説明

商品選択支援方法

【課題】商品画面を利用する利用者の商品画面への注視結果をこの商品画面での表示形態にフィードバックし、利用者に好適な画面表示を提供する
【解決手段】表示画面の前に注視する利用者が居ない場合には、表示画面に複数の商品の画像71がランダムな配列でスクロールする商品一覧画面70aが表示され、利用者が表示画面に近づいて商品一覧画面70aの特定の商品の画像を注視すると、その注視点を含む注視領域73内の商品の画像71が、中央部に注視領域73aが設定されて、この注視領域73a内に位置付けられた商品一覧画面70aが表示される。さらに、この注視領域73a内の商品の画像71を注視続けると、この商品の画像71が強調表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機や施設内の広告表示板などに設けられてIPネットワークからダウンロードされた商品などの商品情報を表示するデジタルサイネージに関し、特に、表示される表示情報に対する顧客の注視度を商品情報の表示形態にフィードバックして利用できるようにした商品選択支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗などにおいて、設置された表示装置に通信システムから受信した商品に関するコンテンツを表示し、来店した顧客に商品の宣伝や広告を行なうことができるようにしたデジタルサイネージを用いたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかるシステムとしては、各場所に設置される自動販売機やコンビニエンスストアといった店舗などの施設内に設置される広告表示板にデジタルサイネージを用い、ダウンロードされた商品の広告情報(例えば、商品の画像など)を表示画面に表示し、商品の宣伝・広告を行なうことが考えられる。ところで、商品の広告,宣伝を行なう場合には、店舗側としては、その広告,宣伝の効果がどのようなものであるか知ることが必要であり、このため、広告,宣伝される各商品に対する顧客の注視度(各商品に対する顧客の注目の度合い)を検出するような技術も提案されている。
【0004】
その一例として、商品の陳列棚に陳列されている商品の人物による注目度を算出し、夫々の商品の注目度を画面で表示するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この特許文献2に記載の技術では、陳列棚にカメラと位置計測装置とを設け、陳列棚の商品に注目する人物(顧客)をカメラで撮像して人物の画像を取得するとともに、位置計測装置でこの人物の位置を検出し、この人物の画像から顔が向いている方向(顔方向)と眼が向いている視線の方向とを検出し、検出したこの人物の位置と顔方向と視線の方向とから陳列棚でのこの人物が注目している商品を検出するものであって、陳列棚での各商品毎に注目された回数を集計し、表示画面上に各商品毎に注目された回数を棒グラフで、あるいは単位時間当りの注目回数の変化をヒストグラフで表示するなど、かかる注目回数を注目度として、注目度を表わすグラフックスを商品の画像と重ね合わせて表示するものである。
【0006】
また、他の例として、表示画面に大きいサイズの主表示領域と1以上の小さいサイズの副表示領域とを設定し、主表示領域と副表示領域とに別々のカメラで撮影した映像を表示し、これら主表示領域と副表示領域とで映像が表示される表示画面を観る視聴者のこれら画像毎の表示要求度を検出し、表示要求度も最も高い映像を主表示領域で表示するようにし、夫々の表示要求度が変化して副表示領域に表示されている映像の表示要求度が最大となると、この映像を、これまで主表示領域で表示されていた映像に代えて、主表示領域で表示させるようにした技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
特許文献3に記載の技術において、視聴者による表示要求度を求める場合も、カメラで表示画面の近くにいる人物を撮像してその顔画像を取得し、この顔画像から表示画面に顔を向けている人物を視聴者としてを認識し、これら視聴者の顔画像の位置座標を検出するとともに、これら視聴者の顔の方向と眼球の方向とを認識して視聴者毎に視線方向を検出し、検出した顔画像の位置座標と視線方向とから表示画面中の注視している視線の位置座標を検出し、この視線の位置座標に基づいて、視聴者毎に、注目している映像を判定する。そして、上記の顔画像の位置座標を基に、視聴者の顔がどの程度静止しているか、従って、ある映像をどのくらい続けて観ているかを検出して満足度を算出し、この満足度と上記の注目している映像と判定した映像とを基に、映像毎に視聴者全員についての満足度を加算することにより、映像毎の表示要求度を求めるものである。
【0008】
なお、人物の視線の方向を計測する方法として、この人物の顔の水平方向(左右方向)の向きと垂直方向(上下方向)の向きとから求めるようにした他の方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
この特許文献4に記載の技術では、カメラで撮像した人物の映像からその顔画像を取得し、顔画像の領域である顔領域の垂直方向の中心位置に対して、この顔画像でのこの顔領域の中心位置にあるべき箇所(顔器官中心位置)が水平方向にずれている場合、これを顔の水平方向の向きとして検出し、顔画像での肩から予め決められた高さの位置での部位の位置を基準位置とし、この基準位置にあるべき部位が上下方向に位置ずれた測定点にあるときには、推定される頭部の中心位置とこの測定点とを結ぶ直線のこの頭部の中心点を含む水平面からの角度を顔の垂直方向の向きとして検出する。そして、これらの検出した水平方向の向きと垂直方向の向きとから、顔の向きを求める。
【0010】
このようにして、顔の向きが求まると、顔の向きに対する眼球の中心の向き(頭部の想定される中心位置と眼球の中心の位置とを結ぶ直線の方向)が求められ、この眼球の中心の向きが視線の方向となる。そして、このようにして求めた左右両目の視線の方向となり、これら視線の方向を重み付けして足し合わせることにより、この人物が観ている視線の方向が得られることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−194480号公報
【特許文献2】特開2007−286995号公報
【特許文献3】特開2006−119408号公報
【特許文献4】特開2009−104524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の特許文献1に記載のように、デジタルサイネージを用いて商品の宣伝,広告を行なうようにした技術は既に知られており、また、特許文献2に記載のように、配列される商品に対する顧客の注目度を計測する技術も知られている。人物のかかる注目度を計測する方法としては、例えば、上記の特許文献4にも、その一例が紹介されている。
【0013】
ところで、このように、顧客の商品に対する注目度を計測しても、この計測結果は商品を販売する店舗側にのみ利用されるものであって、顧客としては、陳列される商品や表示画面に表示される商品の画像を、同じ表示状態のままで、見るだけのものである。
【0014】
顧客側としては、自動販売機や広告サイネージに表示されている商品の配列を見て商品を購入する場合、羅列された多くの商品の画像の中からから希望する商品を選択することになるが、表示される商品の画像が多くなるほど、表示される商品の画像のサイズは小さくなり、利用者がその中から希望する商品を見つけ出すことは手間と時間がかかるものであるし、また、誤った選択をする可能性もある。
【0015】
また、表示画面のサイズを大きくし、夫々の商品の画像を大きく表示することも考えられが、装置が大型化して高価なものとなるし、表示画面のサイズが大きくなると、利用者は希望する商品を見つけ出すために、表示画面の前で動きまわるような事態も生じかねない。
【0016】
なお、上記特許文献3には、視聴者の視線方向を計測して最も注目している映像を主表示領域で拡大して表示するようにした技術が提案されているが、商品を販売するための自動販売機や広告サイネージでは、複数の商品の画像がすべて同じサイズで表示されているものであり、常に1つの商品の画像を拡大して表示されるようなことは行なわれないものである。
【0017】
本発明は、以上のような点に鑑みとなされたものであって、その目的は、表示画面で表示される商品画面を利用する利用者の商品画面への注視結果をこの画面での表示形態にフィードバックし、利用者に好適な画面表示を提供することが可能とした商品選択支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明は、商品情報を格納した商品情報記録部と、商品の画像を表わす商品画面を表示画面に表示する表示部と、商品画面を利用する利用者を撮影する撮像部と、撮像部で撮影された利用者の画像から利用者の視線方向を検出する視線方向計測部と、表示部に対する利用者の位置を計測する利用者位置計測部と、利用者による商品画面での商品画像に対する注視度を算出する注視度算出部とを備えた装置を用い、利用者位置計測部によって所定の領域内の利用者を検出されると、視線方向計測部により、利用者の表示画面への視線方向を検出し、利用者の位置と視線方向とから利用者の表示画面に表示される商品画面での商品の画像に対する注視度を算出し、表示画面のうちの注視度の高い商品の画像が含まれる注視領域を特定して、注視領域に含まれる商品の画像を強調表示し、利用者の商品の画像に対する注視度と強調表示した注視領域に含まれる商品の画像とにより、商品の画像に該当する商品毎の注視度を算出し、商品情報記録部に記録することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、強調表示が、注視度が高い商品の画像の拡大表示、または、商品の画像の近傍での当該商品の詳細情報の表示であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、強調表示が、注視度が高い商品の画像の拡大表示であって、拡大表示された商品の画像に対する利用者の視線方向と利用者の位置とを検出して、拡大表示された商品の画像に対する利用者の注視度を算出し、商品の画像を拡大表示中の表示画面のうち注視度の高い商品の画像を含む注視領域を特定し、注視領域に含まれる商品の画像をさらに拡大表示することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、強調表示が、注視度が高い商品の画像での当該商品の詳細情報の表示であって、表示された詳細情報のうち特定の詳細情報が選択されると、選択された詳細情報に該当する商品情報を検索して、表示部に選択可能に表示することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、表示画面には、タッチパネルが設けられ、商品画面に表示される商品の画像がタッチ操作されることにより、タッチ操作された商品の画像に該当する商品の購入決定処理を行なうことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、商品画面は、複数の商品の画像をスクロール表示し、利用者がサイネージに対する所定の領域内に検出されると、利用者の位置と利用者の視線方向とから、スクロール表示する商品画面での商品の画像に対する利用者の注視度を算出し、スクロール表示する商品画面での商品の画像のうち、注視度の高い商品の画像を商品画面の中心に停止して表示することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、商品情報記録部には、各商品毎の注視度及び各商品の販売履歴が記録され、商品の注視度及び販売実績のランキングを表示部で表示可能とすることを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、商品情報記録部には、詳細情報の選択履歴が記録され、選択された詳細情報のランキングを表示部で表示可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、複数の商品の画像が表示された商品画面での所定の商品の画像を注視するという動作だけでもって、商品画面での表示形態を利用者に好適なものとすることができ、利用者に手間をかけずに、この商品画面での希望する商品の選択を容易にかつ確実なものとする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による商品選択支援方法を実行するサイネージの一具体例としてのサイネージ自販機を示す外観斜視図である。
