説明

商品管理システム

【課題】 現在の利用者の在庫状況と、その在庫情報から作成した購入リストとを利用者に提示し、購入の無駄や購入品の買い忘れを防止する商品管理システムの提供。
【解決手段】 食品在庫管理システムは、ユーザ側の携帯端末1と、店舗に設置されている店舗サーバ20aと、店舗で利用できる販売促進用カード40aと、店舗をまとめる共通サーバ30とを有している。店舗サーバは、店舗サーバアプリケーション21と、POSシステム22と、顧客情報DB23とを有している。共通サーバ30は、共通サーバアプリケーション31と、購買履歴情報データベース32と、携帯端末1、10との間における通信を行う通信インターフェイス33と、を有している。利用者が近づいてきたことを利用者位置情報検出部34で検出し、携帯端末の位置情報を利用し、利用者が店舗に近いエリアに近づくと、購入予定リストが共通サーバから利用者の携帯端末に送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品管理システムに関し、特に、販売促進カードを利用した食品システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者が小売店に食料品を買いに行く場合などにおいて、自宅の冷蔵庫の中を確認し、足りない食品等をメモに記載してから出かけるのが一般的である。冷蔵庫内を確認しメモを取る作業が煩雑な場合にそれを解決するための手段として、インターネット冷蔵庫が提案されている。インターネット冷蔵庫では、食料品を冷蔵庫内に格納する際に、食料品に添付されているICタグやバーコードをリーダ/ライタにより読み取ることで、冷蔵構内の食品の賞味期限の管理・在庫の管理などを行っている。
【0003】
また、上記手段以外の賞味期限管理・在庫管理の方法としては、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に記載の技術が知られている。下記特許文献1に記載の技術は、レシート発行時に、販売価格とともに商品の賞味期限をプリントすることで、賞味期限管理に役立たせるものである。また、下記特許文献2に記載の技術は、利用者の位置情報を用いて、付近の自動販売機の位置を利用者の携帯端末に表示させ、自動販売機の在庫の確認をするものである。
【0004】
【特許文献1】特開平11−66434号公報
【特許文献2】特開2004−157714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、冷蔵庫の中を確認してからメモを取る方法では、毎回買い物リスト用のメモを取って作成するには手間がかかる上に、例えば、偶然に普段利用する小売店に立ち寄った場合には、メモがないため買い忘れる可能性が高いという問題がある。さらに、冷蔵庫内にあることを覚えておいたとしても、帰宅したところ食品の賞味期限が切れている場合や、家族が同じ商品を複数購入してしまう場合など様々な不具合が起こる可能性もある。
【0006】
また、インターネット冷蔵庫は、ICタグやバーコードを用いて庫内の在庫管理を行うものであるが、例えば1週間分の食品等の購入を行い冷蔵庫に格納する際にはリーダによる読み取りに時間がかかるという問題がある。
【0007】
上記特許文献1に記載の技術は、レシートに価格と賞味期限を記載するのみであり、在庫管理を行うためには、利用者がレシートから賞味期限情報を読み取らなければならない。そのため、在庫管理を行うにはメモを作成する手段と同様の手間がかかるという問題がある。
【0008】
さらに、上記特許文献2に記載の技術では、利用者の位置情報を利用し、自動販売機を検索して、自動販売機の位置を利用者に伝達し、自動販売機の在庫情報を入手している。すなわち、自動販売機の在庫と位置とが利用者に伝達されるが、利用者の購買履歴から作成される在庫情報が伝達されるわけではない。そのため、在庫情報には賞味期限情報は付加されず、また、買い忘れを防止するための購入予定リストの作成も行われない。
【0009】
一方、例えばクレジットカードのように、個人のこれまでのクレジットカードの利用履歴などの情報(以下、「個人の信用情報」と称する。)を店舗側に提供し、これに基づいて店舗側から個人に買い忘れを防止するような情報を提供する方法も考えられるが、個人の信用情報などのプライバシーに関連する情報が店舗側に流れてしまうため、それを好まないユーザにとってはプライバシーの漏洩という観点から好ましくない。
【0010】
