述したように、生物学的吸収材料により構成することができる。突出部636は、図6の突出部336のようなフレキシブルなバリア612またはバリア本体614の開口部を満たす第2の材料の突出部として形成することができ、第2の材料は、フレキシブルなバリア本体614の期間(BA)とは異なる生物学的吸収期間(BA)を有するものであってもよい。ここでは、説明の目的のために、第2の材料が、フレキシブルなバリア614の材料より大きい生物学的吸収速度、すなわち短い吸収期間を有するものと仮定している。
【0044】
減圧供給部材668は、アーチ形の流路640内に配置されて、減圧マニホルド610に取り付けられている。減圧供給導管668は、フレキシブルなバリア本体614またはフレキシブルな裏当て642の一方に取り付けるものであっても、あるいはフレキシブルなバリア本体614とフレキシブルな裏当て642の両方に取り付けられるものであってもよい。減圧供給導管668は、当該導管668の遠位端で遠位のオリフィス669を含む。減圧供給導管668は、遠位のオリフィス669がアーチ形の流路640に沿った任意の地点に配置されるように、位置させることができるが、減圧供給導管668は、遠位のオリフィス669がアーチ形の流路640の長手方向の長さに沿うほぼ中程に配置されるような位置に、示されている。遠位のオリフィス669は、減圧供給導管668の長手軸に対して90度未満の角度を向く平面に沿って導管668を切断することによって、楕円形または長円形の形状とすることができる。オリフィス669は円形であってもよいが、楕円形のオリフィス669は、突出部636間に形成される流路638との間の流体流通を増加させる。
【0045】
例示的な一実施形態では、減圧供給導管668は、当該減圧供給導管668と流路638との間の流体流通をさらに増加させるために、遠位のオリフィス669の代わりとして、あるいは遠位のオリフィス669に加えて、減圧供給導管668に沿って配置された通気開口または通気オリフィス650を含むようにしてもよい。減圧供給導管668は、図9に示すように、アーチ形の流路640の長手方向の長さの一部のみに沿って配置されるようにしても、あるいは代替的には、アーチ形の流路640の長手方向の長さ全体に沿って配置されるようにしてもよい。減圧供給導管668がアーチ形の流路640の全長を占めるように配置される場合には、導管668と流路636との間のすべての流体流通が通気オリフィス650を通って生じるように遠位のオリフィス669が閉塞されるようにしてもよい。
【0046】
減圧供給導管668は、当該導管668の近位端に近位のオリフィス652をさらに含む。近位のオリフィス652は、図1の減圧導管170のような減圧供給導管と結合して、最終的に、図1の減圧源160のような減圧源に流体流通可能に結合されるように構成されている。減圧供給導管668は、単一のルーメン644のみを含むようにしてもよいが、減圧供給導管668のその他の実施形態では、二重ルーメンのような複数のルーメンを含むようにしてもよい。二重ルーメンの導管は、減圧供給導管668の近位端と流路636の間の流体流通の別個の経路を与えるために使用することができる。第2のルーメンは流路636に流体を導入するのに使用することができる。流体は、ろ過された空気またはその他の気体、抗菌物質、抗ウィルス物質、細胞増殖促進剤、洗浄流体、化学的活性流体またはその他の任意の流体であってもよい。別個の流体流通経路を介して流路636に複数の流体を導入することが望ましい場合には、減圧供給導管に2以上のルーメンを設けることができる。幾つかの臨床的状況において、フレキシブルなバリアの分解可能な成分または材料の1またはそれ以上の分解(または吸収)を加速または遅延させることができる流体を導入することが望ましい場合もある。
【0047】
マニホルド610を有するシステムの操作においては、減圧が、減圧マニホルド610を介して組織部位に送達されるとともに、フレキシブルなバリア612の翼部632,634を組織部位に隣接して配置することにより達成され、それは、この具体的な実施例では、骨組織部位におけるボイド欠陥、例えば、図1の骨折106の周りを、翼部632,634で包むことを伴う。そのような構成では、減圧マニホルド610は、骨組織部位を周囲の軟組織から隔離する。一旦治療が終われば、減圧供給導管668は取り除くことができ、減圧マニホルド610は留置して吸収することができる。一実施形態においては、突出部636がフレキシブルなバリア本体614より速く吸収され、それにより、そうでない場合よりも遙かに早く、骨組織部位と周囲の軟組織との間の接触および化学コミュニケーションを可能にする。
【0048】
ここで図10を参照すると、患者の治療部位に減圧を提供するためのシステムに使用する減圧マニホルド710およびマニホルド挿入デバイス780が示されている。組織部位は、患者の骨折部に隣接する骨組織を含む場合もある。マニホルド挿入デバイス780は、患者の皮膚、および骨等の組織部位を取り囲む任意の軟組織を通して挿入される供給部材782を含むことができる。上述したように、組織部位には、その他のタイプの組織も含まれ、それには、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、維管束組織、結合組織、軟骨、腱または靱帯が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0049】
