説明

味をマスキングした活性薬剤を含有する固体剤形

味をマスキングした活性薬剤を含有する固体剤形を提供する。固体剤形は、味をマスキングした活性薬剤を送達および放出するよう、口腔内で崩壊できる水可溶性フィルムとして提供してもよい。崩壊可能なフィルムは、少なくとも1種の水可溶性ポリマーおよび味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含む。ケトプロフェンなどの活性薬剤の有効投与量を投与し、口腔で吸収されるための、固体剤形の調製方法、および固体製剤の使用方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性薬剤の送達および放出のための剤形に関する。特定の実施形態によると、固体剤形は、薬理活性剤を口腔に送達および放出するための、口腔内崩壊フィルムまたは口腔内崩壊錠を含む。さらなる実施形態によると、口腔内崩壊フィルムは、口腔での放出に有効な、味をマスキングしたケトプロフェンを含有している。味をマスキングしたケトプロフェンを含有する経口フィルムは、苦味ものどへの刺激もない。
【背景技術】
【0002】
ケトプロフェンは、よく知られている非ステロイド性の抗炎症剤(NSAID)である。ケトプロフェンは、従来の錠剤の形態で市販されており、この錠剤は水で飲み込むことになっている。従来の錠剤剤形は、特定の部類の個人、例えば飲み込むのが苦手な幼児または高齢者の人々などには適切ではない。さらに、従来の錠剤剤形は、この錠剤剤形の投与を援助するための、水または他の飲用に適した液体が手の届くところになければならない。
【0003】
従来の錠剤剤形の自己投与に関連する問題を克服するための試みとして、口腔を介して薬理活性剤を送達するための、薄いフィルムなどの口腔内崩壊剤形または口腔内崩壊錠が開発された。薄いフィルムは、一般的に薬理活性剤を取り込んだ薄片の固体剤形であり、この薄いフィルムは口腔で崩壊し、フィルム内に取り込まれた活性薬剤を放出する。様々な種類の薬理活性剤が、崩壊可能な薄膜剤形に取り込まれてきた。
【0004】
ケトプロフェンは、プロピオン酸誘導体で、不快な苦味がある。ケトプロフェンはのど粘膜を刺激することでも知られている。したがって、ケトプロフェンを含有する口腔内崩壊フィルムまたは口腔内崩壊錠の剤形は、味が悪いため、当業者にとっては望ましくないと考えられる。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0169212号は、動物に集団投薬するための、水中の安定したケトプロフェン溶液を開示している。この溶液は、ケトプロフェンに食用弱塩基および水を混合することによって調製される。この食用弱塩基は、10から1の比でケトプロフェンと組み合わせて使用することによって、冷水中のケトプロフェンに完全および急速に溶解される。香料または甘味剤をケトプロフェン溶液に添加することによって、溶液の嗜好性が向上することが開示されている。しかしこの公開特許は、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する固体剤形を、開示または示唆していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、薬理活性剤であるケトプロフェンの有効投与量を口腔へ送達し、ケトプロフェンのいつもの苦味または口およびのどの粘膜への刺激を伴わない、口腔内崩壊フィルムなどの固体剤形に対する必要性が当技術分野において未だに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、食用アルカリ化剤と、薬学的に許容される担体とを含む固体剤形を提供する。
【0008】
特定の実施形態によると、固体剤形は、ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、食用アルカリ化剤と、少なくとも1種の水可溶性のフィルム形成ポリマーとを含む口腔内崩壊フィルムを含む。
【0009】
ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、食用アルカリ化剤と、薬学的に許容される担体とを混合することによって、混合物を形成する段階と、この混合物から固体剤形を形成する段階とを含む、固体剤形を調製するための方法も提供する。
【0010】
特定の実施形態により、ケトプロフェン活性薬剤と、混合物のpHを上昇させるための食用アルカリ化剤と、液体とを含む混合物を調製する段階と、この混合物を少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと組み合わせることによって、ポリマー混合物を形成する段階と、このポリマー混合物からフィルムを形成する段階とを含む、口腔内崩壊フィルムを調製する方法を提供する。
【0011】
代替の実施形態によると、口腔内崩壊フィルムを調製するための本方法は、ケトプロフェン活性薬剤と、少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと、液体とを混合することによって、混合物を形成する段階と、食用アルカリ化剤を用いて混合物のpHを上昇させる段階と、混合物からフィルムを形成する段階とを含む。
【0012】
