説明

商品販売データ処理システムおよび商品販売データ処理方法

【課題】販売促進レシートの発行および使用を管理することが可能になる。
【解決手段】会員情報ファイル19を検索して使用フラグF2から販売促進レシート100が未使用と判定されると、会員情報ファイル19の未使用の使用フラグF2に該当するそれぞれの会員番号の電子メールアドレスを取得する。その電子メールアドレスを送信先として販売促進メッセージ情報の販売促進メールを送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売促進レシートの発行履歴と使用履歴を管理する商品販売データ処理システムおよび商品販売データ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、たとえば、会員カードを提示した会員に対して商品の購入金額に応じてポイントを提供し、そのポイントを会員毎に累計し、一定ポイント以上にたまるとクーポン券等に還元できるポイントサービスは、スーパーマーケットやレストランおよび各種専門店等でも広く使用されている。
【0003】
従来、この種のポイントサービスを導入した店では、各顧客に会員として会員契約した会員にそれぞれ会員固有の会員番号を記録したポイントカードを発行していた。また、会員が買上げた商品の販売データを登録処理し、その会員との商取引の合計金額を算出する機能を有したPOSターミナルにポイントカードに記録されたカードデータを読み取るカードリーダを設ける一方、POSターミナルにオンライン接続される上位装置に各ポイント会員の会員番号に対応して累計ポイントを記憶する会員情報ファイルを設けていた。
【0004】
そして、POSターミナルは、カードリーダによりポイントカードのデータが読み取られると、会員情報ファイルを検索してカードデータ中の会員番号に対応して記憶管理されている累計ポイントを取得し、この累計ポイントに今回の商取引ポイントを加算して更新処理し、更新後の累計ポイントを会員ファイルに上書きするポイントカード処理機能を有していた。
【0005】
また、POSターミナルにより発行された買上レシートに販売促進を付加して印刷する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1のPOSターミナルでは、販売促進を付加した買上レシートを発行することは可能であるが、会員の販売促進レシートの使用履歴を管理することができない。
【0007】
本発明は、販売促進レシートの発行履歴および使用履歴を管理することが可能な商品販売データ処理システムおよび商品販売データ処理方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、各会員が所有する会員カードの会員識別情報に対応しその会員に対して発行される販売促進レシートが未使用か使用済かを示す使用フラグおよび電子メールアドレスを記憶する会員情報ファイルを備えた上位装置と、この上位装置と通信手段を介してデータ通信を行い商品の販売データを処理する前記商品販売データ処理装置と、を備えた商品販売データ処理システムにおいて、前記上位装置は、前記会員情報ファイルを検索して前記使用フラグから前記販売促進レシートが未使用か使用済かを判定する販売促進レシート使用判定手段と、この販売促進レシート使用判定手段により前記販売促進レシートが未使用と判定されると、前記会員情報ファイルの未使用の使用フラグに該当するそれぞれの会員識別情報の電子メールアドレスを取得し、その電子メールアドレスを送信先として販売促進メッセージ情報を通知する販売促進メールを送信させる販売促進メール送信制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、会員情報ファイルを検索して使用フラグから前記販売促進レシートが未使用か使用済かを判定するステップと、販売促進レシートが未使用と判定されると、未使用の使用フラグに該当するそれぞれの会員識別情報の電子メールアドレスを取得するステップと、前記電子メールアドレスを送信先として販売促進メッセージ情報を通知する販売促進メールを送信させるステップと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、販売促進レシートの発行履歴と使用履歴を一括管理するにより未使用の販売促進レシートを持っている会員に対して販売促進レシートの未使用の販売促進メッセージ情報を通知することが可能になる。また、販売促進レシートの使用履歴を管理することによって販売促進レシートを何度も使用する不正を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係るPOSシステムの全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態で使用する会員カードに記録されるデータ構造を示す図。
