説明

咀嚼性カプセル及びその製造方法

この咀嚼性カプセルは、カプセル皮膜と、前記カプセル皮膜に封入された内容物を備え、前記カプセル皮膜の外径が14mm〜25mmであり、前記カプセル皮膜の質量が咀嚼性カプセルの全質量に対して10%〜20%の比率の範囲であり、前記カプセル皮膜に封入されている前記内容物の量が1400mg〜3000mgであり、前記カプセル皮膜にゼラチンが含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は咀嚼して食するのに好適なカプセル、いわゆるチュアブルソフトカプセル及びその製造方法に関する。
本願は、2003年7月31日に出願された特願2003−284072号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
カプセル皮膜の組成としてゼラチンを含むソフトカプセルやその製造方法に関する従来技術としては、例えば下記特許文献1〜5が知られている。
【特許文献1】特開2001−89362号公報
【特許文献2】特開平10−273436号公報
【特許文献3】特開2001−161306号公報
【特許文献4】特開2000−136127号公報
【特許文献5】特開平11−266804号公報
特許文献1(被包粒状物質及びその製造方法、三生医薬(株))は、ゼラチン皮膜に配合したキシリトール等の糖類の析出により、ソフトカプセル同士の付着性を低減することに関する。実施例1には、ゼラチンを含む包囲体材溶液を、内容物を充填しつつカプセル状に成型して固化させ、回転乾燥させる方法を用いてソフトカプセルを製造する方法が記載されている。
特許文献2(咀嚼用ソフトカプセル剤、東海カプセル(株))は、可塑剤の配合によりゼラチン皮膜を軟らかくし、かつ結晶セルロースを配合することによりソフトカプセル同士の付着性を低減することに関する。
特許文献3(嗜好性に優れたゼラチンカプセルの製法、江崎グリコ(株))は、ゼラチン皮膜に乳化香料を高効率に含有させ、ソフトカプセルを風味良好にすることに関する。
特許文献4(速溶性のソフトカプセル、三生医薬(株))は、ソフトカプセル皮膜の水分含量が15%〜80%で、かつソフトカプセル皮膜質量がソフトカプセル総質量の10%〜70%でソフトカプセル皮膜の溶解が非常に早い、軟らかいソフトカプセルに関する。
特許文献5(ローヤルゼリー油性懸濁液及びローヤルゼリーカプセル、三生医薬(株))は、変色を抑制したローヤルゼリー油性懸濁液とこれを内容物として450mg封入したローヤルゼリーソフトカプセルに関する。
また、下記特許文献6(高尿酸性疾患予防治療剤、森永乳業(株))は、炭素数20及び/又はその誘導体、並びに炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体を有効成分として含有する高尿酸性疾患予防治療剤に関する。投与形態の一例としてカプセル剤が挙げられている。
【特許文献6】特開2001−278786号公報
咀嚼して食される咀嚼性カプセルを製造するにあたっては、噛み砕くことができる程度に皮膜が柔らかく、かつそのままでは飲み込めない程度に大きくすることが望まれる。また内容物量が多くて食したときに美味しいことも重要である。
しかしながら、そのような形態のカプセルを製造するのは困難であり、未だ実現されていない。例えば、従来のソフトカプセルを、噛み砕くことができる物性状態(硬度等)に維持しつつ、飲み込めないくらいに比較的大きく成形することは困難であった。また、内容物量を多くしようとすると製造の途中で自重変形や自重破壊が起こり易いという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、咀嚼して食するのに好適なカプセル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成により、大きくて、内容量が多く、皮膜が柔らかくて咀嚼性が良好なカプセルを製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の咀嚼性カプセルは、カプセル皮膜と、前記カプセル皮膜に封入された内容物を備えてなり、次の性状a)、b)、c)、及びd)を備えることを特徴とする。
a)カプセル皮膜の外径が14mm〜25mmであること、
b)カプセル皮膜の質量がカプセルの全質量に対して10%〜20%の比率の範囲であること、
c)カプセル皮膜に封入されている内容物の量が1400mg〜3000mgであること、
d)カプセル皮膜にゼラチンが含まれていること。
前記カプセル皮膜は、ゼラチン100質量部に対してグリセリン30〜200質量部、及び結晶析出剤1〜200質量部を含むことが好ましい。
前記結晶析出剤のうちの少なくとも一部は、結晶として皮膜表面に露出していることが好ましい。
