商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラム
【課題】 顧客が商品購入時に使用する締めメディアに応じて販売促進活動を行うことができる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラムを提供する。
【解決手段】 決済に用いられる締めメディアに対応する締めキーに、予め販売促進活動の対象となる締めメディアであるか否かを設定しておき、締めキーに対応する販売促進条件テーブルに設定された販売促進期間,達成金額についての販売促進条件を見たす場合に、予め設定された販売促進活動の内容を示すメッセージ及び値引券を示すバーコードなどを印字した販売促進レシートを発行する。
【解決手段】 決済に用いられる締めメディアに対応する締めキーに、予め販売促進活動の対象となる締めメディアであるか否かを設定しておき、締めキーに対応する販売促進条件テーブルに設定された販売促進期間,達成金額についての販売促進条件を見たす場合に、予め設定された販売促進活動の内容を示すメッセージ及び値引券を示すバーコードなどを印字した販売促進レシートを発行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売した商品のデータ処理を行う商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット,コンビニエンスストア,百貨店等の商品の販売を行う店舗において商品の販売を促進するために、例えば会員カードを提示した顧客に対して所定の条件を満たす場合に、販売促進のためのメッセージをレシートに印字したり、値引券をレシートにバーコード印字したり、商品価格を優待価格に基づいて値引したり、又は商品価格に応じたポイントを付与する等の販売促進活動がおこなわれている。
【0003】
なお、簡単な入力操作で、レシートの所定部分にチラシ広告等の内容をそのまま再現したイメージデータを印字する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、商品登録のために商品ファイルを検索した際に入力商品コードに対応する商品に関する顧客層別の注意喚起メッセージがあると判別された場合に当該商品および顧客層をメモリに記憶し、顧客層別締めキーを用いて顧客層別締め操作がなされた場合でかつメモリに当該顧客層および商品が記憶されている場合に当該商品および顧客層に関する注意喚起メッセージを表示器に表示する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−78925号公報
【特許文献2】特開2001−266253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した販売促進活動は、会員に対して発行された会員カードを利用して販売促進活動を行うため、会員カードを用いない店舗においては販売促進活動を実施することができない場合があり、販売促進活動が制限されてしまう可能性がある。
【0006】
また、顧客が商品購入時の決済に用いる媒体(以下、締めメディアと称する。)としては、現金,デビットカード,クレジットカードに限らず、プリペイドカード,携帯端末装置やICカードに蓄積された電子マネー、クーポン券の多様な締めメディアが考えられる。さらに、値引きするためのポイント,優待券,割引券,値引券を用いて値引きした後、上述した締めメディアを用いて決済を行う場合も考えられる。このように締めメディアは多種多様なものが存在しているが、締めメディアに応じた販売促進活動は行われていなかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、店舗において顧客が商品購入時に使用する締めメディアに応じて販売促進活動を行うことができる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、販売商品データを処理する商品販売データ処理手段と、商品の決済を行う締めメディアを指定する締めメディア指定手段と、少なくとも販売を促進するための販売促進活動の内容に応じたメッセージを示す印字データを記憶する印字データ記憶手段と、印字データ記憶手段に記憶された印字データを選択する設定および販売促進活動を実施するか否かに関する条件の設定を締めメディア毎に設定する設定手段と、締メディア指定手段で締めメディアが指定されたときに、その締めメディアに応じて設定された条件を満たすか否かを判断する判断手段と、この判断手段で条件を満たすと判断した場合に設定手段で締めメディアに設定された印字データをレシートに印字する販売促進レシート発行手段とを具備するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、店舗において顧客が商品購入時に使用する締めメディアに応じて販売促進活動を行うことができる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は例えばスーパーマーケット,コンビニエンスストア,百貨店等の店舗に設置されるPOSターミナルに本発明を適用した場合で説明する。
【0011】
図1は本実施の形態におけるPOSターミナルが接続されるネットワークシステムの概略構成を示す図である。このネットワークシステムは、LAN1に、3台のPOSターミナル2と、1台のストアコンピュータ3を接続してなるものである。また、ストアコンピュータ3は、クレジットカードの決済に関する問い合わせを受け付けるサーバ4とネットワーク5を介して接続している。なお、POSターミナル2の接続台数は、本実施の形態のものに限定されるものではない。
【0012】
図2は、POSターミナル2の外観の一例を示す図である。POSターミナル2は、顧客が買上げる商品の販売データをメモリに登録し、登録を完了すると、その顧客が買上げた商品の明細等を印字した買上レシートを発行する商品販売データ処理装置として機能する。POSターミナル2は、正面にキーボード11、モードスイッチ12及びオペレータ用のタッチパネル付ディスプレイ13を設けており、背面に顧客用のディスプレイ14を設けている。また、レシート印字及びジャーナル印字を行なうためのプリンタ15を内蔵しており、このプリンタ15で印字されたレシートをレシート発行口16から発行するようになっている。さらに、現金等を収容するためのドロワ17を備えるとともに、バーコードを読み取るためのスキャナ18を接続している。また、キーボード11の図中右側には、クレジットカードからデータを読み取るためのカードリーダ19が設けられている。キーボード11は、数値データを置数入力するための置数キーの他、PLUキー,小計キー,現計キー,信計キー,各種の締めキー等の各種ファンクションキーを配設したものである。締めキーは、現金,デビットカード,クレジットカード,プリペイドカード,携帯端末装置やICカードに蓄積された電子マネー、クーポン券等の全ての締めメディアを用いることができるように締めメディアとキーとが一対一で対応付けられて締めメディアの数に応じて設けられている。モードスイッチ12は、登録モード,点検モード,精算モード等の各種業務モードを選択するためのものである。
【0013】