さらに代替の実施形態によると、口腔内崩壊フィルムを調製するための本方法は、少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと液体とを混合することによって、混合物を形成する段階と、この混合物のpHを上昇させるための食用塩基を添加する段階と、この混合物にケトプロフェン活性薬剤を添加する段階と、この混合物からフィルムを形成する段階とを含む。
【0013】
さらなる実施形態により、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含む固体剤形を提供する段階と、前記固体剤形を口腔へ導入する段階とを含む、活性薬剤を投与する方法を提供する。
【0014】
特定の実施形態によると、活性薬剤を投与する方法は、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含む口腔内崩壊フィルムを提供する段階と、前記フィルムを口腔に導入する段階とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
薬理活性剤を口腔へ送達および放出するための、口腔内崩壊フィルムなどの固体剤形を提供する。この固体剤形は、ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、食用アルカリ化剤または塩基と、薬理学的に許容される担体とを含む。この食用アルカリ化剤または塩基物質は、ケトプロフェン活性薬剤を含む混合物のpHを上昇させるために有効な量が含まれているので、ケトプロフェン活性薬剤の味のマスキングを行うことになる。口腔内崩壊フィルムは、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量を口腔に送達および放出する。
【0016】
特定の実施形態よると、薬理活性剤の送達および放出のための経口フィルム組成物は、ケトプロフェン活性薬剤が、個人の口腔に送達および放出され、吸収されるために、少なくとも1種のフィルム形成剤と、食用アルカリ化剤または塩基と、ケトプロフェン薬剤の薬理学的有効量とを含有する。
【0017】
剤形は、単層または多層フィルムであってよく、このフィルムは、少なくとも1種の水可溶性のフィルム形成ポリマーと、食用アルカリ化剤または塩基と、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量とを含む。味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を口腔に適用し放出させると、このフィルムは崩壊し、次いで飲み込むことによって吸収される。
【0018】
経口フィルムは、少なくとも1種の水可溶性のフィルム形成ポリマーを含む。口腔内崩壊フィルムの調製において使用するのに適切である水可溶性フィルム形成ポリマーは、セルロース、セルロース誘導体、ポリアルキレン酸化物、ポリアルキレングリコール、合成または天然のガム、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、カラゲナン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸塩、カルボキシビニルポリマーおよびこれらの混合物を含むが、これらに限らない。
【0019】
口腔内崩壊フィルムを調製するために使用してもよい適切なセルロース誘導体とは、制限なしで、アルキルセルロース、例えばメチルセルロースおよびエチルセルロースなど、置換アルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど、置換アルキルセルロースの塩、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウムなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
口腔内崩壊フィルムを調製するために使用してもよい適切なガムとは、制限なしで、キサンタンガム、トラガカントガム、ガウアガム、アカシアガム、アラビアガムおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
特定の実施形態によると、フィルム形成ポリマーは、乾燥経口フィルム中に、乾燥経口フィルムの全重量に対して約5重量パーセント(wt%)から約75wt%の量で存在してもよい。他の実施形態によれば、フィルム形成ポリマーは、乾燥フィルム中に、乾燥経口フィルムの全重量に対して、約l0wt%から約60wt%の量で存在してもよい。さらなる実施形態によれば、フィルム形成ポリマーは、乾燥フィルム中に、乾燥経口フィルムの全重量に対して、約20wt%から約40wt%の量で存在してもよい。
【0022】
特定の例示的実施形態によれば、口腔内崩壊フィルムは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーおよび/またはヒドロキシプロピルポリマーの混合物を含む。経口フィルムにおいて使用するのに適切なヒドロキシプロピルセルロースポリマーは、制限なしで、Aqualon Division of Hercules社から、KLUCELという登録商標で市販されている。KLUCEL製のヒドロキシプロピルセルロースポリマーは、セルロースをプロピレン酸化物と反応させることによって形成する、非イオンの水可溶性セルロースエーテルポリマーである。KLUCELポリマーは、様々な極性溶媒および水に溶解することができる。KLUCELポリマーは、安全で、薬学的用途において使用するのに有効である。
