説明

商品販売データ処理装置

【課題】在高金額が設定金額を超える状態を減少させて、防犯上のリスクを軽減する。
【解決手段】商品販売データ処理装置は情報処理を実行する情報処理部、各種情報を入力するための入力部および各種情報を表示する表示部を備える。商品販売データ処理装置では、一取引ごとに、入力部から入力された商品コードに基づく商品販売データ処理が実行される。情報処理部は、入出金装置の在高を把握し、予め設定されている設定金額に対する在高金額の関係を図形表示する在高表示画像151を、表示部の表示面105aに表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等に適した貨幣を収納可能な入出金装置を備えた商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品販売データ処理装置とともに店舗に設置される入出金装置には、万が一強盗に入られた場合を想定し、釣銭として用いられる貨幣(紙幣および硬貨)以外の貨幣が収納されることは防犯上の観点から好ましくない。そこで、商品販売データ処理装置を操作するキャッシャは入出金装置に収納されている貨幣の金額(以下、「在高金額」と表す。)を適宜確認し、必要に応じて貨幣を出金して回収する回収作業を行って、在高金額を必要最低限に抑えておくことが望ましい。
【0003】
しかし、通常、入出金装置において、貨幣は外部から視認できない位置に収納されることが多い。そのため、キャッシャは在高金額を把握しておくことが難しい。
【0004】
この点、特許文献1には、棚卸しボタンが押下されるとドロワ装置に収納されている現金の金種の数および金額を集計する現金集計ジョブを開始し、現金集計ジョブの最後にドロワ装置に収納されている総金額をオペレータ表示機に表示する処理を実行するレジスタが記載されている(特許文献1の段落番号0011、0014〜0015)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−326645公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているレジスタでは、キャッシャが棚卸しボタンを押下するという積極的な操作を行わない限り、キャッシャは在高金額を確認できない。それゆえに、キャッシャは在高金額が回収作業を行うべき設定金額に達したか否かを見極めるために、頻繁に在高金額を確認する操作を行って、回収作業を行うタイミングを見計らわなければならない。このように頻繁に行わなくてはならない在高金額の確認操作は、キャッシャにとって業務上の負担となる。
【0007】
また、在高金額がオペレータ表示機などに表示されてしまうと、キャッシャ以外の者も在高金額を認識することが可能になるため、防犯上のリスクが増大する。
【0008】
本発明の目的は、在高金額が設定金額を超える状態を減少させて、防犯上のリスクを軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明において上記の課題を解決するための手段は、情報処理を実行する情報処理部と、各種情報を入力するための入力部と、各種情報を表示する表示部と、前記情報処理部が、一取引ごとに、前記入力部によって入力された商品コードに基づく商品販売データ処理を実行する手段と、前記情報処理部が、貨幣の入金と収納と払い出しとを実行し自らの在高を認識可能な自動入出金装置から送信された在高金額を受信する手段と、前記情報処理部が、予め設定されている設定金額に対する前記受信した在高金額の関係を図形表示する在高表示画像を前記表示部に表示する手段と、を備える商品販売データ処理装置である。
【0010】
また、本発明において上記の課題を解決するための手段は、情報処理を実行する情報処理部と、各種情報を入力するための入力部と、各種情報を表示する表示部と、前記情報処理部が、一取引ごとに、前記入力部によって入力された商品コードに基づく商品販売データ処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記商品販売データ処理での売上金額と釣銭金額とのデータに基づいてドロワに収納されている貨幣の在高金額の履歴を管理する手段と、前記情報処理部が、予め設定されている設定金額に対する前記管理されている在高金額の関係を図形表示する在高表示画像を前記表示部に表示する手段と、を備える商品販売データ処理装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設定金額と在高金額との関係が図形表示として表示部に表示され、キャッシャは図形表示を見ることで入出金装置に収納されている貨幣の収納状況が認識可能になり、商品取引業務の合間に回収作業を行うタイミングを計りやすくなり、したがって、在高金額が設定金額を超える状態を減少させて、防犯上のリスクを軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の一形態を図1ないし図11に基づいて説明する。
[システム構成の概要]
図1は、全体のシステム構成を示す模式図である。本実施の形態は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等に導入される、商品販売データを集計し管理するためのPOSシステムへの適用例である。
【0013】
本実施の形態のPOSシステム1は、図1に示すように、チェックアウトカウンタ5に設置される複数台のPOS端末101(商品販売データ処理装置)と、バックヤード6に設置される上位機としてのPOS管理サーバ3および出力部としてのプリンタPLとが、LANネットワーク4を介してデータ通信自在に接続して構成されている。POS端末101にはそれぞれ、自動入出金装置としての釣銭機102がデータ通信自在に接続されている。
[外観構成]
図2は、POS端末101および釣銭機102を示す斜視図である。POS端末101は釣銭機102の上に、双方の背面の位置が揃えられて、釣銭機102の前方部分が延出して硬貨投入口116が外観に現れる状態で載置されている。POS端末101と釣銭機102とは、それぞれの背面に接続されている接続ケーブル310(図5参照)によって、互いにデータ通信自在に接続されている。
【0014】
