説明

商品監視システム、商品監視方法及び商品監視プログラム

【課題】店舗内に陳列された商品について、異動状況を監視することにより、店舗内で行なわれている注意すべき行為を早期に検知するための商品監視システム、商品監視方法及び商品監視プログラムを提供する。
【解決手段】商品監視サーバ20の制御部21は、商品棚毎に商品のタグ情報を取得し、陳列情報の登録処理を実行する。次に、制御部21は、商品の異動があったかどうかについて判定する。商品の異動があったと判定した場合、制御部21は、監視対象の登録処理を実行する。そして、制御部21は、異動状況を特定する。そして、制御部21は、注意パターンを特定し、照合処理を実行する。アラーム対象と判定した場合であって、アラーム通知済でない場合、制御部21は、監視端末35にアラームを通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内に陳列された商品について、店舗内で行なわれている注意すべき行為を早期に検知するための商品監視システム、商品監視方法及び商品監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品管理を行なうために、商品に非接触ICタグを貼付して、このICタグを検知するシステムが検討されている。また、店舗の出口にICタグのリーダを設置しておくことにより、万引行為が行なわれた場合でも、出口で検知できるようにしている場合もある。
【0003】
そこで、各店舗で販売される商品に対する万引行為のチェックを行なうためのシステムが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献記載の無線通信装置は、商品棚に陳列された商品と、レジで代金精算を行なう商品と、店舗の出口から持ち出される商品との各々の商品に付されたID情報を非接触により読み取る。情報処理装置は、各無線通信装置からID情報を受信する。ID情報を受信した場合、ID情報と、ID情報を送信した無線通信装置の設置場所情報とを関連付けて商品情報データベースに登録する。そして、店舗の出口の読取装置から受信したID情報が、レジに設置されている無線通信装置から既に受信されているか否かを判定する。
【0004】
更に、商品の不正な持ち出しを抑制するための警告システムも検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献記載のシステムにおいては、ゲートに接近した者が所持する商品に取り付けられているRFIDタグに記憶されているタグデータをRFIDリーダが読み出す。このタグデータに含まれる精算済みフラグの値が未精算であることを示す場合、タグデータに含まれる画像データまたは映像データを表示器の画面に表示させる。更に、タグデータに含まれる警告メッセージに対応するテキストを表示器の画面に合成表示する。
【0005】
また、貸出用収納物を無人で管理するための管理方式も検討されている(例えば、特許文献3参照。)。この文献記載の方式では、書架に収納される本の背に本のIDを書き込んだ無線タグを貼付し、利用者が、書架から本を出し入れする際に書架に設けられたリーダ・ライタでIDを読み取る。利用者が間違った書架に本を戻した場合に警告することにより、正しい書架に本を戻すように利用者を誘導する。
【0006】
更に、出入り口、ゲートなどを通ることなく、書籍等の借り出し、返却を自動登録するためのシステムも検討されている(例えば、特許文献4参照。)。この文献記載の技術においては、書籍にRFIDを貼付し、利用者にRFIDのカードを携帯させる。書架にアンテナを設け、リーダ制御部の制御により、微小時間間隔ごとにアンテナから質問波を発する。書籍や利用者がアンテナの有効範囲にいれば、RFIDからの応答波を検知され、これに基づきリーダ制御部はその範囲内にある書籍及び利用者の識別情報を取得し、貸出管理コンピュータに送る。コンピュータは、書籍が有効範囲から消えたことを検出すると、そのとき同時に消えた利用者をその書籍の借出者と判断し、その利用者にその書籍を貸し出したことを貸出管理データベースに記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−240767号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2007−200239号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開平11−79328号公報(第1頁、図4)
【特許文献4】特開2001−22834号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、店舗内において行なわれる不正行為を防止するために、無線タグが利用されている。特許文献1、2に記載された技術では、店舗の出口において不正行為を検知する。しかしながら、不正行為を検知した時点では、この行為を抑制するタイミングとして遅いことがある。例えば、不正行為者が出口から逃走した場合には、対応が困難である。また、不正行為の常習者等においては、出口に向かうまでに不正行為が検知されないような対策を行なっている場合もある。
【0009】
特許文献3に記載された技術においては、返却場所の適否を判断することはできるが、万引き等の不正行為に対応することはできない。
そこで、不正行為に至る疑わしい行為を検知することが望ましい。しかしながら、店舗内でおいて商品を取り扱う行為は日常的に行われており、この行為の中で疑わしい行為を特定することは困難である。特許文献4に記載された技術では、利用者にRFIDのカードを携帯させることにより、持ち出された商品と利用者とを紐付けることになる。しかしながら、この文献に記載された技術においては、オープンな店舗において、RFIDのカードを携帯していない不正行為者については対応することができない。
【0010】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、この目的は、店舗内に陳列された商品について、複数の商品の異動状況を監視することにより、店舗内で行なわれている注意すべき行為を早期に検知するための商品監視システム、商品監視方法及び商品監視プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、陳列エリアに陳列されている商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を記録した商品管理情報記憶手段と、アラームを出力するための注意パターンを記録したパターン記憶手段と、前記商品管理情報記憶手段に記録されたタグ識別子に関連付けて、前記商品が陳列されている陳列エリアのエリア識別子を記録する陳列情報記憶手段と、監視端末に接続された制御手段とを備えた商品監視システムであって、前記制御手段が、陳列されている商品に取り付けられた無線タグを定期的に検出し、この無線タグのタグ識別子をエリア識別子に関連付けて、前記陳列情報記憶手段に記録する手段と、前記陳列情報記憶手段を用いて、陳列エリア毎に、タグ識別子の検出状態の変化を検知する異動検知手段と、タグ識別子の検出状態により商品の異動状況を特定し、前記異動状況と注意パターンとを照合し、前記異動状況が注意パターンに該当する場合に、前記監視端末にアラームを出力する手段とを備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、前記陳列情報記憶手段を用いて、予め定められた基準時間内に検出できなくなったタグ識別子に基づいて、陳列エリア毎に、持ち出された商品の異動状況を特定することを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子の数量を算出し、前記数量を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の商品監視システムにおいて、前記制
御手段が、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記商品属性を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子の数量を算出するとともに、前記タグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記数量及び商品属性を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、前記陳列情報記憶手段を用いて、予め定められた基準時間内に新たに検出したタグ識別子に基づいて、陳列エリア毎に、持ち込まれた商品の異動状況を特定することを要旨とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の数量を算出し、前記数量を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記商品属性を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の数量を算出するとともに、前記タグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記数量及び商品属性を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子を前記商品管理情報記憶手段において検索し、前記商品管理情報記憶手段における登録の有無を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、タグ識別子毎に、この商品が陳列されるべき陳列エリアのエリア識別子が記録された陳列エリア情報記憶手段を備えており、前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の商品が持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子を取得するとともに、前記陳列エリア情報記憶手段から、タグ識別子に関連付けられたエリア識別子を取得し、持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と前記陳列エリア情報記憶手段に記録されたエリア識別子を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、新たに検出したタグ識別子について、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出し、前記時間差を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の商品が持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子を取得するとともに、タグ識別子毎に、この商品が陳列されるべき陳列エリアのエリア識別子が記録された陳列エリア情報記憶手段から、タグ識別子
に関連付けられたエリア識別子を取得し、持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と前記陳列エリア情報記憶手段に記憶されたエリア識別子を取得し、商品の持ち出しの有無と、陳列すべき陳列エリアが異なる商品の持ち込みの有無を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段が、新たに検出したタグ識別子について、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出し、前記タグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得するとともに、前記陳列情報記憶手段を用いて、前記商品属性と共通した商品属性に関連付けられているタグ識別子について持ち出されている商品の持出残量を算出し、前記持出残量及び時間差を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0025】
請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段は、商品の清算を行なう販売管理システムに接続されており、前記制御手段が、前記販売管理システムから、清算された商品の商品識別子及び販売総数を取得し、前記陳列情報記憶手段を用いて、前記商品識別子に関連付けられたタグ識別子について持ち出されている商品の持出数量を算出し、商品の販売総数及び前記持出数量を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0026】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15のいずれか一つに記載の商品監視システムにおいて、前記制御手段は、清算対象の商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を取得した場合、前記タグ識別子に関連付けられた商品識別子を前記商品管理情報記憶手段から取得するとともに、商品の清算を行なう販売管理システムから商品識別子を取得し、前記タグ識別子に関連付けられた商品の商品識別子及び販売管理システムから取得した商品識別子を要素とする異動状況を特定することを要旨とする。
【0027】
