商品販売管理装置
【課題】在庫数の多い商品をまとめ売り対象とする。
【解決手段】まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルを備える。まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として自動的に選択する。そして、この選択された商品の識別コードとまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加して、まとめ売り処理する。
【解決手段】まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルを備える。まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として自動的に選択する。そして、この選択された商品の識別コードとまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加して、まとめ売り処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケット等の小売店において実施される値引サービスの一種に、商品を複数個まとめて購入すると値引をするいわゆるまとめ売りがある。そして、このまとめ売りの処理を実行可能な商品販売データ処理システムとして、従来、POS(Point Of Sales)端末が商品登録の際に商品マスタテーブルを参照して当該商品がまとめ売り対象商品であるか否かを判別し、とめ売り対象商品でありかつまとめ売り企画テーブルを参照してまとめ売り条件が成立したと判別された場合に、まとめ売り処理を行うようにしたものが知られていた(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2000−339548
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら従来の技術においては、商品マスタテーブルには、まとめ売り対象商品のレコードにまとめ売りの企画コードが予め設定されており、まとめ売り企画テーブルには、まとめ売りの企画コード別にまとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格,まとめ売り期間の各データが予め設定されていた。したがって、まとめ売り対象として設定された商品は、サービス期間中は必ずまとめ売りされていた。このため、例えば納品が間に合わず在庫が少ないために急遽まとめ売り対象から外したいと思っても、対応するのが困難であった。また逆に、在庫が多く残っているために急遽まとめ売り対象として売り切りたいと思っても、容易には対応できないのが実情であった。
【0004】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、在庫数の多い商品だけがまとめ売り対象となり得、まとめ売りが的確に実施されるように店舗運営を支援できる商品販売管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置において、まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルと、まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として選択するまとめ売り対象商品選択手段と、このまとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の識別コードと予め設定されているまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加するまとめ売り企画データ追加手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
かかる手段を講じた本発明によれば、在庫数の多い商品だけがまとめ売り対象となり得、まとめ売りが的確に実施されるように店舗運営を支援できる商品販売管理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
はじめに、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図10を用いて説明する。この第1の実施の形態は、まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルを備え、まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が多い商品をまとめ売り対象商品として自動的に選択し、この選択された商品の識別コードとまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加してまとめ売り処理するようにしたものである。
【0009】
図1は本実施の形態に係る店舗システムを示しており、本システムは、ネットワークサーバ1,棚札管理サーバ2及びPOSサーバ3を備えている。各サーバ1,2,3は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク4で接続されている。また、通信ネットワーク4には、パソコン等のクライアント端末5が接続されている。クライアント端末5は、各サーバ1,2,3で管理されるデータを利用して店舗運営等を行うために、例えば店長などの店舗責任者が主に操作する。
【0010】
ネットワークサーバ1は、専用回線または公衆回線で接続された本部システム等の外部システムとのデータ通信に特化したコンピュータである。
【0011】
棚札管理サーバ2は、陳列棚に陳列された各商品にそれぞれ対応して設けられた複数の電子棚札装置6の情報管理に特化したコンピュータである。棚札管理サーバ2と各電子棚札装置6とは、有線または無線の通信回線7を介して接続されている。棚札管理サーバ2には、棚札情報ファイル8が設けられている。棚札情報ファイル8には、各電子棚札装置6をそれぞれ識別する棚札IDに対応して、その棚札IDで識別される電子棚札装置6の表示部に表示させる商品名,価格等の商品棚札情報が保存されている。しかして棚札管理サーバ2は、棚札情報ファイル8に保存された情報に基づいて、各電子棚札装置6の表示部に表示される情報を制御するものとなっている。
【0012】
POSサーバ3は、POSシステムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線9を介して複数台のPOS端末10を接続している。各POS端末10は、商品販売データ処理装置の一態様であり、客が買い上げる商品の販売データを登録処理する。また、入力された代金支払いデータを基に当該客との商取引を決済処理する。そして、1客が買い上げた各商品の商品コード,売上点数及び売上金額等からなる単品売上データやその客との決済処理データ等からなる売上トランザクションデータを生成する機能を有している。POSサーバ3は、各POS端末10で生成された売上トランザクションデータ、つまりは商取引で売買された各商品の売上データを略リアルタイムに通信回線9を介して収集する。そして、この収集された売上トランザクションデータに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理するものとなっている。ここに、POSサーバ3は、本発明に係る商品販売管理装置の一態様として機能する。
【0013】
図2はPOSサーバ3の要部構成を示すブロック図である。POSサーバ3は、情報処理,演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)31、CPU31の処理を制御するプログラム等の固定的データが予め格納されるROM(Read Only Memory)32、情報処理,演算処理等で生じるデータを記憶するRAM(Random Access Memory)33、各種データテーブル等の大容量データを保存するHDD(Hard Disk Drive)装置34、現在の日付及び時刻を計時する時計部35、各POS端末10と通信を行うためのPOSインターフェイス36、前記通信回線4を介して接続される他のサーバ1,2やクライアント端末5と通信を行うためのネットワークコントローラ37等で構成されている。CPU31と、ROM32,RAM33,HDD装置34,時計部35,POSインターフェイス36及びネットワークコントローラ37とは、アドレスバス,データバス等のバスライン38で接続されている。
【0014】
HDD装置34には、特に図3に示すデータ構造の商品マスタテーブル41、図4に示すデータ構造のまとめ売り候補テーブル42、図5に示すデータ構造のまとめ売り企画テーブル43、図6に示すデータ構造のまとめ売り判定テーブル44等が保存されている。
【0015】
商品マスタテーブル41は、図3に示すように、各商品の識別コードである商品コードに対応して、商品名,商品区分,単価,棚札ID及びまとめ売り候補フラグ等のデータを記憶するデータテーブルである。そのデータ項目において、商品名は、対応する商品コードによって識別される商品を特定する名称データである。商品区分は、対応する商品コードによって識別される商品が分類される商品分類を特定するコードデータである。単価は、対応する商品コードによって識別される商品の1点あたりの価格である。棚札IDは、対応する商品コードによって識別される商品が陳列される陳列棚に設けられた電子棚札装置6を識別するためのIDコードである。まとめ売り候補フラグは、対応する商品コードによって識別される商品がまとめ売り候補の商品であるか否かを識別するフラグ(1:まとめ売り候補商品、0:まとめ売り候補外商品)である。各データ項目の情報は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。因みに、牛乳,弁当,おにぎり等のように賞味期限までに売り切らなければならない日販品の食品等や、缶詰,飲料水等のように客が一度にまとめて購入するケースが比較的多い商品をまとめ売り候補として予め設定しておくとよい。
【0016】
まとめ売り候補テーブル42は、図4に示すように、一連の候補番号に対応して、各商品のうちまとめ売り候補フラグによってまとめ売り候補と設定された商品の商品コードと、まとめ売り成立個数(以下、まとめ個数と称する),まとめ売り成立時の販売価格(以下、まとめ価格と称する),まとめ売りを実行するか否かの閾値となる商品在庫数(以下、まとめ在庫数と称する),現時点の在庫数(以下、実在庫数と称する)及びまとめ売り実行中フラグ等の各データとを記憶するデータテーブルである。そのデータ項目において、まとめ売り実行中フラグは、対応する商品コードによって識別される商品がまとめ売り実行中か否かを識別するフラグ(1:まとめ売り実行中、0:まとめ売り未実行)である。各データ項目の情報のうち、商品コード,まとめ個数,まとめ価格及びまとめ在庫数は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。実在庫数及び実行中フラグは、初期値が“0”であり、実在庫数は、クライアント端末5の操作入力により当該商品の納品データが入力される毎に、その納品点数分増加される。
【0017】
まとめ売り企画テーブル43は、図5に示すように、まとめ売りの企画を特定する一連の企画番号順に、そのまとめ売り対象である商品コード,まとめ個数,まとめ価格及びまとめ売り開始時刻の各まとめ売り条件データを記憶するデータテーブルである。このまとめ売り企画テーブル43にまとめ売り条件データが設定されることにより、該当する商品がまとめ売り処理される。
【0018】
