説明

吸水性包装材料、その製造方法及び再生方法

【課題】水分吸着可能なゼオライトを含有した吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を脱着することにより再使用し得る吸水性包装材料、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水分吸着可能なゼオライトを含有する、特定の条件を満たす吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を、加熱及び減圧の少なくともいずれかで処理して、特定の条件を満たす水分脱着を行うことを特徴とする再使用可能な吸水性包装材料、並びにゼオライトを樹脂と混練してマスターバッチとし、該マスターバッチを用いてフィルム、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形し、包装材料とする前記再使用可能な吸水性包装材料の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分吸着可能なゼオライトを含有した吸水性包装材料、その製造方法及び再生方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、好ましくは特定な性状を有する水分吸着可能なゼオライトを含有する吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を脱着することにより再使用し得る吸水性包装材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、低温で水や水蒸気を吸着し、これを加熱することで吸着した水を脱着し得るので、繰り返し水分除去に使用できる材料として、例えばゼオライト、活性炭、シリカゲル、アルミナ等が広く知られているが、それらの中でゼオライトはその構造中に極性の高いカチオン部分を有するために、他の吸着材と較べて相対湿度10%以下の低湿度においても吸着性能を保つことから、高機能脱水材として広範囲に用いられている。
【0003】
食品、医薬・医療品、精密電子部品やその他の工業部品等の包装に用いられる材料には各種の機能が要求されており、それらの機能に中には、内容物の各種変質を防止するための酸素、水蒸気などの優れたガスバリア性がある。前記の水蒸気による変質を防止するための手法としては、例えば防湿性のあるポリオレフィン系樹脂を使用したり、あるいは、より高い水蒸気バリア性を要求される場合には、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂からなるフィルムに塩化ビニリデン系樹脂をコーティングしたフィルムあるいはアルミラミネートを使用することが行われているが、前記塩化ビニリデン系樹脂は塩素成分を含有しているために廃棄、焼却された時に有害物質を発生する等の恐れがあり、また前記アルミラミネートは包材に用いた樹脂をリサイクル使用する際の分別に問題があった。さらに、一部の内容物によっては、内容物を包装した時のヘッドスペース中のわずかな湿度や水分によって変質、劣化を伴う場合もあり、包装容器の外側からの水蒸気バリア性だけでなく、ヘッドスペース中の湿度や水分も除去したいというニーズが、近年出てきている。
【0004】
これらのニーズに答えるために、小袋に充填密封された乾燥剤を内容物と共に包装したり、あるいはキャップあるいは蓋材の内側に、小袋に充填密封された乾燥剤を装着したりして、包装容器内の水分を除去する試みがなされているが、小袋に充填密封された乾燥剤は誤飲、誤食等の問題があると共に、装着する手間が煩雑などの問題点もあった。
【0005】
このような問題点に対処するために、例えば特許文献1〜4で示されるように、ゼオライトを包装材料に含有させ、水や湿気を嫌う材料の包装に用いられているが、上記のようにゼオライトは水の吸着力が強いため、一旦吸着した水分を脱着させるためには、一般に100℃以上の高温に加熱することが必要であり、したがってこれまでゼオライトを含有した吸水性包装材料を再使用することは事実上不可能であった。
一方、吸着と脱着とを繰り返し行う必要のある除湿機等の用途に、吸着時に多量の水分を吸着し、かつ脱着時にはできるだけ低温で吸着した水を脱着する材料が望まれており、これまでいくつかの提案があるが、それらの材料を再使用可能な吸水性包装材料として使用することは知られていないのが実状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−26348号公報
【特許文献2】特開平9−258386号公報
【特許文献3】特開2006−103761号公報
【特許文献4】特開2007−14880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような状況下になされたもので、水分吸着可能なゼオライトを含有した吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を脱着することにより、再使用し得る吸水性包装材料、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
水分吸着可能なゼオライトを含有し、特定の条件を満たす吸水性包装材料であって、使用後に、該ゼオライトに吸着された水分を加熱及び/又は減圧処理して、特定の条件を満たす水分脱着を行うことにより、再使用可能な吸水性包装材料となることを見出すと共に、前記ゼオライトとして、特に所定の条件を満たすものが、再使用可能な吸水性包装材料を得るのに有利であることを見出した。