請求項17に記載の発明は、陳列エリアに陳列されている商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を記録した商品管理情報記憶手段と、アラームを出力するための注意パターンを記録したパターン記憶手段と、前記商品管理情報記憶手段に記録されたタグ識別子に関連付けて、前記商品が陳列されている陳列エリアのエリア識別子を記録する陳列情報記憶手段と、監視端末に接続された制御手段とを備えた商品監視システムを用いて、商品を管理する方法であって、前記制御手段が、陳列されている商品に取り付けられた無線タグを定期的に検出し、この無線タグのタグ識別子をエリア識別子に関連付けて、前記陳列情報記憶手段に記録する段階と、前記陳列情報記憶手段を用いて、陳列エリア毎に、タグ識別子の検出状態の変化を検知する異動検知段階と、タグ識別子の検出状態により商品の異動状況を特定し、前記異動状況と注意パターンとを照合し、前記異動状況が注意パターンに該当する場合に、前記監視端末にアラームを出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0028】
請求項18に記載の発明は、陳列エリアに陳列されている商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を記録した商品管理情報記憶手段と、アラームを出力するための注意パターンを記録したパターン記憶手段と、前記商品管理情報記憶手段に記録されたタグ識別子に関連付けて、前記商品が陳列されている陳列エリアのエリア識別子を記録する陳列情報記憶手段と、監視端末に接続された制御手段とを備えた商品監視システムを用いて、商品を管理するプログラムであって、前記制御手段を、陳列されている商品に取り付けられた無線タグを定期的に検出し、この無線タグのタグ識別子をエリア識別子に関連付けて、前記陳列情報記憶手段に記録する手段、前記陳列情報記憶手段を用いて、陳列エリア毎に、タグ識別子の検出状態の変化を検知する異動検知手段、タグ識別子の検出状態により商品の異動状況を特定し、前記異動状況と注意パターンとを照合し、前記異動状況が注意パタ
ーンに該当する場合に、前記監視端末にアラームを出力する手段として機能させることを要旨とする。
【0029】
(作用)
請求項1、17又は18に記載の発明によれば、制御手段が、陳列されている商品に取り付けられた無線タグを定期的に検出し、この無線タグのタグ識別子をエリア識別子に関連付けて、陳列情報記憶手段に記録する。次に、陳列情報記憶手段を用いて、陳列エリア毎に、タグ識別子の検出状態の変化を検知する。次に、タグ識別子の検出状態により商品の異動状況を特定し、異動状況と注意パターンとを照合し、異動状況が注意パターンに該当する場合に、監視端末にアラームを出力する。これにより、陳列状態の変化に基づいて、複数の商品の異動を検知し、店舗内で行なわれている不自然な行為について、店員に対して、速やかに注意を喚起することができる。
【0030】
請求項2に記載の発明によれば、陳列情報記憶手段を用いて、予め定められた基準時間内に検出できなくなったタグ識別子に基づいて、陳列エリア毎に、持ち出された商品の異動状況を特定する。これにより、同時期に持ち出された複数の商品の異動状況に基づいて、店舗内で行なわれている不自然な行為について、店員に対して注意を喚起することができる。
【0031】
請求項3に記載の発明によれば、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子の数量を算出し、数量を要素とする異動状況を特定する。これにより、持ち出された商品の数量を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為について、店員に対して注意を喚起することができる。
【0032】
請求項4に記載の発明によれば、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子に関連付けられた商品属性を商品管理情報記憶手段から取得し、商品属性を要素とする異動状況を特定する。これにより、持ち出された商品の商品属性を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為について、店員に対して注意を喚起することができる。
【0033】
請求項5に記載の発明によれば、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子の数量を算出するとともに、タグ識別子に関連付けられた商品属性を商品管理情報記憶手段から取得し、数量及び商品属性を要素とする異動状況を特定する。これにより、持ち出された商品の数量及び商品属性を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為について、店員に対して注意を喚起することができる。
【0034】
請求項6に記載の発明によれば、陳列情報記憶手段を用いて、予め定められた基準時間内に新たに検出したタグ識別子に基づいて、陳列エリア毎に、持ち込まれた商品の異動状況を特定する。これにより、同時期に持ち込まれた複数の商品の異動状況に基づいて、店舗内で行なわれている不自然な行為について、店員に対して注意を喚起することができる。
【0035】
請求項7に記載の発明によれば、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の数量を算出し、数量を要素とする異動状況を特定する。これにより、持ち込まれた商品の数量を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0036】
請求項8に記載の発明によれば、基準時間内に新たに検出したタグ識別子に関連付けられた商品属性を商品管理情報記憶手段から取得し、商品属性を要素とする異動状況を特定することを特徴とする。これにより、持ち込まれた商品の商品属性を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0037】
請求項9に記載の発明によれば、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の数量を算出するとともに、タグ識別子に関連付けられた商品属性を商品管理情報記憶手段から取得し、数量及び商品属性を要素とする異動状況を特定する。これにより、持ち込まれた商品の数量及び商品属性を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0038】
請求項10に記載の発明によれば、基準時間内に新たに検出したタグ識別子を商品管理情報記憶手段において検索し、商品管理情報記憶手段における登録の有無を要素とする異動状況を特定する。これにより、取り扱われてない物が陳列エリアに持ち込まれた場合には、店舗内で行なわれている不自然な行為として検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0039】
請求項11に記載の発明によれば、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の商品が持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子を取得するとともに、陳列エリア情報記憶手段から、タグ識別子に関連付けられたエリア識別子を取得し、持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と陳列エリア情報記憶手段に記録されたエリア識別子を要素とする異動状況を特定する。これにより、持ち出された商品が、別の陳列エリアに放置された場合には、店舗内で行なわれている不自然な行為として検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0040】
請求項12に記載の発明によれば、新たに検出したタグ識別子について、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出し、時間差を要素とする異動状況を特定する。これにより、商品の持ち出しから返却までの時間経過を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0041】
請求項13に記載の発明によれば、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の商品が持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子を取得するとともに、タグ識別子毎に、この商品が陳列されるべき陳列エリアのエリア識別子が記録された陳列エリア情報記憶手段から、タグ識別子に関連付けられたエリア識別子を取得する。更に、持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と陳列エリア情報記憶手段に記憶されたエリア識別子を取得する。そして、商品の持ち出しの有無と、陳列すべき陳列エリアが異なる商品の持ち込みの有無を要素とする異動状況を特定する。これにより、商品の持ち出しと同時に異なる陳列エリアから商品が持ち込まれた場合には、店舗内で行なわれている不自然な行為として検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0042】
請求項14に記載の発明によれば、新たに検出したタグ識別子について、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出する。更に、タグ識別子に関連付けられた商品属性を商品管理情報記憶手段から取得する。更に、陳列情報記憶手段を用いて、この商品属性と共通した商品属性に関連付けられているタグ識別子について持ち出されている商品の持出残量を算出し、持出残量及び時間差を要素とする異動状況を特定する。これにより、同一種類の商品が、複数持ち出された後に、商品の返却を検知した場合には、商品の持ち出し残量及び持出時期から返却までの経過時間を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0043】
請求項15に記載の発明によれば、販売管理システムから、清算された商品識別子及び販売総数を取得し、陳列情報記憶手段を用いて、商品識別子に関連付けられたタグ識別子について持ち出されている商品の持出数量を算出する。そして、商品の販売総数及び持出数量を要素とする異動状況を特定する。これにより、持出数と販売数の整合性を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することがで
きる。
【0044】
請求項16に記載の発明によれば、清算対象の商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を取得した場合、タグ識別子に関連付けられた商品識別子を商品管理情報記憶手段から取得するとともに、商品の清算を行なう販売管理システムから商品識別子を取得する。そして、タグ識別子に関連付けられた商品の商品識別子及び販売管理システムから取得した商品識別子を要素とする異動状況を特定する。これにより、販売管理システムが清算対象と認識した商品と、無線タグが貼付された商品の同一性を考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、店舗内に陳列された商品について、異動状況を監視することにより、店舗内で行なわれている注意すべき行為を早期に検知するための商品監視システム、商品監視方法及び商品監視プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本実施形態の各情報記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は商品管理情報記憶部、(b)はパターン情報記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】本実施形態の各情報記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は陳列管理情報記憶部、(b)は異動検知情報記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】本実施形態の商品異動検知処理の手順の説明図。
【図5】本実施形態の監視処理の処理手順の説明図。
【図6】本実施形態の「持ち出し」の監視処理の処理手順の説明図。
【図7】本実施形態の「持ち込み1」の監視処理の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の「持ち込み2」の監視処理の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の「持ち込み3」の監視処理の処理手順の説明図。
【図10】本実施形態の「清算」の監視処理の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明を具体化した商品監視システムの一実施形態を、図1〜図10に従って説明する。本実施形態では、図1に示すように、店舗(例えば、書店)内に設置した複数の商品棚30(陳列エリア)に陳列した商品(例えば、書籍)を販売する場合を想定する。このような商品の状態を検知することにより、注意すべき状況を早期に検知して万引き等を防止するために用いる商品監視システム、商品監視方法及び商品監視プログラムとして説明する。ここでは、図1に示すように、ICタグ15、商品監視サーバ20、タグリーダ32、監視端末35を利用する。
【0048】
店舗内において販売される商品には、商品を特定するための商品コードが印字されるとともに、ICタグ15が貼付されている。ICタグ15には、各タグを識別するためのタグコードが記録されている。このICタグ15は、後述するタグリーダ32からの無線通信に対応して、保持しているタグコードを送信する。