【図3】同実施の形態においてホストコンピュータに形成される会員情報ファイルに蓄積記憶される会員情報レコードのデータ構造を示す図。
【図4】同実施の形態に係るホストコンピュータに形成される販売促進レシートファイルに蓄積記憶される販売促進レシートレコードのデータ構造を示す図。
【図5】同実施の形態に係るPOSターミナルの主要構成を示すブロック図。
【図6】同実施の形態に係るホストコンピュータの主要構成を示すブロック図。
【図7】同実施の形態に係るPOSターミナルのCPUが実行する1商取引の会員登録業務処理の主要な手順を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態に係るPOSターミナルのCPUが実行する1商取引の買上商品登録業務処理の主要な手順を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態に係るPOSターミナルから印字発行される販売促進レシートの一例を示す模式図。
【図10】同実施の形態に係るホストコンピュータのCPUが実行する販売促進メール発送業務処理の主要な手順を示すフローチャート。
【図11】同実施の形態に係るPOSターミナルのCPUが実行する1商取引の販売促進レシート使用業務処理の主要な手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
なお、この実施の形態は、販売促進レシート100(図9を参照)の発行履歴と使用履歴を管理するとともに、販売促進レシート100の未使用の各会員に対してインターネットを介して販売促進メールで販売促進メッセージを通知する場合である。
【実施例】
【0014】
図1は、本実施例の1店舗に構築される商品販売データ処理システムの構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、商品販売データ処理システムは、スーパーマーケット等の店舗の会計場に置かれている商品販売データ処理装置である複数のPOS(Point Of Sales)ターミナル11と、各POSターミナル11の上位装置として機能する本部サーバであるホストコンピュータ12と、インターネット13を介して電子メールの送受信などを行うWWW(World Wide Web)サーバ14とがLAN(Local Area Network)等の通信手段である通信回線15で接続されている。
【0016】
また、インターネット13には、パーソナルコンピュータや携帯電話等の通信端末16が接続可能になっている。
【0017】
各POSターミナル11には、会員カード17に記録されたカードデータの読み取りを行うカードリーダ18が設けられている。
【0018】
前記会員カード17には、ICカードや磁気カード等を媒体としたもので、その会員カード17には、図2に示すように、発行店の店コード、会員を識別する会員識別情報として会員番号に対応して会員氏名および有効期間等が記録されている。
【0019】
ホストコンピュータ12には、会員情報ファイル19と販売促進レシートファイル20が設けられている。この会員情報ファイル19には、図3に示すように、会員カード17の発行店の店コード、各会員を識別する会員識別情報として会員番号に対応してその会員氏名、住所および電話番号等の個人情報とともに、当該会員が販売促進レシートの使用状態を識別する販売促進レシート発行履歴を示す発行フラグF1(0:発行済、1:未発行)および販売促進レシート使用履歴を示す使用フラグF2(0:使用済、1:未使用)と、その会員が所有する通信端末16の電子メールアドレスなどを蓄積記憶するデータファイルである。
【0020】
また、販売促進レシートファイル20には、図4に示すように、販売促進レシート100の販売促進レシート番号と、その販売促進レシート100に印字されるメッセージデータと、その販売促進レシート100が割引用か値引用なのかを区分する割値引区分データ(1:割引、2:値引)とを記憶管理するデータファイルである。
【0021】
図5は、各POSターミナル11の主要な構成を示すブロック図である。
【0022】