また、この再使用可能な吸水性包装材料は、水分吸着可能なゼオライトを樹脂と混練してマスターバッチとし、該マスターバッチを用いてフィルム、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形し、包装材料とすることにより、効果的に製造し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)水分吸着可能なゼオライトを含有する、下記で定義される吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を、加熱及び減圧の少なくともいずれかで処理して、下記で定義される水分脱着を行うことを特徴とする、再使用可能な吸水性包装材料、
<吸水性包装材料の定義>
当該吸水性包装材料からなる寸法200mm×200mmのパウチ内部に湿度計を挿入して密封し、20℃、相対湿度50〜60%の環境下に4時間保存後の相対湿度が、初期値の20%以下のものであると定義される。
<水分脱着の定義>
当該包装材料からなる前記パウチが吸着した水の質量をAg、加熱及び/又は減圧処理して前記パウチから脱着した水の質量をBgとした場合、下記式で表される脱着率が50質量%以上であると定義される。
脱着率(%)=(B/A)×100
(2)前記使用後にゼオライトに吸着された水分の水分脱着を、大気圧下又は減圧下、150℃以下の温度にて行う上記(1)に記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(3)ゼオライトを含有する樹脂層を有し、該樹脂層を構成する樹脂が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、及びポリアミドから選ばれる少なくとも1種、並びにそれらの共重合体またはそれらの混合物である上記(1)又は(2)に記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(4)前記水分吸着可能なゼオライトが、下記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(A)SiO2/Al23モル比が10.0以上であるβ型ゼオライト。
(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上がリチウムイオンであり、SiO2/Al23モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
(C)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の5%以上がランタノイド金属イオンであるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
(D)ゼオライト骨格にリン原子を含む、シリコアルミノ燐酸型ゼオライト。
(E)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の80%以上がプロトン(水素イオン)であり、かつリチウムイオン及びランタノイド金属イオンが5%未満である、SiO2/Al23モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
【0010】
(5)前記(B)のゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の30%以上がリチウムイオンである上記(4)に記載の吸水性包装材料、
(6)前記(C)のゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の20%以上がランタノイド金属イオンである上記(4)に記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(7)外層に水蒸気バリア層を有し、かつ内層にゼオライトを含有する樹脂層を有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(8)ゼオライトを含有する樹脂層を構成する樹脂が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、及びポリアミドから選ばれる少なくとも1種、並びにそれらの共重合体またはそれらの混合物である、上記(7)に記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(9)水蒸気バリア層が、アルミニウム層、疎水性化合物で表面処理したポリエステル樹脂層、及びポリオレフィン層から選ばれる少なくとも1種の層である上記(7)又は(8)に記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(10)水蒸気バリア層が、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層である上記(9)に記載の再使用可能な吸水性包装材料、
(11)ゼオライトを樹脂と混練してマスターバッチとし、該マスターバッチを用いてフィルム、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形し、包装材料とすることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料の製造方法、
(12)ゼオライトを樹脂と混練しマスターバッチとし、該マスターバッチを用いてフィルム、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形する際に、あるいは成形後に、ゼオライト含有樹脂層を有する層と水蒸気バリア層とを接合して包装材料とする上記(11)に記載の再使用可能な吸水性包装材料の製造方法、
(13)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料を、大気圧下又は減圧下に、150℃以下の温度で加熱することにより、水分を脱着することを特徴とする吸水性包装材料の再生方法、及び