【0049】
更に、各商品は分類毎に分けられている。そして、店舗内に設置された商品棚30には、それぞれ陳列される商品の分類が割り当てられている。また、一つの商品について複数の部数(在庫)が、商品棚30に陳列されることもある。
【0050】
各商品棚30には、タグリーダ32が設けられている。タグリーダ32は、所定の読取範囲に存在するICタグ15のタグコードを読み取る。本実施形態では、タグリーダ32は、各商品棚に陳列されている商品のICタグ15を読み取るように設定されている。
【0051】
また、各タグリーダ32には、設置された商品棚30のエリアコードが割り当てられている。そして、タグリーダ32は、保持しているエリアコード及び読み取ったタグコードを含めた検出結果を商品監視サーバ20に送信する。
【0052】
商品監視サーバ20は、無線ネットワークを介して、監視端末35に接続される。さらに、この商品監視サーバ20は、POS管理サーバ40、タグ解除装置50が接続されている。
【0053】
監視端末35は、店員が店舗を監視するために、店内を撮影しているモニタ端末である。この監視端末35は、通信部や表示部を備える。そして、この監視端末35は、商品監視サーバ20からのアラームを受信し、表示部にアラームを出力する。
【0054】
POS管理サーバ40は、顧客が購入する商品の販売管理を行なう販売管理システムである。このPOS管理サーバ40は、レジカウンタに設置されたPOS端末42に接続されている。そして、POS管理サーバ40は、POS端末42において読み取った商品コードを取得する。POS管理サーバ40は、この商品コードにより、商品名や販売価格を特定する。更に、POS管理サーバ40は、販売対象の商品の商品コードを商品監視サーバ20に供給する。
【0055】
また、レジカウンタには、タグ解除装置50が設置されている。このタグ解除装置50は、販売された商品(清算対象商品)に貼付されたICタグ15からタグコードを読み取る。そして、タグ解除装置50は、読み取ったタグコードを含めた監視解除通知を商品監視サーバ20に供給する。この場合、商品監視サーバ20は、後述するように、商品に貼付されたICタグ15を監視対象外として扱う。
【0056】
商品監視サーバ20は、店舗内において、商品の持ち出し・持ち込み状況を監視するコンピュータシステムである。この商品監視サーバ20は、注意すべき状況を検知した場合に、監視端末35にアラームを送信する。この商品監視サーバ20は、制御部21、商品管理情報記憶部22、パターン情報記憶部23、陳列管理情報記憶部24、異動検知情報記憶部25を備える。
【0057】
商品管理情報記憶部22は商品管理情報記憶手段として機能し、図2(a)に示すように、この店舗において販売される商品を管理するための商品管理レコード220が記録される。この商品管理レコード220は、この商店において販売する商品が登録された場合に記録される。この商品管理レコード220は、タグコード、商品コード、エリアコード、分類、販売価格、発売時期、商品説明に関するデータを含んで構成される。
【0058】
タグコードデータ領域には、各商品に添付されたICタグを特定するための識別子に関するデータが記録される。
商品コードデータ領域には、この商品(書籍)を特定するための識別子(商品識別子)に関するデータが記録される。本実施形態では、出版国、出版者、書名を特定する記号を含むISBN(International Standard Book Number:日本図書コード)を用いる。
【0059】
エリアコードデータ領域には、この商品が陳列される本来の商品棚30を特定するための識別子に関するデータが記録される。このデータ領域は、陳列エリア情報記憶手段として機能する。
【0060】
分類データ領域には、この商品が属する分類を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、図書分類コードを用いることにより、販売の対象、発行形
態(単行本、文庫、絵本など)、内容等を特定することができる。
【0061】
販売価格データ領域には、この商品の販売価格に関するデータが記録される。
発売時期データ領域には、この商品の発売日に関するデータが記録される。この発売時期に基いて、新刊書かどうかを判断することができる。
【0062】
商品説明データ領域には、この商品の概要に関するデータが記録される。このデータ領域には、商品がシリーズ物の一部である場合には、「シリーズ」を特定するためのシリーズ名等が記録される。
【0063】
パターン情報記憶部23はパターン記憶手段として機能し、図2(b)に示すように、商品の異動についてアラームを出力すべきパターンを管理するためのパターン管理レコード230が記録される。このパターン管理レコード230は、注意すべき商品の注意パターンが登録された場合に記録される。このパターン管理レコード230は、パターン識別子、注意パターン、レベルに関するデータを含んで構成される。
【0064】
パターン識別子データ領域には、後述する監視処理において用いる注意パターンを特定するための識別子に関するデータが記録される。
注意パターンデータ領域には、異動状況を特定するための条件式と、注意パターンを判断するための判定基準(しきい値、指定値(コード)等)に関するデータが記録されている。本実施形態では、後述するように、「持ち出し(図6)」、「持ち込み(図7〜図9)」、「清算(図10)」についての監視処理を行なうための注意パターンが記録されている。
【0065】
例えば、商品の「持ち出し(図6)」の監視処理のために、同時期に持ち出された商品数を監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、基準時間内に検出できなくなったタグコードを特定し、このタグコードの〔持出数〕を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式において、持出数が持出基準数以上かどうかを判定する。この持出基準数は、一度に持ち出された商品数が多い場合にアラームを出力するための基準値である。
【0066】
更に、同時期に持ち出された商品の商品属性を監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、基準時間内に検出できなくなったタグコードを特定し、このタグコードに関連付けられた〔商品属性〕を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式において、商品属性が重点監視対象商品基準に該当するかどうかを判定する。この重点監視対象商品基準は、持ち出された商品の特徴に応じてアラームを出力するための基準属性(例えば、「新刊書」、「シリーズ物」)である。発売時期が基準時期以降の場合には「新刊書」と判断する。商品説明においてシリーズ名が記録されている場合には「シリーズ物」と判断する。
【0067】
更に、同時期に持ち出された商品の合計金額を監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、基準時間内に検出できなくなったタグコードを特定し、このタグコードに関連付けられた〔商品の合計金額〕を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式において、合計金額が持出基準金額以上かどうかを判定する。この持出基準金額は、持ち出された商品の金額に応じてアラームを出力するための基準額である。
【0068】
また、商品の「持ち込み1(図7)」の監視処理のために、外部から持ち込まれた商品を監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、新たに検出したタグコードについて、商品管理情報記憶部22に
おける登録の有無を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式においては、このタグコードが商品管理情報記憶部22に登録されていないかどうかを判定する。
【0069】
更に、同時期に持ち込まれた商品の数量を監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、基準時間内に新たに検出したタグコードを特定し、このタグコードの〔持込数〕を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式において、持込数が持込基準数以上かどうかを判定する。この持込基準数は、一度に持ち込まれた商品数が多い場合にアラームを出力するための基準値である。
【0070】
更に、商品が持ち出された痕跡を、同時期に持ち込まれた商品によって消去する穴埋めを監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、基準時間内に持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と、商品管理情報記憶部22に記憶されたエリア識別子を取得し、〔商品の持ち出しの有無〕及び〔陳列すべき陳列エリアが異なる商品の持ち込みの有無〕を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式において、商品の持ち出しがあり、陳列すべき陳列エリアが異なる商品の持ち込みがあるかどうかを判定する。
【0071】
また、商品の「持ち込み2(図8)」の監視処理のために、持ち込まれた商品の商品属性を監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、商品が持ち込まれた商品棚のエリアコードと本来の商品棚のエリアコードとを取得し、これらのエリアコードの組み合わせを判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式においては、持ち込まれた商品の商品属性と、商品が持ち込まれた商品棚に陳列された商品の商品属性との違いが、問題がある組み合わせに該当するかどうかを判定する。この問題がある組み合わせとして、不自然な異動を特定するためのエリアコードの組み合わせが登録されており、各組み合わせに対応させて、後述するレベルが多段階で設定されている。
【0072】
更に、持ち出しから持ち込みまでの時間差に関するパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、新たに検出したタグコードについて、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出し、この〔時間差〕を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式においては、この時間差が異動基準間隔より長いかどうかどうかを判定する。
【0073】
また、商品の「持ち込み3(図9)」の監視処理のために、同一商品を複数持ち出した後に一部のみの返却を監視するためのパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、新たに検出したタグコードについて、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出するとともに、タグコードに関連付けられた商品属性を商品管理情報記憶部22から取得する条件式を設定しておく。更に、商品属性が共通するタグコードの商品の中で、持ち出しされているタグコードの数量を算出し、〔持出残量〕および〔時間差〕を判断要素とする条件式を設定しておく。この条件式においては、持出残量が「1」以上であり、時間差が基準時間以上かどうかを判定する。
【0074】
また、商品の「清算(図10)」の監視処理のために、清算時における商品の持ち出しに関するパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、清算された商品の販売総数を取得し、商品について持ち出されている商品のタグコードの総数を算出し、商品の〔販売総数〕及び〔タグコードの総数〕を判断要素とする条件式を設定しておく。
【0075】
更に、清算時における商品の突合に関するパターン管理レコード230が登録されている。このパターン管理レコード230においては、清算対象の商品に取り付けられた無線タグのタグコードを取得し、このタグコードに関連付けられた商品識別子を取得するとともに、商品の清算を行なう販売管理システムから商品識別子を取得する条件式を設定しておく。そして、〔タグコードに関連付けられた商品の商品識別子〕及び〔販売管理システムから取得した商品識別子〕を判断要素とする条件式を設定しておく。
【0076】
レベルデータ領域には、この注意パターンにより決まる要注意パターンにおいて出力するアラームのレベル(「注意」、「警告」等)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0077】
陳列管理情報記憶部24は陳列情報記憶手段として機能し、図3(a)に示すように、商品棚における商品の陳列状況を管理するための陳列管理レコード240が記録される。この陳列管理レコード240は、商品棚30に設置されたタグリーダ32において、商品に貼付されたICタグ15を読み取った場合に記録される。この陳列管理レコード240は、読取時刻、エリアコード、タグコードに関するデータを含んで構成される。
【0078】
読取時刻データ領域には、タグリーダ32においてICタグ15を読み取った時刻に関するデータが記録される。
エリアコードデータ領域には、タグリーダ32が設置された商品棚30を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0079】