【0023】
口腔内崩壊フィルムの調製において使用するためのヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーは、Dow Chemical Companyから、登録商標METHOCELで市販されている。経口フィルムに使用してもよい、特に適切なMETHOCELポリマーは、METHOCEL E50である。METHOCEL E50は、約30,000の分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーである。経口フィルムにおいて使用してもよい、別の適切なMETHOCELポリマーは、METHOCEL E5である。さらに、経口フィルムにおいて使用するためのヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーは、登録商標BENECELでAqualon Division of Herculesから商業的に入手可能である。ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの他の多くの販売元が利用可能で、当業者であれば、適切なヒドロキシプロピルセルロースポリマー源およびヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー源を容易に選択することができる。
【0024】
口腔内崩壊フィルムは、疼痛を軽減または緩和するのに十分な量で味をマスキングした、少なくとも1種のケトプロフェン活性薬剤を含む。「味をマスキングしたケトプロフェン」という用語は、変質していないケトプロフェン活性薬剤の味覚特性とは異なる味覚特性を有する、変質したケトプロフェン活性薬剤を指す。記載されている方法に従い、ケトプロフェン活性薬剤の味のマスキングは、薬理学的に許容可能で食用であるアルカリ化剤または塩基の有効量を用いて、ケトプロフェン活性薬剤のpHを上昇させることにより達成される。
【0025】
任意の薬理学的に許容されるpH上昇剤を利用することによって、ケトプロフェン活性薬剤のpHは上昇し得る。ケトプロフェン活性薬剤のpHを上昇させるために利用してもよい適切な薬剤を例示すると、水酸化物、食用炭酸水素塩、食用炭酸塩、緩衝液およびこれらの混合物が挙げられるが、これに限らない。
【0026】
適切な食用炭酸水素塩は、制限なしで、アルカリ金属炭酸水素塩、例えば重炭酸ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどを含む。
【0027】
適切な食用炭酸塩は、制限なしで、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムなどを含む。
【0028】
水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、およびこれらの混合物は、制限なしで、ケトプロフェン活性薬剤のpHを上昇させるために使用される水酸化物(複数可)であってよい。
【0029】
緩衝剤、例えば、制限なしで、リン酸緩衝液およびクエン酸緩衝液なども、ケトプロフェン活性薬剤のpHを上昇させるために利用し得る。適切なクエン酸またはリン酸の緩衝液は、制限なしで、クエン酸アルカリ金属の緩衝液およびリン酸アルカリ金属の緩衝液を含む。
【0030】
制限なしで、アルカリのアミノ酸、例えばアルギニンおよびリジンなどを、ケトプロフェン活性薬剤のpHを上昇させるために使用することによって、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量を含有する固体剤形を調製し得る。
【0031】
特定の実施形態において、経口フィルムに含まれるケトプロフェン活性薬剤の量は、一単位用量当たり約3mgから約75mgである。他の実施形態によると、経口フィルムに含まれるケトプロフェン活性薬剤の量は、一単位用量当たり約10mgから約75mgである。さらになる実施形態によると、経口フィルムに含まれるケトプロフェン活性薬剤の量は、一単位用量当たり約25mgから約75mgである。経口フィルムのさらなる例示的実施形態は、一単位用量当たり約3mgから約25mgまたは一単位用量当たり約10mgから約15mgという量でケトプロフェンを含む。このような例示的投与量にもかかわらず、当技術分野での普通の熟練者は必要に応じて、ケトプロフェンの薬理学的に有効な量として、一単位用量当たり他の投与量を容易に選択し得る。
【0032】
口腔内崩壊フィルムは、追加の味覚修飾剤、生体接着剤、緩衝剤、着色剤、安定化剤、不活性充填剤、乳化剤、透過促進剤、可塑剤、および保存剤の任意選択の成分を1種または複数含有してもよい。
【0033】
