説明

吸収性ポリマー材料

熱可塑性材料と吸着剤との組合わせからなる吸湿ポリマー材料が開示される。熱可塑性材料は、吸着剤が溶融状態で熱可塑性材料に添加された後に生成物として成形される際に、吸着剤が吸湿ポリマー材料の表面に向かって移動し移動領域を形成するよう選択され、吸着剤はポリマー材料の内部に対してよりもその表面に対してより高濃度に存在することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本発明は、2003年11月24日付出願番号PCT/FR03/03465号に関連し優先権主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は内部に混入させた吸着剤を有する熱可塑性生成物に関する。より好適には、本発明は熱可塑性材料から形成された製品に関し、この可塑性材料は生成物の表面方向に対して濃縮された吸着剤を有し、ここで好適には吸着剤の濃度勾配が存在する。本発明は更に、熱可塑性材料を吸着剤と混合し、主に生成物の表面に対して濃縮され、ここで好適には水分を吸収する吸着剤の濃度勾配が存在するよう吸湿ポリマー生成物を形成する工程からなる、製品として形成された、吸着性ポリマー材料の製造方法に関する。
【0003】
多くの感湿製品はできるだけ水分のない条件下で輸送され更に保存される必要がある。例えば、薬剤及び診断テスト片は度々湿気に長期間さらされた後その有効性をいくらか喪失するが、好適には水分の全くない環境で積載され更に保存される。このような製品を保持する容器は、例えば外部の湿気が侵入するのを防ぐ公知の熱可塑性プラスチックなどの水分不浸透性材料から形成される。しかしながら、このような容器への湿気の侵入は拡散あるいは容器の開閉を通して避けられないため、製品が湿気にさらされることになる。医薬品の場合には、末端利用者がただの1服を使用するために繰り返しプラスチック容器を開けることがよくあり、残存する用量物は好ましくない水分を含む空気にさらされることになる。従って、このような容器は好適には水分を吸収する手段を備え、容器内部にそれを投入した後に感湿性製品を内部に入れる。
【0004】
食品あるいは別の有機製品などの別の品目の場合、実質的に水分が放出される前に、容器あるいは密閉パッケージ内部に配置され、更にパッケージが実質的に水分不浸透性である場合、水分は製品に近接した状態のままとなる。多くの場合、この放出された水分は水分を放出した製品に対して実質的な損傷を与える。この場合、なんらかの乾燥手段を好適にはパッケージに含むことにより、放出した水分を吸収し更に比較的乾燥した環境を維持する。
【0005】
更に電子部品などの別の品目の場合、最適性能を提供するために積載及び保存中において実質的に水分のない環境が要求される。これらの品目は事実上水分不浸透性容器内に典型的には積載されるが最初に閉じ込められた水分の存在、あるいは長期にわたる水分の漏出がこれらの製品の性能に影響を与える。再度、水分を吸収させるが別の部品に対しては影響を与えない乾燥手段を好適に積載容器内に含まれる。
【0006】
このような過剰な水分を吸収するために且つ含有する製品を保護するために、乾燥材料は容器内部に導入されている。これらの乾燥剤は通常粉末あるいは顆粒形状で形成されるため、製品の汚染を避けるよう何らかの方法で含まれる必要がある。このような容器に乾燥剤を導入するための事前の処置として、透湿素材材料から形成された袋及び小包、多孔性プラスチック容器、乾燥タブレット及び通気性プラスチックカートリッジを使用して内部に乾燥剤を含む。これらの容器はしかしながら問題を含んでおり、何らかの破損が生じると乾燥剤が容器内に大量に放散してしまう。また、これらの乾燥剤入り容器は充填された乾燥剤から発生する埃を若干放出し更に水分から防御されるべき製品に悪影響を与える。別の解決法として、容器内に分離した区画を形成し乾燥剤を保持する方法があるが(例えば乾燥剤を充填したチューブ用ストッパ、あるいはチューブ内部の側部区画など)、このような区画は典型的には水分と乾燥剤との相互接触を制限し且つ吸着速度を減少させる。更に、破損により乾燥剤が側部区画から主要区画に放出する危険性は同様に存在する。
【0007】
すなわち、吸着剤をプラスチック容器あるいは別の製造品に導入する一方で吸着剤が放散することおよび感湿製品との潜在的接触を防ぐ必要がある。この目的に到達する方法の一つにプラスチック構造体に直接吸着剤を混入させて乾燥剤を放出できないようにする方法がある。しかしながらこの構造体に特有の問題として、一度吸着剤としてプラスチック内部に混入すると、外部水分との接触が極端に制限される。
【0008】
従って、本発明の主要目的として、吸着剤混入ポリマー生成物を提供し、好適に且つ驚くべきことにウィッキング繊維を使用することなく、有効量で水分と吸着剤との接触が行われることである。
【0009】
本発明の更なる目的及び利点は、以下の記載において一部説明され、更に一部は記載から明らかであり、あるいは発明の実施例から理解される。本発明の目的及び利点は特に添付の請求項において開示される要素あるいはその組合わせにより実現され且つ達成される。
【0010】