図3はPOSターミナル2の要部構成を示すブロック図である。POSターミナル2は、制御部本体を構成するCPU21に、プログラム等を格納したROM22、各種のデータを記憶するRAM23、現在の日時を計時する時計部24、I/Oポート25、LANコントローラ26、キーボードコントローラ27、タッチパネルコントローラ28、ディスプレイコントローラ29、プリンタコントローラ30、スキャナインタフェース(I/F)31、カードリーダコントローラ32等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。そして、I/Oポート25にモードスイッチ12とドロワ17の自動開放装置17Aとを接続し、LANコントローラ26にLAN1を接続し、キーボードコントローラ27にキーボード11を接続し、タッチパネルコントローラ28にタッチパネル付ディスプレイ13のタッチパネルセンサ13Aとディスプレイ部13Bとを接続し、ディスプレイコントローラ29にディスプレイ14を接続し、プリンタコントローラ30にプリンタ15を接続し、スキャナインタフェース31にスキャナ18を接続し、カードリーダコントローラ32にカードリーダ19を接続している。
【0014】
LANコントローラ26は、LAN1を通じて行なうデータ通信を制御する。キーボードコントローラ27は、キーボード11から操作されたキーに対応するキー信号を取り込みCPU21に知らせる。タッチパネルコントローラ28は、CPU21からの指令によりディスプレイ部13Bに各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ13Aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU21に知らせる。ディスプレイコントローラ29は、表示データに対応した文字等をディスプレイ14に表示させる。プリンタコントローラ30は、プリンタ15によるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナインタフェース31は、スキャナ18にてスキャニングされたバーコードデータを入力する。カードリーダコントローラ32は、カードリーダ19にて読み取られたカードデータを入力する。
【0015】
POSターミナル2のRAM23には、締めキーステータスに関する設定を記憶する締めキーステータステーブルT1、商品の販売促進活動を実施するか否かに関する条件を設定する販売促進条件テーブルT2,販売促進を行うためのメッセージ等を示す印字データを記憶した販売促進レシートメッセージテーブルT3等を形成している。
【0016】
図4は、締めキーステータステーブルT1の設定内容を示す図である。図4に示すように、締めキーステータスとして、コード,キー名称,販売促進なし/あり,販売促進条件テーブルNO.の各項目を設定できるようになっている。これらの項目に設定する内容としては、コードには締めIDが、キー名称には締めメディア名が、販売促進なし/ありには、販売促進なしの場合には「0」,販売促進ありの場合には「1」が、販売促進条件テーブルNO.には参照する販売促進条件テーブルNO.が格納される。なお、コードの項目に格納される締めIDには、キーボード11上の各種の締めキーに割り当てられたコードの番号が格納される。
【0017】
図5は、販売促進条件テーブルT2(設定手段)の設定内容を示す図である。図5に示すように、コード,区分,値,期間有無,期間FROM,期間END,金銭基準有無,達成金額(以上)の各項目を設定できるようになっている。これらの各項目に設定する内容としては、コードには、販売促進レシートメッセージテーブルT3のテーブルコードが、区分にはメッセージのみの場合には「0」,割引の場合には「1」,値引の場合には「2」,ポイント値の場合には「3」が、値には割引レート,値引金額,ポイント値のいずれかが、期間有無には期間なしの場合は「0」,期間ありの場合には「1」が、期間FROMには販売促進活動の期間の開始を示す日時が、期間ENDには販売促進活動の期間の終了を示す日時が、金額基準有無には金額基準がない場合には「0」,金額基準がある場合には「1」が、達成金額基準(以上)には決済時に支払われた金額がいくら以上であった場合に販売促進活動を行うかの基準となる金額が設定される。
【0018】
図6は、販売促進レシートメッセージテーブルT3(印字データ記憶手段)を設定内容示す図である。図6に示すように、コード,メッセージ1から7,ステータス1,2の各項目の内容を設定できるようになっている。コードには販売促進レシートNO.を示すコードが、メッセージ1からメッセージ7にはそれぞれ全角22文字からなる販売促進活動の内容を示すメッセージが、ステータス1には、バーコード印字をする場合(例えば、販売促進活動が値引券の発行である場合には、その値引券の値引金額に相当する金額等を示すバーコードが印字される。)には「0」,バーコード印字をしない場合には「1」が、ステータス2には、販売促進レシートを1回のみ発行する場合には「0」,所定の複数回発行する場合には「1」が設定される。
【0019】
上述した締めキーステータステーブルT1、販売促進条件テーブルT2、販売促進レシートメッセージテーブルT3の設定は、例えば、店舗の閉開店業務において、ストアコンピュータ3から店舗の運営スケジュールに沿って設定内容を各POSターミナル2に配信することにより行うこととする。
【0020】
図7から図9は、図4から図6を用いて説明した締めキーステータステーブルT1,販売促進条件テーブルT2,販売促進レシートメッセージテーブルT3の設定例を示す図である。設定例として、販売期間が2005年1月1日から2005年12月31日,有効締めメディアがクレジットカード,達成金額は10,000円以上,販売促進活動の内容は、100円の値引券をレシートにバーコード印字する場合で説明する。
【0021】
図7に示す締めキーステータステーブルT1aの設定例に示すように、締めIDのコードには「19」(キーボード11のキーのうちクレジット決済による締め処理を行うために設定されたキーに対応するコード)、キー名称には「クレジット」、販売促進なし/ありにはありを示す「1」、販売促進条件テーブルNO.には「1」が設定されている。
【0022】
図8に示す販売促進条件テーブルT2aの設定例に示すように、販売促進レシートメッセージテーブルには「1」、区分には値引であることを示す「2」、値には100円の値引きであるため「100」、期間有無には期間があることを示す「1」、期間FROMには「2005/1/1 00:00」、期間ENDには「2005/12/31 12:59」、金額基準有無には基準があることを示す「1」、達成金額(以上)には「¥10,000」が設定されている。
【0023】
図9に示す販売促進レシートメッセージテーブルT3aの設定例に示すように、販売促進レシートNO.には「1」(図8で示した販売促進条件テーブルT2に設定されているコードである。)、メッセージ1からメッセージ7には、クレジット会員である顧客に、クレジットカードを用いて決済を行ったために値引券100円が発行されたことを示す旨のメッセージ、ステータス1にはバーコード印字をするため「0」、ステータス2には1回のみの発行となるため「0」が設定されている。
【0024】
次に、POSターミナル2で商品の販売時にレシート及び販売促進レシートを発行するときにCPU21が実行する処理について説明する。図10は、商品の登録を行い、レシート及び販売促進レシートを印字発行するときにCPU21が実行する処理の要部を示すフローチャートである。モードスイッチ12が登録モードとなっているときに、スキャナ18からデータがスキャニングされるとこの処理を開始する。
【0025】
CPU21は、販売商品の登録を受け付ける(ST11,商品販売データ処理手段)。すなわち、CPU21はスキャナ18でスキャニングされた商品販売データをRAM23の所定のエリアに格納する。そして、CPU21は締め処理を行うキーとして設定されている締めキーのうちからいずれかの締めキーの入力を受け付けた否かを判断する(ST12,締めメディア指定手段)。