POS端末101の上面右側には入力部としてのキーボード104と、表示部としてのオペレータ用表示器105とが配列され、上面左側にはレシートプリンタ106が配列されている。POS端末101の上面後方には、客用表示器107が立設されている。キーボード104は、数字データを入力するための数字キー、様々な機能が割り当てられた複数のファンクションキー、入力データを確定するための確定キー、処理を中止するための中止キーなど各種のキーを備え、POS端末101にデータ入力や操作命令を入力するために用いられる。個々のファンクションキーには、押下されると機器を各種モードに移行させる機能が割り当てられている。例えば、キャッシャがファンクションキーを押下すると、POS端末101は商品販売データ処理を実行するための登録モードに移行したり、設定金額を設定するための設定モードに移行したりする。なお、POS端末101は、キャッシャを特定するサインオン操作がなされた直後の初期状態においては、登録モードに設定されている。
【0015】
オペレータ用表示器105の表示面105aはテキスト情報だけでなく画像情報も表示可能な、例えば液晶ディスプレイで構成されている。このオペレータ用表示器105には、入力部として機能するタッチパネル108が積層配置されている。
【0016】
POS端末101の右側面近傍には、カードリーダライタ109(図5参照)によるカード情報の読み取り等をするためのカード読取溝110が、カードを上から挿入して手前側に引き抜き可能な形状に設けられている。
【0017】
POS端末101の背面には、コードリーダ111が接続されている。コードリーダ111は、商品Pを特定する商品コードがエンコードされたコードシンボルCSを読み取ってデコードし、CPU201(図5参照)に送信する。このようなコードシンボルCSは、例えばバーコードやQRコードである。すなわち、コードリーダ111は、商品コードを入力するための入力部としての役割を果たす。商品Pには、コードシンボルCSに隣接してその商品Pの商品コードとしての数字コードも付されている。そのため、キャッシャは数字コードをキーボード104やタッチパネル108から入力することで、POS端末101に商品コードを入力することも可能である。
【0018】
釣銭機102の外観を構成しているハウジング113の前方部分には、釣銭機102に貨幣を入金するための紙幣挿入口114および硬貨投入口116、釣銭機102から貨幣を払い出す紙幣排出口115および硬貨排出口117が、それぞれ設けられている。紙幣挿入口114および紙幣排出口115は、ハウジング113の右側前面に、前方に開口して設けられている。硬貨投入口116は、ハウジング113の略中央で前方上面に、上方に開口して設けられている。硬貨排出口117は、ハウジング113の左側前面に下方に向いて設けられている。硬貨排出口117から排出された硬貨は、硬貨排出口117の下方に形成された受け皿形状の硬貨受け部118に蓄積される。
【0019】
釣銭機102はその内部に、貨幣収納部308(図5参照)とセンシング機構305(図5参照)が、外部から視認できないように内蔵されて設けられている。
【0020】
貨幣収納部308は、金種別に貨幣を収納可能な構造であり、1円硬貨収納部、5円硬貨収納部、10円硬貨収納部、50円硬貨収納部、100円硬貨収納部、500円硬貨収納部、千円紙幣収納部、二千円紙幣収納部、五千円紙幣収納部および一万円紙幣収納部により構成されている。各硬貨収納部は、釣銭機102の内部に設けられ、硬貨投入口116から硬貨排出口117まで硬貨を案内する構造に形成されている図示しない硬貨案内経路の途中に設けられている。また、各紙幣収納部は、釣銭機102の内部に設けられ、紙幣挿入口114から紙幣排出口115まで紙幣を案内する構造に形成されている図示しない紙幣案内経路の途中に設けられている。これらの案内経路は、例えば、モータ307(図5参照)に掛けまわされた図示しない搬送ベルトによって形成される。
【0021】
センシング機構305は、個々の貨幣収納部308に対応して設けられ、入出金される貨幣をセンシングする。釣銭機102のCPU301(図5参照)は、センシング機構305によってカウントされた貨幣の枚数を基に、貨幣収納部308に収納されている貨幣の在高金額を算出し自動入出金装置記憶部としてのRAM303(図5参照)に記憶する。このように釣銭機102は、貨幣の入金と収納と払い出しとを実行し自らの在高を認識している。釣銭機102のCPU301は、RAM303に記憶している在高金額をPOS端末101からの要求に応じてPOS端末101に送信する。
[システムの概要]
本実施の形態のPOS端末101ではファンクションキーが押下されると、個々のファンクションキーに割り当てられた機能に応じて、商品販売データ処理を実行する登録モードや設定金額を設定する設定モードなどの各種モードに移行する。
【0022】
本実施の形態のPOS端末101は、商品販売データ処理を実行する登録モードに設定されている場合、オペレータ用表示器105の表示面105aに登録画面105x(図3参照)を表示し、その登録画面105xの一部領域である在高表示エリア150に在高表示画像151(図3参照)を表示する。在高表示画像151は、予め設定された設定金額と釣銭機102の在高金額との関係としてこの両者の割合を図形表示したものであり、表示処理によって登録画面105xの在高表示エリア150に表示される。在高表示画像151は、一取引の商品販売データ処理中には表示されず、顧客との商品取引が行われていない状態においてのみ表示される。表示処理については、図10および図11に基づいて後述する。
【0023】
設定金額は、POS端末101において工場出荷時設定としてプリセットされていても良いし、キャッシャがファンクションキーを押下して移行した設定モードにおいて表示面105aに表示される設定画面105y(図8(b)参照)において設定することを可能にしても良い。本実施の形態では、設定処理によってキャッシャが設定金額として任意の金額を設定可能するようにした事例について紹介する。設定処理については、図7および図8に基づいて後述する。
【0024】
在高金額は、POS端末101が在高金額取得処理によって把握し、記憶部であるRAM203に一時的に記憶される。在高金額取得処理については、図9に基づいて後述する。
【0025】
キャッシャは表示面105aに表示された在高表示画像151を見て、釣銭機102に収納されている貨幣の収納状況を認識することが可能になる。キャッシャは貨幣の収納状況を認識することで、商品取引業務の合間に回収作業を行うタイミングを見計らいやすくなり、したがって、釣銭機102の在高金額が設定金額を超える状態を減少させて、防犯上のリスクを軽減することができる。