前述の概要及び以下の詳細な説明の両方は典型例であり、且つ単に説明のためのものであり、本発明はこれに制限されない。
【発明の概要】
【0011】
本発明に関し、熱可塑性材料はそれを内部に同伴させた吸着剤で生成される。この組成物から生成された製品の製造工程の間、熱可塑性材料は溶解状態あるいは非固形状態となり、熱可塑性材料内部の吸着剤は生成物の表面方向に移動できるため、吸着剤が製造された生成物の表面に向かって勾配をもって濃縮される。
【0012】
別添する図面は本明細書の一部を構成し且つ組み込まれており、本発明の実施の形態をその説明と共に示し、本発明の原理を説明するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、少なくとも一つの吸着剤を混入した熱可塑性材料からなる高吸湿性ポリマー材料を提供する。吸湿性ポリマー材料(吸湿性ポリマー生成物)は所定量の構成成分の分離を示し、すなわち吸着剤の濃度はこの吸収性ポリマー材料から生成された生成物の表面の方がその内部よりもずっと高く、更に表面に向かって吸着剤の濃度勾配を示す。ここで使用される「分離」は濃度勾配の差異を定義するものであり、成分を異なる相に100%分離する必要はない。同様に、ここで使用される「層状の」は濃度勾配における有意な変化を意味し、生成物が層状になることであり、一成分からなる固体層と別の成分からなる第2の層である必要はない。「勾配」とは吸収性ポリマー材料におけるいずれかの成分の濃度が吸収性ポリマー材料から製造された生成物の表面からの距離により変化することを意味する。
【0014】
ここで使用される「熱可塑性材料」は熱可塑性の特性を示すポリマー材料として定義される。熱可塑性材料は単一モノマーからなるポリマー;2つ以上のモノマーからなるコポリマー;単一モノマーからなる2つ以上のポリマーの混合物、2つ以上のコポリマーの混合物、単一モノマーからなる1つ以上のポリマーと1つ以上のコポリマーとの混合物から構成され、好適な態様において、熱可塑性材料は2つ以上のコポリマーの混合物、あるいは単一モノマー由来の少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つのコポリマーとの混合物であってこの混合物の成分が共通のモノマー単位を有するものから構成される。限定されない例として、熱可塑性材料は鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)及びエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーのブレンドから生成され、各成分はエチレン単位から構成される。
【0015】
単一モノマー由来ポリマーの限定されない例として、ポリスチレン;ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン);ポリアクリレート、ポリメタクリル酸:ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリブチレン、テレフタラート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、及びポリ塩化ビニルを含む。コポリマーの限定されない例として、スチレン−ブタジエンゴム(SBR);スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SEBS);ブチルゴム;エチレン−プロピレンゴム(EPR);エチレン−プロピレン−ジエン モノマーゴム(EPDM);エチレン−ビニル アセテートコポリマー(EVA);エチレン−アクリル酸塩あるいはブタジエン−アクリロニトリル;無水マレイン酸変性ポリマー及びコポリマー;ポリエーテル−ポリアミドコポリマー;及び移殖されたコポリマーを含む。特に指定のない限りここで使用される吸着剤は水分を吸収できる、あるいは水分を吸着できる、あるいはその反対に周囲の外気から水分を除去できる能力を有する材料として定義される。(反応機構において技術的に異なっているが本発明の目的においては、吸収と吸着の用語はほとんど同じ意味で使用される)。吸着剤の限定されない例として:シリカゲル、ゼオライト、乾燥粘土、分子ふるい、活性炭、酸化アルカリ土などの乾燥剤を含む。
【0016】
高吸湿ポリマー材料は固体であり、その形状は水分吸着を促進するのに適した生成物を多様に形成できる。例えば、生成物は低水分量しか含まないような容器内に配置できるよう、小さい円筒体あるいは立方体構造の形状をとる。更なる例として、本発明の吸収性ポリマー材料を備える容器の裏地あるいは包装製品を含む。
【0017】