図5に示すように、各POSターミナル11は、制御部本体として、CPU(Central Processing Unit)31を設けている。また、CPU31が実行するプログラム等の固定的データを予め記憶したROM(Read Only Memory)32、CPU31が処理するデータやCPU31によって処理されたデータ等の可変的データを記憶するRAM(Random Access Memory)33、現在の日付および時刻を計時する時計部34、前記通信回線15を介してホストコンピュータ12との間でデータ通信を制御する通信コントローラ35、スキャナコントローラ36、ドロワコントローラ37、キーボードコントローラ38、ディスプレイコントローラ39および40、プリンタコントローラ41およびカードリーダコントローラ42等を備えている。
【0023】
そして、CPU31と、ROM32、RAM33、時計部34および各種コントローラ35〜42をアドレスバス、データバスなどのバスライン43で接続している。
【0024】
RAM33には、カードリーダ18で読み取った会員カード17のカードデータ(たとえば、会員番号等)を一時記憶するカードデータメモリを設けている。また、会員番号に対応して販売促進レシート100の販売促進レシート識別情報としての販売促進レシート番号、発行フラグF1、使用フラグF2を一時記憶する会員処理メモリを設けている。
【0025】
スキャナコントローラ36には、商品に表示されているバーコード情報や販売促進レシート100に記録されているバーコード情報等を光学的に読み取るためのスキャナ44を接続している。ここで、スキャナ44と販売促進レシート100に記録されているバーコード情報とで販売促進レシート識別情報特定手段として構成する。また、バーコード情報が会員番号とスキャナ44とでは会員識別情報特定手段として構成する。
【0026】
ドロワコントローラ37には、CPU31からの指令によりドロワ45に対して駆動信号が出力される。ドロワ45は現金等を収容するために設けられており、駆動信号の入力により自動的に開放動作する。なお、ドロワ45は、自動釣銭機能を有したものであってもよい。
【0027】
キーボードコントローラ38には、買上商品を登録するためのキーや買上商品の登録締めを宣言するキーの他、各種ファンクションキーが配設したキーボード46を接続している。
【0028】
ディスプレイコントローラ39には、店面表示器47の画面表示を制御するもので、店面表示器47は、当該POSターミナル11のオペレータであるキャッシャに対して買上商品の品名、価格や1商取引の合計金額および釣銭金額等を表示するものである。
【0029】
ディスプレイコントローラ40には、客面表示器48の画面表示を制御するもので、客面表示器48は、会員に対して買上商品の品名、価格や1商取引の合計金額、釣銭金額等を表示するものである。
【0030】
プリンタコントローラ41には、レシート用紙およびジャーナル用紙への印字を行い、レシート用紙を取引毎にカットして買上レシートおよび販売促進レシート100として発行するプリンタ49を接続している。
【0031】
カードリーダコントローラ42には、会員カード17に記録されているカードデータを読み取るためカードリーダ18を接続している。ここで、カードリーダ18は、会員カード17の会員識別情報(会員番号)を入力する入力手段として機能する。また、カードリーダ18と会員カード17とで、会員識別情報特定手段として構成する。
【0032】
図6は、ホストコンピュータ12の主要な構成を示すブロック図である。
【0033】
図6に示すように、ホストコンピュータ12も、制御部本体として、CPU61を設けている。また、CPU61が実行するプログラム等の固定的データを予め記憶したROM62、CPU61が処理するデータやCPU31によって処理されたデータ等の可変的データを記憶するRAM63、現在の日付および時刻を計時する時計部64、前記通信回線15を介してデータ通信を制御する通信コントローラ65、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ66、キーボードコントローラ67、ディスプレイコントローラ68、プリンタコントローラ69等を備えている。
【0034】
そして、CPU61と、ROM62、RAM63、時計部64、各種コントローラ66〜69をアドレスバス、データバスなどのバスライン70で接続している。
【0035】
そして、HDDコントローラ66には、会員情報ファイル19および販売促進レシートファイル20を格納するHDD71が接続されている。キーボードコントローラ67には、メールアドレスやメール文を入力するキーボード72が接続されている。ディスプレイコントローラ68にはディスプレイ73が接続されている。プリンタコントローラ69にはプリンタ74が接続されている。
【0036】
本実施例1の構成に係るPOSターミナル11は、CPU31が会員の買上商品の販売データを登録処理する会員登録業務を実行できるようにプログラムが構成されている。