供給部材782は、患者の皮膚および軟組織を介した挿入を容易にする先細の遠位端784を含むようにしてもよい。先細の遠位端784は、当該遠位端784の内径がチューブ782のその他の部分の内径と実質的に同じかそれよりも大きくなるように、開放位置に向けて外側に半径方向に屈曲するように構成されるものであってもよい。遠位端784の開放位置は、図10に破線785によって概略的に示されている。
【0050】
マニホルド供給部材782はさらに、フレキシブルなバリア712または減圧バリアが挿入状態にある通路787を含む。フレキシブルなバリア712は、通路787内のフレキシブルなバリア712の断面積を減少させるために、好ましくは減圧供給部材768の周囲で巻かれるか、折り畳まれるか、あるいは圧縮される。供給部材768は、カテーテルまたはカニューレであってもよく、また、マニホルド供給管721を組織部位713に案内することを可能にする操縦ユニットおよびガイドワイヤ765のような機構を含むようにしてもよい。
【0051】
フレキシブルなバリア712は、通路787内に配置され、組織部位にマニホルド供給部材782の遠位端784を配置した後に組織部位に導かれる。若しくは、マニホルド供給部材782を患者に挿入する前に、フレキシブルなバリア712を通路787内に予め配置するようにしてもよい。減圧供給部材768が通路787を通って押圧される場合には、減圧供給部材768とマニホルド供給部材782との間の摩擦を低減するために、生体適合性潤滑剤を使用することができる。
【0052】
遠位端784が組織部位に配置されて減圧供給部材768が遠位端784に供給されると、フレキシブルなバリア712および減圧供給部材768が遠位端784の方にさらに押圧され、その結果、遠位端784が開放位置内へと外側に半径方向に拡大する。フレキシブルなバリア712は、マニホルド供給部材782から、好ましくは組織部位に隣接する空隙または空間へと押し出される。空隙または空間は、典型的には、経皮デバイスにより実現することができる軟組織の解離によって形成される。ある場合には、組織部位が創傷部位に位置して、空隙が創傷の構造(anatomy)により自然に現れることもある。他の例では、バルーン切開、鋭的切開、鈍的切開、水力切開、空気切開、超音波切開、電気焼灼切開、レーザ切開またはその他の適当な切開術により空隙が形成されることもある。
【0053】
フレキシブルなバリア712が組織部位に隣接する空隙に入ると、フレキシブルなバリア712が、初期の挿入から図10に示すような活性化位置に、広げられ、展開され、若しくは圧縮が解除される。必要ではないが、フレキシブルなバリア712が、当該フレキシブルなバリア712を圧縮するために減圧供給管768を介して供給された減圧に曝されるようにしてもよい。フレキシブルなバリア712の展開は、減圧供給管768を介して供給された減圧を緩めることにより、またはフレキシブルなバリア712が活性化位置となるように展開プロセスを補助するために減圧供給管768を介して正圧を供給することにより、実現することができる。フレキシブルなバリア712の最終配置および操作は、内視鏡検査、超音波、透視法、聴診、触診またはその他の適当な局在診断法の使用により実現することができる。フレキシブルなバリア712および減圧供給部材768の配置に続いて、マニホルド供給管782を患者から取り除くことが好ましいが、フレキシブルなバリア712に付随する減圧供給管768は、組織部位への減圧の経皮的な付与を可能にするために、そのまま残される。フレキシブルなバリア712は、異なる生物学的吸収期間を有する少なくとも2の異なる材料で作るようにしてもよい。
【0054】
フレキシブルなバリア712には、第1生物学的吸収期間(BA)を有する第1の材料のバリア本体714と、複数の開口部722とを設けることができる。開口部722は、第2生物学的吸収期間(BA)を有する第2の材料724、あるいは付加的な材料で充填するようにしてもよい。第1生物学的吸収期間は、第2生物学的吸収期間より長くてもよい。マニホルド710の配置を確認するのを補助するために、放射線不透過性の部材748を含むようにしてもよい。
【0055】
減圧治療が終わったら、減圧供給部材768は取り除くことができ、マニホルド710は吸収されるべく残される。第1の材料の生物学的吸収期間よりも短い第2生物学的吸収期間が選択される場合には、バリア本体714は、その後、複数の開口部722を有することとなり、それにより治療される組織部位とその他の組織との間の化学コミュニケーションが可能になる。
【0056】
ここで図11A乃至図11Cを参照すると、別の減圧マニホルド810が示されている。図11Aでは、経皮挿入(挿入位置)のために構成された減圧マニホルド810が示されている。図11Bは、挿入位置から活性化位置に移行する過程にある減圧マニホルド810を示している。最後に、挿入デバイス、例えば、シースがちょうど取り除かれた活性化位置にある減圧マニホルド810が図11Cに示されている。