タグコードデータ領域には、この商品棚30に陳列された商品に貼付され、タグリーダ32によって読み取られたICタグ15を特定するための識別子に関するデータが記録される。このデータ領域には、タグリーダ32において検出したすべてのICタグ15のタグコードが記録される。
【0080】
異動検知情報記憶部25は、図3(b)に示すように、ICタグが貼付された商品の異動状況を管理するための異動検知レコード250が記録される。この異動検知レコード250は、商品棚30において、商品に貼付されたICタグ15の検出状態が変化した場合(検出できなくなった場合や再検出した場合)に記録される。ここで、陳列管理レコード240において、検出できなくなったタグコードが存在する場合には、商品が持ち出されていることになる。また、陳列管理レコード240において、新たに検出したタグコードが存在する場合には、商品が持ち込まれていることになる。この異動検知レコード250は、タグコード、持出エリアコード、持出時刻、持込エリアコード、持込時刻、状況、アラーム状況に関するデータを含んで構成される。
【0081】
タグコードデータ領域には、商品の在庫に貼付されたICタグ15を特定するための識別子に関するデータが記録される。
持出エリアコードデータ領域には、このICタグ15が貼付された商品が持ち出された商品棚30を特定するためのエリアコード(持出エリアコード)に関するデータが記録される。
【0082】
持出時刻データ領域には、この商品が最後に持ち出された時刻に関するデータが記録される。
持込エリアコードデータ領域には、このICタグ15が最後に検出された商品棚30を特定するためのエリアコード(持込エリアコード)に関するデータが記録される。
【0083】
持込時刻データ領域には、このICタグ15が最後に検出された時刻に関するデータが記録される。
状況データ領域には、このICタグ15が貼付された商品の状況を特定するためのフラグが記録される。具体的には、「陳列中」、「持出中」、「販売済」を特定するためのフラグを記録する。「陳列中」フラグは、商品棚30に商品が陳列されている状態を示す。「持出中」フラグは、商品棚30から商品が持ち出されている状態を示す。「販売済」フラグは、この商品が販売されて、清算が終了している状態を示す。なお、「販売済」フラグが記録された商品は、後述する監視処理の対象外として扱う。
【0084】
アラーム状況データ領域には、この商品についてアラームの出力状況を特定するためのデータが記録される。このデータ領域には、アラームを出力した場合には、アラームレベル(通知済レベル)が記録される。これにより、通知済レベル以下のアラームについて、再度のアラームの出力を抑制している。
【0085】
商品監視サーバ20の制御部21は、CPUやメモリ(図示せず)からなる制御手段であり、商品監視プログラムが実行されることにより、タグ情報取得段階、異動検知段階、パターン照合段階、アラーム出力段階等の各処理を実行する。そして、制御部21は、図1に示すように、タグ情報取得手段211、異動検知手段212、パターン照合手段213、アラーム出力手段214として機能する。
【0086】
タグ情報取得手段211は、定期的に、各商品棚30に設置されたタグリーダ32から検出結果を受信することにより、商品棚30に陳列された商品に貼付されたICタグ15のタグコードを取得する処理を実行する。そして、タグ情報取得手段211は、受信した検出結果に含まれるタグコードを陳列管理情報記憶部24に記録する。
【0087】
異動検知手段212は、陳列管理情報記憶部24に記録された陳列管理レコード240を用いて、商品の異動を検知する処理を実行する。具体的には、同じエリアコードが記録された陳列管理レコード240であって、直前のレコードに記録されたタグコードと、新たに検出したタグコードとの差分を用いて、持ち出しや持ち込み等の商品異動を検知する。
【0088】
そして、異動検知手段212は、商品の異動に基づいて、異動検知レコード250を更新する。具体的には、ICタグを検出できなくなった場合には、タグコードに関連づけて、持ち出された商品棚の持出エリアコード及び持出時刻、「持出中」フラグを記録する。一方、新たにタグコードを検出した場合には、タグコードに関連づけて、検出した商品棚の持込エリアコード及び持込時刻、「陳列中」フラグを記録する。また、タグ解除装置50から、販売された商品に貼付されたICタグ15の解除情報を取得した場合、タグコードに関連づけて「販売済」フラグを記録する。
【0089】
パターン照合手段213は、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知する処理を実行する。このために、パターン照合手段213は、まず、パターン情報記憶部23に記録された注意パターンの条件式を用いて判断要素を算出することにより、商品の異動状況を特定する。そして、パターン照合手段213は、特定した異動状況を、この異動に関わるエリアコードに関連付けて記憶手段(異動状況メモリ)に仮記憶する。この異動状況メモリには、算出した判断要素、異動状況に関わるタグコードが記録される。次に、パターン照合手段213は、特定した異動状況と、パターン情報記憶部23に記録された注意パターンとを照合することにより、注意を要する商品異動を検知する。また、パターン照合手段213は、POS管理サーバ40から、清算時の商品情報を取得する。
【0090】
アラーム出力手段214は、パターン照合手段213から提供された注意パターンの検知情報を取得する処理を実行する。そして、アラーム出力手段214は、この注意パターンの検知情報に基づいて、アラームの通知が必要と判定した場合、監視端末35に対して
注意喚起を促すアラームを出力する処理を実行する。
【0091】
次に、上記システムを利用して実行される処理を、図4、図5を用いて説明する。ここでは、商品異動検知処理(図4)、監視処理(図5)の順番に説明する。
(商品異動検知処理)
まず、図4を用いて、商品異動検知処理を説明する。この商品異動検知処理は、所定の時間間隔で定期的に実行される。
【0092】
商品監視サーバ20の制御部21は、商品棚毎に商品のタグ情報の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21のタグ情報取得手段211は、各商品棚30のタグリーダ32に対して、各商品棚30に陳列された商品に貼付されたICタグ15のタグコードの読み取りを指示する。そして、タグ情報取得手段211は、タグリーダ32から検出結果を取得する。
【0093】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、陳列情報の登録処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のタグ情報取得手段211は、現在時刻を読み取り時刻とするとともに、検出結果を取得したタグリーダ32のエリアコードを含めた陳列管理レコード240を生成して、陳列管理情報記憶部24に記録する。次に、タグ情報取得手段211は、検出結果に含まれるタグコードを、この陳列管理レコード240に記録する。
【0094】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、商品の異動があったかどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の異動検知手段212は、同じエリアコードで、新たに作成した陳列管理レコード240の直前の陳列管理レコード240に記録されたタグコードと、新たに生成した陳列管理レコード240に記録されたタグコードとを比較する。これらの陳列管理レコード240に記録されたタグコードに違いがある場合には、商品の異動があったと判定する。
【0095】
陳列管理レコード240に記録されたタグコードに違いがあり、商品の異動があったと判定した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、監視対象の登録処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の異動検知手段212は、検出できなくなったタグコードが記録された異動検知レコード250に、持ち出された商品棚のエリアコード(持出エリアコード)及び持出時刻、「持出中」フラグを記録する。一方、異動検知手段212は、新たに検出されたタグコードが記録された異動検知レコード250に、タグコードに関連づけて、検出した商品棚のエリアコード(持込エリアコード)及び持込時刻、「陳列中」フラグを記録する。
【0096】
そして、商品監視サーバ20の制御部21は、監視処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の異動検知手段212は、パターン照合手段213に対して、後述する監視処理の実行を指示する。
【0097】
なお、陳列管理レコード240に記録されたタグコードに違いがなく、商品の異動がなかったと判定した場合(ステップS1−3において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、商品異動検知処理を終了する。
【0098】
(監視処理)
次に、図5を用いて、監視処理を説明する。ここでは、陳列エリア毎に、以下の処理を繰り返す。
【0099】
商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況の特定処理を実行する(ステップS2−
1)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、パターン情報記憶部23に記録されているすべての条件式を取得する。そして、パターン照合手段213は、この条件式を用いて、後述するパターン照合を行なうための判断要素を算出する。この場合、処理対象の商品棚30のエリアコードを、新たに持出エリアコードデータ領域又は持込エリアコードデータ領域に書き込んだ異動検知レコード250を取得する。この商品棚30から持ち出された商品は、エリアコードが持出エリアコードデータ領域に書き込まれた異動検知レコード250により特定される。また、この商品棚30に持ち込まれた商品は、エリアコードが持込エリアコードデータ領域に書き込まれた異動検知レコード250により特定される。
【0100】
本実施形態では、パターン照合手段213は、異動状況を特定するために、以下の判断要素を取得して、異動状況メモリに記録する。
(a1)基準時間内に検出できなくなったタグコードの〔持出数〕
(a2)基準時間内に検出できなくなったタグコードに関連付けられた〔商品属性〕
(a3)基準時間内に検出できなくなったタグコードに関連付けられた〔商品の合計金額〕
(b1)新たに検出したタグコードについて、〔商品管理情報記憶部22における登録の有無〕
(b2)基準時間内に新たに検出したタグコードの〔持込数〕
(b3)基準時間内に持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と、商品管理情報記憶部22に記憶されたエリア識別子を取得することにより特定される〔商品の持ち出しの有無〕及び〔陳列すべき陳列エリアが異なる商品の持ち込みの有無〕
(b4)商品が持ち込まれた商品棚のエリアコードと本来の商品棚のエリアコードとからなる〔エリアコードの組み合わせ〕
(b5)新たに検出したタグコードについて、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの〔時間差〕
(b6)新たに検出したタグコードについて、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの〔時間差〕、タグコードに関連付けられた商品属性について、商品属性が共通するタグコードの商品の中で持ち出されているタグコードの〔持出残量〕
(c1)清算された商品の〔販売総数〕、及び商品について持ち出されている商品のタグコードの〔タグコードの総数〕
(c2)清算対象の商品に取り付けられた無線タグの〔タグコードに関連付けられた商品識別子〕及び、商品の清算を行なう〔販売管理システムから取得した商品識別子〕
【0101】
そして、パターン情報記憶部23に記録されたパターン管理レコード230毎に、以下の処理を繰り返す。
商品監視サーバ20の制御部21は、注意パターンの特定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、処理対象のパターン管理レコード230に記録された注意パターンの判定基準を取得する。
【0102】
そして、同一の陳列エリア、商品属性、商品コード、タグコードのいずれかを照合単位として、照合単位毎に以下の処理を繰り返す。
ここでは、商品監視サーバ20の制御部21は、照合処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、処理対象のパターン管理レコード230に記録された判断要素を異動状況メモリから取得する。そして、パターン照合手段213は、異動状況メモリから判断要素と、パターン管理レコード230に記録された判定基準とを比較する。
【0103】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム対象かどうかについての処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異
動状況メモリから判断要素が、注意パターンの判定基準に該当する場合に、アラーム対象と判定する。
【0104】
