吸音板
【課題】軽量で安価、しかも吸音効率の高い吸音板を提供する。
【解決手段】撥水加工を施した合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式により厚さ0、5mm〜5mmにパンチング接合した不織布からなる表地板11と、撥水加工と難燃加工を施した合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式により厚さ3mm〜20mmに形成した基板17と、厚さ5μm〜100μmの熱可塑性樹脂シート地の表面全体に通気性を有する多数のピンホール21を設けて形成した遮音シート20とからなり、前記表地板11と基板17との間に前記遮音シート20を挟んで全体を加熱圧着して一体に形成したことを特徴とする。
【解決手段】撥水加工を施した合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式により厚さ0、5mm〜5mmにパンチング接合した不織布からなる表地板11と、撥水加工と難燃加工を施した合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式により厚さ3mm〜20mmに形成した基板17と、厚さ5μm〜100μmの熱可塑性樹脂シート地の表面全体に通気性を有する多数のピンホール21を設けて形成した遮音シート20とからなり、前記表地板11と基板17との間に前記遮音シート20を挟んで全体を加熱圧着して一体に形成したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や鉄道またはビルの建設現場などで発生する騒音を防止するための吸音板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路や鉄道または建築現場などで発生する騒音のうち、特に高速道路における走行車輌が発生する騒音は、断続的に長く続くため道路周辺の住民にとってその騒音公害の影響は大きい。そのため、高速道路の路肩や側壁には、走行車両による騒音防止と、道路周辺環境を保護するために多種多様な騒音防止用の防護壁が設置されている。
【0003】
前記防護壁は、道路の長さ方向に一定間隔で所望の高さに樹立させた支柱と支柱との間に、上下方向に複数の遮音パネルを積み重ねて形成してある。この防護壁に使用する遮音パネルは、高速道路を管理運営する東日本・中日本・西日本高速道路株式会社(以下、ネクスコという)によって規格化されており、遮音パネルの内部に取付けた吸音板の吸音効率にも一定の吸音基準が設定されている。
【0004】
前記遮音パネルに使用する吸音板の吸音効率は、前記ネクスコが規定する、高速道路用遮音パネルの設計要領に定める吸音板の吸音基準(吸音率が400Hzで70%以上、1KHzで80%以上、透過損失が400Hzで25dB、1KHzで30dB)をクリアする必要がある。
【0005】
そのため、前記吸音板として使用される素材は、吸音性に優れた多孔質で多空隙の構造素材であるグラスウール材により形成した吸音シートや、前記グラスウール製の吸音材よりさらに吸音効果の高いアルミ繊維材により形成した吸音シートなどが使用され、また、前記吸音板を取付けて形成した遮音パネルなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−168833号
【0006】
前記グラスウール材により形成した吸音板は、所定の吸音効果を得ることはできるが、外気や雨水に弱く劣化しやすいためグラスウール材の幅を厚くして密度を増やし、表面には型崩れを防止するための金属製の枠板を取り付けて形成してある。そのため、製造コストが高く耐候性が弱く長期間使用することができないので不経済である。
【0007】
前記アルミ繊維材により形成した吸音シートは、金属繊維により形成してあるため、グラスウール材の吸音板に比べ雨水に強く耐候性があるため長期間使用することができるが、アルミ繊維材は前記したごとく金属繊維であるため重量が重く、またコストも高くなるなどの問題点を有している。
【0008】
そこで、アルミ繊維材の量を減らして肉厚を薄くしたアルミ繊維板と、軽量な合成繊維材により形成した不織布板を結合して形成した吸音板も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献2】特開2005−345847号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前記アルミ繊維板と不織布板を結合して形成した吸音板は、吸音効率が悪く、所定の吸音率を達成するためには、アルミ繊維板や不織布板の肉厚部分を厚くする必要があった。また、金属素材であるアルミ繊維を使用するため重量が重く、さらには、道路、特に高速道路用防音壁の遮音パネルとして大量に使用することからアルミ繊維はコストが高くなってしまうため大変不経済であるなどの課題がある。
【0010】