まとめ売り判定テーブル44は、図6に示すように、まとめ売り判定を実施する時刻と、その時刻にまとめ売りを実行すると判定された商品のまとめ売り開始時刻とを対にして記憶するデータテーブルである。判定時刻と開始時刻との関係は、図6の例では判定時刻に対して開始時刻を15分後としているが、判定時刻に対して開始時刻が後述するまとめ売り判定処理に要する時間より後であればよい。なお、判定時刻及び開始時刻の情報は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。
【0019】
しかして、POSサーバ3のCPU31は、POSインターフェイス36を介して各POS端末10で生成された売上トランザクションデータを受信する毎に、図7の流れ図に示す売上トラン受信処理を実行する。すなわちCPU31は、受信した売上トランザクションデータの解析を行う(ST1)。そして、商品コード,売上点数及び売上金額等からなる単品売上データを取得する毎に(ST2)、商品マスタテーブル41を検索して、その単品売上データ中の商品コードに対応して記憶されているまとめ売り候補フラグを調べる。そして、まとめ売り候補フラグが“1”、つまり当該商品コードで識別される商品がまとめ売り候補商品の場合には(ST3のYES)、まとめ売り候補テーブル42において当該商品コードに対応して記憶されている実在庫数のデータから当該単品売上データ中の売上点数分を減算する(ST4)。
【0020】
CPU31は、売上トランザクションデータを解析し、単品売上データを取得する毎に上記ST3,ST4の処理を順次実行する。そして、売上トランザクションデータの解析を終了したならば(ST5のYES)、CPU31は、この売上トラン受信処理を終了する。
【0021】
このように、各POS端末10から売上トランザクションデータを受信する毎に、CPU31が上記売上トラン受信処理を実行することによって、POSサーバ3においては、少なくともまとめ売り候補として設定された商品の実際の在庫数が略リアルタイムに計数されることとなる。
【0022】
またCPU31は、例えば1分間隔で時計部35から与えられる第1のタイマ割込信号が入力される毎に、図8の流れ図に示すまとめ売り判定処理を実行する。すなわちCPU31は、時計部35にて計時されている現在時刻を取得したならば(ST11)、その現在時刻でまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻データを検索する(ST12)。その結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出した場合には(ST13のYES)、CPU31は、まとめ売り商品の判定開始が指令されたと認識する。
【0023】
そして先ず、RAM33上のカウンタnを“0”に初期化する(ST14)。次いで、このカウンタnを“1”だけカウントアップする(ST15)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号n(nはカウンタnのカウント値)のレコードを読み出す(ST16)。
【0024】
ここで、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコード(商品コード,まとめ個数,まとめ価格,まとめ在庫数,実在庫数,実行中フラグ)を読み出すことができたならば(ST17のYES)、CPU31は、そのレコードの実行中フラグを調べる。そして、実行中フラグが“0”、すなわち当該レコードの商品コードによって識別される商品のまとめ売りが実行されていない場合には(ST18のNO)、CPU31は、当該レコードの実在庫数Pと、予め設定された閾値であるまとめ在庫数Qとを比較する(ST19)。
【0025】
ここで、実在庫数Pがまとめ在庫数Qより多い場合には(ST20のYES)、CPU31は、当該レコードの商品コードによって識別される商品をまとめ売り対象商品として選択する(まとめ売り対象商品選択手段)。そして、当該レコードの商品コード,まとめ個数及びまとめ価格の各データと、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データに対応付けられたまとめ売り開始時刻のデータとを、まとめ売り企画テーブル43の空いている最小企画番号のエリアに追加する(ST21:まとめ売り企画データ追加手段)。また、まとめ売り候補テーブル42の当該レコードにおける実行中フラグを“1”にセットする(ST22)。
【0026】
これに対し、当該レコードの実行中フラグが“1”、すなわち当該レコードの商品コードによって識別される商品のまとめ売りが実行されている場合には(ST18のYES)、CPU31は、ST19以降の処理を省略する。また、実在庫数Pがまとめ在庫数Q以下の場合にも(ST20のNO)、ST21以降の処理を省略する。
【0027】
その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップする(ST15)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコードを読み出し(ST16)、読み出すことができたならば(ST17のYES)、ST18以降の処理を再度実行する。こうして、まとめ売り候補テーブル42から順次レコードを読み出す毎にST18以降の処理を繰返し実行し、読み出せなくなったならば(ST17のNO)、このまとめ売り判定処理を終了する。
【0028】
なお、ST2の処理において、まとめ売り判定テーブル44を検索した結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出できなかった場合には(ST13のNO)、その時点でこのまとめ売り判定処理を終了する。
【0029】
またCPU31は、例えば前記第1のタイマ割込信号とは異なるタイミングの1分間隔で時計部35から与えられる第2のタイマ割込信号が入力される毎に、図9の流れ図に示すまとめ売り開始処理を実行する。すなわちCPU31は、時計部35にて計時されている現在時刻を取得したならば(ST31)、その現在時刻でまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り開始時刻データを検索する(ST32)。その結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り開始時刻データを検出した場合には(ST33のYES)、CPU31は、そのまとめ売り開始時刻に対応して設定されているまとめ売り判定時刻にまとめ売り対象商品として選択された商品のまとめ売りの開始が指令されたと認識する。
【0030】
そして先ず、RAM33上のカウンタnを“0”に初期化する(ST34)。次いで、このカウンタnを“1”だけカウントアップする(ST35)。そして、まとめ売り企画テーブル43から企画番号n(nはカウンタnのカウント値)のレコードを読み出す(ST36)。
【0031】
ここで、まとめ売り企画テーブル43から企画番号nのレコード(商品コード,まとめ個数,まとめ価格,開始時刻)を読み出すことができた場合には(ST37のYES)、CPU31は、そのレコードの開始時刻データが、ST31の処理で取得した現在時刻と時,分で一致するか否かを判断する。その結果、一致する場合には(ST38のYES)、当該レコードは、現在時刻に一致する開始時刻に対応して設定されているまとめ売り判定時刻にまとめ売り対象商品として選択された商品のまとめ売り条件データが設定されたレコードなので、CPU31は、当該レコードの商品コードで識別される商品に対応した電子棚札装置6の表示部に表示させるためのまとめ売り表示情報を編集する(ST39)。そして、このまとめ売り表示情報を、ネットワークコントローラ37を介して棚札管理サーバ2に送信する(ST40:棚札情報送信手段)。なお、このまとめ売り表示情報には、商品コード,まとめ個数及びまとめ価格が含まれる。この他、当該商品の単価にまとめ個数を乗算した金額からまとめ価格分を減算することで算出される合計割引額や、この合計割引額をまとめ個数で除算することで算出される1個あたりの価格や、当該商品の単価から上記1個あたりの価格を減算することで算出される1個あたりの割引額などの少なくとも1つが含まれてもよい。
【0032】
因みに、上記まとめ売り表示情報を受信した棚札管理サーバ2は、その商品コードで識別される商品の商品名,価格などが表示されている電子棚札装置6に対して、まとめ個数及びまとめ価格などのまとめ売り表示情報を表示可能となっている。
【0033】
これに対し、当該レコードの開始時刻が現在時刻と一致しない場合には(ST38のNO)、CPU31は、ST39以降の処理を省略する。
【0034】
その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップする(ST35)。そして、まとめ売り企画テーブル43から企画番号nのレコードを読み出し(ST36)、読み出すことができたならば(ST37のYES)、ST38以降の処理を再度実行する。こうして、まとめ売り企画テーブル43から順次レコードを読み出す毎にST38以降の処理を繰返し実行し、読み出せなくなったならば(ST37のNO)、このまとめ売り開始処理を終了する。
【0035】
なお、ST32の処理において、まとめ売り判定テーブル44を検索した結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り開始時刻データを検出できなかった場合には(ST33のNO)、その時点でこのまとめ売り開始処理を終了する。
【0036】
このような情報処理を行う第1の実施の形態のPOSサーバ3においては、現在時刻がまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻になると、まとめ売り候補テーブル42に設定されている各まとめ売り候補商品の実在庫数がチェックされる。そして、実在庫数がその商品に対して予め設定されているまとめ在庫数以上である在庫の多いまとめ売り候補商品が検出されると、この商品はまとめ売り対象商品として選択される。そして、このまとめ売り対象商品のまとめ売り成立条件であるまとめ個数,まとめ価格及び開始時刻の各データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。
【0037】
こうして、まとめ売り企画テーブル43にまとめ売り成立条件データが追加されると、そのデータに対応したまとめ売り対象商品は、開始時刻以後、まとめ売り処理される。すなわち、POS端末10での1商取引の商品販売データ処理において、まとめ売り対象商品の販売点数がまとめ個数に達すると、そのまとめ売り対象商品の販売点数分の合計価格がまとめ価格に値引処理される。
【0038】
また、商品陳列棚に設けられた各電子棚札装置6のうち、まとめ売り企画テーブル43にまとめ売り成立条件データが追加されたまとめ売り対象商品の商品名,価格等が表示された電子棚札装置6においては、開始時刻以後、POSサーバ3で編集されたまとめ売り表示情報が自動的に表示される。その一例を図10に示す。図示する電子棚札装置6は、価格表示部61及び商品名表示部62の他に、メッセージ表示部63を設けており、このメッセージ表示部63に、まとめ売り表示情報として編集されたまとめ個数,まとめ価格(合計価格),合計値引額,1個あたりの価格及び1個あたりの値引額の各情報が表示されている。
【0039】
このように第1の実施の形態によれば、予めまとめ売り候補に設定された商品のうち、所定の判定時刻の段階で在庫数が予め設定された閾値より多い商品だけが、自動的にその商品がまとめ売り対象商品として選択される。そして、このまとめ売り対象商品のまとめ売り成立条件データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。したがって、納品が間に合わず在庫が少ない商品をまとめ売り対象としてしまったり、逆に在庫が多く残っている商品をまとめ売り対象とし得なかったりするような不都合が無くなるので、まとめ売りのサービスを的確に実施できるようになる。
【0040】