【0037】
図7は、本実施例1の構成に係るPOSターミナル11の会員登録業務を実行するCPU31の処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
はじめに、CPU31は、ST(ステップ)11として会員取引が宣言されるのを待機する。そして、会員カード17のカードデータが読取られたか否かを判定する。ここで、カードリーダ18により当該会員カード17のカードデータが読取られた場合(ST11−YES)、会員カード17の読取り有りと判定し、ST12として会員カード17のカードデータ(会員識別情報である会員番号)を会員処理メモリに記憶するとともに会員カードのカードデータによりホストコンピュータ12に通信手段である通信回線15を介して会員情報の問合せを行う。ちなみに、ホストコンピュータ12のCPU61は、POSターミナル11からの問合せを受けると当該会員番号に基づいて会員情報ファイル19の当該会員の会員情報を検索し、その会員情報を問合せ元のPOSターミナル11に返信するようになっている。
【0039】
そこで、POSターミナル11のCPU31は、ST13としてホストコンピュータ12から応答される会員情報に含まれる会員番号、販売促進レシート100の発行フラグF1および使用フラグF2をそれぞれRAM33の会員処理メモリに記憶した後、ST14としてRAM33の会員処理メモリに記憶された会員情報中の販売促進レシート100の発行フラグF1をチェックして当該会員に対して販売促進レシート100が未発行「1」か、発行済「0」か、を判定する(販売促進レシート発行判定手段)。
【0040】
そして、販売促進レシート100の発行フラグF1が「1」にセットされているときに販売促進レシート100が未発行であると判定した場合には、ST15として当該会員情報から会員氏名および販売促進レシート発行情報を取得するとともに、正面表示器47および客面表示器48に表示させる。
【0041】
これに対し、発行フラグF1が「0」にリセットされているときに販売促進レシート100が発行済であると判定した場合には、ST16に進む。
【0042】
次に、ST16として図8に具体的に示す買上商品登録処理を実行する。この処理は、ST17として1会員が買上げる商品の登録終了を宣言する登録締めキー(たとえば、預/現計キー)が入力されるまで繰り返し実行する。
【0043】
POSターミナル11のCPU31は、まず、ST31としてスキャナ44によりバーコードがスキャニングされるのを待機する。そして、バーコードがスキャニングされたならば(ST31-YES)、ST32としてそのバーコードが販売促進レシート100に印刷されている販売促進レシート100のバーコードか否かを判定する。
【0044】
そして、スキャニングされたバーコードが販売促進レシート100のバーコードデータである場合には(ST32-YES)、ST33として会員処理メモリ内に記憶された使用フラグF2をチェックする。
【0045】
ここで、使用フラグF2が「0」にリセットされている場合には(ST33-NO)、現在は販売促進レシート100を使用できないのでST31に戻り、次のバーコードデータがスキャニングされるのを待機する。
【0046】
これに対し、使用フラグF2が「1」にセットされている場合には(ST33-YES)、販売促進レシート100が使用できるので、ST34としてスキャニングされた販売促進レシート識別情報の販売促進レシート番号をRAM33の会員処理メモリに一時記憶する。
【0047】
その後、ST31に戻り、次のバーコードデータがスキャニングされるのを待機する。
【0048】
一方、ST32にてスキャニングされたバーコードが販売促進レシート100の販売促進レシート識別情報でなく、ST35として各商品に表示されている商品コードであった場合には(ST35−YES)、ST36として商品登録処理を実行する。この処理は、商品コード、販売金額、販売点数等をトランザクションデータとしてRAM33のトランザクションメモリに記憶する。
【0049】
そして、ST37として商品名、販売価格等を正面表示器47および客面表示器48に表示する。そして、今回の買上商品登録処理を終了する。
【0050】
図7の説明に戻る。ST17にて登録締めキーの入力を検知した場合には(ST17-YES)、ST18として登録締め処理を実行する。この処理は、たとえば、預/現計キーにより預かり金額が入力された場合には、その預かり金額から取引合計メモリ内の合計金額を減算して釣銭額を算出し、店面表示器47および客面表示器48に表示するとともに、ドロワ45を開放させる処理である。
【0051】