そこで本発明は、吸音素材として前記グラス繊維やアルミ繊維と同等の吸音性を有する軽量で安価な合成繊維により形成した複数枚の布帛を積層して吸音板を形成し、該吸音板を道路や鉄道または建築現場などで発生する騒音を吸収するための遮音パネルに利用することにより、前記したグラスウール材またはアルミ繊維材により形成した吸音板より軽量で安価で経済的な遮音パネル用吸音板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、表面に撥水加工を施した不織布材からなる表地板11と、表面に撥水加工と難燃加工を施した不織布材からなる基板17と、合成樹脂フィルム材の表面全体に通気性を有する多数のピンホール21を設けて形成した遮音シート20とからなり、前記遮音シート20を前記表地板11と基板17との間に挟みそれぞれ加熱圧着して一体に形成したことを特徴とする。また、前記表地板11は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維材で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする。さらには、前記表地板11は、合成繊維の短繊維で形成したウエブと、目付50g/m2〜400g/m2の合成繊維材からなる織基布あるいは長繊維の糸状基材などからなる補強基布12を、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする。さらにはまた、前記表地板11は、表面全体または任意箇所に周囲の景観にあわせて各種模様や色彩を施してなることを特徴とする。また、前記基板17が、目付が100g/
m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を3mm〜20mmに形成したことを特徴とする。さらには、前記遮音シート20は、厚さ5μm〜100μmのポリオレフィン系あるいはポリアミド系あるいはポリエステル系などの熱可塑性樹脂シートで、表面全体に通気性を有するピンホールを多数設けてなり、該遮音シートの表面側に前記表地板(11)の裏面を合わせ、裏面側に前記基板(17)の一面を合わせた全体を100℃〜200℃の温度で加熱すると共に、加圧力0.5〜2kg/cm2のローラで圧着して一体に形成したことを特徴とする。
【0012】
したがって、吸音板10をそれぞれ肉厚が相違する表地板11と基板17との間に通気性を有するピンホール21を全面に穿った遮音シート20を挟んで加熱圧着して一体に形成したことにより、全体の肉厚が薄く軽量で安価な吸音板を提供することができる。また、この吸音板10を取付けたて形成した遮音パネル30の吸音効率は、前記「ネクスコ」が規定する高速道路用遮音パネルの設計要領に定める基準をクリアすることができる。さらには、吸音板10の表面に色彩や模様を着色することにより、この吸音板を取付けた遮音パネルで形成した防護壁は、該防護壁からの圧迫感を軽減し、運転者の視覚性を和らげて気持ちを落ち着かせることにより安全運転の向上を図ると共に、防護壁の景観を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面により説明すると、図1は吸音板の要部分解斜視図、図2は吸音板の要部拡大断面図、図3は補強基布の第1実施例を示す斜視図、図4は補強基布の第2実施例を示す斜視図、図5遮音シートの一部拡大平面図、図6は吸音板を遮音パネルに取付けた使用状態を示す斜視図、図7は遮音パネルの中央縦断面図である。本発明にかかる吸音板10は、布帛、例えば織基布、編基布、不織布などで、特に撥水加工を施した不織布材により形成した表地板11と、同じく撥水加工と難燃加工を施した不織布材により形成した基板17との間に合成樹脂シートからなる遮音シート20を挟んで加熱圧着して一体に形成してある。
【0014】
前記吸音板10を構成する吸音素材である表地板11と基板17は、それぞれ耐候性と吸音効率が高いことが要求されることから、図1、2に示すごとく、合成繊維、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ポリプロピレン系またはポリエチレン系などのいずれかの繊維を使用することができる。しかし、耐候性と吸音効率の高さが求められることからポリエステル系繊維で、目付100g/m2〜2000g/m2、好ましくは200g/m2〜500g/m2で、繊度1〜60dtex、好ましくは3〜15dtexの合成繊維を短繊維に形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチィング接合することにより多孔質で多空隙の不織布に形成することにより、吸音効率を向上させることができる。
【0015】
前記表地板11は、肉厚を0、5mm〜5mmの薄厚で、好ましくは1、5mm〜2、5mmの肉厚に形成し、表面には公知のフッ素系撥水剤を含浸加工または塗布加工し、前記表地板11内、または裏面全体に合成繊維材で形成した補強基布12を一体に取付けてある。
【0016】
前記補強基布12は、合成繊維、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ポリプロピレン系またはポリエチレン系などのいずれかを使用することができるが、好ましくは、目付50g/m2〜400g/m2のポリエチレンテレフタレート合成繊維材で、繊度200dtex以上、好ましくは、500〜5000dtexからなる織基布あるいは長繊維の糸状基材などで形成した芯糸を使用する。図3に示すごとく、複数本の芯糸を表地板の垂直方向に所定間隔(1本以上/インチ間、好ましくは、4〜10本/インチ)で並べて形成した第1補強基布12aを、ニードルパンチ方式により前記表地板11と一体にパンチング接合して混在、または表地板11の裏面にパンチング接合して一体に形成してある。