本発明は、現在の利用者の在庫状況と、その在庫情報から作成した購入リストとを利用者に提示し、購入の無駄や購入品の買い忘れを防止する技術を提供することを目的とする。また、店舗側に個人の信用情報を知られずに、上記の利便性を得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
小売店舗で利用されている販売促進用カードに、利用者情報が提供されていること、利用者は購入時に必ずカードを提示し、POSシステムで読み込ませてから、商品のバーコードを読み込みながら会計を行うことに着目し、これらの利用者情報を有効に活用する事をかなえるものである。利用者は資本関係の異なる小売店舗をいくつか利用することが考えられるため、共通サーバに購入履歴を格納し、利用者が携帯端末にて、適宜必要な情報を参照できるようにする。また、利用者の位置情報を利用して、利用者があらかじめ登録した物品の在庫がなくなった場合、利用者が例えば販売促進用カードの発行を受けている店舗に近づくと、購入予定リストが価格とともに携帯端末に送信されることで、買い忘れてしまうことを防止する。なお、携帯端末を持ち、利用者IDとパスワードが一致すれば、複数の端末から同じ利用者IDの購入履歴・購入リストが利用できるため、複数人で在庫情報を共有することが出来る。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、販売促進用カードを読み取り、会計を行う際に、店舗・利用者ID、購買日時、品目、価格、数量、賞味期限を共通サーバに登録するステップ、利用者が販売促進用カードのIDとパスワードを携帯端末に登録するステップ、利用者が共通サーバにアクセスし、利用した品目を削除するステップ、共通サーバが、賞味期限切れの品目を削除するステップ、利用者が共通サーバにアクセスし、利用者の在庫状況を確認するステップ、利用者が在庫を切らさないよう購入予定品目を共通サーバに登録するステップ、利用者が販売促進用カードを持っている店舗に近づくと、購入忘れを防止するために購入予定品目リストを送信するステップ、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上、説明したように、本発明の食品在庫管理システムによれば、利用者の賞味期限管理・在庫管理、購入物品の買い忘れの防止、購入前の価格の検討が可能となる。また、共通サーバを利用し、複数のIDとパスワードを携帯端末に登録することにより、利用者が異なる資本関係の小売店を利用しても、購入履歴をまとめて取り出すことが可能となる。また、販売促進用のカードは、同じカード番号で家族向けに複数発行される小売店舗もあり、この場合、日常は販売促進用カードを持たない家族の買い物も、在庫管理が可能となる。小売店舗側のメリットとしては、販売促進用カードの利用者情報の有効な活用により、購入意欲が高い品目を、各々の利用者向けに配信することによって、販売促進活動に役立たせることができる。また、個人の信用情報を店舗側に提供することにより買い忘れを防止する方法と異なり、販売促進用カードを用いた買い物のみ店舗側に情報が流れるため、クレジットカードの購買履歴のように、基本的に他店舗の買い物も含む全ての購買履歴が流れてしまうことを好まないユーザにとってはプライバシーの漏洩がないという安心感がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明者は、個人の信用情報を提供するクレジットで購入するカードとは異なるカードであって、現金払いを前提とした販売促進カードが、例えばポイントカードとしての機能を併せ持たせることにより魅力的なカードとして良く使われていること、この販売促進カードは、個人の信用情報を提供する必要がないこと、同一人又はその家族であることがカードIDにより特定できることに着目した。利用者は購入時にこの販売促進カードを店舗において提示し、POSシステムにより読み込ませてから会計を行う。従って、店舗には、個人の信用情報ではなくカードを特定するカードIDに基づく利用者の購入情報が収集される。
【0015】
本明細書において、カードIDとは、個人の信用情報までは含まないカード毎に付与されたIDであって、基本的に利用者が同一人又はその家族であることを特定するIDである。店舗側では、カードIDが同じであれば、利用者が同じかその家族であるということまではわかるが、そのカードの所持者の個人の信用情報まで判断できない(する必要がない)。また、上記のような特性を有するカードを販売促進用カードという名称により総称する。使用期限切れ又は賞味期限切れとは、実際に切れている場合の他に、切れる寸前のものも含む。