(14)前記加熱温度が、80℃以下である上記(13)に記載の吸水性包装材料の再生方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水分吸着可能なゼオライトを含有した吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を脱着することにより再使用し得る吸水性包装材料、その製造方法及び再生方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の再使用可能な吸水性包装材料(以下、単に「吸水性包装材料」と称することがある。)について説明する。
[吸水性包装材料]
本発明の再使用可能な吸水性包装材料は、水分吸着可能なゼオライトを含有する、下記で定義される吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を、加熱及び/又は減圧処理、好ましくは大気圧下又は減圧下、150℃以下の温度で加熱処理して、下記で定義される水分脱着を行うことを特徴とする。
<吸水性包装材料の定義>
当該吸水性包装材料からなる寸法200mm×200mmのパウチ内部に湿度計を挿入して密封し、20℃、相対湿度50〜60%の環境下に4時間保存後の相対湿度が、初期値の20%以下のものであると定義される。
<水分脱着の定義>
当該包装材料からなる前記パウチが吸着した水の質量をAg、加熱及び/又は減圧処理して前記パウチから脱着した水の質量をBgとした場合、下記式で表される脱着率が50質量%以上であると定義される。
脱着率(%)=(B/A)×100
【0013】
(水分吸着可能なゼオライト)
当該吸水性包装材料に用いる水分吸着可能なゼオライトとしては、下記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましい。
(A)SiO2/Al23モル比が10.0以上であるβ型ゼオライト。
(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上がリチウムイオンであり、SiO2/Al23モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
(C)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の5%以上がランタノイド金属イオンであるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
(D)ゼオライト骨格にリン原子を含む、シリコアルミノ燐酸型ゼオライト。
(E)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の80%以上がプロトン(水素イオン)であり、かつリチウムイオン及びランタノイド金属イオンが5%未満である、SiO2/Al23モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
【0014】
<ゼオライトの種類>
ゼオライトは、ケイ酸塩の縮合酸の構造を有し、その基本単位は、ケイ素(Si)を中心として形成される4個の酸素(O)が頂点に配置されたSiO44面体と、このSiO44面体のケイ素の代わりにアルミニウム(Al)が置換したAlO44面体であり、これらと他の種々の基本構造の単位が三次元的に組み合わさり、無数の微細なチャンネル(通路)とケージ(空洞)が形成されたものである。このチャンネル、ケージは、分子吸着やイオン交換などの多様な特性を発現する。
ゼオライトの組成は、一価及び二価のカチオンを、それぞれM+、M2+で示すと、下記式(1)のように表すことができる。
【0015】
(M+,M2+1/2m[AlmSin2(m+n)]・xH2O ・・・(1)
+=Li+,Na+,K+,Rb+,(CH34+,(C254+,(C374+,C816+
2+=Ca2+,Mg2+,Ba2+,Sr2+,C81822+
(式中、m及びnは整数でn≧mであり、xは0以上の数である。)
なお、前記C816+は、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7,7−ジメチルアンモニウムイオンであり、C81822+は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジメチルアンモニウムイオンである。
【0016】
合成ゼオライトでは、SiO2/Al23の比がほぼ1.8〜1.9のものをA型、該比が2〜3のものをX型、該比が3〜6のものをY型と呼んで区分している。また、一価および二価のカチオンの一部または全部を他の陽イオンと可逆的にイオン交換することができる。イオン交換可能なイオンの価数を考慮してカルシウム(Ca)のみまたはカルシウムを主として含むA型ゼオライトはCaA型と呼ばれ、ナトリウム(Na)のみまたはナトリウムを主として含むA型ゼオライトはNaA型と呼ばれている。
また、ZSM−5は、Mobil Oil社(米)により開発された、十員酸素環をもつ高シリカ−ペンタシル型合成ゼオライトであり、その類縁体として、ZSM−11、シリカライト、シリカライト−2、ペンタシル型メタロケイ酸塩などが知られている。
ZSM−5の単位格子組成は、下記式(2)
Nan(AlnSi96-n192)・16H2O (n<27) ・・・(2)
で表すことができる。
【0017】
前記吸水性包装材料に用いられる水分吸着可能なゼオライトとしては、水分吸着性能及び吸着された水分の脱着性能の観点から、(A)SiO2/Al23モル比が10.0以上、好ましくは15以上、より好ましくは20〜100であるβ型ゼオライト、(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは60%以上がリチウムイオンであり、SiO2/Al23モル比が5.0以上、好ましくは10以上、より好ましくは15〜100であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種、並びに(C)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の5%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上がランタノイド金属イオンであるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種が好適である。