【0017】
さらには、図4に示すごとく、前記芯糸を織り込みまたは編み込みこんで格子状に形成した第2補強基布12bにおいても、前記表地板11と一体にパンチング接合して混在、または表地板11の裏面にパンチング接合して一体に形成することにより、表地板11の強度と耐久性を向上させ、外気にさらされて風雨の影響を受け続けても劣化せず、いわゆる耐候性を高めることができる。
【0018】
また、前記表地板11の表面には、周囲の景観にあわせて各種模様や色彩を着色することができる。着色は、繊維そのものにカーボンやチタンなどの微粒子や顔料などを練りこむ方法と、表吸音層を染色する方法または、表面に顔料やペンキなどを付着させる方法などがあるが、好ましくは、表吸音層を任意模様や色彩に染色する方法がよい。
【0019】
前記のごとく、表面を着色して形成した吸音板10を遮音パネル30に取付けて防護壁を形成することにより防護壁からの圧迫感を軽減し、運転者の視覚性を和らげて気持ちを落ち着かせることができるので、安全運転の向上を図ると共に防護壁の景観を改善することができる。
【0020】
前記基板17は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を3mm〜20mm、好ましくは5mm〜7mmの肉厚に形成することにより、吸音板10全体の強度性を高めて形態を維持すると共に、より吸音効率を高めることができる。
【0021】
前記遮音シート20は、遮音性を有する合成樹脂シート材、例えば、ポリオレフィン系あるいはポリアミド系あるいはポリエステル系などの熱可塑性樹脂シートからなり、全体の厚さを15μm〜200μm、好ましくは、30μm〜100μmの厚さに形成し、表面全体に通気性を有する0.05mm〜5.0mmのピンホール21、好ましくは、0.3mm〜3.0mmの径を有するピンホール21を多数設けてある。
【0022】
この遮音シート20を、例えば、通気性を有するピンホール21を設けずに前記表地板11と基板17との間に接着すると、遮音シートは空気を通さないため騒音を吸収することができず、騒音を反射させてしまうため吸音効果が半減する。また、遮音シート20を取付けずに不織布のみで吸音板を形成した場合、所望の吸音効率を達成するためには、不織布の肉厚をさらに厚くしなければ所望の吸音効率を達成することができない。
【0023】
そこで、遮音シート20の表面に通気性を有するピンホール21を設け、該ピンホールの数の増減、または各孔径の大きさを調整することにより空気の通気量を調整して騒音の遮音量と、所定の肉厚に形成した前記表地板11と基板17の吸音率とを調整する。したがって、遮音シート20に設けたピンホール21の孔径は、前記した如く、0.3mm〜2.0mmに形成することにより、吸音板10全体の肉厚を10mm以下の薄厚で、しかも遮音パネルに取付けた場合、前記「ネクスコ」が定める吸音効率をクリアすることができる。
【0024】
また、前記遮音シート20の両面に周知の接着フイルムを接着して形成することにより、吸音板10の加工を容易にすることができる。接着フイルムとして使用する接着剤は、オレフィン系またはエチレン系の熱可塑性接着剤が好ましい。
加工方法は、例えば、エアースルー式サクション機を使用して加熱温度を100℃〜200℃、好ましくは140℃〜160℃で加熱した後、加圧力を0.5kg/cm2〜2kg/cm2、好ましくは、1.3kg/cm2〜1.8kg/cm2の加圧力を有するローラで圧着して一体に形成する。
【0025】
本発明にかかる吸音板10を使用して遮音パネル30を形成し、当該遮音パネル30の吸音効率および透過損失を測定した結果、以下の図8から図16に示すごとく、地方独立行政法人東京都立産業技術センターによる、成績証明書に示すとおりである。
【0026】
ここで、前記吸音板10の吸音率の評価方法について説明すると、基本的にはJISで定めた方法によるが、当該吸音板の用途が道路や鉄道または建築現場などで発生する騒音を防止するための遮音パネルに利用することから、特に高速道路を管理運営する前記した「ネクスコ」が定める遮音パネルの設計要領に定める吸音率の基準をクリアする必要がある。
【0027】
「ネクスコ」が定める遮音パネルの設計要領に定める吸音率の基準は、騒音に係わる環境基準及び騒音規制基準に準拠するもので、環境基本法第16条において、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で「維持されることが望ましい基準」として道路に面する地域の環境基準が定められている。
【0028】
その高速道路用遮音パネルの設計要領に定める吸音板の吸音基準は、吸音率が400Hzで70%以上、1KHzで80%以上、透過損失が400Hzで25dB、1KHzで30dBをクリアする必要がある。
【0029】
吸音効率は、図8から図11に示すごとく、JISA1409:1998に準拠して行った残響室法吸音率測定の結果、400Hzで、0.90、1KHzで、1.03であった。