アラーム対象と判定した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム通知済かどうかについての処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、処理対象のパターン管理レコード230に記録されたレベルを取得する。そして、パターン照合手段213は、アラーム出力手段214に対して、注意パターンの検知情報を提供する。この検知情報には、パターン管理レコード230に記録されたレベルを含める。この場合、アラーム出力手段214は、異動検知情報記憶部25に記録された異動検知レコード250のアラーム状況を取得する。そして、アラーム出力手段214は、異動検知レコード250のアラーム状況データ領域に記録されたレベル(通知済レベル)と、パターン照合手段213から取得したレベル(検知レベル)とを比較する。ここでは、検知レベルが通知済レベル以下の場合に、アラーム出力手段214は、アラーム通知済みと判定する。
【0105】
アラーム通知済でない場合(ステップS2−5において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム通知処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のアラーム出力手段214は、監視端末35に対して、要注意情報に含まれるアラームレベルに応じたアラームを出力する。そして、アラーム出力手段214は、異動検知レコード250のアラーム状況データ領域に、出力したアラームのアラームレベルを記録する。
【0106】
一方、アラーム対象でないと判定した場合(ステップS2−4において「NO」の場合)や、アラーム通知済の場合(ステップS2−5において「YES」の場合)、この照合単位での処理を終了する。このようにして、照合単位毎、注意パターン毎、陳列エリア毎の処理を繰り返す。
【0107】
次に、監視処理の具体例を、「持ち出し(図6)」、「持ち込み(図7〜図9)」、「清算(図10)」の順番に説明する。
(「持ち出し」の監視処理の具体例)
まず、図6を用いて、「持ち出し」の監視処理の具体例を説明する。ここでは、異動状況として、上述した判断要素(a1)〜(a3)を用いる場合を説明する。
【0108】
商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品数の取得処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動(ここでは「持ち出し」)された商品と、同じエリアコードが持出エリアコードデータ領域に記録された異動検知レコード250の中で、「持出中」フラグが記録されるとともに、持出時刻が基準時間(同時期の持ち出しと判定される時間)内に含まれるレコードを特定する。次に、パターン照合手段213は、抽出した異動検知レコード250のレコード数をカウントすることにより、同時期に持ち出された商品数(持出数)を算出して、異動状況メモリに記録する。
【0109】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の商品情報の取得処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、同じ商品棚30から同時期に持ち出された商品のタグコードが記録された商品管理レコード220を、商品管理情報記憶部22から抽出する。そして、パターン照合手段213は、取得した商品情報を異動状況メモリに記録する。
【0110】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、持ち出された商品の合計金額の取得処理を
実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の商品管理レコード220に記録されている販売価格を合計した合計金額を算出して、異動状況メモリに記録する。
【0111】
次に、各異動状況についてパターン照合処理を実行する。
ここでは、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品数が持出基準数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動状況メモリに記録された商品数と、パターン管理レコード230に注意パターンとして記録された持出基準数とを比較することにより判定する。
【0112】
同じ商品棚から同時期に持ち出された商品数が持出基準数以上の場合(ステップS3−4において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21は、前述したステップS2−5、S2−6を実行する。
【0113】
一方、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品数が持出基準数より少ない場合(ステップS3−4において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS3−5)をスキップする。
【0114】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の中に重点監視対象商品が含まれるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、パターン管理レコード230から重点監視対象商品基準を取得する。ここでは、重要監視対象商品パターンとして、「新刊書」、「シリーズ物」を特定する。そして、パターン照合手段213は、持ち出された商品の商品管理レコード220の発行時期に基づいて「新刊書」が含まれるかどうかを判定する。また、複数の商品が持ち出されている場合には、商品管理レコード220の商品説明に基づいてシリーズ名を特定して、同じシリーズ名の「シリーズ物」について複数部数が含まれるかどうかを判定する。
【0115】
同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の中に重点監視対象商品が含まれている場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS3−7)。
【0116】
一方、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の中に重点監視対象商品が含まれていない場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS3−7)をスキップする。
【0117】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の合計金額が持出基準金額以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動状況メモリに記録された合計金額と持出基準金額とを比較する。
【0118】
同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の合計金額が持出基準金額以上の場合(ステップS3−8において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS3−9)。
【0119】
一方、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の合計金額が持出基準金額に満たない場合(ステップS3−8において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS3−9)をスキップして、このパターンによる監視処理
を終了する。
【0120】
(「持ち込み」の監視処理の具体例)
次に、図7〜図9を用いて、「持ち込み」の監視処理の具体例を説明する。ここでは、具体例として、商品の「持ち込み1」(図7)、「持ち込み2」(図8)、「持ち込み3」(図9)の順番に説明する。
【0121】
(「持ち込み1」についての具体例)
ここでは、異動状況として、上述した判断要素(b1)〜(b3)を用いる場合を説明する。
【0122】
図7に示すように、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、持ち込まれた商品について、商品情報の登録の有無についての判定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、商品管理情報記憶部22において、タグリーダ32が新たに検出したタグコードが記録された商品管理レコード220を検索する。そして、パターン照合手段213は、新たに検出したタグコードが記録された商品管理レコード220を抽出できた場合には、商品情報の登録があると判定して、「商品情報の登録あり」を異動状況メモリに記録する。
【0123】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品の特定処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動(ここでは持ち込み)された商品と、同じエリアコードが持込エリアコードデータ領域に記録された異動検知レコード250の中で、「陳列中」フラグが記録されるとともに、持込時刻が基準時間(同時期の持ち込みと判定される時間)内に含まれるレコードを特定する。
【0124】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品数の算出処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、抽出した異動検知レコード250のレコード数をカウントすることにより、同時期に持ち込まれた商品数(持込数)を算出して、異動状況メモリに記録する。
【0125】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品について、本来の商品棚の特定処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、各タグコードが記録された商品管理レコード220を、商品管理情報記憶部22から抽出する。そして、パターン照合手段213は、この商品管理レコード220に記録されたエリアコードを取得して、異動状況メモリに記録する。
【0126】
次に、各異動状況についてパターン照合処理を実行する。
ここでは、商品監視サーバ20の制御部21は、持ち込まれた商品の商品情報の登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動状況メモリに記録された商品情報の有無を用いて判定する。
【0127】
新たに検出したタグコードが記録された商品管理レコード220を抽出できず、商品情報の登録がないと判定した場合(ステップS4−5において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS4−6)。
【0128】
一方、新たに検出したタグコードが記録された商品管理レコード220を抽出し、商品情報の登録があると判定した場合(ステップS4−5において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS4−6)をスキップする。
【0129】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品数が持込基準数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−7)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動状況メモリに記録された持込数と、パターン管理レコード230に記録された持込基準数とを比較することにより判定する。
【0130】
同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品数が持込基準数以上の場合(ステップS4−7において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS4−8)。
【0131】
一方、同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品数が持込基準数より少ない場合(ステップS4−7において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS4−8)をスキップする。
【0132】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異なる商品棚の商品の組み合わせかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−9)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動状況メモリにおいて、同時期に持ち込まれた商品のエリアコードを比較することにより、同じ商品棚の商品か、異なる商品棚の商品かどうかを判定する。
【0133】
異なる商品棚の商品が組み合わせされている場合(ステップS4−9において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS4−10)。
【0134】
一方、同じ商品棚の商品が組み合わせされている場合(ステップS4−9において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS4−10)をスキップして、このパターンによる監視処理を終了する。
【0135】
(「持ち込み2」についての具体例)
ここでは、異動状況として、上述した判断要素(b4)〜(b5)を用いる場合を説明する。
【0136】