前記内容物は、25℃で2Pa・s以下の粘度を有する液状の親油性物質であることが好ましい。
前記内容物は、動植物油、リン脂質、及びセラミドからなる群から選択される1種又は2種以上を含有することが好ましい。
または、前記内容物は、炭素数20のモノエン酸及び/又はその誘導体からなる群から選ばれる1種以上と、炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体からなる群から選ばれる1種以上とを含有することが好ましい。
本発明の咀嚼性カプセルの製造方法は、本発明の咀嚼性カプセルを製造する方法であって、ゼラチンを含む皮膜材料液を用いてカプセル状の成型体を形成する工程と、前記成型体を乾燥させる乾燥工程を有し、前記乾燥工程において、湿度30%〜50%かつ温度20℃〜30℃の範囲内から選ばれる第1の条件に対して湿度が±5%以内かつ温度が±2℃以内に制御された雰囲気下で10時間〜12時間の一次乾燥を行い、前記一次乾燥の後、湿度70%±5%かつ温度25℃±2℃の範囲内に制御された雰囲気下で2時間〜3時間の熟成を行い、前記熟成の後、湿度30%〜50%かつ温度20℃〜30℃の範囲内から選ばれる第2の条件に対して湿度が±5%以内かつ温度が±2℃以内に制御された雰囲気下で35時間〜70時間の二次乾燥を行うことを特徴とする。
本発明によれば、飲み込むことができない程度に大きくて、皮膜が薄くても強度が高く、かつ咀嚼が容易でおいしく食することができる咀嚼性カプセルが得られる。
本発明の咀嚼性カプセルの製造方法によれば、成型後、特定の条件で乾燥させることによって、大きくて、皮膜が薄くて柔らかく、内容物の量が多くても自重変形や自重破壊を防止して高品質の咀嚼性カプセルを製造することができる。
本発明の咀嚼性カプセルは、外径が大きくてカプセルの全質量に対する皮膜質量の比率が低い。皮膜が薄いので口中で皮膜が溶けるのが早く、皮膜の残存感がない。また、つまんで食べ易い大きさである。
形態がカプセル(2重構造)なので、グミキャンデーや錠菓等に比べて、内容物を多量に配合することができる。内容物が皮膜に覆われているため、内容物の酸化等が生じ難い。内容物の保護効果が高く、保存安定性がよい。
カプセル表面にキシリトールの結晶が露出している構成であると、食した際に口中に瞬時に清涼感が広がる。また高温下に保管されてもカプセル同士の付着が抑えられる。保存性が良い。
内容物の粘度が25℃で2Pa・s以下であると、内容物の流動性がよく、食した際に口中にカプセル内容物成分が広がりやすい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る実施形態において好適に用いられるロータリー式ソフトカプセル充填機の例を示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明において、カプセル皮膜の外面形状は特に限定されない。例えば、球体、楕円体等の略球形や、略立方体、略直方体等、各種の形状とすることができる。好ましくは球形または略球形である。
本明細書におけるカプセル皮膜の外径の値は、カプセル皮膜の外面形状の中心を通る断面における長軸の最大値であり、例えばノギス等のものさしを用いて計測することができる。また、球体の場合は、体積換算等の一般的な方法により計測することもできる。
本発明の咀嚼性カプセルは、カプセル皮膜の外径が14mm〜25mmの範囲内である。この範囲内とすることにより、食べやすさ、咀嚼のし易さ、及び食した際の口中での内容物の広がり(拡散性)のいずれも良好な食感が得られる。
カプセル皮膜の質量の、カプセル全質量に対する比率は10%〜20%の範囲内である。前記比率が、上記範囲より小さいと破壊強度が不足したり、高温下での保管や環境温度の変化により内容物の漏れが生じるおそれがある。また前記比率が上記範囲を超えると、皮膜の口溶け感が悪くなる。また前記比率が大きいほど噛み砕きにくい傾向がある。また前記比率が多すぎても少なすぎても、内容物量とのバランスが悪くなり、食したときの良好な食感が十分に得られなくなる。
カプセル皮膜内に封入されている内容物の量は1400mg〜3000mgの範囲内とされる。カプセル皮膜と内容物量とのバランスが良くて咀嚼した際に美味しい食感が得られるようにするには、内容物の量を上記の範囲内とすることが好ましい。内容物の量が上記範囲を超えると咀嚼が困難になる。
<カプセル皮膜>
カプセル皮膜の組成としては、皮膜形成の基剤であるゼラチンを必須成分として含む。ゼラチンは、牛、豚、鶏、魚のいずれに由来するゼラチンであってもよい。また、製造方法はアルカリ抽出、酸注抽出などいかなる方法であってもよいし、ゼラチンのゼリー強度なども制限されない。