【0030】
透過損失は、図12から図16に示すごとく、JISA1416:2000に準拠して行った音響透過損失測定の結果、400Hzで27.1dB、1KHzで36.6dBであった。
【0031】
本発明に係る吸音板10を取付けた遮音パネル30は、前記「ネクスコ」が定める高速道路用遮音パネルの設計要領に定める基準(吸音率が400Hzで70%以上、1KHzで80%以上、透過損失が400Hzで25dB、1KHzで30dB)をいずれもクリアしていることが証明されたものである。
【0032】
図6、7は、本発明に係る吸音板10を遮音パネル30に取付けた実施形態を示すもので、遮音パネル30は、前記「ネクスコ」が規格化した枠本体31の正面に、前記吸音板10を取付ける開口部33を設け、背後に空気室35を設けて形成してある。
【0033】
前記枠本体31の開口部33に少なくとも1以上の前記吸音板10を垂直方向に多段に取付けると共に、各吸音板10の両端を前記開口部33の両側にそれぞれ固着して形成する。次いで、この開口部33に取付けた各吸音板10の垂直方向に、棒状に形成した方立片40を互い違いに介在させて表面を波形状に形成する。
【0034】
前記したごとく、本願発明にかかる吸音板10を使用して形成した遮音パネル30を防護壁として使用すると、前記吸音板10は耐候性を有するため野ざらし状態のままでも経年変化することなく長期間使用することができる。表地板11と基板17を不織布材により形成してあるため、軽量で安価であると共に、表面には色彩や模様を自由に着色することができる。
【0035】
表面に色彩や模様を施こした吸音板10を使用した遮音パネル30を防護壁として使用した場合、遮音パネル30の色彩や模様が風合いを出すことができるので、高速道路を走行する運転者の視覚を和ませることができると共に、防護壁全体から受ける圧迫感を軽減することができるので安全運転の向上を図ることができ、且つ、周囲環境の改善も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】吸音板の要部分解斜視図である。
【図2】吸音材の要部拡大断面図である。
【図3】補強基布の第1実施例を示す斜視図である。
【図4】補強基布の第2実施例を示す斜視図である。
【図5】遮音シートの一部拡大平面図である。
【図6】吸音板を遮音パネルに取付けた使用状態を示す斜視図である。
【図7】遮音パネルの中央縦断面図である。
【図8】残響室法吸音率測定結果証明書である。
【図9】残響室法吸音率測定結果の数値表およびグラフである。
【図10】残響室法吸音率測定の試料の仕様図である。
【図11】残響室法吸音率測定の試料の設置状態である。
【図12】音響透過損失測定結果証明書である。
【図13】音響透過損失測定結の数値表およびグラフである。
【図14】音響透過損失測定の測定概要図である。
【図15】音響透過損失測定の試料詳細図である。
【図16】音響透過損失測定の試料配置図である。
【符号の説明】
【0037】
10 吸音板
11 表地板
12a 第1補強基布
12b 第2補強基布
17 基板
20 遮音シート
21 ピンホール
30 遮音パネル
31 枠本体
33 開口部
35 空気室
40 方立片
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や鉄道またはビルの建設現場などで発生する騒音を防止するための吸音板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路や鉄道または建築現場などで発生する騒音のうち、特に高速道路における走行車輌が発生する騒音は、断続的に長く続くため道路周辺の住民にとってその騒音公害の影響は大きい。そのため、高速道路の路肩や側壁には、走行車両による騒音防止と、道路周辺環境を保護するために多種多様な騒音防止用の防護壁が設置されている。
【0003】
前記防護壁は、道路の長さ方向に一定間隔で所望の高さに樹立させた支柱と支柱との間に、上下方向に複数の遮音パネルを積み重ねて形成してある。この防護壁に使用する遮音パネルは、高速道路を管理運営する東日本・中日本・西日本高速道路株式会社(以下、ネクスコという)によって規格化されており、遮音パネルの内部に取付けた吸音板の吸音効率にも一定の吸音基準が設定されている。
【0004】
前記遮音パネルに使用する吸音板の吸音効率は、前記ネクスコが規定する、高速道路用遮音パネルの設計要領に定める吸音板の吸音基準(吸音率が400Hzで70%以上、1KHzで80%以上、透過損失が400Hzで25dB、1KHzで30dB)をクリアする必要がある。
【0005】
そのため、前記吸音板として使用される素材は、吸音性に優れた多孔質で多空隙の構造素材であるグラスウール材により形成した吸音シートや、前記グラスウール製の吸音材よりさらに吸音効果の高いアルミ繊維材により形成した吸音シートなどが使用され、また、前記吸音板を取付けて形成した遮音パネルなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−168833号
【0006】
前記グラスウール材により形成した吸音板は、所定の吸音効果を得ることはできるが、外気や雨水に弱く劣化しやすいためグラスウール材の幅を厚くして密度を増やし、表面には型崩れを防止するための金属製の枠板を取り付けて形成してある。そのため、製造コストが高く耐候性が弱く長期間使用することができないので不経済である。