【0057】
ここで主に図11Aを参照すると、例えば、拡張器と、その後にシース(図示省略)を使用して、減圧供給部材868が患者に挿入されて、治療される組織、例えば図1の骨欠損106の近傍の位置に導かれる。供給部材868で保持されるあらゆる減圧が放出されるか、あるいは供給部材868に正圧が供給されて、それにより、フレキシブルなバリア部材812が少なくとも部分的に展開されて、挿入位置から活性化位置への遷移が開始される。供給部材868は、第1側部878に形成されたスリットまたは小さい縦の開口部876を有することができる。スリット876は、後述するように正圧下に置かれたときに、供給部材868が開くことを可能にする。フレキシブルなバリア812は、少なくとも2つの材料で形成するようにしてもよい。バリア本体814は、第1の材料から形成されて、第2の材料で満たされた開口部822が設けられている。マニホルド810の配置を確認および制御することを可能にするために、放射線不透過性の部材848を既知の位置(例えば、隅部)に加えることができる。
【0058】
遠位端892を有する正圧部材またはチューブ890が、減圧供給部材868に入る状態で図11Aに示されている。正圧部材890は、遠位端892に結合されるバルーンのようなフレキシブルな不透過性膜894を有する。フレキシブルな不透過性膜は、遠位端869の近くにまで、供給部材868を通って押し込まれるものであってもよい。遠位端869に近付くと、正圧供給部材868を通じて正圧が供給されて不透過性膜894が膨らみ、それにより、スリット876を有する供給部材868の一部が外側に押圧される。供給部材868の一部および側面スリット877から遠位端869の部分は、図11Bに示すように挿入位置から活性化位置に変化する。活性化位置は、図11Cに示されるような治療に使用される当該活性化位置へフレキシブルなバリア部材812を促す。その後、膜894は収縮して、図11Cに示すように、正圧部材890が取り除かれる。
【0059】
フレキシブルなバリア812が定位置にあって、正圧部材890が取り除かれた後には、組織部位に減圧治療を提供するために、供給部材868を介して減圧を供給することができる。治療が終了したら、治療された組織がその他の組織との間で再び化学コミュニケーションを行うことが望ましい。開口部822内の第2の材料は、バリア本体814の前に吸収することができ、それにより、そのような化学コミュニケーションを可能にする開口部が形成される。
【0060】
特定の例示的で非限定的な実施形態のコンテキストにおいて本発明とその利点を開示してきたが、添付の請求項によって定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、代替、置換および修正をなし得ることに留意されたい。当然のことながら、何れかの実施形態との関係で示した任意の特徴は、任意のその他の実施形態にも適用可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位を治療するための減圧マニホルドにおいて、
第1の材料から形成されるとともに、第1の表面および第2の組織向きの表面を有するバリア部材であって、第1の複数の開口部が設けられ、前記第1の材料が第1生物学的吸収期間(BA)を有するバリア部材と、
前記複数の開口部内に配置されるとともに、一時的なシールを形成するように機能し得る第2の材料であって、第2生物学的吸収期間(BA)を有する第2の材料とを備え、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間とは異なり(BA≠BA)、
前記減圧マニホルドがさらに、治療中に前記バリア部材の前記第2の表面に減圧を送達するために前記バリア部材に連結された減圧供給部材を備えることを特徴とする減圧マニホルド。
【請求項2】
請求項1に記載のマニホルドにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長い(BA>BA)ことを特徴とするマニホルド。
【請求項3】
請求項1に記載のマニホルドにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長く(BA>BA)、
当該マニホルドがさらに、第3生物学的吸収期間(BA)を有する第3の材料を備え、
前記バリア部材に第2の複数の開口部が設けられ、
前記第3の材料が前記第2の複数の開口部内に配置され、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第3生物学的吸収期間よりも長い(BA>BA)ことを特徴とするマニホルド。
【請求項4】
請求項1に記載のマニホルドにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長く(BA>BA)、前記第1の材料がポリマー材料を含み、前記第2の材料がゼラチンを含むことを特徴とするマニホルド。
【請求項5】