基剤の他には可塑剤としてのグリセリンを含有させることが好ましい。カプセル皮膜におけるグリセリンの配合量はゼラチン100質量部に対して30〜200質量部が好ましく、より好ましい範囲は50〜100質量部である。グリセリンの配合量が多すぎても、少なすぎても、カプセル成型時の加工適性が悪くなり、良好な噛み心地が得られない。またグリセリンの配合量が多くなるほどカプセル相互間の付着が生じやすくなる。
カプセル皮膜に結晶析出剤を含有させることが好ましい。結晶析出剤の配合量はゼラチン100質量部に対して1〜200質量部が好ましく、より好ましい範囲は1〜50質量部である。結晶析出剤の配合量が多い方が、カプセルを食した際の清涼感が良くなり、カプセル相互間における付着も生じ難くなるが、多すぎるとカプセル成型時の加工適性が悪くなる。
本発明の咀嚼性カプセルにおいて、カプセル皮膜に配合された結晶析出剤の少なくとも一部が結晶として析出して皮膜表面に露出していることが好ましい。結晶析出剤の析出物が露出している状態は、前記析出物(結晶)がカプセル皮膜の外表面上に付着した状態でもよく、前記析出物の一部がカプセル皮膜に埋没した状態であってもよい。
結晶析出剤の好ましい例としては、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、D−ソルビトールなどの糖アルコールが挙げられる。中でもキシリトールは、結晶の析出性、清涼感、甘味度などの性質が優れているので好ましい。
カプセル皮膜には、甘味料などの調味料を適量含有させることができる。甘味料としては、例えばスクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテームなどの合成甘味料や、ショ糖、果糖などの糖類を用いることができる。
また、上記各成分の他に、着色剤、矯味剤、香料などの添加剤を含有させることができる。
<内容物>
内容物は、液状であることが好ましく、25℃での粘度が2Pa・S以下であることが好ましい。これよりも高粘度になるとカプセルを食した際の、口中での内容物の良好な広がりやすさ(拡散性)が劣る。前記粘度の好ましい値は0.5Pa・S程度である。
内容物の粘度は、必要に応じて増粘剤を添加することにより調整することができる。前記増粘剤としては、食品に添加可能なものであれば特に限定されないが、例えばミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル等を用いることができる。
液状の内容物が、親水性物質であると、前記内容物がカプセル皮膜の基剤であるゼラチンと反応して皮膜の経時的変化が生じやすいので、前記内容物は親油性物質であることが好ましい。本明細書における親油性物質とは、ゼラチンを基剤とするカプセル皮膜に経時的に悪影響を与えない程度の親油性(疎水性)を有する物質をいう。
内容物の構成成分は特に制限されるものではないが、動植物油などの油性物質、あるいはその粉末懸濁物が使用できる。好ましい具体例としては、動植物油、リン脂質、及びセラミドからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。動植物油の具体例としては、サフラワー油、オリーブ油、魚油等が挙げられる。
または、内容物の構成成分として、炭素数20のモノエン酸及び/又はその誘導体からなる群から選ばれる1種以上と、炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体からなる群から選ばれる1種以上を好ましく用いることができる。これらは、一例として、高尿酸性疾患予防治療剤の有効成分として知られている(上記特許文献6)。したがって前記成分を内容物に含む咀嚼性カプセルは、高尿酸性疾患に代表される生活習慣病の予防治療剤または食餌療法用の栄養組成物として、ヒトまたは動物に経口投与することができる。
前記炭素数20のモノエン酸及び/又はその誘導体、並びに炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体は、具体的には、炭素数20のゴンドイン酸(ゴンドウ酸)、ガドレイン酸、5−イコセン酸等のイコセン酸(エイコセン酸)及び/又はその誘導体、並びに炭素数22のエルカ酸(エルシン酸)、セトレイン酸、5−ドコセン酸等のドコセン酸及び/又はその誘導体である。
使用する炭素数20のモノエン酸、並びに炭素数22のモノエン酸は、医薬的又は食品的に許容されるものであれば特に制限はなく、これらの高級モノエン酸の含有量が多い天然油脂、例えば、サメ肝油、鯨油、タラ肝油、ナタネ油、カラシ油、キャベツ種子油、ホホバ油、メドウフォーム油等を、そのまま又は適宜組み合わせて使用することができる。
また、これらの天然油脂から、イコセン酸又はドコセン酸を常法、例えば分別蒸留、結晶化、溶媒抽出、尿素包接化、又はクロマトグラフィーにより抽出、精製して使用することも可能である。尚、簡便には、市販のゴンドイン酸、又はエルカ酸(いずれもシグマ社製)を使用することができる。