口腔内崩壊フィルムにおいて使用するための、適切な追加の味覚修飾剤は、制限なしで、香料、甘味料、およびこれらの混合物を含む。適切な追加の味覚修飾剤は、メントール、シラタマノキ、ハッカ、スウィートミント、スペアミント、バニリン、サクランボ、バタースコッチ、チョコレート、シナモン、クローブ、レモン、オレンジ、キイチゴ、バラ、香辛料、スミレ、薬草、果実、イチゴ、ブドウ、パイナップル、バニラ、ハッカ、モモ、キーウィ、パパイヤ、マンゴー、ココナツ、リンゴ、コーヒー、プラム、スイカ、ナッツ、緑茶、グレープフルーツ、バナナ、バター、カモミール、糖、ブドウ糖、ラクトース、マンニトール、ショ糖、スクラロース、キシリトール、マリトール、アスパルテーム、サッカリン、ソルビトール、サッカリンナトリウム、シクラメートナトリウム、アセスルファム、ハチミツ、およびこれらの混合物の精油または水可溶性抽出物を含むがこれに限らない。
【0034】
口腔内崩壊フィルムにおいて使用するのに適切な着色料は、制限なしで、食品および薬物への応用に適切な、顔料、色素、天然の食品着色料、例えばFD&C着色剤およびこれらの混合物を含む。
【0035】
薄い経口フィルムにおいて使用するのに適切な安定化剤は、制限なしで、キレート化剤を含む。キレート化剤は、口腔内崩壊フィルムの酸化を阻止するために使用する。特に有用なキレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。固体の医薬調製物へ取り込むことができる任意のキレート化剤を経口フィルムにおいて利用し得る。
【0036】
経口フィルム組成物は、任意選択で1種または複数の、水可溶性不活性充填剤を含んでもよい。口腔内崩壊フィルムにおいて使用するのに適切な水可溶性不活性充填剤は、制限なしで、マンニトール、キシリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖、スクラロース、ラクトース、トレハロース、マルトデキストリン、デキストラン、デキストリン、加工デンプン、ブドウ糖、ソルビトール、デキストレート、およびこれらの混合物を含む。
【0037】
口腔内崩壊フィルムにおいて使用するのに適切な乳化剤は、制限なしで、可溶化剤、湿潤剤、および放出調整剤を含む。適切な乳化剤は、ヒマシ油誘導体、セチルアルコール、エタノール、水素化植物油、ポリビニルアルコール、シメチコン、ソルビタンエステル、モノステアリン酸グリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポロキサマー、およびこれらの混合物を含むが、これらに限らない。
【0038】
経口フィルム組成物は、任意選択で少なくとも1種の可塑剤を含む。フィルム組成物に含まれてもよい、適切な可塑剤は、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、グリセロール、トリアセチン、脱アセチル化モノグリセリド、ポリエチレングリコール、ジエチルサラート、クエン酸トリエチルなどを含むが、これらに限らない。
【0039】
経口フィルムはまた、任意選択で1種または複数の「透過促進剤」を含む。「透過促進剤」は、粘膜表面を介して活性薬剤の吸収を促進する、天然または合成の化合物である。「1種または複数の」という句は、単一の透過促進剤、または2種以上の透過促進剤の組合せもしくは混合物が経口のフィルムに含まれていてもよいことを意味することを意図する。
【0040】
経口フィルム組成物はまた、1種または複数の保存剤を含んでもよい。適切な保存剤は、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、パラベン、パラベン誘導体、ソルビン酸、ソルビン酸塩、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸塩、酢酸、酢酸塩、およびこれらの混合物を含むが、これらに限らない。
【0041】
固体剤形を調製するための方法は、ケトプロフェン活性薬剤の薬理有効量を食用アルカリ化剤または塩基と組み合わせる段階を含み、薬学的に許容される担体を提供する。特定の実施形態により、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する口腔内崩壊フィルムを調製するための方法を提供する。味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する口腔内崩壊フィルムを調製するための方法は、ケトプロフェン活性薬剤と液体とを含む混合物を調製する段階と、塩基またはアルカリの物質を添加することによって、この混合物のpHを上昇させる段階と、この混合物を少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと混合することによってポリマー混合物を形成する段階と、このポリマー混合物からフィルムを形成する段階とを含む。
【0042】
味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する経口フィルムを調製するための代替の方法は、ケトプロフェン活性薬剤を少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと混合することによって、液体中に混合物を形成する段階と、塩基またはアルカリの物質を添加することによって、この混合物のpHを上昇させる段階と、この混合物からフィルムを形成する段階とを含む。
【0043】