【0007】
前記アルミ繊維材により形成した吸音シートは、金属繊維により形成してあるため、グラスウール材の吸音板に比べ雨水に強く耐候性があるため長期間使用することができるが、アルミ繊維材は前記したごとく金属繊維であるため重量が重く、またコストも高くなるなどの問題点を有している。
【0008】
そこで、アルミ繊維材の量を減らして肉厚を薄くしたアルミ繊維板と、軽量な合成繊維材により形成した不織布板を結合して形成した吸音板も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献2】特開2005−345847号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前記アルミ繊維板と不織布板を結合して形成した吸音板は、吸音効率が悪く、所定の吸音率を達成するためには、アルミ繊維板や不織布板の肉厚部分を厚くする必要があった。また、金属素材であるアルミ繊維を使用するため重量が重く、さらには、道路、特に高速道路用防音壁の遮音パネルとして大量に使用することからアルミ繊維はコストが高くなってしまうため大変不経済であるなどの課題がある。
【0010】
そこで本発明は、吸音素材として前記グラス繊維やアルミ繊維と同等の吸音性を有する軽量で安価な合成繊維により形成した複数枚の布帛を積層して吸音板を形成し、該吸音板を道路や鉄道または建築現場などで発生する騒音を吸収するための遮音パネルに利用することにより、前記したグラスウール材またはアルミ繊維材により形成した吸音板より軽量で安価で経済的な遮音パネル用吸音板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、表面に撥水加工を施した不織布材からなる表地板11と、表面に撥水加工と難燃加工を施した不織布材からなる基板17と、合成樹脂フィルム材の表面全体に通気性を有する多数のピンホール21を設けて形成した遮音シート20とからなり、前記遮音シート20を前記表地板11と基板17との間に挟みそれぞれ加熱圧着して一体に形成したことを特徴とする。また、前記表地板11は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維材で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする。さらには、前記表地板11は、合成繊維の短繊維で形成したウエブと、目付50g/m2〜400g/m2の合成繊維材からなる織基布あるいは長繊維の糸状基材などからなる補強基布12を、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする。さらにはまた、前記表地板11は、表面全体または任意箇所に周囲の景観にあわせて各種模様や色彩を施してなることを特徴とする。また、前記基板17が、目付が100g/
m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を3mm〜20mmに形成したことを特徴とする。さらには、前記遮音シート20は、厚さ5μm〜100μmのポリオレフィン系あるいはポリアミド系あるいはポリエステル系などの熱可塑性樹脂シートで、表面全体に通気性を有するピンホールを多数設けてなり、該遮音シートの表面側に前記表地板(11)の裏面を合わせ、裏面側に前記基板(17)の一面を合わせた全体を100℃〜200℃の温度で加熱すると共に、加圧力0.5〜2kg/cm2のローラで圧着して一体に形成したことを特徴とする。
【0012】
したがって、吸音板10をそれぞれ肉厚が相違する表地板11と基板17との間に通気性を有するピンホール21を全面に穿った遮音シート20を挟んで加熱圧着して一体に形成したことにより、全体の肉厚が薄く軽量で安価な吸音板を提供することができる。また、この吸音板10を取付けたて形成した遮音パネル30の吸音効率は、前記「ネクスコ」が規定する高速道路用遮音パネルの設計要領に定める基準をクリアすることができる。さらには、吸音板10の表面に色彩や模様を着色することにより、この吸音板を取付けた遮音パネルで形成した防護壁は、該防護壁からの圧迫感を軽減し、運転者の視覚性を和らげて気持ちを落ち着かせることにより安全運転の向上を図ると共に、防護壁の景観を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面により説明すると、図1は吸音板の要部分解斜視図、図2は吸音板の要部拡大断面図、図3は補強基布の第1実施例を示す斜視図、図4は補強基布の第2実施例を示す斜視図、図5遮音シートの一部拡大平面図、図6は吸音板を遮音パネルに取付けた使用状態を示す斜視図、図7は遮音パネルの中央縦断面図である。本発明にかかる吸音板10は、布帛、例えば織基布、編基布、不織布などで、特に撥水加工を施した不織布材により形成した表地板11と、同じく撥水加工と難燃加工を施した不織布材により形成した基板17との間に合成樹脂シートからなる遮音シート20を挟んで加熱圧着して一体に形成してある。
【0014】