【0026】
締めキーの入力を受け付けたと判断しないと(ST12,NO)、CPU21は販売商品の登録を受け付ける。一方、締めキーの入力を受け付けたと判断すると(ST12,YES)、CPU21は販売商品として登録された商品に関するデータ等をレシートに印字するためのレシート印字データの処理を行う(ST13)。そして、CPU21は、プリンタコントローラ30を制御して、店のロゴ,現在時刻,販売商品,値段などが印字されたレシートをレシート発行口16から発行する(ST14)。
【0027】
続いて、CPU21は締め処理として使用された締めキーは販売促進の対象となっているか否かを判断する(ST15)。具体的には、CPU21は締めキーのコードと一致するコードの締めキーステータステーブルT1を参照し、そのテーブルの販売なし/ありの項目が「1」となっているか否かを判断する。例えば、キーボード11上のクレジットカードで決済するためのクレジットキーが入力された場合には、締めキーステータステーブルT1のコードが「19」となっている図7に示す締めキーステータステーブルT1aが参照され、さらに、販売なし/ありの項目が「1」となっているため販売促進の対象となっていると判断される。なお、この処理は上記レシートを発行する処理と同時に行うようしても良い。
【0028】
締めキーが販売促進の対象となっているキーと判断すると(ST15,YES)、CPU21はその販売促進活動の販売促進期間内か否かを判断する(ST16)。具体的には、CPU21は、ステップST15で参照した締めキーステータステーブルT1の販売促進条件テーブルNO.の項目に設定されている番号の販売促進条件テーブルT2を参照し、時計部24から取得した現在時刻が、そのテーブルT2の期間FROMに設定された日時と、期間ENDに設定された日時との間であるか否かを判断する。例えば、図7に示す締めキーステータステーブルT1が参照された場合には、販売促進条件テーブルNO.に「1」が設定されているため、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照され、現在時刻が、期間FROMに設定されている2005年1月1日0時、期間ENDに設定されている2005年12月31日23時59分までの間であるか否かが判断される。
【0029】
販売促進期間内と判断すると(ST16,YES)、CPU21はステップST16で参照した販売促進条件テーブルT2に、金額基準ありと設定されているか否かを判断する(ST17)。具体的には、CPU21は参照した販売促進条件テーブルT2の金額基準有無の項目に「1」が設定されていれば金額基準ありと判断し、「0」が設定されていれば金額基準なし(金額基準ありではない)と判断する。例えば、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照された場合には、金額基準有無の項目に「1」が設定されているため、金額基準ありと判断される。
【0030】
金額基準ありと判断すると(ST17,YES)、CPU21は締めキーの入力により締められた販売商品の金額が達成金額以上か否かを判断する(ST18)。具体的には、CPU21はステップST11において登録を受け付けた販売商品の合計金額が、ステップST16で参照した販売促進条件テーブルT2の達成金額(以上)の項目に設定されている金額以上か否かを判断する。例えば、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照された場合には、達成金額(以上)の項目に、10,000円が設定されているため、販売商品の合計金額が10,000円以上であるか否かが判断される。なお、上記ステップST15からST18により判断手段を構成している。
【0031】
金額基準ありでないと判断したとき(ST17,NO)、又は達成金額以上であると判断すると(ST18,YES)、CPU21は販売促進条件に合致した場合の販売促進レシート印字データの処理を行う(ST19)。具体的には、CPU21は、ステップST16で参照した販売促進条件テーブルT2のコードの項目に設定されたコードと一致するコードの販売促進レシートメッセージテーブルT3を参照し、その販売促進レシートメッセージテーブルT3の設定内容に基づいて、印字データの処理を行う。例えば、図8に示す販売促進条件テーブルT2aのコードの項目に設定された「1」に対応する販売促進レシートメッセージテーブルT3aが参照された場合には、クレジットカードの会員である顧客に、クレジットカードを用いて決済を行ったために値引券100円が発行されたことを示す旨のメッセージとともに100円の値引券を示すバーコード印字をレシートに印字して1回発行するための処理が行われる。
【0032】
このようにレシートに印字する販売促進レシート印字データの処理が行われると、CPU21は、販売促進レシートを発行する(ST20,販促レシート発行手段)。すなわち、CPU21はプリンタコントローラ30を制御してレシートに販売促進レシート印字データを印字し、このデータが印字された販売促進レシートをレシート発行口16から発行する。
【0033】
次に、このように構成されたPOSターミナル2の作用について説明する。2005年4月1日に、顧客が商品として10,500円の冬物セーターをクレジットカードで決済して購入する場合で説明する。また、POSターミナル2のRAM23には、図7から図9を参照して説明した締めキーステータステーブルT1,販売促進条件テーブルT2,販売促進レシートメッセージテーブルT3がクレジットカードの締めキーに対応して設定されていることとする。
【0034】
顧客から商品を渡されたキャッシャは、商品に付けられたタグのバーコードをPOSターミナル2のスキャナ18を用いて読み取る。これにより、当該商品の値段等の商品情報がPOSターミナル2に登録される。なお商品情報は、キャッシャはディスプレイ部13Bで、顧客はディスプレイ14で確認できる。
【0035】
顧客がキャッシャにクレジットカードで商品の代金をクレジットカードで支払う旨を伝えると、キャッシャはクレジットカードを受け取り、そのクレジットカードをカードリーダ19で読み取らせる。POSターミナル2は、クレジットカードから読み取った所定のデータをストアコンピュータ3を介してサーバ4へ問い合わせを行い、決済が可能であるか否かを確認する。決済が可能である場合は、キャッシャはクレジットカードでの決済用に割り当てられたキーボード11上の締めキーを押下する。
【0036】
これにより、商品の代金をクレジットカードで決済するための処理がPOSターミナル2で実行される。そして、店のロゴ,販売時刻,販売商品,値段などが印字されたレシートが3枚レシート発行口から発行される。1枚はクレジットカード会社用であり、1枚は店用であり、最後の1枚は、顧客用控えである。図11は顧客用控えのレシートを示す図である。レシートには、10,500円の冬物セーターを1点購入したことが印字されている。
【0037】
また、締めキーが入力されたときに、その締めキーに対応する図7に示す締めキーステータステーブルT1aの販売促進なし/ありの項目の設定「1」が参照され、続いて、販売促進条件テーブルNO.の項目の設定「1」に基づいて、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照される。販売促進条件テーブルT2aには、販売促進の対象となっている期間は、2005年1月1日から2005年12月31日であり、合計10,000円以上の商品を購入した場合である場合に販売促進活動の対象となることが条件として設定されている。顧客のクレジットカードによる決済はこの条件を満たすため、販売促進活動の対象となる。したがって、販売促進条件テーブルT2aに設定されている図9に示す販売促進レシートメッセージテーブルT3aが参照され、その内容が印字された販売促進レシートが上述したレシートに続いてレシート発行口16から発行される。キャッシャは、この販売促進レシートを顧客に渡す。
