説明

吻合用部材

【課題】管状の生体組織を簡易な作業で、より確実に安定した接合状態に吻合する。
【解決手段】生体親和性ポリマーからなる糸を編んだ編組材料により、一対の管状の生体組織2,3の端部2a,3a開口に挿入可能な外形寸法の筒状に形成され、外側から半径方向に加えられる外力により、内部開口を閉塞し内面を密着させるまで潰れることができる柔軟性と、コラーゲンの融点より高い温度に対する耐熱性と、加熱後外力が解放されることで、閉塞されていた内部開口を開通させることができる弾性とを備える吻合用部材1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の管状の生体組織を吻合するための吻合用部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、腸管や血管等の管状の生体組織を吻合するには、2つの生体組織の端部開口どうしを接合させて、接合部を縫合していた。しかしながら、接合部の縫合作業は繁雑であり、特に、内視鏡的に行うことは困難である。
【0003】
このような煩雑な縫合作業を行うことなく生体組織を吻合する技術として、冠状動脈の壁面に内胸動脈を接合する場合に、接合部に超音波エネルギを付与することにより、接合部を溶着する吻合技術も知られている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、2つの血管の突き合わせ部の半径方向外方に配置され、加熱により収縮させることで、血管の外周面に密着させ、その摩擦力によって血管を接合状態に維持する吻合用形状記憶材料が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特許第3766520号明細書
【特許文献2】特許第3503045号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の吻合技術では、管状の生体組織どうしを重ね合わせた状態で挟み込むことができる用途には適用できるものの、1回に吻合できる範囲は周方向の一部に限られるので、管状の生体組織の端部開口をつきあわせた状態で全周にわたって接合することには、周方向に接合部をずらしながら複数回にわたって作業を行うことが必要となって煩雑である。
また、特許文献2の吻合用形状記憶材料では、加熱により収縮させるだけで、突き合わせ状態の血管の外周面に密着させられて全周にわたって一度に接合することができるので簡易ではあるものの、摩擦のみに頼っているため、接合力が弱く、安定した接合状態を維持することが困難であるという不都合がある。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、管状の生体組織を簡易な作業で、より確実に安定した接合状態に吻合することができる吻合用部材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体親和性ポリマーからなる糸を編んだ編組材料により、一対の管状の生体組織の端部開口に挿入可能な外形寸法の筒状に形成され、外側から半径方向に加えられる外力により、内部開口を閉塞し内面を密着させるまで潰れることができる柔軟性と、コラーゲンの融点より高い温度に対する耐熱性と、加熱後外力が解放されることで、閉塞されていた内部開口を開通させることができる弾性とを備える吻合用部材を提供する。
【0008】
本発明に係る吻合用部材を用いて一対の管状の生体組織を吻合するには、まず、吻合用部材を生理食塩水等の電界質溶液に浸し、生理用食塩水を含浸させる。次いで、一対の管状の生体組織の端部開口にそれぞれ部分的に挿入して、生体組織の端部開口を突き合わせ、あるいは端部どうしを半径方向に重ね合わせる。
【0009】
この状態で、その接合予定部の近傍に半径方向に外力を加えて生体組織および吻合用部材を、その内部開口が閉塞されて内面が密着するまで平板状に押し潰す。本発明に係る吻合用部材は、柔軟性を有しているので、平板状に押し潰されても破断することなくその形態を維持することができる。
【0010】
そして、この状態で、厚さ方向に通電する。本発明に係る吻合用部材は、生理食塩水を含浸することにより導電性を有しているので、生体組織および吻合用部材の厚さ方向に電流が流れ、その電流値の大きさと生体組織の抵抗値の大きさとに応じた大きさで発熱する。生体組織で発生する発熱量を予めコラーゲンの融点近くに設定しておくことにより、コラーゲンを溶融させながら、生体組織の炭化を防止することができる。