一例として、医薬品用容器あるいは診断用片及び滴定プレートは不透水性可塑性材料、ポリエチレンあるいはポリプロピレンなどで外殻を形成して製造される。一つの好適な製造方法として、完全なあるいは部分的なライナーが吸収性ポリマー材料から形成され更に、容器の内側に付加される。別の好適な実施態様として、ライナーは二重射出成形金型において容器内部に形成されるか、あるいは容器とは別に形成されその後に挿入される。吸収性ポリマーを形成する別の好適な方法は押出成形であり、すなわち、このライナーを形成する好適な方法としてライナーの押出成形及び容器の成形とを分けて行い、2つの部分を後で組立てる。更に別の好適な実施態様に関し、吸収性ポリマー材料は生成物全体(例えば容器あるいは薄片など)を形成することにも使用され、すなわちこの生成物全体はここに記載される吸湿ポリマー材料から構成される。なお、この実施態様に関しては、外殻は存在しない。本発明の生成物は、移動領域(表面付近)において吸着剤が存在するため高い吸収速度及び良好な吸収動態を有し、更に内側領域において吸着剤が欠乏するため(水分)バリア機能を有する。
【0018】
吸湿ポリマー材料は水分吸収が望ましい全ての用途に使用可能である。限定されない例として感湿性の物品、例えば食品、診断薬、調合薬、半導体技術、あるいは低い湿度がある期間にわたって要求される密閉空間として使用する一般的な利用による包装がある。これは、限定されないが、1次的及び2次的包装を含む。更なる態様としてウェハー製造に使用されるスティックに直接使用される。吸湿ポリマー材料の更に別の用途として臭気吸着に適用される。
【0019】
使用の際には、本発明の組成物は更に適量を含み;有機あるいは無機添加剤の好適には最大10重量%、最適には最大5重量%までを含み、この添加剤はプラスチックの分野において通常使用される、充填剤、補強剤、可塑剤、安定剤、染料、スリップ剤、湿潤剤、分散剤、非凝集剤、帯電防止剤、加工剤、発泡剤、及び顔料などがある。
【0020】
一方、吸収性ポリマー材料は好適にはウィッキング繊維を含まず、これはこの繊維は製造工程中に燃焼あるいは溶解するためである。本発明の組成物の重層構造は吸湿性を増加させるため、水分の芯として作用する繊維は不必要である。
【0021】
驚くべきことに、「移動領域」において表面に向かって勾配をもって吸着剤の蓄積が示される吸収性ポリマー組成物から生成される生成物は、生成物全体にわたって同一の濃度の吸着剤を含有する構造物(モノリシック構造物)及び表面に乾燥剤のみを含有する構造物と比較して、吸湿性において顕著に有利であることが分かった。表面上にのみ乾燥剤を備える構造物は表面に収容されるあるいは組み込まれる吸着剤が比較的少量であるため、吸湿能力全般が限定される傾向にある一方、本発明に関する生成物は表面上のみだけでなく生成物の構造全体が吸着剤の有効量で満たされているため高い能力を示す。生成物全体にわたり同一濃度の吸着剤を有するモノリシック構造物は、表面上あるいは付近の(比較的少ない)吸着剤粒子と周囲の水分との接触が限定されるため比較的低い吸湿速度を有する傾向にある。対照的に、本発明の生成物は表面上あるいはその付近に比較的多量の吸着剤を含有し、そのためモノリシック構造物と比較して周囲の水分とより速く反応できる。更に、移動領域において好適な勾配を有する吸着剤は吸着剤により吸収される物質、例えば水分を表面から離れて迅速に運搬させる有利な伝達連鎖を提供する。こうして、生成物の内側に向かって遅延される運搬による表面上に一過性で残留する過剰な水分は存在しない。対照的に、モノリシック構造物、表面上にのみ吸着剤を有する構造物、及び異なる濃度の吸着剤を含有する隣接したあるいは結合した層が組み合わされる多層構造物は表面から離れるに従って水分運搬がより遅れる傾向にあるため、表面上に水分が過剰に存在し、保護されるべき感湿性の物品に対して有害な結果をもたらす可能性を有する。本発明の好適な実施態様に関して、吸着剤の勾配は一定の勾配であり、更に好適には例えば図3に示されるように、表面から層の内側に向かって吸着剤の濃度を連続的に減少させている。このことから本発明は高い吸着能力と比較的高い吸着初速度を組合わせることにより、表面のみ吸着剤を有する構造物及びモノリシック構造物両方の不足分を克服する。更に、本発明に関する物質は、全く同一の化学組成物及び同一の厚さを有する一方でより高いあるいは低い吸着初速度を示すよう構成可能であり、これは「移動領域」内部の吸着剤の蓄積量及び/または「移動領域」自体の厚さを増加あるいは減少させることにより調整する。
【0022】
吸湿ポリマー材料は好適には:
約20重量%乃至約85重量%の一つ以上の熱可塑性材料を含有し;及び
約15重量%乃至約80重量%の少なくとも一つの吸着剤を含有する。
【0023】
この組成物は、吸着剤がポリマー組成物の表面付近の移動領域内部で濃度勾配を有するよう生成される。好適な実施態様において、表面における吸着剤の濃度により組成物の層を区別できるようにし、すなわち、表面層は吸着剤が豊富にあり、内側層はその同じ吸着剤が減損しており明確に識別可能な層とする。
【0024】
