品物を保管および/または携帯する衣服
1つ以上の品物を保管および/または携帯する衣服であって、着用者の胴の少なくとも一部で着用する胴受け部分と、前記品物を受ける1つ以上の容器とを含み、容器または各容器が、少なくとも部分的に半硬質ポリマー材料で構成され、容器または各容器が前記胴受け部分と一体化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着用者の身体上で品物を保管し、携帯する衣服に関する。本発明は特に、特定の業務または活動を実行するために必要な道具および機器などの品物を保管し、携帯する衣服に関し、保管された品物は、迅速かつ容易にアクセスし、元に戻す必要がある。
【背景技術】
【0002】
特定の業務および活動では、業務または活動を実行するために幾つかの携帯用の品物が必要である。必要な場合に容易に使用可能であるように、これらの品物を使用者が持ち運べることが都合よく、あるいは必要でさえある。このような業務の例は、法執行機関(law enforcement)、軍隊、商人、消防士、救急隊員、レスキュー隊員などである。以下の検討は警察官が使用する機器に焦点を絞っているが、同様の考慮事項が他の業務にも当てはまることが、即座に明白である。
【0003】
法執行機関の場合、警察官は定期的に、手錠、拳銃、拡張式警棒、OC(トウガラシのオレオレジン)またはCSスプレイなどの群衆取り締まり用非軍事的化学スプレイ、ゴム手袋、マスクおよび無線送受器などの幾つかの「商売道具」を使用する。従来、これらの品物の多く、または大部分は、警察官の腰回りのベルトで携帯される。このような構成は、このように多くの品物を1本のベルトから吊り下げることが非実用的なことがあるという点で、不利である。各品物が限られた区域のみでのみ支持される。つまり非常に不安定になり、各品物が動き、ベルトや着用者の身体に負荷がかかることがある。さらに、例えばスナップで保持した被覆フラップを備えたベルトキーパまたは装具ポーチなどによって各品物をベルトに固定する手段では、着用者が品物に容易にアクセスし、外すことができない。例えば警察官が逮捕する過程で、他方の手が被疑者を拘束していると、おそらく自由な片手だけで手錠に迅速にアクセスする必要がある場合に、このことは特に問題になることがある。
【0004】
警察官が定期的に使用する他の品物は、制服のポケットにいれて携帯することができる。しかし、ポケットの材料および/または設計ならびに/あるいはポケットを閉じるために使用する閉鎖部のタイプ(例えばボタン、ファスナ)も、往々にしてポケット内の品物への容易なアクセス性を妨げ得る。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,889,834号明細書
【特許文献2】米国特許第6,772,925号明細書
【特許文献3】米国特許第6,763,527号明細書
【特許文献4】米国特許第6,397,392号明細書
【特許文献5】米国特許第6,216,272号明細書
【特許文献6】米国特許第6,185,738号明細書
【特許文献7】米国特許第5,991,925号明細書
【特許文献8】米国特許第5,644,792号明細書
【特許文献9】米国特許第5,431,318号明細書
【特許文献10】米国特許第5,265,782号明細書
【特許文献11】米国特許第5,127,565号明細書
【特許文献12】米国特許第4,241,459号明細書
【特許文献13】米国特許第4,106,121号明細書
【特許文献14】米国特許第3,634,889号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、着用者の身体上で1つ以上の品物を保管して、携帯するが、以上の不利がない手段に対する要求がある。したがって、先行技術の1つ以上の不利を克服するか、少なくとも緩和する、1つ以上の品物を保管および/または携帯する衣服を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、1つ以上の品物を保管および/または携帯する衣服が提供され、これは、着用者の胴の少なくとも一部で着用するための胴受け部分と、前記品物を受け取る1つ以上の容器とを含み、容器または各容器は、少なくとも部分的に半硬質ポリマー材料で構成され、容器または各容器は前記胴受け部分に一体化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の説明は大部分が、法執行機関に使用される品物の保管および/または携帯に適用された状態の本発明に的を絞っている。しかし、本発明はその用途に制限されないことが、明らかに理解される。
【0009】
通常、容器または各容器は、少なくとも一部が、少なくとも前記半硬質ポリマー材料および軟質材料を備える積層体から構成される。
【0010】
胴受け部分は、少なくとも前記半硬質材料および軟質材料の積層体を含んでもよい。半硬質積層体は、所望の特性を与える他の材料または構成要素も含んでよい。例えば、積層体は、衣服に刺しまたは切り込みに対する耐性を与えるために、鋼の網目またはケブラなどの防具材料を含んでよい。また、半硬質積層体は、耐火性材料を含んでよい。さらに、半硬質積層体は、その中に着用者の体温調整を補助する冷却管を含んでよい。胴受け部分は通常、所定量の着用者の胴を覆う衣服の主要構成要素を備える。これは通常、着用者の胴の少なくとも一部にほぼ一致するような形状である。胴受け部分は、縫製、溶着、積層または他の結合方法などによって相互に接合された複数のパネルを備えるか、一体部片を備えることができる。個々のパネルは、同じ材料または異なる材料を備えてよい。パネルが異なる材料である場合は、半硬質材料を含む材料の1つ以上のパネル、および軟質材料の1つ以上のパネルを含むことが好ましい。半硬質材料を含む1つ以上のパネルは、半硬質材料と軟質材料との積層体を備えることができる。
【0011】
軟質材料は通常、衣服の意図された最終の用途に見合った所望の特性を有する1つ以上の合成織物である。このような特性は、軽量、防水性、耐UV性、および良好な機械的特性を含む。軟質材料は合成であることが好ましいが、幾つかの実施形態では綿などの天然材料を使用することができる。適切な合成材料はナイロンおよびポリエステル含有材料を含む。他の軟質材料は、NOMEXという商標で販売されているようなアラミドを含む。軟質材料は、場合によっては相互に積層にされた2層以上の織物を含むと有利である。1つの実施形態では、軟質材料は、ナイロンとポリエステルとの積層体、例えば200デニールのナイロンと600デニールのポリエステル布との積層体である。幾つかの実施形態では、軟質材料は網目構造を有することができる。好ましい軟質材料はナイロンまたはポリエステル、好ましくは織られたまたは編まれたナイロンまたはポリエステルである。軟質材料は、CORDURA(登録商標)という商標でデュポン社が販売しているような編まれたナイロンであることが、さらに好ましい。
【0012】
衣服の胴受け部分は通常、着用者の胴の前部を少なくとも部分的に覆う前部領域、着用者の胴の背部を少なくとも部分的に覆う背部領域、2つの側部領域、および着用者の肩の上に延在し、それによって支持される少なくとも1つの肩領域を含む。胴受け部分は、着用者の身体に面する内面、および外面も含む。胴受け部分は通常、衣服を着脱できるようにする締結可能な開口も含む。締結可能な開口は、操作が容易であるために、衣服の前部領域に配置されることが好ましい。開口は、締結具、好ましくはファスナ(ジッパー)によって締結可能であることが好ましい。締結具は、下にある衣服の様々な厚さを斟酌して、調節可能であることがさらに好ましい。調節可能な締結具の一例は両ファスナ(ダブルジッパー)である。
【0013】
胴受け部分は、着用者の腕を通すことができる2つの横穴を含むことが好ましい。袖ぐりは、歩行中および走行中に着用者の腕がほぼ妨げられないで動かせるような形状およびサイズにすることが好ましい。さらに、衣服の長さは、着用時に、衣服の下縁が着用者のウェストより下にならず、それによって使用中に着用者の胴の動きを妨げずに容易にするような長さであることが好ましい。本発明の衣服は、保管および/または携帯する品物を収容する1つ以上の容器も含む。各容器は、少なくとも部分的に半硬質ポリマー材料で構成され、衣服の胴受け部分と一体化される。
【0014】
容器または各容器は通常、ポケットまたはホルダの形態をとる。各容器は、胴受け部分の外面から延在する。容器は、少なくとも1つの外壁を含み、内壁も含むことができる。各容器は、品物を受ける開口を有する。各容器の材料の少なくとも一部は、半硬質ポリマー材料である。通常、各容器の外壁の少なくとも一部は、半硬質ポリマー材料を含む。半硬質材料は、3次元形状に成形または形成されることが好ましい。半硬質材料を使用すると、各容器の外壁に、容器の形状を規定し、維持するのに十分な剛性を与えるが、容器内の対応する品物を取り出したり、元に戻したりする場合に、適切に変形できるほど十分な可撓性を与える。
【0015】
容器は、開口の閉鎖部も含んでよい。閉鎖部も、形成された半硬質材料を含むことが好ましい。
【0016】
容器が内壁を含む場合、これは単純に、下にある衣服の胴受け部分の一部を備えてよい。しかし、他の実施形態では、内壁は胴受け部分とは別個でよい。内壁は、単純に軟質材料を備えてよい。しかし、一部の容器は、少なくとも部分的に半硬質材料も備えることが有利である。
【0017】
幾つかの実施形態では、内壁は、衣服と着用者の身体の間で空気の循環を向上させるために、少なくとも部分的に網目などの通気性のある材料を備える。
【0018】
内壁は、容器を開けた場合に、着用者にとって非常に明白であるように、対照的な色であることが有利である。
【0019】
各容器の形状は、設計上保持される品物の形状を補完することが好ましい。これは、外壁の少なくとも一部の半硬質の性質とともに、容器内にある品物の過度の動きを防止するか、最小限に抑えることができる。
【0020】
容器または各容器は、胴受け部分と一体化される。これは、容器の材料を胴受け部分の材料に、またはその内部に取り付けることを意味し得る。このような取付けは、縫製、接着結合、または積層によるものでよい。代替的または追加的に、容器または各容器と胴受け部分との一体化は、一体形成または一体成形による。この方法で、容器の少なくとも一部が、胴受け部分の少なくとも一部と一緒に形成または成形されて、1つ以上の一体部片になる。
【0021】
半硬質材料は、合成ポリマーをベースとすることが好ましい。半硬質材料は、材料の典型的な低い密度および軽量性のため、発泡(膨張)プラスチック材料に基づくことが、さらに好ましい。半硬質材料は、ポリエチレン発泡体などのポリオレフィン発泡体、またはエチレンビニルアセテート(EVA)発泡体をベースとすることが、さらに好ましい。特に好ましい半硬質材料は、EVA発泡体を含む。EVA発泡体は、本発明に適切な多くの望ましい特性を呈し、これは良好な耐候性および耐薬品性、低い吸水性、良好な機械的特性、優れた熱およびプレス形成性、柔軟性、弾性、および重要な圧縮後の強力な形状回復性を含む。EVA発泡体は圧縮されたEVA発泡体であることが、さらに好ましく、これは通常、加熱中に発泡体に圧力を加えることによって形成される。圧縮過程中に、EVA発泡体を所望の形状に形成または成形することができる。発泡体の厚さ、温度および/または圧力を変化させることによって、結果となる成形EVA発泡体の密度および機械的特性を制御することができる。
【0022】
半硬質材料は積層体を備えてよい。EVAを含んでいる場合、半硬質積層体は、EVA層の第1の面に結合された織物の第1の層を少なくとも含むことが好ましい。容器の半硬質積層体は、軟質材料の外層を含むことが好ましい。衣服の胴受け部分が軟質材料または軟質材料積層体の1つ以上のパネルを含む場合、半硬質積層体の外層は、衣服に全体的に一貫してまとまった外観を与えるために、軟質材料、または軟質材料積層体の外層に対応することが好ましい。織物の外層は固有の保護品質を有することが好ましい。第1の層に適切な材料の例は、織られたまたは編まれたナイロン、好ましくはCORDURA(登録商標)という商標でデュポン社によって販売されているような編まれたナイロンである。
【0023】
半硬質積層体はさらに、EVA層の第2の面に結合された第2の(織物)層を含み、それによってEVAの芯がある3層構造を生成することが、さらに好ましい。第2織物層は、容器のライナを備えることが好ましい。第2織物層に適切な材料の例は、ポリエステル、綿、ナイロン、ポリエステル綿およびウールを含む。第2織物層は、半硬質材料の強化および形状の維持を補助するナイロン網目などの網目を備えられると有利である。
【0024】
前述したように、EVA発泡体の多くの望ましい特性は、優れた熱およびプレス形成性を含む。これによってEVA発泡体から形成した容器の壁を3次元の一体部片に成形し、形成することができ、これは所望に応じて、容器に保持される品物の形状に一致する。この特徴は、各品物が所望の配向で確実に保管され、すぐ使用するために容易にアクセスし、取り出すことができることを保証するので有利である。これは、容器内の品物の望ましくない動きも減少するか、解消し、したがって品物および衣服の磨耗および引き裂きを最小限に抑える。さらに、着用者の快適さの助けとなる。
【0025】
容器内で保管された品物の望ましくない動きを上述のように減少させるか、無くすことは、潜在的に、容器の開口が閉鎖部を必要としないという別の利点を有する。容器の外壁、および存在する場合は内壁が、品物を適所に確実に保持するので十分である。しかし、容器の壁は、それらの半硬質の性質のおかげで、十分な可撓性をなお有し、必要に応じて着用者の手を容器内に挿入して、品物を回収する場合などに、必要な程度まで変形する。
【0026】
以上にもかかわらず、容器の開口に閉鎖部を設けることが、なお適切なことがある。閉鎖部は1つ以上のフラップを有してよい。閉鎖部は、従来通りの締結具、好ましくはVELCROという商標で販売されているようなフック状およびループ状の材料またはファスナを使用して締結可能でよい。閉鎖部は、一般に半剛性材料を含む。閉鎖部は、容器の外壁の材料と同じ材料を備えることが好ましい。したがって、閉鎖部に好ましい材料はEVA発泡体またはEVA発泡体積層体である。