【0038】
図12は、この販売促進レシートの一例を示す図である。クレジットカード利用の顧客に発行される100円の値引券であることを示す内容とともに、100円の値引券を示すデータが印字されたバーコードなどが印字されている。顧客は、次回の買い物をするときに、この値引券を使用することにより100円の値引きを受けることができる。
【0039】
なお、上述の条件に合致しない場合、例えば商品の合計値段が9,500円である場合は、販売促進レシートは発行されない。すなわち、販売促進レシートは、締めキーステータステーブルT1の販売促進なし/ありの項目に販売促進ありを示す「1」が設定されていない場合、販売促進期間から外れている場合、達成金額未満である場合には、発行されない。
【0040】
この実施の形態のPOSターミナル2によると、決済に用いられる締めメディアに対応する締めキーに、予め販売促進活動の対象となる締めメディアであるか否かを設定しておき、締めキーに対応する販売促進条件テーブルT2に設定された販売促進期間,達成金額についての販売促進条件を見たす場合に、予め設定された販売促進活動の内容を示すメッセージ、必要がある場合には値引券を示すバーコードなどを印字した販売促進レシートを発行することができるので、顧客が商品購入時に使用する締めメディアに応じて販売促進活動を行うことができる。
【0041】
すなわち、現金,デビットカード,クレジットカード,プリペイドカード,携帯端末装置やICカードに蓄積された電子マネー、クーポン券等の多様な締めメディアに応じた販売促進活動を行うことができ、ある特定の締めメディアを優遇した条件に設定しておけば、その締めメディアに顧客を囲い込む手段として用いることが可能となる。
【0042】
また、販売促進条件テーブルT2の期間FROMと、期間ENDの設定を変更することにより、販売促進活動の期間を自由に設定することが可能であるため、締めメディアに応じた短期間の販売促進活動(キャンペーン)にも、利用可能である。
【0043】
上述した実施の形態では、顧客がクレジットカードのみで商品の支払いを行う場合で説明しているが、複数の締めメディアで商品の支払いをする場合も考えられる。この場合は、CPU21によって、それぞれの締めキーに応じて販売促進レシートを発行するか否かが判断される。例えば、20,000円の商品を購入する際に、クレジットカードと現金と2つの締めメディアを用いて支払う場合に、クレジットカードで10,000円、現金で10,000万円を支払う場合にはクレジットカードは図8に示す販売促進条件を満たすため(販売促進期間は満たすこととする。)、販売促進レシートが発行され、また、現金10,000円で予め販売促進ありが設定されておりかつ販売促進条件を満たす場合にはその条件に設定された販売促進レシートが発行される。すなわち、この場合はPOSターミナル2から2つの販売促進レシートが発行される。このように、2つ以上の締めメディアを用いて決済を行った場合も、各締めメディア毎に販売促進条件テーブルT2が参照され、条件を満たす場合には販売促進レシートが発行される。
【0044】
また、図13から図15は、販売促進レシートの一例を示す図である。図13は、クレジットカードを使用したときに、粗品をプレゼントする販売促進活動を行っている場合の販売促進レシートを示す図である。また、図14は、クレジットカードを使用したときに、宝くじの抽選券をプレゼントする販売促進活動を行っている場合の販売促進レシートを示す図である。さらに図15は、クレジットカードを使用したときに、おみくじを発行する販売促進活動を行っている場合の販売促進レシートを示す図である。これらの販売促進レシートは、クレジットカードを使用したときに、販売促進条件テーブルT2に設定されている販売促進期間及び達成金額の条件を満たす場合にPOSターミナル2から発行され、顧客にキャッシャから渡される。このように、販売促進活動に関する内容は自由に設定することが可能である。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態におけるPOSターミナルが接続されるシステムを示す図。
【図2】同実施の形態におけるPOSターミナルの外観の一例を示す図。
【図3】同実施の形態におけるPOSターミナルの要部構成を示す図。
【図4】同実施の形態における締めキーステータステーブルに設定される内容を説明するための図。
【図5】同実施の形態における販売促進条件テーブルに設定される内容を説明するための図。
【図6】同実施の形態における販売促進レシートメッセージテーブルに設定される内容を説明するための図。
【図7】同実施の形態における締めキーステータステーブルの設定例を示す図。
【図8】同実施の形態における販売促進条件テーブルの設定例を示す図。
【図9】同実施の形態における販売促進レシートメッセージテーブルの設定例を示す図。
【図10】同実施の形態における販売促進レシートを印字発行するときの処理の要部を示すフローチャート。
【図11】同実施の形態における顧客用控えレシートの一例を示す図。
【図12】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【図13】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【図14】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【図15】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【符号の説明】
【0047】
2…POSターミナル,3…ストアコンピュータ,11…キーボード,18…スキャナ,19…カードリーダ,21…CPU,22…ROM,23…RAM,T1,T1a…締めキーステータステーブル,T2,T2a…販売促進条件テーブル,T3,T3a…販売促進レシートメッセージテーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売した商品のデータ処理を行う商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット,コンビニエンスストア,百貨店等の商品の販売を行う店舗において商品の販売を促進するために、例えば会員カードを提示した顧客に対して所定の条件を満たす場合に、販売促進のためのメッセージをレシートに印字したり、値引券をレシートにバーコード印字したり、商品価格を優待価格に基づいて値引したり、又は商品価格に応じたポイントを付与する等の販売促進活動がおこなわれている。
【0003】
なお、簡単な入力操作で、レシートの所定部分にチラシ広告等の内容をそのまま再現したイメージデータを印字する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、商品登録のために商品ファイルを検索した際に入力商品コードに対応する商品に関する顧客層別の注意喚起メッセージがあると判別された場合に当該商品および顧客層をメモリに記憶し、顧客層別締めキーを用いて顧客層別締め操作がなされた場合でかつメモリに当該顧客層および商品が記憶されている場合に当該商品および顧客層に関する注意喚起メッセージを表示器に表示する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−78925号公報