なお、前記(C)におけるランタノイド金属イオンとしては、La3+、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Pm3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+及びLu3+の15種があるが、これらの中で、入手性や性能などの観点から、La3+、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Sm3+などが好ましく用いられる。
【0018】
また、前記(D)のシリコアルミノ燐酸型ゼオライトとしては、好ましくは、SAPO−5、SAPO−8、SAPO−11、SAPO−16、SAPO−17、SAPO−18、SAPO−20、SAPO−31、SAPO−34、SAPO−35、SAPO−36、SAPO−37、SAPO−40、SAPO−41、SAPO−42、SAPO−44、SAPO−47、SAPO−56、それらの金属含有形態、及びそれらの混合物から成る群から選択される。
さらに前記(E)としては、ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の80%以上、好ましくは90%以上がプロトン(水素イオン)であり、かつリチウムイオン及びランタノイド金属イオンが5%未満、好ましくは3%未満である、SiO2/Al23モル比が5.0以上、好ましくは10以上、より好ましくは15〜100であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種が好適である。
【0019】
また、前記の水分吸着可能なゼオライトとしては、例えばシャバサイト、クライノタイロライト、エリオナイト、フォージャサイト、フェリエライト、モルデナイトなどの天然ゼオライト、ゼオライトA、ゼオライトP、ゼオライトY−74、ゼオライトY−84、ゼオライトY−85、低セリウム希土類元素交換ゼオライトY−84、希土類元素交換LZ−210(RE−LZ−210)なども用いることができる。
本発明においては、前述した水分吸着可能なゼオライトは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
なお、当該吸水性包装材料に用いられる水分吸着可能なゼオライトにおける、SiO2/Al23モル比及びイオン交換可能なカチオンのリチウムイオン及びランタノイド金属イオンへの交換率は、下記に示す方法に従って測定した値である。
<SiO2/Al23モル比の測定>
SiO2/Al23モル比は、XFS(蛍光X線測定装置)を用いた測定により、当該ケイ素及びアルミニウムの定量値をもとに算出することができる。
<イオン交換可能なカチオンのリチウムイオン及びランタノイド金属イオンへの交換率の測定>
イオン交換可能なカチオンのリチウムイオン及びランタノイド金属イオンへの交換率は、XFS(蛍光X線測定装置)又はICP(発光分析装置)を用いた測定により、当該リチウム及びランタノイド金属の定量値をもとに算出することができる。
【0021】
当該吸水性包装材料においては、使用後にゼオライトに吸着された水分を、加熱及び/又は減圧処理により、前記で定義される脱着率が50%以上になるように脱着するが、大気圧下又は減圧下、150℃以下の温度にて脱着し得ることが好ましく、80℃以下の温度で脱着し得ることがより好ましく、50℃以下の温度で脱着し得ることがさらに好ましく、20〜40℃の温度で脱着し得ることが特に好ましい。
また、減圧下で脱着する場合には、通常0.1〜50kPa程度、好ましくは1〜10kPaの圧力で操作することが望ましい。
【0022】
(吸水性包装材料の形態)
本発明の吸水性包装材料は、水分吸着可能なゼオライトを含有する樹脂層を有する形態とすることができ、該樹脂層を構成する樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリビニルアルコール及びポリアミドの中から選ばれる少なくとも1種、並びにそれらの共重合体又はそれらの混合物が好適である。さらに、好ましい形態として、外層に水蒸気バリア層を有し、内層に前記ゼオライトを含有する樹脂層を有する形態を挙げることができる。
なお、本発明においては、前記の水分吸着可能なゼオライトを含有する樹脂層の代わりに、該ゼオライトを担持した有機繊維不織布や混抄紙などを用いることもできる。
前記水蒸気バリア層としては、例えばアルミニウム層、疎水性化合物で表面処理したポリエステル樹脂層及びポリオレフィン層から選ばれる少なくとも一種の層を挙げることができる。上記疎水性化合物で表面処理したポリエステル樹脂層としては、例えばシリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層などが挙げられる。
【0023】
次に、前述した吸水性包装材料の製造方法について説明する。
[吸水性包装材料の製造方法]