次いで、ST19としてプリンタ49の駆動を制御して、買上レシートを印字発行させる。
【0052】
その後、ST20として会員処理メモリに記憶されている販売促進レシート100の発行フラグF1をチェックする。ここで、販売促進レシート100の発行フラグF1が「1」、つまり当該会員に対して販売促進レシート100が未発行の場合には、ST21として販売促進レシート発行処理を実行する。
【0053】
具体的には、CPU31は、プリンタ49の駆動を制御して図9に示すように、当該販売促進レシート100の情報中のメッセージデータ101と会員処理メモリに記憶されている会員情報中の会員番号および会員氏名102と、当該販売促進レシート情報中の販売促進レシート番号と会員番号とからなるバーコード103とを印字した販売促進レシート100を印字発行させる。
【0054】
これに対し、販売促進レシート100の発行フラグF1が「0」にリセットされていた場合には、現在は、販売促進レシート100が発行できないので、この会員登録処理を終了させる。
【0055】
こうして、CPU31は、販売促進レシート100を発行させたならば、ST22として会員処理メモリに記憶されている会員情報中の販売促進レシート100の発行フラグF1を、未発行を示す「1」から発行済を示す「0」に更新する。
【0056】
ST23では、会員処理メモリに記憶されている会員情報が通信回線15を介してホストコンピュータ12に転送する。これにより、ホストコンピュータ12のCPU61は、POSターミナル11から受信した販売促進レシート100の会員情報で会員情報ファイル19内の同一会員番号の会員情報の発行フラグF1「1」から「0」に上書き更新する。そして更新後、会員情報送信元のPOSターミナル11に対して更新終了の応答を返信する。
【0057】
この更新終了応答を受信したPOSターミナル11のCPU31は、ST24として会員処理メモリをクリアして、今回の会員登録業務を終了するようになっている。
【0058】
図10は、ホストコンピュータ12で販売促進メール発送業務が選択されたときのCPU61の処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
この販売促進メール発送業務は、販売促進レシート100が発行されて使用期限内の所定の期日になると販売促進レシート100の所有の会員に販売促進レシート100の未使用の販売促進メッセージ情報を通知する販売促進メール(電子メール)が発送されるようにプログラムが構成されている。
【0060】
POSターミナル11のCPU31は、販売促進レシート100が当該会員に発行されると、発行フラグF1を「1」にセットして会員番号に対応して通信回線15を介してホストコンピュータ12に送信するようになっている。また、販売促進レシート100が当該会員により使用されると、POSターミナル11のCPU31は、販売促進レシート100の使用フラグF1を「0」にリセットして会員識別情報の会員番号に対応して通信回線15を介してホストコンピュータ12に送信するようになっている。
【0061】
ホストコンピュータ12のCPU61は、受信した発行フラグF1「1」、使用フラグF2「0」の販売促進レシート識別情報を会員情報ファイル19の該当する会員番号の発行フラグF1「1」または使用フラグF2「0」を上書きし更新するようになっている。
【0062】
はじめに、ホストコンピュータ12のCPU61は、ST61として会員情報ファイル19を検索してこの会員情報ファイル19に登録されている販売促進レシート100の未使用の使用フラグF2「1」を抽出する。
【0063】
ST62として販売促進レシート100の未使用の使用フラグF2「1」の会員番号に対応し、会員氏名および電子メールアドレスをRAM63に記憶する。
【0064】
次に、ST63としてあらかじめ販売促進レシートファイル20に用意された販売促進レシート番号およびメッセージ等をRAM63に記憶されている販売促進レシート100の未使用の各会員の会員番号、会員氏名を含む販売促進メッセージ情報の販売促進メール文を作成する。
【0065】
その後に、ST64としてRAM63から電子メールアドレスを取得し、この電子メールアドレスを送信先としてST63の処理で作成した販売促進メール文をWWWサーバ14に通信回線15を介して転送したならば、次の販売促進レシート100の未使用の各会員のデータを読出す処理に移る。
【0066】
そして、未使用データを読み出すことができなくなるまで、前記処理を繰り返し実行し、すべての未使用データを読み出すことができたならば、この処理を終了する(販売促進メール送信制御手段)。
【0067】