図8に示すように、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、持ち込まれた商品棚30の特定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、新たに取得したタグコードが記録された異動検知レコード250から持込エリアコードを取得して、異動状況メモリに記録する。
【0137】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、本来の商品棚の特定処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、このタグコードが記録された商品管理レコード220を、商品管理情報記憶部22から抽出する。そして、パターン照合手段213は、この商品管理レコード220に記録されたエリアコードを取得して、異動状況メモリに記録する。
【0138】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、本来の商品棚と一致しているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、新たに取得したタグコードが記録された異動検知レコード250の持込エリアコードと、商品管理レコード220に記録されたエリアコードとを比較する。
【0139】
異動検知レコード250の持込エリアコードと商品管理レコード220のエリアコードとが一致している場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、持ち出しから持ち込みまでの時間間隔の算出処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動検知情報記憶部25の異動検知レコード250に記録された持出時刻と持込時刻との差分(時間間隔)を算出して、異動状況メモリに記録する。
【0140】
次に、各異動状況についてパターン照合処理を実行する。
異動検知レコード250の持込エリアコードと商品管理レコード220のエリアコードとが一致していない場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、商品属性の違いによりアラームレベルの特定処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、パターン管理レコード230を用いて、持ち込まれた商品の商品管理レコード220に記録されたエリアコードと、商品が持ち込まれた商品棚30の持込エリアコードとに対応するアラームのレベルを特定する。
【0141】
そして、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS5−6)。
また、異動検知レコード250の持込エリアコードと商品管理レコード220のエリアコードとが一致している場合(ステップS5−3において「YES」の場合)には、商品監視サーバ20の制御部21は、時間間隔が異動基準時間以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−7)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、パターン情報記憶部23のパターン管理レコード230に記録された異動基準間隔を取得する。そして、パターン照合手段213は、異動状況メモリに記録された時間間隔と異動基準間隔とを比較する。
【0142】
持ち出しから持ち込みまでの時間間隔が異動基準間隔以上の場合(ステップS5−7において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS5−6)。
【0143】
一方、持ち出しから持ち込みまでの時間間隔が異動基準間隔より短い場合(ステップS5−7において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、このパターンによる監視処理を終了する。
【0144】
(「持ち込み3」についての具体例)
ここでは、異動状況として、上述した判断要素(b6)を用いる場合を説明する。
図9に示すように、商品監視サーバ20の制御部21は、持ち出しされている同じ商品の特定処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、持ち込まれた商品のタグコードが記録された異動検知レコード250に記録されている持出時刻及び持込エリアコードを取得するとともに、そのタグコードが記録された商品管理レコードを220を商品管理情報記憶部22から抽出する。
【0145】
次に、パターン照合手段213は、異動検知情報記憶部25から、同じエリアコードが持出エリアコードとして記録されているとともに、「持出中」フラグが記録されている異動検知レコード250を抽出する。次に、パターン照合手段213は、抽出した異動検知レコード250について、商品管理情報記憶部22から商品コードを取得し、共通する商品コードが設定されたタグコードを特定する。
【0146】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、未返却商品の商品数の取得処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部21のパターン照合手段2
13は、特定した異動検知レコード250のレコード数を算出することにより、未返却商品の商品数(持出残量)を取得して、異動状況メモリに記録する。
【0147】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、ステップS5−4と同様に、持ち出しから持ち込みまでの時間間隔の算出処理を実行する(ステップS6−3)。この場合にも、パターン照合手段213は、算出した持ち出しから持ち込みまでの時間間隔を、異動状況メモリに記録する。
【0148】
次に、異動状況についてパターン照合処理を実行する。
ここでは、商品監視サーバ20の制御部21は、持ち込みされた商品について、未返却の同じ商品(未返却商品)があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動状況メモリに記録された未返却商品の商品数が「1」以上かどうかにより判定する。
【0149】
未返却商品がなかった場合(ステップS6−4において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、このパターンによる監視処理を終了する。
一方、未返却商品がある場合(ステップS6−4において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、時間間隔が異動基準間隔以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動状況メモリに記録された時間間隔と異動基準間隔とを比較する。
【0150】
持ち出しから持ち込みまでの時間間隔が異動基準間隔以上の場合(ステップS6−5において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS6−6)。
【0151】
一方、持ち出しから持ち込みまでの時間間隔が異動基準間隔より短い場合(ステップS6−5において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、このパターンによる監視処理を終了する。
【0152】
(「清算」の監視処理の具体例)
ここでは、異動状況として、上述した判断要素(c1)〜(c2)を用いる場合を説明する。
【0153】
次に、図10を用いて、「清算」の監視処理を説明する。
顧客が商品を購入する場合には、商品をレジカウンタに持参する。この場合、店員はPOS端末42を用いて商品に付された商品コードを読み取る。POS端末42は、POS管理サーバ40と通信を行なうことにより、商品代金の清算処理を行なう。
【0154】
この場合、商品監視サーバ20の制御部21は、清算対象の商品の商品情報の取得処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、POS管理サーバ40は、POS端末42から取得した商品コードを商品監視サーバ20に送信する。これにより、制御部21のパターン照合手段213は、清算対象の商品情報を取得する。ここで、複数種類の商品を購入する場合には、すべての商品の商品コードを商品監視サーバ20に送信する。更に、同じ商品について複数部数を購入する場合には、商品コードに関連付けて購入部数を商品監視サーバ20に送信する。
【0155】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、この商品の持出状況の検索処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動検知情報記憶部25から、「持出中」フラグが記録されている異動検知レコード250を抽出する。次に、パターン照合手段213は、抽出した異動検知レコード2
50について、商品管理情報記憶部22から商品コードを取得し、POS管理サーバ40から送信された商品コードと同一の商品コードが設定されたタグコードを特定する。次に、パターン照合手段213は、特定されたタグコードの数量をカウントすることにより、持ち出されている商品数(タグコードの総数)を算出して、異動状況メモリに記録する。
【0156】
次に、異動状況についてパターン照合処理を実行する。
ここでは、商品監視サーバ20の制御部21は、持出数が購入部数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、そして、異動状況メモリに記録された商品数が、清算対象商品の部数以上の場合には、商品の持ち出しがあることになる。
【0157】
持ち出されている商品数が清算対象商品の部数より少なく、持ち出しが十分でない場合(ステップS7−3において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS7−4)。
【0158】
一方、レコード数が清算対象の商品の部数以上であり、清算対象の商品の持ち出しがある場合(ステップS7−3において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS7−4)をスキップする。
【0159】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況として、清算対象の商品についてタグ情報の取得処理を実行する(ステップS7−5)。具体的には、店員は、レジカウンタにおいて、タグ解除装置50を用いて、清算対象の商品に貼付されたICタグ15を読み取らせる。この場合、タグ解除装置50は、ICタグ15から読み取ったタグコードを含めた監視解除通知を商品監視サーバ20に供給する。そして、制御部21のパターン照合手段213は、タグ解除装置50から、清算対象の商品のタグコードを取得して、異動状況メモリに記録する。
【0160】
次に、商品監視サーバ20の制御部21は、タグ情報に関連付けられた商品情報の取得処理を実行する(ステップS7−6)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、商品管理情報記憶部22において、タグ解除装置50から取得したタグコードが記録された商品管理レコード220を検索する。そして、パターン照合手段213は、抽出した商品管理レコード220に記録された商品コードを取得して、異動状況メモリに記録する。
【0161】
次に、異動状況についてパターン照合処理を実行する。
ここでは、商品監視サーバ20の制御部21は、商品情報が一致するかどうかについての判定処理を実行する(ステップS7−7)。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、POS管理サーバ40から取得した商品コードと、商品管理レコード220に記録された商品コードとを比較する。
【0162】
ここで、POS管理サーバ40から取得した商品コードと、商品管理レコード220に記録された商品コードとが一致しない場合(ステップS7−7において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS7−8)。
【0163】
一方、商品コードが一致する場合(ステップS7−7において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理(ステップS7−8)をスキップして、このパターンによる監視処理を終了する。
【0164】
本実施形態の商品監視システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、陳列管理レコード240に記録されたタグコードに違いがあり、商品の異動があったと判定した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、監視対象の登録処理を実行する(ステップS1−4)。そして、商品監視サーバ20の制御部21は、監視処理を実行する(ステップS1−5)。これにより、商品の異動状況に基づいて、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知することができる。そして、このような不自然な行為から引き続き行なわれる問題行為を抑制することができる。
【0165】