また、まとめ売り対象として自動的に決定された商品のまとめ売り情報を、電子棚札装置6を利用することにより店員の負担になることなく客に確実に告知できる効果も奏する。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図11〜図17を用いて説明する。この第2の実施の形態は、まとめ売り商品の判定開始が指令されると、その時点で予め設定された売上管理に対する売上達成度を求め、その達成度に応じてまとめ売りの割引率を自動的に決定するとともに、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として自動的に選択する。そして、この選択された商品の単価と自動的に決定された割引率とに基づいてまとめ売り成立個数に対する当該商品のまとめ売り成立時の販売価格を算出し、選択された商品の識別コードとまとめ売り成立個数及び算出されたまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加してまとめ売り処理するようにしたものである。
【0042】
なお、この第2の実施の形態においても、店舗システムは第1の実施の形態と同様なので、図1をそのまま利用する。また、POSサーバ3の構成も第1の実施の形態と同様なので、図2をそのまま利用する。
【0043】
さて、第2の実施の形態においては、POSサーバ3のHDD装置34に、前記商品マスタテーブル41(図3を参照)及びまとめ売り企画テーブル43(図4を参照)と、図11に示すデータ構造の日別予算管理テーブル45と、図12に示すデータ構造のまとめ売り候補テーブル46と、図13に示すデータ構造のまとめ売り判定テーブル47と、図14に示すデータ構造の割引率設定テーブル48とが保存されている。
【0044】
日別予算管理テーブル45は、図11に示すように、日付毎にその日の売上予算金額と売上実績金額の各データを記憶するデータテーブルである。そのデータ項目のうち日付と日別売上予算金額は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。日別売上実績金額は、初期値が“0”である。
【0045】
まとめ売り候補テーブル46は、図12に示すように、一連の候補番号に対応して、まとめ売り候補と設定された商品の商品コードと、まとめ個数,まとめ価格,まとめ在庫数,実在庫数及びまとめ売り実行中フラグ等の各データとを記憶するデータテーブルである。各データ項目の情報のうち、商品コード,まとめ個数及びまとめ在庫数は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。まとめ価格,実在庫数及び実行中フラグは、初期値が“0”であり、実在庫数は、クライアント端末5の操作入力により当該商品の納品データが入力される毎に、その納品点数分増加される。
【0046】
まとめ売り判定テーブル47は、図13に示すように、まとめ売り判定を実施する時刻と、その時刻にまとめ売りを実行すると判定された商品のまとめ売り開始時刻とを対にし、3種類の差額A,B,Cとともに記憶するデータテーブルである。差額A,B,Cは、売上予算金額に対する売上実績金額の不足額であって、売上達成度の目安となる。つまり、差額が大きいほど売上達成度が低いことになる。因みに、本実施の形態では、差額A,B,Cがいずれも0より大きいとき、A>B>Cなる関係を有するものとする。判定時刻,開始時刻及び各差額A,B,Cのデータは、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。
【0047】
割引率設定テーブル48は、図14に示すように、上記差額A,B,Cにそれぞれ対応してまとめ売りの割引率が設定されるデータテーブルである。上述したように、差額A,B,Cはいずれも0より大きいときA>B>Cなる関係を有するので、差額A,B,Cにそれぞれ対応する各割引率a,b,cもa>b>cなる関係を有する。すなわち、売上達成度が低いほど、割引率が大きくなるように設定する。割引率は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。
【0048】
しかして、POSサーバ3のCPU31は、第1の実施の形態と同様に、POSインターフェイス36を介して各POS端末10で生成された売上トランザクションデータを受信する毎に、図15の流れ図に示す売上トラン受信処理を実行する。すなわちCPU31は、受信した売上トランザクションデータの解析を行う(ST51)。そして、商品コード,売上点数及び売上金額等からなる単品売上データを取得する毎に(ST52)、商品マスタテーブル41を検索して、その単品売上データ中の商品コードに対応して記憶されているまとめ売り候補フラグを調べる。そして、まとめ売り候補フラグが“1”、つまり当該商品コードで識別される商品がまとめ売り候補商品の場合には(ST53のYES)、まとめ売り候補テーブル42において当該商品コードに対応して記憶されている実在庫数から当該単品売上データ中の売上点数を減算する(ST54)。まとめ売り候補商品でない場合には、上記ST54の処理を実行しない。
【0049】
次に、CPU31は、日別予算管理テーブル45を検索する。そして、時計部35にて計時されている現在日付に対応する売上実績金額のデータに当該単品売上データ中の売上金額を加算する(ST55)。
【0050】
CPU31は、売上トランザクションデータを解析し、単品売上データを取得する毎に上記ST53〜ST55の処理を順次実行する。そして、売上トランザクションデータの解析を終了したならば(ST56のYES)、CPU31は、この売上トラン受信処理を終了する。
【0051】
このように、各POS端末10から売上トランザクションデータを受信する毎に、CPU31が上記売上トラン受信処理を実行することによって、POSサーバ3においては、少なくともまとめ売り候補として設定された商品の実際の在庫数が略リアルタイムに計数されることとなる。また、本日の現時点における売上実績金額が略リアルタイムに算出されることとなる。
【0052】
またCPU31は、第1の実施の形態と同様に、第1のタイマ割込信号が入力される毎に、図16の流れ図に示すまとめ売り判定処理を実行する。すなわちCPU31は、時計部35にて計時されている現在日付及び時刻を取得したならば(ST61)、その現在時刻でまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻データを検索する(ST62)。その結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出した場合には(ST63のYES)、CPU31は、まとめ売り商品の判定開始が指令されたと認識する。
【0053】
そして先ず、CPU31は、日別予算管理テーブル45から現在日付に対応する売上予算金額と売上実績金額とを読出し、売上予算金額から売上実績金額を減算してその差額、つまりは売上予算達成までの不足額Dを売上予算に対する売上達成度として算出する(ST64:達成度演算手段)。次いで、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データに対応してまとめ売り判定テーブル44に設定されている差額A,B,Cを読出し、その最小値である差額Cと不足額Dとを比較する。
【0054】
その結果、不足額Dが差額Cより大きい場合には(ST65のYES)、まとめ売りを実行する必要があるので、CPU31は、不足額Dに応じたまとめ売りの割引率を決定する(ST66:割引率決定手段)。すなわち、不足額Dと差額Bとを比較し、不足額Dが差額B以下である場合には、割引率設定テーブル48から差額Cに対応した割引率データをまとめ売りの割引率として決定する。これに対し、不足額Dが差額Bより大きい場合には、不足額Dと差額Aとを比較する。そして、不足額Dが差額A以下である場合には、割引率設定テーブル48から差額Bに対応した割引率データをまとめ売りの割引率として決定する。これに対し、不足額Dが差額Aより大きい場合には、割引率設定テーブル48から差額Aに対応した割引率データをまとめ売りの割引率として決定する。
【0055】
次に、CPU31は、RAM33上のカウンタnを“0”に初期化した後(ST67)、このカウンタnを“1”だけカウントアップする(ST68)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号n(nはカウンタnのカウント値)のレコードを読み出す(ST69)。
【0056】
ここで、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコード(商品コード,まとめ個数,まとめ価格,まとめ在庫数,実在庫数,実行中フラグ)を読み出すことができたならば(ST70のYES)、CPU31は、そのレコードの実在庫数Pとまとめ在庫数Qとを比較する(ST71)。その結果、実在庫数Pがまとめ在庫数Q以下の場合には(ST72のNO)、CPU31は、当該レコードの実行中フラグ73を調べる。そして、実行中フラグが”1”にセットされていた場合には(ST73のYES)、この実行中フラグを“0”にリセットする(ST74)。
【0057】
一方、実在庫数Pがまとめ在庫数Q以下の場合には(ST74のYES)、CPU31は、当該レコードの商品コードで識別される商品をまとめ売り対象商品として選択する(まとめ売り対象商品選択手段)。そして、この商品コードで商品マスタテーブル41を検索し、当該商品コードに対応して設定されている単価データを取得する。そして、この単価に当該レコードのまとめ個数を乗算してまとめ個数分の通常価格を算出し、この通常価格とST68の処理で決定された割引率とからまとめ売り成立時の販売価格(まとめ価格)を算出する(ST75:まとめ売り価格算出手段)。
【0058】
例えば、単価が100円,まとめ個数が3個、割引率が10%の場合、まとめ価格は、下記(1)式により270円となる。
【0059】
100×3−(100×3)×0.1=270 …(1)
しかる後、CPU31は、当該レコードの商品コード及びまとめ個数と、ST77の処理で算出されたまとめ価格と、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データと対応付けられたまとめ売り開始時刻のデータとを、まとめ売り企画テーブル43の空いている最小企画番号のエリアに追加する(ST76:まとめ売り企画データ追加手段)。また、まとめ売り候補テーブル42の当該レコードにおける実行中フラグを“1”にセットする(ST77)。
【0060】
その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップする(ST68)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコードを読み出し(ST69)、読み出すことができたならば(ST70のYES)、ST71以降の処理を再度実行する。こうして、まとめ売り候補テーブル42から順次レコードを読み出す毎にST71以降の処理を繰返し実行し、読み出せなくなったならば(ST70のNO)、このまとめ売り判定処理を終了する。
【0061】
なお、ST62の処理において、まとめ売り判定テーブル44を検索した結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出できなかった場合(ST63のNO)、及び、売上予算金額に対する売上実績金額の不足額Dが差額C以下の場合には(ST65のNO)、その時点でこのまとめ売り判定処理を終了する。
【0062】
またCPU31は、第1の実施の形態と同様に、第2のタイマ割込信号が入力される毎に、図17の流れ図に示すまとめ売り開始処理を実行する。因みに、この第2の実施の形態におけるまとめ売り開始処理のST81〜ST90は、第1の実施の形態における当該処理(図9を参照)のST31〜ST40と同一である。