【図2】本発明による商品選択支援方法を実行するサネージの一具体例としての広告サイネージとその設置状態とを示す外観斜視図である。
【図3】図1に示すサイネージ自販機の動作の概略説明図である。
【図4】図2に示す広告サイネージの動作の概略説明図である。
【図5】図2に示す広告サイネージのブロック構成の一具体例を示す構成図である。
【図6】図1に示すサイネージ自販機1のブロック構成の一具体例を示す構成図である。
【図7】図5,図6における空間情報記録部35に格納されている商品の注視データの一具体例を示す図である。
【図8】サイネージに対する人物の位置に応じたサイネージの動作を概念的に示す図である。
【図9A】本発明による商品選択支援方法の第1の実施形態の処理の流れの一部を示す図である。
【図9B】図9Aの処理に続いて実行される処理の流れの一具体例を示す図である。
【図10】本発明による商品選択支援方法の第2の実施形態の処理の流れの一部を示す図である。
【図11】本発明による商品選択支援方法の第3の実施形態の処理の流れに対する表示画面21での画面の流れ一部を示す図である。
【図12】本発明による商品選択支援方法の第4の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れ一部を示す図である。
【図13】本発明による商品選択支援方法の第5の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れの一部を示す図である。
【図14】本発明による商品選択支援方法の第6の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れの一部を示す図である。
【図15】本発明による商品選択支援方法の第7の実施形態での図2における表示画面21での画面の他の具体例を示す図である。
【図16】本発明による商品選択支援方法の第8の実施形態での図2における表示画面21での画面の他の具体例を示す図である。
【図17】本発明による商品選択支援方法の第9の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0029】
図1は本発明による商品選択支援方法を実行するサイネージの一具体例としての自動販売機であるサイネージ自販機を示す外観斜視図であって、1はサイネージ自販機、2は表示画面、3はカメラ、4は操作部、5は現金投入口、6はカードタッチ部、7は釣銭取り出し口、8は商品取り出し口、9,10はスピーカ、11は利用者である。
【0030】
同図において、サイネージ自販機1は、その筐体の前面に、複数の商品の画像(図示せず)が配列されて表示される表示画面2が設けられており、その表示画面2の上側中央部にカメラ3が設けられ、また、表示画面2の下側に操作部4が夫々設けられており、さらに、この操作部4の下側の左右両側にスピーカ9,10が設けられている。
【0031】
表示画面2は、その前に平均的な身長の利用者11が正面を向いてこの表示画面2の前に立ったとき、この利用者11の視線が表示画面2のほぼ中央の高さ位置を指すように、その高さ位置が設定されている。この表示画面2には、タッチパネル(図示せず)が設けられており、そこに表示されている商品の画像のうちのいずれかをタッチ操作でもって選択指定することができ、これにより、利用者11は、表示画面2で画像が表示される商品のうちから希望する商品を選択して購入することができる。
【0032】
カメラ3は、この表示画面2の上側中央部の位置から、この表示画面2に表示された商品の画像を見るために、この表示画面2の前に立ち止まった利用者11やこの表示画面2の前をこの表示画面2を見ながら通り過ぎる利用者11の少なくとも顔を含む範囲を撮影できるように、その撮影範囲(視野範囲)が設定されている。カメラ3で撮影された利用者11の顔の画像は、表示画面2で画像が表示される商品の注視度を求めるのに用いられるものである。カメラ3は、この撮影範囲内に居るいずれの人物も撮影するが、このサイネージ自販機1から所定距離以上離れていてカメラ3で撮影して得られた顔の画像で眼や鼻,口などの顔の各部位を判別できないような場合には、かかる人物は表示画面2で表示される商品の画像を注視している利用者11とはせず、その顔の画像は注視度の算出に用いない。
【0033】
カメラ3で撮影された画像を画像認識処理することにより、利用者11とサイネージ自販機1との距離を検知し、その位置を検出するものであって、利用者11のサイネージ自販機1からの距離に応じて表示画面2での表示形態を変化される。
【0034】
操作部4は、表示画面2でタッチ操作によって指定した商品を購入するためのものであって、現金投入口5とカードタッチ部6と釣銭取り出し口7と商品取り出し口8とを備えている。現金投入口5は、紙幣や貨幣を投入するためのものであって、ここで、図示しないが、紙幣の投入口と貨幣の投入口とからなる。カードタッチ部6は、クレジットカードなどのICカードを備えて商品の購入などに電子マネーを扱うカード(以下、電子マネーカードという)で購入商品の料金を支払うためのものであって、かかるカードをカードタッチ部6に触れさせることにより、購入商品の料金の支払いが行なわれる。現金投入口5で現金を投入することにより、あるいはカードタッチ部6にカードを触れさせることにより、表示画面2で指定された商品の画像の料金が支払われることになり、商品取り出し口8の内側にこの商品が排出されて、この商品取り出し口8から利用者11がこの商品を取り出すことができるし、お釣りがある場合には、その釣銭を釣銭取り出し口7で受け取ることができる。
【0035】
操作部4の下側の左右に設けられているスピーカ9,10は、表示画面2に画像が表示される商品の説明などをステレオ音声で出力する。
【0036】
図2は本発明による商品選択支援方法を実行するサイネージの一具体例としての広告表示板である広告サイネージとその設置状態とを示す外観斜視図であって、20は広告表示板、21は表示画面、22はカメラ、23,24はスピーカ、25は制御部、26は店舗のレジ(料金の支払をする場所)、26aはキャッシュレジスタ(料金の支払をする機械)、27は壁で、28はレジ係、29は利用者である。
【0037】
同図において、ここでは、広告サイネージ20が、店舗内でのキャッシャレジスタ26aが設けられていて利用者29が料金の支払をするレジ29の前やその近くに居る利用者29が見ることができるように、レジ29の後ろの壁27の上部に取り付けられている。但し、これに限るものではなく、広告サイネージ20は店舗内の任意の場所の壁に取り付けられていてもよい。
【0038】
この広告サイネージ20は、複数の商品の画像を表示する表示画面21と、その上側中央に設けられたカメラ22と、表示画面21の裏側に取り付けられている制御部25とからなり、レジ係28で表示画面21が見えなくならないように、比較的高い位置に設置されており、このため、やや下向きの傾斜した状態で設置されている。これとともに、カメラ22も、この表示画面21の下向きの傾きに応じて、下向きに傾いており、その撮影範囲(視野範囲)も、レジ26の前やその近くに居るこの広告サイネージ20の利用者29の少なくとも顔を含む範囲を撮影できるように設定されている。
【0039】
カメラ22の近くには、その左右両側にスピーカ23,24も設けられており、表示画面2に商品の画像が表示される商品の説明などをする音声が出力される。また、カメラ22で撮影された画像を画像認識処理することにより、利用者29と広告サイネージ20との距離を検知するものであって、この利用者29のレジ26からの距離に応じて広告サイネージ20の表示画面21での表示形態を変化させる。
【0040】
図3は図1に示すサイネージ自販機1の動作の概略説明図であって、11aは利用者11の視線であり、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0041】
同図において、カメラ3はその撮影範囲(なお、ここでは、左右方向について破線で示しているが、上下方向にも範囲がある。なお、一点鎖線は、カメラ3の視野の中心の方向を示すものである)内の撮影を常時行なっており、利用者11がサイネージ自販機1に近づいてカメラ3の撮影範囲内に入ると、上記のように、カメラ3が撮影したこの利用者11の顔の画像を基に、この利用者11の表示画面2への注視方向としての表示画面2に向かう視線11aの方向を検出し、これを基に、この利用者11が注視している表示画面2に表示されている商品の画像(図示せず)を判定する。この判定を基に、利用者11によって注視された商品の画像に該当する商品の注視度が求められる。
【0042】
このようにして、表示画面2に画像が表示される商品の注視度が求められ、かかる注視度に応じて表示画面2での表示形態が変更され、利用者11の表示画面2への注視結果が表示画面21での表示にフィードバックされる。
【0043】
図4は図2に示す広告サイネージ20の動作の概略説明図であって、29aは利用者29の視線であり、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0044】
この広告サイネージ20についても、図3に示すサイネージ自販機1と同様であるが、図4において、カメラ22はその撮影範囲(なお、ここでは、左右方向について破線で示しているが、上下方向にも範囲がある。なお、一点鎖線は、カメラ22の視野の中心の方向を示すものである)内の撮影を常時行なっており、利用者29がレジ26に近づいてカメラ22の撮影範囲内に入ると、上記のように、カメラ22が撮影したこの利用者29の顔の画像を基に、この利用者29の表示画面21への注視方向としての表示画面21に向かう視線29aの方向を検出し、これを基に、この利用者29が注視している表示画面21に表示されている商品の画像(図示せず)を判定する。この判定を基に、利用者29によって注視された商品の画像に該当する商品の注視度が求められる。
【0045】
このようにして、表示画面21に画像が表示される商品の注視度が求められ、かかる注視度に応じて表示画面21での表示形態が変更されるものであり、利用者29の表示画面21への注視結果が表示画面21での表示にフィードバックされる。
【0046】
次に、図1に示すサイネージ自販機1と図2に示す広告サイネージ20とのブロック構成について説明するが、サイネージ自販機1のブロック構成はその一部を広告サイネージ20のブロック構成とするものであるから、まず、広告サイネージ20のブロック構成について説明する。
【0047】
図5は図2に示す広告サイネージ20のブロック構成の一具体例を示す構成図であって、30は注目度計測部、31は撮像部、32は人物位置計測部、33は視線方向計測部、34は注視位置情報算出部、35は空間情報記録部、36は注視度算出部、37は集計部、38は入力部、39は出力制御部、40は出力部、41は表示フィードバック部、42は表示装置、43は表示集計部、44はスピーカ部、45は端末記憶部、46は端末制御部、47は履歴DB(データベース)サーバ、48は端末通信部、49は電源部である。
【0048】
同図において、広告サイネージ20は、その内部に注視度計測部30と表示フィードバック部41とを備えている。注視度計測部30は、先に挙げた特許文献2(特開2007ー286995号公報)に記載の注目度計測装置と同様の構成をなすものであるが、まず、注視度計測部30について説明する。
【0049】
注視度計測部30は、カメラ22(図2)を備えた撮像部31と、人物位置計測部32と、視線方向計測部33と、注視位置情報算出部34と、空間情報記録部35と、注視度算出部36と、集計部37と、入力部38と、出力制御部39と、出力部40とから構成されている。
【0050】