【0026】
以下、POS端末101が登録モードに設定されるPOS端末101のオペレータ用表示器105の表示面105aに表示される登録画面105xおよび在高表示画像151について説明する。
【0027】
図3は、決済完了前後における登録画面105xの変化の一例を示す模式図である。図3に基づいて説明する以下に示す一例では、顧客が購入しようとする商品群は野菜がんも、大根、焼つくね、焼ちくわおよび昆布巻で構成されるおでんであり、それぞれの構成商品の単価は110円である。顧客は焼ちくわを2つ購入予定であり、焼ちくわは別々に計上されている。また、キャッシャはキーボード104やコードリーダ111などの入力部から商品コードを入力してこれらの商品群をPOS端末101に登録したものの誤って単価110円のシラタキを購入商品として一時登録し後にその登録を取り消している。なお、消費税率は5%とする。
【0028】
図3(a)は、決済完了前の登録画面の一例を示す模式図である。登録画面105xの上半分には、顧客が購入しようとする商品群が商品販売データ処理によって登録された購入商品群としてのデータを表示する品目ウィンドウ140が設けられている。品目ウィンドウ140は、行方向に個々の商品を、列方向に個々の商品に関する商品名、単価、購入数量などの商品情報を表示する表形式に構成されている。品目ウィンドウ140の上側に隣接して、商品のジャンルを切り替えるための切替タブ140aが設けられている。また、品目ウィンドウ140の右側に隣接して、品目ウィンドウ140の表示内容を行方向にスクロールさせるためのスクロールボタン140bが設けられている。
【0029】
登録画面105xの下半分は左右に二分されており、その左側には支払方法別の決済金額を表示する支払方法別ウィンドウ141が、右側には消費税額、合計金額、預り金額、お釣り金額などで構成される締め情報を表示する締め情報ウィンドウ142が、それぞれ設けられている。
【0030】
スクロールボタン140bの下方で締め情報ウィンドウ142の右側に隣接して、在高表示エリア150が設けられている。
【0031】
決済完了前における登録画面105xの在高表示エリア150には、アイコンが縦に3つ並んで表示されている。これらのアイコンは、上から順に、キャッシャが顧客にストローや割り箸などの付属品を渡した際にキャッシャがタッチパネル108をタッチすべき箇所に表示される第1アイコン150a、顧客が電子レンジで商品を温めてほしいと要求をした際にキャッシャがタッチパネル108をタッチすべき箇所に表示される第2アイコン150b、顧客が商品のラッピングを要求した場合にキャッシャがタッチパネル108をタッチすべき箇所に表示される第3アイコン150cである。キャッシャがこれらのアイコン150a〜150cに従ってタッチパネル108からデータ入力を行うと、POS端末101のCPU201は登録処理を実行して、売上データとともに付属品の引渡しの有無、商品の加熱の有無およびラッピングの有無を商品データファイル253に記録する。
【0032】
本実施の形態のPOS端末101では、入力部から締め操作が入力された後に顧客がキャッシャに支払った貨幣が釣銭機102に投入されると、投入された貨幣の金額とRAM203に一時登録されている購入商品群の売上金額とに基づく決済をCPU201が実行する。
【0033】
図3(b)は、決済完了後の登録画面105xの一例を示す模式図である。
【0034】
決済完了後におけるオペレータ用表示器105の表示面105aには、締め情報ウィンドウ142に顧客から預かった預り金額142aおよびお釣り金額142bが表示されるとともに、在高表示エリア150に在高表示画像151が表示される。
【0035】
在高表示画像151は、設定金額に対する在高金額の大小に応じて2つの態様で表示される。この2つの態様の在高表示画像151について、以下に説明する。
【0036】
図4は、在高表示エリア150に表示される在高表示画像151を示す模式図である。
【0037】
在高表示画像151は、POS端末101で実行される表示処理によって登録画面105xの在高表示エリア150に表示される。
【0038】
図4(a)は、在高金額が設定金額未満である場合に表示される在高表示画像151aを示す模式図である。在高表示画像151aは、白色の矩形形状の背景画像152をベースとし、青色の矩形形状の重層画像153を重層させてレイヤ合成して表示される。背景画像152と重層画像153との横幅は同じであり、重層画像153の縦幅yは、y=(背景画像152の縦幅x)×(在高金額/設定金額)である。結果として、在高表示画像151aは、在高金額が設定金額に近づくほど青色の重層画像153が下から上にせりあがるインジケータ表示となる。
【0039】
図4(b)は、在高金額が設定金額以上である場合に表示される在高表示画像151bを示す模式図である。在高表示画像151bは、前述した重層画像153よりも彩度を低下させた灰青色の背景画像154をベースとし、「要回収」の文字をあしらった彩度の高い黄色の警告表示としての警告画像155を中央に配置してレイヤ合成して表示される。
【0040】
表示処理によって、登録画面105xの在高表示エリア150には、在高表示画像151a、151bのいずれか一の在高表示画像151が表示される。この在高表示画像151は、次の顧客が購入しようとする商品群の商品コードが開始トリガとして入力され、新規の商品販売データ処理が開始されて以降、一取引の商品販売データ処理中には表示されない。
【0041】
このようなオペレータ用表示器105の表示面105aでの画面表示の変化を実現するPOS端末101および釣銭機102の構成について、以下に説明する。
[ハードウェア構成]
図5は、POS端末101および釣銭機102のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0042】
まず、POS端末101のハードウェア構成を説明する。
【0043】
POS端末101は、各種演算処理を実行し各部を制御する情報処理部としてのCPU201を備えている。CPU201には、固定データを固定的に記憶保存するROM202と、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用される記憶部としてのRAM203と、HDD204と、CD−ROMドライブ205とがバスラインBLを介して接続されている。CPU201とROM202とRAM203とは、マイクロコンピュータ206を構成する。