【0063】
この第2の実施の形態におけるまとめ売り開始処理が第1の実施の形態の当該処理と異なる点は、まとめ売り企画テーブル43から取得した企画番号nのレコードの開始時刻データが現在時刻と一致しない場合(ST88のNO)の処理である。すなわち当該レコードは、現在時刻より前の開始時刻に対応して設定されているまとめ売り判定時刻にまとめ売り対象商品として選択された商品のまとめ売り条件データが設定され、現時点までまとめ売り処理されていたレコードである。そこで、第2の実施の形態では、当該レコードの商品コードで識別される商品に対応した電子棚札装置6の表示部に表示させるためのまとめ売り表示情報を再度編集する(ST91)。そして、このまとめ売り表示情報の削除をネットワークコントローラ37を介して棚札管理サーバ2に送信する(ST92)。しかる後、まとめ売り企画テーブル43から当該レコードを削除する(ST93)。その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップして(ST85)、ST86以降の処理を再度実行するものとなっている。
【0064】
このような情報処理を行う第2の実施の形態のPOSサーバ3においては、現在時刻がまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻になる毎に、日別予算管理テーブル45で管理されている本日の売上予算金額と現時点までの本日の売上実績金額とから、売上予算達成までの不足額Dが算出される。そして、この不足額Dが、当該まとめ売り判定時刻に対して予め設定されている差額C以上のとき、まとめ売り商品の判定開始が指令される。また、不足額Dに応じてまとめ売りの割引率が決定される。
【0065】
次いで、まとめ売り候補テーブル42に設定されている各まとめ売り候補商品の実在庫数がチェックされる。そして、実在庫数がその商品に対して予め設定されているまとめ在庫数以上である在庫の多いまとめ売り候補商品が検出されると、この商品はまとめ売り対象商品として選択される。そして、このまとめ売り対象商品の単価と自動的に決定された割引率とからまとめ価格が算出され、まとめ売り成立条件であるまとめ個数,まとめ価格及び開始時刻の各データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。
【0066】
こうして、まとめ売り企画テーブル43にまとめ売り成立条件データが追加されると、そのデータに対応したまとめ売り対象商品は、開始時刻以後、まとめ売り処理される。
【0067】
なお、その後のまとめ売り判定時刻において、売上予算金額に対する現時点までの売上実績金額の不足額Dがそのまとめ売り判定時刻に対して予め設定されている差額C未満になると、まとめ売り企画テーブル43に記憶されていたまとめ売り成立条件データは、そのまとめ売り判定時刻に対応するまとめ売り開始時刻以後にクリアされる。したがって、それ以後は、まとめ売り処理が行われない。そして、再び不足額Dが差額C以上になった場合には、まとめ売り処理が再開される。
【0068】
このように第2の実施の形態によれば、所定の判定時刻の段階で売上予算金額に対する売上実績金額の不足額が多いとき、予めまとめ売り候補に設定された商品のうち在庫数の多い商品が自動的にまとめ売り対象商品として選択され、このまとめ売り対象商品のまとめ売り成立条件データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。したがって、第1の実施の形態と同様にまとめ売りのサービスを的確に実施できる上、売上達成度が低いときにまとめ売りが実施されるので売上の促進が図られ、売上予算の達成が期待できる。
【0069】
特に、売上達成度が著しく低いときには、まとめ売りの割引率が大きくなるので、まとめ売りによる売上促進の効果は大である。
【0070】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0071】
例えば前記実施の形態では、在庫数が多い商品をまとめ売り対象の商品としたが、牛乳,弁当,おにぎり等の日販品の食品は、賞味期限までに売り切らなければならないので、賞味期限までが短くかつ在庫の多い商品を優先的にまとめ売り対象商品としてもよい。
【0072】
また、前記第1の実施の形態では、まとめ売り判定テーブル44に対する判定時間及び開始時間の設定を1通りとしたが、複数通り設定してもよい。この場合、時間が遅くなるにつれて各商品のまとめ在庫数が少なく変化するようにすればよい。また、複数通りの判定時間が設定されている第2の実施の形態においても、各判定時間の経過に応じて各商品のまとめ在庫数が少なく変化するようにしてもよい。
【0073】
また、前記第2の実施の形態では、売上予算金額に対する売上実績金額の差額を売上達成度としたが、売上達成度はこれに限定されるものではなく、例えば上記差額と閉店までの残り時間とから売上達成度を算出してもよい。また、必ずしも売上達成度に応じて割引率を変更する必要はない。
【0074】
また、まとめ売り判定処理は、自動的に実行されるだけでなく、クライアント端末5からのコマンドにより実行されるようにしてもよい。また、まとめ売り企画テーブル43に追加されたまとめ売り条件データをクライアント端末5のディスプレイで表示出力できるようにしてもよい。こうすることにより、例えば店長などの店舗責任者がクライアント端末5を操作することによって、まとめ売りを実施したほうがよいかどうか、また、まとめ売りを実施する場合にはどの商品をまとめ売り対象とすればよいかの情報を、適宜得られるようになる。
【0075】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施の形態である店舗システムの全体構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態におけるPOSサーバの要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態においてPOSサーバが有する商品マスタテーブルのデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り候補テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り企画テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図6】同実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り判定テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図7】同実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行する売上トラン受信処理の要部を示す流れ図。
【図8】同実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り判定処理の要部を示す流れ図。
【図9】同実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り開始処理の要部を示す流れ図。
【図10】同実施の形態における電子棚札装置の一表示例を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態においてPOSサーバが有する日別予算管理テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図12】同第2の実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り候補テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図13】同第2の実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り判定テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図14】同第2の実施の形態においてPOSサーバが有する割引率設定テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図15】同第2の実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行する売上トラン受信処理の要部を示す流れ図。
【図16】同第2の実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り判定処理の要部を示す流れ図。
【図17】同第2の実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り開始処理の要部を示す流れ図。
【符号の説明】
【0077】
2…棚札管理サーバ、3…POSサーバ、6…電子棚札装置、10…POS端末、31…CPU、41…商品マスタテーブル、42,46…まとめ売り候補テーブル、43…まとめ売り企画テーブル43、44,47…まとめ売り判定テーブル、45…日別予算管理テーブル、48…割引率設定テーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケット等の小売店において実施される値引サービスの一種に、商品を複数個まとめて購入すると値引をするいわゆるまとめ売りがある。そして、このまとめ売りの処理を実行可能な商品販売データ処理システムとして、従来、POS(Point Of Sales)端末が商品登録の際に商品マスタテーブルを参照して当該商品がまとめ売り対象商品であるか否かを判別し、とめ売り対象商品でありかつまとめ売り企画テーブルを参照してまとめ売り条件が成立したと判別された場合に、まとめ売り処理を行うようにしたものが知られていた(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2000−339548
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら従来の技術においては、商品マスタテーブルには、まとめ売り対象商品のレコードにまとめ売りの企画コードが予め設定されており、まとめ売り企画テーブルには、まとめ売りの企画コード別にまとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格,まとめ売り期間の各データが予め設定されていた。したがって、まとめ売り対象として設定された商品は、サービス期間中は必ずまとめ売りされていた。このため、例えば納品が間に合わず在庫が少ないために急遽まとめ売り対象から外したいと思っても、対応するのが困難であった。また逆に、在庫が多く残っているために急遽まとめ売り対象として売り切りたいと思っても、容易には対応できないのが実情であった。
【0004】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、在庫数の多い商品だけがまとめ売り対象となり得、まとめ売りが的確に実施されるように店舗運営を支援できる商品販売管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置において、まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルと、まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として選択するまとめ売り対象商品選択手段と、このまとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の識別コードと予め設定されているまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加するまとめ売り企画データ追加手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