なお、WWWサーバ14は、ホストコンピュータ12から各会員の電子メールアドレスを送信先とする販売促進メッセージ情報の販売促進メール文を受信すると、その販売促進メール文をインターネット13上に送信するようになっている。
【0068】
次に、ホストコンピュータ12のCPU61は、販売促進レシート使用業務処理を行うために、図11のフローチャートに示す手順で各部を制御するプログラムを構成している。ここで、用いる会員情報ファイル19は、販売促進レシート識別情報としての各販売促進レシート番号に対応して使用フラグF2の履歴が記憶されるようになっている。
【0069】
はじめに、POSターミナル11のCPU31は、ST81としてスキャナ44によって販売促進レシート100の販売促進レシート識別情報であるバーコードデータがスキャニングされるのを待機する。
【0070】
そして、販売促進レシート100のバーコードデータが入力されたか否かを判定する。ここで、スキャナ44により販売促進レシート100のバーコードデータが入力された場合には(ST81−YES)、ST82として販売促進レシート100のバーコードデータである販売促進レシート識別情報としての販売促進レシート番号をRAM33の会員処理メモリに一時記憶するとともに、販売促進レシート100の当該販売促進レシート番号によりホストコンピュータ12に通信回線15を介して販売促進レシート番号の当該使用フラグF2情報(未使用か使用済みか)の問合せをする。ちなみに、ホストコンピュータ12のCPU61は、POSターミナル11の販売促進レシート番号の当該使用フラグF2情報の問い合わせを受けると当該販売促進レシート番号に基づいて会員情報ファイル19の当該販売促進レシート番号を検索し、その当該販売促進レシート番号の使用フラグF2情報を問合せもとのPOSターミナル11に返信するようになっている。
【0071】
そこで、POSターミナル11のCPU31は、ST83としてホストコンピュータ12から通信回線15を介して応答される当該販売促進レシート番号の使用フラグF2情報をRAM33の会員処理メモリに記憶した後、ST84としてRAM33の会員処理メモリに記憶された販売促進レシート100の使用フラグF2をチェックして、販売促進レシート100の使用フラグF2が未使用「1」か、使用済「0」か、を判定する(販売促進レシート使用判定手段)。
【0072】
ST84として販売促進レシート100の使用フラグF2が未使用「1」であると判定した場合に、CPU61は、ST85として当該販売促進レシート番号からRAM33の会員処理メモリから販売促進レシート情報を取得するとともに、正面表示器47および客面表示器48に会員氏名および販売促進レシート番号等を表示させる。
【0073】
これに対し、ST84として使用フラグF2が使用済「0」であると判定した場合には、ST86として販売促進レシート100がすでに、使用されたことになっている。そして、「この販売促進レシートを使用することができません」のメッセージを正面表示器47および客面表示器48に表示させるとともに、この販売促進レシート発行業務を終了させる。
【0074】
ST87として販売促進レシート100の使用フラグF2を使用済「0」にリセットさせる。そして、当該販売促進レシート番号と対応させて使用フラグF2が使用済「0」の使用済データをホストコンピュータ12に通信回線15を介して転送する。
【0075】
そして、ストコンピュータ13のCPU61は、受信した当該販売促進レシート番号に対応した使用フラグF2を使用済「0」の使用済データを会員情報ファイル19の当該販売促進レシート番号の使用フラグF2に上書きして更新するようになっている。
【0076】
本発明の実施例においてPOSターミナル11で販売促進レシート100を使用する場合には、当該販売促進レシート番号によりストコンピュータ12の会員情報ファイル19の使用フラグF2をチェックされるので不正使用を防止することが可能になる。また、販売促進レシート100のバーコードデータとして、会員番号により使用履歴を管理してよいことはもちろんである。
【0077】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、実施の段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。たとえば、販売促進レシート100の使用履歴を販売促進レシートバーコードデータの販売促進レシート番号により管理することも可能である。
【0078】
また、販売促進レシート100の未使用の販売促進メッセージ情報を電子メールで配信するように説明したがダイレクトメールで各顧客に未使用の販売促進メッセージ情報を通知してもよい。
【0079】