【0011】
本発明の吻合用部材は、コラーゲンの融点より高い温度に対する耐熱性を有しているので、加熱によっても変性することなくその性状を維持することができる。これにより、コラーゲンの融点まで加熱し、生体組織に含有されているコラーゲンを溶融させ、吻合用部材と生体組織との間に染み出させることにより吻合用部材の外周面と生体組織の内面とを接着する。
【0012】
この後に、通電を停止し、加えていた外力を解放する。本発明の吻合用部材は、弾性を有しているので、平坦に潰していた外力が解放されると、吻合部材の弾性によって管状の生体組織が押し広げられ、閉塞されていた内部開口が開通する。これにより、一対の管状の生体組織が吻合用部材を介して吻合され、連通した管状の生体組織として一体化させることができる。
【0013】
すなわち、本発明によれば、一対の管状の生体組織の接合部に挿入し、半径方向に外力を加えて潰した状態で通電した後に外力を解放するだけで、一つの管状の生体組織を極めて簡易に吻合することができる。吻合された生体組織は、摩擦力のみによるのではなく、コラーゲンを用いて吻合用部材に接着されるので、より安定した状態に吻合することができる。
【0014】
さらに、本実施形態に係る吻合用部材によれば、糸を編んだ編組材料により構成することで、糸と糸との隙間に生理食塩水を十分に含浸させることができ、高い導電性を確保することができる。
【0015】
上記発明においては、前記糸が、5〜500μmの間隔をあけて編まれていることが好ましい。
5μm以上の間隔をあけることにより糸と糸との間に電解質溶液を吸水し易くすることができ、高い導電性を容易に確保することができる。また、間隔をできるだけ小さくすることにより、弾性を向上することができる。さらに、500μm以下の間隔に制限することにより、生体組織とともに挟んで外力で加圧したときに、生体組織が糸と糸との間に入り込んで、吻合用部材の内面側で癒着してしまう不都合の発生を防止することができる。
【0016】
また、上記発明においては、前記糸が、20〜30本の繊維を撚って構成されていてもよい。
このようにすることで、糸の表面に凹凸を形成し、吸水した電解質溶液を保水し易くすることができる。その結果、液切れによる導電性の低下を防止し、高い導電性を容易に確保することができる。
【0017】
また、上記発明においては、前記糸が、80〜120デニールの太さに構成されていることとしてもよい。
このようにすることで、弾性を向上することができ、加圧後解放されることにより、元の管状の形態に容易に復元することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る吻合用部材によれば、管状の生体組織を簡易な作業で、より確実に安定した接合状態に吻合することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る吻合用部材1について、図1〜図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る吻合用部材1は、図1に示されるように、筒状部材であって、ポリ乳酸系ポリマーの繊維を20〜30本撚って形成された80〜120デニールの糸1aを、5〜500μmの隙間をあけて編み込んだ編組材料により構成されている。編組材料の編み込み方は、4つ目編み等、任意の編み込み方を採用することができる。
【0020】
このように構成された本実施形態に係る吻合用部材1は、ポリ乳酸系ポリマーからなる糸1aにより構成されることによって、図2(a),(b)に示されるように、外力Fにより半径方向に潰されて、その内部開口を閉塞し内面を密着させても破断しない柔軟性を有している。また、本実施形態に係る吻合用部材1は、ポリ乳酸系ポリマーからなる糸1aにより構成されることにより、コラーゲンの融点より高い温度に加熱されても変性しない耐熱性を有している。
【0021】
また、本実施形態に係る吻合用部材1は、ポリ乳酸系ポリマーからなる繊維を20〜30本撚って形成された80〜120デニールの糸1aを編み込んで構成されることにより、外力Fにより潰れた状態でコラーゲンの融点より高い温度に加熱された後に外力を解放すると、閉塞していた内部開口を開通させるように復元することができる弾性を有している。