かかる手段を講じた本発明によれば、在庫数の多い商品だけがまとめ売り対象となり得、まとめ売りが的確に実施されるように店舗運営を支援できる商品販売管理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
はじめに、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図10を用いて説明する。この第1の実施の形態は、まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルを備え、まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が多い商品をまとめ売り対象商品として自動的に選択し、この選択された商品の識別コードとまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加してまとめ売り処理するようにしたものである。
【0009】
図1は本実施の形態に係る店舗システムを示しており、本システムは、ネットワークサーバ1,棚札管理サーバ2及びPOSサーバ3を備えている。各サーバ1,2,3は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク4で接続されている。また、通信ネットワーク4には、パソコン等のクライアント端末5が接続されている。クライアント端末5は、各サーバ1,2,3で管理されるデータを利用して店舗運営等を行うために、例えば店長などの店舗責任者が主に操作する。
【0010】
ネットワークサーバ1は、専用回線または公衆回線で接続された本部システム等の外部システムとのデータ通信に特化したコンピュータである。
【0011】
棚札管理サーバ2は、陳列棚に陳列された各商品にそれぞれ対応して設けられた複数の電子棚札装置6の情報管理に特化したコンピュータである。棚札管理サーバ2と各電子棚札装置6とは、有線または無線の通信回線7を介して接続されている。棚札管理サーバ2には、棚札情報ファイル8が設けられている。棚札情報ファイル8には、各電子棚札装置6をそれぞれ識別する棚札IDに対応して、その棚札IDで識別される電子棚札装置6の表示部に表示させる商品名,価格等の商品棚札情報が保存されている。しかして棚札管理サーバ2は、棚札情報ファイル8に保存された情報に基づいて、各電子棚札装置6の表示部に表示される情報を制御するものとなっている。
【0012】
POSサーバ3は、POSシステムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線9を介して複数台のPOS端末10を接続している。各POS端末10は、商品販売データ処理装置の一態様であり、客が買い上げる商品の販売データを登録処理する。また、入力された代金支払いデータを基に当該客との商取引を決済処理する。そして、1客が買い上げた各商品の商品コード,売上点数及び売上金額等からなる単品売上データやその客との決済処理データ等からなる売上トランザクションデータを生成する機能を有している。POSサーバ3は、各POS端末10で生成された売上トランザクションデータ、つまりは商取引で売買された各商品の売上データを略リアルタイムに通信回線9を介して収集する。そして、この収集された売上トランザクションデータに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理するものとなっている。ここに、POSサーバ3は、本発明に係る商品販売管理装置の一態様として機能する。
【0013】
図2はPOSサーバ3の要部構成を示すブロック図である。POSサーバ3は、情報処理,演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)31、CPU31の処理を制御するプログラム等の固定的データが予め格納されるROM(Read Only Memory)32、情報処理,演算処理等で生じるデータを記憶するRAM(Random Access Memory)33、各種データテーブル等の大容量データを保存するHDD(Hard Disk Drive)装置34、現在の日付及び時刻を計時する時計部35、各POS端末10と通信を行うためのPOSインターフェイス36、前記通信回線4を介して接続される他のサーバ1,2やクライアント端末5と通信を行うためのネットワークコントローラ37等で構成されている。CPU31と、ROM32,RAM33,HDD装置34,時計部35,POSインターフェイス36及びネットワークコントローラ37とは、アドレスバス,データバス等のバスライン38で接続されている。
【0014】
HDD装置34には、特に図3に示すデータ構造の商品マスタテーブル41、図4に示すデータ構造のまとめ売り候補テーブル42、図5に示すデータ構造のまとめ売り企画テーブル43、図6に示すデータ構造のまとめ売り判定テーブル44等が保存されている。
【0015】
商品マスタテーブル41は、図3に示すように、各商品の識別コードである商品コードに対応して、商品名,商品区分,単価,棚札ID及びまとめ売り候補フラグ等のデータを記憶するデータテーブルである。そのデータ項目において、商品名は、対応する商品コードによって識別される商品を特定する名称データである。商品区分は、対応する商品コードによって識別される商品が分類される商品分類を特定するコードデータである。単価は、対応する商品コードによって識別される商品の1点あたりの価格である。棚札IDは、対応する商品コードによって識別される商品が陳列される陳列棚に設けられた電子棚札装置6を識別するためのIDコードである。まとめ売り候補フラグは、対応する商品コードによって識別される商品がまとめ売り候補の商品であるか否かを識別するフラグ(1:まとめ売り候補商品、0:まとめ売り候補外商品)である。各データ項目の情報は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。因みに、牛乳,弁当,おにぎり等のように賞味期限までに売り切らなければならない日販品の食品等や、缶詰,飲料水等のように客が一度にまとめて購入するケースが比較的多い商品をまとめ売り候補として予め設定しておくとよい。
【0016】
まとめ売り候補テーブル42は、図4に示すように、一連の候補番号に対応して、各商品のうちまとめ売り候補フラグによってまとめ売り候補と設定された商品の商品コードと、まとめ売り成立個数(以下、まとめ個数と称する),まとめ売り成立時の販売価格(以下、まとめ価格と称する),まとめ売りを実行するか否かの閾値となる商品在庫数(以下、まとめ在庫数と称する),現時点の在庫数(以下、実在庫数と称する)及びまとめ売り実行中フラグ等の各データとを記憶するデータテーブルである。そのデータ項目において、まとめ売り実行中フラグは、対応する商品コードによって識別される商品がまとめ売り実行中か否かを識別するフラグ(1:まとめ売り実行中、0:まとめ売り未実行)である。各データ項目の情報のうち、商品コード,まとめ個数,まとめ価格及びまとめ在庫数は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。実在庫数及び実行中フラグは、初期値が“0”であり、実在庫数は、クライアント端末5の操作入力により当該商品の納品データが入力される毎に、その納品点数分増加される。
【0017】
まとめ売り企画テーブル43は、図5に示すように、まとめ売りの企画を特定する一連の企画番号順に、そのまとめ売り対象である商品コード,まとめ個数,まとめ価格及びまとめ売り開始時刻の各まとめ売り条件データを記憶するデータテーブルである。このまとめ売り企画テーブル43にまとめ売り条件データが設定されることにより、該当する商品がまとめ売り処理される。
【0018】
まとめ売り判定テーブル44は、図6に示すように、まとめ売り判定を実施する時刻と、その時刻にまとめ売りを実行すると判定された商品のまとめ売り開始時刻とを対にして記憶するデータテーブルである。判定時刻と開始時刻との関係は、図6の例では判定時刻に対して開始時刻を15分後としているが、判定時刻に対して開始時刻が後述するまとめ売り判定処理に要する時間より後であればよい。なお、判定時刻及び開始時刻の情報は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。
【0019】
しかして、POSサーバ3のCPU31は、POSインターフェイス36を介して各POS端末10で生成された売上トランザクションデータを受信する毎に、図7の流れ図に示す売上トラン受信処理を実行する。すなわちCPU31は、受信した売上トランザクションデータの解析を行う(ST1)。そして、商品コード,売上点数及び売上金額等からなる単品売上データを取得する毎に(ST2)、商品マスタテーブル41を検索して、その単品売上データ中の商品コードに対応して記憶されているまとめ売り候補フラグを調べる。そして、まとめ売り候補フラグが“1”、つまり当該商品コードで識別される商品がまとめ売り候補商品の場合には(ST3のYES)、まとめ売り候補テーブル42において当該商品コードに対応して記憶されている実在庫数のデータから当該単品売上データ中の売上点数分を減算する(ST4)。
【0020】
CPU31は、売上トランザクションデータを解析し、単品売上データを取得する毎に上記ST3,ST4の処理を順次実行する。そして、売上トランザクションデータの解析を終了したならば(ST5のYES)、CPU31は、この売上トラン受信処理を終了する。
【0021】
このように、各POS端末10から売上トランザクションデータを受信する毎に、CPU31が上記売上トラン受信処理を実行することによって、POSサーバ3においては、少なくともまとめ売り候補として設定された商品の実際の在庫数が略リアルタイムに計数されることとなる。
【0022】
またCPU31は、例えば1分間隔で時計部35から与えられる第1のタイマ割込信号が入力される毎に、図8の流れ図に示すまとめ売り判定処理を実行する。すなわちCPU31は、時計部35にて計時されている現在時刻を取得したならば(ST11)、その現在時刻でまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻データを検索する(ST12)。その結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出した場合には(ST13のYES)、CPU31は、まとめ売り商品の判定開始が指令されたと認識する。
【0023】
そして先ず、RAM33上のカウンタnを“0”に初期化する(ST14)。次いで、このカウンタnを“1”だけカウントアップする(ST15)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号n(nはカウンタnのカウント値)のレコードを読み出す(ST16)。
【0024】
ここで、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコード(商品コード,まとめ個数,まとめ価格,まとめ在庫数,実在庫数,実行中フラグ)を読み出すことができたならば(ST17のYES)、CPU31は、そのレコードの実行中フラグを調べる。そして、実行中フラグが“0”、すなわち当該レコードの商品コードによって識別される商品のまとめ売りが実行されていない場合には(ST18のNO)、CPU31は、当該レコードの実在庫数Pと、予め設定された閾値であるまとめ在庫数Qとを比較する(ST19)。
【0025】