【0016】
以下、本発明の一実施の形態による管理システムについて食品在庫管理システムを例にし、図面を参照して説明を行う。図1は、本実施の形態による食品在庫管理システムの構成例を示す概念図である。図2は、本実施の形態による食品在庫管理システムにおける利用者に提供する情報内容例を示す図である。図3は、本実施の形態による携帯端末の一構成例を示す機能ブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態による食品在庫管理システムは、ユーザ側の携帯端末1、10と、店舗Aに設置されている店舗Aサーバ20aと、店舗Bに設置されている店舗Bサーバ20bと、店舗Aで利用できる販売促進用カードA40aと、店舗Bで利用できる販売促進用カードB40bと、各店舗をまとめる共通サーバ30とを有している。尚、共通サーバは、同じグループ内の店舗、資本関係の深い店舗などを共通に管理するのが一般的であるが、1店舗だけの管理でも良いし、全国の店舗を管理するものでも良い。各店舗サーバは、店舗サーバアプリケーション21と、POSシステム22と、顧客情報DB23とを有している。共通サーバ30は、共通サーバアプリケーション31と、購買履歴情報データベース32と、携帯端末1、10との間における通信を行う通信インターフェイス33と、を有している。また、店舗サーバ20には、共通サーバ30に対してデータを送信する送信部24が設けられている。店舗サーバ20又は共通サーバ30には、利用者が近づいてきたことを検出する検出手段、例えば、利用者位置情報検出部34が設けられている。利用者位置情報は例えば利用者の携帯電話機と基地局との通信に基づいて利用者の現在位置を大まかに検出することができる。
【0018】
図2に示す購買情報50は、店舗20a又は20bから共通サーバ30に送られるデータの一例を示す図である。購買情報50には、利用者をカードの所持者という観点から特定する利用者ID(カードID)と、店舗コードと、過去の買い物に関する情報群であって、購買日時と、購買品目と、購買品目毎の価格と、購買品目毎の賞味期限と、購買品目毎の数量と、購買品目毎の単位と、が記載されている。過去の購買情報50は各店舗から共通サーバに送られ、通信インターフェイス33を介して購買履歴情報DB32に蓄積される。
【0019】
購買履歴情報60は、各店舗から送られてきた過去の購買情報50に基づいて共通サーバにおいて生成される情報である。購買履歴情報60は、店舗コードと、過去の買い物に関する情報群であって、購買品目と、購買品目毎の価格と、購買品目毎の賞味期限と、購買品目毎の数量と、購買品目毎の単位とを、各店舗コード毎に整理した情報である。ここで、店舗コードはCD=12345と、CD=23456と、で重複しない。この購買履歴情報60は、各店舗からは参照できず、ユーザの携帯端末からは参照できる情報である。購入リスト情報70は、利用者が購買履歴情報60を参照し、利用者が店舗に近づいた時に作成するものであり、店舗コードと、品目と、現在価格と、前回購入数量と、単位と、がリスト化されている。購入リストリクエストは、位置情報と、店舗と、利用者と、パスワードと、を有するリストである。これらの詳細は後述する。
【0020】
図3は、本実施の形態による携帯端末の構成例を示す図である。図3に示すように、本実施の形態による携帯端末1は、共通サーバからのデータを受信する受信装置2と、受信した購買履歴情報60、購入リスト情報70を解析する解析装置3と、受信した購買履歴情報、購入リスト情報を記憶する解析情報記憶装置4と、販売促進用カード毎のIDとパスワードとを記憶しておく登録情報記録装置5と、購買履歴情報、購入リスト情報を表示する画面表示装置6と、携帯端末が位置情報を受信する位置情報受信装置7と、購入リストリクエスト(71)を発信する発信装置8と、を有している。解析装置3と、解析情報記憶装置4と、登録情報記録装置5と、は、実際にはプログラムに基づいてCPUとRAMとにより処理されるものであり、携帯端末のハードウェア自体は一般的な携帯電話にGPSが付属している、もしくは端末が通信を行っている最寄の基地局情報を位置情報として利用するものである。
【0021】