味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する経口フィルムを調製するためのさらなる例示的方法は、少なくとも1種のフィルム形成ポリマーを液体に添加することによって、混合物を形成する段階と、フィルム形成ポリマーおよび液体の混合物のpHを上昇させる段階と、ケトプロフェン活性薬剤をこの混合物に、単独または液体に混合した形のいずれかで添加する段階と、この混合物からフィルムを形成する段階とを含む。液体は、制限なしで、水、ハイドロアルコール溶液、またはアルコールであってよい。
【0044】
フィルム成分の均質な混合物は、脱気し、流延用基材上へ所定の厚さで均一に塗布し、次いで乾燥させる。あるいは、均質な混合物は、押出し成形によって、流延用基材上にフィルムを形成してもよい。流し込み成形または押出し成形により調製した乾燥フィルムは、様々なサイズに切断し、個々の投与単位を作製する。乾燥フィルムは、任意の既知の切断方法、例えば、ダイス切断、ナイフカット、または機械カットなどで切断してもよい。
【0045】
水中のケトプロフェン懸濁液は、一般的に約3.9のpHを有する。ケトプロフェンにより生じる苦味およびのどへの刺激を排除するために、ケトプロフェンのpHは、約5.5以上のpHに調整する。特定の実施形態によると、ケトプロフェンのpHは、約5.5から約9の範囲のpHに調整する。さらなる実施形態によると、ケトプロフェンのpHは、約6.5から約8.5の範囲のpHに調整する。さらなる実施形態によると、ケトプロフェンのpHは、約6.6から約8.2の範囲のpHに調整する。
【0046】
ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量を個人の口腔に投与するための、崩壊可能なフィルムを使用する方法も提供する。例示的実施形態によると、本方法は、崩壊可能なフィルムを使用して、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤の有効量を個人の口腔に投与することによって、炎症および疼痛に伴う症状を緩和することを含む。例示すると、制限なしで、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する経口の薄いフィルムを使用して、ケトプロフェンの薬理学的に活性な量を投与することによって、変形性関節炎、急性腱炎、滑液包炎などの状態に伴う症状を治療してもよい。
【0047】
薄膜剤形は、口腔に適用され、個人が彼または彼女の口を閉じるとすぐに、頬、口蓋、または舌などの粘膜の表面に付着し得る。フィルムは崩壊して、ケトプロフェン活性薬剤が放出され、吸収される。
【0048】
(実施例)
以下の例は、経口フィルムおよび調製方法をさらに例示するために示される。しかし、以下の例は、本発明をいかなる方法においても限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0049】
味をマスキングしたケトプロフェン溶液を調製した。短時間でケトプロフェン100mgを0.5N NaOH約1.2gに加え、透明な溶液を形成した。このケトプロフェン溶液を、蒸留水を用いて95mLに希釈した。希釈した溶液のpHを、1N HClおよび05N NaOHを用いて、6.62のpHに調整した。pHを調整したケトプロフェン溶液は、苦味またはのどへの刺激がほとんどまたはまったくなかった。
【実施例2】
【0050】
味をマスキングしたケトプロフェン溶液を、実施例1の通りに調製した。短時間でケトプロフェン100mgを0.5N NaOH約1.2gへ加え、透明な溶液を形成した。このケトプロフェン溶液を、蒸留水を用いて95mLに希釈した。この希釈した溶液のpHを、1N HClおよび0.5N NaOHを用いて6.62のpHに調整した。この溶液のpHを、1%(w/v)炭酸水素ナトリウムを用いて8.15のpHに調整した。pHを調整したケトプロフェン溶液は、苦味またはのどへの刺激がほとんどまたはまったくなかった。
【実施例3】
【0051】
味をマスキングしたケトプロフェン溶液を調製した。短時間でケトプロフェン1gを0.5N NaOH約12.4gに加え、透明な溶液を形成した。この溶液を蒸留水で500mLに希釈し、1N HC1および0.5N NaOHを用いて、pHを6.6のpHに調整した。pHを調整したケトプロフェン溶液は、苦味またはのどへの刺激がほとんどまたはまったくなかった。
【実施例4】
【0052】
味をマスキングしたケトプロフェン溶液を実施例2の通りに調製した。短時間でケトプロフェン1gを0.5N NaOH約12.4gに加え、透明な溶液を形成した。この溶液を蒸留水で500mLに希釈し、1N HClおよび0.5N NaOHを用いて、pHを6.6のpHに調整した。この溶液のpHを、5%(w/v)炭酸水素ナトリウムを用いて8.15のpHに調整した。pHを調整したケトプロフェン溶液は、苦味またはのどへの刺激がほとんどまたはまったくなかった。
【実施例5】
【0053】
味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する口腔内崩壊フィルムを、以下の成分の配合から作製した。
【0054】
【表1】

【0055】
ケトプロフェンを上記成分の混合物に加えた。このケトプロフェン溶液のpHは、3.