請求項1に記載のマニホルドにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長く(BA>BA)、前記第1の材料がポリグリコール酸ポリマー材料を含み、前記第2の材料がゼラチンを含むことを特徴とするマニホルド。
【請求項6】
請求項1に記載のマニホルドにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長く(BA>BA)、前記第1生物学的吸収期間(BA)が少なくとも1ヶ月、前記第2生物学的吸収期間(BA)が1週間未満であることを特徴とするマニホルド。
【請求項7】
請求項1に記載のマニホルドにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長く(BA>BA)、前記第1生物学的吸収期間(BA)が少なくとも1週間、前記第2生物学的吸収期間(BA)が3日間未満であることを特徴とするマニホルド。
【請求項8】
請求項1に記載のマニホルドにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長く(BA>BA)、前記第1生物学的吸収期間(BA)が少なくとも2日間、前記第2生物学的吸収期間(BA)が1日未満であることを特徴とするマニホルド。
【請求項9】
組織部位に減圧を経皮的に供給する減圧供給システムにおいて、
第1生物学的吸収期間を有する第1の材料と第2生物学的吸収期間を有する第2の材料とにより形成される減圧マニホルドであって、挿入位置と活性化位置とを有する減圧マニホルドと、
前記組織部位に減圧を供給するための少なくとも1の供給開口部が設けられた遠位端を有する減圧供給部材と、
前記減圧マニホルドおよび前記減圧供給管の遠位端を前記組織部位に経皮的に供給して、前記挿入位置から前記活性化位置に前記減圧マニホルドを遷移させるための挿入デバイスとを備え、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長いことを特徴とする減圧供給システム。
【請求項10】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記挿入デバイスが、
遠位端および近位端を備えるとともに挿入位置および活性化位置を有するマニホルド供給部材であって、前記減圧供給管および前記減圧マニホルドを供給するように機能するマニホルド供給部材を備え、
前記減圧供給部材が、第1側部に縦スリットを備えるとともに、開放位置および閉鎖位置を有し、
前記挿入デバイスがさらに、
遠位端および近位端を有する正圧管と、
前記正圧管の遠位端に結合されるとともに、挿入位置および活性化位置を有するフレキシブルな不透過性部材とを備え、
前記フレキシブルな不透過性部材が前記活性化位置にあるときに、前記フレキシブルな不透過性部材が前記減圧管を開放位置に移動させるように機能し、その際に、前記減圧マニホルドが活性化位置に移動されることを特徴とする減圧供給システム。
【請求項11】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記挿入デバイスが、遠位端を有する供給部材を有し、前記減圧マニホルドが前記減圧供給管と関連し、前記遠位端を介して前記供給部材内で前記減圧マニホルドおよび前記減圧供給管が移動するのを可能にするように前記供給部材がサイズ設定されていることを特徴とする減圧供給システム。
【請求項12】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記減圧マニホルドが、背部、第1翼部および第2翼部を備え、前記第1翼部が前記背部に沿って前記第2翼部の反対側に配置されていることを特徴とする減圧供給システム。
【請求項13】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記減圧マニホルド部材が、前記第1の材料から形成されるバリア本体であって、第1の複数の開口部が設けられたバリア本体を有し、前記第1の材料が第1生物学的吸収期間(BA)を有し、前記第2の材料が、前記複数の開口部内に配置されて一時的なシールを形成するように機能し、前記第2の材料が、第2生物学的吸収期間(BA)を有し、前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも期間に関して長い(BA>BA)ことを特徴とする減圧供給システム。
【請求項14】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記減圧マニホルド部材が、前記第1の材料から形成されるバリア本体であって、第1の複数の開口部が設けられたバリア本体を有し、前記第1の材料が第1生物学的吸収期間(BA)を有し、
前記第2の材料が、前記複数の開口部内に配置されて一時的なシールを形成するように機能し、前記第2の材料が、第2生物学的吸収期間(BA)を有し、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも期間に関して長く(BA>BA)、
前記減圧供給システムがさらに、第3生物学的吸収期間(BA)を有する第3の材料を備え、