撮像部31では、図4で示すように、カメラ22(図2)が利用者29(図2)を撮像し、その撮像によって得られた動画の画像信号を処理して視線方向計測部33に供給する。また、人物位置計測部32は、カメラ22で得られる画像信号から利用者19までの距離を計測することにより、利用者29の位置を表わす位置情報を取得し、視線方向計測部33に供給する。視線方向計測部33は、撮像部31から供給された画像信号から利用者29の肩の部分も含めた顔の部分の画像(顔画像)を抽出するとともに、この利用者29の顔での眼の位置を抽出し、この顔の画像から利用者29の表示画面21(図2)に対する顔の左右方向,上下方向の向きを計測して、この顔の画像での瞳の位置などを基に、この利用者29の視線方向を計測する。
【0051】
空間情報記録部35には、表示画面21上の座標系の情報や広告サイネージ20の表示画面21で表示される各商品の画像の座標範囲を示す情報が格納されている。この商品の画像の表示画面21上での表示位置座標は、この表示画面21上の座標系での座標で表わされている。また、空間情報記録部35には、表示画面21で表示された各商品毎の注視度のデータ(以下、商品別注視データという)や、現在広告サイネージ20の前で表示画面21を見ている利用者11の各商品に対する注視度の商品別注視データ(以下、利用者別注視データという)が格納されており、視線方向計測部33の計測結果や注視位置情報算出部34,注視度算出部36での算出結果に応じてこれらは更新される。
【0052】
注視位置情報算出部34は、視線方向計測部33で得られた視線方向と利用者29の眼の位置と人物位置計測部32から供給される利用者29の位置情報とに基づき、また、空間情報記録部35に格納している表示画面上の座標系を用いて、図4で説明したように、利用者29の視線と表示画面21とが交差する点、即ち、注視点(注目点)の位置座標を算出する。
【0053】
注視度算出部36は、注視位置情報算出部34で算出された注視点が含まれる座標範囲の商品の画像を空間情報記録部35で検索し、検索した商品の画像に対する注視度を算出する。また、注視度算出部36は、算出した注視度を空間情報記録部35に供給し、この空間情報記録部35に記憶されている該当する商品の商品別注視データや利用者別注視データを更新する。
【0054】
ここで、かかる注視データ(商品別注視データや利用者別注視データの総称)は、後述するように、この商品の画像が表示開始されてからの注視人数や注視回数,注視時間などで表わされるものであり、商品の注視度はかかる注視回数や注視時間などであらわされる。商品別注視データに基づく注視度は、その商品の注視人数の合計や注視回数の累計,注視時間の累計などで表わされ、利用者別注視データに基づく商品の注視度は、この利用者29が広告サイネージ20で認識されてから認識されなくなるまでの商品に対する注視回数や注視時間などで表わされる。かかる注目度は、利用者が商品を注視している限り、時間の経過とともに、空間情報記録部35での注視データの更新に伴って更新される。
【0055】
このようにして、新たに注視された商品の画像に対しては、注視度が更新されるので、空間情報記録部35には、夫々の商品の画像に対して、常に最新の注視データが保存されていることになる。
【0056】
空間情報記録部35に保存されているこのときの利用者29の利用者別注視データから、表示画面21(図2)に表示されている商品の画像毎に所定のデータが出力制御部39によって読み出され、この利用者29による商品毎の注目度として、出力部40から表示フィードバック部41に出力される。
【0057】
なお、商品別注視データによる商品の注目度としては、その注視データでの注目人数の合計,注目回数の合成,注目時間の合計のいずれ可であってもよいし、また、これらに基づいて算出された値(例えば、各利用者毎の注目回数と注目時間とを乗算した値を合計した値など)であってもよい。利用者別注視データによる商品の注目度についても、同様である。かかる計算は、出力制御部39で行なわれる。
【0058】
入力部38では、表示フィードバック部41から表示画面21に表示されている商品の画像に関する情報(IDや表示画面21上での位置座標など)が入力され、集計部37を介して空間記録部35に供給される。集計部37では、かかる商品の画像に関する情報が保持されており、出力制御部39は、集計部37での商品の画像に関する情報を基に、現在表示画面21で表示されている商品の画像の注視度を検索する。
【0059】
かかる注視データは、注視度算出部36が注視位置情報算出部34で算出された注視点が含まれる座標範囲の商品の画像を空間情報記録部35で検索し、検索した商品の画像に該当する商品に対して算出したものであり、かかる注視データは空間情報記録部35に記録され、利用者29がその商品の画像を注視する毎に、このときの注視データが作成されて空間情報記録部35に追加記録される。
【0060】
次に、表示フィードバック部41は、表示画面21(図2)を有する表示装置42と、表示集計部43と、スピーカ24(図2)を備えたスピーカ部44と、端末記憶部45と端末制御部46とから構成される。
【0061】
端末制御部46は、端末通信部48を介して、履歴DBサーバ47と接続されており、この履歴DBサーバ47には、表示画面21で表示された商品の画像の情報や表示されている商品の画像の情報が蓄積されている。また、この端末制御部46は表示画面21での各商品の画像の表示位置を指定し、表示画面21では、各商品の画像がこの指定された表示位置に表示される。この各商品の画像の表示位置は、また、表示集計部43で集計され、注視度計測部20の入力部38に供給される。これにより、注視度計測部20での出力制御部39は、その集計部37を介して、表示画面21で現在表示されている商品の画像を確認することができる。
【0062】
また、新たな商品を表示画面21に表示させる場合には、その画像情報が履歴DBサーバ47に格納され、これとともに、その画像情報が端末通信部48を介して端末制御部46に供給される。端末制御部46は、その商品の画像を、表示画面21での表示位置を指定して、表示装置42の表示画面21に表示させる。表示集計部43では、この新たに表示画面21で表示させる商品の画像に関する情報が追加集計される。
【0063】
なお、表示画面21では、そこでスクロール表示されて各商品の画像が表示されたり、表示されなかったりする場合もあるので、図示しない入力部から商品の画像の表示を中止するとの指示がない限り、注視度計測部30での空間情報記録部では、商品の画像の削除は行なわれない。ある商品の画像の表示を中止するとの指示があった場合には、その表示中止の指示があった商品の画像に関する情報が空間情報記録部35から削除される。
【0064】
端末記憶部45には、注視度計測部30の出力部40から出力される表示画面21に表示されている商品の画像の注視度が格納される。端末制御部46は、この端末記憶部45に格納された商品の画像の注視度を取得し、夫々の商品の画像の注視度に応じて、表示画面21での商品の画像の表示の仕方を制御する。即ち、表示画面21に対する利用者26の注視結果が、この表示画面21の表示にフィードバックされることになる。
【0065】
また、端末記憶部45には、宣伝などのための音声の各種メッセージ情報も記憶されており、端末制御部46の制御のもとに、表示画面21での表示内容に応じて端末記憶部45から該当するメッセージ情報が呼び出され、スピーカ部44に供給される。スピーカ部44では、このメッセージ情報が音声情報に変換されて、スピーカ24(図2)からこのメッセージが音声で出力される。
【0066】
また、電源のオン操作が行なわれると、電源部49から注視度計測部30や表示フィードバック部41,端末通信部48,履歴DBサーバ47などの各部に電源が投入され、電源のオフ操作が行なわれると、これら各部への電源投入が中止される。
【0067】
注視度計測部30や表示フィードバック部41,端末通信部48,履歴DBサーバ47などの各部は、撮像部31でのカメラ22(図2)や表示装置42,スピーカ部44を除いて、制御部25(図2)をなしている。
【0068】
図6は図1に示すサイネージ自販機1のブロック構成の一具体例を示す構成図であって、50は操作フィードバック部、51はタッチパネル部、52は操作集計部、53は個人認証部、54は利用者集計部、55は決済処理部、56は購入集計部、57は商品搬送部、58は商品保管部であり、図5に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0069】
同図において、このサイネージ自販機1は、注目度計測部30と表示フィードバック部41と操作フィードバック部50と商品搬送部57と商品保管部58と履歴DBサーバ47と端末通信部48と電源部49とで構成されているが、注目度計測部30と表示フィードバック部41と履歴DBサーバ47と端末通信部48と電源部49とは、図5に示す広告サイネージ20に設けられているものと同様のものであるので、その説明を省略する。但し、サイネージ自販機1では、注目度計測部30での撮像部31は図1に示すカメラ3を備え、表示装置42は同じく表示画面2を備えており、スピーカ部44は同じくスピーカ9,10を備えている。
【0070】
操作フィードバック部50は、図1に示すサイネージ自販機1での利用者11の操作を検出し、その操作に応じた処理を実行する部分であり、タッチパネル部51と個人認証部53と決済処理部55とを備えている。
【0071】
タッチパネル部51は、表示画面2(図1)に設けられているタッチパネルを備えており、この表示画面2での利用者11のタッチ操作を検出するとともに、表示画面2でのタッチ位置を検出する。かかるタッチ位置データは、タッチ操作が行なわれたことを通知する情報とともに、操作集計部52で集計される。この通知情報は端末制御部46に供給される。端末制御部52は、その通知情報を受信すると、表示画面2で利用者11によるタッチ操作が行なわれたことを認知して、操作集計部52からタッチ位置データを取得し、表示フィードバック部41の表示集計部43でそのとき集計されている表示画面2で表示される各商品の画像の位置データとを照合し、このタッチ位置データが示す表示画面2上でのタッチ位置がかかる商品の画像のいずれを示すものであるかを判定する。これにより、表示画面2での利用者11が指し示す商品が確認される。
【0072】
端末制御部46は、利用者11が指し示す商品を確認すると、端末記憶部45に記憶されている画像情報を基に、この確認した商品を購入するための購入画面を作成し、表示装置42に供給して表示画面2に表示させる。このように、購入画面を表示させることにより、利用者11は支持した購入希望商品とそのために支払う購入金額などを知ることができる。
【0073】
個人認識部53は、サイネージ自販機1がカードや携帯電話などの個人認証・決済機能対応自販機であって、現金による購入以外の電子決済を行なう利用者11が利用できるように、設けられているものである。この場合には、図1に示すサイネージ自販機1において、カードタッチ部6がICカードをタッチさせる操作手段となり、かかるタッチカード部7を個人認識部53が備えている。かかる認証カードとしては、電子マネー機能を備えたものであってもよい。
【0074】
利用者11がそのカードをタッチカード部7にタッチすると、個人認識部53はこのカードから利用者11の個人情報を読み取り、個人認識を行なってこの利用者11が登録者であるか否かを判定する。この認識結果は、読み取られた個人情報とともに、利用者集計部54で集計されて端末制御部46に供給される。端末制御部46は、かかる認識結果を基に、タッチパネル部51で検出されたタッチ操作をした利用者11が登録者であるか否かを判定する。
【0075】
決済処理部55は、操作部4(図1)の現金投入口5,カードタッチ部6,釣銭取り出し口7を備えており、現金投入口5やカードタッチ部6から指定した商品を購入するための料金が支払われると、支払われた料金を検出して、釣銭が必要である場合には、釣銭を算出し、購入集計部56がこれら支払料金や釣銭の情報を集計する。この集計された情報は端末制御部46に供給される。端末制御部46は、かかる集計情報から、利用者11が料金を支払ったことや釣銭があることなどを認識する。
【0076】
端末制御部46は、表示画面2で表示される商品の画像夫々の商品の値段のデータを保持しており、操作集計部52から表示画面2で利用者11が購入希望商品の画像をタッチ操作によって指定したことを検出すると、購入集計部56からの情報を基に、利用者11によって指定された商品の画像に該当する商品を購入するための料金が支払われたか否か判定し、支払われたことが認識されたときには、釣銭の有無を判定し、釣銭が必要な場合には、その釣銭を算出する。そして、端末制御部46は、決済処理部55に、料金が支払われた旨を通知する情報とともに、釣銭が必要な場合には、その釣銭の金額を、購入集計部56を介して供給する。