これらの高級モノエン酸の誘導体には、高級モノエン酸の塩のほか、種々のエステル等の誘導体も含まれる。具体的には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、メタノール、エタノール等の低級脂肪族アルコールとのエステル、モノ、ジ、又はトリグリセライド等を例示することができる。
炭素数20のモノエン酸及び/又はその誘導体と、炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体との比率は、炭素数20のモノエン酸及び/又はその誘導体1質量部に対して、炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体が0.1〜17質量部であることが、この範囲外である場合に比較して、高尿酸性疾患に代表される生活習慣病の予防及び治療効果が高いことから望ましい。
有効投与量は経口投与の場合(食餌療法時の経口給与の場合も同じ。)、炭素数20のモノエン酸及び/又はその誘導体、並びに炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体(以下、高級モノエン酸類と記載することがある。)からなる有効成分の量を基準として5〜400mg/体重kg/1日である。したがって、咀嚼性カプセルに封入させる内容物における前記高級モノエン酸類の含有量は、1回〜数回の投与で上記有効投与量を摂取できるように設定すればよい。特に、本発明の咀嚼性カプセルは1カプセル当たりの内容物量を多くできるので、生活習慣病の予防治療用として摂取量が多い方が一層有効である高級モノエン酸類を封入させて剤とする場合に極めて好適である。
また、咀嚼性カプセルの内容物には、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤、各種硬化油、ロウ類などを含有させることができる。
また、その他の成分として、香料、甘味料、着色剤など、適宜の添加物を含有させてもよい。香料は、目的に応じてさまざまな天然・合成香料を用いることができる。甘味料は、合成甘味料、糖類、糖アルコールなどを用いることができる。着色剤は、合成着色剤、天然着色剤などを用いることができる。
<製造方法>
本発明の咀嚼性カプセルは、ゼラチンを含む皮膜材料液を用いてカプセル状の成型体を形成する工程と、前記成型体を乾燥させる乾燥工程を経て製造することができる。
ゼラチンを含む皮膜材料液をカプセル状に成型する方法は特に限定されず、公知の各種手法を用いることができる。例えば特開平10−80466号公報に記載されているような、ロータリー式自動軟カプセル製造機を用いて、内容物を充填しつつカプセル皮膜を成型する方法を好適に用いることができる。
以下、本発明の咀嚼性カプセルの製造方法の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態で好適に用いられるロータリー式自動軟カプセル製造装置の例を示した概略図である。
まず、皮膜の構成成分を適量の水に溶解させて皮膜材料液を調製する。必要であれば加温して、均一に溶解させる。皮膜材料液中におけるゼラチンの量は、多すぎても少なすぎても成型が難しくなるので、前記皮膜材料液を所望の皮膜形状に形成可能な範囲とする。皮膜材料液中におけるゼラチンの量は20〜45質量%程度、より好ましくは30〜40質量%程度とされる。
一方、これとは別に内容物を液状に調製しておく。
図1に示すように、皮膜材料液を帯状に成型した皮膜シート1を2枚、一対の回転円筒形金型2の間に送り込む。回転円筒金型2を回転させつつ、これと連動するポンプ3で、内容物4を2枚の皮膜シート1の間に圧入する。このときセグメント5により、前記皮膜シート1がヒートシール可能な適温に熱せられ、回転円筒金型2表面に形成されている凸状の歯と歯の圧切によって接合部6がヒートシールされて、カプセル状成型体7が得られるようになっている。
皮膜シート1を形成する方法は特に限定されないが、例えば皮膜材料液をシート状に展延し、ゼラチンがゲル化する温度に温度制御することによってゲル状の皮膜シート1を形成することができる。
次に、得られたカプセル成型体7を乾燥させて咀嚼性カプセルを製造する。
乾燥工程は、まず、湿度30%〜50%かつ温度20℃〜30℃の範囲内から選ばれる第1の条件に対して、湿度が±5%以内かつ温度が±2℃以内に制御された雰囲気下で、10時間〜12時間乾燥させる一次乾燥を行う。一次乾燥は、回転乾燥法を用いて行うのが好ましい。ここでの回転乾燥法とは、通気可能な有底中空状の容器(例えば円筒形のカゴ)に未乾燥のカプセルを入れ、前記容器を回転させながら除湿された空気を前記容器内に送ってカプセルを乾燥させる方法をいう。具体的には、容器と、前記容器を回転させる手段と、送風手段を備えた回転式送風乾燥機を用いて好適に行うことができる。