本発明の吸水性包装材料の製造方法は、水分吸着可能なゼオライトを樹脂と混練してマスターバッチとし、このマスターバッチを用いて得られた該ゼオライトをフィルム状、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形し、包装材料とすることを特徴とする。当該マスターバッチは、ゼオライトを好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは20〜50質量%の割合で含有するものである。こうして得られたゼオライト含有マスターバッチをそのままあるいは樹脂と混合してフィルム状、シート状及びボトル状のいずれかに成形し、包装材料とする。マスターバッチと混合する樹脂は特に限定されないが、マスターバッチを製造する際に用いた樹脂を用いることが、マスターバッチとの相溶性、物性の維持等の観点から好ましい。フィルム状、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかの成形体中に含有されるゼオライト量は、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは3〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%である。含有ゼオライト量が少なすぎると所望の吸水性能が発現しない恐れがあり、また多すぎると経済的観点やフィルムやシートとしての物性が低下する恐れがあるので好ましくない。
この製造方法においては、前記フィルム状、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形する際に、あるいは成形後に、ゼオライト含有樹脂層を有する層と、水蒸気バリア層とを接合して包装材料とすることが好ましい。
なお、前記樹脂組成物を構成する樹脂としては、前述のゼオライトを含有する樹脂層の説明において例示した樹脂を用いることができるが、これらの中で、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂が好適であり、その中でも特にポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレート樹脂が好適である。
【0024】
次に、本発明の吸水性包装材料における層構成について、具体例を挙げて説明すると、最外層に厚み10〜50μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)層、次に水蒸気バリア層として厚み1〜10μm程度のアルミニウム層、吸湿層(ゼオライト含有樹脂層を有する層)として厚み50〜300μm程度の共押出層からなるフィルムを順次設けてなる本発明の吸水性包装材料の層構成を例示することができる。
なお、前記共押出層は、粒径5μm程度のランタノイド系金属を含むゼオライト粒子を5〜50質量%程度含有する厚み50〜150μm程度のポリプロピレン層の両側に、吸水性能制御等の目的で厚み5〜30μm程度のポリプロピレン層を設けたものである。
また、本発明においては、前記吸湿層として、前記のゼオライト粒子5〜70質量%程度を担持した厚み20〜500μm程度の有機繊維製不織布や混抄紙などを用いることもできる。
さらに、最外層のPET層と、水蒸気バリア層のアルミニウム層との組合わせの代わりに、最外層にシリカ蒸着PET層を設け、アルミニウム層を省いてもよい。
この吸水性包装材料を用い、所定寸法のパウチを作製する。
【0025】
本発明はまた、前述の再使用可能な吸水性包装材料を大気圧下又は減圧下に、150℃以下の温度で加熱することにより、水分を脱着することを特徴とする吸水性包装材料の再生方法をも提供する。
この再生方法においては、前記加熱温度が80℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、20〜40℃であることがさらに好ましい。
また、減圧下で脱着する場合には、通常0.1〜50kPa程度、好ましくは1〜10kPaの圧力で操作することが望ましい。
【実施例】
【0026】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、水分脱着率は、明細書本文で示した式に従って算出し、ランタノイド系金属へのイオン交換率は、XFS(蛍光X線測定装置)を用いた測定により、該金属の定量値をもとに算出した。
【0027】
実施例1
最外層に厚み12μmのPET(三菱化学(株)製)層、次に水蒸気バリア層として厚み7μmのアルミニウム層、吸湿層として厚み140μmの共押出層からなるフィルムを形成した。共押出層は、厚み100μmの、ランタノイド系金属としてLa3+を含むY型ゼオライトパウダー(ユニオン昭和株式会社製、イオン交換率:約25%)を50質量%含有するポリプロピレン(サンアロマー社製、温度230℃、荷重21.18NにおけるMI=7g/10分)層の両側に、厚み20μmのゼオライトを含まない上記ポリプロピレン層を設けたものである。上記フィルムを用いて、寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内容積は約130mLとなった。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間 (h) 0 4
相対湿度(%) 55 5
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は82質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間 (h) 0 4
相対湿度(%) 56 6
【0028】
実施例2
最外層及び水蒸気バリア層として、厚み12μmのシリカ蒸着PET層(三菱化学(株)製、テックバリアPET:HI−3)を用いる以外は、実施例1と同様にして寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間 (h) 0 4
相対湿度(%) 53 4
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は79質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間 (h) 0 4
相対湿度(%) 57 5
【0029】
実施例3
吸湿層として、実施例1のゼオライトを60質量%担持した厚み200μmのポリエステル製不織布を用いる以外は、実施例1と同様にして寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 60 8