【0027】
容器は通常、前部領域に配置構成され、衣服の肩領域へと延在してよい。容器の全ての開口は、着用者の手により容易にアクセスできるように配置構成される。通常、これは上前部領域または肩領域に配置された容器の開口が、底部に向かう開口を有し、下前部領域に配置された容器が、頂部に向かう開口を有することを意味する。
【0028】
特定の品物を保管する容器も、着用者の利き手に応じて前部領域の左側または右側に配置することができる。例えば、右利きの警察官は、逮捕するときに、右手で容疑者を拘束する可能性があり、手錠には左手でアクセスする必要がある。したがって、容易にアクセスするために、手錠の容器は着用者の右側に配置すると都合がよい。同じ人間工学的考慮が、法執行機関以外の業務で使用する衣服上の容器の位置にも当てはまる。
【0029】
好ましい実施形態では、衣服は手錠を保管するように意図された容器を含む。手錠容器は内外壁および開口を備える。手錠容器の形状およびサイズは、折り畳んだ手錠の形状およびサイズとぴったり一致し、滑り嵌めを保証するために、容器の内寸法が手錠よりわずかだけ大きいことが好ましい。容器は、折り畳んだ手錠の中心開口部内で受けるようなサイズおよび形状の全体的に中心のハブも含むことが好ましい。ハブは、内外壁のいずれか、または両方から延在する1つ以上のハブ要素を備える。単一のハブ要素は内壁から延在することが好ましい。ハブ要素または各ハブ要素の表面は、軟質材料を含むことが好ましい。容器の外壁は、好ましくは少なくとも部分的に半硬質材料で構成され、好ましくは形成されたプラスチック、さらに好ましくは形成されたEVA発泡体で構成することが好ましい。EVA発泡体およびエラストマ材料で構成することが、さらに好ましい。外壁は、それぞれが半硬質材料およびエラストマ材料の少なくとも1つのパネルで形成することが、さらに好ましい。容器の開口はエラストマ材料に配置することが、さらに好ましい。エラストマ材料は、LYCRA、ELASTANEまたはSPANDEXという商標で販売されているタイプの1つであることが好ましい。あるいは、エラストマ材料は、例えばNEOPRENEという商標で販売されているタイプである。
【0030】
容器の開口は、折り畳んだ手錠の最大寸法よりわずかに小さいことが好ましい。しかし、開口がエラストマ材料で形成されているおかげで、手錠を通過させ、次いで元のサイズに戻れるほど十分に伸張することができる。したがって、手錠はハブと外壁の少なくとも一部の半硬質の性質と小さめの開口との組合せのおかげで、容器内に保持される。
【0031】
手錠容器の小さい開口は、第三者から手錠の低い視認性を保証し、したがって不当な手錠の取り出しの可能性を減少させるという二次的機能を有する。
【0032】
ハブが、内壁または外壁のいずれかから延在する単一のハブ要素を備える場合、ハブの自由端と対向する壁との間に小さい距離がある。同様に、ハブが、内壁と外壁の両方から延在する2つ以上のハブ要素を備える場合、ハブ要素の自由端間に小さい距離がある。この距離は通常、折り畳んだ手錠の厚さ未満である。ハブ要素の内部は、シリコーンゲルなどの弾性材料で充填することが好ましい。シリコーンゲルは、ハブ表面の軟質材料の一方側、および半硬質材料の裏打ち層の他方側に積層することが好ましい。したがって、ハブは、折り畳んだ手錠の厚さを強制的に通せるほど十分弾力的に変形可能である。
【0033】
本発明の一形態では、手錠容器の内壁は、ハブを囲む区域に、ナイロンなどの軟質材料とEVA発泡体などの半硬質材料との積層体を備える。
【0034】
手錠容器は、手錠容器の開口が頂部に向かって、または頂部に配置された状態で、衣服の下前部領域に配置することができる。
【0035】
衣服は通常、2つ以上の容器を含む。容器に保管することができる他の品物は、拡張式警棒、非軍事的化学スプレイ、救急品(例えばゴム手袋およびマスク)、無線送受器、日誌、携帯電話、さらに種々雑多な個人的品物を含む。
【0036】
拡張式警棒および化学スプレイを保管するように意図された容器も、個々の品物の形状およびサイズを補完する形状およびサイズにすることが好ましく、したがって通常は全体的に細長い。さらに、各容器は、アクセス性を最大限にし、アクセス時に品物がすぐ使用できる配向にあることを保証するように、衣服に配置し、配向することが好ましい。容器の外壁は半硬質材料を含み、好ましくはEVA発泡体を含むことが好ましい。容器は、衣服の上前部区間に配置することが好ましい。各容器の縦軸は、着用時に胴の正中線に対して傾斜した角度で配向することが好ましい。各容器の下端を、上端より胴体の正中線に近づけて配置することが、さらに好ましい。各容器の開口は、その下端またはその近くに配置することが、さらに好ましい。このような配置および配向によって、容器の壁と干渉せずに、これらの品物を下向きに横切って引き出す行為で、滑らかかつ迅速に取り出して、展開することができることが判明している。
【0037】
特に好ましい実施形態では、衣服の上前部区間に配置された容器の少なくとも1つが、形成されたEVA発泡体を含む外壁を備え、一体の閉鎖部がその下端に、またはそれに向かって配置される。閉鎖部も形成されたEVA発泡体から構築することが好ましい。閉鎖部は、閉位置から開位置へと外側に回転運動するために蝶番接続することが好ましい。外側に開く閉鎖部によって品物を最低限の障害で容器から取り出せることが判明している。容器の開口は、容器の外壁の下端から上端まで有意の距離だけ延在し、それによって品物にアクセスし、取り出すための十分な空間をとることができる。この場合、一体閉鎖部は、開口を覆うほど相応に十分大きくする必要がある。閉鎖部は締結具を含むことができる。締結具はフック状やループ状の締結具を備えることが好ましい。
【0038】
各閉鎖部は、閉鎖部を開くときに着用者が把持することができる解放フラップまたはタブを含むことが好ましい。解放タブは、個々の容器の内容を示す浮き彫り記号を含むことが好ましい。したがって、着用者は、解放タブから触感のフィードバックを受け取ることができ、これは視認性が低下した状況で正確な品物の展開を保証するのを補助することができる。
【0039】
容器の内面は、容器内への品物の保持を補助する把持手段を含むことができる。把持手段は、フック状材料またはループ状材料の一方を備えることができ、他方の材料が品物に付着する。フック状材料またはループ状材料が存在する場合、これは容器の内面に積層することが好ましい。
【0040】
衣服は、例えばゴム手袋およびマスクを含む救急キットを保持する容器も含むことが好ましい。このような容器は、警棒およびOCスプレイを保持するように意図されたものと同様の構成、配向および構造を有すると有利である。
【0041】
衣服は、雑物および/または個人的品物、例えば日誌、財布、鍵などを保管する容器も任意選択で含むことができる。このような容器は、前部領域の中心に向かって配置することが好ましい。しかし、雑物容器内の品物は、迅速にアクセスする必要がないことがあるので、その構造は本発明に従う必要はなく、従来通りの設計でよい。しかし、雑物容器の外壁は、衣服の残りの部分と同様の外観を有することが好ましい。したがって、衣服の他の部分で使用された材料と同様の半硬質積層体または軟質材料のパネルを備えてよい。雑物容器は、着用者が開いた容器内を見下ろすことができるように、上向きの開口を含むと有利である。雑物容器は、衣服の前部領域の締結可能な開口を隠すことが好ましい。
【0042】
衣服は通常、無線送受器を保持する容器も含む。無線容器は、単純に、所望の配向で無線送受器を受け取り、保持する開放端ホルダを備えることができるガイドを含むことが好ましい。しかし、無線容器は、ガイドの開放端から垂下するポケット構成要素も含むことが好ましい。ガイドは半硬質材料で構成することが好ましい。上述した他の容器と同じ半硬質材料で構成することが、さらに好ましい。ポケット構成要素は、ガイド支持体と同じ材料を備えてよい。しかし、これは伸縮性をもたせたウェブなどの軟質材料を備えることが好ましい。適切な材料は3次元網目であり、無線を損傷から保護するように、発泡体構成要素を含むものなどのパッド付き網目であることが好ましい。ポケット構成要素は、両方が同じ材料である場合はホルダと連続していてよく、あるいは縫製または結合などによってホルダに取り付けることができる。ポケット構成要素は、ホルダの開放端からほぼ自由に吊り下げることが好ましい。
【0043】
本発明の衣服は、幾つかの他の特徴を含むと有利である。
【0044】
衣服は照明手段を含むことが好ましい。照明手段は、衣服に装着したフレキシブルライトを含むことが好ましい。フレキシブルライトは、一方端に光源を有するフレキシブルアームを備えることが好ましい。フレキシブルアームの他方端は衣服に装着される。光源の動作および強度は、着用者によって、好ましくはフレキシブルライトに設けられた1つ以上のスイッチを使用して、手動で制御可能である。1つ以上のスイッチを、光源付近に配置できると都合がよい。好ましい実施形態では、フレキシブルアームは肩領域に装着され、衣服の上前部領域に向かって下方向に延在する。アームは、フック状およびループ状の締結具などの固定手段によって、その長さに沿って固定することができる。アームは、フレキシブルライトの使用による衣服への損傷を最小限に抑えるために、衣服の補強した隙間から延在させることが好ましい。ライトの電源は充電式で、衣服と一体であることが好ましい。電源は太陽電池またはリチウム電池などの充電式電池でよい。
【0045】
衣服は、夜間に、または視認性が低い期間に着用者の視認性を改善する衣服照明手段も含むと有利である。衣服照明手段は、衣服と一体形成された1つ以上の発光部材を備えることが好ましい。発光部材または各発光部材は、光を透過し、放出する透明な窓または管を備えることが、さらに好ましい。発光部材は、幾つかの発光ダイオードを含む窓を備えてよい。衣服照明手段は、以上で検討した照明手段への電力供給に使用したのと同じ電源であることが都合がよい充電式電源によって電力供給することが好ましい。衣服照明手段の動作も、照明手段に配置したスイッチで制御することが好ましい。
【0046】
衣服照明手段は、代替的または追加的に、反射性材料の区域を含むことができる。これらは、衣服の背部領域に設けた反射性材料の細片を備えることが好ましい。衣服は、所望に応じて反射性区域を覆うフラップなどの手段を含むことが好ましい。
【0047】
本発明の衣服は、衣服と着用者の身体との間で空気が循環できるようにする通気手段を含むことができる。通気手段は通常、胴受け部分に開口を備える。開口は、胴受け部分の軟質材料に設けられた通気口を備えることが好ましい。通気口は、軟質材料に別個に形成することができ、あるいは網目などの材料を含む一体通気口のセパレートパネルを備えられると有利である。通気手段は、使用者の身体の発汗が多い区域、例えば首の周囲および背中と一致する衣服の区域に設けると有利である。
【0048】
本発明の1つの形態では、通気手段はさらに、衣服と着用者の身体との間の空気循環を補助するために、衣服に埋め込まれたマイクロジェットファンを含む。
【0049】
本発明の衣服はさらに、特定の着用者の胴のサイズに適合するように衣服のサイズを調節するサイズ調節手段を含むことが好ましい。衣服の各横側に調節手段を設けることが好ましい。各調節手段は第1調節部材および第2調節部材を備えることが好ましく、第1調節部材は衣服の前部領域に設けられ、第2調節部材は背部領域に設けられる。各調節手段の第1調節部材および第2調節部材は、前部領域と背部領域との横方向の間隔を増減するために、相互に対して解放自在に取り外しおよび移動可能である。
【0050】
各調節手段の第1調節部材および第2調節部材は、相互に取付け可能なフラップを備えることが好ましく、第1フラップが前部領域の下横に設けられ、第2フラップは対応する背部領域の下横に設けられる。第1フラップおよび第2フラップは、好ましくはフック状およびループ状の締結具によって相互に取付け可能であるが、バックルまたはプレススタッドなどの他のタイプの締結具も使用することができる。第1フラップおよび第2フラップの少なくとも一方は、特定の衣服サイズを達成するために、取付け時に第1フラップおよび第2フラップの適切な相対位置を示すサイズ標識を含むことがさらに好ましい。サイズ標識は、第1フラップおよび/または第2フラップに印刷または浮き彫り加工することができる。好ましい実施形態では、サイズ標識は、各第2フラップのフック状またはループ状の締結具領域に溶着またはホットスタンプする。
【0051】
本発明の衣服はさらに、衣服を着用者のベルトまたは同様の衣類に固定する係留手段を含んでよい。係留手段は通常、衣服の下端から延在し、着用者のベルトに接続可能な1つ以上の調節式ストラップを備える。調節式ストラップは、使用していない場合に、衣服の下端の上に後退するように、延張および後退可能であることが好ましい。調節式ストラップは、伸縮性をもたせたウェブを含むことが好ましい。
【0052】
本発明の衣服は、拳銃用ケース、テーザ、水分補給パック、無線パック、反射細片、肩章、GPSパックおよび救急ビーコンなどの様々な装置をそれ自体に接続する機構を任意選択で追加的に含むことができる。接続機構は、フック状およびループ状の締結具があるフラップ、またはフック状およびループ状の締結具と互換性がある織物の区域を備えてよい。互換性がある織物の前記区域は、衣服の材料に積層にすることが好ましい。
【0053】
衣服は、音声および/または視覚的記録装置も含むことが好ましい。記録装置はディジタルカメラであることが好ましい。ディジタルカメラは、衣服の前部のほぼ中心位置で受け取り可能であることが好ましい。都合がよい位置は、容器閉鎖部の窪み内など、雑物容器上、またはその中である。
【0054】
衣服の内面には、衣服の内面を着用者の身体から隔置し、それによってその間の空気循環を容易にし、向上させる隆起区域を設けることができる。これらの区域は、着用者の快適性を向上させるためにパッドを付けてよい。さらに、隆起区域は、着用者の保護を強化するために、耐衝撃性材料を含むことができる。隆起区域は、内面の肩領域および前部領域に配置することが好ましい。肩領域の隆起区域は、パッドを付けることが好ましく、緩衝充填材、特にシリコーンゲルなどのゲルを含む一体パッドを備えると有利である。前部領域の隆起区域は、着用者の胴の胸部および肋骨区域と一致することが好ましい。隆起区域は、衣服と着用者の身体との接触を最小限に抑えるために、区画に分割することが好ましい。前部領域の隆起区域もパッドを付けることが好ましく、傷害または襲撃に対する物理的保護を着用者に提供する耐衝撃性材料を含むと有利である。このような材料の例は、3次元衝撃網目である。(3次元網目は、平坦で織物様の輪郭とは対照的に隆起した輪郭である。)