一次乾燥の後、湿度70%±5%かつ温度25℃±2℃の範囲内に制御された雰囲気下で2時間〜3時間、熟成を行う。熟成はカプセルを静置させた状態で行うことが好ましい。より好ましい熟成時間は3時間程度である。
熟成の後、湿度30%〜50%かつ温度20℃〜30℃の範囲内から選ばれる第2の条件に対して、湿度が±5%以内かつ温度が±2℃以内に制御された雰囲気下で、35時間〜70時間乾燥させる二次乾燥を行うことにより、咀嚼性カプセルが完成する。より好ましい乾燥時間は40〜60時間程度である。二次乾燥は、一次乾燥と同様に回転乾燥法で行うことが好ましい。
二次乾燥を終えた直後における、カプセル皮膜の水分含有量は咀嚼性と自己変形の点から10〜20質量%程度であることが好ましい。より好ましい範囲は13〜17質量%である。なお、カプセル皮膜の水分含有量は乾燥減量法により測定することができる。
本実施形態の製造方法によれば、大きくて、皮膜が薄くて柔らかく、内容物の量が多くても自重変形や自重破壊を防止することができるので、本発明にかかる咀嚼性カプセルを歩留まりよく製造することができる。
具体的には、従来の一般的な内服用ソフトカプセルは、通常、カプセル状に成形した後、湿度30%〜50%、温度約20〜30℃程度の雰囲気中で回転式送風乾燥機を用いて20時間程度で乾燥させる。これに対して本発明にかかる咀嚼性カプセルは、通常の内服用カプセルに比べ外径が格段に大きく重く、また咀嚼しやすいようにカプセル皮膜厚さが薄く(皮膜の割合を少なく)形成される。このため、従来の1回の乾燥工程で仕上げる方法で本発明にかかる咀嚼性カプセルを製造しようとすると、回転乾燥中に、自重によりカプセルが割れてしまう。
そして、本実施形態においては、一次乾燥及び二次乾燥時の温度及び湿度が厳密に管理され(温度制御±2℃、湿度制御±5%)、かつその間に高湿度下(湿度70%程度)で熟成が行われる。かかる方法によれば、回転乾燥中にカプセルが変形したり割れたりするのを防止することができる。また上記の条件で熟成を行うことにより皮膜材料液中に含まれる結晶析出剤による結晶が効率良く析出する。またカプセル表面に、均一にキシリトール(結晶析出剤)の結晶を析出させるためには、厳密に乾燥スピードをコントロールする必要があるが、本実施形態によれば、結晶が均一に析出した均質な品質を有する咀嚼性カプセルが得られる。
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<カプセル内容物の調製>
(a)主原料 たら肝油:100質量部、(b)増粘剤 ミツロウ((株)セラリカNODA製):5.4質量部、(c)香料 オレンジ香料(長谷川香料(株)製):2.2質量部、(d)香料 1−メントール(小林桂(株)製):0.2質量部、(e)甘味料 スクラロース(三栄源エフエフアイ(株)製):0.1質量部、(f)着色剤 β−カロチン(30%)(三栄源エフエフアイ(株)製):0.02質量部
まず、(a)を約70℃に加温し、(b)を加えて溶解した。これを30℃以下に冷却した後、(c)、(d)、(e)および(f)を加えて撹拌した。その後、コロイドミルにて粉砕・乳化し、減圧脱泡して、均一な溶液とした。こうして得られた溶液(内容物)の粘度は25℃で、1.5Pa・sであった。
<カプセル皮膜材料液の調製>
(a)ゼラチン(ニッピゼラチン工業(株)製(牛骨由来ゼラチン、ブルーム165〜185)):100質量部、(b)グリセリン:70質量部、(c)エリスリトール(三菱化学フーズ(株)製):10質量部、(d)キシリトール(東和化成(株)製:キシリット):3.5質量部(e)スクラロース(三栄源エフエフアイ(株)製):2質量部(f)水:90質量部
上記(a)〜(f)を70℃程度に加温しながら撹拌溶解した後、溶液を真空脱気及び濾過し、均一な溶液(カプセル皮膜材料液)とした。
<咀嚼性カプセルの製造>
上記で調製した内容物とカプセル皮膜材料液を、ロータリー式ソフトカプセル充填機に適用して、カプセル内容物の質量が1500mgの球体状のカプセル成型体を成型した。
これを、直ちに、湿度50%で温度25℃の空気雰囲気中で、回転式送風乾燥機を用いて10時間乾燥した(一次乾燥)。湿度は50%±5%の範囲に保ち、温度は25℃±2℃の範囲に保つように制御した。また、回転式送風乾燥機の回転速度は10rpmとした。
次に、湿度70%で温度25℃の空気雰囲気中に3時間静置した(熟成)。湿度は70%±5%の範囲に保ち、温度は25℃±2℃の範囲に保つよう制御した。