【0022】
さらに、本実施形態に係る吻合用部材1は、隣接する糸1aと糸1aとの間に、5〜500μmの隙間をあけて編み込まれた編組材料により構成されているので、液体に浸漬すると、その隙間に液体を収容するように容易に吸水することができる。したがって、例えば、生理食塩水のような電解質溶液を含浸させることにより、高い導電性を容易に持たせることができるようになっている。
【0023】
また、本実施形態に係る吻合用部材1を構成する糸1aが20〜30本のポリ乳酸系ポリマーの繊維を撚って形成されているので、糸1aの表面に多数の凹凸が形成され、吸水した電解質溶液をその凹凸により保水することができる。その結果、液切れが発生して導電性が低下する不都合の発生を防止し、高い導電性を維持することができる。
【0024】
このように構成された本実施形態に係る吻合用部材1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る吻合用部材1を用いて、管状の生体組織、例えば、腸管2,3を吻合する場合について説明する。
【0025】
本実施形態に係る吻合用部材1を用いて、腸管2,3を吻合するには、まず、吻合用部材1を生理食塩水に浸漬して生理食塩水を含浸させる。吻合用部材1は、5〜500μmの隙間をあけて編み込まれた多数の糸1aからなる編組材料により構成されているので、生理食塩水を吸水して隙間に十分に含浸させ、高い導電性を有するようになる。
【0026】
この状態で、図3に示されるように、吻合すべき一対の腸管2,3の接合端部2a,3aの開口に、本実施形態に係る吻合用部材1を挿入し、図4に示されるように、一対の腸管2,3の接合端部2a,3aを突き合わせた状態とする。この挿入作業において、吻合用部材1に含浸された生理食塩水の一部は腸管2,3側に流れるが、本実施形態に係る吻合用部材1は、20〜30本のポリ乳酸系ポリマーの繊維を撚って形成された糸1aにより構成されているので、糸1aの表面に多数の形成された凹凸に生理食塩水を保水することができる。これにより、液切れの発生による導電性の低下を防止することができる。
【0027】
次に、図4に示されるように、接合端部2a,3a近傍の半径方向外方に、加圧用の一対の電極4を近接させ、図5に示されるように外力Fで腸管2,3および吻合用部材1を半径方向に挟み込む。
【0028】
吻合用部材1は、柔軟性を有しているので、図5に示されるように、外力Fによってその内部開口が閉塞され内面が密着するまで潰れることができる。この状態で、図6に示されるように、電極4間に電圧を加えることにより通電する。吻合用部材1は含浸した生理食塩水により高い導電性を有しているので、電極4間には、腸管2,3および吻合用部材1を貫通して電流Iが流れ、腸管2,3の抵抗値の大きさと電流Iの大きさの2乗との積に比例した発熱量で発熱するようになる。
【0029】
この場合において、本実施形態に係る吻合用部材1は、腸管2,3の抵抗値よりも十分に小さい抵抗値となるように高い導電性を有しているので、通電により吻合用部材1において発生する熱量は小さく、エネルギが無駄に浪費されることがない。また、本実施形態に係る吻合用部材1は、コラーゲンの溶融温度より高い耐熱性を有しているので、コラーゲンが溶融する温度まで加熱させられても変性せずにその性質を維持することができる。
【0030】
そして、このとき、腸管2,3における発熱により、コラーゲンの溶融温度より若干高い温度となるように、電極4間に加える電圧を調節しておくことにより、腸管2,3内に含有されている細胞外基質であるコラーゲンを溶融させて流動し易くすることができる。そして、発熱により流動するコラーゲンは、腸管2,3と吻合用部材1との隙間に浸透するようになる。この現象は、図7に示されるように、吻合用部材1の全周にわたって発生するので、流動するコラーゲンが吻合用部材1の外周面全周に浸透する。
【0031】
この場合において、本実施形態においては、隣接する糸1aと糸1aとの隙間が500μm以下に狭く設定されているので、流動したコラーゲンが隙間を通って吻合用部材1の内面まで入り込むことを防止することができる。