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は80質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間 (h) 0 4
相対湿度(%) 57 7
【0030】
実施例4
ゼオライトとして、リチウムイオンを70%含むY型ゼオライト(SiO2/Al23モル比=70)を用いる以外は、実施例1と同様にして寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 63 9
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は81質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 61 10
【0031】
実施例5
ゼオライトとして、シリコアルミノ燐酸(UOP社製、商品名「SAPO−34」)を用いる以外は、実施例1と同様にして寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 55 7
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は85質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 57 8
【0032】
実施例6
ゼオライトとして、プロトンタイプのY型ゼオライト(SiO2/Al23モル比=5、ナトリウムイオン約15%、プロトン約85%)を用いる以外は、実施例1と同様にして寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 60 9
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は80質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 59 10
【0033】
実施例7
吸湿層としてとして、ポリプロピレン層に代えてPET層(PETは三井化学社製J125、層の構成は実施例1のポリプロピレン層と同じ)を用いる以外は実施例1と同様にして寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 60 7
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は81質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 61 8
【0034】
実施例8
ゼオライトとして、ナトリウムタイプのβ型ゼオライト(SiO2/Al23モル比=15)を用いる以外は、実施例1と同様にして寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 59 8
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は76質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 58 9
【0035】
比較例1
ゼオライトとして、ユニオン昭和株式会社製ゼオライト3Aパウダー(A型ゼオライト、SiO2/Al23モル比=1)を用いる以外は、実施例1と同様にして、寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 55 4
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は40質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 55 40
上記結果より、乾燥剤としてA型ゼオライトを用いると、使用後100℃での乾燥ではパウチの再使用は不可能であることがわかる。
【0036】
比較例2
ゼオライトに変えて、A型シリカゲル粉末(富士シリシア化学(株)製)を用いる以外は、実施例1と同様にして、寸法200mm×200mmのパウチを製造した。パウチ内部に湿度計を挿入し、封をし、パウチ内部の湿度を測定したところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 55 25
湿度計を取り出し、上記試験に用いたパウチを開け、内温100℃の乾燥機にて5時間乾燥を行った。この際、水分脱着率は85質量%であった。封をして室温まで冷却した後、再度乾燥試験を行ったところ、下記の結果となった。
時 間(h) 0 4
相対湿度(%) 55 25
乾燥剤としてシリカゲルを用いると、乾燥することによりパウチの再使用は可能であるものの、シリカゲルの吸着特性の限界から、パウチ内の湿度を10%以下にすることは不可能であった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の吸水性包装材料は、好ましくは特定の性状を有する水分吸着可能なゼオライトを含有し、かつ該ゼオライトに吸着された水分を、大気圧下又は減圧下に加熱することにより容易に脱着することができ、該包装材料を再使用することが可能となる。
本発明の包装材料を使用するのに適する内容物としては、例えば水に対して不安定であったり変質したり劣化する可能性があるものが挙げられる。
例えば加水分解したり水と反応したりする可能性のある化学物質すなわちエステル化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、不飽和結合を有する化合物およびその重合体等が挙げられる。
また吸水性があり、溶解したり固着したりする可能性がある物質の包装材料としても好適である。溶解したり固着したりする可能性のある物質としては塩化ナトリウム等の無機塩類、アミノ酸類、たんぱく質類等が挙げられる。