続いて、湿度50%で温度25℃の空気雰囲気中で、回転式送風乾燥機を用いて35時間乾燥(二次乾燥)することにより、球体状の咀嚼性カプセルを得た。湿度は50%±5%の範囲に保ち、温度は25℃±2℃の範囲に保つように制御した。また、回転式送風乾燥機の回転速度は15rpmとした。二次乾燥を終えた直後のカプセル皮膜の水分含有量は14質量%であった。
このようにして得られた咀嚼性カプセル(球形チュアブルソフトカプセル)の皮膜の外径(球径)は16mm、カプセル全質量は1750mg、カプセル皮膜質量は250mg(カプセル全質量の約14.3%)であった。
本実施例において、回転乾燥時にカプセルの自己変形や自己破壊は生じなかった。また、得られた咀嚼性カプセルの外表面にはキシリトールの結晶が均一に析出しており、高品質なカプセルであった。
[実施例2]
<カプセル内容物の調製>
(a)主原料 DHA含有魚油:100質量部、(b)増粘剤 ミツロウ((株)セラリカNODA製):2.5質量部、(c)香料 レモン香料(高砂香料(株)製):2.5質量部、(d)甘味料 アスパルテーム(味の素(株)製):0.1質量部、(e)着色剤 β−カロチン(30%)(三栄源エフエフアイ(株)製):0.02質量部
まず、(a)を約70℃に加温し、(b)を加えて溶解した。これを30℃以下に冷却した後、(c)、(d)、および(e)を加えて撹拌した。その後、コロイドミルにて粉砕・乳化し、減圧脱泡し、均一な溶液とした。こうして得られた溶液(内容物)の粘度は25℃で、1.5Pa・sであった。
<カプセル皮膜材料液の調製>
(a)ゼラチン(ゼライス(株)製(豚皮由来ゼラチン、ブルーム190〜220)):100質量部、(b)グリセリン:150質量部、(c)トレハロース((株)林原商事製 ):10質量部、(d)キシリトール(東和化成(株)製:キシリット):100質量部(e)水:90質量部
上記(a)〜(e)を70℃程度に加温しながら撹拌溶解した後、溶液を真空脱気及び濾過し、均一な溶液(カプセル皮膜材料液)とした。
<咀嚼性カプセルの製造>
上記で調製した内容物とカプセル皮膜材料液を用い、実施例1と同様にして、カプセル内容物の質量が3000mgのカプセル成型体を成型した。
これを、直ちに上記実施例1と同様にして乾燥させて、咀嚼性カプセル(球形チュアブルソフトカプセル)を製造した。二次乾燥を終えた直後のカプセル皮膜の水分含有量は14質量%であった。
このようにして得られた咀嚼性カプセルの皮膜の外径(球径)は20mm、カプセル全質量は3600mg、カプセル皮膜質量は600mg(カプセル全質量の約16.7%)であった。製造工程中、カプセルは自己変形、自己破壊を起こさず、また、キシリトールの結晶がカプセル表面に均一に析出した、きわめて高品質なカプセルであった。
試験例
次に、試験例を示す。
試験例1
試験例1は、カプセルの皮膜の外径(球径)を、下記表1に示すように10〜30mmの範囲内で変化させた他は実施例1と同様にして咀嚼性カプセルのサンプルを製造した。尚、球径の変化に応じて内容物の量を変化させることにより、皮膜率を15%に統一した。
得られたサンプルについて、官能試験を行なった。官能試験は、20人のパネルが各サンプルを試食し、食べやすさ、咀嚼のし易さ、内容物の拡散性の3項目について、評点法(scoring method)により次の評価基準で行なった。

その結果を表1に示す。20名のパネルによる各試験項目の評価成績を平均値±標準偏差で示した。各試験項目について分散分析およびポストホックテストとしてFisherのPLSD法を用いた統計解析を行ない、統計的に有意に他の試験群に比べ、「普通」以下(「悪い」)以外の評価を適正とした。尚、表1の数値に付随した上付のアルファベットのうち、異なる文字間では統計的に有意差があることを意味する。

表1の結果より、カプセルの皮膜の外径が14mm〜25mmの範囲、カプセル内容物の質量が1400mg〜3000mgの範囲において、食べやすさ、咀嚼のし易さ、内容物の口中での拡散性の点でいずれも良好な結果が得られることが認められた。
<試験例2>
カプセル皮膜率を表2及び表3に示すように8%〜25%の範囲で変化させた他は上記実施例1と同様にして咀嚼性カプセルを製造した。尚、カプセル皮膜の外径(球径)は20mmに統一すると共に、カプセルの全質量を3600mgに統一し、カプセル皮膜の膜厚と内容物の量を変化させることによって皮膜率の値を制御した。得られたサンプルについて、試験例1と同様の方法により、官能試験を行なった。官能試験は、20名のパネルが各サンプルを試食し、噛み砕きやすさ、皮膜の口溶けの良さ、内容物の量の良さの3項目について試験例1の方法と同様に評価した。その結果を下記表2に示す。
安定性試験は、次の3項目について行なった。
(1)破壊強度試験:カプセル10球を1mの高さから床に落下させ、カプセル表面の破損の程度(凹みの程度)から、製品について、「非常によい(◎)」、「若干の凹みがあるが製品として良好(○)」、又は「不良(×)」と評価をした。