【0044】
HDD204は、オペレーティングシステム(OS)251、会計処理を実行するための会計処理用のコンピュータプログラム252、商品データファイル253、顧客管理テーブル255等をインストールしている。
【0045】
商品データファイル253は、PLUファイル、部門ファイル、画像ファイル、売上ファイル等の各種ファイルにより構成されている。この商品データファイル253は、別の形態で分散された構成であっても、一つのファイルとしてまとめられた構成であっても、いずれでも良い。
【0046】
商品データファイル253を構成するPLUファイルは、各商品Pを特定する商品コードに対応させて、単価の他に、商品表示、割引商品の別、割引金額、組合せ割引情報(ミックス・アンド・マッチ割引情報、セット割引情報)等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、商品コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0047】
商品データファイルを構成する部門ファイルは、PLUファイルに記憶されない各商品についての部門コードに対応させて、その単価、商品表示、割引商品の別、割引金額、組合せ割引情報(ミックス・アンド・マッチ割引情報、セット割引情報)等を書き換え自在に記憶する。商品表示は、部門コードによって特定される商品の商品名称のテキストデータと、その商品の画像データとを含む。
【0048】
キーボード104、オペレータ用表示器105、レシートプリンタ106、客用表示器107、タッチパネル108、カードリーダライタ109、コードリーダ111、通信インターフェイス112は、釣銭機接続インターフェイス119は、いずれも各種の入出力回路(全て図示せず)およびバスラインBLを介してCPU201に接続され、CPU201によって動作制御される。CPU201の制御によりオペレータ用表示器105には文字情報のほか画像情報も表示されるが、画像情報としてオペレータ用表示器105に表示される画像データは、バスラインBLを介してCPU201と接続されているVRAM207に格納されることによってデータアクセスの高速化が図られる。釣銭機接続インターフェイス119には、釣銭機102が接続されている。
【0049】
HDD204にインストールされているオペレーティングシステム251、コンピュータプログラム252、商品データファイル253は、一例として、CD−ROM205aに記録され、CD−ROMドライブ205によって読み取られてHDD204にインストールされる。これに対して、磁気ディスクドライブがCPU201に接続されていれば磁気ディスクが記憶するコンピュータプログラム252等をHDD204にインストールすることができ、他の種類の光メディアドライブがCPU201に接続されていれば対応する光メディアが記憶するコンピュータプログラム252等をHDD204にインストールすることができる。USBメモリやフラッシュディスク等も同様である。あるいは、CPU201に通信インターフェイス112が接続されていれば、例えばPOS管理サーバ3等の上位機からダウンロードしたコンピュータプログラム252等をHDD204にインストールすることも可能である。
【0050】
このようなHDD204にインストールされているオペレーティングシステム251、コンピュータプログラム252、商品データファイル253は、POS端末101の起動時にその全部又は一部がRAM203にコピーされて使用される。CPU201は、RAM203にコピーされたコンピュータプログラム252に従った処理を実行する。別の一例として、商品データファイル253は、HDD204にインストールされているのではなく、POS管理サーバ3によって管理される記憶装置(図示せず)に記憶保存され、POS端末101がLANネットワーク4を介して必要なデータを取得するように構築されていてもよい。
【0051】
続いて、釣銭機102のハードウェア構成を説明する。
【0052】
釣銭機102は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU301を備える。CPU301には、ROM302、自動入出金装置記憶部としてのRAM303、モータ制御部304、センシング機構305およびPOS端末接続インターフェイス306がバスラインBL2を介して接続されている。モータ制御部304と接続するモータ307は、釣銭機102の内部に形成される紙幣案内経路や硬貨案内経路を形成する図示しない搬送ベルトを駆動させる駆動源となる。センシング機構305は貨幣収納部308と接続されており、貨幣収納部308に入出金される貨幣のセンシングを行う。POS端末接続インターフェイス306には、POS端末101が接続されている。
【0053】
POS端末101は釣銭機接続インターフェイス119を備えている。他方、釣銭機102はPOS端末接続インターフェイス306を備えている。釣銭機接続インターフェイス119およびPOS端末接続インターフェイス306には、接続ケーブル310が接続されている。接続ケーブル310を介して、POS端末101および釣銭機102はデータ通信自在に接続されている。
【0054】
以上に述べたような構成を備えて構成されるPOS端末101において、情報処理部としてのCPU201が実行する会計処理、設定処理、在高金額取得処理、および、表示処理について以下に説明する。
[商品販売データ処理]
図6は、商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
本実施の形態のPOS端末101では、一取引ごとに、入力部としてのコードリーダ111、タッチパネル108およびキーボード104から入力される商品コードに基づいて、顧客が購入しようとしている商品群を記憶部としてのRAM203(図5参照)に購入商品群として一時記憶する商品販売データ処理が実行される。商品販売データ処理は、入力された商品コードに基づく検索処理、商品情報一時記憶処理、決済処理および登録処理により構成され、入力部から入力される商品コードを処理開始のトリガとして実行される。
【0056】
検索処理は、PLUファイルを検索して入力された商品コードに対応する単価および商品表示を取得する処理である。