【0077】
なお、利用者11が、支払金額が足りないなどして、その指定商品を購入に必要な料金を支払わない場合には、端末制御部46は、スピーカ部44を駆動させ、その旨の音声情報を端末記憶部45から読み出してスピーカ部44に供給し、スピーカ9,10(図1)から支払料金の追加を通知する音声メッセージを出力する。同時に、同様にして、表示装置42を制御し、表示画面2に同様の通知メッセージを表示するようにしてもよい。
【0078】
利用者11が表示画面2での購入する旨のタッチ操作をすると、タッチパネル部51から端末制御装置46にそのタッチ操作が通知され、端末制御部46は、料金の支払が済まされて、利用者11が指定した商品を販売してもよいと判定した場合には、その旨を決済処理部55と商品保管部58とに通知する。決済処理部55は、釣銭がある場合、この釣銭を、釣銭取り出し口7(図1)から利用者11が取り出せるように、排出する。
【0079】
商品保管部58には、表示画面2に画像が表示される全ての商品が保管されており、商品搬送部57は商品保管部58に保管されている商品を商品取り出し口8(図1)に搬送する。そこで、端末制御部46から利用者11が購入希望の商品の販売の指示があると、商品搬送部57は商品保管部58に保管されているこの商品を搬送し、商品取り出し口8からこの商品を利用者11が取り出せるようにする。
【0080】
なお、このサイネージ自販機1が個人認証機能がある自販機である場合には、端末制御部46は、さらに、個人認識部53の認識結果に応じて、決済処理部55と商品搬送部57に指示を与える。利用者11が認証機能カードを持っていない場合には、端末制御部46は、タッチパネル部51の検出結果や決済処理部55による料金支払の情報をキャンセルし、料金支払が行なわれている場合には、釣銭取り出し口7から支払料金を返却するとともに、その旨を表示画面2でメッセージ表示したり、スピーカ9,10で知らせる。
【0081】
図7は図5,図6における空間情報記録部35に格納されている商品の注視度の基となる注視データの一具体例を示すものである。かかる注視データは、図1に示すサイネージ自販機1や図2に示す広告サイネージ20において、注視度を求めるために用いられるものであるが、以下では、広告サイネージ20に関する図2を参照して説明する。
【0082】
図7(a)に示す注視度データは商品毎に作成される商品別注視データであり、ここでは、商品Aを例に示しているが、注目人数や注目回数,注視時間,立ち止まって注視したか、通り過ぎながら注視したかなどの注目種類、注視した時刻(日時)などのデータからなるものであって、この商品Aを注視した利用者29毎のデータからなるものである。即ち、注視人数「1」はこの商品Aを注視した一人目の利用者29に関するものであり、注視人数「2」はこの商品Aを注視した二人目の利用者29に関するものである。また、注視回数は、1回だけ継続して注視すれば、「1」であり、利用者29がカメラ22の撮影範囲内に居続けて2回繰り返しこの商品Aを注視した場合には、「2」である。注視時間は、利用者29がカメラ22の撮影範囲内に居続けてこの商品Aを注視した時間の累計である。
【0083】
図示する例での最初にこの商品Aを注視した利用者11(注目人数=「1」)は、注目種類が「H」(例えば、立ち止まって注視)で、1回だけこの商品Aの画像を注視し、その注視時間は「1800msec」である。また、次に注視した利用者11(注目人数=「2」)は、注目種類が「M」(例えば、サイネージ自販機1の前を通り過ぎながら注視)で、1回だけこの商品Aの画像を注視し、その注視時間は「500msec」である。
【0084】
かかる商品別注視データは、図5,図6において、注視度算出部36が注視位置情報算出部34で算出された注視点が含まれる座標範囲の商品の画像を空間情報記録部35で検索し、検索した商品の画像に該当する商品に対して算出したものであり、空間情報記録部35に記録される。この場合、このときの商品が初めて利用者29に注視されたものであるときには、この商品に対する商品別注視データは注目人数が「1」のデータのみとなるが、既に複数n人の利用者29によって注視されているときには、注目人数が「n」までの商品別注視データが空間情報記録部35に格納されており、注視度算出部36は新たにこの商品の画像に注目した(n+1)人目に対する注目人数が「n+1」の注視データを作成し、空間情報記録部35でのこの商品に対して既に作成されて記録されている商品別注視データに追加記録する。
【0085】
なお、注視時間は、利用者29の視線が同じ商品の画像に向けられている期間での撮影映像信号のフレーム数をカウントしたり、図示しないタイマで計測したりして求める。また、注目種類は、カメラ22で撮影して得られる同じ利用者29の画像の動きを検出することにより、判定されたものである。
【0086】
また、図7(a)に示す商品別注視データによる注視度は、例えば、表示画面21に表示される商品の画像について、これまでの利用者29による注視の度合いがどのようであったかを利用者29に知らせる場合や、注視度が高い商品の画像に、特に、利用者29の注目を集めるような場合に用いられる。
【0087】
さらに、図7(a)に示す商品別注視データは、利用者29が広告サイネージ20から離れていっても、そのまま保持されており、新たな利用者29が表示画面の商品の画像を注視するようになると、この商品に該当する商品別注視データが更新されることになる。
【0088】
図7(b)は利用者29が注視する商品の画像を表示画面21で目立たせるためなどに用いる利用者29毎に作成される利用者別注視データの具体例を示す図である。
【0089】
この利用者別注視データは、サイネージ自販機1や広告サイネージ20を利用する利用者29毎に作成されるものであって、表示画面2,21での注視位置や注視時間,注視距離,注視高さ,注視した時刻(日時)などからなるものである。ここでは、利用者Aに対する利用者別注視データを示している。
【0090】
以下、サイネージ自販機1について説明すると、注視位置は、注視した商品の画像で表わされ、ここでは、利用者Aが商品Aと商品Lとを注視したことを示している。そして、注視する毎に注視時間が登録され、また、更新される。
【0091】
注視時間としては、その商品エリアを連続して(目をそらさずに)注視していた「時間2」と、この「時間2」を含み、かつ注視位置をその商品エリアから時々外しながらもその商品を見ていた時間を含めた「時間1」の2種類のデータを登録する。利用者11は、ある商品(例えば、商品A)を注視し始めてから、時々周りの商品に目線を移しつつも、一定時間連続してその商品(商品A)を注視することがある。
【0092】
そこで、「時間2」のみならず、「時間1」のデータを登録することにより、「時間1」と「時間2」との差分の時間には、商品Aの周囲に表示されていた商品を注視していたと推定することができ、周囲に表示されている商品の注視度データに加算することができる。
【0093】
注視距離は、カメラ3で得られた画像信号から計測した利用者Aのサイネージ自販機1からの距離であり、注視高さは同じく画像信号から計測して利用者Aが注視している高さである。
【0094】
この利用者Aに対しては、かかる利用者別注視データを基に、この利用者Aが特に注視している商品の画像が目立つように、あるいは特に明確に表示されるように、表示画面21での商品の画像の表示形態を変化させる。
【0095】
なお、この利用者Aに対する注視データは、これに該当するこの利用者Aがサイネージ自販機1から遠ざかり、その注視の計測がなされなくなると、消去される。
【0096】
次に、以上説明したサイネージ(サイネージ自販機1,広告サイネージ20)で実行される注視度フィードバックを用いた商品選択支援方法の実施形態について説明するが、まず、かかる実施形態の概念について説明する。
【0097】
図8はサイネージに対する人物の位置に応じたサイネージの動作を概念的に示す図であって、60は什器/自販機、61は広告/販売機、62は遠方エリア、63は接近エリア、64は近接エリア、65は購入エリア、66a〜66eは歩行経路である。
【0098】
同図において、ここでは、サイネージ自販機1と広告サイネージ20とその他の商品販売のための什器/自販機60とが並べて配置された場所を例に説明する。なお、これらを総称する場合、広告/販売機61という。
【0099】
広告/販売機61から充分離れ、人物が広告/販売機61にほとんど興味を示さないエリアを遠方エリア62といい、この遠方エリア62よりも広告/販売機61に近く、一応人物が興味を持って広告/販売機61に近づくエリアを接近エリア63といい、この接近エリア63よりも広告/販売機61に近く、人物が商品の購入の意志をもって広告/販売機61に近づくエリアを近接エリア64という。また、例えば、サイネージ自販機1で商品を購入するときの人物が存在するエリアを購入エリア65という。
【0100】
なお、各エリア62〜65は、そのエリアの大きさや広告/販売機61からの距離を適宜設定できるものであるが、サイネージ自販機1と広告サイネージ20とでは、かかるサイズや距離が異なるし、また、広告サイネージ20の場合には、購入エリア65は当然設けられない。
【0101】
サイネージ自販機1の場合を例にして説明すると、そのカメラ3の撮像範囲(視野)内において、各エリア62〜65で次の動作を行なう。
【0102】
まず、人物の行動の一例として、その歩行経路66aで示すように、人物がサイネージ自販機1の方向に歩行して、サイネージ自販機1の方にいくかどうかの迷いがありながら一旦遠方エリア62内に入るが、あまり興味がないとして途中で方向を変えて遠方エリア62から出ていく場合がある。かかる遠方エリア62に対しては、カメラ3(図1)の撮像画像を用いて撮像部31(図6)が人物の動き(行動)を追跡し、行動動線(歩行経路66a),行動時間,行動距離を検知する動線検知を行なってその行動情報を取得する。ここでは、撮像部31の出力画像が注視度の検出に用いられることはない。
【0103】
次に、人物の行動の一例として、その歩行経路66bで示すように、人物がサイネージ自販機1の方向に歩行して、サイネージ自販機1にある程度関心があって遠方エリア62を通過し、接近エリア63内には入り込んで立ち止まったりするが、そのうち興味をなくし、方向を変えて接近エリア63から、さらには、遠方エリア62から出ていく場合がある。このように、人物が接近エリア63に入ったときには、サイネージ自販機1に興味を示したものとみなす。このような場合には、この人物が遠方エリア62内に居るときには、サイネージ自販機1で上記の動線検知が行なわれるが、この人物が接近エリア63に入ると、この人物を利用者11とし、視線方向計測部33(図6)でこの利用者11の顔の画像から顔の向きや視線方向を検出し、注視位置情報算出部34(図6)で表示画面2(図1)でのこの利用者11の視点の位置を検出するとともに、注視度算出部36が、空間情報記録部35(図6)に記憶されている各商品の画像の表示画面2での位置座標を基に、利用者11の視線方向の、即ち、利用者11が注視している視点を含む領域内での商品の画像を判定して注視度を算出し、この利用者11が注視する商品の画像に対する図7(a)に示す商品別注視データを更新するとともに、この利用者11に対する図7(b)に示す利用者別注視データを作成して空間情報記録部35に記録する。これら注視データの作成に際しては、人物位置計測部32(図6)の計測結果やカメラ3から見た利用者11の方向などから利用者11までの距離(注視距離)を求め、さらに、タイマなどにより、利用者11が接近エリア63に入ってからの時間(注視時間)を計測し、これらの計測結果も用いられる。このようにして作成されて空間情報記録部35に記録された注視データは、利用者11が接近エリア63に入るとともに、作成が開始されて空間情報記録部35に記録され、利用者11の行動とともに、順次更新されていく。
【0104】
