説明

和封筒形2槽紙袋とその製造方法

【課題】この発明は、2つの槽の袋を提供する和封筒形2槽紙袋とその製造方法。
【解決の手段】和封筒貼り方式に於いて、始めに折る部分の幅を袋の幅と同じくして第1の槽を確保し次に折る部分により第2の槽を形成することを特徴とする2槽紙袋である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚の袋に2つ槽を持つ2槽紙袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の袋は図1、2、3、4に示すような形状で1槽である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
紙袋に書類等の他、小さな重要な物等を入れる場合でも、従来の紙袋は、1槽の為一緒に入れなければならない。槽を複数にして、分類区別して入れる必要性がある場合には対応できない。
後で回収する必要のあるICチップや給与明細書など、別の槽に入れておけば管理しやすいが1槽ではそれが出来ない。
本発明はこれらの問題を解決する為に既存の製袋工程、製造設備を変更することなく2槽の袋を製造する為になされたものである。
同様の課題の多槽紙袋が特許願(出願番号2009−159275)で申請されていますが、前出の袋は、カマス形(洋封筒形)で今回の申請とは、形状(和封筒形)、製造設備が全く異なり、又槽を形成する発想も異なる。
図9は、カマス形(洋封筒形)の工程図で、左右の「のりひろ」を折り、糊を塗布して返し部を折上げて袋にするが、和封筒形は図10の如く、第1折部を折り、糊を塗布して第2折部を折たたみ、縦を貼り合わせてから底部に糊を塗布して底部を折り上げて袋とする。
この様に、折る順序、糊の塗布する位置が異なる為、それぞれ専用の設備機械を用意して対応している。
本来の槽とは別に、槽を形成する方法は、カマス形は「のりひろ」を広くして、返し部とで別の槽を形成しているが、本発明は第1折部を袋の幅と同じにして本来の槽を確保し、第1折り部と第2折部とで別の槽を形成している。
前出の「カマス形」の方式では、小さい袋の製造が困難であるが、本発明は(製造設備)製袋機の公称規格の最小寸法と同じサイズの袋が製造できる。
【課題を解決する為の手段】
【0004】
以上の課題を解決する為に和封筒に於いて、第一工夫は図5「第1折部」の幅を広げて、「袋幅」と同じ長さにして、折り返すことにより、図6「本体第1槽部」を確保し、第2折部の「のりひろ」に糊を塗り、折り返すことにより、第2槽部を形成できる。
「底のりひろ」に糊を塗り、折り返す事により、それぞれの槽の左右と底を封じる事あ出来る。
第2工夫は、「第1折部」に図5の様に補助ベロをを付ける事により第2槽部を独立して封をすることが出来る。図7
又、必要に応じ、第2折部に補助ベロの先を差し込む「補助ベロ用切り込み」を付ける事により「補助ベロ」を固定できる。
尚、第1折部を袋幅まで広げて第1槽部を確保してある為、第2の槽を形成しても、本来の第1槽部は関わり無く存在する。
以上を特徴とする「和封筒形2槽紙袋」である。
【発明の効果】
【0005】
この発明により、既存の製袋工程(製袋機械)を改造することなく、従来と同様に安定した品質、速度で2槽の袋を製造できる。
【0006】
第2槽部の大きさは、中に入れる品物に応じ、第2折部の幅を合わせることにより自由に調製できる。
【0007】
又、後で回収する必要のある重要なICチップや給与明細書などを別の槽に入れる事により容易に回収管理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
和封筒形2槽紙袋の於いて、第1工夫は図6の第1折部(1)の幅を袋幅と同じにする事により第1槽部(10)を確保する。
第2工夫は第1折部(1)に補助ベロ(6)を付ける事により第2槽部(11)を独立して封をすることが出来る。
又、必要に応じ、第2折部(2)に補助ベロ(6)を差し込む補助ベロ用切り込み(9)を付けることにより補助ベロ(6)を固定できる。
尚、第1折り部幅(7)は袋幅(8)と同じに広げて第1槽部(10)を確保してある為第2槽部(11)を形成しても、本来の第1槽部(10)は関わり無く存在する。
本発明は以上の様な構造でこれを使用する時は
(イ)第1槽部(10)は内容物に合わせて、袋幅(8)と袋丈(14)で決まる。
(ロ)第2槽部(11)は内容物に合わせて、第2折部幅(13)と袋丈(14)で決まる。
(ハ)第2槽部は上ベロ(3)により、一応封をされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 従来の和封筒の展開図
【図2】 第1折部を折って、糊を塗った図
【図3】 第2折部を折って、縦を貼り合わせた図
【図4】 底ベロを折り上げ完成させた図
【図5】 本発明の展開図
【図6】 本発明の「第1折部」を折り、糊を塗布した図
【図7】 本発明の「第2折部」を折り、「底ベロ」を折り上げ、貼り合わせた図
【図8】 本発明の「補助ベロ」と「上ベロ」を折り、封をした図
【図9】 前出カマス形多槽紙袋を展開し糊を塗った図
【図10】 本発明の和封筒形2槽紙袋を展開し糊を塗った図
【符号の説明】
【0010】
1 第1折部
2 第2折部
3 上ベロ
4 のりひろ
5 底ベロ
6 補助ベロ
7 第1折部幅
8 袋幅
9 補助ベロ用切り込み
10 第1槽部
11 第2槽部
12 糊
13 第2折部幅
14 袋丈

【特許請求の範囲】
【請求項1】
和封筒貼り紙袋に於いて、始めに折る部分(第1折部)を、袋幅と同じくして、第1槽を確保し次に折る部分(第2折部)により第2槽を形成する事を特徴とする、2槽紙袋とその製造方法。
【請求項2】
はじめに折る部分(第1折部)の上に補助ベロを付ける事により、新たに作られた槽を独立して封をすることが出来る事を特徴とする「請求項1」における2槽紙袋とその製造方法。
【請求項3】
必要に応じ第2折部に補助ベロの先を差し込む「補助ベロ用切り込み」を付けて「補助ベロ」を固定出来ることを特徴とする「請求項2」における2槽紙袋とその製造方法。
【請求項4】
始めに折る部分(第1折部)を、袋幅と同じにして第1槽を確保してあるため、次に折る部分(第2折部)により第2の槽を形成しても、本来の槽(第1槽)は関わり無く存在する事を特徴とする、「請求項1」における2槽紙袋とその製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−25993(P2011−25993A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186085(P2009−186085)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(509189145)株式会社伊藤製袋工業所 (5)
【Fターム(参考)】