この状態から、電極4に加えていた電圧を停止し、図8に示されるように、電極4に加えていた外力Fを解除する。吻合用部材1は高い弾性を有しているので、外力Fが解除されると、半径方向外方に広がるように復元し、閉塞されていた内部開口が開通する。
【0032】
すなわち、吻合用部材1の外周面においては、腸管2,3と吻合用部材1との間には、コラーゲンが浸透しているので、それが接着剤となって腸管2,3と吻合用部材1とが接着されている。一方、吻合用部材1の内面においては、接着剤となるコラーゲンは存在していないので、密着していた内面どうしは接着されず、外力Fが解除されると吻合用部材1の弾性によって離間し、開口するようになる。
【0033】
これにより、図9に示されるように、電極4により挟まれていた、腸管2,3の接合端部近傍の領域Aと、その半径方向内方に配置されている吻合用部材1とが全周にわたって接着された状態で、一対の腸管2,3の接合端部2a,3aが突き合わせ状態に接合され、一体化させられる。
すなわち、本実施形態に係る吻合用部材1によれば、一対の電極4によって所定の外力Fにより挟みつつ電圧を加えるだけで、一対の管状の生体組織である腸管2,3を、一度に簡単に吻合することができる。
【0034】
その結果、縫合による従来の吻合や、周方向に複数回にわたって超音波を加えることによる吻合と比較して、その作業を大幅に簡易化することができるという利点がある。特に、エネルギ治療器を取り回すための空間の少ない内視鏡的手術において、腸管2,3を半径方向に1回挟むだけのスペースを確保すれば足りるので、その吻合作業の繁雑さを大幅に低減することができるという利点がある。
【0035】
また、本実施形態に係る吻合用部材1によれば、腸管2,3の内壁にコラーゲンによって接着されるので、摩擦のみによって固定していた従来の吻合用部材と比較して、その吻合状態を安定して維持することができるという利点がある。さらに、本実施形態に係る吻合用部材1によれば、生体分解性の高いポリ乳酸系ポリマーにより構成されているので、吻合手術後は、経時的に分解されて消滅するようになる。すなわち、吻合された領域Aが相互に接合して治癒する頃には、本実施形態に係る吻合用部材1が消滅することにより、体内に異物を残さなくて済むという利点もある。
【0036】
ここで、本実施形態に係る吻合用部材1を構成する編組材料について説明する。
ポリ乳酸系ポリマーの繊維からなる糸を編み込むことにより、編組材料を直径8〜30mmの円筒状に構成し、その隣接する糸1aと糸1aとの隙間、糸1aの構造および糸1aの太さを変えて、弾性および生理食塩水を含浸することによる導電性をそれぞれ測定した。
【0037】
弾性についてはブタの消化管に適用して、1〜4kgの力で加圧しながら通電し、消化管と吻合用部材1とが癒着した後に圧力を解放することで、吻合用部材1が円筒状の形態に復元する程度により測定した。
導電性については、消化管と吻合用部材1との癒着の程度により測定した。その結果を表1〜表3に示す。
【0038】
【表1】

【表2】

【表3】

【0039】
表1によれば、隣接する糸1aと糸1aとの隙間を5μm未満にした場合には、元の形状に復元する弾性は高いが、生理食塩水が糸1aと糸1aとの間に吸水されにくく、むしろ撥水性を呈し、導電性が低くなった。一方、隙間が500μm以上であると、十分な生理食塩水が吸水されて導電性は高いが、消化管に通電加熱することにより溶融したコラーゲンが、糸1aと糸1aとの隙間から吻合用部材1の内面にまで浸透し、内面どうしが癒着してしまう問題がある。その結果、隣接する糸1aと糸1aとの隙間については、5μm〜500μmの範囲であることが弾性と導電性とを両立できて好ましいことがわかった。
【0040】
また、表2によれば、20本以下の繊維を撚ることにより構成された糸1aを用いた場合には、十分な弾性を得られずに、円筒状の形態が復元されにくく、かつ、含浸された生理食塩水が保水されずに、液切れによる導電性の低下も発生した。一方、20〜30本の繊維を撚ることにより、弾性が向上し、糸1aの凹凸に保水されることによる導電性の向上がみられた。その結果、糸1aの構造については、20〜30本の繊維を撚って構成された糸を使用することが好ましいことがわかった。
【0041】
さらに、表3によれば、40デニール程度の細さでは十分な弾性が得られず、160デニール程度の太さになると剛性が高くなって、十分な弾性が得られないことがわかった。その結果、80デニール〜120デニールの太さの糸1aを使用することが、十分な弾性を得ることができて好ましいことがわかった。