図4は、本実施の形態によるサーバ側の処理に関するプログラム構成例を示す図である。図4に示すように、店舗サーバアプリケーションは、POSシステム150から送られてくる購買情報を受信する購買情報受信部151と、利用者IDによるカード毎のID/パスワード認証と購買情報の分割とを行うID/パスワード認証部152であって、顧客情報DB23と関連付けされたID/パスワード認証部152と、利用者毎の購買情報を含む送信データ生成部153と、共通サーバに対して購買情報を送信する送信処理部154と、を有している。さらに、各店舗における価格情報を受信する価格情報受信部155aと、送信データ生成部155bと、送信処理部155cと、を有している。これらは、店舗同士での価格設定などに関する情報共有と価格競争とを促す。
【0022】
共通サーバアプリケーションは、店舗サーバの送信処理部154からの情報を受け取る購買情報受信部156と、利用者ID毎のID/パスワード認証と購買情報の分割とを行うID/パスワード認証部157であって、購買履歴情報DB32と関連付けされたID/パスワード認証部157と、利用者毎のデータを送信する送信データ生成部158と、送信処理部159と、を有している。送信処理部159は、携帯端末1に対して購入リストを、購買履歴情報DB32に対して購買情報を送信する。さらに、価格に関する情報を送信する送信処理部155aからの送信データを受信する価格情報受信部160と、店舗・品目別価格情報設定し、購買履歴情報DB32に対してデータを送る店舗・品目別価格情報設定部161と、携帯端末1からの、履歴の削除と、購入リスト品目の変更指令を受信する履歴削除・購入リスト品目変更受信部162aと、ID/パスワード認証部162bと、上記履歴削除・購入リスト品目変更に関する情報を携帯端末1に返信する送信処理部162cと、を有している。
【0023】
以下、本実施の形態による食品在庫管理システムにおける処理について詳細に説明する。図5、図6は、処理の流れの一例を示すフローチャート図である。図7は、携帯端末に表示される購買履歴、購買リストを示す図である。適宜、図1から図3までも参照して説明する。本実施の形態による食品在庫管理システムは、図1に示すように、販売促進用カード40に利用者を識別出来るIDを持ち、店舗毎のサーバ20に利用者毎のIDに対応するパスワードを保持する顧客情報データベース23と、商品毎の価格、商品毎の賞味期限を保管するPOSシステム22と、顧客情報データベース23とPOSシステム22とを連携させ、店舗・利用者ID、購買日時、品目、価格、数量、賞味期限を共通サーバ30に登録する店舗サーバアプリケーション31と、共通サーバ30側に設けられ、利用者毎の購買履歴と購買予定リストとを作成する品目の保管を行う購買履歴情報データベース32と、利用者が店舗に近づいた時、購買予定リストを作成して、利用者の携帯端末に送信する共通サーバアプリケーション31と、利用者の持つ携帯端末1、10と、によって構成される。店舗ごとのサーバと共通サーバで購買履歴の通信を行い、共通サーバと利用者の持つ携帯端末間で、在庫確認要求・応答と、購買予定リストと、が通信により送受される。
【0024】
ここで、販売促進用カード40とは、現在小売業で使用されている、会員カード・ポイントカード等を想定する。クレジットカードなどの個人情報を含み、信用調査に基づいて後払いが可能なカードは含まず、あくまで現金払いのカードである。
【0025】
利用者は、自己が日頃利用する店舗の販売促進用カードを発行してもらう際に、店舗コードとログイン用のIDとパスワードとを付与される。パスワードは省略されるケースも多い。IDは店舗コード毎に一意となっており、店舗で買い物をするたびに、カードを提示してPOSシステム22でバーコードを読み取る(図5:101)。この際、店舗毎のサーバ20a、20bには、店舗・利用者ID、購買日時、品目、価格、数量、賞味期限の情報が格納される(図5:102)。利用者の会計が終了すると、店舗毎のサーバ20は、随時、共通サーバ30に購買情報50を送信する(図5:103)。この際、店舗IDを付加する。また、店舗毎のサーバ20から共通サーバ30への価格情報は、利用者の購買時と、店舗で扱っている商品の価格が異なる場合があるため、店舗でPOSの価格設定を変更する度に、共通サーバ30に対して価格情報が送信される(図5:111、112)。
【0026】
利用者は例えば異なる資本関係の複数の店舗を利用しており、同じ系列の店舗で複数の販売促進用カードを持っていることが予想される。そのため、利用者の携帯端末1、10には、複数の販売促進用カードに割り振られた店舗コードとIDとパスワードを登録情報記録装置5に登録する(121)。尚、利用する店舗は、異なる資本関係を有する複数の店舗の場合、同じ資本関係を有する複数の店舗の場合、同一の店舗(例えばデパートなどのポイントカード、この場合には、共通サーバと店舗サーバとが同じである場合も含まれる)などがあり、カードと店舗の関係を限定するものではない。