さらに、歩行経路66cに示すように、利用者11が近接距離64に入ってきたときには、サイネージ自販機1で表示される商品に関心があると見なし、顔向きや視線などの認知情報を取得し、これを基に出力制御部39(図6)が空間情報記録部35からこの利用者11に対する図7(b)に示す利用者別注視データから注視度が高い商品を選択し、出力部40(図6)から表示フィードバック部41(図6)の端末制御部46に供給する。これにより、端末制御部46は表示装置42(図6)を制御し、その表示画面2(図1)での商品の画像をそれらの注視度に応じた表示形態で表示させる。
【0105】
そして、この利用者11がサイネージ自販機1の直前の購入エリア65dに入り、操作部4(図1)で希望する商品の購入行動を行なうと、購買行動を計測し、端末制御部46は決済処理部55や商品搬送部57(図6)を制御してこの商品の購入を可能にする。
【0106】
なお、歩行経路66d,66eのように、利用者11が近接エリア64に入っても、什器/自販機60や広告サイネージ20の方に移動した場合には、この利用者11はサイネージ自販機1のカメラ3の撮像範囲(視野範囲)からはずれるので、その時点でこのサイネージ自販機1のこの利用者11に対する処理動作は終了する。
【0107】
また、上記のように、図7(b)に示す利用者11の注視データの注視度をもとに、サイネージ自販機1の商品の画面の表示形態が制御され、この利用者11の注視結果がサイネージ自販機1の商品の画面の表示形態にフィードバックされることになる。これに対し、図7(a)に示す商品毎の注視データは、そのときまでの各利用者11による商品の注視傾向などを知らせるために用いられる。
【0108】
ここで、各エリア62〜65のサイネージ自販機1に対する位置は適宜設定されるものであるが、一例として示すと、近接エリア64はサイネージ自販機1の前面から、例えば、1m以内の範囲であり、接近エリア63は、例えば、1〜2mの範囲、遠方エリア62は、例えば、2〜3mの範囲とする。勿論いずれのエリア62〜64も、カメラ3の撮影範囲(視野範囲)内である。
【0109】
また、以上のことは、図2,図5に示す広告サージ20に対しても、同様である。
【0110】
次に、本発明によるデジタルサイネージにおける商品選択支援方法の実施形態を、前出図面を参照して、具体的に説明する。
【0111】
〔第1の実施形態〕
図9Aは本発明による商品選択支援方法の第1の実施形態の処理の流れの一部を示す図であって、図1,図6に示すサイネージ自販機1に関するものであり、同図(a)はこのサイネージ自販機1での処理の流れを示すフローチャート、同図(b)は同図(a)での処理の流れに伴うこのサイネージ自販機1の表示画面2で表示される画面の変化を示す図である。また、70a〜70cは商品一覧画面、71,71a〜71dは商品の画像、72はお勧めコメント、73,73a,73b’は注視領域、74は購入情報欄、75はメッセージ欄、76はカート、76aは商品表示欄、76bは購入料金表示欄、76cは「会計へ」ボタンである。
【0112】
図9A(a)において、サイネージ自販機1が動作している状態にあって(ステップS1)、距離計測器4(図1)は人物の距離を計測しているが、人物が遠方エリア62(図8)よりも内側におらず、あるいは、遠方エリア62内に居て(ステップS101)、その人物がサイネージ自販機1の方を向いてその表示画面2の一部を見ている状態にあっても(ステップS102)、図9A(b)の(イ)に示すように、サイネージ自販機1の表示画面2(図1)には、複数の商品の画像71がランダムに配列された商品一覧画面70aが表示され、表示される商品の画像71が1画面に表示しきれない場合には、この商品一覧画面70aでは、各商品の画像71が流れるように、上方向あるいは下方向にスクロールしている。また、この商品一覧画面70aでの商品の画像71の中には、例えば、売れ行きを上げる商品や図7(a)に示す商品別注視データによる注目度が高い商品の画像71に、「お勧め」や「セットでお勧め」といったようなお勧めコメント72が吹き出しで付記されている。
【0113】
なお、このお勧めコメント72は、店舗で指定する商品の画像71に付記するようにしてもよいが、図7(a)に示す商品毎の注視データを基に、注視度が高い商品の画像71に付記するようにしてもよい。
【0114】
人物が、サイネージ自販機1の表示画面2を見ながら、このサイネージ自販機1に近づいてきており、接近エリア63(図8)に入ると(ステップS1003)、人物位置計測部32(図6)がこれを検知し、撮像部31(図6)の出力画像信号から視線方向計測部33がこの人物の顔の向きを検出する。このとき、この人物はサイネージ自販機1の表示画面2を見ているので、この人物を、このサイネージ自販機1を利用する可能性があることから、利用者11と判定し、この利用者11の顔の画像などから注視位置情報算出部34と注視度算出部36とでこの利用者11が注視している範囲、即ち、注視領域73を検出しており、利用者Aとしての図7(b)に示す利用者別注視データを作成して、この注視領域内の各商品の画像71に対する注視度を算出する。
【0115】
なお、注視領域73は、このとき、人物がこの商品一覧画面70aでの注視している領域を示すものであり、ここで、この注視領域73内を他の領域と区別して表わしているが、これは説明上このようにしているものであって、これら領域は区別されずに表示されている。
【0116】
そして、表示画面2では、図9A(b)の(ロ)に示す商品一覧画面70bの表示に切り替わる(ステップS104)。この商品一覧画面70bでは、利用者11が注視していた領域(即ち、商品一覧画面70aでの注視領域73)内の商品の画像71を表示画面2の中心位置に置くようにして、各商品の画像71が配列され、静止した状態で表示される(ステップS105)。ここで、利用者11が注視している商品の画像71が分かるように、注視領域73aを示し、かかる商品画面71をこの注視領域73a内に示している。このようにして、利用者11が注視している商品の画像71が強調表示される。
【0117】
各商品の画像71には、「150円 選択」といったように、商品の値段が150円で購入できることを示す情報を、詳細情報として、表わす購入情報欄74が設けられており、この商品一覧画面70bの上側には、「購入する商品を選択して下さい」といったような商品の購入ができることを知らせるテキスト文でメッセージが表示されたメッセージ欄75が設けられている。この商品一覧画面70bで希望する商品の画像71をタッチ操作することにより、この商品の画像71を購入のために選択することができる。
【0118】
また、商品一覧画面70bの、例えば、右辺側には、商品一覧画面70bで選択した商品の画像71をまとめて表示するためのカート76が表示されている。このカート76は、選択された商品の画像71を表示するための商品表示欄76aと、商品表示欄76aで画像が表示される商品の合計購入料金を表わす購入料金表示欄76bと、購入するときにタッチ操作する「会計へ」ボタン76cとからなっている。
【0119】
そして、利用者11がサイネージ自販機1にさらに近づいて接近エリア64(図8)に入って、サイネージ自販機1の表示画面2での特定の商品の画像71が表示されている部分を注視すると(ステップS106)、その間図7(b)に示す利用者Aとしての利用者11の注視データは更新されており、表示画面2では、この注視データを基に、図9A(b)の(ハ)に示す商品一覧画面70cでこの利用者11が注視している領域73b内の商品の画像71a〜71dが強調して表示される(ステップS107)。
【0120】
以上のように、利用者11の表示画面2に表示される商品一覧画面70a〜70cを注視することにより、その注視結果が表示画面2にフィードバックし、表示画面2で表示される商品一覧画面70a〜70cで利用者11が注視する商品の画像が利用者11にとって見易い状態で表示されるようになる。
【0121】
図9Bは図9Aの処理に続いて実行される処理の流れの一具体例を示す図であって、同図(a)はこのサイネージ自販機1での処理の流れを示すフローチャート、同図(b)は同図(a)での処理の流れに伴うこのサイネージ自販機1の表示画面2で表示される画面の変化を示す図であり、77は「削除」ボタン、78は購入確認画面、79は購入金額表示エリア、80は支払方法紹介エリア、81は「現金」ボタン、81bは「ICカード」ボタン、81cは「携帯電話」ボタン、82は「中止する」ボタン、83は購入商品ランキング画面、84は商品ランキング表示欄、85はポイント、86は商品の画像、87は「終了する」ボタンであり、図9Aに対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0122】
図9A(b)の(ハ)に示す商品一覧画面70cが、図9B(b)の(ニ)で示すように、表示されている状態で(ステップS108)、利用者11が希望する商品の画像71、例えば、商品の画像71a,71bとをタッチ操作して選択すると(ステップS109)、選択された商品の画像71a,71bが強調表示され(ステップS110)、これとともに、カート76において、商品表示欄76aに選択された商品の画像71a,71bが表示され、購入料金表示欄76bにこれら商品の合計購入料金(例えば、150円)が表示される。
【0123】
そして、利用者11は、このカート76を見て選択した商品に間違いがないことを確認して、「会計へ」ボタン76cをタッチ操作すると(ステップS111)、図9B(b)の(ホ)に示す購入確認画面78の表示に切り替わる(ステップS112)。
【0124】
この商品一覧画面70cから購入確認画面78への表示の切り替わると、商品の表示はされなくなるので、この利用者11に対する図7(b)に示す利用者別注視データの作成/更新処理は終了し、また、この利用者11の注視による図7(a)に示す商品別注視データの更新処理も終了する。
【0125】
なお、図9B(b)の(ニ)で示す商品一覧画面70cでは、カート76に表示された商品の画像毎に「削除」ボタン77が設けられており、間違って選択した商品の画像71や変更したい商品の画像71がある場合、この「削除」ボタン77をタッチ操作することにより、この商品の画像71をカート76から削除することができる。
【0126】
図9B(b)の(ホ)に示す購入確認画面78では、購入商品の購入金額表示エリア79と支払方法紹介エリア80とが表示され、購入金額表示エリア79では、購入する商品A,B,Cの画像71a,71b,71cと夫々の値段、これらの合計金額が表示され、支払方法紹介エリア80には、その方法として、現金,ICカード,携帯電話などが紹介されて、これらをタッチ操作して選択可能に「現金」ボタン81a,「ICカード」ボタン81b,「携帯電話」ボタン81cが設けられている。
【0127】
かかる購入確認画面78において、購入商品の購入金額表示エリア79で購入する商品や支払額を確認し(ステップS113)、支払方法紹介エリア80で「現金」ボタン81a,「ICカード」ボタン81b,「携帯電話」ボタン81cのいずれかをタッチ操作してサイネージ自販機1の操作部4(図1)で金額を支払うと(ステップS114)、商品取り出し口8で商品を受け取ることができる(ステップS115)。
【0128】
購入確認画面78では、さらに、「中止する」ボタン82が設けられており、この「中止する」ボタン82をタッチ操作することにより、これまでの購買手続をキャンセルすることができ、これにより、表示画面2では、商品を選択する前の画面、例えば、図9A(b)の(ハ)で示す商品一覧画面70cの表示状態に戻る。
【0129】
上記のように、購入確認画面78で支払方法を選択操作するとともに、表示画面2では、図9B(b)の(ヘ)に示す購入商品ランキング画面83が表示される状態に切り替わる(ステップS116)。
【0130】
この購入商品ランキング画面83では、先の商品一覧画面70a〜70cで画像71が表示された販売ランキングが高い商品を示す商品ランキング表示欄84が表示され、この商品ランキング表示欄84で販売ランキングが高い順に所定個数の商品71が示されるとともに、夫々の商品71にポイント85が表示される。このポイント85は、図7(a)に示す商品毎の注視データをもとにした注視度に応じた値であって、注視度が大きい程ポイント85は大きい値となる(ステップS117)。
【0131】