【0042】
なお、本実施形態に係る吻合用部材1においては、図10に示されるように、外周面の少なくとも一部にコラーゲンBが塗布されていることとしてもよい。このようにすることで、吻合しようとする生体組織内に含有されているコラーゲンが少ない場合においても、生体組織内面と吻合用部材1の外周面とをより確実に接着することができる。なお、コラーゲンに代えて、あるいは、コラーゲンとともにエラスチンを塗布しておくことにしてもよい。このようにすることで、生体組織内に含有されているエラスチンが少ない場合においても、生体組織にエラスチンを供給して柔軟性を維持することができる。
【0043】
また、本実施形態においては、ポリ乳酸系ポリマーを採用することとしたが、これに代えて、上述した柔軟性、弾性および耐熱性を備える生体親和性材料であれば、任意の材料を使用することとしてもよい。また、体内に留置することが許容される部位には、生分解性材料を用いなくてもよい。
【0044】
さらに、吻合する管状の生体組織としては、腸管2,3に限定されるものではなく、他の消化管、血管あるいは尿管等の任意の管状の生体組織に適用することができる。特に、血管のように、吻合用部材1の表面における血栓の発生が懸念される部位に適用される場合には、表面全体あるいは血管内に露出する表面全体を抗血栓性の材料、例えば、コラーゲンやエラスチンによって被覆することとすればよい。また、抗血栓性の材料によって吻合用部材1を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る吻合用部材を示す斜視図である。
【図2】図1の吻合用部材の柔軟性を説明する図であって、(a)外力を加える前の形状、(b)外力を加えた後の形状をそれぞれ示す斜視図である。
【図3】図1の吻合用部材を用いた一対の腸管の吻合の手順を示す縦断面図である。
【図4】図3の状態から吻合用部材を腸管の端部開口に挿入し、腸管の接合端部どうしを突き当てた状態を示す縦断面図である。
【図5】図4の状態から腸管および吻合用部材を半径方向に電極により加圧した状態を示す縦断面図である。
【図6】図5の状態から電極により腸管および吻合用部材に通電した状態を示す縦断面図である。
【図7】図6の状態を吻合用部材の軸方向から見た横断面図である。
【図8】図7の状態から通電を停止し、加圧を解除した状態を示す横断面図である。
【図9】図1の吻合用部材により吻合されて一体化された一対の腸管を示す縦断面図である。
【図10】図1の吻合用部材の第1の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
B コラーゲン
1 吻合用部材
2,3 腸管(生体組織)
2a,3a 接合端部(端部)
5 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体親和性ポリマーからなる糸を編んだ編組材料により、一対の管状の生体組織の端部開口に挿入可能な外形寸法の筒状に形成され、
外側から半径方向に加えられる外力により、内部開口を閉塞し内面を密着させるまで潰れることができる柔軟性と、コラーゲンの融点より高い温度に対する耐熱性と、加熱後外力が解放されることで、閉塞されていた内部開口を開通させることができる弾性とを備える吻合用部材。
【請求項2】
前記糸が、5〜500μmの間隔をあけて編まれている請求項1に記載の吻合用部材。
【請求項3】
前記糸が、20〜30本の繊維を撚って構成されている請求項1または請求項2に記載の吻合用部材。
【請求項4】
前記糸が、80〜120デニールの太さに構成されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の吻合用部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−125439(P2009−125439A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305715(P2007−305715)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】