前記減圧マニホルド部材に第2の複数の開口部が設けられ、
前記第3の材料が前記第2の複数の開口部内に配置され、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第3生物学的吸収期間よりも長い(BA>BA)ことを特徴とする減圧供給システム。
【請求項15】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記活性化位置で前記減圧マニホルドの配置を確認するように機能する放射線不透過性マーカをさらに備えることを特徴とする減圧供給システム。
【請求項16】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記減圧マニホルドが、バリア本体を備え、このバリア本体が、前記第1の材料から形成される第1の複数のバリアユニットと、前記第2の材料から形成される第2の複数のバリアユニットとを備えることを特徴とする減圧供給システム。
【請求項17】
請求項9に記載の減圧供給システムにおいて、
前記減圧マニホルドが、バリア本体を備え、このバリア本体が、前記第1の材料から形成される第1の複数のバリアユニットと、前記第2の材料から形成される第2の複数のバリアユニットとを備え、前記第1の複数のバリアユニットおよび前記第2の複数のバリアユニットが水平方向に互いに当接していることを特徴とする減圧供給システム。
【請求項18】
減圧治療システムにおいて、
減圧治療のために、組織部位を周囲の組織から隔離するための隔離デバイスであって、第1生物学的吸収期間(BA)を有する第1の材料と、第2の異なる生物学的吸収期間(BA)を有する第2の材料とを備える隔離デバイスと、
減圧を提供する減圧源と、
前記隔離デバイスと前記減圧源を流体流通可能に結合させる減圧供給導管とを備えることを特徴とする減圧治療システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記隔離デバイスが、フレキシブルなバリア部材を有し、このフレキシブルなバリア部材が、前記第1の材料から形成されるバリア本体であって、第1の表面および第2の組織向きの表面を有するバリア本体を備え、前記フレキシブルなバリア部材には第1の複数の開口部が設けられ、前記第2の材料が、前記複数の開口部内に配置されて、一時的なシールを形成するように機能することを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記隔離デバイスが、フレキシブルなバリア部材を有し、このフレキシブルなバリア部材が、前記第1の材料から形成されるバリア本体であって、第1の表面および第2の組織向きの表面を有するバリア本体を備え、複数の突出部が、前記第2の組織向きの表面から延び、前記複数の突出部が前記第2の材料から形成されることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、
前記フレキシブルなバリア部材に第1の複数の開口部が設けられ、前記第2の材料が、前記複数の開口部内に配置されて、一時的なシールを形成するように機能することを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長い(BA>BA)ことを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記隔離デバイスが、フレキシブルなバリア部材を有し、このフレキシブルなバリア部材が、前記第1の材料から形成されるバリア本体であって、第1の表面および第2の組織向きの表面を有するバリア本体を備え、前記フレキシブルなバリア部材には第1の複数の開口部が設けられ、
前記第2の材料が、前記複数の開口部内に配置されて、一時的なシールを形成するように機能し、
前記フレキシブルなバリア部材がさらに、第3生物学的吸収期間(BA)を有する第3の材料を備え、
前記フレキシブルなバリア部材には第2の複数の開口部が設けられ、
前記第3の材料が前記第2の複数の開口部内に配置され、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第3生物学的吸収期間よりも長い(BA>BA)ことを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記隔離デバイスが、前記第1の材料から形成される第1糸状材料および前記第2の材料から形成される第2糸状材料を有する織物を含み、前記第1の材料が第1生物学的吸収期間を有し、前記第2の材料が第2生物学的吸収期間を有することを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記隔離デバイスが、バリア本体を有し、このバリア本体が、前記第1の材料から形成される複数の第1の材料ユニットと、前記第2の材料から形成される複数の第2の材料ユニットとを備え、前記複数の第1の材料ユニットおよび前記複数の第2の材料ユニットが水平方向に互いに当接していることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記隔離デバイスが、