ここで、実在庫数Pがまとめ在庫数Qより多い場合には(ST20のYES)、CPU31は、当該レコードの商品コードによって識別される商品をまとめ売り対象商品として選択する(まとめ売り対象商品選択手段)。そして、当該レコードの商品コード,まとめ個数及びまとめ価格の各データと、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データに対応付けられたまとめ売り開始時刻のデータとを、まとめ売り企画テーブル43の空いている最小企画番号のエリアに追加する(ST21:まとめ売り企画データ追加手段)。また、まとめ売り候補テーブル42の当該レコードにおける実行中フラグを“1”にセットする(ST22)。
【0026】
これに対し、当該レコードの実行中フラグが“1”、すなわち当該レコードの商品コードによって識別される商品のまとめ売りが実行されている場合には(ST18のYES)、CPU31は、ST19以降の処理を省略する。また、実在庫数Pがまとめ在庫数Q以下の場合にも(ST20のNO)、ST21以降の処理を省略する。
【0027】
その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップする(ST15)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコードを読み出し(ST16)、読み出すことができたならば(ST17のYES)、ST18以降の処理を再度実行する。こうして、まとめ売り候補テーブル42から順次レコードを読み出す毎にST18以降の処理を繰返し実行し、読み出せなくなったならば(ST17のNO)、このまとめ売り判定処理を終了する。
【0028】
なお、ST2の処理において、まとめ売り判定テーブル44を検索した結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出できなかった場合には(ST13のNO)、その時点でこのまとめ売り判定処理を終了する。
【0029】
またCPU31は、例えば前記第1のタイマ割込信号とは異なるタイミングの1分間隔で時計部35から与えられる第2のタイマ割込信号が入力される毎に、図9の流れ図に示すまとめ売り開始処理を実行する。すなわちCPU31は、時計部35にて計時されている現在時刻を取得したならば(ST31)、その現在時刻でまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り開始時刻データを検索する(ST32)。その結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り開始時刻データを検出した場合には(ST33のYES)、CPU31は、そのまとめ売り開始時刻に対応して設定されているまとめ売り判定時刻にまとめ売り対象商品として選択された商品のまとめ売りの開始が指令されたと認識する。
【0030】
そして先ず、RAM33上のカウンタnを“0”に初期化する(ST34)。次いで、このカウンタnを“1”だけカウントアップする(ST35)。そして、まとめ売り企画テーブル43から企画番号n(nはカウンタnのカウント値)のレコードを読み出す(ST36)。
【0031】
ここで、まとめ売り企画テーブル43から企画番号nのレコード(商品コード,まとめ個数,まとめ価格,開始時刻)を読み出すことができた場合には(ST37のYES)、CPU31は、そのレコードの開始時刻データが、ST31の処理で取得した現在時刻と時,分で一致するか否かを判断する。その結果、一致する場合には(ST38のYES)、当該レコードは、現在時刻に一致する開始時刻に対応して設定されているまとめ売り判定時刻にまとめ売り対象商品として選択された商品のまとめ売り条件データが設定されたレコードなので、CPU31は、当該レコードの商品コードで識別される商品に対応した電子棚札装置6の表示部に表示させるためのまとめ売り表示情報を編集する(ST39)。そして、このまとめ売り表示情報を、ネットワークコントローラ37を介して棚札管理サーバ2に送信する(ST40:棚札情報送信手段)。なお、このまとめ売り表示情報には、商品コード,まとめ個数及びまとめ価格が含まれる。この他、当該商品の単価にまとめ個数を乗算した金額からまとめ価格分を減算することで算出される合計割引額や、この合計割引額をまとめ個数で除算することで算出される1個あたりの価格や、当該商品の単価から上記1個あたりの価格を減算することで算出される1個あたりの割引額などの少なくとも1つが含まれてもよい。
【0032】
因みに、上記まとめ売り表示情報を受信した棚札管理サーバ2は、その商品コードで識別される商品の商品名,価格などが表示されている電子棚札装置6に対して、まとめ個数及びまとめ価格などのまとめ売り表示情報を表示可能となっている。
【0033】
これに対し、当該レコードの開始時刻が現在時刻と一致しない場合には(ST38のNO)、CPU31は、ST39以降の処理を省略する。
【0034】
その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップする(ST35)。そして、まとめ売り企画テーブル43から企画番号nのレコードを読み出し(ST36)、読み出すことができたならば(ST37のYES)、ST38以降の処理を再度実行する。こうして、まとめ売り企画テーブル43から順次レコードを読み出す毎にST38以降の処理を繰返し実行し、読み出せなくなったならば(ST37のNO)、このまとめ売り開始処理を終了する。
【0035】
なお、ST32の処理において、まとめ売り判定テーブル44を検索した結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り開始時刻データを検出できなかった場合には(ST33のNO)、その時点でこのまとめ売り開始処理を終了する。
【0036】
このような情報処理を行う第1の実施の形態のPOSサーバ3においては、現在時刻がまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻になると、まとめ売り候補テーブル42に設定されている各まとめ売り候補商品の実在庫数がチェックされる。そして、実在庫数がその商品に対して予め設定されているまとめ在庫数以上である在庫の多いまとめ売り候補商品が検出されると、この商品はまとめ売り対象商品として選択される。そして、このまとめ売り対象商品のまとめ売り成立条件であるまとめ個数,まとめ価格及び開始時刻の各データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。
【0037】
こうして、まとめ売り企画テーブル43にまとめ売り成立条件データが追加されると、そのデータに対応したまとめ売り対象商品は、開始時刻以後、まとめ売り処理される。すなわち、POS端末10での1商取引の商品販売データ処理において、まとめ売り対象商品の販売点数がまとめ個数に達すると、そのまとめ売り対象商品の販売点数分の合計価格がまとめ価格に値引処理される。
【0038】
また、商品陳列棚に設けられた各電子棚札装置6のうち、まとめ売り企画テーブル43にまとめ売り成立条件データが追加されたまとめ売り対象商品の商品名,価格等が表示された電子棚札装置6においては、開始時刻以後、POSサーバ3で編集されたまとめ売り表示情報が自動的に表示される。その一例を図10に示す。図示する電子棚札装置6は、価格表示部61及び商品名表示部62の他に、メッセージ表示部63を設けており、このメッセージ表示部63に、まとめ売り表示情報として編集されたまとめ個数,まとめ価格(合計価格),合計値引額,1個あたりの価格及び1個あたりの値引額の各情報が表示されている。
【0039】
このように第1の実施の形態によれば、予めまとめ売り候補に設定された商品のうち、所定の判定時刻の段階で在庫数が予め設定された閾値より多い商品だけが、自動的にその商品がまとめ売り対象商品として選択される。そして、このまとめ売り対象商品のまとめ売り成立条件データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。したがって、納品が間に合わず在庫が少ない商品をまとめ売り対象としてしまったり、逆に在庫が多く残っている商品をまとめ売り対象とし得なかったりするような不都合が無くなるので、まとめ売りのサービスを的確に実施できるようになる。
【0040】
また、まとめ売り対象として自動的に決定された商品のまとめ売り情報を、電子棚札装置6を利用することにより店員の負担になることなく客に確実に告知できる効果も奏する。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図11〜図17を用いて説明する。この第2の実施の形態は、まとめ売り商品の判定開始が指令されると、その時点で予め設定された売上管理に対する売上達成度を求め、その達成度に応じてまとめ売りの割引率を自動的に決定するとともに、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として自動的に選択する。そして、この選択された商品の単価と自動的に決定された割引率とに基づいてまとめ売り成立個数に対する当該商品のまとめ売り成立時の販売価格を算出し、選択された商品の識別コードとまとめ売り成立個数及び算出されたまとめ売り成立時の販売価格の各データとをまとめ売り企画テーブルに追加してまとめ売り処理するようにしたものである。
【0042】
なお、この第2の実施の形態においても、店舗システムは第1の実施の形態と同様なので、図1をそのまま利用する。また、POSサーバ3の構成も第1の実施の形態と同様なので、図2をそのまま利用する。
【0043】
さて、第2の実施の形態においては、POSサーバ3のHDD装置34に、前記商品マスタテーブル41(図3を参照)及びまとめ売り企画テーブル43(図4を参照)と、図11に示すデータ構造の日別予算管理テーブル45と、図12に示すデータ構造のまとめ売り候補テーブル46と、図13に示すデータ構造のまとめ売り判定テーブル47と、図14に示すデータ構造の割引率設定テーブル48とが保存されている。
【0044】
日別予算管理テーブル45は、図11に示すように、日付毎にその日の売上予算金額と売上実績金額の各データを記憶するデータテーブルである。そのデータ項目のうち日付と日別売上予算金額は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。日別売上実績金額は、初期値が“0”である。
【0045】
まとめ売り候補テーブル46は、図12に示すように、一連の候補番号に対応して、まとめ売り候補と設定された商品の商品コードと、まとめ個数,まとめ価格,まとめ在庫数,実在庫数及びまとめ売り実行中フラグ等の各データとを記憶するデータテーブルである。各データ項目の情報のうち、商品コード,まとめ個数及びまとめ在庫数は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。まとめ価格,実在庫数及び実行中フラグは、初期値が“0”であり、実在庫数は、クライアント端末5の操作入力により当該商品の納品データが入力される毎に、その納品点数分増加される。
【0046】
まとめ売り判定テーブル47は、図13に示すように、まとめ売り判定を実施する時刻と、その時刻にまとめ売りを実行すると判定された商品のまとめ売り開始時刻とを対にし、3種類の差額A,B,Cとともに記憶するデータテーブルである。差額A,B,Cは、売上予算金額に対する売上実績金額の不足額であって、売上達成度の目安となる。つまり、差額が大きいほど売上達成度が低いことになる。因みに、本実施の形態では、差額A,B,Cがいずれも0より大きいとき、A>B>Cなる関係を有するものとする。判定時刻,開始時刻及び各差額A,B,Cのデータは、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。
【0047】