78であった。この混合物を適切な紙製の基材に流し込み、乾燥させた。フィルムを分析
し、切断して、ケトプロフェン活性薬剤4mgを含有する剤形を得た。ケトプロフェン4
mgを含有する経口フィルムの全重量は、36.4gであった。
【実施例6】
【0056】
味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する口腔内崩壊フィルムを、以下の成分の配合から作製した。
【0057】
【表2】

【0058】
ケトプロフェンを上記成分の混合物に加えた。このケトプロフェン溶液のpHは、NaOH、NaHCO3、およびHClを用いて8.02に調整した。この混合物を適切な紙製の基材に流し込み、乾燥させた。フィルムを分析し、切断して、ケトプロフェン活性薬剤4mgを含有する剤形を得た。ケトプロフェン4mgを含有する経口フィルムの全重量は、42.8gであった。
【0059】
実施例5および6に従い調製した、ケトプロフェンを含有する薄いフィルムの嗜好性について試験した。薄いフィルムそれぞれはボランティア8名で試験した。口蓋に対する刺激の程度を評価するために、以下の数字を割り当てた。
【0060】
【表3】

【0061】
実施例5および6に従い調製した薄いフィルムに対する嗜好性試験の結果は、以下の通りである。
【0062】
【表4】

【0063】
平均して、味をマスキングしていないケトプロフェン活性薬剤を含有する経口フィルムは、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する経口フィルムと比較して、3倍を超える刺激性があった。このような結果から、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する薄い経口フィルムの嗜好性が明らかに実証された。
【実施例7】
【0064】
味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する口腔内崩壊フィルムを以下の成分の配合から作製した。
【0065】
【表5】

【0066】
脱イオン水47.348gをステンレス製ポットに入れ、ホットプレートの上で混合しながら80℃に加熱した。この水溶液に、FD&C Red#40着色剤0.038g、METHOCEL E5 1.368g、METHOCEL E50 2.47g、KLUCEL JF 0.722g、Maltrin M180 1.17g、およびInstant Pure Coat B793 1.71gを加え、高い混合速度で混合した。ホットプレートからステンレス製ポットを取り出し、水槽へ移し、冷却した。混合物を冷却した後、ステンレス製ポットを水槽から取り出し、氷槽へ入れ、混合した。ステンレス製ポットを氷槽から取り出し、スクラロース2.47g、ソルビトール1.634g、PEG400 2.128g、サクランボ香料0.19g、AVICEL PH102 1.568gを混ぜながら加えた。
【0067】
ケトプロフェン7.2gを溶液に溶かすのに十分な0.5N NaOHに、この7.2gを加えることによって、ケトプロフェン溶液を調製した。このケトプロフェン溶液をフィルム成分の混合物に加えた。ケトプロフェン溶液を含有する薄いフィルムの混合物のpHを、1N HClで6.7に調整した。次いで、炭酸水素ナトリウムの5%(w/v)溶液を用いて、全体の混合物のpHを7.7に調整した。
【0068】
ケトプロフェンを含有し、pH調整した経口フィルムは甘い味がした。フィルムは、まったく苦味がなく、のどへの刺激もまったく生じなかった。
【0069】
口腔内崩壊フィルムは、ケトプロフェンの薬理学的活性用量を個人に送達するのに有用である。口腔内崩壊フィルムは、必要に応じて個人で自己投与することによって、炎症に伴う疼痛および不快感を緩和し得る。
【0070】
味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤を含有する固体剤形について、口腔内崩壊フィルムの例示的実施形態に関し記載してきたが、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤は、薬理学的に許容される様々な固体剤形に取り込んでもよい。例えば、味をマスキングしたケトプロフェン活性薬剤は、口腔内崩壊錠の剤形に取り込んでもよい。このような口腔内崩壊錠は、従来の錠剤の剤形とは異なり、口腔で急速に崩壊し、活性薬剤を放出して、飲み込むことになる。
【0071】
ケトプロフェンを含むケトプロフェン混合物および食用アルカリ化剤は、口腔内崩壊錠に取り込むことができる。この口腔内崩壊錠は、いくつかの例示的方法を用いて調製し得る。
【0072】
例示的な一実施形態によれば、この口腔内崩壊錠は、ポリマーまたはサッカライドなどの、水可溶性または水分散性の物質の混合物を形成することによって調製し得る。ケトプロフェンは、pHを5.5より上に調整するための食用アルカリ化剤と共に混合物に取り込んでもよい。この混合物を凍結乾燥することによって、凍結乾燥したペレットの多孔性という性質のために水の存在下で容易に崩壊できるマトリックスを形成してもよい。
【0073】
交互に、混合物中の液体は、加熱または真空乾燥を行うことにより蒸発させてもよい。水の代わりに、アルコール性またはハイドロアルコール性の溶媒も使用できる。ゼラチン、デキストラン、デキストリン、アルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、サッカライド、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、セルロース、寒天などの物質、またはこれらの組合せを使用することによって、のどの刺激または苦味がなく、味のよいケトプロフェンを含有する口腔内崩壊錠を調製することができる。口腔内崩壊フィルムの場合と同様に、香料および甘味料などの様々な任意選択の成分を加えることによって、口腔内崩壊錠の味を改善し得る。