前記吸音板10を構成する吸音素材である表地板11と基板17は、それぞれ耐候性と吸音効率が高いことが要求されることから、図1、2に示すごとく、合成繊維、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ポリプロピレン系またはポリエチレン系などのいずれかの繊維を使用することができる。しかし、耐候性と吸音効率の高さが求められることからポリエステル系繊維で、目付100g/m2〜2000g/m2、好ましくは200g/m2〜500g/m2で、繊度1〜60dtex、好ましくは3〜15dtexの合成繊維を短繊維に形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチィング接合することにより多孔質で多空隙の不織布に形成することにより、吸音効率を向上させることができる。
【0015】
前記表地板11は、肉厚を0、5mm〜5mmの薄厚で、好ましくは1、5mm〜2、5mmの肉厚に形成し、表面には公知のフッ素系撥水剤を含浸加工または塗布加工し、前記表地板11内、または裏面全体に合成繊維材で形成した補強基布12を一体に取付けてある。
【0016】
前記補強基布12は、合成繊維、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ポリプロピレン系またはポリエチレン系などのいずれかを使用することができるが、好ましくは、目付50g/m2〜400g/m2のポリエチレンテレフタレート合成繊維材で、繊度200dtex以上、好ましくは、500〜5000dtexからなる織基布あるいは長繊維の糸状基材などで形成した芯糸を使用する。図3に示すごとく、複数本の芯糸を表地板の垂直方向に所定間隔(1本以上/インチ間、好ましくは、4〜10本/インチ)で並べて形成した第1補強基布12aを、ニードルパンチ方式により前記表地板11と一体にパンチング接合して混在、または表地板11の裏面にパンチング接合して一体に形成してある。
【0017】
さらには、図4に示すごとく、前記芯糸を織り込みまたは編み込みこんで格子状に形成した第2補強基布12bにおいても、前記表地板11と一体にパンチング接合して混在、または表地板11の裏面にパンチング接合して一体に形成することにより、表地板11の強度と耐久性を向上させ、外気にさらされて風雨の影響を受け続けても劣化せず、いわゆる耐候性を高めることができる。
【0018】
また、前記表地板11の表面には、周囲の景観にあわせて各種模様や色彩を着色することができる。着色は、繊維そのものにカーボンやチタンなどの微粒子や顔料などを練りこむ方法と、表吸音層を染色する方法または、表面に顔料やペンキなどを付着させる方法などがあるが、好ましくは、表吸音層を任意模様や色彩に染色する方法がよい。
【0019】
前記のごとく、表面を着色して形成した吸音板10を遮音パネル30に取付けて防護壁を形成することにより防護壁からの圧迫感を軽減し、運転者の視覚性を和らげて気持ちを落ち着かせることができるので、安全運転の向上を図ると共に防護壁の景観を改善することができる。
【0020】
前記基板17は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を3mm〜20mm、好ましくは5mm〜7mmの肉厚に形成することにより、吸音板10全体の強度性を高めて形態を維持すると共に、より吸音効率を高めることができる。
【0021】
前記遮音シート20は、遮音性を有する合成樹脂シート材、例えば、ポリオレフィン系あるいはポリアミド系あるいはポリエステル系などの熱可塑性樹脂シートからなり、全体の厚さを15μm〜200μm、好ましくは、30μm〜100μmの厚さに形成し、表面全体に通気性を有する0.05mm〜5.0mmのピンホール21、好ましくは、0.3mm〜3.0mmの径を有するピンホール21を多数設けてある。
【0022】
この遮音シート20を、例えば、通気性を有するピンホール21を設けずに前記表地板11と基板17との間に接着すると、遮音シートは空気を通さないため騒音を吸収することができず、騒音を反射させてしまうため吸音効果が半減する。また、遮音シート20を取付けずに不織布のみで吸音板を形成した場合、所望の吸音効率を達成するためには、不織布の肉厚をさらに厚くしなければ所望の吸音効率を達成することができない。
【0023】
そこで、遮音シート20の表面に通気性を有するピンホール21を設け、該ピンホールの数の増減、または各孔径の大きさを調整することにより空気の通気量を調整して騒音の遮音量と、所定の肉厚に形成した前記表地板11と基板17の吸音率とを調整する。したがって、遮音シート20に設けたピンホール21の孔径は、前記した如く、0.3mm〜2.0mmに形成することにより、吸音板10全体の肉厚を10mm以下の薄厚で、しかも遮音パネルに取付けた場合、前記「ネクスコ」が定める吸音効率をクリアすることができる。
【0024】
また、前記遮音シート20の両面に周知の接着フイルムを接着して形成することにより、吸音板10の加工を容易にすることができる。接着フイルムとして使用する接着剤は、オレフィン系またはエチレン系の熱可塑性接着剤が好ましい。