【0027】
共通サーバ30では、店舗IDを付加しての利用者から在庫参照のリクエスト(図5:122)があると、携帯端末1から送信された店舗・利用者IDとパスワードとを確認し、店舗毎のサーバ20から送られたIDと、パスワードと、が一致した場合に、複数のID分の購入履歴情報60をまとめて、利用者に対して送信する(図5:123)。この際、携帯端末1側では、受信した購入履歴情報60を解析装置3、解析情報記録装置4で購入履歴と日時の経過などの解析と記録とを行い、画面表示装置6によって利用者に対して図7(A)の符号80で示す購買履歴情報表示画面に示す購買履歴情報を開示する(図5:124)。購買履歴情報画面80は、購入日と、品目と、賞味期限と、価格と、数量と、が項目毎に整理されており、各項目に対して、削除のチェックボックスと、購入リスト登録のチェックボックスとが付されている。購入者側の携帯端末1にこの画面が表示されると、消費者(ユーザ)は、既に消費してしまった品目の項目に削除チェックを行うチェック後に、確認し送信ボタンを押すと、携帯端末1から共通サーバ30に対して削除指示を出すことが出来る。賞味期限が過ぎている品目については共通サーバ30側で削除する。利用者は、購買履歴情報を閲覧し、今日の献立や賞味期限などを考慮して購入予定となっている品目の項目に購入リスト登録のチェックを行う。
【0028】
利用者が店舗に近づいた時に、購入リスト70が作成される。購入リスト情報画面81は、購入リスト登録した品目の中で、共通サーバ30に含まれている品目を取り扱っている店舗をピックアップし、共通サーバ30側で自動送信する品目の設定を行うことが出来る(図5:131、132)。
【0029】
利用者が、実際に販売促進用カードを持つ店舗に近づいた時(図6:141)、携帯端末1の発信装置8が、共通サーバ30に対して購買予定リストのリクエスト71(図6:142)を行い、共通サーバ30は購買予定リストを利用者の携帯端末に向けて送信する(図6:143)。送信された情報は、利用者のもつ携帯端末1で受信、解析され、利用者は携帯端末1の画面を見る(図6:144)ことにより、自宅であらかじめ在庫を確認する作業を行わなくても、在庫のない商品を買い求めるときの参考にすることが出来る。表示画面としては、図7(B)の購入リスト情報画面81に示すように、品目と、価格と、前回購入店舗と、前回購入量と、を含む利用者の購入にあたっての参考となるデータを含む画面が表示される。利用者は、この画面を参照して、買い物を行うことができる。
【0030】
以上、説明したように、本実施の形態による食品在庫管理システムによれば、利用者の賞味期限管理・在庫管理、購入物品の買い忘れの防止、購入前の価格の検討等を利用者が特に意識せずに行うことが可能となる。また、共通サーバを利用し、複数のIDとパスワードを携帯端末に登録することにより、利用者が異なる資本関係の小売店を利用しても、購入履歴をまとめて取り出すことが可能となる。販売促進用のカードは、同じカード番号で家族向けに複数発行される小売店舗もあり、この場合、日常は販売促進用カードを持たない家族の買い物も、在庫管理が可能となる。
【0031】
小売店舗側のメリットとしては、販売促進用カードの利用者情報の有効な活用により、購入意欲が高い品目を、各々の利用者向けに配信することによって、販売促進活動に役立たせることができる。
【0032】
また、個人の信用情報を店舗側に提供することにより買い忘れを防止する方法と異なり、クレジットカードの利用履歴が店舗側に流れないため、それを好まないユーザにとってはプライバシーの漏洩がないという安心感がある。
【0033】
次に、本実施の形態の変形例による食品在庫管理システムについて説明する。上記実施の形態においては、図1に示すように、共通サーバ30との交信を利用者の所持する携帯端末1、10により行う例を示したが、例えば、販売促進用カードにカードIDを記憶する記憶部と、近距離通信機能を有するRFICタグと、利用者に購入を勧める商品がある旨を報知するLCD表示部などを付与することで、代替することも可能である。
【0034】
また、上記実施の形態においては、食品の在庫管理システムについて説明したが、その他の商品の管理システムに適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、利用者の買い忘れを防止するための店舗側からの働きかけ手段として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態における食品在庫管理システムの構成例を示す図である。