【0074】
さらなる例示的実施形態に従って、口腔内崩壊錠の形態へと圧縮することができる、薬理学的に許容される粉末(複数可)を提供し、pHを上昇させたケトプロフェンとこの粉末を組み合わせることにより、ケトプロフェン活性薬剤を含有する口腔内崩壊錠を調製してもよい。ケトプロフェン混合物を加えた粉末は、次いで口腔内崩壊錠の剤形へと圧縮される。例示すると、糖アルコールまたはサッカライド、例えばマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、フルクトース、ラクトース、グルコース、ショ糖、トレハロース、ブドウ糖、マルトース、イソマルト、デンプン加水分解物、ポリブドウ糖などを、任意選択でセルロースまたは崩壊剤、例えばクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどと共に、圧縮することによって、口腔内崩壊錠の剤形を形成することができる。5.5を超えるpHを得るための食用アルカリ性物質を含有する液体中のケトプロフェン混合物を、粉末混合物に加えることができる。このケトプロフェン混合物を粉末混合物に吹き付けにより塗布し、混ぜて粉末を作ってもよい。ケトプロフェン混合物の添加は、粉末の造粒中に行ってもよい。粉末およびケトプロフェン活性薬剤のこの混合物を、次いで口腔内崩壊錠に直接圧縮してもよい。ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を、加圧工程の前またはこの最中に任意選択で加えてもよい。口腔内崩壊錠の嗜好性を助けるために、香料および甘味剤を加えてもよい。
【0075】
口腔内崩壊錠を調製する以上の方法の変法を行ってもよい。口腔内崩壊錠の調製においての特定の方法および組成物とは無関係に、当業者であれば、本明細書中の記載に基づき、食用アルカリ化剤と共にケトプロフェンを添加することによって、優れた嗜好性を有する口腔内崩壊錠を得ることができる。
【0076】
本発明は、特定の例示的実施形態に関連して以上に記載されたが、本発明から逸脱することなしに、他の類似の実施形態を使用してもよいこと、本発明と同じ目的を実施するために記載された実施形態に修正および追加を行ってもよいことを理解されたい。さらに、開示されているすべての実施形態は、本発明の様々な実施形態を組み合わせることによって、所望の特徴を得てもよいので、必ずしも二者択一ではない。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者は変形を作ることができる。したがって、本発明は、任意の単一の例示的実施形態に限定されるべきでなく、添付の特許請求の範囲の詳述に従った広さおよび範囲で解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)食用アルカリ化剤と、
(b)ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、
(c)薬学的に許容される担体と
を含む固体剤形。
【請求項2】
固体剤形が口腔内崩壊フィルムである、請求項1に記載の固体剤形。
【請求項3】
口腔内崩壊フィルムが、
(a)食用アルカリ化剤と、
(b)ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、
(c)少なくとも1種の水可溶性フィルム形成ポリマーと
を含む、請求項2に記載の固体剤形。
【請求項4】
水可溶性フィルム形成ポリマーが、セルロース、セルロース誘導体、ポリアルキレン酸化物、ポリアルキレングリコール、合成または天然のガム、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、カラゲナン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸塩、カルボキシビニルポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の固体剤形。
【請求項5】
セルロース誘導体が、アルキルセルロース、置換アルキルセルロース、置換アルキルセルロースの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の固体剤形。
【請求項6】
セルロース誘導体が、置換アルキルセルロースである、請求項5に記載の固体剤形。
【請求項7】
置換アルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の固体剤形。
【請求項8】
置換アルキルセルロースポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーである、請求項7に記載の固体剤形。
【請求項9】
口腔内崩壊フィルムが、2種以上の異なるヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーの混合物を含む、請求項8に記載の固体剤形。
【請求項10】
生体接着剤、着色剤、安定化剤、不活性充填剤、乳化剤、透過促進剤、可塑剤、保存剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の剤をさらに含む、請求項9に記載の固体剤形。
【請求項11】
食用アルカリ化剤と、ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、薬学的に許容される担体との混合物を形成する段階と、前記混合物から固体剤形を形成する段階とを含む、固体剤形の調製方法。
【請求項12】
(a)ケトプロフェン活性薬剤および液体を含む混合物を調製する段階と、
(b)溶液のpHを上昇させる段階と、
(c)混合物を少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと混合することによって、ポリマー混合物を形成する段階と、