加工方法は、例えば、エアースルー式サクション機を使用して加熱温度を100℃〜200℃、好ましくは140℃〜160℃で加熱した後、加圧力を0.5kg/cm2〜2kg/cm2、好ましくは、1.3kg/cm2〜1.8kg/cm2の加圧力を有するローラで圧着して一体に形成する。
【0025】
本発明にかかる吸音板10を使用して遮音パネル30を形成し、当該遮音パネル30の吸音効率および透過損失を測定した結果、以下の図8から図16に示すごとく、地方独立行政法人東京都立産業技術センターによる、成績証明書に示すとおりである。
【0026】
ここで、前記吸音板10の吸音率の評価方法について説明すると、基本的にはJISで定めた方法によるが、当該吸音板の用途が道路や鉄道または建築現場などで発生する騒音を防止するための遮音パネルに利用することから、特に高速道路を管理運営する前記した「ネクスコ」が定める遮音パネルの設計要領に定める吸音率の基準をクリアする必要がある。
【0027】
「ネクスコ」が定める遮音パネルの設計要領に定める吸音率の基準は、騒音に係わる環境基準及び騒音規制基準に準拠するもので、環境基本法第16条において、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で「維持されることが望ましい基準」として道路に面する地域の環境基準が定められている。
【0028】
その高速道路用遮音パネルの設計要領に定める吸音板の吸音基準は、吸音率が400Hzで70%以上、1KHzで80%以上、透過損失が400Hzで25dB、1KHzで30dBをクリアする必要がある。
【0029】
吸音効率は、図8から図11に示すごとく、JISA1409:1998に準拠して行った残響室法吸音率測定の結果、400Hzで、0.90、1KHzで、1.03であった。
【0030】
透過損失は、図12から図16に示すごとく、JISA1416:2000に準拠して行った音響透過損失測定の結果、400Hzで27.1dB、1KHzで36.6dBであった。
【0031】
本発明に係る吸音板10を取付けた遮音パネル30は、前記「ネクスコ」が定める高速道路用遮音パネルの設計要領に定める基準(吸音率が400Hzで70%以上、1KHzで80%以上、透過損失が400Hzで25dB、1KHzで30dB)をいずれもクリアしていることが証明されたものである。
【0032】
図6、7は、本発明に係る吸音板10を遮音パネル30に取付けた実施形態を示すもので、遮音パネル30は、前記「ネクスコ」が規格化した枠本体31の正面に、前記吸音板10を取付ける開口部33を設け、背後に空気室35を設けて形成してある。
【0033】
前記枠本体31の開口部33に少なくとも1以上の前記吸音板10を垂直方向に多段に取付けると共に、各吸音板10の両端を前記開口部33の両側にそれぞれ固着して形成する。次いで、この開口部33に取付けた各吸音板10の垂直方向に、棒状に形成した方立片40を互い違いに介在させて表面を波形状に形成する。
【0034】
前記したごとく、本願発明にかかる吸音板10を使用して形成した遮音パネル30を防護壁として使用すると、前記吸音板10は耐候性を有するため野ざらし状態のままでも経年変化することなく長期間使用することができる。表地板11と基板17を不織布材により形成してあるため、軽量で安価であると共に、表面には色彩や模様を自由に着色することができる。
【0035】
表面に色彩や模様を施こした吸音板10を使用した遮音パネル30を防護壁として使用した場合、遮音パネル30の色彩や模様が風合いを出すことができるので、高速道路を走行する運転者の視覚を和ませることができると共に、防護壁全体から受ける圧迫感を軽減することができるので安全運転の向上を図ることができ、且つ、周囲環境の改善も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】吸音板の要部分解斜視図である。
【図2】吸音材の要部拡大断面図である。
【図3】補強基布の第1実施例を示す斜視図である。
【図4】補強基布の第2実施例を示す斜視図である。
【図5】遮音シートの一部拡大平面図である。
【図6】吸音板を遮音パネルに取付けた使用状態を示す斜視図である。
【図7】遮音パネルの中央縦断面図である。
【図8】残響室法吸音率測定結果証明書である。
【図9】残響室法吸音率測定結果の数値表およびグラフである。
【図10】残響室法吸音率測定の試料の仕様図である。
【図11】残響室法吸音率測定の試料の設置状態である。
【図12】音響透過損失測定結果証明書である。
【図13】音響透過損失測定結の数値表およびグラフである。
【図14】音響透過損失測定の測定概要図である。
【図15】音響透過損失測定の試料詳細図である。
【図16】音響透過損失測定の試料配置図である。
【符号の説明】
【0037】
10 吸音板
11 表地板
12a 第1補強基布
12b 第2補強基布
17 基板
20 遮音シート
21 ピンホール
30 遮音パネル
31 枠本体
33 開口部
35 空気室
40 方立片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に撥水加工を施した不織布材からなる表地板(11)と、
表面に撥水加工と難燃加工を施した不織布材からなる基板(17)と、
合成樹脂フイルム材の表面全体に通気性を有する多数のピンホール(21)を設けて形成した遮音シート(20)とからなり、