なお、各商品毎の注視度の履歴や各商品の販売履歴などの履歴情報(販売個数や売上げ金額など)は一時的に端末記憶部45に記憶され、定期的に履歴DBサーバ47(図5,図6)に格納されており、かかる履歴情報を基に、端末制御部46(図5,図6)が購入商品ランキング画面83を作成する。購入商品ランキング画面83の作成に用いられる図7(a)に示す商品毎の注視度に関する注視データは、現在表示画面2で商品の画像71が表示されている商品に対しては、空間情報記録部35に記録されており、また、現在表示画面2で商品の画像71が表示されていない商品に対しては、端末記憶部45と履歴DBサーバ47に記録されており、このため、購入商品ランキング画面83を作成する場合には、端末制御部46は、空間情報記録部35と端末記憶部45と履歴DBサーバ47に記録されている全ての商品の注視データを対象として、注視度が高い商品を検索する。
【0132】
また、購入情報欄74は、当該商品の画像71に該当する商品の詳細情報を取得するための「詳細情報」ボタンとすることもでき、この「詳細情報」ボタンをタッチ操作することにより、当該商品の詳細情報(例えば、商品の種類や商品名,成分,製造元,製造年月日など)を表示画面2に表示させることができる。商品毎のかかる詳細情報は、履歴DBサーバ47(図6)に格納されており、商品の販売が終了すると、購入商品ランキング画面83の代わりに、あるいは購入商品ランキング画面83とともに、購入商品ランキング画面83のような画面形式で詳細情報の選択ランキングを表示するようにしてもよい。
【0133】
ここで、この購入商品ランキング画面83には、利用者11が購入した商品の画像86が表示されるとともに、「終了する」ボタン87も表示され、この「終了する」ボタン87がタッチ操作されると、この購入商品ランキング画面83の表示が終了し、表示画面2では、商品を選択する前の画面、例えば、図9A(b)の(ハ)で示す商品一覧画面70cの表示状態に戻る。
【0134】
そして、利用者11がこのサイネージ自販機1から離れると(ステップS118)、図9A(b)の(イ)に示す商品一覧画面70aの表示に戻る。なお、図9B(b)の(ホ)に示す購入確認画面78や図9B(b)の(ヘ)に示す購入商品ランキング画面83が表示されている状態で利用者11がこのサイネージ自販機1から離れても、図9A(b)の(イ)に示す商品一覧画面70aの表示に戻る。
【0135】
以上のように、この第1の実施形態によると、利用者11が注視する商品の画像71を目立ち易くし、利用者11が興味を示す商品を容易に確認できるようにすることができる。
【0136】
〔第2の実施形態〕
図10は本発明による商品選択支援方法の第2の実施形態の処理の流れの一部を示す図であって、図1,図6に示すサイネージ自販機1に関するものであり、同図(a)はこのサイネージ自販機1での処理の流れを示すフローチャート、同図(b)は同図(a)での処理の流れに伴うこのサイネージ自販機1の表示画面2で表示される画面の変化を示す図である。また、71x,71x1〜71x5は商品の画像、90は広告画面、91a〜は商品一覧画面、92は商品キーワード、93は関連商品画面、94は「一覧に戻る」ボタンであり、図9Bに対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0137】
同図において、図8に示す近接エリア64にも、接近エリア63にも、人物がいないときには、サイネージ自販機1の表示画面2には、図10(b)の(イ)に示す広告画面90が表示されている(ステップS200)。ここでは、商品のカテゴリ(種別)として、飲み物を販売の対象とし、この広告画面90でその宣伝が行なわれている。
【0138】
利用者11が近接エリア63内に進むと、サイネージ自販機1は、撮像部31や人物位置計測部32(図6)の計測結果に基づいてこれを検出し、この検出結果に応じて、表示画面2に図10(b)の(ロ)に示す商品一覧画面91aが表示される(ステップS201)。この商品一覧画面91aでは、各種飲み物である商品の画像71が整列して静止した状態で表示され、夫々の商品の画像71にその値段とタッチ操作によって購入することを示す「100円 購入」といったような購入情報欄74が表示されている。従って、この商品一覧画面91aにおいて、購入希望の商品の画像71をタッチ操作すると、図9B(b)の(ホ)に示すような購入確認画面78が表示され、この希望する商品を購入することができる。
【0139】
利用者11が、この商品一覧画面91aの関心のある部分を見ながら、このサイネージ自販機1に近づいてきて接近エリア63(図8)に入ると(ステップS202)、この利用者11に対して図7(b)に示す利用者別注視データの作成が開始され、また、図7(a)に示す商品別注視データの更新が行なわれる。そして、図10(b)の(ハ)に示すように、この図7(b)に示すこの利用者11についての利用者別注視データをもとに、商品一覧画面91bにおいて、利用者11が注視している部分の商品の画像11を強調表示するとともに(ステップS203)、この強調表示された商品の画像にカテゴリ(種別)や成分,価格などの商品キーワード92が詳細情報として表示され、かかる商品の画像71が強調表示される(ステップS204)。
【0140】
利用者11がサイネージ自販機1にさらに近づいてきて近接エリア64(図8)に入り、かかる商品一覧画面91bで強調表示される商品の画像71のうちの1つの商品の画像71を注視すると、表示画面2に図10(b)の(ニ)に示す関連商品画面93が表示される(ステップS205)。この関連商品画面93では、商品一覧画面91bで注視した商品の画像71xとこれに関連する商品の画像71x1〜71x5が強調して表示され、メッセージ欄75にこの関連する商品を示す、例えば、「硬水」といったような関連商品を示すメッセージが表示される。
【0141】
かかる関連商品画面93で、利用者11が希望する商品を購入するために、その画像71x,71x1〜71x5のいずれか、あるいはこれら以外の商品の画像71をタッチ操作すると、図9B(b)の(ホ)に示すような購入確認画面78が表示され(ステップS206)、以下、説明を省略するが、第1の実施形態と同様に、購入の手続をすると、図10(b)の(ホ)に示すように、図9B(b)の(ヘ)に示す購入商品ランキング画面83と同様の購入商品ランキング画面83が表示される(ステップS207,S208)。ここでは、気になったキーワードについても、注視・操作による購入情報からランキングを表示することができるようにしている。
【0142】
なお、関連商品画面93では、「一覧に戻る」ボタン94が設けられており、これがタッチ操作されると、図10(b)の(ロ)に示す商品一覧画面91aの表示に戻る。これにより、改めてこの利用者11の図7(b)に示す利用者別注視データが作成され、これを基に利用者11が注視している商品に対して、図10(b)の(ハ)に示す商品一覧画面91bが表示されることになる。
【0143】
このようにして、この第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られることになる。
【0144】
〔第3の実施形態〕
図11は本発明による商品選択支援方法の第3の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れの一部を示す図であって、図2,図5に示す広告サイネージ20に関するものであり、100は商品一覧画面、101は商品の画像、102は注視点、103a,103b,104は選択商品画面、105は商品名、106は関連情報であり、前出図面に相当する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0145】
広告サイネージ20(図2)についても、サイネージ自販機1の場合と同様、その表示画面21(図2)での商品画像の表示形態が、この表示画面21(図2)を見る利用者29の図7(b)に示す利用者別注視データに応じて変化するものである。
【0146】
図11(a)に示す商品一覧画面100には、商品A,B,……,Rの画像101が整列し、静止した状態で表示されている。これは、例えば、図10(b)の(ロ)に示す商品一覧画面91aでの表示状態と同様である。
【0147】
利用者29が、広告サイネージ20に対して、接近エリア63あるいは近接エリア64で関心のある商品の画像101に注視すると、広告サイネージ20は、図7(b)に示すこの利用者29に対する注視データを基に、この注視している領域を判定する。ここでは、商品A,B,G,Hの画像101を含む領域内に注視点102があるものとする。注視点102を含むかかる領域を、以下、注視領域という。
【0148】
この注視点102がある注視領域内の商品A,B,G,Hに対する注視度は、図7(b)に示す利用者別注視データでの時間(注視時間)が他の商品の画像101よりも長くなることから、かかる商品に対する注視度が高くなり、これにより、表示画面21では、図11(b)に示すように、商品一覧画面100での注視領域内の商品A,B,G,Hの画像101が表示された選択商品画面103aが表示される。
【0149】
この選択商品画面103aでは、商品A,Gの画像101の縦列と商品B,Hの画像101の縦列とが横に配列されて、しかも、商品一覧画面100の時よりも拡大されて表示される。そして、さらに、かかる選択商品画面103aを利用者29が商品A,Gの画像101の配列側を注視し、その注視点101が商品A,Gの画像101の配列側にあるとすると、かかる商品A,Gの図7(b)に示す利用者別注視データでの時間(時間長)が商品B,Hよりも長くなるから、これら商品A,Gに対する注視度が高くなり、これにより、図11(c)に示すように、選択商品画面103aでの注視領域内にある商品A,Gの画像101が横に配列され、しかも、選択商品画面103aのときよりもさらに拡大されて表示された選択商品画面103bが表示画面21に表示される。
【0150】
そして、この選択商品画面103bで利用者29が商品G側の画像101を注視すると、かかる商品Gの図7(b)に示す利用者別注視データでの時間(時間長)が商品Aよりも長くなるから、これら商品Gに対する注視度が高くなり、これにより、図11(d)に示すように、選択された商品Gの画像101と、商品名105と、この商品Gの値段などの関連情報106とが表示された選択商品画面104が表示画面2に表示される。
【0151】
なお、利用者29がこの選択商品画面104で希望する商品Gを確認し、広告サイネージ20から離れると、表示画面21では、図11(a)に示すトップ画面としての商品一覧画面100の表示に戻る。
【0152】
このように、この第3の実施形態では、利用者29の商品画面の注視によって表示される表示される商品の画像が制限されていき、遂には、利用者29が興味のある、あるいは購入を希望する商品の画像とその関連情報とが表示される状態となり、利用者29が何ら操作をすることなく、商品画面を注視しているだけでかかる商品の画像を容易にかつ確実に確認できる状態とすることができる。このことにより、購入段階まで進まなくても、注視情報を取ることが可能となることにより、マーケティングに活用できる情報収集を自動でサービス提供者が行なうことができる。
【0153】
〔第4の実施形態〕
図12は本発明による商品選択支援方法の第4の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れ一部を示す図であって、図2,図5に示す広告サイネージ20に関するものであり、101a1〜101a3,101b1〜101b3,101c1〜101c3は商品の画像、110aは商品カテゴリ選択画面、110bは商品成分選択画面、110cは商品価格選択画面、111a1〜111a3はカテゴリのキーワード、111b1〜111b3は成分のキーワード、111c1〜111c3は価格のキーワードであり、前出図面に相当する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0154】
この第4の実施形態は、広告サイネージ20(図2)の表示画面21への利用者29(図2)の注視状態に応じて商品の属性を示すキーワードを選択していくことにより、表示画面21に表示される商品を利用者29が希望する商品に絞り込むことができるようにしたものである。
【0155】