【特許文献2】特開2001−266253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した販売促進活動は、会員に対して発行された会員カードを利用して販売促進活動を行うため、会員カードを用いない店舗においては販売促進活動を実施することができない場合があり、販売促進活動が制限されてしまう可能性がある。
【0006】
また、顧客が商品購入時の決済に用いる媒体(以下、締めメディアと称する。)としては、現金,デビットカード,クレジットカードに限らず、プリペイドカード,携帯端末装置やICカードに蓄積された電子マネー、クーポン券の多様な締めメディアが考えられる。さらに、値引きするためのポイント,優待券,割引券,値引券を用いて値引きした後、上述した締めメディアを用いて決済を行う場合も考えられる。このように締めメディアは多種多様なものが存在しているが、締めメディアに応じた販売促進活動は行われていなかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、店舗において顧客が商品購入時に使用する締めメディアに応じて販売促進活動を行うことができる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、販売商品データを処理する商品販売データ処理手段と、商品の決済を行う締めメディアを指定する締めメディア指定手段と、少なくとも販売を促進するための販売促進活動の内容に応じたメッセージを示す印字データを記憶する印字データ記憶手段と、印字データ記憶手段に記憶された印字データを選択する設定および販売促進活動を実施するか否かに関する条件の設定を締めメディア毎に設定する設定手段と、締メディア指定手段で締めメディアが指定されたときに、その締めメディアに応じて設定された条件を満たすか否かを判断する判断手段と、この判断手段で条件を満たすと判断した場合に設定手段で締めメディアに設定された印字データをレシートに印字する販売促進レシート発行手段とを具備するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、店舗において顧客が商品購入時に使用する締めメディアに応じて販売促進活動を行うことができる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は例えばスーパーマーケット,コンビニエンスストア,百貨店等の店舗に設置されるPOSターミナルに本発明を適用した場合で説明する。
【0011】
図1は本実施の形態におけるPOSターミナルが接続されるネットワークシステムの概略構成を示す図である。このネットワークシステムは、LAN1に、3台のPOSターミナル2と、1台のストアコンピュータ3を接続してなるものである。また、ストアコンピュータ3は、クレジットカードの決済に関する問い合わせを受け付けるサーバ4とネットワーク5を介して接続している。なお、POSターミナル2の接続台数は、本実施の形態のものに限定されるものではない。
【0012】
図2は、POSターミナル2の外観の一例を示す図である。POSターミナル2は、顧客が買上げる商品の販売データをメモリに登録し、登録を完了すると、その顧客が買上げた商品の明細等を印字した買上レシートを発行する商品販売データ処理装置として機能する。POSターミナル2は、正面にキーボード11、モードスイッチ12及びオペレータ用のタッチパネル付ディスプレイ13を設けており、背面に顧客用のディスプレイ14を設けている。また、レシート印字及びジャーナル印字を行なうためのプリンタ15を内蔵しており、このプリンタ15で印字されたレシートをレシート発行口16から発行するようになっている。さらに、現金等を収容するためのドロワ17を備えるとともに、バーコードを読み取るためのスキャナ18を接続している。また、キーボード11の図中右側には、クレジットカードからデータを読み取るためのカードリーダ19が設けられている。キーボード11は、数値データを置数入力するための置数キーの他、PLUキー,小計キー,現計キー,信計キー,各種の締めキー等の各種ファンクションキーを配設したものである。締めキーは、現金,デビットカード,クレジットカード,プリペイドカード,携帯端末装置やICカードに蓄積された電子マネー、クーポン券等の全ての締めメディアを用いることができるように締めメディアとキーとが一対一で対応付けられて締めメディアの数に応じて設けられている。モードスイッチ12は、登録モード,点検モード,精算モード等の各種業務モードを選択するためのものである。
【0013】
図3はPOSターミナル2の要部構成を示すブロック図である。POSターミナル2は、制御部本体を構成するCPU21に、プログラム等を格納したROM22、各種のデータを記憶するRAM23、現在の日時を計時する時計部24、I/Oポート25、LANコントローラ26、キーボードコントローラ27、タッチパネルコントローラ28、ディスプレイコントローラ29、プリンタコントローラ30、スキャナインタフェース(I/F)31、カードリーダコントローラ32等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。そして、I/Oポート25にモードスイッチ12とドロワ17の自動開放装置17Aとを接続し、LANコントローラ26にLAN1を接続し、キーボードコントローラ27にキーボード11を接続し、タッチパネルコントローラ28にタッチパネル付ディスプレイ13のタッチパネルセンサ13Aとディスプレイ部13Bとを接続し、ディスプレイコントローラ29にディスプレイ14を接続し、プリンタコントローラ30にプリンタ15を接続し、スキャナインタフェース31にスキャナ18を接続し、カードリーダコントローラ32にカードリーダ19を接続している。
【0014】
LANコントローラ26は、LAN1を通じて行なうデータ通信を制御する。キーボードコントローラ27は、キーボード11から操作されたキーに対応するキー信号を取り込みCPU21に知らせる。タッチパネルコントローラ28は、CPU21からの指令によりディスプレイ部13Bに各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ13Aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU21に知らせる。ディスプレイコントローラ29は、表示データに対応した文字等をディスプレイ14に表示させる。プリンタコントローラ30は、プリンタ15によるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナインタフェース31は、スキャナ18にてスキャニングされたバーコードデータを入力する。カードリーダコントローラ32は、カードリーダ19にて読み取られたカードデータを入力する。
【0015】
POSターミナル2のRAM23には、締めキーステータスに関する設定を記憶する締めキーステータステーブルT1、商品の販売促進活動を実施するか否かに関する条件を設定する販売促進条件テーブルT2,販売促進を行うためのメッセージ等を示す印字データを記憶した販売促進レシートメッセージテーブルT3等を形成している。
【0016】
図4は、締めキーステータステーブルT1の設定内容を示す図である。図4に示すように、締めキーステータスとして、コード,キー名称,販売促進なし/あり,販売促進条件テーブルNO.の各項目を設定できるようになっている。これらの項目に設定する内容としては、コードには締めIDが、キー名称には締めメディア名が、販売促進なし/ありには、販売促進なしの場合には「0」,販売促進ありの場合には「1」が、販売促進条件テーブルNO.には参照する販売促進条件テーブルNO.が格納される。なお、コードの項目に格納される締めIDには、キーボード11上の各種の締めキーに割り当てられたコードの番号が格納される。