【0057】
商品情報一時登録処理は、入力された商品コードとその商品コードに基づいて検索処理によって検索された単価とを含む取引情報を記憶部としてのRAM203に一時登録する処理である。
【0058】
決済処理は、RAM203に一時登録されている取引情報に基づいて顧客が購入しようとする購入商品群の決済金額を算出し、その決済金額の決済を実行する処理である。
【0059】
登録処理は、商品販売データ処理で一時記憶した商品コード等の取引情報や、決済処理で算出された決済金額の各種売上に関わる情報を売上ファイルに登録する処理である。
【0060】
POS端末101の情報処理部としてのCPU201は、登録モードに設定されている間、商品コードの入力の有無を判定し(ステップS1)、待機している。商品コードの入力は、コードリーダ111によるコードシンボルCSの読み取りの他、オペレータ用表示器105の表示に従ったタッチパネル108での入力操作およびキーボード104からの入力操作によっても行なわれる。
【0061】
POS端末101のCPU201は、商品コードが入力されたと判定すると(ステップS1のY)、検索処理を実行する(ステップS2)。この場合、単価および商品表示は、必ずしもコードシンボルCSの読み取りそれ自体やタッチパネル108での入力操作それ自体をトリガとして取得される必要はなく、コードリーダ111によってコードシンボルCSが読み取られたり、あるいはタッチパネル108での入力操作に基づいて取得されたりすればよい。また、単価および商品表示は、同時に取得される必要はなく、それらの情報に対するアクセスが必要な場合にアクセスできる状態となっていれば良い。検索処理(ステップS2)の結果、CPU201は、入力された商品コードに対応する単価および商品表示を取得する。
【0062】
POS端末101のCPU201は、検索処理に続いて、商品販売データ処理の一部として商品情報一時登録処理を実行し、取引情報をRAM203に一時登録する(ステップS3)。
【0063】
POS端末101のCPU201は、商品情報一時登録処理に続いて、決済指定の有無を判定する(ステップS4)。決済指定は、顧客が購入しようとする商品群の商品コードがすべて入力部から入力され、この商品群が購入商品群として記憶部としてのRAM203に一時登録された際に、キャッシャによるオペレータ用表示器105での表示に従ったタッチパネル108およびキーボード104からの締め操作によって実行される。CPU201は、決済指定なしの判定をすると(ステップS4のN)、次の商品コードが入力されるまで待機し商品販売データ処理を続行する(ステップS1)。これに対し、CPU201は、決済指定ありの判定をすると(ステップS4のY)、決済処理を実行する(ステップS5)。
【0064】
決済処理における決済金額は、検索処理(ステップS2)によって取得した単価に基づいてRAM203に一時登録した購入商品の売上金額を基に、必要な消費税計算等を含めて計算され、RAM203に仮登録される。算出された決済金額についての現金での決済は、釣銭機102で実行される。より詳細には、CPU201は決済金額を含む現金決済情報を釣銭機102に送信する。釣銭機102のCPU301は、POS端末101から送信される現金決済情報を受信するとその現金決済情報に基づいて貨幣を入出金する現金決済を実行する。現金決済が完了すると、釣銭機102のCPU301はPOS端末101に決済完了情報を送信する。決済完了情報は、釣銭機102で入出金された貨幣の金額である決済金額、釣銭機102の貨幣収納部308に収納されている貨幣の在高金額などで構成されている。POS端末101のCPU201は、釣銭機102から送信される決済処理の完了を示す決済完了情報を受信すると決済処理を完了する。
【0065】
また、CPU201は決済処理を実行するに際し、オペレータ用表示器105の表示面105aに、顧客から預かった預かり金額および決済処理によって算出される預かり金額と決済金額との差額である釣銭金額とが表示される。
【0066】
POS端末101のCPU201は、決済処理に続き、商品情報一時登録処理でRAM203に一時記憶した商品コードおよびその単価等の取引情報や、決済金額を売上ファイルに登録する登録処理を実行して(ステップS6)、一連の商品販売データ処理を終了する。
【0067】
本実施の形態のCPU201は、一連の商品販売データ処理を支援するために、オペレータ用表示器105に登録画面105xを表示して、キャッシャによる操作の便宜を図る。
[設定処理]
図7は、設定処理の流れを示すフローチャートである。図8は、設定処理が行われる際の登録画面105xの変化を示す模式図である。
【0068】
本実施の形態の情報処理部としてのCPU201が実行する設定処理は、入力部からの入力に基づいて設定金額を設定し、設定した設定金額を記憶部としてのRAM203に記憶する処理である。設定処理によって、キャッシャは任意に設定金額を設定することが可能になる。
【0069】
POS端末101のCPU201は、商品販売データ処理(図6参照)が行われていない状態の登録画面105xでは、オペレータ用表示器105には、図8(a)に示す登録画面105xを表示している。CPU201は、設定モードへ移行する機能が割り当てられたファンクションキーが押下されると、設定処理を開始する。
【0070】
まず、CPU201は、オペレータ用表示器105に設定金額を設定するための設定画面105yを表示する(ステップS11)。設定画面105yは、「回収の警告を促す金額を設定してください。」というメッセージ105fと、数字入力アイコン105bと、中止アイコン105cと、設定アイコン105dと、入力部から入力した数字データが表示されるデータボックス105eとにより構成される(図8(b))。設定画面105yが表示面105aに表示されている状態において、キャッシャが入力部から設定金額を入力した後に、キーボード104の設定キーの押下もしくは表示面105aに表示されている設定アイコン105dに従ったタッチパネル108からの入力がなされると、入力部からの設定金額の入力が完了する。また、キーボード104の中止キーの押下もしくは表示面105aに表示されている中止アイコン105cに従ったタッチパネル108からの入力がなされると、設定金額の入力は中止される。
【0071】