【図2】図2(A)から(D)までは、本実施の形態による食品在庫管理システムにおける各段階での情報内容例を示す図である。
【図3】本実施の形態における携帯端末の構成例を示す機能ブロック図である。
【図4】本実施の形態における食品在庫管理システムの各構成例とそれぞれの関連とを示す図である。
【図5】本実施の形態によるデータフローのシーケンスを示す図である。
【図6】本実施の形態によるデータフローのシーケンスを示す図である。
【図7】図7(A)及び(B)は、本実施の形態による携帯端末に示される表示画面の例である購入履歴と購入リストを示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1…携帯端末
2…受信装置
3…解析装置
4…解析情報記録装置
5…登録情報記録装置
6…画面表示装置
7…位置情報受信装置
8…発信装置
20、20a、20b…店舗サーバ
30…共通サーバ
40、40a、40b…販売促進用カード
50…購買情報
60…購買履歴情報
70…購入リスト情報
80…購買履歴情報画面
81…購入リスト情報画面
101…利用者ID送信ステップ
102…購買情報送信ステップ
103…購買情報送信(店舗ID付加)ステップ
111…価格情報送信ステップ
112…価格情報送信(店舗ID付加)ステップ
121…ID・パスワード登録ステップ
122…ID・パスワード付加して在庫リスト要求ステップ
123…在庫リスト送信ステップ
124…画面表示ステップ
131…在庫リスト送信品目の入力ステップ
132…在庫リスト送信品目の送信ステップ
141…利用者が販売促進用カードを持つ店舗に近づくステップ
142…携帯端末が、位置情報と利用者ID・パスワードを付加して共通サーバに購入予定リスト要求ステップ
143…共通サーバが購買予定品目リストを作成し、携帯端末に送信するステップ
144…購買品目予定リストを解析し、端末の画面に表示するステップ
151…購買情報受信部
152…利用者ID/パスワード認証部
153…送信データ生成部
154…送信部
155…価格情報受信部
156…購買情報受信部
157…利用者ID/パスワード認証部
158…送信データ生成部
159…送信処理部
160…価格情報受信部
161…店舗・品目別価格情報設定部
162…履歴削除・購入リスト品目変更受信部
163…購入リストリクエスト受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗における商品管理方法であって、
店舗から提供された販売促進用カードの利用者が該店舗において商品を購買した際に得られるカードIDと商品の品目と該品目の使用期限又は賞味期限とを含む利用者の購買情報に基づいて、利用者毎の購買履歴情報を作成するステップと、
該購買履歴情報に基づいて、使用期限切れ又は賞味期限切れの品目をカードIDで特定される前記店舗の利用者に対して報知するステップと
を有する商品管理方法。
【請求項2】
前記報知するステップは、利用者が店舗に近づいた際に行われることを特徴とする請求項1に記載の商品管理方法。
【請求項3】
店舗における商品管理システムであって、
店舗から提供された販売促進用カードの利用者が該店舗において商品を購買した際のカードIDと商品の品目と該品目の使用期限又は賞味期限とを含む利用者の購買情報に基づいて作成された、利用者毎の購買履歴情報を格納する購買履歴情報データベースと、
該購買履歴情報に基づいて、使用期限切れ又は賞味期限切れの品目をカードIDで特定し該店舗の利用者の携帯端末に対して報知する通信インターフェイス部と、を有する商品管理サーバ、を有することを特徴とする商品管理システム。
【請求項4】
さらに、前記店舗に設けられ、前記販売促進用カードの利用者の前記購買情報を蓄積する顧客情報データベースと、該利用者の前記購買情報を前記商品管理サーバに送る送信部と、を有する店舗サーバ、を有することを特徴とする請求項3に記載の商品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−215897(P2006−215897A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29396(P2005−29396)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】