【0017】
図5は、販売促進条件テーブルT2(設定手段)の設定内容を示す図である。図5に示すように、コード,区分,値,期間有無,期間FROM,期間END,金銭基準有無,達成金額(以上)の各項目を設定できるようになっている。これらの各項目に設定する内容としては、コードには、販売促進レシートメッセージテーブルT3のテーブルコードが、区分にはメッセージのみの場合には「0」,割引の場合には「1」,値引の場合には「2」,ポイント値の場合には「3」が、値には割引レート,値引金額,ポイント値のいずれかが、期間有無には期間なしの場合は「0」,期間ありの場合には「1」が、期間FROMには販売促進活動の期間の開始を示す日時が、期間ENDには販売促進活動の期間の終了を示す日時が、金額基準有無には金額基準がない場合には「0」,金額基準がある場合には「1」が、達成金額基準(以上)には決済時に支払われた金額がいくら以上であった場合に販売促進活動を行うかの基準となる金額が設定される。
【0018】
図6は、販売促進レシートメッセージテーブルT3(印字データ記憶手段)を設定内容示す図である。図6に示すように、コード,メッセージ1から7,ステータス1,2の各項目の内容を設定できるようになっている。コードには販売促進レシートNO.を示すコードが、メッセージ1からメッセージ7にはそれぞれ全角22文字からなる販売促進活動の内容を示すメッセージが、ステータス1には、バーコード印字をする場合(例えば、販売促進活動が値引券の発行である場合には、その値引券の値引金額に相当する金額等を示すバーコードが印字される。)には「0」,バーコード印字をしない場合には「1」が、ステータス2には、販売促進レシートを1回のみ発行する場合には「0」,所定の複数回発行する場合には「1」が設定される。
【0019】
上述した締めキーステータステーブルT1、販売促進条件テーブルT2、販売促進レシートメッセージテーブルT3の設定は、例えば、店舗の閉開店業務において、ストアコンピュータ3から店舗の運営スケジュールに沿って設定内容を各POSターミナル2に配信することにより行うこととする。
【0020】
図7から図9は、図4から図6を用いて説明した締めキーステータステーブルT1,販売促進条件テーブルT2,販売促進レシートメッセージテーブルT3の設定例を示す図である。設定例として、販売期間が2005年1月1日から2005年12月31日,有効締めメディアがクレジットカード,達成金額は10,000円以上,販売促進活動の内容は、100円の値引券をレシートにバーコード印字する場合で説明する。
【0021】
図7に示す締めキーステータステーブルT1aの設定例に示すように、締めIDのコードには「19」(キーボード11のキーのうちクレジット決済による締め処理を行うために設定されたキーに対応するコード)、キー名称には「クレジット」、販売促進なし/ありにはありを示す「1」、販売促進条件テーブルNO.には「1」が設定されている。
【0022】
図8に示す販売促進条件テーブルT2aの設定例に示すように、販売促進レシートメッセージテーブルには「1」、区分には値引であることを示す「2」、値には100円の値引きであるため「100」、期間有無には期間があることを示す「1」、期間FROMには「2005/1/1 00:00」、期間ENDには「2005/12/31 12:59」、金額基準有無には基準があることを示す「1」、達成金額(以上)には「¥10,000」が設定されている。
【0023】
図9に示す販売促進レシートメッセージテーブルT3aの設定例に示すように、販売促進レシートNO.には「1」(図8で示した販売促進条件テーブルT2に設定されているコードである。)、メッセージ1からメッセージ7には、クレジット会員である顧客に、クレジットカードを用いて決済を行ったために値引券100円が発行されたことを示す旨のメッセージ、ステータス1にはバーコード印字をするため「0」、ステータス2には1回のみの発行となるため「0」が設定されている。
【0024】
次に、POSターミナル2で商品の販売時にレシート及び販売促進レシートを発行するときにCPU21が実行する処理について説明する。図10は、商品の登録を行い、レシート及び販売促進レシートを印字発行するときにCPU21が実行する処理の要部を示すフローチャートである。モードスイッチ12が登録モードとなっているときに、スキャナ18からデータがスキャニングされるとこの処理を開始する。
【0025】
CPU21は、販売商品の登録を受け付ける(ST11,商品販売データ処理手段)。すなわち、CPU21はスキャナ18でスキャニングされた商品販売データをRAM23の所定のエリアに格納する。そして、CPU21は締め処理を行うキーとして設定されている締めキーのうちからいずれかの締めキーの入力を受け付けた否かを判断する(ST12,締めメディア指定手段)。
【0026】
締めキーの入力を受け付けたと判断しないと(ST12,NO)、CPU21は販売商品の登録を受け付ける。一方、締めキーの入力を受け付けたと判断すると(ST12,YES)、CPU21は販売商品として登録された商品に関するデータ等をレシートに印字するためのレシート印字データの処理を行う(ST13)。そして、CPU21は、プリンタコントローラ30を制御して、店のロゴ,現在時刻,販売商品,値段などが印字されたレシートをレシート発行口16から発行する(ST14)。
【0027】
続いて、CPU21は締め処理として使用された締めキーは販売促進の対象となっているか否かを判断する(ST15)。具体的には、CPU21は締めキーのコードと一致するコードの締めキーステータステーブルT1を参照し、そのテーブルの販売なし/ありの項目が「1」となっているか否かを判断する。例えば、キーボード11上のクレジットカードで決済するためのクレジットキーが入力された場合には、締めキーステータステーブルT1のコードが「19」となっている図7に示す締めキーステータステーブルT1aが参照され、さらに、販売なし/ありの項目が「1」となっているため販売促進の対象となっていると判断される。なお、この処理は上記レシートを発行する処理と同時に行うようしても良い。
【0028】
締めキーが販売促進の対象となっているキーと判断すると(ST15,YES)、CPU21はその販売促進活動の販売促進期間内か否かを判断する(ST16)。具体的には、CPU21は、ステップST15で参照した締めキーステータステーブルT1の販売促進条件テーブルNO.の項目に設定されている番号の販売促進条件テーブルT2を参照し、時計部24から取得した現在時刻が、そのテーブルT2の期間FROMに設定された日時と、期間ENDに設定された日時との間であるか否かを判断する。例えば、図7に示す締めキーステータステーブルT1が参照された場合には、販売促進条件テーブルNO.に「1」が設定されているため、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照され、現在時刻が、期間FROMに設定されている2005年1月1日0時、期間ENDに設定されている2005年12月31日23時59分までの間であるか否かが判断される。
【0029】