CPU201は、設定金額の入力を完了する完了操作、もしくは、設定金額の入力を中止する中止操作のいずれかの操作が行われるまで処理を待機する(ステップS12のN、S13のN)。中止操作が入力された場合(ステップS12のN、S13のY)、CPU201は登録画面105xを表示させて設定モードを脱し登録モードに復帰して(ステップS15、図8(a))、設定処理を終了する。なお、図示はしないが、CPU201がステップS13のYに処理を移行した際に、画面に「回収の警告を促す金額の設定を中止しました。」というメッセージを数秒間ホップアップ表示させ、その後にステップS15に示す処理を実行するようにしてもよい。
【0072】
これに対し、設定金額の入力を完了する完了操作が入力された場合(ステップS12のY)、CPU201はRAM203に入力された設定金額を記憶し(ステップS14)、オペレータ用表示器105に登録画面105xを表示させて(ステップS15、図8(a))、設定処理を終了する。なお、図示はしないが、CPU201がステップS14に示す処理を実行して設定処理をする際に、表示面105aに「回収の警告を促す金額の設定が完了しました。」というメッセージを数秒間ホップアップ表示させ、その後にステップS15に示す処理を実行するようにしてもよい。
【0073】
上述した設定処理は、POS管理サーバ3などの上位機からのLANネットワーク4を介した要求に応じて、チェックアウトカウンタ5に設置されている全てのPOS端末101に設定金額が設定されるようにしてもよい。また、この設定処理において、予めマスターパスワードを設定しておき、操作者にマスターパスワードの入力を求めて認証を行う手段を備えて、設定金額の変更が安易に行われないようにしてもよい。
[在高金額取得処理]
図9は、在高金額取得処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
POS端末101は起動している間、在高金額取得処理を周期的に実行して、データ通信自在に接続されている釣銭機102に収納されている貨幣の在高金額を周期的に把握している。在高金額取得処理とは、POS端末101の情報処理部としてのCPU201が、自動入出金装置記憶部としてのRAM303に記憶されている在高金額を取得して記憶部としてのRAM203に一時的に記憶する処理である。
【0075】
POS端末101のCPU201は、釣銭機102に在高金額の送信を要求する在高金額送信要求命令を送信し(ステップS21)、釣銭機102から送信される在高金額を受信するまで待機している(ステップS22のN)。
【0076】
釣銭機102のCPU301は、起動している間にPOS端末101から在高金額送信要求命令が送信されるのを待機している(ステップS23のN)。釣銭機102のCPU301は在高金額送信要求命令を受信すると(ステップS23のY)、RAM303に記憶されている在高金額をPOS端末101に送信する(ステップS24)。
【0077】
POS端末101のCPU201は、釣銭機102から送信される在高金額を受信すると(ステップS22のY)、受信した在高金額をRAM203に記憶する(ステップS25)。本実施の形態のPOS端末101では、在高金額をRAM203に記憶するにあたって、RAM203をキャッシュメモリとして用い、RAM203に一時記憶する。
【0078】
POS端末101のCPU201は、RAM203に在高金額を一時記憶して、在高金額取得処理を終了する。
【0079】
POS端末101のCPU201は、このような在高金額取得処理を周期的に実行して、記憶部としてのRAM203に釣銭機102の在高金額を周期的に更新している。
[表示処理]
図10は、表示処理の流れを示すフローチャートである。図11は、表示処理が行われる際の登録画面105xの変化を示す模式図である。
【0080】
表示処理は、POS端末101の情報処理部としてのCPU201が、RAM203に記憶されている設定金額および在高金額の関係を図形表示する在高表示画像151を、表示部としてのオペレータ用表示器105の表示面105aに表示する処理である。在高表示画像151は、一顧客についての商品販売データ処理が行われてから次の顧客についての商品販売データ処理が開始されるまでの間、オペレータ用表示器105の表示面105aに表示される。
【0081】
以下、図10のフローチャートおよび図11の模式図に基づいて説明する。
【0082】
POS端末101の情報処理部としてのCPU201は、一顧客についての商品販売データ処理(図6参照)の実行している間、表示面105aに図11(a)に示すような登録画面105xを表示している。
【0083】
POS端末101の情報処理部としてのCPU201は、入力部から締め操作が入力され商品販売データ処理が完了すると表示処理を開始する。なお、CPU201は表示処理を開始する時点で、周期的にCPU201が実行する在高金額取得処理(図9参照)によって、決済完了時の釣銭機102の在高金額を取得しRAM203に記憶している。決済完了時の釣銭機102の在高金額は、釣銭機102のCPU301が在高金額を含んだ決済完了情報を構成してPOS端末101に送信し、POS端末101のCPU201が受信した決済完了情報を参照することによって実現してもよい。
【0084】
POS端末101のCPU201は、まず、記憶部としてのRAM203に記憶されている在高金額と設定金額との両金額を比較し、その比較結果に応じて表示データの構成を決定する(ステップS31)。在高金額が設定金額未満であるとCPU201が判定すると(ステップS31のY)、オペレータ用表示器105の表示面105aに設定金額に対する在高金額の割合を示す在高表示画像151aを表示するための表示データを生成する(ステップS32、図4(a))。これに対し、CPU201は、在高金額が設定金額以上であると判断すると(ステップS31のN)、オペレータ用表示器105の表示面105aに「要回収」という文字画像が含まれる警告画像155を含む警告表示としての在高表示画像151bを表示するための表示データを生成する(ステップS33、図4(b))。
【0085】
ステップS32もしくはS33で示す処理に続いて、POS端末101のCPU201は、生成した表示データを登録画面105xの一部領域である在高表示エリア150に在高表示画像151として表示させる(ステップS34)。ステップS34に示す処理によって、図11(b1)に示すようなインジケータ表示となる在高表示画像151a、もしくは、図11(b2)に示すような警告表示となる在高表示画像151bのいずれか一の在高表示画像151が、表示面105aの在高表示エリア150に表示される。