割引率設定テーブル48は、図14に示すように、上記差額A,B,Cにそれぞれ対応してまとめ売りの割引率が設定されるデータテーブルである。上述したように、差額A,B,Cはいずれも0より大きいときA>B>Cなる関係を有するので、差額A,B,Cにそれぞれ対応する各割引率a,b,cもa>b>cなる関係を有する。すなわち、売上達成度が低いほど、割引率が大きくなるように設定する。割引率は、ネットワークサーバ1を介して接続された本部システム等からのダウンロードによって予め設定されている。また、クライアント端末5の操作入力により適宜変更することができる。
【0048】
しかして、POSサーバ3のCPU31は、第1の実施の形態と同様に、POSインターフェイス36を介して各POS端末10で生成された売上トランザクションデータを受信する毎に、図15の流れ図に示す売上トラン受信処理を実行する。すなわちCPU31は、受信した売上トランザクションデータの解析を行う(ST51)。そして、商品コード,売上点数及び売上金額等からなる単品売上データを取得する毎に(ST52)、商品マスタテーブル41を検索して、その単品売上データ中の商品コードに対応して記憶されているまとめ売り候補フラグを調べる。そして、まとめ売り候補フラグが“1”、つまり当該商品コードで識別される商品がまとめ売り候補商品の場合には(ST53のYES)、まとめ売り候補テーブル42において当該商品コードに対応して記憶されている実在庫数から当該単品売上データ中の売上点数を減算する(ST54)。まとめ売り候補商品でない場合には、上記ST54の処理を実行しない。
【0049】
次に、CPU31は、日別予算管理テーブル45を検索する。そして、時計部35にて計時されている現在日付に対応する売上実績金額のデータに当該単品売上データ中の売上金額を加算する(ST55)。
【0050】
CPU31は、売上トランザクションデータを解析し、単品売上データを取得する毎に上記ST53〜ST55の処理を順次実行する。そして、売上トランザクションデータの解析を終了したならば(ST56のYES)、CPU31は、この売上トラン受信処理を終了する。
【0051】
このように、各POS端末10から売上トランザクションデータを受信する毎に、CPU31が上記売上トラン受信処理を実行することによって、POSサーバ3においては、少なくともまとめ売り候補として設定された商品の実際の在庫数が略リアルタイムに計数されることとなる。また、本日の現時点における売上実績金額が略リアルタイムに算出されることとなる。
【0052】
またCPU31は、第1の実施の形態と同様に、第1のタイマ割込信号が入力される毎に、図16の流れ図に示すまとめ売り判定処理を実行する。すなわちCPU31は、時計部35にて計時されている現在日付及び時刻を取得したならば(ST61)、その現在時刻でまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻データを検索する(ST62)。その結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出した場合には(ST63のYES)、CPU31は、まとめ売り商品の判定開始が指令されたと認識する。
【0053】
そして先ず、CPU31は、日別予算管理テーブル45から現在日付に対応する売上予算金額と売上実績金額とを読出し、売上予算金額から売上実績金額を減算してその差額、つまりは売上予算達成までの不足額Dを売上予算に対する売上達成度として算出する(ST64:達成度演算手段)。次いで、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データに対応してまとめ売り判定テーブル44に設定されている差額A,B,Cを読出し、その最小値である差額Cと不足額Dとを比較する。
【0054】
その結果、不足額Dが差額Cより大きい場合には(ST65のYES)、まとめ売りを実行する必要があるので、CPU31は、不足額Dに応じたまとめ売りの割引率を決定する(ST66:割引率決定手段)。すなわち、不足額Dと差額Bとを比較し、不足額Dが差額B以下である場合には、割引率設定テーブル48から差額Cに対応した割引率データをまとめ売りの割引率として決定する。これに対し、不足額Dが差額Bより大きい場合には、不足額Dと差額Aとを比較する。そして、不足額Dが差額A以下である場合には、割引率設定テーブル48から差額Bに対応した割引率データをまとめ売りの割引率として決定する。これに対し、不足額Dが差額Aより大きい場合には、割引率設定テーブル48から差額Aに対応した割引率データをまとめ売りの割引率として決定する。
【0055】
次に、CPU31は、RAM33上のカウンタnを“0”に初期化した後(ST67)、このカウンタnを“1”だけカウントアップする(ST68)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号n(nはカウンタnのカウント値)のレコードを読み出す(ST69)。
【0056】
ここで、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコード(商品コード,まとめ個数,まとめ価格,まとめ在庫数,実在庫数,実行中フラグ)を読み出すことができたならば(ST70のYES)、CPU31は、そのレコードの実在庫数Pとまとめ在庫数Qとを比較する(ST71)。その結果、実在庫数Pがまとめ在庫数Q以下の場合には(ST72のNO)、CPU31は、当該レコードの実行中フラグ73を調べる。そして、実行中フラグが”1”にセットされていた場合には(ST73のYES)、この実行中フラグを“0”にリセットする(ST74)。
【0057】
一方、実在庫数Pがまとめ在庫数Q以下の場合には(ST74のYES)、CPU31は、当該レコードの商品コードで識別される商品をまとめ売り対象商品として選択する(まとめ売り対象商品選択手段)。そして、この商品コードで商品マスタテーブル41を検索し、当該商品コードに対応して設定されている単価データを取得する。そして、この単価に当該レコードのまとめ個数を乗算してまとめ個数分の通常価格を算出し、この通常価格とST68の処理で決定された割引率とからまとめ売り成立時の販売価格(まとめ価格)を算出する(ST75:まとめ売り価格算出手段)。
【0058】
例えば、単価が100円,まとめ個数が3個、割引率が10%の場合、まとめ価格は、下記(1)式により270円となる。
【0059】
100×3−(100×3)×0.1=270 …(1)
しかる後、CPU31は、当該レコードの商品コード及びまとめ個数と、ST77の処理で算出されたまとめ価格と、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データと対応付けられたまとめ売り開始時刻のデータとを、まとめ売り企画テーブル43の空いている最小企画番号のエリアに追加する(ST76:まとめ売り企画データ追加手段)。また、まとめ売り候補テーブル42の当該レコードにおける実行中フラグを“1”にセットする(ST77)。
【0060】
その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップする(ST68)。そして、まとめ売り候補テーブル42から候補番号nのレコードを読み出し(ST69)、読み出すことができたならば(ST70のYES)、ST71以降の処理を再度実行する。こうして、まとめ売り候補テーブル42から順次レコードを読み出す毎にST71以降の処理を繰返し実行し、読み出せなくなったならば(ST70のNO)、このまとめ売り判定処理を終了する。
【0061】
なお、ST62の処理において、まとめ売り判定テーブル44を検索した結果、時及び分が現在時刻と一致するまとめ売り判定時刻データを検出できなかった場合(ST63のNO)、及び、売上予算金額に対する売上実績金額の不足額Dが差額C以下の場合には(ST65のNO)、その時点でこのまとめ売り判定処理を終了する。
【0062】
またCPU31は、第1の実施の形態と同様に、第2のタイマ割込信号が入力される毎に、図17の流れ図に示すまとめ売り開始処理を実行する。因みに、この第2の実施の形態におけるまとめ売り開始処理のST81〜ST90は、第1の実施の形態における当該処理(図9を参照)のST31〜ST40と同一である。
【0063】
この第2の実施の形態におけるまとめ売り開始処理が第1の実施の形態の当該処理と異なる点は、まとめ売り企画テーブル43から取得した企画番号nのレコードの開始時刻データが現在時刻と一致しない場合(ST88のNO)の処理である。すなわち当該レコードは、現在時刻より前の開始時刻に対応して設定されているまとめ売り判定時刻にまとめ売り対象商品として選択された商品のまとめ売り条件データが設定され、現時点までまとめ売り処理されていたレコードである。そこで、第2の実施の形態では、当該レコードの商品コードで識別される商品に対応した電子棚札装置6の表示部に表示させるためのまとめ売り表示情報を再度編集する(ST91)。そして、このまとめ売り表示情報の削除をネットワークコントローラ37を介して棚札管理サーバ2に送信する(ST92)。しかる後、まとめ売り企画テーブル43から当該レコードを削除する(ST93)。その後、CPU31は、カウンタnをさらに“1”だけカウントアップして(ST85)、ST86以降の処理を再度実行するものとなっている。
【0064】
このような情報処理を行う第2の実施の形態のPOSサーバ3においては、現在時刻がまとめ売り判定テーブル44に設定されているまとめ売り判定時刻になる毎に、日別予算管理テーブル45で管理されている本日の売上予算金額と現時点までの本日の売上実績金額とから、売上予算達成までの不足額Dが算出される。そして、この不足額Dが、当該まとめ売り判定時刻に対して予め設定されている差額C以上のとき、まとめ売り商品の判定開始が指令される。また、不足額Dに応じてまとめ売りの割引率が決定される。
【0065】
次いで、まとめ売り候補テーブル42に設定されている各まとめ売り候補商品の実在庫数がチェックされる。そして、実在庫数がその商品に対して予め設定されているまとめ在庫数以上である在庫の多いまとめ売り候補商品が検出されると、この商品はまとめ売り対象商品として選択される。そして、このまとめ売り対象商品の単価と自動的に決定された割引率とからまとめ価格が算出され、まとめ売り成立条件であるまとめ個数,まとめ価格及び開始時刻の各データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。
【0066】
こうして、まとめ売り企画テーブル43にまとめ売り成立条件データが追加されると、そのデータに対応したまとめ売り対象商品は、開始時刻以後、まとめ売り処理される。
【0067】
なお、その後のまとめ売り判定時刻において、売上予算金額に対する現時点までの売上実績金額の不足額Dがそのまとめ売り判定時刻に対して予め設定されている差額C未満になると、まとめ売り企画テーブル43に記憶されていたまとめ売り成立条件データは、そのまとめ売り判定時刻に対応するまとめ売り開始時刻以後にクリアされる。したがって、それ以後は、まとめ売り処理が行われない。そして、再び不足額Dが差額C以上になった場合には、まとめ売り処理が再開される。
【0068】
このように第2の実施の形態によれば、所定の判定時刻の段階で売上予算金額に対する売上実績金額の不足額が多いとき、予めまとめ売り候補に設定された商品のうち在庫数の多い商品が自動的にまとめ売り対象商品として選択され、このまとめ売り対象商品のまとめ売り成立条件データがまとめ売り企画テーブル43に追加される。したがって、第1の実施の形態と同様にまとめ売りのサービスを的確に実施できる上、売上達成度が低いときにまとめ売りが実施されるので売上の促進が図られ、売上予算の達成が期待できる。
【0069】
特に、売上達成度が著しく低いときには、まとめ売りの割引率が大きくなるので、まとめ売りによる売上促進の効果は大である。
【0070】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0071】