第1の表面および第2の組織向きの表面を有するバリア本体であって、第1の材料から形成されるとともに、複数の開口部が設けられたバリア本体と、
前記バリア本体の第1の表面上に配置されるとともに前記複数の開口部内に配置される前記第2の材料の被覆層とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記隔離デバイスが、フレキシブルなバリア部材を有し、このフレキシブルなバリア部材が、前記第1の材料から形成されるとともに、第1の表面および第2の組織向きの表面を有し、前記バリア部材には第1の複数の開口部が設けられ、
前記第2の材料が、前記第1の複数の開口部内に配置されて一時的なシールを形成するように機能し、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長いことを特徴とするシステム。
【請求項28】
減圧マニホルドを製造する方法において、
第1生物学的吸収期間(BA)を有する第1の材料からフレキシブルなバリア部材を形成するステップであって、前記フレキシブルなバリア部材が第1の表面および第2の組織向きの表面を有するものとするステップと、
前記バリア部材に第1の複数の開口部を形成するステップと、
前記第1の複数の開口部内に第2の材料を配置するステップとを備え、
前記第2の材料が第2生物学的吸収期間(BA)を有し、前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間とは異なる(BA≠BA)ことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、
前記第1生物学的吸収期間が、前記第2生物学的吸収期間よりも長い(BA>BA)ことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法において、
前記フレキシブルなバリア部材に減圧供給部材を結合させるステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項31】
減圧で組織部位を治療する方法であって、
前記組織部位の近傍に、第1の材料および第2の材料から形成される減圧マニホルドを配置するステップと、
前記減圧マニホルドに減圧を提供するステップと、
前記減圧供給部材を取り除くステップと、
第1生物学的吸収期間(BA)内で前記第1の材料を吸収することを許容するステップと、
前記第1生物学的吸収期間とは異なる第2生物学的吸収期間(BA)内で前記第2の材料を吸収することを許容するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、
前記減圧マニホルドに減圧供給部材を流体流通可能に結合させるステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、
減圧の供給後であって、前記第1および第2の材料の吸収を許容する前に、前記減圧供給部材を取り除くステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項31に記載の方法において、
減圧マニホルドを配置するステップがさらに、減圧供給部材を使用して前記組織部位の近傍に前記減圧マニホルドを配置するステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項31に記載の方法において、
前記減圧マニホルドが、バリア部材を有し、このバリア部材が、前記第1の材料から形成されるとともに、第1の表面および第2の組織向きの表面を有し、前記バリア部材には第1の複数の開口部が設けられ、前記第2の材料が前記第1の複数の開口部内に配置されて一時的なシールを形成するように機能することを特徴とする方法。
【請求項36】
組織部位を治療するための減圧マニホルドにおいて、
ある材料から形成されるとともに、第1の表面および第2の組織向きの表面を有するバリア部材であって、第1の厚さ(t)を有する第1の複数の材料部分と、第2の厚さ(t)を有する第2の複数の材料部分とを有するバリア部材を備え、
前記第1の厚さ(t)が前記第2の厚さ(t)よりも大きく、
前記第1の複数の材料部分の実効生物学的吸収期間が、前記第2の複数の材料部分の実効生物学的吸収期間よりも長く、
前記減圧マニホルドがさらに、治療中に前記バリア部材の前記第2の表面に減圧を送達するために前記バリア部材に連結された減圧供給部材を備えることを特徴とする減圧マニホルド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公表番号】特表2011−526187(P2011−526187A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516661(P2011−516661)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048663
【国際公開番号】WO2009/158500
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】