販売促進期間内と判断すると(ST16,YES)、CPU21はステップST16で参照した販売促進条件テーブルT2に、金額基準ありと設定されているか否かを判断する(ST17)。具体的には、CPU21は参照した販売促進条件テーブルT2の金額基準有無の項目に「1」が設定されていれば金額基準ありと判断し、「0」が設定されていれば金額基準なし(金額基準ありではない)と判断する。例えば、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照された場合には、金額基準有無の項目に「1」が設定されているため、金額基準ありと判断される。
【0030】
金額基準ありと判断すると(ST17,YES)、CPU21は締めキーの入力により締められた販売商品の金額が達成金額以上か否かを判断する(ST18)。具体的には、CPU21はステップST11において登録を受け付けた販売商品の合計金額が、ステップST16で参照した販売促進条件テーブルT2の達成金額(以上)の項目に設定されている金額以上か否かを判断する。例えば、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照された場合には、達成金額(以上)の項目に、10,000円が設定されているため、販売商品の合計金額が10,000円以上であるか否かが判断される。なお、上記ステップST15からST18により判断手段を構成している。
【0031】
金額基準ありでないと判断したとき(ST17,NO)、又は達成金額以上であると判断すると(ST18,YES)、CPU21は販売促進条件に合致した場合の販売促進レシート印字データの処理を行う(ST19)。具体的には、CPU21は、ステップST16で参照した販売促進条件テーブルT2のコードの項目に設定されたコードと一致するコードの販売促進レシートメッセージテーブルT3を参照し、その販売促進レシートメッセージテーブルT3の設定内容に基づいて、印字データの処理を行う。例えば、図8に示す販売促進条件テーブルT2aのコードの項目に設定された「1」に対応する販売促進レシートメッセージテーブルT3aが参照された場合には、クレジットカードの会員である顧客に、クレジットカードを用いて決済を行ったために値引券100円が発行されたことを示す旨のメッセージとともに100円の値引券を示すバーコード印字をレシートに印字して1回発行するための処理が行われる。
【0032】
このようにレシートに印字する販売促進レシート印字データの処理が行われると、CPU21は、販売促進レシートを発行する(ST20,販促レシート発行手段)。すなわち、CPU21はプリンタコントローラ30を制御してレシートに販売促進レシート印字データを印字し、このデータが印字された販売促進レシートをレシート発行口16から発行する。
【0033】
次に、このように構成されたPOSターミナル2の作用について説明する。2005年4月1日に、顧客が商品として10,500円の冬物セーターをクレジットカードで決済して購入する場合で説明する。また、POSターミナル2のRAM23には、図7から図9を参照して説明した締めキーステータステーブルT1,販売促進条件テーブルT2,販売促進レシートメッセージテーブルT3がクレジットカードの締めキーに対応して設定されていることとする。
【0034】
顧客から商品を渡されたキャッシャは、商品に付けられたタグのバーコードをPOSターミナル2のスキャナ18を用いて読み取る。これにより、当該商品の値段等の商品情報がPOSターミナル2に登録される。なお商品情報は、キャッシャはディスプレイ部13Bで、顧客はディスプレイ14で確認できる。
【0035】
顧客がキャッシャにクレジットカードで商品の代金をクレジットカードで支払う旨を伝えると、キャッシャはクレジットカードを受け取り、そのクレジットカードをカードリーダ19で読み取らせる。POSターミナル2は、クレジットカードから読み取った所定のデータをストアコンピュータ3を介してサーバ4へ問い合わせを行い、決済が可能であるか否かを確認する。決済が可能である場合は、キャッシャはクレジットカードでの決済用に割り当てられたキーボード11上の締めキーを押下する。
【0036】
これにより、商品の代金をクレジットカードで決済するための処理がPOSターミナル2で実行される。そして、店のロゴ,販売時刻,販売商品,値段などが印字されたレシートが3枚レシート発行口から発行される。1枚はクレジットカード会社用であり、1枚は店用であり、最後の1枚は、顧客用控えである。図11は顧客用控えのレシートを示す図である。レシートには、10,500円の冬物セーターを1点購入したことが印字されている。
【0037】
また、締めキーが入力されたときに、その締めキーに対応する図7に示す締めキーステータステーブルT1aの販売促進なし/ありの項目の設定「1」が参照され、続いて、販売促進条件テーブルNO.の項目の設定「1」に基づいて、図8に示す販売促進条件テーブルT2aが参照される。販売促進条件テーブルT2aには、販売促進の対象となっている期間は、2005年1月1日から2005年12月31日であり、合計10,000円以上の商品を購入した場合である場合に販売促進活動の対象となることが条件として設定されている。顧客のクレジットカードによる決済はこの条件を満たすため、販売促進活動の対象となる。したがって、販売促進条件テーブルT2aに設定されている図9に示す販売促進レシートメッセージテーブルT3aが参照され、その内容が印字された販売促進レシートが上述したレシートに続いてレシート発行口16から発行される。キャッシャは、この販売促進レシートを顧客に渡す。
【0038】
図12は、この販売促進レシートの一例を示す図である。クレジットカード利用の顧客に発行される100円の値引券であることを示す内容とともに、100円の値引券を示すデータが印字されたバーコードなどが印字されている。顧客は、次回の買い物をするときに、この値引券を使用することにより100円の値引きを受けることができる。
【0039】
なお、上述の条件に合致しない場合、例えば商品の合計値段が9,500円である場合は、販売促進レシートは発行されない。すなわち、販売促進レシートは、締めキーステータステーブルT1の販売促進なし/ありの項目に販売促進ありを示す「1」が設定されていない場合、販売促進期間から外れている場合、達成金額未満である場合には、発行されない。
【0040】
この実施の形態のPOSターミナル2によると、決済に用いられる締めメディアに対応する締めキーに、予め販売促進活動の対象となる締めメディアであるか否かを設定しておき、締めキーに対応する販売促進条件テーブルT2に設定された販売促進期間,達成金額についての販売促進条件を見たす場合に、予め設定された販売促進活動の内容を示すメッセージ、必要がある場合には値引券を示すバーコードなどを印字した販売促進レシートを発行することができるので、顧客が商品購入時に使用する締めメディアに応じて販売促進活動を行うことができる。
【0041】
すなわち、現金,デビットカード,クレジットカード,プリペイドカード,携帯端末装置やICカードに蓄積された電子マネー、クーポン券等の多様な締めメディアに応じた販売促進活動を行うことができ、ある特定の締めメディアを優遇した条件に設定しておけば、その締めメディアに顧客を囲い込む手段として用いることが可能となる。
【0042】
また、販売促進条件テーブルT2の期間FROMと、期間ENDの設定を変更することにより、販売促進活動の期間を自由に設定することが可能であるため、締めメディアに応じた短期間の販売促進活動(キャンペーン)にも、利用可能である。
【0043】