例えば前記実施の形態では、在庫数が多い商品をまとめ売り対象の商品としたが、牛乳,弁当,おにぎり等の日販品の食品は、賞味期限までに売り切らなければならないので、賞味期限までが短くかつ在庫の多い商品を優先的にまとめ売り対象商品としてもよい。
【0072】
また、前記第1の実施の形態では、まとめ売り判定テーブル44に対する判定時間及び開始時間の設定を1通りとしたが、複数通り設定してもよい。この場合、時間が遅くなるにつれて各商品のまとめ在庫数が少なく変化するようにすればよい。また、複数通りの判定時間が設定されている第2の実施の形態においても、各判定時間の経過に応じて各商品のまとめ在庫数が少なく変化するようにしてもよい。
【0073】
また、前記第2の実施の形態では、売上予算金額に対する売上実績金額の差額を売上達成度としたが、売上達成度はこれに限定されるものではなく、例えば上記差額と閉店までの残り時間とから売上達成度を算出してもよい。また、必ずしも売上達成度に応じて割引率を変更する必要はない。
【0074】
また、まとめ売り判定処理は、自動的に実行されるだけでなく、クライアント端末5からのコマンドにより実行されるようにしてもよい。また、まとめ売り企画テーブル43に追加されたまとめ売り条件データをクライアント端末5のディスプレイで表示出力できるようにしてもよい。こうすることにより、例えば店長などの店舗責任者がクライアント端末5を操作することによって、まとめ売りを実施したほうがよいかどうか、また、まとめ売りを実施する場合にはどの商品をまとめ売り対象とすればよいかの情報を、適宜得られるようになる。
【0075】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施の形態である店舗システムの全体構成を示す模式図。
【図2】同実施の形態におけるPOSサーバの要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態においてPOSサーバが有する商品マスタテーブルのデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り候補テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り企画テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図6】同実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り判定テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図7】同実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行する売上トラン受信処理の要部を示す流れ図。
【図8】同実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り判定処理の要部を示す流れ図。
【図9】同実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り開始処理の要部を示す流れ図。
【図10】同実施の形態における電子棚札装置の一表示例を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態においてPOSサーバが有する日別予算管理テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図12】同第2の実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り候補テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図13】同第2の実施の形態においてPOSサーバが有するまとめ売り判定テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図14】同第2の実施の形態においてPOSサーバが有する割引率設定テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図15】同第2の実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行する売上トラン受信処理の要部を示す流れ図。
【図16】同第2の実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り判定処理の要部を示す流れ図。
【図17】同第2の実施の形態においてPOSサーバのCPUが実行するまとめ売り開始処理の要部を示す流れ図。
【符号の説明】
【0077】
2…棚札管理サーバ、3…POSサーバ、6…電子棚札装置、10…POS端末、31…CPU、41…商品マスタテーブル、42,46…まとめ売り候補テーブル、43…まとめ売り企画テーブル43、44,47…まとめ売り判定テーブル、45…日別予算管理テーブル、48…割引率設定テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置において、
まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルと、
まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として選択するまとめ売り対象商品選択手段と、
このまとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の識別コードと予め設定されているまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとを前記まとめ売り企画テーブルに追加するまとめ売り企画データ追加手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売管理装置。
【請求項2】
商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置において、
まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルと、
予め設定された売上予算に対する売上達成度を算出する達成度演算手段と、
まとめ売り商品の判定開始が指令されると、その時点で前記達成度演算手段により算出された売上達成度に応じてまとめ売りの割引率を決定する割引率決定手段と、
前記まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として選択するまとめ売り対象商品選択手段と、
このまとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の単品価格と前記割引率決定手段により決定された割引率とに基づいて予め設定されたまとめ売り成立個数に対する当該商品のまとめ売り成立時の販売価格を算出するまとめ売り価格算出手段と、
前記まとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の識別コードと予め設定されているまとめ売り成立個数及び前記まとめ売り価格算出手段により算出されたまとめ売り成立時の販売価格の各データとを前記まとめ売り企画テーブルに追加するまとめ売り企画データ追加手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売管理装置。
【請求項3】
陳列棚に陳列された各商品にそれぞれ対応して設けられた複数の電子棚札装置の各表示部にそれぞれその電子棚札装置に対応する商品の商品名,価格等を表示させる棚札管理サーバに対し、前記まとめ売り企画データ追加手段により商品の識別コードとともに追加されたまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データを当該識別コードで識別される商品に対応した電子棚札装置への表示データとして送信する棚札情報送信手段を、さらに具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の商品販売管理装置。
【請求項1】
商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置において、
まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルと、
まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として選択するまとめ売り対象商品選択手段と、
このまとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の識別コードと予め設定されているまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データとを前記まとめ売り企画テーブルに追加するまとめ売り企画データ追加手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売管理装置。
【請求項2】
商取引で売買された各商品の売上データを収集し、この収集された各商品の売上データに基づいて総売上,商品別在庫数等を管理する商品販売管理装置において、
まとめ売り対象商品の識別コード,まとめ売り成立個数,まとめ売り成立時の販売価格の各データを記憶するまとめ売り企画テーブルと、
予め設定された売上予算に対する売上達成度を算出する達成度演算手段と、
まとめ売り商品の判定開始が指令されると、その時点で前記達成度演算手段により算出された売上達成度に応じてまとめ売りの割引率を決定する割引率決定手段と、
前記まとめ売り商品の判定開始が指令されると、各商品の中で在庫数が予め設定された閾値より多い商品をまとめ売り対象商品として選択するまとめ売り対象商品選択手段と、
このまとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の単品価格と前記割引率決定手段により決定された割引率とに基づいて予め設定されたまとめ売り成立個数に対する当該商品のまとめ売り成立時の販売価格を算出するまとめ売り価格算出手段と、
前記まとめ売り対象商品選択手段により選択された商品の識別コードと予め設定されているまとめ売り成立個数及び前記まとめ売り価格算出手段により算出されたまとめ売り成立時の販売価格の各データとを前記まとめ売り企画テーブルに追加するまとめ売り企画データ追加手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売管理装置。
【請求項3】
陳列棚に陳列された各商品にそれぞれ対応して設けられた複数の電子棚札装置の各表示部にそれぞれその電子棚札装置に対応する商品の商品名,価格等を表示させる棚札管理サーバに対し、前記まとめ売り企画データ追加手段により商品の識別コードとともに追加されたまとめ売り成立個数及びまとめ売り成立時の販売価格の各データを当該識別コードで識別される商品に対応した電子棚札装置への表示データとして送信する棚札情報送信手段を、さらに具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の商品販売管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−172144(P2007−172144A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366564(P2005−366564)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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