(2) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、異動状況の特定処理(ステップS2−1)、注意パターンの特定処理(ステップS2−2)、照合処理(ステップS2−3)を実行する。そして、パターン照合結果に基づいて、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム通知処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のアラーム出力手段214は、監視端末35に対して、要注意情報に含まれるアラームレベルに応じたアラームを出力する。これにより、店員に対して、店舗内で行なわれている不自然な行為について、早期に注意を喚起することができる。
【0166】
ここで、パターン情報記憶部23は、商品の異動についてアラームを出力すべきパターンを管理するためのパターン管理レコード230が記録される。これにより、店舗内で行なわれる多様な行為について、注意パターンを組み合わせて、不自然な行為を検知することができる。
【0167】
また、アラーム対象と判定した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム通知済かどうかについての処理を実行する(ステップS2−5)。そして、アラーム通知済でない場合(ステップS2−5において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム通知処理を実行する(ステップS2−6)。これにより、重複したアラーム通知を抑制することができる。
【0168】
(3) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品数が持出基準数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−4)。そして、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品数が持出基準数以上の場合(ステップS3−4において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS3−5)。同時期に多くの商品を持ち出された場合、問題行為が行なわれたときの影響が大きい。そこで、このような持ち出しについて、店員に対して注意を喚起することにより、問題行為を抑制することができる。
【0169】
(4) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の中に重点監視対象商品が含まれるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の中に重点監視対象商品が含まれている場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS3−7)。商品の種類によって、問題行為の行われ方が異なる。従って、商品の特性に応じて、監視の重み付けを行なうことにより、店舗内で行なわれている不自然な行為について、早期に注意を喚起することができる。
【0170】
(5) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の合計金額が持出基準金額以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−8)。同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の合計金額が持出基準金額以上の場合(ステップS3−8において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS3−9)。これにより、同時期に持ち出された商品の合計金額に応じて、監視の重み付けを行なうことができる。
【0171】
(6) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、持ち込まれた商品の商品情報の登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−5)。新たに検出したタグコードが記録された商品管理レコード220を抽出できず、商品情報の登録がないと判定した場合(ステップS4−5において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS4−6)。これにより、販売対象と異なる物が持ち込まれた場合、店舗内で行なわれている不自然な行為として、店員に対して注意を喚起することができる。
【0172】
更に、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品数が持込基準数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−7)。同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品数が持込基準数以上の場合(ステップS4−7において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS4−8)。同時期に多くの商品が持ち込まれた場合、店舗内で行なわれている不自然な行為として、店員に対して注意を喚起することにより、問題行為を抑制することができる。
【0173】
更に、商品監視サーバ20の制御部21は、異なる商品棚の商品の組み合わせかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−9)。異なる商品棚の商品が組み合わせされている場合(ステップS4−9において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、ステップS3−5と同様に、アラーム出力処理を実行する(ステップS4−10)。これにより、商品が持ち出された痕跡を、同時期に持ち込まれた商品によって消去する穴埋めを不自然な行為として、店員に対して注意を喚起することにより、問題行為を抑制することができる。
【0174】
(7) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、持ち込まれた商品棚30の特定処理(ステップS5−1)、本来の商品棚の特定処理(ステップS5−2)を実行する。そして、異動検知レコード250の持込エリアコードと商品管理レコード220のエリアコードとが一致していない場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、商品属性の違いによりアラームレベルの特定処理(ステップS5−5)、アラーム出力処理(ステップS5−6)を実行する。これにより、分類が大きく異なる商品棚30への異動を検知した場合、店舗内で行なわれている不自然な行為として注意を喚起することができる。
【0175】
(8) 本実施形態では、異動検知レコード250の持込エリアコードと商品管理レコード220のエリアコードとが一致していない場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、商品属性の違いによりアラームレベルの特定処理を実行する(ステップS5−5)。そして、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS5−6)。これにより、本来の陳列エリアと、商品が持ち込まれた陳列エリアとを考慮して、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0176】
一方、異動検知レコード250の持込エリアコードと商品管理レコード220のエリアコードとが一致している場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、時間間隔が異動基準時間以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−7)。そして、持ち出しから持ち込みまでの時間間隔が異動基準間隔以上の場合(ステップS5−7において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS5−6)。これにより、持ち出しから持ち込みまでの一連の行為において、商品を持ち出している時間の長さにより、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができ
る。
【0177】
(9) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、持ち込みされた商品について、未返却の同じ商品(未返却商品)があるかどうかについての判定処理(ステップS6−4)、時間間隔が異動基準間隔以上かどうかについての判定処理(ステップS6−5)を実行する。そして、未返却商品がある場合(ステップS6−4において「YES」の場合)であって、持ち出しから持ち込みまでの時間間隔が異動基準間隔以上の場合(ステップS6−5において「YES」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS6−6)。これにより、同一商品を複数持ち出した後に一部のみの返却する一連の行為において、店舗内で行なわれている不自然な行為を検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0178】
(10) 本実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、清算対象の商品の商品情報の取得処理(ステップS7−1)、この商品の持出状況の検索処理を実行する(ステップS7−2)。持ち出されている商品の総数が清算対象の商品の部数より少なく、持ち出しが十分でない場合(ステップS7−3において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS7−4)。これにより、清算時に個別のタグコードを特定できない場合においても、異動状況に基づいて、店舗内で行なわれている不自然な行為を速やかに検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0179】
更に、商品監視サーバ20の制御部21は、清算対象の商品についてタグ情報の取得処理(ステップS7−5)、タグ情報に関連付けられた商品情報の取得処理(ステップS7−6)を実行する。POS管理サーバ40から取得した商品コードと、商品管理レコード220に記録された商品コードとが一致しない場合(ステップS7−7において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する(ステップS7−8)。これにより、清算対象の商品におけるICタグ15が貼りかえられている場合にも、店舗内で行なわれている不自然な行為を速やかに検知し、店員に対して注意を喚起することができる。
【0180】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態では、店舗内に設置した複数の商品棚30に陳列した商品を販売する場合を想定したが、本願発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。店舗にとどまらず、例えば、オープン書架の図書館や企業・団体の資料庫などにも適用できる。
【0181】
・ 上記実施形態では、アラーム対象と判定した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)であって、アラーム通知済でない場合(ステップS2−5において「NO」の場合)、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム通知処理を実行する(ステップS2−6)。ここで、要注意情報に応じてアラームの出力形態(出力順番や表示色、出力音等)を変更するようにしてもよい。
【0182】
・ 上記実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品数が持出基準数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−4)。更に、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚から同時期に持ち出された商品の中に重点監視対象商品が含まれるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。ここで、持ち出された商品数と商品属性とを別々に評価するのではなく、両者を用いて照合処理(ステップS2−3)を実行するようにしてもよい。この場合には、商品属性に応じて評価値を設定しておく。そして、この評価値の合計値により、異動状況を特定する。そして、この異動状況が、注意パターンによって設定されている判断基準を超えている場合、商品監視サーバ20の制御部21は、注意パターンの判定基準
に該当する場合に、アラーム対象と判定する。
【0183】
・ 上記実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、同じ商品棚に同時期に持ち込まれた商品数が持込基準数以上かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−7)。ここで、持ち込まれた商品数だけではなく、商品属性を用いて照合処理(ステップS2−3)を実行するようにしてもよい。この場合には、商品属性に応じて評価値を設定しておく。そして、この評価値の合計値により、異動状況を特定する。そして、この異動状況が、注意パターンによって設定されている判断基準を超えている場合、商品監視サーバ20の制御部21は、注意パターンの判定基準に該当する場合に、アラーム対象と判定する。