吸収性ポリマー材料から生成された生成物(通常は薄片及びチューブなど生成物の両側面における)の表面層は比較的明確な「移動領域」を通常形成し、ここで吸着剤は「移動」する。この移動領域内部で一定の容積単位における吸着剤の最高濃度はその生成物の内側あるいは中心層の濃度よりも、2〜10倍高く、好適には2〜6倍高くなる。この移動領域内部の吸着剤の濃度は好適には表面に向かって勾配をもって示される。生成物内部のいずれかの場所の吸着剤濃度及び吸着剤の移動の程度は赤外線微量分析により決定される。そのために、吸着剤(必要であれば更にコポリマー)の特性IR吸収帯の合成されたピーク強度は深度の関数δで、適切な厚さ(例えば30μm)のトランスバーサルマイクロトミックカットを使用して計測される。各数値はそれぞれの深度δにおけるポリマー成分の積分吸着強度と比較することにより標準化され、更に数値0〜d(dはその部分の全体厚さである)に対して表面からの深さの関数D(δ)及びC(δ)としてプロットされる。所定の深さの間隔(△δ=δ−δ)に含有する乾燥量は∫D(δ)dδ(極限値δ,δ)及び∫D(δ)dδ(極限値0,d)の指数から計算できる。この「移動領域」は乾燥力の蓄積が頭打ちになり(δ)、更にそれぞれ増加し始める(δ)場所の表面からの深さにより定義される。これらの領域に含有する乾燥量は、第1移動領域に対して、∫D(δ)dδ(極限値0,δ)及び∫D(δ)dδ(極限値0,d)の指数及び第2領域に対して、∫D(δ)dδ(極限値δ,d)及び∫D(δ)dδ(極限値0,d)の指数を計算することにより上述のように計算することができる。本発明に関して生成された全ての(単純な)部分はこれまで2つの移動領域で示されたが、本発明に関して生成された部分は一つのみあるいは2つ以上の移動領域を含み得ることは除外できない。組成物の内側層に存在する吸着剤の量を移動領域に存在する量と(一定の容積単位で)比較すると、移動領域に存在する吸着材料の量の少なくとも約50%、好適には少なくとも約65%及び最適には少なくとも約85%減少する。
【0025】
この移動領域の厚さは多くの因子により変化し、例えば熱可塑性材料の組成、混合物が利用される場合、この熱可塑性材料を占めるポリマー材料とコポリマー材料の比率、利用される吸着剤の濃度、この混合物が利用される場合、コポリマーとポリマー混合物との混合物に存在する非共通モノマーの量、及び吸収性ポリマー材料から生成物を形成する際に設定されるパラメータが含まれる。更に、驚くべきことに、コポリマーの存在する割合が高ければ高いほど、移動領域の厚さはより厚くなることが発見された。それにもかかわらず、驚くべきことに、生成物の製造工程に従った吸湿ポリマー材料の表面からの移動領域の厚さは通常約1〜約100ミクロンであり、好適には約10〜約80ミクロンであり、最適には約20〜約60ミクロンであることが発見された。移動領域の厚さ全体は変化し、非常に厚い生成物において特に変化しそうであるが、驚くべきことに移動領域の厚さは材料全体の厚さとは比較的無関係であり通常は約1〜約100ミクロンであることが分かった。
【0026】
また驚くべきことに、移動領域内部における一定の容積単位での吸着剤の蓄積量は生成物の内側層全体の一定の容積単位での蓄積量よりもかなり多量であることが分かった。驚くべきことに、吸収性ポリマー材料から生成された生成物の移動領域に存在する吸着剤の割合は生成物に存在する吸着剤全体の少なくとも約2%、好適には少なくとも約4%、及び最適には少なくとも6%であり、その最大量は吸着剤全体量の約70%以下、好適には50%以下及び最適には40%以下であることが発見された。
【0027】
この層分離を達成するために、熱可塑性成分として、単一モノマー由来の少なくとも1つのポリマーと少なくとも一つのコポリマーとの混合物を使用することが好ましいことがわかった。驚くべきことに、使用されるコポリマーの割合が高ければ高いほど、移動領域に存在する吸着剤の量が多くなることが発見された。更に、コポリマーの割合が高ければ高いほど、移動領域の厚さが大きくなる。好適には、コポリマーはポリマーの単一モノマー成分のモノマーを含有するため2つのポリマー材料は互換性がある。もし2つ以上のコポリマーが混合され熱可塑性材料を形成する場合、それぞれは好適には少なくとも1つの共通のモノマーを含有する必要がある。このように好適に混合された熱可塑性組成物において、熱可塑性混合物の成分の内の片方が表面において吸着剤と共に豊富である一方、そのもう片方の成分が生成物の中心に向かって豊富になる傾向があることが発見された。
【0028】
一般的に、吸収性ポリマー材料は配合方法により製造される。
【0029】
吸収性ポリマー材料の好適な製造方法の一つに、ポリマー及びコポリマー(必要であれば)は溶媒を使用せず、あるいはポリマー材料を融解せず乾燥混合により混合される。この混合されたポリマーとコポリマー(必要であれば)は次に配合装置の第1領域内に同時に(しかしながら個別に)吸着剤と共に導入される。この混合器の第1領域は好適には全ての成分の融点未満の温度、好適には約50℃で維持される。この混合物は次に配合装置の次の領域に導入され、ここではポリマー及びコポリマー材料は融解され更に吸着剤と混合される。好適な実施態様において、混合された材料は次に金型を通して冷却水バッチ内に押出され顆粒状に切断される。
【0030】
通常、第2工程において吸収性ポリマー材料は生成物に成形される。この生成物の成形は熱可塑性製品を公知の方法、例えば押出成形、射出成形、ブロー成形などで実施され、これらの方法は吸収性ポリマー材料を本質的に非固形状態に変形させるものであり、好適には熱可塑性材料を液体状態に溶解することを含む。どのような特定の理論とも組合わせるべきではなく、吸着剤は本質的に非固形状態にあるときのみ且つ成形工程中(射出成形、押出成形等)において形成された生成物の表面に向かって移動可能である。従って、吸着剤および熱可塑性物質は本質的に非固形状態のまま、ここに記載される移動によって充分に好ましく分離されるよう物品を扱う際に注意する必要がある。また、どのような特定の理論とも組合わせるべきではなく、熱可塑性材料は一つ以上のポリマーあるいはコポリマーからなる実施態様において、吸着剤はポリマー材料の1つに向かってより引きつけられ且つ分離される間そのポリマー材料と共にその表面に向かって移動することになる。