【0055】
次に、本発明を添付図面で図示された実施形態に関して、さらに詳細に説明する。
【0056】
次に、図1および図2を参照すると、本発明の衣服は、着用者12が着用した状態で図示されているベスト10を含む。ベスト10は、半硬質材料と概ね軟質の材料との両方を備える胴受け部分14を含む。ベスト10は、それぞれが少なくとも部分的に半硬質材料から構築された幾つかの容器16,18,20,22,24および25も含む。半硬質材料は、圧縮したEVA発泡体を含み、好ましくは少なくともポリエステル材料の外層がある圧縮EVA発泡体の積層体である。各容器16,18,20,22,24および25は、胴受け部分14と一体化される。
【0057】
ベスト10は、着用者12の胴の前部を少なくとも部分的に覆う前部領域26(図1に図示)、着用者12の胴の背部を少なくとも部分的に覆う背部領域28(図2)、2つの側部領域30,32、および2つの肩領域34,36を含む。胴受け部分14の前部領域26は、ベスト10を着脱できるようにする締結可能な開口38も含む。
【0058】
容器16は、ベスト10の下前部領域26に配置され、その頂部付近に開口44を含む。容器16は、手錠を保持するように意図され、したがって折り畳んだ手錠の形状およびサイズとぴったり一致する形状およびサイズを有する。図3は、図1のIII−IIIラインに沿って切り取った手錠容器16の断面図である。手錠容器16は、外壁40、内壁42および開口44を含む。外壁40は、少なくとも圧縮EVA発泡体およびポリエステル外層の成形積層体を備える半硬質構成要素46、ならびにLYCRAの商標で入手可能なエラストマ材料を備えるエラストマ構成要素48を含む。開口44は、エラストマ構成要素48内に配置され、折り畳んだ手錠50の最大寸法よりわずかに小さい。
【0059】
内壁42も、軟質材料43の層とEVA発泡体の下位層45との積層体を備える。内壁42は、折り畳んだ手錠50の中心開口内で受けるようなサイズおよび形状であるハブ要素52を備える全体的に中心のハブも含む。ハブ要素52は中空であり、上にある層43に積層されているシリコーンゲル54で充填されている。ハブ要素52と外壁40の内面56との間の最小距離は、折り畳んだ手錠50の厚さ未満である。しかし、ハブ要素52がシリコーンゲルによって充填されているおかげで、ハブ要素52は、手錠50を強制的に通せるほど十分に弾力的に変形可能である。
【0060】
手錠容器16の使用時には、外壁40のエラストマ構成要素48に設けられている開口44のおかげで、折り畳んだ手錠を通せるほど十分に開口44が伸張することができ、次いで手錠は、ハブと外壁40の半硬質構成要素46と小さめの開口44との組合せのおかげで、容器内に保持される。
【0061】
容器18,20および22は、拡張式警棒、OCスプレイおよびゴム手袋/マスクを含む救急キットをそれぞれ保持するためのものである。これらの容器それぞれの特徴は同様であるので、以下の検討は、警棒容器18に的を絞るが、容器20および22が同様の特徴を要求することを理解されたい。
【0062】
図1に示すように、警棒容器18は全体的に細長く、ベスト10の上前部領域26に配置される。警棒容器18は、拡張式警棒の形状およびサイズを補完する形状およびサイズである。これは、縦軸が着用者の胴の正中線X−Xに対して斜めの角度で配向されるように、ベスト10上で配置され、配向される。警棒容器18は、上端62および下端64を有し、下端64は上端62よりも正中線X−Xに近く配置される。
【0063】
図4は、握りしか見えない警棒58を保持する警棒容器18の斜視図を示す。これは、外面にポリエステルが積層された形成圧縮EVA発泡体で作製された外壁60を含む。警棒容器18は、成形過程中に胴受け区間14と一体形成することによって、胴受け区間14と一体である。アーチ状開口66が下端64から有意の距離だけ上端62に向かって延在し、それによって警棒にアクセスし、取り出す十分な空間ができる。警棒容器はさらに、開口66を覆うような形状およびサイズである形成閉鎖部68を含む。閉鎖部68は、閉位置(図1に図示)から開位置(図4に図示)へと外側に回転運動するために、下端64に蝶番接続する。閉鎖部68はさらに、閉鎖部68を閉位置で保持するフック状およびループ状の締結具70を含む。
【0064】
ベスト10はさらに、無線送受器72を保持する容器24を含む。無線容器24は、成形過程中に胴受け区間14と一体形成することによって胴受け区間14と一体であるポリエステルと積層にされた成形圧縮EVA発泡体から作製された開放端ホルダ74を備えるガイド支持体を含む。容器24はさらに、開放端ホルダ74の下端から吊り下げられたポケット構成要素76を含む。ポケット構成要素76は、伸縮性をもたせた網目を備える。容器24はさらに、フック状およびループ状の締結具(図示せず)によって締結可能なフラップ閉鎖部78を含む。
【0065】
ベスト10は、一方端が肩領域36に装着され、他方端に光源84を有し、ベスト10の上前部領域26に向かって下方向に延在するフレキシブルアーム82を備えたフレキシブルライト80を含む照明手段も含む。フレキシブルライト80は、着用者が光源84の動作および強度を制御できるようにする手動制御装置(図示せず)を含む。フレキシブルアーム82は、フック状およびループ状の締結具によって胴受け区間14に固定された軟質ストラップ86を備える固定手段によって、その長さに沿って固定される。照明手段は、ベスト10と一体形成され、充電式リチウム電池を含む充電式電源86も含む。
【0066】
ベスト10のさらなる特徴は、背部領域28に配置された発光部材88を備える衣服照明手段である。発光部材88は、LEDライトのバンクが表面に装着された状態で、その内に軟質PCBを有する一体の透明ポリマー窓である。これも、歪みによって誘発される損傷を回避するために歪み緩和手段89を中に有する埋め込み式軟質プリント回路基板87によって、自身に接続された充電式電源86によって電力供給される。
【0067】
ベスト10はさらに、胴受け区間14に設けた網目90a,90b,90c,90c,90dおよび90eなどの材料を含む一体通気口のパネルを備える通気手段を含む。材料を含む一体通気口のパネルは、着用者の身体の発汗が多い区域に対応するベスト10の区域に配置され、例えば図1および図2に示すように、パネル90aおよびbは、着用者の首の周囲に配置され、パネル90c,dは着用者の背部に配置される。
【0068】
ベスト10は追加的に、各側部領域30,32に設けられたサイズ調節手段92を含む。各サイズ調節手段は、相互に取付け可能なフラップ94,96を備え、解放自在に取付け可能な第1調節部材および第2調節部材を備える。フラップ94,96は、フック状およびループ状の締結具によって取付け可能であり、フック状構成要素がフラップ94に設けられ、ループ状構成要素がフラップ96に設けられる。フラップ96はさらに、全体的に参照符号98で示したサイズ標識を含む。サイズ標識98は、フラップ96に浮き彫り加工され、特定のサイズのベスト10を達成するために必要な個々のフラップ94の相対位置の輪郭を描く、隔置されたサイズ線100、および関連する着用者の胸囲寸法を備える。サイズ標識は、2つのフラップ94,96を取り付けると、着用者の胸囲サイズに対応する特定のサイズ線100が見えるような位置で、取り付けたフラップ94,96の最下部に設けられる。
【0069】
ベスト10のさらなる特徴は、ベスト10を着用者のベルト104に固定する2つの調節式ストラップ102を備える係留手段である。図6は、調節式ストラップ102をさらに詳細に示す。これらはそれぞれ、ベスト10の下縁に取り付けられる後退可能な構成要素106、および着用者のベルト104に取り付ける接続構成要素108を備える。各後退可能な構成要素106および対応する接続要素108は、110aおよびbによって示されたフック状およびループ状の取付け手段によって、相互に取付け可能である。各後退可能な構成要素106は、伸縮性をもたせた部分112を含み、これは使用していない場合に後退可能な構成要素106をベスト10の下縁より上に後退させるよう機能する。
【0070】
図5は、背部領域28に取り付ける水分補給パック112を含むベスト10の変形版を示す。水分補給パック112は、着用者の口によってアクセスするために肩領域34の上に延在する流体導管114を含む。水分補給パック112は、フック状およびループ状の締結具によってベスト10に取り付けられ、そのためにベスト10は、水分補給パック112のループ状材料に取り付けるためのフック状構成要素を上に有する取付けタブ116a,116bおよび116cを含む。
【0071】
図6は、ベスト10の前部の裏側を示す。内面118を着用者の身体から隔置し、それによってそれらの間の空気循環を容易にし、向上させるために、ベスト10の内面118に幾つかの隆起したパッド付き区域120a,b,cおよびdならびに122a,bおよびcを設ける。肩領域34,36の隆起区域122a,122bおよび122cは、着用者の快適性を向上させる緩衝シリコーンゲル充填材を含む一体パッドを備える。隆起区域120a,b,cおよびdは、着用者の胴の胸部および肋骨区域と一致する分割パターンで並べられている。これもパッド付きで、さらに3次元衝撃網目を備える耐衝撃性材料を含み、それによって着用者の快適性および物理的保護の両方を向上させる。
【0072】
本発明の第2の実施形態が、図7aおよびbならびに図8に図示されている。これらの図では、同様の参照符号は第1の実施形態と同様の部品を指し、したがって図7および図8の各参照符号は、図1から図6の対応する参照符号に200を加えてある。以下の検討は、第1の実施形態とは異なる第2の実施形態の態様に概ね焦点を絞っている。
【0073】
ベスト210は胴受け部分214、ならびに幾つかの容器216,218,220,222および224を含む。胴受け部分214は、成形半硬質パネル215a,215bおよび215c、さらに網目材料の軟質パネル290a,290b,290c,290dおよび290eを含む。半硬質パネル215a,215bおよび215cは、EVA発泡体およびCORDURA(登録商標)の商標で入手可能なナイロン材料の成形積層体を備える。製造を容易にするために、半硬質パネル215aは、容器216,220および222の少なくとも一部と一緒に成形されて、半硬質パネル215bは、容器218および224の少なくとも一部と一緒に成形され、したがって各半硬質パネル215aおよび215bならびにその個々の容器部分は、一体の成形部片を形成する。図9aおよび図9bはそれぞれ、各一体成形部片230および232を示し、これはそれぞれ、半硬質パネル215aおよび215bを対応する容器部品と一緒に構成する。
【0074】
図9aでは、一体成形部片230は、容器216および220の外壁とともに半硬質パネル215aを含む。容器216の外壁240の場合、一体成形部片230は、白で輪郭を描いた区域216(a)も含み、これはベスト製造過程中に切り取られ、エラストマ構成要素248で置換される。同様に、容器220の外壁は、白で輪郭を描かれた区域220(a)を含み、これは切り取られ、容器の開口の一部を形成する。一体成形部片230は、中心容器225の内壁348、および着用者の一方の肩上に延在する部分350も含む。
【0075】
図9bでは、一体成形部片232は、容器218の外壁260および無線容器224の開放端ホルダ構成要素274とともに半硬質パネル215bを含む。容器218の外壁260は、白で輪郭を描かれた区域260(a)も含み、これはベスト製造過程中に切り取られ、容器218の開口の一部を形成する。一体成形部片232は、着用者の他方の肩上に延在する部分352も含む。これは、充電式リチウム電池ケース286を受ける一体成形ポーチ354を含む。
【0076】
ベスト210の構築中に、2つの半硬質肩部分350,352を軟質背部パネル356と接合し、これらは網目パネル290cおよび290dとともに、ベスト210の背部領域228を構成する。
【0077】
図7aおよび図7bに戻ると、第2の実施形態の容器218,220および222の相対位置は、第1の実施形態と比較して逆であることが分かる。また、各形成閉鎖部268,221および223をそれぞれ接続する蝶番の位置は、様々な閉鎖部の開閉方向が矢印で示されている図7bから明白なように、第1の実施形態に対して移動している。形成閉鎖部268および221の場合(図7aでは両方とも開位置で図示)、これらはそれぞれ、個々の容器218および220の外横側に沿って蝶番接続される。救急容器222の場合、その閉鎖部223(図7aでは閉位置で図示)は、全体的に参照符号227で示した領域で、容器222の上側に蝶番接続される。形成閉鎖部は全て、フック状およびループ状の締結具(図示せず)によって閉位置に保持される。
【0078】
各形成閉鎖部268,221および223は、対応する閉鎖部を開くために着用者が把持することができる解放タブ268a,221aおよび223aを含む。各解放タブは、特定の容器の内容を示す浮き彫りの記号を含む。例えば、解放タブ223aは、容器222の内容が救急キットであることを示す浮き彫りの救急十字を含む。
【0079】
無線容器224は、個々の閉鎖手段が無線容器24とは異なる。フック状およびループ状の締結具によって締結されたフラップ78を含む無線容器24とは異なり、無線容器224はファスナ279によって閉鎖される。
【0080】
フレキシブルライト280は、ベスト210の背部領域288に配置された光源284および発光部材288の両方の動作を制御するスイッチ285を備える手動制御装置を含む。フレキシブルアーム282が成形した隙間287から延在し、これはアーム282の磨耗および引き裂きを減少させるのに役立つ。
【0081】