前記遮音シート(20)を前記表地板(11)と基板(17)との間に挟みそれぞれ加熱圧着して一体に形成したことを特徴とする吸音板。
【請求項2】
前記表地板(11)は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維材で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする請求項1記載の吸音板。
【請求項3】
前記表地板(11)は、合成繊維の短繊維で形成したウエブと、目付50g/m2〜400g/m2の合成繊維材からなる織基布あるいは長繊維の糸状基材などからなる補強基布(12)を、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする請求項1または2記載の吸音板。
【請求項4】
前記表地板(11)は、表面全体または任意箇所に周囲の景観にあわせて各種模様や色彩を施してなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の吸音板。
【請求項5】
前記基板(17)は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を3mm〜20mmに形成したことを特徴とする請求項1記載の吸音板。
【請求項6】
前記遮音シート(20)は、厚さ5μm〜100μmのポリオレフィン系あるいはポリアミド系あるいはポリエステル系などの熱可塑性樹脂シートで、表面全体に通気性を有するピンホールを多数設けてなり、該遮音シートの表面側に前記表地板(11)の裏面を合わせ、裏面側に前記基板(17)の一面を合わせて全体を100℃〜200℃の温度で加熱すると共に、加圧力0.5〜2kg/m2のローラで圧着して一体に形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載の吸音板。
【請求項1】
表面に撥水加工を施した不織布材からなる表地板(11)と、
表面に撥水加工と難燃加工を施した不織布材からなる基板(17)と、
合成樹脂フイルム材の表面全体に通気性を有する多数のピンホール(21)を設けて形成した遮音シート(20)とからなり、
前記遮音シート(20)を前記表地板(11)と基板(17)との間に挟みそれぞれ加熱圧着して一体に形成したことを特徴とする吸音板。
【請求項2】
前記表地板(11)は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維材で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする請求項1記載の吸音板。
【請求項3】
前記表地板(11)は、合成繊維の短繊維で形成したウエブと、目付50g/m2〜400g/m2の合成繊維材からなる織基布あるいは長繊維の糸状基材などからなる補強基布(12)を、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を0.5mm〜5mmに形成したことを特徴とする請求項1または2記載の吸音板。
【請求項4】
前記表地板(11)は、表面全体または任意箇所に周囲の景観にあわせて各種模様や色彩を施してなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の吸音板。
【請求項5】
前記基板(17)は、目付が100g/m2〜2000g/m2の合成繊維の短繊維で形成したウエブを、ニードルパンチ方式によりパンチング接合した不織布で、肉厚を3mm〜20mmに形成したことを特徴とする請求項1記載の吸音板。
【請求項6】
前記遮音シート(20)は、厚さ5μm〜100μmのポリオレフィン系あるいはポリアミド系あるいはポリエステル系などの熱可塑性樹脂シートで、表面全体に通気性を有するピンホールを多数設けてなり、該遮音シートの表面側に前記表地板(11)の裏面を合わせ、裏面側に前記基板(17)の一面を合わせて全体を100℃〜200℃の温度で加熱すると共に、加圧力0.5〜2kg/m2のローラで圧着して一体に形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載の吸音板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−24613(P2010−24613A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173795(P2008−173795)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(504240326)トーア紡マテリアル株式会社 (9)
【出願人】(393013618)光海陸産業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(504240326)トーア紡マテリアル株式会社 (9)
【出願人】(393013618)光海陸産業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
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