以上説明したように、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、実施の段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0080】
11…POSターミナル、12…ホストコンピュータ(上位装置)、13…インターネット、15…通信回線、17…会員カード、18…カードリーダ、19…会員情報ファイル、20…販売促進レシートファイル、31、61…CPU、44…スキャナ、47…店面表示器、48…客面表示器、49…プリンタ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2006−318158公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各会員が所有する会員カードの会員識別情報に対応しその会員に対して発行される販売促進レシートが未使用か使用済かを示す使用フラグおよび電子メールアドレスを記憶する会員情報ファイルを備えた上位装置と、この上位装置と通信手段を介してデータ通信を行い商品の販売データを処理する商品販売データ処理装置と、を備えた商品販売データ処理システムにおいて、
前記上位装置は、
前記会員情報ファイルを検索して当該会員の前記使用フラグから前記販売促進レシートが未使用か使用済かを判定する販売促進レシート使用判定手段と、
この販売促進レシート使用判定手段により前記販売促進レシートが未使用と判定されると、前記会員情報ファイルの未使用の使用フラグに該当するそれぞれの前記会員識別情報と電子メールアドレスとを取得しその電子メールアドレスを送信先として販売促進メッセージ情報の販売促進メールを送信させる販売促進メール送信制御手段と、を備えたことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項2】
各会員が所有する会員カードの会員識別情報に対応しその会員に対して発行される販売促進レシートが未発行か発行済かを示す発行フラグと、前記販売促進レシートが未使用か使用済かを示す使用フラグおよび電子メールアドレスを記憶する会員情報ファイルと、を備えた上位装置と、この上位装置と通信手段を介してデータ通信を行い前記販売促進レシートの未発行の当該会員に前記販売促進レシートを発行可能な前記商品販売データ処理装置と、を備えた商品販売データ処理システムにおいて、
前記商品販売データ処理装置は、
当該会員の会員情報ファイルの会員識別情報を特定する会員情報特定手段と、
この会員情報特定手段により特定される会員情報を会員情報ファイルに前記通信手段を介して問合せを行い、その会員情報の前記発行フラグから前記販売促進レシートが未発行か発行済かを判定する販売促進レシート発行判定手段と、
この販売促進レシート発行判定手段により前記販売促進レシートが未発行と判定されると前記販売促進レシートを発行するとともに当該発行フラグを発行済に更新する更新手段と、
前記販売促進レシート発行判定手段により前記販売促進レシートが発行済と判定されると前記販売促進レシートの発行を行わない販売促進レシート発行制御手段と、
この販売促進レシート発行制御手段により前記販売促進レシートが発行されると、前記上位装置に前記販売促進レシート発行済情報を送信する販売促進レシート発行送信手段と、を備え
前記上位装置は、
前記販売促進レシート発行送信手段により前記販売促進レシートの発行済の発行フラグを受信すると前記会員情報ファイルに前記販売促進レシートの発行フラグを発行済に更新する発行フラグ更新手段と、
前記会員情報ファイルを検索して当該会員識別情報に対応する使用フラグから前記販売促進レシートが未使用か使用済かを判定する販売促進レシート使用判定手段と、
この販売促進レシート使用判定手段により前記販売促進レシートが未使用と判定されると、前記会員情報ファイルの当該会員の電子メールアドレスを取得しその電子メールアドレスを送信先として販売促進メッセージ情報の販売促進メールを送信させる販売促進メール送信制御手段と、を備えたことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項3】
会員識別情報に対応し販売促進レシートが未使用か使用済かを示す使用フラグを記憶する会員情報ファイルと、を備えた上位装置と、この上位装置と通信手段を介してデータ通信を行い商品の販売データを処理する商品販売データ処理装置と、を備えた商品販売データ処理システムにおいて、
前記商品販売データ処理装置は、
前記会員情報ファイルの会員識別情報を特定する会員識別情報特定手段と、