【0184】
・ 上記実施形態では、商品管理情報記憶部22は、この店舗において販売される商品を管理するための商品管理レコード220が記録される。そして、商品監視サーバ20の制御部21は、この商品管理情報記憶部22から、商品属性を取得する。これに代えて、商品監視サーバ20の制御部21が、商品監視サーバ20の外(例えば、販売管理システム内)に設けられた商品マスタ記憶部から商品属性を取得するようにしてもよい。この商品マスタ記憶部には、商品コードに対して、分類、価格、発売時期、商品説明等を記憶させておく。一方、商品監視サーバ20内の商品管理情報記憶部22には、商品コードとタグコードを関連付けて記憶させておく。そして、制御部21は、異動を検知したタグコードに関連付けられた商品コードを用いて、商品マスタ記憶部から、分類、価格、発売時期、商品説明等の情報を取得する。
【0185】
・ 上記実施形態では、監視端末35は、店員が店舗を監視するためのモニタ端末を用いたが、監視端末の形態はこれに限定されるものではない。例えば、店内を巡回する店員が携帯する無線端末を用いることも可能である。
【0186】
・ 上記実施形態では、陳列エリアとしての商品棚30毎に、ICタグの検知を行なったが、陳列エリアは商品棚30に限定されるものではない。平台や商品棚の段毎に検知するようにしたり、複数の商品棚や平台などを一つの陳列エリアとして検知するようにしてもよい。
【0187】
・ 上記実施形態では、商品管理情報記憶部22には、この店舗において販売される商品を管理するための商品管理レコード220が記録される。この商品管理レコード220のエリアコードデータ領域には、この商品が陳列される本来の商品棚30を特定するための識別子に関するデータが記録される。ここで、商品管理情報記憶部22には、陳列されていない商品(蔵出し前商品)を含めて、すべての在庫を登録するようにしてもよい。この場合には、エリアコードデータ領域に「蔵出し前」を特定できる情報(例えば、空白)を設定しておく。
【0188】
・ 上記実施形態では、商品監視サーバ20の制御部21は、本来の商品棚と一致しているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。この場合、異動検知レコード250の持込エリアコードと、商品管理レコード220に記録されたエリアコードとを比較する。ここで、商品が持ち出された商品棚30のエリアコードを判断要素に加えるようにしてもよい。具体的には、制御部21のパターン照合手段213は、異動検知情報記憶部25の異動検知レコード250に記録された持出エリアコードと持込エリアコードとを比較する。そして、持出エリアコードと持込エリアコードとが異なっている場合には、商品監視サーバ20の制御部21は、アラーム出力処理を実行する。これにより、商品が置かれていた商品棚30から、他の商品棚30に異動された場合に、アラーム対象として扱うことができる。
【符号の説明】
【0189】
15…ICタグ、20…商品監視サーバ、21…制御部、211…タグ情報取得手段、212…異動検知手段、213…パターン照合手段、214…アラーム出力手段、22…商品管理情報記憶部、23…パターン情報記憶部、24…陳列管理情報記憶部、25…異動検知情報記憶部、30…商品棚、32…タグリーダ、35…監視端末、40…POS管理サーバ、42…POS端末、50…タグ解除装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列エリアに陳列されている商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を記録した商品管理情報記憶手段と、
アラームを出力するための注意パターンを記録したパターン記憶手段と、
前記商品管理情報記憶手段に記録されたタグ識別子に関連付けて、前記商品が陳列されている陳列エリアのエリア識別子を記録する陳列情報記憶手段と、
監視端末に接続された制御手段とを備えた商品監視システムであって、
前記制御手段が、
陳列されている商品に取り付けられた無線タグを定期的に検出し、この無線タグのタグ識別子をエリア識別子に関連付けて、前記陳列情報記憶手段に記録する手段と、
前記陳列情報記憶手段を用いて、陳列エリア毎に、タグ識別子の検出状態の変化を検知する異動検知手段と、
タグ識別子の検出状態により商品の異動状況を特定し、前記異動状況と注意パターンとを照合し、前記異動状況が注意パターンに該当する場合に、前記監視端末にアラームを出力する手段と
を備えたことを特徴とする商品監視システム。
【請求項2】
前記制御手段が、前記陳列情報記憶手段を用いて、予め定められた基準時間内に検出できなくなったタグ識別子に基づいて、陳列エリア毎に、持ち出された商品の異動状況を特定することを特徴とする請求項1に記載の商品監視システム。
【請求項3】
前記制御手段が、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子の数量を算出し、前記数量を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項2に記載の商品監視システム。
【請求項4】
前記制御手段が、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記商品属性を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項2又は3に記載の商品監視システム。
【請求項5】
前記制御手段が、基準時間内に検出できなくなったタグ識別子の数量を算出するとともに、前記タグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記数量及び商品属性を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項6】
前記制御手段が、前記陳列情報記憶手段を用いて、予め定められた基準時間内に新たに検出したタグ識別子に基づいて、陳列エリア毎に、持ち込まれた商品の異動状況を特定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項7】
前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の数量を算出し、前記数量を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項6に記載の商品監視システム。
【請求項8】
前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記商品属性を要素とする異動状況を特定することを特徴とすることを特徴とする請求項6又は7に記載の商品監視システム。
【請求項9】
前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の数量を算出するとともに、前記タグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得し、前記数量及び商品属性を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項10】
前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子を前記商品管理情報記憶手段において検索し、前記商品管理情報記憶手段における登録の有無を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項11】
タグ識別子毎に、この商品が陳列されるべき陳列エリアのエリア識別子が記録された陳列エリア情報記憶手段を備えており、
前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の商品が持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子を取得するとともに、前記陳列エリア情報記憶手段から、タグ識別子に関連付けられたエリア識別子を取得し、
持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と前記陳列エリア情報記憶手段に記録されたエリア識別子を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項12】
前記制御手段が、新たに検出したタグ識別子について、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出し、
前記時間差を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項13】
前記制御手段が、基準時間内に新たに検出したタグ識別子の商品が持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子を取得するとともに、タグ識別子毎に、この商品が陳列されるべき陳列エリアのエリア識別子が記録された陳列エリア情報記憶手段から、タグ識別子に関連付けられたエリア識別子を取得し、
持ち込まれた陳列エリアのエリア識別子と前記陳列エリア情報記憶手段に記憶されたエリア識別子を取得し、
商品の持ち出しの有無と、陳列すべき陳列エリアが異なる商品の持ち込みの有無を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項14】
前記制御手段が、新たに検出したタグ識別子について、この商品が持ち出された持出時期から持込時期までの時間差を算出し、
前記タグ識別子に関連付けられた商品属性を前記商品管理情報記憶手段から取得するとともに、前記陳列情報記憶手段を用いて、前記商品属性と共通した商品属性に関連付けられているタグ識別子について持ち出されている商品の持出残量を算出し、
前記持出残量及び時間差を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項15】
前記制御手段は、商品の清算を行なう販売管理システムに接続されており、
前記制御手段が、前記販売管理システムから、清算された商品の商品識別子及び販売総数を取得し、
前記陳列情報記憶手段を用いて、前記商品識別子に関連付けられたタグ識別子について持ち出されている商品の持出数量を算出し、
商品の販売総数及び前記持出数量を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の商品監視システム。
【請求項16】
前記制御手段は、清算対象の商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を取得した場合、前記タグ識別子に関連付けられた商品識別子を前記商品管理情報記憶手段から取得するとともに、商品の清算を行なう販売管理システムから商品識別子を取得し、
前記タグ識別子に関連付けられた商品の商品識別子及び販売管理システムから取得した商品識別子を要素とする異動状況を特定することを特徴とする請求項1〜15のいずれか
一つに記載の商品監視システム。
【請求項17】
陳列エリアに陳列されている商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を記録した商品管理情報記憶手段と、
アラームを出力するための注意パターンを記録したパターン記憶手段と、
前記商品管理情報記憶手段に記録されたタグ識別子に関連付けて、前記商品が陳列されている陳列エリアのエリア識別子を記録する陳列情報記憶手段と、
監視端末に接続された制御手段とを備えた商品監視システムを用いて、商品を管理する方法であって、
前記制御手段が、
陳列されている商品に取り付けられた無線タグを定期的に検出し、この無線タグのタグ識別子をエリア識別子に関連付けて、前記陳列情報記憶手段に記録する段階と、
前記陳列情報記憶手段を用いて、陳列エリア毎に、タグ識別子の検出状態の変化を検知する異動検知段階と、
タグ識別子の検出状態により商品の異動状況を特定し、前記異動状況と注意パターンとを照合し、前記異動状況が注意パターンに該当する場合に、前記監視端末にアラームを出力する段階と
を実行することを特徴とする商品監視方法。
【請求項18】
陳列エリアに陳列されている商品に取り付けられた無線タグのタグ識別子を記録した商品管理情報記憶手段と、
アラームを出力するための注意パターンを記録したパターン記憶手段と、
前記商品管理情報記憶手段に記録されたタグ識別子に関連付けて、前記商品が陳列されている陳列エリアのエリア識別子を記録する陳列情報記憶手段と、
監視端末に接続された制御手段とを備えた商品監視システムを用いて、商品を管理するプログラムであって、
前記制御手段を、
陳列されている商品に取り付けられた無線タグを定期的に検出し、この無線タグのタグ識別子をエリア識別子に関連付けて、前記陳列情報記憶手段に記録する手段、
前記陳列情報記憶手段を用いて、陳列エリア毎に、タグ識別子の検出状態の変化を検知する異動検知手段、
タグ識別子の検出状態により商品の異動状況を特定し、前記異動状況と注意パターンとを照合し、前記異動状況が注意パターンに該当する場合に、前記監視端末にアラームを出力する手段
として機能させることを特徴とする商品監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−215941(P2011−215941A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84178(P2010−84178)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】