【0031】
移動領域の厚さおよびその内部に蓄積される吸着剤の量は更に生成物を成形する間設定されたパラメータにより影響される。上述のように、吸着剤の移動は、吸収性ポリマー材料が本質的に非固形状態の間である限りは可能である。すなわち、成形方法(射出成形、ブロー成形、押出成形)、成形された時の吸収性ポリマー材料の温度、成形中の工具あるいは金型の温度調節、材料の流量特性、成形中の流速、成形された生成物の形状、サイクル時間などのパラメータは、成形中(移動時間)の吸着剤の移動時間量を決定する際重要である。移動時間は吸収性ポリマー材料が本質的に非固形状態にあるため吸着剤の移動が可能である間の生成物の成形時間として定義される。
【0032】
実際に、約100s−1未満の剪断レベルを備える製造物の押出成形法は射出成形で実施するよりも分離現象がより著しくなる。また、どのような特定の理論とも組合わせるべきではなく、これはおそらく押出成形法は単一の方向において材料を一定の流量でより直接的に指向して提供することにより、かなり長期の移動時間を可能とすることによるものである。強度の乱流を引き起こす射出成形において、剪断速度が1,000〜10,000s−1の間で、材料が一定の方向に流れるが、その後射出成形金型の壁部に接触し逆流を引き起こし液組成の部分的な再混合が生じる。再混合の程度は成形された生成物の形状にも影響される。更に、射出成形において、射出成形金型の壁部は射出された熱可塑性物質の外層を急速に冷却する傾向にあるため、この吸着剤がこれらの外層に移動することを強力に阻止する。
【0033】
当業者はルーチンな実験をすることで上述のパラメータを調整でき、移動時間に関してそれぞれ個別の生成物に対してこれらのパラメータを最適化することにより所望の移動領域の厚さ及びその内部の吸着剤の蓄積を達成することができる。
【0034】
本発明は以下の限定されない実施例により明らかにする。
【実施例1】
【0035】
表面への吸着剤の移動現象を示すために、50重量%の熱可塑性材料、及び50重量%の乾燥剤(分子ふるい)から構成される組成物を調製した。この熱可塑性材料は22重量%の鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、62重量%の低密度ポリエチレン(LDPE)および16重量%のエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーから構成した。
【0036】
この混合物を押出成形及び射出成形により多様な厚さを有する薄片に成形した。この薄片は次に30μmの切片にスライスすることによりそれぞれの成分の濃度がその表面および、その中心に達するまで各30μmごとに分析できる。
【0037】
図1及び図2を参照すると、図1は全厚が850μmを有する、本発明に従って生成された押出成形された試験片の表面に対する赤外線スペクトル分析を示す。この押出成形法は約200℃、約110バールの圧力で実施した。図1において、ポリエチレン、EVA、分子ふるいに対するピークを同定した。図2は、本発明に従って同様に生成された、押出成形された薄片の中心部から採取した同様なデータを示す。2つのIR分析から分かるように、EVAおよび分子ふるいのピークの振幅、すなわちEVAおよび分子ふるいの濃度は薄片の中心部よりもその表面の方が顕著に高い。逆に、ポリエチレンピーク、すなわちポリエチレン濃度は押出成形された薄片の中心部においてより高い。
【0038】
図3は押出成形された薄片全体の厚さが0.40mmのIRスペクトル分析結果を示す。図3に示されるように、EVAおよび分子ふるいの濃度は薄片の2つの表面において非常に高く、その後薄片中における深さ35μmにて横ばいになった。EVAおよび分子ふるいの濃度はその後薄片の中心部への深さが35μmでほとんど一定に維持された。
【0039】
EVAおよび分子ふるいの濃度がそのピークに上昇するまでの構図の区域を移動領域厚さとする。上記の例において、押出成形された薄片の移動領域厚さは35μmである。驚くべきことに、薄片の厚さ全体は移動領域厚さには本質的な影響を与えないことが観察された。例えば、実施例1において規定された組成物と同一の組成物を有する押出成形薄片は、薄片の厚さに関係なく移動領域厚さがおよそ35μmであることが予想される。
【0040】
この現象は、押出成形及び射出成形の両方により成形された多様な厚さを有する薄片を比較した以下の表1に示される。
【0041】
【表1】

【0042】