日誌、財布、鍵などの一般的または個人的品物を保持する中心容器225も、参照符号231で示された全体的領域内で容器225の下縁に沿って蝶番接続された形成閉鎖部229を含む。形成閉鎖部229の外面は、ロゴまたは記章内が浮き彫り加工され、この場合は特定の警察を表す。
【0082】
中心容器の形成閉鎖部229は、図10に示すようにディジタルカメラを内部に収容する手段も含む。カメラ340は点線の輪郭で図示され、閉鎖部229内に設けた相補的窪み342(これも点線の輪郭)内で受けることができる。この窪み342で受けると、カメラのレンズ344が、閉鎖部229に設けた隙間346と一致する。カメラを中心に配置すると、適切にフレーミングし、着用者の動作による画像の不安定性を最小限に抑えることができる。カメラを内部に収容すると、これを視野から隠し、損傷からの保護に役立つ。カメラは、必要に応じて普通写真およびビデオ場面を記録するために、着用者が手動で操作可能である。カメラ340は、必要に応じてベスト210から取り外し、記録した画像をカメラから直接に、またはそのメモリカードからダウンロードすることができる。システムは、警察で確立することができ、ダウンロードした情報を関連する警察官の名前および日付と照らし合わせて記録する。次いで、カメラを再充電し、ベスト210に戻す。
【0083】
最後に、本明細書で概略している通りの本発明の精神から逸脱することなく、様々な他の変形および/または変更ができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明による衣服の第1実施形態の前部を示す図である。
【図2】図1の衣服の背部を示す図である。
【図3】図1に示した手錠を保持する容器の断面図である。
【図4】図1に示した警棒を保持する容器の詳細図である。
【図5】水分補給パックを含む衣服の第1実施形態の背部を示す図である。
【図6】衣服の第1実施形態の前部の裏側を示す図である。
【図7a】本発明の衣服の第2実施形態の前面図である。
【図7b】第2実施形態の容器の開閉方向を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態の背面図である。
【図9a】第2実施形態の作製に使用する一体成形部片を示す図である。
【図9b】第2実施形態の作製に使用する一体成形部片を示す図である。
【図10】第2実施形態のカメラ機能の詳細を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は着用者の身体上で品物を保管し、携帯する衣服に関する。本発明は特に、特定の業務または活動を実行するために必要な道具および機器などの品物を保管し、携帯する衣服に関し、保管された品物は、迅速かつ容易にアクセスし、元に戻す必要がある。
【背景技術】
【0002】
特定の業務および活動では、業務または活動を実行するために幾つかの携帯用の品物が必要である。必要な場合に容易に使用可能であるように、これらの品物を使用者が持ち運べることが都合よく、あるいは必要でさえある。このような業務の例は、法執行機関(law enforcement)、軍隊、商人、消防士、救急隊員、レスキュー隊員などである。以下の検討は警察官が使用する機器に焦点を絞っているが、同様の考慮事項が他の業務にも当てはまることが、即座に明白である。
【0003】
法執行機関の場合、警察官は定期的に、手錠、拳銃、拡張式警棒、OC(トウガラシのオレオレジン)またはCSスプレイなどの群衆取り締まり用非軍事的化学スプレイ、ゴム手袋、マスクおよび無線送受器などの幾つかの「商売道具」を使用する。従来、これらの品物の多く、または大部分は、警察官の腰回りのベルトで携帯される。このような構成は、このように多くの品物を1本のベルトから吊り下げることが非実用的なことがあるという点で、不利である。各品物が限られた区域のみでのみ支持される。つまり非常に不安定になり、各品物が動き、ベルトや着用者の身体に負荷がかかることがある。さらに、例えばスナップで保持した被覆フラップを備えたベルトキーパまたは装具ポーチなどによって各品物をベルトに固定する手段では、着用者が品物に容易にアクセスし、外すことができない。例えば警察官が逮捕する過程で、他方の手が被疑者を拘束していると、おそらく自由な片手だけで手錠に迅速にアクセスする必要がある場合に、このことは特に問題になることがある。
【0004】
警察官が定期的に使用する他の品物は、制服のポケットにいれて携帯することができる。しかし、ポケットの材料および/または設計ならびに/あるいはポケットを閉じるために使用する閉鎖部のタイプ(例えばボタン、ファスナ)も、往々にしてポケット内の品物への容易なアクセス性を妨げ得る。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,889,834号明細書
【特許文献2】米国特許第6,772,925号明細書
【特許文献3】米国特許第6,763,527号明細書
【特許文献4】米国特許第6,397,392号明細書
【特許文献5】米国特許第6,216,272号明細書
【特許文献6】米国特許第6,185,738号明細書
【特許文献7】米国特許第5,991,925号明細書
【特許文献8】米国特許第5,644,792号明細書
【特許文献9】米国特許第5,431,318号明細書
【特許文献10】米国特許第5,265,782号明細書
【特許文献11】米国特許第5,127,565号明細書
【特許文献12】米国特許第4,241,459号明細書
【特許文献13】米国特許第4,106,121号明細書
【特許文献14】米国特許第3,634,889号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、着用者の身体上で1つ以上の品物を保管して、携帯するが、以上の不利がない手段に対する要求がある。したがって、先行技術の1つ以上の不利を克服するか、少なくとも緩和する、1つ以上の品物を保管および/または携帯する衣服を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、1つ以上の品物を保管および/または携帯する衣服が提供され、これは、着用者の胴の少なくとも一部で着用するための胴受け部分と、前記品物を受け取る1つ以上の容器とを含み、容器または各容器は、少なくとも部分的に半硬質ポリマー材料で構成され、容器または各容器は前記胴受け部分に一体化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の説明は大部分が、法執行機関に使用される品物の保管および/または携帯に適用された状態の本発明に的を絞っている。しかし、本発明はその用途に制限されないことが、明らかに理解される。
【0009】
通常、容器または各容器は、少なくとも一部が、少なくとも前記半硬質ポリマー材料および軟質材料を備える積層体から構成される。
【0010】
胴受け部分は、少なくとも前記半硬質材料および軟質材料の積層体を含んでもよい。半硬質積層体は、所望の特性を与える他の材料または構成要素も含んでよい。例えば、積層体は、衣服に刺しまたは切り込みに対する耐性を与えるために、鋼の網目またはケブラなどの防具材料を含んでよい。また、半硬質積層体は、耐火性材料を含んでよい。さらに、半硬質積層体は、その中に着用者の体温調整を補助する冷却管を含んでよい。胴受け部分は通常、所定量の着用者の胴を覆う衣服の主要構成要素を備える。これは通常、着用者の胴の少なくとも一部にほぼ一致するような形状である。胴受け部分は、縫製、溶着、積層または他の結合方法などによって相互に接合された複数のパネルを備えるか、一体部片を備えることができる。個々のパネルは、同じ材料または異なる材料を備えてよい。パネルが異なる材料である場合は、半硬質材料を含む材料の1つ以上のパネル、および軟質材料の1つ以上のパネルを含むことが好ましい。半硬質材料を含む1つ以上のパネルは、半硬質材料と軟質材料との積層体を備えることができる。
【0011】
軟質材料は通常、衣服の意図された最終の用途に見合った所望の特性を有する1つ以上の合成織物である。このような特性は、軽量、防水性、耐UV性、および良好な機械的特性を含む。軟質材料は合成であることが好ましいが、幾つかの実施形態では綿などの天然材料を使用することができる。適切な合成材料はナイロンおよびポリエステル含有材料を含む。他の軟質材料は、NOMEXという商標で販売されているようなアラミドを含む。軟質材料は、場合によっては相互に積層にされた2層以上の織物を含むと有利である。1つの実施形態では、軟質材料は、ナイロンとポリエステルとの積層体、例えば200デニールのナイロンと600デニールのポリエステル布との積層体である。幾つかの実施形態では、軟質材料は網目構造を有することができる。好ましい軟質材料はナイロンまたはポリエステル、好ましくは織られたまたは編まれたナイロンまたはポリエステルである。軟質材料は、CORDURA(登録商標)という商標でデュポン社が販売しているような編まれたナイロンであることが、さらに好ましい。
【0012】
衣服の胴受け部分は通常、着用者の胴の前部を少なくとも部分的に覆う前部領域、着用者の胴の背部を少なくとも部分的に覆う背部領域、2つの側部領域、および着用者の肩の上に延在し、それによって支持される少なくとも1つの肩領域を含む。胴受け部分は、着用者の身体に面する内面、および外面も含む。胴受け部分は通常、衣服を着脱できるようにする締結可能な開口も含む。締結可能な開口は、操作が容易であるために、衣服の前部領域に配置されることが好ましい。開口は、締結具、好ましくはファスナ(ジッパー)によって締結可能であることが好ましい。締結具は、下にある衣服の様々な厚さを斟酌して、調節可能であることがさらに好ましい。調節可能な締結具の一例は両ファスナ(ダブルジッパー)である。
【0013】
胴受け部分は、着用者の腕を通すことができる2つの横穴を含むことが好ましい。袖ぐりは、歩行中および走行中に着用者の腕がほぼ妨げられないで動かせるような形状およびサイズにすることが好ましい。さらに、衣服の長さは、着用時に、衣服の下縁が着用者のウェストより下にならず、それによって使用中に着用者の胴の動きを妨げずに容易にするような長さであることが好ましい。本発明の衣服は、保管および/または携帯する品物を収容する1つ以上の容器も含む。各容器は、少なくとも部分的に半硬質ポリマー材料で構成され、衣服の胴受け部分と一体化される。
【0014】
容器または各容器は通常、ポケットまたはホルダの形態をとる。各容器は、胴受け部分の外面から延在する。容器は、少なくとも1つの外壁を含み、内壁も含むことができる。各容器は、品物を受ける開口を有する。各容器の材料の少なくとも一部は、半硬質ポリマー材料である。通常、各容器の外壁の少なくとも一部は、半硬質ポリマー材料を含む。半硬質材料は、3次元形状に成形または形成されることが好ましい。半硬質材料を使用すると、各容器の外壁に、容器の形状を規定し、維持するのに十分な剛性を与えるが、容器内の対応する品物を取り出したり、元に戻したりする場合に、適切に変形できるほど十分な可撓性を与える。
【0015】
容器は、開口の閉鎖部も含んでよい。閉鎖部も、形成された半硬質材料を含むことが好ましい。
【0016】
容器が内壁を含む場合、これは単純に、下にある衣服の胴受け部分の一部を備えてよい。しかし、他の実施形態では、内壁は胴受け部分とは別個でよい。内壁は、単純に軟質材料を備えてよい。しかし、一部の容器は、少なくとも部分的に半硬質材料も備えることが有利である。
【0017】
幾つかの実施形態では、内壁は、衣服と着用者の身体の間で空気の循環を向上させるために、少なくとも部分的に網目などの通気性のある材料を備える。
【0018】
内壁は、容器を開けた場合に、着用者にとって非常に明白であるように、対照的な色であることが有利である。
【0019】
各容器の形状は、設計上保持される品物の形状を補完することが好ましい。これは、外壁の少なくとも一部の半硬質の性質とともに、容器内にある品物の過度の動きを防止するか、最小限に抑えることができる。
【0020】
容器または各容器は、胴受け部分と一体化される。これは、容器の材料を胴受け部分の材料に、またはその内部に取り付けることを意味し得る。このような取付けは、縫製、接着結合、または積層によるものでよい。代替的または追加的に、容器または各容器と胴受け部分との一体化は、一体形成または一体成形による。この方法で、容器の少なくとも一部が、胴受け部分の少なくとも一部と一緒に形成または成形されて、1つ以上の一体部片になる。
【0021】
半硬質材料は、合成ポリマーをベースとすることが好ましい。半硬質材料は、材料の典型的な低い密度および軽量性のため、発泡(膨張)プラスチック材料に基づくことが、さらに好ましい。半硬質材料は、ポリエチレン発泡体などのポリオレフィン発泡体、またはエチレンビニルアセテート(EVA)発泡体をベースとすることが、さらに好ましい。特に好ましい半硬質材料は、EVA発泡体を含む。EVA発泡体は、本発明に適切な多くの望ましい特性を呈し、これは良好な耐候性および耐薬品性、低い吸水性、良好な機械的特性、優れた熱およびプレス形成性、柔軟性、弾性、および重要な圧縮後の強力な形状回復性を含む。EVA発泡体は圧縮されたEVA発泡体であることが、さらに好ましく、これは通常、加熱中に発泡体に圧力を加えることによって形成される。圧縮過程中に、EVA発泡体を所望の形状に形成または成形することができる。発泡体の厚さ、温度および/または圧力を変化させることによって、結果となる成形EVA発泡体の密度および機械的特性を制御することができる。
【0022】
半硬質材料は積層体を備えてよい。EVAを含んでいる場合、半硬質積層体は、EVA層の第1の面に結合された織物の第1の層を少なくとも含むことが好ましい。容器の半硬質積層体は、軟質材料の外層を含むことが好ましい。衣服の胴受け部分が軟質材料または軟質材料積層体の1つ以上のパネルを含む場合、半硬質積層体の外層は、衣服に全体的に一貫してまとまった外観を与えるために、軟質材料、または軟質材料積層体の外層に対応することが好ましい。織物の外層は固有の保護品質を有することが好ましい。第1の層に適切な材料の例は、織られたまたは編まれたナイロン、好ましくはCORDURA(登録商標)という商標でデュポン社によって販売されているような編まれたナイロンである。
【0023】