【0086】
続く処理として、CPU201は、入力部から新たな顧客についての商品販売データ処理を開始するトリガが入力された否かの判定を実行する(ステップS35)。本実施の形態において、新たな顧客との取引についての商品販売データ処理を開始するトリガは、コードリーダ111やキーボード104から入力された商品コードである。CPU201は、入力部からトリガが入力されていないと判定すると(ステップS35のN)、処理をステップS31まで戻し、ステップS31〜S34の処理を繰り返して表示面105aに在高表示画像151を表示し続ける。CPU201はステップS31〜S34の処理を繰り返している間も、周期的に実行している在高金額取得処理によって在高金額をRAM203に記憶更新している。そのため、釣銭機102に収納されている貨幣が入出金され自動入出金装置記憶部としてのRAM303に記憶されている在高金額が変動することによって在高表示画像151も変化する。なお、トリガは入力部から入力される商品コードの他、キーボード104に設けられた取引開始キーが押下されることによって入力される取引開始命令であってもよい。
【0087】
これに対し、CPU201は、入力部からトリガが入力されたと判定すると(ステップS35のY)、在高表示画像を表示しない手段の一態様として、登録画面105xを図11(c)に示すような画面に一新させる(ステップS36)。登録画面105xが一新されることによって、在高表示エリア150に在高表示画像151が表示されなくなり、アイコン150a〜150cが表示される。
【0088】
このように、本実施の形態のPOS端末101によれば、以上に述べた処理によって、設定金額と釣銭機102の在高金額との関係が図形表示として表示部であるオペレータ用表示器105の表示面105aに表示され、キャッシャは図形表示を見ることで釣銭機102に収納されている貨幣の収納状況が認識可能になり、商品取引業務の合間に回収作業を行うタイミングを計りやすくなり、したがって、釣銭機102に収納されている在高金額が設定金額を超える状態を減少させて、防犯上のリスクを軽減することができる。
【0089】
さらに、本実施の形態のPOS端末101では、登録画面105xの右下の位置する在高表示エリア150に、設定金額および在高金額の関係を示す図形表示としての在高表示画像151が表示されるが、設定金額および在高金額自体は表示されない。したがって、POS端末101を操作して商品取引業務を行うキャッシャは登録画面105xに表示される在高表示画像151を見ることで釣銭機102の貨幣の収納状況を推測できる一方で、日常的にPOS端末101に接しないキャッシャ以外の者には釣銭機102の貨幣の収納状況を把握されにくく、防犯上のリスクはさらに軽減される。
【0090】
さらに、本実施の形態のPOS端末101では設定金額と釣銭機102の在高金額とが比較され、その比較結果に応じて表示面105aには2つの態様の在高表示画像151が表示される。例えば、キャッシャが設定モードにおいて設定金額を5万円に設定した場合、釣銭機102の在高金額が5万円未満であれば表示面105aには設定金額に対する在高金額の割合を示すインジケータ表示となる在高表示画像151aが表示され、釣銭機102の在高金額が5万円以上であれば表示面105aには警告表示となる在高表示画像151bが表示される。そのため、キャッシャは登録画面105xに表示されるインジケータ表示としての在高表示画像151aを見ることで釣銭機102の貨幣の収納状況を把握可能であるとともに、警告表示としての151bを見ることによって釣銭機102から貨幣を回収する回収作業を行うタイミングを逸することがなくなる。
【0091】
さらに、本実施の形態のPOS端末101において、表示面105aに表示される在高表示画像151は、決済完了後から新たな顧客についての商品取引が開始されるまでの期間のみ表示面105aに表示され、一取引の商品販売データ処理中には表示されず、したがって、キャッシャ以外の者には釣銭機102での貨幣の収納状況が認識されにくく、防犯上のリスクがさらに軽減される。
【0092】
なお、本実施の形態のPOS端末101のCPU201は、周期的に釣銭機102に在高金額送信要求命令を送信しているが、決済処理などの釣銭機102の在高金額が変動しうる処理を実行する際に送信してもよい。また、本実施の形態の釣銭機102は、CPU201から送信される在高金額送信要求命令を受信した際にPOS端末101に在高金額を送信しているが、釣銭機102は在高金額送信要求命令を受信するしないにかかわらず周期的にRAM303に記憶している在高金額をPOS端末101に送信するようにしてもよいし、センシング機構305が貨幣の入出金をセンシングするなど貨幣の入出金を認識した際に送信するようにしてもよい。
【0093】
また、本実施の形態において、登録画面105xの在高表示エリア150に表示される在高表示画像151は、図4(a)に示したような設定金額に対する在高金額の割合を示す図形表示であるが、設定金額および在高金額のそれぞれの絶対量を表示し比較可能とする棒グラフであってもよい。
【0094】
また、本実施の形態のPOS端末101では、在高金額が設定金額以上である場合は、警告表示である在高表示画像151bが登録画面105xに表示されるが、インジケータ表示である在高表示画像151aと警告表示である在高表示画像151bとを在高表示エリア150内に並存させて表示させてもよい。例えば、在高表示画像151aの上に在高表示画像151bを重層するレイヤ合成を行って、インジケータ表示と警告表示とを並存させてもよい。
[別の実施の形態]
次いで、別の実施の形態について説明する。この場合、図1ないし図11に基づいて説明した実施の一形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0095】
本発明の別の実施の一形態のPOS端末は、貨幣は釣銭機ではなくドロワ装置に収納される点、および、ドロワ装置に収納される貨幣の在高金額はPOS端末自身で履歴として管理する点が、前述した実施の形態と相違する。
【0096】
本実施の形態のPOS端末101は、ドロワ装置と接続しているドロワ装置は、貨幣を収納するための貨幣収納部としての抽斗と、抽斗を手前側に引き出し自在に収納するドロワ筐体と、POS端末101からの制御に応じて抽斗を付勢してドロワ筐体から解放させ引き出された状態にする解放機構とを備える。