上記表は射出成形部に対する移動領域の厚さはその成形部の厚さとは独立している。しかしながら、その表面に蓄積された分子ふるいの濃度は厚さの関数となり、すなわち、射出成形部の厚さが厚いほど分子ふるいの数値が高い。どのような特定の理論とも組合わせるべきではなく、この発見は射出成形部の厚みがあるほど、溶融成分が凝固するまでの冷却期間(移動時間)が長くなり、従って分子ふるいの表面に蓄積され、且つ層構造が形成される時間が長くなることから説明できる。
【0043】
1170μmの厚さを有する射出成形サンプルと1140μmの厚さを有する押出成形サンプルとの吸湿度を25℃、80r.h.(相対湿度)で試験し、図8に示した。参照されるように、押出成形部は射出成形部よりも早く水分と反応する。飽和状態に達するまでの時間は押出成形部において26日、射出成形部において64日かかる。この結果は押出成形部において55μmの移動領域、射出成形部において24μmの移動領域であることと一致する。
【0044】
図4はこの実施例の組成としての1.2mm押出成形薄片の断面図における光学顕微鏡の映像を示す。薄片の表面における分子ふるい(吸着剤)の濃縮度はその暗い色で明確に示される。
【0045】
この薄片の吸湿は25℃、80%r.h.において10.5重量%となるよう測定された。
【実施例2】
【0046】
異なるポリマー組成物の表面に対しての乾燥度はこの実施例において視覚的に示される。65重量%の熱可塑性材料および35重量%の吸着剤(シリカゲル)からなる吸収性ポリマー組成物を調製した。熱可塑性材料は92.3重量%のポリスチレン及び7.7重量%のスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーの混合物から構成された。吸着カートリッジは図5に示されるものと同様に射出成形により形成された。このようなカートリッジは医薬品のような感湿性製品用容器の内部に設置するのに適する。図6は光学顕微鏡で撮影されたカートリッジの断面図の写真である。カートリッジの表面に向かって分子ふるいの濃度が写真の濃い灰色領域により明確に示される。
【実施例3】
【0047】
本実施例において、非常に高い吸収能力を有する吸収性ポリマー組成物が本発明に従って生成できることが示される。30重量%の熱可塑性材料、70重量%の吸着剤(分子ふるい)からなる吸収性ポリマー組成物が調製された。この熱可塑性材料は76.7重量%のエチレン−メチルアクリレートコポリマー及び23.3重量%のエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸コポリマーとから構成された。
【0048】
厚さ1.3mmの薄片がこの組成物から押出成形された。図7に示されるように、吸湿度は30℃、60%r.h.において14.6重量%となるよう測定された。
【実施例4】
【0049】
50重量%の熱可塑性材料、50重量%の吸着剤(分子ふるい)からなる吸収性ポリマー組成物が調製された。この熱可塑性材料は92.3重量%ポリスチレン及び7.7重量%スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーの混合物から構成された。
【0050】
この組成物は射出成形品(0.9mm、1.1mm、1.5mm厚さのプレート、1.08mm太さのチューブ)及び押出成形品(0.5mm、0.6mm厚さの薄片、1.2mm太さのチューブ)に成形された。
【0051】
実施例4の組成物における吸着剤の蓄積および移動領域の測定結果は表2に示される。分子ふるいの量は2821〜3112cm−1の間のポリスチレン/SEBSのIR吸収帯の積分強度に対する1652cm−1におけるIR吸収ピークの積分強度を使用して決定された。
【0052】
表2に関し、典型的な移動領域は、物品の表面から内部までおよそ20〜40μmの間に延在する。分子ふるい:(ポリスチレン/SEBS)のIRピークの強度比は移動領域内部において表面の値のおよそ50%〜20%の間にまで減少する。このことは、各部材における表面周辺の容積単位当りの分子ふるい濃度は材料の中心部よりも2〜5倍高いことを示す。
【0053】
【表2】

【0054】
以下の表3は移動領域に蓄積された乾燥量を全乾燥量におけるパーセントとして示す。
【0055】
【表3】

【0056】
これらの結果より、本発明に従って製造された部材の表面あるいはその周辺において多量の吸着剤が蓄積されることが示される。
【実施例5】
【0057】
実施例1に記載されるものと同一な化合物が調製された。この化合物は発泡剤として多様な量の炭酸水素アンモニウム(0%、0.5%、0.8%)と混合した後およそ1mmの太さのチューブに押出成形された。
【0058】
発泡剤は上記化合物と混合した後に押出成形、射出成形あるいは別の方法で物品を成形する工程を実施し、その工程の間少なくとも部分的に気体あるいは蒸気としてその化合物が除去される材料として定義される。
【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
これらの結果から、物品を形成する際に化合物に対しての発泡剤の添加は移動層の範囲には影響を与えないことが分かる。しかしながら、この層に蓄積される分子ふるいの量は発泡剤の量の増加に伴って増加する。
【0062】