(2)高温下保管試験:カプセル10球を40℃の恒温槽に1週間保管し、カプセルの状態を観察した。その結果、カプセル表面が乾燥しており、カプセルどうしの接着がない場合を「カプセルどうしの付着なし(◎)」、結晶化した箇所がやや少なくなった場合を「付着はあるが簡単に手でほぐせる(○)」、カプセルどうしが接着した場合「付着していて手で剥がせない(×)」とした。
(3)サイクル試験:40℃での保管と、5℃での保管を各24時間ずつ、交互に3サイクル繰り返した後、カプセルの付着等を観察した。観察の結果をカプセル表面が乾燥しており、カプセルどうしの接着がない場合を「カプセルどうしの付着なし(◎)」、結晶化した箇所がやや少なくなった場合を「付着はあるが簡単に手でほぐせる(○)」、カプセルどうしが接着した場合「付着していて手で剥がせない(×)」とした。
これら安定性試験の結果を表3に示す。


表2及び表3の結果より、カプセル皮膜率が10〜20%の範囲であれば、噛み砕きやすさ、皮膜の口溶けの良さ、内容物の量の良さ等の食感と、カプセルへの外力や環境変化に対する安定性との両立が可能となることが判明した。
<試験例3>
ゼラチン皮膜におけるグリセリンとキシリトールの好ましい配合比率範囲について下記の試験を行なった。すなわち、下記表4に示すように、ゼラチン100質量部に対するグリセリンの配合量を20〜250質量部の範囲内で変化させ、その他は実施例1と同様にして咀嚼性カプセルを製造した。この時、グリセリンの配合量はゼラチン100質量部に対して10質量部に統一した。
また、下記表5に示すように、ゼラチン100の質量部に対するキシリトールの配合量を0.5〜250質量部の範囲内で変化させ、その他は実施例1と同様にして咀嚼性カプセルを製造した。この時、グリセリンの配合量は、ゼラチン100質量部に対して60質量部に統一した。
得られたサンプルについて、官能試験及び品質判定試験を行なった。官能試験は、20名のパネルが各サンプルを試食し、グリセリンの量が異なるサンプルに関しては、噛み心地の良さ、キシリトールの量が違うサンプルに対しては清涼感の程度について試験例1と同様に評価を行なった。
品質判定試験は、加工適性と相互付着性について評価した。
(4)加工適性は、実際のカプセル成形のし易さについて、▲1▼キャスティング(カプセルを成形するシートの成形)のし易さ、▲2▼キャスティングした皮膜シートのキャスティングドラムからの剥がれ易さ、▲3▼ヒートシールのし易さから総合的に評価した。上記▲1▼〜▲3▼全てが適性であったものを「非常に良い(◎)」、上記一項目が適性でなかったものを「良い(○)」、上記二項目が適性でなかったものを「やや悪い(△)」、上記のすべてが適性でなかったものを「悪い(×)」とした。
(5)相互付着性は、40℃で1週間保管し、カプセルどうしの接着面の状態から製品としての外観を評価した。カプセル表面が乾燥しており、カプセルどうしの接着が全くない場合を「非常に良い(◎)」、カプセル表面が乾燥していないが、カプセルどうしの接着が無い場合を「良い(○)」、ややカプセル表面の粘性が増しテカリが見られるが、カプセルどうしの接着が無い場合を「普通(△)」、カプセルどうしが若干でも接着した場合「悪い(×)」とした。


表4および表5の結果より、グリセリンの配合量30〜200質量部、キシリトール配合量1〜200質量部で良好な結果が得られた。
試験例4
実施例1で示した内容物の組成において、ミツロウ(増粘剤)の配合量を変化させることによって、内容物の25℃における粘度を下記表6に示すように、0.1, 0.5, 1.0, 2.0, 2.5, 3.0 Pa・sの6段階に変化させ、その他は上記実施例1と同様にして咀嚼性カプセルを製造した。得られたサンプルについて官能試験を行なった。官能試験は、20人のパネルが各サンプルを試食し、口中での内容物の広がりやすさ(拡散性)について、試験例1と同様に、評点法(scoring method)により行なった。その結果を下記表6に示す。

表6の結果より、内容物の25℃における粘度が、2.0Pa・s以下の粘度であれば良好な拡散性が得られることが認められた。
試験例5
咀嚼性カプセル製造時の好ましい乾燥条件を検討する為に、上記実施例1においてカプセルの内容物の質量を1,000mg、1,400mg、2,000mg、2,500mg、3,000mg、3,500mgの6段階に変化させると共に、各々の大きさのカプセルについて乾燥方法を下記の5通りに変えて咀嚼性カプセルを製造した。尚、乾燥は、回転式送風乾燥機を用い、回転速度は10rpmとした。
乾燥方法1:通常のソフトカプセルの乾燥方法(湿度30〜50%、温度20〜30℃、乾燥時間20時間)
乾燥方法2:通常のソフトカプセルの乾燥方法で、乾燥時間を長くした乾燥方法(湿度30〜50%、温度20〜30℃、乾燥時間45時間)