半硬質積層体はさらに、EVA層の第2の面に結合された第2の(織物)層を含み、それによってEVAの芯がある3層構造を生成することが、さらに好ましい。第2織物層は、容器のライナを備えることが好ましい。第2織物層に適切な材料の例は、ポリエステル、綿、ナイロン、ポリエステル綿およびウールを含む。第2織物層は、半硬質材料の強化および形状の維持を補助するナイロン網目などの網目を備えられると有利である。
【0024】
前述したように、EVA発泡体の多くの望ましい特性は、優れた熱およびプレス形成性を含む。これによってEVA発泡体から形成した容器の壁を3次元の一体部片に成形し、形成することができ、これは所望に応じて、容器に保持される品物の形状に一致する。この特徴は、各品物が所望の配向で確実に保管され、すぐ使用するために容易にアクセスし、取り出すことができることを保証するので有利である。これは、容器内の品物の望ましくない動きも減少するか、解消し、したがって品物および衣服の磨耗および引き裂きを最小限に抑える。さらに、着用者の快適さの助けとなる。
【0025】
容器内で保管された品物の望ましくない動きを上述のように減少させるか、無くすことは、潜在的に、容器の開口が閉鎖部を必要としないという別の利点を有する。容器の外壁、および存在する場合は内壁が、品物を適所に確実に保持するので十分である。しかし、容器の壁は、それらの半硬質の性質のおかげで、十分な可撓性をなお有し、必要に応じて着用者の手を容器内に挿入して、品物を回収する場合などに、必要な程度まで変形する。
【0026】
以上にもかかわらず、容器の開口に閉鎖部を設けることが、なお適切なことがある。閉鎖部は1つ以上のフラップを有してよい。閉鎖部は、従来通りの締結具、好ましくはVELCROという商標で販売されているようなフック状およびループ状の材料またはファスナを使用して締結可能でよい。閉鎖部は、一般に半剛性材料を含む。閉鎖部は、容器の外壁の材料と同じ材料を備えることが好ましい。したがって、閉鎖部に好ましい材料はEVA発泡体またはEVA発泡体積層体である。
【0027】
容器は通常、前部領域に配置構成され、衣服の肩領域へと延在してよい。容器の全ての開口は、着用者の手により容易にアクセスできるように配置構成される。通常、これは上前部領域または肩領域に配置された容器の開口が、底部に向かう開口を有し、下前部領域に配置された容器が、頂部に向かう開口を有することを意味する。
【0028】
特定の品物を保管する容器も、着用者の利き手に応じて前部領域の左側または右側に配置することができる。例えば、右利きの警察官は、逮捕するときに、右手で容疑者を拘束する可能性があり、手錠には左手でアクセスする必要がある。したがって、容易にアクセスするために、手錠の容器は着用者の右側に配置すると都合がよい。同じ人間工学的考慮が、法執行機関以外の業務で使用する衣服上の容器の位置にも当てはまる。
【0029】
好ましい実施形態では、衣服は手錠を保管するように意図された容器を含む。手錠容器は内外壁および開口を備える。手錠容器の形状およびサイズは、折り畳んだ手錠の形状およびサイズとぴったり一致し、滑り嵌めを保証するために、容器の内寸法が手錠よりわずかだけ大きいことが好ましい。容器は、折り畳んだ手錠の中心開口部内で受けるようなサイズおよび形状の全体的に中心のハブも含むことが好ましい。ハブは、内外壁のいずれか、または両方から延在する1つ以上のハブ要素を備える。単一のハブ要素は内壁から延在することが好ましい。ハブ要素または各ハブ要素の表面は、軟質材料を含むことが好ましい。容器の外壁は、好ましくは少なくとも部分的に半硬質材料で構成され、好ましくは形成されたプラスチック、さらに好ましくは形成されたEVA発泡体で構成することが好ましい。EVA発泡体およびエラストマ材料で構成することが、さらに好ましい。外壁は、それぞれが半硬質材料およびエラストマ材料の少なくとも1つのパネルで形成することが、さらに好ましい。容器の開口はエラストマ材料に配置することが、さらに好ましい。エラストマ材料は、LYCRA、ELASTANEまたはSPANDEXという商標で販売されているタイプの1つであることが好ましい。あるいは、エラストマ材料は、例えばNEOPRENEという商標で販売されているタイプである。
【0030】
容器の開口は、折り畳んだ手錠の最大寸法よりわずかに小さいことが好ましい。しかし、開口がエラストマ材料で形成されているおかげで、手錠を通過させ、次いで元のサイズに戻れるほど十分に伸張することができる。したがって、手錠はハブと外壁の少なくとも一部の半硬質の性質と小さめの開口との組合せのおかげで、容器内に保持される。
【0031】
手錠容器の小さい開口は、第三者から手錠の低い視認性を保証し、したがって不当な手錠の取り出しの可能性を減少させるという二次的機能を有する。
【0032】
ハブが、内壁または外壁のいずれかから延在する単一のハブ要素を備える場合、ハブの自由端と対向する壁との間に小さい距離がある。同様に、ハブが、内壁と外壁の両方から延在する2つ以上のハブ要素を備える場合、ハブ要素の自由端間に小さい距離がある。この距離は通常、折り畳んだ手錠の厚さ未満である。ハブ要素の内部は、シリコーンゲルなどの弾性材料で充填することが好ましい。シリコーンゲルは、ハブ表面の軟質材料の一方側、および半硬質材料の裏打ち層の他方側に積層することが好ましい。したがって、ハブは、折り畳んだ手錠の厚さを強制的に通せるほど十分弾力的に変形可能である。
【0033】
本発明の一形態では、手錠容器の内壁は、ハブを囲む区域に、ナイロンなどの軟質材料とEVA発泡体などの半硬質材料との積層体を備える。
【0034】
手錠容器は、手錠容器の開口が頂部に向かって、または頂部に配置された状態で、衣服の下前部領域に配置することができる。
【0035】
衣服は通常、2つ以上の容器を含む。容器に保管することができる他の品物は、拡張式警棒、非軍事的化学スプレイ、救急品(例えばゴム手袋およびマスク)、無線送受器、日誌、携帯電話、さらに種々雑多な個人的品物を含む。
【0036】
拡張式警棒および化学スプレイを保管するように意図された容器も、個々の品物の形状およびサイズを補完する形状およびサイズにすることが好ましく、したがって通常は全体的に細長い。さらに、各容器は、アクセス性を最大限にし、アクセス時に品物がすぐ使用できる配向にあることを保証するように、衣服に配置し、配向することが好ましい。容器の外壁は半硬質材料を含み、好ましくはEVA発泡体を含むことが好ましい。容器は、衣服の上前部区間に配置することが好ましい。各容器の縦軸は、着用時に胴の正中線に対して傾斜した角度で配向することが好ましい。各容器の下端を、上端より胴体の正中線に近づけて配置することが、さらに好ましい。各容器の開口は、その下端またはその近くに配置することが、さらに好ましい。このような配置および配向によって、容器の壁と干渉せずに、これらの品物を下向きに横切って引き出す行為で、滑らかかつ迅速に取り出して、展開することができることが判明している。
【0037】
特に好ましい実施形態では、衣服の上前部区間に配置された容器の少なくとも1つが、形成されたEVA発泡体を含む外壁を備え、一体の閉鎖部がその下端に、またはそれに向かって配置される。閉鎖部も形成されたEVA発泡体から構築することが好ましい。閉鎖部は、閉位置から開位置へと外側に回転運動するために蝶番接続することが好ましい。外側に開く閉鎖部によって品物を最低限の障害で容器から取り出せることが判明している。容器の開口は、容器の外壁の下端から上端まで有意の距離だけ延在し、それによって品物にアクセスし、取り出すための十分な空間をとることができる。この場合、一体閉鎖部は、開口を覆うほど相応に十分大きくする必要がある。閉鎖部は締結具を含むことができる。締結具はフック状やループ状の締結具を備えることが好ましい。
【0038】
各閉鎖部は、閉鎖部を開くときに着用者が把持することができる解放フラップまたはタブを含むことが好ましい。解放タブは、個々の容器の内容を示す浮き彫り記号を含むことが好ましい。したがって、着用者は、解放タブから触感のフィードバックを受け取ることができ、これは視認性が低下した状況で正確な品物の展開を保証するのを補助することができる。
【0039】
容器の内面は、容器内への品物の保持を補助する把持手段を含むことができる。把持手段は、フック状材料またはループ状材料の一方を備えることができ、他方の材料が品物に付着する。フック状材料またはループ状材料が存在する場合、これは容器の内面に積層することが好ましい。
【0040】
衣服は、例えばゴム手袋およびマスクを含む救急キットを保持する容器も含むことが好ましい。このような容器は、警棒およびOCスプレイを保持するように意図されたものと同様の構成、配向および構造を有すると有利である。
【0041】
衣服は、雑物および/または個人的品物、例えば日誌、財布、鍵などを保管する容器も任意選択で含むことができる。このような容器は、前部領域の中心に向かって配置することが好ましい。しかし、雑物容器内の品物は、迅速にアクセスする必要がないことがあるので、その構造は本発明に従う必要はなく、従来通りの設計でよい。しかし、雑物容器の外壁は、衣服の残りの部分と同様の外観を有することが好ましい。したがって、衣服の他の部分で使用された材料と同様の半硬質積層体または軟質材料のパネルを備えてよい。雑物容器は、着用者が開いた容器内を見下ろすことができるように、上向きの開口を含むと有利である。雑物容器は、衣服の前部領域の締結可能な開口を隠すことが好ましい。
【0042】
衣服は通常、無線送受器を保持する容器も含む。無線容器は、単純に、所望の配向で無線送受器を受け取り、保持する開放端ホルダを備えることができるガイドを含むことが好ましい。しかし、無線容器は、ガイドの開放端から垂下するポケット構成要素も含むことが好ましい。ガイドは半硬質材料で構成することが好ましい。上述した他の容器と同じ半硬質材料で構成することが、さらに好ましい。ポケット構成要素は、ガイド支持体と同じ材料を備えてよい。しかし、これは伸縮性をもたせたウェブなどの軟質材料を備えることが好ましい。適切な材料は3次元網目であり、無線を損傷から保護するように、発泡体構成要素を含むものなどのパッド付き網目であることが好ましい。ポケット構成要素は、両方が同じ材料である場合はホルダと連続していてよく、あるいは縫製または結合などによってホルダに取り付けることができる。ポケット構成要素は、ホルダの開放端からほぼ自由に吊り下げることが好ましい。
【0043】
本発明の衣服は、幾つかの他の特徴を含むと有利である。
【0044】
衣服は照明手段を含むことが好ましい。照明手段は、衣服に装着したフレキシブルライトを含むことが好ましい。フレキシブルライトは、一方端に光源を有するフレキシブルアームを備えることが好ましい。フレキシブルアームの他方端は衣服に装着される。光源の動作および強度は、着用者によって、好ましくはフレキシブルライトに設けられた1つ以上のスイッチを使用して、手動で制御可能である。1つ以上のスイッチを、光源付近に配置できると都合がよい。好ましい実施形態では、フレキシブルアームは肩領域に装着され、衣服の上前部領域に向かって下方向に延在する。アームは、フック状およびループ状の締結具などの固定手段によって、その長さに沿って固定することができる。アームは、フレキシブルライトの使用による衣服への損傷を最小限に抑えるために、衣服の補強した隙間から延在させることが好ましい。ライトの電源は充電式で、衣服と一体であることが好ましい。電源は太陽電池またはリチウム電池などの充電式電池でよい。
【0045】
衣服は、夜間に、または視認性が低い期間に着用者の視認性を改善する衣服照明手段も含むと有利である。衣服照明手段は、衣服と一体形成された1つ以上の発光部材を備えることが好ましい。発光部材または各発光部材は、光を透過し、放出する透明な窓または管を備えることが、さらに好ましい。発光部材は、幾つかの発光ダイオードを含む窓を備えてよい。衣服照明手段は、以上で検討した照明手段への電力供給に使用したのと同じ電源であることが都合がよい充電式電源によって電力供給することが好ましい。衣服照明手段の動作も、照明手段に配置したスイッチで制御することが好ましい。
【0046】
衣服照明手段は、代替的または追加的に、反射性材料の区域を含むことができる。これらは、衣服の背部領域に設けた反射性材料の細片を備えることが好ましい。衣服は、所望に応じて反射性区域を覆うフラップなどの手段を含むことが好ましい。
【0047】
本発明の衣服は、衣服と着用者の身体との間で空気が循環できるようにする通気手段を含むことができる。通気手段は通常、胴受け部分に開口を備える。開口は、胴受け部分の軟質材料に設けられた通気口を備えることが好ましい。通気口は、軟質材料に別個に形成することができ、あるいは網目などの材料を含む一体通気口のセパレートパネルを備えられると有利である。通気手段は、使用者の身体の発汗が多い区域、例えば首の周囲および背中と一致する衣服の区域に設けると有利である。
【0048】
本発明の1つの形態では、通気手段はさらに、衣服と着用者の身体との間の空気循環を補助するために、衣服に埋め込まれたマイクロジェットファンを含む。
【0049】
本発明の衣服はさらに、特定の着用者の胴のサイズに適合するように衣服のサイズを調節するサイズ調節手段を含むことが好ましい。衣服の各横側に調節手段を設けることが好ましい。各調節手段は第1調節部材および第2調節部材を備えることが好ましく、第1調節部材は衣服の前部領域に設けられ、第2調節部材は背部領域に設けられる。各調節手段の第1調節部材および第2調節部材は、前部領域と背部領域との横方向の間隔を増減するために、相互に対して解放自在に取り外しおよび移動可能である。
【0050】
各調節手段の第1調節部材および第2調節部材は、相互に取付け可能なフラップを備えることが好ましく、第1フラップが前部領域の下横に設けられ、第2フラップは対応する背部領域の下横に設けられる。第1フラップおよび第2フラップは、好ましくはフック状およびループ状の締結具によって相互に取付け可能であるが、バックルまたはプレススタッドなどの他のタイプの締結具も使用することができる。第1フラップおよび第2フラップの少なくとも一方は、特定の衣服サイズを達成するために、取付け時に第1フラップおよび第2フラップの適切な相対位置を示すサイズ標識を含むことがさらに好ましい。サイズ標識は、第1フラップおよび/または第2フラップに印刷または浮き彫り加工することができる。好ましい実施形態では、サイズ標識は、各第2フラップのフック状またはループ状の締結具領域に溶着またはホットスタンプする。