上述した実施の形態では、顧客がクレジットカードのみで商品の支払いを行う場合で説明しているが、複数の締めメディアで商品の支払いをする場合も考えられる。この場合は、CPU21によって、それぞれの締めキーに応じて販売促進レシートを発行するか否かが判断される。例えば、20,000円の商品を購入する際に、クレジットカードと現金と2つの締めメディアを用いて支払う場合に、クレジットカードで10,000円、現金で10,000万円を支払う場合にはクレジットカードは図8に示す販売促進条件を満たすため(販売促進期間は満たすこととする。)、販売促進レシートが発行され、また、現金10,000円で予め販売促進ありが設定されておりかつ販売促進条件を満たす場合にはその条件に設定された販売促進レシートが発行される。すなわち、この場合はPOSターミナル2から2つの販売促進レシートが発行される。このように、2つ以上の締めメディアを用いて決済を行った場合も、各締めメディア毎に販売促進条件テーブルT2が参照され、条件を満たす場合には販売促進レシートが発行される。
【0044】
また、図13から図15は、販売促進レシートの一例を示す図である。図13は、クレジットカードを使用したときに、粗品をプレゼントする販売促進活動を行っている場合の販売促進レシートを示す図である。また、図14は、クレジットカードを使用したときに、宝くじの抽選券をプレゼントする販売促進活動を行っている場合の販売促進レシートを示す図である。さらに図15は、クレジットカードを使用したときに、おみくじを発行する販売促進活動を行っている場合の販売促進レシートを示す図である。これらの販売促進レシートは、クレジットカードを使用したときに、販売促進条件テーブルT2に設定されている販売促進期間及び達成金額の条件を満たす場合にPOSターミナル2から発行され、顧客にキャッシャから渡される。このように、販売促進活動に関する内容は自由に設定することが可能である。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態におけるPOSターミナルが接続されるシステムを示す図。
【図2】同実施の形態におけるPOSターミナルの外観の一例を示す図。
【図3】同実施の形態におけるPOSターミナルの要部構成を示す図。
【図4】同実施の形態における締めキーステータステーブルに設定される内容を説明するための図。
【図5】同実施の形態における販売促進条件テーブルに設定される内容を説明するための図。
【図6】同実施の形態における販売促進レシートメッセージテーブルに設定される内容を説明するための図。
【図7】同実施の形態における締めキーステータステーブルの設定例を示す図。
【図8】同実施の形態における販売促進条件テーブルの設定例を示す図。
【図9】同実施の形態における販売促進レシートメッセージテーブルの設定例を示す図。
【図10】同実施の形態における販売促進レシートを印字発行するときの処理の要部を示すフローチャート。
【図11】同実施の形態における顧客用控えレシートの一例を示す図。
【図12】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【図13】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【図14】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【図15】同実施の形態における販売促進レシートの一例を示す図。
【符号の説明】
【0047】
2…POSターミナル,3…ストアコンピュータ,11…キーボード,18…スキャナ,19…カードリーダ,21…CPU,22…ROM,23…RAM,T1,T1a…締めキーステータステーブル,T2,T2a…販売促進条件テーブル,T3,T3a…販売促進レシートメッセージテーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売商品データを処理する商品販売データ処理手段と、
商品の決済を行う締めメディアを指定する締めメディア指定手段と、
少なくとも販売を促進するための販売促進活動の内容に応じたメッセージを示す印字データを記憶する印字データ記憶手段と、
前記印字データ記憶手段に記憶された印字データを選択する設定および前記販売促進活動を実施するか否かに関する条件の設定を前記締めメディア毎に設定する設定手段と、
前記締メディア指定手段で締めメディアが指定されたときに、その締めメディアに応じて設定された前記条件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で条件を満たすと判断した場合に前記設定手段で前記締めメディアに設定された印字データをレシートに印字する販売促進レシート発行手段とを具備することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
コンピュータに、
販売商品データを処理させる機能と、
商品の決済を行う締めメディアを指定させる機能と、
少なくとも販売を促進するための販売促進活動の内容に応じたメッセージを示す印字データを記憶させる機能と、
前記記憶させた印字データを選択させる設定および前記販売促進活動を実施させるか否かに関する条件の設定を前記締めメディア毎に設定させる機能と、
前記締メディアを指定させる機能で締めメディアが指定されたときに、その締めメディアに応じて設定させた前記条件を満たすか否かを判断させる機能と、
前記判断させる機能で前記条件を満たすと判断させた場合に前記締めメディアに設定させた印字データをレシートに印字させる機能と、
を実現させる商品販売データ処理プログラム。
【請求項1】
販売商品データを処理する商品販売データ処理手段と、
商品の決済を行う締めメディアを指定する締めメディア指定手段と、
少なくとも販売を促進するための販売促進活動の内容に応じたメッセージを示す印字データを記憶する印字データ記憶手段と、
前記印字データ記憶手段に記憶された印字データを選択する設定および前記販売促進活動を実施するか否かに関する条件の設定を前記締めメディア毎に設定する設定手段と、
前記締メディア指定手段で締めメディアが指定されたときに、その締めメディアに応じて設定された前記条件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で条件を満たすと判断した場合に前記設定手段で前記締めメディアに設定された印字データをレシートに印字する販売促進レシート発行手段とを具備することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
コンピュータに、
販売商品データを処理させる機能と、
商品の決済を行う締めメディアを指定させる機能と、
少なくとも販売を促進するための販売促進活動の内容に応じたメッセージを示す印字データを記憶させる機能と、
前記記憶させた印字データを選択させる設定および前記販売促進活動を実施させるか否かに関する条件の設定を前記締めメディア毎に設定させる機能と、
前記締メディアを指定させる機能で締めメディアが指定されたときに、その締めメディアに応じて設定させた前記条件を満たすか否かを判断させる機能と、
前記判断させる機能で前記条件を満たすと判断させた場合に前記締めメディアに設定させた印字データをレシートに印字させる機能と、
を実現させる商品販売データ処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−4558(P2007−4558A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−184945(P2005−184945)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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