(d)ポリマー混合物からフィルムを形成する段階と
を含む、請求項11に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項13】
前記液体が水である、請求項12に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項14】
食用アルカリ化剤を用いて、混合物のpHを上昇させる段階を含む、請求項13に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項15】
前記食用アルカリ化剤が、水酸化物類、水酸化物、食用炭酸水素塩、食用炭酸塩、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、アルカリアミノ酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項16】
食用炭酸水素塩が、炭酸水素ナトリウムである、請求項15に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項17】
前記ケトプロフェン溶液のpHを約5.5以上のpHに上昇させる、請求項14に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項18】
前記ケトプロフェン溶液のpHを約6から約9のpHに上昇させる、請求項17に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項19】
前記ケトプロフェン溶液のpHを約6.5から約8.5のpHに上昇させる、請求項18に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項20】
フィルム形成ポリマーが、セルロース、セルロース誘導体、ポリアルキレン酸化物、ポリアルキレングリコール、合成または天然のガム、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸ポリマー、メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、カラゲナン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸塩、カルボキシビニルポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項21】
前記セルロース誘導体が、アルキルセルロース、置換アルキルセルロース、置換アルキルセルロースの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項22】
セルロース誘導体が、置換アルキルセルロースである、請求項21に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項23】
前記置換アルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項24】
前記置換アルキルセルロースポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーである、請求項23に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項25】
前記口腔内崩壊フィルムが、2種以上の異なるヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーの混合物を含む、請求項24に記載の固体剤形の調製方法。
【請求項26】
(a)ケトプロフェン活性薬剤と少なくとも1種のフィルム形成ポリマーおよび液体とを混合することによって、混合物を形成する段階と、
(b)混合物のpHを上昇させる段階と、
(c)混合物からフィルムを形成する段階と
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項27】
(a)少なくとも1種のフィルム形成ポリマーと液体とを混合することによって、混合物を形成する段階と、
(b)混合物のpHを上昇させる段階と、
(c)混合物にケトプロフェン活性薬剤を添加する段階と
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項28】
(a)ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量と、食用アルカリ化剤と、薬理学的に許容される担体とを含む固体剤形を提供する段階と、
(b)前記固体剤形を口腔に導入する段階と
を含む、活性薬剤の投与方法。
【請求項29】
(a)少なくとも1種の水可溶性フィルム形成ポリマーと、食用アルカリ化剤と、ケトプロフェン活性薬剤の薬理学的有効量とを含む口腔内崩壊フィルムを含む口腔内崩壊フィルムを提供する段階と、
(b)前記フィルムを口腔に導入する段階と
を含む、請求項28に記載の活性薬剤の投与方法。
【請求項30】
請求項1に記載の経口フィルムを投与することを含む、変形性関節炎の治療方法。
【請求項31】
請求項1に記載の経口フィルムを投与することを含む、急性腱炎の治療方法。
【請求項32】
請求項1に記載の経口フィルムを投与することを含む、滑液包炎の治療方法。
【請求項33】
請求項1に記載の経口フィルムを投与することを含む、鎮痛療法のための方法。

【公表番号】特表2009−530291(P2009−530291A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500463(P2009−500463)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/006452
【国際公開番号】WO2007/109057
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】