ここに記載される発明の説明および実施例から本発明の別の実施態様は当業者に対して明らかとなる。本明細書および実施例は単に典型例を示したのみであり、請求項によって示されているのが真の発明の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施例1に関し、厚さ0.85mmの生成された吸収性ポリマー材料の押出薄片の表面における赤外線微量分析(FT−IR)を示す。(図及び実施例のため、ゼオライトは分子ふるいで扱われる)。
【図2】実施例1に関し、厚さ0.85mmの生成された、吸着生成物の押出薄片の中心部のFT−IRを示す。
【図3】実施例1の吸着物質の押出薄片全体のFT−IRを示す。
【図4】実施例1に従って生成された生成物の押出薄片における光学顕微鏡断面図を示し、吸着剤として分子ふるいを利用し、分子ふるいの濃度勾配を示す。
【図5】実施例2に関して生成された吸着剤カートリッジの図面を示す。
【図6】図5のカートリッジの切断面の写真を示し、光学顕微鏡で撮影された吸着剤の濃度勾配を示す。
【図7】実施例3に記載される材料の吸湿能力の曲線を示す。
【図8】厚さ1170μmの射出成形試料と厚さ1140μmの押出成形試料との吸湿性を、25℃で試験した経時的な比較結果を示す。両試料は実施例1の方法により生成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料および吸着剤の混合物からなる吸湿ポリマー生成物であって、該生成物は生成物の表面における少なくとも1つの移動領域と内側領域からなり、移動領域内部の吸着剤の最大濃度は内側領域内部の吸着剤の最大濃度の少なくとも2倍であることを特徴とする吸湿ポリマー生成物。
【請求項2】
移動領域は吸着剤の濃度における勾配を示すことを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項3】
熱可塑性材料は単一モノマーからなるポリマー、2つ以上のモノマーからなるコポリマー、単一モノマーからなる2つ以上のポリマー混合物、2つ以上のコポリマー混合物、および単一モノマーからなる少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つのコポリマーとの混合物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項4】
熱可塑性材料は単一モノマーからなる少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つのコポリマーとの混合物である請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項5】
熱可塑性材料の少なくとも1つのコポリマーはポリマーと共通のモノマー単位を含むことを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項6】
熱可塑性材料は共通のモノマー単位を含む2つのコポリマー混合物であることを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項7】
移動領域は生成物の厚さにおいて約1〜約100ミクロンから構成されることを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項8】
移動領域内部の吸着剤の濃度は生成物の内側領域内部の吸着剤の濃度の約2〜約6倍であることを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項9】
移動領域の厚さは約10〜約80ミクロンであることを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項10】
熱可塑性材料はポリスチレン;ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン);ポリアクリレート、ポリメタクリル酸:ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン ポリアミド、ポリエステル;およびポリ塩化ビニル;スチレン−ブタジエンゴム(SBR);スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン コポリマー(SEBS);ブチルゴム;エチレン−プロピレンゴム(EPR);エチレン−プロピレン−ジエン モノマーゴム(EPDM);エチレン−ビニル アセテートコポリマー(EVA);エチレン−アクリル酸塩あるいはブタジエン−アクリロニトリル;無水マレイン酸変性ポリマー及びコポリマー;及び移殖されたコポリマーからなるグループから選択される請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項11】
吸着剤はシリカゲル、ゼオライト、乾燥粘土、分子ふるい、活性炭、酸化アルカリ土およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項12】
ウィッキング繊維は熱可塑性材料および吸着剤に添加されないことを特徴とする請求項1記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項13】