【0051】
本発明の衣服はさらに、衣服を着用者のベルトまたは同様の衣類に固定する係留手段を含んでよい。係留手段は通常、衣服の下端から延在し、着用者のベルトに接続可能な1つ以上の調節式ストラップを備える。調節式ストラップは、使用していない場合に、衣服の下端の上に後退するように、延張および後退可能であることが好ましい。調節式ストラップは、伸縮性をもたせたウェブを含むことが好ましい。
【0052】
本発明の衣服は、拳銃用ケース、テーザ、水分補給パック、無線パック、反射細片、肩章、GPSパックおよび救急ビーコンなどの様々な装置をそれ自体に接続する機構を任意選択で追加的に含むことができる。接続機構は、フック状およびループ状の締結具があるフラップ、またはフック状およびループ状の締結具と互換性がある織物の区域を備えてよい。互換性がある織物の前記区域は、衣服の材料に積層にすることが好ましい。
【0053】
衣服は、音声および/または視覚的記録装置も含むことが好ましい。記録装置はディジタルカメラであることが好ましい。ディジタルカメラは、衣服の前部のほぼ中心位置で受け取り可能であることが好ましい。都合がよい位置は、容器閉鎖部の窪み内など、雑物容器上、またはその中である。
【0054】
衣服の内面には、衣服の内面を着用者の身体から隔置し、それによってその間の空気循環を容易にし、向上させる隆起区域を設けることができる。これらの区域は、着用者の快適性を向上させるためにパッドを付けてよい。さらに、隆起区域は、着用者の保護を強化するために、耐衝撃性材料を含むことができる。隆起区域は、内面の肩領域および前部領域に配置することが好ましい。肩領域の隆起区域は、パッドを付けることが好ましく、緩衝充填材、特にシリコーンゲルなどのゲルを含む一体パッドを備えると有利である。前部領域の隆起区域は、着用者の胴の胸部および肋骨区域と一致することが好ましい。隆起区域は、衣服と着用者の身体との接触を最小限に抑えるために、区画に分割することが好ましい。前部領域の隆起区域もパッドを付けることが好ましく、傷害または襲撃に対する物理的保護を着用者に提供する耐衝撃性材料を含むと有利である。このような材料の例は、3次元衝撃網目である。(3次元網目は、平坦で織物様の輪郭とは対照的に隆起した輪郭である。)
【0055】
次に、本発明を添付図面で図示された実施形態に関して、さらに詳細に説明する。
【0056】
次に、図1および図2を参照すると、本発明の衣服は、着用者12が着用した状態で図示されているベスト10を含む。ベスト10は、半硬質材料と概ね軟質の材料との両方を備える胴受け部分14を含む。ベスト10は、それぞれが少なくとも部分的に半硬質材料から構築された幾つかの容器16,18,20,22,24および25も含む。半硬質材料は、圧縮したEVA発泡体を含み、好ましくは少なくともポリエステル材料の外層がある圧縮EVA発泡体の積層体である。各容器16,18,20,22,24および25は、胴受け部分14と一体化される。
【0057】
ベスト10は、着用者12の胴の前部を少なくとも部分的に覆う前部領域26(図1に図示)、着用者12の胴の背部を少なくとも部分的に覆う背部領域28(図2)、2つの側部領域30,32、および2つの肩領域34,36を含む。胴受け部分14の前部領域26は、ベスト10を着脱できるようにする締結可能な開口38も含む。
【0058】
容器16は、ベスト10の下前部領域26に配置され、その頂部付近に開口44を含む。容器16は、手錠を保持するように意図され、したがって折り畳んだ手錠の形状およびサイズとぴったり一致する形状およびサイズを有する。図3は、図1のIII−IIIラインに沿って切り取った手錠容器16の断面図である。手錠容器16は、外壁40、内壁42および開口44を含む。外壁40は、少なくとも圧縮EVA発泡体およびポリエステル外層の成形積層体を備える半硬質構成要素46、ならびにLYCRAの商標で入手可能なエラストマ材料を備えるエラストマ構成要素48を含む。開口44は、エラストマ構成要素48内に配置され、折り畳んだ手錠50の最大寸法よりわずかに小さい。
【0059】
内壁42も、軟質材料43の層とEVA発泡体の下位層45との積層体を備える。内壁42は、折り畳んだ手錠50の中心開口内で受けるようなサイズおよび形状であるハブ要素52を備える全体的に中心のハブも含む。ハブ要素52は中空であり、上にある層43に積層されているシリコーンゲル54で充填されている。ハブ要素52と外壁40の内面56との間の最小距離は、折り畳んだ手錠50の厚さ未満である。しかし、ハブ要素52がシリコーンゲルによって充填されているおかげで、ハブ要素52は、手錠50を強制的に通せるほど十分に弾力的に変形可能である。
【0060】
手錠容器16の使用時には、外壁40のエラストマ構成要素48に設けられている開口44のおかげで、折り畳んだ手錠を通せるほど十分に開口44が伸張することができ、次いで手錠は、ハブと外壁40の半硬質構成要素46と小さめの開口44との組合せのおかげで、容器内に保持される。
【0061】
容器18,20および22は、拡張式警棒、OCスプレイおよびゴム手袋/マスクを含む救急キットをそれぞれ保持するためのものである。これらの容器それぞれの特徴は同様であるので、以下の検討は、警棒容器18に的を絞るが、容器20および22が同様の特徴を要求することを理解されたい。
【0062】
図1に示すように、警棒容器18は全体的に細長く、ベスト10の上前部領域26に配置される。警棒容器18は、拡張式警棒の形状およびサイズを補完する形状およびサイズである。これは、縦軸が着用者の胴の正中線X−Xに対して斜めの角度で配向されるように、ベスト10上で配置され、配向される。警棒容器18は、上端62および下端64を有し、下端64は上端62よりも正中線X−Xに近く配置される。
【0063】
図4は、握りしか見えない警棒58を保持する警棒容器18の斜視図を示す。これは、外面にポリエステルが積層された形成圧縮EVA発泡体で作製された外壁60を含む。警棒容器18は、成形過程中に胴受け区間14と一体形成することによって、胴受け区間14と一体である。アーチ状開口66が下端64から有意の距離だけ上端62に向かって延在し、それによって警棒にアクセスし、取り出す十分な空間ができる。警棒容器はさらに、開口66を覆うような形状およびサイズである形成閉鎖部68を含む。閉鎖部68は、閉位置(図1に図示)から開位置(図4に図示)へと外側に回転運動するために、下端64に蝶番接続する。閉鎖部68はさらに、閉鎖部68を閉位置で保持するフック状およびループ状の締結具70を含む。
【0064】
ベスト10はさらに、無線送受器72を保持する容器24を含む。無線容器24は、成形過程中に胴受け区間14と一体形成することによって胴受け区間14と一体であるポリエステルと積層にされた成形圧縮EVA発泡体から作製された開放端ホルダ74を備えるガイド支持体を含む。容器24はさらに、開放端ホルダ74の下端から吊り下げられたポケット構成要素76を含む。ポケット構成要素76は、伸縮性をもたせた網目を備える。容器24はさらに、フック状およびループ状の締結具(図示せず)によって締結可能なフラップ閉鎖部78を含む。
【0065】
ベスト10は、一方端が肩領域36に装着され、他方端に光源84を有し、ベスト10の上前部領域26に向かって下方向に延在するフレキシブルアーム82を備えたフレキシブルライト80を含む照明手段も含む。フレキシブルライト80は、着用者が光源84の動作および強度を制御できるようにする手動制御装置(図示せず)を含む。フレキシブルアーム82は、フック状およびループ状の締結具によって胴受け区間14に固定された軟質ストラップ86を備える固定手段によって、その長さに沿って固定される。照明手段は、ベスト10と一体形成され、充電式リチウム電池を含む充電式電源86も含む。
【0066】
ベスト10のさらなる特徴は、背部領域28に配置された発光部材88を備える衣服照明手段である。発光部材88は、LEDライトのバンクが表面に装着された状態で、その内に軟質PCBを有する一体の透明ポリマー窓である。これも、歪みによって誘発される損傷を回避するために歪み緩和手段89を中に有する埋め込み式軟質プリント回路基板87によって、自身に接続された充電式電源86によって電力供給される。
【0067】
ベスト10はさらに、胴受け区間14に設けた網目90a,90b,90c,90c,90dおよび90eなどの材料を含む一体通気口のパネルを備える通気手段を含む。材料を含む一体通気口のパネルは、着用者の身体の発汗が多い区域に対応するベスト10の区域に配置され、例えば図1および図2に示すように、パネル90aおよびbは、着用者の首の周囲に配置され、パネル90c,dは着用者の背部に配置される。
【0068】
ベスト10は追加的に、各側部領域30,32に設けられたサイズ調節手段92を含む。各サイズ調節手段は、相互に取付け可能なフラップ94,96を備え、解放自在に取付け可能な第1調節部材および第2調節部材を備える。フラップ94,96は、フック状およびループ状の締結具によって取付け可能であり、フック状構成要素がフラップ94に設けられ、ループ状構成要素がフラップ96に設けられる。フラップ96はさらに、全体的に参照符号98で示したサイズ標識を含む。サイズ標識98は、フラップ96に浮き彫り加工され、特定のサイズのベスト10を達成するために必要な個々のフラップ94の相対位置の輪郭を描く、隔置されたサイズ線100、および関連する着用者の胸囲寸法を備える。サイズ標識は、2つのフラップ94,96を取り付けると、着用者の胸囲サイズに対応する特定のサイズ線100が見えるような位置で、取り付けたフラップ94,96の最下部に設けられる。
【0069】
ベスト10のさらなる特徴は、ベスト10を着用者のベルト104に固定する2つの調節式ストラップ102を備える係留手段である。図6は、調節式ストラップ102をさらに詳細に示す。これらはそれぞれ、ベスト10の下縁に取り付けられる後退可能な構成要素106、および着用者のベルト104に取り付ける接続構成要素108を備える。各後退可能な構成要素106および対応する接続要素108は、110aおよびbによって示されたフック状およびループ状の取付け手段によって、相互に取付け可能である。各後退可能な構成要素106は、伸縮性をもたせた部分112を含み、これは使用していない場合に後退可能な構成要素106をベスト10の下縁より上に後退させるよう機能する。
【0070】
図5は、背部領域28に取り付ける水分補給パック112を含むベスト10の変形版を示す。水分補給パック112は、着用者の口によってアクセスするために肩領域34の上に延在する流体導管114を含む。水分補給パック112は、フック状およびループ状の締結具によってベスト10に取り付けられ、そのためにベスト10は、水分補給パック112のループ状材料に取り付けるためのフック状構成要素を上に有する取付けタブ116a,116bおよび116cを含む。
【0071】
図6は、ベスト10の前部の裏側を示す。内面118を着用者の身体から隔置し、それによってそれらの間の空気循環を容易にし、向上させるために、ベスト10の内面118に幾つかの隆起したパッド付き区域120a,b,cおよびdならびに122a,bおよびcを設ける。肩領域34,36の隆起区域122a,122bおよび122cは、着用者の快適性を向上させる緩衝シリコーンゲル充填材を含む一体パッドを備える。隆起区域120a,b,cおよびdは、着用者の胴の胸部および肋骨区域と一致する分割パターンで並べられている。これもパッド付きで、さらに3次元衝撃網目を備える耐衝撃性材料を含み、それによって着用者の快適性および物理的保護の両方を向上させる。
【0072】
本発明の第2の実施形態が、図7aおよびbならびに図8に図示されている。これらの図では、同様の参照符号は第1の実施形態と同様の部品を指し、したがって図7および図8の各参照符号は、図1から図6の対応する参照符号に200を加えてある。以下の検討は、第1の実施形態とは異なる第2の実施形態の態様に概ね焦点を絞っている。
【0073】
ベスト210は胴受け部分214、ならびに幾つかの容器216,218,220,222および224を含む。胴受け部分214は、成形半硬質パネル215a,215bおよび215c、さらに網目材料の軟質パネル290a,290b,290c,290dおよび290eを含む。半硬質パネル215a,215bおよび215cは、EVA発泡体およびCORDURA(登録商標)の商標で入手可能なナイロン材料の成形積層体を備える。製造を容易にするために、半硬質パネル215aは、容器216,220および222の少なくとも一部と一緒に成形されて、半硬質パネル215bは、容器218および224の少なくとも一部と一緒に成形され、したがって各半硬質パネル215aおよび215bならびにその個々の容器部分は、一体の成形部片を形成する。図9aおよび図9bはそれぞれ、各一体成形部片230および232を示し、これはそれぞれ、半硬質パネル215aおよび215bを対応する容器部品と一緒に構成する。
【0074】
図9aでは、一体成形部片230は、容器216および220の外壁とともに半硬質パネル215aを含む。容器216の外壁240の場合、一体成形部片230は、白で輪郭を描いた区域216(a)も含み、これはベスト製造過程中に切り取られ、エラストマ構成要素248で置換される。同様に、容器220の外壁は、白で輪郭を描かれた区域220(a)を含み、これは切り取られ、容器の開口の一部を形成する。一体成形部片230は、中心容器225の内壁348、および着用者の一方の肩上に延在する部分350も含む。
【0075】
図9bでは、一体成形部片232は、容器218の外壁260および無線容器224の開放端ホルダ構成要素274とともに半硬質パネル215bを含む。容器218の外壁260は、白で輪郭を描かれた区域260(a)も含み、これはベスト製造過程中に切り取られ、容器218の開口の一部を形成する。一体成形部片232は、着用者の他方の肩上に延在する部分352も含む。これは、充電式リチウム電池ケース286を受ける一体成形ポーチ354を含む。