この会員識別情報特定手段により前記販売促進レシートに記録されている前記会員識別情報に基づいて会員情報を前記会員情報ファイルに前記通信手段を介して問合せを行い、その会員情報の前記使用フラグから前記販売促進レシートが未使用か使用済かを判定する販売促進レシート使用判定手段と、
この販売促進レシート使用判定手段により前記販売促進レシートが使用済と判定されると前記販売促進レシートの使用することを不可にする販売促進レシート使用制御手段と、を備えたことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項4】
会員情報ファイルを検索して使用フラグから販売促進レシートが未使用か使用済かを判定するステップと、
前記販売促進レシートが未使用と判定されると、未使用の使用フラグに該当するそれぞれの会員識別情報の電子メールアドレスを取得するステップと、
前記電子メールアドレスを送信先として販売促進レシート情報の販売促進メールを送信させるステップと、を備えたことを特徴とする商品販売データ処理方法。
【請求項5】
当該会員の会員情報ファイルの会員識別情報を特定するステップと、
この会員識別情報が特定されると前記会員情報ファイルを検索して当該会員識別情報に対応する前記発行フラグから前記販売促進レシートが未発行か発行済かを判定するステップと、
前記販売促進レシートが未発行と判定されると、前記販売促進レシートを発行するステップと、
当該発行フラグを発行済に更新するステップと、
前記販売促進レシートが発行されると、当該会員識別情報に対応する前記販売促進レシート発行済の発行フラグを前記会員情報ファイルに送信するステップと、
前記会員情報ファイルは前記販売促進レシートの発行フラグを発行済に更新するステップと、
前記会員情報ファイルを検索して前記販売促進レシートの未使用フラグを取得するステップと、
前記販売促進レシートが未使用フラグに対して当該会員の電子メールアドレスを取得するステップと、
その電子メールアドレスを送信先として販売促進レシート情報の販売促進メールを送信させるステップと、からなることを特徴とする商品販売データ処理方法。
【請求項6】
会員カードの会員識別情報をカードリーダに入力するステップと、
前記会員識別情報が会員情報ファイルを検索して当該会員識別情報に対応する発行フラグを取得するステップと、
前記発行フラグから前記販売促進レシートが未発行か発行済かを判定するステップと、
前記販売促進レシートが未発行と判定されると、前記販売促進レシートを発行するステップと、
前記会員情報ファイルの当該発行フラグを発行済に更新するステップと、
前記会員情報ファイルを検索して前記販売促進レシートの未使用フラグを取得するステップと、
前記販売促進レシートが未使用フラグに対して当該会員の電子メールアドレスを取得するステップと、
その電子メールアドレスを送信先として販売促進レシート情報の販売促進メールを送信させるステップと、からなることを特徴とする商品販売データ処理方法。
【請求項7】
会員情報ファイルの会員識別情報を特定するステップと、
販売促進レシートに記録されている前記会員識別情報に基づいて前記会員情報ファイルに会員情報を問合せするステップと、
前記会員情報から前記販売促進レシートの前記会員識別情報の使用フラグを取得するステップと、
前記使用フラグから前記販売促進レシートが未使用か使用済かを判定するステップと、
前記販売促進レシートが使用済と判定されると前記販売促進レシートの使用することを不可にするステップと、
前記販売促進レシートが未使用と判定されると前記販売促進レシートの使用することを許可するステップと、からなることを特徴とする商品販売データ処理方法。
【請求項8】
販売促進レシートの販売促進レシート識別情報を入力するステップと、
入力された前記販売促進レシート識別情報に基づいて会員情報ファイルに前記販売促進レシートの使用履歴の使用フラグを問合せするステップと、
前記使用フラグを取得するステップと、
前記使用フラグから前記販売促進レシートが未使用か使用済かを判定するステップと、
前記販売促進レシートが使用済と判定されると前記販売促進レシートの使用することを不可にするステップと、
前記販売促進レシートが未使用と判定されると前記販売促進レシートの使用することを許可するステップと、からなることを特徴とする商品販売データ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−39789(P2011−39789A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186754(P2009−186754)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】