ここで、商品のキーワードは、階層的な関係にある商品のカテゴリ、成分,価格などであって、カテゴリが最上位の階層にあり、次の階層に商品の成分が、さらに次の階層に商品の価格などがある。商品のカテゴリは、ジュース,菓子,ミネラルウォータといったような商品の種別を表わすものであって、この場合の種別を表わす「ジュース」,「菓子」,「ミネラルウォータ」が商品のカテゴリのキーワードということになる。また、商品の成分とは、この商品に用いられる成分であって、例えば、ミネラルウォータを例に取ると、硬水,中硬水,軟水などといったものであり、これら「硬水」,「中硬水」,「軟水」が商品の成分のキーワードである。さらに、商品の価格については、「100円」,「120円」,「150円」といった商品の値段を表わすものが商品の価格のキーワードということになる。
【0156】
人物が図8に示す遠方エリア62よりも広告サイネージ20(図2)に近づいていないときには、この広告サイネージ20の表示画面21には、図12(a)に示す商品カテゴリ選択画面110aが表示されている。この商品カテゴリ選択画面110aには、夫々の商品のカテゴリ毎の商品の画像101a1,101a2,101a3と夫々の商品の画像101a1,101a2,101a3毎にカテゴリを示す詳細情報としてのキーワード111が表示されている。例えば、商品の画像101a1には、「ジュース」のキーワード111a1が表示され、商品の画像101a2には、「お菓子」のキーワード111a2が表示され、商品の画像101a3には、「ミネラルウォータ」のキーワード111a3が表示される。
【0157】
なお、ここでは、「ジュース」,「お菓子」,「ミネラルウォータ」の3種類のカテゴリの商品の画像101a1〜101a3が表示されているものとするが、これに限るものではない。
【0158】
人物がかかる表示画面2の所定の商品のカテゴリを注視して広告サイネージ20に近づいてきているものとすると、この人物が利用者29となるが、この利用者29が図8での接近エリア63に入ると、広告サイネージ20は、この利用者29に対して、商品カテゴリ選択画面110aでのカテゴリ毎の図7(b)に示すような利用者別注視データが作成され、これら利用者別注視データから求まる注視度が所定の値以上となる(例えば、図7(b)での利用者別注視データの注視時間が所定の時間以上となる)商品カテゴリがあると、この商品カテゴリが選択されて、この商品のカテゴリの下位層のキーワードとなる商品の成分を選択するための図12(b)に示す商品成分選択画面110bが表示画面2に表示される。
【0159】
ここで、図12(a)に示す商品カテゴリ選択画面110aにおいて、カテゴリ「ミネラルウォータ」の商品の画像101a3を利用者29が注視し続け、この「ミネラルウォータ」に対する図7(b)に示す利用者別注視データからの注視度により、商品カテゴリ選択画面110aで注視点102がカテゴリ「ミネラルウォータ」の商品の画像101a3内にある場合には、この「ミネラルウォータ」の商品の画像101a3が利用者29によって注視されているとして、図12(b)に示す商品成分選択画面110bでは、詳細情報としてのカテゴリ「ミネラルウォータ」が選択されたものとし、カテゴリ「ミネラルウォータ」での成分が異なる商品の画像101bが端末記憶部45で検索され、配列されて表示される。
【0160】
ここでは、商品カテゴリ選択画面110aで選択されたカテゴリ「ミネラルウォータ」では、「硬水」と「中硬水」と「軟水」の3種類の成分が異なる商品があるものとすると、商品成分選択画面110bでは、図12(b)に示すように、硬水のミネラルウォータの商品の画像101b1と中硬水のミネラルウォータの商品の画像101b2と軟水のミネラルウォータの商品の画像101b3とが配列されて表示される。また、これら商品の画像101b1,101b2,101b3には夫々、その成分を表わす「硬水」といったキーワード111b1,「中硬水」といったキーワード111b2,「軟水」といったキーワード111b3が夫々詳細情報として表示される。
【0161】
なお、ここでは、商品成分選択画面110bに3個の商品の画像101b1,101b2,101b3が表示されているものとしているが、これまで選択されたキーワード(ここでは、「ミネラルウォータ」)に該当する全ての商品の画像101bが表示される。
【0162】
そして、利用者29が接近エリア63(図8)に居ながら、あるいはまた、さらに広告サイネージ20に近づきながら、この商品成分選択画面110bでいずれかの成分の商品の画像101を注視続けると、図7(b)に示す利用者別注視データを基に、注視続ける成分の商品の詳細情報が選択されたものとして(このとき、商品成分選択画面110bでは、注視点102が成分「軟水」の商品の画像101b3内にあるものとする)、図12(c)に示す商品価格選択画面110cが表示され、これに詳細情報としての成分「軟水」での価格が異なる商品の画像101cが配列されて表示される。
【0163】
ここでは、商品成分選択画面110bで選択された成分「軟水」では、「120円」と「220円」と「320円」の3種類の値段が異なる商品があるものとすると、図12(c)に示す商品価格選択画面110cでは、図12(c)に示すように、価格が120円の商品(軟水のミネラルウォータ)の画像101c1と価格が220円の商品の画像101c2と価格が320円の商品の画像101c3とが配列されて表示される。また、これら商品の画像101c1,101c2,101c3には夫々、その価格を表わす「120円」といったキーワード111c1,「220円」といったキーワード111c2,「320円」といったキーワード111c3が表示される。
【0164】
なお、ここでは、商品価格選択画面110cに3個の商品の画像101c1,101c2,101c3が表示されているものとしているが、これまで選択されたキーワード(ここでは、「ミネラルウォータ」と「軟水」)に該当する全ての商品の画像101cが表示される。
【0165】
さらに、利用者29がこの商品価格選択画面110cでいずれかの価格の商品の画像101を注視続けると、図7(b)に示す利用者別注視データを基に、注視続ける価格の商品が選択されたものとして(このとき、商品価格選択画面110cでは、注視点102が価格「320円」の商品の画像101c3内にあるものとする)、図12(d)に示す選択商品画面104が表示される。この選択商品画面104は、図11(d)に示す選択商品画面104と同様のものであり、図11に示す第3の実施形態と同様、利用者29がこの選択商品画面104で希望する商品Gを確認し、広告サイネージ20から離れると、表示画面21では、図12(a)に示すトップ画面としての商品カテゴリ選択画面110aの表示に戻る。
【0166】
このように、この第4の実施形態では、先の第3の実施形態と同様、利用者29の商品画面の注視によって表示される商品の画像が制限されていき、遂には、利用者29が興味のある、あるいは購入を希望する商品の画像とその関連情報とが表示される状態となり、利用者29が何ら操作をすることなく、商品画面を注視しているだけでかかる商品の画像を容易にかつ確実に確認できる状態とすることができる。
【0167】
〔第5の実施形態〕
図13は本発明による商品選択支援方法の第5の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れの一部を示す図であって、図2,図5に示す広告サイネージ20に関するものであり、120a,120bは商品一覧画面、101a〜101dは注視領域内の商品の画像であり、前出図面に相当する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0168】
人物が図8に示す遠方エリア62よりも広告サイネージ20(図2)に近づいていないときには、この広告サイネージ20の表示画面21には、図13(a)に示す商品一覧画面120aが表示されている。この商品一覧画面120aには、対象とする全ての商品の画像101が静止した状態で整列されて表示されており、図示しないが、価格などの情報も同時に表示されている。
【0169】
この人物がかかる表示画面2の所定の商品のカテゴリを注視して広告サイネージ20に近づいてきているものとすると、この人物は利用者29となるが、この利用者29が図8での接近エリア63に入ると、広告サイネージ20は、この利用者29に対して、商品一覧画面120aでの商品毎の図7(b)に示すような利用者別注視データが作成され、これら利用者別注視データから求まる注視度が所定の値以上となる(例えば、図7(b)での利用者別注視データの注視時間が所定の時間以上となる)カテゴリがあると、この商品カテゴリが選択されて、図12(b)に示す商品一覧画面120bが表示画面2に表示される。
【0170】
この商品一覧画面120bでは、図12(a)に示す商品一覧画面120aでその注視点102を含む注視領域内の商品の画像101a〜101dが、図示しない価格などの情報とともに、拡大して表示される。これにより、利用者29は興味のある商品を確認することができる。
【0171】
この商品一覧画面120bで利用者29の購入希望の商品がある場合には、利用者29が、さらに、この商品の画像、例えば、商品の画像101aを注視することにより、この画像101aの商品の注視度が高まることから、この商品が選択されたものとして、図示しないが、図11,図12に示す実施形態と同様に、選択商品画面104が表示される。これにより、利用者29は購入希望の商品を明確に確認することができる。
【0172】
なお、その後、利用者29が広告サイネージ20から離れると、表示画面21では、図13(a)に示すトップ画面としての商品一覧画面120aの表示に戻る。
【0173】
このように、この第5の実施形態でも、先の第3,第4の実施形態と同様、利用者29の商品画面の注視によって表示される商品の画像が拡大して表示され、利用者29が何ら操作をすることなく、商品画面を注視しているだけでかかる商品の画像を容易にかつ確実に確認できる状態とすることができる。
【0174】
〔第6の実施形態〕
図14は本発明による商品選択支援方法の第6の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れの一部を示す図であって、図2,図5に示す広告サイネージ20に関するものであり、130a,130bは商品一覧画面、101a〜101gは商品の画像であり、前出図面に相当する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0175】
人物が図8に示す遠方エリア62よりも広告サイネージ20(図2)に近づいていないときには、この広告サイネージ20の表示画面21には、図13(a)に示す商品一覧画面130aが表示されている。この商品一覧画面130aには、対象とする全ての商品の画像101が整列されて表示されており、図示しないが、価格などの情報も同時に表示されている。
【0176】
また、この商品一覧画面130aでは、新商品や売れ行きを伸ばしたい商品などの店舗が特に販売に力を入れている商品の画像101は、揺れながら表示されている。商品の画像101b,101e,101gはかかる商品の画像であり、揺れながら表示されている。
【0177】
かかる商品一覧画面130aに対し、利用者29が接近エリア63(図8)以内に広告サイネージ20に近づき、例えば、揺れて表示されている2つの商品の画像101b,101eを交互に注視したとすると(これにより、注視点102はこれら画像101b,101e間を往復移動する)、図7(b)に示すこれら商品画像101毎の注視データを基に、これら画像101b,101eを角部に含む注視領域が設定され、かかる注視領域内に含まれる商品の画像101a〜101fが拡大され、静止して表示される、図14(b)に示す商品一覧画面130bが表示画面21に表示される。
【0178】
この商品一覧画面130bでは、注視領域内の商品の画像101a〜101fが同じ大きさに拡大されて表示されてもよいが、図14(b)に図示するように、中央部の商品の画像101c,101dを、その上下の商品の画像101a,101b,101e,101fよりも大きなサイズで拡大表示するようにしてもよい。
【0179】
このように、この第6の実施形態においても、利用者29が表示画面21の複数の箇所を交互に注視するだけで、かかる注視点に応じた領域での利用者29が興味をもつ商品が拡大表示されて見易いものとなる。
【0180】