【0076】
ベスト210の構築中に、2つの半硬質肩部分350,352を軟質背部パネル356と接合し、これらは網目パネル290cおよび290dとともに、ベスト210の背部領域228を構成する。
【0077】
図7aおよび図7bに戻ると、第2の実施形態の容器218,220および222の相対位置は、第1の実施形態と比較して逆であることが分かる。また、各形成閉鎖部268,221および223をそれぞれ接続する蝶番の位置は、様々な閉鎖部の開閉方向が矢印で示されている図7bから明白なように、第1の実施形態に対して移動している。形成閉鎖部268および221の場合(図7aでは両方とも開位置で図示)、これらはそれぞれ、個々の容器218および220の外横側に沿って蝶番接続される。救急容器222の場合、その閉鎖部223(図7aでは閉位置で図示)は、全体的に参照符号227で示した領域で、容器222の上側に蝶番接続される。形成閉鎖部は全て、フック状およびループ状の締結具(図示せず)によって閉位置に保持される。
【0078】
各形成閉鎖部268,221および223は、対応する閉鎖部を開くために着用者が把持することができる解放タブ268a,221aおよび223aを含む。各解放タブは、特定の容器の内容を示す浮き彫りの記号を含む。例えば、解放タブ223aは、容器222の内容が救急キットであることを示す浮き彫りの救急十字を含む。
【0079】
無線容器224は、個々の閉鎖手段が無線容器24とは異なる。フック状およびループ状の締結具によって締結されたフラップ78を含む無線容器24とは異なり、無線容器224はファスナ279によって閉鎖される。
【0080】
フレキシブルライト280は、ベスト210の背部領域288に配置された光源284および発光部材288の両方の動作を制御するスイッチ285を備える手動制御装置を含む。フレキシブルアーム282が成形した隙間287から延在し、これはアーム282の磨耗および引き裂きを減少させるのに役立つ。
【0081】
日誌、財布、鍵などの一般的または個人的品物を保持する中心容器225も、参照符号231で示された全体的領域内で容器225の下縁に沿って蝶番接続された形成閉鎖部229を含む。形成閉鎖部229の外面は、ロゴまたは記章内が浮き彫り加工され、この場合は特定の警察を表す。
【0082】
中心容器の形成閉鎖部229は、図10に示すようにディジタルカメラを内部に収容する手段も含む。カメラ340は点線の輪郭で図示され、閉鎖部229内に設けた相補的窪み342(これも点線の輪郭)内で受けることができる。この窪み342で受けると、カメラのレンズ344が、閉鎖部229に設けた隙間346と一致する。カメラを中心に配置すると、適切にフレーミングし、着用者の動作による画像の不安定性を最小限に抑えることができる。カメラを内部に収容すると、これを視野から隠し、損傷からの保護に役立つ。カメラは、必要に応じて普通写真およびビデオ場面を記録するために、着用者が手動で操作可能である。カメラ340は、必要に応じてベスト210から取り外し、記録した画像をカメラから直接に、またはそのメモリカードからダウンロードすることができる。システムは、警察で確立することができ、ダウンロードした情報を関連する警察官の名前および日付と照らし合わせて記録する。次いで、カメラを再充電し、ベスト210に戻す。
【0083】
最後に、本明細書で概略している通りの本発明の精神から逸脱することなく、様々な他の変形および/または変更ができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明による衣服の第1実施形態の前部を示す図である。
【図2】図1の衣服の背部を示す図である。
【図3】図1に示した手錠を保持する容器の断面図である。
【図4】図1に示した警棒を保持する容器の詳細図である。
【図5】水分補給パックを含む衣服の第1実施形態の背部を示す図である。
【図6】衣服の第1実施形態の前部の裏側を示す図である。
【図7a】本発明の衣服の第2実施形態の前面図である。
【図7b】第2実施形態の容器の開閉方向を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態の背面図である。
【図9a】第2実施形態の作製に使用する一体成形部片を示す図である。
【図9b】第2実施形態の作製に使用する一体成形部片を示す図である。
【図10】第2実施形態のカメラ機能の詳細を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の品物を保管および/または携帯する衣服であって、
着用者の胴の少なくとも一部で着用する胴受け部分と、
前記品物を受ける1つ以上の容器と、
を備え、
前記容器または各容器が、少なくとも部分的に半硬質ポリマー材料で構成され、前記容器または各容器が前記胴受け部分に一体化されることを特徴とする衣服。
【請求項2】
請求項1に記載の衣服であって、
前記容器または各容器が、少なくとも部分的に、少なくとも前記半硬質ポリマー材料および軟質材料を備える積層体から構築されることを特徴とする衣服。
【請求項3】
請求項1に記載の衣服であって、前記胴受け部分が、少なくとも前記半硬質材料および軟質材料の積層体も含むことを特徴とする衣服。
【請求項4】
請求項1に記載の衣服であって、前記衣服が、前記着用者の胴の少なくとも一部とほぼ一致するような形状であることを特徴とする衣服。
【請求項5】
請求項1に記載の衣服であって、
前記軟質材料が、CORDURA(登録商標)の商標でデュポン社から販売されるようなナイロンまたはポリエステル、好ましくは織られたまたは編まれたナイロンまたはポリエステル、さらに好ましくは編まれたナイロンであることを特徴とする衣服。
【請求項6】
請求項1に記載の衣服であって、
前記衣服の前記胴受け部分が、前記着用者の胴の前部を少なくとも部分的に覆う前部領域、前記着用者の胴の背部を少なくとも部分的に覆う背部領域、2つの側部領域、および前記着用者の肩上に延在し、それによって支持される少なくとも1つの肩領域を含むことを特徴とする衣服。
【請求項7】
請求項1に記載の衣服であって、
前記胴受け部分が、前記着用者の腕を通すことができ、歩行中および走行中に前記着用者の腕がほぼ妨げられないで動かせるような形状およびサイズである2つの横穴を含むことを特徴とする衣服。
【請求項8】
請求項1に記載の衣服であって、
前記衣服の長さが、着用時に、前記衣服の下縁が前記着用者のウェスト以上であり、それによって使用中に前記着用者の胴の動作を妨げずに容易にするような長さであることを特徴とする衣服。
【請求項9】
請求項1に記載の衣服であって、
前記容器または各容器が通常、ポケットまたはホルダの形態をとり、前記胴受け部分の外面から延在することを特徴とする衣服。
【請求項10】
請求項1に記載の衣服であって、各容器が少なくとも1つの外壁を含み、前記品物を受ける開口を有することを特徴とする衣服。
【請求項11】
請求項1に記載の衣服であって、各容器の前記外壁の少なくとも一部が、3次元形状に成形または形成された前記半硬質ポリマー材料を備えることを特徴とする衣服。
【請求項12】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器が、形成された半硬質材料を含む前記開口の閉鎖部も含むことを特徴とする衣服。
【請求項13】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器が、内壁を含むことを特徴とする衣服。
【請求項14】
請求項13に記載の衣服であって、前記内壁が、通気性のある材料を含むことを特徴とする衣服。
【請求項15】
請求項13に記載の衣服であって、前記内壁が、前記容器の開放時に前記着用者に明白であるように、対照的な色であることを特徴とする衣服。
【請求項16】
請求項1に記載の衣服であって、各容器の形状が、保持するよう意図された前記品物の形状を補完することを特徴とする衣服。
【請求項17】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器または各容器と前記胴受け部分との一体化が、前記容器の少なくとも一部を前記胴受け部分の少なくとも一部とともに一体形成または一体成形して、1つ以上の一体部片にすることによって実行されることを特徴とする衣服。
【請求項18】
請求項1に記載の衣服であって、前記半硬質材料が発泡(膨張)プラスチック材料に基づくことを特徴とする衣服。
【請求項19】
請求項1に記載の衣服であって、前記半硬質材料が、ポリエチレン発泡体などのポリオレフィン発泡体、またはエチレンビニルアセテート(EVA)発泡体に基づき、好ましくは圧縮EVA発泡体の層であることを特徴とする衣服。
【請求項20】
請求項19に記載の衣服であって、前記半硬質材料が、前記EVA層の第1の面に接着した織物の少なくとも第1の層の半硬質積層体を備えることを特徴とする衣服。
【請求項21】
請求項20に記載の衣服であって、織物の前記第1の層が前記軟質材料と同じであることを特徴とする衣服。
【請求項22】
請求項20に記載の衣服であって、
前記半硬質積層体が、前記EVA層の第2の面に接着した織物の第2の層を含み、それによって前記容器のライナを形成することを特徴とする衣服。
【請求項23】
請求項22に記載の衣服であって、前記第2織物層が、前記半硬質積層体の強化を補助する網目を備えることを特徴とする衣服。
【請求項24】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の前記半硬質材料が、前記着用者の手を前記容器に挿入して、前記品物を回収できるようにするほど十分に前記容器を変形できる十分な可撓性を有することを特徴とする衣服。
【請求項25】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の前記開口が、前記着用者の手によって容易にアクセスされるように配置構成されることを特徴とする衣服。
【請求項26】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の1つが、折り畳んだ手錠にぴったり一致する形状およびサイズを有し、内壁および外壁、ならびに前記折り畳んだ手錠の中心開口内で受けるようなサイズおよび形状の概ね中心のハブを含む手錠容器であることを特徴とする衣服。
【請求項27】
請求項26に記載の衣服であって、前記ハブが、前記手錠容器の前記内壁から延在するハブ要素を備え、前記ハブ要素の前記内部がシリコーンゲルで充填されることを特徴とする衣服。
【請求項28】
請求項26に記載の衣服であって、前記手錠容器の前記外壁がEVA発泡体およびエラストマ材料で構成され、前記容器開口が前記エラストマ材料内に配置されることを特徴とする衣服。
【請求項29】
請求項28に記載の衣服であって、前記容器開口が前記折り畳んだ手錠の最大寸法よりわずかに小さく、前記開口が、前記手錠を通せるほど十分弾力的に伸張可能であることを特徴とする衣服。
【請求項30】
請求項1に記載の衣服であって、
拡張式警棒および/または化学スプレイおよび/または救急キットを保管する1つ以上の細長い容器を含み、前記1つ以上の容器が前記衣服の上前部区間に配置され、各容器の縦軸が、着用時に前記胴の正中線に対して斜めの角度で配向され、各容器の前記開口がその下端、または下端の近くに配置されることを特徴とする衣服。
【請求項31】
請求項30に記載の衣服であって、
前記細長い容器または各細長い容器が、形成されたEVA発泡体を含む外壁、およびその下端、または下端の近くに配置され、閉位置から開位置へと外側に回転運動するために蝶番接続された一体閉鎖部を備えることを特徴とする衣服。
【請求項32】
請求項30に記載の衣服であって、
前記閉鎖部または各閉鎖部が、前記閉鎖部の開放時に前記着用者が把持できる解放フラップまたは解放タブを含み、前記解放タブが、前記個々の容器の内容を示す浮き彫りの記号を含むことを特徴とする衣服。
【請求項33】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の前記内面が、前記容器内への前記品物の保持を補助する把持手段を含むことを特徴とする衣服。
【請求項34】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の1つが、無線送受器を受けるために、前記半硬質材料から構築したガイド、およびそこから垂下した軟質ポケットを含むことを特徴とする衣服。
【請求項35】
請求項34に記載の衣服であって、前記軟質ポケットが3次元網目から構築されることを特徴とする衣服。
【請求項36】
請求項1に記載の衣服であって、衣類に装着されたフレキシブルライトをさらに含み、
前記フレキシブルライトが、その一方端に設けた光源を有するフレキシブルアームを含み、前記フレキシブルアームの他方端が、前記衣服の肩領域に装着され、前記衣服の前記上前部領域に向かって下方向に延在することを特徴とする衣服。
【請求項37】
請求項36に記載の衣服であって、前記ライトの電源が充電式で、前記衣服と一体であることを特徴とする衣服。
【請求項38】
請求項1に記載の衣服であって、夜間または視認性が低い期間に、前記着用者の視認性を改善する衣服照明手段を含み、
前記衣服照明手段が、前記衣服と一体形成された1つ以上の発光部材を備えることを特徴とする衣服。
【請求項39】
請求項38に記載の衣服であって、前記発光部材が幾つかの発光ダイオードを含む窓を備えることを特徴とする衣服。
【請求項40】
請求項38に記載の衣服であって、前記衣服照明手段が充電式電源によって電力供給されることを特徴とする衣服。
【請求項41】
請求項1に記載の衣服であって、特定着用者の胴のサイズに適合するために、前記衣服の前記サイズを調節する横方向サイズ調節手段をさらに含み、
各調節手段が第1調節部材および第2調節部材を備え、前記第1調節部材が前記衣服の前記前部領域に設けられ、前記第2調節部材が前記背部領域に設けられることを特徴とする衣服。
【請求項42】
請求項41に記載の衣服であって、各調節手段の前記第1調節部材および第2調節部材が、相互に取付け可能なフラップを備え、第1フラップが前記前部領域の下横に設けられ、第2フラップが対応する背部領域の下横に設けられることを特徴とする衣服。