【0097】
本実施の形態のHDD204には、商品販売データ処理で取り扱われる購入商品の売上金額や顧客に返却される釣銭金額などに基づくドロワ装置での入出金履歴を記憶保存可能な入出金履歴ファイルが格納されている。
【0098】
本実施の形態のPOS端末101の情報処理部としてのCPU201は、決済処理の際に、POS端末101の入力部から締め操作が入力されると、POS端末101はドロワ装置に抽斗解放命令を送信する。キャッシャは、引き出された状態にある抽斗に現金を投入して現金による決済を行う。より詳細には、入力部であるキーボード104から顧客から預かった預かり金額を入力し、CPU201が実行する決済処理によってオペレータ用表示器105の表示面105aに表示される釣銭金額を顧客に返金する。このとき、POS端末101のCPU201は、ドロワ装置での入出金履歴を記憶している入出金履歴ファイルから現在ドロワ装置に収納されている貨幣の在高金額を参照し、参照した現在の在高金額に、商品販売データ処理において入出金される貨幣の金額(売上金額、釣銭金額など)を加減して改めて在高金額を算出し、入出金履歴ファイルに売上金額、釣銭金額、および算出した在高金額から構成される入出金履歴レコードを追加する。
【0099】
本実施の形態のオペレータ用表示器105の表示面105aに表示される在高表示画像151では、POS端末101に管理されている在高金額が、表示部としてのオペレータ用表示器105の表示面105aに図形表示として表示される。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】全体のシステム構成を示す模式図である。
【図2】POS端末および釣銭機を示す斜視図である。
【図3】(a)は、決済完了前の登録画面の一例を示す模式図であり、(b)は、決済完了後の登録画面の一例を示す模式図である。
【図4】(a)は、在高金額が設定金額未満である場合に表示される在高表示画像を示す模式図であり、(b)は、在高金額が設定金額以上である場合に表示される在高表示画像を示す模式図である。
【図5】POS端末および釣銭機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】商品販売データ処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】設定処理が行われる際の登録画面の変化を示す模式図である。
【図9】在高金額取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】警告表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】警告表示処理が行われる際の登録画面の変化を示す模式図である。
【符号の説明】
【0101】
101…POS端末(商品販売データ処理)、102…釣銭機(自動入出金装置)、104…キーボード(入力部)、105…オペレータ用表示器(表示部)、108…タッチパネル(入力部)、111…コードリーダ(入力部)、150…在高表示エリア(一部領域)、151a…在高表示画像、151b…在高表示画像(警告表示)、201…CPU(情報処理部)、203…RAM(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する情報処理部と、
各種情報を入力するための入力部と、
各種情報を表示する表示部と、
前記情報処理部が、一取引ごとに、前記入力部によって入力された商品コードに基づく商品販売データ処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、貨幣の入金と収納と払い出しとを実行し自らの在高を認識可能な自動入出金装置から送信された在高金額を受信する手段と、
前記情報処理部が、予め設定されている設定金額に対する前記受信した在高金額の関係を図形表示する在高表示画像を前記表示部に表示する手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
情報処理を実行する情報処理部と、
各種情報を入力するための入力部と、
各種情報を表示する表示部と、
前記情報処理部が、一取引ごとに、前記入力部によって入力された商品コードに基づく商品販売データ処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記商品販売データ処理での売上金額と釣銭金額とのデータに基づいてドロワに収納されている貨幣の在高金額の履歴を管理する手段と、
前記情報処理部が、予め設定されている設定金額に対する前記管理されている在高金額の関係を図形表示する在高表示画像を前記表示部に表示する手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記設定金額は、前記入力部からの操作入力に基づいて設定可能である、請求項1または2記載の商品販売データ処理。
【請求項4】
前記在高表示画像は、前記設定金額に対する前記在高金額の割合を図形表示する、請求項1から3のいずれか一に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記在高金額が前記設定金額以上であると判定すると前記表示部に警告表示を表示する、請求項1から4のいずれか一に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
前記情報処理部が、前記商品販売データ処理を実行する登録モードを含む各種のモードに機器を設定する手段を備え、
前記在高表示画像の表示処理は、前記登録モードでのみ実行する、請求項1から5のいずれか一に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項7】
前記一取引の商品販売データ処理中は前記在高表示画面の表示処理を実行しない、請求項6記載の商品販売データ処理装置。
【請求項8】
前記情報処理部が、前記登録モード中に取引情報を表示する登録画面を前記表示部に表示させる手段を備え、
前記在高表示画像を前記登録画面の一部領域に表示する、請求項6または7記載の商品販売データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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