熱可塑性材料および吸着剤からなる吸湿ポリマー生成物であって、該生成物は生成物の表面における少なくとも1つの移動領域と生成物の内側領域からなり、移動領域の厚さは約1〜約100ミクロンであることを特徴とする吸湿ポリマー生成物。
【請求項14】
熱可塑性材料は単一モノマーからなるポリマー、2つ以上のモノマーからなるコポリマー、単一モノマーからなる2つ以上のポリマー混合物、2つ以上のコポリマー混合物、および単一モノマーからなる少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つのコポリマーとの混合物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項13記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項15】
熱可塑性材料は単一モノマーからなる少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つのコポリマーとの混合物である請求項13記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項16】
少なくとも1つのコポリマーはポリマーと共通のモノマー単位を含むことを特徴とする請求項15記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項17】
熱可塑性材料は共通のモノマー単位を含む2つのコポリマー混合物であることを特徴とする請求項13記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項18】
移動領域の厚さは約10〜約80ミクロンであることを特徴とする請求項13記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項19】
移動領域内部の吸着剤の濃度は生成物の内側領域内部の吸着剤の濃度の約2〜約6倍であることを特徴とする請求項13記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項20】
熱可塑性材料はポリスチレン;ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン);ポリアクリレート、ポリメタクリル酸:ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン ポリアミド、ポリエステル;およびポリ塩化ビニル;スチレン−ブタジエンゴム(SBR);スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン コポリマー(SEBS);ブチルゴム;エチレン−プロピレンゴム(EPR);エチレン−プロピレン−ジエン モノマーゴム(EPDM);エチレン−ビニル アセテートコポリマー(EVA);エチレン−アクリル酸塩あるいはブタジエン−アクリロニトリル;無水マレイン酸変性ポリマー及びコポリマー;及び移殖されたコポリマーからなるグループから選択される請求項13記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項21】
吸着剤はシリカゲル、ゼオライト、乾燥粘土、分子ふるい活性炭、酸化アルカリ土およびそれらの混合物からなるグループから選択される請求項13記載の吸湿ポリマー生成物。
【請求項22】
吸湿ポリマー生成物の製造方法において、
熱可塑性材料を生成し、溶融状態の熱可塑性材料を吸着剤と混合した後、熱可塑性材料及び吸着剤混合物を押出成形方法を利用して吸湿ポリマー生成物に成形する方法であり、吸湿ポリマー生成物は生成物の表面における移動領域と生成物の移動領域とは離れた内側領域とからなり、移動領域内部の吸着剤の濃度は内側領域内部の吸着剤の濃度の少なくとも約2倍であることを特徴とする吸湿ポリマー生成物の製造方法。
【請求項23】
吸湿ポリマー生成物の製造方法において、
熱可塑性材料を生成し、溶融状態の熱可塑性材料を吸着剤と混合した後、熱可塑性材料及び吸着剤混合物を射出成形方法を利用して吸湿ポリマー生成物に成形する方法であり、吸湿ポリマー生成物は生成物の表面における移動領域と生成物の移動領域とは離れた内側領域とからなり、移動領域内部の吸着剤の濃度は内側領域内部の吸着剤の濃度の少なくとも約2倍であることを特徴とする吸湿ポリマー生成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−512405(P2007−512405A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540674(P2006−540674)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004403
【国際公開番号】WO2005/049297
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506174153)
【Fターム(参考)】