【請求項43】
請求項42に記載の衣服であって、
前記第1フラップおよび第2フラップの少なくとも1つが、特定の衣服サイズを達成するために、取り付けられた場合に、前記第1フラップおよび第2フラップの適切な相対位置を示すサイズ標識を含むことを特徴とする衣服。
【請求項44】
請求項43に記載の衣服であって、
前記第1フラップおよび第2フラップが、フック状およびループ状の締結具によって相互に取付け可能であり、前記サイズ標識が、各第2フラップの前記フック状またはループ状の締結具の領域に溶着またはホットスタンプされることを特徴とする衣服。
【請求項45】
請求項1に記載の衣服であって、前記衣服を着用者のベルトまたは同様の衣類に固定する係留手段をさらに含み、
前記係留手段が、前記衣服の前記下端から延在し、前記着用者のベルトに接続可能である1つ以上の調節式ストラップを備え、前記調節式ストラップは、使用していない場合に、前記衣服の前記下端より上に後退するように、延張および後退可能であることを特徴とする衣服。
【請求項46】
請求項1に記載の衣服であって、前記衣服の内面に、前記着用者の身体から前記衣服の前記内面を隔置する隆起区域が設けられてよく、それによってそれらの間の空気循環を容易にするか、向上させることを特徴とする衣服。
【請求項47】
請求項46に記載の衣服であって、前記隆起区域が、パッド付きである、かつ/または耐衝撃性材料を含むことを特徴とする衣服。
【請求項48】
添付図面で図示されたいずれかの実施形態に関してほぼ本明細書で説明した通りの、1つ以上の品物を保管および/または携帯することを特徴とする衣服。
【請求項1】
1つ以上の品物を保管および/または携帯する衣服であって、
着用者の胴の少なくとも一部で着用する胴受け部分と、
前記品物を受ける1つ以上の容器と、
を備え、
前記容器または各容器が、少なくとも部分的に半硬質ポリマー材料で構成され、前記容器または各容器が前記胴受け部分に一体化されることを特徴とする衣服。
【請求項2】
請求項1に記載の衣服であって、
前記容器または各容器が、少なくとも部分的に、少なくとも前記半硬質ポリマー材料および軟質材料を備える積層体から構築されることを特徴とする衣服。
【請求項3】
請求項1に記載の衣服であって、前記胴受け部分が、少なくとも前記半硬質材料および軟質材料の積層体も含むことを特徴とする衣服。
【請求項4】
請求項1に記載の衣服であって、前記衣服が、前記着用者の胴の少なくとも一部とほぼ一致するような形状であることを特徴とする衣服。
【請求項5】
請求項1に記載の衣服であって、
前記軟質材料が、CORDURA(登録商標)の商標でデュポン社から販売されるようなナイロンまたはポリエステル、好ましくは織られたまたは編まれたナイロンまたはポリエステル、さらに好ましくは編まれたナイロンであることを特徴とする衣服。
【請求項6】
請求項1に記載の衣服であって、
前記衣服の前記胴受け部分が、前記着用者の胴の前部を少なくとも部分的に覆う前部領域、前記着用者の胴の背部を少なくとも部分的に覆う背部領域、2つの側部領域、および前記着用者の肩上に延在し、それによって支持される少なくとも1つの肩領域を含むことを特徴とする衣服。
【請求項7】
請求項1に記載の衣服であって、
前記胴受け部分が、前記着用者の腕を通すことができ、歩行中および走行中に前記着用者の腕がほぼ妨げられないで動かせるような形状およびサイズである2つの横穴を含むことを特徴とする衣服。
【請求項8】
請求項1に記載の衣服であって、
前記衣服の長さが、着用時に、前記衣服の下縁が前記着用者のウェスト以上であり、それによって使用中に前記着用者の胴の動作を妨げずに容易にするような長さであることを特徴とする衣服。
【請求項9】
請求項1に記載の衣服であって、
前記容器または各容器が通常、ポケットまたはホルダの形態をとり、前記胴受け部分の外面から延在することを特徴とする衣服。
【請求項10】
請求項1に記載の衣服であって、各容器が少なくとも1つの外壁を含み、前記品物を受ける開口を有することを特徴とする衣服。
【請求項11】
請求項1に記載の衣服であって、各容器の前記外壁の少なくとも一部が、3次元形状に成形または形成された前記半硬質ポリマー材料を備えることを特徴とする衣服。
【請求項12】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器が、形成された半硬質材料を含む前記開口の閉鎖部も含むことを特徴とする衣服。
【請求項13】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器が、内壁を含むことを特徴とする衣服。
【請求項14】
請求項13に記載の衣服であって、前記内壁が、通気性のある材料を含むことを特徴とする衣服。
【請求項15】
請求項13に記載の衣服であって、前記内壁が、前記容器の開放時に前記着用者に明白であるように、対照的な色であることを特徴とする衣服。
【請求項16】
請求項1に記載の衣服であって、各容器の形状が、保持するよう意図された前記品物の形状を補完することを特徴とする衣服。
【請求項17】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器または各容器と前記胴受け部分との一体化が、前記容器の少なくとも一部を前記胴受け部分の少なくとも一部とともに一体形成または一体成形して、1つ以上の一体部片にすることによって実行されることを特徴とする衣服。
【請求項18】
請求項1に記載の衣服であって、前記半硬質材料が発泡(膨張)プラスチック材料に基づくことを特徴とする衣服。
【請求項19】
請求項1に記載の衣服であって、前記半硬質材料が、ポリエチレン発泡体などのポリオレフィン発泡体、またはエチレンビニルアセテート(EVA)発泡体に基づき、好ましくは圧縮EVA発泡体の層であることを特徴とする衣服。
【請求項20】
請求項19に記載の衣服であって、前記半硬質材料が、前記EVA層の第1の面に接着した織物の少なくとも第1の層の半硬質積層体を備えることを特徴とする衣服。
【請求項21】
請求項20に記載の衣服であって、織物の前記第1の層が前記軟質材料と同じであることを特徴とする衣服。
【請求項22】
請求項20に記載の衣服であって、
前記半硬質積層体が、前記EVA層の第2の面に接着した織物の第2の層を含み、それによって前記容器のライナを形成することを特徴とする衣服。
【請求項23】
請求項22に記載の衣服であって、前記第2織物層が、前記半硬質積層体の強化を補助する網目を備えることを特徴とする衣服。
【請求項24】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の前記半硬質材料が、前記着用者の手を前記容器に挿入して、前記品物を回収できるようにするほど十分に前記容器を変形できる十分な可撓性を有することを特徴とする衣服。
【請求項25】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の前記開口が、前記着用者の手によって容易にアクセスされるように配置構成されることを特徴とする衣服。
【請求項26】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の1つが、折り畳んだ手錠にぴったり一致する形状およびサイズを有し、内壁および外壁、ならびに前記折り畳んだ手錠の中心開口内で受けるようなサイズおよび形状の概ね中心のハブを含む手錠容器であることを特徴とする衣服。
【請求項27】
請求項26に記載の衣服であって、前記ハブが、前記手錠容器の前記内壁から延在するハブ要素を備え、前記ハブ要素の前記内部がシリコーンゲルで充填されることを特徴とする衣服。
【請求項28】
請求項26に記載の衣服であって、前記手錠容器の前記外壁がEVA発泡体およびエラストマ材料で構成され、前記容器開口が前記エラストマ材料内に配置されることを特徴とする衣服。
【請求項29】
請求項28に記載の衣服であって、前記容器開口が前記折り畳んだ手錠の最大寸法よりわずかに小さく、前記開口が、前記手錠を通せるほど十分弾力的に伸張可能であることを特徴とする衣服。
【請求項30】
請求項1に記載の衣服であって、
拡張式警棒および/または化学スプレイおよび/または救急キットを保管する1つ以上の細長い容器を含み、前記1つ以上の容器が前記衣服の上前部区間に配置され、各容器の縦軸が、着用時に前記胴の正中線に対して斜めの角度で配向され、各容器の前記開口がその下端、または下端の近くに配置されることを特徴とする衣服。
【請求項31】
請求項30に記載の衣服であって、
前記細長い容器または各細長い容器が、形成されたEVA発泡体を含む外壁、およびその下端、または下端の近くに配置され、閉位置から開位置へと外側に回転運動するために蝶番接続された一体閉鎖部を備えることを特徴とする衣服。
【請求項32】
請求項30に記載の衣服であって、
前記閉鎖部または各閉鎖部が、前記閉鎖部の開放時に前記着用者が把持できる解放フラップまたは解放タブを含み、前記解放タブが、前記個々の容器の内容を示す浮き彫りの記号を含むことを特徴とする衣服。
【請求項33】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の前記内面が、前記容器内への前記品物の保持を補助する把持手段を含むことを特徴とする衣服。
【請求項34】
請求項1に記載の衣服であって、前記容器の1つが、無線送受器を受けるために、前記半硬質材料から構築したガイド、およびそこから垂下した軟質ポケットを含むことを特徴とする衣服。
【請求項35】
請求項34に記載の衣服であって、前記軟質ポケットが3次元網目から構築されることを特徴とする衣服。
【請求項36】
請求項1に記載の衣服であって、衣類に装着されたフレキシブルライトをさらに含み、
前記フレキシブルライトが、その一方端に設けた光源を有するフレキシブルアームを含み、前記フレキシブルアームの他方端が、前記衣服の肩領域に装着され、前記衣服の前記上前部領域に向かって下方向に延在することを特徴とする衣服。
【請求項37】
請求項36に記載の衣服であって、前記ライトの電源が充電式で、前記衣服と一体であることを特徴とする衣服。
【請求項38】
請求項1に記載の衣服であって、夜間または視認性が低い期間に、前記着用者の視認性を改善する衣服照明手段を含み、
前記衣服照明手段が、前記衣服と一体形成された1つ以上の発光部材を備えることを特徴とする衣服。
【請求項39】
請求項38に記載の衣服であって、前記発光部材が幾つかの発光ダイオードを含む窓を備えることを特徴とする衣服。
【請求項40】
請求項38に記載の衣服であって、前記衣服照明手段が充電式電源によって電力供給されることを特徴とする衣服。
【請求項41】
請求項1に記載の衣服であって、特定着用者の胴のサイズに適合するために、前記衣服の前記サイズを調節する横方向サイズ調節手段をさらに含み、
各調節手段が第1調節部材および第2調節部材を備え、前記第1調節部材が前記衣服の前記前部領域に設けられ、前記第2調節部材が前記背部領域に設けられることを特徴とする衣服。
【請求項42】
請求項41に記載の衣服であって、各調節手段の前記第1調節部材および第2調節部材が、相互に取付け可能なフラップを備え、第1フラップが前記前部領域の下横に設けられ、第2フラップが対応する背部領域の下横に設けられることを特徴とする衣服。
【請求項43】
請求項42に記載の衣服であって、
前記第1フラップおよび第2フラップの少なくとも1つが、特定の衣服サイズを達成するために、取り付けられた場合に、前記第1フラップおよび第2フラップの適切な相対位置を示すサイズ標識を含むことを特徴とする衣服。
【請求項44】
請求項43に記載の衣服であって、
前記第1フラップおよび第2フラップが、フック状およびループ状の締結具によって相互に取付け可能であり、前記サイズ標識が、各第2フラップの前記フック状またはループ状の締結具の領域に溶着またはホットスタンプされることを特徴とする衣服。
【請求項45】
請求項1に記載の衣服であって、前記衣服を着用者のベルトまたは同様の衣類に固定する係留手段をさらに含み、
前記係留手段が、前記衣服の前記下端から延在し、前記着用者のベルトに接続可能である1つ以上の調節式ストラップを備え、前記調節式ストラップは、使用していない場合に、前記衣服の前記下端より上に後退するように、延張および後退可能であることを特徴とする衣服。
【請求項46】
請求項1に記載の衣服であって、前記衣服の内面に、前記着用者の身体から前記衣服の前記内面を隔置する隆起区域が設けられてよく、それによってそれらの間の空気循環を容易にするか、向上させることを特徴とする衣服。
【請求項47】
請求項46に記載の衣服であって、前記隆起区域が、パッド付きである、かつ/または耐衝撃性材料を含むことを特徴とする衣服。
【請求項48】
添付図面で図示されたいずれかの実施形態に関してほぼ本明細書で説明した通りの、1つ以上の品物を保管および/または携帯することを特徴とする衣服。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【公表番号】特表2009−501849(P2009−501849A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521744(P2008−521744)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001009
【国際公開番号】WO2007/009171
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508020306)シーティーイー ピーティーワイ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001009
【国際公開番号】WO2007/009171
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508020306)シーティーイー ピーティーワイ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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