乾燥方法3:乾燥方法2において、乾燥を2回に分け、間に熟成を入れた乾燥方法(湿度40±5%、温度25±2℃、乾燥時間45時間)
乾燥方法4:乾燥方法2において乾燥を2回に分け、間に熟成を入れた乾燥方法(湿度30〜50%、温度20〜30℃、乾燥時間10時間で一次乾燥、その後湿度70%で3時間熟成、その後再度一次乾燥と同条件で35時間二次乾燥)
乾燥方法5:乾燥方法4において、温度・湿度制御を厳密に行なう乾燥方法(湿度40±5%、温度25±2℃、乾燥時間10時間で一次乾燥、その他湿度70±5%で3時間熟成、その後再度一次乾燥と同条件で35時間二次乾燥)
乾燥方法6:湿度30%、温度31℃で5時間乾燥、次に、湿度80%、温度28℃で3時間放置、その後、湿度30%、温度31℃で12時間乾燥させる。
得られたサンプルについて、カプセルの自重変形、自重破壊、キシリトール結晶の析出状態について総合評価した。上記評価項目の全てが製品として問題の無いものを「◎」、上記評価項目で製品として問題は無いレベルではあるが1項目に問題があるものを「○」、上記評価項目で製品として問題は無いレベルではあるが2項目に問題があるものを「△」、上記項目のうち1項目でも製品として問題があるものは全て「×」とした。評価項目で「×」以外を製品として適正であると判断した。

表7の結果より、乾燥方法5によれば、内容物の量が3,000mgまでの咀嚼性カプセルを自重変形、自重破壊が無く製造することができ、また、カプセル表面にキシリトールの結晶が均一に析出した良好なカプセルが得られた。
産業上の利用の可能性
本発明は、食品、特に健康食品、特定保健用食品、医薬品、医薬部外品等に利用される咀嚼性のカプセル、いわゆるチュアブルソフトカプセル、及びその製造方法に好適である。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
咀嚼性カプセルであって、
カプセル皮膜と、前記カプセル皮膜に封入された内容物を備え、
前記カプセル皮膜の外径が14mm〜25mmであり、
前記カプセル皮膜の質量が咀嚼性カプセルの全質量に対して10%〜20%の比率の範囲であり、
前記カプセル皮膜に封入されている前記内容物の量が1400mg〜3000mgであり、
前記カプセル皮膜にゼラチンが含まれている咀嚼性カプセル。
【請求項2】
請求項1記載の咀嚼性カプセルであって、前記カプセル皮膜が、ゼラチン100質量部に対してグリセリン30〜200質量部、及び結晶析出剤1〜200質量部を含む。
【請求項3】
請求項2記載の咀嚼性カプセルであって、前記結晶析出剤のうちの少なくとも一部が結晶として皮膜表面に露出している。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の咀嚼性カプセルであって、前記内容物が、25℃で2Pa・s以下の粘度を有する液状の親油性物質である。
【請求項5】
請求項4記載の咀嚼性カプセルであって、前記内容物が動植物油、リン脂質、及びセラミドからなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。
【請求項6】
請求項4記載の咀嚼性カプセルであって、前記内容物が、炭素数20のモノエン酸及び/又はその誘導体からなる群から選ばれる1種以上と、炭素数22のモノエン酸及び/又はその誘導体からなる群から選ばれる1種以上を含有する。
【請求項7】
請求項1記載の咀嚼性カプセルを製造する方法であって、
ゼラチンを含む皮膜材料液を用いてカプセル状の成型体を形成する工程と、前記成型体を乾燥させる乾燥工程を有し、
前記乾燥工程において、湿度30%〜50%かつ温度20℃〜30℃の範囲内から選ばれる第1の条件に対して湿度が±5%以内かつ温度が±2℃以内に制御された雰囲気下で10時間〜12時間の一次乾燥を行い、
前記一次乾燥の後、湿度70%±5%かつ温度25℃±2℃の範囲内に制御された雰囲気下で2時間〜3時間の熟成を行い、
前記熟成の後、湿度30%〜50%かつ温度20℃〜30℃の範囲内から選ばれる第2の条件に対して湿度が±5%以内かつ温度が±2℃以内に制御された雰囲気下で35時間〜70時間の二次乾燥を行う咀嚼性カプセルの製造方法。

【国際公開番号】WO2005/011402
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512585(P2005−512585)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011286
【国際出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000006127)森永乳業株式会社 (269)
【Fターム(参考)】