更に、腐食性がある物質すなわち金属機械類等の包装材料としても好適である。また、水分により劣化等のおそれがある電子材料等の包装材料としても好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分吸着可能なゼオライトを含有する、下記で定義される吸水性包装材料であって、使用後に該ゼオライトに吸着された水分を、加熱及び減圧の少なくともいずれかで処理して、下記で定義される水分脱着を行うことを特徴とする再使用可能な吸水性包装材料。
<吸水性包装材料の定義>
当該吸水性包装材料からなる寸法200mm×200mmのパウチ内部に湿度計を挿入して密封し、20℃、相対湿度50〜60%の環境下に4時間保存後の相対湿度が、初期値の20%以下のものであると定義される。
<水分脱着の定義>
当該包装材料からなる前記パウチが吸着した水の質量をAg、加熱及び/又は減圧処理して前記パウチから脱着した水の質量をBgとした場合、下記式で表される脱着率が50質量%以上であると定義される。
脱着率(%)=(B/A)×100
【請求項2】
前記使用後にゼオライトに吸着された水分の水分脱着を、大気圧下又は減圧下、150℃以下の温度にて行う請求項1に記載の再使用可能な吸水性包装材料。
【請求項3】
ゼオライトを含有する樹脂層を有し、該樹脂層を構成する樹脂が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、及びポリアミドから選ばれる少なくとも1種、並びにそれらの共重合体またはそれらの混合物である請求項1又は2に記載の再使用可能な吸水性包装材料。
【請求項4】
前記水分吸着可能なゼオライトが、下記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料。
(A)SiO2/Al23モル比が10.0以上であるβ型ゼオライト。
(B)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の10%以上がリチウムイオンであり、SiO2/Al23モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
(C)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の5%以上がランタノイド金属イオンであるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
(D)ゼオライト骨格にリン原子を含む、シリコアルミノ燐酸型ゼオライト。
(E)ゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の80%以上がプロトン(水素イオン)であり、かつリチウムイオン及びランタノイド金属イオンが5%未満である、SiO2/Al23モル比が5.0以上であるY型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト及びβ型ゼオライトから選ばれる少なくとも一種。
【請求項5】
前記(B)のゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の30%以上が、リチウムイオンである請求項4に記載の吸水性包装材料。
【請求項6】
前記(C)のゼオライト中のイオン交換可能なイオン数の20%以上が、ランタノイド金属イオンである請求項4に記載の再使用可能な吸水性包装材料。
【請求項7】
外層に水蒸気バリア層を有し、かつ内層にゼオライトを含有する樹脂層を有する請求項1〜6のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料。
【請求項8】
前記ゼオライトを含有する樹脂層を構成する樹脂が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、及びポリアミドから選ばれる少なくとも1種、並びにそれらの共重合体またはそれらの混合物である請求項7に記載の再使用可能な吸水性包装材料。
【請求項9】
前記水蒸気バリア層が、アルミニウム層、疎水性化合物で表面処理したポリエステル樹脂層、及びポリオレフィン層から選ばれる少なくとも1種の層である請求項7又は8に記載の再使用可能な吸水性包装材料。
【請求項10】
前記水蒸気バリア層が、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層である請求項9に記載の再使用可能な吸水性包装材料。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料の製造方法であって、
ゼオライトを樹脂と混練してマスターバッチとし、該マスターバッチを用いてフィルム、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形し、包装材料とすることを特徴とする再使用可能な吸水性包装材料の製造方法。
【請求項12】
ゼオライトを樹脂と混練しマスターバッチとし、該マスターバッチを用いてフィルム、シート状及びボトル状から選ばれるいずれかに成形する際に、あるいは成形後に、ゼオライト含有樹脂層を有する層と水蒸気バリア層とを接合して包装材料とする請求項11に記載の再使用可能な吸水性包装材料の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれかに記載の再使用可能な吸水性包装材料を、大気圧下又は減圧下に、150℃以下の温度で加熱することにより、水分を脱着することを特徴とする吸水性包装材料の再生方法。
【請求項14】
前記加熱温度が、80℃以下である請求項13に記載の吸水性包装材料の再生方法。

【公開番号】特開2012−116488(P2012−116488A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265296(P2010−265296)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(390016090)ユニオン昭和株式会社 (9)
【Fターム(参考)】