なお、ここでは、揺れて表示されている商品の画像101b,101eを例に説明したが、必ずしも揺れている必要はなく、商品の画像101b,101eを利用者29が交互に注視しても、同様に、図14(b)に示す商品一覧画面130bが表示される。また、商品一覧画面130aにおいて、利用者29が、図13(a)に示すように、注視点102が一箇所を指し示すような場合は、図13(b)に示す商品一覧画面120bのような拡大表示がなされる。
【0181】
〔第7の実施形態〕
図15は本発明による商品選択支援方法の第7の実施形態での図2における表示画面21での画面の具体例を示す図であって、図2,図5に示す広告サイネージ20に関するものであり、140は商品一覧画面であり、前出図面に相当する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0182】
同図において、商品一覧画面140は、図13(a)に示す商品一覧画面120aのような商品一覧画面において、利用者29が図8での接近エリア63で、あるいはこの接近エリア63よりも広告サイネージ20に近づいて、かかる商品一覧画面での興味ある商品の画像101を注視している場合を示すものである。ここでは、利用者29が2つの商品の画像101a,101bを交互に注視しているものとしており、この第7の実施形態では、このような場合、これら2つの商品の画像101a,101bがともに揺れ始めて、揺れた状態で表示される。
【0183】
これにより、利用者29は興味をもったこれら商品の画像101a,101bを注視していることを広告サイネージ20が間違いなく検知していることを確認できるものである。
【0184】
そして、図示しないが、かかる商品の画像101a,101bを、さらに、所定時間以上注視すると、図13(b),図14(b)に示すように、これら商品の画像101a,101bが集合して拡大され、停止した状態で表示され、利用者29がより明確にこれらの商品を確認できるようにする。
【0185】
〔第8の実施形態〕
図16は本発明による商品選択支援方法の第8の実施形態での図2における表示画面21での画面の具体例を示す図であって、図2,図5に示す広告サイネージ20に関するものであり、150は商品一覧画面であり、前出図面に相当する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0186】
同図において、商品一覧画面140は、図13(a)に示す商品一覧画面120aのような商品一覧画面において、利用者29が図8での接近エリア63で、あるいはこの接近エリア63よりも広告サイネージ20に近づいて、かかる商品一覧画面での興味ある商品の画像101を注視している場合を示すものであって、ここでは、利用者29が1つの商品の画像101aを注視しているものとしており、この第8の実施形態では、このような場合、この商品の画像101aに、当該商品に関するキーワードがA,B,C,Dというように表示される。このキーワードとしては、前述のように、商品の種類(カテゴリ)や商品名,成分,価格などである。
【0187】
このように、この第8の実施形態は、第7の実施形態と同様の効果が得られるとともに、注視している商品のカテゴリや商品名,成分,価格などの関連情報を利用者が知ることができ、そして、図示しないが、かかる商品の画像101aが所定時間以上注視されると、図13(b),図14(b)に示すように、この商品の画像101aが拡大状態で表示され、利用者29がより明確にこれらの商品を確認できるようにする。
【0188】
〔第9の実施形態〕
図17は本発明による商品選択支援方法の第9の実施形態の処理の流れに対する図2における表示画面21での画面の流れの一部を示す図であって、図2,図5に示す広告サイネージ20に関するものであり、160a,160bは商品一覧画面であり、前出図面に相当する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0189】
人物が図8に示す遠方エリア62よりも広告サイネージ20(図2)に近づいていないときには、この広告サイネージ20の表示画面21には、図17(a)に示す商品一覧画面160aが表示されている。この商品一覧画面160aには、対象とする全ての商品の画像101がスクロールしながら表示されている(ここでは、垂直方向にスクロールする場合を示しているが、横方向でもよい)。
【0190】
かかる商品一覧画面160aに対し、利用者29が接近エリア63(図8)以内に広告サイネージ20に近づき、例えば、商品の画像101a,101bを交互に注視したとすると、図7(b)に示すこれら商品画像101毎の注視データを基に、図17(b)に示す商品一覧画面160bが表示画面21に表示される。
【0191】
この商品一覧画面160bでは、注視された2つの商品の画像101a,101bが同じ大きさに拡大され、かつスクロールを停止して揺れた状態で表示される。
【0192】
このように、この第9の実施形態においても、利用者29が表示画面21の所定の商品の画像101を注視するだけで、かかる注視点に応じた領域での利用者29が興味をもつ商品が拡大されてみやすいものとなるし、揺れた状態で表示されるので、利用者29は、注視していることを容易に確認できる。
【0193】
なお、以上の各実施形態においては、複数人の人物がサイネージ1,20の表示画面を注視する場合には、注視している最前の人物を上記の利用者11,29として、サイネージ1,20が上記の動作をする。
【符号の説明】
【0194】
1 サイネージ自販機
2 表示画面
3 カメラ
4 操作部
5 現金投入口
6 カードタッチ部
7 釣銭取り出し口
8 商品取り出し口
9,10 スピーカ
11 利用者
11a 視線
20 広告表示板
21 表示画面
22 カメラ
23,24 スピーカ
25 制御部
26 店舗のレジ
27 壁
28 レジ係
29 利用者
29a 視線
30 注目度計測部
31 撮像部
32 人物位置計測部
33 視線方向計測部
34 注視位置情報算出部
35 空間情報記録部
36 注視度算出部
37 集計部
38 入力部
39 出力制御部
40 出力部
41 表示フィードバック部
42 表示装置
43 表示集計部
44 スピーカ部
45 端末記憶部
46 端末制御部
47 履歴DBサーバ
48 端末通信部
49 電源部
50 操作フィードバック部
51 タッチパネル部
52 操作集計部
53 個人認証部
54 利用者集計部
55 決済処理部
56 購入集計部
57 商品搬送部
58 商品保管部
60 什器/自販機
61 広告/販売機61
62 遠方エリア
63 接近エリア
64 近接エリア
65 購入エリア
66a〜66e 歩行経路
70a〜70c 商品一覧画面
71,71a〜71d,71x,71x1〜71x5 商品の画像
72 推奨コメント
73,73a,73b 注視領域
74 購入情報欄
75 メッセージ欄
76 カート
76a 商品表示欄
76b 購入料金表示欄
76c 「会計へ」ボタン
77 「削除」ボタン
78 購入確認画面
79 購入金額表示エリア
80 支払方法紹介エリア
81 「現金」ボタン
81b 「ICカード」ボタン
81c 「携帯電話」ボタン
82 「中止する」ボタン
83 購入商品ランキング画面
84 商品ランキング表示欄
85 ポイント
86 商品の画像
87 「終了する」ボタン
90 広告画面
91a,91b 商品一覧画面
92 商品キーワード
93 関連商品画面
94 「一覧に戻る」ボタン
100 商品一覧画面
101,101a1〜101a3 商品の画像
101b1〜101b3,101c1〜101c3 商品の画像
101a〜101g 注視領域内の商品の画像
102 注視点
103a,103b,104 選択商品画面
105 商品名
106 関連情報
110a 商品カテゴリ選択画面
110b 商品成分選択画面
110c 商品価格選択画面
111a1〜111a3 カテゴリのキーワード
111b1〜111b3 成分のキーワード
111c1〜111c3 価格のキーワード
120a,120b,130a,130b 商品一覧画面
140,150,160 商品一覧画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報を格納した商品情報記録部と、商品の画像を表わす商品画面を表示画面に表示する表示部と、該商品画面を利用する利用者を撮影する撮像部と、該撮像部で撮影された該利用者の画像から該利用者の視線方向を検出する視線方向計測部と、該表示部に対する該利用者の位置を計測する利用者位置計測部と、該利用者による該商品画面での該商品画像に対する注視度を算出する注視度算出部とを備えた装置を用い、
該利用者位置計測部によって所定の領域内の利用者を検出されると、該視線方向計測部により、該利用者の該表示画面への視線方向を検出し、
該利用者の位置と該視線方向とから該利用者の該表示画面に表示される該商品画面での該商品の画像に対する注視度を算出し、
該表示画面のうちの注視度の高い該商品の画像が含まれる注視領域を特定して、該注視領域に含まれる商品の画像を強調表示し、
該利用者の該商品の画像に対する注視度と強調表示した該注視領域に含まれる該商品の画像とにより、該商品の画像に該当する商品毎の注視度を算出し、該商品情報記録部に記録する
ことを特徴とする商品選択支援方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記強調表示は、前記注視度が高い前記商品の画像の前記表示画面での中央領域での表示、拡大表示、または、前記商品の画像の近傍での当該商品の詳細情報の表示である
ことを特徴とする商品選択支援方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記強調表示は、前記注視度が高い前記商品の画像の拡大表示であって、
拡大表示された前記商品の画像に対する前記利用者の視線方向と前記利用者の位置とを検出して、拡大表示された前記商品の画像に対する利用者の注視度を算出し、
前記商品の画像を拡大表示中の前記表示画面のうち注視度の高い前記商品の画像を含む前記注視領域を特定し、前記注視領域に含まれる前記商品の画像をさらに拡大表示する。
ことを特徴とする商品選択支援方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記強調表示は、前記注視度が高い前記商品の画像での当該商品の詳細情報の表示であって、
表示された該詳細情報のうち特定の詳細情報が選択されると、該選択された詳細情報に該当する商品情報を検索して、該表示部に選択可能に表示する
ことを特徴とする商品選択支援方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記表示画面には、タッチパネルが設けられ、
前記商品画面に表示される前記商品の画像がタッチ操作されることにより、該タッチ操作された前記商品の画像に該当する商品の購入決定処理を行なう
ことを特徴とする商品選択支援方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記商品画面は、複数の前記商品の画像をスクロール表示し、
前記利用者が前記サイネージに対する所定の領域内に検出されると、前記利用者の位置と前記利用者の視線方向とから、スクロール表示する前記商品画面での前記商品の画像に対する前記利用者の注視度を算出し、
スクロール表示する前記商品画面での前記商品の画像のうち、注視度の高い前記商品の画像を前記商品画面の中心に停止して表示する
ことを特徴とする商品選択支援方法。
【請求項7】
請求項1において、
前記商品情報記録部には、前記各商品毎の注視度及び各商品の販売履歴が記録され、
商品の注視度及び販売実績のランキングを前記表示部で表示可能とする
ことを特徴とする商品選択支援方法。
【請求項8】
請求項1において、
前記商品情報記録部には、前記詳細情報の選択履歴が記録され、
選択された詳細情報のランキングを前記表示部で表示可能とする
ことを特徴とする商品選択支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−22589(P2012−22589A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161214(P2010−161214)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】